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群大病院、改善策なく手術再開…8人死亡の2009年度

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 群馬大学病院の手術死問題で、第三者からなる調査委員会の調査により、旧第二外科の同じ男性医師が手がけた肝臓や 膵臓の手術で2009年度だけで計8人の死亡が相次いでいたことがわかった。死亡例が多いため手術は一時中断されたが、有効な改善策が取られないまま漫然と再 開された。09年度より後には10人以上が死亡しており、調査委は「適切な対応をしていれば、その後の死亡の続発は防げた可能性がある」と指摘している。
 調査委は昨年8月から計35回にわたり会合を開き、遺族や病院関係者の聞き取りなどを中心に調査してきた。個別の死亡例の医学的な検証は日本外科学会に委託。一連の調査結果を報告書にまとめ、あす30日公表する予定だ。
 調査結果によると、09年4月以降の1年間に肝臓の開腹手術を受けた患者5人、膵臓などの手術では3人が死亡。群馬大病院ではこの年度、予定された消化 器外科手術を受けた患者の死亡は、問題の男性医師が手がけた8例だけだった。男性医師は07年4月に群馬大病院に赴任したが、2年後の09年春、先輩医師 が別の病院に移り、手術を主導する立場になっていた。男性医師の執刀した手術後には07~14年で計30人が死亡している。多くの手術で、記録上は男性医 師の上司である教授の名前があったが、実際には参加していないこともあり、不適切とする指摘もあった。教授は日本肝胆膵外科学会の高度技能指導医の資格を 12年に取得していたが、技量が伴っていなかった可能性がある。 腹腔鏡手術を巡っては、導入した10年から1年間の保険適用外も含めた肝切除手術の成績を教授が論文にまとめて発表していたが、発表内容が事実と異なっているとの指摘もされている。

大阪府立2病院、4診療科で「裏口座」に1280万円…内部調査で新たに判明

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 大阪府立急性期・総合医療センター(大阪市住吉区)と府立母子保健総合医療センター(和泉市)の4診療科で、産科や小児科の救急医療を充実させるために自治体から振り込まれた協力金約1280万円を、幹部名義などの四つの「裏口座」にプールしていたことがわかった。運営する地方独立行政法人・府立病院機構は「不適切な会計処理だった」として関係職員を処分する方針。
 今年3月、急性期・総合医療センターの救急診療科で、自治体から支払 われた救急救命士への指導料が、病院会計外の四つの個人口座にプールされていることが発覚。同機構が調べたところ、入金された約6800万円のうち約 910万円が、職員の懇親会費などに流用されており、院長(当時)らを懲戒処分にした。その後、運営する5病院で、同じような事例がないか調査していた。
 関係者によると、今回、急性期・総合医療センターの産婦人科、小児科と、母子保健総合医療センターの産科、新生児科で、新たに会計外の口座が四つ見つかった。
 口座は各科の担当部長名や診療科名で開設され、確認できた過去10年分で、急性期・総合医療センターは約470万円、母子保健総合医療センターは約810万円の入金があった。
 原資は、府と大阪、堺両市が2001年度に創設した「周産期緊急医療体制確保事業」で支払われた協力金。妊婦や新生児の救急搬送の受け入れ実績に応じ、府と両市から、府医師会を通じて口座に振り込まれていた。
 支出は部長判断で行われていたが、医療機器の購入など診療科の運営経費に充てられ、私的流用や飲食などの不適正支出はなかったとしている。同機構は今後、病院会計で管理するよう改める。
 急性期・総合医療センターは府内有数の基幹総合病院。母子保健総合医療センターは周産期や小児の高度な専門医療を行っている。

子宮頸がんワクチン被害63人、国・企業相手に一斉提訴

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 子宮 頸がんワクチンの副作用で痛みや運動障害などの症状が出たとして、23都道府県に住む15~22歳の女性63人が27日、国と製薬企業2社を相手取り、1人1500万円の慰謝料などを求める訴訟を東京、大阪、名古屋、福岡の4地裁に起こした。
 同ワクチンを巡る集団訴訟は初めて。訴訟では接種と症状との因果関係や、接種を勧めた国の責任の有無などが争点になるとみられる。
 2009年に発売された同ワクチンは、国が10年から接種費用の補助 事業を開始。13年4月に定期接種となったが、接種後に痛みなどの症状を訴える女性が相次ぎ、国は同6月から接種の積極勧奨を中止した。接種を受けた約 340万人のうち、今年4月までに、2945人について副作用が報告されている。
 原告側は、〈1〉ワクチンの成分が免疫異常を起こして症状が出た〈2〉がん予防の効果は証明されていない――などと主張。国が製造販売を承認し、接種を勧めたことは違法だとして、製薬企業には製造物責任を問うとしている。
 厚生労働省は「コメントは差し控える」とし、製薬企業のグラクソ・スミスクラインとMSDは「ワクチンは世界各国で承認されており、接種の利益はリスクを上回る」としている。

群大病院で父死亡「手術は必要だったか」疑念の手紙、執刀医に書いたが…

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 群馬大学病院の手術死問題は、第三者の調査委員会による報告書が今月中にもまとまる見通しだ。それを前に、遺族で唯一メディアに顔を出して真相究明を訴える女性(40)が読売新聞の取材に応じた。
 調査委の委託を受け日本外科学会が行った医学的検証で、60歳代だった父の手術実施の判断に疑問が呈されたことに対し、女性は「やはりそうか」と長年抱えていた疑念を語った。
 「手術を受けさせなければよかったと、当時からずっと後悔してきました」
 女性の父は、死亡が相次いだ旧第二外科で肝臓の手術を受け亡くなった。最期の日々を思い起こすと、胸が締め付けられる。
 肝臓がんだった父は2009年3月、がん細胞に栄養を送る血管を塞ぐ 治療を受けた。2週間後、手術することになったと聞いた。「前の治療をしたばかりなのに?」。負担の大きい治療から間もない手術の決定に不安を覚えた。止 めようとしたが、父の思いは固かった。「切除すれば10年生きられる」という病院側の説明が決め手だった。
 翌月の手術後は腹水がたまり、呼吸困難に陥った。重症筋無力症の持病 があった父は、薬の使い方も慎重になる必要があったが、投薬の適切さを疑う出来事も起きた。元々、同病院の神経内科医にもかかっていただけに、家族は「他 の科の先生にも診せて」と懇願したが取り合ってもらえず、手術の60日後に亡くなった。
 四十九日が過ぎ、女性は執刀医に手紙を書いた。すぐ手術は必要だったのか、投薬に問題はなかったのか――。返事はなかった。
 同学会は、旧第一外科も含めた消化器外科手術の死亡50例を検証し た。約半数で手術実施の判断に疑問が呈され、女性の父も、血管を塞ぐ治療から2週間での手術決定は性急で「標準治療と言えない」と指摘されたことが読売新 聞の取材で判明。投薬と持病悪化の関連性や他科との連携の遅れにも言及があり、女性が抱いた疑念と重なっていた。
 「おかしいと思っていた。こんな形で父を亡くし、本当に悔しい」。女性は先月結成した遺族会に加わり、「病院のあり方を追及し、この問題を教訓にして、改善されるよう求めたい」と、思いを新たにしている。

無許可で医師、看護師が宿直勤務…県立病院が労基法違反

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 埼玉県病院局は25日、県立循環器・呼吸器病センター(熊谷市)で、労働基準監督署の許可がないまま、医師や看護師の宿直勤務が行われていると発表した。人員不足が原因で、労働基準法違反の状態が続いている。
 労基法では、夜間の宿直や休日の日直勤務を行う際は、労基署の許可が必要と定めている。宿日直勤務の職員は、病室の巡回などの軽度な業務しか従事できない。
 同センターは1994年5月の開院当初に許可を得たものの、許可書を 紛失。2014年2月に再申請したが、熊谷労基署が不許可とした。理由として、医師や看護師が足りず、通常勤務と宿日直勤務の境目が不明確で、心臓へのカ テーテル治療などの高度な医療行為を宿日直職員が常態的に行っていると指摘された。
 同局は「許可がないのは好ましい状況ではないが、医療サービスの質は低下させない。許可を受けられるよう、勤務条件の整備や、医師の増員に努めたい」としている。
 同様の労基法違反が千葉県の6病院で今月判明したことを受け、同局が県立4病院の状況を調べた。

子供が歯磨き中に転倒、歯ブラシがのどに刺さる事故相次ぐ

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 子供が歯磨き中に転倒し、歯ブラシがのどに刺さる事故が相次いでいるとして、東京都は25日、専門家や業界団体が参加する協議会を開き、年度内に安全対策をまとめることを決めた。
 都によると、東京消防庁が2011年以降、歯ブラシがのどに刺さるなどして5歳以下の子供を救急搬送した事例は217件に上った。また、消費者庁が医療機関から収集した事故情報などでも11年以降、同様の事故が120件あり、うち25件は入院が必要だった。

児童養護施設の給食で12人食中毒症状…ノロウイルス検出「夏でも予防を」

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 鹿児島県は25日、曽於市末吉町上町の児童養護施設「慈光園」で給食を食べた入所者の男女12人(5~18歳)が 嘔吐や下痢などの症状を訴え、うち9人と調理員からノロウイルスが検出されたと発表した。
 全員快方に向かっているという。県は食中毒と断定し、26、27日の2日間、給食施設に対し、業務停止命令を出した。
 県生活衛生課によると、園内で給食を食べた子どもと職員計50人のうち、幼稚園児~高校生の12人が21日夜から22日午前にかけて症状を訴えた。発症時期などから20日に提供された給食が原因とみられる。
 同課は「ノロウイルスによる食中毒は冬場に多いが、夏でも起こる。調理前の手洗いなど、予防法を講じてほしい」と呼びかけている。

高齢者介護施設で集団感染…81人症状、RSウイルスか

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 宮崎市は25日、市内の高齢者介護施設2か所で、呼吸器疾患を引き起 こすRSウイルスが原因とみられる集団感染が発生したと発表した。69~101歳の入所者計81人が発熱などの症状を訴え、うち9人が肺炎で入院した。い ずれも快方に向かっているという。RSウイルスとみられる集団感染は市内で初めて。
 市健康支援課によると、両施設の入所者は3日から24日にかけて発熱やせきなどを発症。両施設から5人ずつ検体を採取し、県衛生環境研究所で検査したところ、計4人からウイルスが検出された。市は、両施設が数十キロ離れていることなどから関連はないとみている。
 RSウイルスは乳幼児や免疫力が衰えた高齢者が感染しやすい。風邪に似た症状を起こし、重症化することもある。特効薬はなく、治療は対症療法が中心になるという。

抗てんかん薬を多量投与、女性死亡…東京女子医大病院

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 東京女子医科大病院(東京都新宿区)で2014年、脳腫瘍の女性が添付文書の記載を上回る量の抗てんかん薬を投与され、重い皮膚障害を発症後に死亡していたことが遺族への取材でわかった。
 病院からの依頼を受けて調査した社団法人「日本医療安全調査機構」は、薬の副作用が死亡につながったとし、「標準的な治療とは言えず、リスクを患者側に十分説明すべきだった」と指摘している。

老人ホームで男女33人食中毒…ウェルシュ菌検出

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 熊本県は25日、宇城市松橋町南豊崎の有料老人ホーム「愛話園」で、入居者や施設職員ら男女33人(20~100歳代)が 嘔吐や下痢などの症状を訴え、一部の便から食中毒を起こすウェルシュ菌を検出したと発表した。全員快方に向かっているという。
 県健康危機管理課によると、33人は18日、施設で調理した昼食を食べ、4~36時間後に症状を訴えた。県は、患者が共通して食べたのは施設の食事だけだったことなどから食中毒と断定した。

新型出生前検査3万人超す…染色体病気の胎児417人、9割が人工中絶

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 妊婦の血液検査で、ダウン症など胎児が持つ病気の可能性を調べる新型出生前検査について、実施する病院で作る共同研究組織は、2013年4月の開始から今年3月までの3年間に3万615人が検査を受けたことを明らかにした。
 同組織によると、染色体の病気が疑われる「陽性」と判定された人は 547人。その後、458人が羊水検査などを受け、417人が胎児が染色体の病気であると確定した。そのうち約9割の394人が人工妊娠中絶をした。新型 検査は、妊婦の血液に含まれる微量の胎児のDNAを分析し、ダウン症(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーの三つの染色体の病気の可能性を 調べる。主に35歳以上の妊婦が対象で、臨床研究として行われている。
 当初は15施設だった実施病院は7月現在、71施設に増えた。同組織の関沢明彦・昭和大学教授は「遺伝カウンセリングなどの検査体制は整いつつある。臨床研究として行っている検査のあり方を検討していく必要がある」と話している。

月数百万円の免疫治療薬「オプジーボ」投与後に別の薬、患者3人が死亡

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 厚生労働省は22日、肺がん治療に使われる新しい免疫治療薬「オプジーボ」を投与した後、イレッサやタグリッソなどのタイプの分子標的薬を投与した8人で重い間質性肺炎が起こり、うち3人が死亡したと発表した。
 日本医師会などに、患者の容体に注意しながら、副作用情報の収集に協力するよう文書で求めた。

遺伝子検査ビジネス、科学的根拠ない判定も…厚労省が根拠明確化要請へ

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 厚生労働省は今年度にも、病気のかかりやすさや太りやすさなどを判定する遺伝子検査ビジネスのルール作りを始めることを決めた。
 科学的な根拠の明確化や、判定結果のとらえ方を専門家に相談できる体制作りなどを業者に求める。政府の有識者会議が22日にまとめた報告書案に盛り込まれた。
 同ビジネスは、病気予防や健康作りに生かせると期待される。その一方、判定が科学的根拠に基づいていない業者もある。
 厚労省は、判定方法や結果の伝え方を実態調査した上で、科学的根拠に基づく検査の仕方や、利用者がカウンセラーに検査結果の受け止め方を相談できるルールを定める。
 業界団体は一定の基準を満たした業者を認定しているが、厚労省は悪質な業者を減らす対策も進める。
 遺伝情報が業者間で使い回され、就職活動や保険契約、結婚などで差別や不当な扱いを受ける恐れもある。このため厚労省は、遺伝情報が社会に広がることについての国民の意識を調べ、必要に応じて差別などを禁じる方策も検討する。

千葉県がんセンター、手術中に機器操作ミス

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 千葉県がんセンター(千葉市中央区)は21日、食道がん患者の手術中に止血用の機器の操作に誤りがあったと発表した。
 看護師の不慣れが原因で、機器による止血がうまくいかず、医師が別の手法で止血して手術は成功した。同センターは将来的に重大な事故につながる可能性があるとして、県に医療事故として報告した。
 発表によると、同センターは昨年12月中旬、県内の60歳代男性の食道を摘出した。手術中、 脾臓から出血があり、電気メスを使って止血することにした。しかし、看護師が電気メスを機器に接続した際、誤って別の差し込み口に接続した。この結果、医師が 止血を数回試みたが、思うような効果が出ず、結局、圧迫などで止血した。機器の使用開始から約2時間後、差し込み口が誤っていたことに病院スタッフが気付 き、この間、約2リットルの出血があった。ただ、同センターは「機器は複数の止血手段の一つで、患者の経過に影響はなかった」としている。
 男性は今年1月中旬に退院し、経過は順調だという。同センターは看護師らの研修を実施し、再発防止に取り組んでいる。

新免疫治療薬「オプジーボ」で副作用、1人死亡

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 肺がんなどの治療に使われる新しい免疫治療薬「オプジーボ」について、製造販売する「小野薬品工業」(大阪市)は19日、自由診療の免疫療法と併用した患者で6人に重い副作用があり、うち60歳代の男性1人が死亡したと発表した。
 同社は「オプジーボは単独投与での安全性で承認された薬。十分な知識・経験を持つ医師が適切に判断して投与してほしい」と呼びかけている。
 日本臨床腫瘍学会も13日、患者向けに適切な医療機関で治療を受けるよう声明を出していた。

「治療ミスで後遺症」…1億2000万円賠償、病院側に支払い命令

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  藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)で食道がんの手術を受けた際、医 師が適切にビタミンB1を投与せず、運動障害などの後遺症が残ったとして、同県知多市の男性(60)が病院を運営する藤田学園らに約1億6600万円の損 害賠償を求めた訴訟の判決が15日、名古屋地裁であり、朝日貴浩裁判長は約1億2000万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
 判決によると、男性は2009年7月に食道がんの手術を受けた後、め まいや意識障害などの症状を訴え、8月にビタミンB1の欠乏で生じる「ウェルニッケ脳症」と診断された。医師が縫合不全を疑い、男性は手術後絶食を指示さ れ、輸液で栄養を摂取していたが、同病院は1か月余りビタミンB1を投与しなかった。男性は退院後も症状が進行。歩行が困難となり、日常生活のほとんどに 介助が必要となった。
 同学園は、脳症の診断後にビタミンB1を大量投与し、退院までに症状は改善したと主張したが、判決では、「男性がめまいなどの症状を訴えた後すみやかに投与せず、後遺症が残った」とし、原告の請求を認めた。
 同学園は「判決内容を検討した上で、今後の対応を考えたい」とした。

河村市長の和解拒否で決裂、日立が倍以上請求…名古屋がん治療施設訴訟

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 名古屋市の陽子線がん治療施設の整備を巡り、日立製作所が同市を相手取った訴訟が名古屋地裁で14日、始まった。
 事業を一時ストップさせた河村たかし市長のトップダウンの判断は、3億8000万円を請求される訴訟に発展した。副市長が解任される一因ともなり、市政への影響が広がっている。
 この日、河村市長は報道陣に対し「工事を止めた判断は妥当だった」と 強調した。2009年4月に初当選した河村市長は治療効果に疑問があるとして同年9月、契約済みだった整備計画を一時凍結。討論会などを経て、翌10年1 月、「がん患者さんの期待は大きい」などと凍結を解除し、3月に工事は再開された。
 市側の都合で工期が遅れたために、日立は契約に基づいて、人件費や工法の変更に伴う費用約4億8600万円を市に請求した。施設は13年から稼働している。
 市長は支払いに応じず、14年4月以降、裁判外紛争解決手続き(ADR)に入った。請求額を1億5300万円まで減らす和解案が示されたが、市長が「市民の理解を得られない」と拒否して決裂し、和解案の倍以上を請求される裁判となった。
 関係者によると、5月に解任された前副市長で弁護士の岩城正光氏は、和解案を受け入れるよう市長を説得したことが解任につながった一因という。副市長は現在1人で、来春の市長選まで空席となる見通しで市政への影響は大きい。
 岩城氏は6月の自民市議の市政報告会で「昨年から和解案を受け入れるよう河村市長を説得したが、応じてもらえなかった。自らの判断で生じた(費用が増加したことの)責任を取っていない」と市長を批判した。
 訴訟に発展したことについて、「長期化が懸念される。和解案をのんで おくべきだった」(公明市議団幹部)や「市長の判断で行った費用負担であり、市長自らが支払うべきだ」(自民市議団幹部)、「今後の訴訟の展開で市民の河 村市政への批判が高まる可能性もある」(民進県連幹部)などの声が出ている。
 一方、河村市長は14日、「中止で本当に何億円も発生するのか。合理性があるのかチェックしないといけない」と話した。

歯科医院の診療報酬不正請求、2整骨院患者の保険証データ転用

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 大阪市浪速区の歯科医院の診療報酬不正請求事件で、医療法人の理事長(45)(逮捕)らが、少なくとも大阪府東大阪市など二つの整骨院の患者の保険証データを転用して、架空請求していたことが捜査関係者への取材でわかった。
 整骨院は、府警元巡査部長の会社経営者(56)(同)の知人の男 (34)(詐欺容疑で指名手配中)が経営。府警は、男が患者情報を歯科医院側に渡したとみており、14日には男が経営する同市内の別の整骨院も詐欺容疑で 捜索。押収資料を分析し、不正請求の実態解明を進める。
 府警によると、事件では、理事長らが昨年7月から閉院する同年9月までに、少なくとも患者約100人分の診療報酬約360万円を受給していたとされる。うち数十人は整骨院の患者で、中には一度も歯科医院に通院したことがない人も含まれていたという。

賃金未払いで病院捜索…看護師ら100人分2000万円

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 医療法人常磐会(大阪市大正区)が運営する「ときわ病院」(同)が看護師や事務員ら約100人に給与計約2000万円を支払わなかったとして、大阪労働局と大阪西労働基準監督署は13日、最低賃金法違反と労働基準法違反の両容疑で同病院を捜索した。
 同労働局は押収した資料を分析し、病院運営の実態を調べる方針。
 関係者によると、同病院は経営悪化のため、昨年12月に入院患者の受け入れを停止。離職した看護師や事務員らに対し、昨年11月分の給与を支払わなかっ た疑いが持たれている。同労基署はこれまで、給与を払うよう指導してきたが、同病院は応じなかったという。
 読売新聞の取材に、同病院の職員は「院長が不在で対応できない」と話した。
 同病院は内科や整形外科などの診療を行っており、現在、外来患者の診療は続けている。

「腰痛予防のため」市施設を仕切り、職員ら私的筋トレ室自作…処分検討

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 奈良市左京の市環境清美センターで、職員らが車庫棟の一角に仕切りを設けて“トレーニングルーム"を造っていたことが分かった。
 仲川元庸市長が12日の定例記者会見で明らかにした。職員は「仕事での腰痛予防のために使っていた」などとしているが、建築基準法や消防法に抵触する可能性もあり、市は自主的な撤去を求めるとともに、関係職員の処分も検討している。
 車庫棟は鉄骨造5階建て延べ約8200平方メートルで、1990年建 設。“ルーム"は約10年前に造ったといい、4階の南端約90平方メートルをベニヤ板やふすまで仕切り、ベンチやバーベル、ダンベルなどを持ち込み、空調 機も3台設置。バイクの整備工具などの私物も置いていた。約10人の職員が勤務後、利用していたという。
 市は今年度から職場環境の改善に取り組んでおり、その中で問題となった。5月以降、抜き打ちで20回以上立ち入り調査した際には、勤務時間中の利用は確認されなかった。
 この日は内部が報道関係者に公開される予定だったが、職員側は「当時の部長の許可を得たと聞いている。マスコミに公開したら、意図とは異なった書かれ方をする」として鍵の提供を拒否。7月末までに撤去する意向を示しているという。
 ほかにも車庫棟では、ナンバープレートのない車など10台が放置されており、市は所有者を調べている。
 同センターでは5月以降、職員ら5人が回収した空き缶や自転車を盗んだなどとして窃盗容疑などで逮捕されており、仲川市長は「ゆるい管理体制で、人事行政に問題があった。業務の外部委託を進め、当たり前のことを当たり前にしていきたい」と語った。

診療報酬不正請求、元タレントの女医に有罪判決

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 診療報酬の不正請求事件で、詐欺罪に問われた元タレントで医師の脇坂英理子被告(37)に対し、東京地裁は12日、懲役3年、執行猶予4年(求刑・懲役3年)の判決を言い渡した。
 林直弘裁判官は「虚偽のカルテやレセプトを作成するなど中心的な役割を果たし、分け前として詐取した金の5割を得ていた。刑事責任は相当に重い」と述べた。
 判決によると、脇坂被告は2012~14年、会社役員の早川和男被告(39)(詐欺罪で公判中)らと共謀し、経営していた美容内科などのクリニック(閉院)で患者の治療回数を水増しするなどし、診療報酬約155万円をだまし取った。

子宮頸がんワクチン被害64人が提訴へ…今月27日、国と2社に賠償請求

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 子宮 頸がんワクチンの接種後に体の痛みや運動障害などの重い症状が出たとして、全国の15~22歳の女性64人が、国と製薬企業2社に損害賠償を求める集団訴訟を今月27日、東京など4地裁で起こす。
 原告弁護団が12日、記者会見を開いて明らかにした。
 原告1人当たりの請求額は精神的苦痛の慰謝料1500万円に、治療や介護などの費用を加える予定。各地裁の原告数は東京28人、大阪16人、福岡14人、名古屋6人で、今後、追加提訴も検討する。
 弁護団は、接種後の副作用の報告(10万回当たり約30件)が他のワ クチンより多く、ワクチンに含まれる成分が体内で免疫異常などを引き起こしたことが原因だと主張。子宮頸がんの原因となるウイルス感染の5割程度しか防げ ないなど効果は低く、「ワクチン接種の危険性を上回る有効性はない」とする。
 海外でも副作用の報告があったのに、国は2009~11年に2種類のワクチンの製造販売を承認し、10年以降は、補助事業や定期接種で被害を拡大した責任があるとしている。危険性の高いワクチンを販売した製薬企業の責任も問う方針。
 厚生労働省によると、同ワクチンの接種者は約339万人。このうち 2945人について、今年4月末までに頭痛や筋力低下、記憶障害などの副作用の報告があった。同省は、症状の原因はワクチンの成分ではなく、接種時の強い 痛みや不安をきっかけに体が反応したものという見解。ワクチン導入で、子宮頸がんの死者数が5600~3600人減るとの推計を出し、効果は十分としてい る。
 世界保健機関(WHO)の専門家委員会は、症状が同ワクチンの接種の有無とほとんど関係なく起きているという研究結果を踏まえ、接種のリスクは小さいとし、「薄弱な根拠で安全で有効なワクチンを使わないことは実害をもたらす」と声明を出している。 
         ◇
子宮頸がんワクチン  2009年に発売されたグラクソ・スミスクライン社の「サーバリックス」と、11年発売のMSD社の「ガーダシル」がある。定期予防接種の対象は小6~ 高1の女子。国は10年11月に接種費用の補助事業を始め、13年4月には定期接種としたが、被害の訴えが相次いだ同年6月、積極勧奨を中止した。厚労省 によると、子宮頸がんは年間約1万人が発症し、約2700人が死亡している。

カネボウ美白化粧品で「肌に白斑」、4人と和解成立

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 カネボウ化粧品(東京)の美白化粧品で肌に白斑ができたとして、被害者らが製造物責任法に基づき同社に損害賠償を求めた集団訴訟で、広島県内の40~50歳代の女性4人と同社の和解が12日、広島地裁で成立した。
 原告弁護団などによると、集団訴訟は全国15地裁・支部で起こされており、和解成立が明らかになるのは初めて。
 訴状によると、4人は2011~13年に美白成分入りの化粧品を使用 し、顔などがまだらに白くなったとして1人あたり2500万~4300万円の慰謝料を求めて14年に提訴。同社側は「症状改善が期待され、白斑が永続的に 残るかどうかはわからない」として争う姿勢を示していた。
 和解金額などは公表されていない。同社は「個別の案件には答えられない」としている。
 原告の1人は弁護団を通じて「これで苦しみが終わったわけではない。(同社は)治療方法の確立や再発の防止に尽力してほしい」とのコメントを出した。

酒気帯び運転で医師逮捕…患者が危篤と連絡受け、病院に向かう途中に

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 長崎県警対馬南署は9日、長崎県対馬病院の医師の男(59)(対馬市厳原町)を道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕した。
 発表によると、男は同日午前2時10分頃、対馬市厳原町の国道382号で、酒気を帯びて軽乗用車を運転した疑い。検問で停止しなかったため、パトカーで追走。飲酒検知をしたところ、基準値を超えるアルコール分が検出された。
 同病院を運営する一部事務組合・県病院企業団によると、男は受け持ち の患者が危篤になったとの連絡を受け、約10キロ離れた宿舎から車で病院に向かっていた。対馬で放射線治療ができる唯一の医師といい、県庁で記者会見した 同企業団の白川誠・総務部長は「離島で放射線治療ができなくなると、患者の負担が大きくなる」と険しい表情で語った。

22人が結核感染、60代患者死亡…北九州の病院

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 北九州市は8日、同市小倉北区の病院の入院患者や職員ら男女22人(20~70歳代)が結核に集団感染し、うち60歳代男性の入院患者1人が死亡したと発表した。
 男性は入院中の3月に結核と診断され、4月に死亡した。男性と同室だった70歳代男性も、5月に診断された。さらに、2人に接触した入院患者らを診察したところ、5人が発病し、15人が感染していることが判明した。
 60~70歳代の男性3人が現在、専門病院に入院しているという。

歯科医院の診療報酬不正、逮捕者13人に

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 大阪市浪速区の歯科医院の診療報酬不正請求事件で、大阪府警は9日、大阪市東淀川区豊新の建設作業員(40)を詐欺容疑で逮捕した。別の詐欺容疑でも新たに1人を逮捕し、逮捕者は計13人になった。
 発表では、大田容疑者は、医療法人理事長(45)(6月27日に逮捕)と共謀。2014年11~12月、賀川容疑者が経営する歯科医院で、女性を診察したとする虚偽のレセプトを作成し、計約1万6000円を詐取した疑い。

群大病院で頸椎手術ミス…人工呼吸器必要な状態

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 群馬大学病院(前橋市)は8日、整形外科で昨年11月下旬、群馬県内の50歳代の男性に行った 頸椎を固定する手術で、器具を誤った場所に挿入する医療事故があったと発表した。すぐに再手術したが、男性は右の腕と足をほとんど動かせず、人工呼吸器が 必要な状態という。
 同病院によると、男性は頸椎が変形して神経を圧迫する進行性の病気のため、歩行が困難になるほどの重症だった。4本の ねじ状の金属製器具で、ぐらついている骨を固定し、神経への圧迫を軽減させる手術を受けたが、一部の器具が神経の束がある脊柱管内に誤って入ってしまった という。外部の専門医を含む事故調査委員会が調べたところ、難易度の高い手術にもかかわらず、器具の挿入位置を確認するための準備が不足していたことが分 かった。

国民宿舎の打たせ湯からレジオネラ菌…施設利用休止に

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 長崎県雲仙市は7日、市が運営する同市小浜町の「国民宿舎望洋荘」の打たせ湯から、国の基準値を超えるレジオネラ菌が検出されたと発表した。
 健康被害などの報告はなく、安全性が確認されるまで入浴施設の利用を休止する。市によると、6月の自主検査で、男湯は基準値の7倍、女湯は同4倍の菌を検出。同施設では昨年4月にも、浴槽などから基準値を超えるレジオネラ菌が検出された。

C型肝炎治療薬「ヴィキラックス」で急性腎不全恐れ…厚労省が副作用記載指示

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 厚生労働省は5日、C型肝炎治療薬「ヴィキラックス」で急性腎不全を 起こす恐れがあるとして、薬の添付文書の「重大な副作用」に追加記載するよう製造販売元のアッヴィ合同会社に指示した。9人が急性腎不全になり、うち男性 1人が死亡。いずれも元々腎機能が弱いなどの要因はあったが、薬との因果関係も否定できないとされた。
 また、肺が硬くなり呼吸機能が衰える特発性肺線維症の治療薬「オフェブ」では、血小板減少を「重大な副作用」として追加記載するよう日本べーリンガーインゲルハイムに指示した。男性1人が血小板減少による肺出血で死亡した。

京大病院の実験室火災「ヒーター切り忘れ」…研究員が説明

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 京都大医学部付属病院(京都市左京区)で1日に起きた火災で、同病院は2日、火元の実験室にいた40歳代の男性研究員が「実験で使ったヒーターの電源を切り忘れた」と説明していることを明らかにした。
 京都府警は、失火の可能性が高いとみている。
 病院によると、研究員は外部の企業に所属し、京大医学部と共同で新薬 開発を進めていた。1日は、放射性物質を投与した動物の臓器を、ヒーターを入れた水槽に溶かす実験を1人で行っていたが、出火の約10分前、ヒーターを水 槽から取り出して木製の机に置いて退室。その際、電源を入れたままにしていたという。
 府警は、ヒーターの熱が発火につながった可能性があるとみて、爆発に至る経過なども調べている。

子宮頸がんワクチン、厚労省の副作用研究に「疑い」…信州大が調査へ

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 信州大学は、子宮頸がんワクチンの副作用の仕組みなどを研究している厚生労働省研究班代表、池田修一教授(脳神経内科)の発表内容について、学内で調査することを決めた。
 発表は3月16日、厚生労働省内で池田教授が行った。自己免疫疾患を 起こしやすいように遺伝子操作したマウスに子宮頸がんなど3種のワクチンなどを打ったところ、子宮頸がんを打ったマウスだけに脳を攻撃する異常な抗体が出 来た、などと説明した。これに対して今月20日頃、外部の研究者から、「実験を行ったマウスは1匹ではないか」「実験手法やデータに疑いがある」などの指 摘があった。

医療情報システム研究費、2188万円だまし取る…東大元教授に懲役3年判決

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 国の補助金を受けた医療情報システムなどの研究事業を巡り、架空業務を発注して東大などから研究費をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた東大元教授・秋山昌範被告(58)に対し、東京地裁は28日、懲役3年(求刑・懲役5年)の判決を言い渡した。
  稗田雅洋裁判長は「研究者に対する信頼を逆手に取った巧妙な犯行で悪質だ」と述べた。被告側は即日控訴する方針。
 判決によると、秋山被告は2010年3月~11年9月、IT関連会社など6社に業務を発注したように装い、東大と岡山大学から研究費計約2188万円をだまし取った。
 公判で秋山被告側は無罪を主張。しかし、判決は、IT関連会社の代表者らの証言などを踏まえ、「6社は外形上の受注業者となっただけで実際には業務を行っていなかった」と判断した。

毛髪再生、細胞移植で…薄毛治療へ臨床研究

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 東京医科大学や資生堂などは27日、中年以降に薄毛となる脱毛症の患者の、毛髪を再生させる臨床研究を今年から始めると発表した。
 一度細胞を移植することで効果が持続するため、育毛剤のように毎日使用せずに済む利点があるという。研究チームは効果や安全性を確かめたうえで、実用化を目指している。
 研究チームは、「毛球部毛根 鞘細胞」と呼ばれる毛髪の根っこ周辺にある頭皮の細胞が、毛髪を作るもとになっていることに着目。患者の後頭部から、毛髪周辺の頭皮(直径数ミリ)を採 取、毛根鞘細胞だけを取り出して培養によって増やし、患者本人の頭部に移植する計画を立てた。
 臨床研究は男女約60人が対象となる。同大学病院や東邦大学医療センター大橋病院で患者から採取した細胞を、資生堂の施設に移して培養し、その後2病院に戻して患者に移植する。約3年かけて、患者の薄毛が解消されるかなどを確かめる。
 薄毛は毛髪が抜けやすくなっているために起きるとされる。臨床研究では、まず頭の一部に毛根鞘細胞を移植して効果をみる。効果が出れば、薄毛の治療に応用したいとしている。

ジーマミ豆腐でアレルギー…沖縄観光客、呼吸困難などの重症

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 大阪市浪速区の歯科医院が診療報酬を不正請求した疑いが強まったとし て、大阪府警は27日、医院を経営する医療法人の理事長・賀川幸一郎(45)(徳島市)、元府警巡査部長で会社経営・今野作治(56)(大阪府豊中市)両 容疑者ら6人を詐欺容疑で逮捕した。府警は他に6人の逮捕状を取り、行方を追っている。
 発表では、賀川容疑者らは共謀し、浪速区の「賀川歯科医院難波診療室」(昨年9月閉院)で、昨年7、8月に患者4人を治療したとする虚偽のレセプト(診療報酬明細書)を作成、計約14万円を詐取した疑い。府警は賀川容疑者らの認否を明らかにしていない。

ブルガダ症候群で突然死…病院内の連携不足で正確な診断行われず

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 高岡市民病院の診断ミスで富山県高岡市内の男性(当時50歳)が心疾患(ブルガダ症候群)によって突然死した問題で、電子カルテの記載漏れや病院内の連携不足によって、正確な診断に必要だった循環器系の検査が行われていなかったことが分かった。
 市民病院によると、2014年7月上旬、男性が「夜中に意識を失っ た」と訴えて救急外来を受診。診察した医師は心電図に異常な波形を認めたため、中枢神経系と循環器系の検査が必要と診断した。しかし、循環器系の検査が必 要とカルテに記載するのを忘れたため、男性は中枢神経系の検査を受けただけで「異常なし」と診断されて帰宅。同年8月下旬にブルガダ症候群で死亡した。
 男性の遺族らは15年5月、損害賠償を市民病院に請求。市民病院は、循環器系の検査をしていればブルガダ症候群と診断できた可能性があったとして、診断ミスを認めて損害賠償金6000万円を遺族に支払い和解する。
 遠山一喜病院長は「カルテに循環器系の検査の必要性に関する記載があれば、中枢神経系の検査をした医師が、次に循環系の検査を勧めることもできた。カルテ記載の徹底や院内の連携を強化して、再発防止を図りたい」と話している。

ジーマミ豆腐でアレルギー…沖縄観光客、呼吸困難などの重症

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 沖縄県の郷土料理「ジーマミ豆腐」を食べ、ピーナツアレルギーを起こす観光客が相次いでいる。この豆腐料理の原材料がピーナツだとは知らず、アレルギー を発症して緊急受診した観光客は、昨年までの5年半で少なくとも18人。うち6人は呼吸困難などの重症だった。調査した那覇市立病院の医師は、観光客に注 意を呼びかけている。
 2010年4月~15年9月に同病院の救急外来を受診した人のうち、 食事後1時間以内にアレルギーを発症した観光客75人のカルテを解析。原因が特定できた43人中、ピーナツは最多の20人で、18人がジーマミ豆腐を食べ ていた。このうち15人は、自分のピーナツアレルギーを自覚していた。
 「ジーマミ」は沖縄方言でピーナツの意味。調査した同病院小児科の新垣洋平医師は「沖縄県内の他の病院を調べれば、誤って食べたアレルギー患者はもっと多くなるはず。食品アレルギーのある県外の人は注意が必要」と話している。
          ◇
ピーナツアレルギー  特定の食品で、じんましんや 嘔吐などの症状を引き起こす食物アレルギーの一つ。先進国を中心に患者数が増えており、米国では過去10年余りで3倍に急増。日本では、鶏卵、牛乳、小麦に次ぎ患者が多い。

群大手術死問題で遺族会結成…真相究明、病院に要求

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 群馬大学病院の手術死問題で、死亡した患者の遺族会が26日結成され、群馬県高崎市内で初会合が開かれた。
 11遺族が参加の意向を表明。真相究明と、病院の真の再生に向けた継続的な協議などを求める統一要求書を作り、同日付で病院など関係先に送付した。会合後、活動を支援する弁護団と記者会見した遺族は「会の結成が、群大側の 真摯な対応につながるのではないか」と結束の意義を語った。
 11遺族は、日本外科学会の検証対象となった患者50人の遺族のうち9遺族と、対象外の2遺族。当初から問題になっていた旧第二外科だけでなく、旧第一外科の手術後に死亡した患者の遺族も参加した。初会合で、鏡による肝臓手術で父親を亡くした男性と、 膵臓の開腹手術で妹を亡くした男性が、代表に選ばれた。
 会合の後、代表2人と遺族1人が記者会見。「同じ痛みを持つ者が集ま るのは意義深い。再発防止に向けて、私たちも努力したい」と決意を表明した。遺族はこれまでも、死亡例の多くに関わった執刀医と上司の旧第二外科診療科長 (教授)に面会と説明を強く求めているが、実現していない。代表の男性は「群大の連絡や対応が遅く、不安な状態が続いている。早急な対応を求めていきた い」と話した。
 会合では、執刀医や教授の医師免許取り消しなど、行政処分を求める声も多く上がったという。もう一人の代表は「適性が欠けた医師に、これ以上、医療行為を続けてほしくない」と思いを語った。
 要求書では病院に対し、日本外科学会がまとめた医学的検証の公表や、これまでに聞き取りの対象になっていない遺族からの意見聴取なども求めた。また、弁護団は病院から「第三者調査委員会の報告書を7月中に公表する」と通知があったことを明らかにした。

温泉が動脈硬化を予防?…千人超の健診結果を分析

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 日常的に温泉に入浴する人は、動脈硬化につながる脂質異常症(高脂血症)になりにくい可能性があるという調査結果が、早坂信哉・東京都市大学人間科学部教授の研究で得られた。
 早坂教授が5月に開催された日本温泉気候物理医学会の学術集会で発表した。
 早坂教授は、温泉入浴の健康維持効果を検証するため、熱海温泉誌作成実行委員会(内田実代表)の提案と静岡県熱海市の協力を受け、2014年度の同市の特定健診を受けた市民のうち、1092人に調査を行った。
 調査は、〈1〉週に1回以上温泉に入浴する習慣の有無〈2〉性別〈3〉65歳以上と同未満などに分け、健診結果のデータを統計学的に分析した。
 その結果、温泉入浴の習慣のある人はない人に比べ、65歳未満の男性でLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の平均値が低く、65歳以上の女性でHDLコレステロール(善玉コレステロール)の平均値が高かった。
 脂質異常症は、血液中のコレステロールなどの脂質が正常値の範囲内にない状態。放置すると動脈硬化、さらには心筋梗塞や脳梗塞などの恐れもある。
 LDLはコレステロールを全身の組織に運び、それが血管内に放置されると動脈硬化につながるため「悪玉」と呼ばれる。これに対し、HDLは余分なコレステロールを血液中から回収し、動脈硬化を進みにくくする働きがある。
 医学博士で温泉療法専門医の内田代表によると、市民の温泉入浴の健康 への影響を健診データを基に調査しているのは、熱海市独自の取り組みだという。内田代表は「日常的に温泉に入っていると、コレステロールがたまりにくいか もしれないことがわかった。温泉が健康に好影響を与える可能性を示している」と語る。
 早坂教授は昨年、温泉入浴の習慣があると高血圧になりにくい可能性があるとの調査結果を、同市の12年度の特定健診のデータに基づいて発表していた。
 「熱海温泉誌」は同市の市制80周年を記念し、来年4月の発行予定。熱海温泉の歴史などに加え、今回の研究成果も掲載するという。

統合失調症薬「ゼプリオン」使用後85人死亡…原因究明と全患者調査を要望

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 統合失調症治療薬「ゼプリオン」の使用後に死亡した患者が、市販後2年余りで85人に上るとして、患者支援団体のNPO法人地域精神保健福祉機構は21日、厚生労働省に原因究明と使用中の全患者の追跡調査を求める要望書を提出した。
 ゼプリオンは2013年11月発売の注射剤。4週に1度の使用で効果 が続く。死亡報告が続いたため、厚労省は14年4月、販売元のヤンセンファーマ社に医療関係者への注意喚起を求めた。以後も突然死などの報告があり、医薬 品医療機器総合機構(PMDA)に報告された死亡者数は今年2月までに計85人に上るが、ゼプリオンと死亡との因果関係は分かっていない。
 記者会見した地域精神保健福祉機構の島田豊彰専務理事は「同じ成分や類似成分の別の薬よりも、ゼプリオンの死亡報告は明らかに多い。厚労省は販売会社に詳細な調査を求め、原因を早急に明らかにしてほしい」と訴えた。

生活保護制度を悪用、C型肝炎新薬「ソバルディ」詐取容疑で3人逮捕

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 医療費が無料になる生活保護制度を悪用し、C型肝炎の新薬「ソバルディ」約80錠(約500万円相当)をだまし取ったとして、警視庁は21日、神奈川県藤沢市の会社役員(42)ら男女3人を詐欺容疑で逮捕した。
 同庁は、会社役員らが高価なソバルディに目を付け、無料で入手した薬を転売して利益を得ていたとみて解明を進める。
 捜査関係者によると、他に逮捕されたのは、東京都町田市の生活保護受給者の男(48)と、男と同居する無職の女(38)。

奈良県立医科大、遺伝子組み換え大腸菌を違法廃棄…殺菌せず流しに3年間

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 奈良県立医科大(橿原市)は16日、男性講師が2013年から3年間、遺伝子組み換えを行った大腸菌を、殺菌などの処理をしないまま故意に実験室の流しに廃棄していたと発表した。
 菌に毒性や病原性はなく、同大学は「周辺環境への影響はなかった」と説明。今後、講師らを処分する方針。
 同大学によると、講師は13年4月~今年3月の間、月平均1~2回、 神経細胞機能を調べる研究の実験で使った遺伝子組み換え大腸菌の培養液を、流しに廃棄していた。人けの少ない夜などに捨てており、講師は「違法だと自覚し ていたが、忙しく、(殺菌処理の)手間を省いてしまった。私の怠慢だった」と話しているという。
 今年3月、目撃情報があり発覚。文部科学省にも報告した。流しからつながる下水道の配管など学内外の8か所を検査したところ、この菌は検出されず、同大 学は「遺伝子組み換え大腸菌は自然界では生きられない。下水処理場の塩素処理でも死滅するのを確認した」としている。
 遺伝子組み換え生物の使用規制を定めた「カルタヘナ法」では、遺伝子 組み換え生物は高圧滅菌装置などで処理する必要があり、そのまま捨てることは違法行為となる。講師は研究歴約20年で、9年前から同大学に勤務。監督担当 の教授も状況を把握していなかったという。16日に県庁で記者会見した車谷典男・副学長は「関係者を厳正に処分し、外部委員による監査を新たに実施するな ど、再発防止に努める」と謝罪した。

認知症患者に高リスク金融商品購入させる…みずほ証券に3038万円賠償命令

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 認知症にもかかわらずリスクの高い金融商品を購入させられ、損害を受けたとして、東京都内の女性(85)がみずほ証券(東京)などに計約4340万円の 損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は17日、みずほ証券に約3038万円の賠償を命じる判決を言い渡した。
 青木晋裁判長は、「リスクが高く、高度な投資判断能力が求められる金融商品を認知症患者に購入させたのは違法だ」と述べた。
 判決によると、女性は認知症を発症して1人で暮らしていた2008年、同証券の担当者から株価や為替変動を組み合わせた「仕組み債」の購入を勧められ、計約7146万円分を購入。同年のリーマン・ショックによる株価暴落で約4000万円の損失を被った。
 みずほ証券の話「主張が認められず残念。今後については、判決を詳細に検討し、決定する」

群大手術死、遺族会結成へ…真相究明と謝罪、病院再生など求める

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 群馬大学病院の手術死問題で、遺族側の弁護団は16日、死亡した患者の遺族会が結成されると発表した。
 遺族が結束し、真相究明や再発防止策の徹底を求めるのが目的で、今月26日に群馬県高崎市内で初会合を開き、正式に発足する。
 遺族会は、昨年2月に結成された弁護団に独自調査を依頼した8遺族を中心に結成。そのほかの遺族にも参加を呼びかける。
 一連の問題は、第三者の調査委員会が調査中。医学的検証は日本外科学会に委託され、調査委は、今年3月に提出された死亡50例の検証結果を踏まえて報告書の作成を進めているが、完成や公表の時期は未定だ。
 遺族会は、群馬大に対し、死亡例個々の検証結果の開示と説明、事実を認めた上での謝罪、執刀医や上司だった教授からの謝罪と説明などを求めていく。群馬大病院の真の再生も重要課題と位置づけている。
 参加する遺族の男性は「同じ痛みを持つ人同士、真相究明に向け結束したい。活動が医療全体の質の向上につながれば」としている。連絡先は、弁護団事務局長の梶浦明裕弁護士(東京グリーン法律事務所03・5501・3641)。

「データ信頼性に懸念」弘前大学長らの論文、米医師会誌が取り消す

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 弘前大学は15日、佐藤敬学長が米医師会雑誌などに発表した三つの論文がデータの妥当性などの問題から取り消されたと発表した。
 米医師会雑誌の論文は、葉酸などの服用で脳梗塞の患者の骨折を減らせ るという内容で、2005年に発表された。論文の責任者は学長の同僚だった元同大教授。学長は著者の一人として研究のデザイン、データ収集と解析、解釈、 原稿作りを担当したと記載されていたが、同大の聞き取り調査に対して、学長は「英文の校閲などを行ったが、データについては分からない」と答えたという。
 同誌は「データの信頼性に懸念を持たせる科学的な不正行為があり、著者の記載も不適切だった」として、今月3日に論文を取り消した。残り二つの論文も同様の理由で取り消された。

患者の診療画像を「ユーチューブ」に無断投稿…医師を訓告処分

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青森市勝田の青森市民病院で、医師が患者に無断で患者の診療画像などを動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿し、昨年5月に市から訓告の処分を受けていたことがわかった。14日の市議会一般質問で、市議の質問に答える形で市側が認めた。
 質問した共産党の村川みどり市議や市民病院などによると、昨年1月、 動画サイトを見た患者の家族から「うちの家族の患部の画像ではないか」などと病院に問い合わせがあり、事実確認をした結果、同病院の医師による投稿だと発 覚した。医師は投稿を認め、「学術的な研究のため、より見やすい環境にしたかった」などと話したという。
 画像は、患者個人が特定できるものではないが、患者の了承を取っておらず、すでに医師が患者に謝罪したという。同病院の安保明彦事務局長は「再発防止に努めたい」と話した。

過大な診療報酬19億円…千葉県がんセンターが返還へ

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 千葉県がんセンター(千葉市)が診療報酬を不正に請求していた問題で、同センターは14日、2009年10月からの5年間で約19億円(約22万4000件)の過大請求があり、全額を健康保険組合などの保険者に返還すると発表した。
 対象の患者は約3万3000人。医師らの知識不足などが要因で、故意の水増しはなかったとしている。
 発表によると、保険適用外の 腹腔鏡手術を保険適用としたケースが約9500万円(計95件)に上るなど、不正請求の総額は約1億8000万円だった。

乳がん・大腸がん、尿で判定…世界初の技術を開発

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 日立製作所と住友商事グループは14日、尿を調べることで乳がんと大腸がんを見つけられる世界初の技術を開発したと発表した。数年以内の実用化を目指しており、将来的にがん検査の大幅な簡略化につながると期待される。
 発表によると、尿の中にある糖や脂質など1300以上の物質から、がんと判定するために必要な特定物質を約10種類まで絞り込むことに成功。含有量の違いで健常者とがん患者を見分けられるという。
 エックス線検査や血液検査などに比べて手軽なため、検診を受ける人の負担が軽くなる。ただ、特定物質の構造の解析など課題が残されており、早期の実用化に向けて研究を加速する。
 具体的には、検査結果を得るまでに要する日数が現在の「数日以内」から「1日以内」となるよう迅速化を図るほか、がんの進行度合いもわかるようにしたい考えだ。日立製作所は「誰もが簡単にがん検査を受けられるよう技術の確立を急ぐ」としている。

救急隊が出動先を誤り、交通事故現場に到着遅れ…搬送先で男性死亡

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 東京消防庁は13日、蒲田消防署の救急隊が出動先を誤り、交通事故現場への到着が約6分間遅れたと発表した。事故でバスにはねられた男性は搬送先の病院で死亡した。同庁は隊員の勘違いが原因とみている。
 同庁によると、12日午前11時過ぎ、大田区羽田空港の環状8号線のトンネル内でバスが自転車をはねる事故が発生。119番を受け、同署の救急隊が出動したが、誤って約700メートル離れた国道357号のトンネルに行ってしまったという。
 現場には同署のポンプ隊が先着し、心肺停止状態だった自転車の男性(76)の応急処置を実施。遅れて到着した救急隊が男性を病院に搬送したが、まもなく 死亡が確認された。病院の医師は「早期搬送できたとしても救命できる状態ではなかった」と話したという。
 同署の高橋直人署長は「あってはならないことで、再発防止に努める」とコメントしている。

マンモグラフィーで乳がん判別困難例、自治体の7割が伝えず

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 自治体の乳がん検診で行われるマンモグラフィーで乳房のタイプによっては異常が見えにくいにもかかわらず、「異常なし」と受診者に通知されるケースが多いことが分かった。
 読売新聞が主要な131自治体にアンケートした結果、回答の約7割 が、異常が見えにくい乳房のタイプを通知する仕組みがないとした。受診者に、異常が全くないと誤解させる心配がある。専門家は「見えない場合に受診者が超 音波検査などを受けられるよう通知をルール化すべきだ」と指摘している。
 マンモグラフィーでは、がんの疑いがある白い影の有無を医師が判定する。検診結果について国は自治体に「要精密検査」「異常なし」のいずれかで結果を伝えるよう指針で定めている。
 しかし乳腺の密度が濃い「高濃度乳腺」ではマンモグラフィーの画像で乳房全体が白く写り、異常の有無がわかりにくい。判別が困難でも「異常なし」と判定されてしまう。
 読売新聞は、政令指定都市、県庁所在地、中核市、中核市に準じる施行時特例市、東京23区の131自治体に3月、アンケートを実施。金沢市、愛知県春日井市、三重県四日市市の3市を除く128自治体から回答を得た。
 93自治体は高濃度乳腺を通知する仕組みがないと答えた。集団検診で は、結果を郵送などで通知しているが、結果票には「異常なし」とのみ記載されるのが一般的。これ以外に、指定の医療機関で受ける個別検診などで「医師が結 果を伝える際に詳しく説明している」とする自治体もあった。
 一方、埼玉県所沢市、兵庫県姫路市など9市では、文書や電話で高濃度乳腺であることを伝え、注意を促していた。9自治体では40歳以上に対し、見えにくい乳房でも異常を見つけられる超音波検査を隔年で実施していた。
 がん検診は国と自治体が費用の一部または全額を負担している。厚生労働省がん・疾病対策課は「高濃度乳腺への対応は今後、検討が必要な課題の一つと認識している」と話す。
 相良病院付属ブレストセンター(鹿児島市)放射線科の戸崎光宏部長は「自治体は、受診者に不利益にならない通知の方法を早急に作るべきだ」と指摘している。
 国内では毎年、新たに約9万人が乳がんと診断される。専門家によると、日本の女性の半数以上が乳腺の密度が濃く、マンモグラフィーだけでは異常を見つけにくいタイプだという。
          ◇
  【マンモグラフィー(乳房エックス線撮影)】 乳房を、板状のプレートで薄くのばしてはさみ、撮影する。国の指針では、40歳以上の女性を対象に2年に1回、問診と併せた実施を推奨している。超音波検 査は指針で推奨されていない。検診は、個人が希望して自費で人間ドックなどで受ける任意型もある。

運動と乳製品が効果?「要介護」手前で3割が改善…筑波大チーム

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 介護が必要になる一歩手前の虚弱(フレイル)状態でも、高齢者の3割は4年後に改善していた、との追跡調査を筑波大学などのチームがまとめた。
 運動や乳製品摂取をしている人に多く、生活習慣の改善で要介護者を減らせる可能性があるという。9日、金沢市で開かれている日本老年医学会で発表する。
 調査は、2011年に滋賀県内で介護が必要なかった高齢者(平均75 歳)を4年間追跡調査。約3500人のデータを分析した。〈1〉半年で体重が2~3キロ減少〈2〉歩く速度が遅くなった〈3〉運動の習慣がない〈4〉5分 前のことが思い出せない〈5〉疲れを感じる――のうち、三つ以上該当した人をフレイルに分類した。
 開始時にフレイルだったのは470人で、4年間に21%が死亡、30%が要介護となった。一方、32%がフレイルを脱し、状態が改善していた。
 生活習慣の影響を分析すると、軽く息が上がる運動を週1回以上する人 は、しない人に比べ、フレイルから改善する確率が3倍。乳製品を週5回食べる人も2倍に高まっていた。逆に、地域の行事やサークルなどへの社会参加がない 人は、要介護、死亡に悪化するリスクが2倍だった。
 調査をまとめた山田実・同大准教授は「高齢になると、体力低下は仕方ないと考えがちだが、要介護手前なら回復する可能性がある。あきらめず生活習慣に気をつけてほしい」と話す。
虚弱(フレイル) 要介護になる手前で、栄養不足や体力、認知機能の低 下などが見られる。75歳以上では要介護になる要因の約半数に関連するとの報告もある。この段階で対策を取れば健康寿命を延ばし、医療、介護費の抑制につ ながる可能性があるとして、近年注目を集めている。

診察せずに漢方処方箋、容疑で眼科医を逮捕

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 大阪府警は8日、診療せずに漢方薬の処方箋を出した上、診療報酬約2万円を詐取したとして、大阪市住吉区の眼科医(56)を医師法違反と詐欺の疑いで逮捕した。「悪意があって請求したわけではない」と容疑を一部否認しているという。
 府警によると、眼科医が作成した処方箋は、調剤報酬を不正請求したとして先月25日に詐欺容疑で逮捕された薬局経営者(65)側に渡っており、府警は、この処方箋が同薬局の調剤報酬請求に使われた可能性もあるとみて調べている。
 発表では、眼科医は2013年11月~14年5月、同薬局の男性従業員を診察しないまま、漢方薬の処方箋を9回交付した上、診療報酬明細書を審査支払機関に提出し、計約2万円をだまし取った疑い。

肺炎で入院、1歳児の加湿器に精製水と間違えて消毒液…病院謝罪

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 名鉄病院(名古屋市西区)で先月、肺炎で入院した男児(1)の酸素テントの加湿器に、精製水と間違えて消毒液を入れるミスがあったことがわかった。
 男児は今月2日に退院。現在までに健康被害などは出ていないが、同病院では医療ミスと認め、患者側に謝罪した。
 同病院によると、男児が先月24日夜に入院した際、治療のために入っ た酸素テントの加湿器に、看護師が誤って、主に洗浄に使う消毒液40ミリ・リットルを入れた。精製水と消毒液のボトルはともに乳白色の500ミリ・リット ル入りで、同じ棚に保管されており、確認不足のまま使われたという。その後、加湿器への注水も怠り、治療が終わった27日に加湿器を確認してミスに気付い た。
 同病院は同日中に男児の家族に経緯を説明。今月3日、細井延行院長らが正式に謝罪した。消毒液は粘りがあり、約3時間後には加湿が止まった状態だったという。ただ、健康への影響がないか、消毒液のメーカーにも問い合わせをしている。
  野嵜英樹副院長は読売新聞の取材に「基本的なミスで、過失は明らか。患者の経過も見ながら家族の人に納得してもらえる対応を取っていきたい」と話した。同病院では、精製水と薬剤は同じ場所に置かないなどの再発防止策を取ったという。
 男児の父親は「体調への不安はぬぐいきれない。今後も責任を持って対処してほしい」と話している。

熱中症で女児死亡…脱水症状、保育者なら「異変分かる」と医師証言

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 宇都宮市の認可外保育施設「託児室といず」で生後9か月の山口 愛美利ちゃんを熱中症で死亡させたとして、保護責任者遺棄致死罪などに問われた元施設長の木村久美子被告(59)の裁判員裁判第2回公判が7日、宇都宮地 裁(佐藤基裁判長)であり、証人尋問が行われた。
 検察側証人として出廷した小児救急が専門の医師は、司法解剖の結果、 愛美利ちゃんの血液が濃縮されていたことなどから、重度の脱水症状に陥っていたと分析。「普段から保育している人なら、死亡する12時間前には異変が分か る」と証言した。また、12~6時間前に小児集中治療室のある病院に搬送していれば、助かった可能性があると話した。
 これに対し、弁護側は、愛美利ちゃんの両親への連絡帳に、死亡7時間前にミルク160ミリ・リットルを飲んだと書かれているほか、胃の中に黄緑色の液体が残っていたと主張。医師は「その頃に飲めたとは到底考えられない」と述べた。
 この日は、施設の従業員だった木村被告の次男も出廷し、弁護側から 「母親は子供が死んでも構わない、放置しておけばいい、などと考える性格か」と問われると、「けがをするだけでも大変だと思う人だ。ぐるぐる巻きにしたの も、転んだりしないようにするためだと聞いた」と否定した。

難病女児衰弱死裁判、重過失致死罪の追加認める

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 大阪府茨木市で2014年に難病の長女(当時3歳)を衰弱死させたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われ、1審・大阪地裁の裁判員裁判で無罪(求刑・懲役6年)の判決を受けた母親(21)の控訴審初公判が8日、大阪高裁であった。
 樋口裕晃裁判長は、検察側が求めていた起訴事実への重過失致死罪の追加を認めた。高裁の審理で起訴事実が追加されることはあるが、裁判員裁判の控訴審では異例だ。
 事件では、長女の母親と夫(24)が保護責任者遺棄致死罪で起訴され た。検察側は公判前、重過失致死罪の追加を示唆したものの見送り、昨年11月の1審判決は「母親は長女の低栄養状態に気づいていなかった可能性がある」と 無罪を言い渡した。他方、重過失致死罪の成立を検討する余地はある、と指摘した。
 このため、検察側は夫の1審では起訴事実に重過失致死罪を追加。大阪地裁は1月、保護責任者遺棄致死罪は無罪としたが、重過失致死罪で禁錮1年6月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した(夫側が控訴)。
 こうした経緯から、検察側は4月、母親の控訴審では同罪でも審理するよう同高裁に求めていた。
 この日、樋口裁判長は起訴事実の追加を認めた理由は明らかにせず、弁護側の異議申し立ても退けた。母親は出廷しておらず、弁護側は重過失致死罪について「すべて争う」と述べ、無罪を主張した。

沖縄の観光施設、修学旅行の高校生ら219人が食中毒症状

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 沖縄県は7日、修学旅行で同県名護市の観光施設「OKINAWAフルーツらんど」で食事をした愛知県内の高校生ら219人が下痢や腹痛などの症状を訴 え、うち16人から腸内細菌「エシェリキア・アルバーティー」が検出されたと発表した。全員快方に向かっているという。
 発表によると、5月23日に同施設で高校2年生や教員ら376人が野菜料理などの食事を取り、このうち2年生218人、教員1人が発症した。
 県は集団食中毒と断定し、同施設を6月7日から2日間の営業停止処分とした。
 エシェリキア・アルバーティーは、感染すると 嘔吐や下痢などの症状を発症する。感染が確認されたのは国内で7例目。

手術ミス後遺症で足のしびれ…3400万円で和解へ

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 北九州市は3日、市立医療センターで 頸椎椎間板ヘルニアの男性患者(40歳代)に対する手術ミスがあったとして、男性に約3400万円を支払い和解することを明らかにした。
 市によると、男性は2014年に手術を受けた際、患部近くの神経が傷付き、足のしびれなどの後遺症が残った。市は手術ミスを認め、男性側と和解協議をしていた。市議会6月定例会に関連議案を提出する。

有毒魚「バラハタ」食べ3人食中毒…1人入院

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 鹿児島県生活衛生課は2日、ハタ科の有毒魚バラハタを食べた奄美大島の男女3人(29~52歳)が下痢やしびれを訴え、うち1人が入院していると発表した。
 魚に含まれるシガテラ毒による食中毒とみられる。いずれも快方に向かっているという。
 発表によると、奄美大島の男性(52)が5月28日、知人から島内で釣ったバラハタを譲り受け、切り身を親族に分けた。それぞれ刺し身や空揚げにして食べたという。魚の写真や特有のしびれの症状から、名瀬保健所はシガテラ毒が原因だと推定した。
 シガテラ毒は、南方の海洋のプランクトンが産出する毒素で、バラハタ などの体に蓄積される。加熱をしても毒性は消えない。同課は「漁協の自主規制でバラハタが市場に流通することはないが、よく分からない魚を釣ったり、譲り 受けたりした場合は食べないでほしい」と呼びかけている。

医薬品7割の承認書に不備、大半が誤記…厚労省調査

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 一般財団法人・化学 及血清療法研究所(熊本市)が国の承認を受けない方法で血液製剤などを製造していた問題で、厚生労働省は1日、国が承認した医薬品3万2466品目を一斉 点検した結果、約7割の2万2297品目で、製造方法の承認書に不備があったと発表した。
 大半は数値などの誤記で、同省は安全性に影響はないと判断。今後、各社に行政指導して再発防止を求める。
 発表によると、今年1~3月、国内で医薬品の製造販売を行う646社に自主点検を求めたところ、479社で製造販売する医薬品の承認書に製造実態との相 違点が見つかった。不備のあった医薬品が100品目を超えた企業は66社、300品目超は5社に上った。

化学工場で膀胱がん、20人に…労災認定議論へ

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 三星化学工業(東京)の福井工場(福井市)で複数の従業員らが 膀胱がんを発症した問題で、厚生労働省は1日、発がん性物質「オルト―トルイジン」を取り扱っていたとされる76事業所のうち、9事業所で計20人が膀胱 がんを発症していたとする調査結果を発表した。
 これまで15人の発症が判明していたが、新たに5人が確認された。
 問題の発端になった福井工場では新たに1人が確認され、計7人となった。工場への立ち入り調査の結果、皮膚から吸収したオルト―トルイジンが原因だった とほぼ断定。7人は労災申請を行っており、同省は有識者による検討会を発足させて労災認定するかどうか議論する。
 別の会社の化学工場では、新規の3人を含む計6人を確認。この工場では従業員約200人に対する発症率が極めて高く、同省は継続して調査するという。

受動喫煙で年1万5000人死亡…「健康被害、科学的に明らか」 indexへ

 受動喫煙の影響による死亡者が国内で年間約1万5000人に上るとの推計を、厚生労働省の研究班がまとめた。5月31日、東京都内で開かれた世界禁煙デー記念イベントで発表した。
 受動喫煙の影響が指摘される肺がんや、心筋梗塞などの虚血性心疾患、 脳卒中などについて、これまでの研究で示されたデータなどを基に、2014年の人口動態統計の死亡者数から算出した。その結果、脳卒中が約8000人と最 も多く、虚血性心疾患は約4500人、肺がんは約2500人となった。乳幼児突然死症候群も約70人とされた。
 前回10年にまとめた年間約6800人との推計から2倍以上に増えた。その後の研究成果を踏まえ、受動喫煙の影響を受ける病気の中に脳卒中を加えたことが理由という。
 研究班の片野田耕太・国立がん研究センターがん登録統計室長は「受動喫煙の健康被害は科学的に明らかだ。職場の事情で影響を受ける従業員らもおり、受動喫煙を防ぐ法規制が急がれる」と話している。

高齢者の糖尿、低血糖を防げ…学会が目標値発表 indexへ

 日本糖尿病学会と日本老年医学会は、65歳以上の糖尿病患者を対象とした血糖管理の目標値を発表した。
 糖尿病による合併症を予防するための一般の目標値は、血糖管理の指標となるヘモグロビンA1cが7・0%未満とされている。
 今回、重い低血糖を起こす心配があるインスリン注射やスルホニル尿素 (SU)薬、一部の即効型インスリン分泌促進薬を使う高齢者については、認知機能や生活動作能力、年齢などに応じて目標値を7・5~8・5%未満と高めに 設定した。低血糖が認知機能を低下させたり、転倒・骨折のリスクを高めたりすることを考慮した。低血糖を避けるため、それぞれ下限値も設けた(表)。
 一方、DPP―4阻害薬など重い低血糖を招くリスクが比較的低い治療 薬を使っていて、認知機能も生活動作能力も低下していない高齢患者については、一般と同じ7・0%未満を目標値、中等度の認知症や多くの病気を併せ持つ高 齢患者の場合は、低血糖による意識障害などに配慮し、8・0%未満とした。
 高齢患者の健康状態は個人差が大きいため、両学会はこの目標値を参考に、患者ごとに目標を設定することを認めており、今後、医師や患者に周知をはかることにしている。

大阪の介護施設、抜き打ち指導が可能に…虐待防止図る indexへ

 大阪府は1日、介護保険施設の指導に関する府の要綱などを改正し、介護保険施設や有料老人ホームを対象にした実地指導について、事前通告なく抜き打ちで指導できるようにする。
 抑止力を高め、施設内での虐待を未然に防ぐのが狙い。
 川崎市幸区の有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で入所者3人が転落死した事件など、高齢者が入所する施設での虐待が社会問題となる中、厚生労働省が 4月、抜き打ちでの実地指導を可能にするための指針改正を行ったことを受け、府の要綱などを一部改正した。
 これまでは、府は高齢者に対する虐待の通報を受けた場合、実地指導に入る前に施設に対して事前に通告する必要があり、通告を受けた施設側が虐待の形跡を隠すケースもあったという。
 改正後は、虐待が疑われる通報があり、施設に事前に通知すると虐待の証拠の隠蔽などが行われる恐れがあると判断した場合には、抜き打ちで実地指導ができるようになる。
 府内では2014年度、施設従事者が虐待を行っているとの通報や相談が127件あり、18件が虐待と認定された。

手術中に出火し患者やけど、レーザーメス火元か…東京医大病院 indexへ

 東京医科大学病院(東京都新宿区)で4月、30歳代の女性患者の手術中に体にかけられていた医療用カバーが焼け、女性が手足などに重いやけどを負っていたことが、警視庁新宿署への取材でわかった。
 同署は手術で使ったレーザーメスの不具合や誤使用が原因の可能性があるとみて、業務上過失傷害容疑で調べている。
 同署と同病院によると、女性は4月15日、産科・婦人科で手術を受け たが、医師がレーザーメスを使用中に医療用カバーから出火した。女性は麻酔で意識がなく、手術スタッフが火を消した。現場には、レーザーメス以外に火の気 はなかったという。同病院は「第三者委員会で原因を調査中」とコメントしている。

診断ミス、ブルガダ症候群で突然死…遺族に6000万円支払い indexへ

 高岡市民病院は30日、記者会見を開き、診断ミスで富山県高岡市内の男性(当時50歳)が突然死するのを防げなかったとして、遺族に賠償金6000万円を支払うと発表した。男性は2014年7月に受診し、約1か月半後に死亡した。
 死因はブルガダ症候群だった。
 市民病院によると、男性は14年7月、意識を失ったことや頭の重さを訴えて受診した。市民病院は、精密検査で中枢神経系の病気と診断し、経過観察していた。ところが、男性は同年8月、心停止になり、救急搬送された別の病院で死亡した。
 遺族側から昨年5月、損害賠償請求されたことを受け、市民病院では院内の医療安全小委員会などで当時の対応を検証した。
 その結果、診察時の男性の心電図に特有の波形があり、ブルガダ症候群と診断できていた可能性が判明。ブルガダ症候群の中でも発作のリスクが高いと診断し、植え込み型除細動器を手術で取りつける治療をしていれば、男性の突然死を防げたという。
 市役所で記者会見した遠山一喜病院長は「亡くなられた方やご遺族の心情を考えると心が痛む。今後は体制を強化し、安全安心な医療を心がけ、地域のみなさんに信頼される病院としていく」と謝罪した。
          ◇
<ブルガダ症候群>  心室細動が起きて心臓が働かなくなり、突然死につながる病気。心電図に特徴的な波形が現れる。この波形がある100人のうち心停止発作を起こすのは2年 に1人程度とされる。はっきりした原因は分かっていない。1992年に報告した医師の名前から名付けられた。

群大手術死、報告書を6月に延期…「遅れるなら納得できる結果を」と遺族 indexへ

 群馬大学病院の手術死問題で、群馬大が設置した第三者による調査委員会(委員長=上田裕一・奈良県総合医療センター総長)の最終的な報告書が、予定していた5月中にまとまらず、完成が6月にずれ込むことがわかった。
 調査委は昨年8月から、旧第二外科の男性医師(昨年3月退職)が行った肝臓の 腹腔鏡手術と開腹手術を中心に、死亡が相次いだ背景などを調査してきた。医学的検証は日本外科学会に委託。旧第一外科も含めた消化器外科手術全般の死亡 50例の検証結果を踏まえ、5月下旬に報告書をまとめる予定だったが、委員の意見集約などに時間がかかっているとみられる。
 手術を受けて死亡した患者の遺族のもとには、群馬大から「6月中にはまとめたい」と連絡があったという。遺族の女性は「遅れるからには納得できる結果を出してほしい」と話していた。

マダニ介して感染、日本紅斑熱で女性死亡 indexへ

 静岡県は、沼津市の70歳代の女性が10日にマダニを介して感染する日本 紅斑熱で死亡したと発表した。
 マダニの活動が盛んになる時期に入り、県は野山では肌の露出を抑え、虫よけを使うように呼び掛けている。
 日本紅斑熱は、病原体を持つマダニに刺されることで感染し、人から人へは感染しない。潜伏期間は2~8日で、39度以上の高熱や発疹などの症状が出る。有効な治療薬はあるが、重症化すると腎不全などを起こし、死亡することもある。
 1999年以降で、県内では沼津市と伊豆の国市などで計5人が発症し、うち2人が死亡した。
 2008~12年に県内で行われた調査では、日本紅斑熱を発症する病 原体を持つマダニは採取したマダニ全体の0・7%(10匹)で見つかり、伊豆北部を中心に、県全域に分布していた。秋山泉・県疾病対策課長は「野山でのレ ジャーの後に熱が出たら、早めに医療機関を受診してほしい」と話している。

盲導犬と男性の乗車、「座席が汚れる」と拒否…タクシー会社に行政処分 indexへ

 盲導犬を連れた男性の乗車を拒否したとして、国土交通省石川運輸支局 は27日、道路運送法などに基づき、タクシー会社「金城三和交通」(金沢市千木)に対し、タクシー4台をそれぞれ同日から14日間の使用停止とし、70歳 代男性運転手の登録を同日から30日間取り消しとする行政処分を行ったと発表した。処分は24日付。運転手は27日付で依願退職した。
 発表などによると、男性運転手は3月3日、金沢市武蔵町の交差点で、盲導犬を連れた視覚障害者の男性が乗車しようとした際に、「座席が汚れる」などと言って乗車を拒否した。
 同社の岩本道成社長(54)は「視覚障害者の方々に対し、大変申し訳ないことをした。再発防止のため、運転手への研修や講習を徹底したい」と話した。

「有効性示す証拠乏しい」…自由診療の再生医療計画、初めて取り下げ indexへ

 幹細胞を使った再生医療について、サンフィールドクリニック(東京)が厚生労働省に提出していた治療計画を取り下げたことが27日わかった。同日の厚労省専門部会で報告された。
 計画は他人の脂肪から採取した細胞を培養して、動脈硬化や糖尿病の患者に移植する自由診療の治療で、「有効性を示す証拠が乏しい」との意見が専門部会で出ていた。
 再生医療安全性確保法では、リスクの高い再生医療を行う大学や医療機関に対し、厚労省での審査を受けるよう求めている。2014年に同法が施行されてから、計画が取り下げられるのは初めて。

子どもの死、3割が防げた可能性…虐待や事故を小児科学会調査 indexへ

 15歳未満の子どもの死亡の約3割が事故や虐待など、防げた可能性のある死亡であったとする調査結果を日本小児科学会がまとめた。
 調査は、同学会の「子どもの死亡登録・検証委員会」が実施。同委員会の小児科医がいる東京都と群馬県、京都府、北九州市で2011年に死亡した15歳未満の子ども(東京都は5歳未満のみ)368人の死因を医療機関に尋ねた。
 その結果、重い病気や災害などではなく、風呂場での溺死やベランダか らの転落死など、未然に防げた可能性があると考えられた死亡が101人(27%)あった。このうち、虐待の可能性があると判断できたのは27人(7%) で、頭部外傷や、強く揺さぶられた際に脳を損傷する「乳幼児揺さぶられ症候群」の他、医療機関の受診を拒否し、適切な医療を受けさせないなどの事例が報告 された。
 厚生労働省によると、同年の15歳未満の死亡者は年間約5000人。 研究結果を当てはめると、およそ1300人の子どもの死亡を防げた可能性がある。厚労省の同年度の報告では、虐待による死亡者数は心中も含めて99人だ が、今回の調査では虐待死の可能性がある子どもは約350人と推計され、その約3倍に上る。
 調査をまとめた前橋赤十字病院(前橋市)の溝口史剛・小児科副部長は 「調査で死因を確認できなかったケースもあり、その中にも防ぐことができた死亡が含まれている可能性がある。国には子どもの死因を把握する制度の整備を進 め、防げる死を減らせるようにしてほしい」と話している。

帝王切開治療ミスで死亡、遺族が逆転勝訴…病院側に7490万円賠償命令 indexへ


 静岡市の静岡厚生病院で2008年、帝王切開手術を受けた女性(当時 24歳)が治療ミスで死亡したとして、遺族が病院の運営法人と担当医3人に計約9260万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京高裁は26日、請求を棄却した 1審・静岡地裁判決を変更し、計約7490万円の賠償を命じる判決を言い渡した。
 富田善範裁判長は「輸血などを適切に行っていれば救命できた」と述べた。
 判決によると、女性は08年4月、胎盤の早期剥離などが疑われたため、同病院で帝王切開手術を受けたが、胎児は死亡。女性も手術後に血圧が急低下し、ショック状態になり死亡した。
 昨年4月の1審判決は、医師らがショック状態に対して適切な輸血などを行わなかった過失を認めたが、「当時の医療水準では救命できなかった」として、過 失と死亡の因果関係を否定。これに対して高裁は、適切な輸血や治療を行っていれば救命できたとし、因果関係を認めた。
 病院を運営する静岡県厚生農業協同組合連合会は「判決を確認し、今後の対応を検討する」としている。

漢方処方箋65年分、調剤報酬詐取容疑…薬剤師ら逮捕 indexへ

 体調不良を装って受診した病院で入手した漢方薬などの処方箋を使い、調剤報酬を不正請求して約1430万円をだまし取ったとして、大阪府警は25日、大 阪市住吉区の「のぞみ薬局」の経営者で薬剤師の原田実容疑者(65)(堺市堺区)ら2人を詐欺容疑で逮捕した。
 2人は2年余りで、通常の使用量(1日当たり約0・9グラム)の約65年分にあたる20キロ以上もの漢方薬の処方箋を手に入れていたという。
 他の逮捕者は、同薬局の従業員・東野晴之容疑者(57)(奈良県葛城市)。
 発表では、2人は共謀して2012年12月~15年3月、東野容疑者 が奈良県内の二つの病院で計24回の診察を受け、血行不良に効く漢方薬21・3キロなどの処方箋を入手。そのうえで、原田容疑者が「調剤した」と偽って明 細書を審査支払機関に提出し、東野容疑者が居住する葛城市から同機関経由で支払われた多額の調剤報酬を詐取した疑い。
 府警によると、2人は容疑を認め、「金が欲しかった」などと供述。東野容疑者は漢方薬を指定して処方箋を出してもらっていたといい、府警は、経緯や余罪の有無を詳しく調べる。

精神安定剤80錠飲んだ市職員、3日後死亡…パワハラで上司を懲戒処分 indexへ

 大津市は25日、部下にパワーハラスメントをしたとして、企業局の課長補佐級の男性職員(53)を減給10分の1(5か月)の懲戒処分にした。
 市によると、職員は2014年4月から週に数回、部下の40歳代男性に対し、「こんなこともわからへんのか」などと大声で注意。男性は15年3月、自宅で精神安定剤を約80錠飲み、3日後に急性心不全で死亡した。
 市はパワハラと大量服薬の因果関係を認め、遺族に謝罪したが、「服薬量は致死量未満で、死亡との因果関係はない」としている。遺書はなく、自殺を図ったかどうかも不明という。
 職員は市の調査に「成長を願ってのことだったが、上司として未熟だった」と話しているという。職員の当時の上司3人についても監督責任を問い、戒告や文書厳重注意とした。

被災者医療費、過払い対象外の5人に誤って返還請求 indexへ

 仙台市が、東日本大震災の被災者が対象となる医療費免除制度と別の医療費助成制度を誤って併用し、3000万円以上の過払いが発生した問題で、市は25日、過払いがなかった5人に対して、過払い分の返還を請求していたと発表した。
 5人からの申し出で判明したといい、市は陳謝した。
 市は今年3月末に過払いがあったと発表した。その後、4月末~5月上旬に、過払いが判明した1098人の計約3094万円について、請求額を記した納入通知書を送るなどして、返還を求めた。
 その後、5人から「自分は返還の対象ではない」と申し出があり、誤っ た請求だったと分かった。医療機関が、医療費の保険適用分を国民健康保険に請求する際、免除制度の利用者と誤ったことなどが原因だという。5人には 1838~4万2690円が請求され、計9万2800円となった。
 市障害企画課によると、5人以外にも、対象ではない市民に返還を請求していた可能性があるといい、今後、精査する。同課では「丁寧に確認すれば、誤った請求を防げたケースもあったかもしれない」などと陳謝した。

安全管理体制の是正中に母体死亡、「極めて遺憾」…日医常任理事 indexへ

 横浜市戸塚区の産婦人科医院「聖ローザクリニックタワーズ」の前院長らが、入院体制の不備などを理由に母体保護法指定医師の資格停止処分を受けた問題で、日本医師会で医療安全を担当してきた今村定臣常任理事が25日、取材に応じた。
 今村常任理事は、県医師会が同医院の安全管理体制を是正しようとしている間に母体死亡事例が起きたとし、「極めて遺憾だ」と語った。
 今村常任理事は、県医師会が「同医院が中期中絶処置は入院で行うとの 原則に反し、通院での処置を続けている」との問題意識を持っていたのに、改善指導が進まぬうちに死亡事例が起きてしまったと説明。「(中絶処置の実施を認 められた)指定医師には法令順守と医療安全、生命倫理を改めて見直してもらう必要がある」と述べ、全国の医師会に指導の徹底を呼びかけていく考えを示し た。
 同医院に通院していた少女(当時17歳)の死亡事例については「再発防止のため、他の妊産婦死亡事例と同様に原因を分析することが重要」と語った。

中国から輸入の化粧品にステロイド…緑内障など副作用の可能性 indexへ

 化粧品への配合が禁止されている成分を含んだ保湿クリームを販売したとして、東京都は24日、医薬品医療機器法に基づき、化粧品などの販売会社「日中友 好開発」(新宿区)に製品の販売中止と回収を指示したと発表した。指示は23日付。健康被害の報告はないという。
 発表によると、問題のクリームは「ばらクリーム」と「三黄クリーム」の2製品。同社が中国から輸入し、同社が経営する「鶴薬局」で1992年から販売していた。最近では1週間に、それぞれ100個程度を販売していたという。
 都が昨年5月、購入者からの情報提供を受けて成分を調べたところ、化粧品への配合が禁止され、医薬品としても未承認のステロイド成分が検出された。
 都は、緑内障などの副作用を起こす可能性があるとして、購入者にクリームの使用を中止し、医師に相談するよう呼びかけている。

外来患者への湿布薬、処方枚数を70枚までに制限 indexへ

 厚生労働省は今年度から、病院や診療所で外来患者に処方される湿布薬の枚数を、診療1回あたり原則70枚までに制限した。
 使い残しの解消を図り、国費ベースで年30億円程度の医療費の節減もできるとみられる。
 湿布薬は、薬局で購入すると患者は全費用を負担するが、病院や診療所で処方された場合は原則1~3割で済む。また政府の規制改革会議などから、患者が必要以上に処方され、使い残す問題も指摘されていた。
 同省は今回、医療上必要ないにもかかわらず、1度に70枚を超えて処方した場合、超えた分の調剤や処方にかかわる診療報酬を払わない仕組みを設けた。
 薬局でも買える薬剤を巡っては、2012年度の診療報酬改定では栄養補給を目的にした全てのビタミン剤を、14年度の改定ではうがい薬のみの処方を保険適用から外した経緯がある。

「母体守る規則、守られていない」入院体制整えず中絶、資格停止理由を説明 indexへ

 横浜市戸塚区の産婦人科医院「聖ローザクリニックタワーズ」が、入院体制を整備しないまま妊娠中期中絶を行ったなどとして、前院長(51)ら2人が母体 保護法指定医師の資格停止処分を通知された問題で、神奈川県医師会が24日、処分理由などを報道陣に説明した。
 東條龍太郎・母体保護委員長は「母体を守るための規則が守られていない」と同医院の体制不備を指摘。玉城嘉和理事は、同医院で昨年11月、通院で中絶実施に向けた子宮 頸管拡張処置を受けていた少女(当時17歳)が帰宅後に死亡した事例に触れ、「県内で2人目の死者を絶対に出さないよう対応していく」と語った。
 処分は25日から6か月。同医院側は処分取り消しを求め提訴している。
 少女の死亡事例などについて、横浜市医療安全課は「事実確認を進め、必要な場合は医院側に問い合わせる」としている。

医師の内因性心臓死、「過重労働が原因」…遺族が賠償求め提訴 indexへ

 長崎市の長崎みなとメディカルセンター市民病院に勤務していた男性医 師(当時33歳)が2014年に死亡したのは過重労働が原因として、妻ら遺族3人が病院を運営する地方独立行政法人・長崎市立病院機構に約3億7000万 円の損害賠償を求めて長崎地裁に提訴した。提訴は4月19日付。
 訴状によると、男性は14年4月に同病院に採用され、心臓血管内科医師として勤務。毎月100時間を超える時間外勤務が続き、同12月に自宅で心肺停止の状態で見つかり、死亡が確認された。死因は著しい疲労の蓄積によるとみられる内因性心臓死だった。
 遺族側は、同機構が長時間労働を把握していたにもかかわらず、勤務医 を増やしたり、当直日数を減らしたりするなどの措置を講じなかったことが、安全配慮義務違反にあたると主張している。男性は地方公務員災害補償基金から公 務災害の認定を受けたという。同機構は「訴状の内容を確認し、今後の対応を検討したい」としている。
 このほか、遺族は同機構に男性の残業代の未払い分など約740万円の支払いを求める訴訟を4月13日付で起こしている。

部活で熱中症、脳梗塞も発症しマヒ残る…市に410万円賠償命令 indexへ

 部活動中に熱中症になり、脳梗塞を発症したのは、学校側が熱中症対策を怠ったためだとして、大阪府東大阪市立中学校のバドミントン部に所属していた女性(18)が、市に約5600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が24日、大阪地裁であった。
 野田恵司裁判長は「体育館には温度計がなく、校長が注意義務を怠ったことは明らか」と述べ、市に約410万円の支払いを命じた。
 判決によると、女性は中学1年だった2010年8月、中学校の体育館で練習中に熱中症を発症。顧問教諭がタクシーで病院に運んだが、右中大脳動脈塞栓症と診断された。今も左手に軽いマヒがあるという。
 野田裁判長は判決で、日本体育協会が発行している熱中症の予防指針が 広く周知されていたことを挙げ、「校長は、部活動を行う部屋に温度計を設置する義務があった」と指摘した。その上で、「血液が凝固しやすい女性の体質も脳 梗塞に影響した」として、賠償額を減額した。顧問については「温度計がなく、練習の中止を判断することは困難だった」と過失を認めなかった。
 判決後に記者会見した女性の父親(43)は「学校側の過失が認められ、うれしい。二度と部活動で熱中症を起こさないでほしい」と要望。東大阪市教委は「判決内容を検討し、対応を決めたい」としている。

旅館で部活の歓迎会、高校生7人が食中毒 indexへ

 鹿児島県生活衛生課は23日、南九州市知覧町塩屋の旅館「あづま荘」で食事をした男子高校生7人(16~17歳)が食中毒の症状を訴え、うち2人と調理の従事者1人から食中毒菌のカンピロバクター・ジェジュニが検出されたと発表した。
 加世田保健所は同旅館を24日から3日間の営業停止処分とした。
 同課によると、7人を含む生徒や保護者計116人が14日夜、高校の部活動の歓迎会で、鶏刺しや空揚げ、トンカツなどを食べた。7人は下痢や腹痛、発熱などの症状を訴えたが、全員が快方に向かっているという。
 同課は「気温が高くなって細菌性の食中毒が増えやすい時期。生肉を取り扱った後は手を洗い、生肉を扱った調理器具の洗浄、消毒を徹底してほしい」と呼びかけている。

入院体制整えず中絶、17歳少女死亡事例も…資格停止された産婦人科医院が提訴 indexへ

 横浜市戸塚区の産婦人科医院「聖ローザクリニックタワーズ」が、妊娠中期(12~21週)の中絶(中期中絶)を行う医療機関に義務付けられた入院・ 分娩設備を有していなかったなどとして、神奈川県医師会は前院長(51)ら2人に対し、母体保護法指定医師の資格を25日から6か月停止する処分を通知した。
 同医院側は23日、処分の取り消しを求めて横浜地裁に提訴した。
 処分を通知されたのは、前院長と聖ローザグループを運営する医療法人社団「マリア会」の理事長(56)。
 県医師会や県産婦人科医会などによると、中期中絶は一般的に、ラミナリア 桿などと呼ばれる棒状の医療器具を子宮 頸管に挿入して広げたうえで、陣痛誘発剤を用いて行う。
  ラミナリア桿挿入段階を含め、中絶の処置は出血や感染症のリスクを伴う。このため、日本産婦人科医会は、経過観察や緊急時の抗菌薬の点滴投与などができる ように、通院ではなく、「入院のうえ慎重に実施する」と指針に明示。県医師会の母体保護法指定医師取扱規則も、中期中絶を行う医療機関は救急体制、入院設 備を有していなければならないと規定している。
 同医院について県医師会は、病床1床のみで、深夜には入居するビルが閉鎖され、医師・看護師も不在となるため、入院可能な体制ではないと判断。それにもかかわらず、指針に反して中期中絶を行ったなどとして処分を決めた。
 県医師会は昨年2月、同医院から毎月10件超の中絶実施報告があることを把握。通院での処置が常態化するなど安全管理上の問題が疑われるとして、前院長 に呼び出し通知を出すなどして説明を求めたが、同医院側から聞き取りができたのは今年3月だったという。
  同医院ではこの間の昨年11月、中期中絶の前処置を受けていた妊娠21週の少女(当時17歳)が死亡する事例が発生。少女は数日間にわたって通院しながら ラミナリア桿挿入の処置を受けていたが、自宅で容体が急変し、救急搬送先の別の病院で敗血症性ショックで死亡したという。
 県医師会は、少女の死亡と処置との因果関係について判断を示していないが、「同医院の安全管理体制を調査しようとしている間に死亡事例が起きてしまい、 慚愧の念に堪えない」とし、「規則違反があったなかで死亡事例が起きた」ことを問題視している。
  一方、同医院側は、院内には病床1床と分娩台2台があり、医師たちのスキルにも問題はないと説明。県医師会が呼び出しを拒否したとしている点についても、 「日程調整をお願いしたり、理由の説明を求めただけ」などとして、処分は不当だと主張した。少女の死亡についても「処置の過失や死亡との因果関係は不明確 なのに、死亡事例の発生自体を処分理由の一つとすることはおかしい」と反論している。
 厚生労働省研究班の調査では、中絶に伴う母体死亡例は10万件あたり0・9件と極めてまれで、県警も少女の死亡の経緯を慎重に調べている。
          ◇
母体保護法指定医師  母体保護法に基づき都道府県医師会が指定し、妊娠の継続や分娩が母体の健康を著しく害する恐れのある場合などに本人や配偶者の同意を得て人工妊娠中絶を 行うことが認められている。全国に約7000人。中絶実施は知事に報告する義務がある。各都道府県医師会が処置や施設などに関する規則を定めている。

出生率、1.46に回復…30歳代の伸び目立つ indexへ

 厚生労働省は23日、2015年の人口動態統計(概数)を発表した。
 1人の女性が生涯に産む子どもの推定人数を示す合計特殊出生率は1・ 46で、9年ぶりに下がった前年を0・04ポイント上回った。1・45を超えるのは1994年以来、21年ぶりだ。赤ちゃんの出生数も5年ぶりに増えた が、死亡数から出生数を引いた人口の自然減は過去最大の28万4772人を記録した。
 出生率は94年に1・50を記録して以降、1・45以下で推移。出生 率を年代別に見ると、30歳代の伸びが目立ち、40歳代と20歳代後半も上昇した。都道府県別では、前年と同じだった岡山県を除く46都道府県で上昇。最 高は沖縄県の1・94で島根県(1・80)、宮崎県(1・72)と続いた。最低は東京都の1・17だった。出生数は100万5656人で、前年より 2117人増えた。

群大手術死、妥当性に「問題あり」…「命を何だと思っている」と遺族 indexへ

 群馬大学病院の手術死問題で、日本外科学会が行った死亡50例の検証により、手術実施の妥当性に「問題がある」と指摘された患者の遺族が読売新聞の取材に応じ、「残された時間を自然に過ごさせてあげたかった」と無念の思いを語った。
 「必要のない手術で死んでしまったのなら、本当に父がかわいそう」
 父親を第二外科による胆管がんの手術後に亡くした60歳代の女性はそう漏らした。同学会の検証では、手術を行うことが妥当か判断する手術適応について、ほぼ半数の24例で疑問が呈され、うち4例は「問題がある」と断定された。女性の父はその1人だ。
 当時80歳代前半だった父には、間質性肺炎や腎不全などの持病があっ た。検証の結果、高齢でほかにも病気を抱えた状態で手術は困難と判断された。手術の負担がかえって命を縮め、苦痛を増大させた可能性がある。女性は「手術 しなくてがんが進んでも、生きられた期間にやりたかったことがあったはず。父は無念だったでしょう」と憤る。
 「早く見つかったので手術できる」と言われリスクの説明もなく、女性は「簡単な手術」というイメージを持ったという。ところが、父は手術後、ほとんど食 事を取れず、体の痛みやむくみに悩まされた。死亡までの約2か月は、思い出すのもつらい苦しみようだった。
 「病院側は、高齢だから亡くなってもしょうがない、と軽く考えてはいなかったか。私たちにとっては本当に大切な父だった。命を何だと思っているのか」
 女性は今も、父の亡きがらを見送った時の、うつむきがちな執刀医の表情が忘れられない。
 同学会の検証は、群馬大が設置した第三者の調査委員会が委託。2007~14年度に行われた消化器外科手術の死亡64例を検討し、精査が必要と判断した 51例のうち、遺族の承諾が得られた50例を検証した。調査委が近く最終的な調査報告書をまとめる予定だ。

脳梗塞の確率、私はどのくらい?…健診データ入力で判定 indexへ

 健診データをもとに、40~60代の人が今後10年間に脳梗塞や心筋梗塞を発症する確率を予測する計算モデルを国立がん研究センターなどの研究チームが開発し、23日発表した。
 チームの サイト で公開された計算モデルに健診データを入力すれば、自分の発症確率をチェックできる。
 脳梗塞の予測に必要なデータは、性別、年齢、喫煙の有無、降圧剤使用の有無、収縮期血圧(上の血圧)、糖尿病の有無、血中の善玉コレステロール値の7項目。心筋梗塞には悪玉コレステロール値を加えた8項目が必要になる。
 研究チームは、茨城や新潟など5県の計1万5000人超の住民を対象に健診結果や生活習慣を調べた。その後平均16年間追跡し、脳梗塞を発症した552人、心筋梗塞を起こした192人のデータを分析し、予測に有用な項目を選び出した。

ファウルボールで失明、高裁は球団のみ賠償命令 indexへ

 札幌ドームでプロ野球日本ハムの試合を観戦中、ファウルボールが顔を 直撃して右目を失明したとして、30歳代の女性が球団とドーム、札幌市の3者に計約4650万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、札幌高裁(佐藤道明裁 判長)は20日、3者に計約4190万円の支払いを命じた1審・札幌地裁判決を変更し、球団にのみ約3350万円の賠償を命じる判決を言い渡した。ドーム と市への賠償は棄却した。
 原告女性は2010年8月、一塁側内野席で家族と試合を観戦中、試合 から目を離した際に打球が顔面を直撃。1審・札幌地裁は15年3月、「野球のルールを知らない観客にも配慮した安全対策を行うべきで、場内アナウンスなど 打球への注意喚起を踏まえても対策は不十分」と判断した。

小中生260人が集団食中毒…給食が原因と断定 indexへ

 福井県若狭町の小中学校計8校に通う児童ら約260人が21日から、下痢やおう吐の症状を訴え、県は23日、原因は学校給食による集団食中毒と発表した。
 小学2年生の男児1人が入院しているが、回復に向かっているという。県は25日まで3日間、町給食センターを業務停止処分とした。
 町教育委員会によると、中学校2校、小学校6校の計225人と、教職 員ら約30人。いずれも町給食センターから給食の提供を受けており、自校で調理する残りの4校で同様の報告はないことから、県二州健康福祉センター(敦賀 市)は、20日以前に提供した給食が原因と断定した。
 この日、8校のうち中学校2校、小学校3校が休校、2校が授業を午前のみで切り上げた。24日は8校とも弁当持参で授業を再開する。県は18~20日の食材を回収するなどして原因を調べる。
 森下裕町長は「児童生徒、教職員、保護者のみなさまに多大な迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げる。早急に原因を確認し衛生管理と体制の整備に努めたい」と謝罪した。
 保護者によると、町内では21日夜から突然はいたり、高熱を出したり した子どもが続出。イベント参加者を中心に情報が広まり、22日午後に各校からメールなどで食中毒症状を問う連絡が入った。症状がなかった3児の母親 (34)は「学校のメールが届いた時、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のやりとりはパニックだった。衛生管理をちゃんとしてもらわない と困る」と不安を漏らした。

厚労省と熊本県が化血研に行政指導…新経営陣案の提示を要求 indexへ

 一般財団法人・化学 及血清療法研究所(化血研、熊本市)が国の承認を受けない方法で血液製剤などを製造していた問題で、厚生労働省とが化血研に対し、経営陣の刷新案を示すよ う行政指導していたことが、わかった。5月20日付の文書で行い、5月末までに回答するよう求めている。
 関係者によると、化血研が5月6日、9人の理事全員を6月下旬に退任させる方針を明らかにしたことを受けた措置だという。化血研に対して、早期に後任人事案を固め、厚労省や県に報告するよう促す狙いだとみられる。
 化血研は不正製造の全容が判明した昨年12月、新経営陣に現経営陣の一部を残す人事案を公表した。これに対して厚労省は、組織体制の抜本的な見直しを求めていた。
 弁護士らでつくる第三者委員会の調査報告によると、化血研は約40年 前から未承認の製法で血液製剤の製造を始め、発覚を免れるため虚偽の製造記録を作成していた。厚労省は医薬品医療機器法に基づき過去最長の110日間の業 務停止命令を出した。処分期間は5月6日に終了している。

群大手術死、全50例で不備…外科学会が検証 indexへ

  群馬大学病院の手術死問題で、日本外科学会が行った死亡例の検証により、対象となった第一、第二外科(2015年4月に統合)の50例全てで、説明や記録 も含めた診療経過に何らかの形で不備が指摘されていることがわかった。死亡例全般で、行われた医療の質が問われる結果となった。問題の発端となった第二外 科だけでなく、第一外科も含め二つの外科が限られた人員で同種の診療を別々に行う非効率な体制を続けた病院組織の問題が、診療の質の低下を招いたとみられ る。
 同学会の検証は、群馬大が設置した第三者の調査委員会が委託。07~14年度に行われた消化器外科手術(約6700例)の死亡64例のうち50例(第一14、第二36)をカルテや画像、病院関係者の聞き取りを基に医学的に検証した。
 50例は、手術適応、手術の技術、患者への説明、手術後の管理といった項目ごとに評価された。深刻さの度合いに差があるものの、それぞれ不適切な対応や改善すべき点、説明・記録の不十分さなど、行き届かない点が指摘された。
 手術を実施することが妥当か判断する手術適応については、「適応あ り」とされたのは26例にとどまり、ほぼ半数の24例(第一6、第二18)で、がんの進行度や体調などの観点から妥当性に疑問が呈された。うち4例(第一 2、第二2)は「問題がある」と断定され、患者にメリットのない手術と判断された。
 手術については、予定時間を大幅に超過したり大量出血したりと異常があっても理由と経過の記録がない不備が、両外科とも目立った。例えば、適応に「問題がある」とされた第一の 膵臓がんの例では、28時間以上かかり輸血も含め17リットルを超える出血がありながら理由の記録がなかった。
 技術的には、第二の 腹腔鏡手術で、不安定な操作や肝臓を過度に損傷した可能性が指摘された。止血に問題のある例や手術中止の検討が必要な例もあった。
 手術後の管理では、両外科とも、適切な時機に行うべき検査が行われず、対応の遅れを指摘された例が多く、医療従事者の連携不足をうかがわせた。第二の患者の1人は、鎮静剤「プロポフォール」が不適正に使用された後、呼吸が弱くなり死亡した。
 死亡症例の検討会も37例(第一6、第二31)で行われた形跡がなかった。これには手術適応に「問題がある」4例も含まれていた。
 同学会の検証の結果を踏まえ、調査委が事故の原因や背景分析と再発防止に向けた調査報告書をまとめる。
 群馬大病院は「調査委員会の報告書が提出されていない現時点ではコメントできない」としている。
◆群馬大学病院の手術死問題
 2014年11月、第二外科で肝臓の腹腔鏡手術を受けた患者8人の死亡が発覚。その後、開腹手術でも患者の死亡が相次いでいることが判明し、15年8月から第三者だけで構成される調査委員会が本格的な調査を行っている。
組織にひずみ 診療劣化
 日本外科学会の検証結果からは、群馬大病院で起きた一連の問題が、病院組織の問題に端を発していることがうかがえる。二つの外科が少人数で連携することもなく競うように同種の診療を行う非効率な状態が現場を疲弊させ、診療の劣化につながったのだろう。
 関係者によると、手術に適しているかの判断や手術後の管理の不備、記録や説明の不十分さなどは、第一、第二外科で、程度の差はあれ共通して見られた。
 消化器外科手術を受けた患者のほとんどは、回復して退院している。ただ死亡例は肝臓や膵臓の切除に集中しており、高難度の肝臓手術に絞ると死亡率は 11%と全国平均(4%)を大幅に超えている。組織のひずみの影響が、難手術の分野で顕著に表れたと言える。
 群馬大が設置した第三者の調査委員会は、最終的な報告書を近くまとめる予定だ。群馬大病院はすでに組織の改善に乗り出しているが、提示される教訓を真摯(しんし)に受け止め、実効性ある改革を達成する必要がある。

介護保険料滞納、差し押さえ高齢者1万人 indexへ

 介護保険料を長期にわたって滞納し、市町村から資産の差し押さえ処分を受けた65歳以上の高齢者が、2014年度に初めて1万人を超えたことが厚生労働 省の調査で分かった。高齢化を背景に保険料が上昇し、負担できない高齢者が増えていることが背景にあるとみられる。
  厚労省が全国1741市区町村を対象に調査したところ、14年度は、517市区町村で計1万118人が処分を受けた。13年度の7900人から3割近く増 え、調査を始めた12年度以降で最も多かった。自治体別では、大阪市(404人)、長崎市(347人)、横浜市(293人)、長野県飯田市(278人)、 広島市(272人)――の順。資産がない人も多く、実際に預貯金などが差し押さえられたのは、14年度で計6305人だった。滞納した期間は自治体によっ て数か月から数年までまちまちだった。

日本人の健康寿命、74・9歳で世界一…医療水準の高さを裏付け indexへ


 【ジュネーブ=笹沢教一】世界保健機関(WHO)が19日に発表した「世界保健統計」で、2015年の日本人の平均寿命は83・7歳、日本人女性の平均寿命は86・8歳でともに世界一だった。
 男性は80・5歳でイタリアと並んで6位だった。
 また、健康上支障なく日常を送れる期間を示す「健康寿命」も74・9歳と世界一で、日本の医療水準の高さを裏付けた。世界の平均寿命は71・4歳だった。

「医師に過失ないが説明不十分」…腫瘍手術で左足にまひ、330万円賠償命令 indexへ

 香川県立中央病院(高松市)で手術を受けた高松市内の女性(67)が、左足にまひが残ったのは担当医師の診察や手術内容に誤りがあり、事前説明も不十分だったなどとして、県を相手取り4462万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が18日、地裁であった。
 横路朋生裁判長は、医師の説明義務違反を認め、県に慰謝料など330万円の支払いを命じた。
 判決によると、女性は2008年、同病院で神経などに腫瘍の疑いがあると診断された。同年12月に腫瘍の摘出手術を受けたが、左足の神経が傷つき、まひが残った。
 横路裁判長は、「診断や手術などで医師の判断に過失はなかった」と判断する一方で、事前に行った手術の説明については「運動障害が生じる危険性があり、 手術と経過観察の選択に当たって、熟慮して判断できるよう女性に説明したとは認められない」と指摘した。
 判決を受け、県病院局は「判決の内容を精査して、今後の対応を検討していきたい」としている。

愛知県がんセンターの医師、胃の検査結果を無断流用 indexへ

 愛知県は19日、県がんセンター愛知病院(岡崎市)の消化器内科部長の男性医師(60)が、国の倫理指針に反し、検査を担当した患者らから、文書で同意を得ないまま検査結果を臨床研究に流用していた、と発表した。
 検査は1997年以降、約460人に実施されていた。
 発表によると医師は97年以降、健康診断などで胃に異常が確認され、 検査に訪れた外来患者らに、ピロリ菌と胃がんの発生などを調べる胃カメラを使用する検査を実施。その際、文書で患者から同意を得ることなく、採取した細胞 や血液を臨床研究に流用していた。一部では、検査の必要量を上回る細胞や血液が採取されたケースがあり、検査費用を患者が余分に負担した可能性もある。
 医師が今年3月、同病院に提出した研究計画書の中で、同意なしで検査結果を流用していることが判明した。医師は「文書で合意が必要だという認識がなかった」と説明しているという。
 同病院は医師に研究を禁止するとともに、今後、患者らに謝罪する。外部有識者も交えた特別調査委員会を設置し、事実関係や再発防止策を検討し、余分な細胞や血液の採取による健康被害がなかったかなども調べるという。個人情報の流出はなかったとしている。

将来は医師過剰、医学部定員増「慎重に」…厚労省有識者検討会 indexへ

 厚生労働省の有識者検討会は19日、2008~19年度に臨時で認められている医学部定員の増員について、17年度以降の追加増員は慎重に行うべきだという中間報告をまとめた。
 将来医師が過剰になるという推計に基づく見解で、定員のさらなる上積みは難しくなる方向だ。厚労省と文部科学省はこの見解を近く都道府県に通知する。
 医学部の定員増は、都道府県からの要望を受けて認められるが、検討会は、17~19年度は厚労省と文科省が追加の必要性を慎重に精査するよう求めた。ただ、医師が特に不足する都道府県でこれまで認めてきた定員増は、当面続ける。
 厚生労働省の有識者検討会は19日、2008~19年度に臨時で認められている医学部定員の増員について、17年度以降の追加増員は慎重に行うべきだという中間報告をまとめた。
 将来医師が過剰になるという推計に基づく見解で、定員のさらなる上積みは難しくなる方向だ。厚労省と文部科学省はこの見解を近く都道府県に通知する。
 医学部の定員増は、都道府県からの要望を受けて認められるが、検討会は、17~19年度は厚労省と文科省が追加の必要性を慎重に精査するよう求めた。ただ、医師が特に不足する都道府県でこれまで認めてきた定員増は、当面続ける。

慢性腎臓病の悪化を予測…阪大チームが新手法を開発 indexへ

 慢性腎臓病患者の血液中のアミノ酸を調べることで、病気の進行を予測する方法を開発したと、大阪大の 猪阪善隆教授(腎臓内科学)らのチームが発表した。
 論文は18日、英電子版科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。
 慢性腎臓病は、高血圧などで腎機能が低下する病気で、国内の推定患者数は約1300万人とされる。悪化すると心筋梗塞や脳卒中による死亡のリスクが高まるが、病気の進行を予測するのは難しかった。
 チームは、2005~09年に医療機関を受診した慢性腎臓病患者 118人について、受診時の血液の成分と、受診から4年後の症状の関係を調査。その結果、血液中に微量に含まれる「Dセリン」「Dアスパラギン」と呼ばれ る2種類のアミノ酸の濃度が高かった人は、老廃物を取り除く人工透析が必要になるほど悪化したり、死亡したりする割合が、濃度が低い人と比べて2~3倍高 かった。
 これらのアミノ酸の濃度を調べるには特殊な機器が必要で、実用化には時間がかかるが、猪阪教授は「将来的には、あらかじめ症状悪化のリスクを見極めた治療が行える可能性がある」と話している。

C型肝炎治療薬で肝機能悪化の恐れ…B型と併発の場合 indexへ


 厚生労働省は18日、C型慢性肝炎治療薬8剤を製造販売する6社に、添付文書を改訂するよう指示した。
 B型肝炎を併発した患者に使用するとB型肝炎ウイルスが増殖し、肝機能が悪化する恐れがあるという。
 8剤のうち5剤はインターフェロンと併用しない飲み薬。厚労省によると、使用後にB型肝炎が悪化した患者が12人おり、うち50歳代の女性1人が肝不全で死亡。いずれも因果関係が否定できないとしている。
 厚労省は、薬の投与前の検査でB型肝炎ウイルスの感染がわかった患者や、感染歴がある患者に対しては、B型肝炎ウイルスの動きや症状に注意して慎重に投与することを添付文書の「使用上の注意」に追記するよう求めている。

手術ミスで患者死亡…同じ医師、同じ日の別手術でも大腸に穴開ける indexへ

 手術ミスで大腸に穴の開いた女性患者が死亡した千葉県船橋市の船橋整形外科病院で、同じ日に同様の手術を受けた男性患者の大腸にも穴が開いていたことが分かった。
 担当は同じ男性医師だった。同病院が17日、明らかにした。男性の体調は現在、良好だという。
 病院によると、同県内の70歳代の男性は今年1月14日、腰の神経が背骨に圧迫される腰部脊柱管 狭窄
きょうさく
症の手術を「XLIF」と呼ばれる方法で受けた。脇腹に2センチほどの穴を開けて医療器具を入れ、神経への圧迫を除くことが目的だった。
 しかし、男性は15日午前、吐き気や腹痛の症状を訴え、市内の別の病院に搬送された。手術で開くはずのない穴が大腸にあったといい、治療を受けて3月末には回復した。

腰の最新手術でミス、女性死亡…大腸傷つけられる indexへ

 千葉県船橋市の船橋整形外科病院で今年1月、腰部の手術を受けた県内の50歳代の女性が誤って大腸を傷つけられ、3日後に敗血症で死亡していたことが、16日わかった。
 脇腹に小さな穴を開けて医療器具を入れる新しい手術方法で、同病院では昨年10月に導入されたばかりだった。同病院は取材に対し、「死亡したのは手術中のミスが原因だった」と認めている。
 同病院によると、女性は腰の神経が背骨に圧迫され、足がしびれるなどする「腰部脊柱管 狭窄
きょうさく
症」を患っており、同病院で1月14日に手術を受けた。この際、担当した男性医師が誤って医療器具で大腸の一部に穴を開けたとみられる。女性は同月16日、意識が低下したため別の病院に搬送されたが、翌17日に死亡した。

都内の「肉フェス」で食中毒…ハーブチキンささみ寿司を食べた49人が発症 indexへ

 東京都は16日、大型連休中などに江東区内で開かれた食のイベント「肉フェス」で、カンピロバクターによる食中毒が発生したと発表した。
 鶏肉料理を食べた8~41歳の男女計49人が下痢や腹痛の症状を訴え、うち18~24歳の男女3人が入院した。現在は、全員が快方に向かっているという。
 発表によると、発症した49人はいずれも、肉フェスで提供された「ハーブチキンささみ寿司」を食べた後、今月2~11日に発症した。
 江東区保健所は今後、肉フェスを主催したイベント企画運営会社「AATJ」(港区)に対し、改善勧告を行い、再発防止を指導する。同社によると、肉フェスは全国各地の肉料理を提供するイベントで、2014年に始まり、都内では今回が5回目だった。
 福岡市内で開かれたイベント「肉フェス2016FUKUOKA春」(FBS福岡放送、読売新聞社など主催)で食事をした人が腹痛や下痢などの症状を訴えた問題で、市は16日、鶏肉を使った握りずしが原因の食中毒と判明したと発表した。
 市によると、4月29日~5月8日に開かれたイベントで、握りずしを食べた108人(4~59歳)が3日頃から症状を訴え、うち69人が医療機関を受診。患者らからカンピロバクター菌が検出された。全員が快方に向かっているという。
 市は16日、イベントを運営した「AATJ」(東京)に改善報告書の提出を求める勧告書を出し、厳重注意した。

経済的理由で治療中断4割、歯科で5割…兵庫 indexへ

 2015年に患者の経済的な理由から治療を半年以内で中断したケースが、兵庫県内の医科の4割、歯科の5割であることが、県保険医協会の調査でわかった。
 5年前の前回調査よりそれぞれ1割近く増えており、同協会は「所得の経済格差が広がるなどし、受診抑制が進んでいる」と指摘する。
 昨年12月、県内5316の医療機関に調査用紙を送り、382の医科と160の歯科から回答を得た。
 同協会によると、「半年間で経済的な理由で治療を中断したケースが あった」と答えた医科は、5年前の調査より10ポイント高い44%。歯科では、8ポイント増の56%だった。患者の病名別では、高血圧症(85件)や糖尿 病(80件)、歯周病(59件)などの慢性的な疾患が目立つ傾向があり、同協会は「患者自らが大丈夫と判断した可能性がある。病気が悪化し、より大きな経 済的な負担が出るリスクがある」と懸念している。
 また、「半年間で患者から未収金があった」とする医科が43%、歯科で41%あった。
 患者が治療を中断する理由について、同協会は「経済的要因に加え、治療が面倒や時間がないなど様々な理由が複合的に関係しているのでは」としている。

佐賀の医療機関で結核集団感染、1人死亡 indexへ

 佐賀県は14日、県西部の医療機関に入院していた80歳代の女性患者1人が結核を発症して死亡し、同じ医療機関の患者や職員ら計9人(30~80歳代)が集団感染した、と発表した。
 県健康増進課によると、死亡した女性は発熱や呼吸器の状態が悪化する症状がみられたため、入院していた医療機関で検査を受け、今年1月26日に結核と診断された。その後、転院して治療を受けたが、2月中旬に死亡したという。
 このため、県は、入院先の医療機関の職員や入院患者ら約220人を調査し、男性3人、女性6人の感染を確認。うち4人が発症していた。重症患者はいなかった。
 感染者数人から採取した結核菌を調べたところ、遺伝子型が一致した。県は今後も、この医療機関の患者らを対象に検査を行う方針。

佐賀の医療機関で結核集団感染、1人死亡 indexへ

 佐賀県は14日、県西部の医療機関に入院していた80歳代の女性患者1人が結核を発症して死亡し、同じ医療機関の患者や職員ら計9人(30~80歳代)が集団感染した、と発表した。
 県健康増進課によると、死亡した女性は発熱や呼吸器の状態が悪化する症状がみられたため、入院していた医療機関で検査を受け、今年1月26日に結核と診断された。その後、転院して治療を受けたが、2月中旬に死亡したという。
 このため、県は、入院先の医療機関の職員や入院患者ら約220人を調査し、男性3人、女性6人の感染を確認。うち4人が発症していた。重症患者はいなかった。
 感染者数人から採取した結核菌を調べたところ、遺伝子型が一致した。県は今後も、この医療機関の患者らを対象に検査を行う方針。

高血圧治療薬「ディオバン」のデータ改ざん事件受け…臨床研究規制法案を提出 indexへ

 高血圧治療薬「ディオバン」のデータ改ざん事件などを受け、政府は臨床研究を適正に行うための臨床研究法案を、国会に提出した。
 第三者の審査委員会の設置や製薬会社による資金提供の公表を義務づける。
 薬の製造・販売承認を得るために行う臨床試験(治験)は、医薬品医療機器法(旧薬事法)で規制されている。しかし、医師らが製薬会社から資金提供を受けて医薬品の効果を確かめたり、承認された病気以外の効果を確認したりする場合は法規制がなかった。
 法案などによると、第三者の医師や患者団体、法曹関係者からなる「認定臨床研究審査委員会」を全国数十か所に設置。患者への説明や記録の保存など、研究計画が厚生労働相の定める基準に合うか審査する。
 製薬会社の資金提供は金額公表を義務付け、研究委託費だけでなく、研究室への寄付金、研究者個人への原稿執筆料、講師謝金も対象とする。違反すれば厚労相が是正勧告し、従わない場合は社名を公表する。

「石綿吸った場所判らず」…中皮腫で亡くなった藤本義一さんの長女、実態訴え indexへ

 アスベスト(石綿)関連疾患の中皮腫で亡くなった作家・藤本義一さんの長女・中田有子さん(55)(兵庫県西宮市)が、石綿被害を周知する活動に取り組んでいる。
 職業柄、石綿とは縁遠いと思えた父が被害に遭ったことから、その実態を調べ、身近な場所でも使われていたことを知った。講演や街頭などで、支援団体のメンバーらと「もっと関心を」と訴えている。
 藤本さんは2012年10月、79歳で死去し、石綿健康被害救済法の認定を受けた。中田さんは「父が病気になるまで石綿の被害や救済制度をほとんど知らなかった」と言い、インターネットで検索し、中皮腫が石綿に起因するものだと初めて知った。
 藤本さんには石綿関連の職歴がなく、中田さんは父の死後、どこで石綿を吸ったのかを突き止めようと、地図を手に足跡をたどった。
 40歳までの大半を過ごした大阪府堺市、宝塚市内の映画の撮影所、避 難所への慰問などに駆け回った阪神大震災の被災地……。疑われる場所は複数あったが、特定には至らなかった。当時は石綿が使われていた場所が多く、「非常 に危険な石綿が、父の人生の身近なところにたくさんあった現実に驚いた」と言う。
 多くの患者、遺族らから話を聞いた経験を生かしたいと、13年に「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」ひょうご支部(神戸市)のメンバーに。現在は世話人として、講演で被害の実態を話したり、同法で必要な申請手続きを説明したりしている。
 街頭でマイクを握る機会も多く、3月下旬には、尼崎市のJR尼崎駅前に遺族らとともに立ち、通行人に藤本さんが中皮腫だったことを語り、石綿による被害や救済制度の改善などについて訴えた。
 また、同法の給付金申請の窓口となっている環境再生保全機構(川崎 市)によるポスター作りにも協力。ポスターは3月で同法が施行10年となることに合わせて昨年作られたもので、藤本さんの写真に、「石綿を吸ってしまった 場所、未だ判らず」の文字と、「『まさか、自分が』と思ったと、思いますよ」との中田さんの言葉が添えられている。
 中田さんは「健康被害を受けた本人や家族が、その原因が石綿によるものと気付かないケースも多い」とし、「声を上げ続けることで、多くの人に石綿被害を少しでも身近に感じてもらい、関係する人たちの救済につながれば」と話している。

性格と所得の関連、東大チームが調査…「まじめさ」での差は198万円に indexへ

 中学時代に勤勉でまじめ、忍耐力のあった人ほど大人になった時の所得が高い傾向にあるという調査結果を東京大学社会科学研究所の研究チーム(代表・石田浩教授)が発表した。
 29~49歳の約4500人を対象に中学時代の行動に関するアンケートを実施。質問は勤勉性、まじめさ、忍耐力を示す内容で、4段階で自己評価してもらった。回答を得た約3500人の平均年間所得と性格との関連性を調べた。
 いずれの性格も4段階評価で最高のグループが最低のグループの所得を大きく上回り、その差は勤勉性で65万円、まじめさで73万円、忍耐力では75万円となった。女性より男性の方が所得差が大きく、まじめさでの差は198万円にも上った。

信号無視、逆走など18行為で認知症検査義務…来年3月実施へ indexへ

 警察庁は12日、75歳以上のドライバーが臨時の認知機能検査を受けなければならなくなる交通違反として、信号無視や逆走など18行為を定めた道路交通法施行令の改正案を公表した。来年3月から実施される見通し。
 昨年6月に成立した改正道交法では、75歳以上のドライバーが特定の 交通違反をした場合、臨時の認知機能検査を義務づけることにしたが、具体的な交通違反は、道交法施行令を改正して定め、その上で施行することになってい た。認知症の専門医らでつくる調査委員会が過去の違反や事故を分析し、信号無視や逆走、遮断機が下りた踏切への進入、横断歩道での歩行者妨害など、認知機 能が低下した高齢者らが起こしやすい18行為をまとめた。施行令は来月11日まで意見公募をしたうえで正式決定する。

高齢出産で腰の骨折多発…妊娠、授乳に伴うカルシウム不足補えず indexへ

 晩婚化などで高齢出産(35歳以上)が増える中、出産前後に腰の骨を圧迫骨折するケースが目立つとして、大阪市立大病院(大阪市阿倍野区)の研究チームは、出産が母親の骨に与える影響の本格調査に乗り出した。
 妊娠、授乳に伴うカルシウム不足を十分補えず、骨がもろくなっているとみられる。こうした母親は授乳制限が必要だとしている。
 同大学の稲葉雅章教授(代謝内分泌病態内科学)によると、同教授が理事を務める日本 骨粗鬆症学会内で「高齢出産した女性の間で腰椎の圧迫骨折が増えている」という報告が近年寄せられるようになった。
 腰椎は、溶けやすいスポンジ状の「海綿骨」の割合が多く、妊娠中の体重増加などで骨折しやすい、と推測される。ただ、骨折の自覚症状が出にくく、胎児へ の影響を避けるためエックス線検査もできないことから、出産前後の骨の変化や、骨折の実態は不明だった。
 エックス線の代わりに超音波で骨の状態を精度よく測れる装置が開発さ れ、同大学が導入したことで検査が可能になった。チームは6月頃までに、主に35歳以上の妊婦を100人程度募り、「妊娠期」(初期、中期、後期)と、 「授乳期」(出産直後、出産3か月後)の1年余りの間に計5回、骨の密度や厚さなどがどう変化するかを調べる。
 妊娠中や授乳中は母体から赤ちゃんへ大量のカルシウムが供給される。若い女性では、食べ物からのカルシウム吸収量が増えたり、吸収を促すビタミンDが体内で多く作られたりし、一時的に骨の量が減っても数か月で回復するという。
 一方、高齢出産の場合は、カルシウムの吸収力が低下し、不足分を補お うと母親の骨が多く溶ける。稲葉教授は「骨の状態が悪い人には子供の栄養上、母乳が必須でなくなる産後1か月くらいで授乳制限も必要になる」と指摘。カル シウムの多い牛乳や魚などを意識して取るよう薦めている。
 また、近年は妊娠前の過度なダイエットなどで骨の量が少ない女性も多く、「加齢に伴う骨折リスクの増加に拍車がかかっている。ダイエットをするなら慎重にしてほしい」と話す。

死亡診断書「空欄で作成」…嘱託医が認める indexへ


 埼玉県春日部市の特別養護老人ホーム施設「あすなろの郷」で3月、医 師の不在時に女性入居者(当時101歳)の死亡診断書が作成されていた問題で、施設の嘱託医が県の聞き取り調査に「女性の体調が悪いという報告を受け、一 部空欄の死亡診断書を作った」と説明したことが10日、県への取材でわかった。
 一方、上田知事は同日、「これまでの死亡診断書が問題なかったかチェックする」として、定期指導の際、県内全ての老人福祉施設で死亡診断書を点検する方針を示した。
 県によると、嘱託医に対する聞き取り調査は今月6日、任意で行われ た。嘱託医は、女性が危篤に陥った3月18日の前日・同17日に施設から女性の体調が悪いとの報告を受けており、臨終が近いと判断。県に「20日から旅行 予定だったので、死亡診断書を作成した」と説明し、日付を空欄にした死亡診断書を施設側に渡したことを認めたという。
 さらに、同20日に女性が死亡する直前、施設から連絡を受けたものの、「体調を崩して、(旅行先から)施設に戻れなかった」と釈明した。死亡診断書の事前作成については「今回が初めて」と述べ、「施設の指示ではない」と強く否定した。
 今回の問題では、女性が危篤に陥った同18日、嘱託医が日付を空欄に した死亡診断書を施設に渡し、同20日に女性が死亡した際、看護師が死亡年月日と発行年月日を記入したことが、県などの立ち入り検査で判明。医師法では、 死亡診断書の作成は、医師以外できないと定められている。
 一方、上田知事が、県内全ての老人福祉施設で死亡診断書を点検する方針を示したのは、10日の定例記者会見。上田知事は「関係者が法令順守の精神に欠けていた。あってはならないことが起こった」と厳しく批判した。
 その上で「5月中旬以降、施設を定期指導する時に、死亡診断書に問題がないか、全部1回は見て、再発防止を徹底する」とした。

インドで「72歳」の女性、体外受精で男児出産 indexへ

 【ニューデリー】インド有力紙「ヒンドゥスタン・タイムズ」は、同国北部ハリヤナ州の不妊治療・体外受精児センターで、72歳の女性が4月中旬に体外受精で男児を出産した、と報じた。
 北部パンジャブ州のダルジンダル・コールさん。46年前に夫モヒンダル・ギルさん(79)と結婚したが、子供ができず、2013年からセンターで体外受精を試みていた。昨夏に3回目の体外受精で妊娠、4月19日に出産した。母子ともに健康という。
 センターは卵子、精子が夫婦のもので、コールさんを72歳としているが、出生証明書などはなく、正確な年齢は不明。
 インドでは、不妊は呪いのせいと考える人もおり、コールさんは「神様が願いを聞き入れてくれた」と喜んでいる。インドでは08年、同センターで70歳の女性が体外受精によって出産し、地元紙が世界最高齢出産と報じた。

レモン摂取すると骨密度上昇、血圧下がる効果も indexへ

 県立広島大(本部・広島市)などの研究グループは、レモンを食べると 体内でカルシウムの吸収率が上がり、血圧を下げる効果があるとする研究結果を発表した。研究成果は、足腰の衰えで歩行などが困難になる「ロコモティブシン ドローム」の原因となる骨粗しょう症などの予防に役立てていくという。13~15日に兵庫県で開かれる日本栄養・食糧学会で発表する。
 同大学と県立安芸津病院(広島県東広島市)、ポッカサッポロフード& ビバレッジ(本社・名古屋市)が共同研究を行った。レモンの酸味の主成分・クエン酸に、カルシウムの吸収を促進する作用があることに着目。中高年の女性 44人に、カルシウムを配合したレモン果汁飲料200ミリ・リットルを半年間、毎日飲み続けてもらった。
 その結果、骨から血液中に溶け出るカルシウムの量が平均で約14%抑えられ、骨密度は3か月で平均1.32%上がり、半年後もほぼそのまま保たれた。平均134.6だった最高血圧も、1か月で125.6まで下がり、半年後まで効果は継続したという。
 研究にあたった同大学の飯田忠行准教授は「カルシウムの吸収を促進し、血圧を下げるメカニズムをさらに検証していきたい」と話していた。
 研究は、レモンの需要拡大を目指し、生産量日本一の広島県と、レモン製品を販売するポッカサッポロが2013年2月に締結した連携協定に基づき、14年11月から行われた。

ニチレイ、冷凍野菜25万食回収へ…細菌混入か indexへ

 冷凍食品大手のニチレイフーズは10日、冷凍野菜計約25万食を自主回収すると発表した。
 食中毒の原因となる細菌が混入したおそれがあるためだ。加熱すれば細 菌は死滅するため、食べても健康上の問題はないとしている。対象は「元気畑の有機野菜コーンカーネル」の賞味期限が2017年1月1日、2月17、18日 の商品など5種類。米国企業から供給を受けている原料が細菌に汚染されている可能性があるという。
 問い合わせは、お客様相談センター(0120・124099)。

慶大麻酔医、危険ドラッグ輸入容疑で逮捕 indexへ

 危険ドラッグを輸入したとして、神奈川県警と横浜税関は10日、慶応大学病院麻酔科医師(49)(東京都品川区)を医薬品医療機器法違反(指定薬物輸入)と関税法違反の疑いで逮捕したと発表した。
 発表によると、医師は昨年9月28日、医薬品医療機器法で指定薬物に なっている亜硝酸イソプロピルを含む液体が入った小瓶10本を、イギリスから国際郵便で空輸した疑い。「輸入したのは間違いないが、輸入してはいけないも のだとは知らなかった」などと容疑を否認しているという。
 横浜税関川崎外郵出張所(川崎市川崎区)で、税関職員が発見した。
 捜査関係者によると、医師は約20年前から購入を始め、約10年前からは海外のインターネットサイトを通じた取引を始めたと説明している。また、医師の自宅の捜索で、危険ドラッグの空き瓶約15本が見つかったという。

新薬調査票、製薬会社社員が代筆…帝人ファーマ indexへ


 新薬の発売後、安全性などを再点検する国の「再審査制度」を巡り、製薬会社「帝人ファーマ」(東京都千代田区)の営業担当者が、本来、医療機関で作成すべき薬の投与実績などの調査票を代筆していたことが、同社関係者らへの取材でわかった。
 製薬会社側による代筆は調査結果に疑念を抱かせるもので、調査を適正に実施するよう求めた国の基準にも抵触する恐れがある。厚生労働省は同社に対し、原因究明と再発防止を行うよう行政指導した。
副作用再審査、結果に疑念も
 調査票は、製薬会社があらかじめ契約を交わした医療機関に、患者への新薬の投与量や、副作用の有無などを記載してもらい、製薬会社が回収。同省所管の独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」で再審査を受ける際、調査票をまとめた資料を添付する。

校庭のスイセン、山菜と誤り調理…児童ら11人食中毒 indexへ


 長野県は7日、伊那市の小学校で児童10人を含む計11人が、有毒植物のスイセンの球根を山菜のノビルと誤って食べて食中毒になったと発表した。
 いずれも命に別条はなく、快方に向かっている。県内では4月下旬から有毒植物による食中毒が相次ぎ、県は同日、「食中毒注意報」を発令。「山菜と有毒植物の特徴の違いをしっかり把握してほしい」と呼びかけている。
 発表によると、同じ学級の児童11人と40歳代の女性教員の計12人が6日昼、校庭に生えていたノビルの球根を電子レンジで加熱調理して食べたところ、スイセンの球根が混ざっていたという。このうち11人が吐き気や 嘔吐の症状を訴え、4人が市内の病院で診察を受けた。
 この小学校の児童の保護者らによると、食中毒になった児童は2年生で、給食の時間に食べたところ、症状を訴えたという。同校の男性教頭は「児童のプライバシーに関わることなので何もお話しできない」と話した。
 県食品・生活衛生課によると、スイセンとノビルの球根はタマネギのような形をしており、よく似ている。スイセンの葉にはにおいがないが、ノビルにはネギに似た特有のにおいがある。
 県内では2011年以降、有毒植物による食中毒は確認されていなかったが、今年は相次いでいる。4月24日には中野市で4人がニラと誤ってスイセンを食 べ、5月2日には、木曽郡で2人が山菜のオオバギボウシと間違えて有毒のバイケイソウを食べ、いずれも食中毒になった。
  山菜に似た有毒植物の写真は県のホームページに掲載されているほか、各保健所が山野草の知識が豊富なボランティア「薬草指導員」を紹介している。また、他 県では山菜と間違えて有毒植物を販売し、食中毒につながったケースもあることから、県は「種類がよくわからない植物は自分で食べないだけでなく、人に売っ たり、譲ったりしないでほしい」と呼びかけている。

工場の作業で膀胱がん、因果関係認める…社長ら従業員に謝罪 indexへ


 三星化学工業(東京)の福井工場(福井市)で従業員ら6人が 膀胱がんを発症した問題で、同社が工場内での作業と発症との因果関係を認め、社長らが従業員らの自宅を訪れて謝罪していたことが、同社などへの取材で分かった。
 同工場では染料や顔料の原料を製造。厚生労働省は今年3月、立ち入り検査の結果、同工場での安全対策が不十分で、従業員が発がん性物質の「オルト―トルイジン」を体内に取り込んだことが判明した、と発表した。
 同社はこの発表を受け、4月中旬、泉谷武彦社長らが、発症した従業員 と元従業員の自宅を訪問し、本人や家族に謝罪文を手渡し、「申し訳ありませんでした」などと述べたという。同社は取材に対し「因果関係を認めざるを得な い。誠意をもって対応する第一歩にしたい」としている。
 一方、厚労省によると、新たに元従業員1人に膀胱がん発症の疑いがあることが判明した。

印刷工場で多発の胆管がん、洗浄液が発がん性物質に…東大チーム発表 indexへ

 印刷工場の洗浄液などに使われる化学物質「ジクロロプロパン」は、肝臓で発がん性をもつ物質に変換されることで、胆管でがんを引き起こしている可能性が高いという研究結果を、東京大学の豊田優・特任助教らのチームが発表した。
 科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。研究チームは、 ネズミにジクロロプロパンを投与。肝臓で発がんの可能性のある物質に変換され、胆管に排せつされることを確認したという。「今後は胆管がんを発症した人の 細胞を調べ、発がんの仕組みを明らかにしたい」としている。

せき止め薬、適正量の10倍投与…病院側に60万円支払い命令 indexへ

 2012年に島根県東部の80歳代の男性が肺がんの治療で松江医療セ ンター(松江市)に入院中、投薬ミスで抗がん剤治療が受けられず、死亡時期が早まったなどとして、遺族が病院を運営する独立行政法人・国立病院機構に約 2640万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、松江地裁であった。
 杉山順一裁判長は、投薬ミスと死亡などとの因果関係は認めなかったが、投薬ミスで男性が精神的苦痛を受けたとして、機構側に慰謝料60万円の支払いを命じた。
 判決などによると、男性は12年7月に入院中、薬剤師らのミスで適正 量の10倍のせき止め薬を20日間近く投与された。その後、男性は全身の状態が悪化し、予定されていた抗がん剤治療が中止され、同年12月、肺がんのため 82歳で死亡した。機構側は投薬ミスの事実は認めていた。
 杉山裁判長は判決で、薬の過剰投与と治療の中止や死亡時期が早まったことなどとの関係性を否定した。一方で、薬の過剰投与が原因で幻覚などが生じる「せん妄」状態になり、看護師らに体を拘束されるなど精神的な苦痛を受けたと認定した。
 判決について松江医療センターの上甲尚史事務部長は「(控訴は)判決文を見て相談したい」とし、原告側の代理人弁護士は「控訴は原告と検討したい」と話した。

O157後遺症で死亡、堺市が6275万円支払い…女性遺族と補償合意 indexへ

 堺市の学校給食が原因で1996年7月に発生した病原性大腸菌 O157による集団食中毒で、市教委は26日、後遺症のため昨年10月に亡くなった同市北区の女性(25)の遺族と、補償金約6275万円を支払うことで合意したと発表した。
 これで、補償対象9119人のうち、4遺族を含む9108人と合意した。
 市教委によると、補償金の内訳は慰謝料3164万円、逸失利益2884万円など。発生翌春の合意で支払った補償金や、その後の治療費は含まない。
 女性は小学1年で感染後、入院中に腎機能が低下する溶血性尿毒症症候群を発症。後遺症で高血圧が続き、降圧剤を服用しながら通院していたが、昨年10月10日、体調が急変、翌日腎血管性高血圧で亡くなった。

イヌサフラン食べ?75歳死亡…山菜と有毒植物、誤認注意 indexへ

 山菜採りの季節を迎え、北海道警や北海道が、有毒植物を山菜と誤認しないよう注意を呼びかけている。
 旭川東署は25日、ギョウジャニンニクと一緒に、ユリ科で葉の形が似た有害のイヌサフランを食べたとみられる旭川市内の男性(75)が死亡したと発表した。
 発表によると、男性は21日に知人からもらったギョウジャニンニクの葉を夕食で妻と食べた後、同日夜に 嘔吐
おうと
や下痢など食中毒の症状を訴え、病院に搬送された。2人は治療を受け、自宅で療養していたが、23日朝、男性が寝室で死亡しているのを妻が発見した。妻は快方に向かっているという。
 同署によると、男性はギョウジャニンニクを食べる前に葉を取り除き、根を庭に植えたという。男性方の庭からイヌサフランとみられる球根も見つかっており、同署は、知人からもらったギョウジャニンニクの中にイヌサフランが交ざっていたとみて調べている。
◆似た葉 調理前も確認を
 道内では1990年以降、有毒植物による食中毒で4人が死亡しており、うち2人はイヌサフランによる食中毒が原因だった。
 道立衛生研究所などによると、イヌサフランは一般的に観賞用として栽 培される。葉や花、球根など全体に有毒成分「コルヒチン」が含まれ、摂取すると吐き気や下痢を起こし、呼吸困難に陥ることがあるという。葉の形が山菜の ギョウジャニンニクと似ているため誤食する例が多く、2003年には中富良野町で女性が死亡、昨年も札幌市で男性が亡くなっている。
 有毒植物による食中毒はイヌサフラン以外でも起きている。猛毒のトリ カブトは山菜のニリンソウやヨモギの若芽と間違えやすく、12年には函館市で誤って食べた親子2人が死亡した。このほか、葉や球根に有毒成分を含むスイセ ンを、葉の形が似た野菜のニラと間違えるケースも多いという。
 道食品衛生課は予防策として、〈1〉判定のつかない山菜は採らない、食べない、人にあげない〈2〉山菜と有毒植物が混生することがあるので1本1本確認 して採る。調理前にもう一度確認する〈3〉異常を感じたら速やかに医師の診察を受ける――よう呼びかけている。

出生前検査で胎児の病気確定、妊婦の8割が中絶 indexへ

 妊婦の血液を採取して、ダウン症などの胎児の染色体の病気を調べる新型出生前検査の共同研究組織は、2013年4月の開始から昨年12月までに2万7696人が検査を受けたことを明らかにした。同組織に加入する44施設の実績をまとめた。
 新型検査では469人が陽性となり、羊水検査などで434人が胎児の病気が確定した。そのうち約8割の334人が人工妊娠中絶をした。妊娠を継続したのは12人で、残りは子宮内で胎児が死亡するなどした。
 新型検査は、日本医学会が67施設を認定して、臨床研究として行われ ている。妊婦の血液に含まれる微量の胎児のDNAを分析し、ダウン症(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーの三つの染色体の病気の可能性を 調べる。主に35歳以上の妊婦が対象。妊娠、出産を望む女性の年齢が上がっており、検査を受ける人は毎年、増えている。

腹腔鏡手術、高死亡率3病院検証へ…肝胆膵外科学会が実地調査 indexへ

 群馬大学病院で手術後に患者の死亡が相次いだ問題を受け、全国の病院を調査していた日本 肝胆膵外科学会は16日、死亡率が高く問題のある8病院に改善案を提出させることを決めた。
 このうち3病院は特に問題が大きいとして、学会が初の実地調査を行う。
 同学会は肝臓や膵臓の高度な手術を担う認定病院が行った 腹腔鏡手術を調査。5病院の死亡率が高いとわかった。開腹も含めた高難度手術全体では6病院が高死亡率と判明。うち2病院は腹腔鏡の死亡率が高い5病院に 含まれており、同学会は9病院を対象に詳しく調べていた。
 9病院のうち1病院は重症例が重なったためで診療に問題ないと判断された。同学会は、8病院に手術の技術や術前術後の管理などの問題に対する改善案を提出させ、指導する。3病院には指導に加え、専門家が病院に赴いて検証する。

仁和寺で349日連続勤務…元料理長のうつ認定 indexへ

 世界遺産・仁和寺(京都市右京区)の食堂で働いていた元料理長の男性(58)が、長時間労働で精神疾患を発症したとして、同寺に慰謝料や時間外手当など約4700万円を求めた訴訟の判決で、京都地裁は12日、同寺に約4200万円の支払いを命じた。
 1か月の時間外労働は最長約240時間で349日の連続勤務もあり、堀内照美裁判長は「尋常でない過酷業務」として発症との因果関係を認めた。
 判決によると、男性は2004年に同寺に雇用され、境内の宿泊施設 「御室会館」で、レストランや宿泊客用の料理を担当。05年に料理長となったが、12年8月に「抑うつ神経症」と診断され休職した。13年7月に労災認定 され、現在も後遺症が残る。発症まで約1年3か月間の時間外労働は、1か月を除き毎月140時間以上で、最長約240時間。11年は1年間で356日出勤 し、うち349日は続けて勤務していた。
 堀内裁判長は、寺がこうした業務実態を適切に把握せず継続させていたとして、安全配慮義務違反を認定。寺は時間外手当を払っておらず、「労働時間規制を 軽視する態度が顕著で悪質」として、慰謝料や逸失利益、未払いの手当などに加えて付加金(制裁金)の支払いも命じた。
 寺側は「出退勤時間は料理長である男性に任されていた」と主張したが、判決は「調理人は多くてもほかに2人しかおらず、仕事量を調節できる状況ではなかった」と退けた。
 判決後に記者会見した男性は「勝訴はしたが、体が元に戻るわけではない」と話した。寺は「主張が認められず、大変残念」とするコメントを出した。

渋谷署の結核集団感染、解剖医師ら7人も感染…保健所に届けず indexへ

 警視庁渋谷署員19人が結核に集団感染した問題で、同署に留置中に肺結核で死亡した男性を解剖した都内の大学病院の医師ら7人も結核に感染したことが、同病院を管轄する文京区への取材で分かった。
 感染者は計26人となった。
 同署によると、男性は昨年2月、留置場で体調を崩して死亡した。大学病院の医師が解剖を行い、死因を肺結核とする報告書が同8月に同署に届いた。
 区によると、今年1月に署員の感染が判明したのを受け、男性を解剖した病院関係者らの検査を行ったところ、解剖した医師ら7人の感染が判明した。発症者はいないという。
 結核と診断した場合、医師は直ちに保健所に届け出る義務があるが、大学病院の医師は届け出ておらず、区が経緯を調べている。

後期高齢者の保健指導、「メタボ」より「虚弱」が重要…厚労省 indexへ

 後期高齢者の保健指導にとって最重要なのは「虚弱(フレイル)」対策とする提言を、厚生労働省研究班(班長=鈴木隆雄・国立長寿医療研究センター理事長特任補佐)が12日、発表した。
 同省は、有識者検討会で具体策を練り、2018年度から全国展開を目指す。
 現役世代の健康対策としては、「メタボリックシンドローム」(内臓脂 肪症候群)など肥満対策が重視されているが、研究班は、75歳以上の後期高齢者に着目。国内の高齢医学分野の研究を複数分析したところ、肥満よりも、栄養 不足に伴って体力、認知機能などが低下する「虚弱」の深刻さが浮かび上がった。介護が必要になる要因を見ると、虚弱関連が5割超で脳卒中など生活習慣病関 連の3割より多かった。75歳以上になると、食べる力が衰え、体力や認知機能が低下し、行動範囲も狭まりがちなことも指摘。提言では、後期高齢者向けの保 健指導として、虚弱状態のチェックリストの作成や、栄養士などによる訪問指導などの対策を挙げた。

乳幼児突然死症候群の予防、不十分…うつぶせ寝で1歳死亡 indexへ

 認可外保育施設「キッズスクウェア日本橋室町」(東京都中央区)で3 月、うつぶせの状態で寝かされていた1歳2か月の男児が死亡し、東京都は12日、同施設の安全対策が不十分だったとして、運営会社「アルファコーポレー ション」(京都市)に改善を求める指導を行ったと発表した。
 都によると、施設は近隣企業の従業員用に設けられた「事業所内保育施設」で、男児は3月11日午後2時過ぎ、うつぶせで呼吸が止まっている状態で見つかり、病院で死亡が確認された。
 国の保育指針などでは、乳幼児が睡眠中などに死亡する「乳幼児突然死症候群(SIDS)」の予防のため、うつぶせ寝で放置しないよう求めている。都の調 査では、同施設は男児を2時間以上うつぶせの状態で寝かせ、その間、呼吸や顔色の確認をきちんとしていなかった。
 男児は他の子供とは別の部屋で1人で寝かされていたが、職員らがいない時間帯もあり、都はSIDSの予防が不十分だったと判断した。

渋谷署員19人が結核感染…死亡の容疑者、原因か indexへ

 警視庁渋谷署内で、署員19人が結核に感染していたことが11日、わかった。
 6人が発病し3人が入院したが、退院して投薬治療中という。昨年2月、詐欺容疑で同署に逮捕され留置場にいた60歳代の男が肺結核で死亡しており、署員に感染した可能性があるという。
 同署幹部によると、昨年12月、20歳代の男性署員が体調を崩し、今年1月、結核と診断された。男性署員は留置場でこの男を担当したことがあった。その後の検査で、感染者が計19人に上ったという。

医療機関HP、規制を検討…美容外科トラブル多発で indexへ

 美容外科などの医療機関のホームページ(HP)を巡って健康被害や契約トラブルが相次いでいることを受け、厚生労働省は、医療機関のHPを広告規制の対象とする検討を始めた。
 有識者による検討会で議論を重ね、今秋をめどに規制策について結論をまとめる。
 美容整形や脱毛、脂肪吸引などの美容医療の分野では、医療機関がHP で施術の効果や安全性を誇張したり、実際より低額の料金を表示したりして、治療を受けた患者が被害を訴えるケースが急増している。国民生活センターによる と、全国の消費生活センターに寄せられた医療機関のインターネットでの宣伝に関する苦情相談は、2005年度の40件から、14年度は405件に増加し た。
 福岡県消費生活センターでも08~13年度は3~9件で推移していた が、14年度は16件と急増。15年度はまだ集計がまとまっていないが、同程度に上る見通しという。「HPを見て、にきびとしみの治療を受けたが、効果が なく、高額な支払いを要求された」などの訴えが寄せられた。
 他地域でも同様の相談が相次いでいる。昨年6月に美容クリニックで脂 肪を溶かす注射を打ったという近畿地方の20歳代女性は、HPに「腫れ、痛みも少なく、翌日から普通の生活が送れる」との記載があったのに、施術直後に足 の腫れや痛みが出たという。東北地方の30歳代男性は「キャッシュバックあり」とうたうHPを見て脱毛の施術を受けたが、終了後に「対象外」と説明され、 代金が戻らなかったと訴えた。
 医療法では、医療機関がチラシなどで広告を行う場合、記載できるのは診療科名や手術の内容などに限定し、虚偽の広告には、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金もある。
 ただ、同法を所管する厚労省はこれまで、HPについては「一般に広く認知される『広告』ではなく『情報提供』にあたる」とし、閲覧者を別のHPに誘導する「バナー広告」などを除き、規制の対象外としてきた。
 厚労省は12年にHPに掲載すべきでない事項などをまとめたガイドラ イン(指針)を策定。しかし、その後も相談や苦情が相次いでいる現状を踏まえ、医療関係者や消費者保護の専門家らによる検討会を設置し、3月下旬に1回目 の会合を開き、同法改正や解釈変更の検討を決めた。
 厚労省の担当者は「ガイドラインなどによる対策は十分ではないとの指摘もあり、専門家の議論を踏まえて対策をまとめたい」と話している。

出産直後の「早期母子接触」中に急変、脳性まひの子どもが7人 indexへ

 日本医療機能評価機構は、出産直後に母親が赤ちゃんを抱く「早期母子接触」中に急変して、脳性まひになった子どもが2009年以降少なくとも7人いるとの報告書を公表した。
 医師や看護師は、心電図などで赤ちゃんの状態を監視するなど、急変に注意するよう呼びかけている。
 報告書は、出産時に脳性まひになった子どもを補償する制度の対象にな り、原因分析が終わった793人のうち、出生時は異常がなかったが、5分以上たってから異常が生じた188人のケースを検討した。容体が悪くなった時に早 期母子接触中だったことがカルテに書かれるなどした例が7人あった。脳性まひとの因果関係は不明だが、赤ちゃんに毛布をかけるなどして母親が胸に抱いてい たところ、心肺停止が確認され、低酸素性虚血性脳症を発症した例などがあるという。また、赤ちゃんが新生児室でなく母親と同室で過ごしていて急変した例も 18人あった。

精神科で患者拘束1万人超、10年で2倍…「安易に行う例」指摘も indexへ

 精神科で身体拘束を受ける患者の数が、2013年の調査日に1万人を超え、10年間で2倍に増えたことが厚生労働省の調査で分かった。
 閉鎖した個室に隔離される患者も1万人に迫り、増加を続けている。
 調査は、精神保健福祉資料作成のため、毎年実施している。精神科がある全国の病院から6月30日時点の病床数や従業者数、在院患者数などの報告を集計、今年は13年分がまとまった。
 患者の手足や腰などを専用の道具でベッドにくくり付ける身体拘束や、保護室と呼ばれる閉鎖個室に入れる隔離は、本人や他人を傷つける行為を防ぐため、精 神保健指定医の資格を持つ医師の判断で行う。12時間以内の隔離は指定医資格を持たない医師でも行える。
 身体拘束を受ける患者は、この調査項目が追加された03年は5109人だった。以後増え続け、13年は1万229人となった。隔離患者もこの間7741人から9883人に増えた。
 一方、入院患者数は減る傾向にある。03年は1662施設に約32万9000人だったが、13年は1616施設に約29万7000人となった。
 同省は「症状が激しい急性期の患者やアルツハイマー型認知症患者の入院は近年増えているが、身体拘束や隔離の増加との関連は分からない」とする。
 杏林大保健学部の長谷川利夫教授は「認知症患者の身体拘束は介護保険制度では原則禁止されているが、病院では転倒防止などの目的で安易に行う例が目立つ。拘束される人の苦痛は甚だしく、国や自治体は増加の原因を早急に調査するべきだ」と指摘している。

ジカ熱、国内で二次感染のリスクは16.6% indexへ

 中南米で流行しているジカウイルス感染症(ジカ熱)について、海外で感染した人が帰国後、他人にウイルスをうつす二次感染の可能性は16・6%との推計を北海道大学の西浦博教授(理論疫学)らのチームがまとめ、英科学誌に発表した。
 西浦教授は「国内で感染が起きる可能性は低い。妊婦が流行地域へ渡航して感染するのを防ぐことに力を入れるべきだ」と指摘する。
 ジカ熱は主に、感染者の血を吸った蚊が別の人を刺すことで感染する。
 ブラジルの最近の流行状況や、蚊でうつるデング熱、チクングニア熱の 広がりなどを参考にリスクを分析。蚊が生息する日本でジカ熱の二次感染が年内に起こる可能性を16・6%と算出した。蚊が多く、過去にデング熱が流行した ことがある台湾は36・7%、中国は40・7%と高かった。

負債40億円超…肝移植7人死亡・神戸の病院、閉院へ indexへ

 生体肝移植の手術を受けた患者10人中7人が死亡した神戸国際フロンティアメディカルセンター(田中紘一理事長)が3月30日に神戸地裁から破産手続きの開始決定を受け、閉院することが分かった。
 破産管財人の弁護士事務所が5日、明らかにした。負債総額は現時点で40億円を超えるという。
 同センターは、肝臓や消化器の専門病院として2014年11月に開院した。生体肝移植を受けた患者の死亡が相次いだ問題で経営が悪化し、昨年11月末から診療を中止。診療再開を目指して支援者を探したが、見つからなかった。

B型肝炎訴訟、弁護士が獲得合戦…国給付金で報酬確実 indexへ

 「着手金は0円」「安心の後払い制」――。乳幼児期の集団予防接種でB型肝炎ウイルスに感染した患者らに国が給付金を支払う制度で、弁護士による患者獲得活動が熱を帯びている。
 裁判を起こして国の手引に沿った証拠を出せば給付金を受け取れ、報酬が確実に得られるからだ。こうした活動は被害の掘り起こしにつながる反面、患者らが依頼を安易に断られるケースも出ている。
厚労省が手引
 B型肝炎の救済では、全国の感染者や遺族らが国に損害賠償を求めた「B型肝炎訴訟」で2011年6月、国が責任を認めて和解金を支払うことで合意。これを受けて12年1月にB型肝炎特措法が施行され、給付金支給の枠組みができた。
 対象は〈1〉7歳までに集団予防接種で注射器を使い回され感染した人〈2〉集団接種で感染した母から母子感染した子ども〈3〉感染で死亡した人の家族――ら。裁判手続きを取って和解すれば、病状などに応じて50万~3600万円が支払われる。
 弁護士が熱心に取り組む背景には、厚生労働省が特措法施行の翌月に給 付金の申請方法を「マニュアル化」して公表したことがあるとみられる。母子健康手帳やカルテなどの証拠をそろえれば和解できるとされ、給付額の4%分が弁 護士費用として別に支払われる。全国B型肝炎訴訟弁護団の一人も「厚労省の手引ができてから弁護団以外の受任が増えた」と言う。

薬効かない細菌に1321人感染…腸内の大腸菌など、死亡も indexへ

 様々な細菌に効き、抗菌薬の切り札とされるカルバペネムが効かない腸内細菌(CRE)の感染者が、2014年9月から1年間で1321人に上るとする調査結果を、国立感染症研究所がまとめた。
 CRE感染症は14年9月から医療機関に報告が義務付けられ、実態が初めて判明した。
 CREは、人の腸内にいる大腸菌などが薬に耐性を獲得したもの。通常 は問題ないが、免疫の働きが衰えた高齢者などが感染すると重症化しやすい。血液に入って敗血症を起こすと有効な抗菌薬がなく、死亡率は5割と非常に高い。 昨年、佐賀県や長崎県の病院で集団院内感染も判明した。
 感染研によると、1321人のうち8割近くが65歳以上の高齢者だった。病院などでの院内感染によるものが3割以上を占めた。尿路感染症や敗血症、肺炎などが多かった。うち52人が死亡したが、感染との因果関係は不明という。

「ガンに効く」とココナツオイル販売、消費者庁が措置命令 indexへ

 根拠がないのに「ガンに効く」などと表示してココナツオイルを売り、景品表示法違反(優良誤認)をしたとして、消費者庁は31日、食品販売会社「ココナッツジャパン」(東京都港区)に対し、再発防止を求める措置命令を出した。

給食でO157、後遺症で19年後死亡…当時小1の女性 indexへ

 堺市の学校給食が原因で1996年7月に発生した病原性大腸菌 O157による集団食中毒で、同市教委は30日、当時小学1年生だった同市北区の女性(25)が昨年10月、後遺症で死亡したと発表した。発生時に小学生 3人が死亡し、死者は4人目となった。
 市教委によると、女性は小学1年で感染後、腎機能が低下する溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症して、60日間入院。退院後も高血圧が続き、2004年、HUSの後遺症と診断された。
 降圧剤を服用し通院治療を続け、結婚して夫と2人で暮らしていたが、昨年10月10日夜、就寝中に 嘔吐して救急搬送され、翌日、腎血管性高血圧による脳出血のため死亡した。
 同市教委は、女性側と1997年4月、補償することで合意したが、今回の死亡で改めて、慰謝料などの補償手続きを進める。
 この集団食中毒では、当時、学校給食を食べた児童や教職員ら9523人が感染。同市教委によると、約20年たった現在も、女性4人が後遺症の高血圧や慢性腎炎などで治療を続けている。
 竹山修身市長はこの日、「安全管理、危機管理の徹底にいっそう努める」との談話を出した。

救急医9人、一斉退職へ…名大病院、来月に調査委 indexへ

 名古屋大病院(名古屋市昭和区)で救急科の医師21人のうち半数近い 9人が3月末で一斉に退職することが、同病院への取材でわかった。名大病院は他の診療科の医師の応援を受けるなどして、救急患者の受け入れ体制を維持し、 影響が出ないようにする。病院側は4月中に学外有識者を交えた調査委員会を設置、退職の経緯を調べて対策を検討する。
 名大病院によると、研修に来ていた他病院の医師が戻ったり、出身地に帰ったりするほか、1次・2次医療機関へ移る医師がいたため、退職が重なった。また、若手の一部から救急科の職場環境や救急医療の方針に対する不満などを指摘する声もあるという。
 救急科には4月に2人の医師が新たに加わる予定で、内科や外科などの医師も応援に入るという。名大病院は「救急患者の受け入れに影響がないようにする」としている。
 名古屋市消防局によると、2014年度の救急搬送件数は約10万4400件。名大病院は同年度、約4150件を受け入れた。

石川県で食中毒が急増、昨年度の3倍…北陸新幹線の影響? indexへ

  石川県内で食中毒の発生が急増している。今年度の発生件数は昨年度の3倍弱、患者数は約5倍に達し、行政は飲食店などの立ち入り調査を強化している。北陸 新幹線開業で急増した観光客を受け入れる飲食店側の衛生管理が追いついていないとの指摘もあり、県は「飲食店やホテルを中心に監視を徹底する。家庭でも食 品や器具の衛生管理に気をつけてほしい」と呼びかけている。
 県薬事衛生課によると、今年度、県内で発生した食中毒事案は29日時 点で20件(昨年度比13件増)で、患者数は408人(同323人増)。このうち半数近い9件が飲食店で出された料理や弁当などを介してのノロウイルスの 感染だった。人によっては症状が出ずに知らないうちに感染が拡大する場合もあるため、感染規模が大きくなる傾向がある。また、発生時期は今年1~3月に 11件と集中しており、同課は春の行楽シーズンを前に危機感を高めている。
 18日には、金沢市の飲食店で出された料理や弁当を食べた11~73 歳の男女34人がノロウイルスに感染。同店従業員13人のうち調理に従事していた5人からノロウイルスが検出された。市保健所は、調理従事者から感染が広 がったと見ており、手洗いや清掃など衛生管理の徹底を指示した。
 急増の背景として、北陸新幹線開業による観光客増加を指摘する声もあ る。金沢駅前や金沢市中心部では利用客が2~3倍になった飲食店もあり、同市内の飲食店従業員は「観光客が増えて注文や調理に追われるようになった。食品 や調理器具の管理が雑になっている店もあるのではないか」と指摘する。
 県薬事衛生課の担当者は「観光客の増加で料理の提供が増えたことに伴い、飲食店での食中毒が増えている面がある。観光客の足が遠のかないよう対策を徹底したい」と話している。

群馬大病院、第一外科も高死亡率…肝臓手術、全国平均の4倍 indexへ

 群馬大学病院第二外科(前橋市)で、手術後に患者の死亡が相次いだ問題で、日本外科学会による死亡症例の調査結果が明らかになり、第二外科の肝臓手術の 死亡率が全国平均の約10倍に上っていただけでなく、第一外科でも平均の約4倍の高率だったことが、26日わかった。高難度の 膵臓手術では、第一、第二とも死亡率は平均の約2倍。診療記録の不備も共通しており、第二外科にとどまらない深刻な問題が浮き彫りになった。
 同学会は、群馬大が設置した第三者による調査委員会に委託され、第一、第二外科で2007年度から8年間の肝臓や膵臓など消化器の手術を対象に調査。死亡した患者のうち50人については診療内容を精査した。
 その結果、肝臓手術については、第二外科の死亡率が11%と極めて高かっただけでなく、第一外科も4%に上った。膵臓手術については、膵臓と十二指腸を切ってつなぐ高難度手術の場合、両科とも死亡率は5%を超えていた。
 死亡した患者の中には、病気の進行などで手術のリスクが高過ぎると判断されたケースが4例あった。両科ともに、症例の検討が不十分なほか、カルテ、手術 記録といった診療記録の記載が不十分で連携もとれておらず、体制の不備が診療に影響を与えたとみられる。
 また、同病院では手術室当たりの手術件数が全国の国立大学病院の中で も多く、夕方から手術を開始するなど無理なスケジュールも見られた。同病院は深刻な赤字で、収益を上げるため手術件数を増やすことが求められる中、対立す る両科が競い合っていたことが背景にあるとみられている。
 田村 遵一病院長は「内容を見ていないのでコメントできない」としている。
 同病院を巡っては、第二外科が行った 腹腔鏡を使う肝臓手術で死亡が相次いだことが14年11月に発覚。後に肝臓や膵臓の開腹手術でも死亡が多いことがわかった。両科は15年4月に統合した。 同8月から第三者による調査委員会が調査を進めていた。同学会はきょう27日、第三者委に結果を報告する。

「夫、死ななかったはず」…群大病院第一外科、遺族が体制批判 indexへ

 群馬大学病院(前橋市)で手術後に患者の死亡が相次いだ問題で、日本 外科学会による検証の結果、問題の第二外科だけでなく第一外科でも手術後の死亡率が高いことが明らかになったのを受け、第一外科での手術後に死亡した患者 の遺族が27日、読売新聞の取材に応じた。遺族は「第二外科の問題に病院が早く気付いて調査していれば、死なずに済んだはず」と無念の思いを語った。
 取材に応じたのは、夫が第一外科で消化器の手術を受けた後、1年以内 に死亡した群馬県内の女性。夫は担当医から、体への負担が少ない手術だと事前に説明を受けていたという。女性は「執刀医個人ではなく、手術を続けさせてい た病院の体制に問題がある。二度と同じ被害を出さないために、しっかりと原因を調査してほしい」と話した。
 27日には群馬大が設置した第三者の調査委員会(委員長=上田裕一・ 奈良県総合医療センター総長)が開かれた。会議後に記者会見した上田委員長によると、同学会が医学的検証結果に関する報告書を提出し、内容を説明したとい う。上田委員長は今回の検証結果を踏まえ、5月下旬に調査委として最終報告書をまとめ、公表する考えを示した。
 同学会は調査委の委託を受け、第二外科だけでなく第一外科も含めた消 化器の手術全般について、2007~14年度の症例を調査。死亡した患者のうち50人の診療内容を精査した。同学会が提出した報告書は約200ページに及 ぶという。上田委員長は「学会の報告を各委員が考察し、調査委としての提言や意見をまとめたい」と述べた。

産科医療補償で報告書ミス、促進剤過剰投与を少なく記載 indexへ

 出産で子どもが脳性まひになった場合に補償し、原因分析や再発防止策 の検討も行う産科医療補償制度で、昨年発表された再発防止報告書に、脳性まひ事例の陣痛促進剤使用を巡る記載ミスがあったことがわかった。実際は、基準を 逸脱した過剰投与などが6割以上なのに、基準内の例と数字を取り違え、問題事例が3割前後であるかのように過少記載されていた。制度を運営する日本医療機 能評価機構によると、担当者の入力ミスという。
 同制度では、補償対象となった事例を基に、再発防止策を定期的に報告書にまとめて啓発している。陣痛促進剤は、強過ぎる陣痛を招いて子宮破裂などを引き起こすことがあり、不適切な使用が事故につながる恐れが指摘されてきた。
 ミスがあったのは昨年3月発行の第5回再発防止報告書。出生年別に補償対象事例の陣痛促進剤の用法・用量について示した一覧表で、日本産科婦人科学会の指針を逸脱した「基準より多い」という項目と「基準内」の項目で数字が逆転していた。
 具体的には、「基準より多い」は2012年が38・5%、11年が35・0%、10年が25・0%、09年が29・6%とされたが、正しくは、61・5%、60・0%、66・7%、64・8%だった。
 昨年7月、陣痛促進剤を扱う製薬4社がこの一覧表を引用した文書を全 国の医療機関に配布。医療関係者の研修にも再発防止報告書が使われており、医療現場に誤解を与えた。日本医療機能評価機構は「正しい情報が伝わらなかった ことは申し訳ない」とし、訂正文をサイトに掲載した。

静脈注射で左腕まひ、日本赤十字社に賠償命令 indexへ

 静脈注射で神経を傷つけられ、左腕まひの後遺症が残ったとして、静岡 市内の30歳代の女性が、静岡赤十字病院を運営する日本赤十字社(東京)を相手取り、慰謝料など計約7170万円の損害賠償を求めた訴訟で、静岡地裁(細 矢郁裁判長)は24日、計約6100万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
 判決によると、女性は2010年12月、甲状腺腫瘍の切除手術を受けるため、同病院に入院。看護師が点滴を行う際、神経を傷つける可能性があり、深く刺 さないようにする義務があるのに十分な注意を払わず、左腕の中枢部から静脈に留置針を刺し、神経を傷つけた。その結果、女性は手足がしびれるなどする「複 合性局所 疼痛症候群(CRPS)」を発症し、左腕がまひする後遺症が残った。
 判決で、細矢裁判長は、「手関節部から中枢に向かって12センチ以内 の部位に留置針を刺す際は、十分な技量を持つ者が、他の部位に比べて十分な注意義務を払って行うべきだ」と指摘。看護師が左手関節から4、5センチ付近に 刺した針によって、「神経が傷ついたと認めるのが相当」と認定した。
 原告は「認められて今はほっとしています」とコメントを発表。代理人の青山雅幸弁護士は「将来の医療事故の再発防止につながれば」と述べた。
 一方、静岡赤十字病院の担当者は「判決内容を精査した上で、今後の対応を決める」とコメントした。

授業中、難病治療中の生徒に保健室行き許可せず indexへ

 神奈川県藤沢市立中学校で昨年4月、難病の治療中の生徒が授業中に「気分が悪くなった」と訴えた際、男性教諭が保健室に行く許可を出さなかったことが分かった。
 同市教委が23日、市議会予算特別委員会で明らかにした。生徒は「自分の病気について理解されていない」とショックを受け、その後、約2週間欠席したという。吉田早苗教育長は「配慮に欠ける対応で、生徒を傷つけた」と謝罪した。
 市教委によると、生徒は病気の影響で疲れやすいため、「保健室に行き たい」と申し出たが、教諭は「大事な授業なので、我慢できないか」などと応じたという。生徒は、机に体を預けるように伏せてしまい、授業が受けられなく なった。市教委は「難病を抱える生徒なので、すぐ保健室で休ませるべきだった」と、対応の誤りを認めた。
 市教委の吉住潤教育部長は取材に対し、「教諭は生徒の病気について 知ってはいたが、新年度が始まったばかりで、丁寧な対応ができなかった」と述べた。年度替わりの4月に向け、「教諭間の引き継ぎをしっかり行い、各生徒の 事情を学校全体で共有するよう指導する」としている。

ロキソニン、重大な副作用に大腸閉塞など-使用上の注意に追記 indexへ

 医薬品医療機器総合機構(PMDA)は22日、消炎や鎮痛などの効能・効果がある「ロキソプロフェンナトリウム水和物」(商品名・ロキソニン錠 60mg、同細粒10%、ロキソプロフェンナトリウム内服液60mgなど)の使用上の注意について、厚生労働省が「重大な副作用」の項目に「小腸・大腸の 狭窄・閉塞」を追記するよう指示を出したと発表した。
 ロキソニン錠は関節リウマチや変形性関節症、腰痛症、歯痛といった疾患・症状などに対し、消炎や鎮痛などの効能・効果があるとされている。
 PMDAによると、国内で症例が集積したことなどを踏まえ、改訂することが適切と判断。使用上の注意の「重大な副作用」の項目に「小腸・大腸の潰瘍に伴 い、狭窄・閉塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、悪心・嘔吐、腹痛、腹部膨満等の症状が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置 を行う」などと追記するよう求めている。
■統合失調症薬にアナフィラキシー追記も
 統合失調症の治療に使われる「リスペリドン(注射剤)」(商品名・リスパダールコンスタ筋注用25mgなど)とパリペリドンパルミチン酸エステル(同・ ゼプリオン水懸筋注25mgシリンジなど)についても、「重大な副作用」の項目に「アナフィラキシー」を追記。また、全身麻酔の導入や局所麻酔時の鎮静に 使われる「フルニトラゼパム(注射剤)」(同・ロヒプノール静注2mg、サイレース静注2mg)は「重要な基本的注意」の項目に、投与前に救急蘇生剤など を準備することや、呼吸循環動態の観察を継続的に行うことなどを追記するよう求めている。

健康女性562人、卵子凍結…40歳代3人が出産 indexへ

 健康な女性を対象に、将来の出産に備えた卵子凍結を行っている医療機関が、全国に少なくとも23施設あり、40歳代の女性3人が凍結卵子を使って出産していたことが、読売新聞の調査でわかった。
 これらの施設では今年2月末までに562人が卵子を凍結していた。できるだけ若い時の卵子を保存しておけば、出産できる可能性は高まるが、「母子への健康リスクが高い高齢出産を助長する」と懸念する声もある。

高齢出産助長懸念も

 調査は昨年10月、高度な不妊治療を行う施設として日本産科婦人科学会に登録する597施設にアンケートを送付。19日までに304施設が回答し、23施設が健康な女性の卵子凍結実施人数などを明らかにした。
 採卵時の女性の年齢は24~49歳。31人が凍結卵子を解凍して使用 した。出産したのは、セントマザー産婦人科医院(北九州市)が2人、オーク住吉産婦人科(大阪市)が1人の計3人。いずれも未婚だった3人の採卵時の年齢 は38、39、41歳。結婚後に凍結卵子を使って体外受精を行い、それぞれ40、41、44歳で産んだという。
 卵子凍結を望んだ理由について各施設に複数回答で聞いたところ、「今はパートナーがいない」(21施設)、「今は仕事が忙しいなどで出産できない」(7施設)などが多かった。
 卵子凍結は2000年頃から、がん治療などで卵巣機能を損なう女性に将来の出産の可能性を残すために始まった。このような卵子凍結は118施設が行っていると回答した。
 その後、加齢などによる不妊対策として、健康な女性に対しても一部の施設で始まった。13年に日本生殖医学会が条件付きで認める指針を作ったことで、一 気に拡大したとみられる。23施設のうち14施設は同年以降に開始しており、今後も増える可能性がある。
 同学会の指針では、高齢出産のリスクを考え、40歳以上での採卵や45歳以上での使用は推奨できないとしているが、今回の調査では卵子を凍結した女性の約4割が40歳以上で採卵した。
 年間37万件行われている体外受精では通常、卵子は凍結せずに受精させ、順調に育った受精卵を子宮に移植する。卵子の段階では、移植できる受精卵になるかまだ分からず、卵子凍結を行っても出産できる確率は高くならない。
 東京大学産婦人科の大須賀穣教授は「凍結卵子を使うことで妊娠する年齢が高くなると、卵子の質に関係なく、妊娠高血圧症候群や早産なども増えて、母子へのリスクが高くなる」と注意を促している。
          ◇
背景に晩婚化の進展
 健康な女性が卵子凍結を考える背景には晩婚化がある。30歳代前半の女性のおよそ3人に1人は未婚だ。
 今回の調査では、卵子を凍結した女性の多くが35歳以上で約4割が40歳以上だった。妊娠や出産の確率がかなり低くなってから、卵子凍結に望みを託す女性が多いことがうかがえた。
 卵子凍結の希望者を社会的に支援する動きも出始めた。千葉県浦安市は市内の20~34歳の女性が希望する場合、費用の一部を負担する。女性社員を対象に、凍結費用の一部を補助する制度を導入した企業もある。
 だが、卵子凍結は将来の出産を保証せず、日本産科婦人科学会の委員会は「安全性や有用性が不明」などとして推奨しないとしている。
 子どもを望む女性が医学的に適切な年齢で産み、育てられるよう、社会全体で働き方の改善などに取り組んでいく必要がある。

発がん物質、皮膚から吸収か…福井の化学工場 indexへ

 福井市の化学工場で従業員ら6人が相次いで 膀胱がんを発症した問題で、厚生労働省は18日、工場への立ち入り調査の結果を発表した。
 会社側の安全対策が不十分で、従業員が作業中に発がん性物質の「オル ト―トルイジン」を体内に取り込んでいたことが判明。同省は、膀胱がんの原因になったとみて調査している。問題の工場は、顔料の原料などを製造する三星化 学工業(東京)の福井工場。同省によると、従業員はマスクやゴム手袋などを着用していたが、一部の工程で、オルト―トルイジンを含む製品を素手で扱ってい たことが判明。作業後の従業員の尿からは、この物質が高い値で検出された。皮膚から吸収された可能性が高い。同省は、同社に安全対策の強化を指導してい る。

ノロ院内感染か、2歳死亡…都の小児医療施設 indexへ

 東京都は18日、都立小児総合医療センター(府中市)で、ノロウイルスの院内感染が発生したと発表した。同日までに生 後2か月~10歳の入院患者10人が感染し、うち2歳男児が死亡した。残りの9人は快方に向かっている。死亡した男児は、重篤な心疾患と肺疾患で長期入院 中だった。同センターは男児の死因を調べている。
  発表によると、今月15日に同センターの入院患者5人からノロウイルスが検出。男児は16日に下痢などの症状が表れ、翌17日に小児集中治療室に移された が死亡した。18日までに感染者は10人に上った。10人はいずれも同じ病棟に入院しており、同センターでは感染経路を調べるとともに、16日からこの病 棟の新規の入院などを制限している。

健康な人の便移植、骨髄移植の合併症に有効 indexへ

 東京都立駒込病院などのチームは、骨髄移植後などに起きる腸の合併症に、健康な人の便を移植する治療が有効だと発表した。
 骨髄移植は、他人の血液細胞を患者に移植する治療法で、白血病など、重い血液疾患に対して行われる。根治が期待できるが、移植した細胞が患者の体を異物とみなして攻撃する「 移植片対宿主病(GVHD)」という合併症が腸などに起き、激しい下痢の症状が出ることがある。ステロイド剤を使用して治療するが約半数は効果がなく、命にかかわる場合もある。
 研究チームは、GVHDを発症した人はしなかった人と腸内細菌の種類や割合などが異なっていることに着目。腸にGVHDが起きた患者4人に、配偶者など健康な家族から採取した大便を生理食塩水と混ぜて 濾過したものを、鼻からチューブで十二指腸に投与した。その結果、3人はGVHDの症状が完全に消え、残る1人も下痢の量が最大5分の1まで減った。
 同病院の垣花和彦・血液内科医長は「治療に有効な細菌を絞ったり、便の移植方法を検討したりして、実用化を目指したい」と話す。

肝移植死亡の神戸の病院、破産・閉院へ indexへ

 生体肝移植の手術を受けた患者10人中7人が死亡した神戸国際フロンティアメディカルセンター(田中紘一理事長)が、来月にも裁判所に破産申し立てを行い、閉院する方針を決めたことがわかった。同センターの代理人弁護士が16日、取材に明らかにした。
 同センターでは、2014年11月の開院から昨年4月までの間、生体 肝移植8例中患者4人が1か月以内に死亡。日本肝移植研究会から診療体制の不十分さを指摘され、移植を中断した。同6月に再開したが、9例目の患者も死亡 し、再び移植を中断。同10月に10例目の移植を行ったものの、経営上の問題から同11月に診療を中止した。その後、7、10例目の患者も死亡した。
 同センターは診療中止後、診療再開を目指して支援者を探していた。弁護士は「支援の申し出はあったが、実現の可能性がある具体的な提案はなかった。このような結果になり、残念だ」と話した。患者は47人に上ると指摘した。
 この日は被告人質問も行われ、赤沢被告は「光寿会以外にも、6~7の医療機関から接待を受け、500人以上の透析患者を紹介した」と証言した。
 また、光寿会側からの賄賂はすべて、自身のバンド活動に使ったことを明らかにし、「認識が甘かった。反省している」と述べた。
 多和田被告は「(経営する病院に)一番近い名城病院からの紹介が少なかったので、紹介を増やそうと赤沢被告に声をかけた」と動機を述べた。
 起訴状によると、赤沢被告は、人工透析治療患者らを光寿会傘下の病院や診療所に転院させた謝礼として2013年4月~15年10月、多和田被告から計約263万円を受け取ったとされる。

透析患者の紹介巡る汚職、元医長に懲役2年求刑 indexへ

 名城病院(名古屋市)の人工透析治療患者の紹介を巡る贈収賄事件で、 収賄罪に問われた同病院の元医長赤沢貴洋被告(41)と、贈賄罪に問われた名古屋市の医療法人「光寿会」の元理事長多和田英夫被告(64)の公判が15 日、名古屋地裁であった。検察側は「患者を金銭で売り買いするに等しい行為で非常に悪質だ」として、赤沢被告に懲役2年と追徴金約263万円、多和田被告 に懲役1年6月を求刑した。弁護側は執行猶予付きの判決を求め、結審した。

 検察側は、起訴されただけでも約2年半の間に計22回、賄賂の授受があったとし、賄賂授受の対象となった紹介患者は47人に上ると指摘した。
 この日は被告人質問も行われ、赤沢被告は「光寿会以外にも、6~7の医療機関から接待を受け、500人以上の透析患者を紹介した」と証言した。
 また、光寿会側からの賄賂はすべて、自身のバンド活動に使ったことを明らかにし、「認識が甘かった。反省している」と述べた。
 多和田被告は「(経営する病院に)一番近い名城病院からの紹介が少なかったので、紹介を増やそうと赤沢被告に声をかけた」と動機を述べた。
 起訴状によると、赤沢被告は、人工透析治療患者らを光寿会傘下の病院や診療所に転院させた謝礼として2013年4月~15年10月、多和田被告から計約263万円を受け取ったとされる。

笑わない人、脳卒中の割合1.6倍…心臓病は1・2倍 indexへ

 日常生活でほとんど笑わない高齢者は、ほぼ毎日笑う高齢者に比べ、脳卒中の経験がある割合が1・6倍、心臓病の割合が1・2倍高いとの調査を東京大などの研究チームが発表した。特に笑わない高齢女性の危険が大きかった。
 研究チームは、65歳以上の男女に毎日の笑いの頻度、持病などを調査。回答のあった2万934人を対象に、笑いと脳卒中などの関係を分析した。
 その結果、高血圧などの影響を除いても、ほとんど笑わない女性は毎日笑う女性に比べ、過去に脳卒中になったり闘病中だったりする人の割合が1・95倍、心臓病になっている人が1・41倍高かった。男性では脳卒中が1・47倍、心臓病が1・11倍だった。
 調査にあたった東京大の近藤尚己准教授(保健社会行動学)は「笑いは動脈硬化やストレスを軽減するため、よく笑う人ほど脳卒中や心疾患になりにくい可能性がある。女性は普段からよく笑っている人が多く、笑わない人との差が出たのだろう」と話す。

医療事故届け出、2月は25件 indexへ

 昨年10月に始まった医療事故調査制度で、第三者機関「医療事故調査・支援センター」を運営する日本医療安全調査機構は8日、今年2月に報告された死亡医療事故は25件だったと発表した。月間の報告数としては2番目に少なかった。
 昨年10月からの累計は140件。過去の医療事故の件数などから、当初は年間1千~2千件程度の報告が見込まれていた。報告数が予想を大幅に下回ってい ることから、同日開かれた第三者機関の運営会議では「制度の理解が進んでおらず、医療機関側にとまどいやためらいがある可能性がある」などの指摘が出た。
 25件の診療科別の内訳は、内科6件、循環器内科3件、整形外科3件など。地域別では関東信越が8件と最も多く、次いで九州7件、東海北陸4件だった。

医療事故調査 初の再調査依頼が1件 indexへ

 昨年10月に始まった医療事故調査制度で、第三者機関「医療事故調 査・支援センター」を運営する日本医療安全調査機構は16日、1月分の届け出状況を発表した。遺族からセンターへの再調査の依頼が、初めて1件あった。こ の制度では、事故が起きた病院や診療所が自ら原因を調べ、遺族が調査結果に納得できない場合などは、センターに再調査を頼むことができる。センターは、事 故の内容は明らかにしていない。
 1月にセンターへ新たに届けられた死亡事故は33件。このうち病院からが32件、診療所からが1件で、診療科別では内科と整形外科が各5件、心臓血管外科と泌尿器科が各4件、外科と精神科が各3件などだった。

医師会、異状死の届け出義務を明確化 医師法改正案公表 indexへ

 医師に異状死の届け出を義務づけた「医師法21条」について、日本医師会は24日、届け出義務の対象について、医師が「犯罪と関係があると認めたとき」 と明示する改正案を公表した。現在は対象があいまいで、医療現場が混乱しているなどの指摘を受けたという。
 改正案ではこのほか、医師の倫理に基づいて報告するのが基本理念とし、届け出義務に違反したときの罰則規定(50万円以下の罰金)を削除する、とした。
 医師法21条は、死体や、妊娠4カ月以上の死産児を検案して異常を認めたときには、24時間以内に警察に届け出ることを医師に義務付けている。福島県立 大野病院で2004年、帝王切開手術を受けた女性が死亡した事故では、手術した医師が業務上過失致死と医師法21条違反の疑いで逮捕され、その後無罪判決 を受けた。医師からは、異状死の範囲を明確にするよう求める声があがっていた。
 医師会は改正案を盛り込んだ提言のなかで、医師法21条は本来、殺人や傷害致死など重大な刑事犯罪の捜査の端緒を得やすくするために定められた、などとしている。
 昨年10月に始まった医療事故調査制度は、医師が「予期せぬ死」と判断すれば、第三者機関に届け出ることを求めている。医療界には医師法21条の届け出 義務との整理を求める声もあり、今年6月までに、医師法21条のあり方も含め、制度を見直すことになっている。

突然の母の死、医療事故調査制度で遺族は・・・ indexへ

 大学病院などで相次いでいる医療事故。そのうち、“予期せぬ死亡"を対象に医療機関自らが医療事故であるか否かを判断し原因を調査するのが、昨年10月から始まった「医療事故調査制度」です。
 報告件数は当初、少なくとも年間1300件と見込まれていましたが、この5か月間での報告はわずか140件。

<大阪・葬儀会社>身元不明遺体取り違え、別人遺骨渡し隠蔽 indexへ

 葬儀場などを展開する燦ホールディングス(HD)は10日、子会社の「公益社」が運営するステラ事業所(大阪市西成区)で、遺体を取り違えて火葬するミ スが2件あったと発表した。うち1件は遺族側に別人の遺骨が引き渡されていた。事業所はミスに気付いた後も事実を隠しており、燦HDは古内耕太郎社長ら役 員4人を減俸処分にした。
 燦HDによると、事業所では身元不明の遺体などを警察や行政から預かっている。昨年7月、大阪府警河内長野署から預かった男性遺体を出棺する際、誤って 別の遺体を出棺し、火葬された。ミスに気付いた職員が上司に報告したが、上司は放置。残った男性遺体を既に火葬された遺体だったことにして隠蔽していた。 男性の遺族側には別人の遺骨が渡された。
 遺族側に内部告発があり、社内調査で2014年にも身元不明の2遺体を取り違え、火葬していたことが判明。事業所はこの事実も隠していた。燦HDは「大変遺憾で関係者に深くおわびしたい。確認が不十分だったのが原因で社内教育を徹底する」と話した。

遺体取り違え火葬=身元不明2件、ミス隠し―大阪 indexへ

 葬儀サービスを手掛ける公益社(大阪市北区)が、警察から引き取った身元不明や身寄りのない2人の遺体をそれぞれ別の遺体と取り違え、火葬していたことが10日分かった。
 途中でミスに気付きながら、別人を火葬していた。親会社の燦ホールディングスが発表した。
 燦ホールディングスによると、取り違えたのは公益社で身元不明などの遺体を専門に扱うステラ事業所(同市西成区)。昨年6月15日と同19日に大阪府警 河内長野署からそれぞれ預かった遺体を、取り違えて火葬した。遺骨を引き取った人が同社関係者から事情を知らされ、今年1月に問い合わせて発覚した。
 さらに調査の結果、2014年2月1日に西成署から預かった遺体と、同署から同4月25日に預かった遺体を取り違えて火葬したことも判明した。
 ステラ事業所では2件とも、1人目を火葬した後、取り違えに気付いたのに事実を隠し、別人と知りながら2人目の火葬を行っていた。

遺体取り違え火葬、隠ぺい工作も 大阪の葬儀業者 indexへ

 葬儀業の燦(さん)ホールディングス(大阪市)は10日、子会社の公益社が運営する身元不明遺体などの管理施設で、火葬する遺体を取り違える事案が2件、計4遺体あったと発表した。間違いを隠すため、意図的に別の遺体を火葬にまわしていたという。
 問題があったのは、公益社の玉出営業所(同市西成区)にあるステラ事業所と呼ばれる施設。大阪府警との契約で、身元不明や身寄りのない遺体を常時50~60体ほど預かっている。
 会社側によると、昨年6月19日に府警河内長野署から身寄りのない男性(71)の遺体を預かった。7月21日に火葬にまわす予定だったが、6月15日に預かっていた身元不明の遺体を間違えて火葬にまわしたという。
 数日後、別の社員が気づき、ステラ事業所の責任者に報告した。しかし責任者は上司に報告せず、つじつまを合わせるために、男性の遺体を身元不明の遺体と偽って火葬にまわしたという。
 今年1月、男性の遺骨の引き取り人から燦HDグループに「社員から他人の遺骨と入れ替わっていると聞いた」と問い合わせがあり発覚した。
 社内調査で2014年にも、府警西成署から預かりを依頼された身元不明の2遺体で、同様の事案があったことがわかった。同じ責任者がかかわっていたという。
 燦HDは2件以外にはもうないとして、調査は終えている。
 同社は2月2日になって、これらの2件を府警や関係自治体などに報告した。同社は2月8日付で、古内耕太郎社長を含む代表取締役2人ら計4人の役員を減 俸10%、2カ月の処分にしていた。鈴江敏一・常務執行役員は「ご迷惑をおかけして申し訳ない。今後は再発防止策を講じる」と話している。
 大阪府河内長野市は公益社からの報告を受け、再発防止策の徹底を求めた。取り違えた遺骨については、引き取り人に正しい遺骨が渡るよう要請した。

利益相反の疑いで学会などに質問状…抗血栓薬巡り indexへ

 薬害オンブズパースン会議は2日、心臓の一部が不規則に震える心房細動の薬物治療で、指針策定に関わった11人の研究者が2014年度に製薬企業5社か ら計1億円以上の報酬を受け取り、利益相反の疑いがあるとして、5社と指針を作った日本循環器学会など3学会に公開質問状を送った。指針は13年に改定さ れ、5社の抗血栓薬4種類の使用が推奨された。

喫煙妊婦の赤ちゃん、体重軽く…血流悪化で栄養不足か indexへ

 妊娠中にたばこを吸う母親から生まれた新生児は、吸わない母親の子に比べ出生時の体重が120グラム以上も少ないという分析結果を山梨大医学部の鈴木孝太准教授らの研究チームが発表した。
 20日に国際学術誌「ジャーナル・オブ・エピデミオロジー」の電子版に掲載された。
 鈴木准教授らは全国の親子10万組を対象に化学物質の影響を継続して調べる環境省の「エコチル調査」のうち、約1万組の結果を分析した。
  喫煙しない女性から生まれた男児の平均体重は3096グラムで、女児は3018グラム。喫煙者が妊娠初期に禁煙した場合は男児では28グラム、女児は40 グラム軽く、禁煙せず出産した場合は男児が136グラム、女児は125グラムも少なかった。妊娠前に禁煙していた場合は男児で7グラム軽く、女児は13グ ラム重い結果が出たが「ほとんど影響がない」(鈴木准教授)と考えられるという。
 たばこに含まれるニコチンなどにより、母体の胎盤や臍帯の 血管が細く形成される上、血流も悪くなり、胎児に送られる栄養が足りなくなる可能性が考えられるという。鈴木准教授は「たばこによって小さく生まれた子は 2~3歳までに急に体重が増え、将来の肥満につながりやすい。子どもが欲しいと思ったら、たばこは出来るだけ早くやめたほうがよい」と指摘している。

手術室で衣服干していた病院、市が改善指導 indexへ

 京都四条病院(京都市下京区)が数年前から、手術室を医師の衣服干しや入院患者の着替えなどに使っていたことがわかった。手術があるたび、事前に消毒を 行っていたといい、同病院は「衛生面に問題はなく、患者が感染症になるなどの事例はなかった」としている。
 同病院によると、以前は同室で全身麻酔による外科手術を行っていたが、15年前に常勤の麻酔科医が退職して以降、手術件数が減少。5年ほど前からは緊急性のない局部麻酔手術を月1、2回行うだけとなり、目的外使用を繰り返していたという。
 外部からの指摘を受け、京都市は20日に病院を立ち入り調査。目的外使用の状況を聞き取り、医療法に基づいて改善を指導した。
 中野昌彦院長は、「不適切な使用で、反省している」と話している。

麻酔薬のつもりがインスリン…ラベル確認し誤投与気付く indexへ

 福岡県久留米市の田主丸中央病院は22日、非常勤の30歳代女性医師が糖尿病でない30歳代の女性患者に、麻酔薬と誤って糖尿病治療薬のインスリンを投与していたと発表した。
 通常の10~50倍に相当する2ミリ・リットルを投与したという。女性患者は体調を崩し、6日間入院した。同院は「あってはならないミス」として女性患者や家族に謝罪した。
  発表によると、女性患者は昨年12月11日、皮膚科を受診した。腫瘍を切除するための検査で、医師が看護師に局所麻酔薬の用意を指示。医師が1ミリ・リッ トル注射したところ、効いていないため、再び1ミリ・リットルを注射した。それでも効かないため、薬品のラベルを確認して、インスリンと気付いたという。
  女性患者は寒けを感じる低血糖の症状が表れ、久留米大病院に救急搬送された。田主丸中央病院が原因を調べた結果、麻酔薬や座薬を保管する冷蔵庫に使いかけ のインスリンが置かれ、看護師が麻酔薬と勘違いして取り出していたことが判明。患者に投与する際、医師と看護師は薬品名の確認も怠っていた。
 田主丸中央病院の鬼塚一郎院長は「命に関わるミスで大変申し訳ない。再発防止を徹底し、信頼回復に努めたい」と述べた。

院内感染か、急性B型肝炎で3人死亡…神戸中央病院 indexへ

 神戸中央病院(神戸市北区)は17日、昨年7月に入院していた患者3人が急性B型肝炎を発症し、劇症化して死亡したと発表した。感染経路は特定されていないが、同病院は院内感染の可能性が否定できないとして、遺族らに謝罪した。
 発表によると、死亡したのは、いずれも神戸市内に住む70歳代と60歳代の男性2人と90歳代女性で、昨年7月22~23日、同じ病棟に入院していた。3人は同10~11月の間に急性B型肝炎を発症し、11~12月に相次いで死亡した。
 同病院は昨年11月、市保健所に報告。神戸大医学部付属病院による外部調査委員会が調べたところ、3人のウイルスの遺伝子はほぼ一致し、同時期に入院し ていたB型肝炎の持続感染者(キャリアー)のうち1人のウイルス遺伝子とも酷似していたことが判明した。
 B型肝炎ウイルスは血液や体液を介し感染するため、点滴時の処置などが感染ルートとして考えられたが、保健所と調査委の調査では、院内の感染予防策に不備は見られず、現時点で原因は特定できていない。
 新たな感染者は確認されていないが、神戸中央病院は、昨年7月頃に同じ病棟に入院していた約100人に検査を呼びかけている。大友敏行病院長は17日の記者会見で、「患者やご遺族には心からおわび申し上げます」と述べた。
  千葉県がんセンター(千葉市)が乳がん患者の検体を取り違え、早急な手術が必要ない患者の右乳房を全摘した医療事故で、外部の医師や弁護士らが加わった 「院内事故調査委員会」(長谷川剛委員長・上尾中央総合病院院長補佐)は17日、報告書をまとめた。検体を入れた容器に看護師がラベルを貼る作業から、臨 床検査技師が検体を保存するための容器「カセット」に移し替えるまでの過程で、取り違えが起きた可能性が高いと結論づけた。この過程には臨床検査技師ら4 人が関与したが、原因は特定できなかった。
 報告書によると、同センターは2015年12月、30歳代と当時50歳代の患者の検体を取り違え、早急な手術が必要ない30歳代患者の右乳房を全摘出し た。乳腺外科では同年10月中旬の同じ日、外来担当の医師が、2人の胸に針を刺して細胞組織を採取する「針生検」を行った。

乳房全摘出、取り違え原因特定できず…院内事故調が報告書 indexへ

  千葉県がんセンター(千葉市)が乳がん患者の検体を取り違え、早急な手術が必要ない患者の右乳房を全摘した医療事故で、外部の医師や弁護士らが加わった 「院内事故調査委員会」(長谷川剛委員長・上尾中央総合病院院長補佐)は17日、報告書をまとめた。検体を入れた容器に看護師がラベルを貼る作業から、臨 床検査技師が検体を保存するための容器「カセット」に移し替えるまでの過程で、取り違えが起きた可能性が高いと結論づけた。この過程には臨床検査技師ら4 人が関与したが、原因は特定できなかった。
 報告書によると、同センターは2015年12月、30歳代と当時50歳代の患者の検体を取り違え、早急な手術が必要ない30歳代患者の右乳房を全摘出し た。乳腺外科では同年10月中旬の同じ日、外来担当の医師が、2人の胸に針を刺して細胞組織を採取する「針生検」を行った。

神戸の病院、生体肝移植受けた10人のうち7人が死亡 indexへ

 患者の死亡が相次いだ神戸国際フロンティアメディカルセンター(田中紘一理事長)の生体肝移植で、昨年3月に行われた7例目の患者が同12月に死亡していたことが関係者への取材でわかった。
 今年1月に死亡した10例目(昨年10月移植)の患者も含め、同センターで生体肝移植を受けた患者10人のうち計7人が死亡したことになる。
 関係者によると、新たに死亡が明らかになった7例目の患者は、昨年3月に移植を受けた50代の日本人男性。移植した当初は問題ないと見られていたが、その後に容体が悪化し、昨年12月下旬に神戸市内の別の病院で死亡していた。
 同センターは2014年11月の開院から翌年4月までに生体肝移植8例中患者4人が1か月以内に死亡した。日本肝移植研究会から診療体制の不十分さを指摘され移植を中断。同6月に再開した9例目の患者も手術終了翌日に死亡し、再び移植は中断された。
 その後、外部委員からなる評価委員会を設置し、「体制が概ね備えられていると判断された」として同9月、移植再開を発表し、10月に10例目のインドネシア人男性に移植を行った。しかし、患者は今年1月、転院先の病院で死亡した。

虫歯菌が脳出血に関与か…国立循環器病センター indexへ

 特定の遺伝子を持つタイプの虫歯菌が、脳出血の発症に関与している可能性が高いと、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)の猪原匡史・脳神経内科医長らのチームが5日、英電子版科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。
 厚生労働省の調査によると、成人の9割以上は虫歯があり、ほとんどが虫歯菌を持っているとされる。菌は様々な遺伝子タイプがあるが、猪原医長によると、血小板の止血作用を低下させる「cnm遺伝子」を持つタイプは約1割を占めるという。
 チームは脳卒中(脳出血や脳梗塞など)で同センターに入院した79人の唾液を採取し、cnm遺伝子を持つ虫歯菌の有無を調べた。
 脳の血管が破れる脳出血の23人のうち、6人(26%)からこの遺伝子タイプの菌を検出。一方、血の塊が脳の血管に詰まる脳梗塞などの56人からは4人(7%)しか検出されなかった。
 菌が、血管の壁にくっついて炎症を起こし、壁がもろくなって破れやすくなる。出血も止まりにくくなると考えられるという。
 猪原医長は「歯磨きなどの口腔ケアや、歯科治療で虫歯菌を減らすことで、脳出血の予防につながる可能性がある」と話す。
 加齢により薄毛や脱毛が起きる仕組みをマウス実験で解明したと、西村栄美・東京医科歯科大教授らの研究チームが発表した。あるたんぱく質の不足により、毛髪の元となる幹細胞が衰えるためで、5日付の米科学誌「サイエンス」に論文が掲載される。
 毛髪は、根元を覆っている毛包という器官を作る毛包幹細胞が、一定の周期ごとに分裂を繰り返すことで作られ、生え替わる。
 研究チームが、マウスの毛包幹細胞を継続的に観察したところ、生後16か月ごろから幹細胞の一部が皮膚表面の細胞に変わり、フケやアカと一緒に落ち始めた。それと共に毛包は小さくなり、毛が細くなって失われていくことが分かった。
 この現象は、加齢とともに幹細胞のDNA損傷が蓄積し、幹細胞の機能を保つのに重要なたんぱく質「17型コラーゲン」の分解が進むことで起きていた。
 健康な大人の頭皮を分析したところ、マウスと似た現象が確認できた。
 放射線治療による脱毛も同じメカニズムで起きることを、研究チームはマウス実験で確認しており、西村教授は「研究を進め、加齢やがん治療による脱毛を防ぐ創薬につなげたい」と話している。

加齢による薄毛・脱毛、仕組み解明…東京医科歯科大 indexへ

 加齢により薄毛や脱毛が起きる仕組みをマウス実験で解明したと、西村栄美・東京医科歯科大教授らの研究チームが発表した。あるたんぱく質の不足により、毛髪の元となる幹細胞が衰えるためで、5日付の米科学誌「サイエンス」に論文が掲載される。
 毛髪は、根元を覆っている毛包という器官を作る毛包幹細胞が、一定の周期ごとに分裂を繰り返すことで作られ、生え替わる。
 研究チームが、マウスの毛包幹細胞を継続的に観察したところ、生後16か月ごろから幹細胞の一部が皮膚表面の細胞に変わり、フケやアカと一緒に落ち始めた。それと共に毛包は小さくなり、毛が細くなって失われていくことが分かった。
 この現象は、加齢とともに幹細胞のDNA損傷が蓄積し、幹細胞の機能を保つのに重要なたんぱく質「17型コラーゲン」の分解が進むことで起きていた。
 健康な大人の頭皮を分析したところ、マウスと似た現象が確認できた。
 放射線治療による脱毛も同じメカニズムで起きることを、研究チームはマウス実験で確認しており、西村教授は「研究を進め、加齢やがん治療による脱毛を防ぐ創薬につなげたい」と話している。

健康な女性、凍結保存の卵子で出産…大阪の44歳 indexへ

 将来の出産に備え、自らの卵子を凍結保存していた大阪府内の40歳代の女性が昨春、その卵子で女児を出産したことがわかった。がんなどの治療を受ける女 性が卵子を凍結し、妊娠・出産した例はあるが、健康な女性が出産したケースが公になるのは例がないという。
  卵子を凍結したクリニック「オーク住吉産婦人科」(大阪市)によると、女性は現在44歳。独身だった40歳の時から同クリニックを受診し、41歳で卵子を 8個凍結した。結婚後、夫の理解を得て、解凍した卵子と夫の精子で顕微授精を複数回行い、昨春に別の医療機関で出産した。
 同クリニックでは2008年から、がんなどの女性を対象に卵子の凍結保存を行い、10年からは健康な女性でも始めた。昨年末までに凍結保存した健康な女性は計229人に上り、うち17人が顕微授精したが、出産を確認したのは今回の女性だけという。
 卵子の凍結保存は、主にがんなどの病気を発症した女性に行われているが、最近は働く女性の晩婚化などを背景に、健康な若い女性が将来の結婚に備え自分の卵子を凍結保存するケースも増えているとみられる。
 日本生殖医学会は13年、卵子の凍結保存に関する指針を作成。健康な女性の場合、対象は成人とし、40歳以上での採卵や、45歳以上で使用することは、高齢出産のリスクを避けるため、推奨できないとしている。
 女性を診察した同クリニックの船曳美也子医師(55)は「積極的に勧めているわけではないが、仕事などで出産の機会に恵まれなかった女性の選択肢を広げるにはやむを得ない」と話した。
  未婚女性の卵子凍結保存に関する指針作成の中心となった日本生殖医学会前理事長の吉村泰典・慶応大名誉教授の話「同様の事例はあるとは思うが、公になった のは初めてではないか。凍結卵子に対する、働く女性らのニーズはあるが、仕事と育児が両立できる社会にすることが重要だ」

肺がん治療薬「オプジーボ」に糖尿病の副作用 indexへ

 肺がんの多くを占める非小細胞がんや皮膚がんの一種の悪性黒色腫の新しい免疫治療薬「オプジーボ」について、厚生労働省は1型糖尿病の副作用に注意するよう日本医師会や関連学会などに文書で通知した。
 オプジーボは2014年9月、小野薬品工業から悪性黒色腫向けに発売され、昨年12月からは非小細胞肺がんにも使えるようになった。厚労省によると、使 用後に7人が1型糖尿病を発症し、うち3人は重症。7人中4人は薬との因果関係が否定できないとされた。
 急激に重症化すると死亡するおそれもあるため、通知では、急激な血糖値の上昇、口の乾きなどの症状が出たら、糖尿病の専門医と連携して対応するよう求めている。

神戸の病院、生体肝移植10例目も死亡…死者6人に indexへ

 患者の死亡が相次いだ神戸国際フロンティアメディカルセンター(田中紘一理事長)で昨年10月に生体肝移植を受けた10例目の患者が今月、神戸市内の病院で死亡していたことがわかった。
 これで、同センターの生体肝移植10例のうち6人の患者が死亡したことになる。一般に生体肝移植の患者の1年生存率は80%以上だが、同センターでは大幅に下回っている。
  2014年11月に開院した同センターで、15年4月までに行った生体肝移植8例中患者4人が死亡。日本肝移植研究会が診療体制の不十分さを指摘して移植 が中断されたが、同6月に独自の判断で再開して行った9例目の患者も手術終了翌日に死亡した。日本移植学会などが同センターに第三者による検証を求め、再 び移植は中断された。
 10例目は、同センターが設置した外部委員からなる評価委員会が「体制が概ね備えられている」と判断したとして移植再開を発表してから初の事例。ただ、 評価委は、移植を再開する場合は医師の増員などによる体制改善を求めていた。10例目は、その約2週間後に行われた。
 関係者によると、10例目の患者はインドネシア人の成人男性で、移植でつないだ肝静脈の血流に問題があるなどして術後の容体が悪く、入院治療が続いてい た。昨年11月下旬に同センターが診療を事実上休止してから近くの病院に転院していたが、今月22日に死亡した。
 同研究会によると、日本で13年までに生体肝移植を受けた患者の1年生存率は83・8%に上る。同センターは、10例のうち5人が移植後1か月以内に死亡、10例目の患者は4か月以内に死亡した。
 10例目の患者の転院先だった神戸市立医療センター中央市民病院は「(10例目の)患者が亡くなったことは事実だが、それ以上のことは申し上げられない」としている。

群大術後死、執刀医代理人「大学側の承認あれば遺族に回答」 indexへ


 群馬大学病院で手術後に患者の死亡が相次いだ問題で、遺族側弁護団は21日、遺族に直接説明するよう求める通知書に対し、執刀医の代理人から「大学側の承認を得られれば回答する」とする文書が20日付で届いたことを明らかにした。
 弁護団は先月、執刀医と病院長らにあてて、「遺族に説明義務を果たさないのは違法」と指摘し、今月13日を回答期限に通知書を送付していた。執刀医側は、昨年3月末で退職したことを理由に、説明には大学の意向確認が必要とした。

タミフルと異常行動、厚労省が関係分析へ indexへ


 異常行動を誘発する恐れが指摘され、10歳代の使用が原則見合わされているインフルエンザ治療薬タミフルについて、飛び降りなどの異常行動との関係を総合的に分析する研究を厚生労働省が新年度から始める。
 9年分のデータを集計。タミフルによる異常行動の発生率と、他の治療薬による発生率などを比較する。タミフルと異常行動の関係に関して一定の結論を出す考えで、10歳代の使用再開の判断につながる可能性がある。

群大病院の術後死検証、49遺族が診療記録提供に同意 indexへ

 群馬大学病院で手術後に患者の死亡が相次いだ問題で、第三者による調査委員会(委員長=上田裕一・奈良県総合医療センター総長)が17日、東京都 内で開かれた。上田委員長は会議後の記者会見で、詳細な医学的検証の対象となる死亡患者51人のうち49人の遺族が調査のための診療記録提供に同意したこ とを明らかにした。検証を委託された日本外科学会は、カルテや画像などの提供資料を基に調査に着手する。
 同学会は、群馬大病院で2007年4月から8年間に消化器外科の手術後に死亡した51人について、診療経過を詳細に検証することにしている。上田委員長によると、49人の遺族がすでに同意して同学会への資料提供が始まっている。
 残る2遺族とはまだ連絡がついていないが、同意が取れ次第、提供するという。
 同学会の検証結果を踏まえ、今春にも調査委として報告書をまとめる。

粒子線治療に保険適用、小児がん・手術できない骨腫瘍で4月から indexへ

 厚生労働省の専門家会議は14日、国の先進医療として約300万円の自己負担で行われている、がんの「粒子線治療」について、一部のがんに限って保険適用が妥当だとの意見をまとめた。
 今月中に開かれる厚労相の諮問機関・中央社会保険医療協議会で正式に決定し、4月から保険適用となる見通し。
  粒子線治療とは、陽子線や重粒子線という特殊な放射線を利用し、がんに集中的にダメージを与える。保険適用される見込みになったのは、小児がんへの陽子線 治療と、手術できない骨や筋肉などにできる骨軟部腫瘍への重粒子線治療。日本放射線腫瘍学会がまとめた治療実績などから有効性と安全性の高さが確認でき た。
 粒子線治療は、転移のない様々な固形がんに対して先進医療として行われているが、この2種類以外のがんの大半は、データが不十分で他の治療よりも優れているとは言えないとして先進医療のままとした。
 陽子線治療は2001年、重粒子線治療は03年、先端的な医療と一部保険診療との併用を認める先進医療になった。巨大な装置が必要で、国内では13施設で実施され、近年は年5000人弱が治療を受けている。

群大病院が遺族側に回答…調査結果出た後「説明の場設ける」 indexへ

 群馬大学病院の旧第二外科で手術後に患者の死亡が相次いだ問題で、遺族側弁護団は13日、同病院などに送付していた説明会開催を求める通知書に対し、病院から「調査委員会の結果を受けて説明の場を設けたい」とする回答が文書で届いたことを明らかにした。
 弁護団は先月、病院長と第二外科の責任者だった教授、執刀医あてに通知書を送付。通知書は「遺族に対し説明義務を果たさないのは違法」と指摘し直接説明を求める内容で、同日を回答期限としていた。執刀医と教授からは、同日までに回答がなかった。

降圧薬の副作用で劇症肝炎、2人死亡 indexへ

 厚生労働省は12日、降圧薬として広く使われている「アジルサルタン」「アムロジピンベシル酸塩」を含む製剤で、横紋筋融解症などを18人が発症し、重い肝障害の劇症肝炎で2人が死亡したと発表した。
 同省は後発医薬品を含む製造販売元各社に、薬の添付文書の「重大な副作用」の項目に横紋筋融解症や劇症肝炎などを追記するよう求めた。同省によると、死亡者のうち、薬との因果関係が否定できないのは1人。

年収800万増なら「へき地」OK…東京勤務の若手医師 indexへ

 東京勤務の若手医師がへき地に異動するなら、年収が800万円近く増えないと満足しない――。日本医師会総合政策研究機構の坂口一樹主任研究員と 滋賀大の森宏一郎教授が、医学部卒業後10年未満の若手医師1302人を調査し、就職条件の傾向を分析した。医師偏在の解消の参考になると期待される。
 調査は、国公私立の80大学の内科や外科など計1195診療科を対象に実施。年収、所在地、病床数、休日や当直数など8項目の条件が示された架空の求人票を、医師が1人あたり20枚ずつ評価し、就職したいか判断してもらった。
 へき地や離島の勤務は、大都市圏に比べ不人気で、就職先に選ばれる確率は15・1%低かった。現在の勤務地が大都市圏にあるほどこの傾向が強く、へき地の選択確率は東京では23・8%低下し、北海道・東北の低下は6・0%だった。
 一方、年収が100万円増えると選択確率は3・4%上昇した。現在の勤務地が東京の場合、へき地や離島勤務の不人気を年収だけで埋め合わせるには800万円近く引き上げる必要があるとの計算になった。北海道・東北は年収200万円程度の引き上げで済む。
 医師の性別で見ると、男性は女性の2倍も年収を重視する傾向があった。女性は男性に比べ、「当直の数の少なさ」や「同じ科の同僚の数の多さ」をより重視している。

iPSで白血病治療研究…京大など、新年度から indexへ

 血液のがんである白血病をiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って治療する研究を、京都大などのチームが新年度から本格的に開始する。
  がん細胞への攻撃力が高い免疫細胞を、白血病患者自身のiPS細胞から作る計画で、京大倫理委員会の承認も得た。iPS細胞から作った免疫細胞でがんを治 療した臨床例はまだなく、チームは動物実験などで効果が確認できれば、患者の体内に免疫細胞を入れ、安全性や有効性を検証する臨床試験(治験)を2019 年にも始めたいとしている。
 iPS細胞から作るのは、「キラーT細胞」と呼ばれる免疫細胞の一種。がん細胞やウイルスなどの「敵」を攻撃し、細胞表面にある分子の違いで攻撃相手を見分ける。
 キラーT細胞を使ったがんの治療法は国内外で研究されているが、細胞ごとに攻撃する相手が異なるほか、培養して増やすのが難しいなどの課題があった。
  京大再生医科学研究所の河本宏教授らは、キラーT細胞をiPS細胞に変えても、元のキラーT細胞が持っていた攻撃する相手の記憶は残る点に着目。特定のが ん細胞を攻撃するキラーT細胞を、無限に増殖できるiPS細胞に変化させて大量に増やし、患者の体に戻せば、がん細胞を効果的に攻撃できると考えた。
 昨年、健康な人のiPS細胞から作ったキラーT細胞を、白血病にしたマウスに注射したところ、生存期間の延長が確認できた。
 新年度からは、急性骨髄性白血病患者らの血液からキラーT細胞を取り出し、iPS細胞を作製。キラーT細胞を大量に作り、試験管内で白血病細胞への攻撃 力を確かめる。17年度に詳細な動物実験を行い、治験を19年にも開始、その2、3年後の実用化を目指す。
 国内では、白血病で年間8000人前後が死亡する。抗がん剤や骨髄移植などの治療もあるが、いずれも副作用がある。iPS細胞から作ったキラーT細胞は、特定のがん細胞を攻撃するため、副作用は少ないと期待される。
          ◇
キラーT細胞 心臓の上部にある胸腺(Thymus)で作られ、病原体に感染した細胞やがん細胞に対し、細胞を傷つける分子を出したり、「自殺」を促したりする。様々な病原体やがん細胞が現れるごとに、特定のキラーT細胞が作られる。

がん患者情報を一元管理「登録センター」開設…国立研究センター indexへ

 国立がん研究センターは8日、全国のがん患者の情報をデータベースで一元管理する「がん登録センター」を開設した。
 がん登録推進法が今月施行されたのを受け、国内の正確な患者数や生存率などを把握し、がん対策に生かす拠点となる。
 同法では、全国の約8500病院と一部の診療所に、新たにがんと診断された全患者の生年月日、がんの種類や進行度などの情報を届け出るよう義務づけた。年間患者数の公表は、2018年12月の予定。

マラリア薬、エボラにも効果…患者の死亡率低下 indexへ

 長崎大熱帯医学研究所の鈴木基助教(感染症疫学)らが参加する国際NGO「国境なき医師団」の研究グループは7日、マラリア治療薬にエボラ出血熱患者の死亡率を低下させる効果がみられたとの研究結果を発表した。
 米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」(電子版)に掲載された。
 医師団によると、エボラ出血熱の患者はマラリアにも感染している場合が多いことから、マラリアの治療薬を投与している。2014年8月、リベリアの治療センターで従来使っていた薬が偶然足りなくなったため、約2週間、別のマラリア治療薬を使った。
 その後の分析で、別の薬を使った患者の死亡率は50・7%で、従来薬を使った患者の64・4%に比べ、患者背景を調整した死亡リスクが31%低いことがわかった。

厚労省、がん治療実績を一覧に…ホームページで病院選び indexへ

 厚生労働省は新年度、全国のがん治療の拠点病院の治療件数や医師数を一覧表示するシステムを導入する。
 国立がん研究センターのホームページで、利用者が、がんの種類や地域を選び、治療の実績や診療体制を比較できるようにして、病院選びの参考にしてもらう。政府が昨年12月に策定した「がん対策加速化プラン」に盛り込んだ。
 システムは、厚労省が指定する全国約400のがん診療連携拠点病院が対象。ホームページで胃がんや大腸がんなどがんの種類や、進行度、都道府県を入力す ると、条件に合った複数の病院の手術件数や専門医資格を持つ医師数、痛みを和らげる緩和ケアチームの数などがまとめて表示される。数が多い順に並べる機能 も付ける。
 拠点病院から報告される治療実績などをもとにする予定で、医師や患者らで作る有識者会議で内容を協議する。これまでもがん研究センターが病院ごとに個別の実績などを公開してきたが、患者らからより分かりやすい情報発信を求める声があがっていた。
 全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長は「がんで治療実績がある病院を把握しやすくなる意義は大きい。ただ、治療実績が医療の質に常に直結するわけではないことにも注意する必要がある」と話している。

化血研、1製品出荷再開へ…厚労省が安全性確認 indexへ

 一般財団法人・化学及血清療法研究所(化血研、熊本市)が血液製剤などを国の承認を受けていない方法で製造していた問題で、厚生労働省の血液事業に関す る専門家委員会が6日開かれ、新たに血液製剤の1製品の出荷再開が了承された。今後、厚労省の決定を経て、出荷が再開される。
 了承されたのは、出荷自粛中の化血研製の血液製剤7製品のうち、髄膜炎などの治療に使用されるグロブリン製剤。化血研では長年にわたり、国の承認を受け ずに抗凝固剤「ヘパリン」を添加していたが、製剤の安全性に問題はないと判断された。他社の代替品がないため、現行の製法のまま出荷が再開される。
 厚労省は近く、医薬品医療機器法に基づき、業務停止の行政処分を行うが、供給不足になり得る製品については、継続して出荷を認める方針。
 化血研の血液製剤を巡っては昨年5月、12製品で国の承認とは異なる方法で製造されていたことが判明。厚労省は同6月、化血研に不正のあった製品の出荷の自粛を要請。その後、安全性を確認し、代替性のない5製品について順次、出荷再開を認めてきた。

大病院、「紹介状なし」で追加料金5千円…新年度から indexへ

 厚生労働省は2016年度から、紹介状を持たずに大病院を受診した場合、患者が5000円以上を追加料金として支払う仕組みを導入する方針を固めた。
 500床以上の大病院が対象になる見通し。救急で受診した場合などは例外となる。身近なかかりつけ医の受診を促すことで、大病院の専門的な治療への集中や、勤務医の負担軽減を実現するのが狙いだ。
 新たな仕組みは、今月下旬の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)で示される。現在でも200床以上の病院で追加料金を徴収できるが、金額は 1000~4000円が多く、徴収していない病院もあり、ばらつきが見られた。厚労省は対象となる病院を絞った上で金額を引き上げ、支払いを義務化するこ とにした。
 追加負担の方針は、政府の社会保障制度改革推進本部が15年1月に決定した医療保険制度改革の骨子で、「5000円から1万円などが考えられる」と明記されていた。

群大術後死、外科学会が51例検証へ…問題医師以外の執刀も indexへ

 群馬大学病院(前橋市)で肝臓の手術を受けた患者が相次ぎ死亡した問題で、第三者による調査委員会(委員長=上田裕一・奈良県総合医療センター総長)は 29日、2007~14年度に行われた消化器外科手術後に死亡した患者51人を対象に、診療に問題がないか詳細な医学的検証を行うと発表した。
 この中には、既に明らかになっていた問題の男性医師による30人も含まれる。検証は日本外科学会に委託されており、来春にも結果をまとめる予定だ。
 この日、京都市内で記者会見した上田委員長によると、同学会は、問題の男性医師が旧第二外科に在職した07年4月から15年3月まで8年間の調査を実 施。難易度の低い手術も含め、旧第二外科と旧第一外科で行われた消化器外科の全手術(約6700例)から、入院中に死亡した64人(旧第一26人、旧第二 38人)の病名や手術方法といった基礎データを検討した。64人の手術は、問題の男性医師を含む15人が執刀した。
 検討の結果、51人に詳細な調査が必要と判断。今後、遺族の同意を得てカルテや検査画像を精査し、手術や術後管理など診療に問題がないか調べる。51人のうち30人は、問題の男性医師が執刀した肝胆膵
かんたんすい
(肝臓、胆道、膵臓)外科手術の患者(腹腔鏡8人、開腹22人)だった。
 また、上田委員長は、今月20日に男性医師と上司だった教授に聞き取りを行い、教授が、患者の死亡が相次いでいたことを認識していたことを明らかにした。それでも手術を継続した理由については、上田委員長は明言を避けた。

高齢者の薬どう減らす…副作用増、薬局は出すほど利益 indexへ

 高齢者の多くが不適切な薬の処方を受けている可能性が、厚生労働省研究班の調査で明らかになった。複数の持病のある高齢者には多剤投与が行われている実 態もあり、薬の副作用で健康を害する例も少なくない。無益な薬の処方で体調を崩せば、さらに医療費、介護費もかさむ。今後、必要な対策は何か。
■入院中に削減
 「薬を3種類減らしました。時々、病棟に様子を見に行きます」
 宇都宮市の国立病院機構栃木医療センター。内科の矢吹拓医師(36)は、骨折で入院中の95歳女性に語りかけた。60歳代の次女は「こんなにたくさん薬を飲んで大丈夫かと思っていた」と胸をなで下ろした。
 矢吹医師らは今年1月、同病院に「ポリファーマシー(多剤)外来」を開設、入院してきた高齢者の薬を減らす取り組みを始めた。65歳以上で5種類以上の 薬を飲み、同意を得た患者を呼び、院内の薬剤師、看護師らと共同で体調を見ながら必要度の低い薬や副作用のリスクの高い薬を減らす。10月までに37人 (平均年齢81歳)を診察。入院時に平均8・6種類だった薬が同4・6種類になった。
 退院時にはかかりつけ医に患者の診療情報とセンター長名で薬の削減に協力を求める文書を送る。地域の患者を診る宇都宮協立診療所の関口真紀所長(60)は「病院全体の取り組みとわかり、診療を見直すきっかけになる」と話す。
■副作用の背景
 総合診療医の徳田安春・地域医療機能推進機構顧問は、「特に影響を受けやすい80~90歳代の患者が増えているにもかかわらず高齢者特有の薬の作用や副 作用に対する知識が医師の間に浸透していない」と指摘する。薬の代謝機能が衰えた高齢者が一般成人と同じ量の薬を飲むと副作用が出やすい上、薬同士の相互 作用の影響も受けやすい。
 高齢者は飲む薬の種類が増えると、副作用が起きやすいというデータがある。だが、内科、整形外科など細分化した診療体制では患者が飲む薬の全体像を把握しにくく、薬の種類も増えやすい。近年、新薬が相次いで開発され、使える薬が増えたことも背景にある。
 薬局は、薬を処方するごとに調剤料が入るため、積極的に薬を減らそうという動きが起きにくい。
■「収益より信頼」
 薬の削減に取り組む薬局もある。首都圏で約140店を営む調剤薬局チェーン「薬樹」(本社・神奈川県)は約9割の薬局で医師の指示のもと、通院が難しい在宅患者や介護が必要な高齢者宅に薬剤師が薬を届ける。
 「訪問薬樹薬局 保土ヶ谷」(横浜市)の訪問薬剤師、高橋麗華さん(38)は痛み止めなど6種類を飲んでいた神経因性疼痛の90歳代女性の薬を、医師と相談しながら3種類に抑えた。
 薬樹は店舗の3割に管理栄養士を置く。服薬と栄養両面のサポートを通じて、症状が落ち着き、薬が減った糖尿病患者もいる。薬剤師の訪問事業は約5年前に 本格化させた。地域の在宅医や訪問看護師らとの情報共有を徹底し、往診にも同行する。「薬が減れば目先の収益は落ちるが、かかりつけ薬局としての信頼が得 られ、リピーターになってもらえる」と小森雄太社長(51)は説明する。
 だが、こうした取り組みは一部の薬局で始まったばかりだ。「薬を出すほど利益が出る、今の仕組みは問題だ」と小森社長は語る。

高齢者への多剤投薬対策、厚労省検討案に「上下関係」の壁? indexへ

 厚生労働省は来年度の診療報酬改定で不適切な多剤投薬を減らす方針を掲げ、今年度中に具体策を詰める。
 いくつもの病院に通う高齢者の服薬情報を集めて管理する「かかりつけ薬局」が多剤投薬を見つけて医師に連絡する。国内外の学会などが作成した高齢者には 避けるべき薬のリストを参考に医療機関が不適切な投薬を自ら減らしたり他の医療機関に連絡したりする――などが検討されている。投薬を減らした医療機関や 薬局への診療報酬を手厚くする方針だ。
 不適切な処方を減らせば、膨張する社会保障費の削減にも結びつく。副作用の治療費が浮くだけでない。高齢者がいったん体調を崩し入院すると、体力が弱 り、自宅に戻れず介護施設に移らざるを得ない例も少なくない。大量に処方された薬の飲み残しも多く、これを減らすことで年間100億円超の薬剤費が削減で きるという試算もある。
 だが、医師からは「他の医師の処方に口を出せない」との声が根強い。全薬局の7割が医療機関近くに開設する「門前薬局」で、どこまで汗をかく薬局が出てくるかは不透明だ。「医師と薬剤師は上下関係があり、連携は難しい」との指摘もある。
 徳田安春・地域医療機能推進機構顧問は「本来はかかりつけ医が責任を持って薬の調整をすべきだが、当面は高齢者の薬に詳しい総合診療や老年医学の医師が 専門外来を作って適切な処方に変える方法もある」と話す。いかに実効性のある仕組みを作れるかが課題となる。

在宅医療の高齢者、48%に「不適切」薬…副作用も indexへ

 副作用の恐れがあるため高齢者に「不適切」とされる薬が、在宅医療を受ける高齢患者の48%に処方され、うち8%の患者に薬の副作用が出ていたという大 規模調査結果を、厚生労働省の研究班がまとめた。高齢者の在宅医療で処方の実態が全国規模で明らかになるのは初めてという。同省では高齢者に広く不適切な 処方が行われている可能性があると見て、来年の診療報酬改定で薬の適正使用を促す枠組み作りに乗り出す方針だ。
 高齢者は薬の代謝機能が衰えるため副作用が出やすい。近年欧米では高齢化に伴って社会問題になり、学会などが高齢者には避けるべき薬のリストを作ってい る。日本にも同様の基準はあるが医療現場には浸透しておらず、高齢者に深刻な副作用が出たとの報告が相次いでいる。
 厚労省研究班は2013年、高齢患者の飲む薬の全容を把握するため、通院が困難な患者を医師が訪問する在宅医療に着目。医師と連携した薬剤師が訪問業務 を行う全国3321薬局に調査を実施した。1890薬局が回答し、在宅医療を受ける65歳以上の患者4243人の処方薬を把握した。同研究班がこのデータ を米国で高齢者の処方指針とされるビアーズ基準の日本版に基づき分類すると、2053人(48・4%)に「不適切」とされる薬が処方されていた。
 このうち165人(8%)に副作用が認められた。複数の薬の副作用が出ている例もあった。最も多かったのはベンゾジアゼピン系の睡眠薬・抗不安薬で、ふ らつき、眠気、転倒、記憶障害の他、妄想や幻覚などの副作用が出た患者もいた。心不全に使うジゴキシンは食欲不振や中毒、胃潰瘍や精神症状の改善に使われ るスルピリドでは震えやこわばりなどの副作用があった。
 研究代表者の今井博久・国立保健医療科学院統括研究官は「副作用の少ない代替薬があるので、不適切な処方を漫然と続けるべきではない。医師と薬剤師が連携して処方内容を見直す体制作りが必要だ」と話している。

乳房全摘出…検査結果が診察と矛盾、それでも検体取り違えを疑わず indexへ

 千葉県がんセンター(千葉市中央区)が乳がんの女性患者2人から採取した病理検査の検体を取り違え、誤って1人の右乳房を全摘出した医療事故で、当初の 診察とは矛盾する検査結果が出たにもかかわらず、同センターがこれを重視せず、検体の取り違えを疑っていなかったことがわかった。
 2人は同じ日に病理検査を受けており、同センターは「検査結果は、(取り違えに気付く)一つのポイントだった」と認めている。
 2人は10月中旬、針を刺して細胞組織を採取する「針生検」を受けた。1人は30歳代の早期がん患者。もう1人は50歳代で、医師の視診などで当初から「進行がん」が疑われていた。
 生検の結果、30歳代の検体からはがん組織が検出されず、50歳代の検体から進行がんの組織が検出された。しかし、検体が取り違えられていたため、 「50歳代の女性からがん組織が見つからない」という事態になったが、同センターは「針生検(の精度)には限界があり、がん組織が採取できないことはしば しばある」として、この結果を「偽陰性」と判断。検体の取り違えを疑わず、再検査を行って進行がんと診断し、必要な治療を行っている。
 一方、生検の結果から30歳代の女性は誤って進行がんと診断され、12月上旬、直ちに必要がないにもかかわらず、右乳房の全摘出手術を受けた。その時に 採取された組織と10月の生検で採取された組織ではがんの型が異なっていたため、検体の取り違えが判明した。
 同センターは今月18日、外部専門家を含む「院内事故調査委員会」を設置した。委員会では、どうして検体の取り違えが起きたかだけでなく、検査結果の評価が妥当だったかについても検証の焦点になりそうだ。

相次ぐ患者・検体取り違え…医療事故、後絶たず indexへ

 患者や検体の取り違えによる医療事故は後を絶たない。
 横浜市立大病院(横浜市)では1999年1月、それぞれ心臓と肺の手術を受ける予定だった男性患者2人を取り違える事故が起きた。病棟の看護師が1人で 2人の患者を搬送し、手術室の看護師に受け渡す際に間違いが生じた。同病院は事故後、名前を記入したリストバンドを患者に着けるなどの対策を講じた。
 乳がんを巡っては昨年、兵庫県高砂市の高砂市民病院で、病理検査を受けた女性2人の検体を取り違え、誤った検査結果を伝えるミスが起きた。良性だった女 性は、別の病院で乳腺の一部と周囲を切除する手術を受けた。摘出した組織からがん細胞が見つからず、誤りが判明した。
 国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)では2013年12月、小児がんの一種の「神経芽腫」の男児に移植する予定だった本人の幹細胞を、同じ病気で入院していた別の女児に誤って移植した。主治医の思い違いなどが原因だった。
 また、熊本大病院(熊本市)や大阪市立総合医療センターなどでは、肺がん患者の検体を取り違え、別の患者の肺の一部を摘出した。東北大病院(仙台市)で は07年12月、前立腺肥大症の患者を前立腺がんの患者と取り違え、誤って前立腺を摘出する事故が起きている。

乳房全摘出、病院長「原因特定できず」 indexへ

 あってはならない医療事故がまた起きた。千葉県がんセンター(千葉市中央区)で患者の検体を取り違え、30歳代の女性が直ちに必要のない手術で右乳房を 全摘出された事態を受け、記者会見した同センターの永田松夫病院長らは「患者さま、ご家族に深くおわび申し上げる」と深々と頭を下げた。
 ただ、原因については「現時点では特定できていない」と述べるにとどめ、専門家らによる調査委員会で究明するとした。
 早期がんの30歳代女性と進行がんの50歳代女性の検体は同じ日に採取されていた。永田病院長らによると、取り違えが起きた「針生検」と呼ばれる病理検 査は、マニュアル通りに行われていれば、病理医が診断を終えるまでに乳腺外科の主治医と看護師、看護補助者、病理検査科の臨床検査技師、複数の検査補助 者、病理医の9人前後が関与する。各段階で取り違えを防ぐため、患者名などを書いたラベルを貼った検体容器や伝票を照合する決まりだ。
 このうち、乳腺外科と病理検査科のどの段階でミスが起きたかについてセンター側は「今のところわからない」と繰り返した。また、必要のない手術で乳房を 全摘出した責任を問われると、永田病院長は「そこの部分は戻らない。大変重く受け止めている」と硬い表情で答えた。
 同センターは、透明性を確保するため、弁護士や病理医ら外部委員4人を含む計9人の「院内事故調査委員会」を設置。これに先立ち病院側が行った医師や看 護師ら関係者5人への聞き取り調査では、「マニュアル通り行っていた」と答えたといい、調査委で徹底的な原因究明を行い、再発防止策を講じるとしている。
 病理検査は、針などを使い患者から採取した組織を顕微鏡などで詳しく調べる検査。がんの広がりや種類などの診断に活用し、切除範囲の決定など治療方針に大きな影響を与える。
 組織を採取し、臨床検査技師が標本を作り、病理医が診断する。一連の過程には、医師以外に複数の医療スタッフも関わる。
 多くの患者を診療する病院はどこも、検査前に患者本人に名前を名乗ってもらい、検体に貼ったラベルの氏名と照合するなどの手順はマニュアル化している。

患者取り違え乳房全摘出…早期がんの30代女性 indexへ

 千葉県がんセンター(千葉市中央区)は25日、病理検査を行った乳がん患者2人の検体を取り違え、直ちに手術の必要がない早期がんの30歳代女性の右乳房を全摘出したと発表した。
 発表によると、同センターは10月中旬の同じ日、いずれも千葉県内の30歳代女性と50歳代女性に、針を刺して細胞組織を採取する「針生検」を実施。こ の際、検体を取り違えたために、30歳代女性を「進行がん」と診断し、本人と家族の同意を得て12月上旬、右乳房の全摘手術を行った。
 しかし、12月15日に摘出した部位を検査したところ、進行がんではなく早期がんと判明。17日、30歳代女性と50歳代女性の検体の遺伝子を調べたと ころ、2人の針生検の検体を取り違えていたことがわかった。同センターは「30歳代女性は、最初の針生検の時点では全摘出する必要はなかった」としてい る。
 50歳代の女性は10月中旬の針生検では、30歳代女性の検体と取り違えられており、がん細胞は確認できなかったが、外見から乳がんが強く疑われる状態だったため同月下旬、再び針生検を実施し、乳がんと確定。既に治療を始めている。
 同センターによると、針生検は、医師が検体を採取後、看護師が検体容器に患者名のラベルを貼り、看護補助者が病理検査科に検体を運び、臨床検査技師が細胞組織を染色して観察できる形にして病理医に渡す流れ。
 同センターはこの過程のいずれかで取り違えがあったとみて、18日、外部専門家を含む「院内事故調査委員会」を設置。今後、同調査委で原因究明を進め、同センターは30歳代女性への補償も検討するという。
 同センターでは昨年、2008年から14年に腹腔鏡手術を受けた患者11人が相次いで死亡していたことが発覚し、再発防止に向けて改革に取り組んでい た。永田松夫病院長は25日、千葉県庁で記者会見し、「改革中に起きた事故で重く受け止めている。再発しないよう対策したい」と述べた。

化血研が出荷自粛のB型肝炎ワクチン、高リスク者優先で…小児科学会 indexへ

 化血研による不正製造問題で、出荷自粛が続くB型肝炎ワクチンについて、日本小児科学会は、母子感染などリスクの高い人に優先的に接種する必要があるとの見解を公表した。
 ハイリスク者以外は、安定供給が再開されるまで接種を見送るよう促している。
 化血研製のワクチンは厚生労働省が9月に出荷自粛を要請。インフルエンザと4種混合のワクチンは出荷が再開されたが、B型肝炎や日本脳炎などは出荷自粛が続いている。
 B型肝炎ワクチンは現在、任意接種で1歳になるまでに3回接種することが推奨されている。国内で流通するワクチンは化血研製が8割を占め、同学会では「来年早々には不足する見通し」としている。
  このため、〈1〉母子感染予防のための接種〈2〉針刺し事故後の発症予防のための接種〈3〉家族内にキャリアがいる乳児――を優先対象とし、各医療機関に 必要最小限のワクチン確保を求めた。対象者以外は、1、2回目の接種を終えた乳児も含めて、安定供給されるまで接種を見送るよう求めている。
 同学会予防接種・感染症対策委員会の岡田賢司委員長(福岡歯科大教授)は、「いつ出荷自粛が解除されるか分からない中では、ハイリスク者を感染から守ることを優先せざるを得ない。一日も早く供給が安定してほしい」としている。

禁煙治療の保険適用、20歳代に拡大検討…厚労省 indexへ

 厚生労働省は、たばこをやめられないニコチン依存症の治療について、保険適用の対象を20歳代にも広げる検討を始めた。
 病気の減少で最大350億円の医療費削減が見込めるという。来年の診療報酬改定からの運用を目指している。
 保険による禁煙治療は、たばこを吸いたい欲求を抑える飲み薬や貼り薬を使う。治療から9か月後も3割近くの患者が禁煙を続けられているという。
 現在保険が使えるのは、1日の喫煙本数と喫煙年数を掛け合わせた指数が200以上の患者に限られ、喫煙期間が短い20歳代の多くが対象外。厚労省は、本数と年数の制限の廃止や緩和を検討している。
 厚労省によると、20歳代の喫煙率は男性37%、女性12%で、近年横ばい。喫煙を始めた年齢が低いとがん発症のリスクが高まり、ニコチンへの依存度も上がるという研究結果もある。
 禁煙治療への対象拡大は2年前の診療報酬改定時にも検討されたが、治療効果を慎重に見極めるべきだという意見などが出て、見送った経緯がある。

肺がん見逃し患者死亡…名大病院、3年にわたってCT検査ミス indexへ

 名古屋大学医学部付属病院(名古屋市昭和区)は21日、CT(コンピューター断層撮影)検査を行っていた通院患者について、約3年にわたって肺がんを見逃す医療ミスがあったと発表した。患者は肺がんが悪化し、14年3月に死亡した。
  発表によると、患者は愛知県内の40歳代男性。別の病院で腎臓がんの摘出手術を受けた後、がん転移などの経過診察を名大病院で希望し、2007年11月か ら半年ごとにCT検査などを受けた。12年5月に胸の痛みを覚えて別の医療機関を受診したことをきっかけに、肺に転移ではない新たながんがあることがわ かった。
 外部の専門家を交えた同院の調査委員会は「腫瘍の周囲にある複数の炎症の痕に紛れて見つけにくかった」としながらも、腫瘍の進行 程度から遅くとも09年5月の検査では肺の病変を見つけられたはずだったと指摘、同月の段階なら手術で取り除くことができたとする調査結果をまとめた。同 院は「一定の責務があった」としてすでに遺族に謝罪し、今後賠償に応じる。

ヒット新薬の値下げ検討、最大半額に…製薬業界は猛反発 indexへ

  国内での売れ行きが予想外に伸び年1000億円を超えた医療用医薬品の値段(薬価)を引き下げるという新ルールを、厚生労働省が来年の診療報酬改定から導 入する方針を固めた。保険適用された薬が対象。医療費が膨れあがるのを防ぐためだが、製薬業界は新薬開発を妨げると猛反発している。
 新ルールでは、年間の販売額が1500億円を超え、製薬会社の予想の3割増以上となった薬について、2年に1度の診療報酬改定で公定価格を最大半額に下げる。1000億円超で予想の5割増以上となった薬も、最大25%落とす。
  新薬の値段は、製薬企業が開発コストや材料費などに加え、国内の市場規模を考慮して算定した価格を厚労省に提出するなどし、有識者会議での検討を踏まえた 上で、同省が決定している。社会保障費の抑制が課題となる中、当初の予想を超す巨額の売り上げが生じた場合、公的保険財政からそのまま支出するのは難しい と判断した。
 調査会社IMSジャパンのまとめによると、近年、年間1000億円以上の売り上げがあった薬は、抗血小板薬の「プラビック ス」、抗がん剤「アバスチン」(2014年)、高血圧治療薬「ブロプレス」(13年)と、同「ディオバン」、抗認知症薬「アリセプト」(12年)など。
  また、今年は米国で開発されたC型肝炎の画期的治療薬「ソバルディ」(1錠約6万円)と「ハーボニー」(同約8万円)も発売され、国内患者の多さもあり、 薬剤費がかさむ見通しだ。同社によると、今年5月に発売された「ソバルディ」の7~9月の売り上げは433億円に上り、年間1000億円を超えるのはほぼ 確実とされる。
 同省では、年内に開かれる有識者会議に諮った上で最終決定する方向だ。これに対し、「革新的で成功した新薬に対するペナル ティーに他ならない」(米国研究製薬工業協会)、「市場で評価される薬剤を価格下げの対象にするのは理にかなわず、経営の予見性の観点からも大きな問題」 (日本製薬団体連合会)など、国内外の製薬団体から撤回を求める声が上がっている。

群大術後死、開腹5例「延命できた」…遺族側が執刀医らに説明要求 indexへ

 群馬大学病院(前橋市)で肝臓の手術後に患者が相次いで死亡した問題で、遺族とその弁護団(団長・安東宏三弁護士)が19日、群馬県内で記者会見し、独自調査した開腹手術5例の全てについて「手術しなければ延命できた」などとする中間報告書を公表した。
 遺族らは執刀医らに直接説明するよう改めて求め、十分な回答がなければ法的措置も辞さないと表明した。
 独自調査では、いずれも開腹で、肝臓の手術後に死亡した4人と、膵臓の手術後に死亡した1人について、消化器外科の専門医に検証を依頼。カルテや画像を解析し、術前の説明、手術や術後の経過について検討した。
  専門医は「手術をしなければその時点で死ぬことはなく、少なくとも数か月は生きられた」「術前に必ず行うべき検査をしていない」などと指摘。手術でがんを 取り切れない場合も中止せず、強引に進めた例もあり、患者の利益よりも難しい手術への挑戦を優先した可能性があることも問題視された。
 会見したのは開腹手術の患者3人の遺族。妹を亡くした男性が「怒りが込み上げて言葉にならない。手術ありきではなく、他の選択肢も示してほしかった」と訴えた。
  この日は、病院が設置した第三者の医療事故調査委員会による開腹手術の遺族に対する聞き取りも行われた。弁護団は、執刀医と診療科長の教授、病院に、遺族 に直接説明するか、書面で質問に答えるよう改めて求める通知書を送ったことを明らかにした。1月13日までに回答がなければ、民事訴訟も検討する。
 この問題では、同一の男性医師が手がけた肝臓の腹腔鏡手術後に8人、開腹手術後に10人が約3か月以内に死亡。その後の調査で、このほかにも、膵臓も含め、12人の術後死亡例があることが分かっている。
 日本臓器移植ネットワークは17日、石川県内の病院に入院していた6歳以上10歳未満の男児が、改正臓器移植法に基づき脳死と判定されたと発表した。
 15歳未満の脳死判定は10例目。先月17日に脳死状態と判断され、今月15日、両親ら家族が臓器提供に同意。15~16日に脳死判定が行われた。
 肺は東北大病院(宮城)で10歳代の男児に、肝臓は国立成育医療研究センター(東京)で10歳未満の女児に、膵臓と腎臓の一つは藤田保健衛生大病院(愛 知)で60歳代男性に、もう一つの腎臓は岡崎市民病院(同)で50歳代女性に、それぞれ移植される予定。心臓と小腸の移植は医学的理由から断念した。

10歳未満の男児が脳死、臓器提供へ indexへ

 日本臓器移植ネットワークは17日、石川県内の病院に入院していた6歳以上10歳未満の男児が、改正臓器移植法に基づき脳死と判定されたと発表した。
 15歳未満の脳死判定は10例目。先月17日に脳死状態と判断され、今月15日、両親ら家族が臓器提供に同意。15~16日に脳死判定が行われた。
 肺は東北大病院(宮城)で10歳代の男児に、肝臓は国立成育医療研究センター(東京)で10歳未満の女児に、膵
すい
臓と腎臓の一つは藤田保健衛生大病院(愛知)で60歳代男性に、もう一つの腎臓は岡崎市民病院(同)で50歳代女性に、それぞれ移植される予定。心臓と小腸の移植は医学的理由から断念した。

群馬大、外科学会に医学検証を委託…肝臓手術死 indexへ

 群馬大学病院(前橋市)で肝臓の手術後に患者の死亡が相次いだ問題で、日本外科学会(理事長=國土典宏・東大教授)が、手術をはじめ診療が医学的に問題 なかったかどうかの検証を群馬大から委託されたことがわかった。同学会は、近く学会内に委員会を発足させ、検証を始める。
 群馬大病院では、同一の男性医師が手がけた肝臓の腹腔鏡手術後に8人、開腹手術後に10人が、約3か月以内に死亡したことが昨年発覚した。今年8月に第 三者からなる調査委員会が発足して改めて調査を開始。この18人のほか、膵臓も含め12人の術後死亡例があることも明らかにされた。
  第三者委員会は、遺族や関係者に聞き取りするなどして全体像を調査している。ただ、手術やその前後の診療の問題については専門家による検証が必要なため、 専門学会に委託されることになっていた。同学会は今後、手術ビデオやカルテなどの記録から診療内容を検証する。今年度中のまとめを目指すが、新年度にずれ 込む可能性が高い。

大きなほくろ、切除した患部を無害化して再利用…治療開始へ indexへ

 生まれつきの大きなほくろを持つ患者の皮膚を再生する臨床研究を、関西医大の森本尚樹講師(形成外科)らが来年1月から始める。
 切除した患部を無害化して再利用する。従来の手法より、患者の負担が少なく、見た目の美しさが保たれるという。
 生まれつきの大きなほくろ「先天性巨大色素性母斑」は、2万人に1人に起こる。見た目の問題に加え、悪性度の高い皮膚がんになる恐れがある。
  従来の手法は、患部の皮膚を切り取った後、患者の別の部分の皮膚を移植する。移植用の皮膚は、特殊な機器でのばして作るが、大きな傷が残る上、十分な面積 の皮膚を用意するのが難しかった。今回の臨床研究では、切り取った患部の皮膚を高圧処理して、細胞を死滅させ、内側の真皮の構造だけにしたものを、患部に 戻して、血管や正常な細胞の再生を促す。さらに、患者の別の部位から採取した皮膚を培養して患部に移植する。
 生後7か月以上の患者5人以上に対し、計10か所の部位で実施し、1年後の皮膚の状態を確認する。
 森本講師は、「高圧処理した組織を再利用する手法は、顔や乳房などのがんの手術にも応用できる。まずはほくろで安全性や有効性を慎重に確かめたい」と話している。

卵子・精子提供で生まれた子ども、「出自」不明に戸惑い indexへ

 「卵子のドナー(提供者)を募集します」
 関東地方の女性(37)は2年前、インターネットに流れていたニュースに心が揺さぶられた。
 幼い頃、3歳下の弟が悪性リンパ腫を患い、7歳で亡くなった。自分が骨髄移植のドナーになれていれば、助かる可能性もあった。弟を救えなかった悔しさが、頭から消えずに残っていた。
 ドナーを募集したのはNPO法人「卵子提供登録支援団体(OD―NET)」(神戸市)。病気などで若くして卵巣機能が低下した人を対象に、匿名の第三者からの卵子提供を仲介する団体だ。女性は、迷わず登録することを申し出た。
 長男(10)がいる。8年前に離婚し、今は複数の仕事をして家計を支える。まだ、卵子提供はしていないが、連絡があれば応じるつもりだ。「私にはこの子がいて幸せ。産めない人の役に立ちたい」
          ◇
  昨年、生まれた子どもは、100万3539人で1947年以降、過去最少。要因の一つは晩婚化だ。女性の平均初婚年齢は29・4歳と20年前より3歳ほど 上昇した。妊娠しづらい35歳以降に結婚する女性の割合も増え、体外受精を受ける女性のピークは40歳。妊娠に至らないケースも多いが、国内ではこうした 女性が卵子提供を受けるのは難しい。若い女性の卵子を求めて海を渡る夫婦も少なくない。
 50歳代の女性もその一人。子どもは欲しかったが、仕事に達成感があり夜中まで働いた。40歳で今の夫と結婚。仕事を辞めて不妊治療を始めたが、子どもはできなかった。だが、どうしても諦められなかった。
 「一目見て『自分の子どもではない』とわかるのは嫌でしたが、血縁にこだわりはありませんでした」。渡米して日本人の女子大生から卵子提供を受けた。
 無事に出産し、娘は今年4歳。友達から「似ている」と言われると、うれしさがこみ上げる。娘は最近、料理に興味を示し、ホットケーキの粉を混ぜたり卵を割ったりと、お手伝いもしてくれる。「おなかを痛めて産んだ私の子。娘に話すつもりはありません」
          ◇
 やっとの思いで手に入れた「子どものいる家庭」。だが、複雑な思いを抱く子どももいる。
 東京都の石塚幸子さん(36)は23歳の時、父親の病気をきっかけに精子提供で生まれたことを知った。「自分の人生がうその上に成り立っていたのか」。親に対して憤りを覚えた。
 どんな人が精子を提供したのか、手がかりはない。「子どもには『出自を知る権利』を認めてほしい」
 子どもを授かることができない夫婦への、卵子や精子の提供は、日本でも今後、増える可能性がある。米国ではインターネットを通じて、親が、卵子や精子の提供で生まれた子どもの「出自」を捜す手助けをする動きもある。
 「ルーツを知りたいと願うのは、育ての親への愛情や感謝とは別の気持ち。その思いを支援することで、かえって親子の絆が深まると思えてなりません」と活動を始めたウェンディー・クレイマーさんは話す。
 人口が減りゆく中で、様々な形の家族が生まれつつある。親は子の思いを尊重し、社会はそれを支えていく仕組み作りが求められている。

ジェネリック普及率56%、2年前から10ポイント増 indexへ

 後発医薬品(ジェネリック)の普及率(数量ベース)が、2015年9月時点で56・2%となったことが、厚生労働省の調査結果で明らかになった。
 2年前の前回調査の46・9%から10ポイント近く上がった。後発薬を多く出した病院や薬局への診療報酬を手厚くした効果が大きかったとみられる。
 政府は医療費抑制策の一環で、後発薬の普及率を17年半ばに70%以上、18~20年度の早い時期に80%以上とする目標を掲げている。厚労省は来年4月から、保険適用される後発薬の価格設定を現行より低くし、さらに普及を図る方針だ。

調剤基本料低額「門前薬局」拡大へ…医療費抑制狙い indexへ

 医療機関の前に立地する「門前薬局」について、中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は、処方箋が特に多い大型薬局に設定している低い調剤基本料の対象薬局を拡大することを大筋で了承した。
 厚生労働省は来年の診療報酬改定から導入し、医療費の抑制につなげたい考えだ。
  全薬局の7割を占める門前薬局にはサービス内容の割に、調剤基本料を含めた薬剤師の技術料が高いとの指摘が出ていた。厚労省はすでに、特定の医療機関から 集中して多くの処方箋を受ける一部の大型薬局の調剤基本料を通常より16点(160円)低くしているが、対象薬局を広げる。
 一方、患者の服薬情報を管理する「かかりつけ」機能を持つ薬局の報酬は手厚くする方針。

製薬工程抜き打ち検査…厚労省方針、化血研の隠蔽受け indexへ

 国内の血液製剤の約3割を製造する一般財団法人・化学及血清療法研究所(化血研、熊本市)が40年前から国の未承認の方法で製造していた問題を受け、厚 生労働省は、血液製剤とワクチンのメーカーに対し、製造工程の検査(査察)の一部を抜き打ちで行う方針を固めた。
 これまでの定期的な検査は、日時や内容などをメーカー側に事前に通告していた。今後、処方箋が必要な医薬品を製造する全企業(約280社)も、抜き打ちの対象とする方向で検討する。
 検査は医薬品医療機器法に基づき、国が医薬品医療機器総合機構(PMDA)に委託して実施している。各社は約2年に1回のペースで検査を受けてきたが、国側は数日間で効率的に検査を進めるために事前通告し、企業側に必要な書類を用意させてきた。
  しかし、2日公表された化血研の第三者委員会の調査報告によると、化血研は国の検査前に、実際の製造記録から不正に関するページを抜き取り、国の承認内容 に沿って製造したように装ったほか、想定問答集を作成して予行演習を行うなどの隠蔽工作も行った。翌日の検査の連絡を受け、所内で対応を協議した事実も認 定された。

診療報酬マイナス改定へ/社会保障費1700億円抑制 indexへ

 政府は、医薬品の値段(薬価)や、医師、薬剤師らの技術料の価格(本体)を見直す2016年度の診療報酬改定で、全体の改定率をマイナスとする方向で調整に入った。
 16年度予算編成の焦点である社会保障費の抑制は、目標とする約1700億円の抑制分をほぼ診療報酬のマイナス改定でまかなう考えだ。
  診療報酬改定はほぼ2年に1度実施される。全体の改定率がマイナスになれば8年ぶりだ。厚生労働省による16年度予算の概算要求では、医療、年金、介護な どの社会保障費は15年度予算より約6700億円増える。要因は、高齢化や、医療が高度化していることなど様々だ。政府は財政再建を着実に進めるため、高 齢化で避けられないとされる年約5000億円増にとどめる方針だ。
 差額となる約1700億円の抑制は、〈1〉市場の実勢価格に応じて薬価 を約1400億円引き下げ〈2〉本体を約300億円引き下げる――ことによって実現させる方針だ。改定の議論は今後本格化するが、最終的に1700億円に 満たない場合、一部を高額療養費制度の見直しなど医療制度改革で賄うことも検討する。社会保障費の抑制は毎年度大きな課題だが、大半を医療関連だけで捻出するのは異例だ。
 本体の改定では、大病院前に立地する「門前薬局」など院外処方の薬局を対象に、薬剤師の技術料である調剤料を引き下げる方向で調整している。

300億円、薬剤師狙い撃ち…診療報酬マイナス改定へ indexへ

 2016年度の診療報酬改定は、薬剤師の技術料の引き下げが焦点だ。政府内からは、病院前の「門前薬局」などに対して「もうけすぎ」との指摘が出ていた。政府は技術料全体で約300億円を削減する考えだが、大半が薬局関連ではないかとの見方も出ている。
「もうけすぎ」技術料見直し

 「株式を上場しているチェーンの薬局は、非常に利益が出ている」
 「薬局の報酬だけ硬直的なのは、医者も納得がいかないだろう」
 門前薬局に対する批判の発火点は、政府の規制改革会議だった。今春頃からの議論では、薬局の高い報酬を問題視する発言が委員から相次いでいた。
 今回の診療報酬改定で、社会保障費を抑制したい財務省などが「狙い撃ち」しているのが、薬剤師の技術料だ。
  診療報酬は、医科、歯科、調剤(薬剤師関連)の3分野に分かれ、それぞれが「本体」と呼ばれる技術料と、医薬品や医療器具などの値段「薬価」に分かれてい る。財務省とは異なり、医療機関などの経営に配慮する傾向がある厚生労働省側も「調剤を見直す」(塩崎厚生労働相)と明言している。
 約40兆円に上る医療費のうち、薬剤師の技術料は1・8兆円程度だ。近年の額の伸びは大きいが、医師や歯科医師の技術料に比べて全体の規模が小さいため、過去の改定で焦点になることは少なかった。
 政府は、2016年度の予算編成で社会保障費の伸びを約1700億円抑制する方針だ。今回の診療報酬改定を活用し、市場の価格の下落に合わせて値段が下がる薬価で約1400億円、本体の引き下げで約300億円を抑制する方向で検討に入っている。
「日医と分断作戦」参院選へ配慮か

  政府内の批判の声が大きいことから、自民党や薬剤師の関連団体などには、門前薬局に関する技術料の引き下げを追認する代わりに、それ以外の分野の引き下げ をなるべく阻止しようという動きもある。薬剤師の団体などに詳しい自民党厚労族議員の一人は、「300億円全てを調剤で負担させられる恐れがある。薬剤師 に医療費増の責任を押しつけるな」とけん制する。
 先月22日の厚労省の社会保障審議会医療部会では、日本医師会(日医。横倉義武会長)の委員が調剤の伸びを批判し、日本薬剤師会の委員が反発する場面があった。
  本体の改定がマイナスになれば病院などの経営に大きな影響が出る。医師、歯科医師、薬剤師の各団体は、政府に対し「プラス改定」を求めて共同歩調をとるこ とが多い。しかし、今回の改定では、薬剤師の技術料が大きく引き下げられれば、逆に医師や歯科医師の技術料は小さな引き下げで済む可能性が高いため、団体 の間で足並みの乱れが生じたとの見方がある。政府関係者は、「財務省による日医と薬剤師会との分断作戦だ」と解説する。
 一方、来夏の参院 選には、医療関係団体から、自民党公認として組織内候補を擁立する予定もある。診療報酬改定で薬剤師の技術料が狙われる背景には、「政府・与党が、選挙前 に医師、歯科医師、薬剤師などの団体を全部敵に回すわけにはいかないため」との見方もある。

「門前薬局」に厳しい目…大手チェーン、調剤基本料下げも indexへ

 厚生労働省は1970年代以降、薬の調剤を病院から院外の薬局で行う「医薬分業」を進めてきた。薬代で利益を得ようとした病院による薬漬け医療が問題化したためだ。病院や診療所近くに立地する「門前薬局」は、その副産物として生まれた。
  同省の2013年度調査では、全薬局の7割を門前薬局が占める。薬局で薬を受け取ると、病院での受け取りより、薬剤師の技術料が高めに設定されている。健 康保険組合連合会が花粉症薬14日分にかかる医療費を計算すると、病院では1500円、薬局では3250円。内閣府が1036人に行ったインターネット調 査では、薬局のサービスがこうした価格差に見合うかとの質問に6割近くが「高すぎる」と答えている。
 医療費の高騰が続くなか、近年、門前 薬局には厳しい目が向けられている。厚労省はすでに、卸業者から大量に安く仕入れ、利益を稼げる構造にある大手のチェーン薬局に対する技術料の一部(調剤 基本料)を低く設定しているが、今回の診療報酬改定では、さらに引き下げることも検討されている。
 薬の飲み方の指導や飲み残しの確認などをした場合の「薬剤服用歴管理指導料」も処方の9割超に支払われている。「適切な管理をしなくても受け取れ、形骸化している」(財政制度等審議会)との批判も強い。
 厚労省は医師と連携して不要な薬を削減したり、在宅の高齢者に対応したりする「かかりつけ」機能を求めており、薬局は役割の変革を迫られている。

腹腔鏡手術、5病院で高い死亡率…10例に医学的問題 indexへ

 群馬大学病院で肝臓の腹腔鏡手術後に患者の死亡が相次いだ問題を受け、日本肝胆膵外 科学会が、全国の主な病院で行われた肝臓と膵臓の腹腔鏡手術の成績を調べたところ、死亡率が4%以上と高率の病院が五つあることが27日、わかった。5病 院の死亡例10例の診療経過にいずれも何らかの問題があったことから、同学会は各症例をさらに精査し必要があれば指導を行う方針で、年内に結論を出す。
  群馬大の問題発覚後、同学会は昨年11月~今年1月、肝胆膵分野の高度な手術を担う病院として学会が認定している全国約210病院を対象にアンケートを実 施した。2011年から4年間に行われた肝臓と膵臓の腹腔鏡手術の死亡率などを調査。死亡率が5%前後と群馬大の死亡率(8・7%)に近い高率と考えられ る5病院に対し、死亡例の診療経過に関する詳細な報告を求めた。
 学会が設置する安全管理委員会が死亡例10例について、手術に適しているかどうかの判断や手術の技術、術後管理のあり方を検証したところ、何らかの医学的問題が見られたという。
 同学会は今後1か月かけ、死亡例をさらに精査。問題が大きいと判断されれば、高度な手術を担う病院としての学会の認定を取り消すことも含め、処分や指導を行う見通しだ。

死亡率8%超2病院、「高難度」認定更新認めず indexへ

 日本肝胆膵外科学会が、開腹も含めた肝臓と膵臓の高難度手術で死亡率が8%を超える2病院に対し、肝胆膵分野の高度な手術を担う病院としての認定更新を認めなかったことがわかった。
 この2病院ほどではないものの、死亡率が5%を超えた病院も6病院あり、今後、指導を検討する。うち2病院は、腹腔鏡手術の死亡率が4%以上と高率の5病院にも含まれていた。
  同学会の認定病院は毎年度、開腹か腹腔鏡かといった手術方法を問わず高難度手術の成績を学会に報告しているが、群馬大の問題を受け、同学会は、改めて 12~14年度の各病院の報告を調査していた。その結果、2病院は死亡率が8%を超え、死亡例の診療内容にも問題があった。
 群馬大での開腹及び腹腔鏡による手術の死亡率は10%を超えていた。問題を受け、群馬大と、同様の問題が起きた千葉県がんセンターは認定が取り消されている。

肝移植5人死亡・神戸の病院、規模縮小…「患者数が予想を下回り」 indexへ

 生体肝移植を受けた患者9人のうち5人が死亡した神戸国際フロンティアメディカルセンター(神戸市、田中紘一理事長)は27日、診療の規模を同日から縮小したと発表した。
 代理人の弁護士によると、生体肝移植は中断し、外来診療の受け付けも取りやめ、入院患者は別の医療機関に転院させるという。
 縮小の理由について同センターは、発表した文書で「患者数が開院当初の予想を大幅に下回り、これまでの体制で病院事業を維持できなくなった」と説明。「今後は病院の再建に向け、支援者を募集したい」とした。

C型肝炎治療薬「ヴィキラックス」に重い副作用…死亡も indexへ

 厚生労働省は26日、C型慢性肝炎治療薬「ヴィキラックス」(一般名・オムビタスビル、パリタプレビル、リトナビルの合剤)で、米国の患者に死亡を含む 重い副作用が出たとして、治療による改善が難しい「非代償性肝硬変」の患者には全面的に使用しないよう添付文書の改訂を製造販売元のアッヴィ合同会社に指 示した。
 同省によると、米国で患者26人に肝不全などの重い副作用が発生し、うち10人が死亡または肝移植が必要になった。この薬は、C型肝炎治療薬で相次いで発売された、インターフェロンを使わない飲み薬。国内ではこの日に発売された。

異常胎児選び「減胎」57件…諏訪マタニティークリニック indexへ

 諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町)の根津八紘院長は26日、双子以上の多胎妊娠をした女性の胎児の数を減らす減胎手術について、染色体異常や病気がある胎児を選んで実施した例が、これまでに57件に上ると、日本受精着床学会で発表した。
  同クリニックによると、57件の内訳は無脳症などの病気が29件、ダウン症などの染色体異常が28件。いずれも夫婦から「減胎できなければ、すべての胎児 を人工妊娠中絶する」との意向が示されたという。根津院長は「一人でも多くの胎児を救うために実施した」としている。同クリニックは1986年から減胎手 術を実施し、今年6月末までに1130件行った。9割超の1046件は他の医療機関からの紹介だという。
 胎児の染色体異常や病気を理由に行った例は、90年代後半から増え始め、最近は全体の半数近くに上る。出生前診断の技術の向上が背景にあるとみられる。
 母体保護法は、胎児の異常を理由とした人工妊娠中絶は認めていないが、減胎手術については定めていない。根津院長は「減胎手術に関する公的なルールはなく、早急に整備をしてほしい」と訴えている。
◆減胎手術=排卵誘発剤の使用などで多胎妊娠となった場合に、母子の安全性を高めるために行われている処置。子宮内で一部の胎児を心停止させ、母体内の胎児の数を減らす。

医療事故の届け出制度、1か月で20件 indexへ

 10月から新たにスタートした医療事故調査制度について、第三者機関「日本医療安全調査機構」(東京)は、全国の医療機関から10月末までの1か月間で20件の事故届け出があったと発表した。
  機構は「判断に時間がかかっている面もあり、制度が定着すればもう少し増えると思う」と説明している。同制度は、国内の全医療機関に医療死亡事故の報告を 義務づけるもの。届け出20件の内訳は病院が15件、診療所が5件。診療科別では消化器外科が5件と最多で、産科が4件だった。

慢性骨髄性白血病、「ダサチニブ」中断後に半数再発せず indexへ

 慢性骨髄性白血病の治療薬「ダサチニブ」を飲み続けて1年以上病気が抑えられた患者のうち、約半数の患者は薬をやめても1年以上再発しなかったとの研究 結果を、全国41病院が参加する多施設共同研究グループ(代表・木村晋也佐賀大教授)が発表した。難治性の白血病が飲み薬だけで治癒する可能性が示され た、としている。英医学誌「ランセット」姉妹誌(電子版)に10日掲載された。
 造血幹細胞移植しか根本的な治療法がなかった慢性骨髄 性白血病は、がん化を抑える治療薬が国内でも2001年以降次々に登場した。課題は、毎日服用が必要で薬剤費が年間400万~700万円程度と高価なう え、いつまで飲み続けなければならないか不明で、中止しても再発しないか、どんな患者で中止可能かなどが焦点となっている。
 研究グループは、第1世代の薬「イマチニブ」が効かなかったり副作用で使えなかったりした患者らで、第2世代の薬「ダサチニブ」を使い1年以上、がんの原因遺伝子が検出限界以下だった63人について、薬を中止して経過を調べた。
 14年8月までの中間的な解析を行ったところ、30人(48%)で1年以上再発がなかった。イマチニブが効果不十分でダサチニブに替えた患者では、中止 できた人は8%と少なかった。一方、イマチニブの副作用が理由で変更した患者では、61%で再発しなかった。
 また、免疫細胞であるNK細胞がダサチニブの治療で増加した患者ほど、再発率が低かった。中止後再発した患者33人は全員、服用を再開して半年以内に検出限界以下に戻った。
 研究は16年8月まで、中止後3年間の経過をみる予定。木村教授は、「NK細胞の増加が薬を中断できる指標になる可能性がある」としている。

執刀医らに聞き取り、群大事故調が要請へ indexへ

 群馬大学病院(前橋市)で肝臓手術後に患者の死亡が相次いだ問題で、第三者からなる医療事故調査委員会(委員長=上田裕一・奈良県総合医療センター総 長)は3日、東京都内で開いた第6回会議後の記者会見で、近く執刀医と上司だった教授に聞き取り調査に応じるよう要請すると明らかにした。
 年内に4回会合を開き、まだ聞き取りをしていない遺族や病院関係者から話を聞いたうえで、執刀医らにも事情を聞く方針だ。
 遺族の聞き取りは今後、開腹手術を受けて死亡した10人の患者を中心に実施。病院関係者は、執刀医が在籍していた診療科をはじめ、病棟、集中治療室、手術室にかかわる医師、看護師が対象となる。

群大手術死、遺族側要望書に対し「回答控える」と病院側 indexへ

 群馬大学病院(前橋市)で肝臓手術後に患者の死亡が相次いだ問題で、遺族側の弁護団(団長・安東宏三弁護士)は30日、問題の背景説明などを求めた要望 書に対し、病院と執刀医の上司だった教授から、それぞれ「回答を控える」とする文書が届いたことを明らかにした。
 いずれも現在、第三者による医療事故調査委員会が調査中であることを理由としている。
 遺族側は先月、病院と教授、執刀医に要望書を提出し、この日を回答期限としていた。病院への要望では、死亡した患者個別の診療について、執刀医が病院側の調査にどう答えたかなどを開示するよう求めた。
 病院側は、個別症例に関する質問には答えず、組織の改善状況を示す公表資料などを送っただけだった。教授からは「現時点での回答は控える」とのコメントのみで、執刀医の反応はないという。
 弁護団の梶浦明裕事務局長は「調査と遺族の疑問に答えることとは全く別で、病院や医師には回答する法的義務があると考える。遺族との信頼関係をさらに損ねる対応だ」としている。

抗がん剤効きにくくなった患者、肝炎薬併用で効果復活 indexへ

 抗がん剤が効きにくくなった前立腺がんの患者に、C型肝炎の治療薬「リバビリン」を抗がん剤と併用して使うと再び治療効果が高まるとする研究成果を、慶応大の大家基嗣教授(泌尿器科)らがまとめた。京都市で29日から始まった日本癌治療学会で発表した。
 研究グループは来年3月にも医師主導治験を開始して、安全性と有効性を確認し、リバビリンを前立腺がんの治療薬としても使えるようにしたい考え。
  前立腺がんと診断される患者は年間約8万人で、男性では胃がんに次いで多い。抗がん剤治療は、手術や放射線治療、男性ホルモンの分泌や働きを抑えるホルモ ン療法では治療できない患者に行われる。しかし、抗がん剤を使い続けるうちに半数近くの患者で効果が弱まり、再びがん細胞が増殖する。
 研 究グループは、抗がん剤「ドセタキセル」が効かなくなる過程で、がん細胞の遺伝子の働きが変化することに着目。コンピューターを活用して、約3000種類 の既存薬から、遺伝子の働きを元の状態に戻す薬を探した。9種類の薬に候補を絞り、ドセタキセルが効きにくいマウスで実験したところ、リバビリンとドセタ キセルの併用でがん細胞が縮小した。さらに、長期間の投与でドセタキセルが効かなくなった患者5人に、この治療を試すと、2人に効果が認められた。
 大家教授は「安全性が確認されている既存の薬同士の組み合わせで、新薬開発に比べ、安いコストで素早く実用化できると期待できる」と話す。
 東邦大医療センター佐倉病院の鈴木啓悦教授の話「ドセタキセルは、進行した前立腺がんの治療で主力となる抗がん剤。今後、リバビリンとの併用で治療効果 が高まることが確認されれば、大きな進歩だ。実用化には、白血球の減少など両剤の副作用が相互作用で強く出ないよう、適切な用量を検討することが必要だ」

中性子線で がん狙い撃ち…「頭頸部」末期患者、半数以上で腫瘍消える indexへ

 がん細胞だけを狙い撃ちする放射線治療「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT◎)」を、顔や首にできる「頭頸部がん」の末期患者37人に行ったところ、半数 以上でがんを消すことに成功したとの臨床研究結果を、大阪大や京都大などのチームがまとめた。29日から京都市で始まる日本癌治療学会で発表する。
  BNCTは、がん細胞に取り込まれやすいホウ素化合物を点滴し、弱い中性子線を1時間ほど照射する。中性子を吸収したホウ素は核分裂して別の放射線を出 し、がん細胞を内側から破壊する。ホウ素から出る放射線は細胞1個分ほどの範囲しか届かないため、正常な細胞を傷つけず、副作用は小さいとされる。
 チームは2001年から、京大原子炉実験所(大阪府熊取町)の研究炉で生み出される中性子線を活用。弱い中性子線は体表に近い部分しか届かないため、舌や顎、耳の下などにできる頭頸部がんを再発し、有効な治療法がない患者にBNCTを実施した。
 13年2月までの約12年間に治療を受けた37人中、20人(54%)で腫瘍が消え、13人(35%)で腫瘍が縮小した。3人は効果が確認できず、1人は治療後、診察に来ず評価できなかった。
 末期の頭頸部がん患者に対しては、抗がん剤を投与し続けた場合の5年後の生存率は5%以下とする米国チームの報告がある。今回は30%(11人)だった。
 チームの加藤逸郎・大阪大助教(口腔外科)は「生存率は従来の治療法より大幅に向上した。今後は治療が難しい、ほかのがんに使うことも検討できる」と話す。
 桜井英幸・筑波大教授(放射線腫瘍学)の話「他に治療法がない患者を多く救った画期的な成績と評価できる。中性子線による合併症の恐れはあり、安全性の検証も欠かせない」

群大術後死、指導力不足で医療の質低下…改革委 indexへ

 群馬大学病院(前橋市)で肝臓手術後に患者の死亡が相次いだ問題で、病院の管理体制を検証する改革委員会(委員長=木村孟・大学評価・学位授与機構顧問)が26日、都内で記者会見し、問題点を厳しく批判するとともに、改善を求める提言の中間まとめを公表した。
 改革委は5月以降7回、会合を開催。同じ医師が行った手術で死亡例が短期間に続発した背景、防げなかった組織としての問題点を検討した。
  改革委は、問題が起きた最大の要因として、患者の死亡が相次いだ第二外科と、第一外科が同じような手術を行いながら互いに協力せず、非効率で十分な安全管 理がしづらい体制だったことを挙げた。指導力のない診療科長の下で、資質に欠ける医師が過剰な数の手術を一手に引き受けた結果、医療の質が低下し、死亡例 が続発したと批判した。
 病院に安全管理部門はあったが、問題を把握できる仕組みになっていなかったと指摘。群馬大出身者が多く、閉鎖的で物を言えない風土もあったとして組織改革を進めるよう注文した。
 木村委員長は「病院長や診療科長が指導力を発揮しようとした証拠もなく、病院としての統率が取れていなかった」と批判した。
 田村遵一病院長は「指摘は非常に的を射ており、心から反省している。真摯に受け止め、早期に改革したい」と述べた。
 死亡が続いた原因と再発防止策については、改革委とは別の学外の専門家による事故調査委員会が行っている。調査委は来春をめどに報告書をまとめる予定で、これと合わせて、改革委も最終的な提言を行う。

◆改革委員会提言のポイント
(問題点)
▽第一、第二外科が独立運営され協力体制がなかった
▽スタッフ数に見合わない数の手術を行っていた
▽適格性を疑われる医師が主要構成員として存在
▽病院長や診療科長(教授)が指導力不足だった
(改善点)
▽医療事故などの報告が複数部署から上がる仕組みの構築
▽診療科長(教授)の能力・資質を適切に評価できる体制構築
▽他部署に口を出せない文化を払拭する

プロジェクションマッピングで手術…切除部分、臓器に投影 indexへ

 建物の壁などに映像を投影し、芸術活動やイベントに使う「プロジェクションマッピング」の技術を応用して、肝臓がんなどの部位をはっきりと示し、手術を支援するシステムを開発したと、京都大とパナソニックのチームが発表した。
 今後、臨床試験を行って、実用化を目指すとしている。
 肝臓がんの手術では、がんと結びつく特殊な薬剤を患者の体内に入れて、近赤外線を照射する手法が実用化されている。画面上で、がん部位とそれ以外の部分が色分けして表示され、執刀医は画面を見ながらがん部位を切除する。
 ただ、画面と患者の肝臓を見比べながら手術するため、執刀医は頻繁に視線を動かす負担が大きく、正確性にも課題があった。
 開発したシステムは、近赤外線カメラが薬剤を目印にがん細胞を追跡し、プロジェクターから光を実際の臓器に投影して、切除する部分を色分けして表示する。呼吸などで臓器が動いても追跡して正確に表示し続けられるという。
 チームの波多野悦朗・京大准教授は「がんの取り残しを防ぎ、医師の負担軽減や手術時間の短縮も期待できる。乳がんなどでも使える可能性がある」と話す。
 京大病院で、肝臓がんの患者約30人にこのシステムで手術の臨床試験を行い、安全性や有効性を確認する。

マンモグラフィー推奨、40歳から45歳に引き上げ…米指針 indexへ

 【ワシントン】米非営利団体「米国がん協会」は20日、乳房エックス線撮影(マンモグラフィー)による女性の乳がん検診についての指針を改定し、毎年の受診を推奨する年齢を従来の40歳から45歳に引き上げた。
 同協会によると、マンモグラフィーで乳がんの約85%を発見できるが、がんではないのにがんの疑いを指摘され、追加検査が必要になるケースも多いという。発症の危険性が比較的低い40歳代前半では、過剰な検査による負担が大きい。
 このため新指針では、45歳から毎年受診し、55歳以降は2年に1回受診することを推奨した。家族にがん患者がいる場合などは、医師に相談した上で、早めの受診を勧めている。
 医師や自分自身が乳房のしこりを調べる触診は、マンモグラフィーの精度が高まっていることなどから推奨していない。

便秘薬「酸化マグネシウム」服用で副作用、1人死亡 indexへ

 厚生労働省は20日、便秘薬として広く使われている「酸化マグネシウム」製剤で、最近3年間に薬との因果関係が否定できない高マグネシウム血症を19人が発症、うち1人が死亡したと発表した。
 報告の大半は高齢者のため、同省は製造販売元の17社に対し、薬の添付文書の「慎重投与」の項目に高齢者を追記するよう求めた。
 高マグネシウム血症は、意識障害や心停止などの重篤な症状を引き起こすことがある。同省は、同製剤の使用は必要最小限にとどめ、嘔吐や不整脈などの症状が出たら、受診を指導することなども指示した。

補助人工心臓で生活、年間1104万円かかる…人工透析は688万円 indexへ

 重症の心臓病の患者に対し、補助人工心臓を使って救命治療を行い、1年間日常的な生活を送るのに必要な医療費を大阪大の田倉智之教授(医療経済学)のグループが試算した。
 1人当たり1104万円だった。腎臓病への人工透析は同688万円で、それよりは高いが、研究グループでは、心臓移植を受けられず、他に治療法がない患者に適応拡大しても公費支出が許容できる金額としている。
 ポンプ機能が衰えた心臓を助ける補助人工心臓は、自宅で生活ができる小型の植え込み型の使用が心臓移植の待機患者のみに保険で認められている。現在、移 植の対象外となっている65歳以上の患者などへの適応拡大を目指した臨床試験(治験)が来年にも行われる見込み。
 研究グループは、補助人工心臓を使った37人と人工透析を受けた29人のデータを分析。治療によって1年間健康に暮らせる指標(QALY=クオリー)の計算式を使い、必要な1年間の医療費を算出した。
 現在、人工透析患者数は約30万人、補助人工心臓の患者数は約200人。医療費の大部分は保険など公費でまかなわれている。補助人工心臓の適応拡大が認められれば、患者は毎年数百人ずつ増えるとみられる。

子宮頸がんワクチン…接種後、体調変化28% indexへ

 子宮頸がんワクチンの予防接種で副作用が起きている問題で、静岡市は16日、接種した市民へのアンケート調査結果を公表した。
 接種後に体調が変化したと答えたのは443人で、回答者全体の28%だった。94人が現在も症状があるとしており、23人が通院中と答えた。市は結果を受け、年内をめどに市保健所保健予防課(葵区城東町)に専用の相談窓口を設置する方針だ。
 子宮頸がんワクチンは、2009年12月に発売された。接種対象は10歳代の女性が中心で、子宮頸がんの原因となるウイルスの感染を防ぐ。10年11月に国の補助が始まって以降、多くの自治体でほぼ無料で接種が受けられるようになった。
 13年4月には、予防接種法に基づく定期接種となった。しかし、その頃から、接種後に体の痛みといった健康被害を訴える報告が相次ぎ、国は同年6月、接種の積極勧奨を中止した。
 静岡県疾病対策課によると、13年4月以降、県内でこれまでに医療機関を通じて国に被害が報告されたのは26件で、県にもこれまでに数件、相談が寄せられているという。
 静岡市の調査は、今年7~8月に行われた。この問題で市が独自のアンケート調査を実施したのは初めて。2011年2月~今年3月にワクチンを接種した1万1103人が対象で、1608人が回答した。回答率は14・5%だった。
 接種後の体調の変化について聞いたところ、体の痛み(212人)、だるさ(118人)、発熱(49人)、頭痛(47人)といった症状が出た人が目立っ た。現在の状況については、生理不順が最多で32人、頭痛(23人)、めまい(17人)、だるさ(14人)と続いた。
 同市によると、16日までに市内の高校生2人に重い副作用が出ており、いずれも保護者から市に相談があったという。
 相談窓口などへの問い合わせは市保健所保健予防課(054・249・3173)へ。

硬膜下血腫、「自分の血を注入」で劇的回復 indexへ

 脳を覆う膜の内側で出血し、脳を圧迫して頭痛や歩行障害などを起こす慢性硬膜下血腫の一部で、「ブラッドパッチ(自家血硬膜外注入)」と呼ばれる 治療が劇的に効く例があると、山王病院(東京都港区)の高橋浩一脳神経外科副部長らが、16日午後、日本脳神経外科学会(札幌市)で発表する。
 慢性硬膜下血腫は、軽い頭部外傷が原因とされる。脳や脊髄の周囲を満たす髄液が、これを閉じこめる硬膜の外に漏れる「特発性低髄液圧症候群」も併せて発病している場合がある。
 慢性硬膜下血腫は、頭に小さな穴を開けて血液の塊(血腫)を取り除く手術が一般的な治療法だ。ただし、同症候群を合併する硬膜下血腫で手術を行うと、脳の位置が下がるなどして逆に状態が悪化し、死亡例も報告されていた。
  同症候群には、自分の血液を硬膜の外に注入し、固まらせて髄液の漏出を止める「ブラッドパッチ」が有効とされる。高橋副部長らは同症候群を合併する硬膜下 血腫の患者45例にブラッドパッチ治療を行ったところ、8割にあたる36例で、手術などを必要とせず、病気が治った。高橋副部長は「ブラッドパッチは医療 保険で認められておらず、早急に保険適用してほしい」と訴えている。

インフルワクチン、接種費値上げ広がる indexへ

 インフルエンザの流行が本格化するのを前に、ワクチンの接種費用を値上げする動きが広がっている。ワクチンが対応するウイルスの種類が、今冬は3種類から4種類に増えて販売価格が上がったためで、専門家からは接種率への影響を懸念する声もあがっている。
  インフルエンザワクチンは従来、ウイルスのA型2種類(H3N2型、H1N1型)、B型1種類の計3種類に対応していたが、世界保健機関はB型を2種類に 増やした計4種類に対応したワクチンを推奨している。世界的にも4種類が主流になりつつあり、日本も今冬から切り替えた。
 ワクチンは、医 療保険が適用される医薬品とは異なり、薬価は決められておらず接種費用は医療機関ごとに異なる。国内の製造販売会社4社は価格を公表していないが、ある メーカーによると、切り替えに伴い、原材料の鶏卵を増やしたり、新たな設備投資を行ったりしたため、価格が前年の1・5倍になったという。
  東京都の調査では、大手卸4社の販売価格は大人1回分を1000円から1500円に値上げしていた。これに伴い、接種費用を500~1000円程度上げる 医療機関が相次ぎ、65歳以上の高齢者を対象にした市町村の定期接種の費用助成額にも波及している。東京都世田谷区では、対象者の自己負担額を昨年度より 300円高い2500円に引き上げた。
 けいゆう病院小児科の菅谷憲夫医師は「接種をすべき人たちの差し控えにつながらないか心配。値上げはやむを得ないかもしれないが、メーカー側も理由を明確に説明すべきだ」と話す。

エボラ回復した英女性が「危機的な容体」…長期潜伏か indexへ

 【ロンドン】ロンドンのロイヤル・フリー病院は14日、エボラ出血熱の治療を受け、今年1月に退院した英国人女性の体調が再び悪化し、「危機的な容体にある」と発表した。
 女性は隔離病棟に入院している。英BBC放送によると、ウイルスが体内に潜伏していた可能性があるという。
  女性は英スコットランドの看護師、ポーリーン・カファキーさん(39)。西アフリカのシエラレオネで昨年、エボラ患者の治療支援にあたり、帰国後の昨年 12月、英国内で初のエボラ患者と診断された。同病院で治療を受け、1月に完全に回復したとして退院したが、今月に入って再び体調が悪化し、9日に同病院 に搬送された。

男児の臓器、3病院で移植…6歳未満脳死判定4例目 indexへ

 6歳未満では国内4例目となる脳死判定を受けた男児からの臓器摘出が13日行われ、心臓は東大病院で10歳未満の男児に、肝臓は国立成育医療研究 センターで10歳未満の女児に、二つの腎臓は国立病院機構千葉東病院で慢性腎不全の30歳代女性に、それぞれ移植された。いずれも経過は良好だという。
 心臓移植を受けた男児の病気は、心臓の筋肉が発達せず、血を送り出す機能が弱い左室心筋緻密化障害。肝臓移植の女児は、先天性代謝異常症という難病だっ た。手術終了後の記者会見で、東大病院心臓外科の小野稔教授は「男児は待機期間5か月で移植を受けることができた。移植した心臓の機能も良好」と話した。

6歳未満で4例目の脳死判定…男児、心臓提供 indexへ

 日本臓器移植ネットワークは12日、千葉県内の病院に入院していた6歳未満の男児が改正臓器移植法に基づき脳死と判定されたと発表した。6歳未満の脳死判定は4例目。
 13日未明に臓器摘出の手術が行われ、心臓は東大病院で10歳未満男児に移植された。肝臓は国立成育医療研究センターで10歳未満女児、腎臓二つは国立病院機構千葉東病院で30歳代女性に、それぞれ移植される予定。
  同ネットワークによると、脳が急激にむくむ急性脳症で9日に脳死状態になり、両親から臓器提供の申し出があった。6歳未満の幼児は脳の回復力が強く、同法 は2回行う脳死判定の間隔について、6歳以上は6時間以上なのに対し、6歳未満は24時間以上と厳しい基準を適用。10日夜から12日未明にかけて2回、 判定が行われた。
 両親は同ネットワークを通じて「親として深い悲しみの中にいます。臓器提供により、誰かが救われ、誰かの苦しみが和らげられる可能性があることは、私たちに残された一つの希望のように感じています」とのコメントを発表した。

群大病院委、開腹手術死も調査へ…遺族から聞き取り indexへ

 群馬大学病院(前橋市)で、肝臓の手術後に患者が相次ぎ死亡した問題で、第三者からなる医療事故調査委員会(委員長=上田裕一・奈良県総合医療セ ンター総長)は12日、東京都内で開いた会議後の記者会見で、開腹手術を受けて死亡した患者の遺族にも聞き取りを行うことを明らかにした。
 第三者委は先月、腹腔鏡手術を受けて死亡した患者8人の遺族や病院関係者から聞き取りを行った。
 今後、開腹手術後に死亡した患者についても、手術をはじめ診療について、遺族がどう説明され、それをどのように受け取ったか聞き、インフォームド・コン セント(説明と同意)の状況を検証する。対象は、今年3月までの調査でわかった10人と、同8月に新たに判明した膵臓の患者も含む12人の計22人となる 見通しだ。
 また、すでに聞き取りを済ませた腹腔鏡手術患者の遺族に対し、不足があれば文書での証言を受け付ける考えも示した。執刀医やその上司である教授への聞き取りも、年内に行う方針だ。

認知症の薬、規定量投与すると副作用?…医師ら調査へ indexへ

 認知症の薬を規定通りの分量で投与すると、興奮しやすくなるなどの副作用が起きる恐れがあるとして、医師や弁護士らが8日までに、一般社団法人「抗認知症薬の適量処方を実現する会」(代表・長尾和宏医師)を設立した。
 今後、患者の家族や医師を対象に副作用の実態を調査し、啓発や提言を行いたい考え。
 認知症の進行を遅らせる薬は現在、4種類が承認されている。少量から投与を開始し、2~4倍程度まで増やすよう、添付文書で定められている。
  8日に記者会見した長尾代表によると、薬の作用は個人差が大きく、添付文書通り投与すると怒りっぽくなったり、手足がこわばったりという副作用が表れるこ とがある。投与量を減らすことで副作用が抑えられ、効果も得られる人もいるが、添付文書に定められた分量の処方でないと診療報酬の審査で支払いを認められ ない場合があるという。

大麻、医療利用に向け研究…痛み緩和など効果 indexへ

 大麻に含まれる化学物質の医療利用を研究する「日本臨床カンナビノイド学会」(新垣実理事長、事務局=東京・昭和大学薬学部)が設立された。
 日本は大麻の医療利用を法律で禁じているが、欧米では医薬品として合法化する動きが広まっている。同学会は、将来を見据え、効能や効果の検証研究などを促していく。
 カンナビノイドは、大麻に含まれる104種類の生理活性物質の総称。近年、痛みの緩和や、免疫、老化分野などへの多様な効果が注目され、欧米を中心に、医薬品やサプリメントとしての利用が期待されるようになった。

5人術後死・神戸の病院、生体肝移植を再開 indexへ

 生体肝移植を受けた患者9人のうち5人が死亡した神戸国際フロンティアメディカルセンター(神戸市)が7日、見合わせていた移植手術を再開したことを読売新聞の取材に対し、明らかにした。
 同センターは、手術の日時や患者の情報については、「患者側の了解を得ていない」とした。一方、外部の医師らからなる同センターの「生体肝移植体制評価委員会」の委員によると「(今月)6日に手術をしたという報告が7日にあった」としている。
 同センターは死亡した5人目の手術を行った今年6月以降、移植を中断。9月24日に記者会見を開き、外部委員会から「移植医療に必要な体制がおおむね備えられている」との評価を受けたとして、再開する方針を発表していた。

虐待で精神疾患の子ども…表情、感情認知が困難か indexへ

 虐待やネグレクトによる精神疾患「反応性愛着障害(RAD※)」の子どもは、目で見たものを認知したり感情を読み取ったりする脳の部位の大きさが、健康 な子どもより2割小さいとする研究結果を、福井大の友田明美教授(小児発達学)らのチームが2日、発表した。
 相手の表情や気持ちを読み取ることが困難と裏付けられたといい、チームは「症状の把握や治療法開発につなげたい」としている。
  RADは、幼少期に虐待やネグレクトといった不適切な養育を受けたことが原因で、情動の抑制や人間関係の構築ができなくなる精神疾患の一種。チームは、 RADと診断された10~17歳の男女21人と、健康な同世代の男女22人の脳をMRI(磁気共鳴画像装置)で撮影し、左脳の後部にある視覚野の容積の大 きさを比較した。
 結果、RADの子どもは、健康な子どもより、容積が平均で20・6%減少していた。情緒の不安定さや対人関係の苦手さが 深刻なほど小さくなっていることも判明した。友田教授は「幼少期に笑顔を見ていなかったり、暗いところで育ったりと劣悪な養育環境が影響し、健康な子より も発達していないとみられる。だが、治療すれば治るため、早期発見が大事だ」と指摘する。
 研究結果の論文は7月、オランダの電子版臨床神経科学誌に掲載された。
          ◇
 ※RAD=Reactive Attachment Disorder

肝移植5人死亡、神戸の病院「逸脱なし」と報告…会見説明と食い違い indexへ

 生体肝移植の患者9人中5人が死亡した神戸国際フロンティアメディカルセンター(田中紘一理事長)が日本外科学会など3学会に対し、第三者の評価を受けた結果、「全症例とも標準を逸脱した対応はなかった」と報告する文書を送っていたことがわかった。
 9月24日に開かれた記者会見の説明と食い違っており、関係者から疑問の声が上がっている。
 日本外科学会、日本消化器外科学会、日本肝胆膵外科学会は今年6月、同センターに要望書を送り、生体肝移植全9例について第三者の評価を受けることを求めていた。
 送られた文書はその回答書で、第三者の評価委員会を設置して検証を受けた結果、「全症例とも医療過誤や標準を逸脱した対応はなかったことの評価を受けた」と記述されていた。
 記者会見でセンターは、評価委に「必要な体制が概ね備えられている」と判断されたとして、実施を見合わせていた移植の再開を発表。ただし、同席して評価 の概要を説明した委員長が、過去の生体肝移植について「移植対象とすべきでないものも含まれている」と話すなど、問題を指摘したことを明らかにしていた。
 同センターは回答書の内容について、読売新聞の取材に対し「適切と考えている」としている。

医療事故調制度が発足、ルール曖昧で戸惑いの声も indexへ

 すべての病院や診療所などに医療死亡事故の報告を義務付ける医療事故調査制度が1日、スタートした。
 事故が発生したら、医療機関は第三者機関に届け出た上で自ら調査しなければならない。事故情報を広く集めて再発防止を図るのが目的だが、ルールが曖昧で体制整備も進んでいない。医療機関、患者の双方から戸惑いの声も上がる。
 「事故かどうかの見極めは難しく、トラブルにならなければいいが……」
 東京都内の診療所でがん患者らの治療を行っている70歳代の医師は困惑する。
 新制度は国内の全医療機関(約18万か所)が対象。患者が死亡した場合、「医療事故」かどうかを医療機関が自ら判断し、事故と判断したら、第三者機関の「日本医療安全調査機構」に届け出た上で院内調査をスタートさせる。
 しかし事故の定義は「予期しなかった死亡・死産」と曖昧。この医師は、「がん患者は容体が突然変わることもあり、『予期』の判断に迷うだろう」と語る。
  事故を起こした医療機関が自ら調査主体となる点も課題が多い。診療所などは専門医が足りず、大学病院などから外部委員を派遣してもらわなければならない。 各地の医師会がサポートするが、岩手県医師会の担当者は、「細かいルールはまだ決まっていない。スムーズに対応できるかどうか」と不安を口にした。
  患者の遺族は調査結果に対し、再調査を求めることができるとはいえ、そもそも医療機関が事故と判断しなければ調査は行われない。妻を医療事故で亡くした永 井裕之さん(74)は「遺族から見て不審な点があっても調査自体が行われなければ、公平な制度とはいえない」と語り、今後、遺族の相談窓口を設けるよう国 に求めていくという。

乳がんの急激進行タイプ、定期的に自分でさわって確認を indexへ

 BS日テレの「深層NEWS」に30日、東大病院放射線科の中川恵一准教授が出演し、有名人の患者も増えている乳がんなどの検査法や治療法を解説した。
 中川准教授は、乳がん検診を毎年受けていたタレントの北斗晶さんが、乳がんを早く発見できなかったことについて「少数ながら急激に進行するタイプは、検 診を半年ごとに受けても見つからない可能性がある。過度のエックス線検査には被曝のリスクもあるため、定期的に自分で乳房をさわり、変化を確認することが 大切」と呼びかけた。

千葉市立病院8人術後死、市「ミスとは考えず」 indexへ

 千葉市立海浜病院(千葉市美浜区)の心臓血管外科で今年4~6月に手術を受けた入院患者8人(55~81歳)が手術翌日から1か月半の間に死亡し た問題で、市病院局は25日、開会中の同市議会の本会議で、8人の手術は、これまでと同じ手法を採用し、全て保険適用だったことを明らかにした。福永洋市 議の一般質問に病院局の島田幸昌・経営管理部長が答弁した。
 また、術後に患者が死亡する例が相次いでも手術を続けたことについて、島田部 長は「心臓血管外科では緊急を要する手術も多く、手術をしても残念ながら死亡に至るケースもある」と説明。その上で「今回の事例もリスクの高い困難な症例 が続いたと判断していた」と述べ、当時の病院局は医療過誤と認識していなかったとする見解を示した。
 病院局の担当者も取材に対し、「当初から医療ミスとは考えていない。それを証明するためにも外部の調査委員会に調べてもらっている」と語った。

群大術後死、遺族会見「執刀医説明、手術ありき」 indexへ

  群馬大学病院(前橋市)で肝臓手術を受けた患者が相次ぎ死亡した問題で、患者3人の遺族が25日、群馬県高崎市内で初めて記者会見し、「執刀医からの説明 は手術ありきだった」「本当のことを知りたい」と訴えた。同日、遺族側の弁護団(団長・安東宏三弁護士)は、第三者からなる医療事故調査委員会(委員長= 上田裕一・奈良県総合医療センター総長)などに、執刀医からの直接説明や問題の背景究明を求める要望書を提出した。
 記者会見したのは、腹腔鏡手術後に当時80歳代の父親を亡くした男性と、当時70歳代の母親を亡くした女性2人、開腹手術後に妹を亡くした男性の計4人。
 父親を亡くした男性は「執刀医の説明は手術ありきだったが、父は手術を望んでいなかった。難しい手術なら受けないという選択肢もあった」と述べた。委員 会の聴取に対しては、手術を受けた場合に死亡する確率など術前の説明を十分に受けた記憶がないことを話したという。
 母親を亡くした女性は「これまでの群馬大の調査には、問題を早く片づけようという姿勢を感じた。真実を知りたいという要望を、第三者委員会にも伝えた」 と話した。当時20歳代の妹が膵臓の開腹手術を受けた後に亡くなった男性は「手術室に行くまで、妹は涙を流していた。手術を受けさせたことに、後悔しか 残っていない」と語った。
 要望書は、同委員会、同病院、執刀医(3月末で退職)、元上司の教授宛てで、「(一連の手術の)結果の重大性を踏まえると、執刀医と教授は遺族に対面で 説明する法的義務がある」と指摘。同委員会に対し、相次ぐ死亡がなぜ止められなかったのか、背景の解明を求めた。
 要望書は、同委員会が遺族への聞き取り調査を行うため高崎市内で開いた第3回会合の場で、聴取を受けた遺族が上田委員長に手渡した。上田委員長は「じっくりと検討し、調査に反映させる」と応じたという。

子宮頸がんワクチン任意接種、健康被害11人を救済へ indexへ

 子宮頸がんワクチンを接種した女子中高生らに体の痛みなど重い症状が出ている問題で、厚生労働省は24日、定期接種になる前の任意接種で健康被害を受けた11人に医療費などを支給する方針を決めた。
 医療費の自己負担分や医療手当(月額3万4000~3万6000円)を給付する。
 同日、厚労省の専門部会が協議した結果、対象の11人について、「接種との因果関係が否定できない」と判断した。このうち3人は支給が決定。8人は追加資料の提出を求めたうえで正式決定する。

5人術後死・神戸の病院、移植再開に4条件 indexへ

 「生体肝移植を受けた患者9人のうち5人が死亡した神戸国際フロンティアメディカルセンター(田中紘一理事長)は24日、見合わせていた移植手術を再開すると発表した。
 再開に当たって、田中理事長は、外部の医師らで構成する評価委員会が示した四つの条件をクリアしてから進める方針を明らかにした。
  評価委の条件は、▽診療内容を評価委に報告する▽手術前の評価・検討に評価委が指名した医師を参加させる▽手術は十分な移植医療の経験がある医師を外部か ら招いて行う▽手術後の管理は評価委が指名した医師が参加する――で、評価委員長の長谷川剛・上尾中央総合病院長補佐は「再開するなら4条件を満たすべき だ」と注文。中長期的に医師の増員や育成なども求めた。

5人術後死・神戸の病院、移植手術を再開へ indexへ

 生体肝移植を受けた患者9人のうち5人が死亡した神戸国際フロンティアメディカルセンター(田中紘一理事長)は24日、神戸市内で記者会見を開き、実施を見合わせていた移植手術を再開すると発表した。
 外部の医師らでつくる「生体肝移植体制評価委員会」が、同センターの移植医療について「必要な体制が概ね備えられている」との判断を示したため。田中理 事長は記者会見で、「患者5人の死は重く受け止めており、無駄にはしない」と述べる一方、移植手術の再開の時期は明らかにしなかった。
 発表によると、評価委は肝移植の専門医や医療安全の専門家、肝移植手術を受けた経験者ら10人で8月に発足。同センターが、専門性や中立性などを考慮し、委員を指名したという。
  評価委は会合を6回開き、専門医の数や手術後の管理体制など13項目を検討した。委員からは過去には移植の対象にすべきではない例があった、との意見も出 たという。評価委員長の長谷川剛・上尾中央総合病院院長補佐は記者会見で、「(体制は)100点満点ではない。移植を再開するなら評価委に診療内容を報告 し、医師の増員や育成に取り組むなど、さらに改善してほしい」と話した。
 同センターでは昨年11月~今年4月、生体肝移植を受けた8人中 4人が死亡。専門医で作る日本肝移植研究会から「医療体制が不十分」と指摘されたため、いったん移植手術を中断した。6月3日に再開したが、この時に手術 を受けた患者も2日後に死亡し、再び移植手術を見合わせていた。
 日本移植学会と日本肝移植研究会は「現段階で移植継続の是非を判断できない。過去の症例の検討や病院内の体制の整備などを求める要望書を提出してきたが、その結果を公開した上で移植を再開してほしい」との見解を示した。

子宮頸がんワクチン、1割に接種後の症状残る indexへ

 子宮頸がんワクチンの接種後に体の痛みなど重い症状が出ている問題で、厚生労働省は17日、186人が「未回復」との追跡調査結果を発表した。
 同省は実態が把握できたとして、接種後の健康被害救済に向けた審査を18日から始める。同ワクチンは2013年6月以降、積極的に勧めることを中断しているが、原因解明に向けた研究を続ける必要があるとし、再開は見送られた。
  同省は、09年12月のワクチン発売から14年11月までに接種した約338万人のうち、接種後に何らかの症状が出て医師などから報告があった2584人 (0・08%)全員の追跡調査を行い、1739人の経過を把握した。このうち約1割にあたる186人が未回復で、頭痛や倦怠感、関節痛、認知機能の低下など様々な症状がみられた。
  調査結果は17日、同省の有識者検討会(座長=桃井真里子・国際医療福祉大副学長)に報告された。検討会は、健康被害の救済にあたって、予防接種法に基づ く定期接種化以前の任意接種も定期接種と同じ給付水準とするよう提言。未回復者は女子中高校生が多いため、学習支援など相談体制の拡充も求めた。
 提言を受けて同省は、都道府県などに相談窓口を設置する。
健康被害の21歳「もっと調査を」
 接種後の健康被害に苦しむ患者らは、国にさらなる調査などの対応を求めた。
 「救済の道筋が見えたことは大きな一歩。でも、国はもっと色々な意見を聞いて調査を進めてほしい」
 埼玉県ふじみ野市の大学生(21)は、厚労省の発表を複雑な思いで受け止めた。
 高校1年だった2011年にワクチンを接種したが、翌日、入浴後に失神。その後、激しい頭痛や不整脈、記憶障害などの症状が次々と出て、読解力や理解力 が大きく低下した。弁護士を目指していたが大学法学部の受験を断念し、2浪後の今春、福祉関係の学部に進んで車いすや杖で通学する。
 厚労省は、接種と健康被害の因果関係については判断を先送りした。酒井さんは「全国で多くの子が苦しんでいる。国は私たちをきちんと調べ、原因を突き止めて治療法の開発につなげてほしい」と求めた。
  一方、子宮頸がんの元患者で、がん予防の啓発に取り組む女性(33)は、ワクチンの勧奨中止が続くことについて、「法律で定めた定期接種なのに、がんを予 防したい人たちが戸惑ってしまう。副作用の被害実態や診療体制の情報を正しく伝えた上で、接種を受けやすい環境整備を国が進めてほしい」と話した。

がん新薬に副作用、重症筋無力症で患者死亡 indexへ

 免疫を活性化し、がん細胞への攻撃を促すタイプの新しいがん治療薬「オプジーボ」を投与された患者1人が重症筋無力症で死亡したとして、厚生労働 省は15日、小野薬品工業(大阪市中央区)に対し、同症などを薬の添付文書の「重大な副作用」欄に追記し、関係者に注意を促すよう求める通知を出した。
  重症筋無力症は、全身の筋力が低下し、呼吸困難に陥ることもある難病。同省などによると、悪性黒色腫での製造販売が承認された昨年7月から今年8月末まで の間で、薬を投与された患者のうち6人が同症や筋炎を発症、その中の80代女性が呼吸不全などを併発し死亡した。いずれも薬との因果関係が否定できないと された。大腸炎や重度の下痢も4人発症が確認され、重大な副作用として添付文書への追記が求められた。

血液製剤12製品、未承認の方法で製造…第三者委で調査 indexへ

 一般財団法人「化学及血清療法研究所(化血研)」は9日、血液製剤12製品26品目を医薬品医療機器法に基づく承認書と異なる方法で製造していたとして、今月中に第三者による調査委員会を発足させると発表した。
 同日、厚生労働省の血液事業に関する専門家委員会に報告、了承された。
  この問題は、同省の調査で判明。化血研によると、1990年頃から承認書と異なる方法で製造されていたが、原因は分からないという。第三者調査委は3か月 をめどに原因や再発防止策をまとめる。同省は、同法に抵触する恐れがあるとして、調査委の報告を受けて行政処分を検討する。
 製品は、出血すると血が止まりにくい病気などが対象。同省は、副作用報告が増えていないことから、健康に重大な影響を与える可能性は低いとしている。現在、出荷を差し止めているが、代替品がない製品は例外的に出荷を認めている。

新薬登場で副作用?…がん患者、薬物療法の悩み倍増 indexへ

 がん患者の身体的苦痛に関する悩みのうち、抗がん剤などの薬物療法に関するものが占める割合が、最近10年間で2倍以上に増えたとするアンケート結果を8日、静岡県立静岡がんセンターが発表した。
 薬物療法の広がりや新薬の登場で副作用に悩む患者が増えたことなどが背景にあるとみられる。
  同センターは、全国のがん患者やがんの経験者に悩みを聞くアンケートを2003年に7885人、13年に4054人に行い、自由記述部分の回答を分類、集 計して変化を調べた。全体の悩みのうち、がんの痛みや薬の副作用など「身体の苦痛」に関する悩みが占める割合は15%から23%に増え、そのうち薬物療法 に関するものは19%から43%に大幅に増えていた。治療法や病院の選択など「診療上の悩み」の割合も13%から19%に増えた。
 一方で、不安や生き方など「心の苦悩」に関する悩みが占める割合は、53%から37%に減っていた。山口建・同センター総長は「医療の進歩で、漠然とした心の不安より、治療法選択や薬の副作用など具体的な悩みが相対的に増えている」と話している。

血管硬いほど認知症の危険…リスク約3倍 indexへ

 血管が硬くなるほど、認知機能の低下が起こりやすいとの研究結果を、東京都健康長寿医療センター研究所のグループがまとめた。
 動脈硬化は、認知症になるリスクの指標の一つとして活用できる可能性がある。
 同研究所の谷口優研究員らのグループは、群馬県に住む65歳以上の高齢者982人を対象に、健康状態や生活習慣などを調べ、認知症が疑われる人などを除いた526人を平均3・4年間、追跡調査した。
 動脈硬化の度合いを示す検査値によって対象者を「低い」「普通」「高い」の三つの群に分け、認知機能を調べるテスト(30点満点)で2点以上低下した割 合を調べた。様々な要因の影響を調整した結果、高い群は低い群に比べて、認知機能の低下が約3倍も起こりやすかった。

喫煙・飲酒を好むがん患者、別のがんの発症リスク5倍 indexへ

 喫煙し、酒好きのがん患者が10年以内にたばこに関係する別のがんを発症するリスクは、喫煙も飲酒もしないがん患者より5倍高いとの論文を、大阪府立成人病センターなどのチームがまとめた。
 論文が国際的ながん専門誌の電子版に掲載された。
 喫煙や飲酒は様々ながんの原因になるが、一度がんになった後に別のがんを発症させる危険性も高めることを示した。同センターの田淵貴大医師(公衆衛生学)は「何度もがんで苦しみたくなければたばこは厳禁。酒はやめるか控えめに」と呼びかけている。
 田淵医師らは、1985~2007年に同センターでがんと診断され、10年以内に転移や再発ではない別のがんを発症した1904人を分析。
 まず、肺や食道、口腔、膵臓などのたばこ関連のがんを発症した1163人について、最初のがんが診断された時の喫煙や飲酒の習慣との関連を調べた。
 その結果、発症リスクは、喫煙も飲酒もしない場合より、たばこを1日20本以上吸うと1・8倍、酒を1日2合以上飲むと2・4倍高くなった。両方がそろうと5倍に跳ね上がった。
 1日20本未満の喫煙でも1・5倍高かったが、飲酒量が2合未満では発症リスクは上がらなかった。
 多く飲酒した場合のリスクが高いのは、たばこ関連のがんは飲酒が原因となるがんと共通するものが多く、飲み屋などで他人のたばこの煙を吸う機会が増えることも考えられるという。
 また、たばこ関連以外を含む全てのがんの発症リスクは、たばこを1日20本以上、酒を1日2合以上の場合に3倍以上高かった。
 田淵医師によると、たばこ関連のがんは全てのがんの約半数を占め、治りにくいがんが多い。田淵医師は「がんになった後でも、喫煙や飲酒をやめれば、別のがんの発症リスクを下げられるだろう」と話している。

子宮頸がんワクチン被害、定期接種前も救済拡大 indexへ

 子宮頸がんワクチンの接種後に体 の痛みなどの重い症状が出ている問題で、厚生労働省は、健康被害を訴えている人たちの救済に本格的に乗り出す方針を固めた。2013年4月に定期接種とな る前に接種を受けた人にも、定期接種と同水準の救済を行う方向。同省は今月中にも有識者検討会を開き、具体的な議論を始める。
 ワクチン接 種に伴う健康被害の救済制度は、法律に基づく定期接種と、それ以前の任意接種とで内容が異なる。定期接種では通院、入院両方の医療費の自己負担分が支給さ れるが、任意接種の場合、入院相当分に限られる。医療手当も、定期接種では通院にも支給されるが、任意接種は入院相当分にとどまる。
 同省によると、子宮頸がんワクチンの接種を受けたのは約340万人。副作用の疑い例約2600件のうち、重症が約4分の1を占めるという。大半は定期接種化される前に公費助成を受け任意で接種していた。
 同省などによると、任意接種の救済制度には今年7月末までに98件の申請があり、結論が出たのは27件。このうち支給が決まったのは18件、不支給は9件。定期接種の救済制度にも15件の申請がある。
 子宮頸がんワクチンは13年4月に定期接種となったが、副作用が疑われる症例の報告が相次ぎ、2か月後に同省は積極的に接種を勧めることを中止した。 14年10月以降、副作用の疑い例を約2600件集め、症状や治療内容、現在の状況などの調査をしている。

医療費40兆円、12年連続で過去最高額を更新 indexへ

 厚生労働省は3日、2014年度の医療費(概算)の総額が40・0兆円(前年度比1・8%増)に上り、12年連続で過去最高額を更新したと発表した。
 概算の医療費は、医療機関からの診療報酬請求に基づく集計の速報値で、労災や自由診療などの医療費は含まれていない。このため確定値の医療費が初めて40兆円台になるのは確実。同省は「高齢化や医療の高度化によるコスト増が主な要因」と説明している。
 発表によると、国民1人当たりの医療費は31・4万円(同2・0%増)で、75歳以上の後期高齢者では93・1万円、75歳未満では21・1万円だった。

ファイザーに業務改善命令、重い副作用の報告漏れ indexへ

 製薬大手ファイザー(東京)が薬の重い副作用を期限内に国へ報告していなかった問題で、厚生労働省は1日、医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づき同社に業務改善命令を出した。
 212人の副作用を2008年から最長で6年余り報告せず、社内の安全管理体制に不備があったと判断した。
 同省によると、同社の医療情報担当者は医師から副作用の情報を得ていたが、認識が不十分で安全管理責任者らに情報を上げなかった。安全管理業務の手順書はあったが、内容が社内で徹底されていなかった。
 ただ、組織的な隠蔽などの悪質性はなかったという。

群大術後死、新たに12例…計30例、同じ執刀医か indexへ

 群馬大学病院(前橋市)で肝臓手術を受けた患者が相次ぎ死亡した問題で、第三者からなる新たな医療事故調査委員会(委員長=上田裕一・奈良県総合医療センター総長)の初会合が30日、東京都内で開かれた。
 会議後に記者会見した上田委員長は、大学側の調査で新たに12人の死亡が判明し、公表されていた18人と合わせ30人の死亡例が示されたことを明らかにした。今後、診療内容を詳しくみる医学的評価を専門学会に委託。30人の死亡例を中心に問題を調べる。
 初会合では、調査対象を2007~14年に同病院で行われた肝胆膵(肝臓、胆道、膵臓)の全手術とすることなどを確認した。上田委員長によると、この日は大学側が経緯を説明し、委員が意見交換した。
 死亡例はこれまで、第二外科で同じ執刀医が行った肝臓の腹腔鏡 手術8人と、09年4月以降5年間の開腹手術10人の計18人が判明していた。今回の調査にあたり、大学側は07年に対象期間をさかのぼり、第二外科にお ける術後3か月以内の死亡例を調査。膵臓の患者も含め新たに12人が加わった計30人の死亡例が示された。この12人も同じ執刀医によるものとみられる。
  調査委は今後、群馬大病院を訪問し、執刀医やその上司だった教授、関係した医師や看護師らから事情を聞く。遺族からもインフォームド・コンセント(説明と 同意)の状況を中心に聞き取りをし、事実関係を調査する。症例の詳細な分析は学術団体の専門家が行うことで合意した。日本外科学会に委託し、医学的評価が 行われる見通しだ。
 群馬大病院の事故調査を巡っては、腹腔鏡手術の死亡患者8人について外部委員を交えた院内事故調査委員会の調査が行わ れ、3月に報告書が公表されたが、病院側が外部委員に無断で内容を修正するなど、調査上の問題が発覚し、再調査が決まった。このため、新たな調査委では、 これまでの調査過程についても検証する。年度内に新たな調査報告書をまとめる方針だ。
 上田委員長は「この委員会は中立性の高い立場。どういう背景でこのようなことが起きたのか事実を検証し、再発防止につなげたい」と話した。

群大術後死、遺族に聞き取りへ…調査委「医師の説明検証」 indexへ

 「調査委員にぜひ事実を話したい」――。群馬大学病院(前橋市)で手術後に患者が相次ぎ死亡した問題を検証する新たな医療事故調査委員会の初会合が開かれた30日、遺族は期待と不安をにじませながら、調査委への望みを語った。
 東京都内のホテルで行われた記者会見で、上田裕一委員長は、遺族に対する聞き取りを行う方針を表明。これまでの調査では、遺族への本格的な聞き取りをしておらず、上田委員長は「医師の説明を家族がどう受け取ったのか検証が必要だ」とした。
 腹腔鏡 手術後に当時60歳代の母親を亡くした女性は「ぜひ私たちの話を聞いてほしい。調査には前向きに協力したい」と、委員会の方針を歓迎する。女性は「医師の 説明では、腹腔鏡以外に手術の選択肢がないかのようだった。委員会には、遺族の話も聞いた上で判断してもらいたい」と語った。
 また上田委員長は「病院側から30の死亡症例が示された。関係者も多く、看護師や麻酔科医などにも聞き取りをしたい」と話し、これまでの調査にとらわれず、幅広く検証する決意を表明した。
 これに対し、2007年に当時70歳代の母親を亡くした男性は、「いまだに母がなぜ亡くなったのか分からない。きちんと調査してもらいたい」と訴える。
 胆管がんと診断された母親は、一連の問題を起こした執刀医による肝臓手術を受けた。術後、一人で歩けるまで回復し執刀医からは「もう大丈夫」と説明されたが、手術を受けて9日目に突然死亡した。
 男性は「問題が明らかになった後も、病院からは何も連絡がない。委員会には、遺族の疑問に応える検証をしてもらいたい」と話す。
 開腹手術を受けた別の患者の遺族男性は「調査がどのぐらい進み、結果はいつ頃になるか、遺族はもどかしい思いで待っている。経過報告をしてほしい」と、透明性の高い調査を求めた。

群大術後死、遺族の疑問に答えられる調査を indexへ

 群馬大学病院(前橋市)で肝臓手術を受けた患者の死亡が相次いだ問題で、外部委員のみによる調査委員会の初会合が開かれ、新たに12人が手術後に死亡していたことがわかった。
 これまで判明した死亡者18人と合わせ30人が術後約3か月以内に死亡していたことになり、深刻な事態だ。
  30人の診療に問題があったかどうかは、専門学会の評価を待たねばならない。ただ、これまでの調査で、すでに腹腔(ふくくう)鏡手術の死亡者8人は、一般 的には必須とされている術前検査を行っていないなど診療に問題が指摘された。カルテ記載が乏しいという不備は、開腹手術の死亡者10人でも共通しているこ とがわかっている。
 群馬大病院は腹腔鏡手術の死亡事故について、今年3月、外部委員を交えた院内調査委員会による調査報告書を公表した。 しかし、それを読んでも、患者の死亡が相次いでいるのになぜ執刀医が高難度の手術を続けたのか、理由がはっきりしない。調査過程の不備が問題視され再調査 となったわけだが、そもそも当初の調査では、遺族が心から知りたい真相の究明ができていないのではないか。
 今後の調査では、遺族の疑問に答えうる誠実な精査が求められる。その上で、今度こそ、真の再発防止に資する調査結果を出さなければならない。

群大術後死、遺族に聞き取りへ…調査委「医師の説明検証」 indexへ

 「調査委員にぜひ事実を話したい」――。群馬大学病院(前橋市)で手術後に患者が相次ぎ死亡した問題を検証する新たな医療事故調査委員会の初会合が開かれた30日、遺族は期待と不安をにじませながら、調査委への望みを語った。
 東京都内のホテルで行われた記者会見で、上田裕一委員長は、遺族に対する聞き取りを行う方針を表明。これまでの調査では、遺族への本格的な聞き取りをしておらず、上田委員長は「医師の説明を家族がどう受け取ったのか検証が必要だ」とした。
 腹腔鏡 手術後に当時60歳代の母親を亡くした女性は「ぜひ私たちの話を聞いてほしい。調査には前向きに協力したい」と、委員会の方針を歓迎する。女性は「医師の 説明では、腹腔鏡以外に手術の選択肢がないかのようだった。委員会には、遺族の話も聞いた上で判断してもらいたい」と語った。
 また上田委員長は「病院側から30の死亡症例が示された。関係者も多く、看護師や麻酔科医などにも聞き取りをしたい」と話し、これまでの調査にとらわれず、幅広く検証する決意を表明した。
 これに対し、2007年に当時70歳代の母親を亡くした男性は、「いまだに母がなぜ亡くなったのか分からない。きちんと調査してもらいたい」と訴える。
 胆管がんと診断された母親は、一連の問題を起こした執刀医による肝臓手術を受けた。術後、一人で歩けるまで回復し執刀医からは「もう大丈夫」と説明されたが、手術を受けて9日目に突然死亡した。
 男性は「問題が明らかになった後も、病院からは何も連絡がない。委員会には、遺族の疑問に応える検証をしてもらいたい」と話す。
 開腹手術を受けた別の患者の遺族男性は「調査がどのぐらい進み、結果はいつ頃になるか、遺族はもどかしい思いで待っている。経過報告をしてほしい」と、透明性の高い調査を求めた。

群大術後死、新たに12例…計30例、同じ執刀医か indexへ

 群馬大学病院(前橋市)で肝臓手術を受けた患者が相次ぎ死亡した問題で、第三者からなる新たな医療事故調査委員会(委員長=上田裕一・奈良県総合医療センター総長)の初会合が30日、東京都内で開かれた。
 会議後に記者会見した上田委員長は、大学側の調査で新たに12人の死亡が判明し、公表されていた18人と合わせ30人の死亡例が示されたことを明らかにした。今後、診療内容を詳しくみる医学的評価を専門学会に委託。30人の死亡例を中心に問題を調べる。
 初会合では、調査対象を2007~14年に同病院で行われた肝胆膵(肝臓、胆道、膵臓)の全手術とすることなどを確認した。上田委員長によると、この日は大学側が経緯を説明し、委員が意見交換した。
 死亡例はこれまで、第二外科で同じ執刀医が行った肝臓の腹腔鏡 手術8人と、09年4月以降5年間の開腹手術10人の計18人が判明していた。今回の調査にあたり、大学側は07年に対象期間をさかのぼり、第二外科にお ける術後3か月以内の死亡例を調査。膵臓の患者も含め新たに12人が加わった計30人の死亡例が示された。この12人も同じ執刀医によるものとみられる。
  調査委は今後、群馬大病院を訪問し、執刀医やその上司だった教授、関係した医師や看護師らから事情を聞く。遺族からもインフォームド・コンセント(説明と 同意)の状況を中心に聞き取りをし、事実関係を調査する。症例の詳細な分析は学術団体の専門家が行うことで合意した。日本外科学会に委託し、医学的評価が 行われる見通しだ。
 群馬大病院の事故調査を巡っては、腹腔鏡手術の死亡患者8人について外部委員を交えた院内事故調査委員会の調査が行わ れ、3月に報告書が公表されたが、病院側が外部委員に無断で内容を修正するなど、調査上の問題が発覚し、再調査が決まった。このため、新たな調査委では、 これまでの調査過程についても検証する。年度内に新たな調査報告書をまとめる方針だ。
 上田委員長は「この委員会は中立性の高い立場。どういう背景でこのようなことが起きたのか事実を検証し、再発防止につなげたい」と話した。

女性選手の2割が疲労骨折経験…一般女性の5倍前後 indexへ


 女性スポーツ選手が疲労骨折を経験した割合は約2割で、運動をしていない女性の5倍前後に上ることがわかった。
 日本産科婦人科学 会と国立スポーツ科学センター(東京)の研究チームが共同調査し、29日、発表した。選手が疲労骨折した時期が16~17歳頃に集中する上、体重管理が求 められる競技や「やせ形」の選手で疲労骨折の割合が高いことから、研究チームは、過度の食事制限で栄養摂取が追いついていない可能性があるとみている。
  研究チームは昨年、様々な競技の日本代表と大学生の選手、計約1600人に疲労骨折の経験を尋ね、一般の大学生約500人と比較。疲労骨折したことがある と回答した選手の割合は、日本代表クラス22・6%、全国大会出場クラス23・3%などで、一般女性の4・3%の5倍前後に達した。
 競技別で、疲労骨折の割合が高かったのは、陸上の中長距離51%、体操・新体操35・7%、短距離34・8%など。

抗がん剤の重い副作用、報告漏れ…ファイザーに業務改善命令へ indexへ

 製薬大手ファイザー(東京)が、抗がん剤などの医薬品の重い副作用約200人分を期限内に国へ報告しなかったとして、厚生労働省は9月にも、医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づき同社に業務改善命令を出す方針を固めた。
 副作用情報に関する社内体制の不備が原因で、同省は再発防止策の策定などを同社に求める。
  関係者によると、今回の副作用報告漏れは同社の社内調査で発覚した。医療情報担当者は重い副作用の情報を把握していたものの、安全管理責任者まで報告が上 がっていなかったケースが、2008年頃からあったという。同法では、副作用の重大性などに応じて、15日以内または30日以内に厚労相への報告を義務付 けている。
 同社広報部は「現段階でのコメントは差し控えたい」としている。

1錠8万円のC型肝炎新薬、保険適用を承認…治験で全員治癒 indexへ

 C型慢性肝炎の治療薬「ハーボニー」(一般名・ソホスブビルとレジパスビルの合剤)について、厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)は26日、保険適用を承認した。
 9月上旬に発売予定。遺伝子型1型の患者を対象とした臨床試験(治験)で、157人全員が治癒する高い効果を示したことから、薬価は1錠(1日分)8万171円とされたが、患者の自己負担は国の助成により、月額で最大2万円に抑えられる見通し。

成人の9割感染「EBウイルス」、免疫疾患起こす原因たんぱく特定 indexへ

 成人の多くが感染している「EBウイルス」が、まれに引き起こす重い免疫疾患の発症に関わるたんぱく質を特定したと、大阪大と米ハーバード大の共同チームが発表した。
 創薬が期待される成果で、25日の米科学アカデミー紀要(電子版)に論文が掲載される。
  EBウイルスは幼少期に感染することが多く、体内の免疫細胞に入り込んで持続感染する。成人の9割以上が感染しているが、ほとんどは無症状か軽症だ。た だ、まれに全身の臓器に炎症が生じる「全身性エリテマトーデス」や、視覚障害などが起きる神経難病「多発性硬化症」などの重い免疫疾患を引き起こす一因に なるとされる。
 チームはマウスを使った実験で、ウイルスに感染し、免疫疾患を起こした状態を再現。その結果、ウイルスが作り出すたんぱく質が免疫細胞内で活発に働いて異常な免疫細胞が増え、その一部が自分の体の組織を攻撃していることを確かめた。
 チームの安居輝人・阪大免疫学フロンティア研究センター准教授は「今回、特定したたんぱく質の働きを抑える化合物を探し、治療法や予防法の開発につなげたい」と話す。

10代拒食症女性、脳が小さく…欲求制御の部位が2割弱減少 indexへ

 10代で拒食症になった女性では、欲求などを制御する脳の部位が小さくなることを、福井大の藤沢隆史・特命助教らのチームが画像診断装置を使った研究で突き止めた。
 「太りたくない」という願望に歯止めをかけられない状態が固定化しているため、精神療法だけではなく、脳に対する治療も必要とみられる。論文は米電子版科学誌プロスワンに掲載された。
 拒食症は、極端な食行動を引き起こす精神疾患「摂食障害」の一種で、若い女性に多い。カウンセリングなどの精神療法が行われるが、初診から4~10年で全快した人は5割に満たないとの報告もあり、治りにくいことで知られる。
 チームは、初診で拒食症と診断された12~17歳の女性20人の脳をMRI(磁気共鳴画像装置)で撮影。食行動に問題のない11~16歳の女性14人と比べて異状がないか探った。
 その結果、患者の脳の容積は、痩せた影響などで全体的に10%程度少なかったが、前頭前野にある「下前頭回
かぜんとうかい
」だけは減少率が左で平均19・1%、右で同17・6%と突出していた。
 この部分は、欲求や衝動のコントロール、行動の抑制などをつかさどる。
 実際に拒食症にかかっていた期間と下前頭回の容積との関係は、はっきりしていないが、最年長の17歳に近づくほど容積が小さくなる傾向も見られたという。
 藤沢特命助教は「精神面だけではなく、下前頭回の容積も何らかの方法で戻す必要があるのだろう。今回の成果を基に、有効な治療法が見つかるかもしれない」としている。

依存性のある睡眠・抗不安薬「ベンゾ系薬剤」、過剰処方が2割 indexへ

 精神科などを受診する外来患者の約2割が、睡眠薬や抗不安薬に広く使われている「ベンゾジアゼピン(ベンゾ)系」の薬剤の処方量が過剰であるとする調査結果を、医療経済研究機構がまとめた。
 依存性があるベンゾ系薬剤は、使い続けるとやめにくくなる危険があり、厚生労働省は診療報酬で睡眠薬や抗不安薬の多剤処方を制限している。
  大手調剤薬局のデータベースを使い、2011年4月~昨年11月に精神科と心療内科から発行された、延べ110万人分の処方箋を分析した。その結果、標準 的なベンゾ系薬剤(ジアゼパム)換算で1日当たりの最大用量を超えていた割合は19・1%だった。内訳は2倍以内が13・3%、2倍超から3倍は3・ 7%、3倍超は2・1%だった。
 日本は先進国の中でベンゾ系睡眠薬の使用量が極めて多いことが知られている。厚労省は昨年度の診療報酬改 定で、睡眠薬や抗不安薬を一度に3種類以上処方した場合、原則的に診療報酬の一部を請求できない仕組みを導入した。だが、今回の調査ではベンゾ系薬剤の処 方量は導入前と比べてあまり変わっていなかった。
 調査結果をまとめた同機構の奥村泰之主任研究員は「規制を導入しても全体の処方量を減らすことにはつながっていない。薬をやめにくくなる場合があることを念頭に置き、過剰な処方が行われないようにする対策が必要だ」としている。

大崎市民病院が医療ミス 正常な卵巣を切除 indexへ

 大崎市民病院(宮城県大崎市)でことし3月、右卵巣腫瘍摘出の手術を受けた女性患者の正常な左卵巣も切除する医療ミスがあったことが18日、分かった。病院側は女性に謝罪し、現在、損害賠償などについて協議中という。
【2カ月前には……】電子カルテの不正閲覧も発覚
 同日の市議会全員協議会で報告された。病院によると、女性は県北部の30代後半の既婚者。病院側は「執刀医が両方を切除するものと思い込んだのが原因」と説明。女性は女性ホルモンを補うための通院治療を余儀なくされているという。
 女性は昨年12月に別の医療機関で右卵巣腫瘍が見つかり、大崎市民病院で腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた。事前に右のみの切除と確認していたが、執刀し た婦人科医と助手が両方切除と勘違いし、他のスタッフも気付かなかったという。病院側は「次に控えていた手術が両卵巣の切除だったことなどが、思い違いを 招いたようだ」と釈明した。
 手術後にカルテの確認でミスが発覚。3月末に病院の医療安全管理委員会が病院側に責任があると判断、当時の病院長と執刀医らが女性と家族に謝罪した。
 病院側はその後、今月5日までに「臓器の左右を確認のための声掛けを何度も行う」など5項目の再発防止の留意事項をまとめた。
 医療ミスの公表が5カ月後になったことについて、病院側は「再発防止策を決めてから公表することを女性側と合意していたためだ」と説明し、「損害賠償について協議中だが、誠意をもって対応したい」としている。

術後死亡新たに1人 千葉市海浜病院、計8人に indexへ

 千葉市美浜区の市立海浜病院(太枝良夫院長)の心臓血管外科で4~6月、手術を受けた患者の死亡が相次いだ問題で、同市は13日、6月に手術を受けた80代の女性患者が新たに死亡したと発表した。3カ月間の術後死亡者はこれで計8人となる。
 同病院によると、女性は6月29日に同科で心臓・血管系の手術を受け、今月12日に死亡が確認された。
 短期間で死亡者が相次いだことから、同病院は日本心臓血管外科学会(上田裕一理事長)の推薦委員で構成する外部調査委員会で検証することにしており、今 回のケースも検証対象とする。ただ、調査委の開催に関する情報について同病院は「学会の要請で非公開とする」としており、開催時期さえも明らかにしていな い。患者の50~80代の男女8人は執刀医2人による手術後に死亡。事態を重く見た同病院は7月6日から心臓血管外科の全ての手術を中止している。

患者死亡相次いだ群大病院、第三者委が再調査へ indexへ

 群馬大学病院(前橋市)で、同じ医師による肝臓手術後に患者の死亡が相次いだ問題で、同大は10日、外部委員のみで構成する医療事故調査委員会を新設し、今月中に初会合を開いて再調査を始めると発表した。
 再調査では、旧第二外科の男性医師(今年3月末で退職)が手がけた肝胆膵(肝臓、胆道、膵臓)分野の腹腔鏡手術と開腹手術すべてを対象とし、今年度末をめどに報告を受ける。
  調査を巡っては、腹腔鏡手術の死亡者8人について外部委員を交えた院内調査委員会の報告書が3月に公表されたが、病院側が外部委員に無断で報告書を修正す るなど不備が発覚。調査中だった開腹手術についても、発表された10人以外にも死亡者がいると判明し、対象の拡大や透明性の高い調査を求める声が高まり、 再調査が決まっていた。
 発表によると、新設する委員会は上田裕一・奈良県総合医療センター総長を委員長に、医師や弁護士、患者団体幹部ら学外の計6人で構成。遺族からも事情を聞き、事故原因の究明と再発防止策の検討を行う。
 各症例の医学的評価は、調査委から日本外科学会に依頼する見通し。初会合は今月30日、東京都内で開く方向で調整中だ。
 病院の管理体制については、改革委員会が5月から別に審議しており、両委員会が連携して事態を検証し、病院再生の道を探る。
 群馬大病院は「第三者の委員会が検証することで、客観性の高い調査を行えると考えた」としている。

粒子線治療「優位性示せず」…一部がん、データ不足で indexへ

 国の先進医療として約300万円の自己負担で行われている、がんの「粒子線治療」について、日本放射線腫瘍学会が「前立腺がんなど一部のがんでは、既存 の治療法と比較できる十分なデータが集められず、優位性を明確に示せなかった」と、厚生労働省の有識者会議に報告した。
 粒子線治療は、「重粒子線」や「陽子線」という特殊な放射線を用いたがん治療。体の特定の部分に強いエネルギーを集中させられる特徴があるが、巨大な装置が必要で、国内では放射線医学総合研究所(千葉市)など13施設が行っている。
  2001年、先端的な医療に一部保険診療との併用を認める先進医療に認定された。以後14年間でこの治療を受けた患者は2万人を超えるが、手術や他の放射 線治療などと比較できるデータが足りないと指摘されており、厚労省が学会に提出を求めていた。これに対し、学会は国内施設のデータをまとめ、既存治療との 比較を試みたが、研究条件の差などのため、前立腺がんや一部の肝臓がん、肺がんなどでは明確な優位性を示せなかった。
 ただし、小児がん、骨や筋肉の腫瘍など患者が少ないがんや、既存の治療では難しいがんについては有効性が示唆されるとして、保険診療にするよう求めた。 前立腺がんなどは、先進医療の枠組みの中で有効性を調べる、厳密な多施設共同の臨床試験として進めたい意向を示した。

小4の1割、おじさん化?…肝機能・脂質に異常 indexへ

 小学4年生を対象に、香川県が昨年行った血液検査で、肝機能、脂質、血糖値の異常値を示した子どもの割合が、それぞれ1割に上ることが分かった。
 食生活や運動不足の影響が大きいとみられ、研究者は全国調査を求めている。
  調査は同県の17市町のうち、小学4年生の採血を行う16市町が対象。保護者が同意した8264人(全体の約96%)について、肝機能、脂質、血糖の検査 値を集計した。肝機能は、肝臓の負担が増すと数値が上がるALTなど3項目を調べた。このうち一つでも異常値を示した割合は男子12・4%、女子9・5% だった。
 総コレステロールや、中性脂肪などの脂質が異常値となった子どもは男子10・2%、女子11・5%。高血糖状態が続いていること を示す「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」の高値は、男子12%、女子10・9%だった。各検査項目の小児基準値は、国内の研究や医師の意見を基 に、同県が設定した。
 学校健診で血液検査を行う自治体は少ないが、同県は2012年、市町への補助を開始。同県の調査で、検査値異常の子どもは「腹いっぱい食べる」「早食い」「1日のゲーム時間が長い」「特別な運動をしない」などの生活習慣が多いことが分かっている。
 高松市では異常値の子どもの家庭に、養護教諭らが「肉を減らし野菜を多く」「お菓子やジュースを減らす」「休日は家族で運動を」などの生活指導を行い、数値が改善する例が相次ぐなど成果が表れている。
 取り組みを推進する香川短大の北川博敏名誉学長は「異常値の多くは生活習慣の見直しで改善できる。子どもの血液検査は、将来の病気予防のために重要で、国の主導で全国に広げてほしい」と話している。

チョコ食べ認知症予防? indexへ

 チョコレートに認知症予防の効果が期待できる――。
 そんな研究成果を、大手菓子メーカー「明治」(東京)や愛知県蒲郡市などがまとめ、17日、名古屋市内で発表した。
  発表によると、実証実験の結果、チョコレートに含まれるカカオポリフェノールに、脳の重要な栄養分となるたんぱく質の一種「脳由来神経栄養因子 (BDNF)」を増やす働きがあることが分かったという。BDNFは記憶や学習などの認知機能にかかわる栄養分で、65歳以上では年々減るとされる。
 昨年6月中旬から4週間かけて行われた実証実験には、蒲郡市民ら347人が参加。カカオポリフェノールを多く含むチョコレートを毎日25グラム食べ、摂取前と摂取後の血中のBDNF濃度などを調べた。
  共同研究者の大沢俊彦・愛知学院大心身科学部教授(食品機能学)によると、実験の結果、摂取前には1ミリ・リットルあたり6.07ナノ・グラム(ナノは 10億分の1)だったBDNF濃度の平均値が、4週間後には7.39ナノ・グラムに上昇したという。今回は摂取時の条件を指定せず、性別や年齢別の分析も 行っていないが、大沢教授は「一緒に摂取するものとの組み合わせなどで結果が変わる可能性もある。ほかの病気の予防も含め、次のステップでの調査を検討し たい」と話している。
 今回の研究について、桜美林大加齢・発達研究所長の鈴木隆雄教授(老年学)は「認知症予防には、適度な運動に加え、認知症になりにくい食べ物をとることが重要。チョコレートがその可能性を秘めていることを示唆する大きな一歩だ」と評価している。

かつては「国民病」…結核、新規患者が初めて2万人下回る indexへ

 昨年新たに結核と診断された患者数は1万9615人で、年間の新規患者数では初めて2万人を下回ったことが16日、厚生労働省の調査で分かった。
 新規患者の37.7%が80歳以上と高齢化しており、働き盛りの30~59歳で受診の遅れが目立った。

体内にガーゼ29年放置、病院側が800万円賠償で和解 indexへ

 神戸市長田区の市立医療センター西市民病院で手術を受けた40歳代の男性患者が、29年間にわたって医師が取り忘れたガーゼが体内に残って腫瘍が でき、摘出手術で後遺症が生じたとして、運営する「神戸市民病院機構」(中央区)に1900万円の損害賠償を求めた訴訟が神戸地裁であり、同機構が800 万円を支払う条件で和解した。9日付。
 訴状では、男性は1983年12月、市立西市民病院(当時)で腎臓手術を受けた際、腹部にガーゼが 残った。2009年9~10月、腹痛で同病院などを受診し、ガーゼを覆うように腫瘍があるのが見つかった。12年11月に、ガーゼの除去と腫瘍摘出の手術 を受けたが、腫瘍に癒着した神経の一部も取り除いたため、左足にしびれや痛みが残り、通院している。
 男性は、ガーゼを忘れた執刀医の注意義務違反は明らかだと主張。同機構は「83年の手術記録が残っていないためミスの証拠はなく、摘出による後遺症の可 能性も説明した」などと反論していた。和解について、同機構は「早期解決を図るために応じた」としている。

十分理解せず、流れ作業に…移植選定ミスで報告書 indexへ

 日本臓器移植ネットワークは、脳死臓器移植の患者選定を誤った問題について、再発防止に向けて管理運営体制の抜本的な改革などを求める第三者委員会の報告書を公表した。
 報告書は、ミスの原因として、コンピューターシステムが旧式だったことや、運用マニュアルの未整備、コーディネーターの採用、育成の計画性のなさなどを指摘。担当者が個々の作業の意味を十分理解せず、「流れ作業になっていた」と批判した。

C型肝炎・前立腺がんの新薬、副作用で死亡例 indexへ

 厚生労働省は、C型慢性肝炎の新薬「ダクルインザ錠」と「スンベプラカプセル」を飲んだ患者1人が死亡したなどとして、販売元のブリストル・マイヤーズ社に対し、添付文書の「重大な副作用」の項目に肝不全を追記し、関係者に注意を促すよう求めた。
  二つの薬は一緒に飲んで治療する。昨年9月の販売開始以降、報告された肝機能悪化などの副作用37例のうち、薬との因果関係が否定できないとされたのは 21例で、死亡1例が含まれていた。前立腺がんの新薬「ザイティガ錠」も、服用した患者が死亡したなどとして、販売するヤンセンファーマ社に対し、同様に 劇症肝炎、肝不全を追記するよう求めた。昨年9月の販売開始から9例の副作用報告があり、薬との因果関係が否定できないとされたのは5例、このうち死亡は 1例だった。

C型慢性肝炎の新薬「ハーボニー」の製造販売を承認 indexへ

 C型慢性肝炎の新薬「ハーボニー」(一般名・ソホスブビルとレジパスビルの合剤)について、製薬会社ギリアド・サイエンシズ社は3日、厚生労働省から製造販売の承認を得たと発表した。
 C型肝炎感染者の約7割を占める遺伝子型1型に効果がある飲み薬。1日1回1錠を12週間服用する臨床試験(治験)では、対象者157人全員が治癒している。

群大病院と千葉県がんセンター、先進医療受け入れ再開へ indexへ

 相次ぐ患者の死亡事故で安全面に問題があるとして、先進医療の新規患者受け入れを停止していた群馬大病院(前橋市)と千葉県がんセンター(千葉市)について、厚生労働省の先進医療会議は2日、受け入れ再開を認めることを決めた。
 先進医療が適切に行われていたとする病院側の自主点検結果の報告書を了承した。3日から受け入れが可能になる。

胃にガーゼ30年、囲むように腫瘤できる…手術で発見 indexへ

 新潟大医歯学総合病院(新潟市中央区)は30日、胃潰瘍の手術を30年前に受けた80歳代男性の胃に、ガーゼを置き忘れたままにする医療ミスがあったと発表した。
 長年にわたって残されたため、胃にはガーゼを囲むように腫瘤(こぶ)ができていたという。
 男性は県内在住。6月中旬、別の医療機関で貧血の検査を行った際、胃に腫瘤があることがわかり、摘出手術をした際にガーゼが出てきた。男性はこれまで新潟大病院以外で外科治療を受けたことがなかった。
 新潟大医歯学総合病院は医療ミスを認め、男性と家族に謝罪した。
  同病院は現在、手術で使用したガーゼの数と回収した数が一致するかを繰り返し確認し、X線検査でも確かめて、患部に残らないようにしている。同病院は「当 時はこうした手法が確立されておらず、見落とす不手際があったのだろう。患者と家族に誠意をもって対応したい」としている。

「第三者の検証を」神戸の病院に3学会が要望書…生体肝移植 indexへ
 生体肝移植を受けた患者9人中5人が死亡した神戸国際フロンティアメディカルセンター(田中紘一理事長)に対し、日本外科学会、日本消化器外科学会、日本肝胆膵外科学会の3学会が、第三者による検証を受けるよう求める要望書を出した。
 要望書は6月29日付。