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鉄剤注射「自粛を」、陸連が医師会に協力要請へ indexへ

 高校駅伝の強豪校で貧血治療用の鉄剤注射が不適切に使われていた問題で、日本陸上競技連盟(陸連)は各地の医師会に対し、治療以外で選手に注射をしないよう協力を求める方針を固めた。年度内にも、都道府県の陸上競技協会(陸協)を通じて要請する。
 鉄剤注射は本来、重度の貧血治療に用いられる。過剰に投与すると内臓 に鉄分が蓄積し、肝硬変などを引き起こす恐れがあるが、一部で持久力向上のために使われている。体への悪影響に関する医師側の認識不足が指摘されており、 注射の前に血中の鉄分が過剰になっていないかを検査していないケースもある。

順大医学部で不適切入試、48人を追加合格 indexへ

 順天堂大(東京)は10日、今年と昨年の医学部入試で、女子と浪人の受験生を不利に扱い、合 格者数を抑制していたとする第三者委員会(委員長=吉岡桂輔弁護士)の調査結果を発表した。この影響で不合格となった受験生は計165人(男子44人、女 子121人)に上り、同大はうち、2次試験で不合格となった48人(男子1人、女子47人)を追加合格とする。同大では少なくとも2008年入試から女子 や浪人生を差別していたという。

3大学医学部も不適切入試…現役・出身者ら優遇 indexへ

 東京医科大(東京都)による不正入試問題を受けて文部科学省が全国調査を続ける中、金沢医科大(石川県)、岩手医科大(盛岡市)、福岡大(福岡市)の3大学は8日、記者会見を開き、これまでの医学部入試などで不適切な扱いがあったと発表した。
 発表によると、金沢医科大では、2018年度の医学部・特別推薦入試(AO入試)で、北陸3県の高校出身者、同大卒業生の子弟、現役と1浪の受験生に、3~20点加点していた。

東京医大、女子5人の入学認めず…支援団体反発 indexへ

 東京医科大(東京)による不正入試問題で、同大は7日、今年と昨年の 医学部入試で不利益を受けた追加合格対象者101人の中で入学を希望した49人について、44人(男子15人、女子29人)の追加合格を認める一方、定員 を理由に5人(いずれも女子)の入学は認めないと発表した。受験生の支援団体は「希望者は全員合格させるべきだ」と反発している。
 発表によると、追加合格者44人の内訳は、昨年が14人、今年が30人。入試区分別では「一般」34人、「大学入試センター試験利用」3人、「推薦」7人だった。

認知症事故被害者に最大2億円賠償金、最大3千万円の見舞金…神戸市条例改正 indexへ

 神戸市議会は5日、認知症の高齢者らが事故を起こした際、被害者に最大2億円の賠償金や最大3000万円の見舞金を支 給する制度を盛り込んだ「認知症の人にやさしいまちづくり条例」改正案を可決した。市民税を1人あたり年400円引き上げて財源に充てる。来年4月から運 用を始める。
 市によると、認知症と診断されて事前登録した市民について、市が保険料を支払う形で賠償責任保険に加入。事故を起こした本人や家族が賠償責任を負った場合、被害者側に賠償金を支払う。火災や傷害、列車事故などを想定し、自動車事故は対象外とする。
 さらに、法的な賠償責任の有無にかかわらず公費から見舞金を支給することとし、被害者の泣き寝入りを防ぐ。こうした見舞金制度の創設は全国初という。
 また、65歳以上を対象にした認知症診断費の助成制度も来年1月からスタートさせる。認知症の人は市内で推計約6万3000人。市はこれらの事業の経費を年3億円と見込んでいる。
 市は今年4月、制度の基本的な考え方を示した条例を施行。有識者会議がまとめた制度案に基づき、改正案を提案していた。

順大医学部入試で女子と浪人差別…第三者委認定 indexへ

  順天堂大(東京)の第三者委員会(委員長=吉岡桂輔弁護士)が、同大の医学部の一般入試で、女子や浪人回数の多い受験生が差別されていたことを認める調査 結果をまとめたことが関係者の話でわかった。第三者委はこうした差別を「不適切」と認定。同大は来週にも報告書の内容と今後の対応を公表する見通し。
  同大の一般入試は、主に学力を測る1次試験と、面接と小論文の2次試験で実施される。今年は4151人が受験し、男子239人(合格率10・1%)、女子 93人(同5・2%)が合格した。文部科学省の調査では、過去6年間の平均合格率で同大は男子9・2%、女子5・5%。男女に1.67倍の開きがあり、全国81大学の中で最も差が大きかった。  順天堂大(東京)の第三者委員会(委員長=吉岡桂輔弁護士)が、同大の医学部の一般入試で、女子や浪人回数の多い受験生が差別されていたことを認める調査 結果をまとめたことが関係者の話でわかった。第三者委はこうした差別を「不適切」と認定。同大は来週にも報告書の内容と今後の対応を公表する見通し。
  同大の一般入試は、主に学力を測る1次試験と、面接と小論文の2次試験で実施される。今年は4151人が受験し、男子239人(合格率10・1%)、女子 93人(同5・2%)が合格した。文部科学省の調査では、過去6年間の平均合格率で同大は男子9・2%、女子5・5%。男女に1.67倍の開きがあり、全国81大学の中で最も差が大きかった。

「腰が悲鳴」「よく風邪をもらう」…孫育てのグチこぼすサイト、阪大招聘教授が開設 indexへ

 「あちこち走り回る孫に付いていくのがつらい」「孫からよく風邪をもらう」――。孫の世話をする祖父母がグチをこぼすサイト「 孫育のグチ帳」を、大阪大 招聘教授で医師の石蔵文信さん(63)が作った。共働き世帯の増加などで祖父母が育児にかかわる「孫育て」が注目を集める一方、「孫疲れ」という言葉も生まれている。当事者でもある石蔵さんは「不満をはき出し、悩みを相談しながら、一緒に楽しもう」と呼びかける。
 
「ストレス発散し前向きに」
 
 グチ帳は、男性更年期などの治療に携わる石蔵さんが、患者から度々孫育てのグチを聞く中で思いついた。「井戸端会議のようにグチを言い合える場所になれば」と7月にサイトを開設。孫育てに役立つ情報や孫の自慢話なども投稿できる。
 「『私、こんなに頑張ってるの』って誰かに聞いてほしいんです」
 1歳の男の子を育てる次女(26)から度々“SOS"の連絡を受けるという大阪府河内長野市の会社員女性(56)は、グチ帳を利用する理由をこう話す。
 「車で小一時間走って、お土産まで持って行く」「予定を早めに言っておかないと、聞いてない!!と逆ギレされる」と投稿。「孫も重くなり、腰が悲鳴を上げそう」という別の人の投稿には「私も抱き上げる時が特に 辛
つらい」とコメントする。周りにまだ孫のいる友人が少なく、グチ帳は孫の話ができる貴重な場という。
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  2018年版の「男女共同参画白書」によると、共働き世帯は年々増え、17年には1188万世帯と、専業主婦のいる世帯の2倍近くに上る。これに加えて、 産後うつや虐待が社会問題化する中、育児の支援者として祖父母への期待は大きい。第一生命経済研究所が14年に孫のいる男女に聞いた調査では、孫の母親か ら頼まれて孫の面倒をみた経験がある人は66%で、同居や30分未満の距離に住む場合に限れば8割を超えた。
  一方、孫の世話は体力的な負担に加え、時間的な負担、子や孫との食事代などの経済的負担ものしかかる。宿泊予約サービスを提供する「ゆこゆこ」の16年の 調査では、孫の面倒をみることがある人の4割が「孫の親に不満を持ったことがある」とし、「感謝の気持ちが感じられない」「遠慮がなさすぎる」などが理由 に挙がった。
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 石蔵さん自身、3人の孫を世話するため、昨年春、教授を務めていた大学を退職。孫育てに影響しない範囲で診察や講演活動などをこなす。
 孫から風邪をうつされるなど苦労は絶えないが、「孫を抱っこしていれば筋トレ要らず。疲れるからこそ、ごはんもおいしいし、夜もよく眠れる」と笑う。「うまくストレスを発散し、前向きにとらえてほしい」と話す。
 
自治体「祖父母手帳」で助言
 
 孫育て支援のため、祖父母向けに育児情報をまとめたガイドブック「祖父母手帳」などを作る自治体もある。今と昔の育児の違いなどを紹介するほか、「孫疲れ」に配慮した内容もある。
  広島県が作るガイドブックでは子育て世代、祖父母世代それぞれの「うれしかったこと」「イヤだったこと」を紹介。祖父母世代の嫌なことでは「一緒に出かけ るときに必ずスポンサーにされる」などがあった。担当者は「祖父母世代は我慢強く、嫌と言えないことも多い。どちらかが我慢するのでなく、双方が歩み寄る ことが大事」と話す。
 公益財団法人「いしかわ結婚・子育て支援財団」(石川県)のガイドブックでは「自分の生活も大事にする」など、負担を背負いすぎないよう勧める。香川県三豊市の冊子は体力面や経済面の助言を盛り込んだ。負担がかかる足腰を鍛える筋トレの方法も紹介する。

救急医の宿直数、基準超…愛知の病院に労基署が2度指導 indexへ

 愛知県大府市のあいち小児保健医療総合センターが、救急医に基準を超える回数の宿直をさせていたとして、半田労働基準監督署から2度にわたって行政指導を受けていたことがわかった。
  県病院事業庁によると、医療機関は月4回程度を限度に医師に宿直させることができるが、同センター救急科では2016年2月以降、医師5人が交代で宿直。 月6回以上の宿直が常態化していたことが昨年11月の同労基署の立ち入り調査で判明し、同12月に改善するよう指導を受けた。
  同科では医師を1人増やし、研修医2人も加えた8人の宿直体制を組んだが、研修医の宿直の際には、サポートする別の医師がセンター内で待機することが常態 化。今年4月に再度調査に入った同労基署から、実態は改善されていないとして同8月に指導を受けた。サポート役の医師には、宿直手当より安い待機手当が支 払われており、指導を受けて差額も支払われた。
 センターでは、他の診療科でも月4回超の宿直が散見され、同労基署からセンター全体の改善を指導されたという。県の担当者は「小児の医師は全国的に不足しており、対応に苦慮している。確保の努力を続け、医師の健康管理にも一層配慮したい」と話した。

米ペースメーカーなど2万5千台、誤作動恐れ…失神など健康被害起こす可能性 indexへ

 東京都は28日、医療機器会社「ボストン・サイエンティフィック ジャパン」(中野区)が米国の製造元から輸入販売した心臓ペースメーカーなど3製品について、部品の不具合で誤作動を起こす恐れがあると発表した。
  現時点で重大な事故は確認されていないが、使用を続けると患者が失神するなどの健康被害が起きる恐れがあるという。同社は医療機関を通じ、問題の機器を使 用している患者の経過観察を行う。発表によると、問題の機器は、2015年11月~今年11月に出荷されたペースメーカー「アコレード」「アコレード MRI」と、心不全の症状を改善させる「ヴァリチュード」の計約2万5000台。

豊胸手術で合併症相次ぐ…美容学会、ジェル注入自粛要請へ indexへ

 日本美容外科学会は27日、美容目的でジェル状の 充填剤を胸に注入する豊胸手術で、胸に塊ができるなどの合併症が相次いでいるとする調査結果を公表した。同学会は1年以内を目標に、同様の手術を控えるよう医師たちに求める指針を作る方針。
 調査対象は、化学物質を水に溶かしたジェルや、ヒアルロン酸などを胸に注射する保険適用外の手術。同学会によると、昨年行われた約1万件の豊胸手術のうち約5割を占めていた。
 調査は今年6~7月、会員の医師ら3874人に対して行われた。回答 した132人中72人に、この手術による合併症の診察経験があった。108例あった合併症例の内訳は、胸に塊ができたケースが48件と最多で、雑菌への感 染が24件、皮膚に凹凸ができていた例が9件と続いた。
 同学会の 大慈弥裕之理事長は「リスクがあることは明らかで、手術の自粛を求めたい」と話した。

がんと誤診、胃の3分の2を切除し後遺障害…998万円支払いで和解 indexへ

 愛知県東海市の公立西知多総合病院で昨年4月、同市の男性患者が胃がんと誤診され、誤って胃の3分の2を切除された問題で、同病院は27日、男性に約998万円を支払うことで和解したと発表した。
 発表によると、男性は昨年4月、同病院で内視鏡検査を受診。胃の検体 を調べたところ、胃がんと診断され、同5月に手術で胃の3分の2を切除された。その後、切除された胃の病理検査で胃がんでなかったことが判明し、別の患者 の検体と取り違えていたことがわかった。男性は胃の切除により、消化不良で頻繁に下痢を起こす後遺障害が残ったという。
 検体の取り違えで悪性胃がんを胃潰瘍と誤診され、同7月に死亡した男性の遺族とは、すでに250万円を支払うことで和解している。浅野昌彦院長は「誠に申し訳なく、深くおわびする。再発防止策を講じて信頼回復に努めたい」としている。

京大病院で心臓手術ミス…女性が大量出血、4か月後死亡 indexへ

 京都大病院(京都市左京区)は26日、今年6月に心臓手術を実施した 60歳代の女性患者の心臓に誤ってカテーテルを縫い込み、女性が4か月後に死亡したと発表した。担当医師が縫い込みに気づかず、引き抜いた際に大量出血し たという。病院は「カテーテルの使用に関するルールが不十分だった」としている。
 発表などによると、女性は、心臓の弁の開きが悪くなる「大動脈弁 狭窄
きょうさく
症」で、今年6月15日、人工の大動脈弁の取り換え手術を受けた。担当医らは手術前、心臓の状態を監視するセンサー付きカテーテルを肺動脈に挿入しようとしたが、先端が肺動脈まで進まなかったため、心房の中にとどめたまま、手術を始めた。
 人工弁を取り換えた後、カテーテルを引き抜こうとした際、大量に出 血。先端から約5センチの位置に縫合糸がかかっており、手術の過程で心臓内に縫い込まれていたという。心臓の損傷部は修復したが、約30分にわたって脳に 血液が十分行き渡らず、女性は4か月後に低酸素脳症で死亡した。
 事故後、病院は事故調査委員会を設置し、26日、結果を公表した。稲垣暢也病院長は「亡くなった患者や家族に深くおわびし、再発防止に努める」と陳謝した。
 遺族側弁護士によると、遺族は調査内容が不服として、第三者機関の「医療事故調査・支援センター」に再調査を申し立てたという。

精製水と間違えて、内視鏡検査でホルマリン液投与…医師と技士を書類送検 indexへ

 兵庫県姫路市の製鉄記念広畑病院で2015年7月、内視鏡検査の際に誤って劇物のホルマリン液を投与し、患者を負傷さ せたとして、県警は21日、検査を担当した男性医師(62)と臨床工学技士の男性(29)を業務上過失傷害容疑で書類送検した。捜査関係者によると、2人 は、検査を受けた80歳代の男性患者に対し、誤ってホルマリン液を尻から注入して、十二指腸などを傷つけるなどした疑い。
 技士が内視鏡の画像を鮮明にするために注入する精製水と間違えてホルマリン液を準備、医師も中身を確認しないまま投与したという。16年に告訴していた男性患者は「今も神経痛などの後遺症に苦しんでおり、二度と起こらないよう望みます」とコメントを出した。

医学部不正入試、大学名「公表を」…弁護団要望 indexへ

 東京医科大(東京)の不正入試問題を受け、被害者支援を行う「医学部入試における女性差別対策弁護団」は20日、不適切な入試を行った大学名の公表を求める柴山文部科学相あての要望書を提出した。
 医学部を持つ大学を調査している文科省は10月、複数の大学で不正な入試が行われていたことを発表したが、大学に自主的な公表を求めるにとどまり、大学名は公表していない。
 弁護団は要望書で「大学名の公表は各大学により強く説明責任を課し、被害を受けた女性の救済につながる」などと訴えた。

大阪の梅毒感染、今年累計1000人超…女性は20代多く、主婦OLに広がりか indexへ

 大阪府内で今年に入り、梅毒の感染者数が累計1000人を超えたことが、府などの調査で分かった。全国的にも近年増える傾向にあり、大阪府は昨年1年間で845人だったが、今年は1200人に迫る勢いという。関係機関は心当たりがある人に検査を呼びかけている。
 大阪府は東京都に次ぐ梅毒の流行地で、今月11日までの府の集計によると感染者数は1028人。1999年に現在の集計法になって以降、最多となった。
 梅毒は個別の感染経路の追跡が難しく、流行の原因は断定できていない。全国的な傾向では、感染者の男女比は2対1で、男性は20~50歳代にまんべんなくいる一方、女性は半数が20歳代に集中している。
 2012年以前は感染者の大半が男性で、女性は珍しかった。近年は、性風俗店の利用者や女性従業員の感染のほか、主婦やOLにも広がっているとみられる。
 大阪府以外の近畿では、11日までの集計で兵庫県222人、京都府95人、奈良県43人、和歌山県26人、滋賀県16人で、滋賀以外は昨年1年間の数を超えた。
 府内の感染者の7割を占める大阪市は、若者の間での広がりに危機感を強める。2日には、市の担当者が大阪市立大の大学祭に参加してクイズ形式で啓発した。「府内ではHIV(エイズウイルス)とセットで検査が無料になるので、公的検査の活用を」と話す。
 大阪健康安全基盤研究所の小林和夫・公衆衛生部長は「不特定多数の相手との性的接触を避けるべきだ。一定の予防効果のあるコンドームの着用を心がけてほしい」と話す。
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【梅毒】  細菌による性感染症。感染3か月以降は背中や腕に発疹が出ることもある。感染後しばらくすると症状が消えるため、治療せずに感染を広げるケースが目立つ。妊婦に感染すると、子どもに視力低下などの障害が出ることもある。

精神疾患患者、医師の説明「不十分」4割 indexへ

 精神疾患で医療機関を受診した患者の4割は、精神科医や心療内科医ら担当医の説明が不十分だと感じていることが、精神 科医らでつくる研究チームの大規模調査で分かった。精神科を担当する医師の態度について、患者側に尋ねる調査は珍しく、日本精神神経学会の学会誌に掲載さ れた。
 調査は、全国の患者団体などを通じて患者と家族の計1万8000人に郵送で質問用紙を送った。有効回答は6202人(患者2683人、家族3519人)。
 医師の診察時の態度に対する患者の評価は、「早く診察を切り上げようとする雰囲気がある」41%、「病名や薬について十分な説明がない」37%、「回復の見通しについて納得できる説明がない」36%――など、十分な説明がないことへの不満が目立った。
 一方で、「専門家として自信を持っている」85%、「親しみやすい雰囲気」83%、「頼りがいがある」83%など、高い評価を受けている項目もあった。
 調査を行った「やきつべの 径診療所」(静岡県焼津市)の精神科医、夏苅郁子さんは「精神疾患の治療には良好なコミュニケーションが不可欠。医師は患者との接し方を見直すきっかけにしてほしい」と話している。
 調査結果は、小冊子にして全国の精神科病院などに配布する予定。

「がん」見落とし新たに5人…杉並のクリニック indexへ

 東京都杉並区の河北健診クリニックで肺がん検診を受けた40歳代女性ががんを見落とされて死亡した問題で、区は15 日、検診で精密検査不要と判断された人のレントゲン画像を再確認した結果を発表した。新たに5人が検診でがんのリスクを見落とされた可能性の高いことがわ かった。
 区によると、7月のがん見落としの発覚後、区は同クリニックに対し、2014~18年に肺がん検診を受診して異常なしと判断された9424人について、レントゲン画像を再度確認するよう要請した。
  その結果、44人について精密検査が必要と判断された。このうち現在肺がんと診断されている70歳代の男性2人は、検診を受けた時点で1人は「肺がんの疑 い」、もう1人は「要精密検査」と診断されるべきだったという。また再確認により60~70歳代の男女3人に肺がんの疑いがあることがわかった。この3人 も検診時点で「肺がんの疑い」と診断されるべきだったという。残る39人は肺がんではなかった。
 田中良区長は記者会見で、「検診への信頼が揺らぐ事態で、実施体制に大きな問題があった」と陳謝し、一定の基準を満たした医師がレントゲン画像の判断に関わるようにするなどの再発防止策を講じるとした。
 死亡した40歳代女性は14~18年、同クリニックでがんの検査を受けたが、3回にわたりがんを見落とされ、今年6月に死亡した。

結核の医師が診察、患者11人感染か…日本医科大病院 indexへ

 日本医科大学付属病院(東京都文京区)は12日、耳鼻咽喉科の医師1人が結核を発症したまま診察を続け、この医師と接触した患者11人が結核に感染した疑いがあると公表した。11人は検査で結核の陽性反応が出ているが、今のところ発症はしていないという。
  医師は6月頃からせきなどの症状があり、改善しなかったため検査したところ、7月に結核と判明。同病院は、この医師から診察を受けた患者たち374人に検 査を呼びかけていた。陽性だった患者には、追加の健診や、発症予防の治療を行うという。医師は結核と判明した直後に入院し、診療は行っていない。
 厚生労働省結核感染症課によると、結核は発症した人のせきやたんを通じて感染するため、検査で陽性でも発症していなければ他人にうつすことはない。

国立病院機構運営65病院が経営悪化、改善計画達成できず…会計検査院指摘 indexへ

  全国141の病院を運営する独立行政法人「国立病院機構」が、2016年度に設立以来初めて赤字に転落したことを受け、会計検査院が各病院の経営状況を調 べたところ、同年度に経営改善計画を立てていた92病院のうち、約9割の82病院が計画を達成できていないことが分かった。約7割の65病院は15年度よ り経常収支が悪化していた。
 機構は、国の医療政策や地域医療の向上に貢献することを目的に、04年に設立さ れ、国立病院・療養所の大半の経営を国から引き継いだ。ただ、全体の経常収支比率は10年度の107%をピークに悪化に転じ、診療報酬改定や消費増税の影 響などから16年度は99・2%(経常収支は68億円のマイナス)と設立以来初めて経常赤字を記録。17年度も99・7%(同21億円のマイナス)で2年 連続の赤字となった。
 検査院は、機構の財務状況や各病院の経営改善に向けた取り組みを調査。その結果、国公立 や医療法人などの他の病院に比べ、支出に占める医薬品や医療器具などの購入にかかる材料費の割合が高く、一貫して上昇傾向にあった。収入の大部分を占める 一般大規模病院では、病床利用率が低下していた。
 各病院は、資金余力に不足が見込まれる場合、機構の通知に基づき経営改善計画を作成し、実行することになっている。しかし、16年度決算では、15年度より経営が改善されたのは27病院にとどまった。
 各病院が経営改善計画で掲げた実施項目は「収益の増加」が89%を占め、その内容は「患者数を増加させる」が大半だった。実現可能性や医療需要などを加味しないまま、患者数の増加を安易に盛り込んだことで、計画を達成できなかった病院が多かったとみられる。
 検査院は「実現可能性や妥当性に疑念が生じる内容では実行の意欲に欠け、経営改善に結びつかない恐れがある」と指摘した。
 機構は「参考となる実施項目の事例や注意点を具体的に示し、改善計画の実現可能性を高めたい」としている。

保育施設、重大事故への対策不十分…総務省が勧告 indexへ

 保育施設で、死亡の恐れもある重大事故への対策が不十分だとして、総務省行政評価局は9日、内閣府と厚生労働省に対し、保育施設への適切な指導や助言を行うことなどを自治体に要請するよう勧告した。
 同局は2017年4月~18年11月、抽出した認可・認可外保育施設149か所、44自治体、厚労省などに調査を実施した。その結果、睡眠中の呼吸などの点検を1歳児に行っていない施設が11%、プール活動中に指導役と監視役を配置していない施設が14%あった。
 また国は重大事故が起きた場合、全ての保育施設に自治体を通して国への報告を義務付けているが、4自治体と9保育施設で、意識不明や骨折などの重大事故を報告していなかった。

風疹猛威、週100人増ペース…「空白の世代」30~50代男性は予防接種を indexへ

  風疹の流行が拡大している。国立感染症研究所(感染研)によると、この2か月間、国内の患者報告数は毎週100人以上のペースで増え続けている。患者の多 くは、子どもの頃に予防接種の機会がなかった30~50歳代の男性。風疹は妊婦が感染すると赤ちゃんに深刻な影響が出る恐れがあり、接種費用を企業や自治 体で負担する動きが広がっている。

飲酒、赤ちゃんだけでなく妊婦自身にも悪影響確認…「高血圧症候群」リスク indexへ

 妊婦が飲酒すると妊娠高血圧症候群になるリスクが高まるとの調査結果を、東北大学病院周産母子センターなどの研究チームがまとめ、7日発表する。赤ちゃんの先天異常や発達の遅れといった危険性はすでにわかっていたが、妊婦自身への悪影響が確認された。
 妊娠高血圧症候群は、妊婦の5~10%に生じるとされる。高血圧から脳出血、肝臓や腎臓の機能障害など重い合併症につながる恐れがある。
 チームは、国が全国規模で実施する「エコチル調査」に参加した妊婦7万6940人について、妊娠初期と妊娠中後期に飲酒の状況を質問。妊娠初期に酒を飲んでいた人は7323人(9・5%)おり、妊娠中後期でも飲んでいた人は1965人(2・6%)いた。
 このうち、妊娠高血圧症候群のリスクが上がるのは、妊娠中後期に毎日、日本酒1合以上に相当する飲酒を続けていた妊婦(58人)。この場合、全く飲酒しない妊婦に比べて、3・45倍リスクが高かった。

「朝食抜くと太る」代謝狂いエネルギー消費減…名大チームがラット実験 indexへ

 朝食を抜くと体内時計が狂い、肥満につながりやすいことがラットの実験でわかったと、名古屋大の研究チームが発表した。論文が米科学誌「プロスワン」に掲載された。
  名古屋大の小田裕昭准教授(時間栄養学)らのチームは、ラットを2グループに分け、片方は活動開始から食事を与えた。もう片方は食事を4時間遅らせ、人間 の「朝食抜き」に相当する状態にした。その結果、食事の量に差はなかったが、朝食抜きのグループは脂肪が増え、朝食をとったグループよりも体重が増加し た。朝食抜きのグループは、肝臓で脂質の代謝に関係する遺伝子の働きが遅れていた。食事中の体温上昇時間も短かった。

結核予防のBCGワクチン出荷停止、接種時の溶液からヒ indexへ

 厚生労働省は5日、結核を予防するBCGワクチンの出荷が8月から停止していることを明らかにした。ワクチンを打つ際 に混ぜる生理食塩液から、国の基準を超えるヒ素が検出されたため。ただ、接種時に体内に入るヒ素はごく微量で、健康に悪影響はないとして、出荷済みの分は 回収しない。

睡眠中1歳児の呼吸点検、保育施設1割が「未実施」…重大事故未報告も indexへ

 重大事故防止策として国が指針で定めている睡眠中の呼吸などの点検について、1歳児に実施していない保育施設が1割に 上ることが、総務省行政評価局が全国の保育施設と自治体を抽出して行った調査で分かった。同省は近く、内閣府と厚生労働省に、保育事故対策の周知徹底や、 保育施設を監査する際に適切な指導を行うことを自治体に要請するよう勧告する。
 調査は2017年4月~18年11月、抽出した44自治体、保育施設約150か所、厚労省などを対象に行った。
  その結果、1歳児の呼吸などの点検をしていない施設が約10%、0歳児に実施していない施設が5%程度あった。事故防止対策を取っていない施設に対し、自 治体が監査時に必要な指摘や助言をしていない事例も見られた。内閣府などによると、保育施設の死亡事故は0~1歳児に集中し、場面別では睡眠中が最も多 い。
 国は、死亡や意識不明、全治30日以上の重大事故が起きた場合、全ての保育施設に自治体を通して国への報 告を義務付けている。しかし、今回の調査では、一部の自治体と保育施設で、国への報告が義務付けられている重大事故を報告していなかった。事故の状況を記 録していない施設もあった。

看護師の精神疾患、「患者の暴力・暴言」が最多…過労死白書 indexへ

 政府は30日、労働現場での過労の実態などをまとめた「過労死等防止対策白書」(2018年版)を閣議決定した。今年 の研究では、過去5年間に教員と看護師が精神疾患となったケースを調べ、保護者や患者など「業務上の関係者」とのトラブルが、それぞれ疾患の原因の半数近 くを占めていることを明らかにした。
 白書は過労死等防止対策推進法に基づき、16年から毎年まとめられている。今年版では教員や医療従事者などについて、10~15年の公務災害と労災の認定事案を分析した。
 医療従事者では、看護師52人の精神疾患の原因52件のうち、最も多い23件が患者からの「暴力や暴言」だった。次いで多かったのが、「事件・事故などに遭遇」(17件)だった。
 根本厚生労働相は30日の閣議後記者会見で「職場での健康確保措置を総合的に推進することが重要だ」と述べた。

不合格24女性、東京医大に受験料と慰謝料請求 indexへ

 東京医科大(東京)の不正入試問題を受け、2006~18年度の同大入試で不合格となった18歳から30歳代までの女性の元受験生24人が29日、支払った受験料と慰謝料の計769万円を同大に請求した。入試結果を2週間以内に開示することも求めた。

前学長一声「関係者なので」…異論なく裏口合格 indexへ

 東京医科大が23日に公表した第三者委員会(委員長・那須弘平弁護 士)の中間報告は、同大にはびこる不正入試の根深さを改めて浮かび上がらせた。受験生に対する差別は、性別や浪人回数にとどまらず出身校にも及び、特定の 受験生を合格させる「個別調整」は一般、推薦入試を問わず、あらゆる場面で行われていた。同大は来週にも、不正によって不合格となった受験生の救済策を決 める見通しだ。
 入試委員会が不正の一端を把握しながら黙認していた疑いも浮上している。
 中間報告などによると、入試委員会は学長や副学長、副学長補らで構成され、入試の合否判定を行う。今年の一般入試の合否を判定した入試委員会では、鈴木衛前学長(69)が特定の受験生について「関係者なので」と発言していた。

「小さな文字もバッチリ!」飲むだけで視力が良くなるかのような広告に課徴金 indexへ

 販売する発酵飲料を飲むだけで視力が良くなるかのような広告を表示したことが景品表示法違反(優良誤認)にあたるとし て、消費者庁は25日、健康食品販売会社「言歩木(ことほぎ)」(千葉県市川市)に対し、約1800万円の課徴金納付を命じ、再発防止を求める措置命令を 出した。
 発表などによると、同社は2016年5月以降、ブルーベリーの発酵飲料について、新聞広告で「小さな 文字や画面もバッチリ!」などと視力が回復するかのような表示をしたが、実際に効果はなかったという。昨年10月末に販売を終了したが、広告開始からの売 り上げは約6億円に上ったという。同社は取材に対し、「景品表示法の認識不足だった。再発防止に努める」としている。

膀胱がん、17人発症…発がん性物質「モカ」扱う7工場で indexへ

 発がん性物質「MOCA(モカ)」を取り扱っていた全国の化学工場7か所で、計17人が 膀胱がんを発症していたことが厚生労働省の調査でわかった。
 2016年に静岡県で5人の発症が発覚したことなどを受け、同省が調査していた。同省は業界団体を通じ、全国の工場に従業員のがん検査の実施などを求めた。
 モカは、マンションの防水材などに使うウレタン樹脂の硬化剤として使用され、世界保健機関(WHO)の下部組織にあたる「国際がん研究機関」が2010年、発がん性物質と認定した。同省によると、昨年時点で全国の333工場の3747人に取り扱い歴がある。

人気「プチ整形」トラブル相次ぐ…未承認薬使用 indexへ

 顔のしわ取りなどの美容医療で、皮膚の下に化学物質を注射する「フィラー( 充填剤)施術」を巡るトラブルが相次いでいる。メスを使わない「プチ整形」として人気だが、使われる物質の多くは国内未承認で、安全性が確認されていないという。後遺症が出たとして訴訟になるケースも出ている。
 「今日なら割引があり、他の注射もサービスします。全く危険はありません」
 大阪府内の女性(66)は昨年6月、奈良市内の大手美容整形外科を訪ねた際、こんな言葉でフィラー施術を勧められた。来院は初めてだったが、その日のうちに頬などに充填剤「アルカミド」を注射する施術を受け、342万円の費用を支払った。
 だが、直後から鼻、頬に痛みやしこりを感じるようになった。

都内の病院、結核に24人集団感染…2人が死亡 indexへ

 東京都は24日、大田区の総合病院で昨年11月以降、入院患者と病院職員ら計24人が結核に集団感染し、60歳代の患者2人が死亡したと発表した。
 集団感染があったのは、牧田総合病院。都の発表によると、昨年11月下旬、全身が衰弱した状態で病院に搬送された男性患者(68)が、入院6日後に肺結核と診断された。男性は結核病床がある別の病院に移ったが、12月に死亡したという。
 男性が当初、一般病棟にいたことから、大田区保健所が今年1月~6月、接触した可能性がある患者や病院職員らを調べたところ、23人が結核に感染していることが判明。このうち9人が発病し、60歳代の女性患者が死亡したという。

東京医大、女子82人合格→操作で43人に…今年の一般入試 indexへ

 東京医科大(東京)による不正入試問題で、同大の第三者委員会(委員長・那須弘平弁護士)は23日夜、中間報告を公表した。
 今年の一般入試では、82人の女子が合格していたが、不正によって合格者は43人に抑えられていた。推薦入試で女子差別が行われた疑いも浮上した。
 同大は、一般入試の2次試験で小論文の得点を操作し、女子と3浪以上の男子を不利に扱っていた。1次試験でも裏口入学の依頼のあった受験生の得点を加算する不正を行っていた。
  報告書によると、第三者委は、操作がなかった場合の得点を復元。今年の一般入試の合格者選定名簿を分析すると、操作によって女子の合格者数は半数に抑えら れていた。また、今年と昨年の一般入試と大学入試センター試験利用の受験者を合わせると、合格ラインに達した女子は計223人に上ったが、合格者数は計 168人に抑えられ、計55人が不合格となっていた。

東京医大、高卒認定者も差別…女子同様加点せず indexへ

 東京医科大(東京)が医学部医学科の一般入試で女子受験者らの合格者数を抑制していた問題 で、同大が高卒認定試験の合格者や海外の学校出身の受験生も差別していたことが、23日に公表された第三者委員会の報告書でわかった。今年の入試では、昨 年よりも女子の減点幅が拡大され、より不利に扱われていたことも判明した。
 同大は今年の一般入試と大学入試セ ンター試験利用の受験者について、2次試験の小論文(100点満点)で受験者全員の得点に「0・8」の係数を掛けて減点した後、現役と1、2浪の男子に 10点を、3浪男子に5点を加点。女子と4浪以上の男子には加点せず一律に減点したままとし、女子と3浪以上の男子の合格者数を抑制していた。

認知症、3割が身体拘束…病気・けがで入院時に indexへ

  認知症の人が様々な病気やけがの治療で病院に入院した際、ほぼ3割が身体を縛られるなどの拘束を受けていたとする全国調査結果を、東京都医学総合研究所と 国立がん研究センターの研究チームがまとめた。拘束の主な理由は入院中の事故防止だった。研究チームは「認知症の高齢者は、身体拘束を受けると、症状が進 んだり筋力が低下したりしやすい。不必要な拘束を減らす取り組みが求められる」と指摘している。
 中西三春・同研究所主席研究員らは昨年、全国の一般病院(100床以上)3466施設に調査書を送り、937施設から有効回答を得た。主に病気やけがの初期治療を行う急性期とリハビリなどを行う回復期の病院を対象とした。集中治療室(ICU)や、精神科病院は除外した。
  集まったデータを分析したところ、認知症かその疑いがある入院患者2万3539人のうち、28%にあたる6579人が、拘束帯やひもなどを使った拘束を受 けていた。ベッドの四方を柵で囲むだけのケースは含んでいない。こうした一般病院での実態は、これまでほとんど明らかになっていなかった。
 身体拘束の内容(複数回答)は「車いすに拘束帯などで固定」13%、「点滴チューブなどを抜かないよう(物をつかみにくい)ミトン型の手袋をつける」11%、「ベッドからの転落防止で患者の胴や手足を縛る」7%、「チューブを抜かないよう手足を縛る」5%、「 徘徊防止で胴や手足を縛る」4%などだった。
  身体拘束は本来、意識が混乱した患者の生命や安全を守ることが目的だ。研究チームによると、医療現場では看護師らの人手が不足している上、安全管理の徹底 を求める入院患者の家族などに配慮し、事故防止を最優先する意識が働く。その結果、他の対策を検討することなく、拘束を行いがちだという。
 精神科病院を除いた一般病院では、身体拘束の可否や範囲について定めた法律や規定はなく、医療現場の判断に委ねられている。一方、介護施設では、介護保険導入の際、身体拘束は原則、禁じられた。
 国内の認知症の人は、2012年の約462万人から25年には約700万人に増えると推計される。
 白澤政和・桜美林大学教授(老人福祉学)の話「人権に対する配慮の観点からも残念な数字だ。身体拘束を減らすため、病院は認知症の人に対する意識を変え、防止に向けた検討会の設置や、リスク管理のマニュアルづくりを進めるべきだ」

保育所、あえて「落選狙い」…育休延長目的で横行 indexへ

  育児休業を延長するため、入所倍率の高い保育所に申し込み、あえて「落選」を狙う保護者が増えている。延長手続きに「落選通知」が必要なためだが、本当に 保育所に子どもを入れたい保護者が利用できなくなる事態が生じているため、厚生労働省は手続きを見直すことを決めた。申し込み段階で保護者の意向を確認 し、落選狙いなら入所選考の優先順位を下げる方針だ。
 育児・介護休業法では、育休は原則、子どもが1歳になる まで取ることが可能。取得者には最高で賃金の67%の給付金が出る。育休は最長2歳になるまで延長できるが、その際、保育所に落選したことを示す自治体の 証明書が必要になる。このため、各地の自治体には、延長を希望する保護者から、落選通知をもらうための申し込みが相次いでいる。
 大阪市が今春、保育所の利用を申し込んだ保護者に確認したところ、入れなかった2503人のうち163人が落選狙いと判明。「これらの人にも書類の確認や選考作業が生じ、現場の負担になっている」という。
  千葉県船橋市は、「入れない保育所を教えてほしい」と窓口で聞く保護者や、入所内定を辞退したのに「落選通知を出してほしい」と要望する保護者への対応に 苦慮している。担当者は「こうした申し込みで、本来なら入れたはずの人が入れなくなっている可能性がある」と話す。各自治体の担当者らによると、保護者が 落選通知を求める理由には「もう少し家庭で育てたい」「子どもの発育が遅れ、保育所に預けるのが不安」などがあるという。
 この問題を巡っては、大阪市など32自治体が同省に制度の改善を求め、内閣府の地方分権改革有識者会議で議論を続けてきた。
  22日の同会議に厚労省が示す改革案は、保育所の申込書に「絶対に復職したい」「場合によって育休の延長もやむを得ない」といったチェック欄を設けるなど して、保護者の意向を確認できるようにする。「延長が目的」と自治体が判断した場合、入所選考での優先順位を下げられるようにする。同省の担当者は、「落 選したい人の入所内定が避けられれば、選考の手間が省ける」としている。
 同会議で結論がまとまれば、同省は来年以降の選考に適用する方針だ。

順天堂大医学部も、女子と2浪以上受験生差別か…不適切入試の疑い5大学に indexへ

 順天堂大(東京)が医学部の一般入試で、女子と2浪以上の男子の受験生を差別していた疑いが あることが、文部科学省の調査でわかった。調査では、既に2浪以上の受験生への差別が明らかになった昭和大(同)と今回の順大を含め、少なくとも5大学に 不適切な入試の疑いがあることも判明した。同省は近く事例を公表し、全国の大学に注意喚起する。
 関係者による と、順大では、主に学力を測る1次試験の合否判定で、受験生の成績が下位だった場合、現役と1浪のみを合格とし、2浪以上は不合格にしていたとされる。小 論文と面接を課す2次試験でも、男子と女子で異なる合格最低点を設定し、女子を不利に扱っていた疑いがある。
 同省は既に大学側に問題点を指摘。同大は18日、第三者委員会を設置し、事実確認を進めると発表した。ただ、指摘の内容は明らかにしておらず、第三者委の報告を受けて速やかに公表するとしている。
 文科省の調査では、ほかに関東の別の私大が2次試験で浪人を重ねた受験生を不利に扱っていた疑いが浮上。さらに、別の私大2校でも不適切な事例が見つかったという。

昭和大医学部入試、13年から得点操作…卒業生の子優遇も indexへ

 昭和大(東京)は15日、記者会見を開き、 医学部一般入試の2次試験で、2013年から現役と1浪の受験生に一律に加算する得点操作をしていたと発表した。同年以降、卒業生の子弟計19人を補欠合 格者の中から優先的に合格させていたことも明らかにした。募集要項に説明はなかった。同大は、第三者委員会を設置して改めて調査し、不利益を被った受験生 への対応も検討する。
 小出良平・学長と会見に出席した小川良雄・医学部長は「受験生や社会の信頼を損ない、深くおわびする」と謝罪した。来年の入試では、得点操作や子弟への優遇措置を取りやめる。
 同大では、医学部の一般入試は1期と2期の2回にわけて行われ、英 語・数学・理科の1次試験(400点満点)と、小論文と面接、調査書の内容を総合的に判定する2次試験(80点満点)の得点を合算して合否を決定。同大は 2次の得点で現役の受験生に10点、1浪に5点を一律に加算する一方、2浪以上には加算していなかった。
 小川医学部長は、理由について「現役や1浪の受験生の方が入学後に伸びる。将来的に可能性があると認識していた」と説明した。

梅毒、20代女性に流行…男性は20~40代 indexへ

 性感染症の梅毒の感染者数が、昨年に続き5000人を超えた。国立感染症研究所(感染研)は10日、今年の報告数が9月30日までに5081人になったと発表。44年ぶりに5000人台となった昨年を上回る勢いを見せている。
 梅毒は性的接触を通じて感染する。現在の流行は男性が20~40歳 代、女性は20歳代が中心。性感染症の治療を行うプライベートケアクリニック東京(東京都新宿区)の尾上泰彦院長は「性風俗に関わる職業の女性や客の男性 が多い。夫が感染し、妻にうつしたケースもある」と説明する。
 都道府県別にみると、東京1284人、大阪874人、愛知338人、神奈川280人、福岡229人など都市部に感染者が多い。
 梅毒は、感染して約3週間で陰部や口、肛門にしこりができ、その後、 手足など全身に発疹が出る。症状は治まったり再発したりを繰り返す。抗菌薬で治療できるが、放置すると脳や心臓などに異常が出る恐れがある。妊婦がかかる とおなかの赤ちゃんにも感染し、死亡することもある。
 感染研細菌第1部の大西真部長は「不特定多数との性的接触は避け、コンドームを使うことで感染リスクは減らせるが、完全ではない。感染が疑われる場合は速やかに検査を受け、感染が分かったらすぐに治療してほしい」と話している。

梅毒2年連続5千人超…昨年上回るペース indexへ

 国立感染症研究所は10日、性感染症の梅毒の感染報告者数が、今年1月から9月30日までの累計で5081人になったと発表した。年間の感染者数は、昨年の5824人(暫定値)に続いて5000人を超えた。
 今年は、44年ぶりに5000人台を記録した昨年を上回る勢いで増えている。都道府県別では、東京1284人、大阪874人、愛知338人など、都市部で多くなっている。
 梅毒は性的接触を通じて感染する。3週間程度で感染した部分にしこりができるなどし、その後、手足など全身に発疹が出る。症状は治まったり再発したりを繰り返す。
 抗菌薬で治療できるが、放置すると脳や心臓などに異常が出る恐れがある。妊婦が感染した場合、胎盤を通しておなかの赤ちゃんに感染し、死亡することもある。
 予防するには、コンドームを使用し、粘膜や皮膚が直接接触するのを避ける。それでも完全に防げるわけではなく、感染が疑われる場合、早めに医療機関を受診する。

美容医療で不適切HP、業界団体調査…目立つ未承認機器 indexへ

 美容医療を行う医療機関が、ホームページ(HP)で医療法で認められていない不適切な表示をしているケースが多数あることが、医療機関向けのコンプライアンス講習会などを行う一般社団法人eヘルス協議会(東京)の調査で分かった。
 今年6月施行の改正医療法では、美容医療などでトラブルが相次いだことを踏まえ、医療機関のHPでの情報発信も「広告」とみなし、内容が規制される対象になった。
 eヘルス協議会が7~8月、HPを持つ全国の美容医療機関から無作為 に101件を選んで調べたところ、外国製のレーザー脱毛機など、情報発信が認められていない「国内未承認の医療機器を用いた治療の広告」とみなされる表示 が、78件で見つかった。未承認であることなどを明示すれば表示できる規定もあるが、そうした記述もなかった。
 承認済みであっても認められていない「機器の販売名の表示」(22件)や男性型脱毛症(AGA)などの「治療薬の販売名の記載」(17件)も見つかった。
 厚生労働省医政局総務課の担当者は「医療広告のガイドラインなどを作り周知してきたが、わかりにくいとの指摘もあった。今後は学会などでも説明を行っていきたい」と話した。
 eヘルス協議会の三谷博明代表理事は「法律への対応が遅れていることが浮き彫りになった。第三者がHPの表示を認証する仕組みづくりなども検討すべきだ」としている。

眼腫瘍、治療可な52病院を公開…国立がん研究センター indexへ

 国立がん研究センターは27日、患者が極めて少ない希少がんの一つの 眼腫瘍について、専門的な治療ができる52の医療機関名と診療実績をホームページに公開した。希少がんは治療に関する情報も少なく、適切な治療を受けるこ とが難しいため、患者の速やかな受診につながることが期待される。
 眼腫瘍は、網膜や角膜、まぶたなど目にできる様々ながんの総称。これ らのがんになる割合は、国内では10万人あたり3・1人と、まれだ。同センターは今回、がん診療連携拠点病院を中心に52病院をリスト化。がんの種類別 に、診断や治療の可否、治療件数のほか、治療内容や診療連携している病院も掲載した。
 例えば、子どもにみられる網膜芽細胞腫では、診断や治療した患者数(2013~15年の年平均)が多かったのは、国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)76人、名古屋医療センター(名古屋市中区)19人、兵庫県立こども病院(神戸市中央区)11人などだった。
 国立がん研究センターは、手足などの筋肉や皮下組織にできる軟部肉腫についても、同様に情報公開している。ホームページ「がん情報サービス」(https://hospdb.ganjoho.jp/rare/)に掲載されている。

回収した高血圧治療薬、がんの危険性を公表 indexへ

 あすか製薬(東京)が、中国で製造した原材料に発がん性のある物質が混入した疑いがあるとして、高血圧治療薬「バルサルタン錠『AA』」4製品を自主回収した問題で、厚生労働省は服用した場合にがんになる危険性の評価を公表した。
 薬が販売されていた2017年までの4年間、最大量を毎日服用した場合、がんを発症する割合は1万5000~3万人に1人だという。4製品はこれまでに約1万9000人に処方されたと推計されている。

手術死問題 群大安全委公開へ…遺族の要望受け indexへ

 手術死が続発した群馬大学病院(前橋市)の医療安全を推進する委員会 について、病院側が遺族の要望を受け入れて会議を全面公開することが21日、わかった。遺族会代表あてに20日付で送付された病院長名の文書で、会議を報 道関係者も含めて、原則、全面公開することや議事録全文のサイトでの公表を伝えた。次回会議は10月中に開かれる予定。
 同病院は医療事故の教訓を踏まえ、安全性向上など病院改革のために患者参加型医療推進委員会を設置。遺族会の2人の代表を委員に迎え、6月に初会合を開いた。両代表は委員会の透明性を確保するため、会議の公開などを求めたが、病院側は、報道関係者が傍聴すると議論が 萎縮するなどとして難色を示した。遺族会は8月にも要望書を提出し、「閉鎖的な組織からの脱却」を訴えていた。
 小野里和孝代表(38)は「うれしく、感謝の思いだ。『あたたかい医 療現場』づくりに向け精進したい」とコメント。木村豊代表(49)も「安全で高度な医療を安心して受けられる病院を目指し、病院と共に進んでいけることを 切に願っている」と抱負を語った。同病院は「患者さんと協力して安心安全な医療を提供できるように努めたい」としている。

「乳児ハチミツ注意」、死亡事故受け表示義務化 indexへ

 ハチミツを食べた乳児が昨年3月、ボツリヌス菌が原因の「乳児ボツリヌス症」で死亡した事故を受け、業界団体が会員業者に、容器への注意表示を義務付けることを決めた。来夏にも規約を改正し、統一した表示基準を設けて、乳児に対する危険性を明確にする。

インフル接種、13歳以上は原則1回…ワクチン安定確保のため indexへ

 厚生労働省は、今季のインフルエンザワクチンの接種回数について、13歳以上は原則1回とするよう、都道府県を通じて、医療機関に通知した。昨季はインフルエンザが流行し、一時、ワクチンが不足した地域があった。
 今季は、例年より多い約2650万本(1本で大人2回分)のワクチンが準備される見通しだが、全国で安定的な供給を確保するため、適切な接種回数の徹底を求める。
 同省によると、接種が2回必要と考えられるのは13歳未満の小児で、13歳以上は1回でも、ワクチンの効果が期待できる。ただ、ワクチンメーカーは従来、13歳以上に対しても接種回数を「1~2回」としてきたため、健康な大人でも2回接種を受ける人がいる。

がんの5年生存率、病院ごと・ステージ別で230施設公表「受診の参考に」 indexへ

 国立がん研究センターが12日、病院ごとに病期(ステー ジ)別で公表したがんの5年生存率。患者団体の要望が強かったもので、今回初の取り組みだ。数値には病院により差があるが、同センターは「治療の優劣を示 すものではない点に留意して、受診の参考にしてほしい」としている。
 5年生存率は、がん診療連携拠点病院など251施設で、 2008~09年にがんと診断された約50万人分を集計した。病院別のデータは、公表を見送った病院を除く230施設について、主な5部位(大腸、胃、 肺、乳房、肝臓)で、がんの進行度に応じたステージ1~4の数値を公表した。
 例えば肺がんは、同センター中央病院はステージ1が85・5%、同4が10・3%、全体で60・6%。がん研有明病院は同1が84・2%、同4が4・5%、全体で52・2%などとなった。
 同センターの東尚弘・がん登録センター長は「病院が治療を振り返る機会となり、医療の質向上につながれば」としている。
 集計結果は同センターのサイト「がん情報サービス」(http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/brochure/hosp_c_reg_surv.html)に掲載されている。
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【解説】情報共有、信頼の一歩

 主ながんのステージ別5年生存率が病院名を明示して公表されたのは、医療の透明性を高めるうえで前進だ。生存率の情報は病院選びの重要な参考になる。
 ただし、これは必ずしも治療成績の優劣を示すとは限らない。患者にとってまず大事なのは、主治医とよく話し合うことだ。
 病院により患者の年齢構成や状態は異なる。がん以外の持病を抱えているなど、難しい患者が多ければ、数値は低くなりやすい。こうした背景は、患者も理解しておく必要がある。
 しかし、患者にしてみれば、最も知りたい情報の一つであることは間違いない。医療側と患者側の情報共有は、信頼関係を深める第一歩だ。今回の公表を契機に、適切な透明化を進めたい。

がんの3年生存率を初公表…前立腺99%、膵臓は15% indexへ

 国立がん研究センターは12日、がんの3年生存率を初めて公表した。部位別では、早期発見が難しい 膵臓が15・1%と最も低く、新たな治療法開発など、難治性がん対策の必要性が改めて浮き彫りになった。
 がんは5年生存率が回復の目安だが、データが古くなり最新の医療実態を反映しにくい。このため、より新しいデータとなる3年生存率について、がん診療連携拠点病院など268施設で2011年に診断された約31万人分を集計した。
 その結果、がん以外の死亡の影響を除いた生存率は、全てのがんの平均で71・3%だった。部位別では、前立腺が99・0%、乳房が95・2%と高い一方、食道は52・0%、肺は49・4%と低めだった。
 これとは別に、胃など主ながん5部位の5年生存率が、全国230の病院名とともに病期(ステージ)別に初めて公表された。

17人に1人は体外受精児…累計50万人を突破 indexへ

 2016年に国内で行われた体外受精により、過去最多となる5万 4110人が誕生していたことが日本産科婦人科学会のまとめでわかった。17人に1人が体外受精で生まれたことになる。国内で初めて体外受精児が誕生した 1983年以降、累計で53万6737人となり、50万人を突破した。
 体外受精は、卵子に針を刺して精子を注入する方法や受精卵を凍結保存する技術が開発されるなど、進歩してきた。特に凍結保存は妊娠時期を調整できることから利用者が多く、16年の体外受精で生まれた子どもの8割を超える4万4678人がこの方法だった。
 埼玉医科大の石原理教授(産婦人科)は「体外受精で生まれる子どもは、もはや珍しい存在ではない。不妊に悩む人たちの有力な選択肢として啓発することや経済的支援など、環境整備が必要だ」と話している。

「人工股関節」英語で表示…ステッカーを財団が無料提供 indexへ

 人工股関節の手術を受けた人が、海外の空港で金属探知機による保安検査をスムーズに受けられるようにするため、日本股関節研究振興財団(東京)は、人工股関節の英語名とイラストが入ったステッカーを作成した。無料で希望者に郵送している。
 手術は、生まれつきの関節のずれや、老化などで損傷した股関節を人工物に取り換えるために行う。人工股関節は金属などでできており、患者から「海外の空港の保安検査で反応してしまった時に、英語で説明するのが難しい」との相談が、同財団に寄せられていた。
 ステッカーは縦7・1センチ、横4・4センチ。シールのため、パスポートケースに貼って使える。外見からはわかりにくい障害や病気のある人が、周囲の助けを必要としていることを示す「ヘルプマーク」にもぴったりの大きさだ。
 別府 諸兄理事長は「ステッカーには人工股関節の絵も描いており、海外の旅先はもちろん、日常生活でも、周囲に理解してもらうために役立ててほしい」と話している。
 問い合わせは同財団((電)03・3421・6552)へ。ステッカーは財団のサイト(http://www.kokansetu.or.jp/)から申し込める。

旧優生保護法の強制不妊、個人特定3033人…手術全体の12%のみ indexへ

 旧優生保護法(1948~96年)下で障害者らが不妊手術を強制され た問題で、厚生労働省は6日、27都道府県の3033人分について、手術記録など個人が特定できる資料が残っていたと明らかにした。ただ、同法に基づく不 妊手術は全国で少なくとも2万4993人に行われたことが分かっており、記録が確認できたのは約12%にとどまった。
 この問題を巡っては、議員立法などでの救済が検討されている。しかし、手術を受けたことを証明する個人別の資料が当事者らの手元に残っていないケースが多く、厚労省が4月、都道府県や政令市など計150自治体に、資料の有無を調査するよう求めていた。
 その結果、不妊手術について個人が特定できる資料があったのは27都 道府県の3033人分で、いずれも本人の同意がない手術だった。不妊手術を受けた人のうち本人同意がないケースは1万6475人で、これをベースに考える と、資料が残っていたのは約18%。手術の適否を決める都道府県の審査会で「適」とされた記録は5676人分で、このうち個人名が分かる記録は4885人 分だった。
 厚労省は医療機関や福祉施設に残る資料の確認も自治体に求めており、個人を特定できる資料は増える可能性もある。今後、見つかった資料の開示方法や、記録がない人への対応などが議論になるとみられる。
 一方、厚労省はこの日、同法に関する内部資料も公開。「不良な子孫の出生防止」といった法の目的について、旧厚生省内で度々、「時代に合わない」などと問題点が議論されてきたことがわかった。

妊産婦の死因、3割は自殺…産後うつが影響か indexへ

 2015~16年の2年間に死亡した妊産婦のうち自殺は102人で全 体の3割を占め、死因として最多だったとする調査結果を国立成育医療研究センター(東京都)の研究チームが5日発表した。無職世帯や35歳以上の女性が産 後に自殺するリスクが高く、産後うつの影響がうかがわれた。妊産婦の自殺に関する全国の実態が分かったのは初めて。
 研究チームは、各自治体に提出された12~60歳の女性の死亡届や出生届、死産届を基に死因を調査した。
 妊娠中から産後1年未満に死亡した妊産婦は357人(死産を含む)。死因を調べたところ、自殺は102人(妊婦3人、産婦99人)で、がん75人(妊婦はゼロ)、心臓病28人(産婦27人、死亡時期不明1人)が続いた。
 産後に自殺した92人の背景を分析すると、無職世帯の女性の自殺率が 最も高かった。年齢別では、35歳以上が45人と半数近くに上り、29歳以下(21人)を大きく上回った。研究チームは自殺の要因として、経済的な困窮や 高齢出産、産後うつなど心の問題の関わりについて指摘している。
 調査をまとめた森臨太郎・同センター政策科学研究部長は「産後の健診や、助産師や保健師による自宅訪問などで育児や生活の不安についてもすくいあげ、支援につなげる地道な取り組みが重要だ」と話す。
産後うつ 出産後に起きる心の病気。抑うつ状態になり、物事への興味や楽しいと思う気持ちが失われ、不眠や意欲の低下に悩まされる。ホルモンバランスや環境の急激な変化、育児での孤立など様々な要因があるとされる。
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貧困・高齢が背景に…欠かせぬ支援

 妊産婦の死因に自殺が多いことは医師の間で経験的に語られてきたが、初めて調査で裏付けられた。より正確なデータが出たことで、事態の深刻さが浮き彫りになった。
 死亡届だけを使った国の妊産婦死亡統計では、実態は分からなかっ た。産後数か月の死亡や、死亡診断書で妊娠・出産について書かれていないケースが漏れるためだ。今回の調査でも、妊娠中の自殺者が把握しにくい同様の弱点 はあるが、出生届や死産届との突き合わせで産後の情報が増え、実態に近づいた。
 幸せと思われがちな妊娠・出産期、おなかの子を道連れに、あるいは乳飲み子を残して自ら命を絶つ。家族や社会に与える影響は大きい。追いつめられた妊産婦を見つけ出し、適切な支援につなぐ必要がある。
 国は昨年、自殺総合対策大綱を改定し、妊産婦への支援を初めて重点施策に掲げた。各市町村は今年度、新たな対策計画を作る。調査からは、貧困や高齢出産の不安が背景にあることも分かった。調査結果を生かしたきめ細かな支援の実現が急がれる。

岐阜の病院、死亡直後に別の患者を冷房利く部屋に移動…暑さの危険性認識か indexへ

 岐阜市の「Y&M藤掛第一病院」で8月26~28日に入 院患者5人が死亡した事件は、4日で発覚から1週間を迎える。病院は「対応に問題はなかった」とするが、患者の死亡直後、エアコンの故障したフロアの入院 患者を冷房の利く病室に移動させていたことが判明。岐阜県警は、同病院が熱中症の危険性を認識しながら患者の死亡を回避する措置を怠った可能性もあるとみ て、業務上過失致死容疑を視野に捜査を進めている。
 「入院している82歳の父は、8月28日午後に本館4階の病室から本館2階に移された」。岐阜市の男性会社員(47)は読売新聞の取材に、「報道で(他の)患者が死亡していたことを知って驚いた」と話した。
 本館3、4階のエアコンは8月20日に故障した。男性によると、見舞 いに訪れた27日、病室は暑く、「同じ部屋の患者はあせもができて、体調がとても悪そうだった」と振り返る。病院側に対応を求めたところ、父親は冷房の利 く2階の病室に移された。移動は県警の捜索の前だった。
 別の男性は、本館4階の病室にいた父親が、27日夜に新館へ移された と証言した。同病院では26日夜から27日午前にかけ、入院患者約50人のうち、本館3、4階の83~85歳の男女4人が死亡した。27日に本館の3階か ら2階に移動した男性(84)も28日に亡くなった。26、27日の岐阜市の最高気温は36度を超えていた。
 捜査関係者によると、県警の司法解剖で5人は病死とみられるが、一部 からは熱中症になっていたことをうかがわせる痕跡が見つかった。熱中症と死亡との因果関係を調べるため、県警は引き続き血液の分析などを行う方針。因果関 係が認められた場合、病院が患者の死を予見できたか、十分な回避措置を取ったかが捜査の焦点となる。
 市保健所などによると、同病院はエアコン故障後、本館3、4階から新館への患者の移動を検討。定期的に患者の体温も測るなどしており、暑さの危険性や死亡との因果関係を認識していた可能性もある。
 一方、県の調査などでは病院のエアコン11基中、本館の4基は法令に基づく定期点検を受けていた。故障したエアコンは3年に1度、点検を受けたとの記録が残され、直近は昨年4月だった。故障後は扇風機9台を用意し、冷房の利かない病室に一つずつ配置していた。
 藤掛陽生院長は28日、報道陣の取材に対応が適切だったと説明し、故障と死亡との因果関係を否定。30日には代理人の弁護士を通じ、「対応に刑事責任を問われるような問題があったとは考えていない」とのコメントも出しており、捜査は長期化が予想される。

医師法「異状」定義は曖昧

 Y&M藤掛第一病院で短期間に相次いだ入院患者の死亡は、関係者か らの通報で発覚した。医師法では、医師が「遺体に異状がある」と認めた時は24時間以内に警察へ届け出ることを義務付けているが、「異状」の定義は曖昧な まま。同病院は、5人は病死だとして、警察への届け出や岐阜市への報告はしていなかった。事件では、病院内で患者の死亡に問題があったとしても、それを把 握する難しさが浮き彫りになった。
 岐阜県警の捜査幹部は「医師が『異状ではない』と判断したなら、医師法違反を問うのは難しいのでは」とする。異状の定義を巡っては、専門家の間でも意見 が分かれている。日本法医学会の指針では「診療行為に関連した予期しない死亡、およびその疑いがあるもの」などとして「異状」を幅広く捉えている。これに 対し、日本外科学会は「医療の 萎縮を招く」などとして批判的な立場を取っており、届け出先は警察ではなく、「中立的専門機関がふさわしい」としている。
 京都府立医科大の池谷博教授(法医学)は「異状の定義をしないまま、届け出を義務付けていることに問題がある。今回の件では通報すべきだったと考えるが、法医学会の指針は医療界で広く受け入れられているとはいえないのが現状だ」と指摘している。

認定こども園、園児ら36人が食中毒…給食のサバ塩焼きからヒスタミン検出 indexへ

 大分県は1日、同県中津市の私立認定こども園で、先月31日の給食を食べた男女の園児33人(1~4歳)と女性職員3人(20、30歳代)が食中毒になったと発表した。全員が軽症で、快方に向かっているという。
 発表によると、同日の給食を食べたのは園児と職員計80人で、うち 36人に口の周りに発疹ができるなどした。県北部保健所の調査の結果、給食で提供されたサバの塩焼きから、食中毒を引き起こす「ヒスタミン」が検出され た。保健所は園に対し、食材を適切に取り扱うよう文書で指導した。
 県によると、ヒスタミンは、原因物質を含むサバやマグロなどの魚が常温で放置されるなどした場合に生成され、食べると発疹などアレルギーのような症状が出ることがある。

過去最悪、薬販売サイト6割が違法…監視強化へ indexへ

 市販薬を取り扱うインターネットサイトの6割で、乱用の恐れがある薬が違法な方法で販売されていたことが厚生労働省による2017年度の調査でわかった。調査を始めた14年度以降、最悪の結果で、厚労省は自治体と連携し、監視を強める方針だ。
 薬のネット販売は14年6月に解禁され、現在は約1900サイトが届け出ている。調査は昨年11~12月、薬を販売する507のサイトを対象に、厚労省が委託した民間会社の調査員が実際に購入して実施した。
 乱用の恐れのある成分を含み、医薬品医療機器法で原則1度に一つしか購入できないせき止め薬などについて、正当な理由の確認もなく複数買えたサイトは63%で、前年度より9ポイント上昇した。調査を始めた14年度は46%、15年度は62%と、悪化の傾向にある。
 市販薬の中でリスクが高い第1類を販売するサイトのうち、同法で義務付けられている副作用の情報提供をしていなかったのは24%で、前年より1ポイント上がっていた。

国の評価トップの病院、医師残業最長205時間 indexへ

 神戸市立医療センター中央市民病院(神戸市 中央区)が昨年4月、医師を労使協定に基づく時間外労働の上限(月80時間)を超えて働かせたとして、神戸東労働基準監督署から是正勧告を受けていたこと がわかった。時間外労働が国の過労死ラインを上回る医師は全体の2割の45人に達し、最長で月205時間の医師もいた。勧告後も慢性的な長時間労働が続い ており、病院側は外来診療の縮小などの検討を始めた。
 中央市民病院は厚生労働省の救命救急センター約280病院の調査(2014~17年度)で、患者の受け入れ実績などから4年連続トップの評価を受けている。

市教育委員、難病女児に「養護学校の方が合う」…差別発言で辞職 indexへ

 兵庫県宝塚市教育委員会は31日、市教育委員の男性(72)が市立小学校に通学する難病の4年生女児の保護者らに対して差別的な発言をし、7月26日付で辞職したと発表した。
 市教委によると、女児は筋力が低下する脊髄性筋 萎縮症のため、人工呼吸器を装着して通学。特別支援学級に所属し、看護師が付き添っている。
 男性は6月1日、同小のオープンスクールに参加し、特別支援学級を見学した際、女児の母親らの前で「大変やね。環境の整っている養護学校の方が合っているんじゃないの」「周りも大変でしょう」などと発言したという。
 女児の父親の抗議を受けて市教委が調査。男性は市教委の聞き取りに対し「家族の心情を傷つけた。申し訳ない」と話したという。
 男性は須貝浩三教育長(当時)から口頭で注意を受け、父親に謝罪した。その後、「批判を浴びたまま委員を続けられない」として7月25日に辞職願を提出、翌日受理された。

無痛分娩の陣痛促進剤 安全対策を盛り込む添付文書改訂が見送りに…産婦人科医が反対 indexへ

 無痛 分娩の多くで使われている陣痛促進剤について、厚生労働省の有識者会議は28日、安全対策として厚労省側が提案した添付文書(薬の医師向け説明書)の改訂を見送った。参考人として出席した産婦人科医の強い反対があり、合意に至らなかった。
 無痛分娩は、麻酔をかけて痛みを弱める出産方法。産後の疲労を軽減するメリットがあり、人気が高まっている。無痛分娩 が普及した米国などと違い、国内の無痛分娩は人工的に陣痛を起こす計画分娩が主流で、陣痛促進剤が使われることが多い。2017年に無痛分娩を巡る重大事 故が相次いで発覚したが、厚労省研究班の報告によると、無痛分娩をした妊産婦の死亡14例のうち13例で陣痛促進剤が使われていた。
 この日、開かれたのは、厚労相の諮問機関である薬事・食品衛生審議会に設けられた安全対策調査会。薬の安全性について有識者が話し合う。 
 会議の場で、厚労省は、2015~17年度の3年間に、無痛分娩で使った陣痛促進剤による副作用の疑いが報告された ケースの調査結果を発表した。報告は29例あったが、情報不足で因果関係の評価が困難だったため、厚労省は、「現時点での新たな注意喚起に合理的な理由は ない」とした。ただし、麻酔をかけた状態で陣痛促進剤を使うと、副作用で異常に強い陣痛(過強陣痛)が起きていてもわかりにくく、対応が遅れる恐れがあ る。そのため厚労省は、添付文書にある、過強陣痛の防止策を示した警告欄の一文を修正し、無痛分娩時にも十分な監視を促す内容の改訂案を提示した。
 これに対し、参考人として出席した研究班代表の海野信也・北里大学病院長は、「合理的な根拠がわからない」とし、今 後、さらにデータを蓄積する必要性を指摘した。もう一人の参考人の石渡勇・日本産婦人科医会副会長も「無痛分娩は怖いという印象を与えかねない」などと強 く反対した。委員の中には、厚労省案に賛成する声のほか、書き方の工夫で対応してはどうかという意見もあったが合意できず、改訂見送りが決まった。
 無痛分娩で使われる陣痛促進剤に対しては、出産事故の被害者らでつくる「陣痛促進剤による被害を考える会」が今年3 月、慎重に使うよう添付文書の改訂を求める要望書を厚労省に提出していた。同会の出元明美代表は「医師らがしっかり監視していればよいが、そうでないケー スで重大な事故が起きている。広く注意を促せるせっかくの機会が生かされず、信じられない結果だ」と話している。

風疹大流行時、感染妊婦から生まれた11人死亡 indexへ

 関東地方で風疹の患者が急増している。国立感染症研究所(感染研)の 28日の発表によると、19日までの1週間で43人増え、今年の患者数は184人。風疹は妊婦への感染が最も懸念されるため、感染研が2012~13年の 前回大流行時の実態を調べたところ、感染した妊婦から生まれた先天性風疹症候群の赤ちゃん45人のうち、11人が亡くなっていたことが分かった。

東京医科大、不正入試問題で第三者委設置 indexへ

 東京医科大(東京)の不正入試問題で、同大は28日、第三者委員会を 設置したと発表した。今春の入試まで行われていた女子受験生らの合格者数抑制や不正な加点などを調べ、原因究明や再発防止策の提案を行う。委員は、元最高 裁判事の那須弘平弁護士と元青山学院大理事長の半田正夫弁護士、医師で東京医科歯科大の大野京子教授の3人。

高血圧治療薬「ディオバン」論文、米科学誌掲載を撤回…名大申し入れ indexへ

 製薬会社ノバルティスファーマの高血圧治療薬「ディオバン」の臨床研 究データ改ざん問題で、名古屋大の研究チームが「心不全の治療ではディオバンが他の薬よりも優れている」と結論づけた論文について、2012年に掲載した 米科学誌が掲載を撤回したことがわかった。名大が今年5月、「研究は不適切だった」と同誌に伝えていた。
 撤回は今月8日付。名大によると、研究チームが大学側に提出した計画では、心不全による入院や通院治療を研究対象の症例に含めると説明していたが、心不全による入院とされたうち5例は実際に入院していなかったことが判明。
 さらに、症例を判定する委員会について、メンバーではないノ社の元社 員が運営に関わっていたこともわかり、名大は昨年11月、「不適切な前提で研究が行われており、論文は妥当性を欠く」として、論文の撤回を研究チームの教 授に勧告していた。教授側は論文撤回を拒否しているという。

職場で障害者虐待1308人…昨年度35%増、過去最悪 indexへ

 厚生労働省は22日、昨年度に職場で虐待を受けた障害者が1308人だったと発表した。前年度から35%増え、過去最悪となった。同省は「障害者への虐待問題に関する関心が高まり、通報が増えたことも一つの要因」としている。
 障害者虐待防止法に基づき2013年度から毎年調査。昨年度は、過去最多の1483事業所の2454人について虐待疑いの通報があり、労働基準監督署などが調査した結果、597事業所の1308人が虐待を受けたと認定された。
 虐待の種類については、賃金が最低賃金を下回るなどの「経済的虐待」が84%を占め、差別的言動などの「心理的虐待」が8%、暴行などの「身体的虐待」が6%と続いた。
 経済的虐待では、製造業の事業所で知的障害者の賃金が最低賃金(時給)を200円下回るケースがあり、労基署が是正勧告をした。

インド製美白クリームで腕赤く腫れる…個人輸入 indexへ

 厚生労働省は22日、インターネットの個人輸入で入手したインド製の美白クリームを使った20歳代の女性が、腕が腫れ るなどの健康被害を起こしたと発表した。女性は7月にインド製美白クリーム「ユークロマクリーム」を購入して使ったところ、両腕が赤く腫れ、水ぶくれが出 来た。医療機関を受診して、現在は症状が改善している。クリームの成分は不明で、アレルギー反応の可能性が高いという。
 同省は、健康被害の恐れがあるとして、安易に海外製の化粧品や医薬品を個人輸入しないよう、注意を呼びかけている。

群大と9遺族が合意…手術死の謝罪、再発防止で文書 indexへ

 群馬大学病院(前橋市)の手術死問題で、補償問題などについて病院側と交渉していた遺族会の9遺族が10日、謝罪や再発防止の約束を盛り込んだ文書を交わし、合意した。
 遺族代表は群馬県庁で記者会見し、「これで終わりではなく、より安全な病院に変わっていってほしい」と語った。
 9遺族が個々に交わした合意書には、それぞれの損害賠償に加え、病院側が組織や体制の不備、診療や説明の過失を認めて謝罪することが明記された。
 再発防止については、事故を教訓に二度と起きないよう最大限の努力を続けることを確約。「医療安全週間」を設けるほか、2人の遺族代表が委員を務める「患者参加型医療推進委員会」で、共に改革に取り組むこととした。
 合意成立で、遺族が病院や医師らへの民事提訴や刑事告訴といった責任追及をしないことも確認されたが、執刀医とその上司だった元教授は除外された。
 記者会見で、木村豊代表(49)は「発覚してからだいぶ時間がたっ て、やっと合意できた。まだやることはあるが、一段落つくことができた」と語った。小野里和孝代表(38)は「患者に寄り添った医療が提供される病院づく りを目指し、これからも頑張っていきたい」と決意を述べた。
 田村遵一病院長は「引き続き、安全・安心な医療を提供し、信頼される病院になるよう、改善・改革に取り組んでいく」とのコメントを出した。

抗がん剤39日間連続投与、副作用の影響で死亡 indexへ

 国立病院機構関門医療センター(山口県下関市)は10日、70歳代の男性患者に対して抗がん剤を過剰に投与する医療ミスがあり、男性が副作用の影響で死亡したと発表した。
 同センターによると、男性は2月中旬、土手から転落して足を骨折するなどして入院。男性は他の病院で脳腫瘍の治療を受け、抗がん剤を服用しており、親族がセンターに持参した。
 センターによると、この抗がん剤は5日間連続で投与後、23日間投薬期間を空けることになっている。しかし、医師は3月下旬まで39日間連続で投与した。
 男性が口の中から出血したことから血液検査を実施。白血球や赤血球が減るなどしており、過剰投与が判明した。男性は感染症が悪化して6月上旬、多臓器不全などで死亡した。
 センターは、医師や薬剤師らが抗がん剤の処方について認識が不足していたとしている。この日、記者会見したセンターの林弘人院長は「ご遺族に心からおわび申し上げ、再発防止に努めます」と陳謝した。

元受刑者「がん見落とし」和解…国が遺族に見舞金500万円 indexへ

 服役中にがんと診断され、出所後に死亡した男性(当時62歳)の遺族が、「拘置所や刑務所の医師が、がんを見落とし、治療が遅れた」などとして、国に計約7300万円の損害賠償を求めた訴訟が、大阪地裁で和解した。国が遺族に見舞金計500万円を支払う。
 和解は7月27日付。和解条項に、国が過失を認める文言は含まれていない。
 訴状などによると、男性は窃盗などの罪で2008年、懲役3年8月の実刑判決を受けた。控訴中の09年1月、大阪拘置所で頭のしびれなどを訴え、大阪医療刑務所でCT検査を受診。左耳に腫瘍が疑われる所見があったが、医師は「異常なし」とした。
 男性は京都刑務所に服役した09年6月以降、約10回、耳の出血で鎮痛剤を処方されるなどし、12年1~3月に受けた再検査で耳のがんと、肺への転移が判明。東京都内の医療刑務所へ移送され、12年8月に出所したが、15年に死亡した。
 訴訟で国側は医師の過失を否定。地裁が今年2月、和解を勧告した。国側は「コメントできない」としている。

介護現場でセクハラ…労働組合、厚労相へ防止要請 indexへ

 介護現場で働く人が、サービス利用者や家族からセクハラなどを受けている問題を受け、介護職の労働組合「日本介護クラフトユニオン」は9日、加藤厚生労働相に対し、ハラスメント防止に取り組むよう求める要請書を提出した。
 要請は、▽サービス利用のルールについて利用者や家族へ周知・啓発▽ ハラスメントがあった場合、事業者がサービス提供を拒否できることを法令に規定――など5項目。ハラスメント対策として2人で訪問したくても、利用者の負 担が2倍になるため同意が得られないことが多いとして、利用者負担への補助も求めた。
 同ユニオンが4~5月に組合員へ行った調査では、約7割がパワハラ、約3割がセクハラを受けた経験があると回答した。
 同省は今年度、介護現場でのハラスメントの実態や、対策に取り組む事業者の事例などを初めて調査する。

「生産性ない」謝罪求め声明 indexへ

 自民党の杉田 水脈衆院議員(比例中国ブロック)が性的少数者(LGBT)は「生産性がない」と月刊誌に寄稿したことを受け、難病患者や障害者らの団体は7日、東京都内で記者会見を開き、杉田氏に謝罪などを求める声明を発表した。
 声明を出したのは、今月6日に発足した難病患者や障害者団体の幹部ら で作る団体「生きてく会」。声明では杉田氏がLGBTのカップルについて「子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」と寄稿したことに触れ、「出産 しない人は生産性がないから、行政的支援に値しないと断じたもので、障害者の心を深く傷つけた」と指摘。杉田氏の謝罪や処分を求めた。

群大手術死…遺族が安全委公開を要望「閉鎖的組織、脱却を」 indexへ

 手術死が続発した群馬大学病院(前橋市)が遺族を委員に迎えて医療安 全に取り組もうと設けた「患者参加型医療推進委員会」について、遺族会は6日、会議の公開などを求める要望書を病院に提出した。遺族会は「病院改革をオー プンにすることは再発防止のために必要」と訴えた。
 委員会の透明性確保を巡っては、遺族会の代表2人が6月の初会合に委員として出席し、会議や議事録の公開を強く要望した。病院はいったん前向きな意向を示したものの、報道関係者の傍聴を認めると、議論が 萎縮するとして消極的な姿勢に転じた。
 このため、遺族会は2度目の要望書を提出した。〈1〉会議はマスメディアも含め公開〈2〉議事録全文をホームページに公開〈3〉病院への提言を少なくとも年1回提出し、病院長は対応状況を報告――などと求めた。
 この日、前橋市内で記者会見した木村豊代表(49)は「遺族の代表と して責任を果たすためにも議論を広く知ってもらいたい」と説明した。小野里和孝代表(38)も「一連の事故では閉鎖的な組織の問題が明らかになった。委員 会の公開はそれを脱することにつながる」と語った。
 第2回会合は9月にも開かれる可能性がある。同病院は「遺族会と十分協議をしながら対応したい」とのコメントを発表した。

耐性菌検出で鹿児島大病院謝罪、ICUで感染拡大か indexへ

 鹿児島大病院(鹿児島市)で、入院患者15人から複数の 抗菌薬(抗生物質)が効かない多剤耐性の細菌アシネトバクターや類似菌が検出された問題で、同病院は3日、記者会見を開き、死亡した8人のうち、感染症を 発症した3人は「(細菌が)病状悪化に関与した可能性がある」と発表した。
 夏越祥次院長は「亡くなられた患者さま、ご家族の皆さまに深くおわび申し上げます」と謝罪した。死因との因果関係は、明確ではないとしている。

鹿児島大病院、会見で「リスク甘くみた可能性」…ICUでの耐性菌対策不十分か indexへ

 多剤耐性の細菌アシネトバクターや類似菌が患者15人から検出された鹿児島大病院(鹿児島市)。同病院は3日午後の記者会見で、うち14人が治療を受けていた集中治療室(ICU)での対策が不十分だった可能性があるとの認識を示した。
 同病院によると、多剤耐性の細菌が最初に検出されたのは昨年4月でICUに入院していた患者から。この時、同大は徹底した清掃・消毒をしていなかったといい、川村英樹・感染制御部門長は「リスクを甘めにみた可能性がある」と話した。
 同10月にはICU内の手洗い場から類似菌が検出され、今年4~5月にも床ずれ用のマットレスの一部から多剤耐性の細菌が出た。医療従事者を介して感染が広がった恐れがあり、大石充副院長は「職員全員が手洗いなどを徹底する必要があった」と厳しい表情で語った。
 死亡した8人のうち、発症したのは4人。外部の専門家も交えた検証の結果、うち3人は感染が病状の悪化に影響を与えた可能性があると結論付けた。
 夏越祥次院長は「大学病院を信頼してきた患者や、地域の方々の信頼を回復できるよう全力で取り組みたい」と語った。
 15年間通院しているという鹿児島県姶良市の女性(68)は、3日 朝、ニュースで知った。「病院はもっと早く公表するべきだった。患者が安心できるようしっかりと説明してほしい」と語った。がん治療の入院を控え、検査に 訪れた同県枕崎市の男性(68)は「病院には早く原因究明してもらいたい」と話した。
厚労相、病院への立ち入り検査も視野
 鹿児島大病院の入院患者らから抗菌薬(抗生物質)が効かない多剤耐性 の細菌アシネトバクターなどが検出された問題で、加藤厚生労働相は3日の閣議後記者会見で、「院内の対策を適切に実施するよう指導したい」と述べた。同病 院への立ち入り検査も視野に、情報収集にあたっているという。
 加藤厚労相によると、厚生労働省に感染の報告があったのは昨年11月。厚労省は感染拡大防止に向けた厳重な対応を求めたが、今年4月と6月中旬に死亡事例の報告があったという。

抗生物質効かない耐性菌か、入院患者ら8人死亡…鹿児島大病院 indexへ

 鹿児島大病院(鹿児島市)の入院患者ら15人から、複数の抗菌薬(抗生物質)が効かない多剤耐性の細菌アシネトバクターや類似菌が検出され、うち8人が死亡していたことが鹿児島県への取材で分かった。同病院は3日、記者会見して詳細を発表する。
 県によると、同病院の患者ら5人から多剤耐性アシネトバクターが検出され、別の患者ら10人からは類似の菌が検出された。
 入院患者ら抵抗力が弱い人が多剤耐性アシネトバクターに感染すると、肺炎や敗血症など重篤な感染症を引き起こす恐れがある。

介護福祉士の復職支援不発…人材登録利用、1割以下 indexへ

  介護分野の人手不足解消のため、国が昨年始めた介護福祉士の復職支援策が低迷している。仕事を辞めた介護福祉士を登録し、求人情報を提供して復職を促す仕 組みだが、登録者は離職者の1割以下。不人気ぶりに、国の担当者は「嫌気がさして辞めた人を登録させるのは難しい」と頭を抱えている。
 登録制度は改正社会福祉法に基づき、2017年4月に始まった。離職 した介護福祉士は、連絡先や希望する勤務条件を各地の社会福祉協議会が運営する「福祉人材センター」に届け出ることが努力義務とされた。登録者には求人情 報のほか、介護に関する研修など、再就職に向けた情報がメールなどで提供される。
 厚生労働省によると、登録者は今年3月末現在で約5700人。年間離職者の正確な統計はないが、「年間10万人以上いるのではないか」(同省)ということから、1割以下の人しか登録していない計算になる。
 資格を持ちながら介護現場で働いていない介護福祉士は約62万人(15年度)。高齢化で25年度には介護職が約34万人不足するとされており、潜在的な人材を確保することで人手不足解消を目指していた。しかし、思惑通りに進んでいない状況だ。
 登録制度を運営する全国社会福祉協議会の担当者は、「利用者が少ないままでは登録者向けの研修も開けない」と嘆く。介護現場では、認知症高齢者や 看取りへの対応から、専門職の確保が必要とされている。登録制度の低調ぶりに厚労省の担当者は、「給与の引き上げや社会的地位の向上にも取り組む必要がある」としている。
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【介護福祉士】  介護現場で中心的な役割を担う国家資格。〈1〉養成校で教育や実習を2年程度受けて卒業する〈2〉現場で3年以上働き、研修を受けて試験に合格する―― などして取得できる。有資格者約140万人(2015年度)のうち、現場で働いているのは約78万人(同)。介護福祉士を含めた介護職全体の平均給与は月 約26万円。全産業平均より約10万円低い。

「がんに効果」と虚偽の説明、健康食品会社「健楽園」に停止命令 indexへ

 健康食品の電話勧誘で「がんにならない」などと虚偽の説明をしたなどとして、消費者庁は27日、健康食品販売会社「健楽園」(東京)に対し、特定商取引法違反(不実告知など)で3か月の業務停止を命じた。
 発表によると、同社は電話勧誘で販売していた「 還生源」というカプセル状の健康食品について、「がんにならないためにはこれを飲んだらいい」などと虚偽の説明をしたなどとされる。
 全国の消費生活センターには2015年以降、同社に関する100件以上の相談が寄せられており、100万円以上の商品購入契約を結んだケースもあったという。同社は取材に対し、「担当者が不在でわからない」としている。

重度障害を理由に地元小学校就学認めず…「拒否は違法」児童本人と両親が提訴 indexへ

 重度の障害がある児童に地元の小学校への通学を認めず、県の特別支援学校を指定したのは違法だとして、川崎市の男児(6)と両親が11日、川崎市と神奈川県を相手取り、地元の小学校への就学を求めて横浜地裁に提訴した。
 2013年に成立した障害者差別解消法では、障害を理由とした差別的扱いを禁じ、文部科学省は就学先の決定について「本人・保護者の意見を最大限尊重する」と通知している。弁護団によると、同法施行後、就学先の指定を巡って行政の違法性を問う訴訟は初めて。
 訴状などによると、男児は難病の先天性ミオパチーで、人工呼吸器を使って生活。両親は昨年11月、市教委に地元の小学校への入学を求めたが、市教委は今年2月、「県の特別支援学校での専門的な教育が適切だ」とし、県教委が3月、特別支援学校への就学を指定した。

地震で停電した国立循環器病センター、電気事業法違反が判明…経産省立ち入り indexへ

 大阪北部地震で国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)が3時間にわたって停電した問題で、経済産業省の中部近畿産業保安監督部は4日、電気事業法に基づき、同センターに立ち入り検査を行った。
 同センターでは6月18日の地震発生後、全館が停電。自家発電機と非常用バッテリーが作動したが、途中で自家発電機からの送電が止まり、復旧に約3時間かかった。
 その後の同センターの調査で、毎年1回、全館を停電状態にして行う電気設備の点検を5年以上怠り、同法に違反していたことが判明。報告を受けた同監督部が事実を確認するため、立ち入った。

医師不足の刑務所…93人の刑執行停止中、透析受けられないことを理由に indexへ

  刑事事件で実刑判決が確定したのに、腎臓病の人工透析が刑務所で受けられないことを理由に、刑の執行が停止されている確定者が5月末現在で93人に上るこ とが、法務省への取材でわかった。医師不足に加え、機器を備える施設と受刑者の「ミスマッチ」も起きており、刑の執行に不公平感を生じさせかねない異例の 刑事手続きが常態化している。
 2008年10月に開設された官民で運営する「島根あさひ社会復帰促 進センター」(島根県浜田市)。15台の人工透析設備が設置され、治療が必要な受刑者30人を収容する予定だった。ところが、治療を受けた受刑者は11年 の13人をピークに年々低下。16年11月に4人まで落ち込み、同センターは同年末、治療設備を廃止した。
 「誤算」が生じたのは、同センターが受け入れる収容者を「初犯で集団生活に適応できる模範囚」に限定したためだ。定員約2000人の受刑者を収容する同センターの収容棟の大半は個室になっており、テレビやベッドがあるが、窓に鉄格子はない。
 法務省の担当者は「入所条件に合致しつつ、人工透析治療が必要な受刑者が予想より少なく、設備の利用が伸びなかった」と話す。
 同省によると、全国69の刑務所や少年刑務所のうち、人工透析治療の 機器があるのは9刑務所、63台。今年1月に全国最多の30台が設置された「東日本成人矯正医療センター」(東京都昭島市)が開所し、治療可能な受刑者数 は大幅に増加した。それでも治療を受けている受刑者は5月末時点で全国で81人にとどまる。
 63台の機器は現在、緊急用の予備機を除きすべて稼働しているが、機 器を扱える専門医は非常勤が多く、人手不足が続いている。東日本のセンターでは、1台で複数の受刑者が治療できるよう週3回の治療日を月、水、金と、火、 木、土曜日の二つに分け、48人が治療を受けるが、小規模な施設では医師不足からこうした取り組みはできていない。
 刑事訴訟法では、実刑判決が確定した者が心神喪失の状態にある時は、 執行を停止する。さらに刑の執行によって著しく健康を害する時や生命を保つことのできない恐れがある時も執行を停止できる。同省関係者によると、透析治療 以外で執行停止が認められるのは、再審が開始されたり、脳疾患などで重体となって入院が長期化したりした場合など「極めてまれなケース」に限られるとい う。
 透析治療を理由に執行が停止された場合、自宅などから病院に通い、治療可能な刑務所に空きが出れば順次収容される。その間は刑期に算入されず、警察などの監視下には置かれない。
 同省によると、執行停止中の93人の中に殺人などの凶悪犯はいないが、再犯者は少なくないとみられる。中には執行停止中に再び罪を犯しながら、透析治療を理由に刑の執行が再び停止されている者もいるという。
 同省幹部の一人は「再犯防止や刑の執行の公平性を考えれば重大な問題だが、医師や予算を確保するにも、『なぜ罪を犯した者に予算を割くのか』という意見は根強く、解消のメドは立っていない」と明かした。
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【人工透析】  機能が低下した腎臓の代わりに機器を使うことで、血液中の老廃物や余分な水分を取り除く治療方法。治療は週に3回、1回あたり数時間を要する。人工透析を受ける患者は年々増え続け、2016年の患者数は全国で約33万人。

がんの疑い見落とし、患者死亡…横浜市立大病院 indexへ

 横浜市立大学は25日、大学病院(横浜市金沢区)で行ったコンピュー ター断層撮影法(CT)検査で、がんの疑いがあるとする報告を見落とし、適切な治療を行わなかった結果、60歳代の男性患者が今年4月に死亡したと発表し た。担当医が専門外の領域の結果を確認していなかった。ほかにも付属市民総合医療センター(同市南区)を含め、がん患者計10人の検査で結果の見落としが あったことも明らかにした。

乳幼児用無呼吸アラーム、不具合見つかり1万9千台を自主回収へ indexへ

 JCRファーマは25日、子会社のファミリーヘルスレンタルが販売する無呼吸アラーム装置「ベビーセンス」の一部に不具合が見つかり、計約1万9000台を自主回収すると発表した。現時点で、健康被害はないという。
 ベビーセンスは、乳幼児の睡眠時に呼吸をセンサーで監視する装置で、呼吸が止まった場合は自動でアラームが鳴る仕組み。
 今年に入り、利用者から「アラームが正常に作動しない」と連絡があり、同社が調査したところ、内部の部品の故障が見つかったという。問い合わせは、平日午前9時~午後6時、専用コールセンター(0120・112・586)へ。

転移したがん見落とし、症状悪化…女性に謝罪 indexへ

 兵庫県は22日、県立がんセンター(兵庫県明石市、吉村雅裕院長)で2015年4月、主治医が神戸市内の40歳代女性患者の肺に転移したがんを見落とす医療ミスがあったと発表した。
 今年4月に発覚するまでの3年間、女性のがんは悪化しており、同センターは女性に謝罪した。
 発表では、女性は09年、同センターで子宮 頸がんの手術を受け、子宮を摘出。15年4月にコンピューター断層撮影法(CT)検査を受けた際、放射線科の医師が「右肺に転移性腫瘍の疑い」と所見を書いたのに、主治医は目を通さず、がんを見落としたという。
 後任の医師が今年4月、CT検査で女性の右肺や肝臓など4か所に腫瘍を見つけたため過去の検査画像を再点検したところ、がんの見落としが判明。
 見つかった腫瘍の一つは、15年に検査した時の7ミリから12ミリに拡大しており、女性は抗がん剤治療を続けている。
 同センターでは15年にも別の医師がCT検査の所見に目を通さず、がんを見落とすミスが発覚している。

千葉大のCT見落とし、厚労省が全国の医療機関に注意喚起 indexへ

 千葉大医学部付属病院(千葉市中央区)で、コンピューター断層撮影法(CT)検査結果の見落としがあり、がん患者2人が死亡した問題で、厚生労働省は14日、文書で、全国の医療機関に見落とし防止策を徹底するよう求めた。
 同様の注意喚起は昨年11月と今年5月、厚労省と日本医療機能評価機構が出していた。

がん検査薬、競合他社の参入妨害で立ち入り検査 indexへ

 がん診断などに利用されるPET(陽電子放射断層撮影)検査の検査薬を製造・販売する医薬品メーカーの日本メジフィジックス(東京)が、競合他社の新規参入を妨害したとして、公正取引委員会は13日午前、独占禁止法違反(私的独占)の疑いで同社に立ち入り検査に入った。
 PET検査薬を患者に注入する際には、特殊な装置が使われる。PETの検査薬の製造・販売は、長年、メジ社が独占状態を続けていたため、装置メーカーが開発し、各地の医療機関に設置される装置は、メジ社の検査薬を想定した規格になっている。

千葉大病院患者2人死亡、担当医「専門外」目届かず…CT報告書には「がん」 indexへ

 がんの疑いの指摘が4年余りも 見過ごされ、命が失われた。8日、千葉大医学部付属病院(千葉市中央区)が公表した画像診断の見落とし問題。コンピューター断層撮影法(CT)検査の結 果、治療対象でなかったがんの疑いが浮上しても、担当医が専門外の領域に目が行き届かないという盲点が次々と判明した。「同様のケースは各地の病院に埋も れている」との指摘も出ている。
 千葉市中央区で8日午後に行われた記者会見で、山本修一病院長は「患者と家族の皆様に多大な負担と心痛をおかけしたことをおわびする」と述べ、深々と頭を下げた。患者や遺族には既に謝罪しており、金銭的な補償も検討するとした。
 一連の問題が判明したきっかけは、50歳代の男性が昨年7月、肺がんの疑いで呼吸器内科を受診したことだった。男性は2016年6月に 頭頸部の腫瘍を確認するため、同病院でCT検査を受けており、当時の画像診断報告書を確認したところ、その時点で肺がんの疑いがあると指摘されていたことがわかった。
 担当医が専門領域の頭頸部にだけ注目し、肺がんに関する記載を十分に確認していなかった。男性は現在も治療中だ。これを受け、病院が全診療科で調査した結果、今年2月末までにCT検査結果を巡って計9人の患者について確認不足などがあった。
 このうち死亡した男女2人は画像診断報告書の見落としの後、病状が判 明した際、手術もできない状態に悪化。4年余り治療が遅れ、腎がんで死亡した60歳代の女性について、市川智彦副病院長は会見で「その時点で治療したので あれば、経過に大きな違いがあったと考える。(報告書の見落としと死亡に)因果関係があったと言われれば、そのとおりだと思う」と述べた。肺がんで死亡し た70歳代男性については「死亡が早くなったという意味で因果関係はあった」とした。
 CT画像は担当医が確認するとともに、放射線診断専門医に画像診断報 告書の作成を依頼する。報告書には、治療対象の患部以外に関する所見も記載されるが、同病院は「担当医は専門領域については画像を見て診断するが、放射線 診断専門医の報告書も合わせて確認するという認識が不十分だった」と説明する。
 同病院は外部の有識者による調査委員会の提言を受け、再発防止策に乗 り出す。7月1日に画像診断センターを新設し、放射線診断専門医の常勤を5人増の10人体制にして担当医との連携を強化。患者に対しては画像診断報告書を 確認してもらうなど説明を手厚くするほか、担当医による報告書の確認状況の管理を電子カルテのシステムで徹底する。

医師間確認「仕組み作りを」

 「他の病院でも起きていると考えるほうが自然」――。専門家の間には、今回のような画像診断報告書の見落としなどは、「氷山の一角」との見方がある。関西の大学の放射線科教授は「自分の専門領域以外は熱心に見ない、ということは日常的に起こりがち」と打ち明ける。
 表面化しただけでも千葉大の例にとどまらない。慈恵医大病院(東京都港区)は昨年2月、肺がんの疑いの記述を見落とされた患者が死亡したと発表。同10月には名古屋大や横浜市大でも、同様の例が発表された。
 これを受け、厚生労働省は同11月、全国の医療機関に防止を呼びかける文書を出した。医療事故のデータを集めている日本医療機能評価機構も今年5月、文書で注意喚起している。
 放射線診断が専門の江原茂・岩手医大教授は「画像診断報告書には多くの記載があり、専門外の分野まで主治医がすべて入念にチェックするのは現実的に難しい面もある。意思疎通の行き違いを防ぐシステム作りが必要だ」と指摘する。
 慈恵医大病院は再発防止のため、報告書を主治医が確認し、必要な対応をしたか事務員が2度に分けて、医師に念押しする仕組みを導入。報告書の内容を患者に配布している。
 厚労省は「あってはならないことだが、現実に起きている。再発防止を徹底したい」としている。

千葉大付属病院、がん疑い見落とし…患者2人死亡 indexへ

 千葉大医学部付属病院(千葉市中央区)は8日、コンピューター断層撮影装置(CT)検査の画像診断報告書の見落としがあり、適切な治療が行われず、がん患者2人が死亡したと発表した。
 発表によると、2017年7月、50歳代の男性が肺がんの疑いで呼吸器内科を受診したが、16年6月に 頭
とう
けい部のCT検査を受けた際の画像診断報告書を改めて確認したところ、その時点で肺がんの疑いがあると指摘されていたことが分かった。男性は現在、治療中。
 この問題を受けて院内で調査したところ、ほかにも画像診断報告書の確認不足などが計8人で報告された。腎がんと肺がんをそれぞれ患っていた2人が死亡したという。
 山本修一病院長は記者会見で「患者や家族に多大な負担と心痛をかけ、誠に申し訳ない」と謝罪した。

医師過労自殺の新潟市民病院…91人の残業代、1億800万円が未払い indexへ

 新潟市民病院(新潟市中央区)で2015~16年度、医師ら職員91人の残業代計約1億800万円が未払いだったことが、病院の調査で分かった。医師らの自己申告と勤務実態に隔たりがあったためで、市は未払い分を支払う方針。
 同病院では16年1月、女性研修医(当時37歳)が過労で自殺。新潟労働基準監督署が労災認定し、17年6月に病院に是正勧告した際、時間外労働の実態を調査するよう指導していた。
 同病院によると、調査は17年8月から職員1197人を対象に実施。 15~16年度の勤務実態を聞き取り、電子カルテの入力状況なども確認した。その結果、勤務医を中心に91人が計約1万7400時間の時間外労働を申告し ていなかったことが判明。未払い額は最大約600万円に上った人もいた。

「認知症」検査、免許取り消し・停止1892人 indexへ

 75歳以上の高齢ドライバーの認知機能検査を強化した改 正道路交通法について、警察庁は7日、施行から1年の実施状況を発表した。検査を受けた210万5477人のうち2・7%にあたる5万7099人が「認知 症のおそれ」と判定され、このうち1892人が免許取り消し・停止となった。一方、教習所での検査待ちが長期化するなど課題も浮かび上がっている。

移植患者登録、手続きミス2件 indexへ

 厚生労働省は6日、臓器移植をあっせんする日本臓器移植ネットワーク(JOT)で2件のミスがあったと明らかにした。いずれも移植を受ける患者に影響はなかった。
 同省の臓器移植委員会で報告された。移植希望者は毎年度末に登録の更新手続きを行うが、JOTの担当者のミスで1人が一時、未更新となった。また、移植する患者を選ぶリストに誤った病院が含まれていた。

投薬ミスで後遺障害、名大に3878万円賠償命令…名古屋地裁 indexへ

 名古屋大学医学部付属病院(名古屋市)で肝硬変の治療中、誤った投薬 によって後遺障害を負ったなどとして、名古屋市内の男性(85)とその家族が同大に計約1億185万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が1日、名古屋地裁で あり、末吉幹和裁判長は同大側に計約3878万円の支払いを命じた。
 判決によると、男性は肝硬変の治療のため、2005年4月から同病院 で抗ウイルス薬の投与を受けた。08年12月、この薬の副作用による骨疾患が強く疑われる検査結果が出たが、同病院の医師が誤診。11年12月まで同じ量 の投薬が続けられたことによって重い骨軟化症を発症し、自力で歩くことが困難になるなどの後遺障害が残った。
 後遺障害と誤診との因果関係については同大側も認めており、訴訟で は、障害の程度や賠償額が争点となった。男性側は、投薬によってほぼ寝たきりの状態になったと主張したが、判決は、男性が高齢であることや、別の病気も 患っていたことなどから、請求の一部については、問題となった誤診による損害とはいえないと判断した。
 同病院は「判決内容を精査し、対応を検討する」とのコメントを出した。

がん疑いがある患者のCT報告書見落とし、治療7か月遅れる indexへ

 愛知県東海市の公立西知多総合病院は31日、S状結腸がんの疑いがある患者のCT(コンピューター断層撮影)画像診断報告書を見落とし、がん治療が遅れる医療事故があったと発表した。病院は患者に500万円を支払うことで和解した。

都立病院医師、子供57人分の遺伝子異常情報など個人情報入りパソコン紛失 indexへ

 東京都は30日、都立小児総合医療センター(府中市)で内科系を担当する30代男性医師が、同センターで診察を受けた子供57人分の個人情報が保存されたパソコンを紛失したと発表した。
 発表によると、医師は今月23日、職場で私物のパソコンを使い臨床研 究用の資料を作成。資料には子供57人の氏名、生年月日、疾患名、遺伝子異常の有無、血液検査結果などが含まれていた。26日朝に職場でパソコンをバッグ に入れたが、同日夜にはパソコンがなくなっていたという。29日に警視庁府中署に紛失届を提出した。

がん検診で異常見えにくい「高濃度乳房」一律通知勧めず…厚労省、自治体に文書 indexへ

 自治体が行う乳がん検診のマンモグラフィー(乳房エックス線撮影)で 異常が見えにくい高濃度乳房について、厚生労働省は24日、「(受診者に)一律に通知することは望ましくない」とする文書を全国の自治体に送付した。高濃 度乳房に関する標準的な対応方法を示したもので、同日夕、同省の有識者会議で報告される。
 高濃度乳房は、超音波検査を併用すれば異常を見つけやすいとされる。乳がん患者らが、高濃度乳房であるかどうかを受診者に通知すべきだと訴えていた。
 これを受けて厚労省は通知の方法を検討。超音波検査を併用した場合、がんの発見率は向上しても、死亡率を減らすかどうか効果が明確になっていないことから、受診者への一律の通知は、時期尚早と判断した。
 高濃度乳房については、一部の自治体が独自に通知するなど対応にばらつきがあり、高濃度乳房自体を病気と誤解するなど、混乱も生じている。厚労省が今回、配布した文書は同省研究班が作成したQ&A集で、自治体職員が受診者に正しい説明をするよう求めた。
 研究班の笠原善郎・福井県済生会病院副院長は「検査体制が未整備な現段階では、一律の通知が不安や過剰な受診を招く恐れもある。正しい理解に基づいた検診が受けられるようにすることが大切だ」としている。
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【高濃度乳房】  乳腺組織の密度が高く、マンモグラフィーで全体が白っぽく写るため、がんが見つかりにくい傾向がある。日本人では40歳以上の約4割が高濃度乳房と推測される。

歯科分野の専門医を客観評価、一括管理…専門医機構を設立 indexへ

 歯科分野の専門医を客観的に評価して一括管理する一般社団法人「日本歯科専門医機構」(住友雅人理事長)が4月設立された。
 日本歯科医学会連合、日本歯科医師会や関連学会などが参加する。東京都内で記者会見して発表した。
 歯科分野の専門医(認定医を含む)は同連合の所属学会だけでも30種類以上あるほか、未加盟の団体のものもあるという。同じ分野に複数の学会の専門医があるなどの問題が指摘されている。
 機構は、各学会から申請された専門医研修の内容を審査し、一定の基準にあると判断したものを認定する。各学会に参加を促し、今年秋には第1弾の認定を行いたい考えだ。

医療・福祉職員、3人に1人がセクハラなど嫌がらせ受ける indexへ

 病院などで働く医療・福祉職員の約3人に1人が、職場でセクハラなど何らかのハラスメント(嫌がらせ)を受けたことがあることが、日本医療労働組合連合会の調査でわかった。
 調査は2017年3~9月、全国の組合組織を通じて行い、看護・介護職やリハビリ専門職など7225人が回答した。
 過去3年間に、全体の31.5%が、患者や上司らから何らかのハラスメントを受けていた。
 セクハラ経験者は全体の12%、妊娠などを理由に上司や同僚が嫌がらせなどをするマタニティー・ハラスメント(男性含む)は2.5%だった。経験者のうち、約半数が退職を考えたことがあると回答。15.5%は、誰にも相談していなかった。
 同連合会は「人手不足で現場にゆとりがなく、ハラスメントが生じやすくなっているのでは」としている。

民間のさい帯血取引禁止…自公、規制強化へ改正法案 indexへ

 自民、公明両党は17日、他人のさい帯血を使った再生医療が国に無届けで行われていた事件を受け、規制を強化する造血幹細胞移植推進法改正案をまとめた。
 国に許可を受けた公的バンクを除き、民間バンクなどが第三者とさい帯血の取引を行うことを原則禁止とする。違反者には、3年以下の懲役か300万円以下の罰則を科す。
 自民、公明両党は野党にも理解を呼びかけ、今国会に議員立法で提出して成立を目指す。
 さい帯血は主に出産時のへその緒にある血液で、白血病の治療などに有効性がある。2014年施行の現行法では公的バンクの事業を許可制とし、厳重な品質管理を義務付けたが、民間バンクは対象外となっていた。

薬品入りの水でパン製造…京都のホテルが自主回収 indexへ

 グランドプリンスホテル京都(京都市左京区)は17日、防さび剤などの薬品が含まれた水を使って製造したパンを昨年3月から約1年2か月間、ホテル内で提供していた可能性があると発表した。自主回収を進めているが、現時点では健康被害の訴えはないという。
 ホテルによると、パンはホテル地下2階で製造。パン生地を蒸気で発酵させる機器に、本来は水道水のバルブをつなぐが、誤って薬品入りの冷却水のバルブを接続していたという。

インドから個人輸入した未承認中絶薬で健康被害…厚労省、新たに規制 indexへ

 厚生労働省は14日、インターネットの個人輸入で入手したインド製の経口妊娠中絶薬を服用した20歳代の女性が、大量出血などの健康被害を起こしたと発表した。
 女性は回復しているが、厚労省は同日、インド製の「ミフェプリストン」「ミソプロストール」などの成分を含む経口妊娠中絶薬について、医師の処方がなければ個人輸入できないよう規制した。厚労省は、安易に服用しないよう呼びかけている。
 厚労省によると、この女性は今年4月にインド製の2種類の経口妊娠中絶薬計7錠を服用し、大量の出血やけいれん、腹痛などの症状が出たという。
 厚労省は2004年、米国や中国などで販売されている妊娠中絶薬について医師の処方がないと個人輸入も認めない措置を取っていたが、インド製品は含まれていなかった。

患者心理につけ込む…医療機関HP「広告」監視 indexへ

 医療機関によるホームページ(HP)での情報発信を「広 告」とみなし、虚偽・誇大表示などを禁じる改正医療法が6月に施行されるのを前に、厚生労働省が監視を強めている。昨年12月までの約4か月間で、112 の医療機関に改善を求めた。患者らからは「必死に治療法を探す患者心理につけ込む広告を野放しにしないで」と切実な声が上がっている。
厚労省改善要求
 「国内最高峰の治療を行うクリニック」「最先端医療のがん療法に副作用はありません」――。
 厚労省が昨年8月下旬から、医療機関のHPの監視を委託している一般財団法人「日本消費者協会」(東京)。平日は毎日、職員が黙々とパソコン画面に向かい、虚偽や誇大などの記述を見つけては、メモを取る。

介護職3割 セクハラ被害…「不必要に接触」半数、高齢者や家族から indexへ

 高齢者宅や施設で介護を行う介護職の約3割が、高齢者やその家族からセクハラを受けた経験があることが27日、介護職の労働組合「日本介護クラフトユニオン」の調査でわかった。
 調査は今月、組合員のヘルパーやケアマネジャーら約7万8000人に実施。20日までに回答した1054人分の速報値をまとめた。
 その結果、304人(28.8%)がセクハラを受けたことがあると回答。うち286人が女性だった。複数回答で内容を 尋ねると、「不必要に体に触れる」が51.0%で最も多く、「性的冗談を繰り返す」(46.7%)、「胸や腰をじっと見る」(25.7%)の順に多かっ た。
 セクハラについて78.6%が上司や同僚などに相談したが、うち47.3%は相談後もセクハラが続いたとした。一方、相談しなかった人(19.4%)の理由で最も多いのが、「相談しても解決しない」(44.1%)だった。
 同ユニオンは「セクハラが起きた時に、介護職が一人で抱え込むことがないように、多角的な対策を考えたい」としている。

受精卵で無断出産、男性の控訴を棄却…大阪高裁 indexへ

 凍結保存していた受精卵を別居中の妻が無断で用いて出産した長女 (3)について、父親で奈良県内に住む40歳代の外国籍の男性が、法的な父子関係がないことの確認を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は26日、請求を 退けた1審・奈良家裁判決を支持し、男性の控訴を棄却した。
 昨年12月の1審判決は、体外受精による子との間に法的な父子関係を認めるには「受精卵使用時に夫の同意が必要」との判断基準を示したが、この日の判決で江口とし子裁判長は「判断は不要」と言及しなかった。
 そのうえで、今回の裁判は、結婚中に妻が妊娠した子は夫の子とみなす民法の「嫡出推定」に該当するかどうかで争うべきで、「親子関係の不存在確認訴訟」は不適法だと判断した。男性は上告する。
 判決によると、男性は2004年に日本人女性と結婚。10年に奈良市内の医院で受精卵を凍結保存した。その後、夫婦関係が悪化して別居したが、女性は男性の同意を得ずに受精卵を移植し、15年に長女を出産。夫婦は16年に離婚した。

強制不妊手術、全国の相談窓口公表 indexへ

 旧優生保護法に基づき知的障害者らが不妊手術を強制された問題で、厚生労働省は24日、手術を受けた当事者や家族からの問い合わせを受け付ける各都道府県の相談窓口を公表した。
 都道府県の担当部署名や電話番号を一覧にしたもので、同省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000204407.html)で確認できる。
 この問題を巡っては、同省が月内にも都道府県などを対象に不妊手術を 受けた人に関する資料の保管件数を把握するための調査を始める予定で、6月中に自治体からの回答を求める。資料が残っている可能性が高い市町村や医療機 関、障害者施設にも資料を廃棄しないよう求める方針だ。

不妊治療死、担当医「治療に夢中になっていた」 indexへ

 セントマザー産婦人科医院(北九州市八幡西区)で2016年、不妊症 の検査・治療を受けた福岡県内の女性が死亡した医療事故で、県警は23日、担当医(37)(東京都墨田区)や院長(68)(八幡西区)ら男性医師3人を業 務上過失致死容疑で福岡地検小倉支部に書類送検した。
 発表によると、担当医は16年11月16日、同県宗像市の会社員女性(当時37歳)の卵管の通りをよくするため、複数回にわたり子宮内に大量の空気を注入し、その一部が血管内に流入したことにより、同年12月1日、肺 塞栓
そくせん
症に伴う多臓器不全で死亡させた疑い。院長は担当医に治療の危険性を教えず、別の医師(37)(八幡西区)は治療に立ち会ったが止めなかった疑い。県警は担当医について、起訴を求める「厳重処分」の意見をつけた。
 3人は当初、右側の卵管の詰まり具合を調べるため、生理食塩水を流す 「通水検査」を実施した。院長は「問題がなかった」として検査の終了を指示したが、担当医は、空気を注入して通過性を高める「通気治療」を行うことで、よ り改善が見込めると判断。同医院では通常30~40ccの空気を送り込んでいたが、担当医が注入を繰り返し、計数百ccに達した。県警は、この際に子宮内 の血管に空気が流入したとみており、担当医の措置に重大な過失があると判断した。
 担当医は事故後、派遣元の大学に戻った。県警の調べに、担当医は「通気治療の危険性は認識していたが、治療に夢中になっていた」と容疑を認め、院長と別の医師は容疑の一部を否認しているという。
 書類送検を受け、同医院は「残念な結果となったことは大変遺憾で、事態を重く受け止め、ご遺族にはおわびした。捜査中のため、内容に対する回答は差し控える」とのコメントを出した。
 同医院は1990年開業。不妊治療を専門としており、全国から患者が訪れている。

不妊治療の検査で女性死亡、担当医ら書類送検へ indexへ

 セントマザー産婦人科医院(北九州市)で2016年、不妊治療の検査 を受けた福岡県内の女性(当時30歳代)が死亡する医療事故があり、県警は担当した男性医師(30歳代)と男性院長(60歳代)ら医師3人について、23 日にも業務上過失致死容疑で福岡地検小倉支部に書類送検する方針を固めた。
 捜査関係者によると、女性は16年11月、不妊症の治療のため、卵管に詰まりが生じていないかを調べる検査を受けた。

名大病院職員の残業、過労死ライン超の月99時間…勤務管理は出勤の押印だけ indexへ

 名古屋大医学部付属病院(名古屋市昭和区)が労使協定(36協定)の上限を超えて事務職員に残業させたとして、名古屋東労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが同大に対する情報公開請求などで分かった。
 同大によると、病院側は2016年3月、医師を含む職員の代表者との間で残業時間の上限を月45時間などと設定。突発的な業務で対応する場合、年6回を限度に月60時間まで認めるとする協定を締結した。
 しかし、労基署は月60時間超の残業をした事務職員を7人確認。うち 1人は同年4月、国が定める過労死ライン(80時間)を超える99時間を記録した。年度初めで事務が重なったのが原因という。勤務時間の把握について、病 院側は出勤簿の押印だけを確認し、出退勤時間は把握していなかったという。
 労基署は同年12月2日付で是正勧告を出した。病院側は部署内での仕 事や情報を共有化し、互いにカバーできる体制を整えたほか、時間外の会議を見直すなどした。是正勧告について同大総務部は、「重く受け止める。管理・監督 者の意識改革を行い、職員にも協定の趣旨を周知徹底している」とコメントした。

「医療用医薬品」広告違反疑い30件、抗がん剤など誇大表現…厚労省調査 indexへ

 医師が処方する「医療用医薬品」に関する製薬会社の広告について、厚 生労働省が医療機関を通じて実態を調査したところ、抗がん剤など23製品で効能の誇大表現など法律や通知に違反する疑いのあるケースが、計30件あったこ とがわかった。同省は、製薬会社に情報提供の適正化を求める指針を作成する。
 調査は2017年度の2か月間実施。全国の医療機関の医師ら20人程 度をモニターに指定した。医師にパンフレットなどで製品情報を提供する医薬情報担当者(MR)の説明などで、問題がありそうなケースの報告を求めたとこ ろ、「事実誤認の恐れのある表現を使った」(9件)などの事例が見つかった。
 こうした事例が後を絶たないため、同省は指針の中に、MRを監督する部門の設置など社内体制の整備や、MRへの教育を製薬会社の責務とすることなどを盛り込む方針だ。

日本水産トクホ商品、成分含有量満たさず…消費者庁 indexへ

 消費者庁は9日、水産大手「日本水産」(東京)が通信販売していた「特定保健用食品」(トクホ)の「イマーク」で、健康に関与する成分の含有量が必要な量を満たしていなかったと発表した。
 同庁によると、イマークは2003年にトクホ表示の許可を得た清涼飲 料水(100ミリ・リットル入り)。血中の中性脂肪を低下させるという栄養素のEPA(エイコサペンタエン酸)が600ミリ・グラム、DHA(ドコサヘキ サエン酸)が260ミリ・グラム含まれるとされているが、同庁が昨年10月から行った抜き打ちの買い上げ検査(40品目対象)の結果、いずれも不足してい た。
 日本水産は「検査方法が異なり、自社の検査では問題なかった。栄養素の検出方法の変更を報告していなかったことが原因」としている。イマークは今年2月に製造を終了した。これまでに300万箱(1箱10本)以上売れたという。

50年前に新生児取り違えか、相手には伝えず…順天堂 indexへ

 順天堂医院(東京都文京区)を運営する学校法人順天堂は6日、約50年前に同院で新生児の取り違えが起きた可能性が高いと発表した。
 一部週刊誌で報道され、ホームページに経緯を掲載した。発表によると、最近行ったDNA検査で、約50年前に同院で生まれた当事者と、母親の間に遺伝上のつながりがないことが判明した。取り違えが起きた可能性は極めて高いとし、当事者らに謝罪したという。
 過去のカルテで取り違えの相手は絞られたが、現在の平穏な生活を乱す恐れがあるとして、伝えないことにしたという。ただし、本人や家族から問い合わせがあれば対応するとした。
 同法人は「関係者の皆様に心よりおわびする」とのコメントを掲載した。

17年の医療事故、過去最多の4095件 indexへ

 2017年に報告された医療事故の件数は、前年より213件多い計4095件で、報告が始まった05年以降、過去最多だったことがわかった。全国1049医療機関の集計。事故情報の収集を行っている公益財団法人「日本医療機能評価機構」(東京)が29日発表した。
 内訳は、医療事故の報告が義務づけられている大学病院など計276医療機関からの報告が、9割近い3598件だった。このほか、任意で773医療機関が497件の事故を報告した。

「無痛分娩で障害」因果関係を認めず…京都地裁が請求棄却 indexへ

 麻酔で出産の痛みを和らげる無痛 分娩での処置が原因で長女が脳に重い障害を負ったとして、京都府内の両親が医療法人「ふるき産婦人科」(京都府京田辺市、昨年末で休院)と男性院長に約1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、京都地裁は27日、請求を棄却した。
 判決などによると、母親(36)は2011年4月、同産婦人科で無痛 分娩のため、背中から麻酔薬を入れる「硬膜外麻酔」を受けた。院長は陣痛促進剤を注入するなどしたがうまくいかず、帝王切開で出産。長女は仮死状態で生ま れ、脳性まひで寝たきりのまま、3歳で亡くなった。
 藤田昌宏裁判長は判決で、院長には胎児の状態を確認する「分娩監視装置」を使わないなどの過失があったとする一方、長女が低酸素状態に陥った時期が不明で、院長の処置が脳性まひの原因になったとはいえないとして、請求を退けた。原告側は控訴する方針。
 無痛分娩を巡っては昨年、重大事故が各地で相次いでいたことが発覚。同産婦人科では12、16年にも事故が起きており、同地裁で2件の損害賠償請求訴訟が争われている。

群大病院13億円返還へ…診療報酬を不正・不当請求 indexへ

 手術死が続発した問題に絡み、診療報酬の不正請求が判明した群馬大学病院は23日、計13億4500万円の不正・不当 請求を確認し、返還すると発表した。同病院が昨年、厚生労働省関東信越厚生局から戒告の行政措置を受け、再点検したところ、すでに判明していた分の約17 倍に当たる返還額となった。
 このうち、「不正」と確認されたのは1億2800万円で、その約9割が保険適用外の 腹腔鏡手術について保険請求したものだった。算定要件や施設基準を満たさないなど「不当」と判断された請求は、計12億1700万円だった。
 同厚生局は昨年3月、監査の結果、計342件約8000万円の不正・不当請求を指摘。同病院は、監査前にさかのぼり、2010年4月~15年3月の診療報酬の記録を調べ、同様の不正がないか精査していた。
 病院側は「組織としての対応に問題があった」と認めたが、関係者の処分については、「現状ではお答えできない」と述べるにとどまった。
 同病院を巡っては、保険適用外の腹腔鏡手術を受けた患者8人の死亡が14年11月に発覚。後に開腹手術でも死亡が相次いでいたことがわかった。同病院は15年6月、高度な医療を担う特定機能病院の承認を取り消されている。

医師国家試験、合格率90.1%…合格者は9024人 indexへ

 厚生労働省は19日、医師国家試験の合格者を発表した。受験者1万 10人に対し、合格者は9024人。合格率は90.1%で前年より1.4ポイント上昇した。合格者は、男性5958人(合格率は89.1%)、女性 3066人(同92.2%)。新卒者の合格率は93.3%、既卒者は63.9%だった。

医療事故届け出370件…責任追及恐れて? 推定件数の2~3割にとどまる indexへ

 病院や診療所に患者の予期せぬ死亡事故の届け出などを義務付けた医療事故調査制度で、制度を運営する第三者機関「日本医療安全調査機構」は15日、昨年の届け出件数が前年より36件少ない370件だったと発表した。
 2015年の制度開始からの累計は857件で、厚生労働省が推定した年1300~2000件の2~3割にとどまっている。
 「手術」( 分娩を含む)に起因したものが最多の177件で、点滴などの「処置」が44件、輸血を含む「投薬・注射」が37件など。死亡から届け出までの平均日数は57・2日で、半年以上、届け出なかったケースも24件(6・5%)あった。
 同省は「医療機関が責任を追及されるのではと恐れ、届け出をためらっているのではないか。再発防止のため、積極的な届け出を促したい」としている。
 一方、医療機関が昨年、院内調査を終えて、報告書をまとめたのは 321件。このうち、約9割の297件に再発防止策が記載された。報告書の分量は最も少ないケースで1ページ、最多は49ページと医療機関によってばらつ きがあった。遺族らが同機構に再調査を依頼したのは39件だった。

血液製剤を不正製造…「化血研」の譲渡最終合意、7月から「KMバイオロジクス」 indexへ

 血液製剤を不正製造していた一般財団法人・化学 及び血清療法研究所(化血研、熊本市)は13日、「明治ホールディングス(HD)」と「Meiji Seika ファルマ」(いずれも東京)で構成する明治グ ループと熊本県内の地元企業グループ(7社・団体)、熊本県との間で、事業譲渡に関する最終合意に達し、契約書を締結したと発表した。今年7月から新会社 「KMバイオロジクス」として事業を引き継ぐ。
 同日開いた臨時評議員会を経て、臨時理事会で決議した。内容は昨年 12月の基本合意通りで、新会社への譲渡価格は約500億円。うち約200億円について〈1〉明治グループ49%〈2〉肥後銀行、再春館製薬所などの地元 企業グループ49%〈3〉熊本県2%――の割合で出資し、議決権を持つ。残り約300億円は、化血研と明治グループで無議決権株式として持ち合うほか、借 入金などを充てる。
 新会社は、すでに化血研が今月上旬に設立。7月までに化血研の事業を引き継いだ後、株式を買収され、明治HDの連結子会社となる。本社と製造拠点は熊本に残る。約1900人の従業員は希望すれば新会社へ移ることができる。
 蒲島郁夫・熊本県知事は「新会社が熊本を拠点に、更なる飛躍を遂げるよう、『扇の要』としての役割をしっかりと果たしたい」とのコメントを出した。

名大病院研究生が患者情報PC盗難…3000人分 indexへ

 名古屋大学医学部付属病院(名古屋市昭和区)と大垣市民病院(岐阜県 大垣市)は13日、付属病院の男性研究生(33)が、両病院の患者計約3000人分の個人情報が入った私物のノートパソコンとUSBメモリーを盗まれたと 発表した。個人情報の不正流用などは確認されていないという。発表によると、研究生は2月25日、東京都内で開かれた勉強会に参加した後、ゲームセンター でパソコンなどが入ったかばんを盗まれた。

介護職員の虐待、最悪…2016年度の高齢者被害870人・女性が7割 indexへ

 厚生労働省は9日、2016年度の介護職員による高齢者への虐待件数が452件で、統計を取り始めた06年度以来、最多を更新したと発表した。前年度比10・8%増。5年間で3倍に増え、人手不足が背景にあるとの指摘も出ている。
 職員や家族らから相談や通報を受け、自治体が虐待と認定した件数を集計した。1件で複数の被害者がいる例もあるため、被害者数は870人に上り、このうち女性が7割を占めた。
 施設別では、特別養護老人ホーム(124件)、有料老人ホーム(120件)が多かった。過去に虐待が発生した事業者で再び虐待が起きた事例が20件。同じ施設で被害者が10人以上いた事例も12件あった。
 要因は、「教育・知識・介護技術等に関する問題」(66・9%)が最 多で、「職員のストレスや感情コントロールの問題」(24・1%)が次いだ。虐待内容は、殴るなどの身体的虐待、暴言を吐くなどの心理的虐待、必要な介護 を怠る介護放棄、横領などの経済的虐待の順に多かった。
 一方、家庭内での虐待は1万6384件(前年度比2・6%増)で、25人が死亡した。息子からの虐待が4割を占めた。

患者死亡相次いだ千葉県がんセンター、がん拠点病院に再指定へ indexへ

  腹腔鏡を使う 膵臓手術などで患者の死亡が相次いだ千葉県がんセンター(千葉市)について、厚生労働省の有識者検討会は9日、がん診療連携拠点病院への再指定を認めることを決めた。
 同センターは2015年、一連の医療事故を理由に指定から外れていたが、医療安全対策の改善が評価された。これを踏まえ、厚労相が4月1日から1年間、拠点病院に指定する見通し。指定されれば診療報酬が優遇され、補助金が交付される。

強制不妊、旧厚生省が積極手術促す…自治体に文書「違憲ではない」強調 indexへ

 旧優生保護法に基づき知的障害者らが不妊手術を強制され た問題で、旧厚生省が同法施行翌年の1949年と57年、都道府県に対し、強制手術が違憲ではないことを強調し、積極的に手術することを促す文書を送付し ていたことが、わかった。専門家は「被害者の救済とともに、人権を無視した強制手術の実態を徹底して調査するべきだ」と指摘している。
 2通の文書は京都府立京都学・歴彩館に保管されていた。49年に旧厚 生省公衆衛生局長名で出された文書では、不妊手術を強制することについて、「強制優生手術を行うには医師により『公益上必要である』と認められることが前 提で、決して憲法の精神に背くものではない」と明記。憲法13条(幸福追求権)に反しないことを強調していた。
 また、手術が必要だと判断した審査会の決定が確定すれば、「本人が手術を受けることを拒否した場合にも手術を強行できる」とし、やむを得ない場合に限り、身体拘束なども認められるとしている。
 57年の旧厚生省公衆衛生局精神衛生課長名の文書では、手術件数が増えているものの、同省が確保した予算上の件数を下回っていると指摘。都道府県ごとの強制手術件数を示し、「実施件数が極めて不均衡」としたうえで、「関係者に対する 啓蒙活動と貴職の御努力により相当程度成績を向上せしめ得られるものと存ずる」などと積極的な手術を促していた。
 しかし、旧優生保護法は人権上問題があるとして96年、母体保護法に改正され、強制不妊手術の条文などは削除された。
 同法に詳しい藤野豊・敬和学園大教授は「国会や厚生労働省は当時、国や自治体が積極的に政策を推し進めていた事実を重く受け止める必要がある。この問題に無関心だった社会のあり方も含めて早急に検証し、国は補償を検討すべきだ」と話している。

「早く救済措置講じて」

 強制手術を受けた人らからは早期の救済を望む声が上がっている。
 全国で2例目となる国家賠償請求訴訟を仙台地裁に起こすことを決めた仙台市の70歳代の女性は6日、取材に応じ、「手術を受けた人たちは高齢化している。できる限り早く救済措置を講じてほしい」と訴えた。
 女性は中学3年の頃、民生委員の指導で親元を離れて市内の知的障害 児が通う施設に移り、16歳の時、事前の説明もないまま不妊手術を受けた。後に、両親が「不妊手術を受けた」と話しているのを聞き、事実を知ったという。 東京で就職して結婚もしたが、子供を産めないことに引け目を感じ、離婚したという。
 1960年代に勤務していた東京都立病院で優生保護手術の申請に関わったという精神科医の岡田靖雄さん(86)(東京都杉並区)も「立法による救済を急ぐ必要がある」と話す。
 同病院では年に数回、医局の黒板に不妊手術が必要な患者を書きだすよう通知があり、30歳代ぐらいの女性の手術の申請に関わり、不妊手術にも立ち会ったという。
 岡田さんは「当時、自身を含めた多くの医師が疑問を持たず、差別的な制度に加担してしまった」と振り返り、「審査の過程も含め、問題点を明らかにすべきだ」としている。

救済目指す超党派議連が発足

 旧優生保護法下の強制不妊手術問題で、議員立法などによる救済を目指す超党派の議員連盟が6日、国会内で設立総会を開いた。
 設立総会には自民、公明、立憲民主などの衆参両院議員約20人が参加した。会長には自民党の尾辻秀久・元厚生労働相が就いた。不妊手術を強制された人などからヒアリングを行い、具体的な支援策を検討する。
 読売新聞の調査では、手術を強制された1万6475人のうち、個人を特定できる資料は約2割しか残っておらず、実態の把握が課題だ。勉強会では、出席した議員から、政府に実態調査を求める声が相次いだ。厚労省は「関係省庁としっかり協議して対応する」と回答した。

医師残業、月178時間…名古屋・東部医療センターに労基署が是正勧告 indexへ

 名古屋市千種区の市立東部医療センターが労使協定(36協定)の上限を超えて医師を働かせていたとして、名古屋東労働基準監督署から是正勧告を受けていたことがわかった。
 同センターは一般の救急医療機関では対応できない患者に対し、24時間体制で高度な医療を提供する愛知県指定の「救命救急センター」で、勧告は昨年11月30日付。
 センターによると、最長で月150時間の残業を可能とする協定を締結していたが、同労基署が調査した結果、外科などに所属する20、30歳代の若手4人が昨年4~9月、月152~178時間の残業をしていたことが判明。残業代は支払っていたという。
 勧告を受け、当直明けに早く帰宅するなど勤務体制を改善し、1月に上限を超える医師はいなくなった。センターは病床数498床。在籍する医師は86人で、1日時点の欠員は9人。担当者は「医師を補助する事務員を増やすなどし、改善を図りたい」としている。

岐阜・羽島の病院も…月103時間残業

 岐阜県羽島市の羽島市民病院が労使協定(36協定)の上限を超えて医師に残業させたとして、岐阜労働基準監督署から是正勧告を受けていたことがわかった。勧告は昨年2月24日付。
 同病院によると、残業の上限を月45時間とした上で、特別条項として年6回を限度に85時間まで認める協定を結んでいたが、昨年1月に男性医師1人が103時間の残業をしていた。同病院は「手術が長引いたり、容体の変化に対応したりしたため」としている。
 勧告を受け、同病院は昨年4月、特別条項の残業の上限を月100時間に引き上げて協定を結び直した。さらに、非常勤の医師を夜間当直に2人、日中の外来に3人増やすなどした結果、医師の残業時間が大幅に減ったという。
 浅井朱門事務局長は「勧告を 真摯に受け止め、医師の確保や業務改善に引き続き取り組む」と話した。

強制不妊手術調査、60人分の資料発見…愛知県 indexへ

 愛知県は1日、旧優生保護法に基づき、知的障害などのため県優生保護審査会で強制不妊手術の適否を判断された県内60人分の資料が見つかったと発表した。
 見つかったのは、1966~71年度に不妊手術の適否を判断された人 の氏名や生年月日、住所のほか、家族の精神障害や知的障害の状況が記された資料。審査会の決定通知や保護者の同意書などもあった。この間に、医師ら9人か らなる審査会は8回開かれ、審査した男性8人、女性52人のうち男女55人について、強制的な手術が適当としていた。ただ、医師が手術後に県に出す記録は 見つかっておらず、実際に手術したかどうかは不明という。
 県の統計によると、県内では49~81年に255人に対して強制不妊手術が行われ、66~71年は17人となっている。

精神指定医資格の不正取得…医師の処分、地裁が執行停止 indexへ

 精神障害者の強制入院などを判断する精神保健指定医の資格の不正取得問題で、厚生労働省が業務停止処分とした医師1人について、東京地裁が今月6日、執行停止を命じていたことがわかった。
 関係者によると、執行停止となったのは、精神保健指定医の資格不正取 得に関与したとして、厚労省が今年1月、1か月の業務停止処分を決定した指導医。処分の発効は今月8日からだったが、医師は「業務停止は地域医療に影響が 出る」などとして、東京地裁に執行停止を申し立てていた。

強制不妊、101人に「手術適当」…大分県に資料2年分 indexへ

 旧優生保護法(1948~96年)に基づき、知的障害者らが不妊手術を強制されていた問題で、大分県は22日、手術の適否を決める1957年度と60年度の県優生保護審査会に関する資料が県公文書館に保管されていたと発表した。
 県健康づくり支援課によると、資料は57、60年度に医師が審査会に提出した申請書や病名などが記された調査書、審査結果を盛り込んだ議事録など。
 申請があったのは12~49歳の延べ110人(男性44人、女性66人)。「保留」の審査結果を受け、複数回申請された人が含まれている。
 このうち、手術が適当との決定が出ていたのは計101人(男性41人、女性60人)で、最年少は14歳女子、最高齢は49歳男性だった。実際に手術を受けた人数は不明という。
 県の公衆衛生年鑑によると、県内では54~76年に、同法に基づく手術が計663人に行われたとの記録が残っているが、57年度と60年度以外の審査や手術に関する資料は見つかっておらず、破棄されたと考えられるという。

同意のない手術1万6475件…強制不妊、救済の動き indexへ

 自民、公明両党の幹事長、国会対策委員長は21日、東京都内のホテルで会談し、旧優生保護法に基づき知的障害者らが不妊手術を強制された問題について、議員立法も含めた救済措置を検討する方針で一致した。
 会談では、公明党の井上幹事長が「与党として何らかの形で救済すべきだ」と訴え、自民党の二階幹事長は「その通りだ」と応じた。
 自民党の森山裕国対委員長は会談後、記者団に、「救済は極めて大事な問題との認識で一致した」と語った。
 そのうえで、「法案化するなら議員立法になるだろう。野党も含めた対 応が必要になってくる」と述べ、野党にも協力を呼びかける考えを示した。まず自民、公明両党の政務調査会で問題の経緯などについて調べた後、与党内にプロ ジェクトチームを作り、救済に向けた法案を議員立法で作成する方針。立憲民主党や社民党など野党内でも、救済に向けた超党派の議員連盟設立の動きがある。

優生保護法下で…女性7割、北海道が最多

 この問題を巡っては、国に損害賠償を求める訴訟や自治体による資料の開示の動きが広がりつつある。
 宮城県内の60歳代の女性は今年1月、全国で初めて国に1100万円 の損害賠償を求め、仙台地裁に提訴した。今月19日には、村井嘉浩知事が手術の公的記録がない仙台市の70歳代の女性について、「いくつかの論拠を示せ ば、裁判で手術を受けたことは認める」と明言。これを受け、この女性も同地裁への提訴を決めた。
 このほか、東京都と札幌市の70歳代の男性2人がそれぞれ、東京、札幌両地裁に提訴を検討している。
 また、北海道も19日、資料が保存されていた1210人分の性別や年代、疾患の内訳などを公表。9割超の1129人が道の審査会で手術が適当と判断されたことなどを明らかにした。
 厚生労働省によると、旧優生保護法の下で行われた、本人の同意のない手術は少なくとも1万6475件あり、このうち女性が7割を占めた。都道府県別では北海道(2593件)が最も多く、以下、宮城(1406件)などが続いた。
 同省幹部は「与野党から求められれば、都道府県の資料の保管状況などについて調査することも検討せざるをえない」としている。

草加市立病院、基準満たさず腹腔鏡手術…子宮がん「開腹」と不正請求 indexへ

 埼玉県の草加市立病院は16日、必要な基準を満たしていないにもかかわらず、子宮がんの腹腔鏡手術を行い、開腹手術をしたとする不正請求をして診療報酬を受け取っていたと発表した。2012年度からの累計で不正請求は69件、受け取った診療報酬と患者側の支払い分は計約1億円という。
 問題があったのは、58人に対する子宮体がん手術と、11人に対する子宮頸がん手術。国の基準では、早期の子宮体がんの腹腔鏡手術は、経験豊富な常勤医が配置されている場合に限り保険適用が認められている。子宮頸がんの場合は保険適用外だ。

「胃がん」検査結果見逃す…堺市医療センター、治療7か月遅れ indexへ

 地方独立行政法人・堺市立病院機構は14日、運営する市立総合医療センター(堺市西区)で、男性主治医が70歳代の女性患者の検査結果を見落とし、がんの発見が約7か月遅れる医療ミスがあったと発表した。
 女性は治療開始から約1年後に死亡。同機構は「治療の遅れを招いた」として遺族に謝罪した。
 発表によると、女性は16年2月、胃の痛みを訴え、同センターで胃の内視鏡検査と病理検査を受診。病理検査の担当医師は胃がんを見つけ、電子カルテに添付された報告書に記載したが、主治医がこれに気付かず、カルテに書かれた内視鏡検査の所見だけで胃潰瘍と判断した。
 約7か月後に女性が吐き気を訴えたため、別の医師が再検査した際、以前の検査結果に気付いた。女性は16年10月、胃の一部を切除する手術を受け、抗がん剤治療を続けたが、昨年9月に死亡した。
 主治医は既に退職し、別の病院に勤務中。調査に「内視鏡検査の結果が『胃潰瘍』と書かれており、そう思い込んでしまった」と話しているという。
 同機構は「ミスと死亡の因果関係は不明だが、がんは当初からかなり進行していたと考えられる」と説明。一方で、医師間の情報共有が不十分だったとして、病理検査結果の連絡体制やカルテの記載方法を見直すなどの再発防止策をまとめた。
 花房俊昭院長は「情報共有とチェック体制の不備で医療ミスを起こし、患者のご家族に深くおわびする」と陳謝した。

強制不妊手術:旧厚生省が「優生手術」増を要請 indexへ

 国家予算で障害者への不妊手術を強制した旧優生保護法(1948~96年)をめぐる問題で、厚 生省(当時)が57年、手術件数の少ない県を暗に批判した上で、手術実施に伴う費用が国の予算を下回っていることを理由に各都道府県に件数を増やすよう求 める文書を送付していたことが判明した。前年の56年は、それまで増加傾向にあった全国の強制手術件数が初めて減少に転じていた。専門家は文書が送付され た背景に「予算枠を減らしたくない役所の論理」があったと指摘している。
 文書は手書きの計2枚で、旧厚生省公衆衛生局精神衛生課が57年 4月27日に作成。同課の課長名で差し出され「各都道府県衛生主管部(局)長」宛てになっている。同省と都道府県の担当者間で交わされた書簡の一つとみら れ、京都府立京都学・歴彩館(公文書館)に保管されていた現物の写しを毎日新聞が入手した。
© 毎日新聞 京都府立京都学・歴彩館に保管されていた、旧厚生省精神衛生課長名で全国に送付された…
 文書はまず「例年優生手術の実施件数は逐年増加の途を辿(たど)っているとはいえ予算上の件数を下回っている」と懸念を示している。その上で、 56年に各都道府県が同省に報告した強制手術件数をまとめた一覧表を添付し、「実施件数を比較してみますと別紙資料のとおり極めて不均衡である」と都道府 県の件数格差を指摘。「手術対象者が存在しないということではなく、関係者に対する啓蒙(けいもう)活動と貴殿の御努力により相当程度成績を向上せしめ得 られるものと存ずる次第」「本年度における優生手術の実施につきまして特段のご配意を賜りその実をあげられるよう御願い申し上げる」などとし、手術件数を 増やすよう求める内容だ。
 旧厚生省の衛生年報などによると、強制手術を受けた数は全国で55年に1362件とピークを迎えた後、56年に 1264件と減少に転じた。文書が送付された57年も全国的な減少傾向に歯止めはかからなかったが、山形▽宮城▽愛知▽長野▽徳島▽福岡▽鹿児島など10 県以上は57~58年にかけて増加に転じていた。
 同法が改定された後の母体保護法を所管する厚生労働省の担当者は「原本が(手元に)なく、どういう経緯で出されたのか把握できないためコメントできない」と話している。
 国の責任大きい
  旧優生保護法をめぐる問題に詳しい、東京大大学院総合文化研究科の市野川容孝教授(医療社会学)の話 今回の都道府県宛て文書からは、予算枠を減らしたく ないという役所の論理がにじみ出ている。強制手術が推進された裏には(行政の)予算の力学が働いていた可能性が大きい。予算消化が優先されたならば、手術 の可否を決める都道府県の審査会の判断に影響を及ぼした可能性は否定できない。国の責任は大きく、早急に実態を解明すべきだ。

脳内圧力下げる機器で事故7件…脳出血、意識障害など重篤状態も indexへ

 脳内の圧力を下げる医療機器の不適切な取り扱いで事故が複数あったため、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が医療者向けに注意を呼びかけている。
 対象の医療機器は「開放式脳室ドレナージ」。脳腫瘍やくも膜下出血などの患者の脳に管を入れて、余分な脳脊髄液や血液を排出するために使われる。
 その際、管の中の圧力を調整するクリップを開き忘れると、液を吸い出す圧力が高まり、脳脊髄液などが過剰に排出されてしまう。
 PMDAによると、こうした事故が2004~17年に7件あり、患者が脳出血や意識障害などの重篤な状態に陥った事例もある。
 PMDAは「機器の仕組みを理解し、正しい手順で使用してほしい」と注意を促している。

チューブ位置「正しいと過信」…大阪市医療センター、乳児事故で謝罪 indexへ

 大阪市立総合医療センター(大阪市都島区)で昨年9月、生後2か月の女児に、医師が気管に空気を送るチューブを誤って食道に入れ、女児の脳に重い障害が残った事故で、同センターの幹部が14日、市役所で記者会見し、謝罪した。
 会見には事故調査を担当した山根孝久・副院長ら4人が出席。西上和伸・総務部長は冒頭、「患者さまやご家族には深くおわび申し上げます」と述べ、全員で頭を下げた。
 同センターなどによると、女児は心臓に持病があり、昨年9月19日に手術。気管にチューブを通し、人工呼吸を受けていた。
 集中治療部の30代の男性医師2人は同22日午後2時50分、回復具合を確かめるためチューブを出し入れした際、誤って食道にチューブを入れた。女児の心拍や血圧が下がり、チューブを複数の医師で確認したが、「気管に正しく入っているように見える」と判断した。
 午後4時10分には、気管支内を映すカメラではチューブが食道に入っ ていることを認めたが、挿管の手続きは正しく行われたため気管に入れたと判断し、チューブを抜かなかった。ただ、肺に十分な空気が届いていることを示す データを確認できず、午後4時50分頃に最終的に正しく入れ直したという。
 2時間にわたって女児に酸素が送り込めず、その間、心臓は29分間停 止。医師らは蘇生措置を施したが、女児は低酸素脳症に陥り、脳に重い後遺症を負った。山根副院長は「(正しく入っているとの)過信があった。疑いがあれば 早期にチューブを抜くよう再発防止を徹底する」と述べた。
 女児は集中治療室で治療中で、回復のめどは立っていない。山根副院長は「視覚や聴覚、運動機能などに重度の障害が残る可能性がある」と話した。

「脅された」「見せ物のよう」…精神科入院経験者、身体拘束「納得せず」約半数 indexへ

 精神科に入院し、ベッドに手足を縛られるなどの身体拘束を受けた経験がある人のうち、約半数が納得していない、という調査結果をNPO法人「地域精神保健福祉機構」(千葉県市川市)がまとめた。
 精神科では、精神保健福祉法で資格を持つ医師が国の基準に基づき患者を最小限、身体拘束できる。昨年5月に拘束を受けたニュージーランド人が死亡。同機構は同9月、精神疾患を持つ人にインターネットで調査を行った。
 200人の回答のうち170人が精神科病棟のある病院への入院を経験。80人が身体拘束を受けたことがあると回答した。41人は「納得していない」と振り返った。拘束時に理由を説明されたかとの問いには、20人が「なかった」とした。
 調査には「看護師に笑顔で『きつく縛ってやる』と脅された」「拘束される私を見に看護師が集まり見せ物のようだった」という声も寄せられた。
 身体拘束に詳しい杏林大学教授の長谷川利夫さんは「人権が守られていないケースが見られ、問題だ。拘束する時の様子を録画する仕組みを取り入れ、後から検証できるようにし、不要な拘束をなくすことが重要」と話している。

呼吸の管を食道に、医療事故で乳児寝たきり…大阪市医療センター indexへ

 大阪市立総合医療センター(大阪市都島区)で昨年9月、生後2か月の女児に心臓手術を施した後の処置で、気管に空気を送るチューブを医師が誤って食道に入れてしまい、女児が一時的に心停止する事故が起きていたことがわかった。
 女児は低酸素脳症による重度の後遺症があり、現在も寝たきりの状態が続いている。センター側はすでに親族に謝罪している。
 大阪市や親族によると、女児は生まれつき心臓病があり、昨年9月19日に手術を受け成功した。その際、気管にチューブを通し、呼吸の補助を受けていた。
 回復してきたため、同22日、自発呼吸ができるか調べようと、医師がいったんチューブを抜いてみたが、正式にチューブを抜くにはまだ時間が必要と判断。改めてチューブを口から差し込んだ際、誤って食道に入れてしまったという。
 医師がしばらく誤りに気付かなかったため、十分な酸素が行き届かず、女児は約30分間、心臓が停止。人工心肺装置を付け、心拍は再開したものの、低酸素脳症に陥って脳に障害を負った。現在も意識が戻っていない。集中治療室から出られず、退院のめどは立っていない。
 女児の母親は取材に応じ「娘の容体がおかしくなった時にすぐにチューブを抜いていれば、ここまでひどくはならなかったのではないか。事故で娘の人生は一変してしまった」と話している。
 センター側は慰謝料などの補償を検討している。大阪市は「重大な事故だと認識している。今後、再発防止へ安全管理の徹底が必要だ」としている

中核99病院、医師の違法残業などで是正勧告 indexへ

 地域医療の中心となる全国約350の病院のうち、少なくとも99病院が2016年1月以降、医師の違法残業などで労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが、読売新聞の調査でわかった。
 病院側は長時間労働の理由を、医師不足や正当な理由なく診療を拒めない「 応召義務」があるためなどと説明。医師の厳しい労働実態と労務管理の難しさが浮き彫りになった

新型出生前検査、学会の認定外3施設が対象疾患拡大へ…無秩序拡大に歯止め効かず indexへ

 妊婦の血液で胎児の病気を調べる新型出生前検査について、学会の認定 を受けずに検査をしている民間の3医療機関が近く、検査の対象疾患を大幅に拡大することがわかった。認定外施設の存在を問題視してきた学会は、実施施設の 制限を緩和して無秩序な広がりを抑える方針だが、拡大に歯止めがかからない実態が浮き彫りになった。
 新型検査の実施に法規制はないが、学会が独自に認定制度を創設。日本産科婦人科学会(日産婦)の指針のもと、条件を満たした89施設を日本医学会が認定し、ダウン症など染色体の病気3種に限り、臨床研究として行うこととしている。
 ただ、強制力はなく、少なくとも三つの認定外施設が検査を手がけ、この3種以外にいくつかの病気も検査対象としていた。
 このうち、大阪の病院とその系列である東京の診療所の計2施設は取材 に、全染色体の数の異常を調べる検査を4日から導入すると表明。これにより、20以上の病気を調べられる。5月には、染色体の一部が欠けていることで知的 障害などの原因となる「微小欠失」という病気の検査も行う方針。院長の男性は「妊婦の期待に応えるため」としている。
 東京の別の認定外診療所は、染色体の数や形に異常はないが、一つの遺伝子の変異により発症する「筋ジストロフィー」などを新たに対象に加えるという。
 日産婦は先月、検査の認定条件を緩和し、一般診療として幅広く実施を認めることで、認定外施設に妊婦が流れることを抑止する方針を固めていた。
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【 新型出生前検査 】 妊娠10~22週の妊婦の血液中に混じる胎児のDNAを調べる。陰性なら99%病気はないが、陽性なら羊水を採取する確定検査が必要。現在は、遺伝カ ウンセリング体制が整った施設を学会が認定する。対象となる妊婦の条件は、〈1〉高齢(35歳以上)〈2〉過去に染色体異常の胎児を妊娠〈3〉超音波検査 などで胎児の病気の疑いが判明――など。

奈良県の2病院に労基署が是正勧告…残業超過や手当未払い indexへ

 奈良県西和医療センター(奈良県三郷町)が、労使協定(36協定)の上限を超えて医師を働かせ、時間外手当の一部が未払いだったとして、昨年8月に奈良労働基準監督署から是正勧告を受けたことがわかった。
 同センターによると、医師との間に特段の事情がある場合、最長月80 時間の残業を可能とする協定を締結していたが、同労基署が医師の労働時間を調査したところ、上限を超えて働いたり、超過時間分の時間外手当の一部が未払い だったりした。同センターは、すでに未払い分として38人に計約3000万円を支払っており、「医師不足で長時間勤務になりがちだが、再発防止に努めた い」としている。
 このほか、奈良県立医科大病院(同県橿原市)が、時間外手当の一部が未払いの医師が複数いるとして、昨年9月に葛城労働基準監督署から是正勧告を受けたことも判明した。未払いの賃金は今後、支払うという。同病院は「勧告を 真摯に受け止め、改善したい」としている。

生のシカ肉食べた献血者から感染か…輸血でE型肝炎、80代女性が死亡 indexへ

 多発性骨髄腫の治療を受けていた80歳代の女性が昨年7月に血液製剤の輸血でE型肝炎ウイルスに感染し、約100日後、劇症肝炎で死亡していたことがわかった。
 日本赤十字社が31日に開かれた厚生労働省の有識者会議で報告した。日赤によると、E型肝炎ウイルスの混入による死亡例は海外も含めて初めてという。
 日赤によると、女性は輸血の5か月前から抗がん剤の投与を受けており、肝機能が低下していたことに加え、E型肝炎ウイルスに感染したことが複合要因となって死亡したとみられる。
 また、献血者が食べた生のシカ肉にウイルスが潜み、E型肝炎に感染した可能性があることも判明。このため、日赤は当分の間は、加熱が不十分な野生動物の肉を食べるなどした人に献血を自粛するよう呼びかけるという。

理研に提供した健康データ386件にミス…東北メディカル・メガバンク indexへ

 住民の健康データを集めて将来の医療に役立てるプロジェクト「東北メディカル・メガバンク」で、2014年に理化学研究所に提供された1万人分のデータのうち、転記ミスなどによる性別の間違いが386件あったことが分かった。
 同バンクは理研の指摘で修正、再発防止策もとり、他の提供データに影響はないとしている。
 医学研究などに利用されるデータには正確性が求められるが、一度に400件近いミスは異例だ。
 同バンクは東日本大震災の復興事業。東北大学と岩手医科大学が連携し、主に健康な人の血液や生活習慣のデータを集めて研究者に提供、病気の解明などに役立てる。国内3大バイオバンクの一つ。
 理研は、糖尿病やがんなど47疾患に関係する遺伝情報を研究するため、比較対象となる健康な人のデータを両大学から半分ずつ、計1万人分を提供された。
 ミス386件の内訳は、転記ミスが371件、検体取り違えが14件、その他が1件。転記ミスは、すべて東北大学分だった。
 バンクは「事業初期で作業に不慣れな上、納期まで期間が短く、十分な確認作業を怠ったことが原因」などと説明している。

旧優生保護法に基づく不妊手術強制、初の提訴「国が障害者差別」 indexへ

 旧優生保護法に基づき知的障害を理由に不妊手術を強制されたのは憲法違反であり、救済措置も行われていないとして、宮城県内の60歳代の女性が30日、国を相手取り1100万円の損害賠償を求める訴訟を仙台地裁に起こした。
 弁護団によると、強制不妊手術の責任を国に問う訴訟は全国で初めて。旧優生保護法下で行われた本人の同意のない手術は、全国で1万6000件以上とされる。
 弁護団によると、女性は15歳だった1972年、県の検査で「遺伝性 精神薄弱」と判断され、県内の病院で不妊手術を強制された。裁判では、同法は子供を産むかどうかの自己決定権や個人の尊厳を侵害しており、幸福追求権を保 障する憲法に違反していると主張。さらに、障害者差別にあたるとして96年に母体保護法に改正された後も、被害者の救済制度を作らなかった国の不作為も追 及する。
 民法は賠償請求権が失われる除斥期間(20年)を設けているが、弁護団は国の違法性は現在も続いており、該当しないとみている。
 過去に同様の手術が行われたドイツやスウェーデンでは、国が謝罪し、補償を行っている。

介護事業者の倒産、111件で過去最多「事業計画甘い零細業者が多数か」 indexへ

 2017年1~12月の介護事業者の倒産が111件に上り、過去最多だった16年の年間倒産件数(108件)を更新した。信用調査会社の東京商工リサーチが、発表した。人手不足による賃金の高騰などで、小規模業者を中心に経営が厳しくなっているようだ。
 111件の業種別内訳では訪問介護(45件)とデイサービスなど (44件)で8割を占めた。倒産の理由では、業績不振(51件)、事業の失敗(26件)が多かった。同社は、「事業計画の甘い零細事業者が思惑通りに業績 を上げられず、経営に行き詰まったケースが多いとみられる」とする。
 負債総額は約150億円と、16年(約94億円)から大幅に増加。負債10億円以上の大型倒産が計5件あったことが影響した。

マタハラ「退職扱い」違法…歯科医院に賠償命令 indexへ

 産休や育児休業に関して嫌がらせを受け、うつ病を発症して休職中に退 職扱いとなった20歳代の女性が、勤務先の岐阜市の歯科医院や上司に約1050万円の損害賠償と従業員としての地位確認を求めた訴訟の判決が26日、岐阜 地裁であった。鈴木基之裁判長は、うつ病の発症は産休や育休に関して非難されるなどした精神的負荷の積み重ねが原因と認め、「退職扱いは違法」として、計 約500万円の支払いを命じた。
 訴えたのは、岐阜県本巣市の女性。判決によると、女性は2010年、 岐阜市の「コメット歯科クリニック」に歯科技工士として採用されたが、13年に妊娠を報告した頃から有給休暇の取得を断念させられる嫌がらせなど、上司か らマタニティー・ハラスメントを受けるようになった。
 女性は産休や育休を取得し、職場に復帰。再び妊娠すると、上司に「また産休やるの」「自分の都合ばっかりで、こっちの不利益は考えないの」と言われるなどし、うつ病を発症した。
 半年間の休職後、同クリニックは就業規則が定めた休職期間を満了したとして、女性を退職扱いとした。
 判決は、うつ病の発症について「業務に起因するもので、療養中になされた退職扱いは違法で無効」と判断し、慰謝料などの支払いを命じた。
 女性の代理人弁護士は「マタハラの違法性を認めた判決で、高く評価できる」と話した。一方、同クリニック側は「判決を確認した上で控訴する」としている。

偽造の肝炎薬、夫婦逮捕へ…卸売業者に販売疑い indexへ

 高額のC型肝炎治療薬「ハーボニー」の偽造品が流通した事件で、警視 庁は26日、住所不定、無職の男(43)と妻(49)が医薬品卸売業者に偽造品を販売した疑いが強まったとして、医薬品医療機器法違反(模造医薬品の販売 など)容疑で逮捕状を取った。2人は昨年、覚醒剤や危険ドラッグの所持容疑で広島県警に逮捕されて公判中で、同庁は今後、身柄を移送し、入手ルートを調べ る。
 捜査関係者によると、2人は昨年1月4日、東京・神田の「現金問屋」 と呼ばれる卸売業者(廃業)に、ハーボニーの偽造品のボトル2本を、薬価より約120万円安い計約180万円で販売したほか、2016年8~10月には石 川県の業者にC型肝炎治療薬「ソバルディ」のボトル2本を計約100万円で無許可で販売した疑い。

日赤和歌山、残業最大で月150時間…労基署が是正勧告 indexへ

 日赤和歌山医療センター(和歌山市)が、労使協定(36協定)の上限を最長50時間超えて医師を働かせ、一部の時間外手当が未払いだったとして昨年8月、和歌山労働基準監督署から是正勧告を受けていたことがわかった。
 同センターは、医師との間に、特段の事情がある場合は最長月100時 間の残業を可能とする協定を締結。しかし、2016年11月~17年4月、常勤医約200人のうち毎月10~20人の残業時間が上限を超え、最大で月 150時間に達していたほか、宿直担当医師の時間外手当も未払いだった。

群大手術死…「患者説明」録音を開始、学長は遺族に直接謝罪 indexへ

 群馬大学病院の手術死問題で、同病院は22日、前橋市内 で記者会見を開き、遺族を対象に同日まで2日間にわたり行った説明会で、院内の改革状況を報告したと発表した。遺族が要望してきたインフォームド・コンセ ント(IC=説明と同意)の録音について、今月から一部で開始したほか、医療安全の「メモリアルデー」を設ける方針を明らかにした。
 同病院によると、21、22日の説明会には、遺族21組31人が参加。説明会では、平塚浩士学長が「苦痛を与えたことを心よりおわび申し上げる。診療体制や医療事故への対応に不備があったことでご迷惑をおかけした」と遺族に直接謝罪した後、田村 遵一病院長らが再発防止に向けた改革状況を報告した。
 会見した田村病院長によると、遺族会が昨年11月に文書で申し入れた 要望のうち、ICの録音は今月19日から試験的に導入しており、今後、希望者には全例で行うという。手術の録画も、段階的に拡大していくとした。遺族が参 加するメモリアルデーについては、6月頃に定める方向で検討する。
 説明会で遺族からは「なぜ問題が発覚するまで適切な対応ができなかったのか」との指摘を受けたという。田村病院長は「改革をきっちり進めてほしいという要望をいただき、我々としても必ずこれを実践したい」と決意を述べた。
 説明会の後、遺族会と弁護団も記者会見を開き、目標が確実に実行されるか見守る重要性を指摘。代表の木村豊さん(49)は「改革が打ち上げ花火でなく、継続していくようにしてもらいたい」と話した。
 同病院の手術を巡っては、2014年11月、肝臓の 腹腔鏡手術を受けた患者が相次ぎ死亡していたことが発覚。その後、肝臓や 膵臓の開腹手術でも患者の死亡続発がわかり、第三者による調査が行われた。

遺族、インフォームド・コンセントの取り組み評価…医師の多忙解消なお課題

 群馬大学病院の手術死問題で、21、22の両日、遺族を対象に開かれ た説明会。同大が報告した改革の取り組みについて、遺族側は一定の評価をした。ただ、人員不足の状態が続き医師らが多忙な現状は相変わらずで、遺族は「今 回の問題の根源だと思っており、意識がまだ欠けている」と懸念を示した。(前橋支局 蛭川裕太、岩下亮)
 22日の説明会後、9組の遺族からなる遺族会は、弁護団とともに同 病院で記者会見した。同病院で行われているインフォームド・コンセント(IC=説明と同意)の取り組みのうち、医師の説明後、同席した看護師がチェック シートをもとに医師や自分自身の対応について評価していることに対し、「画期的で、他に類を見ない取り組み」(弁護団の梶浦明裕事務局長)と高く評価し た。
 説明会では、一連の事故を受け、群馬大に新たに設けられた医療の 質・安全学講座の小松康宏教授から、民間企業が2017年3月に全国133病院を対象に行った「医療における安全文化に関する調査」の結果に基づく同病院 への評価も示された。それによると、「上司の医療安全に対する態度や行動」「部署内でのチームワーク」がいずれも1位、「インシデント(ヒヤリハット)の 報告される頻度」2位、「医療安全に対する総合的理解」3位など重要な項目で上位となっており、「安全文化」に改善がみられた。しかし、一連の死亡事故の 背景として執刀医の多忙さが指摘されながら、「人員配置(業務が忙しい)」の項目では86位にとどまり、人員不足が解消されていない現状もうかがえる結果 となった。
 このことについて、遺族会代表の30歳代の男性は「負担が医療現場 にかかっている。群馬大学だけでは解決できない問題なので、行政にも対策を練ってもらいたい」と指摘した。同じく代表の木村豊さん(49)も「今回の医療 事故の原因に関わる部分だと思う。多忙や人手不足については、過剰にならないよう改善をお願いしたい」と話した。
 その後、開かれた病院側の記者会見で、田村遵一・病院長は、多忙な 現場の状況が改善されていないとの指摘について、「群馬大学病院は、病院の規模のわりに外来患者が多く、医師や看護師の負担になっている。それは県内のほ かの医療機関との連携がなっていないためでもあり、反省している。開業医の先生らとも連携して外来の混雑を改善し、職員の負担を減らしていきたい」と話 し、改善を進めていく方針を示した。

京大iPS研・36歳助教が論文不正…グラフ捏造、改ざん indexへ

 京都大は22日、同大iPS細胞研究所に所属する 山水康平・特定拠点助教(36)(幹細胞生物学)が昨年2月に米科学誌に発表したiPS細胞(人工多能性幹細胞)に関する研究論文で、グラフ12個のうち11個に 捏造や改ざんの不正行為があったと発表した。
 山水助教は「論文の見栄えを良くしたかった」と不正を認めているという。京大は既に科学誌の出版社に対し、論文の取り下げを申請している。
 同研究所は、iPS細胞を開発した山中伸弥教授が所長を務める国内有数のiPS細胞研究拠点。同研究所での研究不正の発覚は初めてで、京大は山中所長も含めて処分を検討する。

医師が長時間残業、杏林大病院に是正勧告…割り増し不足分3億円を支給 indexへ

 杏林大学病院(東京都三鷹市)が、医師に労使協定(36協定)の上限を超える残業をさせ、残業代の支払いも不十分だったとして、病院を運営する杏林学園が、三鷹労働基準監督署から是正勧告を受けていたことがわかった。
 同学園は、医師約600人に残業代の割り増し不足分計約3億円を支給した。
 同学園によると、病院に勤務する研修医を含む医師計約700人との間で、特段の事情が発生した場合の残業時間を最大月70時間とする労使協定を締結。
 しかし、同労基署から、医師の残業時間について、厚生労働省が「過労死ライン」とする2~6か月平均80時間を十数人が超え、月100時間を超えた医師も数人いたとの指摘を受けた。体調を崩した人はいなかったという。
 また、医師約600人の残業代の割り増し分も、労働基準法の割増率を下回っていた。同学園は昨年12月、同労基署の調査対象となった昨年4~9月の不足分を一括で支給した。
 担当者は「是正勧告を重く受け止め、改善に着手している」と話している。

群馬大病院手術死、改革策を遺族に報告…学長と病院長が正式に謝罪 indexへ

 群馬大学病院の手術死問題で、病院側は21日、遺族らに改革状況を報告する説明会を前橋市内で開き、学長と病院長が正式に謝罪した。
 公式の場で遺族に直接、学長が謝罪したのは初めて。同様の説明会は22日にも開き、その後の記者会見で詳細を発表する。9遺族からなる遺族会はこれまで、病院側に再発防止を求めてきた。昨年11月には文書で申し入れをし、謝罪などを要望した。

治療不要の歯削った歯科医師、傷害容疑で逮捕…本人は否認 indexへ

 患者の歯を不必要に削ったとして、岡山県警は17日、岡山市北区津島新野、歯科医師福原 淳郡容疑者(53)を傷害容疑で逮捕した。福原容疑者は「医療行為を行っただけで、患者を傷つける行為はしていない」と容疑を否認しているという。
 発表によると、福原容疑者は昨年5月17日、同所で経営する歯科医院「岡山ファミリー歯科」で、同市内の男性(25)の右下奥歯2本を、治療に必要がないのに、本人の同意を得ず歯科器具で削った疑い。
 県警によると、男性は親知らず付近の痛みを訴えて初診で同医院を訪れ、健全な歯を含む奥歯2本を、いずれも神経組織のある歯髄付近まで削られた。雑菌を防ぐ処置も適切に施されなかったという。

北里大病院、医師の勤務時間定めず…労基法違反で是正勧告 indexへ

 北里大学病院(神奈川県相模原市)が医師の勤務時間を就業規則で定めず、労働時間の把握も怠っていたとして、相模原労働基準監督署が、病院を運営する学校法人北里研究所(東京都港区)に、労働基準法違反で是正勧告していたことが17日、同病院への取材でわかった。
 研修医の長時間労働についても改善を指導されたという。勧告や指導は昨年12月27日付。
 労基法では、常時10人以上の労働者を使用する事業所などは、始業・終業時間、休日などについて就業規則を作成し、労基署に届け出るよう義務付けられている。

認知症グループホームの1割、職員による虐待発生 indexへ

 高齢者の暮らす認知症グループホームの約1割で、職員による虐待とみられるケースが起きていたことがわかった。公益社団法人日本認知症グループホーム協会が調査結果をまとめた。
 調査は2017年3月、2578施設にアンケートを配布。895施設 から回答を得た。それによると、虐待とみられるケースが過去に起きたのは、11%にあたる102施設。職員による虐待が起きる要因(複数回答)としては、 「ストレスや感情のコントロールの問題」が85%で最多。次いで、「知識や技術の不足」(71%)、「性格や資質の問題」(67%)の順だった。
 また、虐待には至らないまでも、「高齢者のプライバシーへの配慮を欠いた発言をする」など、不適切なケアとみられるケースが過去に起きたのは、60%にあたる538施設だった。

介護分野従業員、大半が処遇不満…「賃金が安い」最多 indexへ

 介護分野で働く人の大半が賃金の低さや仕事量の多さなどに不満を抱えていることが、労働組合「日本介護クラフトユニオン」(東京)の「2017年度就業意識実態調査」で明らかになった。介護現場の人手不足は深刻だが、それを裏付ける内容と言えそうだ。
 調査は2017年3~4月、組合員約4300人を対象に行い、約2900人から回答を得た。それによると、働く上での不満があると回答した割合は、月給制の人で79・7%、時給制の人で60・0%だった。
 その理由では、「賃金が安い」が月給制で56・3%、時給制で50・1%とそれぞれ最多だった。また、「仕事量が多い」、「何年やっても賃金が上がらない」、「連休が取りにくい」などの割合も多かった。

サプリなどの健康食品被害、報告を義務化…厚労省方針 indexへ

 厚生労働省はサプリメントなどの健康食品について、注意が必要な成分を指定し、健康被害が出た場合、販売業者らに報告を義務付ける方針を固め、16日開かれた同省の有識者会議に食品衛生法改正案の骨子を示した。
 同省ではこのほか、食品を自主回収(リコール)する際の届け出義務や、広域の食中毒事案への対策強化などを改正案に盛り込む方針だ。
 同法の大幅な改正は2003年以来15年ぶりで、改正案は22日召集される通常国会に提出し、19年度から順次施行を目指す。
 健康食品については、法律上の明確な定義がなく、安全性の確保は製 造・販売業者の自主性に委ねられているのが現状だ。しかし、最近では健康被害も出ているため、改正案では、特に注意が必要な成分を厚生労働相が指定し、そ の成分を含む食品を販売する業者に被害情報の報告を義務付ける。指定する成分は、専門家の会議などで検討する。
 また、すべての食品事業者に原則、許可の取得か届け出を義務付ける制度に改め、健康食品を製造・販売する業者も把握しやすくする。
 食品の製造業者や自治体が個別に公表している食品のリコールについては、製造業者に都道府県への届け出を義務付け、国が集約してインターネットで公開する仕組みを新設する。
 このほか、埼玉、群馬両県で昨年起きた腸管出血性大腸菌 O157の集団食中毒問題を受けて、感染拡大を防ぐため、地域ごとに国と都道府県などで構成する協議会を設置し、連携を強化することも明記する。

インフル集団感染、入院患者2人死亡…秋田 indexへ

 秋田県由利本荘市のJA秋田厚生連・由利組合総合病院は15日、入院患者11人と職員6人の計17人がインフルエンザに集団感染し、このうち敗血症の80歳代男性と終末期医療中の70歳代女性の患者2人が死亡したと発表した。
 病院によると、今月4日に消化器系の病棟を担当する看護師が発熱を訴えてインフルエンザA型の感染が判明。その後、同じ病棟の患者や職員に感染が拡大した。男性は8日、女性は10日に感染が判明して治療を受けていたが、13、14日に相次いで死亡した。

犬・猫の感染症で死亡、国内初確認…福岡の60代女性 indexへ

 犬や猫などから人にうつるコリネバクテリウム・ウルセランス感染症による死亡例が国内で初めて確認されたことが分かった。厚生労働省は、都道府県や日本医師会などに対し、注意を呼びかける通知を出した。
 死亡したのは、福岡県の60歳代の女性で、2016年5月、呼吸困難で救急搬送され、3日目に亡くなった。この女性からウルセランス菌が検出されたほか、屋外で3匹の猫に餌をやっており、このうち1匹の猫からも同じ菌が確認された。厚労省は猫から感染したとみている。
 国立感染症研究所の調べでは、国内では01年に千葉県で初めて感染例が報告され、17年11月末までに全国で25例が報告されている。国内では、人から人への感染例は報告されておらず、多くは犬や猫からの感染。治療は、抗菌薬が有効とされている。
 厚労省は「動物にさわった後は手洗いをしてほしい。また犬や猫がせきやくしゃみ、鼻水などの症状を示したときは、ウルセランス菌感染の心配がある。早めに獣医師の診察を受けさせて」と呼びかけている。
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【 コリネバクテリウム・ウルセランス感染症 】 主に家畜やペットなどの動物にいる「コリネバクテリウム・ウルセランス」という細菌に感染することで起きる。英国など海外でも感染例が報告されている。症状はジフテリアと似ており、喉の痛みやせきなどが出て、重症化すると死亡することもある。

特養「ベッド買い」は「不適切」、厚労省が実態調査へ indexへ

 加藤厚生労働相は12日の閣議後記者会見で、都内などの自治体が他自 治体にある特別養護老人ホームの運営法人に補助金を支払い、優先的に自身の自治体の住民が入所できる枠を確保している「ベッド買い」について、介護保険制 度上、「必ずしも適当ではない」との認識を示した。
 自治体に不適切である旨を周知徹底し、実態調査に乗り出す。
 特養は居住地域にかかわらず、介護の必要性や家族の状況などを勘案 し、入所の優先度を決めることになっている。ベッド買いは、介護保険制度が始まる2000年度より前から行われているといい、今後、厚労省は、調査の方法 や、すでに存在する優先入所枠についての対応策などを検討する。

老人ホーム、944人が事故死…国に報告1割 indexへ

 全国の有料老人ホームから2016年度、自治体に報告さ れた誤飲や転倒など事故による入居者の死者数が944人に上ることが読売新聞の調査でわかった。国は全国集計をしておらず、自治体から国への死亡事故の報 告は約1割にとどまっている。再発防止に向けた情報共有が徹底されていないことも浮き彫りになっており、厚生労働省は実態把握に乗り出す考えだ。
 有料老人ホームでの事故について、読売新聞は17年11~12月、指 導監督権を持つ都道府県と政令市、中核市に対する調査を実施。全115自治体から回答(一部項目の無回答を含む)を得た。対象施設は約1万8000施設 で、老人福祉法で有料老人ホームに該当するサービス付き高齢者向け住宅も含まれる。