外部の目で評価を受けたけど 「病院通
信簿」7割非公開 |
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医療の質やサービス、患者の満足度などについて日本医療機能評価機構の評価を受けながら、評価内容を一般
に公開していない病院が七割を超すことが、朝日新間社の実施したアンケートでわかった。評価内容の報告書全文をコピーやホームページを通
じて情報提供している病院は五%に過ぎない。評価を受ける病院 は、医療の質についての意識が比較的高いとみられるが、情報不足で病院選びに苦労する患者の期待にこたえているとはいえないようだ。
評価機構は、厚生省や日本医師会が出資し、第三者の立場で医療機関を評価して医療の質を高めていくため、財団法人として一九九五年に設立された。評価を希望する病院に調査員が出向き、診療の質を保つための対策、看護サービス、患者への配慮などをチェックし、認定書を交付し、報告書を渡している。その内容の公表は、各病院の判断にゆだねられている。
六月中旬までに認定の報告書を受け取っている全国の三百二十七病院に、調査票を郵送して質問した。二百六十四病院(八一%)から回答があった。
報告書の内容を何らかの方法で公開しているのは六十四病院で、二四%だった。
このうち、「希望者に全文をコピーして渡している」は九病院。「ホームページに全文を掲載している」は四病院。両方の方法で公開している病院が一施設あるため、一般
の人がじっくりと読むことができる方法で全文を公開しているのは、十二病院ということになる。
報告書を公開していない二百病院に、非公開の理由を尋ねた。最も多かったのは「病院内部での検討に役立てるためだから」で百五十一病院(非公開病院の七六%)を占める。「細かすぎて患者や家族には理解しにくい」続いた。
便利な病院へデジタル作戦 患者の待ち時間短縮・過疎地でも高度医療 |
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病院が、医療データの「デジタル」化に取り組み始めている。X線画像のデータやカルテの電子化を進め、病院内のネットワークを生かして、効率的な医療を目指す狙いだ。待ち時間など患者側の負担を減らせるほか、病院にも、患者情報を簡単に検索できたり、カルテの保存費用を削減できたりするメリットがある。多額の投資が必要だが、山間地や島しょ部など遠隔地の医療施設をネットワークで結ぶメリットもあるため、数年のうちに全国に広がる可能性もあると医療関係の企業は期待を寄せている。
東京都新宿区にある慶応義塾大学病院地下一階の「中央病歴室」。七百平方メートルのスペース内の電動書庫は、同病院の三年分、計百二十万枚の撮影済みX線フィルムでいっぱいだ。三年たつと埼玉
県志木市にある倉庫に移されるが、入院患者と外来で一日千百枚ずつ増え、収納スペースは限界に来ていた。
「限界」を救ったのが、同病院で今年四月に導入を完了したX線撮影装置のデジタル化。撮影した画像は光磁気ディスク(MO)でデジタル保存する。ディスクー枚にフィルムにして二千枚、重さ六十数キロ分を収められる。
同病院の「院内画像ネットワーク化委員会」は、来年度中に診察室や撮影室、教授室のパソコンどうしを光ケーブルでつなぎあう計画を進めている。実現すれば、医師が患者の目の前でデータを呼び出し、過去の記録との比較もできる。データを探す手間が大輻に省け、待ち時間も少なくなる。厚生省は昨年四月、X緑フィルムに続いてカルテなど診療記録のデジタル保存を認めた。これを機に、診療記録のデジタル化とともに院内ネットワークを検討する病院が増えた。開業医や遠隔地の病院が大学病院などと患者情報をやり取りし、専門医の診断支援をりアルタイムで受けられる、
新たな医療の可能性が出てきたからだ。東京都も昨年十月、都立広尾病院と伊豆・小笠原十一島の医療機関とをつなぐ画像伝送システムをデジタル化した。
大学病院や地方の基幹病院で新たなシステムを購入するには、十数億円規模の投資が必要。足踏みする病院も少なくなさそうだ。
しかし、慶応大医学部の清水正勝・中央放射線技術室長は「情報を共有化できれば、より高度の医療が期待できる。乗り遅れないためにもデジタル化は急務」とみる。
データ処理の日本電子計算(本社・東京)は昨年、撮影済みのX線フィルムやカルテをMOに書き換えるビジネスを始めた。デジタル時代に乗り遅れまいとする医療機関をねらった、新規参入も目立つ。
レセプト請求・不信感消す薬
診療情報しる手段 根深い医療不信、
ひきも切らない投書の底流には、患者と医者の対話不足、患者に対する医者の説明不足があるように思えてならない。ただ、三分診療」といわれて久しい医療の現状では、満足のいく説明が期待しにくいのも確かだ。では、患者の側から、自分が受けている医療との距離を縮めることはできないか。「レセプト」と呼ばれる一枚の紙切れに手がかりを求め、請求の手続きをしてみた。
・試してみました。
のどが痛み、悪寒がひどい。たまらずに手近な診療所に駆け込んだ。
私(記者)が症状を説明すると、医者はカルテを広げた事務机に体を向けたまま、「風邪ですね。薬を出しておきます」。診察室の外では十人余りが待っている。どんな薬が処方されるのか知りたいと思って聞くと、「せき止や熱冷ましです」。「診療」は三十秒足らず。薬局で五種類の薬を受け取った。
医者に聞きたいことはたくさんあるけれど、なかなか質問しにくい。どんな処置や治療が必要で、どういった薬を服用することになるのか。いずれも健康、時には命にかかわる。医者が書くカルテを横からのぞいてみても、略語や外国語が並び、判読できない走り書きだったりする。
レセプトは違う。
正式名称は「診療報酬明細書」。病名のほか、処置名や検査名、薬剤名などが正式名称で、単価も活字で打ち込まれている。
健康保険を使って受けた診療ならば、自分で支弘う診療費や薬代は、全体の二割か三割。残りは、加入している健康保険組合などが、医療機関から一カ月ごとに届くレセプトに基づいて支払っている。
レセプトは医療機関の請求書、患者にとっては「医療の明細書」だ。
そこで、自分のレセプトを見てみようと考えた。
私(記者)の場合、朝日新聞健康保険組合の「医寮費のお知らせ」をもとに私 と妻、長男がかかった病院や歯科医院、薬局での医療費や薬代のレセプトの開示を申し込んだ。
勤務先に健康保険粗合があれば、そこに、政府管掌健康保険の加入者ならば社会保険事務所に、公務員は共済組合に、自営業者ら国民健康保険の加入者は市町村の窓口に申請すれば、無料で手に入る。必要なのは免許証など本人と確認できるものだけ。受け取りは郵送でも可能だ。
レセプトが患者に開示されるようになったのは、三年前。それまでは厚生省の方針で「原則非開示」だった。自分で自分のレセプトを見ることができないのはおかしい、情報公開という時代の流れに逆行しているといった声に押され、厚生省はそれまでの方針を百八十度転換、開示が実現したという経緯がある。
薬・病名…目からウロコ ただ、
厚生省は、開示する前に、「本人が病名を知っても診療上に支障がない」ことを医療機関に確認するよう求めている。
私のレセプトは、請求から約一カ月後、健保組合から凍答から「開示します」と連絡があった。家族三人分、計十二枚に病名はもちろん初診科、投薬科、処方せん科などが細かくかき込まれ、薬も固有名詞が並ぶ。
禁煙を決意し、歯科医院でヤニを取り除いてもらっ て四千四百六十円。長男が通 うクリニックの初診科は四千六百五十円…。
単なる風邪とばかり思っていた病名も、「咽頭炎」だったり「気管支炎」だったり、「急性気管支炎」から「ぜんそく性気管支炎」に変わったりと、様々だ。
レントゲンは「単純撮影」と「乳幼児加算」で計千六百九十円。いろんな発見があった。
健保組合の主任は「自分でも、どんな薬を処方されているか、いつもレセプトを見て専門書で確認しているんです」という。
確かに、書店に並ぶ「薬事典」や「病院の検査がわかる本」といった手引書があれば、レセブトで
医療の中身がわかる。
遺族も開示が請求できるので、医療機関の処置や治療に不振な点があれば、あとから確認することができる。
受けた医療と距離が縮んだ
医療機関はなぜ、こうした明細書を窓口で患者に渡さないのか。
日本医師会の菅谷忍常任理事に尋ねると、「医療は難しい。品物を売るのと訳が違う」。「医療費で聞きたいことがあれば、医者に聞けばいい。聞けないような関係ならほかの医者を探せばいい」とも語った。
医者から直接、注射や薬の中身、検査の内容などを詳しく聞ければ、それに越したことはない。それがかなわないのなら、受けた医療の内容が,書いてある明細書がほしい。それもできないというなら、自分でレセプトを請求してみる。
そうすれば患者は、自分の病気や治療方法などについて知ることができる。
数年前の診療でも、複数の医療機関のレセプトを、子どもの分も含めて一度に請求できる。定期的に開示を求めれば、家族の健康管理記録にもなる。
レセプトは患者である私と医療機関の距離を少しだけ、けれども確実に縮めてくれた。
米国流カルテ 中野次郎・神戸大学医学部講師に聞く |
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中野さんは一九二五年生まれ。神戸大医学部を卒業後に渡米した。米国のいくつかの大学病院に内科医として勤める傍ら、医学生に「カルテの書き方」も教えていたという。九四年に帰国し、現在は大阪府高槻市の北摂病院で外来患者をみるほか、神戸大医学部で講師として医学英語などを教え、やはり授業の中で「カルテの書き方」を扱う。
神戸市内のホテルで、中野さんはA4判二枚のコピーを見せてくれた。すべて英語だ。「米国の開業医がごくふつうに使っているカルテです」と中野さん。
項目を見ると、名前や職業などの個人情報に続き、病気に関する項目が並ぶ。「主訴」「病状」「家族歴」「既往症」「し好品(コーヒー、たばこ、アルコール」。さらに、患者から聞き取った「病歴の要約」には、体中の器官のチェックリストが並ぶ。手術歴や薬歴を書き込む欄もある。二枚目は、触診や聴診などに基づく医師の「診察」。これも頭から足まで細かい項目に分かれている。
各項目には、問題のあるなしなどによって「一」「+」「チェック」を記していく。診察していない部分には「X」をつげる。「診察したかどうかがわからないといけませんから。日本ではこれを書かないので、何を診察していないかがわからないんですよ」
ここまで来て、ようやく「診断」「処置」の項目に至る。記入する項目は、ざっと二百五十以上。つまり、患者相手にこれだけの問診をして、カルテに書き込まなければ、診断にたどり着かないということだ。
「インフォームド・コンセントも、何を言ったかを書き入れないと、きちんと患者に伝えたとは認めてもらえない。カルテを書くということは、診断の過程と治療の方向を示すこと。それによって、どんな検査をするかも決まります。カルテを見れば、医師の診察力や治療力が全部わかるんですよ」
再診の場合は、そのつど「SOAP」、つまり「主観的所見」「客観的所見」「評価、診断」「検査、治療方針」を書き入れる。
中野さんによると、米国でも、カルテをきちんと書くようになったのは三十年ほど前からだという。そこにはやはり、訴訟社会の影響がある。裁判で負けないため、カルテをきちんと書いて、診断や治療の根拠を示す必要があった。
では、カルテを書くポイントは。中野さんは「だれでも読めること」と「簡潔な記述」を挙げる。「患者さんがどこへ持っていっても通
用するものじゃないと意昧がありませんから」
米国では、一人の医師の診断たけでなく、別の医師の意見も聞くセカンドオピニオンが定着している。別
の医師にカルテを見せることに抵抗はない。主治医不在で、別の医師が治療する場合でも、「読める」カルテがあれば、十分、対応できるのだ。カルテの作り方は研修医が覚える最重用項目のひとつだ。
四重の監査、失格医師は掲示
米国では、一度書いたカルテは三重、四重に「監査」を受ける。まず院内の記録室で、資格を持った専門家が形式をチェックする。それと並行して、病院を退職した熟練の看護婦や医師が医療面
からチェックするシステムもある。医療面で問題がありそうなカルテは、院内の品質評価委員会が診療内容に立ち入ってチェックする。
不完全とみなされたカルテの数は、医師ごとに掲示板に書き出されてしまう。一週間を過ぎても改善しないと、
また別の欄に特記される。
そこまでするのには理由がある。米国では、民間の医療機関認定合同委員会と連邦医療財政庁が病院を評価、検閲し、結果
を公表している。その評価に当たり、「まずカルテを見るんです」と中野さん。「問題は、患者を診断に導くまでの道筋が書かれているかどうか」。例えば、診断の根拠を示す記述があるかどうか。高額な抗生物質を使っていれば、なぜ必要なのかの理由がきちんと示されていなければならない。点滴は必要だったか、薬は…、
患者にカルテの要約版(サマリ)を渡すのも、米国では常識だ。「カルテは急いで書いているし、専門用語もあるから、患者さんにはわかりません。だからサマリーを渡すんです」。問診の様子を収めたテープを起こし、サマリーを作る職員も各病院に配置されている。人件費は各医療機関が負担する。
それにしても、カルテを作るのにどれくらいの時間がかかるんでしょう?
「初診なら四十分くらい。少なくとも三十分はかかります。これがないとやみ夜に鉄砲ですから」
三分珍療という日本の大病院で、米国並みのカルテは無理なのだろうか。
中野さんは今、外来で予約が入ると、あらかじめ病歴や薬歴を書いて持ってくるよう説明する。少ない時間でカルテを完成させるための事前準備だ。それでも実際に患者が来ると、一人十五分はかかる。
最近、講演で病院を訪れるたび、カルテを見せてもらうという。
「日本でちゃんとしたカルテを見たことはありまか?」
そう間くと、静かに首を振って、「ないですね」と答えた。
出雲市にある島根県立中央病院は、入院ベッドが並ぶ各階に「あゆみ」「やすらぎ」「ほのぼの」といった病棟名がついている。小児科、産婦人科といった診療科ごとに分けていないからである。
入院ベッドの管理は各病棟の看護婦長が責任を持つ。入院の決定や退院許可をするのは医師だが、入退院日は家族の事情などをよく知る看護陣が決める。
病室に掲げてあった名札をプライバシーを守るために撤去した。「不便になる」という職員もいたが、患者の要望を重んじる看護婦の声が通
った。面会時間の制限を取り払ったのも、看護婦の発案による。
まかり通る「医師中心」
看護婦中心の病棟管理は、「病院の顔は看護婦である」が持論の前院長、瀬戸山元一さんの主導で実現した。
瀬戸山さんは39歳で京都府の舞鶴市民病院長になり、赤字経営を黒字に変えた。その実績を島根県知事に見込まれて92年、中央病院を任された。47歳だった。
着任の日に見た病院はひどかった。ゴミが落ちている。廊下に物が積んである。トイレのにおいが鼻を突く。
現院長の中川正久さんは、93年に島根医大から赴任した。「あのころは病院全体のチーム医療ができないどころか、外科の中でさえばらばらだった」と語る。
同じ手術でも、医師によって使う道具が違う。病院所有の顕微鏡なのに、他人が勝手に使ったと怒る医師がいる。手術にお気に入りの看護婦をつける慣行もあった。
一国一城の主のような医師たちがだだ同じ所にいる。そんな病院が日本には多い。
意思決定のルール作り
舞鶴時代に経営手法や法律を独学した瀬戸山さんは、着任して真っ先に病院の医療方針を決めた。「地域から信頼され、患者さんと医療職員の人と人、心と心のふれ合いのある、患者さんサイド、県民サイドの医療の実践」というものだ。
次に、病院の意思決定の場として管理会議を設けた。医師向け、看護婦向けの勉強会を毎週開き、管理会議が唯一の決定機関であることを何度も念押しした。
着任2年目に組織改革をした。医療局と事務局、そして格下の看護部という2局1部体制から、医療局、看護局、事務局、それに薬剤師や放射線技師らを統活する医療技術局の4局体制に改めた。
米国では医師と看護婦は同等で、看護婦が独立して診察や治療をすることも当たり前になつている。しかし、日本では長年、看護婦は医師の指示に従って働くよう教育されてきた。看護大学や大学院ができ、看護婦の地位
は上がってきたものの、根深い男尊女卑意識とあいまって変化は遅い。
中央病院でも看護部の格上げには抵抗があった。だが、瀬戸山さんは「県民サイドの医療の実践に必要だ」と説得した。医師たちは反論できなかった。
99年8月、新病院がオープンした。電子カルテを全面的に採用し、書類の写し間違いや連絡忘れといったミスがなくなった。検査結果
のグラフなどがすぐに画面に出るので、患者への説明も容易になった。
患者中心の病院を実現するためには、看護婦が患者の代弁者にならなければだめだ、と瀬戸山さんは繰り返した。
看護局長の川合政恵さんは、その意味が今になって実感できるという。「患者さんが困っていても、以前は何ともできなかった。今なら管理会議で提案し、病院の対応を変えていくことができます」
「最初は大丈夫かなと危なっかしく思いましたが、看護局も医療局も見事に期待にこたえた。ただ、緩めると元に戻ってしまうから、大事なことは言い続けないといけません」と中川院長は気を引き締める。
自治体の責務は重い
全国の自治体病院は1千を超す。
医師の人事は大学の医局に握られ、事務局の人事は自治体に握られる。経営や管理についての知識も経験もない人が、長年医師をやっているというだけの理由で院長になる。しかも、自治体の首長は医療の内容には関心がない。
これが大半の自治体病院の姿だ。
しかし、改革が不可能でないことを瀬戸山さんは示した。後に続く病院が増えるかどうか。自治体の意欲が試される。
生体肺移植経験者・村上由希子さん
臓器移植手術の様子をHPで公開 |
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心臓から肺に血液を送る肺動脈の血圧が上がり、心臓機能が低下する難病、原発性肺高血圧症のため今年1月、国内6例目の生体肺移植を受けた神奈川県の大学
生、村上由希子さん(20)が、臓器移植ドキュメントをホームページ上で公開し た。
移植を担当した医師の協力で、移植前後の検査画像やリハビリ風景の写真など貴重な資料を掲載した。
国内で生体肺移植を受けた患者は11人(7月23日現在 )。村上さんは「元気になった今、一番苦しかった時の映像を公開するのはためらいを感じたが、大変少ない肺移植経験者として等身大の肺移植を知ってもらい
たい」と話している。
http://www05.u-page.so-net.ne.jp/cf6/m-yukiko/cf6/m-yukiko/index.htm
特殊法人改革へ行革事務局原案
政府の行革推進事務局は、社会保険診療報酬支払基金については、医療機関が健康保険組合などに請求する医療費明細書(レセプト)の審査を事実上独占している現状を改め、民間事業者の参入も認める。
レセプトをめぐっては健保組合などに過剰請求などを十分点検できないとの不満がある。原案では、健保組合などの保険運営者が支払基金を介さずに直接、レセプトを審査したり、ほかの民間事業者に審査を委託したりできるようにする。
また、医療費の請求業務は電算化が遅れ、医療 機関が紙のレセプトを支払基金に持ち込み、それを光学読み取り機にかける方法がほとんどのため、非効率だとの批判が少なくない。原案では請求業務の電算化で効率を高めレセプト1枚118円20銭の審査支払い手数料を引き下げる。
さらに、レセプト審査は地域の医師による「身内の審査」で甘くなりがちとの指摘もあり、支払基金の都道府県支部の審査委員にはほかの都道府県の医師を委嘱するとしている。
厚労省は健保組合の直接審査について、医療機関と組合の合意があることなどを前提に「方法を検討する」としている。ただ、健保組合の直接審査が進めば、職員約6500人を抱える組織の存続問題になるとの見方もある。
たんぱく質3000種類特許目標
構造解析新薬へ国際競争
文部科学省の概算要求・倍増100億円盛る方針
文部科学省は、たんぱく質の基本構造と機能を同時に解析し、積極的に特許を取得していく方針を固めた。理化学研究所や全国の大学が手を組み、薬の開発につながるたんぱく質を5年間で3千種類ほど、特許化するのが目標。同省は、01年度に構造解析の研究費としてつぎ込んだ五十数億円を一気に倍増、02年度の概算要求に100億円程度を盛り込む考えだ。
たんぱく質の設計図である遺伝子は3万〜5万種類だが、たんばく質は10万種類とも30万種類ともいわれている。しかし、薬の開発に役立ちそうなものは1万〜1万2千種類とみられ、各国ば構造解析を急いでいる。米国は00年から5年間で5千種類をめざしている。
日本でも、理研にある核磁気共鳴装置や、大型放射光施設スプリング8などで、たんぱく質の構造解析が始まっている。理研と製薬業界が共同研究する計画もある。
日米欧などは4月、共通の手順で研究を進め、構造に関する情報を共有することで合意した。ただし、機能を突き止めた国が特許を得られる。
この特許は薬の開発に直結するため、欧米に遅れたヒトゲノム解析の苦い経験は繰り返せない。文科省は機能解析にも全力を注ぐことにした。
理研が主に基本構造を、全国の大学の研究者が主に機能を、それぞれ解析。基本構造と機能が出そろったたんぱく質から特許を申請していき、5年後に3千種類の特許を押さえるという。
文科省は「特許を海外に持っていかれると、国民にツケが回つてくる。日本で薬の間発ができれば、研究成果
を社会に還元することになる」としている。
大学病院の医療ミス死
別大学で司法解剖 法医学会が申し合わせ・不心増加受け
日本法医学会は、大学病院で医療ミスの疑いで患者が死亡した場合、原則としてその大学では司法解剖をせず、近隣の別
の大学に要請することを理事会で申し合わせた。遺族の不信を招かないようにするためで、大学病院の医局に籍を置いて関連病院に派遺されている医師や、その大学出身の開業医が関係する医療ミスについても、別
の大学に依頼する。
医療ミスの疑いで患者が死亡した場合、病院側は「異状死体」として警察に届けることになっている。遺族側が届けるケースもある。この場合に行われる「司法解剖」は、病気の状態を解明するために行われる「病理解剖」や、一部の大都市で、死因が明らかでない場合に行われる監察医による解剖などと違い、警察の依頼によって大学の法医学教室などで行われる。真相解明のための重要な証拠になる。
医療事故が相次ぎ、医療不信が高まっているなかで、部署は違うとはいえ同じ大学で司法解剖をすることについて疑問の声が上がっていた。
6月末から7月初めにかけて開かれた学会の理事会で「遺族から仲間でかばい合っていると思われかねない」など中立性を問う声が上がった。遺族によっては、同じ県内の他大学で解剖して「病死」と判断されても「県内の大学同士で遠慮があったのでは」と不満を訴えることがあるという。
一部ではすでに他大学に司法解剖を依頼しているが、とくに県内に大学の医学部や医科大学がひとつしかない地域では、近隣の大学などへ運ばねばならないため、やむを得ずその大学の法医学教室で解剖が行われるケースが少なくなかった。
そこで、大学病院での医療ミスや、その大学出身の医師が関係するミスで患者が死亡した場合には、別
の大学の法医学教室に引き受けてもらうことを理事会で申し合わせた。警察にも協力を求めることにした。
同学会理事長の塩野寛・旭川医科大学教授は「遺族の不信を招かないよう中立を期したい」と話す。隣の県の大学に遺体を運ばねばならない地域では、遺体搬送に数時間かかる場合もあると見られる。申し合わせ以降、他大学で解剖を引受けてもらったケースがすでに出ているという。
医療点滴チューブ「脱塩ビ化」へ動き
市民団体が調査 塩化ビニル(塩ビ)製の医療用点滴チユーブをより安全な素材製品に切り替えるよう、多くの大病院が動き出していることが市民団体のアンケートでわかつた。内分泌かく乱作用が疑われるフタル酸ジエチルヘキシル(DEHP)が、塩ビ製手袋から食品へ溶け出す問題などが広く知られ、医療機関が塩ビ対策に乗り出したようだ。
塩ビからの溶出が心配されるDEHPは、腎臓や肝臓、生殖系へ影響する可能性が動物実験などで指摘されている。
抗がん剤などは、塩ビ製チューブで点滴すると液剤にDEHPが溶けだしやすいという研究がある。ブドウ糖液や生理食塩水では問題ないとされている。
環境系の市民団体「日本子孫基金」(東京)が今春、約千のベッドを持つ100の大病院を対象に調ベ、30病院から回答があった。それによると、塩ビ製の点滴チューブは9割を超える28病院が使用していた。すべてを代替品のポリブタジエン製チューブに切り替えたのは、大阪大学医学部付属病院など2病院だけだった。
塩ビ製から代替素材製へ移行を進めているのが4病院。千葉大学医学部付属病院も近く「脱塩ビ」に踏み切る方針を決めているという。代替素材への移行を検討している16病院を含めると、回答した病院のほぼ4分の3が塩ビ製点滴チューブの対策へ乗り出している計算になる。
医療用具輸入販売会社「ソーリン」は7月19日、同社で販売した心臓ぺースメーカー「ミニデュアル50」が停止する不具合が発生したとして、出荷した150台について、患者に埋め込んだぺースメーカーの動きを調ベ、場合によっては交換すると発表した。
脳こうそくの再発防止のために使われる抗血小板薬「塩酸チクロピジン(商品名・パナルジンなど)」の副作用でこの2年間で34人が死亡していたことがわかった。
溶血性貧皿や腎障害などや肝障害などを引き起こす。
パナルジンを販売する第一製薬によると、新規服用者は2カ月間、2週間ごとに血液検査をするという警告が、4分のlの医師にしか守られていなかったという。
この薬は同社など22社が販売。100万人に処方され、年間売上高は500億円。うち9割を同社製品で占める。
81年の発売の2年後から血液検査をして経過をみるよう医師向けに注意を促した。さらに95〜99年に6人が副作用で死亡していたことが判明し、厚生省(当時)は99年6月、同社などに対し、緊急安全性情報を出して医療機関に注意を促すよう指示した。
同社の調べでは、99年7月〜今年6月に把握した重い副作用は計394件。うち昨年6月までの206件について医師から聞き取りをしたところ、2週間ごとの血液検査を守っていた医師は24%。「1カ月に1度」が16%。「全く行なっていない」医師も25%いた。
同社は厚労省の指導で今年2月「新たに服用を始めた患者には、原則2週間に1度来院するよう指導する」よう医師に求める項目を添付文書に迫加した。
医療用具輸入販売会社「ボストン・サイエンティフイック・ジャパン」(東京都新宿区)は7月18日までに、同社で販売した「コンステレーション(電極)カテーテル」の先端に細い糸状の異物がついた製品があったとして、全国に出荷された1606本の自主回収を始めた。同社や都衛生局によると、このカテーテルは血管に挿入して心臓を検査するための器具で、異物が血管内に残った場合は血栓をつくる恐れがある。
政府の総合規制改革会議(議長・宮内義彦オリックス会長)は、高齢化による医療費の増大に歯止めをかけるため、出来高払いの現行の診療報酬体系の直しを求める方針を固めた。
病気の種類によって医療機関に支払われる報酬額を定める包 括支払い方式を来年度から段階的に導入するよう促す。
その前提として、分類のためのデータを集計するなどの目的から、診療報酬明細書(レセプト)の提出を原則的に電子的手法に改める方針なども盛り込む。
小泉内閣は先月まとめた経済財政運営の基本方針で、財政構造改革の観点から医療費の伸びを抑制する新たな枠組みづくりを掲げており、その具体策と位
置づけられる。
今回の医療分野の改革案は、7月の中間とりまとめに盛り込まれる。こうした改革案はこれまでも提起されてきたが、日本医師会が一貫して慎重姿勢をとっていることもあり、実現しなかった。
それぞれ病状の異なる患者を適切に分類できるのかという疑問も根強く、今後の調整は難航しそうだ。
導入を求めているのは、米国で実施されている「診断群別包括支払い方式(DRG/PPS)」。DRGは、治療に要する人的資源、医療品、入院日数、コストなどのデータに基づいて、病気を500程度のグループに分類する手法。
導入により、例えば脳卒中について、病院によって入院日数や医療費などの格差が明らかになるため、患者が病院を選ぶ助けにもなる。
また、病気の種類ごとに診療報酬額を定めるのがPPSだ。 中間とりまとめ案は「無駄 な医療を引き起こしやすい仕組みを残して医療費の増大を抑制する方法には限界がある」として導入を求めている。出来高払い方式は患者に薬を多く出し、検査をたくさんするほど報酬が増えるため、医療費増大の原因と指摘されてきた。
「規制された医薬品市場は患者にも医薬品メーカーにも不利」。
独大手医薬品メーカー、ベーリンガーインゲルハイムのロルフ・グレーブス会長は、 薬の価格は市場で決定するのが望ましいと言う考え方を示した。
「自由市場の米国ではインターネットなどを通じて患者に薬の情報が提供され、 医師と共に患者も薬を選択できる。
ドイツや日本のような規制市場では医師や患者が選ばない薬にも価格がつき、存在している。
医薬品の卸売業界が苦境に直面している。
薬の公定価格である薬価引き下げが来年4月にも予想されることから、納入先の医療機関からは、値引きを求められる一方で、仕入元の製薬会社は大幅な値下げには応じず、板挟みになっている。卸間の販売競争も激しく、無理な値引きで収益が悪化、赤字に陥った企業もある。卸業界には再編圧力が強まっている。
ふつう、病院や調剤薬局との本格的な価格交渉は、商品の納入後に行われる。卸売業界の調べでは、昨年度の一般
病院(200床以上との交渉妥結率は、2月末で約6割、年度末になっても92.1%だった。前年度の99.6%を下回り、年度をまたぐ交渉が増えている。
卸大手5社の01年3月期連結決算は、全社増収だが、営業損益ではスズケン(本社・名古屋市)、福神(同・東京都千代田区)が約2割の減益、アズウェル(同・大阪市)は5億7千万円の赤字に転落。営業増益の東邦薬品(同・東京都世田谷区)も、当期損益は1億8千万円の赤字だった。
卸大手の幹部は「薬価差益に対する医療機関の要求が、予想以上に強硬だ」と顔をしかめる。
薬価差益とは、薬価と、実際に病院が購入する価格の差額だ。病院や薬局はこの差益を収入源にしてきた。しかし、医療費抑制を図る国は、薬価引下げを繰返す一方で、実勢価格に近づく計算方式に改めてきたため、薬価差益も縮小の一途。現在は90年初めの7分の1以下ともされ、病院側は卸に対する値引き要求・差益確保に走る。
メーカーが卸に売る値段は「仕切価」と呼ばれる。製薬会社は価格の維持に躍起で、薬価に対する仕切価の割合は10年前に平均7〜8割だったが、今は9割に近いケースもある。
仕切価が高どまりした状態では、卸も従来通りの値引きはできない。納入価格をめぐる攻防は長引き、最後は医療機関側に押し切られる場合か多いという。
これまで製薬会社の系列卸間や、地域内の地方卸間で進んできたが、系列を超えた合併も最近では目立つてきている。グループ化を通
じて仕入れを一本化、割戻金を得ようする動きも活発になっている。
主な医薬品卸の再編
主な大手卸
■クラヤ三星堂(東京)(クラヤ薬品、三星堂、東京医薬品が合併00年4月)
買収・合併先〈井筒薬品(京都)、平成薬品(愛知)、潮田三国堂薬品(茨城)、チヤク(千葉)、千秋薬品(秋田)〉
■スズケン(愛知)
買収・合併先〈秋山愛生館(北海道)、ナカノ(栃木)、サンキ(広島)〉
■アズウェル(大阪)〈昭和薬品、日本商事が合併98年10月〉
買収・合併先〈高木薬品(神奈川)、仲川安(東京)、中央興医会(東京)〉
「赤ちゃんを診察するのが得意な目医者さん」「おもちゃのお土産をくれる歯医者さん」。荒川区の保育所で働く女性たちが、小さな子どもを抱えて働く母親に「町のおすすめのお医者さん」を紹介するホームページ(HP)を作つた。
情報源はすべてロコミ。お役所発行の「便利帳」や電話帳には載らない、母親ならではの情報を満載した。
仲間とともにHPを立ち上げたのは荒川区の藤田房江さん(47)。東尾久1丁目の「じゃがいも共同保育所」の保母として、働く母親たちの「助っ人」になって25年。
「急に子どもの具合が悪くなったとき、どの病院が夜間でも受け付けてくれるか。どこの先生が親身に相談に乗ってくれるか。ロコミ情報って頼りになるんですよ」
だが、働く母親たちには地元で情報交換する時間がない。夫の元へ越してきた人は知り合いも少ない。夜中に藤田さんに相談の電話がかかってくることもあるという。
藤田さんは7年前、町の病院についての保育所の母親たちのロコミ情報を冊子にまとめた。これが人気を呼び、今でも[見せて」と保育所に足を運ぶ人もいる。
「HPならいつでもだれでも情報を共有できる」。保育所にパソコンが入るのを機に、HPでの情報公開を思い立った。喫茶店にアンケート用紙を置いたり、子育てサークルに意見を聞いたりして、地元の約60人の「ロコミ情報」を集めた。
HPは「小児科」「歯科」「耳鼻科」など8項目。アンケートで[おすすめ」に挙がった区内の病院の住所や電話番号、地図などのほか、「なんでも聞けて威圧感がない」「おもちゃがあって子どもが退屈しない」「朝7時から診察してくれる」。実際に利用した母親たちの細かいコメントがついている。
「やつと仕事を早引きできて子どもを病院に連れていくと、先生が『どうしてもっと早く来ないの』。働くお母さんには傷つく言葉なんですよ」と藤田さん。「働く母親に理解がある」ことも、「おすすめ」の重要ポイントのひとつという。
HPのアドレスは http://www5c.biglobe.ne.jp/%7EjagaHP/
最近医療事故が毎日のように報道されているが、先日車に乗っている時にラジオをつけていたら医療事故について視聴者からの意見の中に、薬の副作用での事故は厚生省に届け出なければならないようになっているのに、医療従事者の人的ミスは届ける規則になっていないと言う話がでていたが、これっておかしくありませんか?
内視鏡手術用使い捨て器具・再利用の病院回答の94%に |
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看護教会研究センター講師ら調査。
超小型カメラの内視鏡を使った手術用の器具は、感染や事故を防ぐために使い捨てとして作られているのに、実際は9割以上の病院で再利用されている。
そんな実態が、洪愛子・日本看護協会看護教育・研究センター専任講師らの調査で分かった。
再利用によって患者が被害を受けているかどうかを示すデータはないが、洗浄、滅菌が難しく、使い捨てを前提につくられた器具を、基準もあいまいなまま再利用している病院が半数近くあるという。
洪氏らの研究グループは00年9月、200床以上の全国の病院約2300カ所にアンケートを送り、32%の病院から回答を得た。
調査結果によると、内視鏡手術をしている病院のうち、開封しても使わなかった器具も合めて、使い捨ての器具を滅菌して再利用している病院は94%にのぼった。
洪氏によると、最近の内視鏡手術用の器具は、複雑で細かい構造になっている。管の中に入っているカメラやコードとは別
に、使ってから十分に洗浄、滅菌することが難しい部品については、薬事法で器具を承認する際も使い捨てが前提とされている。
ところが、今回の調査結果では、内視鏡手術で行なわれる極小の器具の内、鉗子やはさみ、止血用クリップ、超音波メスは8割以上の病院で再利用されている。とくに鉗子とはさみは8割近い病院が
「使えなくなるまで使う」と答えた。
再利用のための滅菌が「完全に行われている」と考えている病院は35%にとどまる。器具が再利用で劣化すると、はずれた部品が患者の体内に残るなどの事故の原因ともなる。
国立国際医療センターで昨年11月、内視鏡の一種の腹腔鏡を使って卵巣のう腫を切除する手術をした際、先端のねじ(長さ約五mm)を体内に残したままにし、再手術で取り出すミスが起きた。
背景には内視鏡の関連器具が安くない事情もあるようだ。
例えば、腹腔鏡による胆のう摘出手術は診療報酬が約22万円に対して、器具が約15万円するという。新品でも再利用でも診療報酬は同じだ。
洪氏は「使い捨て器具の再利用は、病院の経営上の理由で行われていると考えられる。再利用による患者への影響や器具の劣化について、引き続き調査したい」と話している。
人体への携帯電話の電磁波の影響
携帯電磁波の吸収量、アンテナを伸ばせば7割減。総務省調査
総務省 が販売中の携帯電話端末から出て体内に吸収される電磁波量を調べたところ、アンテナを伸ばすと縮めた状態に比べ最大で7割減ることが分かった。携帯端末の電磁波は、脳や埋め込み方の心臓ペースメーカーなどに対する影響が懸念されてきたが、機種ごとの本格調査は始めて。総務省は週内にもホームページで調査結果
を公開する。 安全性の指針とされる電磁波吸収量は、体重1kgに対し2ワットの出力まで。アンテナを収納した形では最大で1.86ワットを記録した端末もあったが、アンテナを伸ばすと半分以下の0.85ワットまで減少した。いずれのケースでも、アンテナがのびた状態では収納時とほぼ同じか、大きく減った。
アンテナを伸ばすと電磁波が周辺に拡散するためと見られる。調査対象の端末は、全て安全とされる許容基準の範囲内の数値だった。一方、のべ121種類の心臓ペースメーカーへの影響調査では、携帯端末を15センチ以内の距離に近付けた場合に、ペースが乱れる等の影響が5件見られた。(01/5/15)
人体への携帯電話の電磁波の影響
携帯の電波人体に影響なし
総務省が研究報告 携帯電話の電波が人体に与える影響を調べている総務省(旧郵政省)は三十日、「脳の学習能力や健康に悪影響を及ぼす確たる証拠はない」との見解を盛り込んだ中問報告を発表した。動物実験の結果
や世界の研究動向を参考にまとめた。同省電波環境課は「安全性の指針で示した電波量 を超えない限り、大丈夫」と説明している。
医学部の教授らで組織する生体電磁環境研究推進委員会は、安全性の指針の三・五倍、通 常の携帯電話の約四倍の電波をネズミにあてて、迷路の中でえさの場所を記憶させる実験を行ったが、学習能力ヘの影響はみられなかったという。委員会は今後二年間、動物実験などを続けて根拠をより明確にするとしている。(00/1/31朝日)
人体への携帯電話の電磁波の影響
携帯電話と脳腫瘍関係なし?
朝日新聞のワシントン特派員が、以下の記事を(00/12/20)伝えている。 携帯電話を三年程度使っても脳腫ようの発生は増えないとみられるという疫学調査結果
を、米健康財団の研究グループがまとめた。米医師会雑誌の20日号に発表した。調査によると、米国内の脳腫よう患者469人と健康な422人を比べたところ、携帯電話を使った期間や頻度に統計的な差はなかった。研究グループは「今回の調査では、携帯電話の使用と脳腫ようのリスクに相関関係はみられなかった」としている。しかし、患者らの携帯電話の平均使用期間が3年未満だったことから、「長期使用の影響はさらに研究が必要」とも述べている。
ただし、米健康財団には携帯電話業界なども資金を提供している。ことも伝えておりこの調査結果
が信用できるかは疑問な点も残る。
携帯電話が普及しはじめの頃、電磁波が健康に害があるのではないかとかなり騒がれた。その後、この問題はいつの間にか、話題にのぼらなくなり、携帯電話は、物凄い勢いで普及し今日に至っている。人によっては一日の時間のかなりの部分を携帯電話に占有されている人もいる今になって、携帯電話の人体に対する影響を調査する機関を作って調べ始めるらしいがこれって売る前に調べなくはいけないのでは?
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