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◆着服した1億5千万円「アイドルグッズ購入やゲームの課金に」…町立病院職員、懲戒免職 indexへ

 三重県南伊勢町は29日、診療費など少なくとも1億5000万円を着服したとして、町立南伊勢病院職員の広出翔主査(38)を懲戒免職にしたと発表した。処分は28日付。広出主査は町の調査に「アイドルグッズの購入やインターネットゲームの課金に充てた」と説明しており、町は業務上横領の疑いで県警に告訴する方針だ。
 町によると、広出主査は病院で会計を担当していた2019年5月~今年6月頃、患者から預かった診療費の一部を着服するなどして少なくとも1億5000万円を横領した。町上下水道課の会計担当だった17~18年度にも、約500万円を横領したとみられる。

◆適正量100倍のモルヒネを医師が処方、93歳患者が中毒死…カルテに量を誤入力 indexへ

 痛み止めのモルヒネを適正量の約100倍処方し、患者を中毒死させたとして、警視庁が東京都国分寺市の「武蔵国分寺公園クリニック」の40歳代の医師の女と、近くの薬局に勤務していた60歳代の薬剤師の女を業務上過失致死容疑で東京地検立川支部に書類送検していたことがわかった。書類送検は23日。
 警視庁幹部によると、医師は昨年2月1日、息苦しさを訴えて受診した小平市の男性(当時93歳)に適正量の約100倍のモルヒネを処方し、薬剤師は処方箋に沿ってモルヒネの飲み薬を出し、男性を同8日にモルヒネ中毒で死亡させた疑い。2人とも容疑を認めている。
 警視庁は、医師が電子カルテに処方量の単位を誤って入力し、薬剤師も見過ごしたとみている。
 ホームページによると、同クリニックは2011年6月の開設で、外来のほか24時間体制の訪問診療を行っている。クリニックは29日、「再発防止に努めている」とのコメントを出した。

◆歯科医院長、患者の20代女性に抱きつく…強制わいせつ容疑で逮捕 indexへ

 熊本県警玉名署は26日、熊本県玉名市、歯科医師の男(61)を強制わいせつ容疑で逮捕した。発表では、2月5日、院長を務める同市の歯科医院で、受診のために来院した県内の女性会社員(20歳代)に抱きつくなどした疑い。「抱きついたのは間違いない」と認めているが、一部の行為については否定しているという。3月に女性の父親が県警に相談していた。

◆医師免許ない臨床工学技士、手術で皮膚縫合 indexへ

 千葉市立海浜病院(千葉市美浜区)で昨年7月、医師免許のない臨床工学技士が手術で皮膚の縫合を行っていたことが29日、わかった。患者の健康状態に問題はないという。病院の鈴木進一事務長は「やってはいけないことをした」と話し、技士と、縫合を指示した執刀医の2人を訓告処分にしたことも明らかにした。
 病院によると、問題が起きたのは、患者の体内に埋め込まれた心臓ペースメーカーの部品交換手術。臨床工学技士は、ペースメーカーが正常に作動するかどうかを確認するため、手術に参加した。その際、執刀医の指示で医師のみが行える皮膚の縫合を実施した。
 臨床工学技士は、医療機器の操作や点検が専門で、医師免許はない。執刀医は「私の指導の下であれば問題はないと思った」と話したという。
 医師法は医師免許を持たない無資格者による医療行為を禁じている。違反すれば、3年以下の懲役か100万円以下の罰金、その両方が科される。
 問題を巡っては、千葉市に今年1月、情報が寄せられた。病院は関係者らに聞き取り調査して事実を確認し、3月、患者に謝罪した。

◆ネット購入の「ダイエット用健康食品」、女性の腕に水ぶくれ…未承認の医薬品成分検出 indexへ

 宮崎県薬務対策課は28日、インターネットで購入したダイエット用健康食品をうたう商品を摂取した県内の女性に、腕の水ぶくれなどのアレルギー症状が確認されたと発表した。商品からは国内未承認の医薬品成分であるシブトラミンなどが検出されたという。
 同課によると、商品はスティック状のゼリーの「Detoxeretゼリー」と固形チョコレートの「DETOXERET Chokolade」。県は販売元を調べている。商品を購入した人へは同課か最寄りの保健所への連絡を呼びかけている。
 シブトラミンは食欲抑制作用がある一方、血圧上昇や頭痛といった副作用がみとめられ、国内では医薬品として承認されていない。この食品を巡っては、兵庫県西宮市や千葉市でも健康被害が確認されている。

◆ワクチン輸送時に異常アラーム、報告せず隠ぺいするため6300人分を「廃棄用」に移し替え indexへ

 東京都小金井市は28日、新型コロナウイルスワクチンの輸送時に起きたトラブルを市職員が 隠蔽しようとしたことで、米モデルナ製の約6300人分を廃棄することになったと発表した。市は職員の処分を検討する。
 発表によると、職員は市保健センターの冷凍庫から接種会場へワクチンを運ぶ際、温度管理の異常を示すアラームが鳴ったにもかかわらず、上司らに報告しなかった。約370人分のワクチンが実際に使用されたが、市の調査で安全性に問題がないことを確認したという。
 職員はさらに、問題が発覚しないようにするため、冷凍庫に残っていた約6300人分を廃棄ワクチン用の冷蔵庫に移し替えた。このワクチンは、品質が担保できないことから廃棄するといい、西岡真一郎市長は「不適切な行為で、深くおわびする」と陳謝した。

◆ワクチン接種受けた男性の肩の神経損傷、市が30万円支払いで示談成立 indexへ

 滋賀県草津市は27日、昨年6月に新型コロナウイルスのワクチン接種を受けた60歳代男性に対し、「注射の針が神経を損傷した」として、約30万円の損害賠償を支払うことで示談が成立したと発表した。
 市によると、男性は昨年6月13日、市内の医療機関で実施された集団接種で、ファイザー社製のワクチン接種を看護師から左肩に受けた。翌日から痛みを覚え、医療機関を受診したが改善しないため市に連絡。その後、注射針による「左 腋窩神経損傷」と診断されたという。
 男性の治療は昨年12月に終わり、日常生活に支障はないものの、今も左肩に若干の痛みと可動域制限があるという。  市は男性との示談交渉で「看護師の過失ではないが、接種が原因の健康被害」と認め、男性に治療費や休業補償、慰謝料など計約30万円を支払うことで示談が成立したとしている。

◆コロナ禍で受診控え、国保財政が過去最大2054億円の黒字…厚労省「20年度は特殊な状況」 indexへ

 厚生労働省は23日、自営業者らが加入する国民健康保険(国保)の2020年度の財政状況を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大による受診控えが影響し、実質収支は2054億円で過去最大の黒字だった。
 加入者の減少に加えて、コロナ禍で収入が減少した世帯の保険料を減免したことで、収入は前年度比1・6%減の23兆6585億円となった。一方、医療機関に支払う保険給付費が減少し、支出は同3・5%減の23兆2297億円で収入を下回った。単年度の実質収支の黒字は、18年度の212億円以来2回目。
 1人あたりの保険給付費は近年、高齢化や医療の高度化を受けて増え続けてきたが、20年度は同1・5%減の31万5564円となり、減少に転じた。厚労省は「新型コロナの影響で、20年度は特殊な状況になった」と分析している。新型コロナ感染中の治療は公費で行われる。
 厚労省は、20年度の後期高齢者医療制度の財政状況についても公表し、収支は8219億円の黒字だった。

◆認知症の行方不明、昨年最多の1万7636人…電車にはねられ死亡や山中で白骨化も indexへ

 全国の警察に昨年、届け出があった認知症の行方不明者は延べ1万7636人で、統計を取り始めた2012年から9年連続で増加し、過去最多を更新したことが警察庁のまとめでわかった。大半は無事保護されたが、電車にはねられて死亡したケースもあった。警察庁は「自治体と情報共有を進め、早期発見につなげたい」としている。
 警察庁によると、認知症の行方不明者は昨年、男性9631人、女性8005人だった。都道府県別では大阪が最も多い1895人で、埼玉1875人、兵庫1804人、神奈川1604人などと続いた。東京は1215人だった。
 年齢別では、60歳代が913人で、70歳代が6706人、80歳以上が9893人だった。
 警察は捜索を行うほか、防災行政無線の放送やメール配信などで市民に情報提供を求めている。昨年は届け出を受けた当日に約7割、1週間以内に99・4%の無事を確認した。一方、前年以前の届け出分も含め、450人の死亡が確認された。電車にはねられた例のほか、山中で白骨化して見つかった人もいたという。

◆不人気のモデルナ製ワクチン6万1020回分、使用期限迎え廃棄 indexへ

 新型コロナウイルスワクチンを巡り、静岡県内で5月末までに使用期限を迎えて廃棄された米モデルナ製は計6万1020回分に上ることが、県のまとめでわかった。県は市町から供給の要請があった場合に、県内の在庫を調整して廃棄量の削減を目指す。
 県によると、県保有分の廃棄は1万530回分だった。このほか静岡市1万5255回分、伊東市7680回分、富士市7635回分、御前崎市4815回分、磐田市4515回分など、17市町で計5万490回分が廃棄された。浜松市は廃棄量がゼロだった。
 使用期限が約3か月のワクチンが国から供給されたことや、モデルナ製が不人気だったことが要因。県は今後、国に注文する前に県内の在庫を調整する。

◆給食の「おからの炒り煮」に「かなたわし」破片…長さ2センチ、教諭が見つける indexへ

 佐賀県白石町教育委員会は20日、同町立福富小(227人)の給食に、「かなたわし」の破片(長さ2センチ、太さ1ミリ)が混入していたと発表した。児童や教職員の健康被害は報告されていないという。
 町教委によると、同日午後0時50分頃、教諭が副菜「おからの 炒り煮」に入っているのを見つけた。同校の給食調理場では「かなたわし」を使っておらず、同日朝に納入された食材に混入していたとみられる。
 町教委は納入業者に対し再発防止の指導を行う。

◆乳がん検診、要精密検査の3人に「異常なし」と通知…二重チェック機能せず indexへ

 岐阜県高山市は17日、高山赤十字病院に委託した2020~21年度の乳がん検診で、40代、60代、80代の女性3人に対し、「要精密検査」だった検診結果を誤って「異常なし」として通知していたと発表した。
 市と同病院は3人に謝罪し、精密検査を行った。1人は「異常なし」、残りの2人については「6か月~1年後に経過観察」との結果で、市は治療の遅れなどによる健康被害には至らなかったとしている。
 40代女性が昨年度の検診で「要精密検査」の判定を受け、検査を受けた際に、その前年度にも「要精密検査」と判定されていたことが判明。市が同病院に確認したところ、20年度に1件、21年度に2件の誤通知が見つかった。  市によると、同病院でダブルチェックができなかったことが原因という。

◆軽くあぶった鶏の刺し身食べ、客3人が下痢や発熱…カンピロバクター属菌検出 indexへ

 千葉県船橋市保健所は15日、船橋市の飲食店で、客の男性3人が下痢や発熱の症状を訴え、うち2人からカンピロバクター属菌が検出されたと発表した。
 発表によると、3人は会社の同僚と計9人で5月24日午後7時頃、同店で軽くあぶった鶏の刺し身などを食べ、3人が同28日朝から下痢などの症状を訴えた。入院した人はおらず、全員が回復に向かっている。同保健所はカンピロバクター属菌による食中毒と断定し、同店を15日から3日間の営業停止処分とした。

◆妻が第三者から性暴力、中絶に夫の同意必要か…告白にためらい・同意なし手術の例も indexへ

 既婚女性が、第三者から性暴力の被害に遭って妊娠し、中絶手術を受ける時に夫の同意が必要か――。法律は夫の同意を求めるが、夫婦関係への影響を危惧し、打ち明けるのをためらう女性は少なくない。医療機関には、夫からの訴訟や業務上堕胎罪に問われるリスクもあるが、法律の規定を独自に解釈して同意なしの手術に踏み切るケースも出ている。
母体保護法
 母体保護法は、〈1〉身体的か経済的理由で母体の健康を著しく害する恐れがある〈2〉強制性交の被害に遭って妊娠した――時には人工妊娠中絶を認めるが、本人だけでなく夫の同意も必要とする。ただし、夫が妊娠後に死亡した場合、行方がわからない場合、病気などで意思表示ができない場合は本人の同意だけで中絶できると定めている。
妊娠中絶手術の同意書。配偶者欄が設けられている
 要件を満たさずに医師が手術を行うと業務上堕胎罪に問われる可能性があるほか、夫の同意なく手術した医療機関側が夫から訴えられた事例もある。
 胎児の生命を重く見る立場から夫の同意が必要だとする意見があり、国も「国民には様々な価値観があり、慎重な対応が必要」とする。一方で、中絶を「女性の権利」と捉える欧米では夫の同意要件はなく、世界保健機関(WHO)などによると、現在、同意要件があるのは、日本のほかインドネシアやイエメンなど11か国・地域にとどまっている。
私も夫も「心が耐えられない」
 「性被害に遭って妊娠した」。数年前、西日本の総合病院に1人で来院した30歳代の女性は、医師に見ず知らずの男からの性被害を打ち明け、中絶手術を受けたいと訴えた。
 医師が「配偶者から同意をもらうことはできますか」と問うと、女性は「私も夫も、心が耐えられません」と話した。夫に知られることを恐れ、警察にも被害を届け出ていないという。
 病院で対応を協議。強く夫の同意を求めれば、違法な中絶手術を受けたり、命を絶ったりする可能性があるとし、女性の話をカルテに詳述して記録に残した上で、夫の同意なしに手術を行った。母体保護法が本人の同意だけで中絶を認める、夫が意思表示できない場合に該当すると判断した。
難しい判断
 厚生労働省の衛生行政報告例によると、2020年度に行われた中絶手術14万1433件のうち、ほとんどが〈1〉の身体的、経済的理由で〈2〉の強制性交は171件。〈2〉の件数はこの10年間、147~224件で推移しているが、既婚か未婚かは報告されておらず、既婚女性の件数は不明だ。
 「性暴力被害者支援センター・ふくおか」(福岡県)が昨年度、第三者からの強制性交の被害に遭い、病院や警察への付き添いなどの直接支援をしたケースは約100件あり、既婚者は約1割だった。
 読売新聞が昨年11月、岡山県医師会の協力で母体保護法指定医師114人に実施したアンケート調査(回答67人)では、既婚女性が第三者の性暴力で妊娠し、中絶を希望した場合の配偶者同意が問題となった事例を把握している医師は10人(15%)だった。同意を求めるかについて、40人(60%)が「判断が難しい」と回答。「被害女性の保護が最優先。家庭を壊す可能性のあること、本人を重ねて苦しめることは絶対に避ける」との意見がある一方で、「女性本人の説明が必ずしも正しいかわからず、手術に踏み切るには心配もある」と悩む声もあった。
 厚労省はこの問題について通知などを出していないが、読売新聞の取材に、同意なしの手術に慎重な考えを示した。
 棚村政行・早稲田大教授(ジェンダー法)は「夫が冷静な判断で同意する能力があるかどうかという問題もある。法律が実情に合わない面が出てきており、議論すべき時期に来ているのではないか」と指摘する。
 日本産婦人科医会常務理事の種部恭子医師は「個々に判断したことが後に刑事罰に問われる可能性もあり、現場の医師の負担は大きい。厚労省は実態を踏まえて見解を示すなどの対応をしてほしい」と話す。

◆人間に近い「肌感」実現へ、生きた細胞の皮膚で指型ロボット…傷ついても再生 indexへ

 生きた細胞でできた皮膚を持つ指型ロボットの開発に成功したと、竹内昌治・東京大教授(機械工学)らのチームが発表した。傷ついても再生できるほか、見た目の「肌感」が人間に近いロボットの開発につながるという。論文が10日、科学誌「マター」に掲載される。
 ロボットは直径約1センチ、長さ約5センチで、表面は人間の皮膚から作った培養細胞で覆われている。培養方法などを工夫することで、表面の「表皮」とその内側の「真皮」を再現した。
 皮膚の厚さは1・5ミリ・メートルで、3か所ある関節の曲げ伸ばしぐらいでは破れない強度がある。表面が傷ついても、コラーゲンのシートを張って培養液に浸しておけば、細胞が増殖して傷がふさがるという。
 栄養を供給する血管がないため、現状では長期間利用できないが、竹内教授は「将来的には神経や血管なども融合させて機能を高めたい」と話している。
 石黒浩・大阪大教授(ロボット学)の話「挑戦的な研究で、見た目や触った感触が人間らしいロボットを作るための大事な一歩だ。従来のシリコーンゴムなどの素材では耐久性や放熱性に課題があったが、克服できるかもしれない」

◆女子大学生を集団で性的暴行、一部始終を動画撮影…滋賀医大生3人を起訴 indexへ

 知人の女子大学生(22)に集団で性的暴行を加えたとして、滋賀医科大の医学部生3人が強制性交容疑で逮捕された事件で、地検は9日、3人を同罪で起訴した。3人は女子大学生を脅して部屋に連れ込んだうえで乱暴。その一部始終を動画に撮っていたという。地検は3人の認否を明らかにしていない。
 起訴されたのは、いずれも医学部6年の長田知大(24)、片倉健吾(24)、木下淳弘(26)の3容疑者。
 起訴状によると、3人は共謀。3月15日深夜、長田容疑者の自宅マンションのエレベーター内で、長田容疑者が女子大学生の前に立ちふさがり、性行為に応じるよう脅迫。嫌がる女性を無理やり長田容疑者宅に連れ込み、16日未明にかけ、長田、片倉両容疑者がかわるがわる性的暴行を加えたとしている。
 長田、片倉両容疑者は、逃げようとする女子大学生の腕をつかんだり、抱きついたりして抵抗できない状態にしたうえで性的暴行をしていた。一連の行為は、長田、木下両容疑者が携帯電話を使って動画撮影していたという。
 3人の起訴を受けて滋賀医科大は「被害者に改めて深くおわび申し上げる。調査委員会による調査で確認できた事実に基づき、厳正に対処する」とのコメントを発表した。

◆メール無視・個人的なこと話題に…職場のネットいじめ「週に1回以上」1割 indexへ

 コロナ禍でテレワークが拡大する中、「職場で『ネットいじめ』を週1回以上受けている」人が約1割いることが、筑波大の池田朝彦助教(産業精神医学)らの調査で明らかになった。「メールを無視」「個人的なことを話題にされる」といった内容で、心の健康への影響が心配される。
 調査は2021年1月、20~64歳の正社員を対象にインターネットで実施し、1200人が回答した。
 職場でネットいじめを受けた頻度を尋ねたところ、「週1回以上ある」と回答した人が全体の8・0%の96人に上った。
 多かったいじめの内容(複数回答)は「電子メールや電話での通話・メッセージなどが無視される」(60人)、「必要な電子メールやファイルを保留にされ、仕事が困難になる」(35人)、「メールやLINE、ツイッターなどでプライベートなことについて話題にされる」(22人)などだった。
 職場でのネットいじめについて、池田助教は「周囲は気付きにくいので、企業の担当者は相談窓口をつくるなど積極的に対応してほしい」と話している。

◆医療・介護現場の頻繁な消毒「不要」…専門家ら提言「負担少なく効率的な感染対策を」 indexへ

 新型コロナウイルス対策を検討する専門家らが、「施設内の頻回消毒は不要」「複数の感染者の大部屋療養も可能」などとする医療・介護現場向けの提言をまとめた。8日に開かれた厚生労働省の助言機関の会合で公表した。
 ワクチン接種などにより感染者が重症化しにくくなった一方、オミクロン株の流行で感染者が増加。医療・介護現場が 逼迫したことから、「負担が少なく効率的な感染対策」を提案した。
 提言では、専用病棟を作らなくても、病室単位の区域分けで対応可能と指摘。感染が疑われる患者を外来で診る場合も、インフルエンザ同様、〈1〉待合室の換気を良くし、席を離す〈2〉診察時間を分ける――などの対応でよいとしている。
 また、室内の頻繁な消毒や、感染者と密着しない場合の感染防護用ガウンの着用は、必要ないとした。医療機関での面会は、出産の立ち会いや 看取りなど重要な場面から受け入れていく必要があるとした。

 助言機関は同日、全国で感染者の減少傾向が続いていると評価した。新規感染者数は7日までの1週間で、前週の0・7倍だった。

◆「お前が主将だから」「頭悪い」私立高理事長から40分暴言…元野球部主将の17歳が提訴へ indexへ

 私立和歌山南陵高校(和歌山県日高川町)の硬式野球部の主将だった男子生徒(17)が、高校を運営する学校法人南陵学園(静岡県菊川市)の小野和利理事長から暴言を吐かれるなどして精神的な苦痛を受けたとして、法人と小野理事長を相手取り、慰謝料など約570万円の損害賠償を求める訴訟を近く、大阪地裁堺支部に起こす。代理人弁護士への取材で分かった。
 訴状によると、生徒は野球部主将だった昨年9月、部内で起きた問題を巡り、「総監督」として部を指導していた小野理事長に「お前が主将だからこんな問題が起こるんだ」「頭悪いからテストの点数も悪いんだろ」などと約40分間暴言を吐かれた。その後、主将を外され、食欲不振や不眠に陥り、適応障害と診断されるなど、精神的苦痛を受けたとしている。
 生徒は別の高校に転校した。母親(55)は「大好きだった野球もできなくなって心に深い傷を負った。非を認めて謝罪してほしい」と話した。
 南陵学園の代理人弁護士は「訴状が届いておらず、事実確認ができないため、コメントできない」、県高校野球連盟は「その件についてはコメントを差し控える」としている。

◆「朝から罵倒、本当に嫌だ」餓死した5歳児の母親がメモ…知人被告に「迎合」のやり取りも indexへ

 福岡県 篠栗町で2020年4月、5歳の三男を餓死させたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の 碇利恵被告(40)の裁判員裁判の第3回公判が8日、福岡地裁(冨田敦史裁判長)であった。公判では、共犯として起訴された知人について、碇被告が「本当に嫌だ」などとスマートフォンのメモに書き残していた一方で、迎合するようなSNSのやり取りがあったことも明らかになるなど、心の葛藤が浮き彫りになった。
 碇被告側は、三男・ 翔士郎ちゃんに食事を与えないなどの虐待は、知人の赤堀恵美子被告(49)の指示だったと主張。赤堀被告から、子育ての姿勢や人格を否定される罵声を受けていたとも訴えている。赤堀被告は頻繁に碇被告宅を訪れており、起訴状などによると、碇被告ら母子4人は19年初め頃から、赤堀被告が提供する食べ物だけで暮らしていたとされる。
 検察側はこの日の被告人質問で、碇被告が20年1~4月にスマホに残したメモを紹介。メモには赤堀被告について、「朝から罵声、罵倒。本当に嫌だ。精神的にダメになる」と記載され、「全部自分が正しいと思っている」などと不満が書き込まれていた。「ご飯抜きが5日目だね。早く食べたいよね」などと翔士郎ちゃんを心配する内容のものも残されていた。
 一方で、検察側は、碇被告が翔士郎ちゃんの様子について、「犬みたいにパンにかぶりつく」「相変わらず無表情」などと、赤堀被告にLINEでメッセージを送っていたと指摘。「面白がっていたのか」と問うと碇被告は否定し、食べ物を得るためには、子どもに厳しくするよう求める赤堀被告に迎合する必要があったとした。
 また、この日は、碇被告の元夫が検察側の証人として出廷。赤堀被告について、碇被告に寄り添う友人と思っていたと語った。長男と次男が事件後、碇被告に宛てた手紙に「(お母さんは)悪くない」などと書いていたことも明らかにした。

◆認知症の80代女性に乱暴か、介護職員の男を逮捕…「体触られる」と別の職員に相談 indexへ

 神奈川県警瀬谷署は8日、横須賀市、介護職員の男(69)を準強制性交の疑いで逮捕した。発表によると、男は2月1日、勤務していた横浜市の老人介護施設で、認知症の80歳代女性に乱暴した疑い。「拒むことは不可能ではなかった」と容疑を一部否認している。女性は昨年12月~今年1月、「夜に男が部屋に入ってきたり、体を触られたりする」と別の施設職員に相談していた。

◆けんちん煮で食中毒か、老人施設の入所者60人が下痢や腹痛…便からウエルシュ菌検出 indexへ

 静岡県は8日、島田市の介護老人保健施設「エコトープ」で、ウエルシュ菌による集団食中毒が発生したと発表した。
 県によると、4日午前2時頃から、入所する高齢者60人が下痢や腹痛を訴えた。患者の便からウエルシュ菌が検出され、県は3日に施設で提供されたけんちん煮が原因とみている。現在は全員回復している。
 食事は、業務委託先の東洋食品フードサービス(本社・東京)が施設内で調理した。県は当分の間、同社を営業禁止処分とした。
 ウエルシュ菌は熱に強く、カレーなどを大きな鍋で調理する際、菌が生き残ることがあるという。

◆「モデルナアーム」女性は男性の4倍発生…年代別では30~60代が比較的高く indexへ

 米モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンの接種後に腕が腫れるなどする「モデルナアーム」という副反応について、症状が表れた女性は20%超で、男性の約4倍に上るとする調査結果を自衛隊中央病院などの研究チームがまとめた。論文が医学専門誌に掲載された。
 「モデルナアーム」は、ワクチン接種の約1週間後に腕が腫れたり、赤くなったりする副反応。詳しい仕組みはわかっていない。
 チームは、「自衛隊東京大規模接種センター」(東京都)で1回目の接種を受けた5893人について、2回目の接種時に行った問診内容を分析した。その結果、モデルナアームが起きた女性は22・4%で、男性(5・1%)の約4倍だった。女性は男性より発症日が遅く、症状が継続する傾向にあった。免疫反応の男女差が影響した可能性があるという。
 男女合わせた年代別では、30歳未満が9・0%と最も低く、30~60歳代は15・8~12・6%と比較的高かった。70歳以上は10・5%だった。ほとんどの人は平均5日程度で症状が治まり、重い症状が出た人はいなかったという。
 中山哲夫・北里大特任教授(臨床ウイルス学)の話「ワクチンの成分を解析すれば、副反応の原因がわかるかもしれない」

◆マダニ媒介ウイルス感染症、87歳男性が死亡…日常的に畑の草刈り作業 indexへ

 熊本県は3日、熊本県上天草市の男性(87)がマダニを介して発症する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に感染し、死亡したと発表した。同県内では今年初めて。
 県によると、男性は5月24日に発熱の症状で受診した。28日に熊本市の病院に入院し、30日に血液検査などで感染が確認された。6月2日に容態が急変して亡くなった。刺し口などはなかったが、日常的に畑の草刈り作業などをしていたという。
 県健康危機管理課は「森林や草地に入る場合は、肌の露出を少なくしてほしい」と呼びかけている。

◆「働いていないのに食べてはいけない」…1m55の女性、摂食障害で体重28キロに indexへ

 食べることに関する問題が起こる精神疾患の摂食障害の患者が、新型コロナウイルス禍で増えた可能性が指摘されている。コロナ禍で、人との交流が減ったことなどが背景にあるとみられる。若い女性が多いが、男性や中高年層での発症も少なくない。石川、富山両県での支援の動きを取材した。
当事者同士で
 「冷たい水出しコーヒーはいかがですか」。5月28日、金沢市で開かれたイベントの一角で、数人の女性がコーヒーやクッキーを売っていた。女性たちは、摂食障害など心の不調と闘いながら、自家 焙煎コーヒーを製造、販売する「からこ舎」のメンバーだ。体調に波があっても自分のペースで働ける女性限定の職場兼居場所として、昨年6月、石川県野々市市に拠点を構えた。現在、石川・富山在住の約20人が所属する。
 運営する「あかりプロジェクト」は、摂食障害の経験者を中心に、当事者や家族を支援するNPO法人だ。自身も摂食障害に苦しんだ代表理事の山口いづみさん(45)らが2008年に活動を始めた。09年に当事者限定の会員制交流サイトを開設し、当事者の交流会「あかりトーク」を金沢で開催。以来、当事者や家族同士のコミュニティー作りや、支援者の育成、啓発活動に取り組んできた。
 5月28日、富山県射水市ではあかりトークも開かれていた。同法人によると、富山や石川在住の4人が、それぞれ体形や体重に抱く思いを話したり、過食の衝動にどう対処するか知恵を出し合ったりしたという。
 「回復には、自分の力を信じて引き出すことが大切。『医師と患者』だけではない対等な関係性はその土台になる」。山口さんは、当事者と同じ目線で回復を目指す意義をこう説明する。
 厚生労働省などによると、17年6月時点で摂食障害で受診・入院している人は、全国に約22万人、石川県に約2400人、富山県に約1700人いると推計されている。
 コロナ禍で若年層の患者の増加も指摘されている。昨年4~6月、国立成育医療研究センターなどが全国26医療機関を対象に20歳未満の患者について尋ねた調査では、摂食障害のうち、「神経性やせ症」の初診外来患者数がコロナ禍前の19年度の約1・6倍となった。感染拡大で、生活環境の変化によるストレスのほか、「コロナ太り」についての情報から過度な食事制限につながった可能性もあるという。
行政も体制作り
 こうした中、石川県は今年度、新たに金沢大付属病院を「摂食障害支援拠点病院」に指定する準備を進めている。当事者と家族が早期に適切な治療や支援を受けられる体制作りに取り組む。国は14年度から自治体による「摂食障害治療支援センター」の設置を進めてきた。21年度からは設置要件が緩和され、名称も支援拠点病院に変更。現在は全国に4か所ある。
 県は、同病院に心理士を配置し、これまで県こころの健康センターや保健所、医療機関に分散していた相談を同病院で集約していくほか、摂食障害の兆候がある人に接する機会が多い養護教諭らに対し、基本的な知識や対応を学ぶ研修も予定している。
 富山県では、県心の健康センターや24時間対応の相談ダイヤル「こころの電話」などの相談を医療機関につなげる対応をとっている。
 摂食障害の疑いがある人が病院を受診する際の参考にしてもらおうと、医療機関名のほか、入院・外来診療、専門治療の実施状況を一覧にし、「県医療計画別冊」として県ホームページに掲載している。
 金沢大の内藤暢茂講師(41)(精神行動科学)は、「周囲との関わりが薄れると発症しやすい」とした上で、「即日入院が必要など重症化してからの受診が多い。偏食したり食事を残したりするようになったといった食べ方の変化を身近な人が見つけたら、できるだけ早く医療機関に相談してほしい」と話している。
空腹で胃が痛むのに食べられない
 からこ舎のメンバーで金沢市の30歳代女性が経験を語った。
 女性は、短大卒業後、アルバイトをしていたが、心身ともに疲弊して辞めた。「働いていない自分は食べてはいけない」と思いつめ、食べる量がどんどん減った。
 身長約1メートル55に対し体重は28キロまで落ち、入退院を繰り返した。一日中空腹で胃が痛む。延々と「今食べていいもの」を考える一方、数口食べただけでも何グラム、何キロ・カロリーか気にせずにはいられなかった。体力が落ちる中でも、常に「何かしていなければ」と焦りに駆られていた。
 苦しみは10年ほど続いたが、同じ病室の人が「自分の生きやすいように生きる方がいい」と伝えてくれたことで自責の念が和らいだ。少しずつ症状は改善し、2018年の退院後、体調は安定している。体重も約40キロまで戻った。
 からこ舎には信頼し合えるメンバーがいる。「仕事ができ、少しでも周りの役に立てているのがうれしい。前は孤独を感じていたが、今は一人ではないと思えて幸せです」とほほ笑んだ。
  ◆摂食障害= 食行動に問題が起こる精神疾患の総称。嘔吐や過剰な運動、または極端に食べないことでやせすぎる「神経性やせ症」と、過食を繰り返すが見た目の変化が少ない「神経性過食症」が代表例。深刻なやせ症状は命に関わり、入院し体重を増やすことが最優先される。治療は年単位に及ぶことが多い。

◆国立病院汚職、5度の旅行接待…三重で高級旅館・石川でパラグライダー indexへ

 国立研究開発法人「国立国際医療研究センター」(東京)の物品発注を巡る汚職事件で、同センター総務課係長の笠井崇一郎容疑者(39)(収賄容疑で逮捕)が同センターに着任後、贈賄側業者から5度にわたり旅行接待を受けていたことが捜査関係者への取材でわかった。業者からの収賄罪で今月1日に起訴された下志津病院(千葉)元企画課長の 安彦昌人被告(60)が一緒の時もあり、警視庁が経緯を調べている。
 捜査関係者によると、笠井容疑者は2019年4月に独立行政法人・国立病院機構から同センターに出向し、契約業務を担当。贈賄側の電気製品販売会社「小松電器」(千葉)社長の松丸隆行被告(43)(贈賄容疑で再逮捕)から現金や家具などをもらい、見返りに便宜を図ったとされる。
 さらに、笠井容疑者は同7月から21年4月にかけ、三重、山形、富山・長野、石川、京都の順に松丸被告と旅行に行き、交通費や宿泊費など計約60万円を負担させていた。このうち三重と山形、石川には安彦被告も同行し、三重で高級旅館に宿泊したほか、石川ではパラグライダーを体験していたという。
 警視庁は5日、同センターの事務用品の契約を巡って現金約270万円などを授受したとして、笠井容疑者を収賄容疑で、松丸被告を贈賄容疑で送検した。

◆「梅干しにコロナウイルスの増殖抑える効果」、サル由来の細胞で効果確認 indexへ

 和歌山工業高専(和歌山県御坊市)と東海大学(神奈川県伊勢原市)、大阪河崎リハビリテーション大学(大阪府貝塚市)の研究者らのグループは1日、和歌山県みなべ町役場で記者会見を開き、「梅干しには新型コロナウイルスの増殖を抑える効果がある」とする研究成果を発表した。
 グループは2020年10月、町から委託を受けて研究を開始。サル由来の細胞で▽梅干しの果肉から抽出した成分を混ぜたウイルスをふりかける▽ウイルスだけをふりかける――の2パターンを作り、細胞内でのウイルスの増殖を比較した。
 世界で感染が広がり始めた当時のウイルスと、3種類の変異株のそれぞれで同様の実験を行った結果、いずれも果肉の成分を混ぜた細胞の方が、ウイルスの増殖が大幅に抑えられることを確認したという。
 グループは現在、ウイルスを抑える作用を持つ梅の成分を特定する研究を進めている。グループの一人で、東海大医学部の山本典生教授(ウイルス学)は「人の細胞での実験ではないが、梅干しが新型コロナウイルスの感染予防に役立つ可能性が示された」としている。
 みなべ町の小谷芳正町長は研究成果について「梅産地として、より多くの人にアピールしていきたい」と話している。

◆釣ったサバを刺し身にして食べたら…男女2人が嘔吐や腹痛で入院、体内からアニサキス indexへ

 大津市は3日、市内の30歳代男性と60歳代女性が寄生虫のアニサキスによる食中毒を発症したと発表した。2人は入院したが、快方に向かっているという。
 発表によると、男性は1日、福井県沖の日本海に釣りに行き、釣ったサバを同日夜、自宅で刺し身にして家族4人で食べた。2日未明、うち2人が 嘔吐や腹痛などの症状を訴え、市内の医療機関に入院。検査の結果、体内からアニサキスが見つかった。
 市によると、今年度の市内での食中毒発生は初めて。担当者は「生魚は加熱・冷凍処理をするなどしてほしい。目視で確認するのも有効」と注意を呼びかけている。

◆アザラシ型ロボ「パロ」を心の癒やしに、ポーランドのウクライナ避難民向けに贈呈 indexへ

 産業技術総合研究所(産総研=茨城県つくば市)が開発したアザラシ型ロボット「パロ」計4体が1日、ポーランドの二つの医療機関に贈られた。ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナから心に傷を負った多数の女性や子供が隣国ポーランドに避難しており、癒やしの効果があるパロを「心の支援」に役立ててもらうのが狙いだ。
 贈ったのは、パロを製造販売する会社「知能システム」(富山県南砺市)。パロはタテゴトアザラシの赤ちゃんがモデルで、体長57センチ、重さ2・6キロ。視覚、聴覚、触覚のセンサーがあり、人工知能(AI)を内蔵する。なでると声を出して喜び、名前を付けて繰り返し呼びかけると学習して反応するようになる。抱いたり話しかけたりすることで癒やされる。東日本大震災の避難所でも活用された。
 パロは、ヨーロッパでは医療機器として活用され、2021年からこれまでに約150体輸出されている。今回の贈呈先の選定に関しては日本貿易振興機構が協力。在ポーランド日本大使館を通じて、マゾフシェ県神経精神医学センターとワルシャワ医療大学医療センターの関係者に2体ずつ手渡された。避難民キャンプや負傷した子供を搬送する際にも活用される予定だ。
 パロを開発した産総研上級主任研究員、柴田崇徳さんは「ウクライナの人々の避難生活は長期化しており、不安やストレスなど心の問題が少しずつ顕著になってくるだろう。心の支援にパロを役立ててほしい」と話している。

◆女性外科医を詐称し結婚の約束、「倍にして返す」と男性から30万円だまし取る indexへ

 宮城県警大河原署は1日、仙台市青葉区の無職の女(52)を詐欺容疑で逮捕した。
 発表によると、女は3月7日、マッチングアプリで出会った同県柴田郡の会社員男性(53)にSNSを通じて「30万円貸して。ボーナスと給料が出たら倍にして返す」とうそを言い、現金30万円をだまし取った疑い。「返すつもりだった」と供述している。
 女は既婚であることを隠し、偽名で外科医と称して、2月中旬に知り合った男性と結婚の約束もしていたという。女と連絡が取れなくなった男性が同署に相談した。

◆検査免除でスムーズ入国、タイから帰国の男性「早さがまるで違う」…きょうから水際対策緩和 indexへ

 政府による新型コロナウイルスの水際対策が1日から緩和され、米国や中国、韓国、タイなど98か国・地域からの入国者には入国時の検査が実施されず、自宅などでの待機も免除されることになった。成田空港では、検査を免除された利用客らがスムーズに入国手続きを済ませていた。
 午前8時半頃、タイ・バンコク発JAL718便が成田空港に到着。約40人の乗客が検疫場所に移動し、陰性証明などを登録したスマホの画面を検疫官に提示した。検疫官の確認を受けると、乗客らは到着ロビーへと向かっていった。タイから半年ぶりに帰国した埼玉県戸田市、会社員の男性(53)は「国内線と同じくらいの時間で到着ロビーに出られた。これまでとは早さがまるで違う」と驚いた様子だった。
 新しい措置では、国・地域をウイルスの流入リスクが低い順に「青」「黄」「赤」の3グループに分類。全員に出国前72時間以内の陰性証明書の提示を義務づけるが、「青」に該当する98か国・地域からの入国者は検査を免除する。ベトナムなど99か国・地域の「黄」はワクチンを3回接種していれば免除、パキスタンなど4か国の「赤」は3回接種でも検査を実施する。
 政府は2021年1月以降、日本人帰国者を含めた全ての入国者に、到着した空港で検査を実施してきた。3回目のワクチン接種者以外には、感染リスクが低い国でも入国・帰国後に最短3日間の自宅などでの待機を求めていた。

◆市民病院での抜歯治療で下顎骨折、痛み訴えても治療続き後遺症…市が350万円を賠償へ indexへ

 愛知県小牧市は30日、小牧市民病院での抜歯治療で下顎を骨折した患者に対し、損害賠償として約350万円を支払うと発表した。関係議案を6月6日に開会する定例議会に提案する。
 市によると、同病院歯科 口腔外科で2020年9月、70歳代男性の親知らずを抜いた際、下顎の弱い部位に負荷がかかり、骨折させた。男性は痛みを訴えたが、治療は続けられ、口が大きく開かなくなる後遺症が残ったという。
 同病院では再発防止策として、抜歯の説明同意書に骨折のリスクを表記するとともに、処置中も患者の訴えを聞き、安全管理を一層徹底するとしている。

◆60億円かけて設置のコロナ臨時施設、利用303人のみで閉鎖…「軌道修正できなかった」 indexへ

 大阪府が新型コロナウイルス対策で開設した国内最大の臨時医療施設「大阪コロナ大規模医療・療養センター」(大阪市住之江区)が、5月末で閉鎖される。約60億円をかけて1000床を運用したが、利用者は1日最大70人、累計でも約300人にとどまった。変異株「オミクロン株」は重症化しにくく、利用を想定していた若い世代の多くが自宅にとどまるという誤算があった。
 吉村洋文知事がセンターの開設を表明したのは、感染が拡大していた昨年8月下旬。当時は30~50歳代が自宅療養中に死亡する事例が全国で相次いでおり、若い世代に医療の目が届く受け皿を提供する狙いだった。
 大阪・南港の大型展示場「インテックス大阪」に、無症状・軽症用800床と中等症用200床を整備。人の移動が活発になる年度替わりの感染拡大に備え、会場は5月末まで押さえた。
 今年に入り、オミクロン株の流行で感染者が急増。1月24日には病床使用率が50%を超えたため、同31日から運用を始めた。
 対象は原則40歳未満の自宅療養者に限定。保健所が入所を決めるのではなく、希望者が府のコールセンターに申し込む仕組みだった。
 しかし、蓋を開けてみれば、利用者はゼロか1桁が続いた。2月15日からは、無症状・軽症用の対象を60歳未満に引き上げたが、1日のピークは3月10日の70人で、受け入れ最終日の4月30日までの3か月の累計でも303人となった。
 なぜ利用が低調だったのか。府幹部は「新たな株の特性を予想できず、ニーズに応じた軌道修正もできなかった」と振り返る。
 府の分析では、デルタ株が猛威を振るった「第5波」(昨年6月21日~12月16日)の重症化率は1%だったが、オミクロン株が流行した「第6波」(昨年12月17日~)では0・12%に激減。このため、感染しても自宅にとどまった人がほとんどだったとみられる。
 府内の自宅療養者は3万人余りだったセンター開設時から増え続け、ピークの2月16日には7万5805人となった。宿泊療養用ホテルの利用も低調だった。  センターでは、消灯時間が決まっているなど生活上の制約を受けることも、敬遠された一因とみられる。
 第6波では高齢者施設でクラスター(感染集団)が多発するなど、むしろ高齢者対策が課題になった。府はセンターで高齢者を受け入れることを模索したが、介護スタッフの確保や施設の段差を解消するための改修費がネックになり、断念したという。
 府が施設の運営を委託した事業者が確保した医師は1日最大4人、看護師は1日最大35人。施設の賃料30億円や人件費など経費は計57億円に上る。
  関西大の高鳥毛敏雄教授(公衆衛生学)の話 「変異株の性質を予想するのは難しく、結果的に施設の使用率が低かったことはやむを得ない面がある。ただ、公金を投入する以上、施設はできるだけ活用されるべきだ。対象者や場所を慎重に選定し、開設後も感染状況を常に確認しながら、想定外の事態が起きれば柔軟に軌道修正する姿勢が求められる」
第7波では高齢者専用目指す
 府が次の第7波に備えて開設を目指すのが、介護が必要な高齢者専用の臨時医療施設だ。
 大阪市住之江区の新築の福祉施設1棟を借り上げて約40床を用意し、寝たきりなど「要介護3」以上で、中等症1程度までの在宅の高齢者を受け入れる。医師や看護師のほか、介護福祉士や理学療法士を配置し、治療と同時に介護やリハビリを受けられるようにする。7月から来年3月まで開設し、費用は20億円と見込む。
 第6波では、入院患者の67%を70歳以上が占め、第5波の14%から急増。高齢者が病床の 逼迫で入院できなかったケースも多く、府は高齢者の受け皿が必要だとみる。
 介護人材の確保が課題となるが、施設の運営を担う医療法人は、系列の社会福祉法人が高齢者施設も運営しており、スタッフをそろえるノウハウがあるという。吉村知事は「自宅で寝たきりで入院もできず、行き場のない高齢者を守りたい」と語る。
  ◆臨時医療施設= 医療機関が不足した場合、知事が改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づいて開設する。費用は全額、国から支給される。厚生労働省によると、病床数でみた場合のピークは2月23日で、18都道府県が53施設計3265床を開設していた。

◆妻が入院、個室で面会中に女性看護師を刺す…包丁は「自宅から持ってきた」 indexへ

 三重県警津署は28日、津市藤方、無職小崎章容疑者(74)を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕した。
 発表によると、小崎容疑者は28日午後3時半頃、同市西丸之内にある病院で看護師の女性(50)の左脇腹などを包丁で刺し、殺害しようとした疑い。女性は意識があり、命に別条はないという。
 調べに対し、小崎容疑者は「自宅から持ってきた包丁で刺したことは間違いない」と容疑を認めている。病院には、小崎容疑者の妻が入院しており、個室の部屋で面会中に刺したという。

◆ヨーグルトに睡眠導入剤、難病の夫を浴衣の帯で絞殺「孤独と孤立でどんどん落ちた」 indexへ

 難病を患う夫の首を絞めて殺害したとして、殺人罪に問われた愛知県一宮市、無職水野美江子被告(62)の裁判員裁判で、名古屋地裁は27日、懲役5年(求刑・懲役6年)の判決を言い渡した。夫の介助に疲れて将来を悲観したと被告は主張したが、判決は精神的ストレスがあったと認めつつも「自分勝手な考えにより殺害した責任を、軽く考えることはできない」と指摘した。
 「孤独と孤立で、どんどん落ちていって苦しかった」。被告人質問で事件の原因について水野被告は声を震わせながら説明した。
 判決によると、水野被告は2020年12月27日、一宮市のホテルで、夫の勝広さん(当時65歳)の首を浴衣の帯で絞め、殺害した。
 2人は1982年に結婚し、娘2人に恵まれた。勝広さんは2013年にパーキンソン病と診断され、夫婦でウォーキングをするなどリハビリに取り組んでいたが、19年に転倒して肩を骨折してから、水野被告が介助するようになった。
 新型コロナウイルスの感染拡大後は家に籠もりがちになり、20年夏頃からは夫婦の会話が少なくなった。頭をたたかれるなど暴力を振るわれることもあり、水野被告は「肩の荷が重い」と、無理心中を考えるようになった。
 事件当日は一宮市内を観光した後、ホテルでヨーグルトなどに睡眠導入剤を混ぜて食べさせ、寝付いたことを確認し、浴衣の帯で首を絞めた。水野被告は自身も睡眠導入剤を飲み、カッターで自傷したが、そこから記憶はない。ホテルの部屋からは「悪い母親でごめんなさい」などと書かれたメモが見つかった。
 一方で、水野被告は別居する娘らに相談する機会もあったが、助言を聞くことはなかった。心の不調もあって専門機関の受診も考えたが、「コロナで外に出るのがおっくうだった」とも語った。
 判決後の説諭で、平城文啓裁判長は「裁判所として、犯行の理由が十分納得できていない。人ひとりの命を、あなたの考えだけで奪ったのではないか」と語りかけた。閉廷が告げられると、水野被告は深く頭を下げた。

◆モデルナ製3750人分を廃棄へ…市長「あまり好かれていない」「コロナへの意識薄れてきた」 indexへ

 群馬県太田市は23日、新型コロナウイルスの米モデルナ製ワクチン250本・約3750人分が28日で使用期限を迎えるとして、廃棄処分にすると発表した。同市が新型コロナのワクチンを廃棄処分するのは初めて。
 米ファイザー製は医院や診療所、集団接種会場で接種の予約が入るのに対し、モデルナ製は予約が埋まらず、使い切れないという。清水聖義市長は23日の定例記者会見で「モデルナ製は(強いとされる)副反応のせいか、あまり好かれていない。非常にもったいないが、新型コロナに対する意識も薄れてきたのかもしれない」と話した。

◆PCR検査の実施施設、16%が精度を確かめる作業怠る indexへ

 新型コロナウイルス感染症のPCR検査で、実施施設の16%が、法律で義務づけられた精度の確認作業を怠っていたとの調査結果を厚生労働省がまとめた。海外渡航前などに必要な「陰性証明書」を発行する診療所での未実施が目立つ。
 新型コロナのPCR検査では、医療法や臨床検査技師法で、検査の精度を確保するため、定期的な分析結果の確認や作業手順を定めた文書の作成、職員研修などが義務づけられている。
 調査は、厚労省が研究者らに委託し、昨年10月~今年1月に実施。全国の病院や診療所、地方衛生研究所、民間検査機関など1191施設の回答を集計した。
 その結果、施設内で、試験用の検体を使って検査精度を確かめる作業をしていなかったのは16・4%にあたる195施設だった。診療所では、回答した45施設のうち16施設(35・6%)が未実施だった。45施設の大半が、自費検査や陰性証明書の発行を行っていた。
 厚労省は、調査を踏まえ、精度管理を適切に行うよう、都道府県などに文書で通知した。
 分析した宮地勇人・新渡戸文化短期大副学長(臨床検査学)は「精度管理が不十分な施設が多くあるのは大きな問題だ。信頼性が疑われる検査を高額で行っている施設もあるとみられ、改善が必要だ」と指摘している。

◆「性別変更」を侮辱…勤務先の病院側が謝罪 indexへ

 性同一性障害で性別を変更したことを勤務先の病院で公表され、精神的苦痛を受けたとして、元看護助手の女性(51)が病院を運営する医療法人(大阪府吹田市)に約1200万円の損害賠償を求めた訴訟は、大阪地裁で和解が成立した。法人側が謝罪し、解決金(非公表)を支払う。17日付。
 訴状によると、女性は2004年に戸籍上の性別を男性から変更。13年から病院で働き始めたが、性別を変えたことを上司が無断で同僚らに伝えた。同僚から男性のような名前で呼ばれ、侮辱された。女性の代理人弁護士によると、茨木労働基準監督署(大阪府茨木市)は21年2月、職場での侮辱が原因で精神障害を発症したとして労災認定していた。

◆ロボット手術で患者死亡、外科医が遠隔操作を誤り大動脈損傷 indexへ

 大阪府吹田市の市立吹田市民病院は19日、手術支援ロボットを使った肺がんの内視鏡手術で、大動脈を傷つけて60歳代の男性患者を死亡させる医療事故があったと発表した。同病院はミスを認め、男性の遺族とは和解が成立したという。
 発表によると、同病院で2020年10月27日、男性の肺の一部を切除する内視鏡手術の際、外科医がロボットの遠隔操作を誤って医療器具で大動脈を損傷。大量出血し、男性は17日後に低酸素脳症で死亡したという。
 ロボットを使った内視鏡手術は、開胸手術より患者への負担が少なく、同病院では今年4月末までに138件の手術実績があり、肺がんの場合でも32件を実施してきたという。
 同病院は今年1月、遺族に謝罪して解決金を支払うなどすることで和解が成立。再発防止策として、手術チームの再トレーニングや緊急時対応の体制強化に取り組むとしている。
 内藤雅文院長は「亡くなられた患者と遺族に深くおわび申し上げる。今後、病院全体で医療安全の確保に努めたい」とコメントした。

◆保育園で「消毒液を10回なめた」5歳女児、急性アルコール中毒で一時意識不明 indexへ

 島根県雲南市の市立保育園で、女児(5)が新型コロナウイルス対策で園内に置かれていたアルコール消毒液をなめて意識を失い、急性アルコール中毒と診断される事案があった。女児は回復したが、市は消毒液を子どもの手が届かない場所で保管し、職員の監視下で使うよう注意喚起した。
 市などによると、女児は3月28日午後3時半頃、保育園で体調不良を訴えた。間もなく呼びかけに応じなくなり、同県出雲市の県立中央病院に救急搬送された。女児は同日夜に目を覚まし、「消毒液を10回くらいなめた」と話したといい、血液検査で1デシ・リットルあたり120ミリ・グラムと高いアルコール濃度を検出。急性アルコール中毒と診断された。
 診察した県立中央病院の平出智裕医師(42)は「子どもは好奇心で口にしやすく、面白がって繰り返すと中毒症状につながる可能性がある」と指摘している。

◆大腸菌群が混入の可能性…森永乳業「トリプルヨーグルト砂糖不使用」自主回収 indexへ

 森永乳業は19日、カップ入りヨーグルト「トリプルヨーグルト砂糖不使用」の1870個を自主回収すると発表した。大腸菌群が混入した可能性があるという。
 対象は賞味期限が6月4日の商品。グループの横浜森永乳業で製造し、スーパーを中心に東京、栃木、群馬、茨城、埼玉、千葉、神奈川、山梨、静岡の1都8県に出荷された。これまでに健康被害の報告はないという。
 法令に基づく出荷前の検査では問題はなかったが、出荷後に行った自主的な検査で混入の可能性が判明した。問い合わせは、お客さま相談室(0120・369・334)。

◆狂犬病ワクチンの注射針、飼い主の女性に刺さる…抱えていた犬が暴れる indexへ

 神奈川県小田原市は19日、同市中里の狂犬病予防ワクチンの集合接種会場で18日に、獣医師が誤って飼い主の女性に注射針を刺すミスがあったと発表した。
 市によると、予防接種の際は飼い主が犬を抱えて動かないようにするが、今回は直前に犬が暴れたため、獣医師が持っていた注射針が女性の左手の指に刺さったという。
 これまでのところ、女性の体調に異常はないという。

◆秘密は「リーダー細胞」、魚が傷を治すスピードは人の50倍…傷痕残さない治療法研究へ indexへ

 魚が人の50倍の速さで傷を治す仕組みの一部を、山口大大学院創成科学研究科の岩楯好昭教授(生物物理学)らの研究チームが解明した。傷を塞ごうとする細胞を誘導する「リーダー細胞」が増えることで、修復範囲が広がる様子を確認した。研究チームは、将来的に治療期間の短縮や傷痕を残さない手術方法の開発への応用が期待されるとしている。
 研究成果は4月、米科学雑誌「米国科学アカデミー紀要」に掲載された。
 岩楯教授によると、魚や人の皮膚が傷つくと、「リーダー細胞」を先頭に、上皮細胞が集団で傷を塞ごうとする。人の場合、特定のリーダーが後続を引っ張り、アメーバ状に広がる一方、魚では、リーダー同士が数珠つなぎになって円状に拡大することは分かっていたが、拡大の過程については不明だった。
 研究チームが魚のウロコの修復過程を特殊な顕微鏡で観察したところ、後続の細胞がリーダー同士をつなぐケーブル状の繊維を引きちぎって割り込み、そのままリーダーとして働いていることを発見した。こうした仕組みでリーダーを増やすことで傷を覆う範囲を増やし、魚の治癒を速めている可能性があるとしている。
 今回は速さの秘密を追究したが、次の段階では、傷をきれいに治す点に着目し、研究を進める。細胞が円状に等間隔で広がる原理を明らかにできれば、傷痕を残さない治療法の開発につながる可能性があるという。今月10日、山口大で記者会見した岩楯教授は「人の治療の発展につながるよう今後も研究を続けたい」と意気込みを語った。

◆手術動画を無断で外部に提供、医師10人が総額700万円受領…国が調査開始 indexへ

 全国五つの病院に勤務する医師が、白内障の手術動画などを患者や勤務先に無断で医療機器販売会社「スター・ジャパン」(千葉県浦安市)に提供していたことがわかった。医療機関には患者の個人情報の適切な管理が求められており、国の個人情報保護委員会が事実関係の調査を始めた。
 各病院への取材によると、医師は帯広協会病院(北海道)、済衆館病院(愛知県)、福井赤十字病院(福井県)、府中病院(大阪府)、JA広島総合病院(広島県)に勤める5人。2019年以降、動画を同社に提供しており、約200事例について渡したケースもあった。
 いずれも患者や勤務先からの承諾を得ておらず、帯広協会病院は「患者データを許可なく持ち出すことを禁じている就業規則に抵触しており、当該医師を厳重に注意し、文書で指導した」とコメントするなど各病院が管理上の不備を認めている。
 関係者によると、同社はこの5人以外にも複数の医師から動画の提供を受け、約10人の医師に総額約700万円を渡したという。
 同社は読売新聞の取材に、「当社で販売する眼内レンズを使用した外科技術などを共有するための教材を作成するために実施していた」と説明。「コンプライアンスの問題がある可能性があり、現在調査している。事態を重く受け止め、医療従事者や患者、家族にご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げる」とコメントした。

◆0歳男児の死因は圧迫による肝破裂…双子で母親と3人暮らし、市「虐待の兆候なかった」 indexへ

 14日午後4時頃、福岡県春日市の病院から県警に、搬送されてきた男児が亡くなったと通報があった。
 県警の発表によると、死亡したのは同県大野城市に住む生後7か月の男児。体には複数のあざがあった。司法解剖の結果、死因は胸腹部圧迫による肝破裂で、死亡推定時刻は14日午後1時頃だった。県警は母親から事情を聞いている。
 男児は双子で、母親と弟の3人暮らし。一家を支援対象とし、定期的に面談などを実施していた大野城市は「虐待の兆候は見られなかった」としている。

◆5~11歳向けワクチン接種後に初の死亡例、脳性まひで入院中の女児…因果関係「評価できない」 indexへ

 厚生労働省は13日、新型コロナウイルスのワクチンを2回接種した後、脳性まひで重い障害を持つ11歳の女児が死亡したと公表した。5~11歳向けワクチン接種後の死亡例は初めて。
 同日の厚労省の専門家部会で報告された。女児は4月28日に米ファイザー製の2回目の接種を受けたが、翌日から頻脈などの症状が出て、30日に死亡した。死因は呼吸不全とみられる。
 女児は出生直後から人工呼吸器を着け、長期入院中だった。死亡と接種との因果関係は情報不足などで「評価できない」とされた。
 5~11歳向けの接種は4月29日までに計約160万回行われ、医療機関から副反応の疑い事例が計55件報告された。国際基準に該当する心膜炎が7歳の男児1人にみられたが、軽快したという。同部会は、現時点で接種の継続に重大な懸念は認められないとした。

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 神奈川県小田原市は13日、米モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンについて、15日と23日に使用期限を迎える計1万3305回分を廃棄する見通しだと発表した。市内の3回目接種率が12日時点で54・71%にとどまり、ファイザー製を希望する市民が多いことも要因。市の担当者は「国から届いた時点で期限が3か月後に迫っていたものもあり、廃棄はやむを得ない状況」としている。

◆コロナ後遺症調査の個人情報55人分入ったPC、医師が電車内に忘れ紛失 indexへ

 厚生労働省の研究班が行った新型コロナウイルスの後遺症に関する調査に協力した患者55人の個人情報が含まれるパソコンを、順天堂医院(東京都文京区)の医師が今年1月、電車内で紛失していたことが同院への取材でわかった。パソコンは見つかっていないが、情報流出や悪用などは確認されていないという。
 同院によると、30歳代の男性医師が1月15日、JR総武線の車内でパソコンを入れたリュックサックを網棚に載せたまま下車した。パソコンのファイルには、研究班が2020~21年度に行った調査に同意した同院の入院患者55人の氏名や同意日などが含まれ、ファイル名はコロナ感染者とわかる内容だった。高橋和久院長は「患者の皆さまに深くおわびする」とのコメントを出した。

◆ホテルで出産した新生児を便器内に置き去り…風俗店従業員の女「全く愛情がなかった」 indexへ



◆ホテルで出産した新生児を便器内に置き去り…風俗店従業員の女「全く愛情がなかった」 indexへ

 出産したばかりの女児をホテルに放置したとして、大阪府警堺署は10日夜、母親で風俗店従業員の女(29)(大阪市浪速区)を殺人未遂容疑で逮捕した。「全く愛情がなかった。死んでも構わないと思った」と容疑を認めているという。同署は女が出産直後で入院の必要があると判断し、釈放した。
 発表によると、女は10日午前、堺市堺区のホテル一室で女児を出産し、そのままトイレの便器内に置き去りにした疑い。泣き声に気付いたホテルの従業員が女児を発見。病院に搬送されたが、命に別条はないという。  署は部屋を利用していた風俗店から女を特定した。

◆プラスチック微粒子、大気中にも飛散か…新宿で1立方mから5・2個検出 indexへ

 プラスチックの微粒子「マイクロプラスチック」が水中だけでなく大気中にも広がっている恐れがあるとして、早稲田大や広島大、気象庁気象研究所などのチームが実態調査に乗り出した。環境省の研究費で国内での観測を開始しており、今夏にもプラごみ汚染がより深刻とされる東南アジアでも観測する。人体への影響も調べ、今後の対策に役立てたい考えだ。
 マイクロプラスチックは5ミリ・メートル以下の大きさで、ペットボトルやポリ袋などが自然界で細かく砕かれて生じるほか、研磨剤などに微粒子として含まれる。世界中の海や川で見つかっており、生態系への影響が懸念されている。
 水中だけでなく、日本や中国、フランスなどでは大気中からも見つかっており、早大の大河内博教授(環境化学)らの2019年の調査では、東京・新宿の空気1立方メートルから5・2個が検出された。大きさは大半が0・03ミリ・メートル以下で、ペットボトルの材料となるポリエチレンテレフタレート(PET)などの粒だった。
 環境省は昨年度から、大河内教授らのチームに3年間で計約1億円の研究費を補助。チームはこの研究費で東京や大阪、北海道、富士山など10か所以上に大気中のマイクロプラスチックを集める装置を設置した。
 これまでの予備的な調査では、都市部ほど大気中のマイクロプラスチックが多い傾向がみられ、富士山の山頂付近でも微量が見つかっているという。
 今年度は国内の観測点をさらに数か所増やすほか、インドネシアやベトナムなどでの観測も計画している。人間が体内に取り込んだ場合の健康影響を評価するため、チームの広島大がマウスなどの動物実験も進めている。大河内教授は「国内外で観測を進め、対策に生かしたい」と話している。
 マイクロプラスチックに詳しい磯辺篤彦・九州大教授(海洋物理学)の話「大気中のマイクロプラスチックに関する調査はまだ少なく、人体への影響を調べる上でも重要だ。広範囲のデータが集まれば、大気中でどう動くのかの解明にもつながるだろう」

◆誤診の産科医、有給休暇で不在時に陣痛促進剤の投与指示…新生児が死亡 indexへ

 石川県の輪島市立輪島病院(輪島市山岸町)と、運営する輪島市は6日、不適切な医療行為で昨年6月、入院した女性の新生児が死亡したと明らかにした。市は今年4月23日に約5800万円の損害賠償を支払うことで遺族と和解し、謝罪した。
 市によると、女性は里帰り出産のために都内から戻っており、体調不良で同病院に入院した。妊婦の胎盤が通常より早く離れる「常位胎盤早期 剥離」だったが、主治医は早産と判断を誤った。
 その後、有給休暇を取って病院を離れていた主治医は、女性の容体が急変したとの連絡を受け、常位胎盤早期剥離の妊婦に投与してはいけない陣痛促進剤の投与を指示した。妊婦の同意を得た上で、主治医立ち会いの下、投与されるという本来の手順も守られなかった。
 帝王切開などの適切な処置が施されず、吸引 分娩で出産した新生児は、同県金沢市内の病院に搬送され死亡した。
 市は事故の背景について、産科医不足を挙げた。6年ほど前まで奥能登2市2町には産科医が3人いたが、医師の退職などで現在は市立輪島病院の1人のみに減った。ほかに問題発生時の情報共有の不足や、医師への負担集中も指摘し、再発防止のため、産科医不足の解消やカバー態勢の見直しを進めるとした。
 坂口茂市長は「遺族に心よりおわび申し上げます。二度と同じ事を繰り返すことがないよう、再発防止策の徹底と、市民のみなさんの信頼回復につながるよう、職員一同努めていきます」と述べた。

◆制限なし大型連休、島のスポーツイベントで104人感染のクラスター発生 indexへ

 国内の新型コロナウイルスの新規感染者は6日、全ての都道府県と空港検疫で2万1628人が確認された。死者は37人で、重症者は前日から4人増えて170人となった。
 東京都では、新たに2681人の感染が確認された。前週の同じ曜日から1212人減り、25日連続で1週間前を下回った。
 鹿児島県は6日、同県伊仙町(徳之島)の体育館で4月下旬に行われたスポーツイベントで、104人が新型コロナウイルスに感染し、クラスター(感染集団)と判断したと発表した。換気や黙食が一部で不十分だったという。

◆無届け施設で1歳男児死亡、パン詰まらせ窒息か…無資格の園長1人で保育 indexへ

 愛知県の認可外保育施設で昨年6月、当時1歳5か月の外国籍の男児がパンをのどに詰まらせたことが原因とみられる事故で死亡していたことが、県などへの取材で分かった。施設は県への設置の届け出を怠っており、事故直後に、設置と同時に廃止を届け出て閉所した。
 県の検証委員会の報告書などによると、事故は昨年6月23日に発生。男児は、他の園児から渡されたパンのかけらを口に入れたとみられ、異変に気づいた園長が自家用車で搬送したが、病院で死亡した。事故の原因は特定されていないが、検証委は施設内の状況などから「パンの 誤嚥による窒息の可能性が高い」と結論づけた。
 国の認可外保育施設の指導監督基準では、6人以上を保育する際には複数の保育従事者を配置することを求めているが、事故時は保育士などの資格がない園長1人で幼児7人を見ていたという。報告書は「複数で見ていれば事故を防げた可能性は高かったのではないか」などとして、再発防止のため、県や市町村が複数保育の必要性を周知徹底することなどを提言している。
 県子育て支援課は「施設の対応に問題と思われる点もあったが、廃止されたので処分などは行っていない」としている。

◆米FDA、J&J製コロナワクチンの接種制限…血栓症の発症リスクを考慮 indexへ

 【ワシントン】米食品医薬品局(FDA)は5日、米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の新型コロナウイルスワクチンについて、健康上の理由や物理的にワクチンを確保できないなどの理由で、使用が認められている他の2種類のワクチンを接種できない人に対象を限定すると発表した。接種後まれに、命に関わる血栓症を発症するリスクがあるため、制限が必要だと判断した。
 J&Jのワクチンは昨年2月、18歳以上を対象に緊急使用許可を受けた。だが、血栓症の問題で接種は一時中断され、米疾病対策センター(CDC)は昨年12月、J&J製よりも米ファイザー製か米モデルナ製の接種を推奨すると発表した。FDAによると、J&Jのワクチンは、血小板の減少を伴う重篤な血栓症の発症割合が、接種100万回当たり3・2件に上る。

◆クレベリンの浮遊ウイルス除去効果は「根拠ない」…大幸薬品「深くおわび」「返品は受け付けず」 indexへ

 大幸薬品は除菌製品「クレベリン」シリーズの6商品について、室内空間に浮遊するウイルスや菌の除去に効果があるとした広告表示が景品表示法に違反していたと認め、ホームページ上で公表した。同社は「実際のものよりも著しく優良であると示していた。多大なご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます」とコメントした。
 消費者庁は今年1月、クレベリンシリーズ4商品について、「空間に浮遊するウイルスや菌を除去」などとうたった広告表示には根拠がないとして、表示の取りやめなどを命じる措置命令を出した。4月には別の2商品についても同様に命じていた。
 同社は今月3日、ホームページに見解を公表した。それによると、消費者庁の求めに応じて資料を提出したが、「表示の裏付けとなる合理的な根拠とは認められなかった」という。
 同社は今後、表示の内容を改善していく。広報担当者は読売新聞の取材に対し、「表現は行きすぎていたが、商品そのものには問題がなく、利用者からの返品は受け付けない」としている。

◆モデルナ製、3回目接種で15歳少女に接種ミス…事前に年齢確認せず indexへ

 さいたま市は3日、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種で、18歳以上が対象のモデルナ社製ワクチンを、誤って15歳の少女1人に打ったと発表した。健康被害は確認されていないという。
 発表によると、少女は同日午後、予約なしで市内の集団接種会場を訪れて接種を受けた。接種前に年齢を確認せず、直後の事務処理でミスが発覚した。

◆患者の唇にジャム塗り、別の患者になめさせる…精神科病院で看護師らが虐待84件 indexへ

 神戸市西区の精神科病院「 神出病院」で、看護師らが入院患者を虐待していた事件で、病院は2日、外部の弁護士や医師らでつくる第三者委員会による調査報告書を公表した。報告書は看護師ら27人が患者に計84件の身体的、心理的虐待を行ったと認定。「患者の人権を軽視する風土があった。手間をかけずに効率を優先し、患者の人権や個人の尊厳に対する配慮が必要だという当然の認識が希薄になっていた」と断じた。
 報告書では、看護師らは患者の車いすを引き倒したり、患者の体や唇にジャムを塗って別の患者になめさせたりし、病室の扉に粘着テープを貼って出られないようにもしていたと指摘。「余計な手間をかけさせる患者への報復」や「ストレス発散」「悪ふざけ」などが虐待の理由だったとした。
 委員会は、病院が利益を優先し、患者は増やすが設備改修などは放置し、看護師の負担が増大したことで、「ストレス発散などによる虐待が起こりやすい素地があった」と分析。市や県の指導がずさんだったことにも言及し、当事者の処分や経営陣の責任追及と再発防止を求めた。病院の土居正典院長は「提言を 真摯に受け止め実行する」とコメントした。

◆3回目接種で2倍量のワクチンを229人に誤って投与 indexへ

 JA静岡厚生連静岡厚生病院(静岡市葵区)は1日、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種で229人に2倍の量のワクチンを投与するミスがあったと発表した。健康被害は確認されていない。
新型コロナウイルスワクチンの交互接種で使用される米モデルナ製ワクチン。2回目までの半分の量の0・25ミリ・リットルを接種する
 同病院によると、JA大井川農産物集出荷場(静岡県藤枝市)で4月30日に行った職域接種で、米モデルナ製ワクチンの3回目接種は1、2回目の半分の0・25ミリ・リットルとすべきところ、来場した229人全員に0・50ミリ・リットルを投与した。
 同病院がモデルナ製で3回目接種を行うのは初めてで、担当した看護師5人ともミスに気づかなかった。

◆人いない場所に呼び、同僚女性に抱きつく…大学病院の職員「スキンシップのつもり」 indexへ

 山形大は28日、同僚にセクハラ行為を繰り返したとして、医学部付属病院(山形市飯田西)の40歳代男性職員を同日付で諭旨解雇の懲戒処分にしたと発表した。
 発表によると、男性は2020年4月頃から、同僚の女性職員に対して、人がいない場所に呼び出して後ろから抱きつくなどのセクハラ行為を繰り返した。
 昨年5月、被害女性から同大の相談員に相談があり、調査委員会を設置して調査を進めていた。男性は行為を認めているが、「スキンシップのつもりで、ハラスメントにあたるとは思っていなかった」などと話しているという。
 同大の玉手英利学長は「被害を受けた方に心からおわび申し上げる。このような事態は本学に対する信頼を著しく傷つけるもので、今後は全学をあげてハラスメントの防止に取り組む」などとコメントした。

◆一時保護少女にわいせつ行為の元職員、会社員時代にもわいせつ事件…県「把握していなかった」 indexへ

 一時保護中の少女にわいせつな行為をしたとして、児童福祉法違反に問われた「和歌山県子ども・女性・障害者相談センター」(和歌山市)の元職員の男(30)(懲戒免職)の初公判が26日、和歌山地裁(松井修裁判長)で開かれた。男は「間違いありません」と起訴事実を認めた。
 起訴状などによると、男は昨年5~8月の宿直勤務中、同センターに入所中の10歳代の少女に、居室などで6回にわたりわいせつな行為をしたとされる。
 検察側の冒頭陳述によると、男は会社員として働いていた2015年7月にわいせつ事件を起こし、退職した。20年3月に社会福祉士の資格を取得し、同年4月に県職員に採用されると、自ら希望して同センターに配属された。
 検察側は、男が宿直勤務中、被害少女を含む複数の入所者と性的な話をしたことを機に、被害少女にわいせつな行為をするようになったと主張。証拠調べでは「拒否したら(男と)話せなくなると思った。行為自体は気持ち悪いと思っていたし許せない」とする被害少女の供述調書を読み上げた。
 男が過去にもわいせつ事件を起こしていたと検察側は指摘したが、被告を採用した県人事委員会の担当者は「採用時に犯罪歴を尋ねることは人権上問題があり、把握していなかった。今後は面接でより厳しく資質を見極め、再発防止のための研修も徹底していきたい」としている。

◆空気注射殺人、施設が容疑者の行動注視…同じ勤務帯の職員に指示 indexへ

 茨城県古河市の介護老人保健施設で入所者2人が血管に空気を注入されて殺害された事件で、水戸地検は28日、元職員の赤間恵美容疑者(36)を2件の殺人罪で起訴した。施設側は、2020年7月に吉田節次さん(当時76歳)が急死する前、赤間容疑者を不審に思い、行動を注視していたことが関係者への取材で分かった。
 赤間容疑者が職員として働き始めたのはこの年の4月下旬。関係者によると、頻繁に入所者の居室に入ったり、入所者が点滴を受ける様子を見に来たりする姿が他の職員らに目撃されていたという。施設は20年6月頃、赤間容疑者と勤務時間帯が重なる複数の職員に対し、行動を注意して見ておくようにと伝えていた。
 捜査関係者らによると、吉田さんが急死した20年7月6日には、赤間容疑者が吉田さんのベッドの近くで、注射筒(シリンジ)を動かしているところを職員が目撃していた。吉田さんの容体が急変したのはこの直後だった。職員らが問い詰めると、赤間容疑者はその日のうちに施設を辞めた。施設側が県警に相談し、捜査開始につながった。

◆給付金4630万円を1世帯に誤送金、返還拒否の世帯主「罪は償う」…議長「打つ手ない」 indexへ

 山口県阿武町が誤って1世帯に振り込んだ給付金4630万円の返還を拒まれている問題で、花田憲彦町長は27日、町議会全員協議会で全額回収に向け、最善を尽くす方針を改めて示した。
 この日の全員協議会は非公開で行われた。町などによると、花田町長は回収を最優先に刑事告訴や民事訴訟を視野に県警や弁護士に相談しており、システム改修などの再発防止に取り組むことを報告したという。
 全員協議会の終了後、末若憲二議長は読売新聞の取材に「現時点で議会としても打つ手が見つからない。動きがあり次第、町から説明を受けたい」と語った。
 給付金は低所得世帯を支援する事業。町が8日に誤って1世帯に463世帯分を過剰に振り込んだ。返還を求める町に対し、世帯主は「金は別口座に動かし、元に戻せない。罪は償う」と拒否している。

◆施設職員、児童に向けてオナラ「場を和ませるためにやった」…県は虐待と判断 indexへ

 大分県は27日、児童の入所施設で、職員が児童に向けておならをする事案があり、虐待と判断したと発表した。
 児童福祉法は県に各施設の虐待状況を公表するよう義務付けている。県によると、2021年度は8件の通報が寄せられ、このうち1件が虐待に該当したとしている。
 発表によると、虐待事案があったのは児童養護施設や乳児院などの「社会的養護関係施設」。世話にあたる児童指導員が嫌がる男子児童に対して、おならをしたという。
 県は通報を受けた児童相談所を通じて把握。関係者への調査で、この職員は「場を和ませるためにやった」と話しているという。男子児童はその後、通常通りの生活を送っている。
 施設は児童指導員を指導し、県に対して虐待防止の改善計画を提出した。

◆高齢者施設で体内に空気注入、元職員を2人への殺人罪で起訴 indexへ

 茨城県古河市の介護老人保健施設で入所者2人が体内に空気を注入されて殺害された事件で、水戸地検は28日、元職員の赤間恵美容疑者(36)を2人に対する殺人罪で水戸地裁に起訴した。地検は約3か月にわたる鑑定留置で精神状態などを調べ、刑事責任を問えると判断した。

◆かまれると死亡する恐れ、猛毒タコ見つかる…県「絶対に近づかないで」 indexへ

 徳島県は、猛毒を持つヒョウモンダコが徳島県阿南市椿町の沿岸で見つかったと発表した。かまれると死亡する恐れがあり、県は「見つけても絶対に近づいたり、触ったりしないでほしい」と呼びかけている。
 ヒョウモンダコは体長約10センチで、沿岸の岩場などに生息する。刺激を受けると、全身に青いリング模様が浮かぶのが特徴。
 25日朝、漁業者が網にかかっているのを発見した。
 ヒョウモンダコの唾液にはフグと同じ猛毒の「テトロドトキシン」が含まれており、かまれたり、食べたりするとしびれや言語障害が起き、死亡に至ったケースもあるという。

◆中学校の給食に長さ13ミリの金属片、生徒が口にしたがすぐにはき出す indexへ

 京都府八幡市教育委員会は26日、市立男山第三中学校(478人)の給食から金属片(長さ13ミリ、太さ0・6ミリ)が見つかったと発表した。生徒の一人が口にしたがすぐにはき出し、他の生徒を含め、けがなどの健康被害はなかったという。
 市教委によると、「豚肉のケチャップいため」の中にホチキスの芯に似た金属が入っており、市教委が原因を調べている。27日の給食は予定通り行うという。

◆利用者にスクワット数百回・体内から異物…神奈川県「中井やまゆり園」で確認 indexへ

 神奈川県は26日、中井町の県立知的障害者福祉施設「中井やまゆり園」で、職員が利用者にスクワットを数百回させるなど、障害者虐待防止法に基づいて通報すべき事案が5件確認されたと発表した。
 県によると、外部有識者による調査委員会が通報すべきだと指摘した事案は「利用者の体内から異物が見つかる」「シーツを交換する条件としてスクワットを数百回やらせる」などの5件。少なくとも2015~20年に20~50歳代の男性12人の利用者が被害を受けたとされ、延べ80人ほどの職員が関わったと認定した。
 16年に相模原市の「津久井やまゆり園」で入所者ら45人が元職員に殺傷された事件や、県内の施設で利用者を長時間拘束した事案が判明したことなどを受け、県が実態調査を進め、調査委が途中経過をまとめた。5件については、利用者を担当する9市町へ通報する。

◆医療用注射器13万本、覚せい剤密売人に横流し…宅配便で自宅に発送 indexへ

 覚醒剤の密売人に約13万本の医療用注射器を売り渡したとして、京都府立医科大学付属北部医療センター(京都府与謝野町)で臨床工学技士として勤務していた京都市左京区の男(47)が、松江地検に麻薬特例法違反ほう助などで起訴されていたことが捜査関係者への取材でわかった。島根県警が入手経路を調べている。
 起訴状では、男は、大阪市の男女2人(いずれも麻薬特例法違反などで起訴)が覚醒剤を密売していることを知りながら、2020年2月~昨年11月、27回にわたり注射器13万120本を計865万円で販売したなどとされる。男は宅配便で相手の自宅などに発送していたという。
 県警は、別事件の捜査で浮上した男ら3人を昨年11月、覚醒剤取締法違反の所持容疑で逮捕。その後、男が売り渡した注射器を、男女2人が覚醒剤とセットで密売していたことがわかり、3人を麻薬特例法違反で追送検、地検が今年3月、起訴した。
 臨床工学技士は医療機器を操作し、国家資格が必要。同センターは取材に対し、「(男は)休職中だった昨年9月に退職した。それ以上はコメントできない」としている。

◆電話受けた高齢者の心拍数など測定、心理状態を分析…「詐欺に注意」と音声での警告目指す indexへ

 人工知能(AI)と犯罪心理学を組み合わせ、特殊詐欺の被害を未然に防ごうとする取り組みが、兵庫県尼崎市で始まった。市と富士通(東京)、東洋大(同)による共同研究で、詐欺グループが電話で高齢者らをだます手口に着目。会話をしている高齢者らの表情や心拍数などのデータから、だまされそうになっているかどうかを判定し、警告を発するシステムの開発を目指す。
 詐欺グループは、「医療費の還付金がある。期限は過ぎたが、今なら特別に受け取ることができる」「未払いのサイト利用料があり、納付しなければ裁判になる」などと電話口で言葉巧みに語りかけ、金を振り込ませるなどする。「今日中に対応が必要だ」とせかして焦らせ、冷静な判断をさせないのも特徴だ。
 共同研究による詐欺被害防止システムは、電話を受けた高齢者の表情や呼吸、心拍数をカメラやセンサーで測定し、動揺したり焦ったりする心理状態をAIで分析。だまされそうになっているかどうかを判定し、電話機に付属する機器を使って、「詐欺に注意」などと音声や文章で警告することを想定している。東洋大が犯罪心理学に基づいて感情を読み取るノウハウを提供し、富士通は表情や心拍数などのデータから心理状態を推定する。
 研究チームは3月30日にシステム開発に向けた実証実験を開始。尼崎市役所で、市内の高齢者20人に詐欺グループからの電話を想定したメッセージを聞いてもらい、表情や心拍数などがどう変化するかを確認した。今年秋まで実験を繰り返し、複数の高齢者の反応例を集め、より正確な心理分析ができるようにする。
 東洋大の桐生正幸教授(犯罪心理学)は「特殊詐欺は、高齢者を焦らせてから、対応すれば間に合うと安心させ、『お金を受け取ることができる』と思い込ませる手口が共通している」と分析。「だまされそうになる時の高齢者の感情の起伏を示す数値を把握して、そのタイミングで警告ができれば、どんな手口の特殊詐欺も防げるはずだ」と力を込める。
 昨年の全国の特殊詐欺の認知件数(暫定値)は1万4461件で、被害は約278億1000万円に上る。県内でも859件で約11億6000万円の被害が出ており、電話がきっかけの「還付金詐欺」が310件(被害総額約2億8400万円)で最多になっている。

◆支援学校生徒が給食を喉に詰まらせ死亡、ランチルーム離れた担任「少しの時間なら大丈夫だと」 indexへ

 大分県立南石垣支援学校(別府市)で2016年、高等部3年の林郁香さん(当時17歳)が給食を喉に詰まらせて死亡した事故で、郁香さんの両親が県や担任ら4人を相手取り、損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が22日、大分地裁(石村智裁判長)であった。
 担任らの本人尋問を実施。原告側は、郁香さんは食べ物をかまずにのみ込む傾向があり見守りが必要だったのに、担任は別の生徒を教室に送るためランチルームを離れたと主張しており、担任は「(郁香さんが)食べ始めていなかったので少しの時間なら大丈夫だと思った」と述べた。郁香さんの「かまずにのみ込む傾向」については、「背後から食べる姿しか見たことないので、 咀嚼がどうだったかわからない」とした。
 終了後の報道陣の取材で、郁香さんの母親の香織さん(52)は担任らについて「危険性の認識が甘い」と批判した。  次回は5月27日、当時の校長らへの本人尋問を予定している。

◆税務研修所で腹痛や嘔吐、33人搬送・4人重症…通報の2時間前に食事 indexへ

 22日午後8時半頃、大阪府枚方市の税務大学校大阪研修所で、職員から「女性に腹痛と 嘔吐の症状が出ている」と119番があった。枚方寝屋川消防組合によると、関係者33人が病院に搬送され、午後11時45分の時点で4人が重症、9人が中等症、20人が軽症という。
 研修所は税務職員のための施設で寮がある。同組合によると、搬送された人たちは通報の約2時間前に食事をしたという。

◆上司から「性行為迫られた」「暴言浴びせられた」…地域中核病院の女性技師が提訴 indexへ

 千葉県東金市の地域中核病院「東千葉メディカルセンター」で、上司からパワーハラスメントを受けたとして、30歳代の女性技師が病院の運営法人を相手取り、500万円の損害賠償を求める訴訟を千葉地裁に起こした。
 訴状によると、女性は2019年11月以降、職場の上司に性行為を迫られたほか、大声で暴言を浴びせられるなどのパワハラを繰り返し受けたと主張。抑うつ状態と診断され、20年12月から休職している。第1回口頭弁論が19日、開かれた。
 女性は、上司に対しても慰謝料500万円を求める訴訟を千葉地裁に起こしている。同センターを巡っては、元職員らによる不自然な業務委託契約や規定外の給与支給などが問題となっている。同センターは「係争中のためコメントは差し控える」としている。

◆「有効」期限と取り違え、「使用」期限142日過ぎたワクチンを誤接種 indexへ

 岐阜市は21日、市内の医療機関が使用期限の切れた新型コロナウイルスワクチンを誤って10~90歳代の男女29人に接種したと発表した。今のところ体調不良を訴える人はいないが、市はこの医療機関との接種委託契約を解除する方針。
 市によると、ワクチンはファイザー製で、医療機関が昨年9~10月、有効期限と管理状況によって異なる使用期限とを取り違え、使用期限を最大142日過ぎたワクチンを計42回接種したという。

◆2か月の男児を零下18度の冷凍庫に閉じ込め…撮影の父親「暴行と思ってない」 indexへ

 生後2か月の次男を冷凍庫に閉じ込めたなどとして、暴行罪に問われた会社員の男(43)(大阪市東住吉区)の初公判が20日、大阪地裁であり、男は閉じ込め行為は認めたが、「暴行したとは思っていない」と無罪を主張した。
 起訴状では、男は2021年4月、家族で滞在していた福岡市内のホテルで、室内にある冷凍庫や冷蔵庫に次男を入れて扉を閉めたとされる。
 検察側は冒頭陳述で、男が妻の入浴中、マイナス18度に設定された冷凍庫や冷蔵庫にそれぞれ10秒以上閉じ込めており、その様子の画像データを保存していた、と主張した。

◆友人から譲り受けた山菜、ゆでて食べたら…1時間後に嘔吐や下痢に indexへ

 仙台市は5日、有毒植物「バイケイソウ」を食べた太白区の60歳代男性が食中毒になったと発表した。男性は市内の病院に入院したが、快方に向かっているという。バイケイソウによる食中毒は県内で今年初めて。
友人から譲り受けた山菜、ゆでて食べたら…1時間後に嘔吐や下痢に
 発表によると、男性は山菜の「ウルイ」として友人から譲り受け、3日午後3時半~4時頃にゆでて食べた。約1時間後に嘔吐(おうと)や下痢などの症状を訴え、市内の医療機関に救急搬送された。
 市生活衛生課は「山菜シーズンを迎え、食用と確実に判断できない山菜は採ったり、人にあげたりしないでほしい」と呼びかけている。

◆「そんなことも分からないの」「邪魔」と薬局でパワハラ、女性自殺に解決金300万円 indexへ

 大阪府吹田市の薬局で勤務し、2016年に自殺した女性(当時30歳)の遺族が、自殺は社長や上司のパワーハラスメントが原因として、運営会社などに計約8800万円の損害賠償を求めた訴訟は、大阪地裁で和解が成立した。社長らが遺族に謝罪し、同社側は解決金300万円を支払う。成立は3月11日付。
「そんなことも分からないの」「邪魔」と薬局でパワハラ、女性自殺に解決金300万円
 訴状によると、女性は14年10月から薬局に勤務し、処方箋のパソコン入力業務などに従事。社長や上司らから「そんなことも分からないの」「邪魔」などと何度も 叱責 され、15年8月にうつ病と診断され、16年1月に自殺した。遺族は19年4月に提訴していた。
 遺族側と会社側の双方の代理人弁護士は取材に「コメントできない」としている。

◆ウーロンハイ数杯のはずが意識失い、目覚めると男の家に…記憶あいまいで犯行確認できないケースも indexへ

 女性を食事に誘い、飲み物に睡眠薬を混ぜて 昏睡 状態にさせ、乱暴する事件が埼玉県内でも確認されている。薬物の成分は血液や毛髪から検出できるものの、被害者の記憶があいまいだったり、時間の経過で成分が薄まったりして、犯行を確認できなくなるケースもある。県警は「違和感を感じたら迷わず頼ってほしい」と、早期の相談を呼びかけている。
 「薬を飲まされて暴行を受けたかも……」。昨年9月中旬、20歳代の女性から相談ダイヤルに電話があった。前日、女性はSNS上で知り合った男と東京都内で食事をした。ウーロンハイなどを数杯飲み、楽しく会話をしていたが、突然意識を失い、目を覚ますと男の家にいたという。すぐに逃げ出したが、記憶がなく、不安を抱えていた。
 この件は草加署が捜査に着手。女性の血液などを鑑定すると、睡眠薬の成分が検出された。ただ、同じ作用の成分は風邪薬からも検出されることがある。立件には「その薬で抵抗できない状態になった」という証明が必要だ。捜査員は薬学の専門家にも話を聞き、使われた薬物を特定した。
 食事をした店周辺にある防犯カメラやネットのやりとりをもとに、同署は都内に住む男(31)の犯行と特定。男は今年2月に逮捕され、準強制性交等罪でその後起訴された。
 県警によると、昨年1年間に確認された準強制性交等の被害は8件、準強制わいせつは38件。ただ、薬物が使われると、被害の自覚が難しかったり、あやふやな記憶で相談するのをためらったりしていることも多いとみられる。
 女性相談員 24時間対応…「アイリスホットライン」
 草加署のケースで被害者が電話をかけたのは、警察につながる全国共通の性犯罪被害相談ダイヤル(#8103)だった。  県内では、県産婦人科医会や弁護士会と県などが開設した「アイリスホットライン」(0120・31・8341)もあり、女性相談員が365日・24時間体制で対応にあたっている。2021年には1782件の相談があり、うち10歳代からが427件、20歳代が325件だった。
 「アイリス」への相談は匿名可だが、内容によっては医療機関や警察への付き添いにも対応する。電話やメールだけでなく、対面で話を聞くこともあるが、心身の不調で外出が難しい人もいるため、今月からはウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」も導入し、相談の間口を広げた。相談方法の詳細はホームページ( https://www.svsc8080.jp/iris/ )へ。

◆救急隊員、搬送の女性の後頭部を1m下の床に落とす indexへ

 佐賀県唐津市消防本部(青山幸生消防長)の救急隊員が3月30日、救急搬送した唐津市内の女性(90歳代)を病院のベッドに移す際、後頭部を約1メートル下の床に落とし、約1週間のけがを負わせた。青山消防長らは唐津市内の家族に謝罪。31日に同市内での記者会見で公表した。
救急隊員、搬送の女性の後頭部を1m下の床に落とす
 発表によると、30日午前、玄海町内の医療機関から女性の転院搬送の119番があった。女性は肺炎を患い、胸部に水がたまっていた。呼吸をしやすくするため、医師は救急隊員3人に対し、女性を水平に寝かせず上半身を起こした状態での搬送を指示した。
 隊員はストレッチャーで唐津市内の病院に転院搬送。ベッドに移す際、3人は女性の頭部、腰部、脚部をそれぞれ抱え持った。頭部と腰部を受け持った隊員は女性の下に敷いたタオルケットの四隅をつかんでいた。ところが腰部を担当した隊員がベッドと女性との間に立っていたため女性をベッドに移せず、隊長はいったん離れるよう指示。隊員がタオルケットを握っていた両手を離したため、女性の上半身はタオルケットから滑り落ち、フローリング床で後頭部を打ったという。
 女性は後頭部を縫うけがを負い、急性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血と診断された。搬送前と意識レベルに変化はなく、血腫や出血の増大はみられないという。
 青山消防長は「命を守るべき消防職員が市民にけがを負わせるあってはならない事故」と謝罪した。

◆歌舞伎町のクリニック院長、元患者の20代女性に傷害容疑…「睡眠薬あげる」と自宅に誘ったか indexへ

 警視庁新宿署は28日、東京都新宿区、精神科医の男(51)を傷害容疑で逮捕した。
 歌舞伎町のクリニック院長、元患者の20代女性に傷害容疑…「睡眠薬あげる」と自宅に誘ったか
 同署幹部によると、男は2月26日夜、自宅マンション一室で、同居する20歳代女性を蹴り、太ももに軽傷を負わせた疑い。容疑を否認している。
 男は歌舞伎町のクリニックの院長で、女性は元患者だった。2人は昨年10月に同居を開始。同12月と今年1月、女性から新宿署に暴力に関する相談が寄せられていた。女性は受診時に「睡眠薬をあげる」と言われて自宅に誘われたと説明しているという。

◆自称「心理治療家」の元里親、子ども4人に虐待…ファミリーホームは「閉鎖的な養育環境」 indexへ

 元里親の男(監護者性交罪などで懲役5年6月が確定)が養育していた子どもに性的・身体的虐待を加えていた事件で、長野県の検証委員会(委員長= 上鹿渡 和宏・早大教授)は22日、検証報告書を県に提出した。計4人に対する虐待を認定し、児童相談所や学校など、対応に当たった関係機関の連携不足や数多くの不手際があったことを指摘。県などに改善を求めた。
 検証委は計7回の会合を開き、男や児相職員、学校関係者、他の里親ら計44人に聞き取り調査をし、事実関係や問題点を検証。2020年12月に児相が虐待を把握した時点で男は5人の子どもを養育中だったが、このうち1人が性的・身体的虐待、3人が身体的虐待を受けたと認定した。
 男は15年12月に県内で里親登録され、17年8月には虐待歴があるなど困難な事情を抱えた子どもに対応できる専門里親になり、18年9月に5~6人の子どもを養育できるファミリーホーム(小規模住居型児童養育事業)を開設していた。
 報告書は、男の里親登録手続きから日常的な情報共有、事件発覚後まで、児相や学校において多岐にわたる対応のミスがあったと指摘した。たとえば、男は自らを「心理治療家」と称するなど独自の教育観やこだわりを持ち、里親登録時に面接した児相職員は、「連携が難しい」との懸念を持ったが、里親認定を審査する県里親審査部会にはこの情報が提供されなかった。
 里親となってからは、児相と子どもの面接を控えるよう申し入れるなどし、違和感を持つ児相職員や外部の関係者は複数いたが、リスク管理の検討が十分にされないまま養育を任せていた。身体的虐待を受けた子どもの1人は、2年間にわたって児相との面接機会がなく、結果的に男のファミリーホームは閉鎖的な養育環境となっていた。
 関係機関の連携不足も深刻だった。ファミリーホームの子どもたちは3か所の児相から養育を委託されていたが、各児相の間で情報共有は行われず、さらに通学先の学校や自治体とも情報共有を行っていなかった。虐待が発覚するきっかけとなったのは、20年11月の学校のアンケート調査だったが、性的虐待を把握した学校は、子どもを担当する児相がどこかも把握していなかったという。
 この学校が虐待を把握してから児相への通告は16日後で、報告書は児相と学校の関係性が構築できていなかったことを問題視。「この間にさらなる性的虐待を受けた可能性がある」とした。学校から通告を受けた児相では、体制の不備を理由に子どもの一時保護を翌日に回そうとしたり、虐待が疑われる男の発言を掘り下げて確認せず、被害把握が遅れたりした。
 上鹿渡委員長は「早く気付いて対応を変えたら結果は変わっていたと考えられることも多くあった。報告書の提言が今後どう実現されていくか見守る必要がある」と述べ、再発防止に向け、チェックを継続する重要性を強調した。

◆気管に装着の管が外れ女児死亡、病院は謝罪「ここまで成長した子どもに申し訳ない」 indexへ

 千葉県こども病院(千葉市緑区)は28日、入院していた10歳未満の女児の気管に装着していた管が外れ、低酸素血症で亡くなったと発表した。病院は遺族に謝罪し、和解したという。
 同病院によると、女児は生まれつき気管が細く、気道を確保するために日常的に管をつける必要があった。2019年7月の午後9時50分、病室を訪れた看護師が、管が抜けて心肺停止状態の女児を発見。心肺蘇生措置を施したが、約2時間後に死亡が確認された。
 院内の医療事故調査委員会によると、事故の日は、看護師が午後9時10分頃、うつぶせの女児をガラス越しに確認したが、そのままにしていた。うつぶせの姿勢は管が抜けやすく、気道が 閉塞 する要因になるとの認識がなかったという。
気管に装着の管が外れ女児死亡、病院は謝罪「ここまで成長した子どもに申し訳ない」
 病院は再発防止策として、気管を切開した患者に酸素モニターを常時装着し、状態を把握するようにした。県庁で記者会見した星岡明病院長は「新生児から入退院を繰り返し、ここまで成長した子どもに、入院中このようなことが起きてしまい申し訳ない。二度と起こらないように取り組みたい」と陳謝した。

◆発疹やあざなどネット相談した患部画像、最大2000人分が5年間「公開」状態に indexへ

 ヘルスケア関連企業「アドメディカ」(東京都中央区)が運営するオンライン健康相談サービス「Doctors Me(ドクターズミー)」を巡り、相談を寄せた利用者の患部などが映った画像が、外部から閲覧可能な状態になっていたことがわかった。同社は、最大2000人程度の画像が閲覧できた可能性があるとみて詳しく調べている。
 同社によると、このサービスは、医師がオンラインで匿名の利用者から健康状態に関する相談を受け、回答する仕組み。文字だけで症状を伝えるのが難しい場合、利用者はスマートフォンなどで撮影した患部の画像を送信して、説明を求めることができる。月額300~500円(税抜き)で利用できる。
 同社は2017年に事業譲渡を受けてサービスを運営し、これまでに延べ2万~3万人が利用した。相談者が送信した画像は、手や足、口にできた発疹やあざなど。これらの画像は、米アマゾン・ドット・コムの傘下企業が運用するクラウドサービス「アマゾン・ウェブ・サービス」(AWS)に保存している。
 外部から画像が閲覧可能な状態になっていると指摘され、アドメディカが28日、システム管理会社を通じてクラウドの設定を確認したところ、ネット上で「公開」する状態になっていたため、「非公開」に変更した。
 同社が詳しく調べたところ、サービスを引き継いだ17年には「公開」設定となっており、その後、一度も変更されないまま続いていた。
 画像は特定のURLを入力すれば閲覧することができる状態だった。同社は現時点で画像の悪用は確認されていないとしているが、川村和裕社長(35)は「委託した管理会社への監督が足りなかった。利用者のセンシティブな情報が見られる状態だったことは道義的に問題だと考えている。再発防止に努める」と話している。
 新型コロナウイルスの感染拡大により、近年、オンラインによる健康相談サービスが注目を集めている。医療分野の情報管理の普及を進める一般社団法人「医療 ISAC 」の深津博代表理事は、「医療情報に近い機微な情報を取り扱っているのに自覚がない事業者も多い。今回の問題をきっかけに同様のサービスを提供する事業者は情報管理を見直すべきだ」と指摘している。

◆認知症患者に乳首触るなど性的虐待疑い、職員15人関与「コミュニケーションの一環だった」 indexへ

 認知症患者への性的虐待が疑われる行為などがあったとして、大阪府が、東大阪市の精神科病院「阪本病院」(胡谷和彦院長、312床)に対し、精神保健福祉法に基づく指導を行い、改善計画書を提出させていたことがわかった。
認知症患者に乳首触るなど性的虐待疑い、職員15人関与「コミュニケーションの一環だった」
 府によると、匿名の情報提供を受けて昨年7月に病院に立ち入り調査を実施。その結果、一部の職員が、認知症病棟の入院患者に対し、▽乳首を触るなどの性的行為▽車いすの前輪を上げた状態で走らせる――などの不適切な行為をしていたことが確認された。時期は特定できなかった。
 職員の1人は「コミュニケーションの一環だった」と説明。府は同年8月に改善を指導し、病院は10月に改善計画書を出した。
 また、病院側も独自調査を行い、職員15人が関与したことを確認。うち13人を厳重注意とし、残る2人は自主退職するなどした。
 胡谷院長は病院のホームページで、「コンプライアンス(法令順守)を徹底し、再発防止に努める。心配と迷惑をかけたことをおわび申し上げる」とコメントしている。

◆12歳未満の子どもにワクチン誤接種…大人用と小児用の違い確認せず indexへ

 長崎市は27日、12歳未満の子どもに、新型コロナウイルスの大人用(12歳以上)の米ファイザー製ワクチンを誤って接種していたと発表した。今のところ、健康状態に問題はないという。
12歳未満の子どもにワクチン誤接種…大人用と小児用の違い確認せず
 市によると、子どもは26日に集団接種会場でワクチン接種を受けた。保護者から接種を依頼されたスタッフが、大人用と小児用(5~11歳)で違いがあることを確認せずに接種した。予診票を回収した際、小児用の接種券だったため、ミスに気付いたという。

◆5歳男児死亡、暴行は「しつけのためだった」…母親ら3人が日常的に暴力か indexへ

 埼玉県本庄市の住宅床下から柿本歩夢ちゃん(5)の遺体が見つかった事件で、歩夢ちゃんを暴行して死亡させたとして傷害致死容疑で逮捕された母親で派遣社員柿本知香容疑者(30)らが、「(暴行は)しつけのためだった」との趣旨の供述をしていることが、捜査関係者への取材でわかった。
5歳男児死亡、暴行は「しつけのためだった」…母親ら3人が日常的に暴力か
 県警は柿本容疑者と同住宅で同居し、ともに逮捕された無職丹羽洋樹容疑者(34)と内縁の妻で無職石井陽子容疑者(54)の3人が、歩夢ちゃんに日常的に暴行を加えていた可能性もあるとみて捜査している。県警は28日、3人を同容疑でさいたま地検に送検した。
 発表では、3人は1月18日頃、自宅1階で、柿本容疑者の長男歩夢ちゃんを床に複数回投げ飛ばすなどし、死亡させた疑い。県警は3人の認否を明らかにしていない。

◆麻酔後に2歳女児死亡、歯科医に有罪判決…「顔色悪い」との父の訴え軽んじ救命せず indexへ

 福岡県春日市の小児歯科医院で2017年、麻酔薬の注射後に適切な措置を怠って女児(当時2歳)を死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた歯科医師、高田貴被告(56)に対し、福岡地裁は25日、禁錮1年6月、執行猶予3年(求刑・禁錮2年)の判決を言い渡した。神原浩裁判長は「気付けた異変を見落とした」と述べた。
麻酔後に2歳女児死亡、歯科医に有罪判決…「顔色悪い」との父の訴え軽んじ救命せず
 判決によると、当時院長だった高田被告は17年7月、山口 叶愛 ちゃんの虫歯治療の際、別の歯科医師に局所麻酔薬リドカインを注射させた。子どもへの使用には注意が必要で、父親から「顔色が悪い」といった訴えがあったのに、疲労で寝ているだけと思い込んで救命措置を怠り、急性リドカイン中毒による低酸素脳症で死亡させた。
 弁護側は「中毒は予見できなかった」として無罪を主張したが、判決では、被告が「中毒や死亡の可能性に気付けた。父親の訴えを軽んじ、助かったはずの命を失わせた」とした。
 判決後、記者会見した叶愛ちゃんの両親は「親の訴えにはしっかり対応してもらいたい」と語った。

◆浴室で生後2か月の次女に暴行、腕を骨折させる…逮捕の男「一切手を出していない」 indexへ

 三重県警四日市西署は21日、同県菰野町、名古屋出入国在留管理局職員の男(36)を傷害容疑で逮捕した。
 同署の発表によると、男は1月30日午後7時30分頃、自宅の浴室で、生後2か月の次女に何らかの暴行を加え、左上腕を骨折する4週間の重傷を負わせた疑い。調べに対し、「私は一切、子供に手を出していない」と容疑を否認しているという。
 翌日診察した医療機関からの情報を受け、児童相談所が同署に連絡。同署は、医師らから話を聞くなどして捜査を進めていた。

◆コロナ後遺症で「頭にモヤ」…治療法確立せず、仕事もできず「散歩中には迷子にもなる」 indexへ

 新型コロナウイルスの後遺症とされる記憶障害や集中力の低下が深刻化し、就労が困難になるケースが出ている。頭にもやがかかったようになる「ブレーンフォグ」とも呼ばれ、治療法が確立されていないために長期の休業や失業を招き、経済的苦境に立たされることもある。
 「今までできたことが、できなくなった。悔しくて、歯がゆいです」。昨年4月に感染し、今も後遺症に悩む福岡市の会社員女性(40)は、涙を浮かべて訴えた。
 コロナは軽症で大型連休前にいったん職場に復帰。しかし、 倦怠感が続き、同5月末まで休職することにした。異変に気づいたのはその頃。職場で定期的に受ける資格関連の通信講座に向き合うと、文章が頭に入ってこず、ページをめくる頃には前の内容を忘れてしまっていた。テレビドラマの話の筋が途中で分からなくなることもあった。
 同6月に職場復帰したが、窓口で顧客から相談を受けると混乱し、上司の指示を忘れることが増えた。人と話すのが怖くなり、社内のストレスチェックは「うつ状態」に。10月に再び休職し、後遺症の治療を行っている福岡市の「みらいクリニック」を受診。ブレーンフォグの症状を認められた。収入は3割ほど減り、今後も休職が長引けば、カット額が大きくなる。女性は「いつになったら、コロナにかかる前と同じ生活ができるのか」と不安げに話す。
 国が昨年2月までに患者525人を追跡調査したところ、陽性の診断から半年たった段階で、思考力や集中力の低下を訴える人が11%に上り、味覚(9%)、嗅覚(7%)の異常よりも高かった。東京都世田谷区が同12月にまとめた調査でも、回答のあった6289人のうち14%に「集中力の低下」、6%に「記憶障害」が療養が終わった時点で残っていた。
 「みらいクリニック」では、昨年2月以降、約220人を診察。5割でブレーンフォグとみられる症状があった。平均年齢は36歳。「散歩中に迷子になる」など深刻な内容もあった。ブレーンフォグを訴えた人の3割が仕事を休職、退職していたという。  国立精神・神経医療研究センター神経研究所の山村隆特任研究部長によると、ブレーンフォグは一般的な検査による診断がつきにくく、現在でも医師の間で症状や治療法についての十分な知識が広まっていない。「取り残されている患者は少なくない」と山村特任研究部長は話す。
 療養後治療費は自己負担
 後遺症を抱えると、経済的な負担も生じる。コロナは「指定感染症」で感染中の治療は公費で行われるものの、後遺症に関しては他の疾病と同様に自己負担が生じる。正規社員や公務員は健康保険から傷病手当が出るが、パートなど「非正規」の場合は受け取れないケースもある。自営業者らが加入する国民健康保険からは後遺症での傷病手当は支給されない。
 後遺症外来を昨年1月に開設した聖マリアンナ医科大病院(川崎市)では、医療ソーシャルワーカーが応じた相談の9割が休職など仕事に関するものだった。同病院の医療ソーシャルワーカーの桑原規夫さん(45)は「弱い立場の人ほど支援からこぼれている。行政の総合的な支援の充実や周知が必要だ」とする。

◆小学給食「五目納豆」に長さ5・5cm「針金状」異物、配膳の際に児童発見 indexへ

 岐阜県飛騨市立古川西小学校で出された給食に、針金状の異物が混入していたことが分かった。給食を提供した古川国府給食センター利用組合(高山市)が発表した。
 組合によると、同小で17日に出された給食で、「五目納豆」に長さ5・5センチ、太さ0・5ミリの異物が混入しているのを、配膳の際に児童が見つけた。組合はこの日、飛騨市や高山市の小中学校など計7か所に計1877食分の給食を提供したが、他の6か所では異常は確認されなかったという。
 同組合は「保健所の協力で原因を調べている。これまで以上に確認作業を行い、安心安全な提供に努める」としている。18日の給食は予定通り提供した。

◆付属病院長不在・9講座の教授が空席…「開学以来最大の危機」新学長の手腕は未知数 indexへ

 国立大学法人・旭川医科大(北海道旭川市)の学長だった吉田晃敏氏の進退を巡る問題は、学長選考会議が学長の解任申し立てを取り下げ、文科相が吉田氏の辞任届を受理したことで、一区切り付いた。ただ、およそ1年半の間、混乱に揺れた学内の正常化への道のりは厳しく、新学長となる西川祐司氏の手腕に注目が集まっている。
 「本学は開学以来最大の危機に 瀕している。大学再生のために、吉田氏の影響力を完全に排除し、優れた医療者を育成するという根本的な理念に立ち返る」。昨年12月、次期学長として記者会見した西川氏は改革への決意を口にした。
 旭川医大で吉田氏の問題が表面化したのは2020年末。市内の民間病院で新型コロナウイルスの大規模クラスター(感染集団)が発生した際に、患者の受け入れを巡って吉田氏と同大病院長だった古川博之氏が対立。21年1月に古川氏が同大に解任された。
 学内の反発は強まり、教授らは選考会議に吉田氏の解任を求める署名を提出。これを受けて同会議は同6月、不正支出など計34件の不適切な言動を認定し、文科相に解任を求めた。吉田氏もこれに先立ち、文科相に辞任届を提出。文科省は解任か辞任かの判断を進めていたが、選考会議は、結論が出るまで時間がかかり、いつまでも新体制に移行できないことを恐れ、今年2月、申し立てを取り下げ、吉田氏は辞任が決まった。
 文科相は同会議が昨年11月、次期学長に選考した副学長の西川氏を4月1日付で新学長に任命する方針だ。
 ■ガバナンス改革
 新年度を新体制で迎える同大は課題が山積している。
 高度な医療が提供できる大学病院として、道北の地域医療の中核を担う付属病院は、院長の解任からすでに1年以上が経過しているが、後任は決まっていない。学内の教授の選考も進まず、麻酔・蘇生学や救急医学などの臨床系を中心に9講座の教授が空席で、研究などへの悪影響が心配される。
 何より求められるのが学内のガバナンス改革だ。選考会議の奥村利勝議長は、次期学長について発表した昨年11月の記者会見で「大学の大きな問題はガバナンス不全。そこを何とかして、改善していくことが求められている」と注文を付けた。
 吉田氏が学長を務めた時代は、学長直属の組織だった学長政策推進室が予算や人事権を握り、学長と推進室の「密室会議」で大学の運営方針が決定していた。本来、副学長ら幹部でつくる「大学運営会議」が執行部の役割を担うが、議論は行われず、学長の独断に歯止めをかけられなかった。国立大学法人法は、学長に強い権限を認めており、新体制では、権力の集中をどう避けるのかも課題となる。
 ■来月中に病院長任命
 西川氏は「新たな執行部でいち早く大学の体制を整える」とし、4月中の病院長の任命を目指す。教授選考もすみやかに行う方針だ。
 また、遠隔医療の推進や外国人医師研修施設の建設計画などの新事業を掲げた吉田氏に対し、「派手な事業ではなく、大学の根幹である研究、教育、診療のレベルアップが何よりも大事だ」と主張する。ガバナンス改革では学長への権力の集中を防ぐため、「大学運営会議を中心にした民主的な大学運営」を掲げ、学長政策推進室を廃止する。大学運営会議の参加者を増やし、「議論していく中で運営方針を決めたい」と話す。ただ、大学幹部の人事権を学長が握る構造は変わらず、抜本的な問題の解決につながるかは不透明だ。
 ■経営手腕、未知数
 研究畑の長い西川氏の経営手腕については未知数な部分もある。近年、国からの国立大への運営費交付金は減少傾向にあり、安定した運営には外部資金がかかせない。ある大学関係者は「やり方の是非はともかく、吉田さんは事業を通じて国や企業から資金を獲得する能力は高かった。開かれた大学運営はもちろん大事だが、学長が先導して、経営力を発揮する場面も求められる。西川さんがどのように手腕を発揮するかを期待したい」と話した。

◆大規模停電で冷蔵庫停止、都内自治体でワクチン廃棄が相次ぐ indexへ

 福島県沖を震源とする16日深夜の地震で、首都圏で大規模な停電が発生したことから、東京都内各地の自治体では、冷蔵庫で保管していた新型コロナウイルスワクチンの廃棄が相次いだ。
 江東区では、集団接種会場6か所のうち2か所が約2時間にわたって停電し、冷蔵庫の電源が切れた。庫内で保管していた米ファイザー製ワクチンは2~8度に保つ必要があるため、17日の接種で使う予定だった744回分を廃棄。この日の接種は別のワクチンを使って予定通り行ったという。
 文京区でも、クリニック計21か所で停電したため、冷蔵保管していたファイザー製と米モデルナ製のワクチンをすべて廃棄することにした。区の担当者は「冷蔵庫が止まっていた時間が正確にわからないので、万全を期すことにした。接種スケジュールに影響はない」と話した。
 豊島区でも個別接種を担うクリニック1か所で停電が確認されたため、冷蔵庫で保管していたファイザー製12回分を廃棄したという。

◆かむと口の表面を殺菌するマスク…洗濯しても効果は長続き indexへ

 デサントジャパンは16日、笑う、モノをかむといった口の動きにより、表面を殺菌する機能があるマスクを発売した。伸縮すると微弱な電気が発生する特殊な繊維を採用した。コロナ禍で高まった抗菌効果の需要を取り込む。
 繊維は、村田製作所と帝人フロンティアが共同開発した。繊維自体に抗菌作用があるため、洗濯しても効果が長続きするという。白とグレーの2色で税込み2970円。全国の直営店やインターネットで販売する。

◆通りすがりの女子高校生にスプレーで消毒液噴霧、逮捕の医師「空間にしただけ」 indexへ

 通りすがりの女子高校生にスプレーのようなもので消毒液を噴霧したとして、大阪府警吹田署は16日、大阪市こども青少年局医務監の医師(58)(吹田市)を暴行容疑で逮捕した。医師は「故意にスプレーしたわけではない。空間に噴霧しただけ」と容疑を否認しているという。
 発表によると医師は1月19日午前、吹田市の阪急北千里駅付近の通路で、すれ違った高校生(16)に液体を噴霧した疑い。高校生は目の痛みなどを訴えたが、けがは確認されなかった。同署は防犯カメラの映像などから医師を特定。ほかにもマスクをしていない人らの方向に噴霧する様子が映っていたという。
 医師は大阪市の部長級で、乳幼児健診や保育園児の保健指導などを統括している。

◆駅トイレ「SOS」作動せず男性死亡、東京メトロのバリアフリー不備相次ぎ発覚 indexへ

 東京メトロの駅で昨年6月、多機能トイレで50歳代の男性が倒れて死亡した。人が一定時間滞在すると感知して通報する装置があったが、点検が不十分で作動せず、男性が発見されたのは7時間後だった。昨年11月にはJR東日本で視覚障害者向け設備の不備も発覚しており、利用者の視点を欠いたバリアフリー対策の実情が浮かぶ。
 ケーブル未敷設
 東京メトロによると、男性は昨年6月7日午後11時頃、日比谷線八丁堀駅の多機能トイレで倒れているところを発見された。30分以上使用中であることを示すランプが点滅していることに気づいた警備員が、駅員に連絡して鍵を開けて発見。病院に搬送されたが死亡が確認された。防犯カメラの映像によると、男性は7時間も中に入ったままだった。
 トイレには、押すと駅事務室に異常を知らせる非常ボタンと、30分以上の在室を検知すると自動で駅事務室に通知する通報装置があった。しかし、非常ボタンはブレーカーが切れて電源が入っておらず、通報装置はトイレと事務室をつなぐケーブルがそもそも敷設されていなかった。
 男性の死因は病死で、非常ボタンを押したのかや、発見の遅れと死亡との因果関係は不明だが、東京メトロは今月2日、事案を公表し、「亡くなられたお客様に、心よりお悔やみ申し上げる」と謝罪した。
 9年間点検せず
 機器の不具合だけでなく、ケーブルの未敷設という施工不良までが放置されていたのは、東京メトロが多機能トイレを2012年6月に設置して以降、一度も設備が実際に作動するかを点検していなかったからだ。
 同社のマニュアルは、2か月に1回、設備が破損していないかなどを外観で確認するよう定めている。しかし作動状況を確認することまでは求めておらず、目視の点検にとどまっていた。
 今回の事案を受け、同社が全180駅約220か所の多機能トイレを緊急点検したところ、12か所で相次いで不備が見つかった。
 うち2か所が非常ボタンの電源の故障、1か所が通報装置と駅事務室を結ぶケーブルの接続不良だった。残る9か所は八丁堀駅と同様、装置と駅事務室をつなぐケーブルが敷設されていなかった。
 何か所もの施工不良を放置していたことについて、東京メトロは「設置工事をした業者が当然、敷設したものと思っていた」と釈明している。
 転落恐れ
 この問題を受けて、国土交通省は2日、全国の鉄道事業者に改めて多機能トイレの設備の点検を求めた。
 同省は鉄道各社にバリアフリー整備指針を示してきたが、どのような設備を設けるべきかを示した目安にすぎず、点検方法は各事業者任せだったのが実情だ。
 東急電鉄は、トイレ完成時と、年1回の定期点検で非常ボタンなどの動作を確認している。一方、JR東日本は2年に1度の目視検査を行うが、動作確認についての規定はなく、一部は実施していなかったという。
 バリアフリー設備を巡っては、JR東日本が昨年11月、全国637駅のホームにある視覚障害者のための音響案内装置のうち、59駅の装置に不備があったと発表している。音を発して階段などの位置を知らせる装置だが、スピーカーの方向が不適切で、誤って線路に転落する恐れがあり、改修を進めている。
 障害者団体「NPO法人車椅子社会を考える会」(東京都)の篠原博美理事長は「鉄道事業者が、障害者が何に不安を抱えているのか十分理解できていないのが、要因ではないか。設備を整備するだけでなく、当事者の目線に立って考えてほしい」と話した。

◆「1歳からのおやつ+DHA」、一部商品に微細な金属の異物混入…3万5千個回収へ indexへ

 アサヒグループ食品は16日、「1歳からのおやつ+DHA 黒豆きなこクッキー」の一部商品に微細な金属の異物が混入していたとして、商品3万5016個を対象に自主回収すると発表した。同日夕までに健康被害の報告はないが、口の中を傷つける可能性があるという。
 対象は、賞味期限の表示が「2023.1/B0」「2023.1/B1」「2023.2/B4」の3種類で、今年1~2月に包装した商品。生地を作る際に使うケーブルが破損し、混入したとみられる。
 問い合わせはお客様相談室(0120・016082)。

◆第6波の「コロナ死者」、3割の死因がコロナ以外…高齢者の持病悪化や老衰目立つ indexへ

 新型コロナウイルス感染拡大の第6波で、「コロナ死者」として公表された人のうち、直接の死因がコロナではなかったとみられる人が3割前後に上ることが、一部自治体の分析でわかった。感染者が死亡した場合、自治体は死因に関係なく「コロナ死者」として計上している。第6波は高齢の感染者がコロナ特有の肺炎などで亡くなるのではなく、持病の悪化や老衰で命を落とすケースが目立っている。
 読売新聞が各自治体の公表データを集計したところ、今年1月以降のコロナ死者は全国で計7885人(3月14日時点)に上り、第5波が起きた昨年8~10月(計3073人)の2・6倍となっている。
 厚生労働省は、死者の数え方として、「直接の死因にはこだわらず、感染者が亡くなれば『コロナ死者』として計上してほしい」と自治体に求めている。
 こうした中、第6波の2月末までに66人が亡くなった岡山県は、医療機関が死亡診断書に記載する「直接死因」の内容を保健所が聞き取って分析した。その結果、「新型コロナウイルス」が68%(45人)で、残りの32%(21人)は、 誤嚥性肺炎や老衰などだった。
 昨春の第4波は直接死因がコロナとされた割合は99%(90人)に上り、それ以外は1%(1人)だった。
 県の担当者は「従来はコロナ死と言えば、肺炎症状が悪化して呼吸困難に陥るケースなどが多かったが、第6波は少なくなっている。その一方で、感染による衰弱で持病が悪化して亡くなる『コロナ以外』の事例が急増している」と話す。
 千葉県の分析では、コロナ以外の死者は第3波は10%(24人)だったが、第6波は22%(39人)だった。
 大阪府では、2月26日時点の死者799人のうち、コロナ以外は39%(314人)に上っている。
 神奈川県でも、今年1~2月に県内の病院で亡くなった感染者312人(70歳以上が9割)のうち、コロナ以外は32%(100人)だった。川崎市にある聖マリアンナ医科大の国島広之教授(感染症学)は「第6波で流行したオミクロン株は重症化しにくいが、高齢者や持病がある人、肥満傾向の人が感染すれば、体力の低下で死亡するリスクが高まる」と指摘する。
 コロナに感染してはいるものの、「コロナ以外」で亡くなる人が増えている現状に、神奈川県の担当者は「コロナの症状が軽くても油断はできない。肺炎を進行させないための酸素投与だけでなく、持病の悪化などにもすぐ対応できるよう、リスクの高い人たちへの健康観察がより重要になる」と話している。

◆給食の「里芋と鶏肉の炒め煮」にネジ混入…食事中の生徒が発見 indexへ

 甲府市教育委員会は11日、市立西中学校で同日提供された給食に、ねじ1本が混入していたと発表した。
 市教委によると、ねじは金属製で、長さ約1センチ、直径約1ミリ。食事中の生徒が「里芋と鶏肉の炒(いた)め煮」の中に混入しているのを見つけた。市教委が原因を調査している。

◆ゼロコロナの中国、感染者増加…学生に解熱剤与え新規感染の「隠蔽」試みた疑いも indexへ

 【北京】中国吉林省長春市は11日、新型コロナウイルスの感染者急増を受け、事実上のロックダウン(都市封鎖)に入った。中国政府の発表では、中国本土で11日の新規の市中感染者は無症状を含め1500人以上となり、データをたどれる2020年3月末以降では最多となった。
 人口約900万人の長春市では11日、新規感染者が160人に上った。同日から不要不急の外出が制限され、世帯ごとに2日に1回、1人だけが生活物資の買い出しのための外出が認められる。当局は、全住民を対象としたPCR検査を3回行う方針で、市内の大型施設を臨時病院として使用する工事も始めている。
 吉林省吉林市では大学で集団感染が起きた。香港メディアによれば、所属する学生の告発から、大学当局が発熱した学生に解熱剤を与え、新規感染の情報を 隠蔽しようとしたとの疑惑も出ている。当局は12日、市長の免職を発表した。感染拡大を許した責任を厳しく問い、全国の防疫担当者の引き締めを図る狙いとみられる。
 中国本土の市中感染者は6日連続で500人を超え、11日の新規感染者は31の省・直轄市・自治区のうち20に及んでいる。中国政府は北京冬季五輪・パラリンピックの開催などに向け、感染を徹底して抑え込む「ゼロコロナ政策」を進めてきたが、ほころびが出た形だ。

◆「第6波」対応で後手、未曽有の感染拡大招く…高齢者施設のクラスター多発で死者増加 indexへ

 新型コロナウイルスで感染力の強いオミクロン株が広がり、大阪府では第6波(昨年12月17日~)の感染者数が12日までに約52万人、死者数は1220人に達した。第5波(昨年6月21日~12月16日)と比べ、感染者数は5・2倍、死者数は3・4倍だ。感染のピークは過ぎたとみられるが、感染者数の減少ペースは遅く、新たな波の到来も懸念される。データを検証すると、新しい変異株への対応の遅れが未曽有の感染拡大を招いた実態が浮かび上がる。
 まん延防止に慎重→人口比感染、全国最悪
 大阪の感染者数は1月2日から、毎日1・4~2・1倍のペースで増え始めた。これはデルタ株が主流だった第5波の1週間あたりの増加ペースに相当。同7日の府の対策本部会議ではかつてない感染の急拡大を危惧した専門家から、人流の抑制を求める意見も出た。
 これに対し、吉村洋文知事は「まん延防止等重点措置」の要請については「医療の 逼迫度、重症者数を踏まえて判断したい」と慎重な考えを示した。経済活動に与える影響への配慮もあったとみられる。
 最終的に病床使用率が、府が基準とした35%を超え、重点措置が適用されたのは1月27日。基準を20%とした東京都より6日遅かった。その後、感染拡大のペースは東京を上回り、人口10万人当たりの感染者数は、全国最悪の状態が3月初めまで続いた。
 飲食店に営業時間の短縮などを要請する重点措置は、感染拡大の初期ほど効果が高いとされる。関西医科大の西山利正教授(公衆衛生学)は「重点措置は市民への心理的な効果も大きい。先延ばしした結果、『まだ気をつけなくていい』というメッセージにつながった可能性がある」と言う。
 3回目接種進まず→死者の93%が70歳以上
 オミクロン株は重症化しにくいとされ、無症状の人も多いとされていた。しかし、感染者数の母数が爆発的に増えた結果、死者数も大幅に押し上げられた。
 死者の中では高齢者の割合が多く、第6波では70歳以上が93%(2月26日時点)を占める。第5波では68%で、「医療崩壊」の危機に直面した第4波(昨年3月1日~6月20日)の85%に近い状態となった。
 高齢者の死者が増えた大きな要因としては、全国的なワクチンの3回目接種の遅れがある。第5波では多くの高齢者が早くに1、2回目の接種を終えていた。感染拡大から約1か月の7月31日には、国内の65歳以上の2回目の接種率は80%を超えた。
 一方、接種2回の効果が薄れた第6波では、3回目の接種率は感染拡大から約2か月後の2月25日にやっと50%を超え、3月11日時点でも69%だ。大阪の死者のうち73%は接種1~0回(不明含む)だが、接種2回も26%に上る。
 さらに大阪では早期入院・治療が思い通りに進まなかった。第5波では、軽症の段階から積極的に入院させて重症化を予防する「抗体カクテル療法」が奏功した。しかし第6波では、保健所の体制が感染者の増加にまったく追いつかず、感染者へのファーストタッチ(最初の連絡)や治療が遅れた。
 特に対策が後手に回った高齢者施設ではクラスター(感染集団)が相次ぎ、深刻な状況に陥った。第5波で効果が出た抗体カクテル療法も、オミクロン株への効果が1000分の1になるとの報告もあり、使えなかった。それに替わる抗体薬は原則として発症から7日以内に投与する必要があり、治療開始の遅れで使用できないケースもあった。
 府の入院フォローアップセンターが入院先を調整している時点で、酸素吸入が必要な「中等症2」以上の人は1月6~11日の6%から、2月25日~3月3日には62%まで増えた。
 長期入院15%
 高齢者への感染拡大は病床不足にもつながったとみられる。高齢になるほど入院日数は長くなり、軽症・中等症病床で15日以上の長期入院の割合は1月4日の2%から2月24日には15%に上昇。軽症・中等症病床の使用率は一時100%を超えた。
 府が大阪・南港に開設した臨時医療施設「大阪コロナ大規模医療・療養センター」(1000床)も介護が必要な高齢者の治療には使えず、使用率(12日時点)は6・5%にとどまる。
 保健所要請遅れ→医療支援前に感染拡大
 死者増加の要因となった高齢者施設のクラスターは、なぜ多発したのか。
 府によると、施設内で5人以上の感染者が出た場合にクラスターと認定している。クラスターは1月に57件、2月に268件の計325件発生し、第5波(51件)の6・4倍、第4波(昨年3月1日~6月20日、105件)の3・1倍に上っている。
 各施設では、家族と入所者との面会制限や職員の定期的な検査といった対策を講じてきたが、オミクロン株は従来のデルタ株と比べて感染力が強く、3回目のワクチン接種が進んでいなかったこともあってクラスターの件数が急増した。
 「5人以上」
 施設内で感染が広がった要因は、支援の遅れだ。
 府は庁内に看護師ら約10人の支援チームを設置。保健所からの要請に基づいて、2人1組で施設に出向き、感染の恐れがある区域と安全な区域を分ける「ゾーニング」や防護服の着脱方法などを現場で指導している。
 しかし、保健所が支援チームに連絡するのは、5人以上の感染者が出てからだ。府に協力し、施設での支援に入っている国立病院機構本部DMAT事務局次長の若井 聡智医師は「ほとんどは感染が広がりきってしまった施設ばかり。
 支援に入るのが遅い」と指摘する。
 若井医師が対照的な例として挙げるのは、第6波でいち早く感染が広がった沖縄県だ。
 沖縄県では約2年前から、高齢者施設で入所者や職員の感染が1人でも判明した場合、保健所からの情報を基に医師や看護師を24時間以内に派遣している。県の担当者は「速やかに専門家を送り込むことで、感染拡大を抑えるのに役立っている」としている。
 重症化リスクのある高齢者への感染を食い止めることで、死者の抑制にもつながっているとみられる。読売新聞の集計では、第6波の沖縄県の死亡率(感染者数に占める死者の割合)は0・06%で、大阪府の死亡率(0・24%)の4分の1だ。人口10万人当たりの死者数も、大阪の13・66人を大幅に下回る2・18人となっている。
 課題なお
 こうした状況を受け、府も改善に乗り出している。2月18日から、従来の支援チームを拡充した「クラスター対応強化チーム」を設置し、24時間受け付け可能なコールセンターを開設。保健所を介さずに、往診や感染対策の指導を希望する施設からの連絡を受けられるようにした。3月10日時点で、往診支援6件、感染対策の助言32件に対応したという。
 ただ、課題はなお残されている。チームの要請を受けて往診を行っている葛西医院(大阪市生野区)の小林正宜院長(39)は、医療態勢が不十分との見方を示す。
 高齢者施設は、国の指針で連携医療機関を指定することが求められている。しかし、連携医療機関は規模が小さい診療所も多く、十分なマンパワーがない中で施設での対応に当たるのは難しいという。
 小林院長は「連携医療機関だけに頼るのではなく、組織的な往診チームを増やしていくことが重要だ」と指摘する。

◆エアガン弾で傷70か所・低栄養状態…受診させず1歳児死なす、母親に懲役8年判決 indexへ

 福岡県田川市で2018年、当時1歳の三男に医師の診療を受けさせないまま死亡させたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の 常慶藍被告(27)の裁判員裁判で、福岡地裁は11日、懲役8年(求刑・懲役12年)の判決を言い渡した。溝国 禎久裁判長は、被告は三男の異常を認識していたと認め、「知的障害などを踏まえても、強い非難を免れない」と述べた。
 判決によると、常慶被告は夫の雅則被告(26)と、三男の 唯雅ちゃんが重度の低栄養状態に陥り、肺感染症を発症していたのに医師の診療を受けさせず、18年12月に死亡させた。唯雅ちゃんは、雅則被告が撃ったとみられるエアガンの弾で全身に傷が約70か所あり、腕や足、あばらの骨など約30か所を骨折していた。
 判決では衰弱や傷は一見して明らかで、「要保護状態に気付くことができなかった可能性があるとは言えない」と虐待の故意を認定。「大変痛ましく、悪質性は高い。不合理な弁解にも終始している」と指摘した。
 弁護側は、常慶被告は知的障害があり、「病院に連れていくべき要保護状態と気付かなかった」と無罪を主張していた。判決後、控訴する意向を示した。
 判決後、裁判員を務めた男女3人が記者会見に出席。20歳代の男性は「知的障害を踏まえて審理するのは難しかった。周囲の気付きがあれば救える命があったのではないか」と話した。

◆コロナ療養者、ホテルで「弁当が代金に釣り合わない」…経費を最大700円分引かれる indexへ

 大阪府は11日、新型コロナウイルス感染者の宿泊療養用ホテル41施設のうち19施設で、ホテル側が1人1日2700円の弁当代から経費を最大700円差し引いていたことを明らかにした。府は療養者の食事の質が下がるとして、ホテル側に見直しを求めた。
 ホテルは府が借り上げ、国が宿泊費などを全額補助している。療養者には食事が無償で提供され、府は1日2700円(1食900円)分の弁当代をホテルに支給。ホテルが業者から弁当を購入している。
 先月、ネット上で食事内容が費用に釣り合っていないとの指摘があり、府が実態を調査。ホテル側が、弁当の発注経費や、配膳を担当するスタッフの人件費として療養者1人1日あたり700~59円を差し引いていたことを確認した。
 ホテルが経費を請求することは問題ないが、府はホテル側との契約書に、弁当代から差し引くことができないことを明記していなかった。このため、府は「契約違反には当たらない」として、ホテル側に経費分の返還は求めない方針。今後は、弁当を納入する業者からの領収書を確認するなどの再発防止策を取るという。

◆手術中に女子高校生らの下半身を盗撮…元府立医大病院医師を再逮捕 indexへ

 手術中の患者の女子高生らを撮影するなどしたとして、京都府警は10日、元府立医大病院(上京区)耳鼻咽喉科の医師の男(43)を府迷惑防止条例違反(卑わいな行為の禁止)と児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)の両容疑で再逮捕した。調べに対し、黙秘しているという。
 発表では、男は昨年3~8月、同病院の手術室で手術着姿の女子小学生(11)と女子高校生(16)の下半身などを電子機器で撮影して動画を製造し、無職女性(37)を盗撮した疑い。
 3人とも全身麻酔を受け意識がない状態だった。手術室には男の他にもスタッフがいたという。府警は他にも複数の被害があったとみて調べている。

◆3回目接種受けた80代女性、2日後に死亡…保管温度不適切ワクチンとの因果関係を審査 indexへ

 高知県は8日、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を受けた80歳代女性が死亡したと発表した。接種した2日後の2月16日、急性心筋 梗塞の疑いで死亡を確認。基礎疾患があったという。ワクチン接種後の死亡は県内で16例目。
 土佐清水市では、保管温度が不適切だった米モデルナ製ワクチンを約1か月間で約1800人に接種。市によると、亡くなった女性も含まれており、因果関係を審査している。

◆コロナ感染の未就学児が死亡、国内2例目…自宅療養中に「ゼーゼー」と音がする呼吸 indexへ

 京都府は10日、新型コロナウイルスに感染した府内の未就学児が死亡したと発表した。基礎疾患はなく、死因は不明という。コロナに感染した未就学児の死亡は、川崎市が今月4日に発表した男児に次いで2例目とみられる。
 府によると、未就学児は2月下旬に38・8度の発熱があり、検査で陽性が判明。その後熱が下がり、自宅で療養していたが、呼吸時に「ゼーゼー」と音がする症状が見られたため、医療機関を受診。薬の処方でいったん症状が治まったものの、容体が変わり、同月下旬に医療機関で死亡が確認された。
 自宅療養中、府の保健所は電話で未就学児の健康観察を続けていたという。

◆難病男児の容姿を中傷、文章や画像を投稿した男「いたずら心だった」 indexへ

 SNS上で難病のある男児を誹謗(ひぼう)中傷したとして、三重県警松阪署は9日、群馬県高崎市、派遣社員の男(40)を名誉毀損(きそん)容疑で逮捕した。「いたずら心だった」と認めているという。
 発表では、男は昨年10月7日~11月1日、県内の男児の容姿を中傷する内容の文章や画像を複数回SNSに投稿し、名誉を毀損した疑い。男児の両親からの相談を受けて捜査していた。

◆高齢者施設でALS患者の人工呼吸器電源切る…認知症の95歳入所者を書類送検、府警は起訴求めず indexへ

 大阪府高石市の高齢者施設で昨年12月、筋 萎縮性側索硬化症(ALS)患者の男性が死亡した事件で、府警は10日、男性が装着していた人工呼吸器の電源を切って殺害したとして、入所者の男(95)を殺人容疑で書類送検した。男は認知症を患い、意思疎通が困難な状態で、府警は起訴を求めない意見を付けた。
 発表では、男は昨年12月21日午前6時40分頃~同7時頃、高石市の住宅型有料老人ホーム「スーパー・コート高石羽衣」で、ALS患者で手足を動かすことができない吉見英昭さん(当時62歳)の個室に入り、装着していた人工呼吸器の電源ボタンを押して停止させて、窒息死させた疑い。
 午前7時10分頃、定期巡回で訪れた介護職員の女性が異変に気付き、その際、男が部屋の中にいたという。府警は、電源ボタンに残された微物が男のDNA型と一致したことなどから、男が電源を切ったと判断した。
 吉見さんの個室は施錠されていなかったが、ホームでは施錠するかどうかは入所者に任されており、府警はホーム側の責任は問えないと判断した。運営会社は「事件が起きたことは遺憾で、再発防止に努める」とのコメントを出した。

◆「うんちが嫌い」とオムツ替えぬ夫、募るストレスが爆発した女…2人目が生まれてから始まった虐待 indexへ

 生後3か月の長男は母親に何度も殴られた末、命を落とした。長男には一つ上の姉がいたが、暴行が始まったのは2人目が生まれてから。なぜ虐待に走ったのか。
 傷害致死罪に問われた女(24)の裁判員裁判は2月に高松地裁であり、女は懲役8年(求刑・懲役9年)の実刑判決を受け、その後、控訴した。
 判決によると、女は昨年8~9月、長男の頭を複数回殴り、9月2日頃、脳 腫脹で死亡させた。
 被告人質問などによると、女は第1子となる長女の出産と同時に結婚。夜泣きが多く、抱っこしないと寝つかないなど、「長女の育児も順調と感じていなかった」という。約4か月後、長男の妊娠が判明。「うれしい反面、ちょっと早いと思った」と振り返った。
 夫は「うんちが嫌い」とおむつ替えをしたのは長女の1回のみ。洗濯や掃除など家事も妻任せだった。「育児を手伝ってほしい」と頼む女に「じゃあ、稼いできてくれるんか」と取り合わなかったという。
 長男のミルクは1日8回程度。離乳食を作り、長女にも食べさせないといけない。長男の夜泣きが激しく、女の睡眠時間は1日1~2時間で、食事も満足に取れなかったという。
     ◇
 女は、「赤ちゃんがかわいく思えない」という母親向けのインターネットサイトを閲覧。生後1か月頃の7月下旬、泣き出した長男に、たまっていたストレスが爆発した。
 「今は勘弁してっ」。長男の体に爪を押しつけた。その後は背中を平手でたたくなどエスカレート。8月下旬には後頭部を拳で殴り始め、「やめようと思ったこともあるが、自分を抑えられなかった」。長男が死亡する前日まで殴り続けた。
 解剖医の証人尋問によると、 肋骨や頭蓋骨など9か所に骨折の痕、頭部や脚にひっかき傷などがあったという。
 女は被告人質問で「こんなお母さんでごめんね」と謝罪した。
     ◇
 公判では、女が保釈中に社会福祉士と作った更生支援計画が証拠採用され、そこに書かれた目標が読み上げられた。「家族全員が笑える家庭にする」
 だが、検事から長男ばかりを殴った理由を尋ねられると、長い沈黙の後、「正直、わかりません」。検事は被告人質問の最後、こう問いかけた。「事件のことを軽く考えていないか」。女は再び沈黙した。
完璧な親を目指さないで
 子育て支援を行う認定NPO・わははネット(高松市)によると、第2子を出産した母親は、第1子の育児でつかんだ生活リズムが乱れ、ストレスがたまりやすいという。
 統括マネジャーの太田広美さんは「2人の育児は忙しすぎて『覚えていない』『気づいたら1歳になっていた』という母親は多い」と話す。コロナ禍で他者とのつながりが少なくなり、「より虐待リスクが高まっている」と危惧する。
 関西大の山縣文治教授(子ども家庭福祉学)はきょうだいがいる子どもへの虐待について「1人だけ成長が遅い場合などに被害者が固定されることもある」と指摘。育児中の母親に対し、「完璧な親にならなくていい。『育児は楽しいけどつらい』でかまわない。時折頼ることができる親族や地域の存在も大事だが、自治体や民間団体の預かり場所など、日常的に助けてもらえる先を探し、活用してほしい」とアドバイスする。

◆「重症者数と死亡者数は減少傾向」ピークを超えた…厚労省助言機関、濃厚接触制限見直し提案 indexへ

 新型コロナウイルスの感染状況を分析する厚生労働省の助言機関は9日、「全国の重症者数と死亡者数は減少傾向になっている」と分析し、ピークを超えたとみられるとした。ただ、入院者数は横ばいの地域なども多く、医療 逼迫が続く可能性を指摘した。オミクロン株の感染再拡大を見据え、濃厚接触者への一律の外出制限を見直し、勤務を含む社会行動を可能とする提案も示された。
 厚労省のまとめでは、全国の新規感染者数は、3月8日までの1週間で前週の0・9倍となり、緩やかな減少傾向が続いている。だが、福島や福井、高知など15県では増加した。
 全国の重症者数は2月下旬に1500人を超えたが、3月4日以降は1300人台に下がった。死亡者数も、直近1週間の平均で、2月下旬には1日あたり約230人だったが、3月8日は203人に減った。
 ただ、確保病床の使用率は3月2日時点で、東京で51%、大阪で73%と、首都圏や関西圏で高い。
 また、この日の会合では、感染症の専門家らが、感染者が急増した地域では、保健所が濃厚接触者の特定を行わず、個人の判断で勤務など必要最低限の社会活動ができるようにすべきだとする提案を示した。オミクロン株の流行で、濃厚接触者が欠勤し、社会機能の維持が困難になったことを踏まえた。家庭内に感染者がいる場合は、リスクが高いため慎重な判断を求めた。
 ただ、高齢者施設などでは、クラスター(感染集団)の発生を防ぐため、保健所による調査や行動制限を実施する必要があるとした。

◆老人ホーム入所者3人を転落させ殺害、元職員の1審死刑判決を支持…裁判長「残酷な犯行」 indexへ

 川崎市の老人ホームで2014年、入所者3人を転落死させたとして、殺人罪に問われた元職員今井隼人被告(29)の控訴審判決で、東京高裁は9日、死刑とした1審・横浜地裁の裁判員裁判判決を支持し、無罪を主張した被告側の控訴を棄却した。細田啓介裁判長は「職員の立場を利用した残酷な犯行で、極刑をもって臨むことはやむを得ない」と述べた。
 川崎市の老人ホームで2014年、入所者3人を転落死させたとして、殺人罪に問われた元職員今井隼人被告(29)の控訴審判決で、東京高裁は9日、死刑とした1審・横浜地裁の裁判員裁判判決を支持し、無罪を主張した被告側の控訴を棄却した。細田啓介裁判長は「職員の立場を利用した残酷な犯行で、極刑をもって臨むことはやむを得ない」と述べた。
 1、2審判決によると、今井被告は同ホームに勤務していた14年11~12月、入所者の 丑沢民雄さん(当時87歳)、仲川智恵子さん(同86歳)、浅見布子さん(同96歳)を施設のベランダから転落させ、殺害した。
 被告は逮捕前や逮捕直後の捜査段階の取り調べで「被害者を転落させた」などと述べて、3人の殺害を自白したが、途中で黙秘に転じ、1審の公判からは一貫して無罪を主張。控訴審で弁護側は、転落は事故などだった可能性がある上、被告は取り調べた警察官に迎合して虚偽の自白をしたなどと主張した。
 高裁判決はまず、3人が転落させられたかどうかを検討した。3人の身体能力などを踏まえ、仲川さんと浅見さんはフェンスに足をかけるなどして自力でベランダから転落するのは不可能で、丑沢さんも事故などによる転落だった可能性はほぼないと述べた。
 その上で、自白の信用性を検討。1審判決が、供述調書の信用性を判断するための「補助証拠」として採用した取り調べ時の録音録画の内容を基に、自白の中身の信用性自体を判断した点は違法だと指摘した。
 しかし、警察官の取り調べは誘導的ではなく、被告が逮捕直前に自らの家族に殺害を告白したことなどから、改めて「自白は信用できる」と認定。被告が3人を殺害したと結論づけた。

◆感染していたのに「陰性」と誤って報告、2日後に女性死亡…遺族が診療所提訴 indexへ

 新型コロナウイルスに感染した女性(当時88歳)が死亡したのは、PCR検査の結果を誤って「陰性」と伝えられたからだとして、遺族の娘が、東京都内の診療所の男性院長に約4700万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。院長側は7日の第1回口頭弁論で、検査結果を誤って伝えたことは認めた一方、「死亡との因果関係はない」として争う姿勢を示した。
 訴状によると、女性は昨年1月、利用している高齢者施設の職員が新型コロナに感染したため、診療所で検査を受診。結果は「陽性」だったが、診療所の事務員が電話で娘に「陰性」と伝えた。2日後に「陽性」と訂正したが、女性はその夜に容体が急変し、感染を原因とする肺炎で死亡した。
 遺族側は最初から「陽性」と伝えられていれば、治療を受けて死亡は避けられたと主張。院長側は「『陽性』と訂正してから体調が急変するまでに入院させることは十分できた」と反論した。

◆親は「3歳になれば、月数万円分の負担減でラッキー」…園長「幼稚園枠に移らないと親が損する」 indexへ

 認定こども園の一部が「保育園枠」の園児を「幼稚園枠」に移すことで通常の約2倍の給付金を得ている問題は、2019年10月に始まった幼児教育・保育の無償化に絡み、幼稚園枠の方が、利用料が無料になる時期が早いという制度上の「ズレ」も利用されていた。園が親側にもメリットを提示して給付金の高い幼稚園枠に促した事例もある。
 利用料が無料になるのは3歳からだが、適用時期が保育園枠と幼稚園枠で異なる。4月生まれの園児だと、保育園枠は翌年の4月まで待つ必要があるのに、幼稚園枠は3歳となった誕生日から無料となり、最大1年近くのズレが生じる。
 「3歳の誕生日を迎えたら、1号認定(幼稚園枠)に変更すれば保育料は無料になりますよ」
 鹿児島県鹿屋市の幼稚園枠の園児数を示す資料。複数の園で、定員(10人または15人)を超えて増えていた。
 昨年3月、鹿児島県鹿屋市内の認定こども園で開かれた入園説明会。1歳の娘と参加した20歳代の女性は、全体での説明の後、ベテラン風の保育士から教室の隅に呼ばれ、そう切り出された。夫と共働きで、保育園枠での入園先を探していた。
 女性はその後、娘をこの園に入園させた。園の意向を妻から聞いた夫は「3歳になれば月数万円の負担がなくなる。正直、ラッキーだと思った」と振り返る。
 読売新聞が入手した鹿屋市の20年度の資料では、複数の認定こども園で幼稚園枠の園児が月ごとに増えていた。市は3歳を迎えたタイミングで次々と移ったとみており、年度末には定員の3倍を超えた園もあった。
 定員を超過したある園長は「(幼稚園枠に)移らないと親が損をする。『無料にしてくれる園に移る』と言われるのも怖かった」と変更した理由を語った。
 保育園枠からの変更を促す方法は、ほかの地域でもみられる。
 島根県のある園では、比較的、変更に支障が少ないとみられる保護者を選んで声かけしていた。園長は「『保育料が安くなるので、くら替えをしてもらえないか』とお願いしている。おおやけには、できることではないが……」と明かした。この園は、園に入る給付金が増えることは保護者に説明していないという。
 京都市のある園長は「親が得をして、園にとってもプラスになること。(給付金は)職員を増やすことに使っている」と語った。 制度「不公平」
 無償化の時期が二つの枠で違っていることについて、内閣府は「もともと異なる幼稚園と保育園の制度の違いから生じているもので、現時点で一元化は難しい」と説明。幼稚園枠への変更が相次いでいる点は、「無償化が目的であろうと、保護者が希望するなら認められる」としている。
 保育政策に詳しい日本総合研究所の池本美香上席主任研究員は「同じ保育を受けているのに無償化の時期に差があることは、利用している親の間で不公平感があるうえ、自治体の混乱や負担となっている。公平な制度づくりを行うべきだ」と指摘する。
  ◆幼児教育・保育の無償化 =消費税10%の引き上げ分を財源に、小学校就学前の3年間の利用料を無料にする制度。保育園枠は3歳児クラスに上がった4月から始まるのに対し、幼稚園枠は、従来の幼稚園が3歳になった日から入園できることなどを理由に、誕生日から対象としている。

◆高山の介護施設2人死傷、元職員に懲役12年判決…岐阜地裁 indexへ

 岐阜県高山市の介護老人保健施設「それいゆ」で入所者2人を死傷させたとして、傷害致死罪などに問われた元施設職員 小鳥剛被告(36)の裁判員裁判で、岐阜地裁(出口博章裁判長)は8日、求刑通り懲役12年の判決を言い渡した。
 起訴状などでは、小鳥被告は2017年8月12日、施設の居室で、入所者の中江 幸子さん(当時87歳)の首を絞めたり、胸を圧迫したりして死亡させたとしている。同15日には別の入所者の女性(当時91歳)にも同様の暴行を加え、重傷を負わせたとしている。
 被告は一貫して事件への関与を否定。自白や目撃証言がない中、検察は状況証拠を積み重ね、「居室を自由に出入りし、犯行に及ぶことができたのは被告しかいない」と主張していた。

◆床下に5歳児遺棄、「長時間正座させ撮影」と通報あったが市は居住地把握せず indexへ

 「子どもをかわいがっていた」とみられた母親が、長男(5)の遺体を床下に遺棄した疑いで逮捕された。母子が身を寄せた埼玉県本庄市の住宅の男女2人も逮捕されたが、現場の一軒家に4人が住んでいたことは住民も市も把握していなかった。
 県警の発表によると、逮捕されたのは母親(30)、知人の男(34)、その内縁の妻(54)の3容疑者。遺体が見つかったのは知人の男名義の民家で、約1年前から母親も男児と一緒に暮らしていた。
 だが、近くに住む50歳女性は「道路側の窓はいつも閉まっていた。5歳の子がいるなんて知らなかった」と驚いた様子で話す。
 母子を見守り対象としていた市も同様だ。母親は昨年9月の面談で「市内の知人宅に同居している」と説明したが、知人の名前や住所は「迷惑がかかる」と教えなかったという。住民基本台帳の住所は市内の別の場所で、訪問しても会えなかったとしている。
 市には昨年9月、「(飲食店内で)男が男児を長時間正座させ叱っている。それを母親がスマートフォンで撮っている」と、虐待を疑う通報があった。母親は面談で「言うことを聞かないので同居人に叱ってもらっている」と主張。暴力を振るわれた痕はなく、保育園も「母子関係は良好」としたため、市と熊谷児童相談所は虐待事案ではないと判断した。
 6日に緊急の記者会見を開いた吉田信解市長は、「結果としてなんとかできなかったかと思うが、その時点では正しいと思い判断した」と述べた。

◆同室の入院患者の首絞める…病院の公衆電話から「殺した」と110番 indexへ

 同じ病室の入院患者を殺害しようとしたとして、福井県警福井署などは4日、福井市、無職の男(53)を殺人未遂の疑いで逮捕した。男は「間違いない」と容疑を認めている。
 発表によると、3日午後6時頃から7時50分頃までの間に、福井市内の病院の同室で入院する70歳代の男性の首を手で絞めて殺害しようとした疑い。男性は意識不明の重体。
 男は病院の公衆電話から「首を絞めて殺した」と110番した。精神疾患で入院しており、同署などが経緯を調べている。

◆救急車、車列の陰から出てきた女児はねる…女児と急病人は別の救急車で搬送 indexへ

 さいたま市は2日、大宮消防署大成出張所の救急車が1日の緊急走行中に小学校低学年の女児をはねる事故を起こしたと発表した。女児は別の救急車で搬送され、頭の骨を折る重傷。命に別条はないという。同署は「救急隊が市民を負傷させてしまい申し訳ない。再発防止に努める」としている。
 発表によると、救急車は1日午後3時40分頃、119番を受けて急病人の元にサイレンを鳴らして走行中、同市大宮区上小町の市道で、対向車線の車列の陰から出てきた女児をはねた。ブレーキをかけたが間に合わなかったという。急病人の元には別の救急車が出動し、到着が6分遅れた。病状への影響はなかったという。

◆リベンジポルノ相談1628件、「SNSだけの関係」2割…警察庁「安易に画像送らないで」 indexへ

 昨年1年間に全国の警察に寄せられた「リベンジポルノ」に関する被害相談は1628件(前年比58件増)に上り、過去最多だったことが警察庁のまとめでわかった。このうち2割は加害者との関係がSNSなどのインターネット上だけで、警察庁は「安易に画像や動画を送らないでほしい」と呼びかけている。
 リベンジポルノは、元交際相手らの裸の画像などを勝手に公開する犯罪。警察庁によると、昨年の相談者は10歳代以下が26%、20歳代が39%だった。加害者は「交際相手・元交際相手」が821件で半数を占めたが、インターネット上だけの知人・友人も2割の326件に上った。
 2014年に施行されたリベンジポルノ被害防止法違反での摘発は47件で、児童買春・児童ポルノ禁止法違反など他の容疑での摘発も計242件あった。

◆「何かやったかもしれないが…記憶にない」薬剤師、勤務先から向精神薬3箱盗む indexへ

 神奈川県警加賀町署は1日、横浜市磯子区、薬剤師の男(57)を窃盗容疑で逮捕した。発表では昨年10月30日、勤務先の病院の調剤室から、向精神薬「ゾルピデム」3箱(仕入れ価格4650円)を盗んだ疑い。「何かやったかもしれないが、記憶にない」と供述している。
 加賀町署幹部によると、調剤室の防犯カメラに私服姿で棚を開閉する男が映っていたという。事件2日後の在庫確認でゾルピデムが足りないことが判明し、病院が被害届を出していた。

◆古いカーナビの救急車、6年前移転した病院の跡地に患者搬送…更新は8年ごと indexへ

 福岡県飯塚地区消防本部の救急車が2月21日、搬送先の病院の場所を間違え、約8分間遅れて病院に到着していたことが分かった。カーナビの情報が古く、6年前に移転した病院の場所を把握できなかったためだという。
 同本部総務課によると、同日午前5時22分に救急車の出動要請があり、同県飯塚市の男性(50歳代)宅に到着。7回目の照会で受け入れ先が見つかり、カーナビの案内に従って同7時6分に北九州市小倉南区に着いたが、病院は2016年に小倉北区に移転していたことに現場で判明したという。
 男性は搬送後に亡くなったという情報もあるが、同課の担当者は取材に対し、「搬送の翌日までに、亡くなったという情報は入っていない」と述べるにとどまった。その上で、「医師からは『隊員の処置は適切だった』と報告を受けた」と説明した。
 同本部では、救急車のカーナビは8年ごとに車両を買い替える時にしか更新しないという。今回の救急車は14年に購入したもので、現時点でカーナビの情報更新は行っていない。同課の担当者は「コロナ禍で管外搬送も増えているため、カーナビの適切な更新時期を検討し、再発防止に努めたい」としている。

◆タブレット端末指導で「体罰」、児童は窓ガラスに頭ぶつけ唇から出血 indexへ

 横浜市教育委員会は28日、市立市場小の男性教諭(46)を減給3か月(10分の1)の懲戒処分にした。市教委によると昨年10月の放課後、5年生1人にタブレット端末の使い方を指導する際に感情的になり、胸元をつかんで押した。児童は窓ガラスに頭をぶつけ、唇から出血した。校内調査で、これ以前にも男性教諭が児童に声を荒らげ、胸や首元を押すような行為を8件していたことが判明し、市教委はいずれも体罰と認定した。
 市教委はまた、昨年5~6月に障害のある中学3年の生徒に配慮のない言動や指示をしたとして、市立末吉中の男性教諭(61)を戒告の懲戒処分にした。

◆46歳の祖母が頭などに暴行、孫の3歳男児が死亡…司法解剖であざ6か所確認 indexへ

 大阪府寝屋川市の住宅で昨年7月、3歳だった孫の男児に暴行して死なせたとして、府警は1日、同市春日町、介護職員寺本由美容疑者(46)を傷害致死と暴行の両容疑で逮捕した。傷害致死容疑について黙秘し、暴行容疑は否認している。
 発表では、寺本容疑者は昨年7月30日午後9時~31日午前11時半頃、孫の豊岡 琉聖翔ちゃん(3)の頭や胸などに何らかの方法で暴行を加え、同日午後3時頃に死亡させた疑い。30日午後に、市内の飲食店で琉聖翔ちゃんの頭を殴った暴行容疑でも逮捕された。
 31日午前11時半頃、同居する寺本容疑者の次男(20歳代)が外出先から帰宅。寺本容疑者は正午頃に仕事に出かけ、次男が異変に気づいて、同日夜に119番した際には、琉聖翔ちゃんは死亡していたという。
 司法解剖の結果、琉聖翔ちゃんの死因は脳ヘルニアで、頭部に硬膜下血腫や脳の腫れがあった。琉聖翔ちゃんの顔や胸、両脚に6か所のあざが確認された。
 琉聖翔ちゃんは寺本容疑者の長男の子どもで、東大阪市内で両親と妹(2)と4人で暮らしていた。事件3日前から妹とともに寺本容疑者に預けられていたという。府警は、複数の医師の意見を踏まえて、琉聖翔ちゃんが頭を負傷した時間を特定。負傷は「暴行によるもの」との鑑定意見も得た。その時間に室内には寺本容疑者と妹しかおらず、寺本容疑者による暴行と判断した。

◆母親が男に「今日も布団にくるくるしたの?」…5歳女児が窒息か、監禁致死容疑で2人を再逮捕へ indexへ

 岡山市の住宅で西田 真愛ちゃん(当時5歳)が虐待を受け、その後死亡した事件で、岡山県警は、強要容疑で逮捕した無職の母親(34)と交際相手の内装工の男(38)を勾留期限の2日にも逮捕監禁致死容疑で再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。真愛ちゃんは昨年9月に救急搬送される前、布団に巻かれて窒息状態に陥っており、県警は2人が関与したと判断した。
 捜査関係者によると、2人は共謀し、昨年9月25日、母親の自宅で真愛ちゃんを布団でぐるぐる巻きにした上、押し入れに閉じ込めて窒息させ、今年1月12日に低酸素脳症で死亡させた疑いが持たれている。
 2人は昨年9月10~23日、母親宅で計5回にわたり最長6時間、真愛ちゃんを両手鍋の中に立たせたなどとして、今年2月9日に強要容疑で逮捕された。室内には、複数のカメラが設置され、虐待行為を撮影した映像が男のスマートフォンに送信されていた。
 真愛ちゃんは昨年9月25日、意識不明の状態で病院に搬送され、脳死状態と診断された。搬送された際、119番した母親は「娘が布団にくるまり、ぐったりしている」と話しており、残されていた動画の中には、母親が男に「今日も真愛を布団にくるくるしたの?」と尋ねる場面も記録されていたという。
 県警は、男が日常的に真愛ちゃんを布団で巻く虐待を加えていたとみており、真愛ちゃんは9月25日に窒息状態に陥るまで巻かれていたことで、死亡したと判断。過去に布団で巻いた時には同様の状態に陥っておらず、窒息させる意図や殺意を立証するのは困難とみて、傷害致死容疑や殺人容疑は見送り、逮捕監禁致死容疑で再逮捕することにしたとみられる。
 母親については、男の行為を止めなかったとして、共謀にあたるとみている。

◆ワクチン接種後に痛み訴え自宅療養、美容院や温泉へ…市教委が調理師を減給処分 indexへ

 兵庫県加古川市教委は25日、市内の小学校に勤務する女性調理師(49)を同日付で減給10分の1(6か月)の懲戒処分にしたと発表した。
 市教委によると、調理師は昨年10月末に新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた後、全身の痛みや 倦怠感を訴え、医師から計約1か月間の休業・休養の診断を受け、自宅療養を認められた。
 しかし、期間中に美容院や温泉施設に行くなど不要不急の外出を重ね、市教委にも虚偽の報告を繰り返したため、市教委は公務への信用を著しく傷つける行為とした。
 SNS掲載の写真を見た同僚の連絡で市教委が聴取した結果、外出や虚偽の報告が判明。調理師は「少しなら問題ないとうそをつき、本当のことが言いづらくなった」と話している。

◆医大病院医師、手術中の女性をスマホで撮影…別の盗撮事件の捜査で複数動画見つかる indexへ

 手術室内で手術中の女性の体をスマートフォンで撮影したとして、京都府警下京署は28日、京都府立医大病院(京都市上京区)耳鼻咽喉科の医師、新井啓仁容疑者(43)(同市北区)を府迷惑防止条例違反(卑わいな行為の禁止)容疑で逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。
 捜査関係者によると、新井容疑者は昨年11月29日、同病院で手術を受けていた府内の20歳代女性が眠っている間、自分のスマホで手術着姿の女性の体を動画で撮影するなどした疑い。調べに対し、黙秘しているという。
 新井容疑者は昨年12月14日、JR京都駅で女子高校生のスカート内をスマホで盗撮したとして同条例違反容疑で事情を聞かれていた。その際、押収した新井容疑者のスマホから手術室で撮影した動画が複数見つかり、下京署は関連で捜査を進めていた。

◆腰曲がり座れず、下半身裸で放置され4歳衰弱死…懲役7年判決で両親を断罪「無責任」「身勝手」 indexへ

 埼玉県伊奈町で2017年12月、自宅で暴行や食事制限などの虐待を受けていた岩井心ちゃん(当時4歳)が衰弱死した事件で、さいたま地裁は24日、両親にいずれも懲役7年の判決を言い渡した。「1口、2口しか食べられない」「腰が曲がり、まともに座れない」――。認定された事実はあまりにも痛々しい。判決は父親を「無責任」、母親を「身勝手」と、厳しく断罪した。
 父親の悠樹被告(32)と母親の真純被告(30)はこの日、ともに黒いスーツ姿で出廷。判決にじっと耳を傾け、時折うなずいていた。
 判決によると、心ちゃんは暴行や食事制限などの虐待を受け、17年12月上旬頃から低栄養状態になっていた。同21日、お漏らしをしてしまった心ちゃんは下半身裸のまま放置され、低体温症で死亡した。
 公判で争点となったのは、2人が心ちゃんの異変に気付いていたかどうかだった。弁護側は「命に関わる状況だという認識はなかった」と、無罪を主張していた。
 判決はこれを全面的に退けた。
 旺盛だった心ちゃんの食欲は17年11月頃から低下。12月上旬には、1食あたりスプーン1、2口しか食べなくなっていた。重度の低栄養になると口からの食事が困難になるとされる。
 また、2人はトイレがうまくできないからと体をたたいたり、嫌がる心ちゃんの脚を無理やり開いて伸ばしたりすることもあった。心ちゃんは脚の筋肉の断裂などで腰が曲がり、正常な歩行や、まともに座ることもできなくなっていた。
 判決はこれらの事実から、世話をしていた真純被告も、話を聞いた悠樹被告も、病院に連れて行く必要を感じていたと結論づけた。そのうえで、心ちゃんの体にあざがあるからと、2人が警察への通報を恐れて医療を受けさせなかったとも指摘した。
 事件を巡っては、伊奈町が対応を検証し、20年9月に報告書を公表している。町の職員は心ちゃんが亡くなる前年、複数の傷やあざを確認し、母親に注意をしていたが、なついているように見えたことから、虐待ではないと判断。虐待を察知する体制の不備や、児童相談所との情報共有がなかったことなどが問題として浮かび上がった。
 町の児童福祉担当者は24日、取材に対し、「痛ましい虐待事案の再発防止に取り組みたい」と語った。

◆名古屋大医学部の教職員メールに不正アクセス、患者184人の個人情報が閲覧された恐れ indexへ

 名古屋大は24日、医学部付属病院の教職員が使っている電子メールアカウントに不正アクセスがあり、患者184人などの個人情報を含むメールが閲覧された恐れがあると発表した。
 実在する職員を装った不審なメールが送信されていたため、同大が調査したところ、昨年3~9月、複数の教職員のアカウントに海外のIPアドレスから不正なアクセスがあったことを確認。このうち3人のアカウントのメールには、患者の氏名や病名などが記載されたファイルも含まれていた。数字などを手当たり次第に入力する方法で、パスワードが解除されたとみられるという。

◆消防署長、部下に「お前は万年係長だよな」…会合では職員の頭たたく indexへ

 富岡甘楽広域消防本部(群馬県富岡市)は24日、富岡消防署長の男性(60)がパワーハラスメントを繰り返したとして22日付で停職1か月の懲戒処分にしたと発表した。停職中は総務課長が職務を代行する。
 同本部によると、男性は2018年頃から複数の部下に「お前は万年係長だよな」と話したり、消防関係者との会合で職員の頭をたたいたり、火災原因調査書の作成をめぐって担当職員を何度も責め立てたりして、複数の職員が精神的な不調を訴えた。同本部で不祥事が相次いで昨年11月に全職員にアンケート調査を実施した際、度重なるパワハラ行為が判明した。男性は昨年4月に署長に就任した。

◆「いろんなことがありすぎて…」生活支援員、知的障害ある男性の顔蹴り骨折させる indexへ

 障害者施設で知的障害がある入所者に暴行したとして、兵庫県警察たつの署は23日、姫路市、生活支援員の男(39)を暴行容疑で逮捕した。調べに対して「いろんなことがありすぎて暴力を振るってしまった」と容疑を認めている。
 発表では、男は20日午前2時30分頃、たつの市の障害者支援施設「パレットたつの」で入所者の男性(27)の顔を1回蹴る暴行を加えた疑い。
 男性のけがについて「トイレで顔を打った」とする男の説明を不審に思った施設職員が防犯カメラを確認し、発覚した。     ◇
 施設側によると、男性は骨折しているといい、施設を運営する社会福祉法人パレット会は23日、男を懲戒解雇処分にしたと発表した。

◆どなる消防司令、部下のマスクを無理に引っ張り脚を蹴る…パワハラで停職1か月 indexへ

 山梨県の峡南消防本部は22日、部下の脚を蹴るなどのパワーハラスメント行為をしたとして、中部消防署(身延町)に勤務する50歳代の男性消防司令を停職1か月の懲戒処分にしたと発表した。処分は21日付。監督責任を問い、消防長を口頭注意、同署長を文書訓告とした。
 発表によると、司令は今月10日、20歳代の男性消防副士長にマスクの着用方法を注意する際にどなりつけ、右太ももを蹴ったり、マスクを無理に引っ張ったりするなどしたという。副士長が峡南広域行政組合の窓口に報告して発覚した。
 同消防本部は講習会やアンケート調査によって再発防止を図る方針。庶務課の若林洋和課長は「信頼回復のため、職員への指導を徹底したい」と話した。

◆実母に口を針で刺され、ゴミ袋に入れられ投げられていた女…3歳長女放置死で「虐待の連鎖」認定 indexへ

 東京都大田区のマンションで2020年、当時3歳の長女を放置して死亡させたとして、母親の梯沙希被告(26)が保護責任者遺棄致死罪などで懲役8年の実刑判決を受けた。9日の東京地裁判決は、被告が子どもの頃に受けた虐待の体験が犯行に影響を及ぼしたと認定。こうした「虐待の連鎖」は実態の把握が難しく、専門家からは調査や支援の強化を求める意見が上がっている。
「口に針」
 「苦しくて、つらくて、怖くて仕方がなかった」。同地裁で1月28日にあった裁判員裁判の被告人質問。弁護側から実母による虐待を尋ねられた被告は、か細い声で振り返った。
初公判に出廷した梯沙希被告(左)。判決では、子どもの頃に受けた虐待の影響が認定された
 被告人質問での説明によると、被告は小学校入学後、実母らから激しい暴力を受けるようになった。「お前は私の言うことだけ聞いていればいいんだよ」。そうどなられ、口答えすると、口を針で刺されたり、ゴミ袋に入れられて風呂場に投げられたりした。食べ物を与えてもらえず、風呂場の浴槽の水を飲んで飢えをしのいだこともあったという。
 公判で弁護側が読み上げた実母の調書などによると、実母は被告が8歳だった2003年9月、被告への傷害容疑などで逮捕された。実母と別れ、高校卒業まで児童養護施設などで暮らした被告。「怒らせないようにいつも相手に合わせ、笑っていた。息苦しかった」。当時の心境をそう明かした。
「この子のために」
 被告は14年3月に高校を卒業して上京。16年11月、長女の 稀華ちゃんを出産した。「世界でたった一人の、華やかな女性になってほしい」。名前にはそんな思いを込めた。育児日記をつけ、歯が生え始めた時のことや、ハイハイを始めた様子などを記録。「うちみたいになってほしくないから、のんちゃんのためにがんばろうと思った」という。
 しかし、17年7月に夫の暴力が原因で離婚。同区のマンションを借りて一人で育て始めたが、育児を相談できる相手はいなかったという。被告は「息抜きのため」、稀華ちゃんが2歳になる頃から、稀華ちゃんを一人残して友人らと遊びに出かけるようになった。
 判決によると、被告は20年5月、交際相手の先輩から誘われると、稀華ちゃんを自宅の寝室に閉じ込め、交際相手の住む鹿児島県を旅行。同6月にも同様に旅行に出かけ、稀華ちゃんを脱水と飢えで死亡させた。
 「子どもがいるから行けない、とは言えなかったのか」。検察側から問われた被告はこう答えた。「言いたくても言葉が出なくて。自分でもなぜか分からない」
ケア受けられず
 判決は、被告がこうした行動に及んだ背景には、過去に受けた「壮絶な虐待」の影響があると指摘した。虐待に加え、その後、適切なケアを受けられなかったことにより、「相手に本心を伝えることができず、相手の要求に過剰に応えようとする性格になった」とも分析し、「量刑を検討する上で、一定程度考慮されるべき事情だ」と述べた。
 それでも、被告が稀華ちゃんを残して外出することを繰り返し、置き去りに慣れてしまった影響も大きいと批判。「一人で衰弱していった稀華ちゃんのつらさと苦しみは言葉にしがたい」と述べ、「悪質で身勝手な犯行だ」と結論づけた。
 判決後、裁判員を務めた20歳代の女性は「虐待が世代間で連鎖し、悲しく感じた事件だった。被告には頼れる人がおらず、手を差し伸べる人の存在が重要だと思った」と話した。検察側と被告側の双方が期限の24日までに控訴しなければ、被告の刑は確定する。

◆男性司祭のわいせつ行為巡る発言、長崎大司教区に賠償命令…女性信徒「精神的苦痛」 indexへ

 カトリック長崎大司教区(長崎市)の男性司祭から受けたわいせつ行為を巡り、当時の高見三明大司教(75)の発言で精神的苦痛を受けたとして長崎県内の女性信徒が大司教区に550万円の損害賠償を求めた訴訟で、長崎地裁は22日、大司教区側に110万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
 判決によると、女性は2018年、司祭に体を触られ心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症。その後に示談が成立したが、高見氏は女性について「『被害者』と言えば加害が成立したとの誤解を招くので、『被害を受けたと思っている人』など別の表現が望ましい」と発言した。
 古川大吾裁判長は判決で、「発言は性被害が存在しなかったなどという旨の言動。大司教区は二次被害を防ぐ注意義務を怠った」と述べた。大司教区は「判決文を精査し、対応を検討していきたい」とコメントした。

◆飲酒・喫煙の生活習慣でコロナ抗体量が低下、国内外で研究結果続々 indexへ

 飲酒や喫煙の生活習慣が、新型コロナウイルスのワクチン接種後にできる抗体量を下げるとする研究が相次いでいる。世界保健機関(WHO)は、新型コロナのリスクを上げる生活習慣の見直しを勧めている。
 東北大東北メディカル・メガバンク機構が宮城県内で27~94歳の約3000人を調べた研究によると、2回目接種の1~3か月後の抗体量は、1日2合以上飲酒する人は普段飲まない人より20%、1日20本未満の喫煙をする人は非喫煙者より26%低くなった。栗山進一・東北大教授(分子疫学)は「ワクチンの効果も下がる可能性が高い」と話す。
 飲酒の影響は、国内で複数の報告がある。沖縄県の北部地区医師会病院などが同病院職員359人について2回目接種の半年後に調べると、毎日飲酒する人はほとんど飲まない人に比べ、抗体量が下から25%以内の集団に入るリスクが2・34倍高いことがわかった。
 国際医療福祉大が行った関連病院職員ら187人の調査では、3回目接種から2~3週間後、飲酒の習慣がある人はない人に比べて抗体量が15%低かった。藤田烈・同大准教授(感染症疫学)は「免疫細胞が集まる肝臓や腸管に酒が負担をかけ、免疫機能を下げている恐れがある」と話す。
 イタリアのミラノ大などの研究チームは2回目接種の60日後、喫煙者は非喫煙者に比べ抗体量が57%下がるという研究成果を今月の医学誌で発表した。チームは「喫煙が抗体量を下げるメカニズムはさらに研究が必要」と指摘している。
 年齢が高い場合は、より注意が必要だ。東北大の研究で加齢との関係を調べると、抗体量は1歳上がると2%、5歳で10%下がる傾向があった。北部地区医師会病院の田里大輔医師(呼吸器・感染症科)は「加齢で免疫が早く下がる可能性がある。高齢の人ほど早く3回目接種を受けるのが望ましい」と話す。

◆コロナ死者の基礎疾患、公表1割の県に「責任逃れ」の指摘…理由は「遺族の意向」 indexへ

 新型コロナウイルスの死者に関する情報を公表する自治体の中で、静岡県の消極姿勢が際立っている。「遺族の意向」を理由に、死者の基礎疾患の有無を公表したのは今年に入って1割にとどまり、9割を公表している静岡市とは対照的だ。基礎疾患の有無は、重症化などを巡る重要な情報で、有識者は「行政の責任逃れ」と指摘している。
 新型コロナの死者は、死因にかかわらず、死亡時に感染していれば死者として計上される。公表に関する明確な定めはなく、保健所を設置する自治体が公表内容を判断している。
 読売新聞のまとめでは、県内の死者は、今年に入り21日までに91人に上る。県が発表した52人のうち、基礎疾患の有無を明らかにしたのは7人のみ。静岡市は26人中25人、浜松市は13人中6人について公表した。
 県と浜松市は非公表について「遺族の意向」と強調している。だが、本人を特定できない情報の発表に遺族の同意は不要だ。
 静岡市は今月から、遺族の同意がなくても、死亡日や年代、性別、基礎疾患の有無、療養先などについて一律に公表するよう運用を改めた。遺族の同意を得ることが「ほとんど無理だった」(市の担当者)ため、遺族感情を考慮しつつ、同意なしで公表できる項目を決めたという。一律公表について担当者は「住民に注意喚起する観点でも役立つ」と強調する。
 全国的にも、遺族の同意を得ずに公表している自治体は少なくない。
 千葉県は年代や性別、死亡日をホームページで公表している。報道機関から問い合わせがあれば、新型コロナの症状、酸素投与や人工呼吸器の使用状況、ワクチン接種歴、疾患名、死因なども説明している。長野県は、年代と基礎疾患の有無について公表する。定期的に死者の年代や性別の分布、死亡率、主な持病などについて分析している。
 遺族の意向を理由に非公表とする自治体の姿勢について、同志社大の太田肇教授(組織論)は「トラブルを避けたいとの考えの表れで、責任逃れだ」と指摘する。感染症法は「必要な情報」の積極的な情報公開を義務付ける一方、「個人情報の保護に留意する」との規定もあり、「どこまで公表すべきかという明確な線引きはない。行政が責任を持って判断することが求められている」と話している。
公益性高く、公表すべき
 新型コロナウイルスによる死亡と基礎疾患との関係は公益性が高く、公表すべきだ。
 群馬県は、遺族の同意を必要としながら、昨年5月以降、非公表はない。県の担当者は「居住地を『県内』とすれば特定されないなどと説明し、納得してもらっている」と説明する。静岡でも参考になる方法だ。
 そもそも県は新型コロナに関連する情報公開に慎重で、クラスター(感染集団)が起きた福祉施設の名称や、学校の小中高の別も公表していない。こうした姿勢では、正確な情報が伝わらず、効果的な注意喚起につながらない恐れもある。
 関西大の土田昭司教授(安全心理学)は「新型コロナ対応は危機管理の領域で、様々な事柄について誰かが決断し、責任を取らなければならない」と話す。県政のかじ取りを担う川勝知事のリーダーシップが求められる。

◆人工心肺のチューブ逆向きに装着、両手足に後遺症…久留米大病院医師ら書類送検 indexへ

 久留米大学病院(福岡県久留米市)で2018年5月、心臓手術を受けた70歳代の男性に医療ミスで後遺症を負わせたとして、福岡県警は21日、手術を当時担当した医師ら3人を業務上過失傷害の疑いで福岡地検久留米支部に書類送検した。
 県警によると、書類送検されたのは、男性医師(64)と、男性臨床工学技士の2人(46歳と36歳)。
 3人は18年5月16日、男性に心臓の手術をした際、人工心肺装置のポンプにつなぐチューブを逆向きに装着。誤って大動脈の血液内に空気が送り込まれて低酸素脳症を起こし、男性の両手足に機能障害を負わせた疑いが持たれている。県警は認否を明らかにしていない。
 19年9月、男性の親族から県警久留米署に相談があり、県警が捜査していた。

◆中絶「配偶者の同意」要件、産婦人科医7割「撤廃すべき」…DVや強制性交被害の例も indexへ

 人工妊娠中絶に配偶者の同意を必要とする母体保護法の要件を撤廃すべきと考える産婦人科医の割合が7割近くに上ることが、読売新聞が岡山県医師会の協力で実施した調査でわかった。厚生労働省は女性が未婚の場合や家庭内暴力(DV)の被害者の場合には「同意は不要」との見解を示しているが、同意なしの手術経験のある医師は一部にとどまり、明確な位置づけを求める実態が浮かぶ。
「立場弱い」
 母体保護法では、人工妊娠中絶には原則、配偶者の同意が必要と定めており、要件を満たさない中絶で医師が業務上堕胎罪に問われることもある。
 一方、厚労省は2013年に「未婚の場合は不要」、昨年3月に「夫からDVを受けるなど婚姻関係が実質破綻し、同意を得ることが困難な場合、本人の同意だけでよい」との見解を示している。
 アンケート調査は昨年11月、岡山県医師会の母体保護法指定医師114人に対して実施し、67人(59%)から回答を得た。
 調査では、44人(66%)が母体保護法の同意要件を撤廃する法改正が必要と回答。自由記述で「配偶者欄に署名がない手術を行いたくないのが本音。早急に法改正してほしい」「法的に医師の立場が弱い」といった声があった。
 配偶者の同意を必要としている国は一部に限られ、先進7か国(G7)では日本だけだ。欧米では女性の自己決定権を尊重する観点から不要とされている。
難しい対応
 同意なしの手術経験を尋ねた設問では、現場の慎重な対応がうかがえる。
 未婚の女性に男性側の同意なく手術をしたことがあるのは34人で、「男性が逃げた」「相手が誰かわからない」といった事情が挙がった。ないとした33人には未婚の女性から依頼されたこと自体がない場合もある。
 女性が夫からのDVや強制性交の被害を訴えているケースで、同意なく手術したのは6人。他の61人は夫の同意なしに手術した経験がなかったが、そういうケースに出合ったことがない人も一定数含まれている。直面した医師からは「断って他院を紹介した」「同意を得るよう説得した」などと対応の難しさを訴える声が聞かれた。
 岡山地裁では17年に夫の同意なく手術した病院側に対し、夫への賠償を命じる判決が出ており、慎重な対応の背景にはこうしたリスクを避けたいとの心理があるとみられる。
 しかし、同意なしに手術した経験があるとした人のうち、実際にトラブルになったと回答したのは「男性側から何度もどう喝を受け、弁護士に対応を頼んだ」とした1人だけだった。
 松原洋子・立命館大教授(生命倫理)は「女性の切実な状況を前に対応に苦慮する現場の実態が見える。民事訴訟や刑事罰のリスクをとりながら、現場の判断で同意要件に柔軟に対応するには限界があることがうかがえ、こうした実態を踏まえて現行法の是非を議論する必要がある」とする。

◆女性患者の胸なめたとして実刑判決の医師、最高裁が高裁差し戻し indexへ

 東京都足立区の病院で手術直後の女性患者にわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪に問われた男性医師(46)の上告審判決で、最高裁第2小法廷は18日、被告を懲役2年の実刑とした2審・東京高裁判決を破棄し、審理を同高裁に差し戻した。三浦守裁判長は「DNA型鑑定の審理が尽くされておらず、疑問点を解明した上で被害証言の信用性を改めて判断すべきだ」と述べた。
 被告の医師は2016年5月、乳房の腫瘍を摘出する手術をした後、病室で女性の胸をなめたとして起訴された。公判では一貫して無罪を主張。女性の証言したわいせつ被害が、麻酔から覚める際に意識障害が生じる「術後せん妄」による幻覚だったのかどうかや、女性の胸から被告のDNAが多量に検出されたとする鑑定の信頼性が争点となった。
 同小法廷はまず、2審で証人出廷し、幻覚の可能性を否定した医師の見解について「医学的に一般的なものではない」と指摘。幻覚の可能性はあり得るとした。
 ただ、「女性の胸に被告のDNAが多量に付着していれば、女性の証言は信用できる」として、DNAの量を確かめる検査の信頼性を検討。「結果の信頼性を認める事情はあるものの、明確でない部分もある」と述べた上で、2審が検査の信頼性を調べずに判決を出していたことから、審理が不十分だったと判断した。
 1審・東京地裁判決は幻覚の可能性を指摘して無罪を言い渡した。2審は「女性には幻覚は生じておらず、証言は信用できる」と判断していた。

◆飲酒後の院長が出産手術行ったクリニック、5月末で閉院 indexへ

 飲酒後に出産手術をしたとして、愛知県豊橋市の調査などを受けた同市の産婦人科・小児科医院「マミーローズクリニック」が、5月末での閉院をホームページ(HP)で発表した。
 HPの「閉院のお知らせとお詫(わ)び」によると、諸般の事情でやむなく5月末で閉院するとしている。外来診療はそれまで続け、患者の今後の治療について、相談に応じるという。
 同医院では昨年7月25日夜に院長が出産手術を行い、生まれた男児の頭から出血するなどし、男児の父親が豊橋市に連絡。市は、院長から聞き取りなどしたうえで、夜や休日の体制の見直しなどを指導した。読売新聞の取材に対して、同医院は「HPに掲載されている通りです」としている。

◆市立病院で外科医一斉退職か、医師「理事長から根拠のない退職通告」…病院側「経営に関する協議」 indexへ

 地方独立行政法人・市立大津市民病院(大津市)で外科医の一斉退職が取りざたされている問題で、退職予定の医師の1人が読売新聞の取材に応じた。退職を決めた経緯を「理事長から根拠のない退職通告を受けたため」とし、病院の対応を批判した。
 同病院の外科診療部門ではこの医師を含む9人が京都大医局から派遣されている。医師によると昨年9月、北脇城理事長が外科の統括診療部長に「業績不振で、外科チームを京都府立医科大のチームと交替させる」と圧力をかけたという。
 医師は「外科の業績が他の診療科より劣ることはない」と反論。北脇理事長の発言をパワーハラスメントだとしたうえで「長年かけて築いてきた地域医療が理事長の横暴で脅かされ、痛恨の極みだ」と語った。
 問題を巡り、院内の勤務医らでつくる組合が医師約100人に行った調査では、協力した約90人のうち約80人が「不当な退職強要として訴えたい」と回答。パワハラに対応する院内の相談窓口が機能していないとする声も目立ったという。
 一方、15日に病院側が開いた記者会見で、北脇理事長は「経営に関する協議でパワハラではない」と説明し、見解が食い違っている。

◆エビアレルギーを申告したのに…受刑者にエビやエキス含む食事を185回支給 indexへ

 鳥取県弁護士会(佐野泰弘会長)は、鳥取刑務所(鳥取市下味野)の受刑者が食物アレルギーがあると申告したのに代替食を支給しなかったのは人権侵害にあたるとして、同刑務所長に勧告書を送付した。勧告は7日付。
 勧告書によると、受刑者は2018年6月に鳥取刑務所に入所した男性(58)。入所時にエビの食物アレルギーがあると申告し、代替食の支給を求めたのにもかかわらず、昨年5月までの約3年間、エビやそのエキスが含まれた食事を計185回支給された。
 また、男性は大阪拘置所(大阪市)と大阪刑務所(堺市)では食事にエビが混入しないように配慮されていたといい、鳥取刑務所には食物アレルギーに関する情報が引き継がれていたものの、約3年間で代替食の支給は1回だけだったとしている。
 同弁護士会は憲法や関連法に基づき、刑事施設が被収容者の生命、身体を危険にさらすことがないように十分配慮する義務を負うなどとし、アレルギーの原因となる食物が一切混入しない代替食の支給を求めている。
 同刑務所の大峯隆義所長は「当所の措置に違法な点はなかったものと考えているが、アレルギーを有する被収容者の食事の給与についてはさらに検討したい」としている。

◆同じ病院の入院患者の呼吸器チューブ抜いた疑い、48歳男を殺人未遂容疑で逮捕 indexへ

 同じ病院に入院していた患者の人工呼吸器の気管チューブを抜き取って殺害しようとしたとして、宮城県警泉署は14日、仙台市青葉区桜ヶ丘、無職今野勲容疑者(48)を殺人未遂容疑で逮捕した。
 発表によると、今野容疑者は3日午前1時20分頃、入院していた仙台市内の病院で、別の個室に入院していた70歳代女性の人工呼吸器の気管チューブを抜き取り、低酸素状態に陥らせた疑い。異変に気付いた看護師らが措置し、命に別条はなかった。今野容疑者は調べに対し、「その時のことはよくわからない」と容疑を否認しているという。
 同署によると、今野容疑者と被害女性に面識はなかった。病院から署に通報があり、院内の防犯カメラの映像や目撃情報から今野容疑者が浮上した。

◆死亡の5歳女児、立たされて泣きじゃくる姿映る…住宅のカメラ複数台で遠隔監視か indexへ

 岡山市の住宅で西田 真愛ちゃん(当時5歳)が鍋の中に裸で長時間立たされるなどした虐待事件で、住宅内に複数の小型カメラが設置され、立たされて泣きじゃくる真愛ちゃんの様子が映っていたことが捜査関係者への取材でわかった。カメラ映像はスマートフォンに送信可能で、岡山県警は、母親とともに強要容疑で逮捕された男が真愛ちゃんの様子をスマホで監視していたとみている。
 捜査関係者によると、小型カメラは母親(34)宅のリビングと和室に複数台置かれていた。母親の交際相手である男(38)のスマホには真愛ちゃんが鍋の中で立ったまま泣く動画があり、県警はカメラの映像とみている。男は岡山市内の別の場所で妻子と暮らしており、母親宅に常にいるわけではなかった。
 一方、2020年9月下旬の夜、市内の墓地で裸の女児がどなられているとの通報が県警にあり、警察官が真愛ちゃんを保護。その場にいた男が「風呂で騒いだので近所迷惑にならないよう連れ出した。怖がる墓地に立たせて叱った」と説明したという。
 市こども総合相談所(児童相談所)は県警から虐待にあたると通告を受け、真愛ちゃんを一時保護したが、男が「もうしない」と話したため、2週間後に解除。その後の家庭訪問では容疑者に会えず、電話で一度話しただけだった。
 真愛ちゃんは昨年9月25日に意識不明で病院搬送され、今年1月に死亡した。市は児相の対応を外部有識者による審議会で検証する。

◆ファイザー製の飲み薬、一部の薬と併用できず…命にかかわる恐れ indexへ

 米ファイザー製の「パキロビッドパック」は、一部の薬と併用できないなどの制約があるため、患者がふだん服用している薬を医師が正確に把握して処方することが重要になる。
 パキロビッドパックの2種類の錠剤のうち「リトナビル」は、一緒に使う薬の血中濃度を上げたり下げたりする働きがある。患者が常用する薬の種類によっては、リトナビルと併用すると薬の作用が大きく変化して体に悪影響を及ぼし、命にかかわる恐れもある。
 このためパキロビッドパックは、処方された患者が余ったからといって、知人に譲ってはならない。
 藤田医科大の土井洋平教授(感染症学)は「初めての医師にかかる場合、患者はふだん飲んでいる薬を正確に伝えてほしい。お薬手帳などで確認できなければ、ファイザーの薬は処方できないケースも出てくるかもしれない」と指摘している。

◆飲酒・喫煙する人は「抗体量少ない」…ワクチン接種者を調査、女性は男性の1・35倍確認 indexへ

 東北大東北メディカル・メガバンク機構(仙台市)は9日、新型コロナワクチン接種者の調査で、飲酒、喫煙をする人の方が抗体量が少なくなる傾向があると発表した。
 同機構は昨年7~11月、27~94歳の地域住民ら3008人(平均65・0歳)に健康調査を実施。ワクチン未接種の人から2回目接種後4か月以上の人までの抗体量を比較した。
 このうち、2回目接種の翌月~3か月の時期、1日2合以上を飲酒する人は飲まない人の0・8倍に、1日20本未満の喫煙者は非喫煙者の0・74倍に抗体量が減ることが分かった。同じ期間で性別や年齢とも関連性がみられ、男性に比べて女性は1・35倍の抗体量が確認された。また、1歳増えると0・98倍、5歳増えると0・90倍の抗体量となった。
 同機構は引き続き、3回目接種の効果やその後の変化、どのような生活習慣の人が感染しやすいかなどを調査するという。

◆外出先に置き去り・施設抜け出し…保育所で子ども見失うミス続発、報告も怠る indexへ

 東京都足立区は4日、区内の保育所で2019年度以降、子どもを見失うミスが計8件起きていたと発表した。いずれも子どもにけがなどはなかったが、区は都にすべき報告を怠っていた。
 発表によると、区立や私立計8か所の保育所で、子どもが施設を抜け出したり、職員が誤って外出先に置き去りにしたりする事案があった。都は区に対し、こうした重大な事故が起きた場合は報告するよう求めていたが、区の担当者はしていなかった上、都から問い合わせを受けた際も上司に報告していなかったという。

◆ダイオウイカ展示ケースから劇物含む液体1トン流出…空気中の濃度低下まで休館 indexへ

 茨城県自然博物館(坂東市)で、ダイオウイカの樹脂製展示ケースからホルマリン溶液約1トンが流出した。3日未明、警備員が発見した。溶液には劇物のホルムアルデヒドが含まれ、のどがただれるなどの健康被害が生じる恐れがある。同館は、館内の空気中ホルムアルデヒドが環境基準(1立方メートル中0・1ミリ・グラム)に低下するまで休館する。
 県教育委員会や同館によると、ケースの底板と側板のつなぎ目に隙間ができていた。職員らに健康被害は出ていない。

◆米軍施設内は「無法地帯」「対応もない」…日本人従業員へのパワハラや未払い相次ぐ indexへ

 神奈川県内の在日米軍施設で働く日本人従業員らがパワハラや賃金未払いなど不当な扱いを受けたとして、訴訟や労災申請に相次いで踏み切った。使用主の米軍と、雇用主の防衛省、いずれに被害を訴えても解決に至らないことが背景にある。
 キャンプ座間(座間市、相模原市)の航空大隊に所属していた30歳代と50歳代の日本人女性従業員2人が昨年9月と12月、パワハラ被害の認定などを求め、厚木労働基準監督署にそれぞれ労災申請した。
 2人によると、共に自衛隊との訓練の調整などを担う事務職として約2年前から航空大隊で働き始めた。だが、兵士の訓練に同行し、兵舎で寝食を共にするよう基本労務契約外の業務を命令されたほか、民間定期便しか使えない空港ターミナルの使用許可申請など法律や日米地位協定に反する申請をさせられたと主張している。
 基地内の従業員は日米地位協定によって、日本政府と雇用契約を結び、米軍が使用者となる。2人は同3月の時点で、基地内の人事担当に苦情を申し立て、防衛省座間防衛事務所も配置転換を含めた配慮を求める要望書を米軍側に提出した。
 2人は産業医に急性ストレス障害などと診断され、同4月から3か月の傷病休暇を取得。その後、「配置転換を条件に復帰可能」と診断されたが、米軍側に元の部署に戻るよう指示された。拒むと無断欠勤扱いとなり、1人は同7月から現在まで無給状態。もう1人は同10月から別の部署で復帰した。
 2人は取材に「米軍施設内は地位協定を盾にした無法地帯。被害を訴えても対応がなく、労災認定してもらうしかない」と強調した。
 在日米陸軍司令部は「日本政府の権限のもとにあり、具体的事例についてはコメントできない。雇用関係の苦情が適切に扱われるよう 真摯に受け止める」とした。
 昨年12月20日には、厚木基地(綾瀬市、大和市)の警備隊に所属していた20歳代の日本人男性職員が、休職後に復帰できなかったとして、国を相手取り、未払い分の賃金や慰謝料など511万円の損害賠償を求め、横浜地裁に提訴。訴状などによると、男性は人間関係のトラブルで2019年11月から90日間の傷病休暇を所得。休職中に基地側と連絡できなくなり、結局、約1年半にわたり復帰できず、その間は無給状態だった。
 防衛省南関東防衛局は取材に対し「係争中で、裁判に関わる内容のためコメントは差し控える」とした。
 こうした問題を受け、全駐留軍労働組合神奈川地区本部は昨年12月22日、キャンプ座間の正門前で抗議集会を開き、日本人従業員の扱いの改善や、防衛省による適切な労務管理を求めた。同地区本部の飯島智幸執行委員長は「米軍はもちろん、防衛省にも 毅然とした対応を求めたい」と話した。

◆生後9日の長男「いなくなればいいと考えた」…顔に防水シート押し付け殺害 indexへ

 愛知県豊橋市で生後9日の長男を殺害したとして、殺人罪に問われた篠原慶子被告(24)(京都市南区)の初公判が4日、名古屋地裁岡崎支部であり、篠原被告は起訴事実を認めた。
 起訴状によると、篠原被告は2020年4月、当時暮らしていたアパートで、長男の顔に防水シートをかぶせて押さえつけ、窒息死させたとされる。
 冒頭陳述で検察側は「育児に対する不安とストレスから、長男がいなくなればいいと考え殺害した」と指摘。篠原被告は事件前からそう状態とうつ状態を繰り返す「双極性感情障害」を患っていたが、障害の影響は重大ではなく、完全責任能力があったと主張した。
 一方、弁護側は「うつ状態は幻聴を伴う重度のものだった。全面的な責任を問うのは相当ではない」などと述べ、障害の影響で責任能力は限定的だったと訴えた。

◆無料配布の抗原検査キット、「ヤフオク!」出品…世田谷区「絶対にやめて」 indexへ

 東京都世田谷区が無料配布した新型コロナウイルスの抗原定性検査キットが、インターネットのオークションサイト「ヤフオク!」に一時出品されていたことが、区への取材でわかった。落札前に運営会社が削除したが、区は「検査キットは供給不足で医療機関でも入手が難しくなっている。転売は絶対にやめてほしい」と呼びかけている。
 年明けからの感染急拡大を受け、区は1月21~27日、区内在住者や区内に通学・通勤する希望者を対象に、検査キット計3万8388個を無料配布した。希望者には配布時、第三者に譲渡・転売しないとの同意を得た上で、検査キットを渡していたという。
 しかし1月29日、「ヤフオク!」に、同区が無料配布した際の文書が添えられた検査キットが3個セット(入札開始価格1万2000円)で出品されていた。  この検査キットは「体外診断用医薬品」に該当し、厚生労働省によると、医薬品医療機器法で無許可販売が禁じられている。「ヤフオク!」を運営するヤフーは「出品禁止物」に当たるとして落札前に削除した。
 保坂展人・世田谷区長は「検査キットは検査が必要な人に配ったはず。供給不足に乗じて、お金もうけのために使われそうになったのは残念だ」と話している。

◆10代母親の名前は空欄で出生届提出へ、国内初の「内密出産」に indexへ

 熊本市の慈恵病院で昨年12月、10歳代の女性が病院だけに身元を明かす「内密出産」を行ったことについて、同院の蓮田健理事長が4日、記者会見し、母親の名前を空欄にして理事長が出生届を提出する方針を明らかにした。
 病院は「赤ちゃんへの愛情が強い」として、母親が翻意する可能性もあるとして意向確認を続けていた。出産から1か月が過ぎて改めて女性に確認したところ、意思は変わらず、「内密出産」を利用する意向に変更はないと判断した。国内初の事例とみられている。
 病院は1月13日、母親の氏名を空欄にして出生届を出す行為が法律に抵触するかを問う質問状を熊本地方法務局に提出しており、回答を待って出生届を出すことにしている。

◆「コロナ保険」加入が殺到、数百円の掛け金で受け取り数万円の商品も…一部で販売停止 indexへ

 新型コロナウイルスの感染急拡大で、感染した時に一時金が受け取れるコロナ保険に加入が殺到している。保険料は数百円と少額だが、数万円以上が受け取れる商品もある。保険会社は契約が想定を上回り、販売停止や保険料の値上げを迫られている。
 日本生命保険傘下の大樹生命保険は3日、感染症を対象にした医療保険「おまもリーフ」の販売を4日から停止すると発表した。毎月の保険料は男性が370円、女性は340円で、新型コロナに感染して入院すると、一時金として一律10万円を支給する。
 医療保険の多くは、あらかじめ契約者の一定割合が感染して保険金を支払うことを想定して保険料を決めている。担当者は「感染者の拡大が想定を超えており、再開のめどは立っていない」としている。
 損害保険ジャパンは、スマートフォン決済「ペイペイ」を通じて昨年12月からコロナ保険の販売を始めた。3か月分の保険料は500円で、陽性と診断されれば、5万円が受け取れる。1月25日に契約が10万件を突破し、2月1日には20万件を超えた。第一生命保険の子会社は2月から、コロナ保険の保険料を1月の約4倍に引き上げた。
 ただ、コロナ保険の多くは、加入してから14日間は感染しても、保険金を受け取れない期間がある。感染が疑われてから加入することを防ぐ仕組みになっている。

◆「飲んでいること忘れていた」消防士が自粛期間中に酒気帯び indexへ

 群馬県高崎市等広域消防局は、係長代理の男性消防士(38)を2日付で停職3か月の懲戒処分とした。消防士は非番の1月19日夜、友人1人と高崎市でビールやワインを飲食し、車内で3時間ほど会話した後、友人の送りで車を運転した際に検問で酒気帯び運転が発覚。「飲んでいることを忘れていた」と話している。消防局では新型コロナ感染対策として飲食の自粛を職員に通知していた。植原芳康局長は2日に記者会見し、「社会全体で感染防止に取り組んでいる中、法令違反を犯し、公務員の信用を失墜させたことの責任を痛感している」と陳謝した。

◆高校生に配布したマスクに市長の名前と似顔絵、1万1000枚回収へ indexへ

 静岡市は、新型コロナウイルス感染予防の啓発のため高校生に配布した不織布マスクを回収することを決めた。1月27、28日に市内の高校27校に届けたマスク1万9000枚のうち、学校に留め置かれていた1万1000枚を回収する。
 マスクには、田辺信宏市長の名前と似顔絵を描いたシールを貼ってあり、「市長の知名度アップのために配った」と指摘されかねないとして、未配布分の回収を決めた。
 市によると、同様の啓発事業を実施した栃木県足利市に対し、同県選挙管理委員会が「寄付行為には当たらないが、好ましくない」との見解を示していたことが判明したという。

◆エアガンで小学生男児の顔など全身撃つ、父親を逮捕…1月には虐待の通告も indexへ

 エアガンで小学生の男児(10歳代)の顔など全身を撃ったとして、広島県警広島南署は2日、広島市南区、父親で会社員の男(37)を暴力行為処罰法違反(常習暴行)容疑で逮捕した。容疑を認めているという。
 発表では、男は昨年6月~今年1月、自宅で男児に向かって計3回、エアガンで複数発のプラスチック弾を発射し、顔や腕、脚などに当てる暴行を加えた疑い。
 児童相談所が1月、虐待情報の通告を受け、ケガを確認し、同署に連絡した。児相には過去にも「子供にアザがある」などの通告があり、同署は関連を調べる。

◆追加接種「高年齢層で特に効果」か…60~70代、3回目の後に「中和抗体」急増との研究結果 indexへ

 新型コロナウイルスワクチンの接種でできる「中和抗体」の量は、3回目接種後に60~70歳代で急増するとの研究結果を、国際医療福祉大が発表した。高年齢ほど2回目の接種から時間がたつと中和抗体の量が少なくなる傾向があるが、追加接種で回復するとみられる。
 中和抗体はウイルスに結合して感染力を失わせ、発症や重症化を防ぐ。藤田烈准教授(感染症疫学)らのチームは、同大の関連病院に勤務し2回接種から7~9か月たった21~77歳の医療従事者ら187人について、米ファイザー製ワクチンの3回目接種前と接種の2~3週間後で、中和抗体の量の変化を比較した。
 その結果、中和抗体の量は3回目接種後、平均で34倍に増えた。年代別では、接種前に60~70歳代の中和抗体は20歳代より低かったが、60歳代は同50倍、70歳代は同91倍に増え、20歳代の量に近づいていた。藤田准教授は「追加接種は高年齢層で特に効果があるとみてよい」と指摘している。

◆除細動器のバッテリー装着しないまま救急隊出動、電気ショック施せず…搬送の男性死亡 indexへ

 東京消防庁は1日、丸の内消防署の救急隊が除細動器のバッテリーを装着せずに出動し、心肺停止状態で搬送された新宿区内の70歳代男性に使用できない事案があったと発表した。男性は搬送先の病院で死亡した。
 発表によると、救急隊は1月31日午前、家族の119番を受けて男性の自宅に出動。途中でバッテリーの不備に気づいたが応援を要請せず、搬送先までの約12分間、電気ショックを施すことができなかった。同庁は今後、医師を交えて対応を検証する。

◆公園の鉄棒で逆上がり、握り棒外れ50代男性重傷…指定管理者は点検簿未作成 indexへ

 島根県邑南町は1日、「香木の森公園」内の鉄棒で逆上がりをしていた50歳代男性が、握り棒が外れたため、地面で頭を打つ事故があったと発表した。意識があるものの男性は重傷で、同町は、町が設置した遊具全ての使用を中止した。
 同町によると、事故は1月30日午後3時頃に発生。男性が鉄棒(高さ約1・1メートル)を使用中、握り棒を支柱に固定する金具と接合部が外れたという。
 鉄棒を含む複合遊具は、同町が1993年度に設置。2021年4月から、地元の宿泊業「ウェルス」が鉄棒のある付近一帯の指定管理者を担っているが、同社は遊具の見回りのみで、点検簿は作成していなかった。同町も06年に専門業者による点検を実施後、チェックしていなかったという。
 使用を中止した遊具は、安全性を確認してから利用を再開する予定。町商工観光課は「専門業者の定期点検や指定管理者の日常点検を徹底し、安全確保に努める」とした。

◆コロナ禍なのに「ノルマ未達成」と解雇、会社側「成績向上の見込みなし」と主張…判決は解雇無効 indexへ

 「新型コロナウイルスの影響で営業活動が難しいのに、ノルマの未達成で解雇するのは違法」。兵庫県に住む元営業職の男性が、勤務していたソフトウェア販売会社(東京都)に地位確認などを求めた訴訟の判決で、大阪地裁は「合理的な理由を欠く」と判断し、解雇の無効や未払い賃金の支払いを命じた。1月28日付。
 判決によると、男性は2020年2月、営業担当で入社し、ソフトウェアの販売先の開拓を任された。会社からは6~7月に5件の新規契約を獲得するよう指示されたが、3件にとどまり、7月末に就業規則の「勤務成績が著しく不良」にあたるとして解雇された。
 労働契約法では、労働者の解雇について「合理的な理由を欠き、社会通念上、相当と認められない場合は無効」と定める。解雇を巡る訴訟では、合理的な理由として重大な規則違反や違法行為などがあるかが問題になる。
 会社側は訴訟で「男性が顧客への電話や訪問を怠り、成績向上の見込みがなかった」と主張していた。
 藤村享司裁判官は判決で、入社後の4~5月は感染拡大で、出社や顧客との対面での商談が禁止されていた状況を挙げ、「業務経験が少なく、その後も的確な営業活動は困難だった」と指摘。勤務成績は7月に改善の兆しがあったとし、会社の対応が「解雇権の乱用」にあたると認定した。
 会社の社長は取材に対し、「控訴はしない。金銭的に解決できるよう対応したい」と話した。
 厚生労働省によると、コロナの影響で解雇や雇い止めとなった労働者は、20年2月からの累計で12万4715人(今年1月21日時点、見込みを含む)に上る。業種別では、製造業や小売業が多い。

◆「敬遠」されるモデルナ製、行列できるのはファイザー製のみ…心配なのは副反応や交互接種 indexへ

 新型コロナウイルスワクチンの3回目接種数が伸び悩んでいる。1月末までに政府が接種を想定していた人数(約1470万人)に対し、実際の接種者は同月30日時点で27・8%どまりだ。副反応などを心配する人が米モデルナ製ワクチンを「敬遠」しているとみられ、自治体が対応に苦慮している。
 先月31日午後、東京都目黒区の3回目接種会場では、米ファイザー製の受付に列ができる一方、モデルナ製は閑散としていた。
 目黒区は、1月14日~2月1日にファイザー、モデルナ製とも各1万3000~1万4000人分の予約枠を用意した。24日時点でファイザー製はほぼ100%枠が埋まったが、モデルナ製は30%と低調だった。区は同日からモデルナ製に限って、2回目から6か月以上経過した18歳以上の区民であれば誰でも予約できるようにし、予約枠も倍増させた。この結果、1日までに約8000人分の予約が増えたという。
 区の担当者によると、1月に3回目の接種対象となるのは高齢者が多い。大半が過去2回はファイザー製を打っており、交互接種への不安が強いという。モデルナ製の副反応を不安視する声も聞くが、厚生労働省はモデルナ製の3回目接種で副反応が起きる頻度は1、2回目に比べて少ないとする。副反応の一つ、心筋炎を引き起こす頻度は、ファイザー、モデルナ製ともまれだ。一方で、交互接種の効果は同種のワクチンを3回打つ場合と同程度か、より高い可能性があるという。
 愛知県犬山市も、1月に個別接種に配分したファイザー製の予約枠はすべて埋まったが、集団接種に振り向けたモデルナ製は低調だった。22、23両日の集団接種では当日予約も受け付けたが、1380人の枠の半分が埋まらなかったという。
 同様の問題を抱える千葉県富里市は24日、「モデルナ製ワクチンの有効性や安全性を積極的に周知してほしい」と求める緊急要望書を政府に提出した。市の担当者は「2月末までの接種希望者全員に打つのが目標だが、このままでは遅れかねない」と気をもんでいる。

◆介護福祉士「何度もオムツずらした」と立腹、入居者の顔面殴って重傷負わせる indexへ

 介護施設で担当する入居者を殴ってけがをさせたとして、神奈川県警磯子署は30日、横浜市栄区の介護福祉士の男(39)を傷害容疑で逮捕した。
 発表によると、介護福祉士は28日未明、同市磯子区洋光台の介護施設で、入居する男性(73)の顔面を複数回殴り、重傷を負わせた疑い。調べに対し、「何度もおむつをずらすことが頭にきた」と供述しているという。
 同署によると、介護福祉士は勤務時間中で、男性は自室のベッドで横になっていたという。室内の防犯カメラの映像などから関与が浮上した。

◆3歳児熱湯死、市に「殺されてしまう」「こぶがある」と情報あったが…検討会議開かず indexへ

 大阪府摂津市の3歳男児虐待死事件で、市と府の児童相談所が個別ケースへの対応を検討する会議が、母子の転入時に2回開催されて以降は事件まで3年近く開かれていなかったことがわかった。市に虐待を疑わせる情報が再三寄せられた際も開催されず、府の検証専門部会は虐待リスクの見逃しの要因だと指摘。31日に公表する報告書で、府などに開催基準の整備を求める。
 事件では、新村 桜利斗ちゃん(3)が昨年8月、摂津市のマンションで熱湯をかけられて死亡し、母親(23)の交際相手の無職松原拓海被告(24)(殺人罪などで起訴)が逮捕された。
 虐待が疑われたり、支援が必要だったりする児童がいる場合、自治体は児童福祉法に基づいて設置する「要保護児童対策地域協議会」で、児相などの関係機関と情報共有し、連携して対応にあたる。
 厚生労働省は協議会の運営について、対応中の事例などをまとめて情報共有する定例の「実務者会議」、個別事例に絞って危険度や緊急度を協議する「個別ケース検討会議」を状況に応じて開催するよう求める。
 桜利斗ちゃんは2018年10月に母親と摂津市に転入。それまで住んでいた大阪府泉南市から見守りの必要がある家庭との情報が寄せられ、摂津市は協議会の対象とし、転入時と、保育園入園が決まった同11月に検討会議を開いた。
 しかし、それ以降は検討会議は開かず、毎月開催していた実務者会議での報告にとどまった。実務者会議では毎回50件前後が議題に上るため、1件あたり数分しか時間がなく、具体的な議論はほとんどされていなかったという。
 この間、市は20年末頃に母親と松原被告の交際を把握したほか、昨年4~6月には保育園や母親の知人らから桜利斗ちゃんについて「こぶがある」「このままでは殺されてしまう」との情報が寄せられていた。
 関係者によると、府の検証専門部会の報告書ではこうした点を踏まえ、「(交際による)家族全体の変化」「交際相手からの暴力のリスク」について、「検討会議で再評価すべきだった」と市や府の対応の問題点を指摘する見通しだという。
 市の担当者は「保育園や母親と連携できているとの思いから、定例の会議で対応できると考えたが、認識が甘かった」と話した。
 検討会議をどういう場合に開催するかなどの明確な基準はなく、報告書では国や府にルールの整備を求める。摂津市は「独自の基準を作成したい」とする。

◆ひきこもり女性を無理やり施設に入居、業者側と母親に55万円賠償命令 indexへ

 ひきこもりの人の自立支援を掲げる業者に無理やり自宅から連れ出され施設に入れられたとして、千葉県に住む30歳代の女性が、業者側や自身の母親に550万円の損害賠償などを求めた訴訟で、東京地裁は27日、業者側と母親に55万円の支払いを命じる判決を言い渡した。下沢良太裁判長は「意思に反して女性を連れ出し、施設に入所させた」と述べた。
 判決によると、女性の母親は2017年9月、自立支援サービスを提供していた「クリアアンサー」(解散)の子会社に、「女性は2年ほどひきこもっている」と相談。業者側に約235万円を支払い、自立した生活の支援をしてもらう契約を結んだ。女性は同年10月、同社の従業員4人に自宅から連れ出され、業者の管理する施設に入所させられた。
 判決は、女性が自宅を出るまでに業者や母親から計約7時間説得された上、施設でも出入り口付近に監視役がいる部屋に入れられ、外出の難しい状況に置かれたと指摘。女性は心的外傷後ストレス障害(PTSD)になるなど精神的苦痛を負ったとし、業者側と母親にそれぞれ賠償責任があると判断した。

◆職員専用通路で足滑らせ骨折、病院側に300万円賠償命令…水たまりで「安全に通行できず」 indexへ

 健康診断のために訪れた東京都内の病院で、通路の水たまりに足を滑らせて転倒し、左腕を骨折したとして、都内の女性(61)が病院を運営する医療法人に約1800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁であった。渡辺充昭裁判官は「通路の床材はぬれると滑りやすくなる材質で、健康診断を受ける人が安全に通行できない状態だった」として、同法人に約300万円の賠償を命じた。
 判決によると、女性は2017年12月、東京都足立区の病院で、健康診断の会場に向かうため、4階の通路を歩いていたところ、降雨の影響でできたとみられる水たまりに足を取られて転倒した。
 通路は職員専用だったが、判決は立ち入りを禁止する表示がなかったことなどを踏まえ、病院に落ち度があったと指摘。同法人に治療費や慰謝料などを支払う責任があると判断した。

◆「高さのあるところから落とした」、生後3か月の長女への傷害致死容疑で母親逮捕 indexへ

 生後3か月の長女に暴行を加え死亡させたとして、埼玉県警は27日、同県志木市上宗岡、無職土屋美保容疑者(37)を傷害致死の疑いで逮捕した。
 発表によると、土屋容疑者は昨年6月22日頃、自宅の室内で長女の 夢空ちゃんに暴行を加え、同24日に搬送先の病院で死亡させた疑い。容疑を認めており、調べに対し、「高さのあるところから落としてしまった」などと供述しているという。司法解剖の結果、死因は急性硬膜下血腫で、頭に強い衝撃を受けたとみられる。
 県警幹部によると、土屋容疑者は夫と長男、夢空ちゃんと4人暮らし。同23日に土屋容疑者が夢空ちゃんの異変に気付き、家族が病院に連れて行ったという。

◆同僚の前で叱責・ミスおこられ長時間立たされる、60歳男性自殺…「パワハラ」と遺族が提訴 indexへ

 自動車販売会社「広島トヨペット」(広島市西区)の契約社員だった男性(当時60歳)が自殺したのは、上司からのパワーハラスメントなどによる精神疾患が原因だったとして、遺族が26日、同社と上司に慰謝料などの損害賠償を求めて地裁に提訴した。遺族側は請求額を明らかにしていない。
 訴状などによると、男性は1977年に入社。定年退職後、契約社員として再雇用され、携帯電話の販売などの営業を担当していたが、2019年4月に呉市の山中で自殺した。
 男性は18年6月頃から、頻繁に同僚のいる前で上司から 叱責を受け続けた。在庫管理のミスをとがめられて長時間立たされ、膨大な始末書の作成を命じられるなど、長時間労働も強いられた。同僚に「自分は必要とされていない。死にたい」と漏らしたとしている。
 広島中央労働基準監督署は昨年10月、「頻繁に厳しい叱責を受け、許容範囲を超える精神的攻撃があった」として労災認定した。
 遺族側は「会社は精神的負担を軽減させる措置を取らなかった」と主張。男性の妹(60)はこの日、記者会見し、「忠実に会社勤めをしてきた兄がどうして自殺したのか、真実を知りたい」と訴えた。
 同社は「内容を確認させていただいたうえで、 真摯に対応して参ります」としている。

◆無免許で救急車3か月運転、計33回乗務…勤務態度など考慮し文書で注意処分 indexへ

 兵庫県加古川市の中央消防署に勤務する救急隊員が2020年、約3か月にわたって運転免許が失効したまま救急車を運転していたことがわかった。
 市消防本部によると、隊員は20歳代男性。同年9月8日から12月7日まで免許失効の状態だった。この間、救急車に計33回乗務。病院での研修でドクターカーの運転も担当していた。
 同本部は免許証の確認を年2回実施。同年12月に隊員の失効が判明したが、勤務態度や市の指針を考慮し、文書による注意処分としていた。隊員は失効が判明した日に再取得の手続きをしたという。
 今回の事態を踏まえ、同本部は免許確認の回数を増やすなど、再発防止の対策を講じており、古賀隆之・総務課長は「命に携わる仕事。同じようなことが起きないよう、市民の模範となる行動に努める」と話している。

◆「介護に疲れて」認知症の妻の頭を金づちで数十回殴った80歳夫 indexへ

 同居している重度の認知症の妻(76)を金づちで殴って殺そうとしたとして、大阪府警東住吉署は24日、大阪市東住吉区、市原敬容疑者(80)を殺人未遂容疑で逮捕した。市原容疑者は「介護に疲れ、妻を殺して自分も死のうと思った」と容疑を認めているという。
 発表では、市原容疑者は昨年12月4日午後4時15分頃、自宅で妻の頭を金づちで数十回殴り、殺害しようとした疑い。妻は頭の骨を折るなど2か月の重傷。市原容疑者も頭を骨折しており、同署は無理心中を図ったとみて調べている。

◆感染で入院待機中に区営駐輪場に3日間出勤…健康観察の電話に妻が出て発覚 indexへ

 東京都北区は25日、区営駐輪場の職員が新型コロナウイルスに感染したことを知りながら、3日間出勤したと発表した。区は業務を委託する指定管理者の処分を検討している。
 発表によると、職員は、赤羽駅西口北自転車駐車場に勤務する指定管理者所属の70歳代男性。21日に感染が判明し区から入院待機を求められたが、同日午後、22日午前、25日午後の3日間の計14時間半、利用者への現金、利用券の受け渡しや、自転車の整理・誘導などにあたったという。
 25日に区職員が健康観察のため男性宅に電話したところ、妻が電話に出て男性が出勤していることがわかった。花川与惣太区長は「事実ならば大変申し訳ない。再発防止に努めたい」と話した。

◆新婚女性「カレーから下水のような異臭」…コロナ後遺症、半年たっても嗅覚は戻らず indexへ

 新型コロナウイルスの感染者が2020年1月に国内で初めて確認されてから、2年が過ぎた。感染後、一定期間が過ぎて検査で陰性となってからも、 倦怠感や嗅覚障害など後遺症に悩まされる人は多い。数か月、1年以上たっても体調不良が続くケースがあり、仕事に復帰できない人もいる。
「下水のよう」
 「コロナが治ってからも、こんなに嗅覚障害が長引くとは思っていなかった。『何で私だけ』と思い詰め、泣いてばかりだった」  昨年8月に感染が判明した京都市のパート従業員の女性(23)は語る。
 感染時は、高熱と倦怠感が3日ほど続いたが、宿泊療養施設に入り、すぐに快方に向かった。ただ、熱が下がったと同時に何を食べてもにおいがしない、味がしないという状態に陥った。
 味覚は徐々に回復したが、嗅覚は元に戻らず、カレーなど香りが強い食べ物には「下水のような異臭」を感じるという。結婚したばかりだが、自宅で料理をする時も味見ができず、「おいしい」が分からなくなったという。
 耳鼻科に週1回通院し、治療費は月1万円以上かかる。医師からは「完治には1年以上かかるかもしれない」と言われている。
 女性は「『コロナは重症化しないから大丈夫』と言っている若い人が多いが、治ってからも何か月、何年と後遺症に苦しむ人がいる。感染には本当に気をつけてほしい」と話した。
支え必要に
 厚生労働省によると、コロナに感染した人が、陰性となって感染状態から脱した後も、感染中に起きた症状が続くことを「後遺症」と見なしている。現状では、コロナ感染以外に理由がなければ後遺症と考える「除外診断」で判断している。
 愛知県内に住む70歳代の女性は感染後、倦怠感や息苦しさといった症状に悩まされて1年半になる。
 一昨年の夏に感染がわかり、入院。肺炎がひどく、一時は集中治療室(ICU)にも入った。約3週間後に退院したが、体の違和感は続き、現在も月に1度、呼吸器内科で血液検査やレントゲンを受けている。
 感染前は高齢者施設でフルタイムの介護の仕事に就いていたが、今は目覚めても体がだるくて起き上がれず、同居する娘の支えがないと生活ができない。やりがいを感じていた仕事に短時間でも戻りたいが、復帰のめどは立っていない。
 「自分の体ではなくなってしまったよう。気持ちに体力が追いつかない」と、この女性は嘆く。
 聖マリアンナ医科大病院(川崎市)は、昨年1月から今月13日までに、後遺症に悩む10~80歳代の計286人(男性131人、女性155人)を診察した。1年以上通院する人もいるほか、78人が退職や休職を余儀なくされた。主な後遺症(複数回答)は倦怠感が最も多く59%、嗅覚異常46%、味覚異常35%などだった。
 東京都が昨春、都立・公社の8病院に開設した後遺症専用の電話相談窓口には、昨年末までに4717件の相談が寄せられている。  第6波で主流の変異株「オミクロン株」の後遺症は、厚労省の研究班が究明中だ。
 国立感染症研究所の報告書では、沖縄県でオミクロン株の感染者を調査した結果、コロナの特徴的な症状と考えられていた嗅覚や味覚障害があった人は1%にとどまっている。厚労省幹部は「変異株の種類によって症状や後遺症が異なる可能性もある」としている。
 厚労省は昨年12月、医療機関向けに、後遺症の症状や診察方法、リハビリの指導内容などを伝える手引を作った。東京都も主な症状をまとめた冊子を作って公開している。都の担当者は「後遺症の存在を知らずに症状に悩む人に自覚を促し、早期の医療機関への受診や相談窓口につなげたい」としている。

◆延期に次ぐ延期の末、入試日程も重なって…茅ヶ崎の全市立中学校の修学旅行中止 indexへ

 神奈川県茅ヶ崎市教育委員会は24日、来月下旬に再延期されていた市立中学校全13校の修学旅行を中止すると発表した。来月15日に行われる県内の公立高校の共通選抜試験の追試験日程が、新型コロナの影響で変更され、修学旅行の日程と重なることが決まったため。
 同市教委によると、修学旅行は2泊3日が基本で、行き先は京都や奈良、広島などを予定していた。当初は昨年5~6月の日程だったが、コロナ禍で同9~10月に延期し、同8月末の時点で今年2月に再延期していた。追試験が当初2月21日に設定されていたので、市教委はそれ以降の日程を組んでいたが、県教委が19日、追試験を25日に変更。全校の旅行期間か直後となることが判明した。
 同市では3月9日に卒業式が予定されている。市教委は「残念だが、何とか日帰り旅行でも企画してもらえたら」としている。

◆アビガンの不適切処方発覚受け、厚労省が全国実態調査…自宅療養者に服用させていないか確認 indexへ

 千葉県いすみ市の公立病院「いすみ医療センター」が、新型コロナウイルス対策として、抗ウイルス薬アビガンを不適切に処方した問題で、厚生労働省が全国の実態調査に着手した。コロナ治療薬としては未承認のアビガンを、同病院のように国の通知に反して自宅療養者に服用させたケースなどがないか調べる。
 厚労省は、コロナ用の飲み薬がなかった2020年4月、「観察研究」という枠組みでアビガンの使用を認めた。ただ、動物実験で胎児に奇形が生じる副作用が確認されている薬のため、厚労省は医療機関に「自宅療養での投薬はできない」と通知。処方を入院患者に限定し、薬剤管理と安全対策の徹底を求めていたが、昨年12月28日、別の飲み薬が承認されたことなどを理由に、観察研究で提供するのを打ち切った。
 調査は昨年12月27日に始まり、対象は研究に参加した約1200施設。厚労省は処方した患者の人数や、すべて入院患者だったかどうかを尋ねている。自宅療養者や外来患者に処方したと答えた施設には、その理由や患者が飲み残したアビガンを回収したかどうかも回答を求めている。3月末をめどに結果をまとめる。
 いすみ医療センターでは昨年8~9月、14歳以下の2人を含む自宅療養者115人に処方。同年12月の問題発覚まで、飲み残したアビガンを回収していなかった。重篤な副作用は確認されていない。
 研究代表者の土井洋平・藤田医科大教授は「感染が拡大し、研究が始まった頃、アビガンはコロナの治療薬として期待されていた。だが、最終的な有効性が確認されず、承認が下りないまま投与が続き、今回のような事例を生んでしまった」と話した。
  ◆アビガン =新型インフルエンザ治療用として承認された飲み薬で、厚生労働省が備蓄・管理している。新型コロナウイルスに感染した患者向けの治療薬として20年10月に承認申請されたものの、厚労省の専門家部会は同年12月、「効果を確認できない」と継続審議にしている。

◆園児が大やけど、モップ洗うシンクの流水で体冷やす…報告書「感染症の危険性を増幅」 indexへ

 鳥取市の私立幼稚園で2020年12月、当時5歳の園児が大やけどを負った事故を受けて鳥取県が設置した検証チームが20日、再発防止策などの報告書をまとめた。
 事故は同年12月14日に発生。園内のコンロで熱したゆずジュースが入ったやかんを持った担任と園児がぶつかり、園児が大やけどを負った。
 報告書では、担任らがトイレにあるモップなどを洗う深いシンクの流水で園児の体を冷やしたり、服を脱がせたりしていたと指摘。熱傷に伴う感染症の危険性を増幅させた上に皮膚がはがれる恐れもあり、初期対応は不適切だったと断じた。
 また国への報告が1か月以上もかかった県の対応を非難した。報告が遅れた県はその後、子育て王国課の担当者以外でも事故の状況やその後の 進捗状況が確認できる「保育施設等事故報告データベース」の運用を始めたことも示された。
 事故を受け、県内の保育施設に火や熱を発する器具を使っているか調査したところ、297施設中163施設(55%)で、園児が育てた野菜の調理などで使用していることがわかった。チームの委員長を務めた鳥取大地域学部の塩野谷斉副学部長は「事故はどの保育施設でも起こり得る。今回の検証から安全対策や初期対応について学んでほしい」と話している。

◆オミクロンで肺炎、デルタに比べ6分の1…ノドの強い痛みから全身状態悪化も indexへ

 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」に感染して肺炎を発症する人の割合は、デルタ株に比べて約6分の1だという調査結果を、国立感染症研究所がまとめた。オミクロン株は重症化リスクが低いとみられる一方で、強いのどの痛みから全身状態が悪化する例などが報告されており、注意が必要だ。
 調査は、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県で、届け出があった時点で肺炎などの重い症状があった割合を解析。デルタ株が主流だった昨夏と、オミクロン株が流行し始めた1月上旬とを比べた。その結果、肺炎を発症した割合は、2020年秋頃の従来株流行時に比べて、デルタ株は0・73倍、オミクロン株では0・12倍に大きく低下した。昨春以降にワクチン接種が進んだことも、低下に影響している可能性がある。
 オミクロン株は、肺炎以外の症状でも、デルタ株と様相が異なる。
 広島県が、オミクロン株が急拡大した年末年始の感染者約400人を調べたところ、のどの痛みを訴えた人は52%で、デルタ株が主流だった第5波の34%を大きく上回った。せきや全身 倦怠感がある割合もデルタ株より多い一方、嗅覚・味覚障害は1%と、デルタ株の6%を下回った。
 症状はインフルエンザや風邪に近いが、「高齢者や持病のある人が重症化することに変わりなく、油断は大敵だ」と、国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長は指摘する。オミクロン株は、のどで増えやすいとされており、「のどの強い痛みで水や食事が取れず全身状態が悪化するケースもある。療養中は水分や栄養をしっかり取るよう心がけるとともに、基本的な感染対策を徹底してほしい」と話している。

◆バイアグラ模造薬、男性に路上販売…逮捕の男「6~7年前から売っていた」 indexへ

 「バイアグラ」など性的不能治療薬の模造品を販売したとして、大阪府警は21日、大阪市北区、自営業の男(44)を医薬品医療機器法違反(模造薬販売の禁止)などの疑いで逮捕したと発表した。府警は男の自宅や関係先から模造品とみられる約10万錠を押収しており、入手ルートを調べている。  発表では、男は2020年6月、大阪市天王寺区のJR天王寺駅近くの路上で、府内の80歳代の男性に模造薬60錠を販売した疑い。「6~7年前から模造品を販売した」と容疑を認めているという。

◆中学給食のコロッケ、生徒が半分に割ったら…長さ1cmの針金状の異物発見 indexへ

 愛知県西尾市は21日、中学校の給食に金属片が混入した、と発表した。東部中で、生徒1人が教室で給食のコロッケを食べようと半分に割ったところ、長さ約1センチの針金状の異物を見つけた。健康被害は出ていない。

◆午前6時から24時間勤務、立ったまま眠ることも…人気洋菓子店の違法な長時間労働 indexへ

 人気洋菓子店「パティシエ エス コヤマ」(兵庫県三田市)の運営会社で違法な長時間労働が行われていた問題で、伊丹労働基準監督署は21日、法人としての同社と幹部2人を労働基準法違反容疑で神戸地検に書類送検した。1か月の時間外・休日労働は最長の社員で342時間に達し、勤務記録に社員の労働時間を過少に記載していた疑いもあるという。同社は2度の是正勧告を受けながら従わず、同署は「法違反を繰り返し、悪質」と刑事責任を問う必要があると判断した。
 幹部は、運営会社「パティシエエスコヤマ」の製造部長(36)と経営サポート本部次長(現・管理本部長)(40)。発表では、同社と2人は2021年1月16日~2月15日、製造部門の社員11人について、時間外・休日労働の法定上限(月100時間)を超えて働かせるなどした疑い。2人は労働時間を管理する立場にあったという。同署は認否を明らかにしていない。
 11人はロールケーキやアップルパイなどの製造を担当。いずれも月100時間を大幅に超える時間外・休日労働を行い、最長の社員で342時間。1日の最長労働時間は19時間30分に及んでいた。
 同社は18年1月15日と21年1月14日の2回、社員に100時間超の時間外労働をさせていたとして同署から是正勧告を受けていた。しかし、2度目の勧告を受けた時期はバレンタインを控えた繁忙期で、対応できずに長時間労働を続けたとみられる。
 関係者によると、同社が保管していた勤務記録には、実際と異なる労働時間が書かれていた。労働時間を過少に記録したり、あらかじめ定めた時間を超える労働を除外したりする手法で、虚偽記載していた疑いがあるという。
 同社は、1990年代にテレビのコンテスト番組で活躍した代表取締役の小山進氏(57)が設立。社員約100人で、2020年8月期の売上高は約18億6000万円に上る。看板商品はロールケーキ「小山ロール」で、小山氏は世界的なチョコレートの品評会で最高位に輝いたこともある。
 同署は、小山氏が労働実態を把握していたかどうかについて「今後の捜査に影響するのでコメントは差し控える」としている。
 同社は21日、ホームページに「今回の事態を厳粛に受け止め、労働環境の改善に取り組む」とのコメントを掲載。昨年11月に同署に是正報告書を提出し、時間外・休日労働に伴う未払い賃金について「確認が取れていない1名を除き、支払いを完了した」としている。
 ◆ 時間外・休日労働 =労働基準法で定められた「1日8時間、週40時間」を超えた労働。労使協定(36協定)を締結し、特別条項に合意した場合、年6か月以内に限り「月100時間未満」まで延長できる。ただし、年720時間を超えてはならない。厚生労働省は、脳や心臓の病気で過労死として労災認定される目安を「発症前1か月に時間外労働がおおむね100時間」としており、「過労死ライン」と呼ばれる。
「正常な判断ができなくなっていた」
 「2度目の是正勧告後、バレンタイン商戦が目の前に迫り、人手を増やすこともなく、漫然と長時間労働を続けていた」。10年以上同社に勤めている現役社員は、読売新聞の取材にそう証言する。
 この社員によると、同社では早朝から深夜に及ぶ長時間労働や上司の過度に厳しい指導で、心身の調子を崩し、退社する社員が後を絶たなかったという。それでも「職人の世界で、『一人前になるには指導と時間が必要』という考えが強い幹部が多い」と打ち明ける。
 同社の違法な長時間労働は昨年11月、読売新聞の報道で発覚した。社員は、代表でオーナーパティシエの小山氏について「職人として一流で、尊敬している」としながら「社内では誰も声を上げられなかった。報道後、少しずつ雰囲気が変わっている。今回のことが会社が生まれ変わるきっかけになってほしい」と話す。
 10年ほど前に退社した30歳代の女性は「膨大な作業をこなすことで精いっぱいで、正常な判断ができなくなっていた」と振り返る。
 日付が変わるまで仕事をすることは珍しくなく、午前6時から翌日の午前6時まで働き続けたことも。仕事中に立ったまま眠ることもあり、入社数年後に体調を崩して退社したという。女性は「報道で当時と何も変わっていないことを知ってショックだった。コヤマのお菓子は今でも大好き。若いパティシエが働き続けられる会社になってほしい」と話した。
 違法な長時間労働は、食料品製造業で目立っている。厚生労働省によると、2019年の全国の労働基準監督署が実施した定期監督で、労働時間の違反が判明した事業者の割合は食料品製造業で31・7%に上り、全業種平均(22・4%)を10ポイント近く上回った。
 大手洋菓子会社の労働組合関係者は「洋菓子業界では徒弟制度が色濃く残り、労働時間への意識が低い。技能がある特定の職人に負担が偏る傾向がある。『やりがい』に甘えるのではなく、業界として意識を変えていくべきだ」と指摘した。
  常見陽平・千葉商科大准教授(労働社会学)の話 「人員や設備が充実している大企業に対し、特定の人に仕事が偏りがちな中小企業では働き方改革が進んでいないところもある。人員を増やせなければ、仕事量を減らすしかない。顧客は商品の質だけでなく、その背景にある企業の労働環境にも敏感になっている。問題がある働き方はブランド価値を傷付けるということを経営者は意識するべきだ」

◆女性ヘルパー、入所者の裸の写真を撮影・顔にヒゲを書く…施設内部から市に通報 indexへ

 認知症がある入所者の裸の写真を撮影するなどの虐待を繰り返していたとして、大阪市は21日、同市旭区の介護保険施設「グループホームつながり城北」を、介護保険法に基づき、2月1日から半年間新規入所者の受け入れ停止とし、介護報酬を3割減額する処分にした。
 発表によると、施設では2019年12月~20年10月、女性ヘルパーが認知症で高齢の女性入所者に対し、▽裸の写真を携帯電話で撮影してほかの職員数人に送信▽顔にヒゲを書く▽髪の毛を切る▽手をたたく▽床に寝かせて胸をつかむ――などの虐待を繰り返した。別の女性ヘルパーも、別の女性入所者の足を縛るなどの身体拘束を行ったという。
 昨年10月下旬に施設内部から市に通報があり、発覚。施設は18年1月に開設され、昨年11月時点で27人が入所しているという。
 施設は取材に「入所者に大変申し訳ないことをした。当該のヘルパーは退職し、改善に向けて取り組んでいる」としている。

◆富士製薬に業務改善命令、ジェネリックで国の承認と異なる方法で試験…製品を自主回収 indexへ

 富山県は19日、国の承認と違う方法で医薬品の試験を行ったなどとして、医薬品製造「富士製薬工業」(本社・東京)に対し、医薬品医療機器法に基づき業務改善命令を出した。該当の製品は自主回収し、健康被害の報告はないという。
 県くすり政策課によると、不妊治療の注射剤の純度を調べる試験2種類のうち、国の承認と異なり1種類しか実施していなかった。薬の承認を取った1998年から続けていたといい、同社は県に対し、「一つの試験で純度は確認されているので、品質に問題はないと判断した」と説明している。また、緊急避妊薬の純度を調べる試験では、国の承認と違う器具を使うなどしていた。薬は計4種類で、いずれもジェネリック医薬品(後発薬)だった。
 同社によると、別の企業の不正を受けて昨年1月から自主点検し、不正が判明。同6月、県に報告していた。同社は「命令を重く受け止め、心よりおわびする。規範意識が徹底されていなかった。改善計画を策定し実践していく」としている。今後、再発防止策を県に提出するが、製造は継続していく。
 同社は1965年設立。富山市に工場を置く。主に産婦人科系の医薬品を製造し、東証1部に上場している。

◆濃厚接触者への連絡は「感染者本人に依頼」…市「保健所調査、感染拡大の速さについていけず」 indexへ

 新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、札幌市の秋元克広市長は20日、これまで市保健所が行っていた濃厚接触者の調査を同居家族などに限定し、他の接触者への連絡は感染者本人に依頼する方式に切り替えると発表した。市は保健所に応援職員を派遣して体制を増強しているが、業務負担がさらに増えると想定されることから、新規感染者の入院判定や自宅療養者の健康観察などに保健所の業務を重点化する。
 従来は、保健所が感染者に2週間前までの行動歴を聞き取って濃厚接触者の調査をしていたが、感染の可能性のある接触者や勤務先への連絡は今後、感染者本人に依頼する。連絡を受けた接触者には、濃厚接触者に該当するかどうかを自身で確認し、感染の可能性がある場合は10日間の健康観察を自ら行うよう求める。
 秋元市長は臨時記者会見で、「聞き取りをじっくりしていたのでは感染拡大のスピードについていけない」と述べ、理解を求めた。

◆国の感染者データ一元管理システム、一時入力できず…接続集中で回線容量オーバーか indexへ

 新型コロナウイルスの感染急拡大で、19~20日に感染者のデータを一元管理する国の情報システム「HER―SYS(ハーシス)」への接続が集中し、一時、保健所や医療機関が入力作業を行えない状況になったことが、厚生労働省への取材でわかった。接続回線の容量をオーバーしたのが原因とみられる。同省は20日夜、全国の自治体にハーシスが使えない場合は、医療機関から保健所にファクスやメールで連絡してもらうよう通知した。
 厚労省によると、不具合は19日夕に一時発生し、20日には午後1時半頃から5時間強にわたり、東京都や大阪府など新規の感染者が多い地域で接続できなくなった。同省は回線数を2倍以上に増やしてシステムを復旧させた。
 ハーシスでは、感染症法で保健所への届け出が義務付けられている感染者の「発生届」や、感染者の発熱などの健康状況が入力されている。入力できなければ、保健所が感染者の把握ができなくなる恐れがある。

◆数万人分の電子カルテ閲覧不能、愛知の病院ウイルス感染か…金銭要求の外国語文書届く indexへ

 愛知県春日井市の「春日井リハビリテーション病院」で、患者数万人分の電子カルテが閲覧できなくなっていることが20日、病院への取材でわかった。データ復旧の見返りに金銭を要求する「ランサムウェア」と呼ばれるコンピューターウイルスに感染したとみられる。
 病院によると、12日未明、電子カルテが閲覧できなくなり、業者に依頼して調べたところ、医療情報システムに不正アクセスされた痕跡があった。金銭を要求する内容の外国語の文書が届いており、ランサムウェアに感染した疑いがあるという。復旧のめどは立っておらず、紙のカルテを作成するなどして対応している。
 病院には内科、リハビリテーション科などがあり、1日30人ほどの外来患者を受け入れ、現在、約250人が入院中という。

◆校庭で鬼ごっこの男児、安全のため張ったロープで転倒・骨折…市が和解金55万円 indexへ

 群馬県太田市立城西小で2019年3月、グラウンドに張られたロープに男児が首を引っかけて骨折した事故で、市が和解金として55万円を支払ったことがわかった。
 市教育委員会によると、男児は当時2年生で、昼休みにグラウンドで友達と鬼ごっこをしていた際、サッカーゴールとフェンスの間に張られたロープに引っかかり転倒、鎖骨を骨折し3日間入院した。男児の保護者が加入する健康保険組合が昨年6月、市に損害賠償を求めて東京簡裁に提訴。裁判所が和解を勧告し、市が過失割合として治療費66万8592円の約8割にあたる55万円を支払うことで昨年12月13日付で和解が成立した。
 ロープはサッカーゴールの転倒防止と、ゴール裏の隙間に児童が入らないことを目的に張られていたが、事故後に撤去された。市教委は「子供たちの安全・安心を第一に考え、再発防止に努めたい」(学校教育課)としている。

◆歌舞伎町の男児転落死で逮捕の母親、昨夏にも子供2人に睡眠薬のませ殺害企てたか indexへ

 東京都新宿区歌舞伎町で昨年12月29日、長男(9)をホテルから転落死させたとして殺人容疑で逮捕された川崎市の無職の母親(47)が昨夏、長男と長女(7)の2人を殺害しようとしていた疑いが強まったとして、警視庁新宿署は20日、母親を2人への殺人未遂容疑で再逮捕したと発表した。再逮捕は18日。
 発表によると、母親は昨年8月5日午後1~3時頃、自宅近くの駐車場にとめた軽乗用車内で、2人に睡眠薬を飲ませて意識をもうろうとさせ、熱中症で殺害しようとした疑い。調べに対し、黙秘している。
 駐車場の管理会社の社員が、自力で脱出した長男を駐車場内で発見。長女も近くで泣いており、母親は運転席付近で倒れていた。3人とも病院に搬送されたが、命に別条はなかった。
 周辺は気温33度だったが、車の窓は閉め切られ、暖房が入っていたという。新宿署は、母親が無理心中を図ったとみている。
 2人の尿から睡眠薬の成分が検出されたため、病院側が川崎市の児童相談所に虐待の疑いで通告した。
 関係者によると、児相は翌日に2人を一時保護したが、8月末に「在宅での養育が可能」と判断し、在宅支援に切り替えた。その後、月に1回ほど家庭訪問を行っていたが、異常は見つからなかったという。
 児相から連絡を受けた神奈川県警も捜査していた。

◆主婦・OLにも感染拡大「過去の病気ではない」…梅毒患者2倍超、県は経路把握できず indexへ

 性感染症である梅毒の患者が群馬県内で増加している。昨年に確認された患者は前年の2倍超となる104人で、現在の調査方法になった1999年以降で最多となった。SNSを通じた出会いが広がり、不特定多数との性交渉が増えたことが一因とみられている。新型コロナウイルス感染拡大の陰で梅毒の増加は目立っていないが、県や専門家は危機感を強めている。
 「過去の病気だという認識を改める必要がある」。性感染症に詳しい「セントラルクリニック伊勢崎」(伊勢崎市粕川町)の清滝修二院長はこう話す。
 同院には毎年1~4人程度の患者が訪れていたが、昨年は8人に増え、清滝院長は驚きを隠せない。このうちの3人は、SNSを通じて知り合った人との性交渉が原因だと答え、相手と連絡が取れなくなった人もいた。
 清滝院長によると、梅毒になると発疹や潰瘍が体にできるが、痛みやかゆみを伴わないことが多く、しばらくすると消えてしまう。清滝院長は「治ったと勘違いして再び性交を繰り返してしまう人もいるため、実際にはもっと多くの人が感染しているのではないか」と不安を口にした。避妊具のコンドームでも感染は完全には防げないといい、不特定多数との性交渉をしないことが予防法になる。
 県によると、昨年は県内で男性74人、女性30人の感染が確認された。男性患者を世代別で見ると、30歳代が最多の22人で、20歳代18人、40歳代16人と続いた。女性患者は20歳代の15人が最多で、母親から胎児に感染する先天梅毒も1例あった。県は、感染経路の実態は把握できていないとして、「主婦やOLといった性産業と関わりのない人たちにも感染が広がっている。不特定多数の人との性行為を避けてほしい」(感染症・がん疾病対策課)と呼びかけている。
 県の各保健所は、定期的に性感染症やヒト免疫不全ウイルス(HIV)検査を無料で実施している。電話予約が必要だが名前や住所を明かす必要はなく、採血を行えば1週間程度で結果が判明する。前橋、高崎両市保健所は新型コロナの影響で新規予約を停止している。
  ◆梅毒 =性的な接触で「梅毒トレポネーマ」という病原菌をうつされて感染する。症状の赤い発疹が楊梅(ようばい=ヤマモモ)の実に似ているのが名前の由来。初期は陰部や口など、感染がおきた部位にしこりができたり、股の付け根のリンパ節が腫れたりする。治療せず3か月以上が経過すると、手のひらや足の裏などに赤い発疹がうっすらと出る。早期の薬物治療で治るが、放置すると数年後に脳や心臓に重大な合併症を起こすことがある。

◆3回目接種後「痛みの訴え増」「発熱は低下」…市が副反応調査を継続的に実施 indexへ

 福島県相馬市は、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を受けた医療従事者を対象とした副反応調査の結果を公表した。2回目と比べると、接種部位の痛みを訴える割合が高まる一方、発熱の割合は低下した。重症化や入院が必要な事例はなく、2~3日で回復していた。
 調査は昨年12月に実施。米ファイザー製または米モデルナ製のワクチンで3回目の接種を受けた市内の10~70歳代の医療従事者141人(男性39人、女性102人)に対し、副反応の症状を複数回答で聞いた。
 同様の調査は1、2回目の接種後にも行っている。1回目接種後は223人(男性50人、女性173人)、2回目接種後は220人(男性50人、女性170人)の医療従事者から回答を得た。今回は接種を進める中で調査したため、対象者数が少なくなっている。
 3回目の接種後に接種部位の痛み(腫れやかゆみを含む)があったのは、84%の118人だった。1回目は78%、2回目は65%で、3回目の発症割合が最も高かった。男女別で見ると、男性は1回目68%、2回目58%、3回目77%、女性はそれぞれ82%、66%、86%だった。
 一方、3回目接種後に37・5度以上の発熱を訴えたのは23%の32人で、1回目の3%より高く、2回目の38%より低くなった。男女別では、男性が1回目ゼロ、2回目30%、3回目23%、女性がそれぞれ3%、41%、23%だった。
 2回目と3回目で同じ副反応があった人に症状の程度を尋ねたところ、接種部位の痛みでは、2回目より3回目が「重かった」33%、「同程度」36%、「軽かった」31%だった。37・5度以上の発熱では、2回目と3回目が「同程度」42%で最も高かった。
 市は接種するか否かを判断する際の参考にしてもらおうと、副反応に関する調査を継続的に実施している。結果はすべて市のホームページで閲覧できる。

◆教官2人、胸ぐらつかむ・「殺してやりたい」発言…22歳陸士長自殺で国に賠償命令 indexへ

 陸上自衛隊西部方面隊の教育隊に所属していた男性陸士長(当時22歳)が教官のパワーハラスメントで自殺したとして、両親が国と教官2人に計約8100万円の損害賠償を求めた訴訟があり、熊本地裁(中辻雄一朗裁判長)は19日、国の安全配慮義務違反を認め、国に対し、慰謝料など計220万円の支払いを命じた。
 判決によると、陸士長は2015年10月5~6日、当時は長崎県にあった西部方面混成団第5陸曹教育隊で教官から胸ぐらをつかまれたり、別の教官から「お前のようなやつは殺してやりたい」という趣旨の発言を受けたりした。陸士長は翌7日、隊舎内で自殺した。
 中辻裁判長はこれらの行為を「教官の裁量を逸脱し、安全配慮義務に違反した」と指摘し、精神的苦痛が自殺の遠因となったと認めた。一方、指導は2日間のみで「自殺に至ると予見することは困難だった」とした。教官2人への請求は「職務行為で、個人責任は負わない」として棄却した。
 原告は「弱い立場の者を精神的に追い詰めれば死んでしまうことを軽視した判決で受け入れられない」として控訴する方針。
 西部方面総監部広報室は「判決を受け止め、パワハラなど同種事案の再発防止に努める」とコメントした。

◆心筋梗塞の女性、10病院に断られた末に死亡…感染急増で一般救急「しわ寄せ」 indexへ

 新型コロナウイルスの感染者が急増し、各地でコロナ病床の確保が進む中、「コロナ以外」の一般病床が 逼迫し、救急患者がすぐに入院できない事態が深刻化している。特に東京都内では、搬送先が見つからない「救急搬送困難事案」が18日に過去最多の260件に達した。複数の病院に搬送を断られた心筋 梗塞の患者が、ようやくたどり着いた病院で死亡が確認されたケースも出ている。
同時に3人が車内待機
 19日午後6時。国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)の入り口で救急車が2台、患者を乗せたまま待機していた。
 「ベッド、何とか空けられたよ」
 木村昭夫・救命救急センター長が声をかけると、30分以上、救急車内で待つ「車内待機」を続けていた70歳代女性が、病院内に運ばれた。女性は胸の痛みを訴え救急車を呼んだが、4か所以上の病院で受け入れを断られていた。
 同病院では、この1週間、救命救急センターも一般病床も満床状態が続いている。同時に3人が車内待機することもあった。数日前には、心筋梗塞の80歳代の女性が、10か所の病院に断られた末に同病院に到着したものの、直後に死亡が確認された。
 一般の患者の受け入れが逼迫しているのに対し、同病院のコロナ病床には余裕がある。19日現在、すぐにコロナ患者を受け入れられる44床のうち、約半数が空床だという。
 木村センター長は「コロナ病床が逼迫した(昨夏の)第5波と正反対の状況だ。コロナ以外の患者の受け入れが、どんどん厳しくなってきている」と訴える。今週から、がん手術などの制限も始めたという。

◆「コンビニでたばこ買う」コロナ宿泊療養中に無断外出…2階窓から出て、屋外ダクトつたって降りる indexへ

 大阪府は19日、新型コロナウイルスに感染して大阪市内のホテルで宿泊療養中だった20歳代男性が、コンビニでたばこを買うために約15分外出したと発表した。府は宿泊療養者の外出を禁じている。
 発表によると男性は18日午後8時頃、2階の部屋の窓から出て屋外のダクトをつたって地上に降り、警備員の呼びかけに応じずに敷地外に出た。男性はマスクを着用しており、濃厚接触者は確認されていない。

◆「配達が面倒で」ワクチン接種券など7千通捨てた郵便局員…自宅にも4千通放置 indexへ

 大阪府警黒山署は18日、郵便物約7000通を廃棄したとして、美原郵便局員の男(20)(富田林市)を郵便法違反の疑いで逮捕、送検したと発表した。新型コロナウイルスのワクチン接種券も含まれており、「配達が面倒だった」などと話しているという。
 発表によると、男は16日午後4時20分頃、堺市美原区の雑木林で、受け持った郵便物をポリ袋に入れて捨てた疑い。男の自宅からは、ほかに未配達の郵便物約4000通が見つかっているという。

◆「がんの発症リスク抑える」と生理食塩水を注射…十数人から計4000万円受け取りか indexへ

 「がんのリスクを抑える」と偽って注射を行い、治療費名目で現金を詐取したとして、警視庁は17日、横浜市神奈川区、雑貨販売会社役員の男(51)(医師法違反で起訴)を詐欺容疑で再逮捕したと発表した。2019年5月以降、同様の手口で十数人から計約4000万円を受領したとみて調べている。
 発表によると、男は19年7月頃、自宅マンションなどで、関東地方の40歳代の男女2人に「がんの発症リスクを抑え、改善する」とうそを言って注射を打つなどし、治療費の名目で計約240万円をだまし取った疑い。再逮捕は15日。調べに容疑を認め、「生理食塩水を注射した」と供述している。
 男は知人の紹介で客を集め、「中国の医師免許を持っている」などと話していたという。昨年11月に医師法違反(無資格医業)容疑で警視庁に逮捕され、翌12月に起訴された。

◆「濃厚接触者」の生徒を「感染」と思い込んで…中学が誤って臨時休校 indexへ

 大阪府高槻市教育委員会は14日、市立中で、生徒が新型コロナウイルスの濃厚接触者になったのを感染したと取り違えるミスがあり、誤って臨時休校にしたと発表した。
 発表によると、保護者から学校に13日午後7時頃、「身内にPCR検査の陽性者が出た」との電話連絡があった。応対した教員は「陽性者は生徒」と思い込み、学校に報告。同校は14日から3日間の休校を決めたという。
 14日朝に保護者から確認の電話があり、誤認に気付いた。同校はクラブ活動などを15日から再開し、授業は17日から行うとしている。

◆警察の女性職員、自粛通達されていた「2次会」参加し感染 indexへ

 佐賀県警は13日、県警本部の女性職員(20歳代)が、新型コロナウイルスに感染したと発表した。8日に知人らと飲酒を伴う会食をし、県警が自粛を通達していた「2次会」に参加していた。
 県警では昨年7月にも、鳥栖署の男性警察官(20歳代)が、感染判明前に同署の署長らと2次会を開くなどしていた。

◆孤立や貧困・若年妊娠…要支援の妊婦5・6万人 indexへ

109自治体読売調査
 孤立や貧困、病気などで支援が必要と自治体が判断した妊婦は2020年度、7人に1人の割合に上ることが、読売新聞が全国の主要都市に行った調査で分かった。支援の必要性は自治体に妊娠を届け出た際などに判断されている。法律で特に支援が必要と定義された特定妊婦のほかに、多くの自治体が独自の基準でサポートする妊婦の存在が明らかになった。
保健師が面談
 調査は昨年11~12月、政令市、県庁所在地、中核市、東京23区の計109自治体に実施。98自治体(90%)から有効回答を得た。
 98自治体の20年度の妊娠届出数は計36万6918人。各自治体が支援が必要だと判断した妊婦は少なくとも計5万6725人(15・5%)に上った。このうち特定妊婦は計5754人。自治体が「ハイリスク妊婦」などとして独自に支援すべきだと考える妊婦は計5万971人だった。支援が必要な妊婦の割合は18年度は13・9%、19年度は15・2%と増加していた。
 支援が必要な妊婦を把握した後は、保健師らが面談や電話相談、家庭訪問などでサポートしており、悩みへの助言、家事支援サービスの紹介なども行う。全ての妊婦への面談や妊婦健診への同行などの取り組みを行う自治体もあった。
 独自支援の判断理由(複数回答)は、精神的な問題を抱えていることが最も多く、「援助者や相談者がいない」「望まない妊娠」「経済的困窮」「未婚」「若年妊娠」などと続いた。
 課題には「妊婦と連絡がとれなくなる」「支援が必要な妊婦を把握できない」のほか、「専門職員の人手不足」もあった。
 ただし、自治体が支援対象とした妊婦の割合は73%~1%未満と差があった。支援の基準が自治体ごとに異なり、その判断も自治体に委ねられているためだ。
 東京情報大の市川香織教授(母性看護学)は「家族や地域の機能が弱い現代社会では、支援が必要な妊婦の割合は高まっている。妊産婦期に社会的な支援が不可欠な時代という認識のもと、国や自治体は予算確保や体制の強化に力を注いでほしい」と指摘している。
 ◆ 特定妊婦 =自治体が、若年妊娠や支援者不在など問題を抱える妊婦の情報を得て、児童虐待防止などを目的に各自治体が設置する「要保護児童対策地域協議会」に妊婦を登録する。その上で必要性を判断し、妊娠期から家庭訪問などの支援を行う。
孤立防ぐ体制 自治体の役割
 周囲の支えがないなどで、支援が必要な妊婦は珍しくない実態が明らかになった。全ての妊婦に面談するなど、自治体による妊娠期からの支援が急務だ。支援の必要性を判断する基準の整備や、職員の専門性の向上が求められる。出産前からの支援は妊婦の安心につながるだけでなく、児童虐待の防止にも有効だ。
 厚生労働省の調査では、19年度に虐待(心中含む)で死亡した子ども78人のうち約4割が0歳児。加害者の半数以上が実母で、育児不安や経済的困窮などの問題を抱えていた。
 望まない妊娠などで、悩みを一人で抱える妊婦もいる。妊婦やその家族らが気軽に相談できるよう自治体などが呼びかけを強め、支援体制を充実することも大切だ。これにより出産や育児に関する様々な問題の早期発見も期待できる。少子化対策としても欠かせない。

◆人工授精より高い妊娠率、夫以外の精子で体外受精開始へ…4月にも都内クリニック indexへ

 第三者の精子を使った体外受精を、都内のクリニックが4月にも開始する。生まれた子どもに対し、精子提供者の情報の一部開示を国内で初めて行う。不妊に悩む夫婦の選択肢を広げ、子どもの「出自を知る権利」を保障する狙いがあるが、提供者情報の長期管理を民間が行うには課題も多い。
 実施するのは「はらメディカルクリニック」(東京都渋谷区)。匿名で提供された精子を使った人工授精(AID)を長く行っており、日本産科婦人科学会が認めた12の登録施設の一つだ。今春からは、人工授精より妊娠率が高い体外受精も行う。
 対象は、夫が無精子症で、6回以上のAIDでも出産できなかったなどの夫婦。夫婦には妊娠後に提供者の職業や病歴を伝え、生まれた子が18歳以降に希望すれば提供者が電話や面会などに応じる。提供者の同意があれば、氏名や年齢も伝える。国内外の精子バンクも利用する。
 宮崎薫院長は「子どもを持ちたいと考える夫婦の希望に応え、国内の現状にも一石を投じたい」と語る。
 国は2003年、第三者の精子や卵子を使った不妊治療は、法でルールが整備されるまで当面、自粛するよう求めた。その際、1948年に始まったAIDだけは、広く行われていたことから例外的に継続を認めた。だが、不妊夫婦からは妊娠率が高い体外受精を望む声が上がっていた。
 また、出自を知る権利も、英独など欧州では法制化が進んでいるが、国内では保障する法律はない。ただ、今回のような民間の取り組みでは、廃業した際に提供者らの情報が散逸してしまう恐れがある。精子バンクの利用は、同学会が禁じている「営利目的での精子提供」に抵触する懸念もある。
 第三者の精子や卵子を使った不妊治療を巡っては、超党派の議連が法整備を目指している。石井哲也・北大教授(生命倫理)は「第三者の精子を使う点ではAIDと同じなのに、体外受精を認めないのはちぐはぐな対応だ。民間が独自に行うのは情報管理に懸念が残るため、国は早急に法整備を進めるべきだ」と話す。
 ◆ 体外受精 =精子と卵子を体外で受精させ、子宮に移植する不妊治療。精液を細い管で子宮に注入する人工授精より、妊娠率は高いが女性の心身への負担は大きい。


◆十字路の隅に人影が…胸騒ぎがした女性が引き返して、頭に雪積もった女性発見 indexへ

 富山県滑川市内で、命の危険があったお年寄りを救ったとして、同市北野の介護施設職員、三井雅子さん(49)に滑川署から感謝状が贈られた。
 三井さんは、昨年12月19日午前6時頃、雪がちらつく中を、コインランドリーに向かっていた。「普段出勤する時間よりかなり早く、まだ暗くて人通りもなかった」と振り返る。
 車を走らせてまもなく、十字路の隅に人影のようなものが見えた。一度は通り過ぎたものの、胸騒ぎがしてすぐに戻った。人影は、民家の生け垣にしがみつき、しゃがんでいた高齢の女性だった。女性はパジャマにサンダル履き。頭には雪が積もり、体は冷え切っていた。
 「おばあちゃん、大丈夫?」。優しく問いかけると、「どこから来たかわからんくなった」。すぐに、暖まっていた自分の車に乗せた。名前を聞いても返事はあやふや。冷え切って体も思うように動かせない様子だったので、三井さんは県警滑川署に送り届けた。署では自動販売機で温かいお茶を買って差し入れた。女性は80歳代だったが、幸いにも健康状態に問題はなく、家族が約1時間後に駆けつけ、無事に家に戻ったという。
 同署の中川保署長は、昨年12月22日の感謝状贈呈式で、「三井さんの発見や対応が遅かったら命に関わっていた」と語り、行動に敬意を表した。三井さんは「こういう経験は初めてだが、無視して走り去っていたら、すごく後悔していたと思う。おばあちゃんを助けてあげられて、とてもうれしい」とほほえんでいた。

◆女性看護師「仕事中睡魔に襲われて…」、同僚の女がペットボトル飲料に向精神薬を混入か indexへ

 宮城県警若林署は12日、仙台市若林区、無職の女(53)を傷害容疑で逮捕した。「私は何もしていない」と容疑を否認している。
 発表によると、女は昨年10月9日午前9時45分頃、当時勤務していた同区の病院で同僚の女性看護師(54)のペットボトル飲料に向精神薬などを混入させて飲ませ、眠気などの意識障害を負わせた疑い。
 同署によると、女は10月末に病院を退職していた。同月上旬に女性から「1か月ほど前から仕事中に睡魔に襲われる」と同署に相談があった。同署が余罪などを調べている。

◆「コインランドリーで男性倒れている」…救急車が出動中に接触事故、搬送30分遅れる indexへ

 福島県いわき市消防本部は11日、小名浜消防署の救急車が同市勿来町酒井のコインランドリーで倒れていた60歳代男性を救助するために出動した際、軽乗用車と接触する事故を起こし、現場への到着が約30分遅れたと発表した。男性は軽症で搬送の遅れによる影響はないという。
 同本部によると、救急車は同日午前10時15分頃、同市泉町の市道交差点で赤信号を直進したところ、左からきた軽乗用車と接触し走行不能になった。別の救急車がコインランドリーに出動し、男性を市内の医療機関に搬送した。

◆「食洗機ランプ消えず」「飼い犬なつかない」「大人数で酒」…110番のうち15%が不急 indexへ

 「食洗機のランプが消えない」「飼い犬がなついてくれない」――。茨城県警は7日、昨年1年間に受理した110番のうち15%が不急の通報だったと発表した。
 110番を受理する警察官が緊急性の乏しい通報に応答していると、捜査員の急派を要する通報などへの対処が妨げられかねない。県警の飛田孝一・地域部長が記者会見し、日常生活での困りごと相談などの場合は専用ダイヤル「#9110」に連絡するよう求めた。
 県警は昨年の1年間に、計17万3956件の110番を受理した。不急の通報は計2万4705件に上り、自身の落とし物が警察に保管されているかどうかを問い合わせる相談もあった。
 新型コロナ関連の110番は88件。「大人数で酒を飲んでいる」といった警察の緊急対応に直結しない通報が約45%を占めた。

◆「急に言うな」「無理」相次ぐ抗議…「21歳の集い」証明書めぐり混乱 indexへ

 茨城県ひたちなか市は8日、昨年中止となった成人式に参加できなかった若者のために、「21歳の集い」を市文化会館で開いた。約240人が参加したという。
 集いに参加した女性(21)は、昨年は成人式の実行委員を務めていた。開催直前で成人式が中止となり、「忘れられないほどショックだった」という。「同級生と会える機会を作ってもらえてうれしい」と笑顔を見せていた。
 市は開催直前まで、感染対策に慌ただしく対応した。県から突然、参加者をワクチン接種または検査の陰性を確認できた人だけに限るよう求められたためだ。7日の昼過ぎに、通知が届いたという。

◆「認証店を返上したい」と申請殺到…非認証だと協力金が高い不思議 indexへ

 9日に新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」が適用される沖縄県で、県などから感染防止対策の「第三者認証」を受けた店が、認証の返上を申し出る動きが相次いでいる。営業時間短縮の要請に応じた場合に支給される協力金について、政府が認証店よりも非認証店の方を高く設定しているためだ。県や全国知事会が政府に見直しを求めている。
「不公平」
 沖縄県では、午後9時までの時短で酒類が提供できる認証店には、中小企業の場合は売上高に応じて1日あたり2万5000~7万5000円の協力金を支給する。一方、午後8時までで酒類提供できない非認証店は3万~10万円で、非認証店の方が高い。
 県内の飲食店の認証店は約9100店(6日時点)ある。認証を受けた飲食店が客の急減などで自主休業したり、深夜営業のバーなどが営業を取りやめたりした場合も、認証の有無によって差額が生じるため、「費用をかけて感染対策を整えたのに不公平だ」との不満が噴出。県に「認証を返上して非認証店になりたい」という申し出や問い合わせが殺到している。
 県は7日に急きょ、認証店が1週間後の14日までに認証の返上を申し出た場合は、重点措置の開始日の9日分から非認証店として協力金を出すと発表した。県の幹部は「飲食店に認証を勧めてきたので、こういう措置は取りたくないが、要望が多く、対応せざるを得ない」と話す。
営業時間を考慮
 沖縄県の協力金の支給額は、政府が昨年11月に改定した新型コロナ対策の臨時交付金の要綱に沿った内容だ。内閣官房の担当者は、非認証店を高くした理由を「営業時間が1時間短く、酒類提供ができないことを考慮した」と説明する。
 協力金は要綱の範囲内であれば全額を国の交付金で賄えるが、都道府県の判断で減額や増額も可能だ。
 広島、山口両県は、認証店か非認証店かにかかわらず、午後8時までの時短で一切の酒類提供を停止する代わりに3万~10万円の協力金を支給する。認証店に上乗せする差額は県が負担することになり、国に制度の見直しや財政支援を求めている。沖縄県は認証・非認証店を同額にしなかった理由について「県の財政状況が厳しく、認証店の額を上乗せするのは困難だ」と説明。非認証店の額を下げれば、他の地域と差が生まれてしまう。
 全国知事会は6日、政府に対し、認証・非認証店で協力金の単価差をなくすよう求めた。
 近畿大の上崎 哉教授(行政学)は「差額は、営業できなくなる分の損失 補填という意味では理解できないわけではないが、認証を推進するなら、認証店にメリットがある設計にしておくべきだった。知事の判断で額を設定できるとはいえ、地域で異なるのも問題で、国が統一的に修正するのが望ましい」と指摘する。

◆大学付属校の給食に異物混入相次ぐ…ブラシの破片やクリップ indexへ

 佐賀大は、いずれも佐賀市の付属小と付属特別支援学校で給食の異物混入が相次ぎ、昨年12月6日から給食を停止したことを明らかにした。再開は未定で、弁当持参などの対応をとっている。
 同大によると、2020年6月~21年12月、両校では計10回の異物混入を確認。異物はクリップやブラシの破片などで、いずれも食べる前に気づいて健康被害は確認されていないという。同大は「食の安全を守れない」と判断し、両校の全約750食分の停止を決めた。
 両校は付属小の給食室で調理した料理や、大学生協を通じて調達したパン・ご飯を提供していたが、今後は民間の業者に委託する方針。

◆隣に座ろうとした乗客に「俺はコロナだ」…逮捕後の検査で陽性判明 indexへ

 愛知県警岡崎署は8日、住居不詳、自称アルバイトの男(20)を威力業務妨害の疑いで現行犯逮捕した。
 発表によると、男は同日午前10時頃~同25分頃の間、JR豊橋駅―岡崎駅間を走る東海道線の車内で、隣に座ろうとした乗客に対し、「俺はコロナだ」などと言い、列車を停車させるなどして業務を妨害した疑い。「コロナのご時世だから隣に座ってほしくないと言っただけ」と否認している。
 この影響で岡崎駅を出発するのが15分遅れた。逮捕後のPCR検査で陽性と判明したという。

◆医療従事者枠を利用・予診票にはウソ、病院清掃員が4回接種「抗体を高めるために」 indexへ

 横浜市は6日、市内在住の60歳代男性が新型コロナワクチンを4回接種していたと発表した。
 発表によると、男性は昨年3、4月、清掃員として働く病院で、医療従事者として計2回接種。9月には全市民に送付された接種券を使って市内のクリニックで3回目を受け、12月にも、医療従事者向けの追加接種を利用して4回目を受けた。予診票に接種の日付や回数について虚偽の記載をしていたといい、男性は「抗体を高めるために打った」などと話しているという。市は、重大な健康被害につながる恐れがあるとして、神奈川県を通じて厚生労働省に報告書を提出する。

◆無免許で救急車運転、消防士長を逮捕 indexへ

 秋田県警秋田中央署は5日、秋田消防署の消防士長(53)を道交法違反(無免許運転)の疑いで逮捕した。
 発表によると、消防士長は昨年12月25日午後3時45分頃、同市新屋比内町の市道で、無免許で救急車を運転した疑い。
 同市消防本部は、消防士長が昨年11月28日に運転免許証の有効期限が切れて失効していたにもかかわらず、救急車を3回運転、通勤時にも私用車を運転したことを今月4日に公表していた。昨年12月の定期確認では有効期限の確認を怠っていたが、4日の職場での確認で失効が判明し、消防本部が秋田県警に連絡していた。

◆障害者支援施設で利用者に殴る蹴るの暴行、施設長逮捕…「体がよろめいてぶつかった」 indexへ

 障害者就労支援施設の利用者の顔を殴ったなどとして、北海道警札幌豊平署は4日、札幌市豊平区、会社役員の男(68)を暴行容疑で逮捕した。
 発表によると、男は同市清田区の障害者就労支援施設「ほのぼの」の施設長で、昨年11月19日午前8時頃、玄関で靴を脱ごうとしていた利用者の男性(45)の顔を殴って上半身を蹴り、一方的に引き倒すなどの暴行を加えた疑い。目撃した関係者から同署に通報があり、捜査していた。
 調べに対し、男は「体がよろめいてぶつかっただけ」と容疑を否認しているという。同署は日常的に暴行がなかったか調べを進める。

◆空気注入で殺害、別の入所者も犠牲か…元職員の女を再逮捕 indexへ

 茨城県古河市の介護老人保健施設で入所者が体内に空気を注入されて死亡した事件で、県警は29日、別の入所者にも空気を注入して殺害したとして、元施設職員の赤間恵美容疑者(36)を殺人の疑いで再逮捕した。亡くなった2人は点滴中に容体が急変しており、県警は、赤間容疑者が注射筒(シリンジ)を点滴用チューブにつなぎ、血管内に空気を送り込んだとみている。
 発表によると、赤間容疑者は2020年5月30日午後3時半頃、同市 仁連の介護老人保健施設「けやきの 舎 」で、入所者の鈴木喜作さん(当時84歳)の血管内に大量の空気を注入。空気 塞栓症による急性循環不全で死亡させた疑い。県警は認否を明らかにしていない。
 事件前、鈴木さんの部屋に入る赤間容疑者が他の職員に目撃されていた。心肺が停止した鈴木さんの「第一発見者」となり、異変を同僚に伝えたのも赤間容疑者だった。鈴木さんは約2時間後、搬送先の病院で死亡が確認されたが、急死につながる健康上の問題はなかったという。
 施設では20年7月6日、入所者の吉田節次さん(当時76歳)も空気塞栓症による急性循環不全で死亡。県警は今月8日、空気を注入して吉田さんを殺害したとして、赤間容疑者を殺人の疑いで逮捕していた。
 県警がコンピューター断層撮影法(CT)による遺体内部の画像を分析したところ、吉田さんと鈴木さんの体内には、赤間容疑者に注入されたとみられる気泡が写り込んでいたという。

◆血液型A型、生後1か月の男児に誤ってAB型の血液を輸血 indexへ

 千葉県こども病院(千葉市緑区)は27日、県内在住で血液型がA型の生後1か月の男児に昨年12月、誤ってAB型の患者の血液を輸血したと発表した。男児は退院し、輸血による障害はみられないという。不適合な輸血は、県立病院で初めて。
 同病院によると、異なる血液型が輸血されると、腎臓などの臓器に障害を与える恐れがある。男児は生後1か月のため、血液の反応が弱く、影響はなかったとみられる。
 同病院の報告書によると、男児は昨年12月、先天性心疾患で手術を受けた後、集中治療室(ICU)に入った。手術の2日後の午後9時10分頃、男児の注射筒(シリンジ)が交換された際、AB型の血液が誤って投与された。1時間40分後、看護師が誤りに気付き、輸血を止めたが、約5ミリ・リットルが注入された。
 シリンジは本来、冷蔵庫から直前に出され、患者と輸血液が正しいか2人で確認する。しかし、シリンジは事前に準備され、投与時の確認もしていなかった。
 同病院は男児の家族に謝罪し、和解した。同病院は輸血の際、確認の徹底を図り、再発防止に努める。

◆濃厚接触者の女性「まるで囚人の生活」…缶詰め状態の狭い部屋、食事は冷めた弁当 indexへ

 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」を巡り、政府が濃厚接触者の基準を見直したのを受け、宿泊施設の確保が限界に近づきつつあった自治体からは、 安堵する声が上がった。
     ◇
 宿泊施設待機を余儀なくされた濃厚接触者からは、缶詰め状態の生活に不平不満も出ている。
 「まるで囚人のような生活だった」。21日に米ハワイから成田空港に到着後、濃厚接触者として国の宿泊施設に待機した神奈川県在住の女性(53)はそう漏らす。
 用意された部屋は狭く、弁当の受け取り以外は一歩も外に出られない。室内には電子レンジがなく、温めることもできなかったという。「国や自治体は実態に即した柔軟な対応をしてほしい」と訴える。
 東京都は「ウーバーイーツ」「出前館」などの料理宅配サービスやネット通販を利用できるようにした。朝昼晩の弁当は都が用意しているが、「好きなものや温かいものを食べたい」との声が多数寄せられたためだ。都幹部は「入所者のストレスはかなりたまっていた」と話す。

◆脳死した息子の移植肺、強調して無断放映された無念…TBSなど訴えた母親「どうしても許せず」 indexへ

 脳死した男児(当時1歳)の肺移植手術の際、クーラーボックスから取り出された肺が強調して映し出され、精神的苦痛を受けたとして、広島県内の両親がTBSテレビなどに計1500万円の損害賠償を求めた訴訟を巡り、母親が取材に応じた。1審・地裁判決で請求は棄却されたが、高裁で控訴審を係争中。母親は「息子を亡くした悲しみに向き合えていない中、放送された怒りは収まらない。主張に耳を傾けてほしい」と訴えている。
 「不妊治療の末に生まれてくれた、待望の子でした」。母親は男児を授かった時、夫と喜び、ベビー服やおもちゃを買いそろえたという。
 2016年2月に無事出産。直後、体力が落ちていたが、わが子をこの目で確かめたくて、息子が寝入る保育器に足を運んだ。「かわいい。やっと出会えたね」。男児は家族からかわいがられ健やかに育っていった。
     ◇
 しかし、1歳2か月だった17年4月の深夜、男児の体調が急に悪くなり、心肺停止状態に。救急搬送され、手術で一命は取り留めたが、息子は自発呼吸が出来ず、腎臓機能も止まった。
 医師からは「いつ亡くなるか分からない」と告げられた。介護福祉士の母親は、自身の持つ医療知識で、回復が難しいことを悟った。悲しみに押しつぶされそうになりながら帰宅したある日の夜、息子の夢を見た。
 「脳は病気で侵されていても、体は元気だよ」。呼び掛けに応じない息子が、訴えてきたように感じた。体の一部でも誰かの元で生きてくれたら。息子をこの世に残したい思いが湧き起こり、臓器移植にわずかな希望を託した。
 医師に臓器提供を申し出てから約1か月間、面会中は、息子に声をかけ続けた。「一人で寝るから寂しがらないように」と、消灯前、枕元でボイスレコーダーに収録した家族らの声を流してもらった。息子の死と向き合っていくつもりだった。
 しかし、同年7月、番組で移植の様子が放映され、知らない間に息子の臓器が画面いっぱいにテレビで流された。執刀医は息子の肺をクーラーボックスから取り出すと、「軽くていい肺」などと発言。執刀医の手のひらに載せられた肺は、モザイク加工なしでメインに映し出された。目にすることがないはずの息子の臓器がこんな形で放送されるなんて――。どうしても許せなかった。
     ◇
 19年4月にTBSなどを提訴。今年7月の1審判決で、「番組には移植医療への理解を深める目的があり、ありのままを放送することに相応の社会的意義がある」として棄却され、控訴した。
 11月17日に行われた控訴審で、遺族側は「社会的意義を考慮しても、ドナーの肺をモザイク加工なしで放送することは必要不可欠と言えない」と訴えた。
 母親は臓器移植について「命を広げる可能性のある選択のひとつだ」と話す一方、放送に対するショックは癒えない。「まだ息子のお骨を墓に納められていない。裁判でTBS側に法的責任を認めてもらい、息子を安らかに眠らせてあげたい」と語気を強めた。
     ◇
 一方、TBSは控訴審で「放送が、『臓器提供者の遺族への配慮』を欠き、受忍限度を超えた違法なものではない」と棄却を求めた。読売新聞の取材に対し、「引き続き、放送にあたって細心の配慮を行うよう徹底する」としている。
 控訴審は即日結審し、判決は来年2月9日。

◆「祈れば救われる」「ワクチンに悪魔」東方正教会の信徒多い国で接種率低迷 indexへ

 キリスト教の東方正教会の信徒が多い国で、新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいない。国民の約9割が正教会信徒のルーマニアでは、信仰上の理由に加えて虚偽の情報も広がり、接種率の低迷を招いている。
長時間の礼拝
 19日午前、ブカレスト郊外のルーマニア正教会で日曜礼拝が行われた。200人近くの信徒らのうち、4割ほどはマスクを外している。3時間以上、密閉空間で礼拝に参加し、最後に同じスプーンでワインを飲み回す儀式が行われた。
 「神が守ってくれるからワクチンは接種しない。ワクチンには『悪魔』が入っている」。毎週礼拝に参加するマリン・シェルバンさん(58)はそう断言した。別の未接種の女性(42)は「教会は最も安全な場所だから大丈夫」と話し、全く気に留めない。
 人口約1900万人のルーマニアでは10月に1日当たりの新規感染者が1万8000人に達し、11月に死者の累計が5万人を超えた。ワクチン接種が進まない中、5月以降、他の欧州連合(EU)加盟国と同様に行動制限を緩和し、感染が広まった。接種完了率は12月にようやく40%に届いたが、EUでブルガリアに次いで低い。
 10月には集中治療室(ICU)が満床になり、隣国ハンガリーなどに患者を移送した。政府は10月以降、屋外でのマスク着用を義務化し、ワクチン未接種者の飲食店入店などを禁止した。その結果、12月には1日当たりの新規感染者は2000人未満に低下した。ただ、米ジョンズ・ホプキンス大の統計によると、10万人当たりの感染死者数はブルガリアが436人で世界で2番目、ルーマニアが302人で10番目に多く、上位10か国のうち6か国が東方正教会信徒が過半数の国だ。
 東方正教会の信徒が多い国ではワクチン接種率が低い。ワクチン接種について、ルーマニア正教会は公式には否定していないが、大都市コンスタンツァの大主教は「毎日お祈りする人は救われる。ワクチン接種は勧めない」と公言している。
 ルーマニアなど東欧諸国では、正教会は選挙で大きな集票力を持つため政治への影響力も強く、政府が干渉しづらいという事情もある。
フェイク
 虚偽情報の拡散も深刻だ。18日に訪れた南部スロボジアのワクチン接種会場は閑散としていた。「『死にたくないから打たない』『3世代先まで子供ができなくなる』など、あらゆるフェイクニュースが広がっている」。ラドゥ・アンドレア医師(40)はため息をついた。接種に来るのは3回目の人がほとんどで、初回の人は1日10人ほど。「自分の患者で接種したのに入院したのは2人だけだ。偽情報のせいで自分のメッセージが届かないのが悔しい」と嘆いた。
 熱心な正教会信徒で、反ワクチン運動で一躍有名になった男性(43)のブログには、「ワクチンは遺伝子を変える生物兵器だ」などと主張する投稿があふれている。男性は医療従事者だったが、11月、コロナに感染して死亡した。
 ニコラエ・チウカ首相は今月23日、会合で「ワクチンは重症化と死を防ぐ」などと接種を呼びかけた。政府は接種者には全員100レイ(約2600円)の食事券を配り、最高191万レイ(約5000万円)が当たるくじ引きも始めた。だが、12月の接種率は約1・6ポイントの上昇にとどまる。
 スロボジアでは10~11月、死者数がそれまでの3~4倍に急増した。市内の墓地では、墓穴を掘る作業が追いつかず、もうすぐ敷地が足りなくなる。「この穴を見てほしい。接種しないとここに行くんだ」。作業管理者のペトレ・バレリロ・ロシュカさん(35)はつぶやいた。
  ◆東方正教会 =キリスト教の3大教派の一つ。ギリシャや東欧、ロシアなどに2億人以上の信徒がいる。東ローマ帝国の首都だったコンスタンチノープル(現イスタンブール)総主教庁を中心に、主に国単位で組織される。

◆児童養護施設「わいせつ職員」5年で47人、被害に遭った子供は69人…読売調査 indexへ

 虐待を受けたり、養育を放棄されたりした子供が生活する「児童養護施設」で、2020年度までの5年間に利用者へのわいせつ行為が確認された職員は少なくとも47人、被害に遭った子供は69人だったことが読売新聞の調査でわかった。児童養護施設での性的虐待の被害実態について、厚生労働省は公表していない。
 読売新聞は7~12月、全都道府県と政令市、児童相談所設置の中核市と特別区の計73自治体に全国調査を実施。16~20年度に、児童養護施設の職員が入所中や過去に入所していた18歳未満の子供にわいせつ行為をしていた事案の有無について尋ねた。
 青森県と名古屋市は「公表していない」として処分者の人数や被害者数を答えなかった。
 その結果、22自治体が管内にある児童養護施設でわいせつ事案があったと回答し、47人の職員が69人の利用者にわいせつ行為をした疑いがあることがわかった。被害を受けた子供は延べ人数の可能性もある。
 九州地方の施設では16~19年、40歳代の児童指導員の男が、在職中や退職処分後を含め、当時10~15歳の男子小中学生計4人にわいせつな行為をさせるなどした。男が子供たちの面倒を見て、慕われている立場を悪用したとして、強制わいせつ罪などで懲役8年の判決が確定した。
 児童養護施設は児童福祉法に基づき、家庭での養育が難しい主に2~18歳未満の子供を入所させ、養護している。
 子供へのわいせつ問題を巡り、読売新聞は全国の教育委員会や自治体に対して各種調査を実施している。15~19年度に公立小中高などの教員は1030人が懲戒処分を受け、被害者は945人だったほか、16~20年度には「放課後児童クラブ」と障害児が利用する「放課後等デイサービス」で職員計44人のわいせつ行為が確認され、被害者は計69人だった。
 法制審議会(法相の諮問機関)では、地位や関係性を悪用した性的行為を取り締まる罪の創設などの検討が進められている。
 元大阪市中央児童相談所長でNPO法人児童虐待防止協会の津崎哲郎理事長の話「アットホームな環境にするために施設は小規模化が進んでいる。職員不足もあり1対1の環境が生じやすい。子供たちは成育環境から職員に親近感を抱きやすい側面もある。わいせつ事案を防ぐためには、具体的な場面を想定した研修のほか、子供へのわいせつ行為などの犯罪歴をチェックできる仕組みが必要だ」
  ◆児童養護施設 =厚生労働省によると、2020年3月末時点で全国に612か所あり、約2万4500人が入所中。職員は約1万9200人。社会福祉法人などが運営し、保育士や養成学校を卒業するなどした児童指導員らが養育や生活全般の指導を行う。平均在籍期間は5・2年だが、10年以上過ごす子供も1割以上いる。

◆「くすぐるうちに抵抗なくなった」女子児童に男性教諭がわいせつ行為 indexへ

 校内で教え子の女子児童2人にわいせつな行為を繰り返したとして、広島県教委は22日、県内の公立小学校の男性教諭(35)を懲戒免職にした。教諭は「(女児を)くすぐるうちに、体に触れることに抵抗がなくなった」「遊びの中でやった」と説明しているという。
 発表では、教諭は2019年10月~今年10月、校内で女児2人に対し、休憩時間などに、後ろから抱きしめて胸を触ったり、体を持ち上げたりした。
 女児から被害を聞かされた母親が学校に相談。学校側が全校児童にアンケートをした結果、もう一人の女児に対する行為も発覚した。

◆施設のALS患者、呼吸器の電源切れ死亡…徘徊傾向の90代入所者が室内に indexへ

 21日午前11時30分頃、大阪府高石市高師浜の住宅型有料老人ホーム「スーパー・コート高石羽衣」の施設長から「男性入所者が付けていた人工呼吸器の電源が切れ、死亡した」と110番があった。男性は、難病の筋 萎縮性側索硬化症(ALS)患者で、自力で体を動かせなかった。職員が異変に気付いた際、部屋に別の90歳代の男性入所者がいたという。府警高石署は事件と事故の両面で調べている。
 死亡したのは、吉見英昭さん(62)。発表では、21日午前7時10分頃、介護職員の女性が定期巡回で吉見さんの個室を訪れた際、顔色が悪いことに気づき、連絡を受けた男性看護師が人工呼吸器の電源が切れているのを見つけた。電源を入れた後、吉見さんは呼吸をしていたが、その後容体が急変し、午前11時頃に医師が死亡を確認した。
 吉見さんは昨年5月に入所し、自力で手足を動かすことができなかった。目を動かすことで意思疎通をしていたという。
 室内にいた男性入所者は意思疎通が難しい状態で、ホーム内を 徘徊することがあったという。個室は施錠されておらず、人工呼吸器の電源は誰でも触れられる状態だった。署は電源が切れていた原因を調べるとともに、ホームの管理体制も調べる。
 ホームは定員98人。ホームページには「24時間訪問看護対応」と書かれている。施設長は「捜査中でコメントできない」としている。

◆高校教員、「集中する目的で」覚醒剤使用…具合悪くなり自ら119番 indexへ

 福岡県警は22日、福岡市立高校の臨時講師の男(29)(福岡県飯塚市)を覚醒剤取締法違反(使用)容疑で逮捕したと発表した。逮捕は3日付。容疑を認め、「物事に集中する目的で使った。仕事やプライベートで不安を抱えていた」という趣旨の供述をしているという。
 発表では、男は11月上旬、覚醒剤を口から飲んで使用した疑い。別の学校で教員として働いていた約3年前に初めて使用し、今夏以降、SNSで知り合った人物から3回ほど購入したという。
 11月10日夜、同市早良区の当時の自宅で覚醒剤を飲み、具合が悪くなったため、自ら119番した。当初、「知人からもらった薬を飲んだ」と説明し、尿検査で陽性反応が出た。
 市教育委員会によると、男は今年4月から勤務し、国語を教えている。学校名は明らかにしていない。

◆乳児2人の顔青白く、ミルクに使った水から基準の1万2250倍の亜硝酸態窒素 indexへ

 群馬大付属病院(前橋市)で乳児10人が酸素欠乏症(メトヘモグロビン血症)を起こした原因は、冷暖房用の配管と上水管をつなぐバルブが腐食して、防食剤を含んだ水が上水管に流れ込んだことだった。同大が16日、有識者らで構成される調査委員会の調査結果を発表し、斎藤繁院長は記者会見で「周辺住民や乳児の家族、病院を利用される方々に多大な心労をおかけし申し訳ない」と謝罪した。
 防食剤は、さび防止のために冷暖房用の水に投入されていた。酸素欠乏症を引き起こす亜硝酸態窒素などが含まれ、乳児が飲んだミルクに使われた水からは、亜硝酸態窒素が環境基準(1リットルあたり0・04ミリ・グラム)の1万2250倍検出されていた。
 病院によると、冷暖房用の配管は、空調水が減った際に上水管から水を補給できるようになっていた。バルブには冷暖房用配管から上水管に水を流さないための装置が付いていたが、経年劣化により、開いた状態になっていた。
 病院によると、異常が確認されたのは10月18日。配管から生ぬるい水が出たとの報告があり、この頃にバルブが開き始めたとみられる。読売新聞が入手した病院内の連絡メールによると、翌19日午前にも蛇口からぬるま湯が出ていると報告されたが、「衛生上の問題はないので通常通り使用できる」としていた。だが、夕方に「安全性が確認できるまで飲用を禁止とする」とのメールが流された。ぬるま湯の原因がわからず、病院内が混乱していた様子がうかがえる。乳児2人の顔が青白くなっているのを看護師が確認したのは、19日午後5時頃だった。
 病院は対策として冷暖房用配管と上水管を切り離した。防食剤が流れた上水管は、水質を確認したうえで今月16日に給水を再開した。酸素欠乏症を発症した乳児は全員が回復している。

◆「なぜもう一回やられるのを待てと…」いじめ自殺の生徒の父、学校の対応に憤る indexへ

 山形県酒田市内の中学校で今年2月、女子生徒が校舎4階から転落して自殺した問題について、市教育委員会が常設している第三者委員会が調査を進めている。しかし、調査結果の公表時期は未定で、女子生徒の父親(42)は読売新聞の取材に対し、「真実を早く知りたい」と切実な思いを打ち明けた。
 中学校は今年3月、生徒や職員らに聞き取った背景調査(基本調査)の内容を報告書にまとめた。
 読売新聞が情報公開請求で入手した報告書によると、女子生徒は昨年11月、担任との面談で9月30日~10月15日頃、「死ね」「キモイ」と書かれた紙をげた箱に入れられたと相談していた。担任は面談時、女子生徒に「今度そういうことがあったらすぐに言ってほしい」と伝えた。「要観察」として保護者には伝えなかったという。
 こうしたやり取りについて、父親は「なぜもう一回やられるのを待っていないといけないのか。保護者に報告があれば、学校を休ませたり、転校させたり、守る行為ができた」と憤った。
 父親は基本調査後も学校側に詳細な調査を求めた。9月には実名で投稿しているSNSで「私の娘が今年2月、学校で飛び降り自殺をしました」と触れた上で、調査の進展を待ち続けている心境を赤裸々に吐露した。
 自宅居間には、小学4年から始めたバレーボールに熱中し、はつらつとプレーする姿を収めた写真がたくさん飾られている。父親にとって、女子生徒は「妹思い、家族思いの優しい子」だった。
 日頃、女子生徒と妻と一緒に入浴していた小学生の次女は、泣きながら風呂から上がってくることが続いた。父親は、背中をさすって一緒に泣くことしかできなかった。
 女子生徒は、今春から地元のプロバレーボールチームのジュニアクラブで練習するのを楽しみにしていたという。「ちゃんと未来を語っていたのに、心を折るようなことがあった。真実を早く教えてもらいたい」と、父親は切に願っている。
 市教委は9月、遺族側の要望を受け、全校生徒と保護者を対象にしたアンケートを実施した。
 しかし、市教委のもとでいじめの有無などを調べている第三者委は、インターネットや報道による影響を受けている回答があったと指摘した。9月のアンケートでは不十分だと判断した第三者委は11月、生徒たちに対し、直接見たり、聞いたりしたことを回答するよう求める内容に変更した上で、全校生徒を対象に独自のアンケートを行い、生徒らへの聞き取り調査を進めている。
 鈴木和仁教育長は、今月8日の記者会見で「多くの方に心配をかけている。来年1月頃には、第三者委が報告書をまとめる時期のめどを伝えたい」と話した。

◆「性犯罪・性暴力」教員、昨年度200人…教え子ら18歳未満の被害が半数近く indexへ

 児童生徒らへの性犯罪・性暴力(わいせつ行為)やセクハラで、2020年度に処分された公立小中高と特別支援学校、幼稚園の教員は200人だったことが21日、文部科学省の調査でわかった。過去2番目に多かった19年度(273人)よりは減ったが、8年連続で200人台に上る。文科省は「依然、厳しい状況だ」とし、対策を強化する考えだ。
 調査は、都道府県と政令市の公立学校教員を対象に実施。5月に成立した新法「教員による児童生徒性暴力防止法」などを受け、今回からわいせつ行為の表現を「性犯罪・性暴力」に改めた。
 処分者の内訳は、懲戒処分されたのは178人(免職113人、停職45人、減給17人、戒告3人)で、訓告などは22人だった。今回からは、幼稚園の教員も対象となり、1人が処分を受けた。勤務校の児童生徒や18歳未満の子供らへの行為での処分者は96人に上り、全体の5割近くを占めた。
 児童生徒らへの性犯罪・性暴力(わいせつ行為)や同僚らへのセクハラで、2020年度に処分された公立小中高と特別支援学校、幼稚園の教員は計200人だったことが21日、文部科学省の「人事行政状況調査」でわかった。103件で警察が関与したことも初めて明らかになった。19年度(273人)よりは減ったが、8年連続で200人台に上った。
 調査は、47都道府県と20政令市の計67教育委員会を対象に実施した。5月に成立した「教員による児童生徒性暴力防止法」などを受け、文科省は今回、わいせつ行為の表現を「性犯罪・性暴力」と改めた。
 発表によると、処分者の内訳は、懲戒処分が178人(免職113人、停職45人、減給17人、戒告3人)、訓告などは22人。今回からは幼稚園の教員も対象となり、1人が処分を受けた。勤務校の児童生徒や18歳未満の子供らへの行為での処分者は96人で、全体の約5割だった。
 文科省は今回、防止策についても初めて調査した。その結果、62教委はSNSによる児童生徒との私的なやりとりを禁じていた。一方、1教委は性暴力防止に関する教員への研修を実施していなかった。
 刑事告発の状況についても初めて調べた。教委が告発したのは16件で、警察が教委側に情報提供したケースなどを合わせ、計103件で警察が関与していた。一方、「被害者や保護者が望まない」として告発されなかった事案は39件、「犯罪に当たらないと判断した」は30件、「その他の対応」は28件だった。
 文科省は「依然として厳しい状況だ」としつつも、「対策強化を進めたことや、問題が報道で大きく取り上げられたことで未然防止の効果があり、処分者数が前年度より減ったのでは」と分析する。コロナ禍での一斉休校などの影響は「分からない」とした。
 現行では、懲戒免職になった教員は3年たてば教員免許を再取得できる。来年4月に新法が施行されると、更生の証明書や保護者らからの嘆願書など各種書類をそろえる必要が出てくる。そのうえで、専門家からなる「再授与審査会」の全会一致が原則求められ、再取得は極めて難しくなる。

◆腰椎手術のドリルで神経切断、歩けなくなった女性が医師ら提訴…着任1年で医療事故8件 indexへ

 兵庫県の赤穂市民病院で昨年1月、腰椎の手術を受けた70歳代の女性が歩行できなくなるなどの重度の後遺障害が残ったとして、女性と家族が市と執刀した当時の医師を相手取り、約1億1500万円の損害賠償を求める訴訟を地裁姫路支部に起こした。
 病院側は医療過誤は認めているが、医師が手術中に起こしたミスなどについて十分な説明がなかったとして提訴に踏み切った。医師が関わった他の7件でも医療事故が起きているが、病院側は「手術が直接的な原因とはいえない」としている。医師と病院側はいずれも棄却を求めている。
 訴状によると、女性には重い腰痛があり、医師の執刀で腰椎の一部を切除する手術を受けた。この際、ドリルで骨の切削操作中に硬膜を傷つけ、露出した神経を切った。女性は手術直後から脚がまひして歩くことができなくなり、ぼうこうや直腸にも障害が残ったという。
 医師は手術前に「早くしなければ人工透析になる可能性がある」などと説明したが、原告側は根拠はないと主張。術後の説明でも神経損傷の有無について「神経かわからない」と曖昧な説明だったとしている。
 医師は2019年7月に同病院脳神経外科に採用された。着任から1年で8件の医療事故が報告され、外部有識者が検証。女性については、同病院が医療安全対策実施要項で定める医療事故の区分で、2番目に重大な「レベル4」(障害や後遺症が一生続く場合)に該当すると認定された。他の7件は医療過誤にはあたらないと判断した。
 医師は20年3月以降、手術の執刀などを禁止される処分を受け、今年8月に退職している。
 原告代理人によると、女性の家族は「医療事故を続けていた医師なのに、なぜ執刀させたのか経緯を知りたい。説明も十分ではなく不誠実だ」と話しているという。病院側は「係争中で答えられない」としている。

◆刺し身・加熱したカキ・カレイの塩焼き…客の男女5人が食中毒、旅館を営業停止処分に indexへ

 島根県は17日、西ノ島町美田の旅館「みつけ島荘」で食事をした20~40歳代の男女5人が、食中毒を発症したと発表した。県は21日までの5日間、旅館を営業停止処分とした。
 発表によると、旅館は14~15日、刺し身や加熱したカキ、カレイの塩焼きなどを提供。5人は下痢や嘔吐(おうと)などの症状を訴えたが、全員快方に向かっているという。

◆給食牛乳が強アルカリ性示す、7校で児童・生徒27人が体調不良に indexへ

 大阪市立小中学校で給食の牛乳を飲んだ児童・生徒が相次いで異常を感じた問題で、市教育委員会は17日、回収した牛乳を検査した結果、食中毒菌は確認されなかったものの、一部の検体が強アルカリ性を示したと発表した。また、市によると、一部の製品でナトリウムの含有量が標準値を上回っていたといい、原因を調べている。
 一連の問題で体調不良を訴えた児童・生徒は7校で計27人となった。

◆障害児らのデイサービス施設、4年間で5人骨折…富山県が調査 indexへ

 富山県は16日、障害がある子供らの放課後等デイサービス施設「暖路」(高岡市)で2016年8月~20年5月に、5人が腕や足を骨折していたと明らかにした。いずれも事故とみているが、虐待の有無も調査している。
 県によると、骨折は施設内や公園などで発生。その度に施設の運営会社の「 和 」(同市)から報告を受けていたが、短期間に事故が続いたため、昨年7月から同社に対し調査を行っている。
 同社側は取材に対し、「原っぱでソリ遊びをしていた時に、滑っていった先にいた子供とぶつかってしまった」などと説明。5人に対しては傷害保険で対応し、「父母にしっかり説明した」という。
 同社は県内で障害者支援施設4か所を運営し、このうち「暖路」を含む3施設を今年11月に休止している。

◆「3秒だぞ、お前なんて」「ぶち殺すぞ」と児相職員を脅した男に有罪判決 indexへ

 長男の一時保護を巡って千葉県の柏児童相談所の職員を脅したとして、脅迫罪に問われた同県野田市の自営業の男(48)に対し、千葉地裁松戸支部(新崎長俊裁判官)は16日、懲役1年2月、執行猶予3年(求刑・懲役1年6月)の判決を言い渡した。
 判決によると、男は昨年8月12日、児相職員が長男への要望などに応じなかったことに恨みを抱き、携帯電話で「3秒だぞ、お前なんて」「ほんとぶち殺すぞ」などと脅した。新崎裁判官は「あまりに短絡的で、自己中心的という評価はまぬがれない」と述べた。
 柏児相では、この男による脅迫事件以降、敷地内で割れた火炎瓶が見つかったり、銃弾が送りつけられたりという被害が相次いだ。一連の事件で4人の男が脅迫罪などで起訴された。

◆「ワクチンの危険情報」「多くの被害報告」中学校や医療機関に男が紙貼り付ける indexへ

 大阪府警は15日、中学校や医療機関に「コロナワクチンの危険情報」などと書いた紙を貼り付けるなどしたとして、大阪府枚方市の無職の男(50)を軽犯罪法違反(はり札)と建造物侵入の両容疑で枚方区検に書類送検した。
 発表によると、男は9月下旬~10月中旬、枚方市内の市立中学や医療機関、交番などに、「コロナワクチンの危険情報」「コロナワクチンによる多くの被害報告」などと書いた紙を窓に貼り付けたり、置いたりした疑い。男は「ワクチンは危ないと、みんなに伝えたかった」と容疑を認めているという。

◆「あの人の送迎イヤや」無言で胸触るしぐさ、母親はすぐに気付いた…男に懲役10年判決 indexへ

 「知的な障害のある少女が未熟だと知りながら、犯行を繰り返した」。運営していた放課後等デイサービスに通う少女にわいせつ行為を繰り返した男(40)に、高松地裁は懲役10年の実刑を言い渡した。小学生だった少女に対し、2年5か月に及んだ犯行。障害児の信頼につけ込む性的虐待は後を絶たない。
 「あの人の送迎、イヤや……」。少女は今年1月、自宅で、ためらいながらも、母親に男への嫌悪感を初めて口にした。  障害があり、知能は6歳程度。「どうして?」と母親が尋ねると、少女は無言のまま自分の胸を触るしぐさで表した。母親はすぐにわいせつ行為だとわかり、香川県警に被害届を出したという。
 判決によると、男は2018年8月~今年1月、高松市内のマンションの非常階段などで、9~12歳だった少女に乱暴したり、わいせつな行為をしたりし、その様子をタブレット端末などで撮影していた。少女の母親の証人尋問によると、少女は難しい言葉を理解できず、物事をはっきり伝えるのも苦手。小学2年の頃から、男が運営する放課後デイを利用していた。
 「誰にも言っちゃだめだよ」。施設長だった男は少女に口止めした上、送迎時の車内や施設付近のアパートなどでわいせつ行為に及んでいたという。
 少女はしばらく小学校にも通えなくなった。母親は「信頼して娘を預けていたのに、絶対に許せない」と憤った。
 被告人質問などで、男は施設の利用期間が長かった少女に「特別な思い入れがあった」と説明。少女の障害について「自分の意思を言えず迎合的なところがあった」とし、「嫌がっていないと勘違いした。スキンシップの延長だと思っていた」と語った。
 検察側の求刑は懲役13年。近道暁郎裁判長は9月の判決で、「常習性が高く、少女の人格を全く考えない極めて悪質な犯行」と指摘。男は控訴せず、判決は確定した。
支援体制の確立課題
 障害のある子ども(6~18歳)が施設などで性被害に遭うケースは全国で相次いでいる。
 読売新聞が今年7~8月、計156の自治体に行った調査では、20年度までの5年間に逮捕されるなどした放課後デイ職員は25人、被害に遭った子どもは39人。内閣府が被害者支援を行う14団体に行った調査(2017~18年)でも、30歳未満への性暴力127件(放課後デイ以外を含む)のうち70件で被害者に障害があった。刑事裁判での実刑判決も目立つ。
 一方、働く女性が増え、放課後デイなどの利用児童は増加傾向にある。14年度は約17万人だったが、19年度は2・3倍の約39万人となった。
 性暴力をなくすための啓発活動に取り組むNPO法人「しあわせなみだ」の中野宏美理事長(44)は「障害者は、信頼を置く支援者が特別な存在になりやすく、その信頼関係を悪用する加害者が多い」と指摘。「障害者の性被害はあまり認知されておらず、公的な相談窓口や支援体制が確立していない。今後の国の対応に期待したい」と語る。

◆「施設で子供を縛っている」と情報あるのに調査せず…女児死亡で2審も市の責任認定 indexへ

 宇都宮市の認可外保育施設「託児室といず」(閉鎖)で2014年7月、宿泊保育中の山口 愛美利ちゃん(当時9か月)が熱中症で死亡した事故を巡り、両親が市などに損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁は15日、市の責任を認めた1審・宇都宮地裁判決を支持し、市などの控訴を棄却する判決を言い渡した。矢尾渉裁判長は「市が十分な指導監督を行っていれば、事故は回避できた可能性が高い」と述べた。
 判決は、市が死亡事故の約2か月前に「施設で子供をひもで縛り動けないようにしている」などの情報を2件受けたのに、十分な調査や指導監督を行わなかったと指摘。市の対応は違法だったと認定した。その上で、1審と同様に、施設と元施設長に計約6300万円の支払いを命じ、市が約3分の1を連帯して賠償する義務があるとした。
 市は「判決の内容を精査し、今後の対応を検討したい」とコメント。東京都内で記者会見した愛美利ちゃんの母親(43)は「市の責任は施設と同等と考えているので残念。娘と共に最後まで戦う」と述べ、上告する意向を示した。

◆期限切れのワクチン、41人に接種…最大で28日超過 indexへ

 山形市は13日、市内1か所の診療所で保存期限が切れた新型コロナウイルスワクチンを誤って41人に接種したと発表した。現時点で接種を受けた同市民38人の健康被害は確認されていないという。
 発表によると、11月4日~12月1日、この診療所で米ファイザー製ワクチンを41人に接種した。最大で28日、保存期限が過ぎていた。
 市が政府の「ワクチン接種記録システム」を調べたところ、ワクチンの保存期限日以降も接種している記録が見つかり、この医療機関に聞き取りをしたところ判明した。
 市は今後、同市民38人については希望者に抗体検査を実施する。市外在住者3人については、住民票のある自治体に情報を提供した。
 市は再発防止策として、ワクチン接種をしている市内の全医療機関に、保存期限の適正管理について再度周知徹底を行うとしている。

◆空気注入され死亡の入所男性、抵抗の形跡なし…気づかれずに犯行か indexへ

 茨城県古河市の介護老人保健施設の入所者男性が血管に空気を注入されて死亡した事件で、男性が横になっていたベッドに争った形跡がなかったことが、捜査関係者への取材でわかった。県警は、殺人容疑で逮捕された元職員の赤間恵美容疑者(35)が、男性に気づかれることなく、空気を注入した可能性もあるとみている。
 県警は10日午前、赤間容疑者を同容疑で水戸地検に送検するとともに、古河市内にある自宅の捜索を始めた。
 発表によると、赤間容疑者は2020年7月6日、古河市 仁連の介護老人保健施設「けやきの 舎」で、入所者の吉田節次さん(当時76歳)の血管に空気を注入し、空気 塞栓症による急性循環不全で死亡させた疑い。
 吉田さんは事件当時、施設1階の4人部屋のベッドで横になり、脚から点滴を受けていた。赤間容疑者は注射筒(シリンジ)を点滴用のチューブにつなぎ、空気を注入したとみられる。
 捜査関係者によると、吉田さんに目立った外傷はなく、ベッドのシーツが乱れるといった状況も見当たらなかったという。

◆3歳女児、大型犬に顔や首を何度もかみつかれ重傷…家族が制止したが引き離せず indexへ

 9日午後4時5分頃、大分県臼杵市大泊の路上で、家族と歩いていた市内の女児(3)が雑種の大型犬に襲われ、顔や首、胸などをかまれた。女児は重傷を負って病院に搬送された。命に別条はないという。県警臼杵津久見署は、過失傷害容疑で飼い主の女性(40歳代)から事情を聞いている。
 発表によると、女児は祖母ときょうだい2人の計4人で買い物を終え、帰宅中だった。家族が制止したが引き離せず、犬は何度もかみついて離れたという。現場から約100メートルの家の飼い犬と分かり、戻ってきたところを確保した。体高約60センチの雌。首輪とつなぐリードが外れていたという。

◆「頭が痛い」とゴルフ中止した男性、帰りの車で園児の列に突っ込む…脳内出血で意識不明 indexへ

 9日午前9時40分頃、愛知県東浦町緒川の町道交差点で、散歩中の保育園児の列に乗用車が突っ込み、4~5歳の男女計7人が軽傷を負った。車を運転していた男性(74)は体調不良を訴えて救急搬送され、脳内出血で意識不明の重体。県警は男性が体調を崩してハンドル操作を誤った可能性もあるとみて調べている。
 県警などによると、現場には信号機や歩道はなく、車側に一時停止の標識があった。当時は園児38人と職員3人が約300メートル離れた公園を目指し、2列で道路脇を歩いていた。左折してきた車が曲がりきれず、列の先頭付近の園児をはねたとみられる。男性に目立った外傷はなく、事故直後は意識があったという。
 事故前に男性とグラウンドゴルフをしたという80歳代の知人男性は「普段は4ゲームするのに、『頭が痛い』と言って1ゲームで帰った。まさかこんな事故を起こすなんて」と話した。

◆新生児全てに聴覚検査…難聴対策 国が方針案 indexへ

 厚生労働省は、子どもの難聴を生後すぐに発見して親子の支援につなげるため、全ての新生児への聴覚検査を目標とする基本方針案をまとめた。10日にも公表し、年度内に都道府県に対し、具体的な支援計画の策定を求める。
 基本方針案は、生まれた子どもが、生後1か月までに医療機関で聴覚検査が受けられる体制を都道府県に求めることが柱となる。
 先天性の難聴は新生児1000人あたり1~2人の割合とされるが、検査を行わなければ気づきにくく、就学時健診まで見つからないケースもある。厚労省の調査では、2019年度時点で新生児の1割が聴覚検査を受けていないか、受けたかどうか不明だった。
 基本方針案では、難聴を出来るだけ早期に発見し、人工内耳や補聴器の利用、手話など様々な形で言語の発達を促すことが重要と指摘。公費負担による検査を推進するほか、妊婦健診などで検査の情報提供を行うことも盛り込んだ。
 難聴が疑われた場合、遅くとも生後3か月までに精密検査を行い、治療や教育につなげる。都道府県ごとに関係者による協議会を設置して情報を共有し、子どもと家族を途切れず支援できる体制づくりを目指す。
 守本倫子・国立成育医療研究センター耳鼻咽喉科診療部長は「現在は検査や療育体制に地域差がある。国が都道府県に体制整備を求めることで、すべての難聴児や家族に必要な支援が届くことが期待できる」と話している。

◆車いす女性への介助、JR側「駅員不在の時間帯」と断る…国交省は不適切対応と判断 indexへ

 長崎県内のJR九州の駅で車いすの女性が列車に乗ろうとして介助を頼んだ際、同社が下車する駅に職員がいない時間帯であることを理由に断っていたことがわかった。国土交通省は11月、対応が不適切だったとして再発防止に努めるよう指導した。
 女性は同県長与町のアクセサリー作家(41)。日頃から車いすを利用しており、列車の乗降時はホームと車両の間に板を渡す必要がある。
 女性によると、昨年9月に長崎駅を訪れ、長与駅まで行くことを伝えて介助を依頼。JR側から、同駅ではその時間帯に駅員が不在になるとの理由で断られた。今年7月には、長与駅で乗るよう予約していたが、倒木で列車が遅れていることを知らされなかった上、後続が予約していた列車ではなかったため板を用意してもらえず、乗れなかったという。
 女性は昨年10月、予約しないと鉄道を自由に使えない現状の改善を求めて署名活動を開始。今年10月、同社に2907人分の署名を提出し、国交省に見解を求めた。同省は障害のある利用者への配慮が不十分だったと判断し、11月18日に同社に口頭で指導した。
 女性は「多様性が求められる時代に逆行した対応だ。繰り返されないよう、体制を整えてほしい」と話した。同社は読売新聞の取材に対し、「国の指導を 真摯に受け止め、再発防止に努める」としている。
 JR九州によると、管内にある568駅のうち、半数以上の304が無人駅。乗客を介助する際は職員を派遣するほか、2015年にはインターホンなどを使って離れた場所にいる職員に連絡が取れるシステムが導入されたが、一部の駅にとどまっている。
 熊本学園大の東俊裕教授(障害法)は「列車の乗務員が乗車を介助している鉄道会社もある。駅員が手助けしなくても駅を利用できるように段差をなくすなど、工夫すれば対応できる」と指摘している。

◆注射筒で空気注入された男性死亡…逮捕の女、事件当日に施設を自主退職 indexへ

 高齢者施設の入所者の体内に空気を注入し殺害したとして、茨城県警は8日、施設の元職員で無職赤間恵美容疑者(35)(茨城県古河市大和田)を殺人の疑いで逮捕した。
 発表によると、赤間容疑者は2020年7月6日午後0時半頃、同県古河市 仁連の介護老人保健施設「けやきの 舎 」で、入所者の無職吉田節次さん(当時76歳)の脚につながれた点滴のチューブに注射筒(シリンジ)をつないで空気を注入し、空気 塞栓症による急性循環不全で死亡させた疑い。県警は認否を明らかにしていない。
 吉田さんは寝たきりの状態ではなかった。救急隊員が駆けつけた時には心肺停止の状態だった。
 赤間容疑者は同年4月下旬頃から、介護職員として勤務。事件当日に自主退職した。赤間容疑者が不審な動きをしていたという情報が県警に寄せられていた。
 県警によると、施設では看護師が点滴を行うことになっており、本来なら、赤間容疑者がシリンジを扱うことはないという。吉田さんとのトラブルなどは、現時点で確認されていない。

◆「身代金ウイルス」猛威、医療機関や地方の店も標的に…要求応じなければデータ暴露と脅迫 indexへ

 身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウェア」が猛威を振るっている。医療機関などの重要インフラ(社会基盤)のほか、地方の店も次々に標的にされ、要求に応じない場合、窃取したデータを暴露すると脅す手口も確認されている。(鈴木貴暁、高橋広大)
■「災害」級被害
 山あいに立つ徳島県つるぎ町立半田病院(120床)で10月31日未明、突然、十数台のプリンターが動き始めた。A4用紙にびっしりと英文が印刷され、紙が尽きるまで吐き出されていく。看護師が手にした一枚にはこう書かれていた。
 <データを盗んで暗号化した。身代金を払わなければ公開する>
 約8万5000人分の電子カルテが閲覧できなくなっていた。夜が明けてすぐに県警に通報。近隣病院に救急車の受け入れ停止を連絡し、対策本部も設置した。翌日からは新規患者への対応もストップ。カルテは今も手書きで作成している。病院幹部は「サイバー攻撃でこんな被害が出るとは想定していなかった。まさに災害だ」と振り返る。
 システムを作り直した上で、年明け4日に新規患者受け入れの再開を目指している。再構築には約2億円かかるが、身代金の要求には応じない方針だ。
■身代金支払いも
 ランサムウェアは約10年前から海外で多数の種類が出現し、2015年頃から国内でも確認されるようになった。身代金の要求には応じないのが原則だが、支払ったと明かす業者もいる。
 「大切なファイルを取り戻すため、わずかな可能性にすがった」。北海道内で鮮魚店を営む40歳代の男性はそう語る。
 男性によると、17年8月、業務用パソコンに届いたメールの添付ファイルを開くと、保存していたファイルがすべて暗号化されてしまった。画面には、暗号化の解除と引き換えに、暗号資産のビットコイン約30万円分を要求する英文が表示されていた。
 1日700人が訪れる人気店で、パソコンには過去15年分の帳簿が記録されたファイルが保存されていた。何をどれだけ売り上げたか分からなくなってしまう――。支払うと決め、ビットコインの口座を開設。10日後に犯人が指定した口座に約30万円分を送金すると、翌日、英数字16桁のパスワードが書かれたメールが届いた。
 パスワードを入力することで、暗号化されたファイルの8割は復旧した。しかし取り戻せないデータもあった。男性は「安全対策を怠っていた」と反省を口にした。

◆給食の牛乳に「苦い」「ヨーグルトのようなにおい…12人が腹痛や吐き気 indexへ

 大阪市教育委員会は8日、学校給食で出された牛乳を飲んだ児童や教職員から「味がおかしい」などの訴えがあり、提供を中止したと発表した。東住吉、平野両区の市立小3校の児童計12人が体調不良を訴えており、市保健所と協力して原因を調べる。
 発表によると、3校から8日午後1時頃、「苦い」「ヨーグルトのようなにおいがする」などの連絡があり、児童らの体調を確認したところ計12人が腹痛や吐き気を訴えた。牛乳は200ミリ・リットルの紙パック入りで、消費期限は14日だったという。
 市教委は、同じ業者が納入している両区と北、東淀川、生野各区の小中学校計120校に提供をやめるよう指示したが、すでに飲んでいた児童・生徒もいたという。9日以降は安全性が確認されるまで、ほかの業者の製品を使う。
 府教委にも、大阪市内の特別支援学校1校から、同じ業者の牛乳について「異臭がする」と連絡があった。体調不良の訴えはなかったという。

◆認証店の4割に違反、県が抜き打ち検査…是正応じなければ認証取り消しも indexへ

 福岡県の服部知事は7日、新型コロナウイルスの感染防止対策を認証した飲食店を抜き打ち検査した結果、4割に違反があったことを明らかにした。知事は、店に対し是正を求め、応じなければ認証を取り消す意向を示した。
 県によると、11月下旬から今月5日までに1163店を調査し、478店で違反を確認した。40項目の基準のうち、▽ドアノブなど多数の人が触るものを消毒していない▽換気や検温のチェックシートの不備▽アクリル板の不設置――といった違反が多かった。
 アクリル板は、料理を小皿に取り分けるといった手間がかかることから、設置に消極的な店もある。感染が落ち着いているため、対策への意識の低下も見受けられるという。県は違反のあった店に対し、2週間以内に是正報告書を出すよう求めている。
 一方、県内にある約3万の飲食店のうち、認証に申請したのは1万9064店にとどまっているという。自民党県議団の笠和彦議員の代表質問に対し、服部知事は「引き続き認証店の拡大と実効性の確保に努める」と答弁した。

◆自宅療養者にアビガン処方、医師「特例で認められたと認識していた」 indexへ

 千葉県いすみ市の公立病院「いすみ医療センター」で厚生労働省の通知に違反して内服薬の「アビガン」が新型コロナウイルスの自宅療養者に処方されていた問題で、陽性患者に自宅で内服させた平井 愛山医師(72)は7日の記者会見で、「迷惑をかけ、騒動になる状況になったことを深くおわびいたします」と謝罪した。会見に同席した伴俊明・病院長は「アビガンを外来で使用したことが問題」との認識を示した一方、「緊急避難的なことが許される状況だった」と強調した。
 7日夕方から同センターで開かれた会見で、平井医師は、アビガンを使った理由について、「特例で認められたと認識していた。保健所長が最終権限者。厚労省などとの調整は済んでいると思っていた」と釈明した。9月3日の記者会見では、平井医師は「抗ウイルス薬」とだけ説明し、アビガンという薬剤名を出さなかった。このことについて問われると、平井医師は「特例と理解していたので一つの自治体として発信していいか疑問だった」と述べた。
 平井医師の説明によると、いすみ市では7月中旬から感染者が増え始めた。連日、患者が増える中、夷隅保健所の松本良二所長、医師会の医師らが、8月5日に市役所に対策会議を発足させ、その後、患者の重症化を防ぐ方策として、アビガンの入手が決まった。8月13日には17人の患者全員が入院できない状況となった。この日の会議で「臨床研究は入院患者が対象だが、在宅投与も考えるとの保健所長の判断があった」(平井医師)という。
 翌14日からアビガンの投与を開始。感染者のピークが過ぎた9月12日まで計98人に投与した。未成年の患者が8人いた。このうち、11歳と14歳について、副作用などの説明は両親らに「十分説明した」と述べた。
 責任について、平井医師は「厚労省との事前調整をしなかった責任はある」と言及。伴病院長は「最終的に私にある」と述べた。

◆男性に「マスクしろよ」と注意されて立腹、首を絞めながら投げ飛ばす…下半身不随に indexへ

 マスクを着けていないことを注意した男性を投げ飛ばして首の骨を折る大けがを負わせたとして、兵庫県警は7日、神戸市長田区、運送業の男(25)を傷害容疑で逮捕した。容疑を一部否認しているという。
 発表では、男は昨年5月31日午後0時半頃、神戸市兵庫区の路上でマスクを着けずに歩いていたところ、近くに住む無職男性(65)から「マスクをしろよ」と注意されたことに腹を立て、男性の首を絞めながら投げ飛ばし、重傷を負わせた疑い。男は「地面に打ちつけたが、首を絞めたことは覚えていない」と供述している。男性は下半身不随の後遺症が残っているという。2人に面識はなく、県警は現場付近の防犯カメラの映像などから男を特定した。

◆課長代理の自殺、パナソニック側が「持ち帰り残業」の責任認める…遺族に謝罪し和解 indexへ

 電機大手パナソニックの富山工場(富山県砺波市)に勤務する技術部の課長代理の男性(当時43歳)が2019年10月に自殺したのは、「持ち帰り残業」などの長時間労働でうつ病を発症したのが原因として、同社が遺族に謝罪し、解決金を支払うことで和解した。遺族と代理人弁護士が7日に富山市内で記者会見し、明らかにした。
 弁護士らによると、男性は19年4月、製造部の係長から昇格。仕事の内容が大きく変化して量も増加し、自宅で会議資料を作成するなど残業が続き、100時間を超える月もあった。男性は半年後に自殺した。
 砺波労働基準監督署は21年3月、遺族側の申請に対し、男性が仕事の精神的負担でうつ病を発症したと労災認定したが、持ち帰り残業について「労働時間に該当しない」としていた。だが、会社側は男性のパソコンなどを調査し、持ち帰り残業を余儀なくされたことを認めた。
 男性の妻(41)は記者会見で「主人は会社を恨みながら亡くなった。同じような人が出ないでほしい」と訴えた。遺族側の松丸正弁護士は、会社側が持ち帰り残業の責任を認めたことについては評価した。
 同社は7日、「安全配慮義務を怠った結果、社員が亡くなったことをおわびする」などとするコメントを出した。

◆カバンに納豆巻き・スリッパ隠される…高1自殺、遺族「学校に安全配慮違反あった」と提訴 indexへ

 鹿児島市の県立高1年の男子生徒(当時15歳)が2014年に自殺した問題で、学校に安全配慮義務違反があったなどとして、男子生徒の遺族が鹿児島県を相手取り、約4500万円の損害賠償を求めて鹿児島地裁に提訴した。
 提訴は11月9日付。訴状によると、男子生徒は14年6月頃から、賞味期限切れの納豆巻きをカバンに入れられたり、スリッパを隠されたりした。その後、夏季補習を繰り返し無断欠席するなどし、同8月に自宅で自殺した。
 遺族側は訴状で、担任はスリッパを隠されたことを認識しており、丁寧な聞き取りをして学校全体で対応していれば、心理的苦痛を認識できたなどと主張。学校側は、欠席を繰り返していることを保護者に知らせなかったなどとしている。県は「訴状の内容を確認して、対応を検討していく」とした。
 この問題を巡っては、県教育委員会が設置した第三者委員会が17年、「自殺の原因となるいじめの存在を特定できない」とした報告書を公表。その後、遺族の要請で県が設置した再調査委員会は19年、県教委第三者委の結論を覆し、「いじめが自殺に大きな影響を与えた」とした。

◆アビガン処方、車の窓越しに医師「コロナに打ち勝つぞ」…患者「説明理解できず」 indexへ

 外来で処方されたアビガン。患者は服用を中断し、残薬は回収されていない
 千葉県いすみ市の公立病院「いすみ医療センター」で、新型コロナウイルスの治療薬に承認されていない抗ウイルス剤「アビガン」が今夏、不適切に自宅療養者に処方されていた。医療センターでアドバイザーを務めた医師からの説明で、患者は言われるままに薬剤を受け取った。周囲の医療関係者の評価が割れるなか、厚生労働省が問題視しており、千葉県も事実関係を調べる。
発熱でもうろう、同意書サイン
 読売新聞の取材に応じた県南部在住の女性は8月下旬、37度以上の発熱と悪寒に襲われ、いすみ市内の病院で抗原検査を受け、陽性判定された。病院から教えられた医師の携帯電話に電話をかけると、いすみ医療センター近くの市有施設を訪ねるよう指示された。
 家族が運転する車で施設を訪ね、医療センターで肺の診察を受けた後、指示に従って女性は車内に戻った。すると、防護服姿の医師が、窓越しにアビガンの効果と副作用を説明するとともに、こう声をかけたという。「コロナに打ち勝つぞ」。女性はもうろうとした状態で処方の同意書にサインした。動物実験で催奇形性の副作用が確認された点の説明を受けたが、「マスクを着用した先生が窓越しに語る内容は、理解できなかった」と振り返る。
 アビガンやステロイド剤、漢方薬などを処方されたが、同意書の控えは渡されなかった。帰宅後、女性が飲んだのは初回分のみ。「コロナの治療薬としては未承認だ」と知り、アビガンの服用を中止した。女性は5日後に回復。残薬の返却は求められていないという。
「責任は取る」
 医療センターのアドバイザーだった医師は8月中旬、市の会議で、自宅療養者にアビガンを含めた複数の薬剤を投与する計画を明らかにした。会議の出席者によると、医師は「責任は私が取る」と言い切ったという。
 アビガンはコロナの治療薬としては承認を受けていないが、厚労省は臨床研究の一環として入院患者に処方できるようにしている。医師は同省に臨床研究への参加を申請し、アビガンを入手した。
 「第5波」が全国で猛威をふるっていた当時、コロナ専用病床が20床しかない医療センターで、医師は早期に検査し、治療につなぐ態勢の構築を訴えた。
 関係者によると、医師は厚労省と調整し、医療センター近くの市有施設で診療していた。伴俊明・医療センター病院長は「『これではいけない』と伝えたが、聞いてもらえなかった」と振り返る。一方、複数の医療関係者はこの医師を支持し、冒頭の女性患者のように自宅療養者を紹介していた。
 いすみ市の太田洋市長と医師は9月、記者会見を開いて自宅療養者に実施したこの併用療法が効果があったと公表したが、「アビガン」という薬剤名は明らかにしていなかった。事態を重視した厚労省は11月25日、いすみ医療センターに指導。県も12月6日以降、関係者に経緯を聞く予定だ。

◆アビガン不適切な処方、自宅療養90人に…千葉の公立病院が厚労省通知に違反 indexへ

 千葉県いすみ市の公立病院「いすみ医療センター」で新型コロナウイルス対策のアドバイザーを務めた男性医師(72)が今年8~9月、厚生労働省の通知に違反し、内服薬の抗ウイルス剤「アビガン」を、コロナの自宅療養者約90人に処方していたことがわかった。
 厚労省は11月25日、「厳重な管理が必要な薬で、遺憾だ」として医療センターに処方状況を報告するよう指導した。これまで重大な健康被害の報告はない。
 アビガンはコロナ治療薬として承認されていないが、国内では臨床研究の形で1万5000人以上に投与されている。ただ、動物実験で胎児に催奇形性が確認されたため、厚労省は「自宅療養での投薬はできない」と事務連絡の形で通知していた。
 不適切な処方を巡っては、医師といすみ市の太田洋市長が9月、自宅療養者の重症化を防ぐ手段の一つとして、薬剤名を伏せた形で「処方した結果、患者は全員回復した」と発表していた。
 関係者によると、医師は長年、県の地域医療に携わり、昨年にアドバイザーを委嘱された。医療 逼迫に備え、アビガンの使用を計画。8月に厚労省に臨床研究への参加を申請し、アビガンを調達した。車で来院する患者に車窓越しに薬剤を渡し、自宅などで服用させた。
 医師は今月5日、読売新聞の電話取材に対し、11月末でアドバイザー職をやめたことを明らかにし、アビガンについては「お話しできない」と答えた。
 コロナ治療でアビガンの使用経験がある愛知医科大病院の後藤礼司医師は「コロナの患者を診ない医師も多いなか、積極的に診療したのは評価できる。だが個人の思いや感情で薬剤を使用するのではなく、説明責任を果たせる方法で進めるべきだった」と指摘した。
 アビガンは備蓄用の新型インフルエンザ薬として承認されており、コロナ治療薬としての承認取得に向けて治験が行われている。

◆荒川に流れ込む麦生川、高濃度のジクロロメタン検出…水道水に影響なし indexへ

 埼玉県は4日、川越市古谷本郷の麦生川で有害物質「ジクロロメタン」が高濃度で検出されたと発表した。水道水に影響はないという。
 発表によると、2日午後3時頃、荒川の水を取り込んでいる県大久保浄水場(さいたま市桜区)から、ジクロロメタンを確認したと県水環境課に通報があった。県と川越市が上流を調査したところ、荒川に流れ込む麦生川で環境基準の34倍にあたる1リットルあたり0・68ミリ・グラムを検出した。
 県は麦生川や周辺河川に立ち入らないよう呼びかけ、同市が発生源を調べている。ジクロロメタンは金属製品を製造する際の洗浄脱脂剤などに使われ、肝機能障害などを引き起こす可能性があるという。

◆医療従事者「初めて接種」とウソ、計4回接種 indexへ

 熊本県合志市は3日、市内の医療従事者の男性(60歳代)が新型コロナウイルスワクチンを4回接種していたと発表した。医療従事者向けの優先接種で4、5月に接種した後、一般向けの接種券で「初めて接種する」と偽って7、8月に接種していたという。
 発表によると、市職員が接種証明の発行準備の一環で、接種記録を確認して4回接種が判明した。男性は市に対し、「感染者が多く、接種した方がいいのではないかと考えた」と話している。男性の健康状態に異常はないという。
 市は、男性が余分に受けた2回分の接種費用や今後の追加接種について国に確認して対応する方針。
 また、阿蘇市は3日、2回接種済みの30歳代男性に、必要な間隔をおかずに3回目を接種したと発表した。7月までに2回接種を終えていたが、親族からの申請を受け、市は接種券を再発行した。男性は過去2回の接種を失念していたといい、11月に3回目を受けた。健康に異常はないという。

◆「体操服から孫の匂いが…」送迎バス放置死の5歳児、涙の祖父「もう一度会いたい」 indexへ

 福岡県中間市で7月、私立双葉保育園の送迎バス内に取り残されて死亡した倉掛 冬生ちゃん(当時5歳)は、3日が6歳の誕生日だった。冬生ちゃんの祖父(68)はこれに先立って読売新聞の取材に応じ、事件当日の状況と現在の心境を語った。
 「朝、目覚める度に冬生がいない現実を突きつけられる」。祖父は自宅の居間で、こうつぶやいた。  居間の障子には穴が開いている。冬生ちゃんが兄(12)と居間でサッカーをしていた時にできたものだ。畳に残る茶色い染みは、冬生ちゃんがチョコレートをこぼしてつけた。当時は冬生ちゃんを叱った。「でも、もう、それすらできないんです」

 7月29日は、朝からうだるような暑さだった。「おはようございます!」。祖父によると、冬生ちゃんは、保育園の送迎バスを運転していた浦上陽子園長(44)(当時)に元気にあいさつ。座席から「バイバイ」と母親と兄に手を振っていたという。
 しかし、その日の午後5時過ぎ。母親は自宅前で帰りのバスを待ったが、車内に冬生ちゃんの姿はなかった。「冬生ちゃん、今日休みでしょう?」。乗車していた園職員の言葉に驚き、母親は園へ走り、祖父と兄も駆け付けた。しかし、園に冬生ちゃんの姿はなく、病院に搬送されたと伝えられた。
 病院で冬生ちゃんは、医師から心臓マッサージを受けていた。祖父は冬生ちゃんの名前を呼び続けたが、反応はなかった。「もう駄目だ」とわかり、医師に「ありがとうございました」と伝えた。熱中症の影響か、冬生ちゃんの体はまだ温かかった。母親は「助けてください」と何度も繰り返し、泣いていたという。
 冬生ちゃんは、兄とおそろいで着ていた市松模様のはんてんと一緒に納棺された。はんてんは人気アニメ「 鬼滅 の 刃 」の主人公・竈門炭治郎をイメージしたもので、お気に入りだった。

 冬生ちゃんは花が好きで、母親のために道端に咲いた花を集める優しい性格だった。「おしゃべりで、いつも保育園の友達や気になる女の子の話をしてくれた」と祖父は語る。いるだけでその場が明るくなる、太陽のような存在だったという。
 11月8日には、冬生ちゃんが亡くなった時に身につけていた体操服や靴などが警察から返却された。「冬生の匂いがして、会いたくなって涙が止まらんかった」。祖父は冬生ちゃんが気に入って履いていた赤い靴を見つめ、振り返る。
 「でも、もう成長した姿は見られない。もう一度、冬生に会いたい。『おかえり』と言って抱きしめたい」。祖父は声を絞り出した。
  ◆事件の概要= 事件は7月29日に発生。福岡県中間市の私立双葉保育園に通っていた倉掛冬生ちゃんが、施錠された送迎バス内に約9時間にわたって放置され、熱中症で死亡した。バスは浦上陽子園長(当時)が1人で運行。浦上園長らは降車の確認を十分に行わず、当時の担任らも冬生ちゃんは欠席したと思い込んで保護者に確認していなかったなどとして、県警が業務上過失致死の疑いで捜査している。

◆30年前に建設され撤去予定のローラー滑り台、遊んでいた児童5人が柱に頭ぶつけけが indexへ

 新潟県の五泉市立橋田小学校の1、2年生の児童5人が、校外学習で訪れた加茂山公園(新潟県加茂市加茂)の「ローラースライダー」で重軽傷を負っていたことが1日、五泉市などへの取材でわかった。
 市学校教育課によると、児童らは11月2日午前10時半頃、同公園のローラースライダーで遊んでいたといい、1人がカーブでバランスを崩してスライダーの柱に頭をぶつけて頭や鼻の骨を折る重傷を負ったほか、4人が顔などに切り傷や打撲などの軽傷を負った。
 同課などによると、公園付近は当日朝に雨が降っており、スピードが出やすい状況だったとみられる。ローラースライダー付近には注意を呼びかける看板が設置されており、教職員は児童に注意喚起をした上で遊ぶ様子を見守っていたという。同課の伊藤順子課長は取材に対し、「子どもの安全に十分配慮して教育活動を行っていきたい」と話した。
 加茂市建設課によると、ローラースライダーは約30年前に建設されたもので、老朽化などを理由に11月末から撤去作業が行われ、新たに設置されることが決まっていた。

◆サクランボ収穫前の職場決起大会で腕相撲、右肘骨折は「業務上の負傷」…仙台高裁判決 indexへ

 サクランボ収穫前の職場の決起大会で腕相撲をして右肘を骨折した山形県西川町の男性(66)が、けがは「業務上の負傷」にあたるとして、療養補償と休業補償を不支給とした国の処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が2日、仙台高裁であった。小林久起裁判長は、請求を棄却した1審・山形地裁判決を取り消した。
 判決などによると、原告は山形県寒河江市にある果樹生産会社の従業員で、サクランボの収穫期を控えた2018年5月18日、会社が開催した決起大会に出席。全員参加の腕相撲で右肘を骨折し、翌日から休業を余儀なくされた。
 小林裁判長は判決理由として、腕相撲が「決起大会への参加と一体の会社の業務として、社長の指示に従って遂行した行為」と認め、不支給処分は違法で取り消すべきだと判断した。
 山形労働基準監督署は、腕相撲が労災保険法の「業務上負傷した場合」にあたらないとしていた。山形労働局は取材に、「判決内容を検討し、関係機関と協議したい」とコメントした。

◆聴診器を持つ指、女性の胸に数秒間押し当てる…医師に有罪判決 indexへ

 健康診断で女性の胸を触ったとして準強制わいせつ罪に問われた前橋市の医師の男(49)に対し、前橋地裁(水上周裁判長)は1日、懲役2年6月、執行猶予4年(求刑・懲役3年)の判決を言い渡した。
 判決によると、男は2018年9月、群馬県太田市内の企業で行われた定期健診で、当時18~25歳の女性従業員4人に、聴診器を持っていた手指を胸に押し当てるなどした。被告は公判で「適切な聴診だった」と無罪を主張したが、判決は数秒間胸を触り続けたことなどをわいせつな行為と認定した。

◆「飲むだけでやせる」「シミが消える」…コンプレックスあおる広告、大手ITが排除の動き indexへ

 体形や肌など見た目のコンプレックスを過度にあおり、誇大に効果をうたう化粧品や健康食品のネット広告について、大手IT企業を中心に排除する動きが出ている。日本広告審査機構(JARO)に「不快だ」との苦情が急増しており、違法な内容も多いためだ。
 ネット上には、ふくよかな上半身や荒れた肌などを強調した画像を使った広告が無数にある。
 <これでは恋愛対象外><シミが多いと職場でバカにされた>
 そんな体験談を装った話が紹介され、商品購入を促す言葉が並ぶ。ウェブサイトやユーチューブ動画を閲覧すれば自動的に表示されることが多い。
 健康食品、化粧品、医薬部外品のネット広告に関し、JAROに消費者から寄せられた苦情は2020年度、計1670件に上り、18年度(計556件)の3倍になっている。「見たくない」「外見差別を助長する」という声が増えている。
 「飲むだけでやせる」「シミが消える」などと誇大な宣伝文句が景品表示法に違反していたり、効能をうたって医薬品医療機器法に抵触していたりするものが多く、JAROは悪質な広告について、販売業者側に警告。削除や変更を求めているが、多すぎて対応が追いつかないという。
 不適切な広告の発信元の多くは、商品の販売業者ではなく、「アフィリエイト」と呼ばれるネットビジネスをしている個人や小規模業者だとみられる。
 作成した広告経由で商品が売れれば、販売業者側から実績に応じた金額を受け取れる「成果報酬型」で、副業で始める人が増加。悩みを抱える人らの目をひくために、不適切な表現が横行しやすいという。
 大手IT企業は対策を迫られており、ヤフーは昨年8月、「一部の身体的特徴をコンプレックスとして表現するような広告」として具体例を挙げ、サイトへの掲載を断ると発表。
 ユーチューブに表示される広告を巡っても昨年、「体毛や体形に関する卑下の広告、やめませんか」というネットの署名運動が始まり、4万人以上が賛同している。
 ユーチューブを運営する米グーグルの日本法人によると、不適切な広告の削除を強化しており、昨年6月から今年10月までに計55万件に上るという。
 しかし、他の多数のサイト上では、こうした広告が表示されており、完全に排除するのは難しい。
 広告制作側から依頼を受け、様々なサイトに配信する「ポップイン」(東京)は今年5月、コンプレックスをあおる広告の取り扱いの停止を宣言したが、売り上げが減少した。
 ネット広告の問題に詳しい染谷隆明弁護士の話「劣等感を刺激する広告は関心を集めやすく、利益につながるだけに業界全体で完全にやめるという動きが広がりにくい。社会で厳しい目を向ける必要がある」

◆富士急ハイランド社長「乗客のけが、因果関係ない」…県は運行停止求め行政指導 indexへ

 山梨県富士吉田市の遊園地「富士急ハイランド」のジェットコースターに乗った女性2人が骨折を訴えた問題で、長崎幸太郎知事は1日、同園に対し、コースターの運行停止を求める行政指導を行ったと発表した。一方、同園は「2人のけがは園内施設の利用によるものとは認められなかった」として運行を続ける方針を明らかにした。
 同園によると、10~11月に「高飛車」など複数のコースターに乗った2人から後日、胸や腰を骨折したとの申告を受けたと先月22日に公表。調査の結果、乗車との因果関係がなかったと同24日に県に報告した。
 県によると、報告の後、詳細な説明を求めて同園の担当者に来庁を求めたが、「法的な強制力はない」として断られたという。このため、県は先月29日、安全が確認できるまで運行停止を求める行政指導を行った。
 一方、同園側も1日に記者会見を開き、岩田大昌社長が「けがとコースターの利用に因果関係はなかった」と改めて発表した。けがを訴えた利用者が救護室を利用していない点や、園内のカメラ映像を分析した結果、利用者が患部を痛めた様子を確認できなかったことなどを理由に挙げた。県の来庁要請を断った点については「それ以上報告できることはなかったため」と説明した。

◆准看護師「後で返せば分からない」、入院患者の口座から現金引き出す…患者死去後も indexへ

 神奈川県警山手署は30日、横浜市戸塚区の准看護師(55)を窃盗容疑で逮捕した。発表では4月21日~6月24日、勤務先の病院に入院していた80歳代の男性患者のキャッシュカードを不正に使い、コンビニ店2店舗のATMで計5回にわたって計56万7000円を引き出し、盗んだ疑い。「生活費にした。コロナで一般の面会が禁止されていたので、後で返せば分からないだろうと思った」と供述している。
 山手署幹部によると、准看護師は、男性がカードに貼り付けていたメモ書きで暗証番号を知り、6月中旬に男性が亡くなった後も現金を引き出していたという。山手署は7月、男性のめいから「誰かが勝手にお金を引き出している」と相談を受け、捜査していた。

◆施設責任者だった女、入所者の目・口に粘着テープ貼る…有罪判決 indexへ

 高齢女性に暴行を加えたとして、暴行罪に問われた山口県周南市の被告の女(60)に対し、山口地裁周南支部(奥山浩平裁判官)は30日、懲役10月、執行猶予3年(求刑・懲役10月)の判決を言い渡した。
 判決によると、女は8月23日と25日、責任者を務めていた市内の介護施設の共同住宅で、入所する女性(当時85歳)の目と口に粘着テープを貼る暴行を加えた。
 奥山裁判官は「認知症の被害者への対処として犯行に及んだ」と指摘し、「介護職そのものに対する信頼を害するもので、非難の程度は相当」と述べた。一方、女が犯行を認め、介護事業を廃業するなど酌むべき事情もあるとした。

◆日大理事長へ医療法人側から7500万円、取引2社は4000万円…「再任祝い」名目も indexへ

 日本大学の田中英寿理事長(74)が所得税法違反容疑で逮捕された事件で、田中容疑者が受領したとされるリベートなど計約1億2000万円の内訳が関係者への取材で判明した。日大付属病院を巡る背任事件で起訴された医療法人「錦秀会」前理事長・籔本雅巳被告(61)が約7500万円、取引業者ら2社側が計約4000万円を提供したほか、元日大理事の井ノ口忠男被告(64)も約300万円を渡していたという。
 田中容疑者は29日、日本大学の関連事業で受領したリベートなどを申告所得から除外し、2018年と昨年の2年間で計約5300万円を脱税した疑いで東京地検特捜部に逮捕された。
 関係者によると、籔本被告は18年、日大医学部付属板橋病院(東京都板橋区)で使う医薬品などの取引で利益を得た謝礼として、田中容疑者に1000万円を提供。籔本被告は昨年8月7日にも3000万円を提供し、田中容疑者が昨年9月に理事長に5選された際には、「再任祝い」として複数回にわたり、計3500万円を渡していたという。
 また、板橋病院の建て替え計画を巡り、業者の紹介などに関わった大阪市の設計会社側は昨年2月6日に1000万円を提供。金沢市の建設会社側も昨年、3000万円を提供していたという。この建設会社は19年10月の台風で浸水被害を受けた日本大学工学部キャンパス(福島県郡山市)の復旧工事を行っており、現金は受注の謝礼とみられる。
 一方、井ノ口被告は日大との取引業者から集めるなどした計約300万円を田中容疑者に渡していた。趣旨は籔本被告と同様、田中容疑者の理事長5選のお祝いだったという。  田中容疑者は逮捕前に行われた任意の事情聴取に現金の授受自体を否定。逮捕後の特捜部の調べには容疑を否認している。

◆「オミクロン株」国内初の感染確認、ナミビアに滞在歴ある30代男性 indexへ

 ナミビアに滞在歴があり、28日に成田空港の検疫で陽性と判明した30歳代男性が、南アフリカなどで見つかっている新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」に感染していたことが関係者への取材でわかった。オミクロン株の感染が確認されたのは国内初。

◆消防副士長、無免許で心肺停止の2人に救命処置…「国家試験に合格で登録されると思っていた」 indexへ

 福井県の鯖江・丹生消防組合は29日、消防本部総務課の男性消防副士長(28)が、消防署で救急救命士として勤務していた間、無免許で急病人らに救命処置を行っていたと発表した。
 発表によると、消防副士長は今年3月、救急救命士の国家試験に合格したが、免許証の交付申請をしていなかった。実習に必要な免許証の写しを提出しなかったため、10月に無免許が発覚した。
 6月には研修先の病院で、医師の下で30人に医療行為を実施。研修後は、救急救命士として113回救急出動し、8、10月に計2回、心肺停止状態の2人に静脈路確保や輸液を行っていた。免許証について問われると、「申請したが届いていない」などと虚偽の説明をしていたという。
 調査に対し、消防副士長は「国家試験に合格したことで登録され、救急救命士になっていると思っていた」と話したという。問題発覚後、総務課に異動。消防組合消防本部の寺沢一彦消防長は29日、「組織として深く反省している」と陳謝した。消防副士長らの処分を検討するという。
 消防組合は、問題を受けて、ほかの救急救命士全39人の免許証の原本の有無を確認。免許証申請についてのマニュアルを策定した。

◆障害児施設の女性職員、小学男児に馬乗りして顔を殴る indexへ

 福岡県警久留米署は26日、同県久留米市内の障害児支援施設の職員の女(43)(久留米市)を暴行容疑で逮捕した。
 発表によると、女は19日午前10時過ぎ、同施設で、利用者の小学校中学年の男児に馬乗りになり、顔を手で殴るなどした疑い。「馬乗りになったことは間違いないが、顔を殴ったかはっきり覚えていない」と容疑を一部否認している。
 同署は施設内での日常的な暴力の有無を調べている。

◆誤って腫瘍ない部位を切除、再手術では左の腎臓を全摘出…執刀医らは同タイプの手術経験なく indexへ

 兵庫県は26日、県立がんセンター(明石市)で8月に行われた50歳代男性に対する早期の腎臓がん手術で、誤って腫瘍がない部位を切除し、その後の再手術で左の腎臓を全摘出する医療ミスがあったと発表した。県は今後、男性に対する損害賠償に向けて協議する。
 発表によると、男性のがんは早期のステージ1で、50歳代の執刀医と30歳代の助手の医師が8月30日、手術支援ロボット「ダビンチ」を使って左の腎臓の腫瘍を摘出する手術を実施。その際、2人は検査画像の腫瘍の位置を見誤り、正常な部位を切除し、切除した部位に腫瘍が含まれているかも確認していなかった。
 術後、切除部位に腫瘍がなかったためミスが判明。男性は9月3日に再手術を受け、左の腎臓を全摘出した。本来は10分の1程度の切除で済んだといい、男性は職場復帰したものの、腎機能は低下したままという。
 男性の腫瘍は腎臓の表面からは見えず、2人の医師はこのタイプのがん手術の経験がなかった。県は、手術に経験者を担当させるなどの再発防止策を講じる。

◆中新薬業、かぜ薬など23製品307万個回収…国承認とは違う手順で製造 indexへ

 国の承認と異なる方法で医薬品を製造したなどとして、医薬品製造「中新薬業」(富山県滑川市)は、かぜ薬「新ビターコルド」など23製品、約307万個の回収を始めた。
 同社によると、回収する製品は国などが認めた承認書と異なる量の添加剤が入っていたり、違う手順で製造したりしていた。また、出荷後の安定性試験の結果にも承認基準に適合しない可能性があるものが確認された。
 こうした不正は古いものだと20~30年前から行われていたという。今年8月の定期査察の際には発覚しなかったが、10月22日に県の抜き打ち査察を受けて判明した。
 同社の寺崎正之社長は取材に対し「(不正を)隠そうとしたと言われても仕方がない。承諾書通りに製造すると錠剤が割れるなど製造に支障があり、手順を変更してしまった。申請をすべきだったがモラルが低かった」と述べた。
 ただ、健康被害を引き起こす可能性は低く、これまでに報告もないという。
 県くすり政策課は「調査は実施しているが、詳細はコメントできない」としている。自主回収についての問い合わせは同社(076・475・2122)。

◆病院にサイバー攻撃、新規患者受け入れ2か月停止…身代金払わず2億円で新システム indexへ

 徳島県つるぎ町の町立半田病院(120床)で、院内のシステムがサイバー攻撃を受けて電子カルテを使用できなくなる被害があり、同病院は26日、システムを新しくした上で、停止していた新規患者の受け入れを来年1月4日に再開すると発表した。個人情報の保護と引き換えに求められていた「身代金」は支払わない。
 発表によると、10月31日、データを暗号化して使えなくし、「身代金」を要求するコンピューターウイルスの一種「ランサム(身代金)ウェア」の感染が判明。院内のプリンターから「データは暗号化した。金を支払わないと公開する」と英文で書かれた脅迫文が大量に印字された。
 診療や投薬などを記録する患者約8万5000人の電子カルテが使用できなくなり、同病院は同日以降、新規患者の受け入れを原則、停止。入院患者らに対し、医師や本人らの記憶などを基に診療を継続してきた。
 同病院はシステムの復旧を模索してきたが、地域医療への影響が長期化する恐れがあるとして断念。別のサーバーを用いるなどしてシステムを再構築することに決めた。システムの構築などにおよそ2億円かかるという。
 脅迫文のほかに連絡はなく、個人情報の流出も確認されていないという。

◆自宅で12月28日出産、放置し外出繰り返し元日に死なせる…33歳女に猶予付き判決 indexへ

 東京都足立区の自宅で2019年12月に出産した女児を放置して死なせたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた池田知美被告(33)の裁判員裁判で、東京地裁は26日、懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役4年)の判決を言い渡した。野村賢裁判長は「必要な医療措置を受けさせずに死亡させ、悪質な犯行だが、実刑を科すべきとまでは言い難い」と述べた。
 判決によると、池田被告は19年12月28日、妊娠約30週で体重約1500グラムの女児を出産した後、勤務先に外出して置き去りにするなどし、翌年1月1日に女児を死亡させた。
 被告側は「医療措置を講じる必要があると認識したのは、女児が呼吸をしていないことに気付いた死亡直前だった」などとして無罪を主張した。しかし、判決は、被告が出産直後の段階で、女児が通常の新生児よりも小さく、医療措置が必要だと認識していたと指摘。女児を自宅に残したまま外出を繰り返し、容体を悪化させたことも認定した。
 一方で、判決は、外出のほとんどが、養育に必要な収入を得るために働きに出ていたことなどを考慮し、執行猶予を付けた。

◆線路と「並行」にするべきなのに…59駅で視覚障害者用スピーカーを線路に「向けて」設置 indexへ

 JR東日本は26日、管内59駅のホームにある視覚障害者用の音声案内スピーカーを、国のガイドライン(指針)に反して不適切な方向に取り付けていたと発表した。同社は「視覚障害者が誤ってホームから転落する恐れがある」として、スピーカーの使用を中止し、正しい方向に設置し直す作業を進める。
 同社によると、スピーカーは鳥の鳴き声を模した音などを出して、視覚障害者を階段やエスカレーターへ誘導する装置。
 国の「公共交通機関の旅客施設に関する移動等円滑化整備ガイドライン」では、音声案内をする場合は「主要な移動経路に向けて流す」とされている。ホーム上では線路と平行に音声が流れるようスピーカーを設置するべきだったが、東京や神奈川、秋田など1都10県にある59駅計112か所のスピーカーは、線路方向に向いていた。

◆新たな変異株が6か国で流行、英国への航空便乗り入れ一時禁止…デルタ株より強い感染力 indexへ

 【ロンドン】英政府は25日、南アフリカなどで新型コロナウイルスの新たな変異株が流行しているとして、南アなどアフリカ南部6か国から英国への航空便の乗り入れについて、26日正午(日本時間同日午後9時)から一時的に禁止すると発表した。
 英BBCなどによると、対象は南アのほか、ナミビア、ジンバブエ、ボツワナ、レソト、エスワティニの各国。サジド・ジャビド保健相は記者団に対し、新たな変異株はインド由来の変異ウイルス「デルタ株」よりも感染力が強く、「現在のワクチンがより効きにくいかもしれない」と述べた。
 英国の保健衛生当局がウイルスについて調査中の段階で、航空便の乗り入れ禁止は「予防的措置」と説明している。

◆大阪府の60代以上感染者、54%が「ブレイクスルー感染」…ワクチン効果薄まる indexへ

 大阪府は25日、今月感染が判明した60歳代以上の98人のうち、ワクチンを2回接種し、14日以上経過した後の「ブレイクスルー感染」が54・1%(53人)を占めたことを明らかにした。接種から時間が経過し、ワクチンの効果が薄まっていることが原因とみられる。
 40~50歳代は29・5%、20~30歳代は19%で、接種が早く始まった高齢者の割合が高かった。
 府は今後、高齢者の間で感染が広がり、軽症、中等症の入院患者が増加する可能性があるとして、政府が原則「8か月以上」としている3回目のワクチン接種までの間隔を、高齢者施設などに対しては「6か月以上」に短縮するよう政府に要請することを決めた。

◆「コロナが免疫から逃げる仕組み」を解明、北大研究チームが発表…重症化防ぐ新薬開発に期待 indexへ

 新型コロナウイルスが人間の免疫から逃れる仕組みの一部を解明したと、北海道大の小林弘一教授(免疫学)らの研究チームが発表した。免疫を正常に働かせて重症化を防ぐ新たな治療薬の開発につながる可能性があるという。論文が英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された。
 体内にはウイルスを攻撃する抗体とは別に、ウイルスが感染した細胞を排除する免疫細胞も存在する。この免疫細胞は通常、感染した細胞表面に現れたウイルスの一部を「目印」に攻撃する。
 チームが新型コロナの感染者約300人の細胞を分析したところ、感染した細胞表面に目印を示すのに必要なたんぱく質の働きが低下していた。新型コロナの遺伝子「ORF6」がこの働きを抑えていたという。
 その結果、感染した細胞が免疫細胞によって排除されずにウイルスが増殖し続け、重症化につながるとみられる。小林教授は「ORF6の働きを阻害すれば、治療につながる可能性がある」と話している。
  小笠原康悦・東北大教授(免疫学)の話 「新型コロナウイルスは様々な手段で免疫をすり抜けており、仕組みが一つ明らかになったのは意義がある。重症化の予防にもつながる」

◆3歳長男を浴槽に沈め殺害、母親を逮捕…「子どもが溺れた」と119番 indexへ

 2017年に長男(当時3歳)を自宅の浴槽に沈めて殺害したとして、京都府警は22日、京都府宇治田原町銘城台、無職久木山佳代容疑者(37)を殺人容疑で逮捕した。「間違いありません」と容疑を認めているという。
 発表では、久木山容疑者は17年11月24日午後6時頃~同6時半頃の間、当時暮らしていた京都府木津川市の集合住宅で、湯をはった浴槽に長男の 永時ちゃんを沈めて溺死させ、殺害した疑い。
 府警によると、久木山容疑者は殺害直後に自ら「子どもが溺れた」と119番しており、救急隊員が駆けつけた時、永時ちゃんは心肺停止状態で、久木山容疑者が心臓マッサージをしていた。永時ちゃんは、搬送先の病院で死亡が確認された。当時、久木山容疑者は「湯を止めに行ったら、子どもが浮かんでいた」と話していたという。

◆「頭たたく」「腕引っ張る」保育士らの虐待認定…送迎バス園児死亡の保育園 indexへ

 福岡県中間市の私立双葉保育園で7月、送迎バスに取り残された5歳男児が死亡した事件で、保育園を運営する社会福祉法人「新星会」は22日、同園の保育士らが園児を虐待していたとして県と市が行った改善勧告に対する報告書を提出した。
 県と市は10月に実施した勧告で、職員や保護者らへの調査の結果、同園では2019年以降、保育士らが日常的に園児の頭をたたいたり、「好かん」「ばか」といった暴言を吐いたりしていたと指摘。今年7月の事件後も、園児の足をつかんで逆さに持ち上げるといった行為があったとした。
 園側は当初、「虐待は確認できていない」としていたが、法人が設置した第三者委員会は「頭をたたく」「腕を引っ張る」といった一部の虐待行為を事実と認定。報告書は原因について「普段から職員が意見を述べづらい環境があった」とした。園側は再発防止策として、職員間で定期的に点検を行うほか、保護者による自由参観期間を設けるなどとした。

◆「飲む中絶薬」来月申請へ、承認なら国内初…日本は「時代遅れ」の掻爬法も indexへ

 英製薬会社ラインファーマは、人工妊娠中絶ができる経口薬について、12月下旬に厚生労働省に製造販売の承認申請をする方針を固めた。関係者が20日、明らかにした。順調に審査が進めば1年以内に承認される見通しで、国内初の「飲む中絶薬」となり、女性の心身への負担が少ない方法として期待される。
 申請するのは、妊娠を維持する黄体ホルモンの働きを抑える薬「ミフェプリストン」と、子宮を収縮させる薬「ミソプロストール」。二つを組み合わせて飲み、子宮の内容物を排出する。
 中絶薬は、フランスで1988年に承認され、すでに世界70か国以上で使われている。日本では中絶に対する否定的な考えもあり、導入の議論が深まらず、認められてこなかった。
 同社による国内の治験では、妊娠9週までの妊婦120人の93%が、24時間以内に中絶できた。6割に腹痛や 嘔吐などの症状がみられたが、ほとんどが軽度か中程度だったとしている。薬との因果関係があるとされた副作用は4割弱だった。
 日本の中絶件数は、2020年に約14万件だった。国内の中絶はこれまで手術に限られ、金属製の器具で子宮の内容物をかき出す「 掻爬法」、管で吸い取る「吸引法」が用いられている。保険診療ではないため、費用は10万~20万円かかる。一方、世界保健機関(WHO)の資料によると、中絶薬の海外での平均価格は約740円と安価だ。
 WHOは、体への負担が少ないとして中絶薬と吸引法を推奨。子宮を傷つけるリスクがある掻爬法については、「時代遅れで行うべきではない」と指摘している。

◆わいせつ保育士の再登録「最大10年禁止」に厳格化、厚労省が新制度案 indexへ

 わいせつ行為を理由に都道府県から登録を取り消された保育士について、厚生労働省が、再登録を厳格化する新たな制度案をまとめたことが18日、わかった。現行制度は、刑事事件化した場合でも刑の終了から2年が経過すれば再登録できるが、新制度では最大10年にわたり禁止する。
 児童福祉法は、保育士として働くには国家資格を取得後、都道府県への登録を義務づけている。
 刑法は禁錮以上の刑の終了後、10年で刑は消滅すると定めている。これに基づき、新制度では、保育士の再登録を禁止する期間を「禁錮以上は10年」「罰金は3年」にのばす。被害者の事情などで刑事事件化を見送った場合でも、都道府県がわいせつ行為を理由に処分した際は、再登録の禁止期間を「3年」とする。

◆老人ホーム2人死亡、入居の男が職員女性を殺害か…騒音などで施設側から注意受ける indexへ

 17日午前6時35分頃、大阪市平野区長吉川辺の住宅型有料老人ホーム「ヴェルジェ平野南」(7階建て)の駐車場で人が倒れていると、従業員から119番があった。駆けつけた大阪府警平野署員が、7階に住む男(72)が倒れているのを確認。その後、1階事務所で頭から血を流した女性を見つけた。2人は間もなく死亡が確認された。同署は男が女性を殺害した後、自殺を図ったとみている。
 発表では、女性は同区長吉六反、施設職員榊真希子さん(68)。榊さんは前夜から、1人で当直勤務をしていたという。  同署によると、男の部屋からは血がついた鉄製のハンマーが見つかり、ベランダには脚立が置かれていた。男は、ベランダの真下の位置で倒れていた。
 捜査関係者によると、男は騒音などで施設側から注意を受けていたといい、同署でトラブルの有無などについて詳しく調べている。

◆3回目接種用3700万回分、12月から全国配送…一つの会場でファイザー・モデルナ両方可能に indexへ

 堀内ワクチン相は17日、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種に向け、来年3月末までに使用する3700万回分を12月中旬から全国の都道府県に配送すると発表した。一つの医療機関や接種会場で、米ファイザー製と米モデルナ製の2種類を扱うことを可能とする方針も明らかにした。
 3回目接種では、ファイザー製の使用がすでに特例承認されており、モデルナ製も承認申請を行っている。政府の配送計画では、12月中旬からファイザー製1200万回、来年1月からモデルナ製1700万回、2月からファイザー製800万回をそれぞれ配送する。
 政府はこれまで、原則として同一のワクチンを続けて接種することを求めており、市区町村の接種ではファイザー製、職域接種ではモデルナ製が主に使われてきた。追加接種では、2回目までと違うワクチンの交互接種が認められたため、一つの会場で、どちらのワクチンも扱えるようにする。希望者が予約の段階で、打つ種類を選べるようにすることを想定している。
 追加接種は、2回目から8か月以上空けることを原則としており、堀内氏は記者団に対し「希望する全ての方が受けられるように万全を期す」と述べた。

◆「エチゾラム」処方箋偽造で入手か…泌尿器科の男性医師「安く入手するため」 indexへ

 処方箋を偽造して精神安定剤の「エチゾラム」を不正に入手したとして、九州厚生局麻薬取締部は16日にも、くまもと県北病院(熊本県玉名市)の泌尿器科の男性医師(39)を、麻薬取締法違反(処方箋偽造)容疑で、熊本地検に書類送検する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。
 捜査関係者らによると、男性医師は昨年8月、同僚医師の診察を受けたように装って、処方箋を偽造した疑いが持たれている。この処方箋で、30日分にあたるエチゾラム60錠を自己使用目的で受け取っていた。医師が自己診療した場合は保険の適用外で、「安く入手するために保険適用を受けたかった」という趣旨の説明をしているという。
 厚生労働省によると、エチゾラムは精神安定剤として不安を和らげる効果や睡眠作用がある一方、長期間使用すると薬物依存になる恐れが指摘されている。男性医師は遅くとも昨年春頃から継続的に服用。不適切な処方箋の作成を繰り返していたとみられている。
 くまもと県北病院は、前身の公立玉名中央病院で2019年以降、診療報酬の不正請求や薬の紛失が相次いだ。病院は今年10月、弁護士らで構成する外部調査委員会を設置している。

◆消毒員がドアこじ開け、ペットの犬を撲殺…「無害化処置」と中国でコロナ対策の殺処分相次ぐ indexへ

 【広州】香港紙・明報は15日、中国南部の江西省上饒市で、地元当局が新型コロナウイルスの感染拡大防止のため住宅の消毒作業を行った際、ペットの犬が消毒員に撲殺されたと報じた。中国ではコロナ対策でペットが殺処分されるケースが相次ぎ、ネット上で批判を招いている。
 報道によると、市内の感染者が出た地域で12日、住民をホテルに強制隔離し、各家庭を消毒する措置が取られた。ペット帯同は禁止だったため、ある住民女性は愛犬を自宅室内に残し、施錠して隔離先に向かった。自宅の監視カメラで確認したところ、防護服姿の消毒員が玄関ドアをこじ開けて入り、愛犬を鉄の棒で殴りつけ、持ち去ったという。
 女性がSNSにカメラの映像入りで告発すると、地元当局は13日、飼い主に謝罪したと発表した。しかし、犬を撲殺したことを「無害化処置」と表現し、更なる物議を醸した。
 人口600万人超の上饒市では、10月30日から今月14日まで82人の感染者が確認され、当局が厳戒態勢を敷いている。

◆こども園に刃物男、職員7人はその時…アイコンタクトで園庭の71人を屋内誘導し幼い命守る indexへ

 宮城県登米市で9日、認定こども園に刃物を持った男が侵入し、建造物侵入容疑で現行犯逮捕される事件があった。「子供を殺して死刑になりたかった」と供述している男から、子供たちを守ったのは職員7人の連携だった。不審な男に気付くと、アイコンタクトで連絡を取り合い、園庭にいた子供71人を建物へ避難させた。その後、男を取り押さえ110番した。
 県警の発表によると、逮捕されたのは、同市豊里町迫、無職大槻渉容疑者(31)。9日午前10時40分頃、同市の「豊里こども園」の園庭に柵(高さ約1メートル)を乗り越え侵入した疑い。刃渡り約12センチの包丁を持っており、同容疑と銃刀法違反容疑で仙台地検に送検された。調べに対し「子供なら簡単に殺せると思った。最低でも2人殺して死刑になりたかった」と供述している。
 園庭では直前まで、登園していた子供204人のうち71人が遊んでいた。見守りの職員7人のうちの1人が園庭に隣接する駐車場付近をうろつく大槻容疑者に気付き、別の職員に「変な人がいる」と耳打ちし、職員同士がアイコンタクトで園児を避難させた。「雨が降りそうだから中に入ろうね」と、5分ほどで全員を園舎に誘導、窓を施錠し、外が見えないようカーテンを閉めた。
 直後に他の職員が大槻容疑者に「どうされましたか」と声をかけた。大槻容疑者は無言で、柵をよじ登ると職員に押さえられ、バランスを崩して園庭に転げ落ちた。その際に隠し持っていた包丁を落とし、拾って振り上げたが、男性職員4人に取り押さえられた。職員にけがはなかった。
 男性職員の一人は「子供たちを避難させたタイミングで『入ってきた』と声が聞こえた。刃物が見えて怖かったが、子供たちに危害が及んではいけないと思い、立ち向かうことができた」と振り返る。
 同園は10月に不審者対応の机上訓練を行ったばかりで、上野律子園長(59)は「訓練で共有していた高い防犯意識で素早く対応できた」とする。ただ、刃物を持った男に職員は素手で立ち向かっており「今後は職員も含めて建物内への避難を徹底し、さすまたの導入も検討したい」と話した。
 保護者からは称賛の声が上がっている。孫(2)を預けている女性(64)は「勇気ある職員の機転のお陰で助かり、ほっとしている」。長女(3)を迎えに来た30歳代の母親も「的確に対応してくれた職員の皆さんに感謝している」と語った。

◆医療従事者が接種4回、一般接種の予診票「初めて受けますか」に「はい」と記入 indexへ

 愛媛県新居浜市は12日、新型コロナウイルスのワクチン接種で、市内の医療従事者の50歳代男性が4回の接種を受けていたと発表した。男性は医療従事者向け優先接種2回の後、一般の集団接種2回も受けていた。
 男性は、集団接種の予診票で「初めて受けますか」の問いに「はい」と記入。市の調査には「正直に書くと3回目が受けられないと思った」とし、「自分の命を守るためだった」と理由を答えたという。市は3、4回目の接種費用6160円を男性に請求する。

◆コロナ専門病院、入院ゼロ…院長ジレンマ「一般医療を制限しているのに」 indexへ

 新型コロナウイルスの感染再拡大に備えて、すぐに適切な医療を受けられるよう、都市部の自治体は専門病院や臨時医療施設の整備を急いでいる。
 東京城東病院(東京都江東区)は、9月30日から軽症・中等症患者を受け入れるコロナ専門病院(50床)となった。同病院にはもともと117床あったが、現在はコロナ患者の入院のみを受け入れ、一般診療は外来に限定している。
 同病院は地域医療機能推進機構(JCHO)が運営している。JCHO理事長で、コロナ対策を検討する政府分科会の尾身茂会長から専門病院化の指示があったのは8月下旬。当時は心臓や肝臓の病気、骨折などの患者約90人が入院しており、すべての転院・退院を終えるのに1か月かかったという。
 コロナ専門病院を運営するには、人工呼吸器の設置や感染防止策の徹底などのほか、人材確保が不可欠だ。同病院では医師は近隣の大学病院などから、看護師は日本赤十字社などから派遣を受けている。
 新規感染者が減ったこともあり、入院患者はこれまで最も多い日で5人。12日現在はゼロとなっている。中馬敦院長は「一般医療を制限し、ずっと病床が空いている状況が果たしていいのかと思う一方で、感染が再拡大した時、即応するには仕方がない」とジレンマを抱えつつも、「今は少しでもコロナ診療の経験を積みたい」と話している。
 東京都内では、ほかに、都立広尾病院や、都保健医療公社が運営する豊島病院、荏原病院などが実質的なコロナ専門病院として運用されている。
              ◇
 大阪では、大阪市が市立十三市民病院をコロナ専門病院(70床)としたほか、府が大型展示場「インテックス大阪」に臨時医療施設「大阪コロナ大規模医療・療養センター」(1000床)を整備した。
 同センターの開設を巡っては、今春の第4波で自宅療養者らの死亡が相次いだことを踏まえ、吉村洋文知事が8月下旬、「自宅で亡くなる人を一人でも減らしたい」と表明。10月末までに軽症、無症状用の800床と中等症用の200床の設置工事が完了した。
 1床あたり12平方メートルの個室で、中等症病床は応急的な対応ができるように酸素マスクを備える。重症化の予防効果がある「抗体カクテル療法」も受けられる。東京五輪・パラリンピックの選手村で使われたマットレスや枕を再利用し、洗濯機やシャワールームもある。
 施設の運営は、公募で選ばれた民間事業者が担い、最大で医師43人、看護師174人を確保した。来年5月末まで開設し、整備費と運営費は計約84億円。
 これまでに患者の受け入れ実績はないが、府は病院や宿泊療養用のホテルだけでは対応しきれない「災害級」の感染急拡大時に活用することを想定している。具体的には、軽症、無症状用は宿泊療養施設の使用率50%、中等症用は軽症・中等症病床の使用率70%を目安に稼働の準備を始める。
 吉村知事は「本来なら使わずに終わるのが一番いい。いざという時に動かせるようにしたい」と話す。

◆障害者施設の入所者、腹蹴られ小腸に穴が開き死亡…46歳元職員を逮捕 indexへ

 勤務先の障害者施設の入所者2人に対する傷害罪で実刑判決を受けた元職員の男が別の入所者にけがを負わせ死亡させていたとして、愛知県警は12日、男を傷害致死容疑で逮捕した。
 発表によると、男は同県東浦町緒川、水野有幸容疑者(46)で、2019年3月6~7日、同町の施設で入所者の男性(当時49歳)の腹を蹴って小腸に穴が開くけがを負わせ、同8日に死亡させた疑い。男性には重度の知的障害があった。事件当時、施設には水野容疑者が1人で勤務していた。調べに容疑を否認している。
 水野容疑者は19年7月、入所者の男性(当時54歳)の腹部を蹴り、20年4月には別の80歳代の入所男性の下腹部を蹴り、いずれも重傷を負わせたとして今年9月に懲役2年4月の実刑判決を受け、確定している。

◆児童養護施設の元職員、少女2人にみだらな行為…強姦罪などで起訴 indexへ

 神奈川県内の児童養護施設で少女2人にみだらな行為をしたとして、施設職員だった男(35)が 強姦罪(現・強制性交罪)と児童福祉法違反で起訴されていたことが分かった。男は、少女らを含め、施設で暮らす子どもたちの生活支援を担当していた。
 起訴状では、男は2016年11月、施設の宿直室で、13歳未満の少女に乱暴したほか、17年12月にも職員の立場を利用し、宿直室で18歳未満の少女と性的な行為をしたとしている。捜査関係者によると、県警が今年7、8月に両事件で男を逮捕した際には、容疑を否認したという。
 男が勤務していたのは、虐待などの事情で実の親と暮らせない子どもたちを家庭に近い環境で受け入れる「地域小規模児童養護施設」。児童定員は6人で、4人ほどの職員が交代で常駐して生活を支援していた。この施設を開設した社会福祉法人は10月に第三者を含めた検証委員会を設置。施設を認可した自治体も児童福祉審議会で事件を検証するという。
 大阪府立大の伊藤嘉余子教授(子ども家庭福祉学)は、地域小規模児童養護施設は一人一人に適した支援が行える反面、外部から問題が見えにくくなりやすいと指摘し、「児童相談所の職員がこまめに面会を行うなど、もっと児童の声を拾う仕組みが必要だ」としている。

◆月刊誌報道に校長とPTA会長「ありもしないこと書かれた」、いじめ否定文書を配布…中2凍死 indexへ

 北海道旭川市の公園で今年3月、中学2年の広瀬 爽彩さん(当時14歳)が凍死体で見つかり、いじめ被害が疑われている問題で、広瀬さんが以前通っていた学校側がいじめを否定する趣旨の文書を他の生徒の保護者に配っていたことがわかった。配布は2019年9月で、母親からいじめの相談を受けた後だった。市教育委員会が設置した第三者委員会が、いじめの有無や、当時の対応に問題がなかったか調べている。
 母親の代理人弁護団は、広瀬さんが同年4月に入学後、自身のわいせつ画像を送信させられるなどのいじめを受けていたと主張。広瀬さんは同年6月、川に飛び込み、学校に電話で「死にたい」と訴え、教員が現場に駆けつけていた。
 読売新聞が入手した文書や市教委への取材などによると、文書は、一連の経緯を伝える月刊誌報道を受けて配布された。校長とPTA会長の連名で「ありもしないことを書かれた」「いわれのない 誹謗中傷をされ、驚きと悔しさを禁じ得ない」などと記していた。
 広瀬さんは川に飛び込んだ後、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、文書配布前の同年8月に転校。今年2月に失踪し、翌月、市内の公園で雪の中から遺体で発見された。
 広瀬さんの母親は学校に相談した際、「悪ふざけが過ぎただけ」などと説明されたといい、「何度もいじめを訴えたが、学校は認めなかった」と話している。市教委は「第三者委の調査中なのでコメントは控えたい」としている。

◆踏切で転倒、四つんばいで避難も間に合わず…高齢男性が特急電車にはねられ死亡 indexへ

 10日午前10時15分頃、東京都葛飾区鎌倉の京成本線京成高砂―京成小岩駅間の踏切で、歩いて横断していた高齢男性が転倒し、下り特急電車(8両編成)にはねられ、頭などを強く打って死亡した。
 発表によると、男性は転んだ後に四つんばいになって避難しようとしており、通行人の女性が非常停止ボタンを押したが、間に合わなかった。70~80歳代くらいで葛飾署が身元を調べている。

◆校舎から飛び降りか、死亡の女子中学生「いじめられていた」と遺書 indexへ

 新潟県燕市教育委員会は10日、市立中学校で女子生徒が死亡し、「いじめられていた」と書かれた遺書が自宅で見つかったと発表した。県警は、女子生徒が校舎から飛び降り自殺を図った可能性もあるとみて捜査している。
 市教委の発表によると、女子生徒は9日朝、3階建て校舎の脇で血を流して倒れているのを発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。
 現時点でいじめに関する情報や相談は確認されていないというが、市教委は第三者委員会を開き、いじめの有無などを調べる。

◆3人より前に消毒液混入あったか問われ「お話ししたくありません」…無期懲役判決の元看護師 indexへ

 横浜市神奈川区の旧大口病院に入院していた高齢患者3人が相次いで殺害された事件から5年。殺人罪などに問われた元看護師の久保木愛弓被告(34)への横浜地裁(家令和典裁判長)の9日の判決は、無期懲役(求刑・死刑)だった。看護師の仕事にやりがいを感じていた被告が、なぜ患者を殺害するまでに至ったのか。10月1日の初公判から計10回の審理では、被告の心の変化が徐々に浮き彫りになった。
 久保木被告は高校生の頃、老人ホームの体験学習で入所者に感謝された経験などから看護師を志した。専門学校で正看護師の資格を取得し、横浜市内の病院に就職。配属されたリハビリ病棟で「車椅子の患者が歩いて退院する姿を見てやりがいを感じた」。
 しかし、別の病棟に移ると、患者の家族から手際の悪さを責められた。精神的な負担が増して退職まで追い込まれたが、生活のために大口病院へ再就職。それでも、患者対応への苦手意識は消えなかったという。
 再就職の約1年後、患者の家族から「看護師に殺された」などと 叱責されて強い恐怖を感じたことがきっかけで、「自分の勤務でない時に患者が死ねば責められるリスクが減る」と考えるようになった。2016年の9月、患者の未使用の点滴にヂアミトールを混入し、5日間で3人を殺害した。
 公判で久保木被告は殺害について「悪いことと認識していたものの、殺人をしているという認識はなかった」と振り返り、警察が捜査で病院に来たことで「正気に戻った」。ようやく、大変なことをしたと感じるようになったという。
 3人に対する罪を全面的に認め、久保木被告は10月22日の最終意見陳述で「身勝手な理由でかけがえのない大切なご家族を奪った。死んで償いたいと思っています」とかすれた声で話した。判決で地裁は責任能力を認定した上で更生の可能性を認め、死刑を選択しなかった。
 「裁判ではおわびの気持ちを伝えられたら」と公判では終始、素直に質問に答えていた久保木被告。しかし、10月12日の被告人質問で、検察側から3人より前にもヂアミトールを入れたことがあるか問われた時は「お話ししたくありません」と唯一、回答を拒否した。捜査段階では「2か月ほどの間に20人くらいやった」と話したとされているが、明らかにされることなく、公判は終結した。

◆横浜点滴死、元看護師に「無期懲役」判決…地裁「更生の可能性がある」と死刑を回避 indexへ

 横浜市の旧大口病院で2016年9月、高齢の入院患者3人の点滴に消毒液を混ぜて中毒死させたとして殺人罪などに問われ、死刑を求刑された元看護師・久保木愛弓被告(34)の裁判員裁判で、横浜地裁は9日、無期懲役の判決を言い渡した。 家令和典裁判長は「更生の可能性がある」として、死刑を回避した。
 争点となった責任能力の程度について、家令裁判長は完全にあったと認定。看護師の知見と立場を利用した計画的な犯行で、「身勝手な動機に酌むべき点は認められない」と述べた。
 一方で、被告は対人関係を築くのが苦手で、適性のない仕事を続けてストレスをため込み、うつ状態になったと指摘。患者の死亡時にミスをして責められるのを避けるためには、患者を消し去るしかないとの発想に至った過程には「被告の努力ではいかんともしがたい事情があった」とした。
 被告に反社会的な傾向はみられず、犯罪の重大性を痛感し、反省していることから「死刑を選択するには 躊躇を感じざるを得ない」「更生の道を歩ませるのが相当だ」と結論づけた。
 判決では、久保木被告は16年9月15~19日、入院患者3人(当時78~88歳)の点滴に消毒液「ヂアミトール」を混入させて中毒死させ、別の患者らに投与予定だった点滴5袋にも殺害目的で消毒液を入れた。

◆ワクチン2回接種、「デルタ株」の予防効果9割…国立感染研が分析 indexへ

 国立感染症研究所は、感染力が強い変異した新型コロナウイルス「デルタ株」に対し、ワクチンの2回接種後の発症予防効果が9割近かったとする分析結果をまとめた。9日に開かれた厚生労働省の助言機関の会合で報告した。
 調査は、国内でほぼデルタ株が主流になった8月、発熱などの症状で関東の7医療機関を受診した1353人を対象に実施した。
 その結果、ワクチンを1回接種した人は53%、2回接種した人は87%の発症予防効果があったと推定された。感染研は今後、接種からの時間経過で、予防効果がどう衰えるかなどを調べる予定。

◆サプリ飲むだけで「胸大きく」、SNSで「ステマ」指示…消費者庁が措置命令 indexへ

 消費者庁は9日、SNSへの通常の投稿を装い、根拠なく豊胸効果をうたうサプリを宣伝していたとして、健康食品販売会社「アシスト」(東京)と通信販売会社「アクガレージ」(同)に対し、景品表示法違反(優良誤認)で再発防止を求める措置命令を出した。
 こうした宣伝手法は「ステルスマーケティング(ステマ)」と呼ばれ、近年、問題化。消費者庁がステマを虚偽表示と認定し、命令を出したのは初めて。
 消費者庁によると、両社は2018年3月以降、「ジュエルアップ」というサプリをサンプルで渡した女性たちに、商品と一緒に写った写真などをインスタグラムに投稿させた。その際、「バストアップ」「胸大きく」など特定のハッシュタグを付け、サンプル品だと明かさずに投稿するよう指示していた。
 消費者庁は、投稿内容を具体的に指示していることから、両社による表示だと判断した。

国立病院機構など発注の医薬品、6社で談合か…公取委が立ち入り検査 indexへ

 独立行政法人「国立病院機構」などが九州地区で発注した医薬品の入札で談合した疑いがあるとして、公正取引委員会は9日午前、医薬品卸大手のグループ会社や地元の卸会社の計6社に対し、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査を始めた。
 立ち入り検査を受けたのは、4大卸と呼ばれるアルフレッサの福岡第一支店(福岡市)、メディセオの関連会社「アトル」(同)、東邦薬品グループの「九州東邦」(同)、スズケングループの「翔薬」(同)のほか、九州地区で医薬品卸を営む「富田薬品」(熊本市)と「アステム」(大分市)の福岡本社。
 関係者によると、6社は2016年頃から19年まで、国立病院機構が独立行政法人「労働者健康安全機構」と共同で発注した九州地区の医薬品の入札で、事前に協議して受注業者を決めていた疑いがある。
 国立病院機構は毎年、労働者健康安全機構などと共に医薬品の入札を実施。全国を地区ごとに分けた上で、製薬会社や効能で分類した医薬品群ごとに入札を実施していた。
 医薬品卸を巡っては、公取委が19年11月、独立行政法人「地域医療機能推進機構」の入札で談合をした疑いがあるとして、アルフレッサ、メディセオ、東邦薬品、スズケンの4社に強制調査を実施。東京地裁が今年6月、課徴金減免(リーニエンシー)制度で最初に違反を申告したメディセオを除く3社側に対し、それぞれ罰金2億5000万円などの判決を言い渡した。

「安心して預けられる」キッズスペースの玩具で右目にけが、保険代理店の責任者を書類送検 indexへ

 埼玉県上尾市の商業施設内にある保険代理店で2月、キッズスペースで遊んでいた男児(3)のまぶたの裏に釣り針状の針金が刺さり、けがをした事故で、県警上尾署は8日、同店の責任者だった男性従業員(30歳代)を業務上過失致傷容疑でさいたま地検に書類送検した。捜査関係者への取材でわかった。
 事故は2月中旬に発生。男児はキッズスペースで釣りざお玩具で遊んでいたが、玩具から伸びるひもに付いていた釣り針状の針金が右まぶたの裏に刺さって出血し、救急搬送された。
 捜査関係者によると、男性従業員は安全管理業務を怠り、男児にけがをさせた疑いが持たれている。上尾署は8月、両親からの被害届を受理し、捜査していた。
 男児の両親によると、事故当時、両親は店の個室で契約の手続きを行っていた。個室からキッズスペースの様子は見えないつくりだったが、両親は店側から「保育士がいるので安心して預けられる」などと説明を受けたとしている。
 事故が起きた保険代理店を展開する上尾市の企業の代理人弁護士は取材に「コメントは差し控える」としている。

◆3回目「既に開始」と医師・看護師思い込み、医療従事者に余ったワクチン接種 indexへ

 長崎市は8日、まだ始まっていない新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種を、医療従事者(年齢、性別非公表)が誤認して受けたと発表した。  発表では、この医療従事者は7日、担当する集団接種会場で予約者のキャンセルがあり、米ファイザー製ワクチンが余ったため、3回目の接種を受けたという。  同市は12月にも、医療従事者を対象にした3回目の接種を始める予定だが、予診した医師や接種した看護師も含め既に開始されていると誤認していたという。

◆西成の露店で睡眠薬を無許可陳列、30歳男「1か月で4万~5万円ほど稼ぐこともあった」 indexへ

 医師の処方箋が必要な医薬品を露店を開いて無許可で陳列したとして、大阪府警は8日、大阪市西成区の無職男(30)を医薬品医療機器法違反容疑で現行犯逮捕したと発表した。「1か月で4万~5万円ほど稼ぐこともあった」と容疑を認めているという。
 発表では、男は7日午前4時30分頃、同区の路上で露店を開き、医薬品販売業の許可を得ずに睡眠薬60錠を陳列した疑い。  府警は男が所持していた錠剤など約3200点を押収しており、入手先などを調べる。

「ブレイクスルー感染」、群馬で全体の3割に…高齢者に抗体残りにくく indexへ

 新型コロナウイルスワクチンの2回目接種から2週間後以降に感染してしまう「ブレイクスルー感染」が群馬県内では10月末までに少なくとも437人に上ることが、県感染症・がん疾病対策課のまとめでわかった。10月の全感染者に占める割合は3割に達し、県民に基本的な感染防止策の継続を求めるとともに、県は3回目の接種計画を検討していく。
 同課によると、ブレイクスルー感染は7月が14人、8月が162人、9月が194人、10月が67人。感染者全体に占める割合は、7月の1・9%から次第に上昇し、10月は30・5%だった。ただ、ワクチンの効果があるとみられ、9割以上が無症状か軽症だったという。
 ワクチン接種の対象となる12歳以上の県民は約178万人で、11月7日時点の2回接種終了者は84・4%となっている。同課はブレイクスルー感染者が増加傾向にある要因について、感染力が強いインド由来の変異ウイルス「デルタ株」の拡大、接種後の抗体量の低下なども影響しているとみている。
 9~10月には伊勢崎市の病院、同じ事業者が運営する太田市の住宅型有料老人ホームと桐生市のデイサービスセンターで、ブレイクスルー感染のクラスターが発生。3施設の感染者計70人のうち68人が、2回接種済みの感染者となった。同課の担当者は「ブレイクスルー感染は症状が比較的軽いため、発見が遅れるおそれもある。ワクチンを接種済みでも、異変があれば速やかに医師に相談してほしい」としている。
 厚生労働省は十分な抗体量を維持するため、2回接種済みの全希望者に対し、8か月以上の間隔を空けて3回目の追加接種を進める方針。県ワクチン接種推進課は、12月以降の接種計画の検討を進めていく。
高齢者 抗体残りにくい
 ブレイクスルー感染の注意すべき点について、群馬パース大の木村博一教授(60)(感染症学)に聞いた。
 ――ブレイクスルー感染はなぜ起きるのか。
 「新型コロナのワクチンは、感染や重症化を抑える効果が、他の感染症のワクチンと比べて高い。多くの人は2回接種して2週間が過ぎれば、十分な量の抗体を得られる。だが、どんなワクチンでも、抗体量は次第に減る。抗体が少なくなった状態でウイルスが体内に入れば、感染してしまう可能性はある」
 ――ただ、感染しても、ワクチン接種済みであれば軽症や無症状が多い。
 「細胞は抗体をつくる方法を記憶しているため、ウイルスの侵入に反応し、再び抗体を作ってくれるからだと考えられる」
 ――特に注意すべき点はどんなことか。
 「高齢者は、抗体が残りにくい人も多く、病院や介護施設では、感染リスクが高まる。マスクの着用や手指消毒など基本的な対策を継続すべきだ。抗体カクテル療法が普及し、飲み薬の開発も進む。新規感染者が少ない状況を維持したい」

◆化学メーカー「デンカ」、コロナ抗原キット13万箱自主回収…使用部材の不良で高まる「偽陽性」 indexへ

 化学メーカーのデンカは8日、新型コロナウイルスの感染を調べる抗原診断キット13万箱(1箱10回分)を自主回収すると発表した。製造後、時間が経過すると、誤って陽性と判定する「偽陽性」の確率が高まるためだとしている。
 回収の対象は、「クイックナビCOVID19Ag」。鼻の粘膜を採取すると約15分で感染疑いを調べられるとし、主に医療機関向けに出荷している。出荷した製品の一部で、使用部材の不良が見つかった。
 10月以降、利用者からの問い合わせが増えたため確認したところ問題が確認された。同社は、健康被害の報告はないとしている。

◆「奇跡の治療薬」の宣伝文句も…国内未承認のコロナ治療薬、輸入代行サイトで販売横行 indexへ

 医薬品の個人輸入を代行するとうたうインターネットのサイトで、国内で承認されていない新型コロナウイルス感染症の治療薬が販売されているとして、厚生労働省や専門家らが注意を呼びかけている。健康被害につながる恐れがあり、厚労省は監視を強化している。
 医薬品医療機器法では、国内未承認の医薬品や医療機器の広告を行うことを禁じている。
 例えば、抗寄生虫薬「イベルメクチン」は、新型コロナウイルスの増殖を抑えるとの報告もあるが、国内では承認されていない。ただ、サイトの中には、「イベルメクチンは『奇跡の治療薬』として期待される治療薬です」「万が一感染した場合に備えて」など、誤解を招きかねない表記を並べて購入を促しているケースもある。
 金沢大の木村和子特任教授と吉田直子助教らが昨年4月から今年3月にかけて行った調査では、イベルメクチンなど国内未承認の7品目が、新型コロナの治療薬としてオンラインで販売されているのが確認された。
 木村氏は、個人輸入代行サイトについて「偽造品や不良品などを流通させ、健康被害につながる恐れがある」と注意喚起する。犯罪組織の資金源となっているケースもあるという。
 ただ、木村氏らが一昨年行った調査では、スマートフォンやネット通販の普及などもあり、薬の個人輸入経験者は10年間で2倍に増えた。新型コロナが流行した昨年以降は、未承認薬の流通はさらに拡大しているとみられる。
 厚労省監視指導・麻薬対策課は、未承認医薬品の広告を掲載するなど、法令違反が確認されたサイトの削除をインターネット接続事業者に要請している。2020年度に削除されたサイトは504件に上り、コロナ禍前の18年度と比べて1・6倍となった。
 ただ、サイトが削除されても、「同一人物による運営が疑われるサイトがすぐに新設されるなど、いたちごっこの状況」(関係者)で、さらなる対策が課題となっている。

◆無症状でも無料でPCR検査…「第6波」に備え、軽症者の待機施設も準備へ indexへ

 政府は、新型コロナウイルス感染の「第6波」対策として、無症状者のPCR検査と抗原検査を無料で実施する方針を固めた。また、第6波に備え、希望する軽症者全員をホテルなどの「待機施設」に滞在させるため、都道府県に施設の準備を要請する考えだ。陽性者を早期に発見するとともに、重症化を防ぐ狙いがある。
軽症者の「待機施設」も準備
 複数の政府関係者が明らかにした。政府は12日の対策本部で決定する第6波に向けた総合対策に、こうした方針を盛り込む意向だ。
 PCRなどの検査費用は、発熱の症状や濃厚接触者など医師や保健所が必要と判断した際は無料だが、自主検査の場合は有料だ。感染拡大時に検査数を大幅に増やすため、都道府県の判断で、無症状の人でも都道府県が認めた検査場での検査を無料にする。
 ワクチン接種証明書などを活用して行動制限を緩和する「ワクチン・検査パッケージ」の活用時には、体質などでワクチンを打てない人や12歳未満の子どもの検査費用も無料となる。ワクチン費用は公費で負担しており、不公平感をなくすためだ。
 また、過去最大の感染者が出た今夏の「第5波」の際は、自宅療養を余儀なくされ、容体が悪化する患者が相次いだことから、政府は希望する軽症者全員が滞在できる「待機施設」の準備を都道府県に要請する。ホテルのほか、プレハブなどの簡易施設も認める方針で、感染が拡大した際、即座に設置できるようにする。施設では、血中の酸素濃度を測定する機器「パルスオキシメーター」で体調の変化を管理し、医師や看護師も配置する。
 12月から開始予定の3回目のワクチン接種については、職域接種も認める方針を総合対策に盛り込む方向だ。
 岸田首相は10月15日の政府対策本部で、第6波対策の骨格を関係閣僚に示し、都道府県などと調整して対策の全体像をとりまとめるよう指示していた。
 今後、政府は感染が再拡大した際でも、コロナ対策と経済活動の両立を図ることを目指す。9月28日に政府対策本部で示した「ワクチン・検査パッケージ」などを活用した際の行動制限緩和策について、コロナ対策の指針となる基本的対処方針に盛り込む方向で調整している。緊急事態宣言下でも、条件を満たせば、飲食店は酒類の提供も含め、午後9時まで営業できるほか、収容率100%のイベントも実施可能となる。「実証調査を進めた結果、本格導入しても支障はない」(内閣官房幹部)と判断したためだ。

◆コロナ対策費22・8兆円使われず…検査院、国民への説明求める報告書 indexへ

 新型コロナウイルス対策で国が2019~20年度に計上した65・4兆円のうち、22・8兆円が使われず、大半が翌年度に繰り越されていたことが会計検査院の調べでわかった。コロナの影響が見通せない中で多めに確保したことが主な要因。コロナ対策には東日本大震災の復興予算を超える巨費が投じられており、検査院は5日、適切な予算執行や国民への説明を求める報告書を政府に提出した。
 コロナ対策に使われたことが明確な770事業を分析した。計上された予算は、予備費や補正を含めて65・4兆円に上り、20年度末までに65%の42・5兆円が執行された。執行額は、震災の復興予算10年分の35兆円を上回る。未執行額は22・8兆円で、95%が翌年度に繰り越された。5%の1兆円は使い残しの「不用額」だった。
 未執行額で最多だったのは、経済・雇用対策(296事業)で13・5兆円に上った。時短要請に応じた飲食店への協力金に使う地方創生臨時交付金(3事業)は、予算の33%しか執行できず、5・2兆円が使われなかった。給付を担う都道府県の事務作業が追いつかなかったという。感染防止策(301事業)も3・3兆円が未執行となった。
 経済・雇用対策では、観光業を支援する「Go To トラベル」が感染拡大の影響で中断され、65%の約1・5兆円を繰り越した。感染防止策では、全世帯や介護施設など向けの布製マスクが3月末時点で8200万枚(115億円相当)余る事態が発生。コロナ患者の入院費を公費負担する事業では43%を使い残した。厚生労働省の担当者は「感染者がどれほど出るかがわからない中、予算を見込むのが難しかった」とする。
 一橋大の佐藤 主光教授(財政学)は「未曽有の危機で、予算を多めに確保せざるを得ず、無駄や目詰まりも生じてしまった。今後に教訓をいかし、将来世代の負担を増やさないためにも、国は事後検証をしっかり行い、効果などを説明する必要がある」と指摘する。

◆口にペット用トイレの砂・まぶたにテープ…3歳暴行死、母と継父に懲役12年判決 indexへ

 福岡県中間市で昨年8月、末益 愛翔ちゃん(当時3歳)を暴行し、死亡させたとして、暴行や傷害致死罪などに問われた母親の 歩 (23)、継父の 涼雅(24)両被告の裁判員裁判の判決が5日、福岡地裁小倉支部であった。井野憲司裁判長は「理不尽な理由から暴力を繰り返し、尊い命を奪い去った。むごいの一言に尽きる」と述べ、両被告に懲役12年(いずれも求刑・懲役13年)を言い渡した。
 判決では、2人は共謀し、昨年7~8月、愛翔ちゃんに恥骨骨折などのけがを負わせるなどし、同年8月15~16日には頭を殴り、27日に多臓器不全で死亡させた。歩被告は昨年7月、愛翔ちゃんの両まぶたにセロハンテープを貼ったり、口にペット用トイレの砂を入れたりする暴行を加えた。
 歩被告側は、涼雅被告から心理的に支配され、涼雅被告を制止できなかったなどとし、傷害致死罪などについて無罪を主張。井野裁判長は両被告がLINEで互いの暴行についてやり取りしていたことに触れ、主張を認めず、「(両被告に)包括的な共謀が成立していたと推認できる」と指摘した。
 井野裁判長は歩被告が愛翔ちゃんの様子を報告し、涼雅被告の暴行を誘発、助長するなどした点をとらえ、「2人の犯情の重さに大差はない」と述べた。

◆相模原・やまゆり園の後継施設に赤い液体まかれる…8月には窓ガラスが割られる被害も indexへ

 2016年に入所者ら45人が殺傷された相模原市の知的障害者福祉施設「津久井やまゆり園」の入所者の一部が12月に入所する予定の「芹が谷やまゆり園」(横浜市港南区)で、施設入り口近くに赤色のペンキのような液体がまかれていたことが5日、分かった。
 関係者によると、同日朝に液体がまかれているのを職員が発見し、神奈川県警に通報した。液体の量は200ミリ・リットル程度とみられる。
 県警によると、同園では、8月に敷地内の建物の窓ガラスが瓶で割られたほか、10月にも入り口付近に割れた瓶が落ちていたという。
 津久井やまゆり園は再建工事が行われ、入所者は再建後の同園と、芹が谷やまゆり園に分かれて入所することになっている。

◆前日に同僚の前で叱責40分以上、佐川急便係長が自殺…ノルマ達成で度々とがめられる indexへ

 今年6月、佐川急便の東京都品川区の営業所で、上司からパワーハラスメントを受けていた営業係長の男性(当時39歳)が自殺していたことがわかった。遺族の代理人弁護士が4日、明らかにした。同社は営業所内で男性へのパワハラがあったことを認め、今年9月、本村正秀社長が遺族と面会して謝罪した。
 遺族代理人の川人博弁護士らによると、男性は6月23日朝、営業所の建物から飛び降り自殺した。同社が第三者委員会を設置して調査した結果、男性は昨年6月頃から、ノルマの達成状況について上司の課長から度々、厳しくとがめられ、亡くなる前日には、別の上司から同僚の前で40分以上にわたる 叱責を受けていたことが判明した。
 今年4月には、「課長が社員を追い詰めている」と同社に内部通報があったが、この時は一部の社員にしか聞き取り調査が行われず、同社は「パワハラは確認できない」と結論付けていたという。
 同社は4日、「心よりお悔やみ申し上げる。会社としてパワーハラスメントの事実を認め、ご遺族に謝罪した。今回の事案を 真摯に受け止め、再発防止に取り組む」とのコメントを発表した。

◆「一緒に死のう」依然として多い、自殺を誘うネット書き込み indexへ

 警察庁からの委託でサイバー空間の違法・有害情報の通報を受け付ける「インターネット・ホットラインセンター(IHC)」に今年上半期(1~6月)、「一緒に死のう」などと他人を自殺に誘う書き込みに関する情報が1797件寄せられていたことがわかった。前年同期(3042件)よりは減ったが、過去5年で2番目に多かった。
 自殺に誘う書き込みの情報を入手した場合、IHCは都道府県警に通報するとともに、プロバイダー(接続業者)に対応を依頼している。10月までに依頼した1628件のうち約64%にあたる1045件が削除されたという。
 IHCには上半期に計17万9508件の通報があり、うち2万8128件が薬物や性犯罪、自殺などに関連する違法・有害情報だった。わいせつ動画などが1万5570件で最も多く、麻薬などの広告(7195件)が続いた。

◆救急車が出払っていると勘違い、別の署に出動要請し到着5分遅れる…搬送先で男性死亡 indexへ

 京都府の乙訓消防組合消防本部は2日、向日市内で意識を失った男性の救急搬送要請を受けた救急隊の到着が、5分遅れるミスがあったと発表した。男性は搬送先の病院で死亡。消防本部は「到着の遅れと死亡との因果関係は確認中」としている。
 発表によると10月30日午後2時50分頃、向日市内で「男性が倒れた。呼吸はあるが、意識がない」と119番があり、消防本部指令係が向日消防署に出動を要請した。その際、救急隊との連絡ミスで救急車が全て出払っていると誤認し、別の署に応援要請した。
 一方で向日消防署に非常用救急車があることに気づくまでに時間がかかり、通常6分で到着できるところが11分かかったという。救急隊の到着時、男性は心肺停止状態で、約2時間後に搬送先の病院で死亡した。
 消防本部予防課は「問題点を検証し再発防止に努める」としている。

◆心筋梗塞の手術受けた男性、看護師らがモニター監視怠り死亡…220万円の賠償命令 indexへ

 愛媛県宇和島市立宇和島病院に入院していた男性が死亡したのは、病院側が監視の義務を怠ったのが原因などとして、遺族側が市などに約4600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、松山地裁であった。 阿閉正則裁判長は、「看護師らは異常がないか確認する義務を怠った。速やかに処置が行われていれば(男性は)死亡した時点で、生存していた可能性がある」とし、同市に約220万円の賠償を命じた。
 判決によると、2013年7月22日、男性(当時62歳)は心筋梗塞と診断された後、手術を受けた。経過観察で入院していた同25日夜、病変を知らせる警告が作動したにもかかわらず、看護師らは心電図モニターの監視を怠った。男性は約3時間後、心肺停止の状態で見つかり、死亡した。
 病院側は「判決内容を確認できておらず、コメントは控える。今後内容を精査して対応したい」としている。

◆尿糖・尿たんぱく「異常なし」の人に「要医療」…市が健診で91人に誤通知 indexへ

 仙台市は28日、市が実施した健康診査で、誤った結果を市民91人に通知したと発表した。
 市によると、今年6~9月に健診を受けた8万1337人のうち、91人の尿糖と尿たんぱくの検査結果について、「異常なし」のところ、受診を勧める「要医療」と通知するなどした。医療機関で記載した結果を宮城県医師会健康センターがスキャナーで読み取る際、薄い線が入る不具合が生じて数字を誤読し、そのまま受診者に送ったという。
 市は正しい結果を市民に再送している。市保険高齢部の米内山武部長は「再発防止を徹底する」と述べた。

◆「持病の薬もらいに来た」病院元理事長を侵入・窃盗容疑で逮捕 indexへ

 千葉県警野田署は28日、野田中央病院(野田市)の元理事長の男(75)を建造物侵入と窃盗の両容疑で逮捕した。
 発表によると、元理事長は9月21日午後1時半頃、同病院に侵入し、痛み止めや胃薬(時価計1410円相当)を盗んだ疑い。調べに対し、元理事長は「持病の高血圧の薬をもらいに来た」と話しているという。

◆「かわいくて気持ちが曲がってしまった」元保育士、入浴介助中に男児にわいせつ indexへ

 男児にわいせつな行為をしたなどとして、強制わいせつ罪と児童買春・児童ポルノ禁止法違反に問われた千葉県東庄町、元保育士の男(26)の初公判が28日、千葉地裁(片岡理知裁判官)で開かれた。男は罪状認否で「間違いない」と起訴事実を認めた。
 起訴状によると、男は5月26日、勤務していた県内の児童養護施設で、男児の入浴介助中にわいせつな行為をした上、その様子を撮影し、児童ポルノを製造したとされる。
 男は、被告人質問で、「(男児が)甘えてくる様子がかわいくて、気持ちが曲がってしまった」と動機を説明。昨年9月以降、同様のわいせつ行為を4、5回行ったことを明かした。

◆中2女子凍死、市長「いじめあったと判断」…死との因果関係は第三者委調査を待つ考え indexへ

 北海道旭川市の公園で今年3月、市内の中学2年広瀬 爽彩さん(当時14歳)が凍死しているのが見つかった問題で、同市の今津寛介市長は28日、報道陣に「市長として、いじめがあったと総合的に判断した」と述べた。
 判断の根拠として、今津市長は過去の会議資料や市教育委員会の説明、広瀬さん本人のSNSの音声などを挙げた。同日の市議会で「いじめであると認識した」と答弁した。いじめと広瀬さんの死との因果関係については、市教委が設置した第三者委員会の調査結果を待つ考えを示した。
 市議会での答弁に先立ち、今津市長は第三者委の辻本純成委員長と面談し、いじめに関する自らの認識を伝えた上で、「いじめ(があった)との認識のもとで調査を進めてほしい」との意向を伝えたという。
 広瀬さんの問題については、市教委が今年5月、いじめの疑いがあるとして調査に着手した。今津市長は10月8日、「迅速な対応が必要だ」として市教委に調査の前倒しを要請し、市教委は第三者委に10月中と今年度内に、それぞれ中間報告と最終報告を取りまとめるよう要請した。

◆3回目のワクチン接種、希望者全員が対象…2回目から8か月経過が目安 indexへ

 新型コロナウイルスワクチンの3回目の追加接種について、厚生労働省は28日、2回の接種を終えた全ての希望者を対象とする方針を固めた。
 同日開かれた厚労省の専門家分科会で、委員の意見が一致した。ワクチンの感染予防効果が2回接種後半年で全年代で減少したとする海外の報告や、欧米で追加接種の対象者を徐々に拡大する動きがあることを考慮した。
 60歳以上では、時間の経過とともに重症化予防効果が低下したとの報告もあり、厚労省は、ワクチンの効果が低下しやすい人などについての情報提供を行うとしている。
 追加接種の時期について、2回接種完了からおおむね8か月以上の間隔を空けるとしている。今年2月に先行接種を始めた医療従事者は12月から、高齢者らは年明け以降に始まる見通しだ。1、2回目と異なるメーカーのワクチンを3回目で打つ「交互接種」の是非については議論を継続する。
 国内でワクチンの2回目の接種を終えた人は27日までの集計で、全人口の70・9%にあたる8974万9134人。政府は来年用のワクチンとして計3億2000万回分の供給を受ける契約を製薬企業と結んでいる。

◆5都府県の3万人対象にコロナ抗体検査…ワクチン接種が進んでから初 indexへ

 厚生労働省は28日、東京、大阪、宮城、愛知、福岡の5都府県の住民計3万人を対象に、12月と来年2月に新型コロナウイルスの抗体検査を行うと発表した。
 大規模な抗体検査は昨年2回行ったが、ワクチン接種が進んでからは初めて。
 抗体検査では、ウイルス感染やワクチン接種によってできる体を守る抗体が、血液中にあるかどうかを調べる。
 厚労省の担当者は「第4波、第5波の感染拡大やワクチン接種の進展を経て、どれだけ抗体を持つ人が増えたか確認したい」と話している。
 昨年12月に行われた大規模検査では、抗体がある人が、東京で1・35%、大阪0・69%、宮城0・14%、愛知で0・71%、福岡で0・42%にとどまっていた。

◆自粛呼びかける中、40代警視が無断で部下とキャンプ…酒飲みバーベキューも indexへ

 外泊を上司に届け出ずに部下らと泊まりがけのキャンプに出かけるなどしたとして、兵庫県警が西播地域の警察署に勤務する40歳代の男性警視を本部長訓戒の処分にしたことが27日、わかった。処分は9月1日付。
 県警によると、警視は県警留置管理課に勤務していた昨年9月と11月、無断で部下数名と兵庫県内のキャンプ場を訪れ、1泊2日のキャンプを計2回、実施。県警が新型コロナウイルス対策で飲酒を伴う会合の自粛を呼びかけていたのに、酒を飲んでバーベキューをしたという。警視は昨年7月、同課の部下2人に負担の重い業務をさせるパワーハラスメントもしていた。

◆生活保護担当の職員、資料改ざんし85万円過大支給…「脅され強い苦手意識あった」 indexへ

 高知市は27日、生活保護の支給に関わる事務で職員が資料を改ざんし、2世帯に計約85万円が過大に支給されたとして、当時の健康福祉部の主事を減給10分の1(2か月)の懲戒処分にした。
 発表によると、主事は昨年8月頃、2世帯それぞれへの前年の支給額を課税状況から確認する資料を作成する際、実際より課税額を少なくして資料を作成した。申告された収入と比べ課税額が多かったため、未申告の収入がないかを確認するなどの対応が必要だった。
 今年の同様の調査で改ざんが判明。市は該当世帯に返還を求める手続きを進めている。主事は「(この世帯の人に)脅されたり、高圧的な態度を取られたりして、強い苦手意識があった」と話しているという。
 また同日、公印2個の紛失について、昨年度、部局長への報告など適切な対応をしなかったとして、中央窓口センターの元所長を減給10分の1(2か月)、当時の担当職員を減給10分の1(1か月)の懲戒処分にした。

◆チッソがひそかに行った「ネコ実験の小屋」修復…水俣病と廃液の因果関係公表せず被害拡大 indexへ

 約60年前に水俣病の原因がチッソ水俣工場が流した廃液であることを究明した実験小屋「ネコ実験の小屋」の修復作業が、25日から始まった。熊本県水俣市の「水俣病歴史考証館」に保存、展示されているもので、ネコを使った実験に関する唯一の史料。関係者は「水俣病の教訓を伝える意味で後世に残す必要がある」とする。
「ネコ実験の小屋」の屋根などのサビを落とす関係者ら
 実験小屋は同市の一般財団法人「水俣病センター相思社」が所有しており、幅2・3メートル、高さ1・65メートル、奥行き1・6メートル。木製で、屋根はトタン製、側面は金網で出来ている。サビなどの劣化が目立っており、国立民族学博物館(大阪)に依頼し、初めて修復することになった。
 水俣病の公式確認は1956年だが、原因は分かっていなかった。チッソはその後、ネコに工場の廃液を混ぜたえさを食べさせる実験をこの小屋でひそかに始めた。チッソの付属病院長だった細川一氏らが59年、廃液と発症の因果関係を解明したが、チッソは結果を公表せずに廃液を流し、被害を拡大させた。
 細川氏はチッソの社員と医師という立場の板挟みで苦悩したとされる。患者らがチッソに損害賠償を求めて69年に提訴した第1次訴訟の際には入院中の病室から実験について証言。73年の患者勝訴につながった。
 相思社は74年から様々な史料を収集しており、実験小屋は、付属病院から譲り受けていたチッソ従業員から寄贈を受け、保存してきた。相思社の葛西伸夫さん(51)は「小屋は水俣病を語り継ぐ上で非常に貴重な史料。修復し、今後も展示していきたい」と話している。

◆日大巡る事件、特捜部捜査の端緒は医薬品談合…元理事ら再逮捕 indexへ

 日本大学付属病院の建て替え計画を巡り、日大資金を流出させたとして逮捕された元日大理事の井ノ口忠男容疑者(64)らが、付属病院で使う医療機器の調達でも日大に2億円近い損害を与えたとして、東京地検特捜部は27日、井ノ口容疑者と、大阪市の医療法人「錦秀会」前理事長・籔本雅巳容疑者(61)を背任容疑で再逮捕した。井ノ口容疑者は否認しているが、籔本容疑者は一連の背任容疑を認めたという。
 発表などによると、2人は共謀し、今年3~5月、日大が医学部付属板橋病院(東京都板橋区)で使う画像診断機や電子カルテシステムといった医療機器をメーカーから調達する際、籔本容疑者側の会社に計約1億9800万円を流出させるため、日大に同額分を過大に支出させる契約を締結させた疑い。
 関係者によると、医療機器の調達は、画像診断機など7台を計約14億6000万円でリース会社を通じて納入するほか、約9億円かけて電子カルテシステムを更新する内容だった。
 日大は2017年4月から、医療機器のほか、医薬品や医療器具などの調達について、契約事務を100%出資の関連会社「日本大学事業部」(東京都世田谷区)に集約していた。井ノ口容疑者は以前から日大事業部の運営に関わり、19年12月には取締役に就任。画像診断機や電子カルテシステムなどを調達する際、複数のコンサルタント会社の介在を画策したという。
 その結果、過大支出にあたるとされる約1億9800万円のうち、約1億3100万円は籔本容疑者の親族が役員を務める大阪市の医療コンサル会社に、約6700万円は籔本容疑者が全株式を保有する東京都港区の医薬品関連会社に流出したとみられている。
 特捜部は27日、板橋病院の建て替えに伴う設計業務契約を巡り、昨年8月上旬、都内の設計会社を介して医薬品関連会社に2億2000万円を送金したとする背任罪で両容疑者を東京地裁に起訴した。
 井ノ口容疑者は2億2000万円の送金直後、知人に売却した会社名義で籔本容疑者側から6600万円を受領したとされるが、これとは別に、医療機器の調達を巡っても同様の方法で約2700万円を受領した疑いがあるという。特捜部は、いずれも日大資金の流出先となった籔本容疑者側からの「謝礼」とみている。
 一方、籔本容疑者は2億2000万円が送金された2日後、田中英寿・日大理事長(74)に3000万円を提供したほか、3年間で少なくとも数千万円を提供したと供述しており、特捜部が授受の有無や趣旨などを慎重に調べている。田中理事長は特捜部の任意の事情聴取に対し、籔本容疑者からの現金の受領を否定したという。
 日大を巡る一連の事件は、特捜部が昨年10月に公正取引委員会と合同で捜索を行った独立行政法人「地域医療機能推進機構」(東京)の医薬品発注を巡る談合事件が端緒となった。
 関係者によると、特捜部は、複数の医薬品卸大手から押収した資料を分析するなどした結果、日大付属病院と医薬品卸側の取引に絡んで、籔本容疑者側の会社への不透明な資金の流れがあることを確認。医薬品や医療機器の調達で、井ノ口容疑者らが資金を流出させていた疑いのあることを把握していったとみられる。
 特捜部は、日本大学事業部で元々、調達契約の事務処理を担当していた井ノ口容疑者が、医薬品や医療器具の調達でも日大に過大な支出をさせる一方、懇意のコンサルタント会社などに指示して籔本容疑者側に資金を流出させる枠組みを作ったとの見方を強めており、この枠組みが今回の再逮捕容疑になっている。
 井ノ口容疑者らは、最初の逮捕容疑となった板橋病院の設計業務契約でも同様の枠組みを用いていたとみられる。当初、籔本容疑者側への送金に難色を示していた都内の設計会社には、日大から設計費などを前払いした上で、送金を実行させており、検察幹部は「捜査が及ばなければ、さらに多額の資金が流出していた可能性が高い」と話す。

◆「アベノマスク」8200万枚配られず、倉庫保管料は6億円にも…希望する施設減ったため indexへ

 新型コロナウイルス対策で全国に配布するために政府が調達した布マスク約2億8700万枚のうち、3割近い約8200万枚(約115億円相当)が配られずに倉庫に保管されていたことが、会計検査院の調べでわかった。保管費用は今年3月で計約6億円に上っており、検査院は近く、厚生労働省に有効活用などを求める方針。
 政府は昨年3月以降、感染拡大に伴うマスク不足の解消を目的に、全世帯向け(1世帯2枚)の約1億3000万枚と、介護施設などや妊婦向けの約1億5700万枚の計約2億8700万枚(約400億円)を調達し、配布。多額の調達費用や配布遅れなどから「アベノマスク」と 揶揄された。
 検査院がマスクの配布状況を調べたところ、今年3月末時点で、全世帯向けの約400万枚と、介護施設などや妊婦向けの約7800万枚が、配られずに倉庫に保管されていた。保管費用は昨年8月~今年3月で計約6億円に上った。
 布マスクの配布は段階的に行われ、政府が昨年7月に3回目となる8000万枚の配布方針を示した際には、マスク不足が解消されつつあった。希望する施設などが減ったために余ったという。厚労省は「施設への配布を進め、有効活用に向けた具体策を検討する」としている。
 磯崎仁彦官房副長官は27日の記者会見で、政府の対応について「当時の状況においては適切だった」と述べた。

◆近大元教授、大阪府警からの司法解剖「検査料」詐取を否認…法医学教室詐欺事件 indexへ

 近畿大医学部法医学教室を巡る詐欺事件で、詐欺と有印私文書偽造・同行使の罪に問われた元教授・巽信二被告(67)の初公判が27日、大阪地裁であった。巽被告は、大阪府警から司法解剖の検査料約5100万円を詐取したとされる起訴事実について「無実です」と無罪を主張。大学から約3900万円をだまし取ったとする起訴事実は認めた。
 起訴状では、巽被告は、大阪市の医療機器販売会社元社員、藤戸栄司被告(53)らと共謀し、2015~21年、医療用品を購入したと装って、偽の領収書を大学に提出して、約3900万円を詐取。15~21年に、大阪府警から約5100万円をだまし取ったとされる。

◆患者を「重度障害者向け助成」の対象と装って横領…病院事務長に1・1億円賠償命令 indexへ

 福岡県粕屋町の救急指定病院「福岡青洲会病院」の事務長だった男性に資金を横領されたとして、病院を運営する社会医療法人「青洲会」が男性に約1億1000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、福岡地裁であった。立川毅裁判官は「男性は横領の事実を認め、争いはない」として、全額の支払いを命じる判決を言い渡した。
 判決によると、男性は2013年10月~今年7月、患者を重度障害者向けの医療費助成制度の対象者のように装い、自己負担した治療費を返金する必要があると経理担当者に言うなどし、受け取った約1億1000万円を横領した。男性側は横領を認める一方、一度に多額の返済は難しいなどとして請求棄却を求めていた。青洲会は今後、県警粕屋署に被害届を出す方針。

◆インフル接種希望の30代女性に3回目のコロナワクチン、誤って接種…副反応も indexへ

 仙台市は26日、市内の医療機関でインフルエンザの予防接種を希望していた30歳代の女性に、誤って新型コロナワクチンを接種したと発表した。女性は8月に2回のワクチン接種を済ませており、3回目の接種後に副反応はあったが、その後は落ち着いたという。
 市によると、女性は今月23日、医療機関を受診。誤って新型コロナワクチンの接種部屋に案内された。予診票には別人の名前が記載されていたが、医師が確認を怠ったという。その場で医療機関側が誤接種に気付き、女性に謝罪した。ワクチンは3回とも米ファイザー製だった。

◆母親が抗不安薬を投与か、1歳女児死亡…生後3か月から原因不明の発作 indexへ

 昨年5月、病院に入院していた次女(当時1歳)に治療に必要ない抗不安薬を投与したとして、大阪府警は24日、同府高石市のアルバイトの母親(33)を暴行容疑で逮捕した。調べに「やっていない」と容疑を否認しているという。次女はその後、死亡しており、府警が詳しい経緯を調べる。
 発表では、母親は昨年5月5~8日、同府和泉市の病院の病室で、入院中の次女に何らかの方法で抗不安薬を服用させた疑い。司法解剖の結果、次女の血液から抗不安薬の成分が検出された。母親は自らの病気の治療用に抗不安薬を処方されていたという。
 次女は生後3か月だった2019年5月以降、けいれんや原因不明の無呼吸発作を起こし、入退院を繰り返していた。昨年2月には、自宅で療養中に容体が急変して一時心肺停止となった。それ以来、意識不明の状態で同病院に入院していた。
 一方、病院から連絡を受けた児童相談所は虐待の疑いがあるとして19年8月と昨年2月の2回にわたり、次女の入院中に母親が面会することを制限していた。2回目は死亡直前の5月6日に解除していた。

◆児童虐待、警察が通報者名を漏らす…保護者から「警察に売られた」「絶対に許さない」と電話 indexへ

 児童虐待の通報で保護者宅を訪れた高知県警高知署員が、誤って通報者がわかる情報を伝えたため精神的苦痛を受けたとして、通報した男性が県を相手取り、200万円の賠償を求める訴訟を地裁に起こしたことがわかった。提訴は18日。
 通報者が特定できる情報を漏えいすることは児童虐待防止法で禁じられている。男性は昨年12月、子どもが暴力を受けている疑いがあると県中央児童相談所に相談。児相の職員に同行した高知署員が通報者の名前などを伝え、男性が抗議して県警が謝罪した。
 訴状では、警察官の行為は、国家賠償法上の違法行為に当たると指摘。通報した数時間後に保護者から男性の関係者に「警察に売られた。絶対に許さない」などと電話があり、保護者との関係が修復不可能になっているなどとしている。
 男性は取材に「通報者が減り、救える命が救えなくなるのは悲しい。貴重な情報源は守ってほしい」と話し、県警は「今の時点ではコメントできない」としている。

◆給食の五目きんぴらに針金、別の小学校では酢豚に木片混入 indexへ

 愛知県豊橋市は22日、市立磯辺、福岡の両小学校の給食に針金や木片が混入していたと発表した。
 磯辺小では、6年児童が五目きんぴらを食べた際、長さ約2センチの針金に気がついた。福岡小では、1年児童が酢豚を食べて、長さ約1・5センチの木片に気づいた。
 2人にけがはなく、他の児童の給食に異常はなかったという。それぞれの給食を作った調理場は別だった。
 同市で混入の原因を調べている。

◆バスタオル巻き長時間トイレ放置、足つかみ逆さづり…送迎バス放置死の保育園で虐待日常化 indexへ

 福岡県中間市の私立双葉保育園で7月、送迎バスに取り残された5歳男児が熱中症で死亡した事件で、県と市が21日、同園の保育士らが複数の園児を虐待していたとして、園を運営する同市の社会福祉法人「新星会」に改善勧告を行った。これに対し、園側は「虐待は確認できておらず、困惑している」としている。
 県などによると、保育士らは2019年以降、日常的に園児の頭をたたいたり、「好かん」「ばか」といった暴言を吐いたりした。同年には、バスタオルを巻いた状態で、園児を長時間トイレに放置。今年7月の事件後も、足をつかんで逆さに持ち上げるなどしていたという。
 勧告では、県などの監査前、特定の職員が別の職員に、虐待の事実を証言しないよう依頼していたとも指摘。▽不適切保育の原因検証と再発防止に向けた取り組みの整理▽不適切保育に関する職員間での認識共有の徹底――などの改善内容を11月22日までに報告するよう求めた。

◆元看護師の女、自分の家族に同じことをされたら「許せない」…連続中毒死事件 indexへ

 神奈川県の旧大口病院の連続中毒死事件で殺人罪などに問われた元看護師・久保木愛弓被告(34)の裁判員裁判第9回公判が20日、横浜地裁(家令和典裁判長)であった。被告人質問で、興津朝江さん(当時78歳)の遺族の代理人弁護士から、自分の家族に同じことをされたらどう思うかを問われ、久保木被告は「許せないと思います」と答えた。
 西川惣蔵さん(当時88歳)の遺族の代理人弁護士は、消毒液混入以降に自分の両親と会った時の気持ちを質問。久保木被告は鼻をすすりながら、「私のことを心配してくれる両親をかけがえのないものと思い、同時に大事な家族を奪った罪の重さを痛感した」と話した。次回の22日に結審し、判決は11月9日に言い渡される予定。

◆トイレで利用するはずの井戸水、配管ミスで30年飲み水に使用…阪大付属病院 indexへ

 大阪大は20日、医学部付属病院(大阪府吹田市)の診療棟の一部エリアで、飲用水を流すべき蛇口120か所に、簡易処理しかしていない井戸水を流していたと発表した。水道配管の接続ミスが原因で、病院完成から30年近くにわたり、職員や病院利用者の飲み水や手洗い、うがいなどに使われていた。阪大は水質を調べており、健康被害は確認されていないという。
 発表によると、病院は1993年に完成。簡易処理した井戸水は、水洗トイレに利用する想定だったが、施工時に誤って別の配管とつないでいたという。新たな診療棟の整備に向け、業者が建物を調べた際に判明した。この水は病院が週1回、色や味、臭いなどを検査してきたが、記録が残る2014年4月以降、問題はなかったという。
 中谷和彦理事・副学長は記者会見で「高度医療を提供する大学病院が不安を与え、大変申し訳ない」と謝罪した。簡易処理した井戸水を使う建物は学内で他に105棟あり、配管を確認するという。

◆複数の園児に体罰や暴言、県が改善勧告へ…送迎バスに取り残され男児死亡の保育園 indexへ

 送迎バスに取り残された男児が死亡する事件が起きた福岡県中間市の私立双葉保育園で、保育士らが複数の園児に対し、体罰を行ったり、暴言を吐いたりしていたとして、県が21日に園の設置者である社会福祉法人「新星会」(中間市)に改善勧告をする方針を決めたことがわかった。
 関係者によると、県と市が特別監査を進める中で情報提供があり、園の職員に聞き取りを行うなどして事実関係を調査。体罰や暴言など不適切な行為が数年前から繰り返されていたことが確認された。
 園では7月29日に1人でバスを運行していた前園長が、園児を降ろした後の車内確認を十分行わずにバスを施錠し、男児が熱中症で死亡した。

◆釣ったフグ、自宅で調理して食べた親子2人が食中毒…唇のしびれや吐き気などの症状 indexへ

 北九州市は18日、釣ったフグを自宅で調理して食べた同市門司区の親子2人が食中毒を起こしたと発表した。2人とも快方に向かっているという。市保健衛生課によると、母親(80)と息子(54)が16~17日、家族が釣ったフグを刺し身やみそ汁にして食べたところ、18日に唇のしびれや吐き気などの症状が出た。フグに含まれる猛毒・テトロドトキシンが原因とみられる。同課は「フグ調理には資格が必要。自分で調理して食べないでほしい」と注意を呼びかけている。

◆上司から「バカ野郎」、大声で1時間以上の叱責も…神奈川トヨタ社員自殺「パワハラ」認定 indexへ

 2019年5月にトヨタカローラ横浜(現・神奈川トヨタ自動車)の男性社員(当時38歳)がうつ病で自殺したのはパワハラが原因だったとして、藤沢労働基準監督署が労災認定したことがわかった。両親と代理人弁護士が20日、記者会見を開いて明らかにした。認定は今年6月22日付。
 代理人弁護士らによると、男性は大学卒業後に同社に入社し、13年頃から藤沢店(現・辻堂太平台店)で自動車販売や自動車保険の加入者獲得、休日に行われるフェアへの誘客などを担当。18年6月以降、上司から「バカ野郎」などと言われたり、ほかの社員の前で1時間以上にわたって大声で 叱責されたりした。藤沢労基署は、男性がパワハラによって19年2月下旬にうつ病を発症し、自殺したと認定した。
 両親は「なぜ息子が死ななければいけなかったのか、その理由をどうしても知りたかった。日本の全ての企業にもっと働きやすい環境を作ってほしい」と訴えた。
 同社は「このような痛ましい事案を再び起こさないよう、ハラスメント行為の撲滅に不退転の決意で取り組んでまいります」とのコメントを出した。

◆群馬大病院で乳児ら10人が酸素欠乏症…ミルクの水から基準超す窒素、外来受け入れ休止 indexへ

 群馬大学(前橋市)は20日、付属病院の新生児集中治療室などに入院している乳児10人が、敷地内の井戸水が原因とみられる酸素欠乏症(メトヘモグロビン血症)を起こしたと発表した。全員が回復し命に別条はない。病院は井戸の水を浄化して飲み水などに利用していた。
 発表によると、19日午後5時頃、看護師が乳児2人の顔が青白くなっているのを確認。乳児が飲んでいたミルクに使用した水を調べたところ、亜硝酸態窒素が環境基準(1リットルあたり0・04ミリ・グラム)の1万2250倍、硝酸態窒素が環境基準(1リットルあたり10ミリ・グラム)の1・4倍検出された。
 病院は21日以降、すべての診療科で外来の受け入れを休止。入院病棟などの水供給は、前橋市の給水車が対応している。

◆知的障害ある20代女性にわいせつ容疑、福祉施設の元職員逮捕…「同意があった」と否認 indexへ

 知的障害のある女性にわいせつな行為をしたとして、京都府警南丹署は19日、南丹市、無職の男(56)を準強制わいせつ容疑で逮捕した。「同意があった」と否認しているという。
 発表では、男は2019年11月中旬、同市内の福祉施設内で、府内の20歳代女性にキスをした疑い。男は当時、同施設の職員だった。

◆乳幼児用のパンを喉に詰まらせ、10か月の男児死亡 indexへ

 国民生活センターは19日、沖縄県の生後10か月の男児が2020年3月、乳幼児用に市販されているパンを喉に詰まらせて死亡する事故が起きていたと発表した。21年6月にも静岡県の生後11か月の男児が、同じパンを喉に詰まらせていたが命に別条はなかった。
 同センターによると、事故があった商品は、カネ増製菓(大阪府)が製造する「かぼちゃとにんじんのやさいパン」。パンの大きさは縦3センチ、横3・5センチ、厚さ2センチだった。
 沖縄県の男児は、このパンをおやつとして食べていたが、母親が一瞬目を離した隙に、一つを丸ごと口に入れてのみ込もうとして窒息した。ふやけたパンが喉の奥まで詰まっていたという。
 同社は、事故を受けて、パッケージに記載していた対象年齢の「10ヶ月頃から」を「1才頃から」とし、「あくまで目安」と注意を添えた。また、パンの大きさも、丸ごとのみ込めないように改善するという。
 同センターは「窒息事故は当該商品以外でも起こりうる。1歳前後の子どもに食べ物を与える際は、小さく切って水などを飲ませ、のみ込むまで目を離さないでほしい」と注意を呼びかけている。

◆個人宅でマスクなしの長時間宴会、換気もせず…5人が感染しクラスター認定 indexへ

 福島県は17日、白河市で2人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。県南保健所管内の個人宅で行われた宴会での感染者が16日までに5人を数え、クラスター(感染集団)と認定された。累計感染者は9478人。
 県によると、宴会は今月、約10人が参加して行われた。マスクなしで長時間に及び、換気もしていなかったという。

◆高齢者住宅の入居者に過剰介護で「囲い込み」横行、自治体の4割が把握…読売調査 indexへ

 見守りサービス付きの高齢者向け住宅の入居者に、過剰な介護サービスを使わせて利益をあげる「囲い込み」と呼ばれる不適切な行為が問題になっている。所管する都道府県などに読売新聞がアンケート調査を実施したところ、約4割が事業者による囲い込みを把握していた。一方で約9割の自治体が立ち入り調査を計画通りに実施できておらず、チェックが追いつかない実態が浮き彫りになった。
9割で立ち入り調査進まず
 調査は7~8月、全国で約27万人が暮らすサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)が2011年度の制度創設から10年になるのに合わせ、所管する都道府県や政令市など129自治体にアンケート形式で実施。対象の全自治体が回答した。
 サ高住では、安い家賃で集めた入居者を併設する自社のデイサービスに通わせるなどして、税金と保険料が主な財源の介護保険で利益を確保する「囲い込み」があるとされる。囲い込みは、利用者の自立を妨げる過剰介護につながりやすく、介護給付費の増大を招いて保険料上昇の要因にもなるため、厚生労働省が自治体に指導の徹底を求めている。
 調査では囲い込みについて、通報や苦情などを通じて51自治体が「把握している」と回答。内容(複数回答)は「併設事業所の介護サービスしか使わせない」(47自治体)、「介護保険で定められた限度額ぎりぎりまでサービスを使わせる」(35自治体)を挙げた。
 運営状況を監視するため、国の指針に基づいて実施する定期的な立ち入り調査については、18~20年度に計画通り実施できたのは18自治体だった。20年度の立ち入り件数は計530施設と、前年度より約6割減少した。
 計画通り実施できなかった111自治体に理由を複数回答で聞いたところ、101自治体が新型コロナウイルスの影響を、42自治体が職員不足を挙げた。
 ◆ サービス付き高齢者向け住宅 =改正高齢者住まい法に基づき2011年度に制度化された民間の賃貸住宅。部屋の広さや職員による安否確認などの条件を満たせば、都道府県や政令市、中核市に登録される。入居は原則60歳以上で、費用は全国平均で月約10万5000円。

◆「接種しなければクビ」と脅し・体調不良報告せず契約打ち切られる…職場で過剰反応続々 indexへ

 「体調不良をすぐに報告しなかったことを理由に労働契約を打ち切られた」「ワクチンを接種しなければクビにすると脅された」。新型コロナウイルスを巡り、職場などで行き過ぎとも取れる対応が相次いでいる。差別を防ぐために条例を施行する自治体もあり、日本弁護士連合会などは「過剰な措置は人権侵害に当たる恐れもある」として冷静な対応を呼びかけている。
日弁連「人権侵害の恐れ」
 福岡県の高齢男性は数年前から、県内の病院院長を送迎するハイヤーの運転手を務めてきた。今年1月、寒けを覚えて受診したが、体温は36・5度で、医師も「コロナ感染の兆候はない」と診断。数日間、勤務を続けたが体調不良が続いたため再度受診したところ、医師に「念のため」と勧められたPCR検査で陽性と判明した。
 男性はその日、ハイヤーの契約を結んでいる病院に連絡し、保健所の指示でホテルに待機。4日後に改めてPCR検査を受け、翌日に陰性との結果が出たが、病院はその日、契約解除を通知した。
 男性は今年3月、病院側を相手取り、契約上の地位確認を求めて福岡地裁に提訴。「単なる風邪と思っても仕方ない状況だった。運行契約は唯一の収入源で、突然の解約はあまりにも過酷だ」と主張した。病院側は「軽い症状でもコロナを疑い、ただちに報告すべきだった。男性を信頼できなくなった」と反論した。
 地裁は「陽性の検査結果は契約継続をためらわせる」とする一方、「当時の病状や解約の経緯も考慮するのが相当」とし、病院側が解決金として90万円を支払う和解案を提案。8月にその内容で調停が成立した。
 男性の代理人弁護士は「男性の対応は確かに適切ではなかったかもしれない。ただ、病院側に実害もなく、解約するほどの義務違反と判断するのは過剰だ」と話す。
 厚生労働省によると、各地の労働局が実施している労働相談には、感染拡大を理由に職場から自宅待機を命じられ、そのまま契約が更新されなかったなどの相談も寄せられているという。
 新型コロナワクチンは感染拡大の防止に大きな効果があったが、接種は任意であるのに、強要するかのような事例も目立っている。「ワクチンを接種しなければクビと言われた」(臨床工学技士)、「アレルギー体質のため接種を拒否していたのに強要された」(介護施設職員)、「接種するよう職場で同調圧力がある」(市役所職員)。日弁連が今年5月に行った電話相談には、約200件の相談が寄せられた。職員ごとにチェック表が貼り出され、ワクチン接種の有無が公開されている職場もあったという。
 過剰な対応を防ごうと、対策に乗り出した自治体も増えている。高知県は7月、個人や事業者に対し、感染の疑いがある人やワクチンの未接種者らへの差別的な取り扱いや中傷、いじめなどを禁止する条例を施行。栃木県那須塩原市は8月、すでに制定していた感染者への差別防止条例の対象を未接種者らにも拡大する内容に改正した。
 日弁連人権擁護委員会委員長の川上詩朗弁護士は「感染防止はもちろん大事だが、働く権利なども生活を支えるうえで非常に重要だ」と強調。「解雇などの重い措置には本来、正当な理由と慎重な手続きが求められる。双方で十分に時間を取って話し合うなど、丁寧で冷静な対処に努め、感覚的な対応は避けるべきだ」と話している。

◆救急車が脱輪して搬送19分遅れ、心肺停止の男性死亡…消防本部「因果関係は不明」 indexへ

 福島県いわき市消防本部は15日、救急車が脱輪した影響で市内の70歳代男性の病院搬送が19分遅れたと発表した。男性は自宅で心肺停止状態になり、搬送先の病院で死亡した。
 発表によると、14日午後6時2分、男性の妻が自宅から「意識呼吸がない」と119番した。9分後に到着した消防隊が、心肺停止状態の男性に救命措置を行ったが、男性宅に向かっていた救急車が脱輪して走行不能となり、別の救急車が男性を病院に搬送したという。同消防本部は「遅延と死亡の因果関係は不明」としている。

◆毒グモ「セアカゴケグモ」17匹、県外から搬入の荷物に付着…かまれると重症化も indexへ

 富山県は14日、富山市新庄本町の事業所内で特定外来生物の毒グモ「セアカゴケグモ」17匹と卵のう21個が見つかったと発表した。県内での確認は今年5例目で計12回目。
 県自然保護課によると、14日午前9時頃、県外から搬入された荷物に付着していた個体などを従業員が発見した。かまれると重症化する恐れもあり、同課は「殺虫剤などで弱らせ、踏みつぶした後に連絡してほしい」としている。

◆「大麻の合法的成分を投与した未成年」の大半が所在不明…元教授4論文、京大が捏造と発表 indexへ

 京都大は15日、京大霊長類研究所(愛知県犬山市)元教授で著書「ケータイを持ったサル」などで知られる 正高信男氏(66)が2014~19年に発表した4本の論文が 捏造だったとの調査結果を発表した。
 正高氏は昨年3月に霊長研を定年退職したが、当時既に不正の疑惑があったため、退職金の支払いは保留になっている。霊長研は今後、4本の論文について正高氏に撤回を勧告するとともに、処分を検討する。
 発表によると、4本はいずれも正高氏が一人で執筆しており、うち1本は大麻の合法的成分「カンナビジオール」(CBD)の効果を調べた論文。対人関係を築くことが困難な社会不安障害の改善に効果があるかどうかを調べるため、18、19歳の男女に投与したとの内容で、19年にスイスの科学誌に掲載された。

◆濃厚接触者名や行動履歴含む1200枚、路上に散乱…「全て回収できたか不明」 indexへ

 北海道は15日、静内保健所が廃棄予定だった文書約1200枚が14日に札幌市中央区の路上に放置されているのを発見したと発表した。
 書類には、新型コロナの濃厚接触者の名前や行動履歴などが含まれていた。市民からの連絡を受け、回収を進めたが、道路に散らばっていたため、全てを回収できたかは不明という。

◆女性看護師の顔を肘打ち、SNSで「殺す」とメッセージ…容疑の医師を逮捕 indexへ

 知人女性に暴行してけがをさせたなどとして、京都府警舞鶴署は14日、福知山市、市立福知山市民病院医師の男(34)を傷害や脅迫などの疑いで逮捕した。容疑を否認しているという。
 発表によると、医師は7~8月にかけ、舞鶴市内に停止中の車内で府内の看護師女性(26)の顔を肘打ちしてけがを負わせるなどしたほか、SNSで女性に「殺す」と書いたメッセージを送って脅迫した疑い。
 同病院の阪上順一院長は「病院への信頼を大きく裏切るもので、心から深くおわびする」とのコメントを出した。

◆ワクチン接種女性、4割に「わきの下の腫れ」…乳がん検診にも影響 indexへ

 新型コロナウイルスワクチンを接種した女性の4割に、わきの下のリンパ節が腫れる副反応が2か月続いていたとする調査結果を、聖路加国際病院の研究チームがまとめた。わきの下のリンパ節の腫れは乳がん転移の際にもみられるため、チームは接種後に検診を受ける人に注意を呼びかけている。
 チームは今年5月、ファイザー製ワクチンを2回接種して8週間以内の23~63歳の健康な女性135人を対象に超音波検査を実施し、わきの下のリンパ節の状態を調べた。
 その結果、67人に、接種した腕と同じ側のリンパ節の腫れがみられ、このうち54人は8週間が経過した時点でも腫れていた。多くの人は消失するまでに11週間程度かかった。
 研究チームの同病院乳腺外科の喜多久美子医師は、「乳がん検診を受ける場合、2回目のワクチン接種後に数か月の期間をおくか、難しければ検診担当者に接種したことを伝えてほしい。乳がんがある患者は、がんがある部位と反対側の腕に接種するのが望ましい」と話している。

◆日本脳炎の予定がコロナに…診療室分けずワクチン誤接種、12歳未満の子どもに副反応か indexへ

 北海道七飯町は14日、町内の医療機関で日本脳炎ワクチンを接種する予定だった12歳未満の町内の子どもに対し、誤って新型コロナウイルスワクチンを接種するミスがあったと発表した。
 発表によると、今月12日、医師が子どもに誤ってファイザー社製のワクチンを接種した。医師は1人で、診察室を分けずに複数種類のワクチンを扱っていた。医師はその場で誤接種に気づき、子どもと保護者に謝罪した。子どもは翌13日、同ワクチンの副反応とみられる37・9度の発熱があったが、14日には平熱に戻り、今のところ健康被害は確認されていないという。

◆肝腫瘍の検査で腹部に針、動脈傷つけ患者死亡…「1000人に1人の死亡例」口頭説明怠る indexへ

 佐賀大は15日、同大医学部付属病院に入院中の70歳代男性患者が、肝腫瘍の生体組織診断(生検)を受けた際の医療事故が原因で死亡したと発表した。
 発表によると、男性は他の病院で肝腫瘍の検査を受けていたが、さらに精密な検査を受けるために今年9月中旬、同大医学部付属病院に入院。肝臓・糖尿病・内分泌内科の医師2人が生検のため腹部に針を刺すなどした際に 肋骨間の動脈を傷つけ、男性は生検から約4時間後、容体が悪化し、翌日死亡した。
 同大によると、生検の同意説明文書には1000人に1人の割合で死亡例があることを記していたが、男性と家族に口頭説明も怠っていた。同大は10月上旬、第三者機関「医療事故調査・支援センター」に報告したと明らかにした。
 記者会見した同病院の山下秀一院長は「患者様とご家族に深くおわび申し上げる」などと述べた。

◆保育園の遊具の隙間に首挟まり、ぐったりした2歳男児を発見…意識不明の重体 indexへ

 14日午前10時10分頃、岡山市北区富原の認可保育園「第二さくら保育園」で、同園に通う市内の男児(2)が、園庭の遊具の隙間に首が挟まった状態でぐったりしているのを保育士が見つけた。男児は救急搬送されたが、意識不明の重体。同園によると事故当時、園庭では保育士3人が男児を含む17人の園児を見守っていたという。岡山県警は、業務上過失傷害容疑で当時の状況や管理体制を調べる。
 県警の発表によると、男児は午前9時50分頃から2歳児クラスの園児と園庭で遊んでいた。事故があった遊具は、ジャングルジムに滑り台やうんていが取り付けられた構造。男児の姿が見えないため、保育士が捜したところ、首が遊具の隙間に挟まっているのを見つけた。
 園によると、遊具の下を三輪車で通って頭をぶつけそうになる園児がいたため、通れないように園が仕切り板を取り付けていたという。男児が挟まっていたのは仕切りの上部の隙間だった。

◆洗口液と間違え、手指消毒のアルコール配布…児童24人全員はき出す indexへ

 新潟市教育委員会は13日、市立内野小学校(新潟市西区)で1年生24人が虫歯予防のための「フッ化物洗口」を行った際、誤って手指消毒用のアルコールを配布し、15人が頭痛や喉の痛みなどを訴えたと発表した。医療機関で手当てを受けたが、症状が重い児童はいないという。
 市教委によると、同日午前8時25分頃、学級担任がフッ化物を含んだ液体を紙コップに入れて児童に配布する際、誤って近くにあった手指消毒用アルコールを入れて配った。洗口後に担任が誤配布に気付き、児童24人全員がはき出した。
 同小では週1回、フッ化物洗口を行っている。今後は、作業台に不必要なものを置かないことや、洗口前に液体のにおいを確認することなどの再発防止策を徹底するという。

◆保育施設の女性園長、2歳児の頭からお茶かける…頻繁にどなり声も indexへ

 熊本県合志市の認可保育施設で、女性園長(60歳代)が園児をたたくなどの虐待を行っていたことが13日、市への取材で分かった。園長は市に対して事実関係を認め、保育現場から退く意向を示しているという。また、市が施設への定期監査を怠っていたことも明らかになった。
 市によると、0~2歳児を受け入れている小規模保育施設。今年の夏頃から園長が頻繁にどなり声を上げるようになり、2歳児の頬を手でたたいたり、お茶を頭からかけたりした。
 9月下旬、施設の保育士から市に相談があって発覚。園長に話を聞いたところ、「手をあげてしまったことは間違いない」と認め、保育現場から退くことを約束した。市は施設の認可取り消しを検討している。
 一方、児童福祉法は市に監査を年1回以上実施し、施設が安全に運営されているか確認するよう求めているが、この施設が認可を受けた2015年度以降は、18年度の1回しか行っていなかった。市は引き継ぎが不十分だったことなどを理由に挙げている。

◆ワクチン2回接種後に感染しても…8割が「他の人にうつさず」 indexへ

 新型コロナウイルスワクチンの2回接種後に感染した人の8割が、他の人にうつす「二次感染」を起こしていなかったとの調査結果を和歌山県がまとめた。13日に開かれた厚生労働省の助言機関の会合で報告した。
 調査結果によると、感染第5波のさなかの7月11日~9月10日に、同県内で2回のワクチン接種完了後に感染した235人のうち、191人(81%)が他の人にうつしていなかった。未接種または接種1回のみの感染者2111人では、1515人(72%)が二次感染を起こしていなかった。調査を受け、和歌山県は「ワクチンの2回接種は、地域での感染拡大防止に効果がある」との見方を示している。
 一方、助言機関は、全国の新規感染者数について、「減少が続き、第5波のみならず、今春の第4波の感染拡大前の水準も下回った」との見解をまとめた。一方、感染者数の下げ止まりが懸念される地域もあることから、座長を務める脇田隆字・国立感染症研究所長は「今後の感染再拡大を防ぐためには、もう一段感染者数を落とすことが重要だ」と述べた。

◆訪問介護で訪れた女性に「睡眠薬」入りお茶?飲ませ、急性薬物中毒に…男を逮捕 indexへ

 訪問介護に訪れた女性に睡眠薬を飲ませて監禁したなどとして、京都府警下京署は12日、下京区、無職の男(58)を監禁致傷容疑で逮捕した。
 発表では、男は7月4日午後6時20分頃、下京区の自宅で、介護福祉士の女性(45)に睡眠薬を入れたお茶のようなものを飲ませて約1時間監禁し、意識障害などの急性薬物中毒にさせた疑い。女性が同署に相談して発覚した。
 男は「飲み物は出したが、薬は入れていない」と容疑を否認しているという。

◆冷凍庫にワクチン戻し忘れ、1128回分を廃棄へ indexへ

 秋田県大仙市は11日、「仙北ふれあい文化センター」に開設している新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場で、ワクチンを冷凍庫に戻し忘れるミスがあり、使えなくなったファイザー社製ワクチン1128回分を廃棄すると発表した。
 発表によると、10日午後4時20分頃、職員が11日使用分のワクチンを準備した際、冷凍庫にワクチンを戻すのを忘れた。11日午後3時頃、別の職員が冷凍庫の上にワクチンの箱が残っているのを確認し、戻し忘れたことが分かったという。
 ワクチンを冷凍庫から出して常温にした際には2時間以内に希釈し、その後、6時間以内に使用する必要があるという。

◆点滴に消毒液混入、元看護師「担当時間に患者が亡くなるのを避けたかった」…家族の叱責に恐怖 indexへ

 横浜市の旧大口病院で5年前、高齢の入院患者3人の点滴に消毒液を混ぜて中毒死させたとして、殺人罪などに問われた元看護師・久保木愛弓被告(34)の裁判員裁判第5回公判が11日、横浜地裁(家令和典裁判長)であり、被告人質問が行われた。久保木被告は、法廷にいた遺族らに「大切なご家族の命を奪ってしまい申し訳ありませんでした」と謝罪した。
 弁護側の質問に答え、久保木被告は消毒液の混入に至った経緯などを説明。事件の約5か月前、入院中に亡くなった患者の家族から、看護の仕方が悪かったせいだと 叱責され、恐怖を感じたことが大きなきっかけになったとし、「自分の担当時間に患者が亡くなるのを避けたかった」と話した。
 その後、裁判長に許可を求めた上で、遺族らの方を向き、「許していただけるとは思っていないが、おわびの気持ちを伝えたかった」と述べ、2度頭を下げた。
 起訴状などでは、久保木被告は2016年9月15~19日、旧大口病院に入院していた興津朝江さん(当時78歳)、西川惣蔵さん(当時88歳)、八巻信雄さん(当時88歳)の点滴に消毒液「ヂアミトール」を混入させ、中毒死させたなどとしている。

◆コロナ病床確保の病院、補助金で黒字拡大…実際には受け入れ困難なケースも indexへ

 財務省は11日、都道府県の要請に基づき、新型コロナウイルスの患者向け病床を確保した医療機関について、2020年度の収支状況を財政制度等審議会の分科会に提出した。通常の入院や外来診療といった医業収益の減少を病床確保に対する補助金が補い、平均収支は6・6億円の黒字だった。
 厚生労働省が補助金を受けた1715の医療機関に調査票を送り、回答のあった1290の医療機関の収支状況をまとめた。
 それによると、新型コロナの感染拡大による受診控えもあり、医業収益は前年度に比べ、平均で3・6億円減の94・9億円だった。これに対し、医師の人件費などの費用はほぼ横ばいとなる0・1億円増の98・4億円だった。
 この結果、3・5億円の赤字となったが、主に病床確保など新型コロナ関係の補助金によって、黒字は6・6億円となり、コロナ禍前の19年度(0・2億円)から大きく拡大した。
 140の国立病院でみると、新型コロナ患者を受け入れたのは94病院。平均10・1億円の補助金を受け取り、最終的な収支は平均で6・4億円の黒字だった。19年度は0・1億円の黒字だった。
 ただ、補助金を受け取った医療機関では、看護師不足や新型コロナの患者の動線確保が難しいといった理由から、新型コロナの患者受け入れが難しいケースもある。

◆林間学校の小学生・教員計83人が集団食中毒…旅館で共通の料理 indexへ

 岡山県は9日、真庭市蒜山 下和の旅館「蒜山なごみの温泉 津黒高原荘」の料理を食べた大阪府内の小学校の5年生児童77人と教員6人の計83人が腹痛や下痢の症状を訴える集団食中毒が発生したと発表した。全員軽症という。
 県生活衛生課によると、児童らは林間学校で5日と6日に宿泊し、共通の料理を3回食べた。6日夜から7日午前にかけて児童らが相次いで症状を訴え、旅館が真庭保健所に報告した。児童らはすでに大阪府内に戻っている。
 旅館の料理以外に共通の食事がないことから、真庭保健所は旅館の料理が原因の集団食中毒と断定。飲食部門を9~12日の4日間、営業停止処分とした。

◆入院患者への暴行容疑、准看護師「引きずったことは認める…放り投げてない」 indexへ

 新潟県警三条署は7日、三条市、准看護師の男(43)を暴行容疑で逮捕した。
 発表によると、男は昨年12月31日、勤務する県央地区の病院で、入院患者の男性(当時30歳代)の背中側の襟をつかんで引きずり回した後、放り投げた疑い。男性にけがはなかった。男は調べに対し、「引きずったことは認めるが、放り投げてはいない。暴行は加えていない」と容疑を否認している。

◆家庭用冷凍庫にワクチン保管、再冷凍か…244人に「不適切な温度管理」で接種 indexへ

 新型コロナウイルスのワクチン接種で、奈良県高取町は8日、町民ら244人に5~9月、不適切な温度管理をしていたワクチンを接種していたと発表した。健康被害はなく、対象者には今後、抗体検査を実施する。
 発表では、接種事業を担当する町内の民間医療機関が、町保健センターの冷凍庫からファイザー製のワクチンを搬送後、いったん冷蔵庫に保管すべきところを、家庭用冷凍庫に保管したため、再冷凍された可能性があるという。医療機関側が認識不足だったといい、町は再発防止を指導した。

◆アナフィラキシー症状で搬送中の10代女性、救急隊員の投薬ミスで心肺停止に indexへ

 千葉市消防局は7日、食物アレルギーが原因で、アナフィラキシー症状を起こした10歳代女性を救急搬送した際、救急隊員が誤った薬剤を投与し、女性が心肺停止状態になったと発表した。女性は集中治療室(ICU)に入っており、同局はミスを認めて謝罪した。
 発表によると、3日午後10時10分頃、千葉市若葉区の女性から「食事をしたら息苦しくなった」と119番があった。女性は呼吸困難で、3人の隊員が酸素投与などを行った。
 搬送先の病院を照会中、20歳代の救急救命士の男性隊員は医師から、応急処置の注射薬「エピペン」を女性が持っているか聞かれた。女性は持っておらず、男性隊員は同様の成分の薬剤を投与しようと考えたという。
 男性隊員は、ちば消防共同指令センターに常駐する別の医師の指示を受けながら、静脈に薬剤を投与したところ、女性は不整脈の症状が表れ、心肺停止状態になった。
 薬剤には強心剤として使うアドレナリンが含まれており、同局の亀山俊一救急課長は「女性は血圧が下がっていなかったため、過剰に血圧が上がり、不整脈を引き起こした可能性がある。薬剤を使うべきではなかった」と話した。
 中村由明局長は「不適切な処置で重大な事故が発生し、深くおわびする」と謝罪。投薬を指示した医師らからも詳しい事情を聞き、原因究明を行う。

◆モデルナ製の若年層への接種、北欧2国が中断…心臓の炎症など副反応報告でファイザー製に一本化 indexへ

 【ロンドン=】北欧のスウェーデンとデンマークは6日、米モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンの接種後、心臓の炎症などの副反応が報告されたため、若年層への接種を中断すると発表した。
 スウェーデンは、1991年以降に生まれた人への接種を停止する。保健当局は、「特にモデルナ製ワクチンの2回目接種後、(発症と接種の)関係性があることは明らかだ」と指摘し、米ファイザー製を推奨する。デンマークは、18歳未満の接種をファイザー製に一本化する。

◆10代女性が心肺停止に…アナフィラキシー症状、救急隊員が搬送中に投薬ミス indexへ

 千葉市消防局は7日、食物アレルギーが原因で、アナフィラキシー症状を起こした10歳代女性を救急搬送した際、救急隊員が誤った薬剤を投与し、女性が心肺停止状態になったと発表した。女性は集中治療室(ICU)に入っており、同局はミスを認めて謝罪した。
 発表によると、3日午後10時10分頃、千葉市若葉区の女性から「食事をしたら息苦しくなった」と119番があった。女性は呼吸困難で、3人の隊員が酸素投与などを行った。
 搬送先の病院を照会中、20歳代の救急救命士の男性隊員は医師から、応急処置の注射薬「エピペン」を女性が持っているか聞かれた。女性は持っておらず、男性隊員は同様の成分の薬剤を投与しようと考えたという。
 男性隊員は、ちば消防共同指令センターに常駐する別の医師の指示を受けながら、静脈に薬剤を投与したところ、女性は不整脈の症状が表れ、心肺停止状態になった。
 薬剤には強心剤として使うアドレナリンが含まれており、同局の亀山俊一救急課長は「女性は血圧が下がっていなかったため、過剰に血圧が上がり、不整脈を引き起こした可能性がある。薬剤を使うべきではなかった」と話した。

◆免職取り消しの歯科医師が診療再開 診療室は解体、苦難乗り越え indexへ

 山梨県の富士吉田市立病院で6日、懲戒免職処分を受けたが、裁判で処分が取り消されていた大月佳代子・歯科医師(63)が診療を再開した。処分から約5年、判決の確定から約1年4カ月を要した。
 2016年11月に大月氏は診療拒否と医療スタッフへのパワハラを理由に堀内茂市長から懲戒免職処分を受けていた。大月氏は処分取り消しを求めて提訴。甲府地裁は処分を取り消し、東京高裁も一審判決を支持した。最高裁も市の上告を受理せず、処分取り消しが確定した。
 確定後、大月氏の復帰後の職務について、市と大月氏が交渉を続けた。市は訴訟期間中に病院の診療態勢が変わったことを理由に処分前とは違う業務を指示。大月氏は処分前と同様の「外来患者の治療」を求めていた。
 大月氏の元の診療室が解体され、立ち上げ作業にも時間を要した。病院は新たに約300点の医療機械や治療道具を購入し、それらを歯科口腔外科の診療室に配置・整備する作業に約2カ月を要した。
 市立病院は6日朝までに、ホームページに大月氏が復帰した「歯科口腔(こうくう)外科」を表示した。病院には他に「口腔外科」もあり、大月氏の処分時に派遣された歯科医が診療している。

◆2か月の長男を車の座席にたたきつけ、意識不明の重体に…父親を逮捕 indexへ

 生後2か月の長男に暴行を加えて頭などにけがを負わせたとして、茨城県警大子署は6日、同県ひたちなか市、会社員の男(24)を傷害の疑いで逮捕した。長男は意識不明の重体。
 発表によると、男は5日午後4時頃、同県大子町のドラッグストア駐車場に駐車した車の中で、長男を座席シートにたたきつけるなどして、急性硬膜下血腫などのけがを負わせた疑い。男は容疑を認めているという。

◆「殺されるとの深刻な情報」、市のリスク判断「甘かった」…検証部会 indexへ

 大阪府摂津市で新村 桜利斗ちゃん(3)が、母親の交際相手に熱湯をかけられて死亡したとされる事件で、府の検証専門部会(部会長=才村純・東京通信大教授)の初会合が6日開かれた。来年1月をめどに、再発防止策などを盛り込んだ報告書をまとめる方針。
 才村部会長は会議後、記者団に「『(桜利斗ちゃんが)殺される』との非常に深刻な情報が寄せられており、摂津市のリスク判断が甘かったのではないか」と述べた。
 摂津市の森山一正市長は6日、市が通告を受けた虐待情報を府警摂津署と共有する考えを明らかにした。府には、児童相談所が受理した虐待情報を警察と共有する仕組みがあるが、市町村が対応する案件は対象外となっている。

◆離島の知的障害者施設で入所者虐待、居室閉じ込め・失禁した際に侮辱的な言葉 indexへ

 東京都大島町の知的障害者入所施設「大島恵の園」で、複数の職員が入所者のうち12人に暴言を吐いたり、居室に閉じ込めたりしていたことが町への取材でわかった。施設を運営する社会福祉法人「武蔵野会」(八王子市)も町や都に通報しており、町が虐待の疑いがあるとして調査を進めている。
 町や同法人によると、施設の主任ら職員7人が、利用者が居室から出られないように閉じ込めたり、失禁した際に侮辱的な言葉を浴びせたりしていた。一方で、町が8月31日に通報を受けて利用者の安全確認をしたところ、けがをした人はいなかったという。
 同施設で人手が足りなかったため、同法人内の別の施設から応援に行った職員が問題を確認し、上司に報告して発覚した。  同施設では2016~18年、入所者間の暴行や、利用者の転倒によるけがなどを都に報告していなかった問題が起き、都が同法人に指導していた。
 同法人の高橋信夫理事長は読売新聞の取材に、「深刻な問題だと捉えている。利用者の支援を見直し、早急な改善に向けて法人全体で取り組む」とのコメントを出した。

◆陰性なのに陽性と誤って伝達、県が7人に慰謝料など賠償へ…別人の結果と取り違え indexへ

 群馬県は4日、新型コロナウイルスのPCR検査で陰性だったのに誤って陽性と伝えられた1人と、それに伴って濃厚接触者とされた7人に、慰謝料や休業補償など計41万6678円を賠償すると明らかにした。
 県によると、伊勢崎保健所職員が今年5月、医療機関から検査結果を聞き取った際に、別人の結果と取り違えた。誤った連絡を受けた人は、陰性だったのに4日間の宿泊療養などを余儀なくされ、7万円が支払われる。濃厚接触者とされた7人も1週間ほど自宅待機が必要になった。
 職員は結果報告書と電話での聞き取り内容を照合しておらず、本来陽性だった1人には誤って陰性と伝えていた。県は「関係者に深くおわびする。再発防止に努めたい」としている。

◆女性利用者の左手にミトンかぶせ、左太もも縛り付ける…福祉事業所に行政処分 indexへ

 相模原市は1日、利用者を虐待したとして、同市中央区上溝で障害福祉サービス事業所「生活ホームフロイデ」を運営する一般社団法人「相模原市手をつなぐ育成会」(三宮隆志理事長)に対し、同事業所への新規利用者の受け入れを1年間禁止する行政処分にしたと発表した。
 発表によると、定員12人の同事業所で2月頃から6月にかけ、複数の従業者が正当な理由もないのに女性利用者1人の左手にミトンをかぶせ、ひもでミトンと左太ももを縛り付ける身体的拘束を行い、障害者総合支援法(人格尊重義務)に違反した。家族が女性利用者の太もも裏に不自然なけがを見つけ、拘束が判明した。

◆市販検査キットで3回「陰性」、受診見送った30代男性死亡…死後に感染判明 indexへ

 横浜市は30日、基礎疾患のない30歳代男性が市内の自宅で、新型コロナウイルスによる肺炎で死亡したと発表した。男性は体の不調を感じて市販の簡易検査キットで3回検査したものの、いずれも「陰性」だったため、医療機関を受診していなかった。ワクチンも接種していなかったという。
 発表によると、男性は9月11日にせきなどを発症。検査キットで調べて自己判断で療養していた。同22日、連絡がとれなくなったことを心配した別居する家族が訪ね、倒れている男性を発見。救急隊員が駆けつけたが、すでに死亡していた。神奈川県警が検視の際に行った抗原検査で、同27日に陽性と判明した。
 横浜市は「検査キットで陰性であっても、症状が続く場合は医療機関を受診してほしい」としている。

◆障害者46人分の「医師意見書」改ざんか…担当の市職員、関与否定後は出勤せず indexへ

 山梨県大月市は29日、2020、21年度の障害者支援区分の認定で、「医師意見書」を職員が改ざん・偽造した疑いが46人分あったと発表した。障害者に不利益はないという。市は関与が疑われる担当職員2人から事情を聞いて詳細を確認する方針。
 発表によると、8月17日に障害者施設から市に「医師意見書に書かれた受診日に診察を受けていない」との指摘があり、市が調べたところ、前回更新した3年前の医師意見書を、受診日を改ざんして使用した疑いがあることが判明した。
 さらに、担当職員らが使うパソコンの共有フォルダーから、前回の医師意見書を参考にして偽造したとみられるデータも見つかった。改ざん・偽造が疑われる46人分のうち6人分は、判定に必要な市職員の訪問調査も行われていなかった。
 担当職員のうち1人は関与を否定した後は出勤しておらず、もう1人からも明確な回答を聞くことができていないという。記者会見した小林信保市長は「市民の信頼を損ねた。本当に申し訳ない」と陳謝した。

◆陰性の10代男性を誤入院…別人と検査結果取り違え indexへ

 山梨県は29日、峡東保健所が新型コロナウイルスの検査結果を取り違え、陰性の10歳代男性を誤って入院させたと発表した。男性は10日間入院したが、周囲に感染者がいなかったことなどから、同保健所は「男性が院内で感染した可能性は低い」としている。
 発表によると、男性は濃厚接触者として8月13日に検体を採取し、14日に県衛生環境研究所(衛環研)で陰性が確認された。その後、衛環研から電話で検査結果を聞いた保健所の担当者が一覧表に書き入れる際、別の人と取り違えた。今月27日に同保健所が別の作業で一覧表を確認した際、ミスが判明した。
 男性は一覧表を基に陽性と伝えられ、8月15日に入院。下痢の症状を訴えたほかは症状がなく、再検査を受けず24日に退院した。
 同保健所によると、通常は担当者が一覧表に手書きした後、衛環研の電子データで確認している。だが、14日は土曜で出勤者が少なく、管内で16人の感染者が発生するなど多忙だったため、確認が不十分だったという。県は今後、複数の職員による確認を徹底するとしている。

◆「脳を活性化させる施術」と女性を抵抗できない状態に…性的暴行疑いで71歳鍼灸師逮捕 indexへ

 神奈川県警戸部署は28日、横浜市西区東ヶ丘、 鍼灸師の男(71)を準強制性交容疑で逮捕した。発表では6月16日、自宅で経営する治療院で、30歳代の女性に「脳を活性化させる施術」と信じ込ませて抵抗できない状態にしたうえで、性的暴行をした疑い。「そのような行為はしていない」と否認しているという。女性が別の病院の医師に相談し、被害を届け出た。

◆輸入米に必要な検査、5年間怠る…「土砂検出されず」と証明書445件交付 indexへ

 農林水産省は21日、輸入米に必要な検査を約5年間怠っていたとして、一般財団法人「日本穀物検定協会」(東京)に対し、農産物検査法に基づく改善命令を出した。
 発表によると、協会の中部支部(名古屋市)と関西神戸支部(神戸市)は2016年4月~今年5月、輸入業者から検査を依頼された外国産の精米計約68万トンについて、同法で定められた土砂の混入を調べる検査をしていなかったにもかかわらず、検査証明書を計445件交付していた。
 両支部は「土砂は元々、ほとんど検出されず、検査をしない状態を続けていた」などと理由を説明しているという。
 農水省は、協会以外にも流通段階で複数の検査があり、土砂の混入があれば見つかっているとして、「健康への影響はない」としている。協会の塩川 白良専務理事は「二度と起こさないよう、コンプライアンスの強化に努める」とコメントした。

◆アイリス、「富士山の天然水」「ザ・プライス天然水」自主回収…カビ混入の恐れ indexへ

 アイリスオーヤマのグループ会社のアイリスフーズは17日、子会社が製造するペットボトル入り飲料水「富士山の天然水」と「ザ・プライス 天然水」にカビが混入した恐れがあるとして、約860万本を自主回収すると発表した。これまでに健康被害の報告はない。
 取引先から8月下旬に「黒い浮遊物がある」と指摘があり、検査したところカビの一種と判明した。キャップを洗浄する工程で混入した可能性が高いという。
 回収の対象は賞味期限が2023年6~8月の商品。直営のインターネット通販や、ホームセンターなどで販売されている。
 アイリスフーズは「再発防止に向け、品質管理体制の強化に努めたい」と謝罪した。

◆期限切れのワクチンを18人に誤って接種…余ったワクチンを廃棄せずブースに置いたままに indexへ

 愛知県は17日、県の大規模集団接種会場になっている藤田医科大学岡崎医療センター(愛知県岡崎市)で、期限切れの新型コロナウイルスワクチンを17~54歳の18人に誤って接種したと発表した。
 県などによると、ワクチンは注射器に 充填後、6時間以内に接種する必要があるが、期限が切れてから約12時間後の17日正午過ぎに接種した。前日に余ったワクチンを廃棄せず、接種ブースに置いたままにしていたのが原因という。
 18人中14人とは連絡が取れ、健康状態に異常はないという。期限が切れると抗体ができる力が弱まる可能性があるため、今後、抗体検査を行い、結果次第で3回目の接種を行う方針。

◆2回目接種受けられず6週間以上経過、さいたま市に5千人も indexへ

 さいたま市は15日、米ファイザー製の新型コロナワクチンの1回目の接種後、2回目が受けられずに6週間以上経過した市民が約5000人いたと発表した。
 市は、1回目の接種から3週間以上たった人を対象に、10月8~14日(12日除く)に旧市民会館うらわ(浦和区)で2回目限定の接種枠を設ける。9月22日午前10時から専用サイトと市コールセンター(0120・201・178)で予約を受け付ける。
 市には多数の市民から「2回目が打てない」との相談が寄せられていた。市によると、7~8月などワクチンが不足していた時期では接種予約枠が少なかったため、2回目の予約ができなかった人がいた可能性があるという。
 米ファイザー製ワクチンの接種間隔は通常、3週間とされている。

◆マスクせず、接種停止求めるチラシを中学生らに配布…市議を厳重注意に indexへ

 中学生らに対し、新型コロナウイルスワクチンの接種停止を求めるチラシをマスクをせずに配ったとして、大分県臼杵市議会は14日、若林純一市議(61)を厳重注意した。市民から苦情や抗議が寄せられていた。
 市議会によると、若林市議は8月末から9月上旬にかけ、市内の中学校付近や駅周辺でチラシを配布した。
 「生徒らが怖がっている」という声が上がっているとして、市や市教委、市医師会は厳正な対処を求める文書を市議会に提出した。
 市議会は14日に全員協議会を開き、匹田郁議長が厳重注意を促す文書を読み上げた。
 「議会では率先して感染症対策に取り組んでおり、極めて遺憾」としている。若林市議は欠席したため、文書を送るとしている。
 若林市議は報道陣の取材に、「間違った情報を伝えたつもりはない。マスクをせずに怖がらせ、配慮に欠けたと言われればそうかもしれない。文書を見たうえで責められるべきことがあれば改善する」と述べた。

◆温厚だった妻、陰謀論の動画にはまり「まるで別人に」…[虚実のはざま]第4部 深まる断絶<4> indexへ

 「妻はまるで別人になってしまった。一緒に住んでいても、違う世界に行ってしまったように感じる」
 西日本に住む会社員の男性が悲痛な声で語る。
 専業主婦の妻は温厚な性格だった。アレルギー体質の男性を気遣い、妻は手間をかけて食材を選び、食事を用意した。新型コロナの感染拡大初期は毎朝、「怖いから気をつけて」とマスクを手渡してくれた。
 男性が異変に気付いたのは昨年夏頃。妻はマスクを着けなくなり、とがめられると激高した。「コロナなんて全部ウソなのよ」
 ユーチューブで目にした陰謀論の動画にはまり、毎日、似た内容を見ているうちに影響を受けたためだった。
 男性は今年に入り、コロナやワクチンに関する公的機関の見解をまとめた資料を作った。接種するかどうかを、正確な情報を基に話し合おうと思ったからだ。だが、 豹変してしまった妻は「闇の政府にワクチンでコントロールされる」「国やメディアが真実を隠している」と泣いて反発し、平行線だった。
 夏に接種券が届くと、小学生の娘が男性に言った。「パパ、打つのは絶対やめて」
 妻は、接種事業の中止を国に求めるグループに入り、娘も参加させていた。
 夫婦の会話はなくなり、男性は仕事後、深夜までネットカフェで過ごすことが増えた。何度も離婚を考えたが、娘の将来を思うと踏み切れない。
 ユーチューブでデマを発信する人物の目的は、金もうけだと思っている。
 「家庭をめちゃくちゃにされた。許せるはずがない」。男性は拳を握りしめた。
どう接すれば
 <陰謀論に振り回される親を見るのが悲しい><信じているものが違いすぎて全く話し合えない>
 SNS上では最近、同じような境遇に置かれ、困惑する人の投稿が相次いでいる。
 身近な人はどう接すればいいのか。欧米ではネットの陰謀論による家族の断絶が、すでに社会問題化している。当事者が情報交換する英文サイトには18万人以上が登録する。メディアでは心理学の知見を基にした対処法が紹介されている。
 「相手を否定しない」「共感して話を聞いた上で、情報の根拠を確かめるよう促す」という姿勢が重要だとされている。
 だが、埼玉県の会社員女性(31)は「うまくいかなかった」とため息を漏らす。同居する70代の母親と話し合ったが、関係が悪化するだけだった。「娘の私より、会ったこともないネットの中の人の話を母は信じ込んでしまった」。女性は現実を受け止められないでいる。
当事者で語る会
 多くの家族に共通するのは「誰にも相談できない」という苦しさだという。身内が極端な考えに傾倒すると、周囲の反応を恐れて打ち明けることもできず、孤立することがある。
 そんな悩みを、当事者が語り合う場を作った人たちもいる。SNSで知り合った十数人が定期的にオンラインで交流する。
 「どうすれば元の夫に戻ってくれるのか。何度考えても答えが出ず、しんどい」
 8月のある夜、近況を打ち明けたのは東日本に住む40代の女性だった。
 自営業の夫は数か月前から、「ワクチンを打ったらいけない」と書いたビラを近隣住民に配り始めた。夫の母親が接種したと知ると興奮し、母親に「俺に近づくな」と叫びながら家具を投げつけたという。
 夫は昨年まで地域活動に熱心で、地元で信頼されていた。子どもの行事があれば、応援に駆けつける父親だった。
 涙声で語る女性。他の参加者はパソコンの画面越しに耳を傾け、何度もうなずく。そして自身の体験を交えて話す。
 「私も同じ。一人で抱え込まないで」「疲れたら少し距離を置いてもいいと思う」
 この日の会は約3時間。解決の手がかりは簡単には見つからない。それでも女性は「少しだけ心が軽くなった」と語った。

◆35歳無職男が無断で中絶薬投与、交際相手を流産させる…「結婚後に不安あった」 indexへ

 妊娠中の交際相手に無断で中絶薬を投与して流産させたとして、福岡県警宗像署は13日、同県宮若市の無職の男(35)を不同意堕胎容疑で逮捕した。男は「結婚後の将来への不安があった」と容疑を認めているという。
 同署の発表によると、男は6月11日午後10時頃~同40分頃、交際中の無職女性(当時29歳)方で、女性に中絶薬を投与し、同12日までに流産させた疑いが持たれている。
 男と女性は昨年9月にマッチングアプリで知り合い、交際関係に発展。女性は妊娠9週目だったという。

◆施設職員が故意に3回目接種か「2回接種とは、ファイザーとモデルナを打つことだと思った」 indexへ

 前橋市は13日、市内に住む高齢者施設職員の50歳代男性が、新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種を故意に受けた可能性があると発表した。
 市ワクチン接種推進室によると、男性は6月に宇都宮市にある勤務先の高齢者施設で米ファイザー製ワクチンを2回接種していたが、前橋市から届いた接種券で、予診票には「初めての接種」と記入し、県内の集団接種会場で9月に米モデルナ製ワクチンの接種を受けた。記録システムにエラーが出たため、3回目の接種と判明した。市の調査に対し、男性は「2回の接種とは、ファイザー製とモデルナ製を打つ必要があると思っていた」と弁明しているという。

◆ワクチン接種が原因と認定、女性37人に医療費など支給へ…救済制度を適用 indexへ

 厚生労働省は13日、新型コロナウイルスワクチンを接種した後に急性アレルギー反応のアナフィラキシーなどの症状があった21~87歳の女性37人に対して、症状は接種が原因と認定し、医療費などを支給することを決めた。
 この日開かれた厚労省の有識者検討会で、救済制度の適用を求めた37人の審査が行われ、全員が認定された。同省は医療費の自己負担分と医療手当(月額3万5000~3万7000円)の給付手続きを進める。
 厚労省の副反応疑い報告によると、8月22日までの時点で、米ファイザー製のワクチンで国際基準に該当するアナフィラキシーは男性42人に対し女性は396人、米モデルナ製では男性7人に対し女性は18人と、女性の方が起きやすい傾向がある。

◆給食の栗ご飯に金属片、女子児童が口に含み気付く…球状の2個が混入 indexへ

 島根県の美郷町教育委員会は、町立大和小で9日に提供された給食の栗ご飯に、球状の金属片2個が混入していたと発表した。5年の女子児童が口に含んだ際に気付き、けがはなかった。
 発表によると、金属片は直径2、3ミリ。調理した町立学校給食センターの器具を調査したところ、炊飯釜の裏底と移動用のローラーに劣化が見つかり、互いに触れると欠けることが判明した。金属片を専門機関で分析してもらうという。同センターは大和小を含む計4小中学校に約430食を提供しているが、他に同様の訴えはなかった。

◆モデルナ製「回収対象」接種後に死亡、3例の因果関係は「評価できない」 indexへ

 米モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンの異物混入問題で、厚生労働省の専門家検討会は10日、自主回収対象のワクチン接種後に死亡が報告された3例について、現時点で「接種との因果関係は評価できない」との見解を示した。
 審議の対象は、8月に死亡した30~40歳代男性3人。いずれも、ステンレスの粒子が混入した製造番号のワクチンと同時期に同じ工場で生産されたワクチンを接種した。同省の資料では、8月18日に死亡した38歳男性の死因は致死性不整脈と考えられ、副反応の影響は不明とした。他の2人は死因を調査中としている。
 このほか回収対象のワクチン接種後に17件の副反応報告があったが、重篤な症状はなく、別の製造番号と頻度も変わらないとした。
 この問題を受け、国内流通を担う武田薬品工業は、製造段階で異物の有無をカメラで検出するシステムを整備し、全数調査を行うとの再発防止策を示した。
 モデルナ製ワクチンは8月22日までに約1650万回接種され、接種後の死亡例は17人。欧米に比べ低頻度で、現時点で因果関係が結論づけられた事例はない。日本ワクチン学会は、仮に混入したステンレスが筋肉に注射されても「全身症状を起こす可能性は低い」との見解を示している。

◆4回接種した50代女性「予約が取れたので」…クリニックと大規模接種で2回ずつ indexへ

 兵庫県尼崎市は9日、市内の50歳代女性が、本来なら2回で接種を完了する新型コロナウイルスワクチンを4回接種していたと発表した。医療機関での個別接種と、県による大規模接種で2回ずつ注射を受けており、健康被害は出ていないという。
 発表では、女性は6月、県などによる大規模接種の希望者向けに市が優先発送する接種券を受け取った。その後に一般枠の接種券も届いたため、7、8月に県の会場と、市内のクリニックを予約し、それぞれモデルナ製とファイザー製のワクチンを2回接種した。市の接種記録システムでエラーが出て判明したという。
 市は優先の接種券を持つ人に対し、一般枠の接種券を廃棄するよう求めていたが、女性は「予約が取れたので受けた」と説明しているという。

◆がんセンター患者情報、183人分流出か…医師アカウントに不正アクセス indexへ

 愛知県は8日、県がんセンター(名古屋市千種区)の医師が利用するクラウドサービスの個人アカウントのIDとパスワードが何らかの方法で盗まれ、メールに添付された患者のべ183人分の個人情報が外部に流出した恐れがあると発表した。
 県によると、7月13日に医師からメールの送受信に不具合があるとセンターに相談があった。調査の結果、5月31日~7月14日まで毎日、この医師のアカウントに海外から不正アクセスがあったことが発覚した。
 この期間に医師が送受信したメール約1万通の中には患者の氏名や生年月日、病名などの情報を記したファイルを添付したものが含まれていた。同センターでは患者の個人情報のメールでのやり取りを原則禁止し、送信が必要な場合はパスワードをかける決まりだったが、医師は守っておらずファイルが閲覧できる状態だった。
 同センターでは、患者への謝罪と説明を進めるとともに、クラウドサービスを利用する際は、複数の手段で本人確認する「多要素認証」を導入するなどして再発防止に努めるとしている。

◆東京地検特捜部、日大本部を捜索…病院建設巡る背任容疑の関係先 indexへ

 日本大学の病院建設工事を巡り、業者と結んだ契約で大学関係者が大学側に損害を与えた疑いがあるとして、東京地検特捜部は8日、東京都千代田区の日大本部などを背任容疑の関係先として捜索した。
 関係者によると、特捜部が捜索に乗り出したのは、日大本部のほか、日大の関連会社「日本大学事業部」(世田谷区)など。同社は2010年に設立され、学生に対する支援や大学施設の保守管理などの事業を手がけている。
 日大は16の学部を持ち、在籍学生は国内最多の7万人超。医学部や歯学部の付属病院など複数の病院を運営している。

◆モデルナ製接種の49歳死亡、同じ製造番号のワクチンでの2人死亡も判明 indexへ

 新型コロナウイルスの米モデルナ製ワクチンに異物が混入していた問題で、厚生労働省は6日、自主回収の対象となったワクチンを接種した男性(49)が死亡していたと発表した。同じ製造番号のワクチンを接種した30歳代の男性2人の死亡も判明しており、同省の有識者検討会が今後、接種と死亡の因果関係を評価する。
 発表によると、男性は8月11日、2回目の接種で製造番号「3004734」のワクチンを接種し、翌12日に死亡した。コンピューター断層撮影法(CT)で異常は見つかっておらず、今後解剖して死因を調べる。
 異物はモデルナ社の委託企業の工場で製造されたワクチン39瓶から先月見つかり、同社などの調査で製造機械の部品のステンレスと特定された。異物の混入は確認されていないが同時期に同じ工程で製造されたワクチンを含め、3種類の番号のワクチンが使用中止となった。

◆風疹の抗体検査で来た男性に、コロナワクチン3回目を誤って接種…本人確認怠る indexへ

 滋賀県高島市は3日、新型コロナウイルスワクチンの個別接種について、市内の医療機関が、既に2回接種していた50歳代男性に誤って3回目の接種を行ったと発表した。健康状態に問題はない。男性は風疹の抗体検査を受けるために医療機関を訪れたが、医師はワクチン接種希望者と思い込み、本人確認を怠ったまま接種を行った。接種直後に医師が男性のカルテを見てミスに気付き、その場で謝罪した。

◆集団接種で使用済み注射針を別の人に再び刺す…医師、廃棄せずトレーに置く indexへ

 新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、阪神間の自治体で2日、ミスやトラブルの発表が相次いだ。
 商業施設「アピア3」での集団接種で1日夕、使用済みの注射針を別の人に再び使ってしまったと発表したのは、兵庫県宝塚市。医師が50歳代女性の腕に針を刺した際、注射器の中身が空だと気付いた。
 前の人に接種した後、医師が会場内で体調不良を訴える人への対応に追われたため、使用ごとに廃棄すべき注射器をそのまま机上のトレーに置いていたのが、原因だった。
 女性は感染症の血液検査を受け、現段階で異常はないというが、市は謝罪した上で、「使用済みの注射器は確実に捨てるように徹底する」とする。
 また尼崎市は、市内の60歳代男性が、本来なら2回で完了するワクチン接種を3回受けていたと発表した。
 市によると男性は歯科医院の事務職員で、医療従事者として4、5月に優先接種を済ませた。しかし、6月に市から届いた接種券に基づいて予約し、8月25日に3回目を打ったという。
 今月1日、ワクチン接種を記録する市のシステムにエラーが出て判明した。
 市は、優先接種を受けた医療従事者には、一般枠で届く接種券を廃棄するよう求めているが、男性は「打ってもよいと勘違いした」と説明しているという。健康被害は出ていない。

◆接種終えたら在庫が1瓶多かった…7人に生理食塩水だけ接種か、特定はできず indexへ

 金沢市は3日、市役所第二本庁舎で2日午後に実施した新型コロナウイルスワクチンの集団接種で、原液を希釈するための生理食塩水だけを最大7人に誤って接種したと発表した。市は「接種者を特定できていないが、生理食塩水の接種による健康への影響はない」としている。
 市によると、看護師が空になったファイザー製ワクチンの瓶(7人分)を使用前と誤認し、再び生理食塩水を入れたとみられる。接種終了後に在庫を確認したところ、残りが想定より1瓶多かった。
 市は誤接種の可能性がある297人全員に電話で謝罪する。19、20日に抗体検査を実施し、必要に応じて再接種を行う。

◆濃厚接触者の妊婦、PCR未検査理由に産科の診察拒まれ流産 indexへ

 三重県四日市市で8月、新型コロナウイルスに感染した夫の濃厚接触者になった20歳代の妊婦が、PCR検査を受けていないことを理由に産婦人科で診察を拒否され、その後流産していたことが3日、わかった。
 県によると、8月20日に夫の感染がわかり、妊婦は濃厚接触者とされたが、無症状だったことから、市保健所のPCR検査を受けられなかった。妊婦は妊娠15週目で、24日には腹痛や出血があったが、未検査を理由に診察を拒否された。25日に別の医療機関で検査を受けたものの、直後に流産した。検査の結果は陰性だった。
 県は各保健所に対し、妊婦が濃厚接触者になった場合は無症状でも検査するよう求めていたが、8月以降は感染急拡大で対応が追いつかず、一部の保健所では症状がある人を優先する運用に変えていた。四日市市保健所の市川和彦副所長は「女性とやり取りした記録が残っておらず、詳細は把握できていない。誠に残念なことになり、お悔やみ申し上げる」と話している。

◆宿泊療養施設のホテルに20代男性が侵入、療養中の友人の部屋に1泊 indexへ

 高知県は3日、新型コロナウイルスの軽症者の宿泊療養施設になっている高知市内のホテルに20歳代の男性が侵入し、療養中の友人男性(10歳代)の部屋に1泊していたと発表した。
 県によると、男性は1日午後11時45分頃、施設の出入り口から警備員の制止を無視して入った。県は警察と相談したうえで、2日午前に、男性を退室させた。男性は「友達に会いに来た」と話していたという。県は男性に厳重注意し、高知市保健所が濃厚接触者として検査を進める。

◆病院職員、優先接種と一般枠で計4回接種「打ったこと忘れていた」 indexへ

 東京都足立区は3日、同区に住む50歳代の病院職員の男性が新型コロナウイルスのワクチンを4回接種していたと発表した。医療従事者向けの優先接種に加え、区民向けの会場でも接種を受けていた。男性は区に対し、「病院で打ったことを忘れていた」と説明しているという。
 発表によると、男性は4、5月、勤務先の病院で接種を受けた。その後、同区から届いた一般区民向けの接種券を使って、8月初旬と下旬にもワクチンを打った。
 先月22日、区が男性の接種情報を区のシステムに登録する際、4回接種した可能性が浮上。今月2日に男性から事情を聞き、事実関係が判明した。ワクチンはいずれも米ファイザー社製で、男性の健康状態に問題はないという。区は「定められた回数を超えて接種しないように注意を呼びかける」としている。

◆PCR検査は受けられず…「濃厚接触者」妊婦の診察拒否、その後流産 indexへ

 三重県四日市市で8月、新型コロナウイルスに感染した夫の濃厚接触者になった20歳代の妊婦が、PCR検査を受けていないことを理由に産婦人科で診察を拒否され、その後流産していたことが3日、わかった。
 県によると、8月20日に夫の感染がわかり、妊婦は濃厚接触者とされたが、無症状だったことから、市保健所のPCR検査を受けられなかった。
 妊婦は妊娠15週目で、24日には腹痛や出血があったが、未検査を理由に診察を拒否された。25日に別の医療機関で検査を受けたものの、直後に流産した。検査の結果は陰性だった。
 県は各保健所に対し、妊婦が濃厚接触者になった場合は無症状でも検査するよう求めていたが、8月以降は感染急拡大で対応が追いつかず、一部の保健所では症状がある人を優先する運用に変えていた。四日市市保健所の市川和彦副所長は「女性とやり取りした記録が残っておらず、詳細は把握できていない。誠に残念なことになり、お悔やみ申し上げる」と話している。

◆本庶氏、オプジーボ巡り「応分の対価を」…口頭弁論で製薬会社側は支払い拒む indexへ

 がん治療薬「オプジーボ」を巡り、ノーベル生理学・医学賞受賞者の 本庶佑・京都大特別教授が、販売などを担う小野薬品工業(大阪市)に対して特許料収入の一部約262億円の支払いを求めている訴訟の口頭弁論が2日、大阪地裁であった。本庶氏と小野薬品の相良 暁社長がそれぞれ出廷し、証人尋問で互いの主張をぶつけ合った。ノーベル賞学者と製薬会社トップが直接対決する異例の展開となった。
 訴状などによると、本庶氏が求めているのは、小野薬品が、オプジーボの類似薬を販売する米製薬大手メルクなどから受け取った特許使用料のうちの一部。提訴時は約226億円だったが、その後増額された。
 小野薬品などは2014年以降、メルクに対して特許侵害訴訟を起こし、17年にメルクが類似薬の売り上げの一部を小野薬品側に支払うことで和解した。小野薬品は、この訴訟に協力してもらう報酬などとして、メルクから受け取った金額の40%を本庶氏に支払うことを口頭で提案した。
 しかし、小野薬品は「提案をしたのは事実だが、本庶氏が『はした金』と拒否した」などとして、契約が成立していないと主張。特許侵害訴訟前の06年に本庶氏と結んだ契約に基づいて、1%を支払った。本庶氏側は40%の支払いについて、「後になってほごにされるとは夢にも思わず、訴訟に協力した」とし、40%との差額分である約262億円の支払いを求めている。
 本庶氏は法廷で「(小野薬品は)コストをかけずに利益を得ている。応分の対価は当然。1%は国際的なスタンダードではない」と主張。これに対し、小野薬品の相良社長は「(本庶氏の主張は)後出しじゃんけんのようなもので、経営の予見性を著しく損なう」と支払いを拒んだ。
 本庶氏側の弁護士によると、この日の口頭弁論終了後の協議で、10日に非公開で和解に向けた話し合いをすることが決まったという。
 ◆ オプジーボ =患者の免疫細胞の攻撃力を高めることで、がんを治す新しいタイプの薬。小野薬品は2014年から販売し、肺がんなどで使われている。本庶氏はオプジーボの開発につながるたんぱく質を1992年に発見し、2018年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。関連特許は本庶氏と小野薬品が共同で保有している。

◆「体調不良で2回目接種できず」と市に連絡した男性、接種後に実は3回目と判明 indexへ

 三重県名張市は1日、新型コロナワクチン接種で、市内の60歳代男性に誤って3回目の接種をしたと発表した。今のところ、男性の体調に変化はないといい、今後2週間の健康観察を行うとしている。
 市福祉子ども部によると、男性は8月27日に「体調不良で2回目の接種ができなかった。2回目を希望したい」と市に連絡。その後、同29日に集団接種会場だった市立病院でキャンセルが出たため、男性に接種を実施した。しかし、同31日に接種記録を入力した際、既に2回目の接種を終えていたことが判明したという。打ったワクチンは3回ともファイザー社製。
 男性は市内の医療機関で6月に2回接種を受けていたが、今回の会場で接種券などの確認はしなかったという。市は「キャンセル対応や接種券の再発行の申し出があった場合、記録システムなどで確認し、再発防止に努めたい」としている。

◆ワクチン接種で60歳代女性に空気のみを注射…抵抗の少なさで気づく indexへ

 山梨県富士吉田市は1日、市立病院で先月15日に行われた新型コロナウイルスのワクチン接種で、市内在住の60歳代女性に誤って空気を注射したと発表した。健康被害はなかった。
 発表によると、担当した同病院の看護師が注射器の抵抗の少なさに違和感を覚え、薬液の瓶を確認すると1回分が余っていたため、空気のみを注射したことが分かった。同病院は微量の空気を筋肉注射することは医学的に問題ないとしている。女性は健康観察を受けた後、1週間後に改めてワクチン接種を受けた。
 同病院では接種までに3人の看護師が注射器内の薬液を目視で点検しているが、薬液が透明のため気づかなかったという。同病院の担当者は「同様の間違いが二度と起こらないよう反省し、再発防止策を徹底する」としている。
 また、昭和町も1日、先月29日に町内で行った集団接種で、1人に空気を注射するミスがあったと発表した。体調に影響はなく、改めてワクチンを接種したという。

◆接種予約の電話5万5000回分つながらず…業者が転送設定ミス indexへ

 大阪府堺市は1日、新型コロナウイルスワクチン接種の予約を受け付けるコールセンターで転送システムに不備があり、市民らからの電話計約5万5000回分がすぐに切れてしまっていたと発表した。業者の設定ミスが原因という。
 市などによると、このコールセンターは、市民らからの電話を三つの番号に転送した後、160人のオペレーターにつなぐ仕組みで運営。うち一つの番号について、6月12日から8月2日の間、転送後すぐに切断される状態になっており、かけた人には通話料金もかかっていたという。
 受信状況を確認した市職員が、平均通話時間が極端に短い番号があることに気付き、調査して発覚した。着信記録を基に問題の番号にかけた人を割り出して業者が順次謝罪するほか、番号非通知や公衆電話からかけた人向けの対応窓口(0120・125・188)も11月14日まで設置する。

◆都内医療機関への増床要請、目標届かず…150程度の増にとどまる indexへ

 厚生労働省と東京都が都内医療機関に行った新型コロナウイルス病床の確保要請により、都内の確保病床が1日時点で少なくとも150床程度増え、6100床以上となる見通しであることがわかった。ただ、今回の要請で目安として掲げた7000床や、最大確保病床の6406床には達しない見込みで、国と都は医療機関にさらなる増床を働きかける。
 都によると、すぐにコロナ患者を受け入れられる確保病床は、8月31日時点で5967床ある。重症患者向け病床は、このうち392床。増床要請で約70床増の460床余りとなりそうだが、目安とした500床には届かない可能性がある。
 要請は8月23日、改正感染症法に基づいて行われた。都内にある1万4000の医療機関に対し、コロナ患者を受け入れている施設には確保できる病床数を、コロナ患者を受け入れていない施設には宿泊療養施設やワクチン接種会場などに派遣できる看護師らの人数を、31日までに回答するよう求めていた。
 関係者によると、1日時点の集計では、コロナ患者を受け入れている施設からは9割弱の回答があった。要請に応じられない理由としては、人材不足などが挙がったという。都は2日に開かれる新型コロナのモニタリング(監視)会議で集計結果を速報値として公表する予定。

◆子宮・卵管・卵巣の摘出手術の予定が「卵巣」失念…県立病院、患者に損害賠償金150万円 indexへ

 鳥取県は1日、県立中央病院(鳥取市)で医療過誤があったとして、被害に遭った県東部の女性患者に損害賠償金約150万円を支払うことを明らかにした。
 県などによると、女性は昨年度、同病院で子宮と卵管、卵巣の摘出手術を受けた。しかし、産婦人科の男性主治医が卵巣の摘出を失念。後日、再手術を実施した。女性の健康に影響はなかったという。同病院は医療過誤を認め、精神的苦痛に対する慰謝料や休業補償、再手術に伴う治療費など計約150万円を支払う案を女性に示し、8月に合意した。
 同病院は、原因について、女性に手術の説明をする文書の表紙に卵巣摘出の有無をチェックする欄がなかったことや、カルテに卵巣を摘出する旨のことが書かれていたのに主治医が見落としたことが医療過誤につながったと説明。卵巣摘出についてのチェック欄を追加するよう文書を改め、毎週開いている病院内の会議で各手術についての情報共有を徹底することで再発防止を図るとした。主治医らの処分については、県病院局が検討するという。

◆異物混入で使用中止のワクチン、すでに800回分接種…石川県内の職域接種2団体 indexへ

 新型コロナウイルスの米モデルナ製ワクチンの一部の瓶に異物が混入していた問題で、厚生労働省が使用見合わせを要請したワクチンが職域接種をしている石川県内2団体に計900回分供給され、そのうち約800回分が既に接種されたことが県の調べでわかった。接種を受けた人の健康被害の情報は寄せられていない。
 問題のワクチンについて県が国に問い合わせたところ、製造番号や工程が同じワクチンが2団体に供給されていた。県は団体名やワクチンの製造番号を明らかにしていない。
 県によると、接種前に医療従事者がワクチンを目視で確認している。異物の混入や健康被害についての報告はないという。

◆接種後死亡の男性、解熱後に急変 父親「まさか息子が」 使用保留のロット 広島 indexへ

 米モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンに異物が混入していた問題で、広島県南部の会社員男性(30)が、使用を見合わせているロットのワクチン接種後に亡くなっていたことが29日、分かった。厚生労働省が28日に公表した30代男性2人の死亡事例のうちの1人とみられる。会社員男性の父親(63)が中国新聞の取材に応じ、息子を突然亡くした悲しみや接種後のケア体制などについて、胸の内を語った。
 父親によると、男性は県内の職域接種会場で、7月18日に1回目、今月22日に2回目の接種を受けた。23日に40度を超える熱が出て、勤め先を欠勤。市販の解熱剤を服用したところ、24日には平熱に戻り、出勤した。
 その夜は自宅で母親(62)と夕食を取り、午後7時半ごろに自室へ戻った。25日朝、起こしに行った母親が布団の上でぐったりしている男性を発見。死亡が確認された。男性に基礎疾患やアレルギー歴、飲酒・喫煙の習慣はなかったという。
 男性が2回目に打ったワクチンのロット番号は「3004734」。異物の混入が見つかったワクチンと同じ時期に同じ設備で製造されており、国が26日に使用見合わせを求めている。男性の死亡と接種の因果関係などは不明。地元自治体も経緯を把握している。
接種後のケアの大切さ痛感
 「まさか息子が…。寂しくて仕方ない」。父親は涙ぐむ。男性は母親と2人で暮らし、父親は近くの実家に住んでいる。最後に言葉を交わしたのは、接種翌日の23日。男性宅の電話の調子が悪く、家に寄った父親が「直しておいて」と声を掛けた。熱が上がる前だったのか、体調の異変はまだ感じ取れなかったという。「やさしくて、周りの人にかわいがられる子だった。あれっきりになるとは思いもしなかった」
 家族思いの男性は約3カ月前、「コロナが落ち着いたらみんなで旅行がしたい」と、大きめの車に買い替えたばかりだった。男性の死後、母親はその車の鍵を見るたびに胸が締め付けられるという。
 父親は6月ごろ、男性に「機会があれば接種を受けた方がええよ」と勧めていた。地元自治体の当時の接種対象は高齢者だったこともあり、男性は「ほうじゃね」とだけ応じた。「私が言ったから、職域での接種を受けたのだろうか」。後悔の念にさいなまれながら、ワクチンの副反応の説明や、接種後のケア体制の大切さを痛感しているという。
 自身も同じ職域接種会場で、男性が受けた6日前に2回目のワクチンを接種。該当ロットだった。翌日に発熱し、40度を超えたものの、大事には至らなかった。
 「感染対策としてのワクチン接種の有効性は認識している。息子が亡くなった原因は分からない。誰を恨むこともできんし、悪いのはコロナだと思っている。この事実を伝えることで、より安全な接種になればいい」
 厚労省と、国内の販売や流通を担う武田薬品工業は、28日に発表した男性2人の死亡事例について、ワクチン接種との因果関係を調べるとしている。

◆医師が自身の指に刺した注射器、男性に使用 京都・南丹の集団接種で indexへ

 京都府南丹市は29日、新型コロナウイルスワクチンの集団接種で、医師が自分の指先を刺した注射器を、同市の40代の男性に使用するミスがあったと発表した。男性は感染症を調べるための血液検査を受け、現時点では問題は確認されていないという。
 市保健医療課によると、集団接種は28日に市国際交流会館であった。60代男性医師が注射器の針先に誤って指を刺したが、そのまま男性に接種をした。男性が医師の出血に気付き、経過観察中に市職員に知らせてミスが判明した。
 医師は「出血は接種後に気付いた。接種を止めるべきだったが、続けたことに後悔している」と話しているという。西村良平市長は「今後二度と同じ間違いが起こらないよう、安全を確認しながら行っていきたい」と話した。

◆群馬でも異物見つかる モデルナ製ワクチン indexへ

 厚生労働省が使用を見合わせたものとは製造番号が異なるという。県は同じ製造番号のワクチン使用を一時停止した上で、今後使用できるかなどを厚労省に確認している。
 県によると同日午前、大規模接種会場「東毛ワクチン接種センター」(太田市)で薬剤充填(じゅうてん)作業の際、ワクチンの瓶の中を確認していた薬剤師が異物を発見した。
 見つかったのは1本の瓶から一つで、大きさ0.5ミリ程度。青みがかった黒色の薄片状で、磁石を近づけても反応しなかった。
 県は同センターでの午前の接種を中断し、別の製造番号のワクチンを使って午後から再開した。同センターでは27日以降、異物が見つかったものと同じ製造番号のワクチンを計4575人に接種した。これまでに健康被害の相談はない。 

◆女子生徒が「子宮頸がんワクチン」受けに行ったら…コロナワクチンを接種される indexへ

 和歌山市は26日、市内の医療機関で、子宮 頸がんワクチンの接種を受けに来た10歳代の女子生徒に、新型コロナウイルスワクチンを接種するミスがあったと発表した。
 市によると、生徒は24日、子宮頸がんワクチンを受けるため医療機関を訪れた。同じ時間帯に複数のコロナワクチン接種の予約が入っており、医師が生徒をその一人と思い込んで接種した。
 生徒はそれまでコロナワクチンは未接種。体調に異常はなく、2回目も接種する予定という。このミスで本来接種する予定だった1人がコロナワクチンを受けられず、日程を変更した。
 市は、市内の医療機関に対し、ワクチンの種別によって接種時間や場所を分けるなどの再発防止策を徹底するよう呼びかける。

◆モデルナ製の瓶内に異物、使用見合わせ163万回分…5都県8会場で混入 indexへ

 厚生労働省は26日未明、新型コロナウイルスの米モデルナ製ワクチンについて、東京、埼玉、茨城、愛知、岐阜の5都県8か所の接種会場で、未使用の瓶内に異物が混入していたとして、安全対策のため製造番号や工程が同じワクチン約163万回分の使用を見合わせると発表した。
 厚労省によると、これらのワクチンの製造番号は、「3004667」「3004734」「3004956」の3種類。863か所の接種会場に配送されているといい、同省は26日朝から各会場に連絡し、使用中止を求める。健康被害などの情報は寄せられていないという。製造番号は接種済証で確認できるため、同省は異変を感じた場合は、医師に相談するよう呼び掛けている。
 最初に異常が見つかったのは今月16日で、25日までに5都県にある計8か所の大規模接種会場や職域接種会場で、製造番号が「3004667」の39瓶に異物が混入していたことがわかった。会場側が国内の流通を担当する武田薬品工業に連絡し、同社が厚労省に報告した。この製造番号のワクチンはスペインの工場で作られており、同省は同じ工程で製造された残る二つの製造番号のワクチンについても使用を見合わせることにした。
 ワクチン接種では、事前に瓶を見て異物がないか確認することにしており、厚労省は異物が混入したまま接種した例はないとみている。

◆誤って内側からカギかけ・スマートキーの誤操作や電池切れ…夏の車内、子ども閉じ込め注意 indexへ

 乗用車などの車内に閉じ込められた子どもが熱中症などの被害に遭う事故が後を絶たない。7月には福岡県でバスの車内に置き去りにされた男児が熱中症で死亡した。静岡県内でも子どもが車内に閉じ込められるトラブルが起きており、特に暑さの厳しい夏は被害が深刻化しかねない。専門家は「少しの時間でも子どもを取り残さないでほしい」と注意を呼びかけている。
 7月29日の昼前。静岡市葵区のガソリンスタンドで、車の中に女児(3)と男児(1)が閉じ込められた。駆けつけた消防などによって40~50分後に救出されたが、2人には発熱があり、熱中症の疑いで救急搬送された。誤って内側からカギをかけてしまったとみられている。
 日本自動車連盟(JAF)静岡支部では毎年、暑さが厳しくなる8月に、県内で車内に子どもが閉じ込められたケースを調べているが、2016年から20年までに計36件のトラブルが確認されている。8月だけで10件のトラブルが確認された年もあったという。
 車内に残されたスマートキーの誤操作や、キーの電池切れ、チャイルドロックなどが主な原因という。
 JAFは12年、炎天下における乗用車内の温度の変化に関する実験を行っている。
 気温35度で行われた実験では、窓を閉めた車の中はエアコン停止後、わずか15分で熱中症のリスクが生じる高温になり、4時間の実験時間で車内の平均気温は、窓を3センチ開けた場合でも42度まで達したという。
 また、福岡県の事件のように車を運転していた大人が車内に子どもがいることに気づかなかったり、忘れてしまったりするケースも後を絶たない。
 昨年6月には茨城県で、乗用車に乗せられた女児が、そのまま数時間にわたり放置され、死亡する事件が起きた。父親が保育園に預けるのを忘れていたとみられている。
 JAFの調査によると、「子どもが寝ていた」「数分で終わる用事だった」といった理由で子どもを残して車を離れる人がいるといい、静岡支部の担当者は「『日陰だから』『短時間だから』というのは通用しない。車のカギを子どもに持たせないよう徹底することや、見ず知らずの子どもでも、車内にいるのを見かけたら、110番をすることも大事だ」としている。
 帝京大学医学部付属病院の三宅康史・高度救命救急センター長は「子どもは大人と比べて体が小さく、短時間で体温が上昇する。腎機能が未熟なため、脱水状態にもなりやすい」と指摘する。
 その上で「暑いと感じても車内から逃げ出す能力がない場合もあり、絶対に子どもから目を離してはいけない」と呼びかけた。

◆水田のあぜに座り込む90代女性、見つけた会社員が救急車到着まで水飲ませ声かけ indexへ

 高齢女性を保護したとして、茨城県警常総署は、坂東市の会社員(64)に感謝状を贈った。
 会社員は7月22日午前8時40分頃、常総市で除草作業中、水田のあぜに座り込む90歳代の女性を見つけた。すぐに警察に連絡し、救急車が到着するまで女性に声をかけ続け、水を飲ませた。
 同署によると、女性は手押し車で出かける途中に転倒したらしく、熱中症の恐れがあった。会社員は「救急車が来て安心しました。無事でよかったです」と話した。

◆感染妊婦の搬送先、保健所調整なしで救急隊が決定へ…柏の新生児死亡受け迅速化 indexへ

 新型コロナウイルスに感染した妊婦の救急搬送を巡り、総務省消防庁は23日、全国の消防機関に対し、各都道府県から受け入れ可能な医療機関のリストを提供してもらうよう通知すると発表した。自宅で療養していた千葉県柏市の妊婦の入院先が決まらず、新生児が死亡した問題を受けた措置。救急隊が現場で医療機関を選定できるようにして、迅速な搬送につなげる狙いだ。
 119番を受ける消防指令センターは現在、妊婦の搬送要請があった場合、保健所に連絡する。保健所が医療機関と調整しているが、感染拡大で他の業務に追われ、調整に時間がかかるケースが続出。今後は調整と並行して、救急隊が直接、リストを基に搬送先を決められるようにする。
 武田総務相は記者会見で「受け入れ先をあらかじめ確保することが最優先だ」とした上で、「消防機関が選定することで、迅速で円滑な搬送を図りたい」と述べた。

◆感染妊婦出産し新生児死亡、病床「実質的に満床」…コロナ以外でも受け入れ制限 indexへ

 新型コロナウイルスに感染後、入院先が見つからなかった千葉県柏市の30歳代の妊婦が自宅で出産し、新生児が亡くなるという痛ましい事案が19日、明らかになった。県内の病床使用率は約8割で、「実質的に満床」(熊谷知事)の状態が続く。新型コロナ以外の救急搬送も受け入れ制限が始まり、このままでは必要な医療を受けられずに死亡するケースが再び起きかねない事態に至っている。
 柏市によると、妊婦は妊娠29週で、11日に感染が判明し、14日に中等症レベルと判断された。保健所などが15日から入院先を探したが、17日夕に陣痛を訴えてからも、入院先は見つからなかった。
 県によると、18日時点の病床使用率は78・7%で、重症者用も78・4%に上っている。数値上は若干の空きがあるように見えるが、受け入れ態勢の実情としては、退院する人がいなければ、新たな入院はできない状態だという。
 19日に記者会見した柏市保健所の担当者は、「入院がそもそも難しい上に、妊婦では(受け入れが)余計に難しくなった」と説明した。熊谷知事も同日の定例記者会見で「この妊婦の方も含めて、入院すべき方が入院できない状況を重く受け止めている。感染拡大のスピードがあまりに速く、現場は限界を超えている」と述べた。
 直近1週間の新規感染者の平均は、18日時点で1日当たり1339・6人と前週の1・37倍に増えた。治療が必要な人のうち、入院している人の割合を示す「入院率」は9・2%にとどまる。中等症患者は7月5日時点の81人から、今月18日時点で501人に急増しており、入院できていない人も、一定数いるとみられる。
 今月中旬には、自宅療養中の死亡が相次いで確認された。9日から保健所が入院先を探していた60歳代の男性は、受け入れ先が見つからないまま13日に亡くなった。30歳代の男性は、感染確認後に呼吸苦を訴えて救急搬送されたが、自宅療養に戻され、その後の再検査を経て入院できたものの、10日に亡くなった。
 新型コロナ以外の病気やけがでの救急搬送も、既に受け入れ制限が始まっている。

◆集団接種で注射器落とし、使用済み注射器拾って使用…針押し込めず indexへ

 さいたま市は21日夜、岩槻区役所で実施している新型コロナワクチンの集団接種で、使用済みの注射針を刺した上、医療廃棄物容器の中に落とした注射器を拾ってワクチンを接種し直す不適切な接種があったと発表した。
 発表によると、同日午後1時45分頃、看護師がワクチン接種の際、注射器を脇にある医療廃棄物容器に落とした。看護師は容器から注射器を拾って接種対象者の腕に刺したが針を押し込めず、中身が空の使用済み注射器だったと気付いたという。その後、改めて容器の中からワクチンが入った注射器を探して拾い出し、接種を行った。
 接種を受けた人はその日のうちに、同区内の医療機関で感染症に関する血液検査を受けたという。

◆年齢確認怠り11歳児童に誤接種…12歳になる前に接種券届く indexへ

 岩手県花巻市は22日、新型コロナウイルスのワクチンを11歳10か月の児童1人に誤って接種したと発表した。市は米ファイザー製のワクチンを使用しており、接種対象は12歳以上。児童の健康状態に異常はみられないという。
 発表によると、児童は市がクラスター(感染集団)発生防止を目的に18日から開始した優先接種の対象施設の利用者。12歳になる前に接種券が送付されていたが、予約時や接種会場で年齢確認を怠った。市は今後、年齢確認を徹底するとしている。

◆マダニ媒介ウイルス感染症、60代男性が発熱し入院5日後に死亡 indexへ

 福岡県久留米市保健所は22日、同県八女市の60歳代男性が、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」を発症し、死亡したと発表した。
マダニ
 男性は発熱などの症状で16日に八女市内の医療機関に入院し、17日に久留米市内に転院。19日の検査でSFTSと判明し、21日に死亡した。

◆マスクつけず来店の女、警備員が注視していると…店頭のマスク盗んで着用 indexへ

 店舗からマスク1枚を盗んだとして、新潟県警新潟西署は22日、自称無職の女(68)(新潟市中央区)を窃盗容疑で現行犯逮捕した。
 発表によると、女は同日午後2時25分頃、新潟市西区のショッピングセンターで、不織布マスク1枚(販売価格107円)を盗んだ疑い。マスクをつけずに入店したため、警備員が注視していたところ、商品のマスクを手に取って着用し、そのまま店外に逃げたという。

◆返却費用の自己負担も一因か…市貸与の「パルスオキシメーター」260個戻らず indexへ

 血中酸素濃度の測定用に、新型コロナウイルス感染者に貸与している「パルスオキシメーター」を巡り、兵庫県西宮市が返却を求めて電話作戦に乗り出す事態になっている。備品のため、回復後などには返すよう知らせてあるのに、260個ほどが戻ってきていないという。感染の急拡大が続く中、市は「このままでは貸与分が不足し、新たな感染者の体調管理ができなくなる」と焦りを募らせる。
 血中酸素濃度は症状の急変を知るための指標で、西宮市保健所は体温と合わせてデータシステム上で感染者の容体を把握している。指に付けて使い、95%以下になれば画面で通知される仕組みだという。
 貸与を始めて以来、これまでに1600個ほどを確保している。現在は10歳以上の感染者に送付しており、約1100個を貸し出し中。このうち260個ほどが、隔離解除から既に一定期間が経過して不要になった人の手元に残ったままだという。
 保健所などへ直接持参するか、貸与時に同封した封筒で返送できるが、市は「面倒なのか、今後に備えて確保しておきたいのか……」と推測。若年層の感染が増えている点に加え、返送に要する数百円の自己負担も、返却状況が思わしくない要因となっている可能性があるという。
 市は今月末までに追加で500個を購入予定だが、1個8000円前後と安価ではない上、全国的な感染の急拡大に伴い、医療機器メーカーから「すぐ納品するのは難しくなってくる」と伝えられている。
 市は「返却が滞れば、新規感染者に貸し出せなくなる事態も考えられる」として一人一人に電話で返却を呼びかけており、「きちんと返す」という人がほとんどだという。
 ただ、同様にパルスオキシメーターを貸与する県や明石市などでは、切手不要のレターパックを同封したり、着払いとしたりして返却を促しており、西宮市も「返してもらいやすい方式への改善も検討したい」としている。

◆新生児死亡、感染妊婦受け入れを9か所が断る…県態勢強化へ「ギリギリの状態」 indexへ

 新型コロナウイルスに感染した千葉県柏市の妊婦(30歳代)が、入院先が見つからず自宅で早産して新生児が死亡した問題で、早産となった今月17日は、計9か所の医療機関に受け入れを断られていたことが県の調査でわかった。
 柏市の妊婦は妊娠29週(8か月)。11日に感染が確認された後、自宅で一人で療養し、17日朝に腹部の「はり」や出血を訴えた。
 県によると、この日は保健所や県、妊婦のかかりつけ医が、周産期母子医療センターなど9か所に要請したが、入院先が見つからず、妊婦は同日夕、自宅で男児を出産。男児は搬送先の病院で死亡が確認された。
 この問題を受け、同県は20日、各医療機関に感染した妊産婦の受け入れ態勢強化を依頼。産科のかかりつけ医が可能な限り対面で診察することも求めた。
 一方、千葉大病院(千葉市)は妊産婦の専用病床として、母体胎児集中治療室(MFICU)の活用を拡充する。既に6床中1床を専用病床に振り分け済みで、さらに増床するための人員配置を調整している。
 県の担当者は「妊婦も他の患者と併せて入院の優先順位を判断している。ギリギリの状態」としている。

◆一人で自宅療養の感染妊婦、入院先見つからないまま腹部はり・出血訴え…自宅出産し新生児死亡 indexへ

 千葉県柏市で、新型コロナウイルスに感染した30歳代の妊婦が、入院先が見つからずに17日に自宅で早産し、新生児が死亡していたことがわかった。妊婦は妊娠29週で、一人で自宅療養していた。感染者の急増で病床が 逼迫する中、コロナ治療と産科の両方に対応できる医療機関は限られており、感染した妊婦について受け入れ体制の整備の重要性が浮き彫りとなった。
 柏市保健所によると、妊婦は今月9日に発熱などの症状が出て、検査の結果、11日に感染が確認された。当初は症状が軽く、自宅で一人で療養していた。保健所は14日、初めて健康観察の電話をして、妊婦だと把握。血中酸素濃度から、入院対象となる「中等症相当」と判断し、翌15日から受け入れ先の病院を探す入院調整に乗り出した。
 しかし、入院先が見つからないまま2日間が過ぎた。17日朝に保健所が電話で体調を確認した際、妊婦が腹部の「はり」や出血を訴えたため、保健所や県、妊婦のかかりつけ医が計5回、複数の医療機関に受け入れを要請したが、入院先を見つけられなかった。
 妊婦は17日夕、自宅で男児を出産。119番で柏市消防局の救急隊員が駆けつけたが、男児は心肺停止状態で、同日午後6時過ぎ、搬送先の病院で死亡が確認された。妊婦の命に別条はないが、コロナの中等症で入院しているという。
 市保健所の沖本由季次長は19日の記者会見で、「妊婦の受け入れは、呼吸器系と産科系の連携がないと難しい」とした上で、「保健所としてもじくじたる思い。助けられたかは不明だが、もう少し早く入院できれば、手厚いケアはできたと思う」と述べた。
 秋山浩保市長は同日、読売新聞の取材に「市内の産科医ネットワークと連携して再発を防ぐ方策を考えたい」と述べた。熊谷俊人知事も定例記者会見で「入院するべき人が入院できない状況を重く受け止めている」と述べ、医療機関の連携強化を図る考えを示した。
異変時入院先 事前調整必要 
 新型コロナに感染した妊婦について、厚生労働省は、「入院勧告」の対象としている。妊娠後期(28週以降)に感染すると、早産率や重症化リスクが高まるとの報告があるからだ。
 だが、第3波の感染拡大を受け、同省は今年2月、病床が 逼迫している地域では、医師が入院の必要がないと判断した場合は「宿泊施設や自宅での療養も差し支えない」との見解を都道府県などに示していた。
 千葉県も今月、コロナに感染した妊婦への入院調整手順などを作成。臨月など産科の管理が必要だったり、呼吸状態が悪化したりした場合には周産期母子医療センターなど専門の医療機関への入院対象となるが、産科管理が不要で軽症の場合は自宅療養などで対応できるとした。
 ただ、新型コロナ感染症は容体が急変する恐れもある。感染者に腹部のはりなど妊婦特有の症状が出ている場合は、感染症と産婦人科の対応が必要となり、出産は帝王切開もやむを得ないとされる。かかりつけの産科が対応できない場合、感染して異変が起きた時の入院先を、都道府県や医療機関などが連携して事前に決めておく必要がある。
 日本母体救命システム普及協議会の橋井康二幹事(産科医)は「感染急拡大で医療が逼迫する中、産科医だけでなく新生児科医もいる医療機関を探すのは難しいだろう。広域搬送も考える必要があるのではないか。妊婦と夫がワクチンを接種しやすい環境づくりも必要だ」と指摘する。

◆日本のワクチン証明書、16か国・地域のみ利用可能…厳しい水際対策に相手国が硬化 indexへ

 政府が導入した海外渡航者向けの新型コロナウイルスのワクチン接種証明書をめぐり、利用可能な国の数が伸び悩んでいる。外国人の新規入国を原則認めていない日本側の厳しい「水際対策」が、相手国の対応を硬化させているためだ。
 13日現在、日本の接種証明書の利用を認めているのは、世界で16か国・地域にとどまる。日本政府観光局によると、新型コロナの世界的な感染拡大前の2018年の日本人の渡航先は、米国が約350万人と最多で、韓国、中国、台湾、タイと続いた。上位10か国・地域のうちで日本の接種証明書の利用を認めているのは、タイと香港、ドイツの3か国・地域だけだ。
 海外では、フランスやインドネシアなど70超の国・地域が、接種証明書の提示による入国時の待機の免除や期間短縮、ウイルス検査免除などの優遇措置を設けている。
 日本政府は、こうした国・地域を中心に、日本の証明書の利用を認めるよう交渉している。ただ、「日本側もワクチン接種者の入国を認めなければ、応じられない」と「相互主義」を主張し、日本の証明書の利用に難色を示す国も多いという。
 政府は今後、ワクチン接種済みの入国者の制限緩和も検討したい考えだが、全国的に感染の拡大が続いていることから、「議論することすら難しい」(政府関係者)のが現状だ。
 日本国内では、7月26日から全国の市区町村で証明書の申請を受け付け始めたが、需要との「ズレ」も生じている。
 東京都品川区では8月12日までに、約1280件の接種証明書の申請があった。渡航予定先は米国や英国、フランスなど、日本の接種証明書を認めていない国も多いという。接種証明書は渡航先にかかわらず発行されるためだ。
 多くは、将来的な利用に備えての申請とみられるが、外務省幹部は「使用目的の審査はしていないので、海外に行く予定がない人でも申請できてしまう面もある」と話している。

◆「薄め過ぎた」ワクチン、最大6人に誤って接種…市部長「申し訳ない」 indexへ

 和歌山県田辺市は12日、新型コロナワクチンの集団接種で、生理食塩水で薄め過ぎたワクチンを最大6人に誤接種したと発表した。健康被害は出ていない。2度目の接種後に抗体検査を行い、抗体値の低い人は希望に応じて再接種する。
 市によると、7日に行った12歳以上の市民への1回目の接種で、ワクチンが注射器6本分余った。原液を希釈してワクチンを注射器に移した後、使用済みの瓶が再び希釈に回されたとみられる。最大で6人に誤って接種され、市は可能性のある230人に抗体検査の案内を送った。
 市は使用した瓶をすぐ箱に入れて廃棄するなどの再発防止策を講じた。虎伏務・保健福祉部長は「全国的にコロナ感染者が激増している時に申し訳ない」と陳謝した。

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◆テレ朝社員、午前4時頃にカラオケ店出ようとしてビル2階から転落…五輪「打ち上げ」で宴席 indexへ

 テレビ朝日の東京五輪の番組担当スタッフ10人が閉会式後の8日夜、東京・渋谷のカラオケ店で飲酒を伴う宴会を開き、20歳代の女性社員がビルから転落して左足骨折の重傷を負っていたことがわかった。
 警視庁渋谷署とテレビ朝日によると、10人は社員6人と外部スタッフ4人で、8日夜から打ち上げと称してカラオケ店で飲酒。女性社員は9日午前4時頃、1人で先に退店しようとした際、1階出入り口が閉まっていたため、2階の窓から店の看板をつたって下りようとして転落したという。「人が落ちてきた」と通行人が110番した。
 テレビ朝日は「著しく自覚を欠く行動があったことは大変遺憾」としている。

◆中国で「肺炭疽」患者1人確認…牛や羊から感染か indexへ

 【北京】北京市は9日、肺 炭疽の患者1人を確認したと発表した。隔離治療中だとしており、性別や年代、症状の程度は明らかにされていない。
 発表によると、患者は河北省・囲場満族モンゴル族自治県で発症してから4日後に救急車で北京に運ばれた。市疾病予防コントロールセンターは、牛や羊などが草を食べる際に土壌中の炭疽菌に感染することが多く、これらの動物との接触を通じた感染が一般的だと説明している。この患者も牛や羊と触れた記録があるという。
 日本の厚生労働省によると、肺炭疽は、治療しなければ数日以内に死亡する可能性もある。

◆11歳に誤ってワクチン接種…市は今年度中に12歳になる市民に接種券を発送 indexへ

 東京都町田市は、医療機関が実施している新型コロナウイルスワクチンの個別接種で、12歳以上が対象の米ファイザー製ワクチンを、11歳の児童に誤って接種したと発表した。健康被害は確認されていないという。
 発表によると、市は7月15日に今年度中に12歳になる市民に接種券を発送。11歳の児童は、7月31日に保護者同伴で医療機関を訪れて接種を受けていた。
 市は「接種前の年齢確認の徹底を周知したい」としている。

◆陽性率が著しく高く、再検査したら…200人分を「陽性」と判定ミス indexへ

 群馬県は7日、県内で採取された検体の新型コロナウイルスのPCR検査で、民間会社が陰性を誤って陽性と判定するミスが約200人分あったと発表した。
 ミスがあったのは、前橋市の「エスアールエル北関東検査センター」で、県によると、4日に受け付けた検体の陽性率が著しく高かったため、2、3日分と合わせて再検査したところ、ミスが判明した。原因を調査しているという。60人ほどについては「感染者」として発表されており、県が近く人数を訂正する。誤判定を受けた人には保健所が連絡を取っている。県は関連し、4日に発表した伊勢崎市内の保育施設のクラスター(感染集団)について、発生を取り消した。

◆モデルナ製ワクチン、2回目接種翌日に8割で37・5度以上の発熱…ファイザー製の2倍に indexへ

 米モデルナ製の新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省研究班は、2回目の接種翌日に37・5度以上の発熱が約8割で起きたとする調査結果を明らかにした。米ファイザー製の2倍の頻度という。
 同省の専門家検討会で4日、報告された。調査はモデルナ製ワクチンを接種した自衛隊員ら約2500人が対象。2回目の接種翌日に37・5度以上の発熱があったのは78・4%で、38度以上も61・9%に上った。接種2日後にも約2割に発熱があった。これらの副反応で約4割が急きょ仕事を休まざるを得なくなっており、研究班の伊藤澄信・順天堂大客員教授は「接種翌日は勤務をしない前提で態勢を組んだ方が良い」と話した。

◆80代女性にワクチン4回、2か所の医療機関で誤接種 indexへ

 岐阜市は2日、医療機関が行った新型コロナウイルスワクチンの個別接種で、同市に住む80歳代女性が、誤って2か所の医療機関で計4回の接種を受けていたと発表した。現在、女性に健康被害は確認されていないという。
 市によると、女性は、最初の医療機関で6月7日と28日に接種。かかりつけの別の医療機関では同20日と7月11日に接種した。
 市は、女性から6月19日に「接種券を紛失した」との申し出があり、同日に再発行していたことを明らかにした。実際は、最初の医療機関の接種で付き添っていた知人が接種券を持っていたため、重複が生じたとみられる。
 市によると、再発行申請時、女性には6月7日に接種を受けたとの認識はなかったという。市は、接種記録システムによる再発防止の徹底を図るとしている。

◆成田空港の水際対策はユルユル…使用不可の一般トイレ使う・ボール遊びの選手団も indexへ

 東京五輪で選手ら大会関係者が連日入国している成田空港で、新型コロナウイルスの水際対策として一般客と大会関係者を分離する「バブル方式」の緩さが指摘されている。全体を仕切る司令塔が不在で責任の所在が明確でないためだ。成田国際空港会社(NAA)は、実態を踏まえた対策の実現に向け、国などと協議する方針だ。
 大会関係者を含むすべての入国者は、空港に到着すると、検疫所でコロナの検査を受けた後、検査結果を数時間待つ。NAAによると、大会関係者の待機場所は当初、制限エリア内だったが、1日あたりの入国者数が想定より多く、不特定多数の人も入る一般エリアに変更したという。
 NAAは、空港検疫所や大会組織委員会などと協議しながら適宜、ロープで動線を変更したり、専用トイレを設けたりして「バブル」を演出している。しかし、一般客との分離は徹底されていないのが現状だ。
 7月20日夜には、第1ターミナルの一般エリアに誘導されたある国の選手団は音楽をかけてボール遊びを始めた。中にはマスクをしていない選手もおり、遠巻きに見守っていた一般客から「オリンピック選手なんだからルールやマナーは守って」と疑問の声が上がった。
 このほか、選手団の待機場所からの移動に義務づけられた組織委スタッフの同行が守られず、使用不可の一般トイレを使う事例もある。一般客が選手に駆け寄って写真を撮ったり、ハイタッチを求めたりするケースも後を絶たない。
 こうした状況が続く背景には、空港にバブル方式の全体を掌握する司令塔が不在の事情がある。NAAは「空港のスペースを提供する立場」とし、検疫所は「検査まで」が基本スタンスだ。空港関係者の間では「一義的には選手たちを受け入れている大会組織委員会が責任をもって対応するべきだ」との声が聞かれる。
 NAAの田村明比古社長は7月29日の定例記者会見でバブル方式について「ルールが守られていない事例があり、検証する必要がある」と述べ、国や大会組織委員会と協議する考えを示した。

◆11歳にファイザー製接種、微熱や腫れ…机上の「2種混合」とワクチン取り違え indexへ

 和歌山県海南市は28日、同市内の医療機関で、新型コロナウイルスのワクチンを11歳の児童1人に誤って接種したと発表した。米ファイザー製のワクチンで接種対象年齢は12歳以上。児童には微熱や接種部位の腫れがあるという。
 発表によると、26日午前9時頃、ジフテリアと破傷風の2種混合ワクチンの接種を受けるために訪れた児童に対して、誤って接種した。診察室の机の上に2種混合と、新型コロナワクチンの両方が置いてあり、医師が誤って新型コロナワクチンを手に取ったという。

◆医師免許ないのに問診、ワクチン接種を許可…介護施設の元施設長を再逮捕 indexへ

 医師免許がないのに、介護施設入所者に新型コロナワクチンを受けるための問診をしたなどとして、愛知県警は26日、水戸市新原、無職の女(70)を医師法違反の疑いで再逮捕した。
 発表などによると、女は5月26日~6月23日、施設長を務めていた茨城県笠間市の介護施設で、医師免許を持たずに入所者83人を問診し、ワクチン接種を許可した疑い。容疑を認めているという。
 女は医師免許を取得したことがなかった。愛知県警は偽造された医師免許証のコピーを茨城県に提出したとして、偽造有印公文書行使の疑いで6月に逮捕し、余罪を調べていた。

◆高齢者ら6人に生理食塩水を接種か…抗体検査「陰性」なら改めて接種へ indexへ

 鹿児島県大崎町は16日、新型コロナウイルスワクチンの集団接種で、高齢者ら6人に希釈用の生理食塩水を接種した可能性が高いことを明らかにした。町は「健康への影響はない」としている。
 接種はワクチンの液剤を生理食塩水で希釈して行っている。町によると、11日午前、234人対象の集団接種後、ワクチン入りの注射器が6本残っていた。
 町は6人には生理食塩水だけを打った可能性があるとして、234人全員に連絡を取り、2回目の接種時に抗体検査を受けてもらうように要請。陰性の場合は改めて接種するという。町の担当者は「住民を不安にさせたことをおわびしたい。チェック体制を厳しくしたい」と話した。

◆娘を連れて帰り「車内で寝てしまった」…熱中症か1歳次女死亡、母親逮捕 indexへ

 22日午前10時40分頃、千葉県八千代市の集合住宅の駐車場で、「車内で寝てしまい、起きたら娘の意識がない」と母親から119番があった。女児は死亡が確認された。熱中症とみられる。八千代署は23日、車内に女児を放置したとして、母親の自称飲食店従業員(25)を保護責任者遺棄容疑で逮捕した。
 発表によると、母親は22日午前10時10~40分頃、駐車場に止めた軽乗用車内に次女(1)を放置した疑い。調べに対し、母親は黙秘しているという。
 母親は同日朝、都内の飲食店を退勤後、知人宅に預けていた次女と長女(3)を引き取り、車で帰宅。逮捕前の事情聴取では、車内で3時間ほど寝た後、家で長女を着替えさせ、30分後に車に戻ると、次女がぐったりしていたと説明していた。

◆日本脳炎ウイルスが豚に流行、蚊を介し人に感染すれば死亡率20~40%…「野外で露出避けて」 indexへ

 高知県は、県内で日本脳炎ウイルスが豚に流行しているとして、注意を呼びかけている。豚から蚊を介して人間に感染するとされ、重篤化する可能性もある。
 発症は1000人に1人の割合とされ、県内で患者が確認されたのは、2010年が最後。発症した場合は高熱や頭痛などの症状が出て、20~40%が死亡するとされる。人間から人間には感染しない。
 県は先月下旬、県内の養豚場の豚10匹を調べ、7匹からウイルスを検出した。県は「野外で活動する際は皮膚の露出を避け、防虫スプレーなどを使ってほしい」としている。

◆「ばれないと思った」銀座のキャバクラ、未明まで営業…時短協力金168万円詐取 indexへ

 営業時間短縮の要請に応じた事業者に支給される東京都の新型コロナウイルス対策の協力金をだまし取ったとして、警視庁は21日、板橋区、キャバクラ店経営の男(42)を詐欺容疑で逮捕したと発表した。逮捕は19日。
 発表によると、男は3~4月、経営する中央区銀座のキャバクラ店が緊急事態宣言中の2月8日~3月7日に時短営業を行ったと偽り、都から協力金168万円をだまし取った疑い。「ばれないと思った」と容疑を認めている。
 店は昨年11月の開店後、未明まで営業して約1億6500万円を売り上げていた。男は国の持続化給付金や家賃支援給付金も申請しており、警視庁が経緯を調べている。

◆産休取得する女性教諭に「勝手だ」「一緒に仕事するのは無理」…小学校臨時講師がマタハラ indexへ

 兵庫県教委は20日、同僚の女性教諭にマタハラ(妊娠等に関する嫌がらせ)をしたとして、播磨東地区の公立小女性臨時講師(41)を減給10分の1(1か月)とするなど、計4人を懲戒処分にした。
 発表によると、臨時講師は4月、同僚から産休や育休を取得すると報告を受け、「勝手だ」「今まで通り一緒に仕事しろと言われても無理」などと否定的な発言をした。
 このほか、播磨東地区の県立高男性教諭(64)(再任用)は4月、授業で使う工具を男子生徒が無断で触ったことに激高し、ペンチで額をたたくなどの体罰をしたとして、減給10分の1(3か月)とした。
 また、複数の生徒に「女性の下着はどんな色がセクシーか」などと聞いた60歳代の播磨東地区の県立高男性教諭(再任用)をセクハラで、生徒がポケットに入れた手を払うように蹴った尼崎市立中男性教諭(38)を体罰で、それぞれ戒告とした。

◆冷蔵庫プラグ外れかけ、庫内が常温に…ワクチン1494回分を廃棄 indexへ

 滋賀県東近江市は17日、新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場の市蒲生支所で、ワクチンを保管する冷蔵庫の温度管理を誤り、1494回分を廃棄すると発表した。既に受け付けた予約分は予定通り接種できるという。
 市によると、廃棄されたワクチンはファイザー製。17日午前7時20分頃、出勤した職員が冷蔵庫のプラグが外れかけて庫内が常温になっているのに気付いた。庫内の温度が上昇したのは16日午後4時頃で、職員がその約1時間前にワクチンを取り出した際は異常はなかったという。
 市はプラグをテープで固定せず、同日午後5時に会場を閉鎖する際も温度確認をしていなかった。市は「今後はミスがないよう注意する」としている。

◆給食カレーに体長2cmのゴキブリ死骸、2年児童が見つける indexへ

 滋賀県長浜市教委は16日、市立七郷小で15日に提供された給食に、ゴキブリの幼虫の死骸(体長約2センチ)が混入していたと発表した。児童は口に入れておらず、体調に問題はないという。発表では、2年生の児童がカレーの中に死骸が入っているのを見つけた。市教委は長浜北部学校給食センターや、調理と配送を受託する業者への聞き取りなどを通じて原因を調べている。

◆河野行革相「要望を見誤ったのは私の失敗」…ワクチン不足で陳謝 indexへ

 河野行政・規制改革相は14日の衆院内閣委員会の閉会中審査で、市区町村で新型コロナウイルスワクチン不足による接種予約の受け付け停止が相次いでいる問題について、「もう少し具体的な供給計画を早めに示す必要があった」と陳謝した。
 ワクチン接種を巡っては、職域接種についても申請が殺到して新規受け付けを停止している。河野氏は「要望が強かったことを見誤ったのは私の失敗だ」と述べ、見通しの甘さを認めた。
 河野氏は、現在は全国で1日140万回ペースで接種が進んでおり、今後も100万~120万回は維持できるとの見通しを示した。政府は、7月末までの高齢者向け接種と、10月から11月にかけて希望する国民への接種を完了させる目標を掲げており、河野氏はいずれも目標を達成できるとの認識を示した。

◆ワクチン接種時に「肝炎検査を強要された」…苦情相次ぎ市が調査へ indexへ

 大阪市内のクリニックで、新型コロナウイルスワクチンの接種時に「肝炎ウイルスの採血検査を強要された」との苦情が相次ぎ、市が調査することがわかった。市は検査を接種の条件にするのは
 市や接種した人によると、個別接種を行う同市天王寺区のクリニックは来院した接種希望者に対し、肝炎検査の同意書に記入させ、拒んだ人にはワクチン接種を断っているという。
 市には今月7日以降、約10件の苦情があった。市は「同意を得てワクチン接種と採血を同時に行うことは問題ないが、接種の条件とするのは不適切」とする。
 国は各医療機関に、肝臓疾患のある人への接種は慎重に判断するよう求めているが、採血検査を接種の条件とはしていない。厚生労働省も「事実なら、行き過ぎた行為だ」としている。
 クリニックの院長は読売新聞の取材に対し、「採血検査を推奨しているが、ワクチン接種の条件にはしていない」としている。
 このクリニックは、無料で肝炎検査を実施する市指定の医療機関の一つで、1回の検査につき、約7000円の委託料が市からクリニックに支払われる。

◆「ゴルフ好き」近大元教授、私物購入を隠すそぶりなく…社印の偽造も indexへ

 近畿大医学部法医学教室の経費請求を巡る詐欺事件で、元教授の巽信二被告(66)(詐欺罪などで起訴、懲戒解雇)が大阪府警に詐欺容疑で再逮捕され、大学からだまし取ったとされる金額は計約3900万円に上った。大半は府警から依頼された司法解剖の委託費という「公金」が原資で、趣味だったゴルフの道具などに流用された疑いがある。不正は約10年に及んでいたとみられ、背景に大学の管理の甘さが浮かぶ。
■納品検査なし
 巽被告は、大阪市中央区の医療機器販売会社元社員藤戸栄司被告(52)(起訴)と共謀し、司法解剖などで使う医療用品を同社から購入したと装って偽の領収書を提出し、大学から金をだまし取ったとする詐欺容疑で2度にわたって逮捕された。詐取したとされる額は2015~21年で計約3900万円に上る。
 近大によると、医学部では研究や業務に伴う外部からの報酬や寄付は大学が受け取り、その9割を教室の経費として割り当てている。経費は、研究や教室の運営以外の目的では使用できず、大学が各教室から領収書の提出を受け、指定する口座に振り込む。
 大学は定期的に領収書の約1割を抽出調査しているが、納品の確認まではしておらず、領収書の偽造にも気づかなかったという。
 領収書の品目が書き換えられたほか、一部で偽の社印が使われており、近大は「社印の偽造までは見抜けなかった」とする。
 近大は調査委員会で再発防止策を検討しているが、医学部のある教員は「大学のチェックはあってないようなものだ」と指摘する。
■ ゴルフが趣味
 法医学教室と医療機器販売会社の取引は遅くとも11年に始まり、この頃から私物が購入されていた。同社はリストを残しており、目を引くのがゴルフ関係だ。
 クラブセットのほか、ゴルフボールを単品で注文することもあった。医療機器販売会社には9年前に10万円以上のゴルフ旅行を手配した記録も残っているという。巽被告は頻繁にコースに通うなど、ゴルフ好きとして知られていた。
 巽被告が、こうした私物の購入を周囲に隠すそぶりはなく、藤戸被告が教室まで持ってくることもあった。教室の元職員は「誰も口出しできないと思っていたのではないか」と振り返る。
 藤戸被告は容疑を認め、巽被告は当初は否認していたが、その後容疑を認める供述に転じたという。
■ 司法解剖も水増しか
 法医学教室を巡っては、司法解剖の検査数を水増しし、府警に費用を過大請求していた疑惑も生じている。
 府警から近大に支払われる司法解剖の委託費は年間数千万円。巽被告が大学から詐取したとされる金の大半はこの委託費が原資だ。府警に提出された司法解剖の報告書は巽被告の名義で、府警は詐欺事件の捜査と並行し、過去5年分全ての報告書について精査を進めている。
 巽被告は約40年にわたって司法解剖に携わり、今年2月、警察庁長官から民間人に贈られる最高位の表彰「警察協力章」を贈られるなど、警察の捜査に貢献してきた人物だった。
 府警幹部は「水増しをなぜ見抜けなかったのかも含めて、徹底的に調べる」と厳しい表情で話した。

◆保管用冷蔵庫のドア開いたまま…ワクチン1116回分を廃棄、接種計画に遅れも indexへ

 岐阜県山県市は2日、新型コロナウイルスのワクチン1116回分(558人分)を廃棄すると発表した。保管用冷蔵庫のドアが開いたままになっており、適正温度よりも4度以上高くなったため、品質の保証ができなくなったという。
 市によると、2日午前11時40分頃、市職員が庁舎内の保管用冷蔵庫にワクチンを取りにいったところ、ドアが無施錠で、わずかに開いていた。冷蔵庫内は、適正温度(2~8度)を上回り、12度に達していた。
 市は、現在予約済みのワクチン接種は、予定通り行えるとしているが、今後は接種の計画に遅れが生じる可能性があるという。林宏優市長は「確認ミスが原因で貴重なワクチンを廃棄することとなり、深くおわび申し上げる」とのコメントを出した。

◆17歳の男女4人に誤って接種、予約システムの設定ミスで indexへ

 群馬県は2日、高崎市と太田市に設けた新型コロナウイルスの集団接種会場で、18歳以上を対象とする米モデルナ製ワクチンを17歳の男女4人に誤って接種したと発表した。健康被害は確認されていないという。
 発表によると、予約システムの設定が、年度末時点の年齢で判定していたため、年度内に18歳を迎えれば予約できる状態だった。県がシステム状況を点検していたところ、設定ミスが判明し、他にも17歳の予約が確認され、18人に電話などでキャンセルを求めた。県は予約日時点の年齢で予約を受け付けるようにシステムを改修し、接種会場での年齢確認も徹底するとしている。

◆感染経験者の抗体量は予防には不足、接種必要…1回で2回分と同じ抗体量に indexへ

 新型コロナウイルスに感染した経験のある人でも、感染予防に十分な量の抗体を得るには少なくとも1回のワクチン接種が必要とする研究結果を、長崎大の柳原克紀教授(臨床検査学)らのチームが発表した。
 感染を経験した49人と感染したことがない113人について、米ファイザー製ワクチンの接種前後で、ウイルス表面のたんぱく質に対する抗体の量がどう変わるかを調べた。
 その結果、感染経験者の接種前の抗体量は、予防に十分とされる量の10分の1程度にとどまっていた。しかし、1回目の接種から1週間後には増え、2回接種を受けた感染経験がない人の抗体量と同等になった。感染で獲得した免疫が、1回の接種で十分なレベルに強まったとみられるという。
 一方、感染経験者が2回接種した後の抗体量は、1回目の接種後と大きな変化はなかった。厚生労働省は、感染経験者も2回接種の対象としている。
 中山哲夫・北里大特任教授(臨床ウイルス学)の話「一度感染した人でもワクチン接種は必要だ。ただ1回の接種でも十分な効果があるため、ワクチンが不足する場合は1回で済ますことも考えられる」

◆ワクチン「接種したくない」11・3%…女性の抵抗感強く、若い世代ほど割合高い indexへ

 新型コロナウイルスのワクチンを「接種したくない」と考える人が11・3%いることが国立精神・神経医療研究センター(東京)などの調査でわかった。若い世代ほどその割合が高く、男性より女性のほうが抵抗感が強い傾向が見られた。
 調査は2月、全国の15~79歳の男女2万6000人を対象にインターネットで実施した。
 「接種したくない」人は、15~39歳の若年層では女性が15・6%、男性14・2%だった。40~64歳では女性13・2%、男性10・6%と年代が上がるにつれてその割合は減り、65~79歳では女性7・7%、男性4・8%となった。最も高い15~39歳女性と、最も低い65~79歳男性を比べると、3倍以上の開きがあった。
 接種を嫌がる理由としては、「副反応が心配」が73・9%と最も多く、「あまり効果があると思わない」19・4%、「ワクチンを打ちに行く時間がない」8・8%が続いた。
 同センタートランスレーショナル・メディカルセンターの大久保亮室長は「特に接種を嫌がる人たちに向けて、有効性と副反応の正確な情報が伝わる工夫が必要だ」と指摘している。

◆市長「必死で準備したのに…はしご外された」、ワクチン不足で接種予約中止 indexへ

 兵庫県丹波市は29日、64歳以下を対象に同日から始める予定だった新型コロナウイルスワクチンの接種予約の受け付けを中止すると発表した。国からのワクチン供給が不足しているためとしている。
 市によると、対象は64~16歳の市民約3万2000人だが、国からは県を通じ、ワクチンを3500人分ほどしか準備できないとの連絡が27日にあった。接種券は県の大規模接種会場でも使えるとして、28日に予定通り発送した。65歳以上への接種はすでにワクチンを確保できているため、影響はないという。
 林時彦市長は読売新聞の取材に「国や県から早く接種を進めるように言われ、必死で準備をしてきたのに、はしごを外されたようなものだ」と憤った。

◆mRNAワクチン なぜ効果 抗体 新型コロナに特化…新潟薬科大客員教授 古市泰宏氏 indexへ

 ふるいち・やすひろ 東京大学大学院薬学系研究科博士課程を修了。国立遺伝学研究所と米ロシュ分子生物学研究所に在籍中、mRNAキャップ構造を発見。日本ロシュ研究所生物工学部門長などを経て現職。米ウイルス学誌の常任審査委員も務めた。80歳。
 新型コロナウイルスのワクチン接種は、国民の2割が1回目を終えた。実用化まで1年足らずというスピード開発だったが、感染や重症化の予防に関して高い効果が報告されている。このワクチンの仕組みや安全性について、開発の源流にあたる研究を行った古市泰宏・新潟薬科大客員教授に聞いた。(医療部長 本間雅江)
ウイルス設計図を利用
 ――国内で接種されているワクチンはどのようなものですか。
 現在、使われているのは、米ファイザー社製と米モデルナ社製です。どちらもコロナ表面に突き出たスパイクたんぱく質の遺伝情報(設計図)を組み込んだメッセンジャーRNA(mRNA)が主成分です。スパイクたんぱく質は、免疫細胞がコロナを攻撃する際の目印になります。ワクチンを使って体内でスパイクたんぱく質を作り、あらかじめこれを攻撃する練習をしておくのです。
 実用化を可能にしたのは、壊れやすいmRNAの安定化や、スパイクたんぱく質を細胞内で作りやすくするなどの技術です。このうち安定化につながったのが、私が46年前に見つけた、mRNAなどの端についている「キャップ」と呼ばれる構造です。これがないとmRNAはすぐに壊れるうえ、たんぱく質をうまく作れなくなります。こうしたワクチン開発に必要な技術が、ちょうど出そろっていたことがスピード開発につながりました。
 ――海外では2回接種で9割以上感染を防ぐなど高い効果が報告されました。
 これまでのワクチンは、ウイルスを丸ごと弱毒化して体内に入れたり、無毒化してたんぱく質の一部を注射したりして免疫反応を起こさせ、異物を排除する抗体を作るのが主流でした。その際、ウイルスが持つ十数種類ものたんぱく質などの全てに対し、それぞれ抗体が作られ、不必要な抗体や有害な抗体ができることがありました。
 ところがmRNAワクチンは、免疫の標的となるスパイクたんぱく質だけを効率良く細胞に作らせることができます。できたたんぱく質は細胞表面を覆い、細胞をまるで「生きたウイルス」のように見せかけて免疫反応を促します。従来のワクチンや実際のウイルス感染よりも、標的に対する抗体だけが効率良くできるので、感染予防や重症化抑制の高い効果につながり、変異ウイルスにも効果があるのでしょう。最近の論文では、ウイルスに感染して治った人も、変異ウイルスに備えて接種したほうが良いとの報告もあります。
 ――安全性については大丈夫なのでしょうか。
 標的となるスパイクたんぱく質だけを作るように入念にデザインされているので、いろいろなたんぱく質が体内に入るよりも副反応が少ないといえます。ワクチンのmRNAは、細胞内に入ったのち、役割を終えるとすぐに分解されてしまうため、長期的な影響も残らないと考えられます。
 まれに重いアレルギー反応「アナフィラキシー」が起こりますが、化粧品などにも使われているポリエチレングリコールなど、注射液の添加物が原因の可能性が指摘されています。ほかは、接種の際の筋肉痛や軽い免疫反応による発熱などがほとんどのようです。
メッセンジャーRNA(mRNA) 生物の遺伝情報であるRNA(リボ核酸)のうち、細胞が作るたんぱく質の情報を運ぶ役割のもの。遺伝情報にはRNAやDNA(デオキシリボ核酸)があるが、コロナにはRNAしかない。4種類の化学物質(塩基)が連なり、塩基3個1組でたんぱく質のアミノ酸を示す。
変異型 一定程度は防御
 ――ワクチンは実用化されましたが、特効薬はできるのでしょうか。
 エボラ出血熱の治療で使われるウイルスを抑える薬や、肺炎などの炎症を防ぐ薬が、コロナ治療用に認可されましたが、コロナの増殖を劇的に抑える特効薬はまだありません。
 コロナは体内に入ると、〈1〉細胞にとりついて入り込む〈2〉自身の設計図(RNA)に基づいて複製に必要な酵素やスパイクたんぱく質などを作る〈3〉RNAを複製する〈4〉数百個のウイルスが細胞を飛び出し隣接する細胞に感染する――といった感染サイクルを見せます。ここまでにかかる時間はわずか1日。できるまでに2週間近くかかる抗体は間に合いません。細胞は死に至り、集まってきた白血球などの免疫細胞が攻撃を始めて炎症が起こり、細胞の死骸などが血栓症の原因になります。これが広がり肺炎などを発症するのです。
 ウイルスは、細胞の中に入り込んでしまうために、直接、薬で攻撃するのが難しいのですが、方策がないわけではありません。感染サイクルのどこかを効率的に阻害することで、特効薬ができると考えています。
 ――コロナウイルスはいつ収束するのでしょうか。
 簡単には収束しないでしょう。コロナが持っている自身の設計図であるRNAは、基本的に4種類の化学物質でできています。この4種類が特定の配列で約3万個並び、1本の鎖状になっています。
 コロナは複製の際、その順番に合わせて同じRNAを作ります。しかし、3万個もあるので、コピーミスが起こって少しだけ違うウイルスができることが頻繁にあります。そこから増殖能力の高いウイルスが勝ち抜き、我々の前に現れるのです。それが変異ウイルスです。いま話題のインド型(デルタ型)もその一つで、感染力は従来の2倍近くと言われています。
 もし、遺伝情報がDNAなら、同じ情報を持つ鎖が2本セットであるため、互いの情報を照らし合わせて修正できるのですが、コロナウイルスのRNAは、鎖が1本しかなく変異しやすいため、今後も新たな変異ウイルスが生まれてくるでしょう。幸い、これまでに現れた変異ウイルスは、現在のmRNAワクチンである程度防御できることがわかっています。
 人類を脅かす新たな感染症は、コロナ以降も発生するでしょう。直近でも人類は、エイズやエボラ出血熱など多くの新興感染症に脅かされてきました。コロナ禍で開発されたmRNAワクチン技術が今後、未知の感染症や、他の病気の治療に対する強力な武器になることを期待しています。

◆注射器で吸い上げた後、微量ワクチン残った容器に生理食塩水を加え希釈か…最大6人に誤注射 indexへ

 広島県尾道市は27日、市瀬戸田福祉保健センターで26日に行った新型コロナウイルスワクチンの集団接種で、基準の濃度に達していないワクチンを最大6人に注射した可能性があると発表した。健康被害の恐れはないといい、集団接種を受けた182人の抗体を検査して特定する。
 発表では、接種の際はワクチンが入った容器に生理食塩水を加えて希釈し、注射器で吸い上げて6人分をつくる。
26日の集団接種では、希釈したワクチンが入った注射器6本が余り、生理食塩水の使用量が多かった。市は、6人分を吸い上げて微量のワクチンが残った容器に、再度、生理食塩水を加えて接種したとみている。

◆高血圧薬データ改ざん、ノバルティスファーマ側の無罪確定へ…最高裁が検察側の上告棄却 indexへ

 高血圧治療薬「ディオバン」を巡る臨床研究データ改ざん事件で、薬事法(現・医薬品医療機器法)違反(誇大記述・広告)に問われた製薬大手「ノバルティスファーマ」元社員(70)と法人としての同社について、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は28日付の決定で検察側の上告を棄却した。1審・東京地裁と2審・東京高裁の無罪判決が確定する。

◆「束縛されるのは困ると考えた」国内未承認の中絶薬飲まされた少女が流産、男に有罪判決 indexへ

 交際相手の少女に中絶薬を飲ませて流産させようとしたとして、不同意堕胎未遂罪に問われた会社員の男の被告(21)に対し、福岡地裁は28日、懲役2年6月、執行猶予4年(求刑・懲役3年6月)の判決を言い渡した。伊藤寛樹裁判長は「母体や胎児の安全を脅かす身勝手で卑劣な犯行」と述べた。
 判決によると、被告は昨年9月24日夜、福岡市内の親族方で、性病の治療薬と偽って少女(当時18歳)に妊娠中絶薬を飲ませ、流産させようとした。
 少女は流産したが、因果関係は不明。判決は動機について「妊娠の責任を負って結婚を余儀なくされ、束縛されるのは困ると考えた」と指摘した。
 被告は国内で承認されていない海外製の中絶薬をインターネットで購入した。妊娠中絶薬を巡っては、違法な通販サイトでの売買が後を絶たず、健康被害も起きている。

◆ウイルスは「ガチャポンの中に巻物があるだけ」…「ニャガサキ博士」がゆる~く解説 indexへ

 新型コロナウイルスの感染拡大で、「ウイルス」という言葉を聞かない日はない。漫画や平易な説明文でウイルスについて解説した書籍「Dr.ニャガサキのゆるふわウイルス入門」が教育評論社から出版された。著者の高知大農林海洋科学部の長崎慶三教授(水圏ウイルス学)は「恐ろしい敵というだけではなく、生命の繁栄に役割を担ってきたウイルスについても興味を持ってもらいたい」と話している。(福田友紀子)
 長崎教授は、ネコのニャガサキ博士として解説役を務めている。そのほか、「良いウイルスもいるんだよ!」と澄んだ瞳で訴えるウイルス君、好奇心旺盛な高校生らが登場する。知人で漫画家のあきのはこさんがマンガを手がけた。
 見開き右ページに漫画、左ページに解説という構成。「ばい菌」との違いや、ウイルスが腸内細菌のバランスを整えることがあるなど人間との関わり、ウイルスの変異などを取り上げ、「ウイルスはガチャポンのような入れ物となかの巻物だけでできている」「コップ一杯の海水のなかには何十億というウイルスが存在する」など、想像しやすい例えを用いて説明している。
 新型コロナの変異ウイルスについては、人間のワクチンによる防御に対してウイルスの一部が変化することで、角度を変えて攻撃を仕掛けていると紹介。全く新しい恐ろしいウイルスが出現したわけではないとしている。
 専門家でない知人に読んでもらってわかりやすいか確認したり、ふりがなを多くしたりして、小学校高学年の児童が読んでも理解できるように心がけた。寝転んでも読みやすいよう、本の厚さにも気を配ったという。
 専門は海に存在するウイルスの研究。コロナ禍だからこそ、わかりやすい書籍を書きたいと製作に取りかかった。長崎教授は「情報が多すぎると大切なことが伝わらない。専門家に怒られることを覚悟で、情報を割愛し、わかりやすさにこだわった」と話している。
 A5判120ページ、税込み1100円。高知県内では金高堂書店などが取り扱っている。

◆イスラエル 屋内でマスク着用が再び義務化 indexへ

 新型コロナウイルスのワクチン接種が世界最速レベルで進むイスラエルで25日、感染者が増加傾向となり、屋内でのマスク着用が再び義務化されました。
 イスラエルでは今月上旬、1日あたりの新規感染者数が1ケタまで減少しましたが、今週に入ると、増加傾向が顕著となり、地元メディアによりますと、24日には227人で、この2か月で最多となりました。インドで確認されたデルタ株が広がったためとみられています。
 これを受け、保健省は25日、屋内でのマスク着用を再び義務化しました。マスク着用義務は10日前に撤廃されたばかりでした。
 イスラエルの人「新型ウイルスは終わったと感じていたが、そうではなかったようだ」
 ただ、感染者が増える一方で、1日あたりの死者数は0人、または1人にとどまっています。
 政府はワクチン接種をさらに進め、特に12歳以上の子どもへの接種を急ぐ考えです。

◆「ワクチン接種した後」コロナに感染し、入院・死亡した米国人「4000人」越えた indexへ

 米国で 新型コロナウイルス感染症ワクチンを接種した後に感染し、入院したり死亡した人が4000人を越えたことがわかった。
 米疾病予防管理センター(CDC)によると、今月21日基準で 完全にワクチン接種を終えても 新型コロナに感染する「突破感染」により、死亡したり入院した人は4115人である。このうち 死者は750人である。ただ 750人のうちの142人は、新型コロナとは無関係だというのが CDCの説明である。
 「突破感染」により入院した人は3907人で、米CDCは「このうちの1000人が、新型コロナとは関連なく入院した」と明らかにした。突破感染は、ワクチンを2次まで接種しても ウイルスが抗体保護機能を迂回して 人体に感染させることを意味する。突破感染による入院や死亡患者の76%が、65歳以上の高齢者である。
 米国と英国など80か国あまりで 変異株が急激に拡散しているため、ワクチンを接種しても感染する事例が発生しているものと分析されている。最近米国で 新型コロナの感染者全体のうち、インド発の「デルタ変異株」が占める割合は20%に達する。ファイザー社ワクチンの2回の接種を終えれば、デルタ株を88%まで予防できるという調査結果が出たが、これは これまでのウイルス予防率(95%)より低い数値である。
 専門家たちは「突破感染を予想していた」という立場である。米国食品医薬品局(FDA)諮問委員会のポール・オフィット博士は「ワクチンは、重症疾病にも100%効果があるというものではない」とし「突破感染による死者750人は、新型コロナによる米国の死者全体のうちのごく一部だ」と説明した。26日基準で 新型コロナによる米国の累積死者数が60万3000人であることから比べてみると、その0.12%が 突破感染による死者数となる。
 サンフランシスコ カリフォルニア大学の感染症専門家であるピーター・チンホン博士は「ワクチンを接種しても 新型コロナに感染し死亡する確率は、隕石がぶつかり死亡する可能性と似ている」とし「大きな枠でみると、ワクチンは非常に強力だ」としてワクチン接種の必要性を改めて強調した。

◆接種でできた免疫、感染者の抗体より変異型に効果高い可能性…米研究チーム indexへ

 新型コロナウイルスのワクチンを接種した人の血液中にできる抗体(免疫)は、ウイルスに感染した人の抗体に比べ、変異ウイルスへの効果が高い可能性があるとする研究成果を、米国の研究チームが発表した。論文が米医学誌に掲載された。
 米フレッド・ハッチンソンがん研究センターなどによるチームは、新型コロナウイルスの表面にあるたんぱく質を、人工的に少しずつ形を変えて3000種以上用意。米モデルナ製ワクチンを2回接種した人と、ウイルスに感染した人の血液を集め、これらのたんぱく質に抗体がどれだけ反応するかを調べた。
 その結果、ワクチン接種を受けた人の抗体の方が、多くの種類のたんぱく質に反応して免疫が働いていることがわかったという。
 実験で使ったモデルナ製のワクチンは、体内でウイルス表面のたんぱく質を作る遺伝物質(メッセンジャーRNA)を主成分にしている。米ファイザー製も同じタイプだ。
 石井健・東京大教授(ワクチン科学)の話「ワクチンはウイルスが人の細胞に感染するのに重要な部位を狙い撃ちにするので、効果が高いとみられる。一度感染した人にも接種を広げることが重要だ」

◆東京女子医大病院の2歳児死亡事故、麻酔科医ら5人に賠償責任認定 indexへ

 東京女子医大病院で2014年、首の手術後に鎮静剤「プロポフォール」の大量投与を受けた男児(当時2歳)が死亡した事故で、男児の両親が麻酔科医ら7人に損害賠償を求めた訴訟の判決が24日、東京地裁であった。男沢聡子裁判長は「投与は不適切だった」などとして、被告のうち5人に計約6060万円の賠償責任があると認定。一方、病院側が弁済のために既に約1億円を供託したことから、請求自体は棄却した。
 判決によると、原告の長男の孝祐ちゃんは14年2月18日、同病院で首の腫瘍手術を受け、集中治療室(ICU)で人工呼吸器を付けての経過観察に移った。その後、人工呼吸中の子どもへの使用が「禁忌」とされているプロポフォールを約70時間投与され、同21日夜に心不全などで死亡した。
 判決は「プロポフォールは海外の死亡例を踏まえて禁忌とされており、医学的に相応の理由がない限り、使用は許されない」と指摘。ICUの副運営部長だった麻酔科医には相応の理由を検討せずに投与を決めた過失があるとし、容体管理にあたった研修医ら2人にも大量投与を続けた過失を認定した。執刀医ら2人も鎮静剤のリスクに関する事前の説明が不十分だったとした。
 原告側は訴訟で「医師らは鎮静剤の選択や投与量などを誤った」として、7人に計1億5000万~1億8000万円の賠償を請求。被告側は「選択や投与量が不合理だったとはいえない」と反論していた。
 孝祐ちゃんの父親は判決後の取材に「医師の過失が認められてホッとしたが、一言の謝罪もないのは残念だ」と述べた。母親は「息子を死なせた責任の重さを改めて考え直してほしい」と目に涙を浮かべて語った。東京女子医大の岩本絹子理事長は「尊い命、希望に満ちた将来を奪ってしまったことを心からおわびする」とコメントした。
 事故を巡っては、この日過失が認定された元副運営部長ら2人が今年1月、業務上過失致死罪で在宅起訴された。

◆様々な変異ウイルスに対応…「スーパー中和抗体」富山大など取得、人工的に作製も可能 indexへ

 富山大や富山県衛生研究所などの共同研究グループは16日、新型コロナウイルスに感染した患者に投与すると重症化を防ぐことができる「中和抗体」について、現在確認されている様々な変異ウイルスに対応できる「スーパー中和抗体」を取得したと発表した。今後、治療薬の早期実現化を進める。
 研究グループによると、研究ではまず、新型コロナで重症化し回復した人の血液から、細胞の遺伝子を取り出して遺伝子組み換え抗体を作製。この中から特に感染を防ぐ力が強く、多種類の変異ウイルスに対応できるスーパー中和抗体を取得した。
 中和抗体は、ウイルスが人の細胞と結合するのを阻害する働きがあり、軽症や中等症の患者に投与すれば重症化を防ぐことができる。「スーパー中和抗体」は新型コロナの従来型のほか、現在確認されている英国型やインド型などほとんどの変異ウイルスの感染を防ぐことができるという。ブラジル型については現在確認中としている。
 同大で開いた記者会見で斎藤滋学長は、「抗体を投与することで重症化を予防でき、医療資源の確保に貢献できる」と意義を述べた。スーパー中和抗体は人工的に作製できるため、同グループでは製薬会社と連携し、安定的な治療薬供給を目指す。

◆町長や町幹部、コンパニオン呼び10人で飲酒伴う会食…2次会でカラオケも indexへ

 青森県平内町の船橋茂久町長は16日、町役場で記者会見し、町幹部や町議ら計10人が11日夜に町内の飲食店で飲酒を伴う会食をしたことを明らかにした。「コロナ禍でこうしたことをしてしまい、町民に心からおわびする。反省したい」と陳謝した。
 船橋町長によると、11日は町議会6月定例会最終日で、議会閉会後、船橋健人議長の発案で5月に亡くなった町議をしのぶ会を役場近くの飲食店で開催。船橋町長や山田光昭副町長、渡辺伸一町教育長のほか、船橋議長をはじめ町議5人らが参加し、コンパニオン3人が同席した。その後はスナックで2次会を開き、カラオケを歌ったという。
 町によると、船橋町長と山田副町長は新型コロナワクチンの2回目の接種を終えているが、未接種の参加者もいたという。

◆ワクチン接種進めば、未接種者も感染減…イスラエルで分析 indexへ

 新型コロナウイルスワクチンの接種率が高まると、接種していない人たちへのウイルス感染も抑止されるとの分析結果を、イスラエルの研究チームが発表した。免疫を持った人が増え、感染が広がりにくい状況になっているためとみられるといい、論文が米医学誌「ネイチャー・メディシン」に掲載された。
 昨年12月から米ファイザー社製のワクチン接種が始まったイスラエルでは、接種が世界最速ペースで進んだ。現在は16歳以上が対象で、既に国民の60%超が1回以上の接種を受けている。
 チームは、国内177地域の住民の接種率と検査陽性率を分析。その結果、子供との接触機会が多い16~50歳の接種率が20%程度に達すると、未接種の16歳未満の陽性率が、接種がほとんど進んでいない頃と比べてほぼ半減した。接種率が20ポイント上がると、さらに陽性率は半減すると推定される。
 ただ、免疫がない人にも感染が広まらなくなる「集団免疫」の獲得には、接種などで免疫を持った人が60~70%程度必要と言われている。
 大石和徳・富山県衛生研究所長の話「ワクチンで、間接的にウイルス感染を防ぐ効果を実際の感染データで示した前例はほとんどなく、注目すべき成果だ。幅広い年齢層で接種を着実に進めていくことが重要だ」

◆倦怠感・手のしびれ…半年休職した女性「感染前の状態とは程遠い」、軽症でも残る後遺症 indexへ

 新型コロナウイルスの後遺症が感染時に軽症だった人たちにも表れている。療養後、強い 倦怠感や嗅覚異常など様々な症状を理由に仕事や学校を長期間休まざるを得なくなったり、周囲に理解されずに孤立感を深めたりと、心身の不調が深刻化するケースもある。原因がはっきりしないために周囲の理解が不足しがちで、支援のあり方が課題となっている。
 昨年12月に感染した京都市の理学療法士の女性(26)は、ひどい倦怠感に悩まされ、半年近く休職を余儀なくされている。「手のしびれも残っている」。今は福岡県糸島市の実家に戻ったが、2階の自室へ上がる階段がつらく、ほぼ終日、リビングで過ごす。
 女性は感染時、2日間の高熱と嗅覚障害が出たが軽症だった。自宅療養となり、半月ほどで仕事に復帰。感染前と同様に高齢者宅への訪問リハビリをこなした。
 異変が出たのは1週間後。強い倦怠感で利用者の体を支えられなくなり、仕事を休みがちになった。一人暮らしで家事ができず、2月から休職して糸島市の実家へ。その後、着替えなどの日常動作すら困難になった。食は細り、体重は1か月で4キロ落ちた。
 3月、コロナ後遺症外来を開いている福岡市の「みらいクリニック」を受診。鼻の奥に感染の影響と思われるひどい炎症が見つかり、塗り薬などで治療した。少しずつ改善しているが、「感染前の元気な状態とは程遠い。好きな仕事だが退職も考えている」と話す。
 同院は2月に後遺症外来を設置。これまでに10~40歳代を中心に約50人が来院している。感染時は軽症・無症状者だった人が7割で、全体の8割に倦怠感、4割に嗅覚障害や鼻づまりがあった。集中力低下や脱毛、関節痛なども見られた。今井一彰院長(50)は「症状や程度に個人差があるが、回復まで数か月以上かかるケースが多い」と説明する。
登校できず孤立感…「ずる休み」の誤解も
 国立国際医療研究センター(東京)によると、回復後に表れる後遺症は「ウイルス後疲労症候群」と呼ばれ、確立した治療法は見つかっていない。「第4波」では変異ウイルスの影響で感染が拡大した若い世代も、症状に苦しんでいる。
 福岡市の高校1年の女子生徒(15)は、5月初旬に感染が判明。その時は発熱もなかった。ホテルで療養し自宅に戻ってから頭痛や倦怠感がひどくなり、現在まで登校できないまま。級友が「ずる休みをしてる」と書き込んだSNSも見つけ、落ち込んだ。
 学校からは「これ以上休むと内申に響く」と登校を促されている。保健所に相談したが具体的な支援はなく、最近やっと後遺症外来にたどり着いた。「勉強の遅れを取り戻せるのか、クラスになじめるのかと悩み、気分が沈む日々が続いている」と女子生徒は漏らす。

◆コロナワクチン、空気入りの注射器で高齢者2人に注射 岡山県高梁市 集団接種会場でミス、該当者の特定急ぐ indexへ

 岡山県高梁市は14日、新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場でワクチンの代わりに空気が入っていた注射器で、高齢者2人に誤って注射するミスがあったと発表した。筋肉注射のため、微量の空気が体内に入っても健康被害の危険は低いという。
 市によると、高梁保健センターで13日午前の接種が終わった時点で、ワクチン入りの注射器が想定より2本多い3本余った。さらに空気のみ入っていた注射器もあり、誤りに気付いた。
 その後の調査で、担当の看護師が午後の接種に備えて0・3ミリリットルの空気のみ吸入した注射器を、ワクチン入りの注射器と交ぜて置いたことが判明した。最後の7人のうち2人に誤注射した可能性が高いと判断。市は7人に謝罪した。
 市感染症対策室は「あってはならないミスで申し訳ない。注射器を1本ずつ確認するなど再発防止を徹底する」とし、該当者の特定を急ぐ。
 今回余った3回分のワクチンは廃棄した。

◆コロナワクチン、持病があっても打てる? 優先接種の基礎疾患は? 《ワクチン接種Q&A》接種時に注意が必要な病気・薬と接種優先度が高い基礎疾患 indexへ

 新型コロナウイルスのワクチンは、持病がある人が打っても心配はないのでしょうか。呼吸器の病気や心臓病、糖尿病・肥満などの基礎疾患のある人は、高齢者に次ぐ接種の優先対象となる一方で、事前にかかりつけ医に相談した方がいい持病や症状もあります。血をサラサラにする抗凝固薬をのんでいる人は、接種後の出血に注意が必要です。
別ワクチンでアレルギー疑いの人は事前相談を
コロナワクチン、持病があっても打てる?
Q: 「高血圧や狭心症などの持病があっても、ワクチンを打てますか?」(50代後半男性)、「どんな持病がある場合に、ワクチン接種に気をつける必要があるのでしょうか?」(60代前半女性、80代前半女性)
A: 厚生労働省によると、接種を受けられないのは、ワクチンの成分に対して激しいアレルギー反応を起こしたことのある人や、接種当日に発熱している人などです。それ以外の持病(基礎疾患)の場合、接種できることが多いのですが、中には接種を慎重に検討した方がいい種類の持病もあります。薬などで病状がコントロールされていれば接種しても問題ない種類の持病でも、症状が悪化しているなど接種を控えた方がいい人もいます。心配な方は接種の前にかかりつけ医に相談して下さい。
 厚労省は、接種を受けられない人以外に、次のような体験などがある人は、ワクチン接種に注意が必要なので、事前にかかりつけの医師に相談した方がいいと呼びかけています。
▽過去に、ワクチン接種後2日以内に全身に蕁麻疹(じんましん)が出たり発熱したりといったアレルギーの疑いがある症状の出たことがある人
▽何らかの理由で、新型コロナウイルスワクチンに対してアレルギーが起こる恐れのある人
▽過去にけいれんを起こしたことがある人
▽免疫不全の診断を受けたことがある人や、近親者が先天性免疫不全症と診断されている人
 激しいアレルギー反応、アナフィラキシーは、接種後30分以内に起こることが多いので、過去にアレルギーを経験したことがあるなど心配な人は、接種会場で行われる接種前の問診でもその旨を伝え、接種後30分間、会場で体調変化がないか観察して下さい。
 上述の免疫不全症だけでなく、抗がん剤などでがん治療を受けている最中だったり、骨髄移植や臓器移植の後で免疫抑制剤をのんでいたり、エイズ(後天性免疫不全症候群)だったりして免疫力が低下している人も、かかりつけ医に接種について事前に相談した方がいいと厚労省はしています。
高血圧、糖尿病、肥満など、高齢者に次ぐ優先対象
 一方で厚労省は、高血圧や糖尿病、喘息(ぜんそく)、肥満、心筋梗塞(こうそく)、心不全、腎臓の病気といった持病があっても、ワクチン接種ができるとしています。下の表のような持病のある人は、感染すると重症化するリスクが高いため、65歳以上の高齢者に次いで優先的に接種を受けられることになっています。
 ただし、症状が悪化していて体調が悪い時などはワクチン接種を控えた方がいいこともあります。迷う場合にはかかりつけ医に相談して下さい。ワクチンの供給量不足が解消されてきたため、接種を実施する各自治体や大規模接種会場では、接種対象者を拡大する方向にあります。接種順位の基本的な考え方やどのような持病のある人が優先的に接種を受けられるのかは、厚労省のサイトにある資料(接種順位の考え方:https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000756894.pdf)に記載されています。詳細を知りたい方は、参考にして下さい。
免疫力が低下している人が、接種後に気をつけたいこと
 優先接種の対象となる基礎疾患のある人は、推計で約1030万人います。このなかには、免疫力が低下している人も含まれています。新型コロナウイルスに感染した場合、重症化しやすいので、やはり65歳以上の高齢者に次ぐ優先接種の対象になっています。
 その一方で、免疫力が低下していると、ワクチンの効果が低くなり、十分に免疫がつかない可能性があります。このため厚労省は、ワクチンを打った後も、流行が続いている間は、マスクの着用や、他の人との距離を十分に取る、手洗いをしっかりするといった予防的な対策を継続する必要があると注意喚起しています。
 自分の免疫力とワクチンの効果については、連載「ワクチンを知ろう」の1回目「そもそもワクチンとは? コロナワクチンの特徴」や7回目「感染予防の基本動作と免疫力を高める工夫」でも詳しく説明しています。ぜひ参考にしてみて下さい。
 新型コロナワクチンは筋肉内に注射するため、いわゆる「血液をサラサラにする薬」と呼ばれる薬をのむなど抗凝固療法を受けている人や、血小板減少症の人、血友病など血液が固まりにくい凝固障害のある人は、接種後に止血を十分にするなど出血に注意する必要があります。
 血液をサラサラにする薬には上の表のようなものがあります。接種にあたり薬を中断(休薬)する必要はないものの、接種後は、2分間以上、しっかり押さえることが必要とされています。接種後、腕が腫れたり、しびれたりする症状がでたら、医師に相談してほしいといいます。詳しくは厚労省のサイトにあるパンフレット(血をサラサラにする薬を飲まれている方へ:https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/pdf/priority_5_1.pdf)を参考にしてください。
          ◇
 新型コロナウイルスやコロナワクチンに関するReライフ読者会議メンバーの疑問や質問に、新型コロナ関連の著書がある科学医療ジャーナリストの大岩ゆりさんが、専門家・研究者らに取材・解説します。

◆ベトナムでAZ接種した病院職員53人が大量感染…世界が騒然 indexへ

 ベトナムのある病院で職員53人が新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の大量陽性判定を受けた。該当病院職員は全員、アストラゼネカ(AZ)ワクチンの接種を終えた。異例の「大量突破感染」にベトナム防疫当局と世界の防疫専門家が注目している。
 現地メディア「VNエクスプレス」はホーチミン市熱帯病病院の職員53人が12日に陽性判定を受けたと13日(現地時間)、報じた。
 AZワクチンは約60~70%の効果があり、接種2回を終えれば90%ほどの予防効果があるといわれている。接種を終えたといっても感染する危険は残っている。ただし、ワクチン接種後に感染した場合、接種しなかった時と比べて比較的症状が軽く、重症に進む可能性が低くなる。また、ウイルス排出も少なく、他の人を感染させる危険も低い。
 現地保健当局によると、4月27日から始まった第4波地域感染により、今まで7424人の感染者が報告された。12日にはベトナム全域で293人が発生した。そのうち約3分の1にあたる95人がホーチミンから出た。これに伴い、ホーチミン市はこの日終了する予定だった社会的距離の確保をさらに2週間延長した。
 一方、14日、韓国の新型コロナ予防接種対応推進団によると、韓国における累積1次接種者は1183万381人で全体人口の23%に該当する。このうちAZワクチン接種者が798万9993人で最も多い。ファイザーワクチン接種者は326万1859人だ。

◆医療従事者の感染、月525人から47人に激減…「ワクチンの効果」 indexへ

 東京都内で5月に新型コロナウイルス感染が確認された医療従事者は47人で、今年最も多かった1月の10%以下に減ったことが、読売新聞の調べでわかった。全感染者に占める割合も下がっており、専門家は3月から本格化したワクチン接種の効果とみている。
 読売新聞は、都が毎日発表している新型コロナの新規感染者数などを月ごとに集計し、医師や看護師ら医療従事者の感染状況を分析した。都内で月の感染者が最多の4万人に達した1月は、医療従事者の感染者は全体の1・3%の525人。2月と3月は、それぞれ1万人前後の感染者のうち、医療従事者は2月が3・33%の366人、3月は2・55%の237人だった。
 4月は感染者が1万8000人に急増する一方、医療従事者の感染者は77人にとどまり、全感染者に占める割合は0・43%に低下。5月は約2万2000人の感染者中、医療従事者は47人で全体に占める割合は0・21%とさらに下がった。
 医療従事者向けのワクチン接種は、2月に全国100の医療機関で先行接種が、3月からはその他の医療機関で優先接種が行われている。国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長は「医療従事者が対策に努めていることもあるが、ワクチンの効果が表れていると考えられる」と指摘している。

◆ワクチン接種後の「胸痛」にご用心 心筋炎の報告が相次ぐ【コロナ第4波に備える最新知識】 indexへ

 厚生労働省は9日、米ファイザー社製(コミナティ)並びに先月22日から国内接種が始まった米モデルナ社製(モデルナ)の新型コロナワクチン接種後の副反応について検討する専門家の合同部会を開いた。
 医療機関からの報告によると、ワクチン接種回数はコミナティが同30日までに1305万9159回、モデルナが9万241回の計1314万9400回となった。
 今回報告の同16日まではコミナティが657万5255回。2週間で657万4145回増えた計算だ。
 菅首相の「1日100万回接種目標」に応えた形だが、接種回数が増えれば副反応疑い、重篤、死亡が増えるのは当然だ。
 たとえば、副反応疑いの報告件数はコミナティとモデルナがそれぞれ1万658件(男性1911件、女性8728件、不明19件)と17件(男性5件、女性12件)の計1万675件。先月16日まではコミナティの9382件だったから、1293件増えた勘定だ。
 重篤報告数は先月16日までが1052件、30日までが1260件(男性249件、女性1007件、不明4件)となった。
 死亡は医療機関または製造販売業者から今月4日までに計196人報告された。国際基準に基づくアナフィラキシーと判断されたのは、先月30日までに計169件だった。なお、モデルナは重篤・死亡とも報告時点でゼロだった。
 コミナティの副反応疑いの報告頻度を比較すると前回0・14%が今回0・08%と大幅に減少したのは不可解だが、合同部会は重篤者・死亡では前回と大きな差は表れなかったとしてワクチンの安全性については引き続き「重大な懸念は認められない」とした。
 そんななか新たにクローズアップされたのは心筋炎だ。米疾病対策センター(CDC)が10日発表した暫定調査によると心筋炎発症者のうち半数以上が12~24歳で、接種者全体に占める割合は9%未満だったという。また、16~24歳のうち2回目接種後に心筋炎を発症したのは283人で、予想の10~102人を大幅に超過。8割近くが男性だった。日本では先月22日以降、医療機関から5件、製造業者から8件報告がある。
 委員からは「軽度でも後遺症は出る可能性はないのか?」などの声が上がった。専門委員は「ごくまれで、ほとんどが軽症」として、接種後心筋炎で入院した20代男性の例を説明した。血液検査で心筋炎マーカーの数値の上昇は見られたものの器質的変化はなかったという。ただし、「軽度の心筋炎は疑ってかからないと見つけられないため副反応としての心筋炎はもっと多いのではないか」として注視することになった。
 循環器疾患に詳しい医師が言う。
「WHO、CDC共にワクチン接種後の心筋炎は念頭に置くべきとしていますが本格的なデータ収集はこれからでしょう。ただ、ワクチン接種後の心筋炎発症は疑いもない事実。米国の小児科医からは14~19歳の健康な男子7人が2回目の接種後2~4日で心筋炎・心筋心膜炎が出た症例が報告されています。全員胸痛がありましたが2~6日の入院ですべて回復したそうです。欧州の友人の医師はワクチン接種後10日間不整脈が出たと知らせがありました。接種数日以内に生じ、胸痛、動悸、息切れなどの症状が出ます。症状が出ない、不顕性のものも多い可能性はあります。幸い今は頻度も少なく、たとえ症状が出てもステロイドや普通の消炎鎮痛剤の治療で軽快します。ただ、大人なら無視できても、子供の長期的後遺症はわかりません。それゆえ、注意深く子供や青年の経過観察する必要はあるでしょう。胸部症状が出れば早めの検査と経過観察が必要です」

◆県ワクチン接種センターで「空」注射器で接種のミス/埼玉県 indexへ

 さいたま市浦和区にある高齢者向けのワクチン接種センターで、13日、男性1人にワクチンが入っていない空の注射器で接種するミスがあったと県は発表しました。男性の体調に異常はないということです。
 県のワクチンチームによりますと、13日午前10時前、県浦和合同庁舎のワクチン接種センターで、60代の男性に対して男性看護師が、ワクチンを入れずに接種を行ったということです。
 看護師が、空気を0.2ミリリットル入れたところで違和感に気づき、その後、医師が診察して、健康に問題がないことを確認した上で、改めて、ワクチン接種を行いました。
 また、通常は15分取っている接種後の経過観察を、30分に延ばして様子を見ましたが、接種された男性の体調に異常はないということです。
 県は、医学上は筋肉に少量の空気を注射しても問題はないと話していますが、今後は、ワクチンが注射器に入っていることを複数で確認するなどして、再発防止に努めるとしています。

◆80代男性に空気を注入、ワクチン集団接種 瓶から吸い上げ失敗、医師が違和感で気づく indexへ

 京都府南丹市は14日、新型コロナウイルスワクチンの高齢者向け集団接種で、ワクチンが入っていない注射器で0・3ミリリットルの空気を同市八木町の80代男性に注入するミスがあったと発表した。男性に体調不良は確認されていないという。
 市によると、12日に同町の市八木支所で実施した集団接種で発生。瓶からワクチンを吸い上げる作業がうまくいかず、注射器にワクチンが入っていなかったにもかかわらず、充てんの担当者と確認担当の看護師、医師のいずれもが見逃したという。医師が打った際に違和感を覚えて誤りに気づき、男性に説明した上で適切に打ち直した。
 西村良平市長は「心よりおわびする。再発しないよう努める」とコメントした。

◆ワクチンを常温で放置、接種対象者も見つからず…732回分廃棄 indexへ

 長野県中野市は11日、新型コロナウイルスワクチンを常温で放置するミスがあり、計732回分を廃棄したと発表した。
 発表によると、10日午後3時半頃、集団接種会場の中野保健センターで、市職員2人が冷蔵庫からファイザー製のワクチン123瓶が入った箱を取り出し、1瓶(6回分)を抜き取った後、122瓶を常温で1時間半ほど放置した。職員2人で作業していたが、1人はワクチンを看護師に渡しに行き、もう1人は問い合わせなどに対応していたため、冷蔵庫に戻すことを失念したという。
 ファイザー製のワクチンは、常温解凍の場合は2時間以内の希釈が必要。今回常温で放置したのは約1時間半だったが、会場の職員は1回以上は接種済みだったため、接種対象者が見つからず廃棄した。予備のワクチンはあるため、市は今後の接種計画に影響はないとしている。
 市の担当者は「貴重なワクチンを廃棄することになり申し訳ない。職員の役割や人員配置などを見直し、再発防止策を徹底する」としている。

◆1箱1170回分のワクチンを冷凍せず、すべて廃棄に…市長「確認ミスが原因」 indexへ

 埼玉県桶川市は11日、新型コロナウイルスワクチン1箱(1170回分)を誤って冷凍庫で保管せず、使用できなくなったと発表した。市は、すべて廃棄処分にするという。
 発表によると、5月14日に市保健センターに届いたワクチン15箱を冷凍庫に移す際、担当者3人が1箱だけ、配送用の段ボール箱から取り出すのを怠っていた。市が今月8日、ワクチンの残量を確認し、ミスが判明した。
 小野克典市長は「人為的な確認ミスが原因で廃棄することとなり、大変申し訳なく思う」とのコメントを発表した。

◆患者にわいせつ行為の医師、処分厳格化を検討…民事裁判記録も活用 indexへ

 患者にわいせつ行為をした医師や歯科医師に対し、厚生労働省が免許取り消しなどの行政処分の厳格化を検討していることが10日、分かった。現状では、原則、わいせつ事件などで罰金刑以上の刑が確定した場合に医師らを処分してきたが、今後は民事裁判で認められた事実関係なども活用して処分できるよう、処分指針を見直す方針だ。
 医師法などは、罰金以上の刑が確定した場合、厚労相の諮問機関「医道審議会」の意見を聞き、医師らを行政処分するよう規定。「医師(歯科医師)の品位を損する行為」を行った場合は刑事罰なしでの処分も可能だが、事実認定が難しく、事実上、処分の対象外となってきた。
 一方で、わいせつ事案で示談が成立し、不起訴処分になった精神科医がすぐに診療を再開するなどのケースを問題視する声が与党から上がっていた。
 このため厚労省は、医師や歯科医師の立場を悪用して診察時に体を触るなど、処分対象となる行為を例示し、刑事裁判が開かれなくても、民事裁判の記録などでわいせつ行為が確認できれば処分できるというルールを明確化する方針。

◆日本初 “変異株"を無力化する「中和抗体」の人工作製に成功!“夢の治療薬"開発となるか? indexへ

「数名のドナー血液があれば、新型コロナウイルスの中和抗体を、だいたい10日くらいで作製することが可能になりました」(広島大学大学院 保田朋波流教授)
先日発表された、驚きの研究結果。広島大学などの研究チームが、日本初となる、新型コロナの“変異株"を無力化する「中和抗体」を、人工的に、しかも非常に短期間で作製することに成功したというのです。これは治療薬になるのか?また、実用化されるものなのでしょうか?
研究チームのトップは、広島大学大学院、保田朋波流(やすだともはる)教授。免疫学の専門家として、普段はアレルギーの原因になる物質や病原体などの異物に対して、抗体が作られる仕組みを明らかにする研究を行っています。その経験を活かし、新型コロナ感染者から血液をとるなどして中和抗体を人工的に作ることが出来ると考え、去年4月に今回の研究を始めました。
新型コロナの感染から回復すると「中和抗体」を獲得する
「中和抗体」とは、ウイルスに感染した人が回復した後に体内で作られる、同じウイルスの働きを抑えるたんぱく質のこと。体内に中和抗体があれば、ウイルスを無力化し、細胞への感染を防ぐことができるのです。
感染から1年後の「中和抗体」保有率
横浜市立大学、山中竹春教授の研究発表(5月20日)によると、“新型コロナ"の感染者は、感染後1年が経っても、中和抗体を保有していることが明らかになりました。無症状・軽症の場合は、1年後は96%の保有率、中等症・重症の方は1年後も100%の保有率だったのです。
日本初 「中和抗体」を10日間で作製することに成功!
日本最速の中和抗体の作製技術
研究チームは、この中和抗体を人工的にわずか10日間で作製することに成功したといいます。どのようにして、この世界初の作製が可能となったのでしょうか?
研究チームは従来株の感染者の23歳~93歳の18人の血液を分析。その結果、「重症者」の8割が“強い中和抗体"を保有していること、さらに、「感染から8週間経過してから回復した人」は“特に強い中和抗体"を保有している、ということをつきとめました。
これまでは、数百人の感染者の、数千~数億個の細胞から、性能の良い抗体を見つける作業に時間がかかっていたのですが、この研究結果により、この2つの条件を満たす1~2人の血液抗体から20~40の細胞を採取することで、中和抗体の候補となる細胞を探し出すことが可能に。さらに、企業秘密の独自技術などを活用した結果、従来は数週間かかっていた工程を、わずか1日に短縮することができたのです。
次に、見つけた細胞から中和抗体の元となる遺伝子を取り出し設計図を作成。最後にその設計図を別の細胞に入れて、人工中和抗体を作製します。他の変異型ウイルスへの効果を試すテストも含めて、これまで数週間~数か月かかっていた全工程がわずか10日で、しかも研究員1人だけで、出来るようになったというのです。
“変異株"も無力化! 「中和抗体」のメリットとは
「中和抗体」人工作製のメリット
この人工中和抗体は、変異株にも有効だということが判ってきました。イギリス株には97%有効、南アフリカ株には63%有効という、高い数値が出ています。従来株に感染し回復した人の血液から、変異株に対応できる中和抗体の作製が可能だということは、大きなメリットです。
「様々な種類の人工中和抗体を今から用意しておくことで、ワクチンが効かない、新たな変異株の出現時も迅速に対応できます」(保田教授)
さらに、人工中和抗体は重症化や死亡率を抑えることができる、というデータが報告されています。そのため治療薬への期待も高まっているのです。
中和抗体とワクチンの違い
では、中和抗体とワクチンはどう違うのでしょうか?今、全国で接種が行われているワクチンは、病原性のないコロナウイルスの一部を体内に注入し、抗体をあらかじめつくっておくことで病気になりにくくするという、予防効果を期待するものだということに対し、中和抗体はウイルスに感染した人の体内で作られるたんぱく質で、ウイルスの働きを抑える「治療薬」になると期待されています。
さらに、副反応が無いという特徴も。中和抗体は、元々人の身体の中にある「タンパク質」を元にしているため、安全性が高いというのです。
今回の研究に対し、専門家や医師は―
「とても良い研究結果。予防効果も大事だが、かかった方の治療開発も両輪で重要。」(横浜市立大学 山中竹春教授)
「治療薬となり得る明るい話題。開発研究 臨床現場への応用を加速度的に行うことで、日本の大きな武器になる。」(インターパーク倉持呼吸内科 倉持仁医師)
新型コロナは死ぬ病気ではなくなる?“夢の治療薬"は実現するのか?
アメリカでは治療薬として使用されている
期待の高まる中和抗体の人工作製ですが、気になる費用はどれくらいなのでしょうか?
「研究室では数名分しか作ることができないが、アメリカのリジェネロン社が大規模製造する抗体がアメリカで緊急使用承認されたもので、1ショット大体20万円~100万円弱くらいになるのではと言われています。抗体を医薬品として製造するには費用が億単位でかかるので、どうしても薬価が高額になりますが、今、過剰量を投与されているものの量を絞っていけば、今後安くなる可能性はあると思います。」(保田教授)
安全性と効果が見込まれれば、保険適用などの可能性もあるそうですが、それでは、日本での実現化はいつ頃になるのでしょうか?
「アメリカで作られているものは、すでに人に投与されていて安全性は確認されているので、日本でも特例承認されて輸入が始まれば、使えるようになるのではないかと思います。僕らが持っている抗体は、まだ大量に作れる状態になっていないので、時間がかかります。今すぐにというわけにはいかないです。」(保田教授)
新型コロナウイルス治療の希望となる人工中和抗体の研究。治療薬として早く普及できるよう進んでいくことを期待します。

◆2回打たれたことを妻が不審に思って…男性に使用済み注射器使う、医師は報告せず indexへ

 堺市は8日、新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場で7日夕に、使用済み注射器を同市中区の60歳代男性に使うミスがあったと発表した。健康被害は今のところ確認されていない。担当した30歳代の男性医師は市に報告しておらず、男性側の指摘で発覚した。
 発表では、医師が注射器を男性の腕に刺した後、ワクチンが入っていないのに気づき別の注射器で接種した。2回打たれたことを不審に思った男性の妻が市の相談窓口に問い合わせた。
 医師は市に「ワクチンが入っていない新品の注射器だと思った」と説明。調査の結果、実際には別の人の接種に使ったものだった。市はこれを受け、この医師を集団接種から外した。
 同市では集団接種に関するミスが相次いでおり、市健康福祉局の河野淳一理事は記者会見で「市民に少なからず不安を抱かせている。手順の再確認を徹底し、安心して接種してもらえるよう努力する」と謝罪した。

◆ワクチン打った人の抗体量 高齢男性、若い女性の半分 千葉大病院 indexへ

 高齢男性の抗体の量は若い女性の半分――。千葉大病院(千葉市中央区)が新型コロナウイルスワクチン接種を2回受けた同病院職員1774人のウイルスに対する抗体の量(抗体価)を調べたところ、年齢や性別などによってこうした傾向が見られることが分かった。同病院はさらに、どのくらいの抗体価で新型コロナに感染しにくくなるかについても追跡調査する。【秋丸生帆】
 新型コロナ感染拡大を受けて同病院が今年2月に新設した「コロナワクチンセンター」が研究成果として3日に発表した。
 医療従事者向けに供給された米ファイザー社製ワクチンを2回接種した同病院の21~72歳の職員1774人(男性606人、女性1168人)について、年齢や性別、生活習慣、薬の服用歴などの要素と、接種後の抗体価の関係を調べた。
 この結果、1773人(99・9%)で抗体価が上昇していることが確認できた。年齢、性別ごとに見ると、21~29歳の女性の抗体価(いずれも中央値、単位はU/ml)が2340だったのに対し、60~69歳の女性は1405にとどまった。60~69歳の男性では1270と、若い女性のおよそ半分しか抗体が生成されていなかった。年齢が高くなるほど抗体価は少なくなり、さらに、男性は女性と比較して全年齢で抗体価が少なかった。
 また、抗体価の多寡を左右する他の要素も示唆された。新型コロナの感染歴があるなどして接種前に抗体が確認されていた人は、接種前の抗体価が35だったが、接種後は1万2500と大幅に上昇。一方、膠原病(こうげんびょう)などに用いられる免疫抑制薬を服用していた場合、抗体価は146しか確認されなかった。また、酒を飲まない人が2110だったのに対し、毎日飲む人は1720とやや少なかった。
 コロナワクチンセンター副センター長の中島裕史教授は「一般的には、特定の病気に対する抗体価はその病気に対する免疫力の強さといってもいい。現時点では、免疫抑制薬の服用などで抗体価が少ない場合でも、接種前に比べれば十分に抗体がついていると考えるべきだ」とした。一方で、「新型コロナの場合にどのくらいの抗体価があれば感染防御に対して有効かを示す指標はなく、今後追跡調査して明らかにしたい」と話している。

◆司法解剖の委託費詐取容疑、近大医学部元教授ら2人逮捕 indexへ

 近畿大医学部法医学教室の経費不正受給問題で、大阪府警は9日、大学から約1700万円を詐取したとして、同教室元教授の巽信二容疑者(66)(懲戒解雇)ら2人を詐欺容疑などで逮捕した。約1700万円の原資は、府警から支払われた司法解剖の委託費で、私物の購入に流用された疑いがあるという。
 発表では、巽容疑者らは2019年4月~21年2月、大阪市内の医療機器販売会社から司法解剖などで使う医療用品を立て替え払いで購入したと装い、偽造した領収書を大学に提出するなどして約1700万円を受け取り、だまし取った疑い。
 巽容疑者は、約40年前から府警の依頼で犯罪死が疑われる遺体を調べる司法解剖に携わり、近年は府南部で起きた事件を中心に年間約140件を担当。今年3月末で定年退職の予定だったが、近大の調査で不正が発覚し、懲戒解雇されていた。

◆血中酸素「52%」の男性、宿泊療養中に死亡…看護師が心拍数と間違え「95%」と記録 indexへ

 京都府は8日、新型コロナウイルスに感染し、京都府内の宿泊療養施設で死亡した60歳代の男性について、施設に常駐していた看護師が血中酸素濃度の測定値を見誤っていたと発表した。府は専門家を交えて経緯を検証する。
 発表では、男性は5月17日に発症し、20日に療養施設に入所した。25日午後10時頃の電話を最後に連絡が途絶え、翌26日から7回以上電話をしたが応答はなく、午後1時頃に心肺停止の状態で見つかった。男性には基礎疾患があった。
 男性は入所中、自身で血中酸素濃度を測り、携帯電話で結果の写った画面を撮影して看護師に送信していた。受け取った看護師2人が計3回にわたり、酸素濃度と一緒に写っていた心拍数の数値と間違って記載していたという。男性の25日午後5時の酸素濃度は52%だったが、記録では「95%」となっていた。
 府では、93%を下回った患者を原則入院措置としている。西脇隆俊知事は「痛恨の極み。同じ事が二度と起こらないよう改善策を講じる」と述べた。

◆「頼んでないマスクが中国から届いた」コロナ関連の相談8・3万件…21年版消費者白書 indexへ

 政府は8日、2021年版の「消費者白書」を閣議決定した。20年に新型コロナウイルスに関連した消費者トラブルが全国で相次いで起きたことを指摘した。同年に全国の消費生活センターなどに寄せられた相談約93万4000件のうち、新型コロナ関連の相談は約8万3000件だった。
 相談内容では、「どの店舗でもマスクが買えない」「頼んでいないマスクが中国から届いた」など、保健衛生用品に関するものが約3割で最も多かった。結婚式やスポーツ教室などの解約やキャンセル、アルコール消毒液の高額転売のほか、一時品薄となったトイレットペーパーに関する相談もあった。
 コロナ禍による「巣ごもり」から、インターネット通販に関する相談件数も増えた。20年は、19年より約6万件多い約27万5000件だった。中でも「注文した商品が届かない」「事業者と連絡が取れない」という商品未着・連絡不能の相談件数が急増し、19年より約3万件多い約7万2000件だった。
 実在するネット通販サイトにそっくりの偽サイトが登場したり、ネット通販大手サイトの信用力を利用して偽ブランド品が販売されたりして、トラブルになるケースも目立った。

◆ワクチンの副反応疑い 意識障害、幻視、幻覚、錯覚などはレアケース indexへ

 厚労省は医療機関や医師に新型コロナワクチンの接種が原因によるものと疑われる症状の報告(副反応疑い報告)を義務づけ、厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会に提出、公表している。
 その中で、厚労省が発表している死亡事例は85件(5月21日時点)ある。血管性の症状で死亡したケースが多いが、医療従事者の25歳男性が「飛び降り自殺」した事例も報告されている。
 自殺はこの25歳男性とは別にもう1件報告されている。53歳女性が2回目の接種の2日後に自殺。医療機関の報告書には、〈接種と自死との因果関係は不明であるが、例えばタミフルによる小児の異常行動等に類する脳・精神への影響があり得るかもしれないと考えたので、注意喚起の意味で報告した。科学的な根拠は全くない〉と記載されている。
「副反応疑い報告」全体では、7297件(接種者の0.12%)の症例が報告されているが、「発熱」(2254件)、「倦怠感」(1494件)などのほかに「意識障害・意識消失」が50件、「幻視、幻聴、錯覚」は16件と、レアケースだが報告例は存在する(5月16日時点。症例は重複含む)。
 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会委員を務める中野貴司・川崎医科大学教授(感染症・予防接種が専門)が語る。
「異常行動、精神異常とワクチン接種の因果関係は分かりませんが、ファイザーの治験や欧米での接種でこうした事例があったことは、私自身は認識していません。接種された多くの方に起きていることはないと思います。
 ファイザーの添付文書には、精神神経系の副反応として頭痛、浮動性めまい、嗜眠、不眠症、顔面麻痺などが指摘されています。これらにより、異常行動のようなことが起こることは考え得るが、この事例が副反応によるものか判断できません」
「ただ」と中野氏はこうも指摘する。
「インフルエンザでうわ言やせん妄、異常言動が起きやすいのは、生理活性物質であるサイトカインが、インフルエンザの感染やそれに伴う免疫応答により血中で上昇する高サイトカイン血症が関与しているという意見があります。
 新型コロナワクチンも免疫を誘導し、副反応として発熱なども起こるわけですから、一連の経過で高サイトカイン血症が起こる可能性はあると思います。ただし、個人差もあるので、副反応として普遍化するためには、多数例で共通の症状が報告された上でのことになると思います」
 世界ではワクチン接種人口が10億人を超えたが、精神障害の報告例はほとんどない。
 世界の論文を調べた医療経済ジャーナリストの室井一辰氏によると、今年4月、ファイザー製ワクチンで89歳の男性が「せん妄」の精神障害を起こした初めての症例を、メキシコの医療チームが医学誌『ジェリアトリクス&ジェロントロジー・インターナショナル』に発表した。
「メキシコの男性には、気が動転するような症状が現われました。2型糖尿病や高血圧で、腎臓が悪いなどの既往歴はあったが、介護なしで自立して生活していた。
 入院して回復しましたが、認知症があったわけではなく、ワクチン接種の影響のようだと研究グループは推定し、『医師はこうした事態が起こり得ることを認識し、患者を注意深く観察し、リスクの高い患者とその家族に警告することが重要だ』と注意喚起しています」(室井氏)
 ただし、医学博士で防災・危機管理アドバイザーの古本尚樹氏は「副反応を必要以上に恐れることはない」と指摘する。
「感染するリスクを考えると、ワクチン接種は必要不可欠です。大切なのは情報公開。新しいワクチンだから、因果関係がわからないケースも含めて副反応の疑い症例を公表し、どういう症例があるかをあらかじめ踏まえていれば、医療機関も冷静に対処できるからです」
 悲劇を繰り返さないため、副反応を正しく知り、備えることが必要だ。

◆ワクチン接種後に何が起きたのか、いまわかっていること indexへ

 これまでは海外のデータから語られることが多かったワクチン。日本でも接種が進み、ようやく日本人が接種すると何が起きるのか、が明らかになりつつある。いまわかっていることをまとめてみた。

 首相官邸の発表によると5月13日時点で医療従事者で1回目のワクチン接種を終えた人は336万7995人。2回目の接種を終えた人は152万284人。一方、高齢者のうち5月13日時点で1回目のワクチン接種を終えた人は65万9338人。2回目を終えた人は4万5819人となった。

 接種後の副反応と死亡の疑いとして報告された事例については、5月12日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会などの合同会議で報告されている。

 それによると接種が始まった2月17日から5月2日までで5560件の副反応が報告された。重篤は642件で専門家がアナフィラキシーショックとして認定したのは107件。男女別では男性8人、女性99人と圧倒的に女性が多かった。
 一方、死亡事例としては28件が報告された。ほかに5月3日から7日までに医療機関並びに製造業者からは11件の死亡が報告されており、死亡事例の合計は39件となっている。
 そのうち65歳以下の死亡者は13人、65歳以上は26人だった。
 現在、ワクチン接種の対象は医療従事者と高齢者であることから、官邸のデータを基に65歳以上の死者をすべて高齢者と仮定し、5月8、9日には接種後の死亡例がなかったとすると、高齢者で接種後に亡くなった人の割合は、0・0039%。医療従事者は0・00039%となる。
 ちなみに39例の死亡のうち基礎疾患がなかったのは12人。うち男性は3人で残り9人は女性だった。年代別では20代1人、40代3人、50代1人、60代2人、90代5人になっている。
 では、ワクチン接種後の効果はどうか?
  国立感染症研究所は5月13日にファイザー製ワクチンの「接種後の新型コロナウイルス感染症報告率に関する検討(第1報)」を公表している。それによると、1回目の接種から12日目前後を境に報告率が低下する傾向が明らかになっている。接種から0~13日目の報告率と比較すると、14~20日(0・42)、21~27日(0・39)、28日以降(0・14)と接種から時間が経つにつれて感染報告率は減少している。それだけ感染しづらくなっている、つまりは感染抑制効果があるということだろう。
 これは海外でのデータとほぼ同じだ。
 海外で実施された第Ⅲ相臨床試験では、プラセボ群と比較した発症抑制効果は1回目接種後の全期間で82・0%。1回目接種後から2回目接種前までの効果は52・4%、2回目接種から7日後以降のそれは94・8%だった。イスラエルの観察研究では、抑制効果は1回目接種後14日から20日までは46%、2回目接種から7日後以降は92%。いずれもワクチンの効果が発現するのは1回目の接種から12日目以降だったという。
 ちなみに、5月14日までの日本の感染者数は67万3109人で死亡者数は1万1383人。感染した人が亡くなる割合は1・69%となる。

◆ワクチン接種後の「心筋炎」は16~19歳の男性で特に目立つ【コロナ第4波に備える最新知識】 indexへ

 ワクチンにより、他国に先んじて新型コロナウイルスを制したとされるイスラエル。そこから気になるニュースが入ってきた。
 イスラエル保健省が1日、米ファイザー製の新型コロナワクチン接種後、若い男性を中心に心筋炎を発症したとの報告を受け、ワクチンとの因果関係がある可能性が高いとする調査結果を公表したという。
 昨年12月から今年5月までにワクチン接種をした約500万人のうち、275人が心筋炎を発症。多くは約4日程度の入院ですみ、95%は症状が軽度だった。
 調査では「女性より男性に多く」「16歳から30歳までの男性において、2回目の接種を受けたことと心筋炎発症が関連する可能性のあること」が分かったとし、16~19歳の男性で特に関連性が見られたとしている。
 同様の指摘は米国でもなされていて、米疾病対策センター(CDC)も接種と心筋炎の関係を調査中だ。先月22日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が報じた。
 日本ではどうか。注目されていないが、先月26日に開かれた厚労省の合同専門部会では2月17日から5月16日までに、予防接種法に基づき医療機関から4件、薬機法に基づき製薬会社から7件、報告されている。
 例えば、27歳の男性は3月12日にファイザー製ワクチンを接種、翌日に発熱し、同16日に心筋炎と急性冠症候群を発症した。ワクチンとの関連は「評価不能」とされたが、症状は「重い」とされた。この男性はその後、軽快となった。
 25歳の男性は4月6日、ファイザー製のワクチンを接種し、翌日に胸痛、発熱と共に心筋炎と心膜炎を発症。ワクチンとの関連は「あり」とされ、症状は「重い」と認定された。この男性は同8日に発熱は治まり、他もその後、軽快したという。
 心筋炎は、心臓の筋肉組織に炎症が起きる状態。さまざまなウイルスが原因になり得る。インフルエンザをはじめ、ワクチンでも起こることが報告されているが、ごくまれで多くが軽症とされる。
 実際、イスラエルでの新型コロナワクチンで心筋炎が起きる頻度は0・005%といわれており
かなり少ない。しかも、イスラエル保健省が言っているのは可能性の話であり、米国のCDCも関係性を明確にしていない。
 都内の開業医が言う。
「だからといってワクチン接種後の心筋炎など気にせず、どんどんワクチンを打てばいいということにはなりません。どんなワクチンでも副反応は必ずあります。仮にその確率が100万分の1であれ、私たちがその1人になる可能性がある。ですから、副反応のことは心筋炎も含めて、きちんと知っておくべきです。心筋炎は軽症で治ったとしても心筋細胞は一度壊れたら再生しません。炎症により心筋細胞が壊される範囲が広ければ、長期的に心臓にダメージが残り、心臓の収縮力が低下したり、不整脈が出ることもある。その場合は、薬物療法を続けたりペースメーカーを入れたりと、一生にわたり治療が必要となることだってあり得るのです」
 日本ではこれから若年層への接種が始まる。何に注意すればいいのか?
「ワクチン接種後に動悸や息切れなど胸部症状があれば、医師と相談し、心電図検査と胸部XP検査を受けるのもいいかもしれません」(別の医師)
 いまやワクチン接種は自身のためというより国民全体を新型コロナから守るための義務になりつつある。なればこそ、政府はワクチン接種についての不都合な真実は、より詳しく大きな声で国民に伝え、国民も知る努力をすべきではないか。

◆10人に“空"の注射するミス 健康への影響はないものの抗体検査し再接種へ/大阪・堺市 indexへ

 大阪府堺市は、6日行われた新型コロナワクチンの集団接種で、中身が入っていない空の注射器で10人に注射するミスがあったと発表した。
 注射器の準備をしていた看護師と薬剤師が、本数を十分に確認できていなかったため、空の注射器が混ざってしまったという。
 体内にわずかに空気が入ったとみられるが、市は、健康への影響はないとしている。
 空の注射を受けた10人は特定できていないといい、市は同じ時間帯に接種を受けた95人の抗体検査をし、改めて接種を行うとしている。

◆続発する驚愕のワクチン接種事故、今度は5倍濃度の原液注射 indexへ

 あぁ、ついに一番やってはいけないことをやらかしてしまいました。
 6月1日 兵庫県尼崎市の高齢者施設でのこと。40代から70代の施設職員6人に対して「ファイザーワクチンを希釈せず原液のまま注射」という事故が発生という報道がありました。
■ワクチン原液接種事故の実際
 現実に起きたことを、報道に沿って振り返ってみましょう。
 6月1日、尼崎のその施設では、職員30人に対するファイザーワクチンの接種が予定されていました。
 そして、打ち始めてみて、6人が終わった時点で「ウイルス液剤の入ったバイアルが終わり」になり、何かミスがあったことに気がついた・・・。
 どうですか? 
 というか、このお粗末は何か? 
 「打ち子」スタッフが、何も分からず、何も認識せず、非常に意識レベルの低い状態で「流れ作業」で処理していたことが明らかです。
 一応、基礎的なところから確認し直しておきますと、ファイザーのワクチンは、1つの冷凍バイアル瓶に0.45mlのワクチン「原液」が入っています。
 これを解凍後、1.8mlの生理食塩水(生食)で希釈して、接種に用います。
 なぜ生理食塩水かというと、人間の体液と同じ濃さ「等張液」にしておかないと、注射がうまく働かないから、また接種のとき、等張液でないと大変痛い、といったこともあります。
 バイアル瓶に入っている原液を生食で希釈して合計2.25mlの薬液を調整。
 これを、1人当たり0.30ml注射器に吸い取って準備、ここまではパラメディカル=看護師が担当する場合が多いようです。
 これを実際に注射していくのは医師です。
 1瓶から、普及型の注射器だと「5人分」しか液が取れず、無駄になる分が発生するので、0.375ml以下の液を吸い取れる「ローデッドスペース注射器」を用いて「6人分」の注射液をとったりする工夫は、すでにこの連載で何度も解説しました。
 さて、今回尼崎では、何が起きたのか? 
 いや、何をしなかったのかを指摘する方が重要でしょう。
 ろくにマニュアルを見なかった。およそ我流の極致で、1瓶0.45mlの原液が入っているバイアル瓶から、0.30ml程度の濃縮したままのワクチン液を注射器に吸い取り、残りの0.15mlのワクチンは無駄にし、1人1瓶ずつ、通常の5倍の濃度にあたる原液を充填した注射器を準備し、注射担当者に渡していた・・・。
 報道は、通常2人で行うはずのこの手順を、問題の1人が行った「ために」事故が起こったような書きぶりでした。
 しかし、これでは「パラメディカルとして倫理的に資格がない」行為を犯しており、うっかりミスで済まされる話ではありません。
 私は医師ではなく、物理の教育しか受けていませんが、「ワクチン希釈」の絶対的必要性は、あらゆるメカニズムが明らかです。
 今回は、接種に関係するパラメディカル必読内容を看護学校で非常勤の授業を1つもつ念頭で平易に記してみます。
 圧倒的に多数の接種を受ける側の皆さんのご参考になればと思います。
■ なぜファイザーワクチンは水で薄めるか? 
 まず、なぜファイザーのワクチンは、水で薄めるのか? 
 理由は簡単で、私たちの体内は9割がたが水ですから、筋肉注射する薬液は、体液と等張の水溶液である必要がある。
 ここでファイザーのワクチンが「超低温」保存されていることを思い出しましょう。
 もし「水溶液」を凍らせたらどうなるでしょう・・・。水道の水を冷凍冷蔵庫の製氷皿に入れて凍らせると、体積が増えるのは誰しもご存じと思います。
 氷は水より約1.1倍程度にカサが増し、逆にいえば密度が下がりますから、アイスコーヒーに氷を入れれば表面に浮き上がる。
 「氷山の一角」として海面から上に出ている分は、そのカサマシ相当と考えれば、大きく外れません。
 なぜこんなことが起きるのか? 
 それは「水」は、分子式で書けばH2Oと表記されますが、これが「くの字」に折れ曲がっていることに起因します。
 詳しいことは記しませんが、水の分子は「SP3混成軌道」というテトラポットのような電子軌道の一部で形が決まり、約104.5度の角度で折れ曲がっています。
 液体のうちは、その「く」同志の凹凸が重なり合って、小さな体積に詰め込むことが可能ですが、温度を下げて氷にすると「くくくくく・・・」と整列することで、幅をとってしまう。
 このような凍結に関わる体積変化は、容易に生き物の体の部品を壊してしまいます。
 肉や魚、野菜などを下手に冷凍すると、また下手な解凍を行うと、細胞を壊してしまい風味が台無しになるのは広く知られる通りです。
 ファイザーワクチンは超低温保存にあたって、凍結に際してもワクチン成分を壊さないよう、ワクチンの粒を浮かした「分散媒」を工夫しているはずです。
 実際、ワクチンのファクトシート(https://www.fda.gov/media/145509/download)を確認してみると、内容物としてmRNA、各種の脂質と、塩類、そして糖=スクロースなどが列挙されている。
 しかし、確かに混乱しやすい状況はあるのです。
 例えば、同じmRNAワクチンとして開発された モデルナ社のワクチン(https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000783966.pdf)では、希釈の必要はなく、保存温度もマイナス20度程度と、ファイザーなみの「超低温」は指定されていません。
 だからといって、いい加減な取り扱いでよいなどという法があるわけもない。
 「ヒトの体に注射する薬液は等張であるべきこと」
 「冷凍保存する薬品は凍結に伴う破壊を考慮されていること」
 いずれも看護学校で必ず習う必修科目の端々に記されているはずですが、それがつながっていない。
 我流でおかしなことをして「原液注射」などという事故を引き起こしてしまった。
 「忙しい」
 「さらにペースを上げろと拍車をかけられている」
 接種現場にはいろいろ言い分があるかと思いますが、疎かにしていい基礎はないという峻厳な原則を、ここでは強調して記しておきます。
 忙しいからこそ、大変だからこそ、基本に忠実でなければならない。命を預かる職掌なのですから、ぞんざいな操作は許されません。
■ なぜ超低温なのか: 分解されやすいmRNAワクチン
 アストラゼネカのベクターワクチンなど、他の同種のワクチンと際立って異なるのが、今回の「超低温保存」ならびに「解凍」「希釈」などの作業で、これに関連して様々な現場で事故が起きています。
 無理もない、こんな「mRNA」ワクチンなどというものは、かつて社会に広く存在しなかったので、誰も扱ったことがない。
 「打ち子が足りない」として、あちこちから「予備役」(? )のメディカル/パラメディカル人材が投入され、そんななかで各種の事故が起きている。
 どうしてこのような「超低温」が必要か、その背景を補っておきましょう。
 「冷凍食品」は日持ちがします。生肉や生魚は、常温においておくと、じきに腐ってしまう。これは、腐敗菌類が繁殖して、肉や魚を「分解」することで腐らせてしまう。
 ファイザーのmRNAワクチンも「腐らない」よう超低温保存というのが重要なポイントになっている。
 ゆで卵の熱変性のような、物理的な破壊もないわけではありませんが、一番大きな要素は「RNAを分解する酵素」が働かないよう、カチカチに固めて保存というのが、この「冷凍措置」の大きな動機になっている。
 リボヌクレアーゼあるいはRNase(RNエース)などと呼ばれるこの酵素は、あらゆる生物の体内に普遍的に存在して、不要になったmRNAを分解しています。
 再度おさらいしておくと、mRNAはDNAという生命の設計図に記された遺伝情報に従って実際に体の部品を作る「施工図面」ですから、必要に応じて書かれ、用が済んだらバラされていく。
 だからあらゆる生命体の細胞内で、常時使用されており、自然界にも普通に存在している。
 水の中も例外ではなく、普通の水道水の中にmRNAを裸で投入すれば、環境に存在するRNaseによって、mRNAは分解されてしまう。
 新型コロナウイルスは、そんなひ弱なmRNAを、表面のツノツノが付いたカプセルが守っているわけです。
 しかし、アルコール消毒などでカプセルを溶かしてしまえば、中身のRNAは水道水中でもほどなく分解されてしまう。
 だから、古典的な「手洗い、うがいなどの消毒」が大事、と毎回書いているわけですが、ワクチンの場合は「せっかくの大事なコロナRNA」を壊さないよう、大事に体内に運ぶ必要があります。
 そこで「冷凍食品」とすることで、分解が進まないよう管理して工場から接種会場までロジスティクスが組み立てられている。
 ただ、ファイザーの「マイナス80度」というのは、バイオの研究室で常識的とされる標準保存温度を遵守したものであるようで、同じmRNAワクチンでも、モデルナ社製のものは「マイナス20度」と、各段に高い温度でも品質が保証されている。
 ただしファイザーよりは価格が高めに設定されており、詳細は分かりませんが、何にしろ別の工夫が凝らされているのは間違いありません。
 でも、せっかくのそんな「超低温物流」も、現場の認識が不十分だと、台無しになってしまう。
 「コロナウイルス」も突然変異を繰り返して多様化していますし、それに抗う「ワクチン」も、各種のものが開発され、各々なりの「見切り発車」で、実際の接種に用いられている。
 編集部から中国製ワクチンやソ連の「スプートニクV」など、各種ワクチンの解説をリクエストいただきましたので、続稿を準備したいと思います。
 大切なのは、一つひとつのワクチンの「正体」をきちんと見分け、理解すること。
 そのうえで、接種する側も、それを受ける側の人も、細心の注意を払う必要がある。
 いまさら強調するまでもない本来の「基本」、当たり前のことにすぎません。
 なお、本稿のとりわけバイオ系ラボラトリー常識など、私に明らかに不足する部分について米ハーバード大学医学部・ボストンこども病院の林田和隆先生を筆頭に、多くの先生からご示唆、ご教示をいただきました。心から感謝申し上げます。

◆接種受けた女性、誤ったブースに入り2回目接種…接種後に看護師が気付く indexへ

 愛知県西尾市は6日、70歳代の女性に新型コロナウイルスワクチンを1日に2回接種するミスがあったと発表した。女性に副反応などはみられていないという。
 市によると、女性は5日、市役所内の集団接種会場で接種を受け、接種済み証を受け取る前に、誤って再び接種ブースに入った。2回目の接種後、看護師が女性の予診票に、すでに接種したワクチンの製造ナンバーのシールが貼られていることに気づいた。

◆ワクチン入れず10人に注射、薬剤師・看護師が確認ミスか indexへ

 堺市は6日、新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場で、高齢者10人にワクチンを入れずに注射するミスがあったと発表した。10人が誰かは分かっておらず、同じ時間帯に接種を受けた95人に抗体検査を行い、対象者を特定する。
 市によると、午前中の接種を終えた医師が、残っている注射器を確認したところ、ワクチンが入った注射器が余っており、ミスが発覚した。ワクチンの注入は薬剤師と看護師が2人1組で行っていたが、確認不足だったとみられ、市は「今後はチェックを徹底したい」としている。

◆群馬ワクチン接種センターで同じ人に2回ワクチン接種 indexへ

 群馬県が設置する新型コロナのワクチン接種センターで、1日で同じ人に2回接種していたことが分かりました。
 群馬県によりますと6日、県が設置した新型コロナの「東毛ワクチン接種センター」で、来場した館林市内の60代の女性に1日で2回ワクチンを接種したということです。
 女性が1回目の接種後、経過観察を行うブースに移動する際に誤って再度、接種するブースに入室。2回目の接種を行ったあと、事務員が女性の予診票に1回目の接種を示すシールが貼ってあることに気づき、問題が発覚したということです。
 女性は救護室で健康観察が行われたのち帰宅していて、現在までに体調不良はみられていないということです。県は誘導する事務員を増やし、予診票の確認を徹底するなどの対策を講じて「再発防止を徹底する」としています。

◆接種終えた60代女性、待機の部屋間違え5分後に2回目接種 indexへ

 群馬県は6日、同県太田市に設置した独自の新型コロナウイルスワクチン接種会場で、60歳代女性1人に対し、1日2回接種するミスがあったと発表した。女性の体調に異変はないという。
 発表によると、女性は6日午前、接種を終えて経過観察の部屋に移動する際、誤って手前にある別の接種部屋に入室。この部屋で予診を担当した医師は、女性が持っていた予診票に別の医師の署名があることに違和感を持ったが、接種ブースに案内した。女性は最初の接種から約5分後に2回目の接種を受けた。
 接種後、女性の予診票に接種済みのワクチンの番号が記されたシールがあったことに事務員が気づき、同じ日に2回接種したことが判明した。
 県は「心よりおわびする。誘導する職員の増員や動線の再検討、確認を徹底する」としている。

◆接種会場の冷凍庫電源オフ、ワクチン600回分廃棄…コード接続部分が緩む indexへ

 新潟県燕市は6日、新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場で、保存用冷凍庫の電源が入っておらず、600回分が使えなくなり、廃棄したと発表した。
 市によると、6日午前8時頃、ワクチンを冷凍庫から冷蔵庫に移そうとした際に市職員が冷凍庫の電源が切れていることに気付いた。冷凍庫の電源コードの接続部分が緩んでいたという。
 冷凍庫の温度管理装置の記録によると、5日午後3時前から温度が上昇、その頃に接触不良が起こったとみられる。保管していた別のワクチンを使い、市民には予定通り接種が行われ、今後の接種スケジュールには影響はないという。

◆音楽イベント規制に光明 英6万人ライブ実証実験でワクチン効果確認 indexへ

 海の向こうでは、すでに“元の生活"が戻ってきているようだ。日本でも、新型コロナウイルスのワクチン接種が進めば、さまざまなものが“解禁"されるのだろうか。まず、最も気になるのは、「マスクは外せるのか」だ。
 アメリカのバイデン大統領は「ワクチン接種を受けたらマスクをしないでいい。握手やハグだってできる」と発表。ニューヨークではマスクなしの日常を取り戻した。さらに韓国では、1回目の接種を受けただけでも、7月以降は屋外でのマスク着用義務が解除されるという。
 しかし、日本がマスクなしの日常に戻れるのはもう少し先だろうと医師は予測する。国際医療福祉大学病院内科学予防医学センターの一石英一郎さんはいう。
「厚生労働省のガイドラインでは、ワクチン接種後もマスク着用が推奨されています。ワクチンを打って免疫が完全に機能するまでは、ある程度時間がかかる。『ワクチンを打ったら、すぐにマスクを外していい』とするのは、かなりリスクが高いでしょう。
 ただ、気温が上がるにつれ、熱中症から身を守るという観点でも、屋外ではマスクをしなくてよくなるかもしれません。その後、感染者数が大幅に減っていけば、屋内でも美術館や映画館など、感染リスクが低い場所から、マスクを外せるようになる可能性があります」
 では、外食はどうか。飲食店の通常営業再開は、海外ではワクチン接種率がひとつの目安となっている。例えばイギリスでは、1回目の接種率が55%を超えた5月16日に、レストランやバー、パブの屋内営業が再開。5月末現在、成人人口の約50%が1回目の接種を終えたフランスは6月9日に店内での飲食が解禁される予定だ。ワクチン接種率50%というのは、飲食店の営業再開の世界的な基準のひとつになっているようだ。
「ただ、現在のペースだと、日本でワクチン接種率が50%を超えるのは、数年以上先。日本では、65才以上の1回目の接種率が50%を超えて、感染者や重症患者が大幅に減ることが、現実的な方向性ではないでしょうか。といっても、現在のペースでいくと約6か月先になるのですが……」(一石さん)  コンサートなどの大規模なイベントはどうか。多くの人が集まって密着し、飛沫感染リスクもある音楽イベントは、厳しく規制されてきた。
 この現状を打開したのがイギリスだ。5月26日、政府の許可のもと、ワクチン接種済みの観客6万人を集め、マスクなしでのロックコンサートを実施した。実はこのコンサートは、ワクチンの効果を確かめるための実証実験。ライブ後に調査した結果、参加した人の99.9%以上がコロナ陰性となり、ワクチンの効果が認められる結果となった。
「現在、日本でコンサートを行う場合、座席間隔を空ける必要があったり、声援を送れないなど多くの規制があります。イギリスの実験結果をもとに、規制緩和が進むかもしれません」(一石さん)
 昨年も今年も、GWやお盆、正月休みの旅行は自粛で、帰省もできずじまいという人が多かった。しかし、アメリカではワクチン接種が進むことで、観光客の受け入れを始める州も出てきたという。
「ニューヨーク州やアラスカ州、テキサス州では、観光促進のため、観光に訪れた外国人に無料でワクチンの接種をしています。日本からも渡航が可能で、フライトの3日以内にPCR検査で陰性を証明する必要がありますが、ワクチン接種を受けられる州では、到着後の自主隔離は必要ないことが多い」(旅行ジャーナリスト)
 同時に、世界中で検討されているのが、接種済みの人に発行される「ワクチンパスポート」だ。日本でも経団連などが導入を働きかけており、「諸外国に足並みを揃える」形になるかもしれない。
 ワクチン接種でさまざまな可能性が見えてきたが、楽観視はできないという。医療法人社団北垣会たけしファミリークリニック院長の北垣毅さんは話す。
「新型コロナウイルスが怖いのは、次々と『変異株』が生まれる点です。5月末にも、感染力の非常に強いインド株と英国株のハイブリッド型である『ベトナム株』が見つかっています。今後、いまのワクチンでは効かないものが出てくる可能性も充分に考えられるため、引き続き警戒が必要です」  さらに、従来のウイルスに対しても、ワクチンの効果が永遠に続くわけではない。
「例えばファイザー製のワクチンは、半年から1年未満しか効果が持続しないといわれています。モデルナ製のワクチンも、まだ6か月後に効果が持続していることしか確認できていない。今後、インフルエンザのように、定期的なワクチン接種が常識になるかもしれません」(一石さん)
 ワクチン接種の後にも、「新しい生活様式」を考える必要がありそうだ。

◆使用済み注射器を再使用 岡山市のワクチン接種 indexへ

 岡山市は5日、市内の高齢者施設利用者への新型コロナウイルスワクチン接種時に、使用済みの注射器を誤って90代女性に再使用するミスがあったと発表した。
 市によると、使用済みの注射器を正しく廃棄せず、未使用分と同じ場所に置いたことが原因。女性の体調は安定しているという。

◆ワクチン2回接種後に感染 国HPは「100%防げず」 indexへ

 兵庫県加西市は、新型コロナウイルスのワクチン接種を2回受けた女性2人の感染が確認された、と発表した。市立加西病院で調理補助をしていた30代と40代の医療従事者で、ワクチンはファイザー社製という。
 市によると、30代女性は5月11日と6月1日に接種を受けたが、今月2日夜に発熱を訴え、PCR検査で感染が確認された。症状は軽いという。40代女性も3月24日と4月14日に接種を受けたが、30代女性と昼食をとっていたため、PCR検査を受けた結果、感染が判明した。無症状という。
 2回接種後の感染例は各地で出ている。厚生労働省のホームページは、接種から免疫がつくまで1~2週間ほどかかり、免疫がついても、100%の予防効果が得られるわけではない、としている。

◆6人に生理食塩水を誤接種 南房総市のコロナワクチン接種 抗体検査で該当者特定へ indexへ

 南房総市は4日、嘱託医が市内の高齢者施設で実施した新型コロナワクチン接種で、誤って生理食塩水を6人に注射したと発表した。希釈したワクチンを注射器に移した後の空の容器に、再び生理食塩水を入れたことが原因。同日時点で健康被害の報告はなく、市は経過観察とともに該当者の特定を急いでいる。
 市によると、3日午後、施設内の看護師が入所者と職員計54人にワクチンを接種。うち6人分の注射器には希釈液(生理食塩水)のみが入っていた。同3時ごろ、薬剤を準備する別の看護師が容器の数と注射器の本数が合わないことなどに気付き、誤接種が判明した。
 同施設では、当初48人にワクチンを接種する予定だったが、担当者が使用済みの空の容器に生理食塩水を入れたため、誤って予定回数を超える接種が行われたとみられる。薬剤を準備していた看護師は施設外の看護師で、接種担当の看護師とは別の階にいたという。
 市は今後、市予防接種健康被害調査委の意見を基に、抗体検査による該当者の特定や再接種を実施する方針。石井裕市長は「誤接種されたご本人と家族に心からおわび申し上げる。再発防止を徹底し、安心安全に接種してもらえるよう医療機関と一丸となり取り組む」とコメントした。
 また隣接する鴨川市では4日、5月に市内高齢者施設で実施したワクチン接種で、予診票の枚数と実際の接種件数に不一致があったと公表。県に報告の上、原因究明を急いでいる。

◆配線60mで電圧弱まり冷凍庫温度が上昇・予約者現れず泣く泣く…ワクチン廃棄続々 indexへ

 新型コロナウイルスワクチンの接種を担う全国の医療機関や自治体にとって、細心の注意が求められるのが「ワクチンの管理」だ。現在、国内で広く使われている米ファイザー製のワクチンは、低温で管理した上で、使用時には生理食塩水での希釈も必要となる。ささいなミスで貴重なワクチンを廃棄する事態を避けようと、失敗例を集めて注意喚起に乗り出す自治体も出てきた。
温度
 「会場の設備やマニュアルの周知が不十分で、ミスが続いてしまった」。神戸市の「ワクチン管理監」に就いた斉藤博之氏(市前環境保全部長)は今月3日、取材に対し、説明した。
 医療従事者や高齢者向けの接種で広く使われているファイザー製ワクチンは、冷凍状態から使用前に冷蔵庫で解凍し、生理食塩水で希釈してから投与される。常温解凍の場合は、2時間以内の希釈が必要だ。
 神戸市では5月11日、配送業者が市内3か所の集団接種会場にワクチンを届けた際、保冷容器から出した状態で現地スタッフ(委託業者)に受け渡された。この時、冷凍庫のカギを持った市職員が不在だったため、常温で約2時間放置された結果、960回分が使えなくなった。
 市は再発防止のため、ワクチン管理監を新設して体制を強化したが、5月23日には、接種会場の保冷庫の電源プラグが外れ、21度まで上昇。215回分が廃棄処分となった。
 和歌山県有田川町では、冷凍庫の温度が上がり、990回分が廃棄処分に。町によると、停電対策で6月1日に非常用電源に切り替えたところ、2日朝、冷凍庫内の温度が11・2度に上昇していた。冷凍庫への配線が約60メートルと長く、電圧が弱まって電力が不足したとみられるという。
 福岡県大牟田市の国立病院機構大牟田病院でも、5月28日、冷凍庫からワクチン175瓶が入った箱を取り出し、1瓶を抜き取った後、残り174瓶を常温で約3時間放置。1044回分が無駄になった。
 担当者は「ファイザー製は、一般的なワクチンに比べ、超低温で厳格な管理が必要など、取り扱いが特に難しい。チェックシートで作業手順をしっかり確認するようにしたい」と話す。
勘違い
 読売新聞は、東京23区と道府県庁所在市の計69自治体に取材したほか、各地の自治体で公表されたケースなども含めて集計。その結果、これまでに廃棄されたワクチンは7000回分以上となることがわかった。
 東京都港区の集団接種会場では5月17日と19日、ワクチンを規定の2倍に希釈し、計12回分を廃棄するミスがあった。担当者が希釈したワクチンに、他の人が勘違いで生理食塩水をもう一度加えたのが原因だった。
 区担当者は「集団接種会場では、医療従事者らスタッフが日々入れ替わる。適切な声かけや確認を改めて徹底したい」と話す。
キャンセル
 予約した人が接種会場に現れず、泣く泣く廃棄するケースも後を絶たない。
 静岡市では、5月26、27日の2日間の高齢者向けの接種で、キャンセルなどにより約30回分が余った。急きょ保健所の職員らに打ったが、19回分は接種希望者が見つからず、廃棄した。
 こうした無駄を減らそうと、東京都世田谷区は、接種会場近くの幼稚園や保育園、小中学校に依頼し、キャンセルが出た場合に電話すれば10分以内に来られる接種希望者をリスト化。東京都中央区は予約分より少ない量を解凍・希釈し、キャンセルによる余剰がなるべく出ないようにしている。
 厚生労働省は「コロナワクチンの扱いは医療機関でも慣れていないところがある。自治体向けの説明会で注意点を定期的に呼びかけていく」としている。
「アクシデント事例集」作成の自治体も
 埼玉県戸田市は、全国で起きたワクチン接種のミスをまとめた「アクシデント事例集」を作成し、5月から、個別接種を行う市内の医療機関に配布している。
 事例集は、報道をもとに集めた36事例について、「保管・解凍・搬送に関する認識不足」「注射器の取り扱いに関する認識不足」など6項目に分類して紹介。予定人数を上回るワクチンを注射器にセットしたため31回分を廃棄した事例などを取り上げている。
 市危機管理防災課の担当者は「ミスは誰にでも起こりうる。他の失敗例を参考にしてほしい」と話す。

◆常温で放置・2倍に希釈…ワクチン、すでに7千回分以上廃棄 indexへ

 国内で新型コロナウイルスのワクチン接種が急ピッチで進む中、温度管理に失敗したり、希釈方法を間違ったりして、廃棄されるケースが相次いでいる。自治体が公表した事例などをもとに、読売新聞が取材・集計したところ、全国で7000回分以上にのぼる。
 ミスによるワクチン廃棄があった東京都港区の接種会場では、注射前の念入りな確認を徹底している
 国立病院機構大牟田病院(福岡県大牟田市)や、神戸市の集団接種会場では、低温管理が必要な米ファイザー製ワクチンを常温で放置するミスなどで、それぞれ1000回分以上が廃棄された。東京都港区では同ワクチンを規定の2倍に希釈してしまい、12回分を廃棄。注射器に正しい液量が入っているかどうかなど、ミス防止策を徹底している。
 国内のワクチンの接種は2月17日から医療従事者らを対象に始まり、4月12日から高齢者らに拡大した。接種回数は6月3日時点で、医療従事者らが計約809万回、高齢者らが計約751万回に達している。

◆全国的にも珍しい「オウム病」…事業所で2人感染、同僚13人も発熱 indexへ

 滋賀県は4日、東近江市の事業所で4月に40歳代と60歳代の女性2人が鳥からうつる「オウム病」に感染したと発表した。同僚13人も発熱症状などを示していたといい、県は集団感染の疑いがあるとみている。現在は全員回復し、5月以降の発症者はいない。県内での感染確認は2016年4月以来で、集団感染は全国的にも珍しいという。
 県によると、3月中旬以降に事業所の男女15人が発熱などを訴え、治療にあたった医療機関が4月26日にオウム病の疑いを指摘。国立感染症研究所の検査で判明した。オウム病は主に鳥のふんを吸い込むことで感染。保健所の調査では、事業所駐車場にふんがたまっていた。

◆強風で停電、ワクチン114回分廃棄…鍵かかった部屋の冷蔵庫は電源切れたまま indexへ

 北九州市は5日、停電が原因で、新型コロナウイルスワクチン接種会場の冷蔵庫に保管していたワクチン計114回分が使えなくなり、廃棄したと発表した。
 市によると、4日午前0時過ぎ、強風で高圧線に樹木が接触し、集団接種会場となる同市八幡西区の香月スポーツセンター周辺が約2分間停電した。警備員は館内の電気復旧を確認したが、冷蔵庫は鍵のかかった部屋にあり電源が切れたことに気付かなかったという。
 業者が4日昼頃に確認したところ、すでに常温で約12時間が経過していた。廃棄されたワクチンは米ファイザー製19本で、5日に使う予定だった。接種スケジュールに影響はないという。市では接種予約が取りにくい状態が続いており、「貴重なワクチンを無駄にして申し訳ない」としている。

◆気づかぬうちにスイッチ「オフ」?冷蔵庫の電源切れ132回分のワクチン廃棄 indexへ

 愛知県一宮市は5日、市内の診療所で、新型コロナウイルスワクチンの保管用冷凍冷蔵庫の電源が切れ、庫内の温度が規定より高い状態になっていたため、保管していた米ファイザー製ワクチン132回分を廃棄したと発表した。
 発表によると、この診療所では接種を7日開始予定で、ワクチンは4日昼前に市が配送。診療所は、ワクチンをいったん冷凍室に入れた後、解凍のため冷蔵室に移して保管していたが、同日夕、電源が切れているのに看護師が気付いた。
 診療所は「冷凍冷蔵庫の上部にワクチンを収めるトレーを置いており、トレーを上げ下げする中で、気付かないうちに電源に触れ、スイッチがオフになった可能性が考えられる」と説明しているという。
 市は5日、改めてワクチンを配送、診療所での接種計画に影響はないという。

◆「医療従事者等に含まれない」可能性も…パワーファーマシー社長ら23人先行接種 indexへ

 新型コロナウイルスのワクチン接種に関し、栃木県などで薬局を展開する「パワーファーマシー」(宇都宮市)は、渡辺和裕社長ら役職員23人が医療従事者等として先行接種を受けていたと発表した。同社はホームページ(HP)上で4日、23人が「医療従事者等に含まれないと考えられる者」だったとしたうえで、「ワクチン接種を待たれている皆様に対し、お詫わび申し上げます」と謝罪した。渡辺社長は県薬剤師会会長を務めている。
 同社によると、23人は、店舗を訪れることがあるものの、常に薬局で患者と接するような業務はしていなかった。しかし、同社は2月、県に接種を申請し、4月23日から6月3日まで計37回接種を受けたという。
 同社はHPで「医療従事者等の範囲を広く捉えすぎた不適切な解釈であった可能性が高い」と説明した。

◆ワクチン接種、使用済み注射針を誤って使用…廃棄せず針にキャップ付け保管が原因 indexへ

 高知県土佐清水市は3日、高齢者施設で行われた新型コロナウイルスのワクチン接種で、担当した医療従事者が誤って使用済みの注射針を施設の女性職員1人の腕に刺すミスがあったと発表した。血液検査で感染症の有無を調べているが、今のところ職員の体調に異常はないという。
 市によると、市内の医療機関の医師や看護師が2日午後、同施設に出向いて入所者と施設職員らに2回目の接種を実施。女性職員に注射針を刺した直後、ミスに気付き、新しい注射器に取りかえた。使用済みの注射器を廃棄せず、針にキャップを付けて未使用の注射器と同じ場所に置いていたことが原因という。
 市では「市民に不安を与えてしまった。市内の医療機関に再発防止の注意喚起をする」としている。

◆ワクチン接種時に空気注射するミス、充填していない注射器1本混入 indexへ

 福岡県那珂川市は4日、新型コロナウイルスワクチンの集団接種で、80歳代の女性に薬液が入っていない注射器で空気を注射するミスがあったと発表した。女性の体調に問題はないという。
 市によると、市勤労青少年ホームで3日に行った集団接種で、薬剤師が薬液を入れた注射器に、 充填していない注射器1本が混入。歯科医師が女性に接種した際に気づいた。歯科医師は女性にミスを説明し、同意を得た上で改めて接種したが、体調の変化は確認されなかったという。
 薬液については、充填後と接種前に確認する手順になっていた。市の新型コロナウイルスワクチン接種推進室は「確認の精度を上げるなどして、再発防止に取り組む」としている。

◆昨年の出生数84万人、最少を更新…人口自然減は53万人で過去最多 indexへ

 厚生労働省は4日、2020年の人口動態統計(概数)を発表した。20年に生まれた子どもの数(出生数)は84万832人で、統計を開始した1899年以降で最少を更新した。これに伴い、死亡数から出生数を引いた人口の自然減は53万1816人となり、過去最多となった。「新型コロナウイルス感染症」を原因とした死亡数は3466人だった。
 自然減が50万人を超えるのは2年連続。婚姻件数も戦後最少で、52万5490組だった。

◆ワクチン3回目を80歳代男性に誤接種…事情を知らない家族が依頼 indexへ

 岡山市は3日、新型コロナウイルスのワクチン接種で、市内の80歳代男性に誤って3回接種したと発表した。現時点で男性の体調は安定しているという。
 市保健管理課によると、男性は高齢者施設の利用者で、2回の接種が必要な米ファイザー社のワクチンをすでに打ち終えていた。しかし、すでに2回終えているのを知らない家族が施設に接種を依頼。施設が誤って3回目の接種を医療機関に予約し、男性は2日、3回目の接種を受けたという。
 接種後、医療機関で男性の過去2回分の予診票が見つかり、3回目の接種が判明した。市は市内の高齢者施設に、接種を終えた利用者の情報管理を徹底するよう求めるなど、再発防止に努めるとしている。

◆冷蔵庫の電源プラグ抜け100回分・開け放しで60回分…ワクチン廃棄相次ぐ indexへ

 千葉県内の各地で新型コロナウイルスワクチンの廃棄が相次いだ。
 市原市は2日、集団接種会場の市民会館でワクチンを一時保管していた冷蔵庫の温度が上昇し、100回分を廃棄したと発表した。
 市によると、廃棄したワクチンは米ファイザー製。同日朝に冷蔵庫に入れたが、午後0時半頃、職員が冷蔵庫の電源プラグが抜けているのに気づいた。庫内は適正温度を超える15度まで上昇していた。
 印西市は2日、市内の医療機関でファイザー製のワクチンを保管していた冷蔵庫が開け放しになっていたため、温度が上昇し、60回分を廃棄したと発表した。
 香取市は1日、市内の医療機関でファイザー製のワクチンの保管方法に誤りがあり、計50回分を廃棄すると発表した。
 5月27日夜、冷凍庫をチェックしたところ、規定の保存温度(マイナス25~マイナス15度)より高いマイナス8度になっていた。冷凍庫の不具合が原因という。

◆接種予定者の横に座る女性に接種…4日前に「1回目」、スタッフが本人確認せず indexへ

 佐賀県武雄市は2日、新型コロナウイルスワクチンの接種について、市内の90歳代の女性に、定められた期間を空けずに2回目の接種をしていたと発表した。今のところ女性に健康被害はないという。
 市によると、ワクチンは、1回目と2回目の接種を3週間空ける必要がある。しかし、女性は、市内の医療機関で5月27日に1回目の接種を受けた4日後の同31日に、2回目を受けた。
 本来の接種予定者の横に女性が座っていて、スタッフが本人確認せずに接種したという。別のスタッフが女性の顔を覚えており、誤りに気付いた。

◆新型コロナワクチン 接種直後に急死した日本人85人詳細データが公表 indexへ

 菅義偉首相の「7月末までに高齢者ワクチン接種完了」の方針により、大規模ワクチン接種が進んでいる。その陰に隠れる形で悲劇も起こっていた。5月下旬、政府はひっそりとワクチン接種後に急死した日本人の詳細データを公表していた。
 予約が殺到し、各地で混乱が続く新型コロナウイルスワクチンの大規模接種。打った人からは「ホッとした」「打ててよかった」と、安堵の声が聞こえてくる。一方で、新聞やテレビはほとんど報じていない、ある事実がある。接種開始から約3か月強の5月21日までで85人が接種後に亡くなっていたのだ。
 5月26日、厚生労働省は接種から死亡するまでを詳細に記録したデータを公表した。その《新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要》(以下、報告書)には、ワクチン接種後に亡くなった85人について、それぞれの年齢、性別、既往歴、死因などが記されている。
 亡くなったのは25~102才で、男女別では女性が47人、男性38人。死因は心筋梗塞、急性心不全、くも膜下出血などさまざまだが、《ワクチン接種との因果関係》については、85件中59件が「評価不能」、6件が「不明」。約3分の2のケースで因果関係が明らかになっていない。
「遺族が解剖を望まないケースが多く、詳細な検査がされないことが、原因の特定を難しくしています。というのも、亡くなった人は、接種から24時間以内が10件以上、3日以内が約半数もいて、急死といっていいでしょう。突然の別れに死を受け止めきれず、解剖までしてほしくないというのは自然な遺族の思いです」(全国紙社会部記者)
 だが、なかには因果関係を認めたケースもある。91才の女性、Aさんの急死がそうだ。4月27日、Aさんは朝食を残すことなく食べ、元気にワクチン接種会場に向かった。予診を受け、注射を打ってもらったのは午前9時45分頃。接種後、会場での40分間の観察時間にも体調の変化はなかったという。
 しかし、約2時間後の12時頃、Aさんの体を異変が襲う。急に無呼吸になり、心肺停止となったのだ。すぐに蘇生措置がとられ、心臓マッサージと電気ショックを与える除細動器で一時的に心拍は回復したものの、自発呼吸はできないままだった。そして午後1時55分、家族の承諾を得て人工呼吸操作を止めると、その15分後には心拍も停止し、Aさんの死亡が確認された。ワクチン接種からわずか4時間あまり。あまりにも突然の最期だった。
 Aさんにはアルツハイマー型認知症と慢性心不全などの既往歴があったが、報告書は、《アナフィラキシーの皮膚症状・粘膜症状は認められていないが、心肺機能が突然停止する原因が他に見当たらない。関与があると考える》と記し、ワクチン接種による急死の疑いを認めた。
 Aさんのように90代以上の超高齢者は26人亡くなっているが、20代3人、30代1人、40代6人、50代4人と、現役世代も多く含まれている。特に若い20代のケースでは、「原因はワクチン以外あり得ない」と遺族は考えているようだ。
 26才女性のBさんは看護師で、3月19日に医療従事者としてワクチンを接種した。だが、その4日後の23日、自宅リビングで食事をしているときに、体調が急変。テーブルで嘔吐したBさんは座った状態のまま仰向けに倒れこんだ。救急隊員と警察官が到着したとき、Bさんの体はすでに冷たくなっていたという。検死の結果、Bさんの死因は小脳からの脳出血と、くも膜下出血と判明。既往歴や基礎疾患はなかった。
 同様に既往歴のない25才男性Cさんは、ワクチン接種後に異常行動を起こして亡くなった。Cさんは医療従事者で、4月23日にワクチンを接種。2日後、友人と一緒にいたところ、立ちくらみや手足の震えなどの異変をおぼえ、友人に送られて帰宅。37.1℃の微熱があり、家で休養していたが、27日、熱が下がったため出勤したという。
 しかし、病院内の薬品庫内で無断で薬をあさるなど逸脱した様子を見せた上、居合わせた職員に質問されても受け答えがままならなかったという。そのときのCさんの様子は、資料にこうある。
《(Cさんは)言いたくない、ダメだ、ダメだ。何、やべぇ、最悪、最高です。楽しい、違う、、。わからない。返答は答えにならず、ブツブツという。誰かの声が聞こえるかと問うと、「ハイ」と。》
 異常行動が見られたため、病院には両親も駆けつけた。Cさんは両親と一緒に車で自宅へ向かったが、帰途の高速道路で、突然車から飛び降りて後続車に轢かれて死亡した。Cさんの死について報告書には、死因が《精神異常、自殺》とあり、《ワクチン接種が誘因となった可能性あり》と書かれている。
女性特有の薬が思わぬリスクに
 85人のうち、「因果関係あり」と報告されているのは4人で、ほとんどは「評価不能」とされている。しかし、太融寺町谷口医院院長の谷口恭さんはこう話す。
「厚労省は死因とワクチン接種について多くのケースは『因果関係ははっきりしない』という見解ですが、個人的には疑っています。
 血管内の血液が固まる血栓症という副反応が起きると問題視されているのはアストラゼネカ製のワクチンですが、日本人に打たれているファイザー製にもリスクはある。今回、報告されている死因の多くは脳卒中や心不全など血管系の疾患で、ワクチンによる血栓が原因である可能性は捨てきれません。出血も“血栓がたくさんできることで、止血機能が不充分になる"から起きるのです」
 では、どういった人がワクチン接種によるリスクを抱えやすいのか。厚労省のホームページには副反応についてこう書かれている。
《まれな頻度でアナフィラキシーが発生します》
 アナフィラキシーとは、アレルギー反応のことで、複数の臓器や全身にアレルギー症状が表れ、重症になると死に至る可能性もある。そのリスクは病歴や常用薬などからもわかるという。
「アナフィラキシーが起きたとき、アドレナリンを投与して状態を改善しますが、その際、注意すべき病気や常用薬があります。高血圧や心不全、不整脈の患者さんが服用しているβブロッカーという薬です。
 これは、アドレナリンの作用を遮断し、効きにくくしてしまう。さらに、ステロイド、一部の抗精神病薬、低用量ピルを含めて、副反応としての血栓が起こり得る薬剤は、ワクチンを接種することで、血栓のリスクをより高めてしまいかねません」(前出・谷口さん)
 副反応は女性の方が多いが、その原因を次のように考える医師がいる。
「5月2日までにアナフィラキシーを起こした107人のうち、女性が99人と圧倒的に多い。理由ははっきりしませんが、ワクチンの原料の1つであるPEG(ポリエチレングリコール)が原因ではないかといわれています。PEGは化粧品などにも含まれていて、繰り返し使用することでアナフィラキシーを起こすことがあるからです」(コロナ病棟に勤務する医師)  この医師は、これらのリスクを踏まえさらにこう続けた。
「通常、ワクチンの開発は3年から5年はかかるものを、この新型コロナワクチンは、わずか1か月以内に初期のワクチンが作られています。リスク管理は不充分だと言わざるを得ない。私はワクチンを接種するつもりはありません」
 もちろん、ワクチンの効果で感染拡大が防げるというデータがあり、一方の副反応はごく一部だ。だが、死亡者が出ているのも事実。どんな薬にもリスクがあることは知っておくべきだろう。

◆薄めすぎたワクチン接種 足立区の会場で6人に indexへ

東京・足立区の集団接種会場で、濃度を薄めすぎたワクチンを接種していたことがわかった。
2日、足立区伊興の集団接種会場で、6人に通常より濃度が極めて薄いワクチンを接種していたことがわかった。
マニュアル通りに作業が行われず、すでに薄めてあったワクチンを職員が誤ってさらに薄めてしまったとみられている。

◆ワクチン誤って再び凍結・解凍し100人に接種…健康被害確認されず indexへ

 福島県二本松市は2日、市内の高齢者施設で実施した新型コロナウイルスのワクチン接種で、いったん解凍した後に再び凍結、解凍したワクチンを入所者と職員計100人に誤って接種したと発表した。これまで健康被害は確認されていないという。
 市によると、嘱託医から解凍したワクチンを受け取った施設側が、誤って冷凍庫に保管して再び凍結させた。4月30日に70人分、5月13日に30人分について1回目の接種を行った際、再解凍したワクチンを使用した。同20日、2回目の接種を行う前に誤りに気づいた。

◆中学生が給食のポトフを食べていたら…ネジ混入に気づく indexへ

 山梨県甲府市教育委員会は1日、市立南西中学校の給食にネジ1本が混入していたと発表した。
 発表によると、同日の給食で生徒1人がポトフを食べていたところ、長さ約6・5ミリ、直径約1・5ミリのネジ1本が入っているのに気づいた。ほかの生徒も含め、健康被害は報告されていないという。
 市教委は混入した経緯を調査中で、「調理業者らに指導を徹底し、再発防止に努める」としている。

◆ゴミ回収業者の女性の足に注射針刺さる…ワクチン接種会場、ゴミ袋からはみ出して indexへ

 北九州市は1日、新型コロナウイルスワクチンの接種会場で、ゴミ回収業者の女性の足に注射針が刺さる事故が起きたと発表した。注射器が専用のゴミ箱に捨てられず、誤って一般廃棄物と一緒に廃棄されていたという。
 市によると、5月19日午後2時頃、同市戸畑区の集団接種会場で、一般廃棄物のゴミ回収に訪れた女性がゴミを運ぶ際、ゴミ袋からはみ出した注射針が右足に刺さり、出血。女性は医療機関に搬送されたが、体調に問題はないという。
 会場には、注射器専用のボックス型のゴミ箱があるが、看護師が注射器を誤ってガウンなどを入れる医療用廃棄物のゴミ袋に入れた。医療用廃棄物は施錠できる場所に保管されるが、さらに会場スタッフが注射器が誤って入れられた袋を、一般廃棄物と同じ場所に置いていたという。市は、「ゴミの廃棄ルールを徹底する」としている。

◆集団接種でモデルナ製接種後、顔真っ青に…60代女性が救急搬送 indexへ

 愛知県は1日、新型コロナウイルスワクチンの集団接種で、名古屋市の60歳代女性が接種後に体調不良となり、救急搬送されたと発表した。ワクチンの副反応の疑いがあるという。
 発表によると、女性は1日に県の大規模接種会場の県営名古屋空港ターミナルビル(愛知県豊山町)で米モデルナ製のワクチンを接種し、会場での経過観察中に冷や汗が出て、顔面が真っ青になった。女性は容体は安定しているが、経過観察のため入院した。

◆膝関節症の注射薬、発売10日で10人に重いアレルギー…厚労省が注意喚起を指示 indexへ

 厚生労働省は1日、変形性膝関節症などを治療する注射薬「ジョイクル関節注30mg」について、発売後10日間で計10人に重いアレルギー反応のアナフィラキシーなどが起き、うち1人が死亡したとして、製造販売する生化学工業(東京都千代田区)に対し、医師らに注意喚起を行うよう指示した。
 厚労省によると、この薬は5月19日に発売され、28日までに約5500人に使用されたとみられる。亡くなったのは80歳の女性で、投与との因果関係は現在調査中。治験ではアナフィラキシーと重いショックの発生割合は0・4%とされていた。安全を確保するため、接種後30分は十分に患者の状態を観察することなどを求めた。

◆冷蔵庫の電源切れ、ワクチン210人分を廃棄…誤ってブレーカー落としたか indexへ

 堺市は1日、新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場で、ワクチンを保存する専用の冷蔵庫の電源が入っていないミスがあり、210人分を廃棄したと発表した。
 会場は「ホテル・アゴーラリージェンシー大阪堺」(同市堺区)。市から委託を受けた業者が1日朝、米ファイザー製のワクチンを冷蔵庫から取り出す際、電源が切れているのに気づいた。ブレーカーが落とされており、ホテルの従業員が前夜に誤って操作した可能性があるという。
 市は代替のワクチンを用意し、同会場でこの日予定通り約200人に接種した。

◆ワクチンを誤って「冷蔵庫」保管、186人分廃棄…特養の入所者用 indexへ

 大阪市は1日、市内の特別養護老人ホーム内の診療所が、入所者らに接種予定だった新型コロナウイルスワクチンを冷凍庫ではなく冷蔵庫に保管したため、186人分を廃棄したと発表した。
 ワクチンは米ファイザー製で5月31日に市が配送。6月1~7日に入所者に接種予定だった。本来は冷凍庫(マイナス15~同25度)に保管しなければならないが、職員が誤って冷蔵庫(2~8度)に入れたという。市は1日、改めて診療所にワクチンを配送した。

◆ワクチン副反応 接種者の本当の声「痛みで家事もできず…」 indexへ

「新型コロナウイルスワクチン接種後、肩が痛くて腕が上がらなくなった。あまりにだるくて、車を運転して帰れなくなった」
 これは、2回のコロナワクチン接種を終えた大学病院勤務の医療従事者から聞いた話だ。早くワクチン接種を、と願う人が多い一方で、SNSを中心に副反応のつらさがアップされ、一部ではキャンセルする人も出始めているという。そこで、日刊ゲンダイで「自宅で最期を迎えたい 知っておきたいこと」を連載中の「あけぼの診療所」院長の下山祐人医師に、自身が体験した副反応の感想と、実際に行った対処の仕方を聞いた。
「私自身は1回目も2回目も倦怠感と発熱があり、2日目からは打った側の腕の筋肉痛で腕が上がらなくなりました。発熱は、平熱が36.1度なのが37.3~38度に。下痢も2~3日目から起こりました。倦怠感は1週間ほど続きました」
 厚労省の医療従事者約2万人対象の副反応調査(中間報告)によると、2回目の接種の方が1回目より副反応が強く表れ、年齢が高くなるほど発生率が低下し、女性の方が副反応が強かった。2回目の発熱は38%、倦怠感は69%、頭痛は54%だった。
 では実際にそのような副反応が出た場合、どう対処すればよいのか。
「腕の痛みや発熱に関しては、市販の鎮痛剤のロキソニンや解熱鎮痛剤を使う。私は、お腹の痛み止めの薬と下痢止めを服用しました」
 厚労省や自治体、ファイザーなどは、ワクチン接種や副反応に関する相談センターを設けている。たとえば「東京都新型コロナウイルスワクチン副反応相談センター」は土日祝日を含む毎日24時間対応だ。どのワクチン接種でも副反応が起こる可能性がある。副反応はワクチンが免疫をつけるための反応であるものの、接種後2~3日経っても改善しなかったり、気になる症状があれば、電話相談を。
 厚労省は「ワクチンの成分に対し、アナフィラキシーなど重度の過敏症の既往歴のある人は接種できない」としている。アレルギー体質の場合、接種の判断はどうすればいいのか?
「体温や体調を診て判断するのですが、大抵の人は接種することになると思います。ただし接種後、通常は15分間安静にして待機するのに対し、アレルギー体質の人は30分ほどの待機が必要」
 下記は、「あけぼの診療所」スタッフから取った副反応に関するアンケート結果の一部。ただし、症状がまったく出なかった人もいた。過度に恐れず、しかし万が一を考えて、翌日、翌々日は寝込んでも大丈夫なように準備しておいた方がいい。
 ◇  ◇  ◇
●女性(38)/1回目は接種日の夜から腕の痛みが出現、翌日は痛みで腕が上がらない。翌々日も痛い側の腕を下にして眠れなかった。2回目は周りのメンバーが高い確率で発熱していたのでびくびくしていたが、杞憂に終わった。体調が悪くなるかもという不安の方が大きかった。ほぼ症状が出ない人もいるということも知っておくべき。
●女性(33)/1回目は腕が痛く、体がだるかった。2回目は接種当日は腕の痛みのみ。深夜に関節痛で目が覚め、朝体温を測ると38度近く。カロナール(解熱鎮痛剤)を服用し、途中で切れたのでロキソニンを服用。熱は翌々日まで続き欠勤。熱より痛みがひどく、家事もできず、ひたすら横になっていた。
●女性(28)/2回目は腕の痛みと、夜から気分が悪くなり夕食を食べられなかった。翌日発熱で、カロナールを服用し、熱が下がらなかったのでロキソニンを服用。頭痛もあり。接種後、翌々日には熱が下がり出勤。
※カッコ内は年齢

◆ワクチン「2回打たれた」 80代女性に誤って接種 indexへ

 京都府京丹波町は1日、新型コロナウイルスワクチンの集団接種で、80代女性に誤って1日に2回接種したと発表した。府内では初めて。女性の健康状態に問題はないという。
 町によると、5月30日に和知ふれあいセンター(同町本庄)で実施した集団接種で、終了後に受け付けた人数がワクチンの接種本数より1人少ないことが判明。調査したところ、女性が「2回打たれた」と話した。
 接種前の予診を担当する医師が待機時間を短縮しようと、その場で接種を行ったが、別のブースで接種を担当する看護師への連絡ができていなかったという。太田昇町長は「ご心配とご迷惑をお掛けして申し訳ない。再発防止に向けて役割分担の確認を徹底する」とした。

◆誤って冷蔵庫に、ワクチン186人分廃棄 大阪の診療所 indexへ

 大阪市内の特別養護老人ホーム内の診療所で、新型コロナウイルスワクチンの保管方法を間違い、186人分を廃棄したことが分かった。市が1日発表した。
 市によると、5月31日に市ワクチン配送センターからこの特別養護老人ホーム内の診療所に、老人ホームの入所者と従事者向けにワクチン186人分を配送した。診療所職員が冷凍庫(零下15~同25度)で保管しなければならないのに誤って冷蔵庫(2~8度)で保管した。別の職員が保管方法の誤りに気付いて冷凍庫に移したが、ワクチンは再冷凍が禁じられており、廃棄することになったという。
 この診療所は6月1~7日にワクチン接種を予定していた。市は予定通り接種が行えるよう、ワクチンを改めて配送した。

◆「成人全員接種」で発症8割減 ブラジル小都市でワクチン実験 indexへ

 【サンパウロ時事】ブラジル・サンパウロ州立ブタンタン研究所は5月31日、同州内陸部の小都市セハナ(人口約4万5000人)で成人のほぼ全員に新型コロナウイルスワクチンを接種したところ、発症が80%減少したとの実験結果を公表した。
 接種率が70~75%に達した時点で、接種をまだ終えていない市民の間でも減少が見られたという。
 セハナでは市を4ブロックに分け、2月17日から4月にかけて成人に対して順繰りに中国製ワクチン「コロナバック」の接種を実施。95%に当たる2万7000人に2度の接種を終えた結果、接種前と比べて発症は80%、入院は86%、死亡は95%それぞれ減ったという。セハナでは毎日約1万人が近隣の大都市リベイランプレトに通勤しているが、リベイランプレトでは他の地域同様、感染が急増していた。 

◆「冷蔵庫から出す際に落とした」「生理食塩水を2回注入」ワクチン10回分を廃棄 indexへ

 山形県米沢市は31日の市議会民生委員会協議会で、5月半ばに、新型コロナウイルスワクチンの取り扱いにミスがあり、容器2本(10回分)を廃棄したことを明らかにした。
 市によると、1本は市役所内に保管していた冷蔵庫から取り出す際に、担当者が誤って落とした。
 もう1本は、集団接種会場で、希釈用の生理食塩水を誤って2回注入してしまった。いずれも代わりのワクチンを解凍し、当日の接種に影響はなかった。
 市は、マニュアルを見直し、再発防止に努めるという。

◆コロナ療養施設で患者同士がルール破り「差し入れ宴会」の呆れた理由 indexへ

 宿泊療養施設に入居できることは“恵まれている"のに…(宿泊療養施設で、療養者の対応にあたる看護師=大阪市)/(C)
 差し入れのフードやドリンクを仲間とシェアしていた。
 無症状や軽症の新型コロナウイルス陽性者を受け入れている富山市の宿泊療養施設「東横イン富山駅新幹線口1」で、複数の患者が1つの部屋に集まり、一緒に飲食していた。
IOCは人命無視の“ぼったくり集団" 五輪に固執はカネのため
「食事を共にしたメンバーは、もともと知り合いだったようです。食べ物と飲み物を差し入れしてもらった患者が、1人で食べるのがさびしかったため、仲間に声を掛けたということです。お酒は飲んでいません」(現場のスタッフ)
 富山県の入院患者数は130人(30日時点)で、宿泊療養施設の入所者数は55人(29日時点)。県は宿泊療養施設を250部屋確保しており、十分余裕があるとはいえ、さすがに、コロナ陽性者同士のルール破りの「パーティー」に、県も困惑している。
 県厚生部健康対策室新型コロナウイルス対策班の担当者がこう言う。
■弁当にメッセージを書いて呼び掛けても
「施設では入所するにあたり、患者同士の部屋の行き来や1部屋に集まらないよう強くお願いしています。一時期、なかなか守っていただけないケースがあったため、配布するお弁当にしっかり守っていただけるようメッセージをつけたり、館内に注意書きを掲示しました。当然、酒の持ち込みは禁止です。差し入れがあれば引き取ってもらいます。ルールを守っていただける方もいれば『ハイ、ハイ、ハイ』というだけの人もいます。『遊ぶところではなく、療養するところです』と重ね重ね、お願いをしています。あくまでお願いベースです。部屋から出られないようになんかしたら、人権問題になりますから」
 一時、1日の感染者数が全国最多となった大阪ではピーク時、入院も宿泊施設にも入れない患者が1万8260人(5月10日)もいた。現在も6788人(29日時点)が療養施設にすら入っておらず、治療を受けられないまま自宅で亡くなった患者は20人に上る。
 英国株やインド株は重症化のリスクが高く、軽症者が一気に重症となっている。無症状や軽症だからといって油断はできない。療養施設入所者は宿泊費はもちろん、食事代も無料だ。恵まれていると考えた方がいいのではないか。

◆停電で138回分のワクチンが使用不可に…笠岡市の高齢者施設でワクチン廃棄処分【岡山・笠岡市】 indexへ

笠岡市の高齢者福祉施設で、新型コロナウイルスのワクチン138回分が使用できない状態になり廃棄されることになりました。
(笠岡市 小林嘉文市長)
「貴重なワクチンを廃棄することになり、ワクチン接種を待っている市民に心から深くお詫び申し上げます」
笠岡市によりますと、廃棄されるのは市内の高齢者福祉施設で入所者や職員などに接種されるはずだった138回分のワクチンです。
施設は、5月30日、午後1時半から1時間、電気設備の点検のため停電しました。
ファイザー社製のワクチンは低温での保管が必要ですが、停電によりワクチンを保管していた冷凍庫と冷蔵庫が停止し、温度が上昇したため使えなくなったということです。
市は、施設の担当者から詳しく事情を聞くとともに、他の施設などに対しワクチン管理の徹底を指導するとともに代わりのワクチンを手配することにしています。

◆〈新型コロナ〉岡山・笠岡市の高齢者施設 ワクチン138回分廃棄へ 設備点検による停電で温度管理を誤る indexへ

 岡山県笠岡市は市内の高齢者施設で保管していた新型コロナワクチン138回分が使用できなくなったと発表しました。
 笠岡市によりますと、使用できなくなったのは138回分のファイザー製の新型コロナワクチンで、市内の高齢者施設の冷凍庫と冷蔵庫で保管していました。この施設では5月30日の昼ごろ、設備点検のため1時間ほど施設を停電させましたが、その際に冷蔵庫と冷凍庫も停止したということです。
 停電の影響で冷蔵庫のワクチンは使用できなくなり、冷凍庫のワクチンは解凍された状態から再び凍結したため使用できなくなりました。  市は、この施設に対し詳しい状況の報告を求めています。
 5月31日の会見で笠岡市の小林市長は、廃棄する138回分のワクチンは県と協議しながら確保を目指すと話しました。
 また岡山市でも5月、集団接種会場でワクチンの温度管理を誤り、5回分を廃棄したことが分かりました。
 岡山市は「健康被害が無かった」ことを理由に発表していませんでした。

◆停電でワクチン138回分廃棄 市長「申し訳ありません」 indexへ

ワクチン138回分が廃棄されることになった。
岡山・笠岡市 小林嘉文市長「誠に申し訳ございませんでした」
岡山・笠岡市によると、廃棄されるのは、市内の高齢者福祉施設で入所者や職員などに接種されるはずだった138回分のワクチン。
施設は5月30日、午後1時半から1時間、電気設備の点検のため停電した。
ファイザー社製のワクチンは低温での保管が必要だが、停電によりワクチンを保管していた冷凍庫と冷蔵庫が停止し、温度が上昇したため使えなくなったという。
市は、施設の担当者から事情を聞くとともに、ほかの施設に対しても管理の徹底を指導するとしている。

◆1回目接種後30分近くで「嘔吐や血圧低下」…80代女性が経過観察中に副反応疑いで救急搬送 意識混濁も indexへ

 名古屋市は、5月30日に新型コロナワクチンの接種を受けた80代の女性に副反応が疑われる症状が出て救急搬送したと発表しました。女性はその後回復し、31日に退院しています。
 名古屋市によりますと、30日午前、市内の集団接種会場で新型コロナワクチンの1回目の接種を受けた80代の女性が、副反応が疑われる症状が出たため救急搬送されました。
 女性は当時、会場内の待機スペースで経過観察をしていて、接種から30分近く経ったところで嘔吐や血圧低下の症状が出たうえ、意識の混濁も見られたということです。
 女性は救急搬送後に容体が回復し、31日に退院しました。
 名古屋市で新型コロナワクチンの接種を受けた高齢者が救急搬送されるのは、5月16日の70代の男性に次いで2例目です。

◆集団接種でワクチン余る、来場した高齢者に接種漏れか…希望者には抗体検査実施へ indexへ

 大阪市は、新型コロナウイルスワクチンの集団接種で、ワクチンが余る事例が2件相次いだと発表した。来場した高齢者に接種漏れがあった可能性があるという。
 発表では、5月27日に西成区民センター、同30日に北区の扇町プールで、それぞれ1回分ずつワクチンが余った。来場者数と用意していたワクチン数は合致していた。
 市は、当日会場に来た高齢者に連絡して謝罪。希望者には抗体検査を実施する。

◆「コロナワクチン夫婦同時に打たないで」2回目接種後の高熱2割超 医師に聞く副反応対策 indexへ

 河野太郎行政改革相は先月28日、コロナワクチン接種後に副反応が生じた場合などに公務員が「ワクチン休暇」を取れるようにしたことを表明した。接種が進んでいる医療従事者らのデータから、とくに2回目の接種後に頭痛や発熱などの副反応が起きるケースが多いことが判明している。これから接種する人は何に気をつければいいのか。医師に対処法を聞いた。
【データ】発熱、頭痛だけじゃない!ワクチン接種後に確認された副反応と割合はこちら
*  *  *
「朝に注射を打ち、日中は『ちょっとだるいな』という程度で普通に過ごしていたんですが、夜になってどんどん熱が上がってきました。頭痛もひどく、翌日は丸一日ベッドから動けませんでした」
 神奈川県内の医療機関に勤める30代の女性はこう語る。女性は4月30日に1回目、5月20日に2回目のコロナワクチンを接種。1回目の接種後は腕に少し痛みを覚えた程度だったが、2回目は接種した日の夜に38.5度の熱が出た。それから39度近い熱が翌日の夜まで続き、頭痛とだるさで食事もとれなかったという。女性は接種翌日、翌々日と、2日間仕事を休まざるを得なかった。
「一緒に打った同僚では、ほとんど症状が出なかった人もいましたが、熱が出て仕事を休んだり早退したりした人もいました」  コロナワクチンの副反応とみられる症状。先行接種した医療従事者たちのデータから、2回目接種後に副反応を起こす人の割合が1回目よりも高まることが判明した。
 厚生労働省の調べでは、接種を受けた医療従事者2万人弱のうち、副反応として38度以上の高熱がみられたケースは、1回目接種後は0.9%だったのに対し、2回目接種後は21.6%に及んだ。
 山形大学医学部附属病院は、同院で接種した職員や医学部学生らの接種後の副反応について、詳細なデータを公表した。3月8日から4月9日にかけてアンケート調査を行い、1回目に接種をした1247人、2回目に接種をした974人から回答を得た。その結果、1回目接種→2回目接種で症状を訴えた人の割合は、次のように変化していた。
(1)接種部位の痛み 91.5%→91.6%
(2)接種部位の腫れ 9.7%→18.1%
(3)発熱(37.5度以上) 3.3%→43.4%
(4)疲労・倦怠感 35.4%→80.7%
(5)頭痛 19.7%→55.1%
(6)悪寒(寒気) 6.3%→51.5%
(7)吐き気・嘔吐 4.0%→10.6%
(8)注射部位以外の筋肉痛 26.1%→37.7%
(9)関節痛 6.3%→37.1%
 1回目接種後の副反応について同院は「多くは接種当日から翌日に発生し、1~2日間で軽快していました。症状に対しては経過観察で済んだ例が多いですが、一部内服などの治療を要したり、日常生活に支障をきたしたりする例もありました」と説明する。
 一方、2回目については、「1回目と比較して、いずれも症状の持続期間が長く、症状の程度も重くなっていました」。さらに「1回目で症状が出現した人は、2回目に同様の症状が出現する頻度が非常に高くなることが示されました」という。
 37.5度以上の発熱については、1回目接種後は3.3%だったのに対し、2回目接種後は43.4%だった。調査結果を発表した同院第一内科講師・井上純人医師はこう話す。
「インフルエンザワクチンで発熱の副反応が起こる割合は1~2割です。インフルエンザワクチンを打った周りの人から、高熱が出て大変な思いをしたと聞くことはそれほど多くないと思います。それと比べると頻度が高いといえるでしょう」
 また、若い人や女性に副反応の発症頻度が高いという特徴もみられたという。
「若い人に多いのは、免疫反応が強いからだと考えます。一方、女性に多いのは、あくまで推定ですが、からだが小さいため成分が取り込まれる量が多いからと言われています。また、ワクチンには化粧品にも含まれる成分・ポリエチレングリコールが含まれるため、副反応の頻度が高いのでは、とも言われています。ただし、これらはあくまで仮説として言われていることであり、真偽は定まっておらず、当院でもそれらについて検証していません」(井上医師)
 一方、65歳以上の高齢者については、「今回の調査対象に含まれるのは数人だったため、副反応もこの調査と同じになるとはいえない」と井上医師は言う。
 実際に自ら副反応を経験した医師にも話を聞いた。元ファイザー社臨床開発統括部長であり、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会委員を務める川崎市立看護短期大学長の坂元昇医師は、3月23日と4月10日にワクチンを接種した。2回目接種から16時間後に発熱し、翌日は38.5度を越えたという。
「私自身は発熱していても感覚的には少し熱っぽいかなと思った程度で、食欲もありましたし、それほど苦しい気持ちもありませんでした」(坂元医師)
 2回目を接種したのは土曜日。翌日に副反応が出たとしても、仕事をする月曜日には落ち着くだろうと考えての日取りだった。だが、それが誤算だった。
「月曜日の朝も発熱が続いていました。海外のデータなどで、高齢であれば副反応は比較的小さいということは承知していたのですが(注:坂元医師は68歳)、38度の発熱が2日間続くことは想定外でした。倦怠感と接種部位の筋肉痛はほぼなくなっていたのですが、発熱時は出勤できないため、会議の予定などをキャンセルしました」
 ワクチン接種の際に解熱鎮痛剤をもらったという坂元医師。しかし薬を飲んでも「熱はまったく下がらなかった」という。
「看護師の中にも解熱鎮痛剤が効かなかったという人がいましたし、『いままで体験したことのない』だるさを感じ、不安だったという話も聞いています。医療従事者でさえ不安なのですから、一般の人はより不安に感じるのではないかと思います。ごく少数の人だけでなく、多くの人が同じ状況を経験しているということを知っておいてほしいと思います」
 一方で坂元医師は、副反応があったことに「安心した」面もあると話す。
「データがあるわけではないのですが、副反応はおそらく体内における免疫反応の結果なので、守られているという強い安心感が得られたのも事実です。個人的な感想ですが、このワクチンには本当に効果があるんだという実感が湧きます」
 自らの経験も踏まえ、坂元医師は接種の前に3つの準備が必要だと話す。
 1つ目は、接種から2日間は外に出る予定を入れないこと。前述のとおり、37.5度を超える発熱の可能性があるからだ。
 2つ目は、接種後に症状があったとき、相談できる相手を決めておくことだという。
「本来は医師に相談することが必要だと思うのですが、現状、接種を担当する医師は極めて多忙で、つながらない場合もあるかと思います。ワクチンを打つ予定があることをあらかじめ誰か知り合いに告げておき、副反応で不安になったときは連絡を取る。医学的な解決がなくても、話すことで不安がやわらぐと思います。もちろんひどい副反応の場合には救急受診も必要になるかもしれません。コールセンターや救急医療機関を紹介してくれるサービス機関の連絡先をあらかじめ用意しておくことも大切です。かなり希かとは思いますが、接種による発熱だと思ったのが、実はコロナの感染による発熱だったという例もあるようなので、特に1回目接種後の発熱は注意が必要かもしれません」
 そしてもう一つ重要なのが、同居する家族と接種のスケジュールをずらすことだ。
「たとえば夫婦で同じタイミングで接種して発熱すると、共倒れになる可能性があるからです。ある地方では、高齢者施設の利用者や従事者に一度にワクチンを接種したところ、同時期に発熱して、介護者によるケアが回らないという事態が起きたそうです。家族の場合もこうしたことを起こさないよう、タイミングをずらすことが重要です」
 前出の井上医師は、これから接種する人に注意してほしいこととして以下の2点を挙げる。まず、ワクチンは肩に注射するので、肩が出せる服装にしておくこと。スムーズな接種のために役立つ。そして、問診票を書く際、あらかじめかかりつけ医と相談の上記入すること。たとえば集団接種会場で接種する場合、初対面の医師とアレルギーや基礎疾患の病状について相談をしても判断が難しいことが多いからだ。
「自分の担当患者でアレルギーや基礎疾患がある人については、症状を把握したうえで、『それでもワクチンを打つことによる利益が大きい』いう説明をしてからワクチンを接種してもらうようにしています」(井上医師)
 副反応が出るかどうかは人によって異なるが、接種を受ける前にできる限りの対策をしておきたい。

◆ロボットが全自動でPCR検査…唾液入った容器のふた開け試薬投入、ウイルス量を測定 indexへ

 新型コロナウイルスのPCR検査の拡充に向けた取り組みが、本格化してきた。川崎重工業は今年、PCR検査を全自動で行うロボットを開発した。3月から実証実験を開始し、5月には関西空港に導入した。
 唾液などの検体が入った容器をベルトコンベヤーに投入すると、ロボットアームが容器のふたを開けて試薬を投入し、ウイルス量を測定するといった一連の検査の手順を無人で進める。人が行うのは検体容器の投入など一部に限られ、感染リスクを大幅に減らせる。
 1日に最大2500件を検査でき、結果が出るまでの時間は、通常の4時間前後から1時間20分程度に短縮されるという。
 川崎重工と医療機器大手のシスメックスが開発し、これまで5か所に導入された。大きさは周辺機器を含めて長さ12メートル、幅2・5メートルと運搬可能で、イベント会場での利用も想定している。来年3月までに50基程度の稼働を目指す。
 厚生労働省によると、国内のPCR検査能力は1日あたり約20万件。海外では入国する渡航者に陰性証明書の提示を義務づける動きが出ており、空港などでの検査需要が今後さらに拡大するとみられている。

◆濃度不足ワクチン接種か 緑公会堂で5人〈横浜市緑区〉 indexへ

 横浜市は21日、緑公会堂で19日に行われた新型コロナワクチンの集団接種で、不十分な濃度のワクチン接種を5人に行った可能性があると発表した。19日には、365人が接種を受けたが、5人は特定できていない。
 そのため、対象者全員に今後、抗体検査を行い、十分な量の抗体が生成されているか、確認を行うという。抗体が確認できない場合、再度ワクチン接種を行うという。
 作業台で希釈や補填など作業別の仕分けをしていなかったことなどから手順の誤りが発生したという。
市は、再発防止策として、希釈作業を委託している市薬剤師会に対して、手順を再度徹底するように指導を行った。

◆神戸市で相次ぐワクチンミス・・・今度は「二重接種」と「注射器の紛失」 indexへ

 神戸市は30日、新型コロナワクチンの集団接種会場でワクチンが入った注射器1本を29日に紛失したと発表しました。
 また、同じ日に、高齢者1人に対して誤ってワクチンを2回接種するミスもあったということです。
 29日、神戸市灘区の集団接種会場で、144人分のワクチンを用意していましたが、午前中のワクチン接種が終わった際に、注射器が1本足りないことがわかりました。
 神戸市は、盗難の可能性もあるとして警察に通報しましたが、現在も注射器は見つかっていないということです。
 また、同じ日の午後、70代の女性に対して誤ってワクチンを2回打ってしまったこともわかりました。
 担当医師によりますと、接種の際にワクチンが体の中に入っている感覚がなかったため、空気を注射したと勘違いし、女性に説明したうえで再度ワクチン接種をしたということです。
 この二重接種について保健所は「過剰投与した場合でも、副反応が大きくなることは治験によると報告されておらず、健康観察に注意する」としていて、この女性に対しては3週間後に2回目の接種をするということです。
 今回のミスに対して神戸市は、再発防止に努めたいとしています。

◆注射針が外れ、投与できず ワクチン再接種 indexへ

大阪府交野市は新型コロナウイルスワクチンの個別接種で、注射器から針が外れ、規定量を投与できないトラブルがあったと発表した。
市によると、28日に市内の医療機関で行われた70代男性に対する接種で、注射器から針が外れ、規定量の大半が投与できなかった。男性には翌日に1回目を改めて接種したという。同様のトラブルは他の自治体でも起きているといい、市は市内の医療機関に注意を呼びかけた。

◆高知県内でワクチン接種後に高齢者死亡 indexへ

 今月25日にファイザー製のワクチンを接種した高知県内の70代男性が、2日後の27日に死亡したことが分かりました。死因は心筋梗塞です。男性には基礎疾患がありましたが、接種後の副反応はなかったということです。
 今月27日までに県内では医療従事者も含め8万5000回あまりの接種が行われていますが、接種後の死亡事例は初めてです。全国では今月21日までに85人の死亡が報告されています。厚生労働省は今後、ワクチン接種との因果関係を調べることにしています。

◆接種トラブル相次ぐ神戸市、今度は集団接種で注射器紛失…1人に2回接種も indexへ

 神戸市は30日、同市灘区の新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場でワクチン入りの注射器1本を紛失したほか、70歳代女性に同じ日に2回連続で接種するミスがあったと発表した。
 発表によると、29日午前、会場では144人分のワクチン入り注射器を用意したが、最後の1人に接種しようとしたところ1本足りず、紛失が判明した。予約した市民には余剰分を接種した。
 また同日午後、医師が70歳代女性に注射した際、注射器に薬液が入っていなかったと思い込み、その場で再び注射した。しかし使用済みの全注射器に薬液の残留が確認され、2回連続で接種した可能性が高いという。
 使用した米ファイザー製ワクチンは、3週間程度の間隔を置いて2度接種するとされている。女性の健康被害は確認されていない。
 同市では保冷庫の管理ミスなどで計約1200回分のワクチンを廃棄するなどトラブルが相次いでおり、市健康局の花田裕之局長は「迷惑をかけて申し訳ない。管理体制のより一層の強化に努めたい」と話した。

◆医療実習の女子学生、30分以内に2回接種受けるミス indexへ

 神奈川県は26日、北里大学病院(相模原市南区)で医療実習を受ける20歳代の女子学生に対し、新型コロナの医療従事者向けワクチンを1日に2回接種するミスがあったと発表した。女子学生に健康被害は生じていないといい、同病院が経過観察している。
 発表によると、女子学生は25日に1回目の接種を受けた後、副反応の有無を確認する経過観察中の30分以内に2回目の接種を受けたという。同病院が2回接種した原因を調査中で、県は今後、再発防止に向けて医療機関や市町村に注意喚起を行う。

◆薄め過ぎたワクチンを6人に接種、使用済み容器を新品と間違える…改めて接種へ indexへ

 愛知県半田市は26日、新型コロナウイルスワクチンの市内医院での個別接種で、6人に対し、誤って薄め過ぎたワクチンを接種するミスがあったと発表した。体調に変化はなく、改めて接種するという。
 発表では、市内の医院で22日、予約者12人に接種した際、後半の6人について、先の6人に接種したワクチン容器の希釈済みの残液を、さらに希釈して接種した。使用済みの容器を新品と間違えたためで、25日になって在庫数の違いで気づき、医院が6人に連絡した。

◆感染者の氏名を県HPに10分間掲載するミス、報道各社へファクスも indexへ

 熊本県は29日、新型コロナウイルス感染症の発表を巡り、感染者1人の氏名が掲載された資料を一部の報道機関にファクスで送信し、県のホームページ(HP)にも掲載していたと発表した。クラスターの発生状況をまとめた一部の項目が個人名になっていた。
 県健康危機管理課の職員が、報道各社へファクスで送信中にミスに気づいた。約10社に届き、HPでも10分ほど閲覧できる状態だった。県は近く、感染者に謝罪する。同課は「資料のチェックを徹底して再発防止に努める」としている。

◆神戸市で相次ぐワクチンミス・・・今度は「二重接種」と「注射器の紛失」 indexへ

 神戸市は30日、新型コロナワクチンの集団接種会場でワクチンが入った注射器1本を29日に紛失したと発表しました。
 また、同じ日に、高齢者1人に対して誤ってワクチンを2回接種するミスもあったということです。
 29日、神戸市灘区の集団接種会場で、144人分のワクチンを用意していましたが、午前中のワクチン接種が終わった際に、注射器が1本足りないことがわかりました。
 神戸市は、盗難の可能性もあるとして警察に通報しましたが、現在も注射器は見つかっていないということです。
 また、同じ日の午後、70代の女性に対して誤ってワクチンを2回打ってしまったこともわかりました。
 担当医師によりますと、接種の際にワクチンが体の中に入っている感覚がなかったため、空気を注射したと勘違いし、女性に説明したうえで再度ワクチン接種をしたということです。
 この二重接種について保健所は「過剰投与した場合でも、副反応が大きくなることは治験によると報告されておらず、健康観察に注意する」としていて、この女性に対しては3週間後に2回目の接種をするということです。
 今回のミスに対して神戸市は、再発防止に努めたいとしています。

◆インドで医師1200人死亡 コロナ感染、ワクチン急務 indexへ

 【ニューデリー共同】新型コロナウイルス感染の急拡大が続くインドで、医師約1200人が感染によって死亡したことが分かった。医師会が30日までに明らかにした。今月16日だけで医師50人が死亡しており、早期のワクチン接種などモディ政権に対応を求める声が強まっている。
 インドでは5月中旬までに医師の6割以上がワクチンを接種したが、死亡した医師らはほとんどが接種していなかったという。医師会関係者は地元メディアに「ワクチンが重症化を防ぐことは立証されている。できるだけ早く全員に接種すべきだ」と訴えた。

◆ワクチン約1000回分を常温放置し使用不可に indexへ

 福岡県大牟田市の病院で新型コロナウイルスのワクチンを誤って常温で長時間放置し、約1000回分が使用できなくなりました。
 ■大牟田病院 川崎雅之病院長「貴重な新型コロナワクチンを廃棄しなければならなくなりました。大変申し訳ございませんでした」
 誤ってワクチンを常温放置したのは福岡県大牟田市の国立病院機構大牟田病院です。
 ファイザー製のワクチン1044回分が使用できなくなり、廃棄されることになりました。
 大牟田病院によりますときのう午後1時すぎ、薬剤師がディープフリーザーから当日接種予定のワクチンを取り出した際、別のワクチンの箱も取り出し、誤って作業台に放置したということです。
 常温で解凍した場合2時間以内に希釈しなければいけないものを、発見した時点で約3時間が経過していました。本来2人で行う決まりの作業を1人で行っていたということです。
 放置されたワクチンはあさって近隣の医療機関に分配される予定でした。

◆ワクチン保管ミスで1044回分廃棄 福岡の病院、3時間放置 indexへ

 福岡県は29日、国立病院機構大牟田病院(同県大牟田市)で、新型コロナウイルスの米ファイザー社製ワクチンを常温で約3時間放置するミスがあり、医療従事者などに接種する予定だった1044回分が使えなくなったと発表した。県が他の自治体などと調整して代わりのワクチンを確保し、接種スケジュールへの影響はないとしている。
 ファイザー社製ワクチンはマイナス75度近い超低温冷凍庫で保存し、常温で解凍する場合は2時間以内に希釈する必要がある。県によると、大牟田病院の冷凍庫には28日朝の時点で1182回分のワクチンがあった。近隣の医療従事者138人に接種するため冷凍庫から取り出した際、残り1044回分が入った箱を冷凍庫に戻し忘れたという。薬剤師が気づいた時には3時間たっていた。
 同病院では通常、ワクチンを2人で冷凍庫から取り出すが、当時は1人だった。再発防止のため、今後は作業工程のチェック表を作って二重チェックを徹底する。記者会見した川崎雅之院長は「国、県を挙げてワクチンを無駄にしないよう取り組む中、このような事故でご迷惑をかけた」と陳謝した。

◆<新型コロナ>ワクチン6人分、埼玉・加須市が廃棄 集団接種会場で準備中のワクチン、希釈濃度が不明に indexへ

 埼玉県の加須市は29日、新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場で、接種の準備中にワクチンの希釈濃度が不明となったことから、1バイアル(6人分)のワクチンを廃棄したと発表した。
<新型コロナ>ワクチン接種予約が殺到 電話やHPつながりにくく苦情も相次ぐ「こうなると分かっていた」
 市によると、29日午後2時ごろ、加須保健センターで実施した高齢者240人を対象とした集団接種会場で、ワクチンを生理食塩水で希釈中にシリンジ(注射筒)と針が外れ、生理用食塩水が数滴漏れた。希釈濃度が不明となり、ワクチンを廃棄したが、同センターの在庫のワクチンで補充したため、予約者全員の接種は無事完了した。
 今回の原因はシリンジへの針の差し込みが不十分だったために起こったもので、今後差し込みを十分に確認するなど、取り扱いを慎重にするよう従事者に指導したという。市の担当者は「今後このようなことがないように十分注意していきたい」と話した。

◆1回目は痛み、2回目は38度超の発熱や頭痛… 医療従事者ら経験者が語るワクチン接種後の症状 新型コロナ・鹿児島 indexへ

 南日本新聞の「こちら373」が新型コロナウイルスワクチン接種者の体験談を募集したところ、優先接種を受けた医療従事者や高齢者からこれまでに20件を超える投稿が寄せられた。けん怠感や発熱などの副反応があったケースが少なくないが、海外渡航者にワクチン接種などを行う専門外来がある済生会鹿児島病院の久保園高明院長は「感染が拡大した今の状況と感染した場合のリスクを考えれば、ワクチンを接種する恩恵の方が大きい」としている。
 2回の接種を済ませた医療従事者からの投稿が半数近くを占めた。1回目は接種部位の痛みが大半だが、2回目にけん怠感や発熱、頭痛などの副反応が強い傾向がうかがえる。
 24歳女性は1回目は接種部位の痛み程度だったが、2回目は当日から微熱があり、翌日38度台に上がった。けん怠感や吐き気もあり、トイレに行くのもきつかった。普段は1人暮らしだが、その日はたまたま休みで実家に帰っていたという。「1人だったらどうなっていたか」と振り返る。
 30歳男性は2回目の接種翌日に39度を超える発熱があり、太ももの付け根に痛みを覚えた。仕事を休んで、近所の病院を受診。処方された解熱剤で熱は下がり、接種3日目からは通常の生活に戻れたという。28歳女性は2回目の接種後に38度の熱が出て、翌日は仕事を休んだ。
 久保園院長は「2回目の接種時は、1回目の接種で体内にできた抗体が反応して熱が出た可能性がある」と説明。「熱や痛みが強い場合は、市販の解熱・鎮痛剤を服用してもいい。アセトアミノフェンを使ったものが安全性は高いが、ない場合は飲み慣れたもので大丈夫」と話す。
 さらに、「副反応は高齢者よりも若い人に強く出る傾向もある」と指摘。「特に2回目の接種後は注意が必要なので、大事な仕事を入れない、仕事を休めそうなら休むという事前の配慮も必要かもしれない」と話す。副反応は数日で治まるとしたうえで、「長引いたり、症状が著しかったりする場合は医療機関に相談を」とアドバイスした。

◆日本の病院が「最高の医療」を提供できるワケ…複雑すぎる組織 indexへ

病院では、どのような人々が働いているのでしょうか。すぐに答えられるのは、医師や看護師くらいでしょう。しかし、いくら人手不足が叫ばれる医療業界であっても、職種は多種多様。患者には見えない仕事がたくさんあるのです。病院を運営し、質の高い医療を提供するための「組織作り」について見てみましょう。※本連載は、木村憲洋氏の著書『マンガでやさしくわかる 病院と医療のしくみ』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。
【マンガを見る:複雑すぎる医療業界…病院で「一番偉い人」は誰?】
「診療」の司令塔は医師、「病院運営」のトップは理事
病院の組織は、病院運営と診療とで組織の体制が変わります。病院全体の組織を単純化すると図表1のようになります(民間病院である医療法人の例)。
図表1の例では、院長の上に理事会があります。この理事会は株式会社での取締役会にあたり、主に病院の経営の責任を負う組織です。また、株式会社の代表取締役にあたる理事長も存在します。
一方、診療は患者の治療や救命が中心の指示命令系統となります。医師の指示により診療がスタートし、看護師やコメディカルが医師の指示をもとに治療や検査を行います。
図表1のように、経営上の組織は資格別で部門に分かれていますが、治療のときには組織を横断して直接職種間でやりとりが行われます。病院スタッフはどちらの組織が優先されるのかわからなくなることがあります。
病院スタッフの共通認識は、患者を救いたいという思いです。とはいえ、病院運営の組織と医療従事者の間で利害が衝突することがあります。病院は経営活動を行い、医療機関として存続していかなければなりません。これに対し、病院の従業員である医師をはじめ医療従事者は、ときには病院の利益に反する治療を行うことがあります。それは、病院の経営方針以前の問題として、国家資格を取得する教育課程では人命が第一優先とされているところからくるものです。
いまの日本の医療現場は、治療が優先され、医療従事者個々の裁量に任されているため、質の高い医療が行われているともいえます。
医療技術を発展させるため様々な「委員会」が乱立
[図表2]病院内に設けられる委員会・会議の例
【感染症対策委員会】
感染症対策委員会は、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)による院内感染が社会問題となったときに診療報酬点数で感染対策委員会を設置することで報酬が得られるように規定されました。院内感染や感染症に関する対策について規定を作成したり、院内におけるさまざまな感染症について周知することを目的として活動しています。
【褥瘡対策委員会】
高齢化とともに寝たきり患者が増加しています。寝たきりの患者は褥瘡(じょくそう=床ずれのように、寝たきりの患者が皮膚を圧迫してしまうことによる皮膚の潰瘍)になると長期入院になりやすいものです。そのため、医療の質を向上する観点から、褥瘡対策委員会の設置が診療報酬点数で報酬が得られるように定められました。
褥瘡対策委員会は、褥瘡治療経験のある医師や看護師を中心として、褥瘡の予防や褥瘡ができてしまった場合に早くよくなることを目的に活動しています。
【医療安全対策委員会】
有名病院などでも医療事故が頻発している昨今、どの医療機関でも安全な医療を提供する体制の整備が求められており、医療事故への対策が官民で進められています。医療安全対策委員会の設立は、こうしたことを背景に設立が定められました。
この委員会は、ヒヤリ・ハット(作業中に「ヒヤリとした、ハッとした」というような経験事例)の事例収集と事例の検討、業務改善や患者の医療安全のための業務設計を行うことを目的として運営されています。こちらも診療報酬点数において報酬が得られるようになっています。
【医局会】
医局会は、病院の診療方針や症例検討を行う場です。院長をはじめ医師が中心となる会議ですが、事務長や看護部長が参加している病院も多くあります。CTなど大型医療機器の導入についてもこの会議で協議し、経営会議で最終決定が下されます。
【薬事委員会】
医薬品の採用や、院内における医薬品の情報について議論・交換する場です。医薬品採用の手順や、採用ルールもあわせて検討・決定している病院も少なくありません。一般的には、医局会と一緒に行われているようです。
【経営会議】
院長、事務長、看護部長が中心となって、経営全般についての話し合いが行われます。たとえば、病院の収支や予算、今後の運営方針などが議題に上がります。医局会で協議したCTなどの大型医療機器の導入についても、この会議で最終決定されます。 このほか、患者の満足度向上委員会や給食委員会、看護師長会議、医療材料委員会などあります。
各部門内においても、医療技術の発展のためにさまざまな委員会を抱えている病院は少なくありません。病院組織は複雑ゆえ、委員会は乱立する傾向があります。
木村 憲洋
高崎健康福祉大学 健康福祉学部 医療情報学科 准教授

◆コロナワクチン1000万回突破でも見逃せない「接種後死亡」の衝撃 indexへ

 国内の新型コロナウイルスワクチンの接種回数が、28日までに計1000万回を超えた。
ワクチン接種1日100万回実現に“禁じ手" 菅政権のエゲツない「現ナマ」バラまき作戦
 政府によると、26日までに報告された総接種回数は計1059万5100回で、内訳は医療従事者向けが約710万回、高齢者向けが約350万回。2回打ち終えた人はそれぞれ約280万人、約20万人だった。
 24日からは自衛隊が東京都と大阪府に設置した大規模会場で接種が始まったほか、厚労省によると、27日時点で宮城、群馬、愛知の3県でも大規模接種を開始。菅政権が「1日100万回接種」を掲げているのを受け、他の自治体でも大規模接種の準備が進んでいるが、改めて注意する必要があるのが、ワクチン接種による副反応だろう。
 厚労省の「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」によると、医療機関などから報告された死亡事例は、2月17日から5月21日までに計85件。このうち、同部会は5月16日までに報告された55事例の評価を実施し、26日に公表している。いずれも「情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係が評価できないもの」とされているのだが、各事例の詳細(いずれもファイザー製)を読むと内容は衝撃的だ。
■インフルエンザ薬「タミフル」のような異常行動も
 多くは70~90代の高齢者なのだが、中には若者も少なくない。例えば、基礎疾患のなかった「26歳の女性」は3月19日午後2時にワクチンを接種。アナフィラキシーや体調変化もみられず、職場で普段通りに勤務していたが、同23日午前11時ごろ、脳出血などで死亡。花粉症だった「37歳の男性」は4月5日午後6時に2回目のワクチンを接種し、3日後の8日朝に心肺停止となった。
 特筆するべきは「25歳の男性」の事例だ。男性は、4月23日午後4時にワクチンを接種。25日に友人と過ごしていると、立ち眩みや手の震えを覚えたために帰宅。27日に職場に出勤したのだが、言動に怪しいところがみられたという。
 その時の男性の様子を報告した資料にはこうある。
男性は)終始落ち着かない様子。問いかけに対しても空返事。小声で「ハイ、ハイ」理解しているのか判断できない
話しかけるが全て「ハイ」と返答。(略)(男性は)言いたくない、ダメだ、ダメだ。何、やべぇ、最悪、最高です。楽しい、違う、、。(略)誰かの声が聞こえるかと問うと、「ハイ」と
 その後、男性は両親と一緒に車で職場から帰宅するのだが、帰途の高速道路で車から飛び降りて後続車に引かれ、救急搬送先の病院で死亡が確認された。
 家族によると、男性は幼少期に発熱時の異動行動が認められたというのだが、まるでインフルエンザ薬「タミフル」でみられた異常行動と同じではないか。
 他にも「47歳の女性」が4月27日にワクチンを接種し、5日後の5月2日早朝にトレイで心肺停止状態に。「67歳の男性」は5月9日にワクチンを接種し、10日後の19日にテニスを楽しんでいる時に「卒倒」し、心肺停止となっている。
 いずれもワクチン接種との因果関係は不明とはいえ、どう考えればいいのか。医療ガバナンス研究所理事長で、内科医の上昌広氏がこう言う。
「高齢の人はともかく、若い人がワクチン接種後、比較的早い段階で亡くなっていることは注目するべきでしょう。ワクチンの接種容量が多いほど、副反応は出やすいわけで、例えば体重が90キロを超えるような大柄な米国人と、小柄な日本人が同じ容量のワクチンを接種するのはどうなのか。国はきちんと(リスクについて)アラート(警告)した方がいいと思います」
 ワクチンは決して「魔法の薬」ではないことを覚えておいた方がいい。

◆BBCキャスターがアストラゼネカ製ワクチンを接種後に死亡 当局が調査 indexへ

 イギリスのBBCのラジオ番組で司会を務めていた女性がアストラゼネカ製のワクチンを接種したあと血栓を発症し死亡していたことがわかった。
 BBCによると、ラジオ番組の司会者リサ・ショーさん(44)はアストラゼネカ製のワクチンを接種してから1週間後、血栓と脳出血の症状を発症した。その後、集中治療室で治療を受けていたが、今月21日に死亡した。基礎疾患はなかったという。
 死亡診断書には死因の可能性の一つとしてワクチン接種が挙げられているが、今後、検視を経て最終的に判断されます。イギリスの規制当局はBBCに対し「死亡に関する報告を十分に調査し検視の結果を考慮する」としつつも「ワクチン接種による利益はリスクを大きく上回る」と強調している。(ANNニュース)

◆医師が白衣姿で喫煙か 「禁煙外来」開設を延期に【熊本】 indexへ

6月にも禁煙外来を開設しようと準備を進めていた玉名市のくまもと県北病院は、病院でタバコを吸う職員がいるとの通報を受け、禁煙外来の開設を延期すると発表しました。
白衣姿の2人が傘をさして現れ、隠れるように何をしているかというと。
「喫煙」です。
この場所は病院。
病院の敷地内喫煙は去年4月の健康増進法改正で禁止されています。
この病院によりますと先週、近くの住民から医師らが病院の敷地で度々喫煙しているとの通報があったということです。
「ここに隠れて、2人でしゃがんで。午前中1回、午後1回」(近所の住民)
関係者によりますと敷地内で喫煙しているのは呼吸器系の専門医や検査技師だということです。
「関係者によりますとこの病院の敷地の広場だけでなく、あちらの人目につきにくいスペースでも喫煙する人が目撃されています」(記者)
敷地内だけでなく、すぐ近くの私有地でも病院の職員が喫煙していたとみられています。
この病院、6月にも「禁煙外来」を開設しようと準備を進めていたましたが今回の事態を受け、開設を延期すると発表しました。

◆ワクチン接種、使用済み注射器で誤注射 確認怠る 大阪 indexへ

 大阪府守口市は28日、市内の特別養護老人ホーム「梅香苑」で新型コロナウイルスのワクチン接種の際、医師が破棄するはずの使用済みの注射器を、別の高齢者1人に誤注射したと発表した。施設は誤注射された人の感染症検査を実施し、健康被害がないか経過観察している。
 市や施設によると、26日午後、入居者15人へのワクチン接種を行った。その際、担当した男性医師が90代女性に使用した注射器を、誤って使用前の注射器を置くトレーに戻し、次に接種の番だった70代女性に誤注射した。医師を補助する女性看護師2人が、手順を確認するはずだったが、接種時に90代女性が動揺したため、現場で混乱が生じ、確認を怠ったという。
 10人への接種が終わった段階で確認したところ、未使用の注射器が1本多く残っており、誤注射が判明した。市は「高齢者施設に対し、再度、手順の確認を徹底するよう求める通知を出すなどして、再発防止に努めたい」としている。

◆大規模研究不正ふたたび~医学界は自浄能力を示せるか indexへ

大規模研究不正ふたたび~医学界は自浄能力を示せるか
榎木英介 | 病理専門医かつ科学・技術政策ウォッチャー
待たされた調査結果公表
 いつ公表されるのか…。やきもきした調査結果が2021年5月28日、ようやく公表された。
本学における研究活動の不正行為に関する調査結果の公表について | 昭和大学
上嶋浩順氏論文調査特別委員会 調査結果報告|公益社団法人 日本麻酔科学会
 昭和大学の麻酔科に所属する上嶋浩順氏の論文に問題があることは以前から指摘があり、複数の論文が撤回されていた。 上嶋浩順、大嶽浩司 昭和大の2論文が撤回!捏造!!
2020年7月の毎日新聞の報道では、「今月中にも結果を公表する。」とされていたので、ずっと待ち続けていた。それがようやく、10ヶ月遅れて公表されたのだ。
 公表が遅れた理由は分からないではない。調査対象になった論文が多すぎるからだ。
147報中117報に研究不正
昭和大学の資料によれば、調査対象はなんと147報に及んだ。上嶋氏と上司の大嶽浩司教授、部下2名の合計4名が調査対象になった。
 その内訳は、原著論文12報、症例報告9報、「関連領域と話題」とされるのが1報、Letter to the Editor(掲載論文に対する意見や自らのデータを少数掲載した単報)が120報、Images in Anesthesiology(象徴的な写真に短い解説をつけた文章)が1報、出版前の原著論文が4報であった。
 上嶋氏はこのうち原著論文9報、Letter to the Editor 74報、出版前の原著論文4報に捏造が、原著論文1報、症例報告1報に改ざんがあることを認めた。
 さらに症例報告4報、Letter to the Editor 16報はデータがなく、捏造ではないことを証明できないため、捏造が認定された。
 ほかにも、本人が認めていない症例報告1報、Letter to the Editor2報を改ざん、症例報告1報、「関連領域と話題」1報、Letter to the Editor3報が捏造と認定された。
 結局捏造、改ざんの研究不正が認定された論文が117報に及んだ。
 このほか、研究に関与していないのに論文著者となるなどした「不適切なオーサーシップ」が131報認定された。上嶋氏以外の論文の共著者は、著者に名前が書かれただけで内容に関与していなとして、研究不正は認定されなかった。
 これにより、上嶋氏が研究不正と不適切なオーサーシップを行ったと認定され、懲戒解雇、教授であった大嶽浩司氏が不適切なオーサーシップが認められ、降格。2名は学位取り消しとなった。
麻酔科医と日本人が上位独占?
 117報以外にも、複数の「記載誤り」という論文がある。また、すでに6報の論文が撤回されている。今回の論文が撤回されることになれば、驚異的な論文撤回数となる。
 論文撤回を監視するサイト「リトラクションウォッチ」は、研究者別の撤回論文数ランキングを作成している(リーダーズボード)。これによれば、2020年5月28日現在、トップ5は以下のようになっている。
1位 F氏(日本人麻酔科医) 183報
2位 ヨアヒムボルト氏(ドイツ人麻酔科医) 155報
3位 S氏(日本人医師) 103報
4位 I氏(日本人医師、S氏の共同研究者) 79報
5位 ナザリ氏(イラン人 材料工学の研究者)67報
 100報を超える論文の撤回が行われると思われるので、上嶋氏と大嶽氏がトップ5に入ってくる可能性が高い。すると、1位から3位まで、あるいは4位まで麻酔科医が独占し、トップ5人中4人が日本人医師となる。トップ10まで広げれば、6人が日本人医師、5人が麻酔科医となる。
 こうなれば、日本人、とくに医師はどうなっている、麻酔科医どうなっていると言われるのも当然だ。
 今回のケースでは、Letter to the Editorが多いので、社会に与える影響という点で考えれば、サイエンス誌やネイチャー誌が大きく取り上げた、現在撤回数ランキングの第3位に位置しているS氏には及ばないだろう。S氏の研究は診療ガイドラインの根拠となるなどしており、撤回の影響は甚大だった。
"Tide of Lies"のその後:臨床研究の不正の影響は大きい
 しかし、人事を歪め、無駄な研究に税金が使われ、研究を歪めたという点では、変わることはない。
大規模研究不正が起こる原因
 今回どうしてこのようなことが起こったのだろう。
 昭和大学の報告書によれば、上嶋氏の研究倫理意識の欠如、教授だった大嶽氏が上嶋氏の研究を確認しなかったこと、上嶋氏が高圧的で意見を言えなかったことが挙げられている。
 一方、日本麻酔科学会は、もう一歩踏み込んだ指摘をしている。
業績に基づく組織運営体制
多くの大学と同様に、昭和大学においても、診療科や個人の評価には、臨床業務実績や研究業績が用いられている。上嶋浩順氏は、自身の昇進だけでなく、医局員の任期更新や医局員のリクルートのため、共著者としての論文提供が必要であった。そのため、研究への関与なく、筆頭著者、共著者となる習慣が医局内に認められた。麻酔科内の組織運営の責任者である大嶽浩司氏は、このような体制を知りつつ、その体制改善の努力を怠っていたことは、今回の研究不正が継続的に行われてしまった背景要因として大きい と考える。
日本麻酔科学会調査報告書
 非常に重要な指摘である。とくに「多くの大学と同様に」と記載している点が重要だ。
 正直なことを言えば、このような業績に基づく体制をとっていない医学部の研究室を探すことはかなり難しいのではないか。
 実際、上記の文章を読んだとき、既視感があった。
 論文撤回数ランキング1位、183報もの論文を撤回したF氏の研究不正を日本麻酔科学会が調査したときの報告書だ。
論文業績は,筑波大講師や東邦大准教授に採用されるのに必須のものであった.公的研究費を獲得した.日本麻酔科学会学会賞にも 5 度応募したが選外であった.企業主催のセ ミナーの講師を 2 度務め講師謝礼を受け取った.
調査報告書
F氏は,これらの論文業績を,学内での業績評価,大学教員ポストの獲得,教授選考への立候補,公的研究費獲得,本学会学会賞への応募等に利用していた.
調査報告書
 つまり、今回のような大規模研究不正は、他のどの大学でも起こりうるということになる。
ブレーキのない車
 日本人研究者が突出して研究不正を行なっているわけではない。問題は、今回の上嶋氏のように、研究不正を繰り返す人をストップさせるブレーキがないのだ。
 医学部に顕著だが、論文の共著者は、業績が欲しいのもあって、内容をチェックしない人が多い。今回のケースも、名前を載せてもらっていた研究者たちのなかには、研究内容に関与しておらず、不適切なオーサーシップが認定された者が多くいた。名前が載っただけなので研究不正認定はされないというもどかしい状況だ。
 上司も何もしなくても論文を勝手に書いて名前を掲載してくれる部下は使い勝手のよい「業績量産マシン」になる。
 部下が研究不正に気がついたとしても、高圧的な態度や上位下達の雰囲気でとても意見など言えない。そもそも医学部では、身分を超えて意見を交換することは簡単ではないのだ。
 こうした状態では、研究不正を行わないように止めるブレーキは、倫理観のみだ。多くの研究者は倫理観をある程度持っていると思うが、それがない人が暴走したときに、止めるのは難しい。今回のように、びっくりするほど不正論文の数が積み重なったときに、ようやく発覚する。だから、撤回論部数上位を日本人が占めるという、世界に恥ずべき事態となってしまう。
 しかし、こうした事態を放置すれば、日本の医学研究の評判は悪化し続けるだろう。いくら「研究不正をしているのは一部ですよ」と弁解したところで、撤回論文数ランキングを突きつけられたら反論しにくい。
 さらに言えば、論文調査に関わった方々の労力や時間、不正論文を作成するために使われたお金、不正論文を引用した研究に費やした時間が無駄になってしまう。
 これらが与える損害はいったいどれくらいになるだろうか。
自浄能力に期待できない?
 昭和大学の資料によれば、上嶋氏は公正研究推進協会のオンライン研究倫理教材を視聴したりするなど、一般的な研究倫理教育を受けていた。日本麻酔科学会も、学会員から撤回ランキングトップのF氏や、53報の論文を撤回しランキング7位に位置するS氏を出したことを深く受け止め、研究倫理教育には熱心だった印象がある。私自身、日本麻酔科学会の関西支部の講演会でお話しさせていただいたことがある。
 しかし、こうして大量の研究不正が繰り返された。2度あることは3度ある、なのか、3度目の正直かは分からないが、教育を徹底します、指導を徹底しますだけで十分だとはとても言えないだろう。
 業績主義という構造、上位下達、相互批判ができないカルチャー、構造にメスを入れない限り、暴走した研究不正者(リピートオフェンダー)を止めることはできない。
 しかし、日本の医学界にそれができるだろうか。
 ここでは詳しくは述べないが(文末リストに挙げた私の書いた過去の記事等参照)、繰り返される医師による研究不正と、不適切な調査、隠蔽など、この数年の状況をみると悲観的な気持ちになる。
 諸外国にあるような、研究不正の調査を第三者的な立場で監督する機関の設立が、いよいよ求められているのではないか。  そうした外部機関の介入を学問の自由に対する危機というのも理解はできる。しかし、いったいいつまで待てば、日本の医学界は自浄作用を発揮してくれるのだろうか。
 人々の期待は永遠ではない。

◆昭和大の麻酔科元講師、論文など142本で捏造や改ざん indexへ

 昭和大学(東京都品川区)は29日、上嶋浩順・元麻酔科講師ら4人について、論文など142本で 捏造や改ざんなどの不正があったとする調査報告書を公表した。捏造と改ざんは上嶋元講師1人で行っており、すでに懲戒解雇された。他の3人は、研究に関わっていないのに共著者になるなどしていた。日本麻酔科学会も同日、「昭和大の成果主義に対する圧迫感が不正へと導いた」とする調査報告書を公表した。
 同大と同学会は昨年3月、外部からの指摘を受け、調査を進めてきた。
 同大の報告書によると、上嶋元講師が著者となった2015~20年の論文など147本を調査し、142本で不正を認めた。論文12本や症例報告9本のほか、学術雑誌への投稿116件などだった。
 不正の内訳は、全てのデータをでっち上げるなどの捏造112件、事実と異なる数値や薬剤名の記載などの改ざん5件、不適切な著者の記載131件だった。
 同大は、不正の背景として、上嶋元講師の研究倫理感の欠如や麻酔科の不適切な指導体制などを挙げた。日本麻酔科学会も、業績作りのために不正が継続的が行われていたとした。
 研究倫理に詳しい札野順・早稲田大教授は「論文数や研究資金の獲得だけでなく、後進の育成や、科学や社会にどれだけ貢献したかなど総合的に研究者を評価するべきだ」と話している。

◆新型コロナワクチンが心配な人に医師が伝えたい、副反応に関する最新データ indexへ

 連休明けから、医療従事者に続いて高齢者にもワクチン接種が開始された。これまで医療従事者と高齢者に対して使用されているのはファイザーのワクチンで、現在のところ国内で接種できるのはこの1種類のみだ。しかし、5月21日にアストラゼネカとモデルナのワクチンが承認され、一般向けの集団接種にはモデルナのものも使用されることとなった。ただ、アストラゼネカのものは、海外での副作用報告もあり、すぐには使用されない見込みだ。
 50代くらいまでの比較的若い世代の接種は当分先になるだろうが、親や医療従事者の知り合いなどから、「予防接種を受けて、こうだった」という体験を聞いている人もいるかもしれない。
 医師である筆者は、3月中旬に1回目の接種を、4月中旬に2回目の接種を終え、すでに接種後2週間が経過。確率的には感染しにくい状態になったので、以前よりも安心して診療に当たることができるようになった。
 今回は、これから接種する皆さんのために、筆者の接種および副反応の経験をお伝えするとともに、これまで副反応に関して出ているデータや、基礎疾患やアレルギーの履歴を持っている人の中でどんな人が心配なく接種でき、どんな人が接種を控えたほうがいいのか、といったことについて解説したい。
 1回目のワクチン接種は腕に重い痛みが
 3月18日、筆者は第1回目の予防接種を病院で受けた。病院内の接種会場にはストレッチャーが設置され、急変にいつでも対応できるようにされていた。利き手ではないほうの上腕外側(多くの人は左腕)の三角筋という筋肉に、垂直に注射するやり方が一般的だ。医師が問診をし、その後看護師が注射を打ってくれたが、注射自体は、皮膚のチクッとした最初の痛みの他は、全く感覚がないといっていいほど痛くなかった。接種が済んだ後、会場で15分間、椅子に座って経過観察をし(多くの副反応は接種後早期に起こる)、何事もないことを確認してから帰途についた。
 接種した当日は痛みも発熱もなかったが、翌日から、打った腕に重い痛みが出た。人によっては、腕を上にあげることもつらいようだが、わたしはそこまでではなく、鞄や荷物を持つことはできた。その痛みも、2日後にはすっきり消えた。
2回目の接種、副反応を心配したが…
 2回目の接種は、ファイザーのワクチンの場合は3週間後(モデルナのものは4週間後)に接種するが、供給が間に合わなかったため、30日後の接種となった。一般的には、発熱などの副反応は2回目のほうが頻度が高い。筆者はそのため、2回目の接種後はすぐに帰れるよう、翌日の午前中に仕事がないよう調整してのぞんだが、発熱や倦怠感はなく、腕の痛みも1回目よりも軽く、拍子抜けしてしまった。筆者としては、ワクチンの副反応よりも、それからまもなくやってきたPMS(月経前症候群)のほうがよほどつらかった。
 副反応が非常に軽くすんだ筆者だが、これはあくまで個人の体験だ。周囲で接種した人がどうだったのかというと、やはり2回目は体がだるかった、熱が出たという人がそれなりにいて、これから受ける皆さんも、翌日に大事な仕事や家庭の用事が入らないように調整したほうがいいだろう。また、夫婦や同居家族で受ける際は、同じ日に受けるのではなく、別々に受けることをおすすめする。家族が同時に体調不良になるのは避けたい。
各ワクチンの副反応の最新データ
筆者提供
 現在使用されているファイザー製ワクチン、そしてこれから承認予定のモデルナとアストラゼネカのものに関しては、全世界で副反応のデータが蓄積されている。ここでは国内の臨床試験における結果を表にまとめたので参考にしてほしい。
 <ファイザーとモデルナのワクチンの副反応>
 ワクチンの副反応としてもっとも重篤なのがアナフィラキシーと呼ばれるもので、ワクチンによって起こるアレルギー反応だ。ワクチン接種後すぐに起こることが多く、皮膚の発疹やかゆみといった皮膚症状や、咳やくしゃみ、喘鳴といった呼吸器の症状が出る。それだけで終わる場合も多いが、重篤な場合は、血圧が下がり、命に関わることもある。
 また、よくある副反応では、局所の腫れや筋肉痛、だるさ、発熱などがある。特に、2回目の接種で発熱が起こりやすいとされている。
 国内のこれまでのデータ(※1)では、医療従事者への接種が開始された2月17日から5月16日の間に、医療従事者・高齢者併せて611万2,406人が接種を受け、「副反応疑い」と報告されたのは7,297人(全体の0.1%)、そのうち医療機関から
「ワクチンとの関連あり」と報告されたのは5155人(全体の0.08%)、そのうち重篤なケースは605人(全体の0.01%)だったとのことだ。
 「副反応疑い」の72,97人のうち、男性は1,247人、女性は6,047人で、年齢は20~59歳がそれ以上の年齢よりも多くなっているが、これは現役医療従事者に、その年齢層の女性が多いためかもしれない。国内での死亡事例は51例報告されているが、ワクチンとの明確な関連性は示されていない。
 また、1回目の「副反応疑い」は0.1%(重篤なものは0.02%)であるのに対し、2回目では、0.16%(重篤なものは0.01%)と報告されている。これを見る限り、全体の副反応はわずかに2回目が多いが、重篤な副反応が多いわけではないようだ。
薬剤へのアレルギーをもつ人は大丈夫?
 なお、もっとも重篤な副反応はアナフィラキシーである。国内の医療従事者への接種が開始されたとき、海外よりもアナフィラキシーが発生する頻度が高いことが指摘されていたが(診断基準が異なることも一因だったと思われる)、現在の報告では、国内で国際的なアナフィラキシーの診断基準を満たす症例は、約611万人接種して146人と、100万人あたり24人だった。頻度はいま減少傾向にあり、高齢者など接種者が増えたことや、診断が正確になされるようになった影響があるのではないかと思われる。
 過去に薬剤でアレルギー反応を示した方で気をつけてほしいのが、ファイザーやモデルナのワクチンに含まれているポリエチレングレコール(PEG)という物質だ。以前、ポリエチレングレコールで重度のアレルギー反応を起こしたことがある人は原則としてこの2社のワクチンを使用できない。
 ポリエチレングレコールは大腸検査の時に使われる下剤、注射薬のメチルプレドニゾロン(点滴ステロイド剤)、ハーセプチン(主に乳がんで使用される分子標的治療薬)など様々な薬剤および化粧品に含まれている(※2)。
 ただ注意しなければならないのは、ポリエチレングレコールが含まれる薬剤にアレルギー反応があっても、ただちにポリエチレングレコールが原因だとは断定できないことだ。化粧品など、他のポリエチレングレコールが含まれる物質へのアレルギー反応はあるかなど、丁寧に聞き取りをする必要がある。
 交差反応(似た構造を持つ物質に対してアレルギー反応が起こること)を起こすと懸念されているポリソルベート(不整脈の薬や糖尿病の薬、肺炎球菌のワクチンなどの他、乳化剤としてチョコレートにも含まれている)に関しても、アレルギー歴のある人は、専門家が接種の可否を判断する必要がある。ポリソルベートはアストラゼネカのワクチンに含まれている。
 これまで、薬や化粧品、ワクチン、食品にアレルギーのある人は、まずはかかりつけ医に相談してほしい。また、薬品の添付文書でも、ポリエチレングリコールやポリソルベートを含むかどうかは確認することができる。
 インフルエンザのワクチンは卵の成分が含まれているため、卵アレルギーの人は接種できないことで有名だが、ファイザーのワクチンには卵の成分は含まれておらず、接種して問題ない。
 また、ワクチンを接種するからといって、飲んでいる薬をやめる必要はない。ワーファリンなど、「血液をさらさらにする薬」を飲んでいる人は、血が止まりにくく長めの止血が必要だが、自己判断で休薬するのは、もとの病気が悪くなるおそれがあるため、おすすめできない。
モデルナ製の「心筋炎」の可能性について
 アナフィラキシー以外にも留意すべき副反応がある。モデルナのワクチンでは、頻度は低いが心筋炎が起こる可能性が示唆されていて、現在CDC(アメリカ疾病予防管理センター)が精査中だ。早合点しないでいただきたいのは、現在、因果関係を含めて精査中であって、因果関係が確認されているわけではないということだ。
 CDCは、これまでに報告されている心筋炎の傾向として以下の点を挙げている(※3)。
・思春期、若年者に多い。
・女性よりも男性に多い。
・1回目よりも2回接種後に多い。
・典型例では、接種後4日以内の発症。
 厚生労働省は職場での接種はモデルナを使用すると発表している。今後、ワクチンを選べるようになる可能性もあるが、若い人は、上記を覚えていくといいかもしれない。とりあえず、心筋炎の副反応があるのかどうか、続報を待つ必要がある。
アストラゼネカ製の「血栓症」、どれほど心配すべき?
 ファイザーとモデルナのワクチンはmRNAワクチンで、アストラゼネカのものはベクターワクチンという種類だが、ベクターワクチンであるアストラゼネカや、アメリカのジョンソン&ジョンソン(日本ではまだ承認されていない)のワクチンでは血栓症が問題になり、使用を停止する国や、年齢制限を設ける国がでてきている。また、血栓症は比較的若い女性に多いというデータもある(※4)。
 では、血栓症の頻度はどの程度なのかというと、100万人に1人くらいで、頻度としてはアナフィラキシーと同様に低く、デメリットよりもメリットのほうが大きいと考えられている。ただ、アナフィラキシーは至急かつ適切に治療されればほぼ問題なく治癒することが多いのに対して、血栓症は血管がつまると周囲の組織に血液が供給されないため、組織が壊死に陥ってしまい、手術が必要になったり、何らかの後遺症が残ることが少なくないので注意が必要だ。
 アストラゼネカワクチンは承認はされたものの、すぐには使用されない見込みで、接種対象者などについて慎重に検討されるようだ。
妊婦や授乳中の人は接種しても問題ない?
 妊婦や授乳中の人はワクチンの接種に躊躇するかもしれないが、アメリカのCDCは、妊婦が感染すると重症化しやすく早産のリスクも上がること、ワクチンの妊婦への安全性のデータは限られているが徐々に増えてきていること、またワクチンで胎児に抗体が移行し感染防御作用が付与されることなどから、十分な説明の上で、接種を受けることができるとしている(※5)。
しかし日本産婦人科感染症学会は、妊婦を接種の対象から除外はしないが、妊娠初期の期間形成期(妊娠12週まで)は、偶発的な胎児異常との混乱を招く可能性があるため、ワクチン接種を避けることを勧めている(※6)。
 授乳中の人は、CDCの見解では、データは乏しいものの、ワクチンの体内における作用を踏まえると受けても問題ないとしている。
 新型コロナウイルスのワクチンは、基本的に重篤な基礎疾患を持っている人でも接種できる。国内でのワクチン接種が進むにしたがって、副反応に関する様々な噂がSNSで飛び交うようになるだろうが、過度に不安になる必要はない。読者の方々の接種はもう少し先になるだろうが、中には、重篤な副反応があると煽るような真偽不明の情報が流れ、多くシェアされることもあるかもしれない。そういうときこそ冷静になり、厚生労働省などが提供する正しい情報にアクセスし、適切な判断をしてほしい。
 ※厚生労働省のサイト「新型コロナワクチンQ&A」はわかりやすいのでおすすめだ。
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※1https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18848.html
※2 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33388478/
※3 https://www.cdc.gov/vaccines/acip/work-groups-vast/technical-report-2021-05-17.html
※4 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33835768/
※5 https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/vaccines/recommendations/pregnancy.html
※6 http://www.jsog.or.jp/news/pdf/20210512_COVID19.pdf


◆「厚労省が新型コロナの死亡者数を水増しする通達を出している」は正しくない情報 医師が解説 大津秀一 | 緩和ケア医師 indexへ

毎日のように寄せられる疑問
筆者はYouTubeチャンネルで緩和ケアや新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)などの情報を発信しています。
動画には多数のコメントが寄せられるのですが、その中に一日一回は必ず寄せられる疑問があります。
それは、新型コロナの死亡数は不正確なのではないか、というもの。
「新型コロナウイルスのPCR検査が陽性の死者はすべて死因が新型コロナになる」
このような話が流れているというのです。
もしかすると皆さんもこれを聞いたことがあるかもしれません。
本当にそのようなことがあるのか―。
調べてみると驚くことがわかりました。 このような画像が、情報を広げた
SNSが重要な情報伝達・共有の手段となっている現状、虚々実々の様々な情報が日々インターネット空間を飛び交っています。
「新型コロナウイルスのPCR検査が陽性の死者はすべて死因が新型コロナになる」
この情報も昨年からよく見かけられるものでした。
その中に、下記のような画像がTwitterで出回っています。
twitter Twitter等でこのような赤線付きの画像が流れている。厚生労働省の通達を「切り取った」もの。得てして大切なものは切り取られていない所に―。
これは厚生労働省の出した「新型コロナウイルス感染症患者の急変及び死亡時の連絡について」という文書で、ネットで誰もが読めるようになっています。
赤線を引いてある部分には、"事務連絡中の「新型コロナウイルス感染症患者が死亡したとき」については、厳密な死因を問いません"および"厳密な死因を問わず、「死亡者数」として全数を公表するようお願いいたします"とあります。
確かに「厳密な死因は問わない」と書いてあるので、まるで死因を問わずに新型コロナ死と診断するように見えてしまうのも無理はないかもしれません。
しかし実際はそうではないのです。
これは感染症上の報告
実はこの画像、見て頂ければわかりますが、上の所で切れています。
書類の一部分を切り取って見せているので、誤解につながっているのです。
赤線が引いてあるのは第三項なのですが、その前の第一・二項にはこう書かれています。
新型コロナウイルス感染症を原死因とした死亡数については、人口動態調査の「死亡票」を集計して死因別の死亡数を把握することになりますが、死因選択や精査に一定の時間がかかります。(第一項)
厚生労働省としては、可能な範囲で速やかに死亡者数を把握する観点から、感染症法に基づく報告による新型コロナウイルス感染症の陽性者であって、亡くなった方を集計して公表する取扱いとしています(第二項)
これを受けての、第三項"事務連絡中の「新型コロナウイルス感染症患者が死亡したとき」については、厳密な死因を問いません"なのです。
つまりこの文書の構成を見ると、
新型コロナウイルスを原死因とした死亡数は人口動態統計で把握するが、時間がかかる。 ↓
そのため、「速やかに死亡者数を把握する観点から」感染症法の報告の陽性者の死亡数を集計して公表する

それで、厳密な死因を問わず報告する
という流れです。
人口動態統計で、確実に新型コロナが原因とする数は出てくるがそれには時間がかかってしまうため、報告に関しては厳密な死因を問わずにPCR陽性者を含めて集計・公表するということなのですね。
その論旨の流れを見にくくしている画像の切り取りは、恣意的に行われたのではないかと見るむきもあります。
ただ、原死因、人口動態統計など新しい言葉が出てきたので、もう少し詳しく説明します。
実は2つある死因の報告
twitter 感染症法における「報告」と死亡診断書に記載される「死因」の2つがある。この区別がついていないと話がわかりづらい。ただ2つの数字の差はとても多いというわけではない。
医師は、患者さんが亡くなると、死亡診断書というものを作成します。
そこには死因を記載する欄があり、「直接死因」「直接死因には関係しないが傷病経過に影響を及ぼした傷病名等」など複数の欄があります。
新型コロナによる呼吸不全で亡くなった場合は、直接死因が「新型コロナウイルス感染症」となります。
死亡診断書は死亡届と一体化しており、ご遺族によって自治体に提出されます。
自治体により死亡診断書をもとに死亡票が作成され、厚生労働省が集計して人口動態統計の死者数が確定します。
なお現在5か月のタイムラグで、執筆時に昨年11月までの確定数が出ていますが、そこには新型コロナウイルス感染症での死者は2074人となっています。
これは新型コロナウイルス感染症を原死因として、つまり新型コロナウイルス感染症で亡くなった方ということになります。
ただこの人口動態統計の集計にあたっては間違いがないように、必要ならば確認も行うなど、精度の維持に努めているとされます。そのため、時間がかかるということになるのです。
一方で、この確定数を待っていると、今回のように早く数を把握して、対処していかねばならない状況においては時間がかかってしまいます。
そこで感染症法上の「報告」を用いるということなのです。
感染症法においては、特定の感染症に関しては、報告が義務付けられています。
これも厚生労働省への報告となるのですが、厚生労働省に確認しますと、今はまずは保健所に報告するとのことです。
これも所定の報告様式(当然「死亡診断書」とは別物です)があります。
参考;感染症発生動向調査について
そして新型コロナウイルス感染症の死亡者もこちらからも報告されます。
現在、都道府県やメディアで報じられている死亡数はこの数字を用いているのです。
これに関するいくつかの疑問にお答えします。
報告数と、原死因での確定数の2つがあることにまつわる質問
Q それではPCR陽性の死亡者もすべて報告している数字と、実際の確定死者数には大きな開きがあるのでは?
現在わかっているのは昨年の11月まで(人口動態統計の確定数が出るには時間がかかるため)ですが報告数は2152人、人口動態統計の死者(確実に新型コロナが原因である数)は2074人で顕著なまでの開きはありません。
報告数はPCR陽性者を全部組み入れているために、大きく水増しされているという話は正しくないとわかります。
Q 事故死者までPCR陽性だと、報告数に入れるなんておかしい。
通達でも「新型コロナウイルス感染症の陽性者であって、入院中や療養中に亡くなった方については」とあり、事故死者までPCR陽性だと報告に入れるという理解は正しくありません。
Q 厚生労働省はなぜこのような誤読しやすい通達を出したのか?
通達の宛先は「衛生主管部(局)御中」でした。
つまり厚生労働省から「衛生主管部(局)」に出したものになります。
衛生主管部(局)はこのような文書に慣れているため、当然誤読が起こりません。
そして私たちに宛てたものでもありません。
しかしこれがネット上で誰も見られる状態であったため、先述したようにSNSを中心に誤った解釈があっという間に広がることになってしまったのです。
Q 医師が死亡診断を新型コロナと偽って、確定数を増やしていることはないのか?
刑法第160条・161条「虚偽診断書作成・同行使罪」により、医師が死亡診断書の病名を偽ることは犯罪であり、3年以下の禁錮あるいは30万円以下の罰金です。
犯罪をしてまで病名を偽って、死亡診断書の病名を新型コロナとする理由が医師にはありません。
あくまで現状出ている数としては、報告数をもって概数をつかむというやり方はうまくいっているようにも見えます。もちろん、人口動態統計に出て来る確実な新型コロナ死の数との差異を注意深く見てゆく必要はあるでしょう。
行政も意識的になってくれれば…
今回の件は、通達でも明示されているように、「速やかに死亡者数を把握する観点から」行われているものです。
しかし、役所から役所への文書が誰でも見られる状況であったため、死亡診断書の死因をすべて新型コロナにするというような誤解が続出しました。
そしてまた、当たり前ですが、死亡診断書から人口動態統計が集計されることを知らない人から、まるでPCR陽性者を新型コロナ死として診断し、また報告数を水増しするのが通達の本意という誤解まで広がりました。
この一年余り、「どう世の中では受け取られているか」にあまり意識が注がれず、結果として誤って解釈されたことがずっと定着していること、この事象は枚挙にいとまがありません。
行政は、文書がこのように受け取られているのを知っているのでしょうか。
私は行政も、通達文書の誤解がSNSで広がっていることに対して(本来宛先が一般向けでなかったという事情はわかりますが)、その正しい意図を丁寧に説明してもらいたいと思いますし、またこの文書を誤解している医療者や一般の方も今一度この記事をきっかけに理解を再確認していただけたらと思います。
まとめ
新型コロナウイルス感染症の死者として報じられているのは、感染症法における報告を元にしています。
普段、メディアのニュースなどで報じられているのはこちらの数です。
感染症法上の報告を用いて公表するとした厚生労働省の通達は、「速やかに死亡者数を把握する観点から」行う意図であると衛生主管部(局)に伝えています。
しかしそれは、死亡診断をすべて新型コロナにするということではありません。
医師が記載する死亡診断書には本当の死因を記載します。
そのため、死亡診断書から死亡票を経て集計される人口動態統計の死因は、「新型コロナで亡くなった人」の本当の数です。
そして現状、前者の報告数と後者の確定死者数はそれほど大きなずれはなく、過剰に多い死者数が報告されているわけではありません。
そのため、SNSで流れている「厚生労働省が死者を水増しする通達を出している」という情報は正しくないということになります。
虚実の情報が飛び交っており、見る側にも慎重さが求められるとともに、発信者ももし多くの目に触れるものだとすれば、「どう受け取られるか」に十分意識をし、また必要ならば誤解を訂正することに積極的であってほしいと願います。

◆新型コロナワクチン 高齢者1人に誤って3回接種 本人確認不十分で【愛媛】 indexへ

 愛媛県今治市内で5月、90代の女性に新型コロナワクチンを誤って3回接種したことが27日分 かりました。
 今治市によりますと、この女性は高齢者施設の入所者で今月1日に1回目を接種。
 このあと、施設に関連する医療機関に入院し3週間後の21日に2回目を接種。
 この3日後に医療機関が予診票や本人の確認を十分しなかったため、誤って3回目を接種したということです。
 高齢女性は現在もこの医療機関に入院していて、発熱などの異常はないということです。
 医療機関は再発防止策として、ほかの施設から入院した患者に接種する際は、予診票や本人の確認を複数で点検するとしています。

◆ワクチン接種後、女性死亡 因果関係は不明 新型コロナ・宮崎27日発表 indexへ

 宮崎県は27日、新型コロナウイルスのワクチンを接種した65歳以上の女性1人が、接種5日後に死亡したと発表した。ワクチンとの因果関係は不明としている。接種後の死亡例は県内では初めて。
 発表によると、女性は基礎疾患があった。今月17日、高齢者を対象としたファイザー製ワクチンの1回目の接種を受けた。20日に腹痛の副反応疑いが出て、病院を受診し22日に死亡した。接種した医師の国への報告によると、ワクチンとの因果関係は評価不能という。
 厚労省の通知では、接種と因果関係のない事象を含めた副反応が疑われる事例も報告を求めている。

◆90代女性にワクチンを3回接種 愛知県今治市 indexへ

 愛媛県今治市で90代の女性に新型コロナウイルスのワクチンを誤って3回打っていたことがわかった。
 今治市によると、市内の高齢者施設に入所していた90代の女性は今月1日、施設内で1回目の接種を行った。その後体調を崩して入院し、21日に病院で施設に配給された分のワクチンで2回目を接種を行った。
 ところが3日後の24日、病院に入院している高齢者対象のワクチン接種の際に、本人確認などを怠り、3回目の接種をしてしまったという。女性に発熱などの症状はなく、病院側では女性とその家族に説明し、理解を得ているとしている。

◆《新型コロナ》水戸市ワクチン 接種予約ミス6000人 1回目を「2回目」手続き indexへ

 水戸市の新型コロナウイルスワクチン接種の予約トラブルで、専用サイトから1回目ではなく誤って2回目を予約した高齢者が約6千人に上っていたことが27日、分かった。市が本人に電話して修正手続きをしているが、希望する日時、場所で1回目を受けられない可能性がある。高橋靖市長の定例記者会見で同日、市保健予防課が明らかにした。
 市によると、専用サイトには1回目と2回目の欄があり、注意書きはあったものの、1回目の予約が完了しなくても2回目の手続きができてしまう仕様だった。市は65歳以上の一般高齢者に対する予約受け付けを21日から始め、インターネットのほか、電話と対面方式を含む件数が当初設定した約4万人に達したため、22日午後に中断していた。
 その後の調査で、予約できた4万人のうち約15%に当たる約6千人が誤って2回目を手続きしたことが判明した。
 仕様では、2回目をキャンセルしないと1回目が予約できない。「マイページ」を見て誤りに気  付いて修正した人もいるが、ほとんどはミスには気付かないままだった。
 市は本人に直接電話連絡し、空いている日時、場所に予約し直す手続きをしている。市は接種が始まる6月7日までには修正を終える方針。
 今後は、1回目の接種を受けた場で2回目を予約してもらう方式に変えるといい、かかりつけ医で受けた人は接種先などが手続きを代行できるようにする。

◆マダニが媒介する感染症・SFTSで70代男性が死亡 県内で今年2人目・宮崎県 indexへ

 都農町の70代男性がマダニが媒介する感染症、SFTSに感染し、その後、死亡していたことがわかりました。
 今年、宮崎県内でSFTSへの感染が確認されたのは8人目、死亡したのは、2人目です。
 宮崎県によりますと、亡くなったのは、都農町の70代男性です。
 宮崎県によりますと、男性は5月中旬、発熱や食欲不振などがあり高鍋保健所管内の医療機関を受診。
 5月21日、SFTSと診断され、入院していましたが、26日までに亡くなりました。
 男性は農作業など屋外の活動歴があり、ダニの刺し口があったということです。
 今年、宮崎県内でSFTSへの感染が確認されたのは8人目、死亡したのは、2人目です。

◆新型コロナ「ワクチン接種で死亡・不妊は根拠ナシ」医師たちの断言 indexへ

 新型コロナワクチン。小柄なお年寄りでもマッチョなアスリートでも同じ量で大丈夫。副反応の心配より、接種会場への行き帰りに気をつけて! 五輪関係者や抜けがけ有力者より、まずは高齢者の接種が迅速に進むよう政府の尽力が望まれる
 「ワクチン接種後57人が死亡」…ワクチンの副反応で人が亡くなった「ような」報道を目にする。が、死亡例のなかに「ワクチンとの因果関係が明らか」になったものは「1例もない」という。
 こびナビの日本一正確な「ワクチン最新情報セミナー」資料
 「ワクチンを打つことによって副反応で死んでしまうと心配をするより、接種会場に行くまでに交通事故に巻き込まれるかもしれない心配をしたほうがいいです」
 こういうのは、薬事規制(PMDA)での医薬品審査経験もある、黑川友哉医師だ。
 新型コロナの感染拡大が止まらないなか、現状もっとも期待されている対策が「ワクチン接種」。諸外国に遅れをとって日本でもようやく、高齢者への接種が始まった。予約トラブルやワクチン不足が心配されるなか、従来のファイザー社ワクチンに加え、アストラゼネカ、モデルナのワクチンも承認された。
冒頭の思い切った発言には、どんな根拠があるのか。黑川医師に詳しくきいた。
 「新型コロナのワクチンに関しては、世界規模で情報を共有するチェック体制が整っているんです。
アメリカでは、疾病対策予防センター(CDC)を中心に、疾病の自然発生率を監視するVSD RCAというワクチンの安全性を迅速に解析するシステムがあります。もしワクチンを打ったあとに、なにかの病気になる確率が上がったら、その情報はアメリカ国内だけではなく世界中の規制当局で共有されます。
 発生頻度の高い副反応は、治験の中でしっかりチェックされています。が、その治験では見つけられなかったような副反応が、承認後数百万回使われて初めて見つかるケースもあり得ます。そういった稀な副反応も、迅速に見つけ出すシステムがアメリカには備わっています。そして現在10億回を超える接種実績にも関わらず、mRNAワクチンの副反応であることが明らかとなった死亡事例は報告されていません。
 なので『日本はまだ接種を始めたばかりで情報が少ないから危ない』ということはないのです」
◆「有害事象」と「副反応」の大きな違い
 「ワクチンを打ったあとに起きた、あらゆる好ましくない事象や症状を『有害事象』といいます。たとえば接種の翌日に雷に打たれても、有害事象です。
『副反応』というのは、有害事象のうち『ワクチンとの因果関係が明確なもの』だけを指します。まずこの『有害事象』と『副反応』の違いはとても重要です。 日本では、予防接種法の定めによって、有害事象として上がってきたものは全て、厚生労働省が集計しています。
 ワクチン分科会の副反応検討部会が作っている資料に、有害事象で死亡した事例の細かな報告が全て載っています。そのなかには、例えば誤嚥性肺炎で亡くなったり、お風呂で溺死といった『ワクチンとの因果関係は考えにくいだろう』というものも含まれています。
 こうした事例は、一見『ワクチンは関係ないだろう』と思えます。でも、もしかしたらワクチンの影響で、何かしらの体調不良が起きたのかもしれない可能性は、ゼロとは言い切れません。なので記録としてしっかり残しておきましょうというスタンスなんですね。
 今後、長年にわたって情報を蓄積していったときに、同じような事例が出てきて『過去にこういうことがあったよな』とデータをきちんと見直せるようにしておくためです。
 なので、どんな有害事象でも否定せずに『副反応疑い』という形で報告されているんです。医師が誠実に仕事をすればするほど、副反応疑いの報告は多くなります。そしてそれが報道されることもあります。そういう流れ、ミスコミュニケーションを知っておいていただきたいです。
 有害事象で死亡した例のなかで副反応が疑われるものは、今のところ一例もありません。報告書に記載されている「評価α」=「ワクチンとの因果関係が否定されないもの」は0件。つまり、ワクチン接種をしていなくても亡くなった事例だろうというのが、専門家の見解だと思います」
◆ワクチンに不安をもつ「情報」の真偽
 「体格差や人種などの違いを含めて『どのくらいの用量が適切か』は、第Ⅲ相試験という4万人規模の臨床試験で、あらゆる体格の方を対象として確認されています。
 ですから日本人は身体が小さいから…といった理由で、有効性の違いや副反応の違いを心配する必要はありません。身長140cmの小柄なお年寄りでも、190cmのアスリートでも、誤差の範囲なんです」
◆妊娠中の女性や、これから妊娠・出産を考えている人は
 「ワクチンを打つと不妊になる、というデマもかなり拡散されました。ファイザー社の元副社長であるマイケル・イードン氏が『コロナウイルスのスパイクタンパク質が、胎盤を形成しているシンシチンを含んでいるため、ワクチンを打つと不妊になる危険性がある』と言い出したためです。
 これに関してはすで