◆内視鏡検査2日後に女性急死、順天堂医院教授が実施…外部調査「胆管損傷の可能性」 |
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順天堂大付属順天堂医院(東京都文京区)で2021年、50歳代の男性教授による胆管の内視鏡検査を受けた女性(当時72歳)が2日後に急死し、国の医療事故調査制度に基づく指定機関が報告書で「検査は適切とは言い難い」と問題視していたことがわかった。教授は胆管治療で国内有数の実績を持つとされるが、報告書は、検査で胆管が損傷され、女性の急死につながった可能性があると指摘した。
関係者などによると、女性は血液検査で肝臓や胆管の状態を示す数値に変化がみられたため、別の医師から専門的な検査を勧められ、20年12月に同院の消化器内科を受診。教授から「胆管炎が疑われるため、しっかり検査したい」などと説明を受け、21年2月に検査入院した。同17日、内視鏡を口から十二指腸の奥まで差し込み、X線撮影で診断する「内視鏡的逆行性胆管 膵管 造影」(ERCP)という検査を受けた。
ERCPで特に異常は見つからなかったものの、教授は、胆管を直接調べる「胆道鏡検査」を実施。内視鏡から胆道鏡を伸ばし、胆管内部に入れるため、バルーンを使って胆管の入り口を2回にわたって広げた。検査終了から約10時間後、女性は腹痛を訴え、同19日夜に死去。胆管炎は見つからず、死亡診断書では「死因は急性膵炎」とされた。
同院は同年11月、同制度に基づき、国指定機関の「医療事故調査・支援センター」と女性の家族に「検査の実施は適切で、検査中に死亡に関わる有害事象は発生していない」と内部調査の結果を報告した。
センターは専門家による調査部会を設置。検査記録を検証したほか、遺族や同院の主張を確認した上で、今年7月に報告書を取りまとめた。
報告書では、女性の胆管が細く、教授は1回目の胆管拡張で胆道鏡を挿入できなかったため、2回目にはより圧力の強いバルーンを使ったとし、「胆管に負荷がかかり、急性膵炎の発症につながったと考えられる」と指摘。CT画像の分析結果などを踏まえ、「検査中の胆管損傷」が疑われるとした。
さらに、ERCPで胆管におおむね異常が確認されなかったにもかかわらず、教授が胆道鏡検査を選択したことも問題視。同制度では、問題の重大性に応じて「適切ではない(適切とは言い難い)」「改善の余地がある」「適切である」の3ランクで評価するが、教授の対応について最も重い「適切とは言い難い」と結論づけた。
また、今回の事故を踏まえ、胆管が細い患者への慎重な検査の実施、容体悪化時の対策強化について関連学会に注意喚起を求めた。
教授は胆管や膵臓の治療実績が豊富で、内視鏡を用いた治療に関する研究では学会の受賞歴もある。取材に対し、同院側は「詳細な回答は控える」とした上で、「当院としての認識は、院内調査結果と変更はない」としている。
女性の家族は22年12月、「必要のない検査で命を落とした」として、同院側や教授を相手取り、2億2000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。今月25日には教授の尋問が行われる。同院側や教授は請求棄却を求めている。
報告書からは、胆管を損傷させたり、膵炎を引き起こしたりする胆道鏡検査のリスクについて、同院や教授の説明が不十分だったことも浮かび上がる。
関係者によると、女性の家族が検査前の20年12月~21年2月に計3回、教授と面会した際、教授は「胃カメラと一緒。胃カメラを胆管でやります」などと説明。一方、女性が急死した後の同3~4月に行われた面会では、教授は「(死亡するリスクについて)事前に説明するべきだった。そこまで目を向けていなかったことを反省している」と述べたという。
報告書では、女性に対する説明同意書には胆道鏡の記載がなかったとし、「女性は胃カメラのような検査を受けた後に普通の生活に戻るつもりでおり、不安や疑問に思うことはなかった」と指摘。検査に加え、リスク説明の面でも教授や同院側の対応を「適切ではない」とした。
女性の三女(49)は取材に対し、「母は健康そのもので、検査では何の異常も見つからなかった。死亡するリスクの説明は一切なく、知っていれば検査を承諾しなかった」と語った。
◆医療事故調査制度 =医療事故で患者が死亡した場合、病院は医療法に基づき、内部調査結果を医療事故調査・支援センターや遺族に報告する義務がある。遺族は結果に不服があれば、センターに調査を求めることができる。全国の病院からの報告は年300~400件に上るが、センターの調査に移行するのは1割弱にとどまる。
◆東京女子医大の全理事・幹事11人が寄付金問題で引責辞任、新学長に国際医療福祉大の山中寿教授 |
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東京女子医科大(東京都新宿区)で不透明な資金の支出や推薦入試での寄付金受領などが判明した問題を受け、同大は18日夜、理事9人と監事2人の全員が引責辞任したと発表した。
同大は同日の臨時理事会で、新たな理事13人、監事3人を選び、先月6日付で辞任した丸義朗・前学長の後任に国際医療福祉大(栃木県大田原市)の山中寿教授(70)を選出した。
山中氏は三重大医学部卒。リウマチ学などが専門で、1983年から東京女子医大に在籍し、2003~19年に同大教授を務めた。
◆70代の顔を掃除機で殴り1週間のけが負わす、高齢者向け住宅の職員を傷害と暴行の罪で起訴 |
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群馬県太田市のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)で入所者に暴行してけがを負わせたとして、職員の男が、傷害と暴行の罪で前橋地裁に起訴されていたことが10日分かった。起訴は1日付。
男は、同市の会社員(41)。起訴状などによると、男は5月28日頃、同住宅で、入所者の60歳代男性の顔を平手でたたく暴行を加えたとされる。また、7月4日頃には別の入所者の70歳代男性の顔などを掃除機で殴り、全治約1週間の右手打撲などを負わせたとされる。県警は逮捕を発表していない。
市長寿あんしん課によると、7月中~下旬に複数回、同課や県介護高齢課の職員らが同住宅で聞き取り調査を行った。市は8月、虐待があったと認定し、同住宅に文書で指導を行った。県も「計画的な研修の実施が十分でない」などと口頭で指導した。今後も定期的に同住宅を訪問するという。
同住宅によると、男は8月下旬以降、2回逮捕されたという。担当者は取材に「利用者やご家族に心配をかけて申し訳ない。今回の処分を重く受け止め、施設運営を改善したい」と話した。
◆女子生徒にわいせつ画像、送信元になりすましされた生徒は「死にたいと思うまで追い込まれる」…大阪市第三者委 |
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大阪市立中学の1年生だった外国籍の男子生徒が、自身になりすましたSNSアカウントを同級生に作られ、女子生徒にわいせつな画像を送られるいじめ被害を受けていたことがわかった。市が設置した第三者委員会が8日、調査報告書を公表した。男子生徒はその後不登校になり、第三者委は「死にたいと思うまで精神的に追い込まれた」と指摘した。
報告書によると、2022年12月~23年1月頃、男子生徒を装ったインスタグラムのアカウントから、同じ学校の女子生徒9人にメッセージが送信され、うち1人にはわいせつな画像が含まれていた。アカウントは男子生徒の同級生の男子が開設したもので、学校内でうわさになっていることを知った男子生徒は適応障害と診断され、不登校になった。
第三者委は、なりすまし被害を含め、男子生徒がグループLINE内でからかわれたりするなど計12件のいじめがあったと認定した。男子生徒は日本語が堪能でなく、適切な反論ができなかったという。報告書は、学校側の支援も不十分だったとし、「外国籍の生徒に対する差別に該当しうる」と批判した。
◆70代の顔を掃除機で殴り1週間のけが負わす、高齢者向け住宅の職員を傷害と暴行の罪で起訴 |
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群馬県太田市のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)で入所者に暴行してけがを負わせたとして、職員の男が、傷害と暴行の罪で前橋地裁に起訴されていたことが10日分かった。起訴は1日付。
男は、同市の会社員(41)。起訴状などによると、男は5月28日頃、同住宅で、入所者の60歳代男性の顔を平手でたたく暴行を加えたとされる。また、7月4日頃には別の入所者の70歳代男性の顔などを掃除機で殴り、全治約1週間の右手打撲などを負わせたとされる。県警は逮捕を発表していない。
市長寿あんしん課によると、7月中~下旬に複数回、同課や県介護高齢課の職員らが同住宅で聞き取り調査を行った。市は8月、虐待があったと認定し、同住宅に文書で指導を行った。県も「計画的な研修の実施が十分でない」などと口頭で指導した。今後も定期的に同住宅を訪問するという。
同住宅によると、男は8月下旬以降、2回逮捕されたという。担当者は取材に「利用者やご家族に心配をかけて申し訳ない。今回の処分を重く受け止め、施設運営を改善したい」と話した。
◆女子生徒にわいせつ画像、送信元になりすましされた生徒は「死にたいと思うまで追い込まれる」…大阪市第三者委 |
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大阪市立中学の1年生だった外国籍の男子生徒が、自身になりすましたSNSアカウントを同級生に作られ、女子生徒にわいせつな画像を送られるいじめ被害を受けていたことがわかった。市が設置した第三者委員会が8日、調査報告書を公表した。男子生徒はその後不登校になり、第三者委は「死にたいと思うまで精神的に追い込まれた」と指摘した。
報告書によると、2022年12月~23年1月頃、男子生徒を装ったインスタグラムのアカウントから、同じ学校の女子生徒9人にメッセージが送信され、うち1人にはわいせつな画像が含まれていた。アカウントは男子生徒の同級生の男子が開設したもので、学校内でうわさになっていることを知った男子生徒は適応障害と診断され、不登校になった。
第三者委は、なりすまし被害を含め、男子生徒がグループLINE内でからかわれたりするなど計12件のいじめがあったと認定した。男子生徒は日本語が堪能でなく、適切な反論ができなかったという。報告書は、学校側の支援も不十分だったとし、「外国籍の生徒に対する差別に該当しうる」と批判した。
◆保育園の昼寝の時間に男児に性的暴行、31歳の元保育士を容疑で逮捕 |
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勤務先だった保育園で男児に性的暴行を加えたとして、警視庁は9日、東京都練馬区、元保育士の無職の男(31)を不同意性交容疑で逮捕した。
発表によると、男は墨田区の保育園に在職中だった8月16日午後、園内で男児に性的暴行を加えた疑い。男は昼寝の時間中に、同僚がいない別の部屋へと男児を連れ込み、わいせつ行為をしたという。
男は2019年から同園で保育士として勤務していた。男児の両親が警視庁に被害を相談して事件が発覚。警視庁は関係者に事情を聞くなどして捜査を進めていた。
◆食べる力の衰え 自分で調べるチェックリストとは? 2項目以上該当でオーラルフレイルかも…機能改善は可能 |
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硬いものがかみにくくなったり、食べるときにむせたり、口の機能が衰えている状態が重なることを「オーラルフレイル」と言います。自身の口の状態を知り、ささいな衰えを放置せずに早いうちから改善に取り組むことが大切です。(三浦ちひろ)
9月6日、東京都目黒区のコミュニティーセンターで「お口と食の健康体操教室」が開かれた。「オーラルフレイルは体の衰えの始まりのサイン。まず口に関心を持ってください」。歯科衛生士の田中厚子さんが参加者12人に語りかけた。
高齢になると口の周りや舌の筋力が低下する。うまくかめないからといって、軟らかい食事ばかりをとり続けていると、さらに口の筋肉を使わなくなり、口の機能の低下が加速。栄養がうまくとれず、心身機能の低下にもつながりやすい。田中さんは、こうした悪循環を説明し、舌の筋力を保つ重要性を強調した。
次に、歯科衛生士の井上恵美さんが口の形をした模型を操り、舌を上下左右に動かして舌の筋力をつける体操を紹介。口の機能を高めるため「パ」「タ」「カ」「ラ」と発声するトレーニングも教えた。
口の体操 食べる力保ち 長生き…「かむ」「のみ込む」機能維持目指す
口の形をした模型を使い、舌の筋力をつける体操を指導する井上さん(6日、東京都目黒区で)
佐藤和子さん(81)は「口の筋肉まで意識したことがなかった。おいしいものを食べて長生きしたいので、体操を続けたい」と笑顔を見せた。名取秋子さん(84)も、口の筋力を維持する大切さに気づき、「かみ応えのある食材も食事に取り入れたい」と話した。
測定し「見える化」
口腔こうくう 機能を測り、数値で「見える化」して状態を知ってもらう取り組みもある。
「風船を舌で押し返してください」「口を大きく開けてください」
8月下旬、東京都文京区の複合施設で開かれた測定会で、参加者41人が舌でものを押し返す力や顎の力を、専用の機械を使って測ってもらっていた。
口の体操 食べる力保ち 長生き…「かむ」「のみ込む」機能維持目指す
口を大きく開け、測定検査を受ける参加者(右)(8月26日、東京都文京区で)
ものをのみ込む時に使う筋肉は、口を開ける時に使う筋肉と同じだ。歯がそろっていても顎の力が弱いと、ものが食べにくくなってしまうという。測定会では講師が、平均値に達しなかった参加者に対し、日頃から口の体操に取り組むようアドバイスした。
星谷澄子さん(80)は最近、のみ込む力が弱くなったと感じているといい、「数値が平均より低かったので意識してのみ込むようにして、筋力をつけたい」と意気込んでいた。
講師を務めた、東京科学大(旧東京医科歯科大)の戸原 玄はるか 教授は「客観的に自身の口の状態を知ることで、意識を向けることができる」と意義を強調する。
舌の力や開口力は、基礎となる体幹の筋肉量が落ちると、衰える。年齢を重ねるにつれ筋肉量は落ちてしまうことから、体幹を鍛えるため、正しい姿勢で過ごすこともオーラルフレイルの予防につながるという。
戸原教授は「オーラルフレイルは改善できる。口周りも手足と同じように筋肉が重要なので、口や舌を動かすトレーニングを続けてほしい」と話した。
自己チェック5項目
口の体操 食べる力保ち 長生き…「かむ」「のみ込む」機能維持目指す
日本老年医学会など3学会は今年4月、オーラルフレイルの定義と簡単なチェックリストを公開した。口の衰えに早めに気づいて重症化を防いでもらう狙いだ。
口の状態を、特に問題がない「健口」から、食べる、のみ込む、話すことが難しい「口の機能障害」までの4段階に分け、オーラルフレイルは「健口」の次の段階とした。
チェックリストでは、歯の数や、かむ力、のみ込む力、口の乾燥、滑舌の悪化といった5項目の質問のうち、二つ以上に該当すると「オーラルフレイル」に当たるとした。
東京都健康長寿医療センターの平野浩彦・歯科口腔外科部長は「『年のせいでうまくかめなくなった』とあきらめず、違和感を感じたら受診してほしい」と話している。(2024年9月24日付の読売新聞朝刊に掲載された記事です。紙面にあった「東京医科歯科大」は「東京科学大」に修正しました)
◆血栓防ぐ薬を処方し忘れた80代女性、脳梗塞を発症し左半身にまひ残る…兵庫県が950万円支払い和解方針 |
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兵庫県は17日、県立はりま姫路総合医療センター(姫路市)で昨年、医師が80歳代の女性患者に薬を処方し忘れる医療事故があったと発表した。女性は脳 梗塞こうそく を発症し、左半身にまひが残った。県は950万円の損害賠償金を支払って和解する方針で、19日開会の9月議会に関連議案を提出する。
発表では、昨年2月、他の病院からの紹介で入院した心房粗動のあった女性に対し、循環器内科の医師が、処方歴を基に薬を処方したものの、血栓を防ぐ薬を処方しなかった。女性は5日後に脳梗塞を発症。左半身にまひが残り、リハビリを経て転院後、同9月に慢性心不全で死亡した。
県は、医療事故と死亡との因果関係はないとしているが、今後は複数の医療従事者で服薬情報を確認するようマニュアルを見直すなど、再発防止に努めるとしている。
◆鍋の中に長時間立たせる、布団でぐるぐる巻きにして放置…女児虐待死で母親に懲役10年判決/strong> |
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岡山市で2022年、西田 真愛まお ちゃん(当時6歳)が虐待を受けて死亡した事件で、交際相手とともに逮捕監禁致死罪などに問われた母親の西田彩被告(36)の裁判員裁判判決が11日、岡山地裁であった。本村暁宏裁判長は「しつけという名の虐待を繰り返す交際相手に不干渉を決め込んでおり、到底許されない」と述べ、求刑通り懲役10年を言い渡した。弁護側は即日控訴した。
判決によると、西田被告は交際相手の船橋誠二受刑者(41)(懲役14年が確定)と共謀。21年9月10~24日、西田被告の自宅で、真愛ちゃんをいすの上に置いた鍋の中に長時間立たせたり、食べた物を吐かせたりする暴行を繰り返した。同25日には、真愛ちゃんを布団でぐるぐる巻きにした上で押し入れに放置して意識不明にさせ、翌22年1月に低酸素脳症で死亡させた。
西田被告は公判で「直接虐待はしていない」と述べ、弁護側は「船橋受刑者との共謀は成立せず、ほう助にとどまる」と主張した。
これに対し、本村裁判長は、西田被告が船橋受刑者に真愛ちゃんの素行を報告し、船橋受刑者が報告内容に応じた罰として虐待を繰り返したと指摘。西田被告が虐待を認識しながら制止しなかったことも踏まえ、「意思を通じ合っていた」と共謀を認めた。
真愛ちゃんが意識不明になったのが6歳の誕生日の翌日だったことについて、「残酷な結末に無念の情を禁じ得ない」と言及。「西田被告は自らの責任を理解しておらず、反省は、はなはだ不十分だ」とも述べ、児童虐待の死亡事案の中で「相当に重い部類と評価できる」と結論付けた。
◆指針値超すPFAS検出、米軍が泡消火剤使用認める…東広島市「汚染原因の可能性高まった」 |
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発がん性が疑われる化学物質「 PFASピーファス 」が、広島県東広島市八本松町の米軍川上弾薬庫周辺で国の暫定指針値を超えて検出された問題で、市は6日、米軍側から、弾薬庫内でPFASを含む泡消火剤を使った訓練を過去に行っていたとの回答があったと発表した。これまで米軍は「県内にある基地では、泡消火剤を使用したことがない」と説明していたが、一転して使用を認めた。
中国四国防衛局を通じた回答で、今年2月に続き2度目。過去の記録を調べて判明したと経緯を説明し、▽1991年から2009年までの間にPFASを含む旧式の泡消火剤を使用した消防車の点検および訓練を行っていた▽訓練の場所は敷地内北東部のヘリ発着場周辺――などとした。
訓練の回数や使用した泡消火剤の量などについては回答がなく、市環境先進都市推進課の水戸明課長は、「米軍側が使用を認めたことで、汚染の原因である可能性が高まった。今後も県と連携し、さらに詳細な数値の公表と敷地内の土壌調査などを求めていく」と話した。
◆8歳女児、「不適切保育でPTSD発症」「死ぬほど怖かった」と通っていた保育所と保育士を提訴 |
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松江市内の認可保育所で不適切な保育を受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したとして、元園児の女児(8)が保育所の運営法人「しらゆり会」(松江市)と当時の担任だった保育士に対し、慰謝料など約430万円を求める訴訟を地裁に起こした。
訴状などによると、女児は2018年に入園し、21年4月に年長クラスに進級した。女児はこの担任の保育士から、トイレに閉じ込められたり、園庭などで立たされたりしたという。
女児は次第に登園を嫌がるようになり、同年8月に転園。その後、小学1年だった23年1月から当時の保育について「死ぬほど怖かった」と話すようになり、今年に入ってPTSDと診断されたとしている。
女児の両親は5日、松江市内で記者会見を開き、「子供がつらい思いをしたことを法人や保育士に認識してほしい」と話した。一方、しらゆり会は読売新聞の取材に対し、「市の監査や法人の内部調査でも、園児への虐待の事実は確認されなかった。原告の主張は極めて遺憾だ」としている。
◆給付金の重複支給、東京都のシステム不備が原因なのに…電話で督促「期限内に返還しないと延滞金」 |
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18歳以下の東京都民に月5000円を給付する都の事業「 018ゼロイチハチ サポート」で計1億2141万円の重複支給があった問題で、都が対象者に重複分の返還を求めた際、「期限内に返還しないと延滞金が発生する」と説明していたことがわかった。重複支給は都のシステムの不備が原因で、都は「配慮が不足していた」と陳謝した。
重複支給は8月27日、支給を受けた人からの連絡で発覚した。都は同30日から対象者(1694人)本人や保護者に電話をかけ、2か月をめどに重複分を返還することなどを求めた。その際、都条例を根拠に延滞金の説明をしたが、相手から「都の誤りなのに、延滞金が発生するのはおかしい」と指摘を受け、今月2日以降、延滞金の説明を中止した。都は延滞金の免除を検討している。
◆保育施設で5か月女児がうつぶせ窒息死か、国の基準に反し1人で乳幼児4人に対応…和歌山の認可外施設 |
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和歌山県田辺市の認可外保育施設「託児所めぐみ」(休園)に預けられていた生後5か月の女児が昨年7月、意識不明になり、搬送先の病院で死亡していたことがわかった。寝返りでうつぶせになった際に窒息した疑いがある。施設の代表の女性保育士は当時、国の基準に反して1人で複数の乳幼児に対応していたという。
県は5日に弁護士らでつくる検証委員会を設置し、原因や再発防止策を検討する。県警も当時の状況を調べている。
県などによると、昨年7月25日昼頃、施設内のベッドで女児がうつぶせでぐったりしているのに代表が気づき、女児は病院に搬送されたが亡くなった。施設には他にも保育士がいるが、当時は代表が1人で乳幼児4人を見ていたという。
認可外保育施設に関する国の指導監督基準では、複数の乳幼児を預かる場合、2人以上の保育士を配置すると定めている。国の事故防止ガイドラインでは、窒息などのリスクを考慮し、保育施設では原則として乳児をうつぶせで寝かせないよう求めている。
代表は読売新聞の取材に対し、「亡くなった翌日から休園している。今は精神的にしんどいので取材には応じられない」と話した。
◆給食の「いんげんのきなこあえ」に洗剤混入か、消毒用アルコールの容器に誤って入れた可能性 |
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福島県南相馬市教育委員会は2日、同市鹿島区の給食センターで、液体洗剤が混ざったとみられる消毒用アルコールをスプレーしたたらいで「いんげんのきなこあえ」を調理し、幼稚園1園、小学校2校、中学校1校に計813食分を提供したと発表した。料理に洗剤が混入したとみられ、市教委が調査している。体調不良を訴える子どもはいないという。
発表によると、同センターでは、消毒用アルコールと洗剤は、同じ形状の詰め替え用ボトルに入れて保管しているが、洗剤のボトルには区別するためのテープを貼っていた。ところが最近、洗剤のボトルが壊れたため、新しいものと交換。目印のテープは貼っていなかった。
2日の調理後、洗剤のボトルが本来の場所になかったことが分かり、調理員が消毒用アルコールの入ったスプレー容器に誤って洗剤を入れた可能性があるという。たらいには消毒のため、4回ほど噴射したという。
◆主治医が薬の処方を忘れて入院の男性死亡…千葉県循環器病センター、遺族と和解成立し公表 |
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千葉県は30日、県循環器病センターで2022年2月、入院中の70歳代男性に血栓予防の抗凝固薬を処方し忘れ、男性が死亡する医療事故があったと発表した。外部委員を含めた事故調査委員会の調査が終了し、遺族との和解が成立したため、詳細を公表した。
同センターによると、男性は県内在住で、心不全や不整脈の持病があった。22年2月、呼吸苦でセンターに救急搬送され、集中治療室に緊急入院した。その際、主治医は抗凝固薬「リクシアナ」の内服を中断し、注射用の抗凝固薬「ヘパリン」の点滴に切り替えた。
治療で症状が改善し、男性は入院4日目に一般病棟に移った。この時にヘパリンの点滴は終了したが、主治医がリクシアナの再開を失念し、処方しなかった。
男性は入院11日目、血栓が脳血管に詰まる心原性脳 梗塞こうそく を発症。大脳機能に障害が起きて死亡した。
調査委は調査報告書で、「抗凝固薬の中断が脳梗塞の発症に影響した可能性がある」としている。主治医は、心臓に関係した症状のある患者を10人以上担当し、多忙だった。看護師や薬剤師らが再開の手立てを講じることもできなかった。
センターは再発防止のため、▽電子カルテに抗凝固薬の内服状況を入力するチェックリストを設け、看護師が情報を記入▽入院患者が病棟を移動する際、リストを移動先の看護師に引き継ぐ――といった運用を始めている。医師以外の医療従事者が内服状況を共有するためだ。
◆「スギ薬局で調剤ミス」と遺族が賠償求め提訴…別の患者の薬も渡されて服用後に意識不明に |
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ドラッグストア「スギ薬局」で出された薬を服用した女性が死亡したのは薬剤師の調剤ミスが原因だとして、遺族が28日、同社や薬剤師らに計約3800万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
訴状などによると、東京都杉並区の女性(当時74歳)は2021年10月、訪問診療で持病の薬を処方され、同区の「スギ薬局高井戸店」に処方箋を出した。薬剤師から誤って血糖値を下げる糖尿病患者向けの薬も渡されて服用。約1か月後に意識不明となり、翌年5月に心不全で死亡した。心不全の原因は低血糖後脳症と診断された。
遺族側は、薬剤師が薬を個別に仕分ける「分包機」に別の患者の薬が残っているのに気づかず、薬を個別に包装した後のチェック体制などにも欠陥があったとしている。提訴後に記者会見した長男は「二度と同じことが起きないよう対策を講じてほしい」と述べた。
スギ薬局側は「訴訟には誠実に対応する。調剤過誤を発生させることのないよう再発防止に取り組む」などとコメントした。
◆実態ない医療機器の「みなし調査」、医師と医療機関・大学に謝礼名目で1億2千万円を不正提供 |
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医療機器メーカー「ゼオンメディカル」(東京)が2018~22年度に自社製品を販売した全国42の医療機関・大学と医師37人に対し、実態のない「市販後調査(PMS)」の謝礼名目などで現金計約1億2000万円を提供していたことが業界団体「医療機器業公正取引協議会」の調査でわかった。販売促進のためだったといい、業者から医師への不透明な資金提供の構図が浮き彫りになった。
ゼオン社を巡っては、昨年9~10月、国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)の医療機器の選定・使用に絡み、市販後調査の謝礼名目で担当医師に約320万円の賄賂を贈ったとして、元社長の柳田昇被告(68)が警視庁に贈賄容疑で逮捕され、その後、起訴されている。
公取協は事件を受け、今年3~6月頃にゼオン社への調査を実施。ゼオン社が医療機器を販売後、安全性や品質などを検証する市販後調査に協力した謝礼などの名目で、病院や医師らに資金を提供していたことが判明した。市販後調査に実態はなく、ゼオン社内では製品の売り上げを伸ばす手法として「みなしPMS」と呼ばれていた。
資金提供は18~22年度に39の医療機関で141件(約3700万円)、国立大を含む3大学で3件(約100万円)確認された。このうち10医療機関は公立や独立行政法人運営の病院で、2大学は国立大学だったという。
医師への資金提供も37人に計220件(約8100万円)確認された。このうち5人は公的病院に勤務していたが、警視庁は収賄容疑で逮捕・起訴された国立がん研究センター東病院の医師以外の4人については、雇用形態や勤務実態を踏まえ、収賄容疑での立件は難しいと判断したとみられる。
公取協は医療機器の販売方法について、消費者庁と公正取引委員会の認定を受けた規約を定めている業界団体。医師や医療機関への資金提供は、相手が民間病院の医師であれば贈収賄罪に当たらないが、不当な顧客の誘い込みを規制する景品表示法に抵触する恐れがあり、公取協は26日午前、悪質な規約違反に当たるとして、ゼオン社に厳重警告した。
ゼオン社は東証プライム上場の化学メーカー「日本ゼオン」の子会社。民間信用調査会社によると、主に消化器系と循環器系の医療機器を製造販売し、昨年3月期の売上高は38億円。
◆生後2週間の女児が病院でやけど、40度超の風呂で入浴か…緊急搬送され治療 |
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熊本市中央区の福田病院は24日、生後約2週間の女児を風呂に入れる際にやけどをさせていたことを明らかにした。水温の確認手順の一部を怠っており、病院は「重大なけがを負わせてしまい、大変申し訳ない」としている。
病院によると、22日午前、看護師が女児を風呂に入れた後、下半身が赤くなっているのに気づいた。病院では入浴時の水温は38~40度とし、温度計で測ったうえ、肌で直接確認するようにも定めている。看護師は「40度を示した温度計を目視し、感染症予防の手袋を着用して熱さを確かめた」と話しており、実際には40度を超えていた可能性があった。
女児は熊本市内の医療機関に緊急搬送されて治療を受けた。病院は家族に経緯を説明して謝罪した。
◆「炎症を肺がんと誤診、右肺の大部分摘出」患者女性が鹿児島大を提訴…1000万円賠償求める |
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鹿児島大学病院で、不要な手術で右肺の大部分を摘出されたとして、鹿児島市の女性(72)が同大を相手取り、約1000万円の損害賠償を求めて、鹿児島地裁に提訴した。7月25日付。女性は肺がんと誤診されたと訴えている。
訴状によると、女性は2017年2月、同病院の定期検診で「肺がんだ。早期に手術をしなければ危険」と診断され、右肺の大部分を摘出する手術を受けたという。その4か月後に、同病院の医師から実際は肺がんではなく炎症で、手術をする必要がなかったことを告げられた。
女性は息苦しさを感じ、体調不良を訴えているという。同病院が十分な検査をすることなく手術を行い、診断上の注意義務違反や医師の説明不足があったなどと主張している。
同病院は読売新聞の取材に対し「訴状の内容を検討し、適正に対応する」としている。
◆大阪大病院で抗がん剤を患者2人に最大2倍投与、原因は計算プログラムの不具合 |
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大阪大病院(大阪府吹田市)などは21日、がんの入院患者2人に抗がん剤を過剰に投与していたと発表した。計算プログラムの不具合が原因で、医師が指示した量の約1・2~2倍を投与していた。うち1人は神経症状の副作用が出た後、がんの進行で亡くなったという。
阪大病院によると、2人はともに60歳代男性で、1~2月に抗がん剤治療を受けた。1人は血液がんで、治療後に歩行困難や視覚障害などの神経症状が表れ、その後、元のがんが進行して6月に亡くなった。病院側は「死亡は過剰投与とは無関係」と説明している。もう1人は消化器がんで、過剰投与による影響は見られなかったという。
抗がん剤は、点滴薬の場合、粉薬を生理食塩水などに溶かして投与する。調合する際に使うシステムを開発した湯山製作所(大阪府豊中市)によると、四捨五入などのプログラムの不具合で、投与量が過剰な値になっていた。
同社によると、同じシステムで同様の運用をしている医療機関は他に35か所あり、全てプログラムを修正した。阪大病院以外では、過剰投与の事例はなかったとしている。
◆東京女子医大、岩本絹子・前理事長を全役職から解任…「一強体制」で数々の疑惑 |
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東京女子医科大学(東京都新宿区)で16日、臨時評議員会が開かれ、今月7日に理事長を解任された岩本絹子氏(77)を理事と評議員からも解任した。岩本氏は全役職を解かれた。同大は16日、文部科学省への改善計画提出に向け、企業再生や内部統制を専門とする外部有識者5人による諮問委員会を設置した。
関係者によると、この日の臨時評議員会では、岩本氏を理事と評議員から解任する決議が出され、賛成多数で承認された。
今月2日に公表された第三者委員会の調査報告書によると、岩本氏は1973年に同大を卒業し、81年に産婦人科クリニックを開業。2013年に同窓会組織「至誠会」代表理事に就任した。14年には同大副理事長、19年に理事長に就いた。
同大では14年、鎮静剤の投与後に2歳の男児が死亡する事故が発生。患者の減少や「特定機能病院」の承認取り消しで経営状況が悪化し、大学再建を担ったのが岩本氏だった。
だが、岩本氏直轄の「経営統括部」に権限が集中し、不正を招いた。岩本氏が経営したクリニックの元職員が同部次長に就き、至誠会と大学側から「二重給与」が支払われたほか、この元職員が管理する複数の会社に、同大関連工事の元請け業者から「サポート料」名目などで1億円超が支払われていたことも判明した。
二重給与問題を巡り、警視庁の捜索を受けたことから、同大は4月に第三者委員会を設置。調査報告書では、岩本氏が必要な承認を得ず、至誠会から役員報酬とは別に「顧問料」や「現金賞与」を得ていた疑いなども明らかになった。
同大を巡っては、教員人事や子女枠の推薦入試で至誠会への寄付額を考慮するなど不適切な事案が相次いでおり、報告書では岩本氏だけでなく、他の理事についても「(岩本氏の)一強体制に取り込まれた」と監督責任を厳しく指摘した。
関係者によると、大学再建のめどがたちしだい、新理事長に就任した肥塚直美・同大病院長を含む理事や監事は全員が辞任する意向を固めているという。
◆生後1か月の息子に多量の塩入り母乳、塩化ナトリウム中毒にさせた母親を傷害容疑で逮捕 |
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生後1か月の息子に多量の塩を含む母乳を摂取させ、塩化ナトリウム中毒にさせたとして、大阪府警は8日、母親で会社員の女(27)(大阪市)を傷害容疑で逮捕した。息子は集中治療室で手当てを受け、命に別条はないという。府警が詳しい経緯を調べている。
発表では、女は1月上旬、府内の病院で、多量の塩を含む母乳を看護師に渡し、息子の胃につないだチューブで注入させ、塩化ナトリウム中毒にさせた疑い。「全く意味がわかりません」と否認している。
府警には1月中旬、児童相談所から「病院から虐待の通告があった」と連絡があったという。
裁判資料などによると、女は2020年に生後間もない長男に自身の血液を飲ませて 嘔吐 させたとして暴行罪で起訴された。22年に最高裁で有罪判決が確定し、執行猶予期間中だった。
◆生後6か月未満の乳児に誤ってイボ治療用塗り薬を飲ませる…准看護師を業務上過失傷害で書類送検 |
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滋賀県近江八幡市立総合医療センターで3月、乳児が誤った薬を投与された医療事故で、近江八幡署が、50歳代の女性准看護師を業務上過失傷害容疑で7月下旬に地検に書類送検していたことがわかった。任意の事情聴取に、容疑を認める供述をしているという。
同署などによると、女性准看護師は3月11日、耳鼻咽喉科を受診した当時生後6か月未満の乳児に、鎮静剤の飲み薬と誤ってイボの治療などに使う塗り薬を飲ませ、口の中をやけどさせるなどした疑い。
乳児は10日間入院した。家族の被害届を受け、同署が任意で捜査していた。
◆岩手医科大付属病院で痰吸引ミス、10代男性死亡…遺族に謝罪・賠償へ |
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岩手県矢巾町の岩手医科大付属病院は7月30日、重い障害があり医療的ケアを必要とする県内の10代男性が小児病棟に入院中、喉からの 痰 の吸引など適切な処置が行われず、昨年10月19日に死亡する医療事故が発生したと発表した。同病院は遺族に謝罪し、賠償する方針。
同病院によると、男性は染色体に異常がある「13トリソミー」の患者だった。自力で動くことや発声ができず、喉元に呼吸をするための穴「永久気管孔」が開けられており、口や鼻で呼吸ができない状態だった。
13トリソミーは合併症が多く、男性は同院への通院や入院を繰り返していたという。昨年10月16日にも発熱した男性は、尿路感染症の疑いで入院。同18日は母親の付き添いが難しく、必要なケアの内容や注意点を記載したメモを病院スタッフに手渡して帰宅した。
翌19日、男性の酸素飽和度が低下し、酸素の投与や口や鼻からの痰の吸引などの処置はしたが、永久気管孔からの吸引はしていなかった。その後、看護師が他の患者への対応中に男性は心肺停止となり死亡した。
同病院によると、担当した看護師は経験が浅く、気管孔からの吸引が必要だとの認識が不足していたという。生体監視モニターの異常を知らせるアラームも約1時間の間に17回鳴っていたが解除され、「他のスタッフが対応しているだろう」と、誰も男性の処置に戻っていなかった。
同病院は事故を受け、昨年11月に第三者機関の医療事故調査・支援センターに報告。外部委員らによる医療事故等調査委員会は今月22日に報告書をとりまとめた。再発防止策として、看護体制・業務の見直しや患者の病態を適切に把握するシステムの構築などを挙げた。
7月30日の記者会見で小笠原邦昭病院長は「心より深くおわび申し上げる。今回の事故やご遺族の希望を全職員が心に刻んで風化させず、二度とこのようなことを起こさないようにしたい」と陳謝した。
◆美容室専売「N.」シリーズ違法販売の疑いで5人逮捕…非正規で入手、製造番号を隠し横流しか |
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美容室の専売品の製造番号を隠して販売するなどしたとして、大阪府警は31日、美容商品卸売会社「BOS」(名古屋市)を経営する男(32)ら5人を医薬品医療機器法違反(不正表示化粧品の販売、貯蔵)容疑で逮捕・送検したと発表した。
発表では、男らは2月中旬、美容室専売品のスタイリング剤「N.(エヌドット)オム シアクリーム」など計62点の製造番号をシールで隠し、40歳代の男性2人に販売したり、販売目的で保管したりした疑い。逮捕は今月10日付。男は黙秘しているという。
医薬品医療機器法では、消費者トラブルなどに対応できるようにするため、化粧品などの販売者は、製造日時・場所を特定できる製造番号を記載することが義務づけられている。府警は、商品から流通ルートが発覚しないよう、男らが製造番号を隠していたとみている。
販売されたスタイリング剤などは、大阪市旭区の美容商品メーカー「ナプラ」が製造する専売品「N.」シリーズとして知られる。
セミナーで会員募りネット転売
美容室の専売品には、ネットなどで非正規に売られているものも多い。
府警によると、男らは転売で利ざやを稼ぐ「せどり」のセミナーを開催。会員約300人を集め、そのうち一部に「美容室の専売品を売ることができる」として数十万円を支払わせたうえで、美容室から非正規に入手した専売品を横流ししていたという。会員は、ネットなどで売っていたとみられる。
美容室専売品は、メーカーなどと契約を結ぶ美容室でのみ購入できる高級シャンプーやスタイリング剤など。美容師が利用者に商品の特徴などを説明したり、肌や髪との相性を確認したりしたうえで販売される。
しかし、ナプラ社によると、大手通販サイトなどでは、「N.(エヌドット)」シリーズなど人気の専売品が多数販売されているという。
こうした商品は大半が非正規のルートで販売されているといい、同社には、購入者から「(製造から時間がたっていて)匂いに違和感がある」「偽物が届いた」などの苦情がこれまでに100件以上寄せられているという。
美容室専売品を取り扱う業者などでつくる「全国美容用品商業協同組合連合会」(東京)の橋本健治副理事長は、「第三者がネット販売している商品は品質劣化などの恐れがあり、購入しないよう気をつけてほしい」と呼びかけている。
◆心臓疾患の男児の手術で医療ミス、発語や歩行が困難に…心臓内に入り込んだ空気で脳血管がつまる |
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兵庫県立こども病院(神戸市中央区)は25日、心臓疾患のある未就学男児の手術で医療ミスがあったと発表した。男児は高度の脳障害による後遺症で、発語や歩行が困難になった。現在は退院し、リハビリを続けているという。
発表では、昨年5月、人工血管を使い、心臓を介さずに静脈を肺動脈につなげる手術をした際、心臓内に入り込んだ空気が頭部へと排出された。手術後、男児は全身のけいれん発作を起こし、その後の検査で脳障害の兆候が確認された。
外部の専門家も加わった医療事故調査委員会で検証し、今年5月、脳障害は心臓内に空気が流入したことで、気泡によって脳血管がつまる「脳空気 塞栓 」が原因と判断。医療過誤と認定した。
県庁で記者会見を開いた飯島一誠院長は、「深くおわび申し上げる。痛恨の極みで、再発防止策をしっかり実施していきたい」と陳謝した。
◆エーザイのアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」、欧州医薬品庁の評価委が「効果は小さい」と否定的見解 |
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欧州連合(EU)の薬事当局「欧州医薬品庁(EMA)」は26日、日本の製薬大手エーザイが米製薬会社バイオジェンと共同開発したアルツハイマー病の治療薬「レカネマブ」(商品名レケンビ)について、加盟国代表らによる評価委員会が、販売承認に否定的な見解をまとめたと発表した。「認知機能の低下を遅らせる効果は小さく、効果が副作用のリスクを十分に上回らない」との理由で、エーザイは再審議を求める方針だ。
レカネマブは、アルツハイマー病患者の脳内に蓄積する異常なたんぱく質「アミロイド β 」を除去し、病状の進行抑制を狙う。臨床試験では、1年半の投与で症状悪化のペースを27%抑えられた一方、13%に脳の浮腫、17%に脳の微小出血が起こる副作用がみられた。
レカネマブは米国や日本など6か国・地域で承認され、日米中では既に発売されている。
◆がんの兆候を担当医が見落とす医療ミス…1年後に判明、転移で「ステージ3」となり手術できず |
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兵庫県は25日、県立がんセンター(明石市)で2022年12月に検査した明石市の80歳代男性にがんの兆候がありながら担当医師が見落とし、約1年後にがんの転移などが見つかる医療ミスがあったと発表した。
発表では、男性は22年12月、 膵 のう胞の定期検査としてMRI(磁気共鳴画像装置)検査を受診。放射線科の医師は肺にがんの可能性のある影を見つけ、電子カルテにCT(コンピューター断層撮影装置)検査などをするよう記載した。だが、担当医師が記載を見落とし、検査を行わなかったという。
23年12月の定期検査で腫瘍が見つかり、1年前の見落としが判明。今年2月、CT検査で肺腺がんやリンパ節への転移が確認された。がんは「ステージ3」の状態で手術ができず、化学療法を行っているという。
同センターは男性に謝罪したといい、杉村和朗・県病院事業管理者は「大変申し訳なく思っている。医療安全対策の取り組みを進め、再発防止に努める」とコメントした。
◆新型コロナ中和抗体薬、160万人分を廃棄へ…厚労省が確保したが変異で治療効果が下がる |
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厚生労働省は24日、保有する新型コロナウイルス治療用の中和抗体薬について、計約160万人分を廃棄する案を専門家委員会に示し、了承された。一般流通は行われず、国が希望する医療機関に配分してきたが、通常の医療体制に移行したことに伴い、5月末で配分を終了したためだ。今後、別の専門家部会にも諮り、最終決定する。
廃棄されるのは、「ロナプリーブ」が約124万人分、「ゼビュディ」が約27万人分、「エバシェルド」が約11万人分。2021年7月以降に承認され、厚労省が必要量を確保してきた。しかし、新型コロナの変異に伴って治療効果が下がり、異なるタイプの抗ウイルス薬が優先的に使われるようになった。
抗ウイルス薬は不測の事態に備えて、厚労省が約435万人分の保管を続けるが、使用期限を迎えたものは順次廃棄する方針だ。
◆アマゾンが処方薬のネット販売に参入、スマホ注文で自宅に薬が…薬剤師の服薬指導も可能に |
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アマゾンジャパンは23日、スマートフォンから処方薬を注文すると、自宅などに薬が届くオンライン薬局サービスを始めたと発表した。全国のドラッグストア約2500店舗と連携し、オンラインでも薬剤師の服薬指導を受けられる。糖尿病など継続的な治療が必要な中高年や、子育て世帯などの利用を見込んでいる。
新サービス名は「アマゾン・ファーマシー」。導入するのは米国とインドに次いで3か国目となる。
処方薬は、医師の診療を受けた後、薬局に処方箋を持ち込むなどして薬剤師の指導を受ける必要がある。
新サービスには、ドラッグストア大手のウエルシアホールディングス(HD)やアインHDなど9社が協力。医療機関からデジタル化された処方箋をもらってアプリに登録すれば、オンラインで指導を受けられる。薬は指定先に配送してもらえ、店舗でも受け取れる。
配送はドラッグストア側が担い、アマゾンは売り上げに応じて各社から手数料を得る仕組みだ。アマゾンジャパン消費財事業本部の前田宏・統括事業本部長は「電子処方箋やオンライン服薬指導の便利さを知ってもらいたい」と述べた。
対面が原則だった診療や服薬指導は、コロナ禍で規制緩和が進んだ。医師のオンライン診療や、薬剤師のオンライン指導が解禁され、2023年1月からは電子処方箋の運用も始まった。
◆やせ薬として服用した糖尿病薬で下痢・嘔吐、20代の女2人「もったいないから売った」疑い…購入者も体調不良 |
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ダイエット目的で入手した糖尿病治療薬を無許可販売したとして、愛知県警が22日、大阪府と群馬県の20歳代の女2人を医薬品医療機器法違反容疑で名古屋地検に書類送検したことが、捜査関係者への取材でわかった。糖尿病治療薬の無許可販売の摘発は県内で初めて。
捜査関係者によると、2人は昨年秋、医薬品の販売許可を持っていないにもかかわらず、糖尿病治療薬をSNSを通じ、複数人に販売した疑いが持たれている。購入した複数人が体調不良を訴えているという。
2人は糖尿病を患っていなかったが、「やせ薬」として服用するために病院のオンライン診療を受診し、入手。服用したところ、下痢や 嘔吐 などの症状が表れたという。県警の調べに対し、2人は「余りがもったいないから売った」との趣旨の供述をしているという。
治療薬は、食欲減退効果があるため、ダイエット目的で入手しようとするケースが目立っている。製薬会社の生産も追いついておらず、必要な患者に行き渡らない事態も起きているとされる。
◆重症心臓病治療に使うテルモの「ハートシート」、厚労省の部会が「優れた結果認められない」と正式承認「不適切」の結論 |
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厚生労働省の専門家部会は19日、医療機器大手「テルモ」(東京)が製造・販売し、重症の心臓病治療に使われている再生医療製品「ハートシート」について正式承認は「適切ではない」とする結論をまとめた。ハートシートは2014年に始まった再生医療製品の条件・期限付き承認制度で適用第1号となり、保険適用されている。
ハートシートは、重症の心臓病患者の太ももから採取した筋肉の細胞を培養してシート状にし、患者自身の心臓に貼って心拍を回復させる製品で、15年に同制度の適用を受けた。厚労省は正式承認の条件として、テルモに対し患者60症例の報告と有効性の検証を求めたが、当初の期限だった5年間で十分な症例が集まらず、期限の延長が認められていた。
専門家部会はこの日、テルモが提出したデータを検証した結果、ハートシートを使わなかった集団と比べて「優れた結果は認められなかった」などとした。正式承認については今後、同省薬事審議会で審議するとしている。
重い心臓病患者に対する再生医療製品は、他にiPS細胞(人工多能性幹細胞)由来の製品を移植する治療法があり、東京の新興企業「クオリプス」が承認申請を準備中。一方、慶応大発新興企業「ハートシード」が治験を進めている。
◆ 条件・期限付き承認制度 =再生医療製品が治験で安全性が認められ、有効性が明確でなくても推定できれば販売を認める制度。期限内に治療効果を検証し、正式承認の手続きに進む。通常の医薬品より早く製品を実用化する狙いがある。
◆応急手当て手話で学んで…聴覚障害者に「普及員」資格の講習、消防署が実施 |
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聴覚障害がある奈良県香芝市の夫婦が、香芝消防署で「応急手当普及員」の講習を受けた。手話通訳を介して、医学的な基礎知識や心肺蘇生法、自動体外式除細動器(AED)の使い方などを学んだ。同署の聴覚障害者への講習実施は初めて。
木下和人さん(69)と江美子さん(69)。和人さんは以前住んでいた大阪府内で、心肺蘇生法などを習得した「市民救命士」の資格を得ていた。だが、県内ではこれまで、聴覚障害に対応した講習がなかったという。
応急手当普及員は講習や試験を経て消防本部が認定する。資格があると、救命講習を開催できる。企業や自主防災組織内で取得し、従業員やメンバーを指導することが想定されている。
和人さんは「普及員になれば聴覚障害がある人への救命講習も容易になるのでは」と考え、受講を希望。メンバーになっている自主防災組織「チーム防災」の川井明美代表(67)らが交渉し、実現した。
和人さんは「人の役に立つ知識を身につけられて楽しい」、江美子さんは「消防などに、手話ができる人が少ない。不安の種を減らすために少しでも覚えてもらえれば」としている。
同署の山倉好啓・救急課長は「今は障害がある方に十分に対応できていないのが実情。今後は徐々にでも、対応策を模索していきたい」と話した。
◆機能性表示食品、販売前に専門家会議が安全性確認…「紅麹」サプリ問題を受け月内にも新設へ |
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小林製薬の「 紅麹 」成分入りサプリメントの健康被害問題を受けた機能性表示食品制度の見直しを巡り、政府は、新規成分を含む製品の安全性などを販売前に確認する専門家会議を設置する方針を固めた。早ければ月内にも運用を始める方向で調整に入った。
会議は消費者庁の下に設置し、薬学や医学などの専門家5人程度で構成することを想定している。製造・販売事業者から機能性表示食品として届け出があった製品が、新規成分を含んでいたり成分の組み合わせが新しかったりする場合に、消費者庁が会議で意見を聴取する。
会議では、医薬品との併用に関する注意事項などが適切に表示されているかなどを確認。意見聴取の結果、消費者庁が不適切と判断した場合は、機能性表示食品の対象外とする。
現行制度では、事業者が安全性や機能性を示す資料を消費者庁に届け出れば、国の審査を受けず事業者の責任で食品の健康効果を表示できる。紅麹サプリも、新規成分を含む機能性表示食品として届け出られていた経緯があり、国の関与を強めて安全性を確保する狙いがある。
紅麹サプリの健康被害問題を受けて政府が5月にまとめた再発防止策には、新規成分を含む製品の安全性を高める措置として、専門家の意見を聴取する仕組み作りが明記されていた。これを受け、今月16日には、専門家の意見を聴取する場合に事業者からの届け出を販売の120営業日前(現行は60日前)とすることなどを盛り込んだ改正内閣府令が、内閣府の消費者委員会で了承された。
事前確認の仕組みは、改正内閣府令の関連項目が施行される来年4月1日に本格的に始まるが、政府は「可能なところは先行実施が必要」(消費者庁幹部)と判断し、専門家会議の発足を前倒しすることとした。
◆救急出動の場所間違え到着2分遅れる…のど詰まらせた90代女性、到着時は心肺停止状態に |
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北海道北広島市消防本部は15日、救急要請があった場所を間違えるミスがあり、救急車の到着が約2分遅れたと発表した。
発表によると、15日午前7時45分頃、「90歳代の女性が食事中にのどを詰まらせた」と市内の施設から119番を受けた。消防本部の指令員は、名称の一部が同じだった別の施設に誤って出動を指示し、救急車が到着して間違いが判明した。指令員は、出動指示の際に行うべき住所確認を怠ったという。女性は救急車の到着時、心肺停止状態だった。消防本部は、到着の遅れが容体に影響したか調査するとともに、再発防止策を取るとしている。
◆鉛入り粉ミルク飲ませ女児を中毒に、傷害罪で女に実刑判決…「異変訴えられない乳児が標的で卑劣」 |
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毒劇物取締法で劇物に指定されている「酢酸鉛」を粉ミルクに混ぜて、女児に飲ませて鉛中毒を負わせたとして、傷害罪に問われた香川県坂出市、無職の被告の女(38)に対し、高松地裁は12日、懲役3年(求刑・懲役4年)の実刑判決を言い渡した。
深野英一裁判長は「異変や被害を訴えることができない乳児を標的とし、極めて卑劣だ」と述べた。
判決によると、女は2022年7月中旬頃~8月下旬頃、当時住んでいた同市内の自宅で、粉ミルクに酢酸鉛を数回にわたり、混入させ、母親らを介して生後2~3か月の女児に飲ませ、鉛中毒を負わせた。
弁護側は女の刑事責任能力について「心神耗弱」を主張したが、深野裁判長は「粉ミルクに混入するという発覚しにくい犯行態様は合理的なものといえる」とし、完全責任能力を認定した。
量刑理由では、女が女児の母親らの言動を自分に対する嫌がらせと捉え、不満を募らせて犯行に及んだとし「乳児に何の落ち度もなく極めて理不尽な犯行」と指摘。ネットで調べて酢酸鉛を自ら作り、人体への影響を把握したうえで、数回混入しており「 執拗しつよう な犯行で刑事責任は相当に重い」とした。
◆三重県に「悪臭する」と苦情、調べてみると…資材工場周辺で硫化水素を検出 |
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三重県川越町高松の建築資材メーカー「チヨダウーテ」は11日、四日市工場の敷地内に石こうボードの廃材が埋められている疑いがあると明らかにした。県の調査では、工場周辺で硫化水素が検出されたといい、県が関連を調べている。健康被害は確認されていない。
県によると、悪臭がするとの苦情が4月下旬に県などへ寄せられ、県が調査したところ、硫化水素が検出された。硫酸カルシウムを含んだ石こうボードは2004年頃に埋められたとみられ、硫化水素は地中から発生した可能性があるという。
硫化水素は無色の気体で、一定の濃度を超えると嗅覚がまひするなどの影響が出る。
県は今年、工場の資材置き場に石こうボードが埋められたことなどを確認。同社は6月に危機対策本部を設置した。同社は今後、地質調査を行い、埋められた廃棄物の特定を進める。
同社は「近隣住民や企業の皆様の安全・衛生の確保や環境への配慮を最優先に対応にあたる」としている。
◆ミネラルウォーターから高濃度のPFAS、発がん性の恐れ指摘…神戸市内で製造され商品化 |
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神戸市内で製造されたミネラルウォーターから、発がん性の恐れが指摘される化学物質「 PFASピーファス 」が高濃度で検出されていたことがわかった。商品化されたペットボトルでは、最高で水道水に対する国の暫定目標値(1リットルあたり50ナノ・グラム)の2倍にあたる濃度を検出していた。
兵庫県明石市の辻本達也市議が、神戸市に情報公開請求し、判明した。ミネラルウォーターは食品衛生法上、清涼飲料水に規定され、同法に基づくPFASの規制などはなく、市は業者名を明らかにしていない。
市によると2022年12月、厚生労働省から情報提供があり、市は23年1月と6月に水質を検査。最高で商品のペットボトルからは100ナノ・グラム、原水となる地下水からは最高310ナノ・グラムが検出された。
市から対策を要請された業者は、昨年12月に活性炭フィルターを設置し、今年1月に出た検査結果では目標値を下回っていたという。
◆手足口病が流行中 ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱も 新型コロナが影響か 子どもの夏風邪 特徴は?…アルコール消毒は効きにくい |
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新型コロナウイルス感染症の患者が増えていますが、子どもの間では、夏風邪が流行しています。新型コロナよりも夏風邪にかかる子どもが多い理由や症状の特徴、予防策などについて、藤沢市民病院(神奈川県)臨床検査科の診療科部長、清水博之さんに聞きました。
▶手足口病 感染状況は?
発熱と喉の痛み
――夏風邪とは、どのようなものですか。
気温や湿度が高くなる夏の時期になると、子どもを中心にはやる感染症を指します。病名では、手足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱の三つが該当します。これらは、夏になると流行し、冬にははやりません。かかるのは、乳幼児が中心です。
手足口病が流行中 ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱も 新型コロナが影響か 子どもの夏風邪 特徴は?…アルコール消毒は効きにくい
――冬に流行する風邪との違いはありますか。
冬にはやる風邪はせきや鼻水といった症状が中心になりますが、夏風邪は発熱や喉の痛みを訴える人が多くいます。
冬の風邪はこじらすと肺炎になることがありますが、夏風邪は、まれに髄膜炎や脳炎といった中枢神経系の病気を引き起こす恐れがあります。
大人がかかったら…
――今年はここ数年と比べて、夏風邪にかかる人は多いのでしょうか。
感染者は多いという印象です。新型コロナウイルスが影響していると考えています。
新型コロナウイルスの感染が広がってから徹底した感染予防策が講じられました。そのため、この3~4年、子どもは夏風邪の原因となるウイルスにかかる機会が減り、免疫ができずにいました。しかし、新型コロナが感染症法上の5類に移行した2023年5月以降、社会全体で感染対策が緩くなり、今年、夏風邪の感染者が増えているのだと思います。
――大人はかからないのでしょうか。
大人は子どもの頃、夏風邪にかかって免疫を持っている人が多いため、かかりにくいと言えます。ただ、夏風邪の原因となるウイルスは、タイプがたくさんあります。そのため、お子さんがかかったウイルスに自身が感染したことがなければ、大人でもうつる可能性はあります。
かかっても、症状は子どもと同程度か軽くて済みます。ただ、手足口病は、大人が発症すると、発疹が出た際に強い痛みが出ることがあり、歩けなくなる人もいます。私も数年前に感染したのですが、発疹が出たところはとても痛かったです。
――夏風邪以外に、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌)も流行しています。
手足口病が流行中 ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱も 新型コロナが影響か 子どもの夏風邪 特徴は?…アルコール消毒は効きにくい
幼児から小学生を中心に感染が広がっています。夏風邪と違って、流行する時期が決まっているわけではありません。今は、たまたま、夏風邪が流行するこの時期に、感染が拡大しているという状況です。
タオルの共有は避ける
――これらの感染症にかからないようにするには、どうしたらよいでしょうか。
これから夏休みになると、外出する機会が増えると思います。帰宅後はせっけんやハンドソープを使って、しっかり手洗いをすることが大切です。できれば、肘までしっかりと洗ってほしいです。
手を拭く時は、家族や友人同士で、タオルやハンカチの共有は避けた方がよいでしょう。そこから感染が広がる可能性があります。
アルコール消毒の効果はそれほど高くないと考えられています。原因となるエンテロやコクサッキー、アデノといったウイルスは、その周りに、「エンベロープ」と呼ばれている膜がなく、アルコールではウイルスが壊れにくいためです。新型コロナウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルスは、エンベロープがあり、アルコール消毒は効果を発揮します。
また、夏風邪の原因ウイルスは腸管で増えるため、便を介してうつる「 糞口ふんこう 感染」の可能性があります。おむつ交換をした場合は注意が必要です。
◆保育施設で起きる子どもの重大事故が増加 8割近くを占めるものは?…防止の対策広がる |
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保育施設で子どもが死亡したり、大けがをしたりする重大事故が後を絶たない。事故を防ぐため、保育士の業務を補助するICT(情報通信技術)を活用したり、危険性を事前に把握する仕組みを取り入れたりする対策が広がりつつある。国も補助金を出すなど取り組みを後押ししている。
お昼寝見守り 支援にセンサー 導入に補助金も…呼吸・体の動き感知 窒息や突然死対策
5月下旬、東京都葛飾区の認可保育所「ほっぺるランド西新小岩」の0歳児の部屋に入ると、昼寝用ベッドの上で子ども2人が寝息を立てていた。マット型のセンサーが敷かれ、呼吸に伴う体の動きを感知。タブレット端末の専用アプリと連携し、呼吸状態や体の向きを確認するよう求める表示が、5分おきに出る。
そばで見守る保育士は、表示を参考に体の向きなどを確認し、端末にタップして入力。子どもがせき込んで横向きになると、呼吸が落ち着くのを待って、あおむけに直した。窒息して亡くなる事故があることから、基本的にあおむけに寝かせるのが重要とされる。
センサーの販売会社「Gakken」(東京)によると、呼吸に伴う体の動きが感知できない状態が続くと、警報音で異常を知らせる機能もある。
保育士の大野晃代さん(39)は「紙に手書きで睡眠状態を記録していた時と比べ、作業の負担が減った。目視とICTを組み合わせることで、より慎重に観察できる。警報は、万が一の備えになるので心強い」と話す。
眠っている間に命を落とす「乳幼児突然死症候群」を防ぐためにも、こうしたセンサーは重要な役割を果たすことから、国などは1施設あたり最大50万円を補助し、導入を推進している。
園庭の危険度 マップで共有…けがのおそれや注意の仕方 具体的に
園庭ハザードマップを見ながら、遊具を点検する(6月10日、千葉市で)
千葉市の認可保育所「ちどり保育園」では、非常階段の周辺、園庭の遊具や植え込みなどで、子どもがどんなけがをする可能性があるかを具体的に示した「園庭ハザードマップ」を作成し、活用している。
子どもへの注意の仕方を盛り込んでおり、滑り台は「上から滑ってくる子どもとぶつかりそうになるため、逆から登ってはいけないと伝える」と明記。園庭の木は、大きな根が地上に張り出しているため、「根につまずいたり、根を使ってフェンスをよじ登ろうとする子どもがいる」と例示し、危ないと伝えるよう求めている。
マップを作成したのは2012年。きっかけは、遊具を使用中、打撲や擦り傷を負うケースが、短期間に複数発生したことだ。遊具などに潜む危険や、子どもがどんな使い方をするのかを職員全員が確認。わかりやすく図示して共有し、子どもへの声かけや見守りを徹底することで、大きな事故を未然に防ぐことができているという。
マップには、遊具など11か所に番号を振って、写真も掲載。職員が週1回、マップを見ながら、番号順に見回って、遊具が壊れていないか、危険なところはないか、点検も行っている。
吉岡敦志園長(44)は「事故を予防するためには、どんな事故が起きそうか想定することがまず重要だ。保育士が、遊具の正しい使い方や遊び方などのルールを子どもたちに伝えることが重大事故の防止につながる」と語る。
東洋大の内山有子教授(小児保健学)は「ICTの導入など設備の充実に加え、保育士の教育やマニュアル作りなど、ハード・ソフト両面の対策が欠かせない。園内や外部の研修で、事故防止に必要な知識を学び、スキルアップした職員の賃金を上げるといった取り組みも広めてほしい」と指摘する。
重大事故2461件…増加続く 2022年
こども家庭庁によると、2022年に全国の保育施設などで発生した重大事故は2461件と、前年より114件増えた。対象は保育所や幼稚園、小学生を預かる放課後児童クラブ(学童保育)など約11万施設で、利用者の増加などが背景にある。事故の内容は骨折が8割近くを占めた。死亡は前年と同じ5件で、睡眠中や食事中などに起きた。
事故防止に役立ててもらおうと、国は、全国の保育所などで起きた「ヒヤリ・ハット事案」をまとめた事例集を作成し、同庁のホームページで公開している。
子どもの命の危険につながりかねない事案計100例を紹介。窓を開けて園庭に出て行ったり、降園の時間帯に親が迎えに来る前に1人で帰宅したりした「抜け出し」や、公園などでの「置き去り」、送迎バスでの「降ろし忘れ」などだ。
事故を踏まえて対策を強化する自治体もある。東京都八王子市は、20年に市内の認定こども園で4歳の男児が給食のブドウをのどにつまらせて死亡したのを受け、保育士向けに乳幼児型の人形を使用した心肺蘇生法研修会を開いた。調理方法などの研修を通じて再発防止に取り組む。
松江市は、20年に市内の認定こども園の節分行事で、豆をのどに詰まらせて4歳の男児が亡くなったのを教訓に、節分行事で大豆を使用しないよう保育所や幼稚園などに通知した。(2024年6月25日付の読売新聞朝刊に掲載された記事です)
◆認知症で行方不明2万人弱、11年連続で過去最多を更新…GPSで群馬の女性が東京で見つかる事例も |
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全国の警察に昨年届け出があった認知症の行方不明者は延べ1万9039人(前年比330人増)で、11年連続で過去最多を更新したことが警察庁のまとめでわかった。
警察庁によると、昨年の認知症の行方不明者は男性1万597人、女性8442人。都道府県別では兵庫が2094人で最も多く、大阪2016人、埼玉1912人、神奈川1843人、愛知1577人、東京1214人などだった。
自治体によるGPS(全地球測位システム)端末の貸与が広がっており、GPSがきっかけで発見された人は、昨年下半期だけで計71人に上った。群馬県の女性(当時69歳)が靴に入れた貸与端末から東京都内で見つかったケースもあった。
不明者の7割にあたる1万3517人は当日に所在が確認されたが、1か月以上かかった人も39人いた。死者は前年以前の届け出分も含めて553人だった。警察はドローンも活用して捜索態勢を強化している。
◆白内障手術後 眼瞼下垂に「かすみ、膜、潤み」の症状も…改善させる方法は? |
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白内障手術の数年後、 眼瞼下垂がんけんかすい になりました。手術をしましたが、まぶたが瞳に当たって、かすみや膜、潤みがあります。シアノコバラミン点眼液をさしていますが、活字などで苦労しています。(85歳女性)
ドライアイ用点眼液が効果的
眼瞼下垂は、まぶたが下がって視界が遮られ、見えにくくなる状態です。まぶたが下がって見えにくい真の眼瞼下垂と、目は見開いているのに皮だけが垂れた状態に分類されます。相談者は、年齢的に真の眼瞼下垂と皮のたるみの両方があったと思われますが、真の眼瞼下垂の手術を受けたようです。
手術の目的は目を大きく開かせることですが、術後には色々と合併症が出てくることがあります。相談者は「まぶたが瞳に当たっている」と訴えています。これはまぶたが眼球に合うようにカーブしているにもかかわらず、手術で切った部分は直線的になろうとして眼球を押すためです。通常は半年程度で改善します。
「かすみ、膜、潤み」はドライアイによる症状です。ドライアイでは目が乾くことを防ごうと目が潤むことがあります。この手術を行うと目が大きくなるため、涙が蒸発しやすくなり、まばたきの効率も良くなって涙の排出がスムーズになります。年をとってくると涙の油分も減ってきます。これらが手術後のドライアイの原因になるのです。
残念ながらシアノコバラミン点眼液はドライアイには効きません。ムコスタ点眼液やジクアス点眼液などドライアイ用の点眼液が効果的です。私もドライアイで悩んでいて、これらの薬でなんとかなっています。
◆卵アレルギーの園児に鶏卵使った洋菓子、成分表の確認怠り事故…腹痛訴え抗アレルギー薬飲ませる |
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新潟県上越市の総合福祉サービス会社「リボーン」は18日、運営する市内の認定こども園で、卵アレルギーのある園児に誤って鶏卵を使った洋菓子を提供する食物アレルギー事故があったと発表した。
同社によると、園児は12日午後3時50分頃、園がおやつとして出したカスタードタルトを食べ、約1時間後に腹痛を訴えた。園は保護者に連絡した後、園で勤務する看護師が保護者から預かっていた抗アレルギー薬を園児に飲ませた。
園児は13日にかかりつけの専門医を受診し、現在アレルギー症状は治まっているが、微熱があり、園を欠席しているという。同社は、園の担当者が成分表を十分に確認しなかったことなどが原因としている。
同市では昨年9月、市立小学校で給食の誤食によるアレルギー事故が起きている。中川幹太市長は18日、「安心して子どもを預けることができるよう、公立私立一体となって再発防止に向けた対策を徹底していきたい」とのコメントを出した。
◆高松の大型商業施設で女性の下着を盗撮容疑、42歳医師を逮捕…小型カメラをスカートの下に |
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高松市内の大型商業施設で、女性の下着を盗撮したとして、香川県警高松南署は22日、愛媛県四国中央市の医師の男(42)を性的姿態撮影処罰法違反(盗撮)の疑いで逮捕した。容疑を認めている。
では、男は22日午後2時45分頃、高松市内の大型商業施設で、女性のスカートの下に、動画が撮影できる状態の小型カメラを差し入れて、下着を撮影した疑い。小型カメラは手提げバッグに入っていたという。
◆賞味期限7か月切れたマーマレードジャム、入院患者206人に提供…横浜市立大付属病院 |
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横浜市立大学付属病院(金沢区)は18日、入院患者の食事に賞味期限が7か月切れたジャムを出していたと発表した。体調不良の訴えはないという。
発表によると、9~15日の昼食時などにパンを食べた1歳~90歳代の患者206人に、賞味期限が昨年11月6日のマーマレードジャムを提供した。患者の1人が個包装に記載された賞味期限に気づき、指摘した。
委託業者が病院内の倉庫でジャムが入った小箱をコンテナで保管する際、誤った賞味期限を書いた紙をコンテナに貼っていたのが原因という。同院は今後、賞味期限の確認の手順をマニュアル化し、徹底するよう指導するとしている。
◆コロナワクチン注射器輸入で2億2100万円脱税容疑…東京地検特捜部が会社社長を逮捕 |
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新型コロナウイルスワクチン用の注射器を中国から輸入していた会社が、仕入れ高を水増しして計約2億2100万円を脱税したとして、東京地検特捜部は20日、医療品輸入販売会社「信彦佳景」(東京)の代表で中国籍の河野吉哲こと何旭峰容疑者(46)を法人税法違反容疑で逮捕した。
発表などによると、何容疑者と同社は注射器の仕入れ高を水増しするなどの手口で、2023年1月期までの2年間に約8億6500万円の所得を隠し、法人税計約2億2100万円を脱税した疑い。
民間信用調査会社などによると、同社はコロナ感染が拡大した20年以降、注射器などを国や自治体に販売。厚生労働省との間で、注射器6500万本を約22億円で販売する契約を結んでいた。
◆こども園で米粉パン食べアレルギー、アナフィラキシーで女児が一時入院…小麦粉・卵入り確認せず |
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三重県名張市の認定こども園「名張きぼうのこども園」で5月、食物アレルギーのある女児がおやつでパンを食べ、急性アレルギー反応のアナフィラキシーの症状が出て一時入院していたことがわかった。市は、園がアレルギー食の確認を怠ったとして、再発防止策を取るよう園に指導した。
市によると、5月30日午後4時10分頃、女児の顔や首が赤く、発疹が出ているのを担任の保育教諭が気づいた。1時間ほど前に女児が食べた市販の「米粉パン」に、小麦粉や卵などが含まれていた。女児は病院に救急搬送され、翌31日夕まで入院したという。
園を運営する社会福祉法人・名張厚生協会は、原材料の確認を怠ったことや、保護者の同意を得ずに提供したことなどを市に説明した。園長は読売新聞の取材に「基本的なチェックを怠った人為ミスで申し訳ない。対応にあたる際の手順書を園児ごとに作成するなどし、再発防止に努める」と話した。
◆障害者支援施設で入所者に暴行、4時間後に死亡…傷害容疑で職員を逮捕「言動に腹が立った」 |
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勤務先の障害者支援施設で入所者に暴行してけがを負わせたとして、岡山県警備前署は18日、赤磐市山陽の施設職員の男(37)を傷害容疑で逮捕した。調べに対し「入所者の言動に腹が立ってやった」などと容疑を認めているという。入所者は約4時間後に死亡しており、県警は暴行との関連を調べている。
発表などによると、勤務中だった男は17日午前11時半頃、和気町の障害者支援施設「ぽれぽれ」の廊下で、入所者の男性(55)に声をかけた後に、男性の服などをつかんで壁にたたきつけ、下あごなどにけがを負わせた疑い。
男性は午後3時15分頃に呼吸が弱くなり、異変に気づいた別の施設職員が119番した。男性は約1時間後に搬送先の病院で死亡が確認された。検視で訪れた備前署員が男性のけがに気づき、施設の防犯カメラ映像を調べたところ、男が暴行する様子が映っていたという。
同施設によると、男は2008年4月から勤務し、男性の生活支援などを担当していた。同施設の山本雅司・管理者(59)は読売新聞の取材に対し、「日常的な虐待があったかどうかはわからない。職員の声を聞き、改善策を考えていきたい」と話した。
◆学校健診に相次ぐクレーム 「下半身を見られた」「下腹部を触られた」…確認したい三つの病気 |
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学校健診の際、医師に体を触られ不快な思いをしたなどと子どもが訴える事例が、各地で報告されています。体の状態を調べるために、子どもの服を脱がせたり体に触ったりする必要はあるのでしょうか。長年、学校健診に携わっている奈義ファミリークリニック(岡山県奈義町)所長の松下明さんに聞きました。
持病の受診継続、確認することも
――学校健診を実施する意義を、改めて教えてください。
学校で生活を送る上で、支障が出ないかどうかを確認するのが目的です。健診を実施することで、今まで気づいていなかった病気を見つけられたり、就学前に診断がついていた病気の治療を継続しているかどうか確認できたりします。学校健診は、6月末までに実施することが、学校保健安全法施行規則で定められています。
――具体的にはどのような検査を行っているのでしょうか。
検査項目は、この施行規則に定められています。例えば、身長や体重を測りますが、肥満ややせ、低身長であるかどうかが分かり、栄養状態も把握できます。低身長であれば、成長ホルモンが不足している可能性があり、程度が強い場合は、公費でホルモン注射を受けることにつながります。
胸に聴診器を当てれば、心音によって、心臓の弁膜症や奇形を見つけることができます。そのほか、 側彎 症を診断したり、アトピー性皮膚炎であることを指摘できたりし、受診するよう促せます。
――一部報道によると、下着をめくって下半身を見られたり陰毛の有無を調べられたりしたという訴えもあるようです。
通常、女児では10歳くらい、男児では12歳くらいで思春期に入り、体に変化が見られます。小学校低学年の段階で陰毛が生えていたり乳房が膨らんでいたりすると、「思春期早発症」の可能性が高くなります。この病気だと、年齢の低いうちに体が成熟してしまって、身長の伸びが止まってしまうため、男性・女性ホルモンの分泌を抑える治療を行うことがあります。
陰毛の有無を調べるなどの行為は、この病気が疑われて医療機関に受診した際に実施されることはありますが、学校健診の場では、そこまでしないでしょう。あらかじめ、養護教諭から指摘があり、個別に対応することはあると思います。ただ、非常にまれなケースではないでしょうか。私は、今いる地域で23年間、学校健診に携わっていますが、こうしたことは一回もありませんでした。
服は脱がせることは必要?
――子どもたちの体に触ったり服を脱がせたりすることは、正確な診断のために必要なことでしょうか。
学校健診で最低限、調べておきたいのは、(1)心雑音(2)側彎症(3)貧血――の有無だと思っています。
心雑音は、心臓の異常が分かり、左右のそれぞれ鎖骨の下辺りなどに聴診器を肌に直接当てて調べます。服を脱がせる必要はなく、私は服の首の部分を少し開けてもらい、聴診器を入れさせてもらっています。
側彎症は、肩の高さに左右差があるかどうか調べる必要があります。そのため、後ろを向いてもらい、背の全体が見えるように服をまくってもらいます。その際、アトピー性皮膚炎などがないかどうかも目で見て確かめています。
▶【図解】側彎症の検査はどうやる?
貧血は、血液中で酸素を運ぶヘモグロビンが減る状態です。目の下の皮膚をひっぱらせていただいて「あっかんべ―」の状態にし、露出した部分を確認します。貧血であれば白くなっています。ここでは、直接肌に触れていることになりますね。
――長年、学校健診に携わってこられて、難しさを感じることはありますか。
ここ10年くらいは、肌を見せることに抵抗を感じるという子どもが増えたように思います。ただ、服を脱がなければ正確に診断できないのは、側彎症の検査くらいです。私がいる地域では、皆さん協力的で、困ることはありません。
中には、発達障害の自閉スペクトラム症だというお子さんもいます。肌を触られたり、見知らぬ人と話したりするのが苦手なので、こうしたケースは個別に対応しています。
学校健診は、プライバシーに配慮しながらも、診るところはきちんと診る。実施する時間が限られている中でも、「質の担保」はしっかりする――ことが大切だと考えています。
学校健診 そもそもなぜ必要? 「下半身を見られた」「下腹部を触られた」と子どもたちの訴え相次
ぐ…「あっかんべー」は重要
まつした・あきら 1991年、山形大学医学部卒。96年、米ミシガン州立大学関連病院(Genesys Regional Medical Center)にて家庭医療学レジデント(行動科学の選択ローテーションのみニューヨーク州ロチェスター大学で行い、家族志向のケアを中心に学ぶ)。99年、川崎医科大学総合臨床医学講師。2001年、奈義ファミリークリニック所長。家庭医として地域の健康問題の9割に対応できるよう日々努力している。
◆研修医の誤診などで男子高校生死亡、遺族「何度も助けられる機会あったのに見過ごされた」 |
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日赤愛知医療センター名古屋第二病院(名古屋市昭和区)は17日、昨年、男子高校生(当時16歳)を重大な医療過誤で死亡させたと発表した。上腸間膜動脈症候群(SMA症候群)で緊急治療が必要だったが、研修医が急性胃腸炎と誤診して治療が遅れ、その後の医師らの対応も不適切だった。
発表によると、高校生は昨年5月28日早朝、腹痛や 嘔吐 などを訴えて同病院に救急搬送された。研修医はコンピューター断層撮影装置(CT)検査などを行い、胃の拡張を見つけたが、脱水の進行を示す採血検査の異常値を認識せず、急性胃腸炎と診断し、帰宅させた。高校生は同様の症状が続いたため、昼前に再び救急外来を受診したが、別の研修医が「新規の症状なし」と判断。翌日に近くのクリニックを受診するよう指示した。
高校生は翌日、近くのクリニックで緊急対応が必要と診断され、改めて同病院を受診。十二指腸が 閉塞 するSMA症候群の疑いがあるとされ、入院した。しかし、高校生はショック症状に陥り、医師や看護師による閉塞症状に対する適切な処置が行われず、脱水症の治療も遅れるなどして翌30日未明に心肺停止となり、6月15日に死亡した。
同病院は、院内医療事故調査委員会を設置。調査委は「研修医のCT画像の評価や、脱水症の評価、研修医のサポート体制が不十分」などと指摘し、「診療が不適切だった」と結論づけ、遺族に謝罪した。
高校生の遺族は「研修医の勝手な判断、誤診がなければ、このような結果になっていなかった。何度も助けられる機会はあったのに見過ごされ、後悔しかありません。診断ミスで16歳の人生を突然終わらせてしまったこと、夢見ていた未来を奪ったことを忘れないでください」などとするコメントを病院を通じて出した。
佐藤公治院長は記者会見で「最後まで適切な対応ができなかった。未来ある患者を救うことができず、大変申し訳なく心からおわび申し上げます」と謝罪した。
◆東京女子医大、教員人事で同窓会組織への寄付額を考慮…卒業生に「評価に影響」と要求 |
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東京女子医科大(東京都新宿区)が、医学部卒業生の教員への採用、内部昇格にあたり、同窓会組織「至誠会」への寄付額を考慮していたことがわかった。寄付の実績が「評価に影響する」と通知しており、昨年までの5年間で約40人が申請前後に寄付をしていた。役職を金で買うような仕組みがルール化されていたといえ、文部科学省は同大に対し、内部調査を行って詳細を報告するよう求めている。
昇格申請者ら向けの文書には、寄付の状況が評価に影響すると記されていた
東京女子医大によると、同大理事会は2018年5月、卒業生が教授や准教授、講師、准講師の役職への就職や昇格を志願する際、至誠会が個々の卒業生に発行する「活動状況報告書」を評価対象とすることを新たに決定した。
具体的な手続きは翌6月、医学部学務課名で学内に通知され、留意事項には「寄付などの状況を 鑑 み、活動が認められない場合は評価に影響します」と記されていた。
20年に発行されたある卒業生の報告書では、過去5年間の至誠会への寄付額や同会主催の研修会などへの出席状況が記載されていた。行事出席は1回0・5点、寄付は10万円あたり0・5点とポイントに換算され、総点数で「非常に良い」(9点以上)から「非常に悪い」(1点以下)の5段階で評価が行われていた。
関係者によると、点数が低い卒業生には、至誠会理事を兼務する大学理事らが「ポイントが足りない」と連絡し、寄付を求めていた。一方、就職や昇格に必要な点数や、評価の各段階の点数は示していなかった。
読売新聞が内部資料を分析したところ、至誠会には18年6月以降、昨年3月までに少なくとも延べ70人が報告書の発行を申請。同55人が同会に寄付しており、うち41人は申請前後に10万~80万円を入金していた。
同大は取材に「公益性のある活動をしている至誠会への寄付を社会貢献活動の一つとして積極的に判断してきた」とし、「寄付を強いる行為があったとの報告や通報も確認されていない」と回答した。
至誠会は昨年4月、代表理事を同大の岩本絹子理事長が兼務するのは不適格だとして、岩本氏を解任。同大は同10月、昇格などに至誠会への寄付金などを考慮する制度を撤廃した。
同大を巡っては、至誠会元職員が勤務実態がないのに不正に給与を得た疑いで、警視庁が今年3月、関係先として大学本部などを一般社団法人法の特別背任容疑で捜索している。
文部科学省の幹部は、「教員の選考は社会に理解を得られる形で、適正、公正な手続きで行われなければならない」としている。
◆至誠会 =私立の東京女子医科大医学部の卒業生や学生が加盟する一般社団法人。病院や看護専門学校を運営し、女性研究者への助成事業も行う。今年3月時点の正会員(卒業生)は約4600人。
◆中2男子が部活中に重傷、顧問は救急搬送を要請せず…男子生徒は急性硬膜外血腫で緊急手術 |
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名古屋市教育委員会は14日、市立滝ノ水中(緑区)の運動部顧問の20歳代男性教諭が、部活動中に重傷を負った同中2年の男子生徒に取った対応が不適切だったと発表した。生徒は左急性硬膜外血腫で緊急手術を受けたが、後遺症は見られず、登校しながら通院しているという。
発表によると、5月25日午前9時頃、他校での練習試合中に生徒の前頭部に別の生徒の膝がぶつかり、左目の上が腫れた。教諭はさらに別の生徒のけがの手当てをしていて見ておらず、試合は続行された。
教諭は休憩時にけがを知り、生徒の症状も悪化したが、同市教委が学校保健の手引で定めている救急搬送の要請をしなかった。また、保護者や管理職の連絡網を持参しておらず、報告ができない状態だった。
他の保護者から連絡を受けた母親が、約2時間後に病院に連れて行き、さらに救急搬送された救命救急センターで手術を受け、12日間入院した。処置が遅れると命に関わる状態だったという。
市教委部活動振興課は「速やかに救急搬送を要請すべきで、不適切だった。深刻に受け止めている」としている。
◆1歳児の手届く棚に積み木放置、誤飲で全治不明の低酸素脳症に…保育施設の8人を書類送検 |
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徳島県北島町にある保育施設で2022年12月、0歳児クラスに通っていた男児(当時1歳)が積み木を誤飲し、一時心肺停止になった事故で、県警は14日、当時の園長や保育士ら8人を業務上過失傷害容疑で書類送検した。全員が容疑を認めているという。
発表では、園長ら8人は同月5日午後3時40分頃、園児がのどに詰まらせる可能性がある積み木(長さ3センチ、直径2・4センチ)を園児が手の届く施設内の棚に放置し、この男児がのみ込んだことで全治不明の低酸素脳症を負わせた疑い。
施設では事故当時、14人の園児を5人の職員で見ていた。県警は現場にいなかった園長や責任者らは、積み木が放置されていたことを認識し、注意義務を怠ったとしている。男児は現在も治療中という。
◆温浴施設で最大400倍のレジオネラ菌、1年以上報告せず営業…ルートインジャパン運営ホテル |
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ルートインジャパン(東京)は13日、宮崎市青島西1で運営するホテル「ルートイングランティアあおしま太陽閣」内の温浴施設で基準値以上のレジオネラ菌が検出されたのに、宮崎市保健所に1年以上報告せず営業していたと発表した。検出されたのは基準値の最大400倍だった。客らの健康被害は確認されていないとしている。
同社によると、温浴施設は「健康ランド華の湯」。施設では衛生に関する管理要領などに基づき全浴槽で年2回以上、水質検査をしており、2023年3月、4月、9月、24年2月、5月の検査でいずれも基準値以上のレジオネラ菌を検出した。検出されたのは23年3~9月は基準値の最大2倍、24年2月は最大46倍、同5月は400倍だった。
超過が確認されれば保健所に報告し、安全を確認した上で保健所の指導のもと営業を再開するが、施設では報告せず、独自に消毒洗浄し、陰性確認を行わないまま営業を再開していた。
23年度の水質検査結果を提出していないとして市保健所から複数回提出を求められたが、その後も未提出で、市保健所から6月11日、立ち入り検査を受けたという。
健康ランド華の湯は現在、営業を停止しているという。ルートインジャパンは「保健所の指導のもと、より安心・安全な施設運営に努める」としている。
◆小学校給食に1・5cmの金属片、担任がチキンライスに違和感覚え口から取り出す…岐阜市 |
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岐阜市教育委員会は13日、市立七郷小学校で提供した給食に長さ1・5センチの極細の金属片が混入していたと発表した。健康被害は確認されていないという。
市教委学校給食課によると、11日午後0時40分頃、担任がチキンライスを食べた時に違和感があり、口から取り出したところ、金属片が見つかった。このクラスでチキンライスを食べることをやめ、ほかの給食に異物の混入がないことも確認した。
給食室の調理器具などを点検したが、原因は特定できなかったという。同校は異物混入の発生について保護者に通知した。
◆公衆浴場で女性の安全確保へ「身体的な特徴」で男女区別を…自民党の議連が議員立法の骨子案 |
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自民党の保守系議員らでつくる「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」は13日、公衆浴場などでの女性の安全確保を図るための議員立法の骨子案をまとめた。性的少数者(LGBT)への対応を巡り、公衆浴場などの利用に際しては「身体的な特徴」により男女を区別することを明記した。
厚生労働省は昨年6月に出した通知で、同様の対応を各施設に指導するよう都道府県などに求めているが、骨子案は法律への明記を求めたものだ。職場の更衣室などの利用で、管理者の対応指針を政府が策定することも盛り込んだ。
◆洗濯機に押し込められ回された3歳女児、額に全治不詳のけが…容疑の30歳を再逮捕 |
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稼働する洗濯機に閉じ込められた3歳の女児がけがを負った事件で、茨城県警は12日、東海村の無職の男(30)(逮捕監禁致傷罪で起訴)を傷害容疑で再逮捕した。
発表によると、男は5月18日午後6時頃、自宅アパートで、内縁関係にある女性の長女の頭を複数回殴り、額に全治不詳のけがを負わせた疑い。県警は認否を明らかにしていない。
男は女児を洗濯機に押し込んで稼働させ、けがを負わせたなどとして逮捕・起訴されており、女児の額にあざがあったことから県警が余罪を捜査。女性の証言などから男の関与を裏付けた。3人は昨年12月頃から同居していたという。
◆小学校の健康診断で「下腹部を触られた」…男女児童18人が不快感訴える、男性医師「腸の音を聴くため」 |
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北九州市教育委員会は12日、八幡西区の市立小で今月実施された定期健康診断で、学校医の男性医師(60歳代)から「下腹部を触られた」と複数の児童が不快感を訴えたことを明らかにした。男性医師は「腸の音を聴くために、へその回りに聴診器を当てた」と説明しており、市教委は配慮が不足していたとしている。
市教委によると、健康診断は5日、養護教諭ら2人が同席のもと、2年と5年の児童約90人が受診。男性医師は、児童の下腹部に聴診器を当てた。6日に保護者から学校に相談があり、児童への調査の結果、男女計18人が不快感を訴えた。このうち男児2人は「性器に(医師の)指が当たった」と訴えたが、医師は「意図的ではない」と話しているという。学校は11日に保護者説明会を開いて謝罪した。
健康診断を巡っては、今年1月、文部科学省が児童生徒のプライバシーへの配慮を求める通知を全国の自治体に出した。通知では、必要に応じて医師が下着などの中に聴診器を入れる場合があることを、事前に児童や保護者に説明するよう求めているが、今回、十分な説明がされていなかったという。
市教委は「医療行為の一環であっても子どもたちのプライバシーや心情に配慮していただきたかった。子どもたちの心のケアを続けていく」としている。
◆「ムヒのこども解熱鎮痛顆粒」15万箱、池田模範堂が自主回収…小袋に穴で変色など懸念 |
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医薬品製造の池田模範堂(富山県上市町)は12日、子供向けの解熱薬「ムヒのこども解熱鎮痛顆粒(かりゅう)」の約15万箱を自主回収すると発表した。小袋の接着が不十分で穴がある場合があり、変色や有効成分の含量低下の懸念があるとしている。健康被害の報告はないという。
製品の変色は、吸湿や酸化の影響とみられる。重い健康被害が発生する恐れはないとしている。
回収対象は、箱や小袋に記載された製造番号が101、102、103、201、202の製品で、使用期限は2025年5~12月。手続きや問い合わせはインターネットの専用窓口か、回収受付窓口(0120・643・061)へ。
◆シワやたるみとる「ハイフ」、医師以外の施術は医師法違反…厚生労働省が通知 |
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エステサロンなどで超音波を照射してシワやたるみを取る「HIFU(ハイフ)」という機器による事故が相次いでいることを受け、厚生労働省は、医師以外が施術を行えば、医師法違反にあたるとする通知を都道府県に出した。施術は医師に限ることを明確に示すことで、トラブルを未然に防ぐ狙いがある。
通知は7日付で、医師以外がハイフによる施術を行うことは、危害が生じる恐れがある行為と指摘。医師が医療法に基づき、医療提供施設で実施することと明記した。都道府県などは違反行為に関する情報があった場合、施術の停止を勧告するなどし、悪質なケースは刑事告発を念頭に警察と連携するよう求めた。
ハイフは、前立腺がんの治療などに使われていたものが、美容目的に転用されている。消費者庁の消費者安全調査委員会によると、ハイフを使った事故は2015~22年に135件発生し、このうち、やけどや神経・感覚障害、視力障害などで全治1か月以上のものが24件あった。
◆遺体を取り違え解剖、開胸後に気付く…国立循環器病研究センター |
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国立循環器病研究センター(国循、大阪府吹田市)は7日、遺体を取り違えて病理解剖するミスがあったと発表した。医師が開胸後に気付いて中止し、遺族に謝罪した上で、同意を得て解剖を再開したという。国循は「遺体を傷つけ、遺族に心労をかけたことを心よりおわびする」としている。
発表では、取り違えたのはいずれも70歳代の男性入院患者。5月下旬、遺族から同意を得ていない遺体で誤って解剖を始めたが、解剖対象の遺体にあるはずの手術痕がなく、ミスに気付いた。当時、2体とも解剖用の遺体安置庫にあったが、医師らが確認を怠ったという。
国循によると、引き取りまでの間、解剖予定のない遺体を解剖用の安置庫に収容することがあるが、運用の周知が不十分だったという。問題を受けて国循はマニュアルを策定し、解剖前後に名前や生年月日を繰り返し確認することにした。
死体解剖保存法は、解剖する場合は遺族の承諾を得る必要があると規定しているが、国循の担当者は「(法に抵触する)可能性はあるが、事後に承諾を得ており遺族にも納得してもらった」と説明した。
また国循は、治験で、有効期限を過ぎた抗凝固薬を5人に誤って処方していたと発表した。健康被害は確認されていないという。
◆小2男児が頭打ち嘔吐、担任ら保護者の要請断り45分間救急車呼ばず…頭蓋骨骨折など診断 |
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愛媛県新居浜市の市立小学校で5月下旬、転倒して頭を打った2年生の男児が 嘔吐 などの症状を訴えたにもかかわらず、教員がすぐに救急車を呼ばなかったことが、市教育委員会への取材でわかった。男児は病院で頭蓋骨骨折、外傷性くも膜下出血と診断された。
市教委によると、男児は5月24日朝、学校の中庭で同級生とぶつかって転倒。養護教諭と担任教諭が男児を保健室へ連れて行き、保護者に電話連絡した。保護者は「頭を打ったなら救急車を呼んでください」と頼んだが、担任は「顔色が良くなり嘔吐も収まったので、まだ救急車は呼びません」と応じなかったという。
学校に到着した保護者が男児を病院へ連れて行こうとした際、男児がふらついたため、保護者は救急車を呼ぶよう再び依頼。学校側が119番したのは転倒してから約45分後だった。
男児は一時、集中治療室で治療を受けた。同27日に退院した後もふらつきの症状が治まらず、学校を休んでいるという。市教委は事態を把握し、同30日、高橋良光教育長が校長に対して口頭注意した。
高橋教育長は「非常に不適切な対応だった」と話している。
◆道立高教諭、障害ある生徒に不適切行為…病名決めつけ校内会議で「寿命が短い」と発言 |
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札幌市の北海道立高校定時制で、知的障害のある生徒に対し担当教諭が障害と無関係な病名をつけるなどしていた問題で、道は31日、学校側に4項目の不適切行為があったとする調査結果の報告書を公表した。
報告書によると、担当教諭は、生徒が「血管性認知症」にかかっていると決めつけ、校内の会議で「寿命が短い」と発言。生徒が通っていた中学から学校生活の様子などの引き継ぎを受けた際、公文書に当たる自身が作成したメモを勝手に破棄した。
また、学校は生徒に合わせた学習環境の整備について保護者との協議を怠っていた。道教育委員会はこの点を重く見ており、今後、全道立学校を対象に、同様の問題が起きないよう研修を強化する。教諭や管理職らの処分の必要性も検討する方針だ。
報告書の公表を受け、倉本博史教育長は「報告書を踏まえて、当該校はもとより、全ての道立高校における再発防止を徹底していく」とのコメントを発表した。
◆救急搬送中に患者が担架から落下、頭から滑り落ちる…一時心肺停止も「因果関係なし」 |
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津市消防本部は28日、救急搬送中に担架の扱いを誤って患者を約50センチの高さから地面に落下させる事故を起こしたと発表した。
同本部によると、27日午前5時10分頃、市内の戸建て住宅で意識がない状態の70歳代女性を担架に乗せて救急車へ搬送する際、地面に落下させた。女性は落下してから10分後、一時的に心肺停止状態になったが、同本部は事故との因果関係はないとしている。
消防隊員3人は間口が狭かったことから、手持ちの担架で救急車へ搬送。女性のわきと腰をベルトで固定していたが、玄関の障害物を避けようと隊員1人が担架を持ち替えようとしてバランスを崩し、女性は頭から滑り落ちた。
同本部は既に、患者家族に謝罪し、担架を持ち替える際はいったん、床に置くことなどを全職員に指示した。
◆覚せい剤密売の暴力団組長らに注射器5万本を無届けで販売か、歯科医師を逮捕…8年前から計数十万本販売の疑い |
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覚醒剤を密売する暴力団組長らに大量の医療用注射器を無届けで販売したとして、京都府警捜査5課は23日、千葉県柏市の歯科医師、結城康雄容疑者(67)を医薬品医療機器法違反の疑いで逮捕した。「販売はしていない」と容疑を否認しているという。
発表では、結城容疑者は昨年3~9月、同県流山市の歯科医院で9回にわたり、暴力団組長の男(48)ら4人に医療用注射器計5万6230本を約542万円で販売した疑い。
注射器は覚醒剤などとセットで密売されたとみられ、府警は昨年11月以降、覚醒剤を営利目的で所持したなどとして組長らを逮捕。注射器の入手経路を調べる中で結城容疑者が浮上した。
府警は、結城容疑者が約8年前から組長らに計数十万本の注射器を販売していたとみて調べている。
◆機能性表示食品、健康被害の報告義務付け・怠れば販売停止…制度見直し案 |
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小林製薬の「 紅麹べにこうじ 」成分入りサプリメントを巡る健康被害問題で、消費者庁の有識者検討会は23日、機能性表示食品制度の見直し案をまとめた。健康被害情報の報告やサプリの品質管理体制の構築を事業者に義務づけることなどを盛り込んだ。同庁はこれらに基づいて制度改正を進める方針だ。
機能性表示食品は安全性や機能性を示す資料を同庁に届け出れば、国の審査を受けずに事業者の責任で食品の健康効果を表示できる仕組み。小林製薬の紅麹サプリも同食品として届け出られており、問題発覚を受け、有識者検討会が制度のあり方を議論してきた。
見直し案では、同食品の届け出事業者が、医師の診断を受けた健康被害を把握した場合、因果関係や症状の軽重にかかわらず、全ての被害情報を速やかに行政機関へ報告することを求めた。医療関係者だけでなく、消費者やその家族などから寄せられた情報も報告の対象とする。報告先は同庁や保健所を想定している。
同庁のガイドライン(指針)でも健康被害が発生した際は「速やかに報告することが適当だ」としているが、報告するかどうかは事業者の判断に任され、義務化されていなかった。今回の問題では、小林製薬は1月半ばに健康被害を把握したが、国や自治体への報告は2か月以上後だった。
見直し案では、サプリの製造工程について、製品の品質を一定に保つ手法である「GMP(適正製造規範)」に基づく管理の義務化も求めている。
GMPは製品の保管や工場の点検などの方法を定めるもので、国が具体的な手順を公表している。事業者にGMPに基づく管理体制の構築を義務づけ、同庁が必要に応じて立ち入り検査する仕組みが想定されている。
機能性表示食品は現在、届け出後のチェック体制がないため、事業者が法令の順守状況を定期的に確認し、同庁に報告した上で公表することも盛り込んだ。食品のパッケージに、国が安全性などを審査する「特定保健用食品(トクホ)」や医薬品とは異なることをわかりやすく示すことも求めた。
同庁はこれらを義務づけるため、食品表示法に基づく内閣府令である「食品表示基準」の改正を検討する。同庁の担当者によると、健康被害情報の報告など、義務化された内容の実施を怠れば、機能性表示食品として販売することができなくなるという。
◆アルツハイマー病の脳内変化、血液検査で推定する手法開発…早期診断に役立つ可能性 |
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認知症全体の6~7割を占めるとされる「アルツハイマー病」について、症状が出ていない人などの血液を調べることで、脳内でこの病気に特徴的な変化が起きているか高精度で推定する手法を開発したと、東京大などの研究グループが発表した。病気の早期診断に役立つ可能性がある。論文が23日、国際医学誌に掲載された。
アルツハイマー病は、記憶障害や判断力低下などの症状が表れる10~20年前から、脳内に「アミロイド βベータ (Aβ)」や「タウ」と呼ばれる異常なたんぱく質が徐々に蓄積し、神経細胞が傷つくことで脳が 萎縮いしゅく して起きると考えられている。
グループは、認知症の症状がない人と、認知症の前段階とされる「軽度認知障害(MCI)」相当の計474人を対象に、血液中に含まれるAβとタウの量を調べて分析することで、脳内でAβの蓄積が起きている「陽性」か、起きていない「陰性」かを推定した。その上で、医療現場で使われている、脳内の蓄積状態を確認できる「アミロイドPET」と呼ばれる画像検査で確かめたところ、血液検査は90%以上の精度で診断できていた。
昨年12月、認知症の進行を遅らせる効果が認められた「レカネマブ」の投与が始まった。対象は、検査でアルツハイマー病の早期段階と診断された患者に限られるが、アミロイドPET検査ができる施設は少なく、脳脊髄液を採取する検査は体の負担が大きいという課題があった。血液検査は各メーカーが開発を進めており、精度向上が課題となっている。
研究グループの岩坪威・東京大教授(神経病理学)は「アルツハイマー病治療は早期発見が重要だが、負担の大きい検査を多くの人が受けることは現実的ではない。血液検査は診断効率化に役立つ可能性がある。実用化に備えて診療体制の充実が求められる」と話している。
◆「龍涎香」研究、幻の万能薬の日常利用に光…ビタミンDと同じ仕組みで人間に作用する可能性 |
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紀元前より珍重されてきた「 龍涎香りゅうぜんこう 」。その主成分がビタミンDと同じ仕組みで人間に作用する可能性があることが、富山県立大の安田佳織准教授(生化学)らの研究で判明した。幻の万能薬の作用を日常的に利用するための道筋になると期待されている。
安田准教授は、新潟大の佐藤努教授(生物有機化学)らとともに、龍涎香の作用について研究。龍涎香の主成分「アンブレイン」と、魚などに多く含まれるビタミンDの構造が似ていることに着目し、二つの物質が体内で同じような働きをするのではないかと考えた。
ビタミンDを人体に取り込むと、小腸で吸収され、その後、肝臓や腎臓で酵素によって「活性型」に変わる。活性型は細胞に入るとタンパク質でできたビタミンD受容体と結合し、骨形成の促進や免疫の強化などに効く。この仕組みを応用した薬は骨粗しょう症や、皮膚の病気「 乾癬かんせん 」の治療薬としてすでに使われている。
安田准教授は今回の実験で、アンブレインがこのタンパク質に結合するかどうかを確かめると、十分な強さで結びつくことがわかった。つまり、龍涎香の成分はビタミンDと同じような仕組みで、体内に作用する可能性があることになる。
安田准教授は「当初は結合は難しいと思っていたが、うまくいった」と振り返り、佐藤教授も「予想が当たってうれしい」と喜ぶ。
一方、アンブレインとビタミンDが作用する仕組みは、完全に一致していないこともわかった。ともに古い骨を吸収して骨の新陳代謝を促す「破骨細胞」を増やす働きがある。だが、アンブレインとビタミンDは異なる仕組みで破骨細胞を増やしていた。
今回の成果は、龍涎香の成分を薬として使うことにつながる基盤の研究になるという。佐藤教授は「企業と共同研究していいものを作りたい」と展望を語る。安田准教授も「細かいところにはまだ謎があるので、引き続き研究したい」と意気込んでいる。
◆龍涎香 =マッコウクジラから得られる腸管結石。香りは甘く濃厚。クレオパトラや楊貴妃もその芳香に魅せられたとされ、古くから高級な香水、漢方薬、伝承医薬として使われた。商業捕鯨が禁止されて以降、入手が困難になり、今では偶然海岸に打ち上げられた時などでしか入手機会はない。呼び名は、その香りのよさや希少性ゆえに、中国で「龍のよだれが固まったもの」と考えられていたことに由来する。
◆両腕と胸の「アームリング付き浮き具」で3歳男児が一時心肺停止に、背中側に着けると溺れる恐れ |
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両腕につけるアームリングと胸部の浮き具が一体になった「アームリング付き浮き具」と呼ばれる製品を使用中に3歳の男児が溺れる事故があり、同様の事故が発生するおそれがあるとして国民生活センターは22日、注意を呼びかけた。
同センターによると、昨年8月、屋外プールで浮き具を付けて遊んでいた男児が溺れて、一時心肺停止になり、5日間入院した。
本来は胸側に着用する浮き具が、事故当時は背中側に着用されていた。同センターが同様の商品で実験したところ、背中側にあると、うつぶせになった時に浮き具の浮力で反転しにくく、溺れるおそれがあることが分かった。同様の製品はネット通販などで広く販売されている。
◆「紅麹」サプリ、摂取中止しても腎機能回復せず…慢性腎臓病への進行に懸念 |
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小林製薬(大阪市)の「 紅麹べにこうじ 」成分入りサプリメントを巡る健康被害問題は22日、同社が製品の自主回収を発表して2か月となった。サプリを摂取していた人の中には現在も腎機能が回復しない患者が複数いる。このまま回復せず慢性腎臓病に進行する可能性もあり、日本腎臓学会は今月、実態調査に乗り出した。
名古屋市立大学病院に通院する同市内の40歳代女性は3月22日の小林製薬の発表を知って、サプリの摂取を中止。しかし、2か月たっても、腎機能の数値が正常値に戻っていない。
女性は腎臓の尿細管がダメージを受ける「急性尿細管障害」と診断された。腎臓は、老廃物が混じった血液を 濾過ろか し、尿として体外に排出する。その通り道である尿細管は、体に必要なカリウムやリンなどの電解質を再吸収する。
この女性はカリウムやリンなどが不足し、投薬治療を続ける。腎臓の持病はなく、同病院では「何らかの有害成分によるダメージが残っている」とみる。
日本大学板橋病院(東京)でも、治療した8人の患者全員の腎機能が正常値に戻っていない。このうち3人は3か月以上たっており、慢性腎臓病の基準を満たしているという。
同病院の阿部雅紀教授によると、尿細管の組織が硬くなる「線維化」が生じた患者もいる。阿部教授は「線維化すると完全回復が見込めない可能性が出てきた。慢性腎臓病への移行が懸念され、長期的な経過観察が必要だ」と話す。
日本腎臓学会は、 倦怠感けんたいかん や食欲不振などの症状については「摂取を中止するだけで多くは改善がみられた」とする調査結果を出した。一方で、尿細管障害や腎機能の数値悪化がどの程度まで回復するかは分かっておらず、今月、最新の検査データを尋ねる調査を始めた。
サプリメントの回収4割、補償も道半ば
小林製薬は、「 紅麹べにこうじ 」成分入りサプリメントの製品回収や取引先との補償交渉を進めている。
小林製薬は「紅麹コレステヘルプ」など3製品を2021年2月以降、計約110万個を販売した。小林製薬は、問題が発覚した今年3月時点で店舗の在庫や家庭の飲み残しとして約30万個が流通していたと推計しているが、16日までに回収されたのは約4割の約12万個にとどまる。
小林製薬は紅麹原料を直接販売した52社などを対象に、回収に関する費用などを補償する方針で、個別に協議を進めている。4月25日からは3製品を摂取して医療機関を受診した人に医療費や交通費などの支払いも始めた。
24年1~3月期連結決算に、製品回収費用として36億円の損失を計上したが、最終的にどこまで損失が膨らむかは見通せない状況だ。
◆慢性腎臓病= ▽尿に基準値以上のたんぱく質が混じる▽濾過能力が基準値以下に下がる――などの状態が3か月以上続くと診断される。国内の患者は推計約1500万人いる。進行して重症化すると人工透析や腎移植が必要になる。
◆こども家庭庁が「産後ケア」拡充へ…市町村への補助額の上限撤廃、産後うつなど受け入れ支援強化 |
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こども家庭庁は、出産後の女性を心身両面でサポートする「産後ケア」事業の拡充に乗り出す。国から各市区町村への補助額の上限を撤廃し、産後うつなどで支援が必要な母親を受け入れた施設への支援も強化する。今年度中に全ての自治体で事業を実施したい考えで、安心して子育てできる環境づくりを目指す。
産後ケアは、0歳児のいる母親が心身を休められるよう、自治体から委託された助産院や病院が育児を手伝ったり、相談に乗ったりする事業だ。助産師による「居宅訪問型」や、母親が病院などに泊まる「宿泊型」、保健センターへの「通所型」がある。
事業の実施は2021年施行の改正母子保健法で市区町村の努力義務となった。22年度は全国の8割にあたる1462市区町村で実施されたが、利用者は0歳児を持つ母親の10・9%にとどまった。
こども家庭庁は、自治体に事業の実施を促すため、財政支援を手厚くする。
23年度予算の関連事業費は約57億2000万円で、施設運営費の補助は一つの自治体に対して6施設分までしか支給されていなかった。1施設が受け取ることができる補助額は最大で、「宿泊型」が月247万4700円、「居宅訪問型」「通所型」が月169万6000円だった。
24年度は関連事業費を約60億5000万円に増額。6施設分までという上限を撤廃した。1施設が受け取る補助額は、物価高などを反映し、最大で「宿泊型」は月251万9600円、「居宅訪問型」「通所型」は月172万7700円にそれぞれ増えた。
また、特にサポートの必要性が高い母親の利用を増やすため、産後の健診などでうつの傾向があったり、育児への強い不安を抱えていたりする母親を受け入れた施設には、1日あたり7000円加算する。
これらの補助金は国と自治体で半額ずつ負担する。出産後は女性ホルモンの変動で不安定な状態になりやすいとされ、同庁の22年度の調査で、10人に1人の母親に、産後うつの疑いがあった。核家族化などを背景に、親兄弟など身近な人の手を借りにくい人が増えており、政府は産後ケアの普及を進める。
林官房長官は22日午前の記者会見で「子育て家庭の産後の心身の負担軽減を図る観点から、拡充が重要だ。取り組みを通じて全国展開を進めていく」と述べた。
◆病院で睡眠導入剤を箱ごと紛失、紛失時の映像を警察に提出 |
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秋田県横手市立横手病院が向精神薬を紛失した問題で、同病院の柿崎正行事務局長は20日、報道陣の取材に応じ、紛失したのは睡眠導入剤だと明らかにした。
柿崎事務局長の説明によると、3月28日に約100錠入りの箱が納入され、1階の薬剤科内にある薬品保管庫で保管していたが、翌29日に同科職員が箱ごと見当たらないのに気づいた。
同科内は、日中は職員であれば誰でも出入りできるが、夜間は施錠されている。また科内には防犯カメラが設置されており、紛失した時期の映像を横手署に提供したという。
柿崎事務局長は「ご心配とご迷惑をかけたことをおわびする。再発防止策を考えていきたい」と語った。
◆1歳女児、給食のリンゴを喉に詰まらせ死亡…保育士が口に指を入れかき出したことが逆効果か |
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東京都は21日、国分寺市の認可外保育施設で2022年、当時1歳5か月の女児がリンゴを喉に詰まらせて死亡する事故があったと発表した。
発表によると、事故が起きたのは22年11月29日昼。給食でリンゴ(各辺約2センチ、厚さ約3ミリ)を食べていた女児が眠そうな様子だったため、保育士が口に指を入れてリンゴをかき出した。その後、女児はぐったりして意識を失い、搬送先の病院で死亡した。死因は低酸素脳症。口に指を入れられたことに驚き、リンゴが気道に詰まって窒息した可能性があるという。
都は有識者による検証委員会を設置し、事故の経緯を調査。21日に公表された報告書は、女児が自宅ですり潰されたリンゴを食べていたとの情報を施設内で共有していなかったと指摘し、「丁寧に家庭での食事の状況を聞き取り、職員が共有できる仕組みが必要だった」と結論付けた。都に対しては、施設側が 誤嚥ごえん を想定した実践的な研修を行えるよう支援することを求めた。
◆和光堂ベビーフード5商品、9万5000個を自主回収…フッ素樹脂混入 |
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アサヒグループ食品は20日、展開する和光堂ブランドのベビーフード5商品計約9万5000個を自主回収すると発表した。製造時にフッ素樹脂が混入していた。健康被害は確認されていないという。
回収の対象は全国で販売した「栄養マルシェ 鮭のまぜごはんランチ」や「栄養マルシェ 牛肉おこわランチ」、「BIGサイズの栄養マルシェ 田舎風弁当」などで、いずれも賞味期限が来年5~6月の商品。
購入者から連絡があり、同社が調べたところ樹脂の混入が確認された。樹脂は製造ラインの部品の一部だったという。問い合わせは、専用ダイヤル(0120・223・076)へ。
◆小学生の永久歯を誤って抜く、4年過ぎても生えず判明…兵庫県立病院 |
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兵庫県は17日、県立病院で患者の永久歯を誤って抜くなど、計2件の医療事故を公表した。
発表によると、2019年3月、県立尼崎総合医療センターで、通常の本数よりも多く形成された歯を抜く手術を当時小学生だった患者に実施。4年が過ぎても永久歯が生えないため、昨年3月に調べたところ、誤って別の永久歯を抜いていたことが判明した。
また、今年1月、県立はりま姫路総合医療センターで、骨盤骨折の手術を受けた30歳代の男性患者に対して医師も看護師も術後の適切な処置を行わなかった。男性は左足にしびれが残り、4月の退院後もリハビリを続けているという。
県は「医療安全対策の取り組みを進め、再発防止に努める」などとしている。
◆行政処分の相次ぐ後発薬メーカー、厚労省が全172社に製造方法の自主点検を要請…不正再発へ対策 |
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厚生労働省は、ジェネリック医薬品(後発薬)メーカーによる相次ぐ品質不正問題を受け、全172社に製造方法などを自主点検し、所管する都道府県に報告するよう要請した。定められた製造手順から逸脱するケースが目立つため、点検は書面上のチェックだけでなく、従業員へのヒアリングも行って実効性を高める。10月末を報告期限とし、品質不正の再発を防ぎ、薬の供給不足が生じないようにする。
後発薬メーカーの一斉自主点検は2021年、小林化工(福井県)による品質不正などを受け、日本ジェネリック製薬協会に加盟する約30社で実施したが、今回は全社に拡大する。
薬を製造する際、国の製造販売承認書に記載された方法から逸脱した手順で行えば、品質や安全性に影響を与える可能性がある。このため、自主点検では、承認書と製造現場の手順書などを突き合わせ、製造手順がきちんと守られているかをチェックする。製造された薬の品質を確かめる試験の方法も点検する。
ヒアリングは製造担当者などを対象に、〈1〉製造方法は手順通りか〈2〉記録に残らない作業はしていないか〈3〉不正を見聞きしたことはないか――などを確認する。結果は文書化して保管し、都道府県の立ち入り検査で確認できるようにする。自主点検は第三者機関の活用も推奨し、結果は各社がホームページなどに公表する。
後発薬メーカーを中心に20年以降、品質不正問題が相次ぎ、製造現場のずさんな実態が明らかになっている。沢井製薬(大阪市)や日医工(富山市)など計21社が、業務停止命令といった行政処分を受け、薬の供給不足を招いている。安定供給に向け、厚労省の有識者検討会は近く、効率的な生産を行うため、メーカーに業界再編を促すことなどを盛り込んだ報告書をとりまとめる予定だ。
◆大阪公立大で青酸カリなど紛失…160~250人分の致死量に相当、届け出に2週間 |
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大阪公立大は16日、杉本キャンパス(大阪市住吉区)にある大学院工学研究科の研究室で、いずれも毒物の青酸カリ(シアン化カリウム)と青酸ソーダ(シアン化ナトリウム)の粉末計50グラムを紛失したと発表した。160~250人分の致死量に相当するという。
発表によると、年1回の定期点検が行われた5月2日、実験用に購入した粉末25グラムずつが入った瓶2本が薬品の保管庫からなくなっているのに教員が気づいた。最後に確認されたのは昨年6月の定期点検だった。
保管庫には鍵がかかっており、鍵が入った専用ボックスは、事前に登録した教員と学生計18人が職員証や学生証を使って開ける仕組みだった。ボックスを開閉すれば日時や氏名が記録されるため、部外者が持ち出した可能性は低いという。
毒劇物取締法では、青酸カリなどを紛失した場合は速やかに警察に届け出る義務があるが、大学側が大阪府警に届け出たのは2週間近くたった15日だった。
同大学の桜木弘之副学長は記者会見で、「法令に対する認識が甘かった。心配をかける事態を招き、深くおわび申し上げる」と謝罪。府警に被害届を出すことを検討するという。
◆生活保護受給者の女性宅を訪問し性的関係、20代ケースワーカーを懲戒処分…東京・江戸川区 |
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東京都江戸川区は15日、生活保護の事務を担当する20歳代の男性職員について、受給者の女性と不適切な関係を持ったとして、停職3か月の懲戒処分にした。
発表によると、職員はケースワーカーで、2022年11月に職務で女性の自宅を訪問した際、性的な関係を持ったという。職員は同年春から女性を担当していた。
今年に入り、外部からの情報提供で発覚した。区は、女性への支給額や支給時期は適切だったと判断しているという。
◆奈良市の公立小中学校の給食に羽虫混入…保健所が工場に立ち入り検査 |
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奈良市内の複数の公立小中学校で、給食の米飯に羽虫が混入していたことが市教育委員会への取材で分かった。健康被害は確認されていないという。
市教委によると、13日までに混入が確認されたのは、富雄中(9日)▽富雄南中(2、9日)▽都跡中(13日)▽帯解小(2、9日)▽東登美ヶ丘小(13日)――の5校で、いずれも米飯に3~5ミリ程度の羽虫が混入していた。羽虫は米飯をいれた容器内のビニール製袋や米飯から、配膳や検食の際に見つかった。
米飯は委託業者の市内の工場から納入。各校は、部分的な除去や別の米飯に替えるなどして対応した。
市保健所が工場への立ち入り検査を行い、混入の原因を調べる一方、防虫ネットの導入などを指導した。
◆救急搬送で道を間違え病院到着に遅れ、80代女性は病院で死亡確認…横浜市消防局 |
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横浜市消防局は13日、救急隊が急病人を搬送する際に経路を誤り、病院の到着が13分遅れるミスがあったと発表した。心肺停止状態で搬送されていた80歳代の女性は病院で死亡が確認された。
発表によると、13日午前8時15分頃、横浜市戸塚区の高齢者福祉施設から119番があり、保土ヶ谷消防署権太坂救急隊が出動した。女性を病院に搬送する途中、横浜新道の分岐点で進行方向を誤り、到着が13分遅れた。女性は救急隊の到着直後に心肺停止となり、救急救命処置を行いながら搬送していた。医師からは「遅延が与えた影響は不明」と説明を受けているという。
保土ヶ谷消防署の森屋司署長は「心よりおわび申し上げる。再発防止を徹底する」と話した。
◆産婦人科の2000人分の患者データ漏えいの可能性…近大病院で医師が無断持ち出し |
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近畿大学病院(大阪府大阪狭山市)は13日、産婦人科に勤務していた40歳代の男性医師が、約2000人分の患者データを無断で持ち出していたと発表した。個人情報が漏えいした可能性があるが、現時点で被害は確認されていないという。
発表によると、医師は研究目的で、2004年12月~17年7月に受診した患者2003人の氏名や年齢、血液検査データなどの情報を必要な申請をせずに個人用パソコンに保存し、持ち出していた。
医師は非常勤で働いていた今年2月、パソコンを使用中、画面に「ウイルスに感染している」と表示されたため、サポート名目で出された指示に従いソフトをダウンロード。その際、パソコンが遠隔操作される状態になり、個人情報が閲覧された可能性があるという。
同病院は3月末、不適切な行為だったとして医師との契約を打ち切った。
◆「胃がん」と誤診され胃を全摘、手術後に逆流性食道炎の後遺障害…医師に1250万円賠償命令 |
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熊本市の女性が胃がんと誤診されて手術で胃を全摘した結果、後遺障害が出たとして、検査した医師らに約3460万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が10日、熊本地裁であった。品川英基裁判長は診断した医師の誤診を認め、約1250万円の支払いを命じた。
判決によると、女性は胃がんと診断され、2015年10月に同市の病院で胃の全摘手術を受けた。その後、胃がんではなかったと判明。女性は術後、逆流性食道炎などの後遺障害が生じた。医師は病理診断が誤っていたことは立証されていないと反論したが、判決は「確定的に胃がんと診断できる証拠はなかった」と注意義務違反を認め、約1250万円の賠償を命じた。
女性は、同市医師会や病理検査を依頼した病院を運営する医療法人なども注意義務違反があったと主張したが、退けられた。被告医師の代理人は「納得できず、控訴する方針」と話した。
◆目と口を養生テープで塞ぎ撮影…知的障害者施設の30代女性職員「大声を出したのでどうにかしようと」 |
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社会福祉法人「和歌山県福祉事業団」は9日、運営する同県上富田町の知的障害者支援施設「南紀あけぼの園」で、30歳代の女性職員が入所者の目と口を養生テープで塞ぐなどの虐待を行っていたと発表した。女性職員は「入所者が大声を出したので、どうにかしようと思った」などと説明しているという。事業団は10日付でこの職員を懲戒解雇する。
発表では、女性職員は1月1日夜、自室にいた入所者の目と口をテープで塞ぎ、その様子をスマートフォンで撮影して画像を同僚に送信。他の複数の利用者にも顔を平手打ちしたり、部屋に押し込めたりするなど少なくとも8件の虐待を行っていた。いずれもけがはなかった。
別の職員が園長に報告して発覚した。事業団は別の職員2人についても、虐待を目撃しながら報告を怠っていたなどとして減給処分とする。
◆救急救命士、自らやるべき静脈路確保を心肺停止男性の妻に代行させる…「看護師だと知りお願いした」 |
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佐賀県の伊万里・有田消防本部(中島徳夫消防長)は8日、有田消防署(仲尾博署長)の男性救急救命士(49)が、心肺停止状態の有田町内の男性に対する救急活動の際、救命士が自ら行うと定められた静脈路確保を、看護師である男性の妻に依頼し代行させたとして、戒告の懲戒処分を行った。
同消防本部の発表によると、救命士が4月20日、119番で男性宅に駆けつけた際、点滴・薬剤投与のための針を刺す必要があると判断し、妻に依頼した。救命士は帰署後、活動報告書にこの件を記し、口頭で上司にも報告したという。
調査に対し、現場に向かう途中で妻が看護師だと知った、とし、「現場が緊迫しており、やってはいけないと分かっていたが、お願いした」と説明した。男性は一命をとりとめ、社会復帰を果たしたという。
◆医療機関の6割「マイナ保険証でトラブル」、最多は「旧字が表れない」…他人の個人情報ひもづけも |
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茨城県保険医協会は1日、健康保険証とマイナンバーカードを一体化した「マイナ保険証」に関する医療機関への調査結果を発表した。昨年10月からの約3か月間で、約6割の医療機関が「トラブルがあった」と回答した。
調査は昨年11月24日~今年1月10日、県内の医療機関を対象に実施し、332施設から回答を得た。
トラブルの有無で「あった」と答えたのは196施設で59%を占めた。トラブルの内容(複数回答)は、「名前や住所で旧字体が表示されない」が158件(31%)と最も多く、「最新の加入保険の種類や名前などの情報が反映されない」の94件(18%)が続いた。他人の個人情報がひもづけられた例も4件あった。
一方、同協会は1~2月、マイナ保険証に関する県民の意向調査も実施。回答者は619人で、9割超が60歳以上だった。調査結果では、マイナ保険証の利用に関して「不安を感じている」とした人が81%に上った。マイナ保険証を持っていない人も393人と63%を占め、理由に「情報漏えいの不安があるから」と回答したのは、そのうち70%にあたる278人だった。
同協会の高橋秀夫会長は「マイナ保険証の利用方法について、住民や医療機関への説明が不十分だと感じる。トラブルを減らし、不安解消につなげてほしい」と語った。
◆小学校給食の豚汁に金属片、児童が気付いて吐き出す…野菜カッターの一部が破損し混入か |
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福井市教育委員会は1日、市立社北小で提供された給食の豚汁に、金属片2個が混入していたと発表した。
市教委によると、金属片はいずれも棒状で、長さ1センチ程度。同日昼頃、豚汁を食べた5年生の児童が金属片に気づいて1個を吐き出した。6年生のクラスでも1個あり、担任が配膳後に気づき、食べないように呼びかけた。児童らにけがや体調不良は確認されていない。
市教委は、調理で使われた野菜カッターの刃ではない部分が破損して混入したとみている。市教委保健給食課は「再発防止を徹底したい」としている。
◆整体やマッサージの部屋とトイレにカメラ、女性を撮影容疑…65歳の経営者を再逮捕 |
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整体やマッサージのため自宅を訪れた女性客を盗撮したとして、佐賀県警神埼署は1日、福岡県久留米市の自営業の男(65)を性的姿態撮影処罰法違反(撮影)と福岡県迷惑行為防止条例違反(卑わいな行為等の禁止)の疑いで再逮捕した。「トイレや部屋で繰り返し盗撮していた」と容疑を認めているという。
発表によると、男は2021年9月19日から今年4月5日までの間、自らが経営し、整体やマッサージを行う自宅で、トイレと施術などを行う部屋の2か所にスマートフォンなどを設置し、女性客4人の性的な部位や、下着姿などを撮影した疑い。
同署は4月10日、神埼市内の公衆トイレで小型カメラを使用し、女性の性的な部位を撮影したとして男を逮捕。その捜査の過程で今回の事件が分かった。
◆大牟田病院職員が患者に性的虐待、院長謝罪「通常の医療や介護行為の一環と捉えていた可能性」 |
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福岡県大牟田市の国立病院機構大牟田病院で、複数の男性職員が入院患者に性的虐待が疑われる行為を繰り返していた問題で、同病院は2日、虐待を受けた可能性がある患者11人のうち、調査した自治体が職員2人による患者6人の虐待を認定していたことを明らかにした。
病院によると、これまでに虐待を認定されたのは女性4人と男性2人の6人。▽女性患者の胸をつかむ▽おむつの交換時に下半身を長時間観察する――などの行為が確認された。被害者は身体に障害があり、自力で体を動かせなかったり、意思疎通が難しかったりする患者だった。国指定の難病「筋ジストロフィー」や重症心身障害者らの病棟に入院しており、虐待行為の多くは夜間、患者と職員が2人きりの時に行われていた。
病院によると、昨年12月~今年2月、虐待が疑われる行為が判明し、患者の居住地などの自治体に通報。病院側の調査では、虐待が疑われる行為は遅くとも2021年頃から始まり、介護職員や看護師計5人が関わった可能性がある。このうち、自治体側は介護職員2人の虐待を認定。残る3人のうち1人の行為は虐待とは認められず、2人は調査が続いている。
虐待が組織内で長期間にわたって続いていた疑いもあり、病院は弁護士らによる第三者委員会を設置して実態調査を進めている。
虐待を認定された介護職員2人は3~4月に退職した。川崎雅之院長は2日に開いた記者会見で、「(職員が)通常の医療や介護行為の一環と捉えていた可能性がある」と説明した上で、「責任を痛感し、二度と起きないようにしたい」と謝罪した。
事態を重くみた福岡県も現地調査を行う方針で、「速やかに事実確認を進めたい」(障がい福祉サービス指導室)としている。
◆病院職員が身体障害ある患者11人に性的虐待か…女性患者が「下半身を触られた」と被害訴え |
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福岡県大牟田市の国立病院機構大牟田病院で、男性職員5人が身体に障害がある入院患者11人に対し、下半身を触るなどの性的虐待が疑われる行為を繰り返していたことが分かった。病院は障害者虐待防止法に基づき、患者の障害福祉サービスの支給を決定した自治体に通報した。
病院によると、昨年12月19日に女性患者から「介護職員から下半身を触られた」との訴えがあった。聞き取り調査の結果、男性の看護師と介護職員計5人が入院患者の男女11人に対し、陰部を触るなどの行為をしていた疑いがあることが判明。11人の中には、筋肉が徐々に弱っていく国指定の難病「筋ジストロフィー」の患者もいた。
1日時点で11人のうち6人(女性4人、男性2人)について、通報を受けた自治体が「虐待があった」と認定したという。病院は取材に対し、「職員の倫理観が欠如していた」とし、2日に記者会見を開いて詳細を説明するとしている。
川崎雅之病院長は1日、「深くおわび申し上げる。第三者委員会で、徹底した原因究明と対策を講じるよう進めていく」とのコメントを出した。
◆緊急入院の10代男性、状態悪化も予定通り手術し17日後に死亡…神奈川県立こども医療センター |
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神奈川県立こども医療センター(横浜市南区)は1日、2月に入院し、手術を受けた10歳代男性が、手術の17日後に死亡する医療事故が起きたと発表した。同センターは「入院から手術までの間に行った医療に起因して死亡した可能性がある」として、5月中にも外部専門家を加えた事故調査委員会を設置し、原因究明を行う。
発表によると、同センターに通院していた男性が2月、自宅で痛みを訴えるなどして救急外来を受診し、緊急入院した。
翌日の外科手術が決まり、点滴や投薬を受けていたが、手術直前に血圧変動など状態が悪化した。手術は予定通り行われたというが、男性は集中治療室で意識が戻らないまま、17日後に亡くなった。
1日に県庁で記者会見した永渕弘之・副院長は「担当医は(男性の)状態は良くなかったが、亡くなるとまでは考えていなかった。事故調査委員会で客観的に判断してもらいたい」などと述べた。
◆電子カルテを不正閲覧、患者の診療日に待ち伏せや非通知で電話…市立病院の30代技師を停職 |
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三重県四日市市は1日、市立四日市病院の医療技術部に勤務する30歳代の男性技師を停職6か月の懲戒処分にした。
発表によると、男性は1月20日~2月18日、診療に関わっていない知人の患者の電子カルテを複数回にわたり不正に閲覧。患者の診療日に合わせて院内で待ち伏せしたり、患者の携帯電話に非通知で電話をかけたりしたという。
市は、こうした行為は病院の信用を大きく失墜させ、地方公務員法に違反したとしている。
2月上旬、患者から病院に相談があり、発覚した。男性は事実を認めており、謝罪の意思を示しているという。
◆成分足りない「正露丸」、虚偽の試験結果で出荷…富山のキョクトウに業務停止命令 |
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胃腸薬「正露丸」の試験結果を改ざんして出荷したなどとして、富山県は26日、富山市の製薬会社「キョクトウ」に対し、医薬品医療機器法に基づく業務停止命令を出した。これまで県に健康被害の情報は寄せられていない。30日から、医薬品製造を23日間、販売を22日間停止させる。
県によると、同社は国の規格で必要な成分が足りていないのに、虚偽の試験結果を作成して商品を出荷。2022年夏に実施された県の抜き打ち調査で不備が見つかり、同社は516万個の自主回収を行った。同社によると、試験結果の改ざんは21年12月から行われていたという。
同社は「法令順守の意識が欠けていた。関係者の皆さまに対し、心からおわび申し上げる」とのコメントを発表した。
正露丸は、複数の製薬会社が製造している。
◆濃度1・5倍のBCGワクチン、香川の病院が8年間接種…看護師ら説明書確認せず
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香川県綾川町の陶病院は25日、結核を予防するBCG接種で約8年間にわたり、通常より1・5倍濃い濃度のワクチンを誤って投与していたと発表した。
接種の期間は2016年4月頃~24年3月8日で、いずれも1歳未満で綾川町の630人、高松市や丸亀市など他の自治体の82人の計712人が受けていた。同院は誤って接種した人数は把握していないが、7割程度が該当するとしている。
同院によると、ワクチンを準備する際、複数の看護師が0・15ミリ・リットルの生理食塩水でワクチンを溶かすべきところを、誤って0・1ミリ・リットルで希釈していた。ワクチンに添付された説明書を確認せず、前任者らの誤った説明のまま行っていたことが要因という。
BCG接種では元々、まれにリンパ節の腫れやケロイドの形成といった副反応が起こるとされている。濃度が高まることで、副反応が出やすくなる恐れがある。ただ、一般的に接種から1年以上経過した場合、副反応が起こる可能性は極めて低いとしている。現状で体調不良などの報告は入っていない。
また、ワクチンの効果には問題はなく、再接種の必要はないとしている。
同院の大原昌樹院長は記者会見で「関係者の皆さまに多大なご心配をおかけしていることに心から反省している」と謝罪。今後は、看護師が説明書を確認し、相互確認を行うなど再発防止策を講じる予定。接種した人の自宅に謝罪の文章を送付しており、院内に相談窓口(087・876・1185)を設置した。
◆国内初の飲む中絶薬「メフィーゴパック」、発売半年で724人服用…副作用14件も重篤例なし |
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人工妊娠中絶のために使う国内初の飲み薬「メフィーゴパック」について、昨年5月の販売開始から半年間で724人が服用したことが分かった。11人に計14件の副作用があったが、重篤な例はなかった。横浜市で開かれた日本産科婦人科学会で21日、発表された。
発表データは、製造販売元のラインファーマがまとめた。販売された昨年5月16日から半年間に82施設(25病院、57診療所)に納入された。副作用は 嘔吐 4件、出血と下腹部痛が各3件、吐き気2件、じんましんと発熱が各1件だった。
薬は母体保護法指定医のもと妊娠9週0日までに使う。世界保健機関(WHO)が安全で効果的な方法と推奨するが国内では長年、手術しか認められていなかった。2022年度は約12万件の中絶が行われた。
発表した日本産婦人科医会常務理事の石谷健・日本鋼管病院婦人科部長は「大きなトラブルの報告はなかった。必要な女性が使いやすい体制に向けて議論してゆくべきではないか」としている。
◆むし歯や歯周病 1回にまとめて治療できないのはなぜ?…受診回数を減らすポイント |
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Q むし歯で歯医者に行ったら、何回も通うことになったよ。時間がかかるんだね。
ヨミドック 歯の治療が長引くのは、むし歯がかなり進行していたり、何本もあったりする場合です。歯の中の神経にまでむし歯が進んだケースの治療では、まずむし歯の部分を取り除き、神経を抜いて殺菌します。症状がなくなるまで歯の根の中をきれいにするには、何回か通院を要します。歯周病治療でも、検査や、原因となる 歯垢 と歯石の除去に時間がかかります。
Q 1回にまとめて治療できないの?
ヨ 治療内容にもよりますが、1本の歯の処置には15分はかかります。複数のむし歯の治療なら、その分時間は延びます。治療中、口を開けている患者の負担を考えると、1回に治療できる歯の本数は限られますよね。また、保険診療では、1回当たりの医療費が高いと、行政から歯科医療機関に指導が入るため、集中的な治療を行いにくい面があります。
Q 治療途中で通院をやめたらどうなる?
ヨ 痛みがなくても、治療中で表面を守るエナメル質を削った歯は、むし歯が進みやすいので、金属や樹脂で歯を覆うまで治療が必要です。薬の服用で回復する病気と違い、歯科治療は何回か処置を受けるものと考えてください。
むし歯や歯周病 1回にまとめて治療できないのはなぜ?…受診回数を減らすポイント
Q 治療を短くするには?
ヨ まずは早期に治療することです。軽症であるほど早く治療が終わります。むし歯や歯周病を早めに発見するため、定期的に通院し、自治体の歯科健診があれば活用しましょう。普段から丁寧に歯を磨くことが予防になります。
Q 歯科医に治療の見通しを尋ねても大丈夫かな。
ヨ 聞いてください。症状や経過によって治療回数は変わりますが、先の見通しがたてば負担感も和らぐでしょう。治療内容に疑問がある場合には、他の歯科医療機関を紹介してもらい、別の歯科医の意見を聞くのも一手です。
歯科医を選ぶ時には、治療内容、費用、時間について、考え方が自分に合っているかどうかが大切です。
Q 治療中の心がけは?
ヨ 歯科での指導通りに、口内のケアや歯磨きの方法を守りましょう。遅刻や直前の受診取りやめは控えてください。予定通りの治療ができなくなり、治療期間が延びる原因になります。(米山粛彦/取材協力=貝塚浩二・コージ歯科院長、熱田亙・ブロッサムデンタルオフィス院長)
◆受動喫煙による肺がんは、喫煙者と異なる遺伝子変異を誘発か…良性腫瘍のがん化促す可能性 |
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国立がん研究センターなどの研究チームは、受動喫煙が肺がんを引き起こす仕組みの一端を明らかにしたと発表した。喫煙者の肺がんとは異なる遺伝子変異を誘発し、良性腫瘍のがん化などを促していると考えられるという。
国内の肺がんの死亡者数は年間約7万6000人で、日本人のがんの中で最も多い。他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙は肺がんの発症リスクになることが分かっていたが、発がんの仕組みは不明だった。
チームは、同センター中央病院で肺がん手術を受けた女性413人が提供したがん細胞の遺伝情報を解析。喫煙者と、継続的な受動喫煙の経験がある人、ない人の3グループに分けて比較した。
その結果、受動喫煙の経験がある人では、良性腫瘍をがん化させたり、がんの悪性度を増したりしているとされる「 APOBEC 」というタイプの遺伝子の変異が多くみられた。一方で、喫煙者の肺がんでよくみられるタイプの遺伝子変異は少なかった。
同センター研究所の河野隆志・ゲノム生物学研究分野長は「受動喫煙の健康リスクを遺伝子レベルで明らかにできた。
APOBEC変異を抑える薬の開発が受動喫煙による肺がんの予防や治療につながる可能性も示せた」と話している。
◆コロナワクチン接種後に死亡、遺族13人が9100万円の損害賠償求め国を提訴 |
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新型コロナウイルスのワクチンを接種した後に死亡した人の遺族ら計13人が17日、国がワクチンの危険性を十分に知らせないまま接種を推奨して被害を広げたとして、国に計約9100万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
原告側は訴状で「国は重篤な後遺症や死亡が続発している事実を伝えなかった」とし、「ワクチン接種の危険性を知ることができず、死亡や後遺障害などの被害を被った」と主張している。
厚生労働省は「訴状を受け取っておらず、コメントを差し控える」としている。
◆機能性表示食品の健康被害、小林製薬以外でも…22社で延べ147件の報告が医療従事者から |
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小林製薬(大阪市)の「 紅麹 」成分入りサプリメントを巡る健康被害問題を受け、全ての機能性表示食品の緊急点検を実施している消費者庁は18日、22社が、35食品で延べ147件の健康被害報告を医療従事者から受けていたと発表した。死者は確認されていない。
同庁は12日、速報値として11社が18食品で延べ117件の健康被害報告を受けていたと発表。その後に事業者から届いた回答も含め、今回改めて集計した。まだ回答していない事業者もあり、5月中旬をめどに最終的な分析結果を発表する予定だという。
◆消化器外科医の当直明け手術、「いつも」「しばしば」7割超…「まれに手術の質低下」は63% |
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胃がんや大腸がんの手術などを行う消化器外科医のうち、1か月の時間外労働が80時間以上だったと答えた割合が16・7%に上ったことが、日本消化器外科学会の調査でわかった。年間に換算すると、4月から始まった「医師の働き方改革」の上限規制の一つである960時間を超えており、外科医の厳しい勤務実態が浮き彫りとなった。
調査は昨年8~9月、65歳以下の会員1万5723人を対象に実施し、2932人(18・6%)から回答を得た。
その結果、直近1か月の時間外労働は80~100時間未満が9・1%、100時間以上が7・6%となった。合計した16・7%が原則年960時間になった残業上限を超過する恐れがあり、何らかの対策を講じる必要性があるとみられる。
当直明けに手術を行うかどうかを尋ねたところ、「いつも」が38・4%で最も多く、「しばしば」が34・7%に上り、合計で7割を超えた。このうち、当直が手術に与える影響については「まれに手術の質が低下する」が63・3%に達し、「疲労による医療事故の経験がある」と答えた人は3・5%だった。
調査にあたった北里大の比企直樹・上部消化管外科学主任教授は「消化器外科医は過酷な仕事のイメージから年々減少しており、危機的な状況だ。労働環境を改善し、なり手を増やさないと、救える命が救えなくなる」と話している。
◆肺がん疑い見落とし治療2年以上遅れるミス、病状悪化し80代男性死亡…名古屋大病院が遺族に謝罪 |
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名古屋大病院(名古屋市昭和区)は11日、2016年、男性患者に対する検査の診断結果に見落としなどがあり、治療が2年10か月遅れるミスがあったと発表した。男性は病状が悪化し、死亡した。病院は遺族に謝罪し、賠償金を支払うことで和解した。
発表では80歳代(死亡時)の男性は同年3月、下腹部の痛みがあり胸腹部CT検査を受けた。肺にがんが疑われる影があり、放射線科医が再検査を推奨する診断結果を作成したが、主治医の泌尿器科の40歳代(当時)の男性医師が見落とし、明らかな異常所見がないと判断した。
また、16、17年には定期受診で白血球、血小板の数値が高い値だったが、特段の対応をしなかった。男性は、改めて18年に同病院血液内科を受診した際、肺に異常が見つかった。翌年肺がんと診断され、その後治療を受けたが、22年3月に死亡した。
同病院は、肺への異常を認識した後、診断に至った経緯を見直していた。同年には、県弁護士会や専門家ら複数の外部委員を交えた調査委員会を設置。適切な治療が行われなかったことにより、がんの診断が遅れ、余命に影響したと結論づけた。同病院では、14年以降、検査の診断結果の見逃しによって、患者の死が早まったとされる事例が他に5件判明しており、再発防止策を講じてきた。
◆大阪・吹田市民病院で医療事故、医師が誤って動脈切断…40代男性患者が死亡 |
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大阪府吹田市の市立吹田市民病院は15日、2021年に実施した手術で医師が40歳代の男性患者の動脈を誤って切り、死亡させる医療事故があったと発表した。
発表によると、21年6月24日、腎臓がんだった男性の左の腎臓を 腹腔 鏡を使って摘出する際、外科医が本来切る必要がない動脈2本を切った。男性は大量出血し、同日中に出血性ショックで亡くなったという。
同病院はミスを認め、今年3月に男性の遺族と和解が成立したことから公表した。内藤雅文院長は「二度とこのような事故を起こさないよう再発防止に努める」とコメントした。
同病院では20年10月にも、肺がんの内視鏡手術で、医師が男性患者の大動脈を傷つけ、その後、男性が死亡する医療事故が起きていた。
◆梅毒と診断された妊婦、昨年は最多383人…胎内感染「先天梅毒」の赤ちゃんも最多37人 |
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性感染症の梅毒と2023年に診断された妊婦は383人(速報値)で、この統計を取り始めた19年以降で最多となったことが、国立感染症研究所(感染研)のまとめでわかった。妊婦の胎内で感染した「先天梅毒」の赤ちゃんは、難聴や知的障害などを持つ恐れがあり、感染研は注意を呼びかけている。
感染研によると、23年の梅毒患者は計1万4906人(速報値)で、現在の調査方法となった1999年以降で最多となった。
これに伴い妊婦の患者も増えている。梅毒の診断時に妊娠が確認された人は、2019~21年は年200人前後だったが、22年は267人となり、23年は約1・4倍の383人に増えた。同年は先天梅毒の赤ちゃんも37人(同)と最多を更新した。
梅毒は主に性的接触で感染し、性器や口にしこりができ、全身に発疹がでる。血液検査で感染を調べられる。妊婦の患者のうち75・2%は、診断時には梅毒の症状は確認されなかった。感染していた場合は、抗菌薬で治療できる。
三鴨 広繁・愛知医大教授(感染症学)は、「妊婦健診の梅毒の検査では無症状でも発見できるので、確実に受けてほしい。感染していた場合は、速やかに抗菌薬治療を行うことで、母子感染のリスクは減らせる」と話している。
◆塾・習い事・部活動で子どもも忙しく…小中高生の半数以上「寝不足」、学校で広がる「眠育」 |
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東京大と理化学研究所の調査で、小中高生の半数以上で睡眠時間が不足している実態が明らかになった。塾や習い事による多忙化や夜間のスマートフォン使用などが背景にあるとみられる。特に成長期の睡眠不足は心身の発達に悪影響を与え、生活リズムの乱れから不登校につながるケースも。一部の学校では、昼寝によるリフレッシュ効果を狙った取り組みが進む。
東大と理研の研究チームは2022年9月から、小中高生計約5万人を対象に睡眠の実態を調査している。
3月に公表された中間結果によると、今年1月までに約7700人の睡眠状況を専用の機器で調べたところ、平均睡眠時間は小学6年生7・90時間、中学3年生7・09時間、高校3年生6・45時間だった。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド」は、小学生は9~12時間、中高生は8~10時間の睡眠時間を推奨している。だが、研究チームの調査では、全体の半数以上が推奨時間を満たしていなかった。
東京都立多摩北部医療センター(東村山市)の小児睡眠障害外来では、患者数が近年増加傾向にある。22年度は年間155人だったが、23年度は今年2月末までで207人に上った。
小保内俊雅・小児科部長によると、睡眠障害の子どもには〈1〉部活動や塾、習い事でスケジュールが過密〈2〉スマホやパソコンなど電子機器使用が多い――といった傾向がみられるという。
学校現場も対応を模索している。
奈良市の私立帝塚山小学校は17年度から、昼休みの後に15分間の「お昼寝タイム」を設けている。遠方からの電車通学で起床時間の早い児童も多く、午後に眠気を訴える声があったことから始めた。
4月15日午後1時過ぎ、児童たちは照明を消して薄暗くなった教室で、机の上の枕に頭を乗せて寝入っていた。5年の男子児童(10)は「少しでも昼寝できると、午後の授業も集中できる」と話す。
堺市では15年度から、適切な睡眠のあり方を教える「眠育」に取り組む。児童生徒に睡眠時間を記録させたり、授業で睡眠の意義を教えたりする。不登校対策から始まったもので、生活リズムが乱れていると思われる児童生徒には個別に面談もしている。市立三原台中では、眠育を始めた15年度に35人の不登校生がいたが、20年度には16人に減ったという。
日本睡眠学会理事長で久留米大学長の内村直尚さんは「学校で居眠りが続く子どもがいれば家庭と情報共有するなど、子どもの睡眠が足りているかを把握してほしい」と呼びかけている。
◆外科医の前院長が入院患者を「抱え込み」、適正化の要望も応じず…糖尿病見落とし患者死亡 |
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神戸徳洲会病院(神戸市)で糖尿病患者が必要な治療を受けられず死亡した問題で、主治医だった前院長が当時、入院患者の約3分の1にあたる50人超を受け持っていたことが神戸市の調査でわかった。市は患者を抱え込んで無理な診療を続けたことが問題の一因とみており、今月上旬に市が受理した病院側の改善計画書には医師1人が受け持つ入院患者数の上限が盛り込まれた
市医務薬務課などによると、死亡したのは70歳代の男性患者で、昨年9月に肺炎で入院。主治医となった外科医の前院長は糖尿病の既往歴を見落とし、インスリン投与が中断された。男性は10日後に死亡した。
その後の調べなどで、この頃、前院長は入院患者約170人のうち約55人を受け持っていたことが判明。病院関係者は「前院長の患者の多さは異常だった」と話す。
同病院ではカテーテル手術で複数の患者が死亡する問題があり、昨夏以降、医師の離職が続いて人員不足に陥った。医療安全の観点から救急搬送の受け入れを停止し、業務量を適正化するよう複数の医師らが求めたが、前院長は応じず、自ら多くの患者を抱え込んだという。
市は同病院の診療体制を調査。医療法上、医師1人が受け持つ入院患者数の規定はないが、徳洲会グループの他の病院が多くて30人程度にしている実態を把握し、「50人超は非常に多い」と判断した。一人ひとりの患者に目が行き届くよう担当人数を適正化する措置を怠り、医療安全への意識が希薄だったとして体制の見直しを求めた。
一連の問題で市は今年2月、「医療法に繰り返し違反した」として運営法人の徳洲会に改善命令を出した。法人は3月に改善計画書を提出。今月上旬に受理され、担当患者の上限も明記された。数は非公表だが30人未満という。前院長は4月1日付で系列病院に異動した。
「命を軽視」遺族が批判
死亡した男性患者の妻が読売新聞の取材に応じた。妻は「防げたミス。命を軽視している」と病院を批判した。
夫は新型コロナウイルス感染で肺炎を患い、大学病院に入院。回復してきたため昨年9月5日、糖尿病治療でかかりつけだった神戸徳洲会病院に転院した。カテーテル手術に絡む問題が報道されており、妻は不安を抱いたが、「院長が主治医ならば大丈夫だろう」と思い直した。
コロナの感染対策で面会できなかったが、看護師から「一人で食事が取れた」と聞き、いずれ退院できると思っていた。その後、血糖値が高いという連絡があり、前院長に「命に別条はないか」と尋ねると前院長は「ないと思う」と答えた。
だがその1~2日後、「危篤状態」と電話で呼び出され、夫は同15日に死亡。死因は「肺炎」と説明された。転院時に「肺炎は治ってきている」と聞いていただけに、信じがたかった。
昨年11月の神戸市による立ち入り検査後、前院長らが自宅を訪問。妻は、インスリンの投与が中断されたという真相を知らされ、「死因の説明がうそだったとは。立ち入りがなければずっと隠されていた」と怒りがこみ上げた。「かわいそうなことをした。なぜあの病院に入れてしまったのか」。自問して眠れない日々が続いている。
◆日大の田中英寿・元理事長にモルヒネ処方、診察記録なし…主治医の元副学長は守秘義務理由に説明せず |
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日本大学の特別調査委員会が、田中英寿・元理事長(1月死去)への薬の処方を巡り、主治医だった元副学長の男性(68)について「医師法違反の可能性が高い」と認定していたことがわかった。医療用麻薬のモルヒネを含む痛み止めを処方していたが、医師法で義務づけられたカルテへの記載がなかったという。
日大では2021年、元理事らによる背任事件や田中氏による脱税事件が相次いだ。22年8月、判明した事件以外に不正がないかを調べるため、検察OBの弁護士らでつくる特別調査委員会を設置した。調査委は今年2月、大学側に最終報告書を提出している。
最終報告書や関係者の話によると、田中氏は18年頃に千葉県内の病院で直腸がんの手術を受け、東京・杉並の自宅兼ちゃんこ料理店で療養。「日大医学部付属板橋病院」(東京)で受診することもあった。
副学長で同病院に勤務していた男性は21年8月~22年4月に計7回、医師3人にモルヒネを含む「オプソ内服液」などの処方箋の作成を指示。そのうえで、事務長らに薬局で薬を入手させ、田中氏に届けさせていたとみられる。男性は22年に副学長を退任した。
この7回分の処方箋について、医師3人はいずれも診療を行わずに作成していた。3人は「元副学長が診察し、薬の処方が必要だと判断したと思っていた」などと説明した。
だが、調査委が院内の電子カルテシステムを解析したところ、田中氏に薬を処方するための診療が行われた記録は、一切なかった。元副学長はヒアリングを拒否し、書面で診療の有無を尋ねても守秘義務を理由に回答しなかったという。
元副学長や医師らは、田中氏の自宅で点滴や採血などの診療行為を行うことがあったが、板橋病院に残っている電子カルテには、訪問診療を行った記録も残っていなかった。
医師法では、診療行為を行った場合、病名や症状のほか、薬の処方などの治療内容をカルテに記載するよう義務づけている。違反した場合には、罰則(50万円以下の罰金)もある。
調査委は最終報告書で、処方のための記録が電子カルテに残っておらず、元副学長について医師法違反の可能性が高いと指摘。「厳格に管理すべき医療用麻薬が処方されていた点からも悪質性は高い」とした。
取材に対し、日大は「監督官庁と協議し、回答を待つよう言われている」として、調査委の指摘内容について答えなかった。元副学長に対しては文書などでコメントを求めたが、17日までに回答はなかった。
大学運営に詳しい八田進二・青山学院大名誉教授は「多くの命を預かる大学病院で、田中氏を巡って不適切な行為が常態化していたことになる。大学内でガバナンス(組織統治)不全が起こっていたことを示す証左だ」と話した
◆高松でマイナカード証明書誤交付、プログラム修正せず…富士通に行政指導 |
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総務省は16日、マイナンバーカードを使ったコンビニでの証明書発行サービスで住民票の誤交付が高松市で起きたとして、システムを提供する富士通Japan(川崎市)の親会社・富士通に原因究明と再発防止を求める行政指導を行った。
発表によると、誤交付は今月4日にあった。富士通Japanは昨年10月までに、同社のシステムを利用する全123自治体で修正済みのプログラムを適用させたことを確認していた。しかし、今年1月にサービスを開始した高松市では、修正が行われていなかったという。
◆発症者ほぼ100%死亡の狂犬病、予防接種しない飼い主「ワクチンが犬の寿命縮める」…科学的根拠なし |
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群馬県伊勢崎市で2月に小学生ら男女12人が狂犬病の予防接種をしていない四国犬にかまれて負傷した事件で、飼い主の男性(62)が狂犬病予防法違反容疑などで3月に書類送検されてから、1か月が過ぎた。予防接種は飼い主の義務だが、近年の接種率は7割にとどまる。今月からは順次、各自治体で集団接種が始まっており、自治体や動物病院は接種を呼びかけている。
前橋市六供町の桑原動物病院で10日、院長の桑原孝幸さん(40)がマルチーズの背中付近に、狂犬病の予防接種をしていた。犬は暴れることもなく、注射が終わると抱きかかえられて診察室を出た。
同院では、年間約1000頭の狂犬病予防接種を行っているが、病気やけがで来た犬が接種していないケースもある。同院では診察時に予防接種歴を確認し、治療後の接種を説得。大半が後日再来院するが、そのまま放置する飼い主もいるという。
狂犬病は、犬にかまれるなどして感染した人が発症すると、ほぼ100%死亡する。国内で人が感染した事例は、1957年以降確認されていないが、アジアやアフリカなど世界各地で確認され、毎年数万人が死亡。狂犬病予防法は年1回の予防接種を飼い主に義務づけており、違反した場合は20万円以下の罰金が科せられる。
それにもかかわらず、2022年度の群馬県内の接種率は約72・0%で、12年度から5・7ポイント減少した。コロナ禍で自治体の集団接種が相次いで中止されたことも影響したとみられている。
2月の伊勢崎市の事件では、かんだ体長約130センチの四国犬と他の6頭のうち、3頭は約10年前から、4頭は1回も予防接種をした記録がなかった。男性は取材に「以前飼っていた犬が接種後に病気で死んだので、ワクチンが体に悪いと思っていた」と説明した。
SNSでも「ワクチンが犬の寿命を縮める」といった投稿が見られるほか、県内の自治体には事件後、「高齢や病気などで、予防接種できない犬もいる。一概に批判できないのでは」との意見も寄せられた。
しかし、群馬県獣医師会によると、ワクチンが犬の寿命を縮めるという科学的根拠はない。集団接種会場や同会所属の獣医師が勤務する動物病院で20~22年度に延べ約18万5000頭が予防接種を受けたが、発熱などの副反応が報告されたのは5頭のみで、数日で回復した。
高齢や病気で接種できないケースもあるが、獣医師の診察を受け、狂犬病予防注射猶予証明書を出してもらう必要がある。桑原さんは「自分の犬は接種できないと自身で判断するのは問題」と指摘。不安な飼い主には、接種後も相談しやすい動物病院での個別接種を勧めている。
事件があった伊勢崎市では、17日から春の集団接種が行われる。市は春に接種していない犬を対象に、秋にも集団接種を行っているが、今年から秋にも接種していない飼い主に、通知することを検討している。前橋市も、市役所のデジタルサイネージ(電子看板)で接種を呼びかけている。
各自治体での集団接種は4~6月頃に行われる。桑原さんは「60年以上、国内で狂犬病が確認されていないのは予防接種のおかげ。海外から狂犬病が持ち込まれる可能性はゼロではない。人や動物の命を守るために、必ず接種してほしい」と話している。
◆東京労災病院の整形外科副部長を収賄容疑で逮捕…医療機器の選定巡り50万円賄賂受け取ったか |
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医療機器の選定・使用を巡って業者側に便宜を図る見返りに現金を受け取ったとして、警視庁は19日、東京労災病院(東京都大田区)整形外科副部長の男(41)(同区)を収賄容疑で逮捕した。業者側の男2人も贈賄容疑で逮捕し、癒着の経緯を調べる。
贈賄容疑で逮捕されたのは、医療機器製造販売「HOYAテクノサージカル」(新宿区)前営業部長の男(46)(八王子市)と、同社社員の男(39)(仙台市)。
発表によると、整形外科副部長の男は2022年1~4月頃、同社が製造販売する金属製インプラントを、同病院で優先的に使う見返りとして、前営業部長の男と同社社員の男から複数回にわたり、現金計約50万円を受け取った疑い。
東京労災病院(400床)は厚生労働省所管の独立行政法人「労働者健康安全機構」(川崎市)が運営している。職員は「みなし公務員」として収賄罪の対象となる。
HOYAテクノ社は、東証プライム上場の光学機器大手「HOYA」(新宿区)の子会社。
◆水道水に基準超す六価クロム、再検査で職員が水を2割加える…4年連続「2回目合格」に不審抱かれる |
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◆水道水に基準超す六価クロム、再検査で職員が水を2割加える…4年連続「2回目合格」に不審抱かれる |
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秋田県由利本荘市は5日、記者会見を開き、市郊外の大台飲料水供給施設の水道水から、水道法に基づく水質の基準値(1リットルあたり0・02ミリ・グラム)を上回る有害物質「六価クロム化合物」が2020年度から検出されていたと発表した。供給先の6世帯17人に健康被害は確認されていないという。市は除去装置を付ける方向で検討している。
市によると、六価クロムは18年度から微量に検出されていたが、当時の基準値(同0・05ミリ・グラム)は下回っていた。しかし、現行基準に改正された20年度からの4年間は、基準値を0・003~0・009ミリ・グラム上回っていたにもかかわらず、見過ごされたという。
施設を管理する市建設管理課は20年度から、毎年8月の水質検査を市企業局水道課に委託し、報告を受けていた。1回目は基準値を超えていたが、再検査で下回ったとの報告が4年続いたため、建設管理課が不審に感じて今年2月、水道課に問い合わせた。その結果、これまで検査を水道課職員が1人で実施し、再検査では水を2割加えて薄めていたことがわかったという。
市は問題の発覚後も供給を止めるなどの対応はせず、水源の再調査を実施。その結果も基準値を0・004ミリ・グラム上回った。
これを受けて、今月2日から施設タンクに給水車で水道水を入れて安全な水に切り替え、4日夜になって地元説明会を開催した。住民からは「安全に水を供給してほしい」などの要望があったという。
市の三森隆副市長は「水道課の担当者は、少し水を足せば基準値以下になる実験としてやったと言っており、 捏造 の意図はなかったと思う」と話し、処分するかは未定という。
六価クロムは発がん性などがある有害物質。メッキ、触媒などに使われ、自然界ではほとんどみられない。
◆男性育休取得率が都内で過去最高38・9%、期間も長期化…「産後パパ育休」制度が後押しか |
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東京都内の事業所を対象に都が昨年行った従業員の育児休業に関する調査で、男性の育休取得率が38・9%に上り、2002年度の調査開始以来、最高を更新した。育休期間も前年度より長期化した。
調査は昨年9月、都内2500事業所(従業員30人以上)とそこに勤務する男女5000人を対象に行い、622事業所と1133人から回答を得た。
昨年3月までの1年間で配偶者が出産した男性は3116人で、このうち1212人が育休を取得した。取得率は前年(26・2%)から12・7ポイント上昇した。22年10月、子どもの出生後、8週間以内に父親が休みを最長4週間取得できる「産後パパ育休」制度が始まったことも取得率を押し上げたとみられる。
取得期間は、「1か月以上3か月未満」(32・4%)が最多。次いで「3か月以上6か月未満」(14・4%)、「6か月以上1年未満」(11・7%)の順で多かった。前年も首位は「1か月以上3か月未満」だったが、2番目が「5日以上2週間未満」、3番目が「2週間以上1か月未満」で、取得期間が前年より延びる傾向がみられた。
男性の育休取得の課題について、事業所と従業員それぞれに尋ねた質問(複数回答)では、労使ともに、「代替要員の確保が困難」が首位、「休業中の賃金補償」が2番目に多かった。ただ、3番目は、事業所の回答が「男性自身に育休を取る意識がない」だったのに対し、従業員は「職場がそのような雰囲気ではない」を挙げ、認識のずれがあることがわかった。
都の担当者は「更なる育休取得率向上に向けて、引き続き育休を取りやすい職場環境作りを後押ししていきたい」としている。
◆九州大病院で銀歯が盗まれる、容疑者は38歳の歯科医…7600円相当 |
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福岡県警東署は2日、福岡市東区の九州大学病院に侵入して銀歯を盗んだとして、同市の歯科医師の男(38)を窃盗と建造物侵入の疑いで逮捕した。同署は換金目的だった可能性があるとみて、余罪についても調べる。
発表によると、男は昨年8月13日夜、同病院の一室に侵入し、保管されていた治療用の銀歯1個(時価約7600円相当)を盗んだ疑い。防犯カメラの映像などから男が浮上した。容疑を認めている。
男は当時、同病院と連携して地域医療の発展に寄与する「研修登録医」という立場で、病院に出入りできるIDカードを持っていた。過去に同病院で勤務したこともあったという。
◆ウォーキングで脳梗塞や心筋梗塞リスク減…埼玉・毛呂山町が町民調査、糖尿病や中性脂肪数値も改善 |
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埼玉県毛呂山町に本部がある埼玉医科大は3月27日、町とともに2023年度に実施したウォーキング事業に関する結果報告会を開き、半年間参加した町民の脳梗塞や心筋梗塞のリスクが軽減したと明らかにした。町は新年度もこの事業を継続するとしている。
事業には、町民56人(平均年齢69・5歳)が参加した。昨年6~11月の半年間、毎日8000歩以上を目標に散歩に取り組んだほか、椅子から立ち上がる筋力トレーニング(スクワット、各日計30回)を週3回行った。
このうちの54人について、同大が実施前後に血液検査や体力測定を行った結果、平均体重が57・6キロ・グラムから57・0キロ・グラムに減少したほか、糖尿病の重症度を示す数値や中性脂肪の数値は下がり、善玉コレステロール値は上がり、それぞれ改善がみられた。瞬発力や持久力も向上していた。
心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクでは、事業開始前は「中リスク」と指摘された人が8人いたが、半年後には3人に減少し、その全員についても数値が改善していた。「低リスク」とされた町民でも数値の改善がみられたといい、同大は「ウォーキングでリスク軽減が図れることが示唆された」としている。
一方、両下肢の筋肉量はやや減少していた。歩くうちに筋肉中のたんぱく質がエネルギー源として使われたことが原因とみられ、同大は散歩前におにぎりやバナナを食べて栄養補給をすることを勧めている。
事業は町民の健康寿命を延ばそうと、町が同大と連携して実施した。責任者を務めた同大国際医療センターの高橋秀寿教授は「今回のような検査をウォーキングの効果判定に用いた研究は珍しく、貴重な研究成果が得られた」とコメント。同大は成果を日本リハビリテーション医学会にも報告する。事業に参加した同町のパート従業員(64)は報告会後、「ウォーキングを習慣化することができて良かった。今後も続けたい」と話していた。町は今年度も別の町民60人を対象に、この事業を継続するとしている。
◆「医師の働き方改革」スタート、医療機関の6%が診療体制を縮小へ…厚労省「悪影響の可能性」 |
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勤務医の残業時間を規制する「医師の働き方改革」が1日、スタートした。これに先立ち、厚生労働省は、全国の医療機関の6・2%にあたる457施設が、診療体制の縮小を見込んでいるとする調査結果をまとめた。うち132施設は、自院の体制縮小が地域の医療提供体制に影響すると答えた。
調査は昨年10月から、大学病院を除く病院や、分娩を取り扱う産科の有床診療所を対象に実施し、先月13日までに7326施設から回答があった。体制縮小を見込む457施設のうち49施設では、大学病院などから派遣されている医師の引き揚げを要因として挙げた。
調査結果が示された厚労省の検討会では、委員から「診療体制の縮小によって、いろいろな悪影響が起きる可能性がある。地域医療に与える影響について引き続き調査してほしい」との意見が出された。
医師の働き方改革は2019年4月に施行された働き方改革関連法に基づくもので、勤務医の残業時間は原則として年960時間が上限となる。ただし、地域医療を担う病院の勤務医らは、例外的に年1860時間が上限となっている。
◆東京女子医科大と岩本絹子理事長宅など一斉捜索、理事長側近に不正給与2000万円支払いか |
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東京女子医科大(東京都新宿区)の同窓会組織「至誠会」の元職員が在職中、勤務実態がないのに約2000万円の給与を不正に得ていた疑いが強まり、警視庁は29日午前、関係先として同大本部や岩本絹子理事長(77)の自宅など十数か所に一般社団法人法の特別背任容疑で一斉捜索に入った。元職員は当時、岩本理事長の側近で、警視庁は給与支給の経緯などについて実態解明を進める。
捜査関係者によると、特別背任の疑いが持たれているのは、一般社団法人・至誠会が運営する至誠会第二病院(世田谷区)の元職員の50歳代女性と元事務長の50歳代男性の2人。
元職員は、岩本氏が経営する江戸川区の産婦人科クリニックの元従業員で、2015年4月に至誠会第二病院に課長として就職。その後、同大に出向して岩本氏直轄の経営統括部の次長に就任し、大学から至誠会を通じて給与を得ていた。
同大は20年4月、経営統括部の業務を世田谷区のコンサルティング会社に委託。元職員は同社社員として経営統括部や理事長秘書の業務にあたり、コンサル会社から20年5月~22年6月に約3300万円の給与を得ていた。警視庁は同時期の20年5月~22年3月に、至誠会からも約2000万円の給与が支給されていたとみている。
東京女子医科大と岩本絹子理事長宅など一斉捜索、理事長側近に不正給与2000万円支払いか画像の拡大
元職員に至誠会第二病院での勤務実態はなく、警視庁は、職員の給与を管理していた元事務長と共謀し、至誠会から不正に支出させた疑いがあるとみている。
同大を巡っては、一部の卒業生らが、岩本氏が理事会の承認を経ずにコンサル会社と業務委託契約を結んだり、取引先に多額の資金提供を行ったりしたとして、昨年3月に背任容疑で警視庁に刑事告発している。
岩本氏は13年6月~昨年4月、至誠会の代表理事会長を務めていた。昨年10月には、至誠会が岩本氏と元職員、元事務長を相手取り、支払われた報酬が不当だとして、計約1億4400万円の損害賠償を求めて提訴した。岩本氏は「正当な対価である」などと反論しており、現在も係争中だ。
ホームページによると、至誠会は東京女子医大の卒業生らで組織され、会員は昨年6月末時点で約4500人。病院や看護専門学校などを運営している。
警視庁による一斉捜索は同大の理事長室のほか、元職員と元事務長それぞれの自宅を含む計十数か所に上った。新宿区の同大本部には29日午前8時半頃、捜査員約20人が強制捜査に入った。捜索を受け、同大広報室は取材に対し、「早急に事実関係を確認し、警察の捜査には全面的に協力していく」とコメントした。
◆高齢者施設で処方箋ないまま投薬、施設長の鹿児島県議が指示…個人輸入の薬を使ったか |
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鹿児島県指宿市の高齢者福祉施設「グループホームすもも・すももの里」で、医師の処方箋なしに抗寄生虫薬「イベルメクチン」が利用者に投与されていたことが28日、分かった。施設側によると、新型コロナウイルスの治療目的で投与し、健康被害を訴えた人はいないという。
施設の運営会社社長と施設長を務めるのは、同県議の小園 成美 氏(66)(自民、6期)。小園氏や施設によると、2022年9~11月頃、施設の入所者が相次いでコロナに感染し、小園氏の指示で入所者に投与した。小園氏が個人で輸入した薬を使ったという。
投薬に医師の指示が必要だという認識はなかったといい、小園氏は「当時はコロナ治療薬としての可能性がとりざたされており、入所者の命を守りたい一心だった。法令違反は明らかで大変申し訳ない」と話している。
◆京都市ワクチン業務、委託業者の過大請求8億円超…幹部が実働時間水増しを黙認 |
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京都市が事業者に委託した新型コロナウイルスワクチン接種のコールセンター業務で過大請求があった問題で、委託業者の「日本トータルテレマーケティング」(東京)は27日、過大請求の総額は約8億9400万円だったとする最終報告書を公表した。複数の幹部職員が不正を黙認していたことも新たに発覚。同社は全額を市に返還する方針。
同社は2021~23年に市から委託された業務を巡り、オペレーターの人数や実働時間を実際より多く報告し、委託料を市に過大請求していた。同社は問題発覚後、外部の弁護士らによる調査委員会を設置。昨年11月に公表された中間報告では、社員2人が実働時間などについて虚偽の書類を市に提出する 隠蔽 工作を図っていたことが明らかにされた。
調査委は最終報告書で、この社員2人以外にも、別の複数の社員が実働時間の水増しに関与していたとし、一部の幹部はそれを黙認したと指摘。「水増し行為は特別なことではなくなっていた」と批判した。
同社の森真吾社長はこの日の記者会見で、「命と健康を守る公共事業に重大な問題を生じさせた」と謝罪。他の自治体の業務に関する過大請求の有無についても調査を続けるとした。
京都市は1月30日、詐欺容疑で府警に刑事告訴している。
◆都立高プール飛び込み事故で重い障害、都に3億8500万円の賠償命令…都側は控訴しない方針 |
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東京都立墨田工業高校(江東区)で水泳の授業中に危険な飛び込みをさせられて重い障害を負ったとして、被害者の男性らが都に計約4億2800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、東京地裁であり、片野正樹裁判長は都に計約3億8500万円の支払いを命じた。
事故は2016年7月14日に発生。判決によると、同校の3年生だった男性(25)が水泳の授業中、体育教諭の男性(業務上過失傷害罪で有罪確定)から、プールのスタート台から前方に約1メートル離れた場所に差し出されたデッキブラシを飛び越えて入水するよう指示を受け、頭をプールの底に強打。後遺障害で四肢の自由を失い、介護が必要になった。
都側は訴訟で、教諭の指導には違法性があったとして賠償責任を認め、賠償額を争っていた。判決は、原告の介護費用や生活するための自宅の改装費用などを基に賠償額を算定した。
都教育委員会の浜佳葉子教育長は「判決を
真摯に受け止め、事故を二度と発生させないよう、未然防止に全力で取り組む」とコメント。都の担当者は取材に控訴しない方針を示した。
◆コロナ対策の「プレミアム食事券」、自らのレストランで232回不正利用…247万円詐取容疑で逮捕 |
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コロナ禍の影響を受けた飲食店などを支援する目的で千葉県が販売した「プレミアム食事券」を不正に利用したとして、県警は26日、千葉市中央区、飲食店経営の男(40)を電子計算機使用詐欺、同未遂の両容疑で逮捕した。県警は認否を明らかにしていない。
発表によると、容疑者は2022年12月1日~23年1月3日、経営する千葉市中央区富士見のレストランで232回にわたり、食事の提供を自身が受けたように装い、自らが購入したプレミアム食事券で決済。店が食事券によって支払いを受けた金額として、県から247万1536円を不正に得た疑い。
また、23年1月4~29日には80回、同様の手口で利益を不正に得ようとした疑い。
県警は、容疑者が客らに料理を提供して支払いを受けたにもかかわらず、自らの食事券を使って二重に決済をしていた可能性もあるとみている。
県によると、プレミアム食事券の制度は22年12月に始まった。電子クーポンの形式で、県独自の要請に沿って新型コロナ対策を講じた「認証店」などで利用できた。客は1万円分の購入で、1万2000円分~1万2500円分の支払いができ、店側には集客などのメリットがあった。
県は、食事券によって各店に支払われた金額を集計し、店側の口座に振り込んでいた。
◆詐欺容疑者の会社にビジネスプラン優秀賞、県から補助金1500万円…知事「大変遺憾」 |
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大分県の佐藤知事は26日、詐欺容疑で県警に逮捕された男が役員を務める会社が2018年度の県のビジネスプラングランプリで受賞し、県の補助金計1500万円を受け取っていたことについて「支援していた事案が全くの作りごとと分かった。大変遺憾」と述べた。
県によると、会社は臼杵市のIT企業「隼斗」で、子供の難病に関する医療情報を提供するサイトを運用するとして県のビジネスプラングランプリで優秀賞を受賞。19年度にプランの推進名目の補助金500万円を受け取り、別の県の補助事業でも1000万円を補助されていた。
同社は昨年8月に破産手続きを開始。県は補助金の交付取り消しと、返還を求めることを決め、今年1月、県警に被害届を出した。県警は5日、投資会社から3000万円をだまし取ったとし、男を詐欺容疑で逮捕した。
佐藤知事は定例記者会見で「再発防止をしっかりするとともに、補助金の返還についても手続きを進める」と述べた。
◆「マルコメ」みそ10万点を自主回収、虫の一部が混入…健康被害の報告なし |
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みそ大手「マルコメ」は26日、自社が製造販売する「プラス 糀 生みそ 糀美人」にゴキブリとみられる虫の一部が混入していたとして、全国のスーパーなどに出荷した約10万点を自主回収すると発表した。現時点で健康被害の報告はないという。
対象は、本社工場で生産された650グラムと325グラムの2種類のうち、「賞味期限2024年12月」に続く2文字が「JR」と印字された商品。今月8日、購入した消費者から指摘があり、判明した。外部の専門家による点検で混入経路は特定できなかった。ほかに混入した商品は見つかっていないという。
問い合わせは、専用ダイヤル(0120・113・430)へ。
◆大阪大病院が検体取り違え、「悪性腫瘍」と誤診断して胃の一部切除…「良性」患者はがん |
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大阪大病院は26日、男女の患者2人の検体を取り違えて、50歳代の男性患者を「悪性腫瘍」と誤って診断し、胃の一部を不要に切除する医療事故があったと発表した。「良性」とされた30歳代の女性患者は、その後の治療でがんと確認。男性は術後、食欲不振などを訴えていたが、現在は快方に向かっている。2人はすでに退院し、病院側は謝罪したという。
発表によると、同病院は昨年11月中旬、がんの検査のために男性の胃から検体を採取し、がんの一種と診断。12月上旬に手術を行い、胃の一部を切除した。
しかし、手術で切除した胃の組織にがんは認められず、同じ日に検査を受けた女性と検体を取り違えている可能性があることが判明。女性は画像検査で、十二指腸に接する 膵臓 の一部にがんの疑いがあることがわかり、今年1月中旬に十二指腸の切除手術を受けて、がんと確認された。
記者会見した竹原徹郎・病院長は「男性患者にはご本人が望まない手術をしてしまい、またがんではないにもかかわらず、誤った診断で心理的なご負担もかけてしまった。ご迷惑をおかけした患者、ご家族に心よりおわびする」と謝罪。病院によると、2人の検体を取り違えた経緯は特定できず、患者情報の確認を強化して再発防止を図るとしている。
◆「コロナまだ収束していない」都民の4割超、理由は「通常の薬で治せない」最多…「感染再拡大に不安」68% |
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東京都は、都民約1万人を対象にした新型コロナウイルスに関するアンケート調査の結果を公表した。コロナについて「収束した」と回答した人は1割だったのに対し、「収束していない」と答えた人が4割を超えた。
アンケートは2月9~19日、都内在住の20~70歳代の男女計1万531人にインターネットで実施した。
コロナについて、「収束した」と答えたのは10・4%で、「収束していない」との回答は43・5%だった。35・1%が「わからない」と答え、「気にしないようにしている」も8・7%いた。
収束していないと回答した人に理由を複数回答で尋ねたところ、「(抗生剤など)通常の薬で治せない」(50・3%)が最多で、「自分の周りで感染している人がいる」(39・7%)、「世界では感染者数が増加傾向にある」(32・0%)と続いた。
また、「感染の再拡大への不安がある」とした人は68・7%に上った。感染対策のマスク着用について、「いつも気をつけている」「まあ気をつけている」の合計も72・1%に達した。
コロナの医療提供体制は4月から通常へと移行するが、アンケートをとりまとめた放送大の奈良由美子教授は「発生から4年が経過しても、感染リスクに対する都民の意識に大きな変化はない」と分析している。
◆「紅麹」サプリ健康被害、死亡につながった可能性がある事例1件判明…腎疾患が悪化し2月に死亡 |
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小林製薬は26日、「 紅麹 」成分入りのサプリメントを摂取した人に健康被害が確認された問題で、死亡につながった可能性のある事例が1件判明したと発表した。一連の問題で、死亡原因となったことが疑われる健康被害は初めて。これまで分かっていた26人に加え、新たに約50人の入院事例があることを明らかにした。
死亡した人は、2021年4月から24年2月まで、自主回収の対象となったサプリ「紅麹コレステヘルプ」を通信販売で購入し、摂取していた。これらの一部には、小林製薬が健康被害の原因とみている成分の入った商品が含まれていた。腎疾患が悪化し、2月に亡くなったという。遺族の意向で、年齢や性別、住所、詳しい死因などは非公表としている。
遺族は今月23日午後9時頃にメールを送信していたが、小林製薬は25日夜に開封し、事態を把握した。同社にはメールだけでも25日時点で約3600件が寄せられており、「内容確認に時間がかかっている」(広報)としている。
遺族とはメールや電話で連絡を取っており、26日中に面談して詳しい状況を聞き取るという。小林製薬は死亡との因果関係について「確認中」としているが、「今回のような事態に至ったことをおわび申し上げる」とのコメントを出した。
小林製薬によると、紅麹コレステヘルプは2021年の発売後に約110万個を販売した。電話やメールで入院事例の連絡が相次いでいる。25日時点では入院事例を計26人としていたが、26日午前までに新たに約50人の入院事例を確認した。被害がどこまで広がるかは見通せない状況だ。
小林製薬は飲料や調味料メーカー、商社など52社にも紅麹を原料として供給しており、事態を公表した22日以降、供給を受けたメーカー側では商品の自主回収発表が相次いでいる。小林製薬は、健康被害につながる可能性が高い成分が含まれているのはサプリ向けのみで、食品向けには含まれていないとしている。
厚労相「情報提供なく遺憾」
小林製薬が問題を把握してから公表するまで2か月以上かかった。武見厚生労働相は26日の閣議後の記者会見で「原因究明の調査をしている間、行政への情報提供を行わなかったのは遺憾だ」と述べた。そのうえで、「大阪市などと連携して被害の拡大防止を図り、国民の健康や食品の安全を守っていく」とした。
◆「世界最高齢のプログラマー」81歳でゲーム開発した女性、今は88歳「もう年だからと思った時が定年」 |
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「世界最高齢のプログラマー」として知られる若宮正子さん(88)の講演会「やりたいことは 今日からできる!」(松江市男女共同参画センター主催)が24日、松江市内で開かれた。学び続けることの大切さを説く若宮さんの話に、約180人の市民らが耳を傾けた。
若宮さんは58歳から独学でパソコンを始め、81歳の時にゲームアプリを開発したことで注目された。基調講演では母親を介護していた時もネット上で友達と交流し、「孤独ではなかった」とITの有用性に言及。「自分で『もう年だから』と思った時が定年。学び続けることで自身の資産を増やせばいい」と述べた。
質問コーナーで、元気の 秘訣 を尋ねられると、「年相応です」と笑い、「やれないことがあっても他にやれることがあるなら、それでいい」と語った。
松江市の無職の女性(83)は「もっとボランティアを頑張ろうと思えた」と笑顔で話していた。
◆同じ医師の手術で死亡事故3件、がん患者が肝切除で大量出血…2件は「事故でない」判断覆す |
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東海中央病院(岐阜県各務原市)は、2016~22年に、手術中に患者が死亡する医療事故が3件あったと発表した。3件とも同じ男性医師が担当しており、この医師は昨年6月、「一身上の都合」として自主退職した。
同病院によると、医療事故は16年2月、18年8月、22年2月に発生。60~70歳代のがん患者に対する肝切除の手術中、静脈損傷などで大量出血が起き、いずれも出血性ショックで死亡した。
同病院は当初、16年と22年の事案については医療事故ではないと判断していたが、保健所からの指導などを受け、国の医療事故調査制度に基づいて外部委員を含めた事故調査委員会を設置した。
調査委員会は再発防止策として、手術の実施の可否を慎重に検討することなどを求めた。さらに、制度の理解が不十分として、「院長はじめ病院幹部に対する再教育が必要」とも指摘した。病院は3件とも遺族に説明し、第三者機関の医療事故調査・支援センターに報告したという。
松井春雄病院長は、「患者のご 冥福 をお祈りし、遺族の皆様に深くおわび申し上げる。調査結果を 真摯 に受け止め、安全確保と再発防止に取り組む」などと書面でコメントした。
◆中年太りに脳内の「ひげ」縮小が関係…食事制限して縮小抑え、効果的に肥満予防 |
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加齢に伴って肥満となる「中年太り」は、脳内の神経細胞が持つ「ひげ」のような構造の縮小が関係していると、名古屋大などの研究チームが発表した。ラットを使った実験では、食事制限でひげの縮小が抑えられ、効果的に肥満予防ができたという。成果は科学誌セル・メタボリズムに掲載された。
人間は40~50歳代にかけて代謝量が低下し、太りやすい体質になることが知られているが、詳しいメカニズムは不明だった。
研究チームは、脳内の神経細胞が持つ「一次繊毛」と呼ばれる長さ約0・01ミリ・メートルの構造に着目。ラットで、代謝促進などに関わる神経細胞の一次繊毛を観察すると、加齢に伴い短くなっていた。また、一次繊毛を遺伝子操作で人工的に縮ませると、代謝が低下して食欲が増加し、体重や体脂肪率が上昇した。
一方、老齢ラットに食事制限を2か月間行うと、縮んでいた一次繊毛が復活することもわかった。同大の中村和弘教授(生理学)は「人間でも同様のメカニズムがあると考えられ、今後の医薬品の開発も期待できる」と語る。
東京工業大の野田昌晴・特任教授(神経生物学)の話「中年太りが、神経細胞の一次繊毛の退縮で説明できることを示した画期的な研究だ。今後、より詳しい仕組みの解明が待たれる」
◆看護師らに大声で「これもできないのか」「刺すぞ」…町立病院医師のパワハラ認定 |
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高知県いの町立仁淀病院の50歳代の男性医師が、業務中に看護師や薬剤師らに威圧的な言動を取り、町がパワハラ行為と認定していたことがわかった。医師は昨年末に自主退職した。
町によると、医師は昨年、院内で業務指示する際、複数の看護師らに「これもできないのか」「遅い」「刺すぞ」などと大声で威圧。手術中にどなりつけることもあったという。
町は懲戒委員会を設置して調査。医師や看護師らから聞き取りをした上で、医師を文書や口頭での厳重注意とした。
◆飛行機の機内ではしか感染拡大? 感染力はインフルエンザの10倍…免疫なければ、感染後にほぼ100%発症 |
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日本国内では2月以降、麻疹(はしか)の感染例が相次ぎ報告されています。専門家は「感染力が非常に強く、今後、国内でも感染が広がる可能性は否定できない」と注意を呼びかけています。
UAEから関空へ
東京都は12日、5歳未満の男児がはしかに感染し、入院したと発表しました。2月下旬に南アジアから帰国し、3月3日には足立区内の飲食店を利用していました。
また、都は11日にも、20歳代の女性がはしかに感染したと発表しています。女性は3月7日午後、東海道新幹線で新大阪駅から品川駅に到着。その日の夜、東京・銀座の飲食店で食事をしたといいます。発熱や発疹、頭痛といった症状があり、都内の医療機関に入院しました。
国内では2月以降、奈良市や名古屋市などで、はしかの感染者が相次ぎ確認されています。このうち3月に入ってから報告された感染者の多くは、2月24日にアラブ首長国連邦(UAE)から関西空港に到着した旅客機に搭乗した人たちでした。20歳代の女性もその一人です。
東京医科大病院渡航者医療センター特任教授の濱田篤郎さんは「はしかは空気感染し、感染力は、インフルエンザの約10倍とされています。空気の流れによって、旅客機内にウイルスが広がる可能性は十分に考えられます」と指摘します。
世界的に大流行
濱田篤郎さん
はしかは、免疫がなければ感染後に、ほぼ100%発症します。感染して10日ほどたつと発熱やせき、鼻水といった症状が表れます。症状が2~3日続いた後、39度以上の高熱と発疹が出ます。感染者1000人に1人程度の割合で、脳炎を発症することもあります。
国立感染症研究所などによると、はしかの報告数は、世界的に2020年、21年は、いったん減少しましたが、22年以降は増加に転じました。23年は、東南アジアやアフリカなどからの報告が多く、欧州では、前年度の30倍以上に急増しています。また、米国でも感染者が目立つようになっています。濱田さんは「新型コロナウイルスの対策を進めなければいけなかったため、途上国で子どもへのはしかワクチンの接種率が下がり、感染者が増えました。そうした国や地域に欧米から旅行者が訪れ、感染が拡大しています」と説明します。
予防策は…
今後、日本でも感染が拡大する可能性はあるのでしょうか。濱田さんは「日本で感染者 が増える可能性は十分あり、警戒が必要です。ただ、ワクチンを1~2回接種していたり、過去に感染したりしていて、一定の免疫を持っている人は多いと考えられます。爆発的に増加することはないと思います」と言います。
日本では1990年4月2日以降に生まれた人は2回、定期予防接種として、はしかのワクチンを打つ機会がありました。それ以前に生まれた人は、1回、もしくは全く接種していないという人が少なくないとみられています。
ただ、今回、感染が確認された人の多くは、90年以降に生まれた20歳代でした。濱田さんは「年齢にかかわらず、ワクチンを計2回、接種していない人は打ってほしい」と話しています。
はしかの感染者が報告された場合、自治体は不特定多数の人と接した可能性がある場所を公表します。もし、その場所に出かけていた場合は、発熱や鼻水、せきといった症状が出ないかどうか、10日程度、自身の体調に気を配り、気になる症状が出た場合は、保健所や感染症科のある病院に電話で相談することも、感染拡大を防ぐ上で重要です。
◆スマホでカルテ、チャットで情報共有…「診療以外の時間が大幅に削減できた」病院に医師集まる |
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愛媛県四国中央市のHITO病院。人口約8万人の地方都市にある民間病院に今、全国の医療関係者から熱い視線が注がれている。
<痛みがないようなので、昼は鎮痛剤を外します>
2月上旬、脳神経外科部長の篠原直樹さん(53)は外来患者の診察の合間、職員用チャットに投稿された薬剤師の報告をスマホで確認した。<お願いします>。そう書き込むと、次の患者を診察室に招き入れた。
同病院では、医師や看護師、技師など患者に接する全職員にスマホ計570台を配備し、チャットで情報共有している。診察室に戻らなくてもスマホで電子カルテの入力、閲覧もできる。
篠原さんは「指示や引き継ぎなど診療以外の時間が大幅に削減できた」と語る。
業務にスマホを導入したのは、国で「働き方改革」が議論され始めた2017年。2人いた脳神経外科の医師が篠原さん1人になったことがきっかけだった。手術の合間も看護師らへの指示で忙殺され、篠原さんが導入を病院に訴えた。
並行して働き方も見直し、知識や技能を習得するための「自己研さん」にあたる勉強会も、業務時間内に実施するようになった。参加は自由で、後日動画でも視聴できる。
働きやすさが評判を呼んで常勤医師は17年から19人増えて48人になった。石川賀代理事長は「今は医師に選ばれる病院にならないと生き残れない」と強調する。
◇
4月に始まる働き方改革で、業務効率化と並んで欠かせないのが、医師の仕事を看護師らに振り分ける「タスクシフト」や「タスクシェア」だ。
長崎大病院の心臓血管外科では18年度以降、医師がしていた入院患者への薬剤投与やカテーテル挿入を専門の看護師に担わせている。医師の残業時間が減る一方で手術件数は約1割増えた。
同病院を含む全国約50病院に助言を行っているコンサルティング会社「ワーク・ライフバランス」(東京)の桜田陽子さん(46)は「医師が本来すべき仕事に集中すれば、労働時間は削減できる」と指摘する。
一方、受け皿となる専門の看護師の養成は十分に進んでいない。国は、医師の指示なしで高度な医療行為ができる「特定看護師」の養成を進めている。25年までに10万人以上を養成する計画だが、研修を修了したのは昨年9月時点で8820人にとどまる。
研修は250時間以上に及び、受講機関も限られている。関東地方で働く看護師の女性(39)は「負担や責任が大きくなるのに、待遇がどう変わるのかわからない」と話す。
◇
病院が乱立し、医師が分散していることも、過重労働の要因と指摘される。
国は自治体などに、病院の再編・統合による効率化を促し、20年以降、財政支援を行う「重点支援区域」に13道県の21区域を指定した。しかし、再編を終えたのは4区域にとどまる。地元から病院がなくなる住民の不安が強いためだ。
宮城県は21年、仙台、名取両市の4病院を二つに再編する方針を打ち出した。しかし、住民の反発を招き、県議会も紛糾。昨年末、2病院を一つにまとめる合意にこぎ着けたが、残る2病院のめどはたたない。
県医療政策課の担当者は「医師の働き方を守り、持続的に医療を提供していくため、住民に理解を求めていくしかない」と語った。
国際医療福祉大の高橋泰教授(医療経営)は「4月以降、各地で様々な問題が生じる可能性がある。個々の病院が業務効率化に取り組むのはもちろんだが、国が地域や診療科ごとの医師の需給を詳細に把握し、適正配置を進める必要がある。『コンビニ受診』と呼ばれる緊急性がない夜間の受診を控えるなど患者側の意識改革も重要だ」と指摘する。
(おわり。この連載は、田中健太郎、西井遼が担当しました)
◇
連載への感想や情報を大阪社会部にお寄せください。
メール osaka2@yomiuri.com
LINE https://lin.ee/FROjZBRd
◆女性患者の不安定な精神状態に付け込み性的関係、29歳男性看護師を解雇…発覚後に病状は悪化 |
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神奈川県立病院機構は5日、女性患者の不安定な精神状態に付け込んで性的な関係を持ったとして、精神医療センター(横浜市港南区)の男性看護師(29)を懲戒解雇とした。
発表によると、患者は治療上の理由からスタッフと一定の距離を保つ必要があったが、看護師は上司から繰り返し注意を受けたにもかかわらず、患者と個人的に連絡をとるなどして昨年12月~今年1月に計6回、ホテルなどで性的関係を持った。
情報提供を受けて事実確認をしたところ、看護師は患者と口裏を合わせて隠蔽(いんぺい)を図った。発覚後、患者の病状は悪化しており、同機構は「看護師の責任は極めて重い」としている。
◆発がん性疑いPFAS検出、米軍弾薬庫付近の川などで指針値の最大300倍…市が住民40人に臨時で健康診断 |
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発がん性が疑われる化学物質「 PFAS 」が、広島県東広島市八本松町で国の暫定指針値を超えて検出された問題で、市は6日、周辺の井戸水を飲用している住民に臨時の健康診断を行うと発表した。高垣広徳市長が定例記者会見で明らかにした。
対象は、同地域の14世帯約40人。地域集会場で今月から4月にかけ、通常の健康診断項目に加え、肺や大腸などのがん検診を行う。費用は市が全額負担する。PFASの血中濃度検査は行わない。
検出されたのは米軍川上弾薬庫がある地域。高垣市長はこの日、市からの情報公開の要請に対して、米軍から中国四国防衛局を通して先月27日に回答があったと発表した。県内の米軍施設全体について▽泡消火剤を使用したことがない▽漏出を確認したことがない▽2020年に計8300リットルを処分した▽現在は一切保有していない――との内容で、高垣市長は「川上弾薬庫についての具体的回答がもらえず残念だ。引き続き調査を要請していく」と話している。
同市内では、川上弾薬庫近くの川や水路で国の暫定指針値を上回るPFASが検出され、市が周辺58か所の井戸水を含め、河川や水路など計101か所を検査。これまでに最大で指針値の300倍となる1リットル当たり1万5000ナノ・グラム(ナノは10億分の1)を検出している。
◆中学1年生250人の半数超、理科の課題で同じ間違い…教諭の違和感の正体は生成AIの「誤答」 |
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東京都内の私立中で2月、1年生の半数超が理科の課題に対する解答を間違う事態が起きた。原因となったのは、生成AI(人工知能)が表示した“誤答”。食品大手「キユーピー」がホームページ(HP)に載せていた記述を基に生成し、生徒たちが書き写していた。男性教諭に記述の誤りを指摘された同社は、誤解を招きかねない表現があったとして修正した。
同じ誤り
<唾液アミラーゼは、食べ物に含まれるでんぷんを分解し、胃で消化されやすい状態にする>
2月上旬。都内の私立中で1年生に理科を教える男性教諭(34)は、授業で出した課題の解答をチェックしていて違和感を抱いた。
出した課題は「唾液アミラーゼの働き」を調べること。「でんぷんは胃では消化されない。なぜこんな解答になったのだろう」と疑問に思った。
最初にチェックしたクラスで、多くの生徒がほぼ同じ文言で解答。気になって調べたところ、6クラスで計約250人いる1年生のうち、半数超が同じように間違っていたことが分かった。
生成AI
男性教諭が試しに、インターネットで「唾液アミラーゼの働き」と検索すると、原因はすぐに判明した。検索サイトに搭載された生成AIが生徒の解答と同じ文言を生成し、表示していたからだ。
生徒たちに検索サイトの生成AIを使って書いたか尋ねたところ、各クラスで6~7割の生徒が手を挙げた。ネットの利用は許可していたが、多くの生徒が、生成AIの回答について正確性を確かめずにそのまま書き写し、提出していた。
男性教諭は、教科書や参考書を確認しながら、でんぷんは口と十二指腸で分解されることを説明すると、生徒たちは「胃では消化されないんだ」と納得した様子だったという。
誤解招く
男性教諭は、生成AIがどの情報に基づいて回答を生成したのかも調べた。
出典として挙げられていたのは「キユーピー」のHPだった。「一人何役?唾液の働き」と題した特集ページに、「唾液に含まれる酵素(アミラーゼ)が、食べ物に含まれるでんぷんを分解し、胃で消化されやすい状態にします」との記載があった。
男性教諭は2月18日、自身のX(旧ツイッター)で、キユーピーに宛てて投稿し、「もし修正できるならお願いしたく思います」と記した。
キユーピーは翌19日に事態を把握。同社の研究所も含めて担当部署で検討した結果、でんぷんの消化について誤解を招きかねない表現だったと判断した。
同28日、HPの記載から「胃で」を削除し、「唾液に含まれる酵素(アミラーゼ)が、食べ物に含まれるでんぷんを分解し、消化されやすい状態にします」と修正した。また、胃で吸収されることを表現したイラストにも変更を加えた。
同社によると、HPの当初の記述は2018年9月からあったといい、同社は「外部に発信している以上、誤解のないように注意していきたい」としている。
妄信は危険
<ちゃんと生成された内容の正誤チェックや文章校正が出来ない限り使うべきではない>
男性教諭の投稿は、360万回以上閲覧され、中には、そんなコメントも書き込まれた。
男性教諭は「結果的に唾液アミラーゼの働きについて学習の理解が深まった。生成AIは間違った回答を示すこともあり、生徒たちにとっては自分で調べることの大切さを知る良い機会になった」と話す。
医学博士で江田クリニック院長の江田 証 氏(消化器内科)は「でんぷんは胃では消化されず、キユーピーHPの記載は医学的に言えば誤りで、誤解を生じさせる。同社が迅速に修正したのは評価できる」と指摘。「生命や健康に関わる医学的な情報についてAIを妄信することは、現時点では非常に危険。情報の正確性について、ほかの文献に当たるなどの『裏取り』が必要だ」としている。
◆ALS嘱託殺人、医師の男に懲役18年判決…京都地裁「生命軽視の姿勢は顕著」 |
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難病の筋 萎縮 性側索硬化症(ALS)患者に対する嘱託殺人罪や、共謀したとされる元医師の父親への殺人罪などに問われた医師の大久保 愉一 被告(45)の裁判員裁判で、京都地裁は5日、懲役18年(求刑・懲役23年)の判決を言い渡した。川上宏裁判長は「被告の生命軽視の姿勢は顕著で、強い非難に値する」と述べた。
患者は当時51歳の女性。弁護側は「被告の行為を刑法で処罰すると、女性は国家によって『望まない生』を強いられる結果となり、自己決定権を保障する憲法に反する」と無罪を求めていた。
川上裁判長は判決で、「自己決定権は個人の生存が前提で、命を絶つために他者の援助を求める権利は導き出せない」と指摘した。
女性のような境遇の患者に対する嘱託殺人で、罪に問われない要件として、〈1〉死期が迫り、苦痛を除去・緩和する他の手段がない〈2〉近親者の意見も参考に、患者の意思を慎重に見極める〈3〉苦痛の少ない方法を用いる〈4〉事後に検証できるよう記録する――を提示。「女性の主治医ではない被告は近親者に知らせることもなく秘密裏に、その日会ったばかりの女性を、軽々しく殺害しており、社会的相当性は到底認められない」とし、嘱託殺人罪の成立を認めた。
判決によると、大久保被告は元医師の山本直樹被告(46)(控訴中)と共謀し、2019年11月、女性が住む京都市のマンションを訪ね、女性に頼まれて殺害した。
山本被告の父親(当時77歳)を11年に東京都内で殺害したとする殺人罪にも問われており、川上裁判長は「殺害計画を主体的に提案しており、重要な役割を果たした」と述べた。
判決後、大久保被告の弁護人は控訴の意向を示した。
死亡女性の父ら「被告を一生許すことない」
判決後、女性の父親(83)と、裁判を傍聴してきたALS患者らが京都市内で記者会見した。
父親は「どんな量刑であっても娘が生き返るわけではなく、被告を一生許すことはない」と語った。
日本ALS協会相談役で自身も患者の増田英明さん(80)は支援者の代読で「ALS患者が不自由だからといって、社会から切り離してはいけない。誰もが当たり前に生きられる社会をどうしたら作れるのかに目を向けてほしい」と求めた。
◆神戸赤十字病院の医師、女性入院患者の下半身触った疑いで逮捕…「診察しただけ」と容疑否認 |
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入院中の女性患者にわいせつな行為をしたとして、兵庫県警葺合署は5日、神戸赤十字病院(神戸市中央区)の医師の男(34)(同市東灘区)を不同意性交容疑で逮捕した。
発表によると、男は昨年9月10日、入院していた20歳代の女性の下半身を同意を得ずに触った疑い。
調べに対し、「ガイドラインに従って診察しただけで、わいせつ目的ではない」と容疑を否認しているという。県警が、ガイドラインの内容や触診の必要性などを調べている。
同病院などによると、男は当時、女性が入院する病棟を担当していた。女性が被害届を出し、同病院が男を自宅待機とし、聞き取り調査などを行っていた。
◆京都の献血会場にネパール人次々…「助け合う文化で恩返しを」同胞の呼びかけに賛同者集まる |
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「献血にご協力をお願いします」。今月2日、雪がちらつくJR二条駅前(京都市中京区)に停車した献血バス。しばらく様子を見ていると、外国人がぽつりぽつりとバスに吸い込まれていく。聞くとほとんどがネパール人だという。なぜネパール人?(上村真也)
集まったネパール人は、みな顔見知りのよう。輪の中心にいたのは、京都市伏見区に住む南部ミランさん(42)。日本人女性と結婚して日本国籍を取得し、今は上京区にネパール料理店「カフェレストランOA」を開いている。
2010年に来日した南部さんは、ネパール人たちの金銭的な相談に乗ったり、病院に同行したりと、同胞の世話を焼いてきた。ネパール人同士の親交を深めようと、映画の上映会を開いたり、サッカーチームをつくったり。ゆるやかなネパール人のコミュニティーができていった。
国内で、ネパール人は急増している。産業の少なさや政情不安が背景にあり、料理人や留学生として来日する人が多いという。
南部さんは、特に京都はネパール人に人気だと説明する。10年前は府内で300人ほどだったが、コロナ禍を経て一気に増え、昨年末時点で10倍以上の3867人が暮らす。「京都はお寺が多いでしょ。ネパールと似てるんです」
春先は献血者数が減る季節だ。南部さんは「京都に恩返ししたい」と考え、知り合いに声をかけた。すぐに約30人が賛同してくれた。
「ネパールは、誰かが倒れたら助け合う文化。生まれた国が違っても、血は一緒。困っている人を助けたいです」と南部さん。今後も協力を続けるつもりだ。
外国人も献血は可能だ。一部地域への滞在歴で制限されるケースはあるものの、日本語の説明が理解できれば基本的には献血することができる。京都府赤十字血液センターによると、特定の国・地域の人によるこうした活動は異例で、担当者は「とてもありがたい」。
新年度が始まる時期は一般に、企業などからの献血協力が得られにくくなる。府内では今のところ血液は足りているが、特にO型の需要が高まっており、広く協力を呼びかけている。
◆大学病院の宿直医、担当外も担当「判断ミスしないかびくびく」…医師派遣撤退で地域医療にしわ寄せも |
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[2024年の医師 働き方改革]<4>
「宿直に入るたび、判断ミスをしないかびくびくしている」。大阪府内の大学病院に勤務する30歳代の男性医師は「働き方改革」を前にした心境を打ち明ける。
勤務先では、改革を見据え、「合同宿直」の試行が始まった。これまでは診療科ごとに医師が宿直し、急患や入院患者に対応していた。残業時間を削減するため、1日に宿直する医師数を減らし、担当外の診療科の患者も診るようになる。
大学病院は、一般病院で対応が難しい患者を引き受ける。専門外の患者を診ることに一部の医師から不安の声が上がる。
病院側は取材に「医師の確保は将来的により困難になり、従来の体制を維持することは難しい」と説明。合同宿直を本格導入しても、脳外科や産科など緊急性の高い診療科は従来の宿直体制を維持するとし、幹部は「現場の不安を吸い上げ、患者の理解も得ながら適切な体制を模索していきたい」と話した。
◇
4月からの働き方改革で、勤務医の残業時間は原則年960時間が上限となる。単純に労働時間を減らせば、これまで通りの医療サービスを提供することは困難だ。
日本医師会が昨秋、全国の病院に実施した調査では、回答した約3000病院の34・6%が、改革による地域医療への懸念として「救急医療の縮小・撤退」を挙げた。「専門的な医療提供の縮小・撤退」を懸念する声も21・7%に上った。
病院の多くが医師の派遣を受ける大学病院も残業削減に迫られている。調査では、派遣引き揚げを懸念する声も30%あり、実際、各地で起きている。
岩手県沿岸部にある県立久慈病院は昨年4月、脳出血の疑いがある救急患者の受け入れを停止した。岩手医科大病院から派遣されていた常勤医師2人のうち1人が退職し、補充がかなわず、対応できなくなったためだ。患者は約50キロ離れた青森県の病院に搬送する。
遠野千尋院長(57)は「地方の病院では、派遣を受けられなくなると、たちまち医療提供体制に影響が出てしまう」と打ち明ける。
特に影響が大きいのが産科だ。出産はいつ起きるかわからないため、長時間労働になりやすく、なり手不足が慢性化している。
新潟県糸魚川市の糸魚川総合病院は、富山大病院から派遣を受けられなくなり、昨年4月、 分娩 を休止した。11月、県外から60歳代の男性医師を確保し、再開にこぎ着けたが、山岸文範院長(65)は「来てくれたのは奇跡で、次はない。今後は地域の病院が連携し、役割分担していかざるを得ない」と話した。
◇
入院が必要な2次救急患者を受け入れる大阪府東大阪市の市立東大阪医療センター。1月中旬の夜、救急外来には次々と患者が運ばれていた。
大半の診療科で「宿日直許可」を取っておらず、救急外来の宿直中はすべて残業時間となる。残業時間を抑えるために宿直明けは帰宅するルールで、非常勤の医師を雇って宿直体制を維持しているのが実情だ。
医師の紹介会社に依頼して非常勤の医師を募集しているが、救急医は特に需要が高く、病院間の争奪戦になっており、確保は容易ではない。
宮尾清貴・総務課長は「限られた医師の中でどう残業を削減するのか。日本中の病院がジレンマを抱えている」と漏らした。
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◆看護師の男が手術中の女性盗撮疑い、ペンやメガネ型の小型カメラを押収…手術室に持ち込みか |
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病院で手術中の女性が盗撮された事件で、性的姿態撮影処罰法違反(撮影)の疑いで逮捕された看護師の男(31)から押収された小型カメラがペンやメガネ型だったことが、捜査関係者への取材で分かった。男は1日、甲府地検に送検された。
山梨県警の発表などによると、男は昨年9月6日、勤務していた山梨大医学部付属病院(山梨県中央市)で、手術中だった30歳代の女性をカメラで盗撮した疑い。
捜査関係者によると、手術中を撮影した動画が見つかっている。県警は手術室に持ち込んだ小型カメラで動画の撮影に及んだ可能性があるとみて、調べを進めている。
◆大学付属病院で手術中の女性の動画、退職した看護師の男を性的姿態撮影処罰法違反の疑いで逮捕 |
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病院で手術を受けていた女性を盗撮したとして、山梨県警は29日、山梨県内の看護師の男(31)を性的姿態撮影処罰法違反(撮影)の疑いで逮捕した。捜査関係者によると、手術中の動画が見つかり、容疑が発覚した。
県警の発表などによると、男は昨年9月6日、勤務していた山梨大医学部付属病院(中央市)で、手術中だった30歳代の女性をカメラで盗撮した疑い。容疑を認めている。
捜査関係者によると、男の関与が疑われる別の盗撮事件の捜査で、自宅からの押収品を調べていたところ、手術中を撮影した動画が見つかった。小型カメラを手術室に持ち込んで盗撮したとみられるという。山梨大によると、男は2019年4月に同病院の看護師として採用された。今年1月に一身上の都合として辞職の申し出があり、退職していた。
同大は「被害に遭われた方や患者の皆様の信頼を損ね、心よりおわびする。職員への再教育など、再発防止に努める」とコメントを出した。
◆病院、宿直を「休憩」扱い…残業規制対策で申請急増し「書類が整っていればおりる」 |
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[2024年の医師 働き方改革]<2>
1月下旬の未明。関西のある病院の救急外来には、患者が救急車で絶え間なく運ばれていた。
30歳代の男性専攻医は、もう1人の医師と治療に追われ、その間に入院患者への対応もこなす。
午後5時から約15時間、対応した患者は20人に及ぶが、病院に申告しても残業と認められるのは一部だ。病院は労働基準監督署から「宿日直許可」を得ており、宿直中は原則として「休憩時間」とみなされる。
仮眠を取れる日もあるが、多くても3時間ほどだ。専攻医は「宿直中は気が休まる時間なんてほとんどない。これが労働でなくて何なんだろう」とつぶやいた。
■
勤務医が夜間や土日の患者対応に備えて待機する「宿直」と「日直」。労働基準法は、業務内容が軽度で睡眠も十分取れる場合、病院が労基署の許可を得れば、特例で労働時間とみなさないと規定している。
4月に始まる「医師の働き方改革」で、勤務医の残業時間の上限が原則年960時間となり、残業時間を抑制したい病院からの許可申請が相次いでいる。
厚生労働省によると、労基署の許可件数は2020年が144件、21年が233件だったのに対し、22年は1369件に上った。一般病院だけでなく、重篤者を扱う3次救急病院や不規則な産科など幅広い病院、診療科が取得している。
医療提供体制を維持したい厚労省も、許可を取るよう病院に求めている。西日本のある公立病院の担当者は「以前はハードルが高かったが、書類が整っていればおりる」と打ち明ける。
一方で、勤務医でつくる労働組合「全国医師ユニオン」(東京)が22年に実施した調査では、宿直中に「ほとんど業務を行わない」と回答した勤務医は2割にとどまった。
厚労省の通達では、宿日直中に通常業務が発生した場合、病院側は労働時間と扱わなくてはならない。だが、いったん許可が出ると運用は病院側に任される。
ユニオンの植山直人代表は「夜間の業務が軽度と言えない3次救急病院にも許可が出ている。『名ばかり宿日直』が広がっているのではないか」と声を強める。
■
東京都内の大学病院で緩和ケアを担当していた50歳代の男性医師は18年11月、くも膜下出血を発症し、現在も寝たきりの状態だ。19年10月、長時間労働が原因だとして労基署に労災申請したが、認められなかった。
代理人の蟹江鬼太郎弁護士によると、男性医師は月4回程度宿直に入り、入院患者の対応で残業は月100時間以上に上ったという。
しかし、病院は宿直中の午前0~6時を仮眠時間としていた。男性医師側は労災申請で、その間の午前3~4時台に電子カルテを操作していた記録を提出したが、労基署は仮眠時間を労働時間と認めず、宿直中の労働は約9時間だったと認定した。
男性医師側はこれを不服として東京労働局に審査請求した。ところが、労働局は病院が宿日直許可を得ていたことから「宿直中は働く必要がなかった」と判断。宿直中は休憩扱いにし、労働時間はゼロだとした。
労働局は取材に「個別案件には答えられない」とするが、蟹江弁護士は「客観的な記録があるのに労働と認められなかった」と批判。「許可を理由に労災と認めないケースが相次ぐ恐れがある」と訴える。
日本救急医学会(東京)は昨年11月、厚労相に要望書を提出した。宿日直許可を、残業規制の上限を守るための「緊急避難的措置」とし、夜間や休日の勤務を労働時間と扱うよう求めた。そのためには医師数の確保が必要だとし、不要不急の救急利用の自粛を国民に呼びかけることも求めた。
同学会の大友康裕・代表理事は「医師の過重労働を残したままでは、必要な医療を受けられない患者が出てくる」と危機感を示した。
◆医師を追い詰めた自己研さん、残業が月207時間…「限界です」26歳死亡 |
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[2024年の医師 働き方改革]<1>
4月に始まる「医師の働き方改革」を前に医療現場が揺れている。きっかけは、1人の若い医師の自死だ。現場で何が起きているのか。改革で医療はどう変わるのか。課題を探る。
◆ 医師の働き方改革 =勤務医の残業時間は、労使協定を結べば事実上青天井だった。2019年4月施行の改正労働基準法で、今年4月以降は原則年960時間が上限となり、違反すれば病院側に罰則が科される。研修医や専攻医、地域医療のためにやむを得ない場合は、年1860時間まで特例で認められる。地域医療特例は35年度末まで。
「仕事の半分は、自分のための勉強」
「取り返しがつかないことが起きると思っていた」
神戸市東灘区の「甲南医療センター」で数年前まで勤務していた内科医は、後悔の念にかられている。
2022年5月17日、センターの専攻医だった高島 晨伍 さん(当時26歳)は「限界です」と記した遺書を残し、自ら命を絶った。西宮労働基準監督署(兵庫県)がタイムカードの記録などから認定した死亡前1か月間の残業は約207時間。長時間労働による精神障害が自殺の原因とされた。
こうした働き方は、高島さんだけではなかった。
「『断らない救急』を基本理念とし、尽力して参りました」。センターは、ホームページにそう記していた。
だが、夜間対応は専攻医と研修医の計3人。内科医は「毎回徹夜で、仮眠どころか休む暇もなかった」と証言する。受け入れを断ると、幹部から 叱責 されたという。
さらに負担となっていたのがセンター独自の「週末主治医制」だ。例えば金曜の当直に入った医師は、対応した患者を週明けに正式な主治医に引き継ぐまで責任を持つため、土日も出勤せざるを得なかった。
高島さんが亡くなる1年前、内科医は他の専攻医らと労働環境の改善を求める嘆願書を幹部に提出していた。だが、幹部はこう話したという。
「医師の仕事の半分は、自分のための勉強だ」
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労基署は高島さんの長時間労働の原因について、過重な業務に加え、上司から指示された学会発表やセンターでの研修プログラムを挙げた。これに対し、センター側は指示を否定した上で、これらを「自己研さん」と主張し、残業時間は月30時間程度だったとしている。
医師が知識や技能を習得する自己研さんは、日進月歩の医療の世界で欠かせない。若手だけでなく、ベテラン専門医にも求められる。
働き方改革に関する厚生労働省の有識者検討会でその扱いが議論になり、同省は19年7月、通達で基準を示した。上司の指示がなく、業務との関連もない場合は、労働時間に含まれないとしたが、その線引きは曖昧だ。
センターは高島さんの自殺後、第三者委員会を設置。研修プログラムの 進捗 が遅いと、専門と関係ない患者を割り当てられる<制裁>があったといい、第三者委は「自由意思で行っていたと言いがたい」と労働時間にあたるとした。
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高島さんの死は、自己研さんという、医療界の因習を浮かび上がらせた。
国内最大の医師向け会員制サイト「m3.com」の掲示板には「残業を自己研さん扱いにされる」という投稿が相次ぐ。昨年10月に会員向けに実施した調査では、3割超が自己研さんの扱いに不満を抱いていた。
19年4月施行の改正労働基準法に基づき、今年4月以降は勤務医の残業時間は原則年960時間が上限となる。その特殊性から施行後5年間適用が猶予され、国はこの間に準備を進めるよう医療現場に求めてきた。業務の効率化が期待されていたが、自己研さんが安易な残業削減策として広がっている恐れがある。
甲南医療センターの具英成院長らは昨年12月、高島さんに違法残業をさせたとする労基法違反容疑で書類送検された。関係者によると、センターは同月、兵庫県に再発防止策を報告。タイムカードと自己申告する残業時間に 乖離 があれば理由の報告を求め、週末主治医制も取りやめるとしているという。センターは取材に「答えられない」とした。
厚労省は今年1月、高島さんの過労自殺などを受け、自己研さんに関する通達を見直し、労働にあたる具体例として、大学病院での研究や教育を示した。自己研さんと労働の線引きについて、勤務医の理解を得るよう病院側に求めている。
医師の労働問題に詳しい荒木優子弁護士(第二東京弁護士会)は「医師の研さんは患者の利益につながるのだから、幅広く業務と認めるべきだ」とし、「各病院が自己研さんへの考え方を改め、明確なルールを作らなければ、かえって『見えない過重労働』を生む」と懸念を示す。
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不安や悩みの相談は、こころの健康相談統一ダイヤル(0570・064・556)や、よりそいホットライン(0120・279・338)など。
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◆解剖実習用に提供した遺体の遺骨、家族に6年半返さず…兵庫医大に150万円支払い命令 |
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解剖学の実習用に提供した遺体の遺骨を兵庫医科大(兵庫県西宮市)に放置されて精神的苦痛を受けたとして、遺族が同大学を相手取り1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、地裁であり、河本寿一裁判長は「管理態勢がずさんだった」として150万円の支払いを命じた。
遺族は宝塚市の女性(66)。判決などによると、女性の父親は2014年2月に亡くなり、生前の希望に基づいて献体された。遺体を用いた解剖実習は15年1~3月に行われ、4月に火葬されたが、同大学は遺骨を返還せず、21年10月に女性から問い合わせを受けるまで放置した。
判決では「担当事務員が遺族への必要な連絡をせず、事務処理を点検する態勢もなかった」などと指摘。献体は遺骨の返還までが適正に行われるとの信頼を前提に提供されているとし、「その信頼を大きく損なわせるもので、遺骨が6年半にわたり返還されなかった精神的苦痛は軽視できない」とした。
一方、発覚後の大学側の対応についても「不誠実だ」と主張していたが、判決では認めなかった。女性は神戸市内で記者会見を開き、「主張の半分程度しか認められなかった。 腑 に落ちない」と話した。
◆花粉症治療の副作用を大幅に軽減…原因たんぱく質を「膜」で包み服用、治療短縮も期待 |
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花粉症などのアレルギーの治療に伴う副作用を大幅に軽減する方法を開発したと、九州大大学院などの研究チームが発表した。アレルギーの原因たんぱく質を特殊な膜で包んで服用することで、免疫細胞の“ディフェンス”を上手にかわして副作用を防ぐ。治療にかかる期間も短縮できると期待される。
花粉症などの治療には長年、点鼻薬などで症状を抑える対症療法が採られてきた。2010年頃には、原因たんぱく質を少量ずつ服用し、体を慣れさせる免疫療法が実用化。体内に入った異物の情報を「学習」する樹状細胞が、原因たんぱく質を繰り返し取り込むうちにアレルギーを根治するもので、14年には花粉症の薬剤が保険適用された。
だが、原因たんぱく質はわずかな量でも免疫細胞を刺激し、舌下から服用する場合なら、喉の腫れやかゆみなどの副作用を招くことがある。そのため、副作用のつらさから治療を途中で断念するケースも多い。
九州大大学院と同大病院、慶応義塾大でつくる研究チームは、免疫細胞を刺激せずに原因たんぱく質を服用できる方法を模索。寒天やセルロースなどと同じ多糖類の「マンナン」で原因たんぱく質を包んだ直径約100ナノ・メートル(1ナノ・メートルは10億分の1メートル)の粒子をマウスに投与したところ、副作用を起こさずに体に慣れさせることができたという。
マンナンは樹状細胞にとりつきやすい性質をもつ一方、免疫細胞は反応が鈍い。そのため、原因たんぱく質をマンナンで包んで服用すると、副作用をほとんど起こさず、治療の負担が大きく軽減されるという。
原因たんぱく質を効率的に服用できることで、花粉症なら3年以上かかる治療期間を短縮できることも期待される。研究チームは昨年11月、国際電子版科学誌「Biomaterials」に論文を掲載。10年以内の実用化に向け、人での臨床研究を行う方針だ。
卵や小麦などの食物アレルギーの治療にも応用できる可能性があり、チームの中心メンバーの森健・九州大大学院工学研究院准教授は「様々なアレルギーに悩む人々に良い知らせを届けられるよう、研究や治験を急ぎたい」としている。
◆アレルギー =体内に入った異物を排除する免疫の仕組みが過剰に働いて起こる。花粉症、食物アレルギー、気管支ぜんそくなどがあり、命に関わるショック症状を招くこともある。
◆昨年の出生数75万8631人、8年連続で最少更新…婚姻は90年ぶりに50万組下回る |
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厚生労働省は27日午後、2023年の国内の出生数(速報値)が前年比5・1%減の75万8631人と8年連続で過去最少を更新したと発表した。婚姻件数は同5・9%減の48万9281組だった。
50万組を下回るのは1933年以来、90年ぶりとなる。
◆小中高校の死亡事故456件、7割が国に未報告…文科省が指針改定で学校の調査対象や方法を明示 |
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全国の小中高校で、2016年度からの7年間に起きた少なくとも456件の死亡事故のうち、国に報告があったのは3割にとどまり、7割が未報告だったことがわかった。文部科学省の学校事故対応に関する指針は学校や教育委員会に報告を求めているが、順守されていない。文科省は今年度内にも指針を改定し、事故の報告と調査の徹底を図る。
現行の指針では、児童生徒の死亡事故について、学校はまず教育委員会経由で国に一報する。その後、学校は速やかに事故状況を調べる。学校からの報告を受けた教育委員会は原因究明などの詳細をまとめ、国に報告するとしている。
児童生徒の約95%が加入する日本スポーツ振興センター(東京)の災害共済給付制度により、見舞金などが支払われた小中高校などでの死亡事故を、読売新聞が調べたところ、16~22年度の7年間に少なくとも456件あった。一方、文科省によると、同期間にあった国への報告は141件。このうち詳細な報告が提出されたのは15件だった。
多忙な学校現場では、指針への理解が不十分で、報告漏れの一因となっている。登下校時の交通事故も「学校管理下」とされ、本来は報告対象だが、認識していない学校も多いとみられる。
全国の学校では、校舎からの児童生徒の転落や、校庭のゴールポストが倒れるといった事故が続いている。事故情報を国が正確に集約できないため、事故原因の究明や分析、再発防止策の周知が進んでいない。
改定される指針では、調査対象を明示する。「全ての登下校中を含めた学校の管理下において発生した死亡事故」に加えて、これまで定義が曖昧だった重傷事故について、意識不明や身体機能の喪失といった具体例を示す。
学校は速やかに基本調査を始め、原則として発生から3日以内に教員からの聞き取りを実施する。その後、教育委員会などは詳細調査を行い、再発防止策を検討する。さらに、事故の発生状況、基本・詳細調査の実施状況を把握することを、国の役割と明記。国は蓄積した事故情報を分析し、再発防止に役立てる。文科省は27日に開く有識者会議に、新しい指針を示す。
学校事故に詳しい大阪教育大の藤田大輔教授は「ほかの学校で事故が起きても、危機意識を持たない学校や教育委員会が多い。事故報告を待つ国はこれまで消極的だった。今後は自治体への指導を強化し、全国的な注意喚起につなげていくべきだ」と指摘している。
◆ 学校事故対応に関する指針 =事故の防止や発生後の適切な対応について、学校や教育委員会の役割を定めた指針。文部科学省が2016年3月に定め、全国に通知した。順守されない場合でも、学校や教員に罰則はない。
◆マイナ保険証で「トラブル」医療機関の55%、いったん全額負担を請求したケースも |
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大分県保険医協会(福井利法会長)は、マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」を巡るトラブルの発生状況についての調査結果を発表した。回答した医療機関の半数以上となる65施設(55・5%)が昨年10月以降、トラブルがあったと回答したほか、今年12月に予定されている現行の保険証の廃止については8割近くが「残すべき」だとした。
調査は昨年12月、会員医療機関となる医科・歯科585施設にファクスで依頼し、117施設から回答があった(回収率20%)。
具体的なトラブルの内容(複数回答可)は、カードを読み取った際にシステム上で名前や住所の一部が正確に表示されないというのが45施設で最も多く、保険資格があるのに無効となったり、カードリーダーでエラーとなったりしたのがいずれも25施設だった。
トラブルへの対応は、「持ち合わせの健康保険証で資格確認を行った」との回答が56施設で最多だった。患者にいったん10割負担を請求した事例も2施設で計3件あった。
現行の健康保険証が廃止された場合の受け付け業務については(複数回答可)、66施設が「今も混乱、廃止後は受け付け業務に忙殺を予想」とした。廃止については91施設が「残すべき」、16施設が「延期すべき」とした。
1月下旬に県庁で記者会見した福井会長は、「現場を無視した拙速かつ強引な廃止の方針には地域医療を守る観点から反対する」と話した。
◆医療機関ごとの出産費用・分娩実績が一目瞭然、厚労省が比較サイト開設へ…値上げの歯止めも狙い |
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厚生労働省は今春に、各地域の医療機関ごとに出産費用や 分娩 実績などのデータを比較できるサイトを開設する。算出方法に不透明さが指摘される出産費用を可視化することで、妊産婦が医療機関を選びやすくするほか、値上げに歯止めをかける狙いもある。
医療機関ごとの出産費用・分娩実績が一目瞭然、厚労省が比較サイト開設へ…値上げの歯止めも狙い 画像の拡大
サイトでは、市町村ごとに分娩を実施している病院やクリニックなどの一覧を掲載し、各医療機関の〈1〉平均負担額〈2〉平均入院日数〈3〉年間の取扱件数〈4〉立ち会い出産や無痛分娩の実施の有無――などを公表することを想定している。
2022年度の正常分娩の出産費用は全国平均で48万2294円で、物価高の影響もあり年々増加傾向にある。昨年4月には、出産育児一時金が原則42万円から50万円に引き上げられたが、医療機関によっては50万円を超える場合も少なくない。出産祝いの夕食や産後マッサージなどの料金が最初から負担額に含まれる医療機関があるなど、不透明さも指摘される。
政府は26年度をめどに正常分娩の保険適用を目指す方針だが、現在は医療機関が独自に費用を設定しており、こうした状況に拍車をかけているとみられる。政府としては、出産費用を「見える化」することで、妊産婦が想定していない負担を強いられることを避けるとともに、費用の適正化を図りたい考えだ。
また、厚労省は4月から、ちらし作成やセミナー実施などで妊産婦に積極的に情報提供を行う健康保険組合に対し補助金を支給する制度も始める方針だ。
◆子どものトイレトレーニング 始めるための3条件とは?…周りと比べて焦る必要はない |
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Q 子どものおむつ、そろそろ卒業したいな。
ヨミドック トイレでの排せつを教える「トイレトレーニング」を考えてますね。
Q いつ始めればいいの。
ヨ ポイントは三つあります。一つは排尿と排尿の間隔が空くこと。赤ちゃんは尿がたまったと感じると、反射的に尿が出ますが、成長につれて尿をためられるようになります。少なくとも1時間半以上空けられるのが目安です。
次は「おしっこがしたい」と意思表示できることです。言葉のほか、身ぶり手ぶりでもいいので親に伝えられるかが重要です。最後に、トイレまで歩き、おまるや補助便座に座れるくらい身体能力が発達していることです。
この条件がそろってから始めるとスムーズに進みます。個人差があるので、周りと比べて焦る必要はありません。
Q 一度トイレに誘ってみたけど、嫌がるんだよね。
ヨ 初めてのことに緊張したり、怖がったりするのは自然なことです。まずはおまるに座るだけ、など小さなことから始めましょう。好きなキャラクターの小物を飾るなど、トイレを親しみやすくするといいですね。
子どものトイレトレーニング 始めるための3条件とは?…周りと比べて焦る必要はない
少し恥ずかしいかもしれませんが、実際にパパとママのトイレの様子を見せると安心感につながります。姿勢も大事で、上半身をやや前傾にすると、排尿・排便がしやすくなります。補助便座を使う場合、足がぶらつかないよう台を用意してください。
Q トイレでおしっこができても、うんちは難しい子もいるって聞いたよ。
ヨ 排便の時、痛がったり、苦しんだりする様子はありませんか? トイレを嫌がる背景に便秘症があるかもしれません。専門医らが作成した診療指針によると、子どもの便秘が発症しやすい時期と「トイレトレーニング」の時期は重なります。気になる症状があれば、かかりつけ医に相談してください。
Q よし! 頑張るぞ。
ヨ トレーニングの開始からトイレができるまでに、3~6か月かかります。失敗するのは当たり前。親が心に余裕を持って取り組むことが何より大切です。怒ったり、がっかりしたりする様子に、子どもは深く傷つきます。「トイレのドアを開けられた」などの小さな一歩の前進を一緒に喜び、ほめてあげてくださいね。
◇
ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。
◆肥満症治療の新薬「ウゴービ」発売、美容目的の使用に懸念も |
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デンマークの製薬大手ノボノルディスクが開発した肥満症治療薬「ウゴービ」が22日、発売された。医師が処方する肥満症の新薬は約30年ぶりとなる。美容目的の不適切な使用が懸念されるとして、日本肥満学会は同日、注意喚起の声明を出した。
ウゴービは週1回、腹部などに注射して投与する。「GLP―1受容体作動薬」と呼ばれるタイプで、食欲を抑えて減量する効果がある。血糖値も下げる。日本人が参加した臨床試験では、最大投与量(2・4ミリ・グラム)の治療を68週にわたり続けた人は、約13%体重が減った。
米国、英国などで販売されており、日本が9か国目となる。公的医療保険が適用され、患者の自己負担は3割の場合、最大投与量の治療で1か月あたり約1万3000円だ。
◆アスベスト健康被害者ら支援するはずが…寄付金着服の疑いでNPO法人元事務局長を逮捕 |
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アスベスト(石綿)の健康被害者や遺族からの寄付金を着服したとして、神奈川県警は20日、同県横須賀市のNPO法人「じん肺・アスベスト被災者救済基金」元事務局長(68)(横浜市)を、業務上横領の疑いで逮捕した。
アスベスト健康被害者ら支援するはずが…寄付金着服の疑いでNPO法人元事務局長を逮捕
捜査関係者によると、元事務局長は2018年4~10月、9回にわたり、健康被害者や遺族、支援者からの寄付金計約220万円を、自身が管理していた口座から引き出すなどして着服した疑い。任意の調べに「勤務していた会社が資金繰りに困窮し、基金の金を流用した」と説明したという。
同法人は1997年に設立。寄付金を活動資金に健康被害者らの労災申請や訴訟の支援などに取り組んできた。理事が2020年に救済団体への助成金の振り込みが滞った理由について確認したところ、元事務局長が10年以上にわたり、計約9000万円を着服していたことを認めた。
同法人は21年6月、業務上横領の疑いで刑事告訴。また、23年6月に約9000万円の損害賠償を求めて横浜地裁に提訴し、元事務局長は賠償責任について認める「認諾」の書面を提出していた。
◆医師免許ない臨床工学技士が手術で皮膚を縫合、山形済生病院に市保健所が立ち入り検査 |
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山形市の山形済生病院で2021年1月~22年4月、整形外科の手術中に、臨床工学技士が皮膚の縫合を行っていたことがわかった。医師法は医師免許のない者による医療行為を禁じており、同市保健所が昨年12月、同法に抵触する可能性があるとして病院に立ち入り検査を行った。
石井政次院長によると、臨床工学技士は21年1月~22年4月、医療機器の操作のため十数件の手術に参加。整形外科の執刀医の指導のもと、皮膚の縫合を複数回行ったという。病院は、手術を受けた患者全員に事情を説明した。健康被害は確認されていないとしている。
皮膚の縫合を行った臨床工学技士は、医師の負担軽減のための業務分担と認識しており、医師法に違反するとの認識はなかったという。
石井院長は「コンプライアンスを徹底するよう、全職員に通達した。今後の管理を徹底したい」と話した。
◆女性5人に性的暴行などの疑いで4度逮捕された警視正、留置中に死亡 |
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女性に自らが警察官だと告げて性的暴行を加えたとして不同意性交などの容疑で逮捕・起訴された中国四国管区警察学校の警視正岩本幸一被告(58)(公判中)が17日夜、勾留先の広島県警広島中央署の留置場で意識不明の状態で見つかり、病院に運ばれたが死亡が確認された。付近で遺書のようなものが見つかっており、県警は自殺とみている。
岩本被告は、岡山県警から同警察学校に出向中の昨年9~10月、マッチングアプリで知り合った10~20歳代の女性5人に警察官の制服を見せて脅し、性的暴行を加えるなどした疑いで4度逮捕された。一部の事件ではすでに起訴され、広島地裁で先月開かれた初公判では、無罪を主張していた。
◆薬剤の補充分なく、薬切れた直後に90歳代患者が死亡…神戸徳洲会病院「死期早めた可能性」 |
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神戸徳洲会病院(神戸市垂水区)で先月、心肺停止状態で搬送されてきた90歳代の男性患者に血圧を上げる薬を投与した際、補充分が用意されておらず、薬が切れた直後に男性が死亡したことがわかった。同病院は「死期を早めた可能性がある」として家族に謝罪した。
同病院によると、男性は1月19日午前に搬送された。治療を受けて心拍は再開し、病院内で管を通して血圧を上げる薬を投与されていた。同日夜、薬が残り少なくなったことを知らせる警告音が鳴り、家族が職員に知らせたが、補充する薬が準備されていなかった。
看護師がすぐに手配したが間に合わず、男性は薬が切れた直後に死亡。同病院は事故調査委員会を設置し、神戸市に報告した。同病院は「市の指導を受け、適切に対応する」としている。
同病院では昨年7月、循環器内科医が行ったカテーテル手術後に複数の患者が死亡したことが発覚し、市は同8月「医療安全体制に不備がある」として是正を求める行政指導を行った。
その後、糖尿病患者に必要な治療が行われず、同9月に死亡していたことも判明。市は今年1月に医療法に基づく改善命令を同病院に出す方針だったが、今回の死亡事案を受けて延期していた。今回の事案を含めて近く、命令を出す方針だ。
◆小児科医、診療を装い胸触るなどしたか…わいせつ53件・児童ポルノ所持150件の容疑裏付け |
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静岡県警は14日、中東遠総合医療センター(静岡県掛川市)の小児科医塩沢亮輔被告(43)(袋井市愛野)を児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で静岡地検浜松支部に追送致し、捜査を終結したと発表した。
塩沢被告はこれまでに、準強制わいせつ容疑などで5回逮捕されている。掛川署によると、診療行為を装い胸を触るなど2017年12月下旬~23年6月中旬のわいせつ容疑53件のほか、150件の児童ポルノ所持容疑を裏付けたという。
被害に遭った患者は、いずれも県西部に住む10歳代の女性11人に上った。塩沢被告は調べに対し、黙秘を続けているという。
病院の担当者は「裁判の行方を注視したい」と話した。
◆ミートボールを喉に詰まらせた男児の死亡事故、施設理事長ら業過致死容疑で書類送検 |
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和歌山県岩出市の児童発達支援センター「ネウボラロッツ」で4年前、通所していたダウン症の男児(当時5歳)がミートボールを喉に詰まらせて死亡した事故で、県警岩出署は16日、センターを運営するNPO法人「ロッツ」(岩出市)の女性理事長と、当時勤務していた20歳代の男性児童指導員を業務上過失致死容疑で和歌山地検に書類送検した。捜査関係者への取材でわかった。
捜査関係者によると、2人は2020年12月22日の昼の給食時、注意義務を怠って男児にミートボール(直径約3センチ)を 誤嚥 させ、同28日、搬送先の病院で窒息による低酸素脳症で死亡させた疑い。県警は、2人について起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。
両親によると、男児はのみ込む力が弱いため、19年4月に施設に預ける際、食べ物を細かく刻んで提供するよう求めていた。だが、児童指導員は事故当時、刻む前のミートボールを男児の前に置き、目を離した間に男児が口に入れたという。
県警は、理事長については、誤嚥事故防止のための注意点を児童指導員らに十分周知していなかった過失があると判断した。
男児の母親は取材に「捜査は一つの区切りを迎えたが、今も気持ちの整理がつかない。 真摯 に謝罪してほしい」と話した。
◆花粉症対策で沖縄に「トロピカルエスケープ」…企業の2割が飛散期にテレワーク |
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花粉に悩まされる季節が巡ってきた。今や「国民病」とも呼ばれる花粉症は企業活動に影響を及ぼし、交通事故を誘発することもある。政府は花粉症予防に本腰を入れ始めており、大量飛散時のテレワーク活用などを呼びかけている。
「鼻づまりが治まり、頭もさえる。集中力や仕事のモチベーションが高まった」。IT企業「アイザック」(東京)のエンジニア 鴫原 直希さん(19)は、昨年3月に沖縄県内で2週間テレワークをした「効果」をそう振り返った。
同社は花粉シーズンの2~4月に国内外の飛散量の少ない地域でのテレワークを進める「トロピカルエスケープ」という制度を2022年に導入した。会社は宿泊費1日3000円のほか、同僚らと共有できる仕事場「コワーキングスペース」費を補助。社員の3~4割が利用する好評ぶりで、鴫原さんは今年も石垣島でテレワークをする予定だ。
◎
日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会(当時)などの調査によると、花粉症を患う人の割合は1998年の19・6%から、2008年は29・8%、19年は42・5%と増加傾向が続く。鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状による従業員の集中力低下や寝不足は企業活動に影を落とし、東京商工リサーチが昨年実施した調査では、3割の企業が、花粉症が業務に悪影響を与えていると答えた。
政府は花粉症対策の強化に乗り出している。昨年5月にはスギ人工林を10年後に2割減らし、30年後には花粉発生量を半減させるとした対策を策定。同10月には、人工知能(AI)による飛散予測の提供などを柱とする「初期集中対応パッケージ」を閣議決定した。経済産業省が今年度に民間と連携して行った企業の「健康経営度調査」によると、花粉飛散期のテレワークなどを認めている企業は全体の2割程度だった。同省は来週に啓発イベントを実施し、さらに広くテレワーク活用を促す予定だ。
一方で、運転手などテレワークが難しい業務もある。企業に安全運転講習などを行う「SOMPOリスクマネジメント」(東京)は、花粉症で注意がおろそかになり、ハンドル操作を誤る恐れもあるとして「症状がひどくなったら車間距離を長めに取って速度を落とし、運転を中断することも必要だ」と呼びかけている。
◇
日本気象協会は今季のスギやヒノキ、シラカバ花粉の飛散量について、九州から東北の大半の地域で例年並みかやや多く、北海道は非常に多いと予想している。飛散ピークは福岡、東京が2月下旬以降、大阪、名古屋、金沢、仙台が3月上旬以降で、10日から1か月ほど続く見通し。
◆脂肪吸引の手術後に患者死亡、美容整形外科の医師を書類送検 |
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顔の脂肪吸引手術後に内出血し、死亡した男性患者に対し、適切な対応を怠っていたとして、大阪府警は15日、美容整形外科に勤務していた医師の男(37)を業務上過失致死容疑で書類送検した。府警は、刑事処分の判断を地検に委ねる「相当処分」の意見を付けた。
発表では、医師は昨年4月29日午後、大阪市北区の美容整形外科クリニックで北九州市の男性(当時48歳)に頬などの脂肪を吸引する美容外科手術を実施。手術後に内出血した男性が窒息死する恐れを認識できたのに、適切な医療措置を受けるよう指示する義務を怠り、翌30日に自宅で顔や首から内出血させて窒息死させた疑い。調べに容疑を否認している。
府警によると、男性は帰宅後、顔が腫れ、首が変色しているのに気付き、医師にSNSで写真を送信。翌30日午前には「呼吸が苦しい」と伝えたが、医師は「気道が問題なければ大丈夫」「内出血は必ず引く」とのメッセージを送った。
男性はその後、容体が悪化し、同日夕、自宅で死亡が確認されたという。
◆「大麻グミ」から幻覚引き起こす違法成分検出…販売元「WWE」を麻薬取締法違反容疑で捜索 |
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大麻に似た成分を含む「大麻グミ」による健康被害が相次いだ問題で、食品製造販売会社「WWE」(大阪市北区)が昨年夏に販売したグミを大阪府警が鑑定した結果、大麻の違法成分「THC(テトラヒドロカンナビノール)」が検出されていたことが、捜査関係者への取材でわかった。同社製のグミから違法な大麻成分が検出されたのは初めてとみられ、府警が詳しい経緯を調べる。
捜査関係者によると、昨年7月、WWEの大麻グミを食べた20歳代の女性が体調不良を訴え、救急搬送された。府警が女性から残りのグミを回収し、鑑定したところ、幻覚作用などを引き起こす有害成分「THC」が検出されたという。府警は今月13日、WWEが運営する大阪市内の店舗や工場など4か所を麻薬取締法違反容疑で捜索した。
昨年以降、東京や大阪などで大麻成分に似た合成化合物「HHCH(ヘキサヒドロカンナビヘキソール)」を含むグミを食べた人の救急搬送が相次ぎ確認された。厚生労働省は昨年11月、グミを販売していたWWEに対し、医薬品医療機器法に基づいて立ち入り検査を実施し、「販売停止命令」を出した。
厚労省は同12月、大麻に似た有害な6成分を同法の指定薬物として包括的に指定。1月にはこれらの所持や使用、販売に対し、3年以下の懲役または300万円以下の罰金を科す規制を始めた。
◆仕出し弁当食べた61人が食中毒、患者と従業員の便からノロウイルス |
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静岡県は13日、藤枝市八幡の仕出し店「とまとや」の弁当を5日に食べた男女61人が食中毒を発症したと発表した。全員快方に向かっている。患者と従業員の便からノロウイルスが検出されたため、県は弁当が食中毒の原因と断定し、13日から当分の間、営業停止を命じた。
県は同日付で食中毒警報を発令した。
◆白内障手術、保険の単焦点レンズよりも多焦点の方が本当にいいのか? |
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多焦点なら眼鏡がいらなくなると言われたが?
白内障手術、保険の単焦点レンズよりも多焦点の方が本当にいいのか?
57歳男性です。先日、眼科検診で軽度の白内障で将来は手術が必要と言われました。その際に自由診療の多焦点レンズにすれば、近視も乱視も矯正できて眼鏡がいらなくなると言われました。大変魅力的に感じたのですが、単焦点レンズと比べて費用以外に何かデメリットやリスクはありますでしょうか? また、白内障の手術は両目同時にやるのでしょうか?
「手術前の方がよく見えた」と受診する人も
眼内レンズには保険適用される単焦点レンズと、遠近など2か所以上に焦点が合う多焦点レンズがあります。近年は3焦点以上のものや、焦点深度を光学的に拡張したものなどが開発され、選択の幅が広がっています。ちなみに、国が認めた多焦点レンズを用いる場合は「選定療養」(保険適用分に加えて眼内レンズ代金差額分などを支払う方式)が利用できます。認定レンズ以外は自由診療になります。
手術で眼内レンズが挿入されると、見え方の条件が以前とは変化します。ものを「見る」のは実は眼球ではなく脳なので、手術自体に問題がなくても、この条件変化に脳がすぐにうまく適応しないことがあり、そのような悩みを持つ患者さんが筆者の外来を受診されます。
具体的には、「手術前のほうがよく見えた」「まぶしさが増強した」「手術の後、不快で疲れやすい」「夜間見えにくい」「眼鏡から解放されない」などです。
まぶしさの原因が白内障ではなかった方、日常生活であまり不都合を感じていなかったのに手術をしたという方の中に、不適応や不満が散見されます。また、強い近視の方や、多焦点レンズを選択した方に術後の不調がやや出やすいようです。
◆医師不足や違法残業、是正勧告が相次ぐ医療現場…「働き方改革と言っても変わらない」 |
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4月に始まる「医師の働き方改革」を前に、医療現場に苦悩が広がっている。読売新聞の調査では、違法残業で是正勧告を受ける病院は後を絶たず、病院側からは「医師が足りず、労働時間の削減は簡単ではない」と悲鳴が上がる。課題は山積している。
今も月150時間超
西日本の公立病院に勤務する30歳代の男性医師は「多くの医師が疲弊し、使命感で何とかやっている。働き方改革と言ってもほとんど変わらない」と漏らす。
昨年末のある日、男性は午前7時過ぎに出勤し、まもなく手術を始めて終了したのは午後11時過ぎだった。術後の患者の経過を見守り、帰宅したのは午前2時。3時間ほど睡眠を取って出勤し、また手術をこなした。
男性の病院は数年前、労働基準監督署から是正勧告を受けた。だが、申告する残業時間を調整するよう指示されただけで負担は変わらない。今も時間外の業務は毎月150時間を超える。男性は「日本の医療は医師の自己犠牲で成り立っている」と訴える。
専門や地域で偏り
本紙の調査では、2018年以降、都道府県と政令市が運営に関わる公的病院で医師の違法残業で是正勧告を受けた病院は42に上る。
今年4月以降、勤務医の残業時間に罰則付き上限が設けられる。原則年960時間、研修医など特別に認められた場合は年1860時間となる。医師は適用を5年間猶予されていたが、違法残業が続いている。
コロナ禍の20~22年は勧告を受けた病院は少なかった。労基署の調査が困難だったためとみられ、実際は多くの病院で違法残業が行われていた可能性がある。
原因として挙がったのが「医師不足」だ。
厚生労働省によると、医師数自体は増えている。しかし、勤務が不規則な外科や産科など一部の診療科はなり手が少なく偏在し、地方では確保も難しい。今回の調査でも、一部の専門医に業務が偏ったり、離島など他の医療機関が乏しかったりする病院が勧告を受けていたケースが目立った。
産科医3人の違法残業で18年に是正勧告を受けた愛媛県立新居浜病院は県東部の周産期医療や新生児の治療を一手に担う。医師を1人増やしたが、担当者は「妊産婦や患者の数は制御できるものではなく、集中すると長時間労働にならざるを得ない」と話す。
沖縄県・石垣島にある県立八重山病院も22年に是正勧告を受けた。担当者は「離島は都市部に比べ圧倒的に病院数が少なく、医師の確保も難しい」とこぼす。
「自己研さん」名目で
比較的医師数が多い都市部も患者が集中すれば、労働環境は悪化する。兵庫県立西宮病院(西宮市)は19~23年に3回勧告を受けた。幹部は「目の前に患者がいるのに、『違法になるので』と言えない」と打ち明ける。
各病院が残業削減を進める中、課題となっているのが医師が知識や技能を習得する「自己研さん」だ。
昨年8月、神戸市の「甲南医療センター」に勤務していた専攻医(当時26歳)が過労自殺した問題が発覚した。労基署は長時間労働が原因と認定したが、センターは「『自己研さん』が含まれる」と主張している。
厚生労働省は19年7月の通達で、上司の指示や業務と関連があれば労働、それ以外は自己研さんとする。だが、その線引きは曖昧だ。
22年に是正勧告を受けた千葉市立青葉病院は、研修医が時間外に行っていた治療や診察を自己研さんとしていたが、労働にあたると判断された。
労務管理の担当者は「自己研さんのとらえ方が曖昧だった」と釈明する一方、「自己研さんが幅広く労働と認められると、残業時間の上限に抵触し、医療サービスが維持できなくなる」と話した。
医師の働き方に詳しい荒木優子弁護士(第二東京弁護士会)は「自己研さんは労働時間を削減したい病院にとって都合がよく、4月からの残業規制が骨抜きにされかねない。 恣意 的に運用されないよう、労基署は実態に即して指導していくべきだ」と指摘している。
IT技術で改善も
労働環境を改善する取り組みは手探りで進んでいる。
2016年に女性研修医が過労自殺した新潟市民病院は17年6月以降、業務削減のため、症状が落ち着いた患者を地域の診療所に「逆紹介」する取り組みを導入した。22年度の外来患者数は24万人と16年度より3万人減ったという。担当者は「地域で連携し、医師を守りながら医療サービスも維持したい」と話す。
昨年、医師41人の違法残業で勧告を受けた富山県立中央病院(富山市)では残業時間は医師の自己申告制だった。4月以降、医師に位置情報を把握できる機器を持たせ、客観的に労働時間を把握する。同様の機器は各地で導入されている。
厚生労働省は、医師の業務を看護師などに振り分ける「タスクシフト」やデジタル技術を使った業務効率化を呼びかけている。また、医師の偏在解消のため、都道府県に医師の確保計画を策定するよう求めている。
地域医療に詳しい伊関友伸・城西大教授(行政学)は「個々の病院が医師を増やすことは難しい。病院の再編を進めて医師を適正配置し、患者の症状に応じて大規模病院や診療所に振り分ける医療機関間の連携が重要だ。医師の健康を守り、医療提供体制を維持するためには、患者側の理解も必要となる」と話している。
◆「ウェルシュ菌」肉や魚・野菜に広く付着、加熱後も残り食中毒の原因に…室温での長時間放置で増殖 |
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埼玉県は7日、上尾市柏座の上尾中央総合病院で今月1日に病院食を食べた入院患者の男女(30~90歳代)72人が腹痛や下痢などの症状を訴え、うち25人からウェルシュ菌が検出されたと発表した。全員が快方に向かっているという。
同日の病院食は、朝食が大根のとろみ煮やひじきの煮物、昼食が里芋と野菜の含め煮や麻婆春雨などで、入院患者481人に提供された。夕方頃から症状を訴える人が出始めたという。
どの料理が原因かはわかっていないが、県はウェルシュ菌による食中毒と断定。給食業務を受託している「日清医療食品」(東京都千代田区)に対し、同病院での営業を7~9日の3日間停止する処分を出した。同社は6日の夕食から院内での調理を自粛している。
ウェルシュ菌の食中毒は、高齢者や子ども、基礎疾患のある人は重症化することもある。この菌は肉や魚、野菜などに広く付着している。熱に強く、加熱しても一部は残り、大量に調理された後に室温で長時間放置すると増殖しやすい。県によると、たくさん調理してもすぐに食べない場合は小分けにして急速冷却し、温めなおす際、よくかき混ぜながら十分に加熱するのが予防のポイントという。
◆利用やめた障害児の通所を装い、132万円を不正受給の疑い |
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障害児が通う福祉施設に支給される給付費をだまし取ったとして、愛知県警は7日、一宮市の障害児通所施設の元代表で同市の女(54)、事務担当者(47)の両容疑者を詐欺容疑で逮捕した。捜査関係者によると、不正受給額は計2億4000万円に上り、半分を元代表が着服した疑いがあるという。
発表によると、2人は2021年5~8月頃、施設の利用をやめた児童が通所しているように装って、一宮市に障害児通所給付費を請求し、約132万円を不正受給した疑い。
同市は昨年2月、19年以降に約2億2700万円を不正受給したなどとして、施設の事業所指定を取り消していた。また同市以外にも、岩倉、春日井市や岐阜県大野町など7市町から計約1280万円を不正受給した疑いがある。
県警は、約1億1700万円が元代表の女の個人口座に入金されたとみて、詳しい金の流れを調べている。
◆メンソレータムへの消費者の声、生成AIで分析…世界110か国以上で流通し多言語で意見 |
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ロート製薬は8日、子会社が展開する家庭薬ブランド「メンソレータム」に対する消費者の意見を、生成AI(人工知能)を活用して分析し、新たなPR活動を実施すると発表した。米マイクロソフトが神戸市に構えるAIサービス拠点の技術支援を受ける。
今春をめどにブランドイメージ向上につながる画像素材を完成させる。PRキャラクターなどを検討中で、「何の画像を作成するかは未定」(広報)という。メンソレータムは世界110か国以上で流通し、電話、メールなど様々な言語で意見が寄せられている。
◆ニトリなど4社の炊飯器「糖質カット」、合理的な根拠示せず消費者庁が措置命令か |
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「糖質カット」をうたう炊飯器の性能を示す資料を示せなかったとして、消費者庁は8日、家具販売大手「ニトリ」(札幌市)など炊飯器を販売する4社に景品表示法違反(優良誤認)で再発防止を求める措置命令を出したと発表した。
発表によると、4社は2023年2~9月、それぞれ販売する糖質カット炊飯器について、自社のウェブサイトや店頭などで、米を炊く時に糖質が33~59%減るという内容の宣伝をした。同庁は各社に糖質の低減率を裏付ける資料の提出を求めたが、いずれも合理的な実験結果を示せなかった。
ニトリなどは取材に「再発防止に取り組む」などと答えた。
◆認可外保育施設で生後4か月の男児死亡、世田谷区が調査へ…「うつぶせ寝」などへの配慮不十分か |
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東京都世田谷区は7日、区内の認可外保育施設で昨年12月、生後4か月の男児の容態が急変し、搬送先の病院で死亡していたことを明らかにした。区は検証委員会を設置して原因などを調査するほか、警視庁も当時の状況を調べている。
区によると、昨年12月13日、園児の睡眠時間帯だった午後3時15分頃に職員が男児の異変に気付いた。当時、施設内では施設長と臨時職員2人の計3人が勤務していたという。
区は施設を立ち入り調査し、園児をうつぶせで寝かすなど、窒息や「乳幼児突然死症候群(SIDS)」への配慮が不十分だったと指摘。区は専門家を交えた検証委員会を設け、8月までに報告書を取りまとめる。
男児の遺族は7日に記者会見し、父親は「二度とこのような事故が起こらないよう、十分な調査をしてほしい」と訴えた。施設長は読売新聞の取材に「安全対策が徹底できておらず、預けていただいた家族に申し訳ない」と述べた。
◆マイナ保険証の利用率、国家公務員もわずか4%…厚労相「低すぎる」「頑張らないと」 |
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マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」の国家公務員の利用率が、昨年11月時点で国民全体(4・33%)と同水準の4・36%だったことがわかった。マイナ保険証を所管する厚生労働省でも4・88%にとどまった。
武見厚労相は6日の記者会見で国家公務員の利用率が低迷していることについて、「低すぎる。もっと頑張らないと」と苦言を呈した。
政府は現行の健康保険証を今年12月に廃止する予定で、医療機関などを通じてマイナ保険証の利用促進を呼びかけている。自民党内からは「旗振り役の利用率が低迷したままでは、マイナ保険証のメリットをいくら訴えても説得力がない」(閣僚経験者)との声も上がっている。
厚労省によると、利用率が最も高かったのは、総務省の6・26%で、最低は防衛省の2・50%だった。
◆72歳でカメラデビュー、過去には競輪選手も経験…「奇想天外な作風」95歳の原動力は「好奇心と負けん気」 |
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西本喜美子さんのInstagramへ
72歳でカメラデビュー、過去には競輪選手も経験…「奇想天外な作風」95歳の原動力は「好奇心と負けん気」
カメラや小道具が並ぶ自宅内のスタジオ(熊本市で)
物干しざおにつるされた自分を撮るなど、奇想天外、独創的な作風で知られる西本喜美子さんが写真を始めたのは72歳の時。82歳で初の個展を開き、今やインスタグラムのフォロワーは36万人を数える。創作の源泉と、95歳の今、何を思うのかが知りたくて熊本に飛んだ。
「あれはねえ、主人のコートをさおにかけて虫干ししていた時、中に入ったら面白いなと思って。庭に三脚を立ててカメラを据え、リモコンを使って撮ったんですよ」
2011年、熊本市内で初の個展を開いた際、「老人虐待では」との声が上がり、「これは本人による自撮りです」との注が付いたという。
「自虐」ともいわれる自撮りの中には「もう年だから捨てられてもしょうがない」と思って撮ったゴミ袋の中にいる作品や、画像編集ソフトを使い、車にひかれながら新聞を読む作品もある。
「なーんちゅうことするのって言われるけど、被写体は自分だし、いろんな視点があってもいいじゃないですかね。私は写真が下手だから面白く撮ろう、人がびっくりしたり、笑ってくれたりするようなものを撮ろうって思うんです。下手だから面白い方に走ります。上手な写真やきれいな写真はそうかーで通り過ぎちゃうけど、面白ければ皆さん、立ち止まって見てくれるしね」
写真を始めたきっかけは、息子でアートディレクターの和民さんが開く写真講座「 遊美 塾」の生徒の創作作品を見て刺激を受けたこと。塾に通い、写真を一から学んだ。デジタルカメラで撮った写真を加工するため、74歳にして初めてパソコンにも触れた。
自宅の一角には、和民さん手製のスタジオもある。撮影台にはマネキンの手や白鳥の置物などとともに海辺で拾ってきた流木や小石も置かれている。「光の当て方一つで表情が変わる。面白いですよ」。スライスしたタマネギも、破れた障子も被写体になる。
「外に出れば学んで感じることがある」
自ら「好奇心が強い」「負けん気が強い」と言う。
両親が農業指導のために渡ったブラジルで生まれ、8歳で帰国。18歳の時、友達に誘われて美容学校に通い、美容師になった。弟2人が競輪選手として全国を回る姿を見て「自分もやってみたい」と22歳で競輪選手に転身。27歳で税務署員の 斎 さんと結婚し、3人の子どもを育て上げた。
10年ちょっと前に斎さんが逝ってからは一人暮らし。心配した和民さんが東京から近くに越してきて世話を焼く。
「家のことも、お金や葬式のことも、お母さん、心配せんでいいよって言ってくれる。全部息子に頼ってます」
腰が曲がり、家の中でも手押し車が手放せない。週3日はホームヘルパーが来て掃除や食事の支度をする。デイサービスにも通い、食事や入浴、運動などをして過ごす。
「長く腰掛けてカメラを構えたり、マウスを動かしたりすると痛くて疲れてしょうがない。最近パソコンやってないねと写真の先生である息子に言われちゃう。しんどいからもうやめようかとも思うけど、写真をやめたら余計歩かなくなる。仲間にも会えなくなり、独り寂しいでしょうね」
年を取ると健康だけでなく、家族や友人など親しい人を失う機会も増える。
「親しい方を亡くすのは悲しいですよね。だけどくよくよ考えてもしょうがない。生き返ってくるわけじゃないから諦めるよりほかにない。主人のことも、あれが寿命だったんだと諦めました」
「皆さん、寂しくないかと聞いてくるから、そんなことないよとはねのけます。寂しいと言ったら自分が立っておれんです。それより生きている人たちのお相手を一生懸命した方がいいと思うから。でも、たまにすごく寂しくなる時がある。そんな時は早く寝ます。朝がくれば別の世界が待っている。もう別の世界で頑張るしかないです」
ヒト型ロボット「Pepper(ペッパー)」の横を歩く
「95歳になっての感想ですか? 嫌ですよね。だって後が短いじゃないですか。やっぱり少しでも長く生きていたい。もちろん何もできない長生きは嫌ですが、ある程度動ける間は長生きしてみんなと仲良く過ごしたい。こんな気持ち、お宅らにはまだわからんでしょう」
「うちでじっとしておるより、宿題や展覧会の準備など、忙しい思いをしてた方が張りがある。写真を始めてたくさんお友達ができたけれど、それだけじゃなく、何か、自分が助けられた思いがしています。だからありがたいなと思って。家でじっとしてると何もわからんで済んじゃうけど、外に出れば学んで感じることがある。何も知らなくて亡くなっていくよりも、何かを覚えて一生終わる方が得だなって思っています」
◇
人は何歳まで生きられるのか
生物学者の小林武彦さんによると、本来の生物学的なヒトの寿命は55歳前後。進化の過程で老いた個体がいる集団の方が生存に有利に働き、本来より長生きできるようになったと考えられる。とはいえ、現時点では120歳前後が限界とみられるという。
これまで世界で最も長生きした人物として知られるのは、フランス人女性のジャンヌ・カルマンさん。1997年に122歳で亡くなった。
◆鳥取県、県立中央病院の救命救急センター長ら解任…救急救命士への医療行為の指示を拒否 |
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鳥取県立中央病院(鳥取市)の救命救急センターが、消防の救急救命士に必要な医療行為の指示を出すことを拒否するなどした問題で、県病院局は5日、一連の問題に関わった医師らの人事異動を発表した。10日付。
昨年12月5日、救命救急センターの小林誠人センター長が、県東部消防局(鳥取市)側に指示要請を受け付けないとするメールを病院幹部の許可を得ずに送信し、救急救命士からの指示要請を10日間にわたって拒否した。このほか消防側から、中央病院の医師たちから多くのパワーハラスメントを受けたとして調査を求められていた。
これらを受けて県病院局は、小林センター長の役職を解いた。ただ、今後も救急救命士からの指示要請には応じ、救急搬送された患者の治療にあたるという。補佐していた後藤保医師も副センター長から外した。
これに伴い、広岡保明院長がセンター長を兼務。消防などとの調整を一括して行い、院内のガバナンス(組織統治)体制を整える。副センター長は医師2人が新たに兼務し、計3人になる。
県病院局の竹内和久局長は「院内の体制を刷新することが適切と判断し、異動という形で体制を整えた」と説明した。中央病院が認めた一部のパワハラについては、病院局が改めて調べ、処分を検討する。
◆乳幼児ワクチン、新年度から「5種混合」で定期接種…7歳半まで計4回に半減 |
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厚生労働省は5日、百日せきとジフテリア、破傷風、ポリオの4種混合ワクチンにインフルエンザ菌b型(ヒブ)を加えた5種混合ワクチンを2024年度から「定期接種」とする方針を決めた。乳幼児が対象で、従来のワクチンを使った場合より、接種回数を半分に減らすことができる。同日開かれた専門家分科会で了承された。
新たなワクチンは、阪大微生物病研究会(大阪府吹田市)とKMバイオロジクス(熊本市)が、それぞれ製造販売の承認を受けた。いずれも生後2か月から7歳半までの間に4回接種することで5種類の感染症を予防する。
現在、これらの感染症を防ぐため、4種混合ワクチンとヒブワクチンが定期接種となっている。合わせて8回の接種が必要だった。
接種費用は、従来の二つのワクチンと同様、原則無料となる。
◆医師への接待費、公表義務化へ…研究資金提供の製薬会社に対し4月から |
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厚生労働省は、製薬会社が資金を出し、自社製品の臨床研究を大学病院などの医師が行う際のルールを厳格化する方針を決めた。臨床研究法では、製薬会社に対し、研究責任者の医師に提供した資金の公表を義務づけているが、医師への接待費用などを新たに加える。透明性を高める狙いで、同法の施行規則を改正し、4月から適用する。
現行のルールでは研究資金のほか、医師が所属する大学などへの寄付金、講演会の講師謝金、原稿執筆料が公表対象となっている。しかし、「別の名目で資金提供される可能性がある」との指摘があり、対象を広げることにした。
新たに公表対象にするのは、医師への接待費のほか、医師に対する説明会や講演会にかかった費用や件数。期間は、研究中や研究終了後2年以内とする。
臨床研究法は、高血圧治療薬「ディオバン」を巡る臨床研究データ改ざん事件で、製薬会社から研究を実施する大学側に寄付金が提供されていたことを受け、2018年に施行された。
◆電子処方箋進まず、開始1年で導入6%…都内院長「お薬手帳で確認しておりメリット感じない」 |
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薬の処方箋をデジタル化した「電子処方箋」の普及が伸び悩んでいる。政府は来年度末までにほぼ全ての医療機関や薬局での導入を目指すが、運用開始から約1年たった先月28日時点で導入率は6%にとどまる。重複投薬を防ぐ利点はある一方、システム導入費の負担が足かせになっている。政府は補助金支給に加え、来年度の診療報酬改定で普及を後押ししたい考えだ。
電子処方箋は、医師が患者に処方する薬の情報を専用システムに登録し、薬剤師がその情報を見て調剤する仕組みだ。患者は薬局でマイナンバーカードや健康保険証を提示すると、薬を受け取ることができる。
昨年1月26日に運用が始まったが、厚生労働省によると、全国約20万6500の医療機関や薬局のうち、導入済みは約1万2500施設と少ない。普及が進まないのは、専用システムの導入費用がかかることも要因だ。最新システムだと、大病院で約600万円、診療所や薬局で55万円程度かかり、導入するメリットがないとの声も聞かれる。
導入が進めば、患者一人ひとりの薬の処方履歴が一元管理され、複数の医療機関や薬局が情報を共有できる。飲み合わせが悪い薬は自動的に警告が表示され、無駄な薬の処方もなくなり、医療費の圧縮につながる。ただ、都内の診療所の院長は「服薬情報はお薬手帳で確認しており、導入するメリットを感じにくい。患者は情報管理に不安があり、病気の情報を共有されたくないのでは」と語る。
厚労省の担当者は「サイバー攻撃を受けても情報が漏れないような安全性の高いシステムを構築している。メリットと併せ、周知していきたい」と説明する。
◆「ヤブ医者」「金のため」コロナ禍に誹謗中傷投稿、発信者特定し賠償命令も…忽那賢志・阪大教授「泣き寝入りしたら後進も被害」 |
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コロナ禍に感染対策やワクチン接種をSNSで呼びかけたことで、ネット上で「金のために 煽 っている」などといわれのない 誹謗 中傷を受けた医師らが、発信者(投稿者)の責任を追及している。裁判所が投稿者に損害賠償を命じる判決も出ている。医師への中傷は、感染拡大を防ぐ情報の公開にブレーキをかけ、感染対応の遅れや不安感を高めることにつながりかねない。
大阪府の新型コロナウイルス対策本部専門家会議で委員を務めた 忽那賢志 ・大阪大教授(感染制御学)は、SNSで中傷を受けた医師の一人だ。
未知のウイルスに対する不安が広がっていた2020年4月頃から、典型的な症状や重症化リスク、後遺症などに関する情報をツイッター(現・X)で発信。「マスク着用による感染予防の最新エビデンス(証拠)」「避難所での感染対策」なども書き込んだ。
「ヤブ医者」「こいつは死刑」。攻撃する匿名の投稿はすぐに目立つようになった。21年にワクチン接種が始まると、投稿数はさらに増え、内容もエスカレート。「金のために接種を煽るクズ野郎」とも中傷された。嫌な気持ちが募り、家族や同僚から心配されたが、正確な情報を伝えるため情報発信を続けた。
多くの医師は声を上げられないでいるが、「このまま泣き寝入りしたら、次にパンデミックが起きた時、後進の医師たちも被害に遭う」と考えた。
22年12月、特に悪質な投稿約50件について、発信者情報の開示を大阪地裁に申し立てた。全ての開示が認められ、40人ほど発信者を特定。約半数とは、解決金の支払いを条件に和解が成立した。
コロナ禍が収束し、感染症法上の位置付けが「5類」に引き下げられた後の昨年7月、和解に応じなかった投稿者17人を提訴。うち3人に対し同地裁は昨年12月、投稿を「悪質」と認め、計約70万円の損害賠償を命じる判決を言い渡した。和解などで2人への訴えは取り下げ、残る12人との訴訟が現在も続いている。
訴訟の弁護士費用などで600万円近くをかけ、特に悪質な投稿者は名誉 毀損 容疑などで刑事告訴にも踏み切った。
「発信の萎縮、公衆衛生の脅威に」
忽那教授に限らず、コロナ禍では、懸命に治療にあたった医療従事者らに対し、過剰反応から攻撃的な言動が相次いだ。「ワクチンは人口削減が目的」などの陰謀論も広まり、ワクチン接種やマスク着用に抗議する動きが強まった。
逼迫 する病院の状況やワクチンの有効性を発信した埼玉医科大総合医療センター(埼玉県川越市)の岡秀昭教授(総合診療内科)も、嫌がらせの投稿をされた。自身の容姿や家族への中傷も受けたという。
昨年4月以降、発信者情報の開示を東京地裁に請求し、一部の投稿者と示談が成立した。中年の男性が多く、「ひきょう者だった」といった謝罪文も寄せられたという。
岡教授は「数字では見えないが、感染対策やワクチン接種によって多くの人が死亡を免れている。中傷被害を恐れて発信を 萎縮 してしまっては公衆衛生の脅威になりかねない」と強調した。
被害拡大で政府が対策強化
SNSでの誹謗中傷の被害は拡大している。
女子プロレスラーの木村花さんがテレビ番組での言動を巡って心ない言葉を浴び、2020年5月に自殺したことで社会問題となった。総務省が23年8月に実施した調査では、SNS利用者の18%が「過去1年間に中傷の被害に遭った」と回答し、22年3月調査の8%から10ポイント増加した。被害を受けたSNSはXが53%と突出し、フェイスブックとインスタグラムがともに14%で続いた。こうしたSNS運営企業の多くは海外に拠点があり、削除を求める手続きや窓口がわかりにくく、対応の遅れが指摘されている。
政府は迅速な対応を進めるため、プロバイダー責任制限法の改正案を今国会に提出する。Xなど大手企業を念頭に不適切な投稿の削除申請があった場合に対応結果を一定の期間内に知らせることを求めるほか削除を判断する基準を定めて公表することも義務付ける。
◆目が見えにくい人はスマホ使える? カメラをかざしたものを説明してくれるアプリも |
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Q スマートフォンって目が見えにくくても使えるの?
ヨミドック むしろ、第3の目とも言われる強い味方ですよ。スマホのカメラを見たいものにかざし、高倍率に変えれば、拡大鏡の代わりになります。コントラストをはっきりさせることもできます。
Q なるほど。でも、おばあちゃんは「文字が小さくて読みづらい」と言うよ。
ヨ 文字の大きさは、設定で変えられます。まぶしく感じる人は、背景の色などを変えれば、文字がくっきりと読みやすくなります。
Q 全く見えないと、難しいよね。
ヨ いえ、スマホを使いこなし、生活を向上させる全盲の人は多いですよ。
Q どう使うの?
ヨ 声で操作できる機能、「Siri」や「Googleアシスタント」を使ったことはありませんか。タイマー設定、音楽の再生、天気やニュースの聴取などができますよね。音声入力と読み上げ機能で、メールやSNSの読み書きも可能です。さらに、iPhone(アイフォーン)など、見えない人用のモードが備わる機種もあり、指での操作もできます。
Q 役立つアプリもある?
ヨ 様々な無料アプリがあります。「明るく大きく」というアプリは、撮影した書類や本、画像の文字の大きさや明るさ、コントラストなどを変え、読みやすくします。
「Be My Eyes」は、インターネットでつながるボランティアが、カメラをかざしたものを説明してくれるアプリです。例えば、▽冷蔵庫の食品の消費期限を知りたい▽服の色合わせを確認したい▽床に落ちた物を探したい▽コンビニの棚や自動販売機の商品を知りたい――など、多くのニーズに応えます。昨年、「Be My AI」という新機能が追加され、画像に写っているものをAI(人工知能)が解析、説明します。
「Seeing AI」は、色や周囲の明るさ、紙幣などを識別し、はがきなどの短い文書を読み上げます。
Q 便利だね。早速おばあちゃんに勧めてみよう。
ヨ 初めてなら、いきなり購入せず、家族のお下がりなどで操作が自分に合うか確かめましょう。スマホの使い方教室もあります。点字図書館や見えにくい人に情報提供する「スマートサイト」も活用してください。
ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。
◆保育士のモデル賃金公開、待遇改善へ「見える化」…給与低く人手不足が深刻化 |
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政府は都道府県に対し、保育園ごとに保育士のモデル賃金を公開するよう求める方針を固めた。「見える化」により、保育士の待遇を改善するための予算が適正に使われているか検証しやすくし、低い賃金の向上につなげるのが狙い。新たな制度を盛り込んだ改正子ども・子育て支援法案を通常国会に提出し、2025年4月の開始を目指す。
対象は保育園のほか、認定こども園、幼稚園などで全国で4万超となる。新制度が導入されると、施設側は毎年度、職員ごとの給与額や収支などを都道府県に報告する義務が生じる。
こうした情報には営業秘密が含まれるため、都道府県は施設ごとに、職員のモデル賃金や運営費に占める人件費の割合などについて、子育て支援情報サイト「ここdeサーチ」で公開する。
モデル賃金などが公開されれば、保育士希望者が就職先を検討する際に参考にでき、保護者が園を選ぶ判断材料の一つになる。政府は施設側が都道府県に報告した情報をもとに、保育士の賃金向上につながっているかを検証し、今後の政策を考える際に役立てる。
保育士は人手不足が深刻化している。重い責任に見合わない低賃金が要因で、21年の全産業の平均給与が約426万円なのに対し、保育士は約370万円だった。政府は24年度予算案で、保育士らの待遇改善の関連費用として1兆6617億円を計上した。
ただ、待遇改善費用を巡ってはこれまで、施設の改修といった別の用途に充てられたり、一部職員に偏って使われたりするケースが相次いできた。使途に関する施設側の裁量が大きいためで、有識者などからは保育士らの賃金向上につながっていないとの指摘が相次ぎ、給与水準などの公開を求める声が高まっていた。
◆勾留中に糖尿病が悪化、19歳男性死亡させた疑いで警部ら5人書類送検へ…病院搬送せず |
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勾留中の男性が持病を悪化させたのに、適切な措置を取らずに死亡させたとして、警視庁は2日にも、高島平署の留置場管理責任者だった50歳代の男性警部ら5人について、業務上過失致死容疑で東京地検に書類送検する方針を固めた。
捜査関係者によると、死亡したのは高島平署が昨年4月13日に大麻取締法違反容疑で逮捕した男性(当時19歳)。翌14日から持病の糖尿病で容体が悪化し、16日朝に搬送先の病院で死亡が確認された。
男性は15日に血を吐き、自力で立てない状態に陥っており、警視庁は警部ら5人が救急車を呼ぶなど必要な措置を取らず、男性を死亡させた疑いがあると判断した。高島平署は逮捕時に男性の持病を把握し、かかりつけ医に治療経過を確認。「ただちに命の危険はなく、通院の必要はない」との説明を受けたが、体調悪化後に病院を探し、16日に受診させる予定だったという。
◆美容クリニックで「やせ薬」、糖尿病治療薬の広告規制強化へ…ダイエット効果は未確認 |
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糖尿病の治療薬がダイエット目的で使われている問題を受け、厚生労働省は、医療機関の広告規制を強化する。薬の本来の使い方ではなく、自由診療で行う場合、未承認であることなどを明示するよう求める。医療広告ガイドライン(指針)を近く改正する。
この薬は「GLP―1受容体作動薬」と呼ばれ、血糖値を下げるほか、食欲を抑える効果がある。主に糖尿病治療薬として、国から承認を受けているが、ダイエット目的での使用は、効果や安全性が確認されておらず、公的医療保険が適用されていない。
しかし、美容クリニックなどが「やせ薬」として、全額自己負担となる自由診療で投与するケースが増えており、供給不足を招いている。厚労省が美容クリニックのウェブサイトを調査したところ、やせる効果を強調するなど指針に違反する事例が2021年度は50件に上り、22年度には72件に増えた。
指針の改正案では、未承認薬を使った自由診療について、▽未承認薬であること▽入手経路▽海外での副作用情報▽重い健康被害が生じても国から医療費の支給を受けられないこと――などを医療機関のサイトで明示するよう求める。
厚労省の担当者は「本来の目的とは異なる使用は、思わぬ副作用を招く恐れがある。慎重に判断してほしい」と話している。
◆救急搬送時パワハラ問題、医師「パワハラ指摘は逆にモラハラと感じる」…院長が「消防局の虚偽」主張する案件も |
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鳥取県東部消防局(鳥取市)の救急隊員らが、県立中央病院(同)の複数の医師からパワーハラスメントを受けたと主張している問題で、病院は1日、パワハラやそのおそれのある事例が計6件あったとの調査結果を公表した。県庁で記者会見した広岡保明院長は「医師に『こんなことをしたらいけない』という研修をしなければ」と述べた。
消防局側は、2022年1月から2年間にわたって4人の医師から計22件のパワハラを受けたと主張。病院に詳しい調査を求めていた。病院は、消防と医師の通話記録の確認や医師への聞き取りを実施した。
病院がパワハラに該当すると判断したのは1医師の3件。患者の受け入れを要請する病院の選定を巡り「僕が言わなきゃ判断できなかったことですかね」などと高圧的な口調で言う▽救急隊員が患者の年齢を伝える途中で電話を切る――などの行為を確認した。
電話を切った行為について医師は「必要な情報が入ったから切った。相手が切るまで待たないといけないのか。パワハラを受けたとの指摘は逆にモラハラを受けたと感じる」と反論したという。しかし病院は「業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動」と認定した。
録音は残っていないが医師が否定せず、不適切と考えられる3件の言動については「パワハラのおそれがある」とした。広岡院長は医師の行為について「指導して少しでもよくしたいという思いがあり、行き過ぎた行為があった」と述べた。
一方で「業務上必要な範囲内」などとしてパワハラと認めないものが9件あった。
さらに3件は消防局の主張する言動はなかったとして、広岡院長は「消防局の虚偽だ」と強い言葉で反論した。
例えば隊員が医師から「保健所を通して受け入れ要請をしてください。医師が言っているんだからそうしてください」と言われたとされるケースは、音声を調べたところ、実際は「保健所の指示を仰いでくださいと中央病院の医師に言われたとお伝え願えれば」だったとした。
そのほか、応急手当て装具の位置が誤っていると医師が指摘した際の「だから東部消防はダメなんですよ」や、救急隊員が患者への対応を手伝った際の「救急隊は邪魔なので帰ってください」などの発言は、医師が否定し、録画もなく不明とした。
広岡院長は「消防局と信頼関係を築くには、ちょっとしたことでも言ってもらい、修正していく。意見を言い合える場があればと思う」と話した。
東部消防局は「 真摯 に対応いただいた病院関係者に感謝する。引き続き地域住民のため救急業務に尽力していきたい」とのコメントを出した。広岡院長から「虚偽報告」と非難された点について、消防局幹部は「隊員への聞き取り内容だ」と主張。「事実かどうかを含めて確認してもらうために出した」と説明し、偽りを否定した。
◆性別変更後にパートナーが出産、元男性の認知届を認めなかった国の違法性否定…東京地裁 |
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女性に性別変更した元男性の凍結精子を使ってパートナーの女性が出産した子を巡り、認知届を受理すべきではないとの見解を示したのは違法だとして、元男性らが国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(品田幸男裁判長)は1日、請求を棄却した。
判決などによると、元男性は性同一性障害で性別適合手術を受け、2018年に戸籍上の性別を女性に変更。手術前に凍結保存した精子で妊娠したパートナーの女性が、性別変更前の18年に長女を、変更後の20年に次女を出産した。
元男性は20年に娘2人の認知届を自治体に出したが、国の担当者は、戸籍上の性別を女性に変更した元男性を「父」として認知できないなどの理由から「不受理が相当」と回答。自治体は認知届を受理しなかった。
判決は「国の見解は相当の根拠が認められる」として違法性を否定した。
元男性は次女を認知できる地位の確認も求めたが、判決は「訴えは不適法」として却下した。長女は別の裁判で東京高裁が22年に認知を認め、確定している。
◆ALS嘱託殺人、医師に懲役23年を求刑…検察側「知識を悪用」 |
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難病の筋 萎縮 性側索硬化症(ALS)患者(当時51歳)に対する嘱託殺人罪などに問われた医師の大久保 愉一 被告(45)の裁判員裁判の第9回公判が1日午前、京都地裁(川上宏裁判長)で始まった。検察側は論告で、「難病患者は積極的に殺害するべきだという思想を実践するため、医療知識を悪用して犯行に及んだ」と述べ、懲役23年を求刑した。大久保被告は別の男性に対する殺人罪にも問われている。
弁護側はこれまでの公判で、死を望みながら自分で死ぬことができない患者の依頼を受けて殺害した行為は正当で、刑事責任を問えず、無罪にするべきだと訴えている。この日の最終弁論でも同様の主張をするとみられる。判決は3月5日の予定。
起訴状では、大久保被告は元医師の山本直樹被告(46)と2人で2019年11月、患者が住む京都市のマンションを訪ね、患者に頼まれ、胃にチューブをつないで栄養を送る「胃ろう」から薬物を投与して殺害したとされる。
検察側は論告で、大久保被告は患者から130万円の報酬を入金させたほか、詳細な検査をせずに短時間で犯行に及んだとし、「ビジネスとして実行したといえ、正当な行為に当たるはずがない」と強調。医療に見せかけて殺害するマニュアルを執筆しており、今後も実行や指南をする恐れがあると述べた。
論告に先立ち、患者の父親(83)の意見陳述書が読み上げられ、父親は「被告を一生恨みます」と訴えた。
これまでの公判で、大久保被告は、安楽死について「病気でもう頑張れない人に、苦しみからの解放を 叶 えてあげるもの」と持論を展開。寝たきりで眼球と 瞼 しか動かせなかった患者とSNSで殺害計画についてやり取りしたことを認め、「患者の願いを叶えるためにやった」と述べた。
弁護側は、「被告の行為を刑法で処罰すると、患者は国家によって『望まない生』を強いられる結果になり、自己決定権を保障する憲法13条に反する」としていた。
大久保被告は、山本被告らと共謀し、11年に東京都内で山本被告の父親(当時77歳)を殺害したとする殺人罪にも問われており、検察側は論告で「計画を首謀したのは大久保被告で、強い非難に値する」とした。
山本被告は既に1審・京都地裁で嘱託殺人罪について懲役2年6月、殺人罪は懲役13年の実刑判決を受け、いずれも控訴している。
◆「空間除菌」商品に合理的根拠なし、興和・ピップなど4社に措置命令 |
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合理的な根拠がないのに室内の空間除菌効果をうたった商品を販売したとして、消費者庁は31日、「興和」(愛知)など医療品販売会社4社に景品表示法違反(優良誤認)で再発防止を求める措置命令を出したと発表した。
ほかに命令を受けたのは「ピップ」(大阪)、「中京医薬品」(愛知)、「三和製作所」(東京)。
発表によると、4社は2021年12月以降、商品のパッケージなどに、二酸化塩素の働きで浮遊するウイルスや菌を長期間除去する効果があると表示した。同庁が効果を証明する資料の提出を求めたところ、測定に不適切な密閉空間や低湿度での実験結果しか提出できず、合理的な根拠があるとは認められなかった。
興和は取材に「発売に際し、消費者庁に事前相談をしていた。命令は誠に遺憾だ」とした。ほかの3社は「命令に従う」とした。
◆港区白金の病院跡地ビルの売買で1億円脱税容疑、実質経営者と公認会計士を告発 |
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法人税1億円余りを脱税したとして、東京国税局が不動産会社「白金メディカルサポート」(東京都港区、解散)の実質経営者(82)と、公認会計士(65)を法人税法違反容疑で東京地検に告発したことがわかった。
関係者によると、同社は港区白金の再開発で病院跡地に建てられたビルの権利の売買などで多額の利益を上げたが、架空の外注費を計上するなどの手法で、2021年8月期までの2年間に計約4億3700万円の所得を隠し、法人税約1億700万円を脱税した疑いがある。
架空の外注費を取引先に支払った上でバックさせていたという。隠した所得は、実質経営者の口座や、実質経営者が代表取締役を務める別法人の金庫で管理していたとみられる。公認会計士は、不正と知りながら白金メディカルサポートの税務業務を担っていたという。
取材に対し、実質経営者は「国税局の指導に従い、修正申告した。今後は適切に申告納税する」、公認会計士は「職業会計人としての責任を感じている」と答えた。
◆[長生きにエール]<4>うなぎを詰まらせ救急搬送された「胃ろう」患者 「次は焼き鳥を」とリクエストできるようになれた理由 |
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食事をしっかりとることは、長生きのための大切なポイントの一つです。今回は、「食べる力」を保つためのサポートや、楽しく食事ができる場を作る取り組みを紹介します。
言語聴覚士・管理栄養士 医師と連携
「お昼は何を食べました?」。言語聴覚士の亀岡祥子さん(44)がそう尋ねると、男性(80)はゆっくりと「だし巻き卵」と答えた。「いいじゃないですか!」という亀岡さんの反応に、男性も穏やかに笑った。
脳出血の後遺症で「食べる力」が落ちた男性は、約3年前から週に1度、亀岡さんら「栄養サポートチーム」の訪問を受けている。
言語聴覚士は、「話す」「聞く」という機能回復のためのリハビリを担当するイメージが強いが、口の体操や発声といった訓練は、食べ物をのみ込む力をつけることにもつながる。だから、「食べる力」の維持・回復の後押しの専門職でもある。
傍らでは、管理栄養士の粟野彩さん(38)が、男性の妻(74)と長女(47)から、食事の相談を受けていた。
「おでんが食べたいって言うんですけど……」「おいしい季節ですもんね。いいと思いますよ」。汁気が多いと食べにくい男性のために、粟野さんは、とろみをつけた煮汁を、小さく切った大根などによく絡めるようにアドバイスした。
◇
栄養サポートチームは、訪問診療医の渡辺克哉さん(49)が2016年、患者の食生活を支えるために始めた。現在は、大阪府を中心に9か所の訪問診療クリニックと提携し、管理栄養士7人と言語聴覚士6人が、医師や看護師らとも連携しながら、食べるのが難しい、栄養状態が悪いといった約200人を定期的に訪問している。
チーム誕生は、胃に開けた穴から栄養剤を注入する「胃ろう」をつけていた患者が、ある日、うなぎを食べて喉に詰まらせ、救急搬送されたのがきっかけだ。
「搬送先に叱られたが、『食べたい』という強い思いを感じた」。渡辺さんは振り返る。
言語聴覚士と管理栄養士に協力を求め、この患者ののみ込む力に合わせてうなぎの調理方法を工夫。食べる練習を重ねるうち、「次は焼き鳥を」とリクエストも受けるようになった。
元気になっていく患者の姿に、「食べる楽しみは、生きる希望になる」と知った渡辺さんは、「食べること」を支援する専門スタッフを拡充してきた。
◇
発足当初から活動している言語聴覚士の亀岡さんは「病院で働いていた頃と違い、『こうすれば食べられるのでは』と工夫できることがうれしい」と話す。
安全を意識しすぎると、「食べる楽しみ」や「食べる力」を失わせる結果になりかねない。胃ろうだったり、ペースト状の食事を取っていたりして、チームの訪問日だけ、好きな物を食べられるという人もいる。
「私たちが患者さんに向き合うのは生活の場。一番大切にするのは、本人の気持ちなんです」と渡辺さん。「食べたい」という気持ちにどう応えられるかを全員で考え、サポートしている。
食べやすくする工夫 欠かさず
「このぐらいなめらかにすれば、食べられるかも」「ミキサーを使うのは、家では面倒じゃないかな」
1月上旬、大阪市内のクリニックで、粟野さんと亀岡さんが、訪問サービスの利用者を想定し、料理を試作していた。サバのみそ煮は、圧力鍋に似た専用の調理器具で軟らかくしたり、ゴマ油をかけてしっとりとさせたりして、のみ込みやすくした。
栄養サポートチームは、食べやすく、調理しやすい料理を提案できるよう、こうした試作を続けている。その人の出身地の郷土料理を食べやすくアレンジしたり、桜餅など季節を感じられるメニューを出してみたりと、食欲を引き出す工夫も欠かさない。
地域の飲食店と一緒に、新たなメニュー作りにも挑戦している。通常より軟らかく蒸したうなぎのかば焼きや、ゼリーやムース状の洋食のコースなどの提供を始めた店もある。
「家でも、外食でも『おいしく食べたい』という願いがかなう社会にしたい」。亀岡さんたちは、そう願う。
高齢者の「孤食」を防ぐ…「シニア食堂」交友関係も広がる
「キュウリを切るの、手伝って」「ちょっと、誰か味見してくれない?」
昨年12月下旬、千葉県流山市にあるキッチンスペース。バンダナにエプロン姿の16人のシニアたちが、にぎやかに声をかけ合いながら、ミネストローネとカナッペの2品を仕上げた。
NPO法人メリリル(同市)が運営する「シニア食堂」の料理交流会は、高齢者が一人で食事をとる「孤食」を防ごうと、2017年春に始まった。約60人の会員の半数以上は、離婚や死別を経験したシングルだ。
月1回の料理交流会に6年前から参加している関根英治さん(69)は、70代以上がほとんどの会員の中では若手。盛りつけをうまくできなかったりすると、「しっかりー」と肘でコツンとされる。高い場所にある棚に食器をしまう時は、長身の自分に「おねがーい」と声がかかる。
15年ほど前から一人暮らしで、総菜や弁当を買って食べることがほとんどだった。さびしそうな姿を心配した姉に勧められたのが、参加のきっかけだった。
自分は「内気な性格」だと思っていたが、料理をしたり、食べたりしながら自然にほかの会員と話すように。毎回、終わった後はファミリーレストランに場所を移し、仲間たちとお茶を飲む。
「人柄のいい人ばかり。ルンルン気分で通っている」と関根さん。周囲から「明るくなった」とよく言われる。
会員の7割は女性。夫と死別した大木鞠子さん(78)は、料理から食事、片付けまで、仲間とワイワイやるのが楽しい。「シニア食堂は、私の大切な居場所の一つ」と明るい表情だ。
同法人の前身は、「東葛地区婚活支援ネットワーク」というNPO法人で、10年以上前から、独身者同士の出会いの支援を中心に活動してきた。結婚相談会にはシニアの参加も多く、「結婚まではいかなくても話し相手がほしい」「一人で食事をするのがさみしい」といった声が出ていた。副代表の松沢 花砂 さん(56)は「『食』と『会話』が楽しめる場を作ろうと思った」と話す。
料理の手際は人それぞれで、手順のミスなどもある。松沢さんは調理を始める前に、「もたもたOK、うっかりOK。みんなで仲良くやりましょう」と呼びかける。失敗を許し合える関係が大切だと思うからだ。
活動の場はキッチンに限らない。昨年11月16日には、会員14人が地元の江戸川大を訪れ、学生からスマートフォンの使い方を教わった。
「新しくLINEをしたい人がいるんだけど」「音声で検索する方法は?」
矢継ぎ早の質問に、講師役の学生たちが丁寧に答えた。大学4年の川端彩月さん(22)は「どういう言葉で説明すればいいか、よく考えている。喜んでもらえるとうれしい」と話す。
聞きたいことを紙にまとめてきた福原敏江さん(72)は、「学生さんと会うと、エネルギーをもらえる」と笑顔を見せた。「シニア食堂」に一人で参加したことをきっかけに、予想外の交友関係が広がった。
「おいしいね」 言い合える機会
農林水産省が2020年に発表した意識調査の報告書によると、70歳以上の女性の28%、男性の15%が「ほとんど毎日、一人で食事をとる」と回答した。長生きの時代、核家族化もあって、「孤食」が広がっている。
同じ調査で、地域での食事会などに「参加してみたい」と答えた人は、70歳以上では、女性も男性も5割近くに上っている。食事の目的は、栄養をとることだけではない。「楽しく食べたい」という思いがうかがえる。
家族がいても、「食べる力」の低下で同じ物を食べられない、という人もいる。近年、食材を軟らかくする技術で、見た目は同じメニューを一緒に食べられる、というケースも増えつつある。食への関心が薄くなりがちな高齢期。誰かと食卓を囲み、「おいしいね」と言い合える機会を持てるような工夫が求められる。
◆パレスホテルの従業員食堂で101人が食中毒…3日間営業停止処分 |
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東京都は26日、千代田区のパレスホテルで従業員食堂を利用したホテル従業員ら101人が食中毒を発症したと発表した。いずれも軽症で、回復に向かっているという。
都とホテルによると、発症したのは、19~20日に食堂を利用した19~63歳の男女。下痢や 嘔吐 、発熱などの症状を訴え、複数人からノロウイルスが検出された。
千代田区は26日、給食会社「エームサービス」(港区)が運営するこの食堂を3日間の営業停止処分とした。ホテルは発症した従業員が移動したエリアを消毒し、通常通り営業を続ける。
◆被災者を最も悩ませるのはトイレ、汚物処理追いつかず不衛生な状態続く…食事や水を制限する人も |
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能登半島地震の現地取材班に加わり、今月11~18日、石川県能登町で取材した。崩れ落ちた住宅、陥没した道路――。目の当たりにした被害の爪痕は、想像を超えていた。発生から3週間が過ぎたが、数多くの住民が避難所で厳しい生活を送っている。
11日夜に能登半島北東部にある能登町に入った。金沢市中心部からは約125キロ離れている。普段なら車で約2時間で行けるが、道路はひび割れや土砂崩れで至る所が寸断され、通行可能な道に遠回りしながら進み、約4時間半かかった。
中心部の宇出津地区は、多くの瓦屋根の木造家屋で屋根や壁にブルーシートがかけられ、1階部分が押し潰された家もあった。応急危険度判定で「危険」や「要注意」を意味する赤や黄色の貼り紙も目立つ。
石川県によると、同町では、23日時点で家屋の被害が5000棟、8人が亡くなり、1100人以上が避難所生活を送っている。
同町東部の海沿いでは、津波にも見舞われた。女性(79)の家は海から約100メートルにあり、津波が来たという。夫婦で高台に逃げて無事だったが「住む所がなく、これからどうすればいいのか見当もつかない」とうなだれた。
◇
12日に訪れた町立松波中学校の避難所では約150人が身を寄せていた。発災直後は600人がいたという。
体育館では、床に体操用マットなどを敷き、段ボールの簡易な仕切りで区切ったブースが並ぶ。雪が降る日もあり、ストーブはあっても室内でも冷え込む。プライバシーへの配慮が十分ではない中、被災者らは毛布にくるまり、過ごしていた。
被災者を最も悩ませたのは、トイレだった。断水の影響で水が流れない。便器をポリ袋で覆い、利用後に凝固剤で汚物を固めて処理していたが、処理が追いつかず、不衛生な状態が続いていた。足腰が悪くトイレへ頻繁に行きづらく、食事や水を制限する人もいた。
◇
能登町は65歳以上が全町民の5割に上る。地震や津波を生き延びても、避難生活で亡くなる災害関連死も起きている。
町立柳田小学校に避難していた女性(98)は地震で自宅が壊れ、車で一夜を過ごし、翌2日から避難所に入った。しかし、徐々に元気がなくなり、11日の朝、おかゆをのどに詰まらせ、搬送先の病院で亡くなった。長男(68)は、「倒壊してもおかしくない家から逃げ出して、せっかく避難所までたどりついたのに」と悔やんでいた。
十分な支援や対策があれば避けられたのでは――。取材を通じて、やり切れなさを感じ、高齢者らの迅速な「2次避難」の必要性を痛感した。
インフラの復旧は少しずつ進んでいるが、復興への道のりは長い。主な産業の農業や漁業は再生できるのか。避難所で出会った男性(86)は「過疎化と高齢化が進む中で地震が来た。もう立て直す人がおらず、復活は難しいのでは」と悲痛な表情を浮かべた。
◆[AED](5)スマホで救命処置を15分で学ぶアプリ登場…胸骨圧迫のテンポを体験 119番通報時の通信指令員との会話も音声で再現 |
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目の前で人が倒れた場合、冷静に正しい救命処置を実施できるでしょうか。日本AED財団は、スマートフォンを使ってトレーニングができるアプリを開発しました。どのようなものなのでしょうか。
救命コーチングアプリ Liv
アプリの名称は「救命コーチングアプリLiv」です。(1)119番通報の仕方(2)胸骨圧迫の方法(3)AED(自動体外式除細動器)の使い方――を学ぶことができます。所要時間は15分で、スマホのほかに、あらかじめクッションを用意しておきます。
「救命処置を行うには、資格が必要か」「心停止の人には、胸骨圧迫と人工呼吸の両方を必ず行わないといけないか」といったクイズにも答えながら、画面をタップして進めます。
「もしあなたが1人の場合は、119番通報をして下さい。すぐ近くにAEDがあれば、AEDを取りに行って下さい。」という具合に、イラストとメッセージが示され、救命救急の正しい方法について順を追って示してくれます。
頭の動きを捉えて
通信指令員とのやりとりを音声と文字で再現
胸骨圧迫をする際の頭の動きをスマホのカメラが捉えて、テンポが速いか遅いか判定し、画面上に表示される
119番通報をした場合、通信指令員とどのようなやりとりをするのか知っておくと、いざという時に状況を冷静に伝えることができます。アプリ上で、「119」をプッシュすると、実際のやりとりを音声と文字で再現してくれます。
胸骨圧迫は、クッションを倒れた人の胸に見立てて練習します。スマホは、クッションを挟んで反対側に置きます。すると、胸骨圧迫をする時の頭の動きをスマホのカメラが捉え、テンポが適切かどうか判定してくれます。胸骨圧迫は、1分間に100~120回のテンポで、胸が5センチ程度沈む強さで続ける必要があります。
電極パッドを貼る練習も
AEDの使い方を学ぶコーナーでは、電源ボタンを押せたり電極パッドを画面上で貼る体験ができたりする
AEDの使い方の練習では、画面に示されたAEDの電源ボタンを押して始めます。すると、画面にある2枚の電極パッドを体の正しい位置に貼れるかどうか、画面上で実践できます。
救命コーチングアプリLivはこちら
日本AED財団専務理事の石見拓さんは「消防機関や日本赤十字社による講習だけでも年間240万人の方が救命処置の講習を受けていますが、アプリによって、より多くの人が学べるようにしたい」と話しています。同財団は新年度以降、学校現場にもアプリを普及させて、学校教諭による救命教育を支援し、子どもたちが学べるようにしていくとしています。
◆元巡査の女、SNSで医師装い女性2人から90万円詐欺認める…検察側は懲役3年求刑 |
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SNS上で医師などを装い、女性2人から計90万円をだまし取ったとして詐欺罪に問われた元大阪府警西成署巡査の女(25)の初公判が23日、佐賀地裁であり、女は起訴事実を認めた。検察側は懲役3年を求刑し、弁護側は執行猶予付きの判決を求め、即日結審した。判決は31日。
起訴状などでは、女は何者かと共謀し、昨年7~9月、カナダ人医師などを装い、佐賀県の女性ら2人に「航空券代を貸してほしい」とメッセージを送り、被告名義の口座に入金させるなどして計90万円を詐取したとしている。
検察側は冒頭陳述で、女が詐欺に遭い、送金した口座の名義人から連絡を受けて、報酬目的で犯行に加担したと主張。弁護側は90万円が入金された口座は準備したが、実行行為そのものには関与していないとした。
◆[長生きにエール]<3>最高齢は91歳 子ども食堂に野菜を届けるシニア男性グループ・・・定年後も社会とつながる |
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65歳以上の高齢者は支えられる側――。そんな決めつけは、もう古いかもしれません。長生きの時代。誰かのために、という思いがあれば、活躍の場はまだまだありそうです。
「きょうのお届け先は1件です。キャベツと白菜、それに、ブロッコリー、大根もとりますよ」
気温が1桁台と冷え込んだ昨年12月下旬の朝。大阪市鶴見区にある畑で、 龍神 正則さん(80)が呼びかけると、高齢男性たちが作業に取りかかった。
風が強く、「寒いなあ」という声も漏れたが、収穫したり、雑草を抜いたりしている様子はみんな生き生きとしている。
子ども食堂で使ってもらうために野菜を育てる「アグリ」のメンバー(昨年12月21日、大阪市鶴見区で)
龍神さんが代表を務めているグループ「アグリ」は、約500平方メートルほどの畑で野菜を育てている。自分で食べたり、売ったりするためではない。「お届け先」は区内の子ども食堂だ。
この日、収穫した野菜は、両手で抱えたプラスチックの箱で2杯分。アグリの活動をサポートしている同区社会福祉協議会の安藤美希さん(50)に託すと、「今年も、おいしい食材を提供いただき、ありがとうございました」と笑顔が返ってきた。約1時間半の作業を終えたメンバーたちの表情は、晴れやかだった。
◇
「シニア男性が仕事を辞めた後に、自宅に閉じこもりがちになる」。同社協のそんな問題意識が、この取り組みのきっかけになったという。2017年に「共同菜園ボランティア講座」を開催。その参加者を中心に、18年4月、8人のメンバーでボランティア活動が始まった。
現在ではメンバーは18人に増え、平均年齢は77歳。毎週木曜に全員で活動するほか、2~3人ずつが交代で日々の手入れなどを担当している。
「育てた野菜を子どもたちが食べてくれるのはうれしい。動けるうちは動きたい」。妻を亡くし一人暮らしの瀬戸照雄さん(91)はメンバー最高齢。毎週ほぼ休まず、自転車で通ってくる。
農家の生まれという鳥越立男さん(88)は「自分たちで腐葉土を作って、農薬や化学肥料はなるべく使わない。子どもの頃の農業に近いね」と懐かしそうだ。
23年4月から参加した竹原祥介さん(76)は「作物の成長を見守るのが楽しい。大きな畑で育てるのは初めてで、教えてもらいながらやっている」と話す。
◇
アグリのメンバーはおおむね60歳以上で、男性限定。仕事中心の生活が終わると、居場所がなくなりがちな男性に、社会とつながる場を作るためだ。
農作業の経験がないメンバーにも活躍の場がある。
どの野菜が、畑のどの区画で作られていて、いつ頃、収穫できそうか――。そんな情報を、元会社員(78)が得意のパソコンでデータベースを作って管理している。「年間を通じて活動している子ども食堂に、途切れることなく野菜を提供したい」と考えてのことだ。
種や苗などの購入費に充てるために活用している助成金や補助金の申請も、大切な役割だ。
活動を始めて、もうすぐ6年。スマートフォンの無料通信アプリ「LINE」のグループで、子ども食堂で出された料理の写真や、子どもたちの反応が届く。「おいしく食べてもらえているな」と励みになるという。
昨年11月には、地域の小学生13人が参加して、「芋掘り交流会」が開かれた。この日、収穫されたサツマイモは約17キロ。子どもたちの歓声に、「もっと深く掘ってみようか」「鎌はこう持つんだよ」と男性たちのアドバイスも熱を帯びた。
◇
代表の龍神さんは、幼くして父を亡くし、母が1人で働いている姿を見て育った。その頃の「手助けしたい」という思いが、「誰かの役に立ちたい」という今の活動につながっている。
子ども食堂は誰でも利用できる場所だが、両親が忙しくて一緒に夕食をとれないなど、様々な状況の子どもたちもいると聞く。「『おいしい、おいしい』と言って食べてくれるだけでうれしい。野菜を使った料理で子どもたちのおなかがいっぱいになると、私たちの気持ちも、幸せでいっぱいになるんです」。龍神さんは笑顔を見せた。
「何かしないといかんな」
大阪府豊中市の 千福 幸子さん(89)は、2007年の元日、人生を見つめ直した。72歳。夫の死後、家業や子どもの仕事を手伝っていたが、やることがなくなり、心にぽっかり穴が開いた感じがしていた。
ボランティアを勧められたが、まだ勤められると思った。親戚も周りの人もどんどん年をとっていく。「介護の資格を取ってみようか」
夫が利用していた縁で、介護事業者「プラスワンケアサポート」(本社・兵庫県川西市)の講座を受けた。知識や技術を学び、ヘルパーの資格を取得。08年1月、73歳でヘルパーとして働き始めた。
年下の先輩職員に連れられて、利用者宅を回った。「年齢も同じくらいで、食べ物の好みや話題が合ったんだろうね。『来てや、来てや』と言ってもらえて」。すぐに1人で任されるようになった。
働きながら、80歳までに、介護福祉士とケアマネジャーの資格も取得した。耳が聞こえない高齢者を担当した経験から、全国手話検定試験にも挑戦し、3級に合格した。
「食事を楽しみにしてくれている人がいる」。80代でも、多い時は週6日、バスや徒歩で利用者宅を訪問した。
子どもの頃、貴重品だった卵を使ったオムライスは自分の世代のごちそう。食べやすいようにみじん切りにしたハムなどをケチャップライスに入れ、薄焼き卵でくるんだ。「百貨店のレストランで食べるみたいや。そこよりもおいしい」と喜んでもらえた。
戦中、戦後の食糧難の頃に食べた思い出がある団子汁を出したこともある。冷蔵庫の中身と利用者の体調を考えつつ、「懐かしい味」をふるまうのが腕の見せ所だった。
◇
22年8月、日課のフェイスブック更新を終えた直後に居間で倒れた。「体の右側がおかしくなっている。体が動かない」。近くにあったスマートフォンに8時間かけてたどり着き、助けを呼んだ。左前頭葉に脳 梗塞 ができていた。
退院後は、ケアを受ける側に。週3回、リハビリに励んでも思うように回復せず、苦しい日々も経験した。昨年10月に、専門のリハビリを受けるために1か月入院。椅子からスッと立ち上がれるようになるなど、職場復帰への手応えを感じ始めたところだ。
最近はデイサービスを利用するほか、何かと用事を作っては忙しく動き回っている。秋に90歳を迎える。
「しょげていてもしょうがない。『生かされている限り、楽しく過ごして、共に歩いていきましょう』とケアを受けている人に伝えたい」。心に寄り添って、思いをくみ取る。自分だからこそできるケアがあるとの思いを胸に、介護現場に戻る努力を続けている。
70、80代社会貢献に意欲的…東京都調べ
東京都の2021年の調査では、「ボランティア活動に参加している」と回答した人は、70代は約23%、80代以上で約20%に上る。「機会があれば参加したい」という人も合わせ、両年代とも、およそ5割が社会貢献に意欲的なことがわかる。
この年代では就業している人も増えている。総務省の労働力調査(22年)によると、70代前半の就業率は男性約42%、女性約26%。いずれも、10年前と比べて10ポイント前後上昇している。
総人口に占める65歳以上の人の割合(高齢化率)は23年に過去最高の29.1%となった。今後も上昇が予想されるが、社会とつながり、支える側で活動している高齢者が少なくないことにも注目する必要がある。
◆92歳のチアリーダー「挑戦に年齢は関係ない」…米国で「老年学」学び帰国、「幸せは自分でつくる」 |
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男性の4人に1人、女性の2人に1人が90歳まで生きると見込まれる時代。「異次元の長寿」時代に、現在90代の人々は何を思い、どう暮らしているのかをお伝えします。
今月、92歳となった滝野文恵さんの日常は忙しい。
週1回、自宅のある横浜から東京まで行き、シニアチアダンスチーム「ジャパンポンポン」の練習に参加。総勢23人、平均年齢68歳の女性チームの代表を務める。月3回は80歳から始めたウクレレの教室に通う。月1回は友人らと 麻雀 。「いつも派手な服を着ている」せいか、高齢者向けファッションブランドから声がかかり、モデルとしても活躍。取材を受けることも多い。
外出しない日は朝6時に起きてテレビ体操で体をほぐし、日中は好きな読書やパソコンゲームに熱中する。寝るのは夜10時過ぎ。冷蔵庫にはビールとコーラ、肉、卵を欠かさない。
広島で生まれ、兵庫の大学を卒業後、事業家だった父親の勧めで米国に1年留学し、帰国後、25歳で結婚した。1男1女に恵まれたものの、52歳の時に家を出た。
「夫は仕事にも家庭にも無関心。離婚だけはすまいと我慢してきたけれど、最期に『私の人生、無駄だった』なんて思うのは耐えられない。幸い、社会人になった子どもたちが後押ししてくれて、別居に踏み切りました」
離婚しないと決めていたのには訳がある。仕事と人間が大好きで、エネルギーの塊のような最愛の父親が家庭の外に子どもを作り、母親が荒れ、自分も思春期につらい思いをしたからだ。
その父親は晩年は別人のようになり、愚痴ばかり言うようになった。「あんなふうになりたくない。生き直すなら今」と思い定め、別居を宣言。アパート一間を借りて暮らし始めた。幸い父親の会社で事務の仕事をしていたため、生活に困ることはなかった。
砂をかむような結婚生活からは解放されたが「良い老後とは何か」の疑問が頭から離れない。老年学を学べば答えが見つかるかもしれないと、老いの研究が盛んな米国の大学への留学を決めた。英語と格闘しながら約2年半かけてノーステキサス大で修士号を取り、56歳の時に帰国した。
再び会社に勤め始め、老人ホームでボランティアをするうちに、米国に平均年齢74歳のチアのグループがあるのを知り、驚いた。「そんなことができるの?って。挑戦に年齢は関係ないはず。私もやろう」と、1996年、63歳の時にチームを結成した。
5年ごとにチャリティーショーを開く。アップテンポの曲に合わせてみんなと踊るのが楽しくてたまらない。しかし、本音を言えば「ここ1年で足腰が衰え、物覚えもめちゃくちゃ悪くなっています」。
加齢による変化を様々な場面で感じるようになった。例えば料理。好きで、おいしいものを作る労を惜しまなかったのに「面倒になり、作るのはもういいかなという感じ」。
一人暮らし歴は約40年に及ぶ。一人の自由や気ままさを愛するが、数年後には老人ホームに入居しようと決めている。「子どもに迷惑をかけたくない。財産は全部自分で使う代わりに『面倒を見なくていいからね』と子どもたちには伝えています」
もっとも「ホーム選びは宝くじを当てるようなものだと思う」とも。「もちろん、食事やケアの質は調べますが、入居後、施設長が代わったらホームの中身が変わる可能性もある。宝くじとの覚悟で入ります」
毎日に感謝して、できるだけ笑顔で
老いについてはどうか。
「一般的に、長生きしすぎですよね。これから生まれてくる子どもたちのことを考えると早くお迎えがこないかなと思いますが、こればかりはどうしようもない。元気でいようと思わなくても元気なんだから」
「何とか体が動いて、幸せだと感じているうちに逝きたいけど、そうできるかはわからない。最期は生に執着しているかもしれないし、不満を言って周囲を不快にさせているかも。そうならない自信がないから困っちゃう。難しいですね、人間が生きるのって」
「でもね、結局は考え方一つなんだと思うんですよ。どんな事情があれ、どんな場所であれ、自分が幸せだと思えば幸せになれる。老いは未知ですが、そう信じたい。だから毎日に感謝して、できるだけ笑顔で『海外に行きたい!』『大好きなスカイダイビングをしたい!』と、今年も言い続けていると思います」
90歳 珍しくない
「55歳以上」「自称“容姿端麗”」が「ジャパンポンポン」の入会資格
厚生労働省の「2022年簡易生命表の概況」によると、男性の平均寿命は81.05歳(世界4位)、女性は87.09歳(世界1位)。現在、65歳の人があと何年生きるかの平均余命は、男性が19.44年、女性は24.30年。つまり65歳まで生きてきた男性は、0歳時点の平均寿命を超えて84.44歳、女性は89.30歳まで平均して生きる計算になる。また、22年に生まれた人が90歳まで生きる割合は男性が25.5%、女性は49.8%となっている。
将来はどうか。国立社会保障・人口問題研究所の23年の将来推計によると、平均寿命は今後も延び続け、70年には男性は85.89歳、女性は91.94歳に達する。
◆出産後に長引く不調や不正出血 「帝王切開瘢痕症候群」かも…「2人目不妊」の要因に |
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帝王切開での出産後に、長期にわたって月経の不調や不妊症などに悩む人がいます。子宮を縫い合わせた部位からの出血や炎症が原因とみられます。こうした症状は「帝王切開 瘢痕 症候群」と呼ばれており、手術や薬の治療があります。
年2万~3万人発症
帝王切開は、子宮から赤ちゃんを直接取り出す開腹手術です。逆子や多胎妊娠、前置胎盤などの場合で、医師が、産道を通る 経膣分娩 では母子の安全が守れないと判断した時に行います。厚生労働省の医療施設調査によると2020年には出産の21・6%を占め、30年前の倍でした。
帝王切開瘢痕症候群は国内で毎年新たに2万~3万人が発症すると推計されています。原因や治療に関する研究報告は、ここ10年ほどで増えています。
海外の複数の調査では、帝王切開を受けた人の半数に、子宮を縫合した部位のくぼみがあり、筋肉が薄くなっていることも分かりました。この特徴が確認できた人の3割に、関係するとみられる不調が起きていました。▽長引く月経▽不正出血▽月経痛▽性交痛――などです。
不妊にもつながります。滋賀医大産婦人科准教授の辻俊一郎さんは「帝王切開の後に『2人目を妊娠しない』
『月経の後に茶色のおりものが続く』という人は、この病気が疑われます」と指摘します。
診断は、問診のほか、超音波や内視鏡などで、子宮の中の状態を確認します。
治療は、次の妊娠を望むかどうかや症状の程度を踏まえて選びます。
薬物療法は妊娠を望まない人が対象で、ホルモン剤を使います。排卵を止める飲み薬のほか、ホルモンを出す器具を子宮の中に入れる方法があります。
不妊治療の効果がみられない人や、痛みや出血の症状が重い人は、くぼみを切除したり 焼灼 したりする手術を検討します。22年、おなかにあけた数か所の小さな穴から内視鏡やメスを入れる 腹腔 鏡手術が公的医療保険の適用になり、広がりつつあります。
手術で不妊改善も
手術で不妊が改善することを示唆するデータも出てきました。国内の患者約120人を対象とした調査では、手術を受けた人の6割がその後、妊娠していたことが分かりました。一方、手術を受けずに不妊治療を続けた人では3割でした。
大阪府の女性(40)は帝王切開で誕生した長男が3歳になった19年、不妊治療を始めました。2年たっても妊娠せず、転院先のクリニックで帝王切開瘢痕症候群が判明しました。22年夏に滋賀医大病院で手術を受け、不妊治療を再開。半年後に妊娠し、23年秋、長女を出産しました。「月経が2週間ほどだらだらと続く症状もありました。いずれも帝王切開の影響だと知って驚きました」と振り返ります。
長年研究を続ける富山県立中央病院産婦人科部長の谷村悟さんは、不妊を招く理由について「くぼみの部位から子宮内に炎症が広がることで、受精卵が着床しにくくなります」とした上で「病状が徐々に悪化するおそれもあるため、気になる症状があれば、速やかに不妊治療クリニックや産婦人科医に相談してほしい」と呼びかけています。
◆病室の洗面台蛇口からレジオネラ菌、女性患者が肺炎で死亡…新潟市民病院 |
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新潟市民病院(新潟市中央区)は19日、入院中だった市内の70歳代女性が昨年10月、レジオネラ菌による肺炎で亡くなる医療事故があったと発表した。
同病院によると、女性は同月中旬に新型コロナウイルスによる重症肺炎で入院。回復傾向にあったが、入院10日後頃から再び症状が悪化したため再検査したところ、レジオネラ菌による肺炎と診断された。抗菌薬による治療を行ったが、死亡した。
同病院などが調べたところ、女性の病室の洗面台にある蛇口から出る水から遺伝子型が一致するレジオネラ菌が検出された。女性は、 口腔 ケアに洗面台を利用しており、同病院は女性がこの水を口に含んだことでレジオネラ菌に感染した可能性があるとしている。
◆PCR検査事業への出資金名目で6000万円詐取疑い、6人逮捕…数十億円集金か |
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新型コロナウイルスのPCR検査キット販売事業への出資金名目で現金6000万円を詐取したなどとして、警視庁は17日、医療関連会社「アイチェック」(東京都中央区)社長の金子賢一容疑者(44)(中央区勝どき)ら男6人を詐欺や金融商品取引法違反(無登録営業)容疑で逮捕した。警視庁は2022年春以降、全国の約100人から計数十億円を集めたとみて実態を調べる。
他に逮捕されたのは、いずれも金子容疑者の知人で、コンサルティング会社役員の入江正和(50)(港区浜松町)、別のコンサルティング会社社長の曽我郁人(29)(港区高輪)両容疑者ら。
捜査関係者によると、金子容疑者らは22年3~9月頃、金融商品取引業の登録をせず、都内の会社役員ら5人に対し、自社で行うPCR検査キット販売事業への出資を勧誘。このうち3人に「月5~8%の配当を出す」「元本を保証する」などと虚偽の説明をして、出資金名目で計6000万円をだまし取った疑い。
PCR検査を巡っては、当時、都道府県が無料検査事業の登録事業者に補助金を交付。アイチェック社は事業者と提携して無料検査所を運営していた。金子容疑者らは「補助金で5倍近くの利益が出る」「コロナはいつ収束するかわからない。出資できるのは今だけ」と勧誘していたという。
配当が滞り、出資者が昨年春に警視庁に相談して発覚した。警視庁は、金子容疑者らが出資金を検査キット販売事業に回さず、出資者への配当や個人の借金返済などに充てたとみて、資金の流れを調べている。
同社は20年12月に設立。ホームページによると、新型コロナやピロリ菌の検査キット販売などを手掛けている。民間信用調査会社によると、22年11月期の売上高は約57億円だった。
◆「電気ケトル」から熱湯でやけど、0歳児の救急搬送は都内だけで5年間45人…専門家「命に関わるケースも」と警鐘 |
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お湯を沸かす「電気ケトル」から熱湯がこぼれ、乳幼児がやけどを負う事故が後を絶たない。手で触って倒したり、棚から落としたりするケースが多い。これから冬本番で使用する人も多くなるとみられ、専門家が注意を呼びかけている。
目を離した隙に
「ギャー」。室内に突然、大きな泣き声が響いた。昨年12月、東京都内に住むパート従業員の女性(32)が自宅の台所で電気ケトルを使い、1・2リットルのお湯を沸かしていた時のことだ。
電気ケトルが棚の高さ約50センチの位置から床に落ち、近くで次男(1)が泣いていた。湯が半分ほどこぼれ、手足にかかっていた。
泣きわめく次男を抱き上げてシンクの流水で体を冷やした。近所の診療所を受診したところ「やけどの範囲が広い」と言われ、総合病院の救急外来に急行。右腕と右足のやけどで、ひどい水ぶくれになった。
次男は生後10か月を過ぎた頃から一人で歩けるようになっており、ケトルを手で倒してしまったようだ。家事に気をとられていた女性は「(次男から)目を離さなければよかった。ごめんね」と悔やむ。
今ではやけどの痕はほとんど消えたが、「二度とかわいそうな思いをさせない」と、ケトルを使う時は手が届かない棚の上に置いている。女性は「身近なところに危険が潜んでいると実感した」と語った。
2000年代から普及
電気ケトルは、湯を保温して蓄えておける電気ポットと異なり、基本的に保温を想定していない。「ケトル(やかん)」と呼ばれるゆえんだ。英国のメーカーが1955年、沸騰すると自動的に電源が切れる機能を搭載した電気ケトルを発売し、その後、改良が重ねられてきた。
日本電機工業会などによると、国内では2000年代から普及が加速し、17年度に約75万台だった出荷台数は22年度に約100万台に増えた。必要な量のお湯を手軽に沸かせる点が消費者に受け入れられたようだ。
その一方、熱湯がこぼれてやけどを負う事故も相次いでいる。東京都の調査によると、20年までの5年間に電気ケトルが原因で救急搬送された5歳以下の乳幼児は85人。そのうち半数超の45人が0歳児だった。
関西医科大が同大付属病院で診察した6歳以下のやけど患者184人を対象に行った調査でも、12人は電気ケトルの湯漏れが原因だった。「ハイハイして倒した」「コードを引っ張った」「料理中に母親がこぼした」などの事例があったという。
同大の日原正勝准教授(形成外科学講座)は「乳幼児は皮膚が薄く、やけどが重症化して皮膚移植が必要になったり、命の危険が生じたりすることがある」と指摘する。
安全対策を呼びかけ
乳幼児のやけどを防ぐため、メーカー側は使用者に対し、〈1〉床やテーブルなどの手が届く位置で使わない〈2〉ふたを確実に取りつける〈3〉注ぎ口や蒸気口を触らせたり顔を近づけたりさせない――などの安全対策を呼びかけている。
製品の安全性向上にも取り組んでおり、象印マホービン(大阪)は電気ケトルの全商品でふたなどを改良して「湯漏れ防止機能」を採用し、倒れても湯がこぼれにくくした。
子どもの事故防止に取り組むNPO法人「セーフキッズジャパン」理事長で小児科医の山中龍宏さんは「乳幼児がいる家庭では少し値段が高くても湯漏れ防止機能付きの電気ケトルを使用すべきだ。年末年始の帰省先やホテルなどでも、簡単に手の届かない場所で使うなど注意してほしい」と話している。
やけどしたら…流水で20分冷やす
乳幼児がやけどを負った場合、応急処置はどのようにすればいいのか。
日本小児科学会によると、まずは流水で20分間冷やすことが重要だ。氷水は凍傷になる恐れがあるため、使用を控えた方がいい。
服の上から熱湯を浴びた場合は、無理に脱がせずに着衣のまま冷やし、体温が下がりすぎないように注意する。やけどが広範囲な場合は、患部を冷やした後ですぐに病院を受診し、必要に応じて救急車の利用も考えるべきだ。
夜間や休日でも「こども医療でんわ相談(#8000)」に電話すれば都道府県の窓口に転送され、看護師らから助言を受けられる。
◆大阪の特養老人ホーム、90歳入所者があばらなど9か所骨折し死亡…元職員を傷害致死容疑で逮捕 |
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大阪府泉大津市の特別養護老人ホーム「オズだいすき 倶楽部 」で入所者に暴行して死亡させたとして、府警は5日、施設の元介護職員の男(31)(大阪府吹田市)を傷害致死容疑で逮捕した。他の入所者も男に暴行されたと訴えており、府警が関連を調べる。
発表では、男は2020年12月20日~21日の夜勤中、施設で入所者の男性(死亡時90歳)の胸を何らかの方法で圧迫してあばらなど9か所の骨を折り、21年3月に呼吸不全で死亡させた疑い。「骨折の原因は分からない」と容疑を否認している。
男性は病院搬送後に複数の骨折が判明。当初は「病死か自然死」とみられていたが、府警が複数の法医学者に鑑定を依頼した結果、第三者の暴行によるものとの意見が得られ、事件当時、夜勤勤務で男性を担当していた男の関与が浮上した。
施設側は今年4月、別の入所者の男性(92)が男に殴られたとして府警に相談。男は翌5月に自己都合で退職していた。
亡くなった男性の長男(57)は「まじめだった父が苦しんで亡くなり、憤りしかない」と話した。
◆スギ花粉、1月下旬にも関東・東海・九州で飛散開始…暖冬の影響で飛散量は平年比128%s |
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気象情報会社「ウェザーニューズ」(千葉市)は5日、暖冬となる影響で、来年1月下旬には九州や東海、関東の一部でスギ花粉の飛散が始まるとの予想を発表した。本格的な飛散開始は、九州から東北南部にかけて2月中旬~下旬としている。
飛散量は、夏の高温・多照の影響で、平年並みか平年を上回るエリアが多く、全国平均の平年比を128%と見込んでいる。
◆給食の「せんべい汁」に使用の小麦粉から基準値超えるカビ毒…3人が下痢などの症状 |
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宮城県気仙沼市教育委員会は2日、市立の小中12校の給食に使われた小麦粉から基準値を超えるカビ毒が検出されたと発表した。因果関係は不明だが、2日午後7時現在までに3人が 嘔吐 や下痢などの症状を訴えて医療機関を受診した。いずれも軽症という。
発表によると、使われたのは岩手県のJA全農いわてが販売した同県産の小麦粉。気仙沼市では1日の給食で「せんべい汁」として提供された。JAの検査でも基準値を超えるカビ毒が検出され、先月22日から出荷停止と自主回収を呼びかけていた。
県内自治体に食材を納品する宮城県学校給食会によると、気仙沼以外でも提供された可能性があるが、被害は確認されていないという。
◆女性看護師の胸をつかんだ疑い、医療法人理事の医師を在宅起訴…被害訴えるも対応なく退職 |
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亀岡シミズ病院(京都府亀岡市)などを運営する医療法人「清仁会」理事の今高清晴医師(69)が、同病院に勤務していた30歳代の女性看護師にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつ罪で在宅起訴されていたことがわかった。女性の代理人弁護士が1日、明らかにした。起訴は11月22日付。
起訴状では、今高被告は昨年9月7日午前0時50分頃、同病院での当直勤務中に女性の胸をつかむなどのわいせつな行為をしたとしている。
女性の代理人を務める関口速人弁護士(滋賀弁護士会)によると、女性は同法人に被害を訴えたが、調査などの対応がなく、同月内に退職したという。
同法人は亀岡市のほか、中京区や西京区で病院やクリニックを運営。今高被告は脳神経外科医として各病院で勤務している。同法人は「公判の経過を見守り、今後厳正に対処する」としている。
◆小学校の給食でカレーやシチューに使われた小麦粉から基準値2倍の赤カビ…健康被害なし |
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神奈川県藤沢市は1日、市立小学校などの給食に使われた小麦粉から基準値の2倍の赤カビが検出されたと発表した。健康被害は確認されていないという。
発表によると、検出されたのは、全国農業協同組合連合会岩手県本部が販売した同県産の小麦粉(25キロ)。市内の小学校24校と特別支援学校1校で提供されたカレーやシチューに使用されていた。
11月28日に市内の食材納入業者から回収の連絡があり、別の製品に切り替えた。
◆緊急避妊薬、処方箋なしの試験販売を145か所の薬局でスタート…市販化へ課題洗い出し |
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望まない妊娠を防ぐ緊急避妊薬(アフターピル)を医師の処方箋なしで薬局で試験販売する調査研究が28日、始まった。厚生労働省から委託された日本薬剤師会が、全国145か所の薬局で実施し、市販化する場合の課題を洗い出す。
この薬は性暴力を受けたり、避妊に失敗したりした女性が使う。性行為から72時間以内に服用した場合、妊娠を約8割防げる。世界保健機関(WHO)は「副作用は少なくて軽い」とし、女性の健康に欠かせない「必須医薬品」に位置づけている。世界約90か国・地域では医師の処方箋なしで薬局で購入できるが、日本では医師の診察と処方箋が必要とされてきた。診療時間外となる医療機関が多い夜間や休日は入手しづらく産婦人科が身近にない地域もある。産婦人科にかかった経験がないなどの理由から受診をためらう女性もいた。
試験販売を行う薬局は、人口の多い東京都、神奈川県、大阪府は各5~6か所、ほか44道府県は各2~3か所となる。原則として〈1〉研修を受けた薬剤師が販売〈2〉個室でプライバシーに配慮〈3〉夜間や休日に対応〈4〉近隣の産婦人科や性暴力などの被害者を支援する機関との連携――などの条件を満たした薬局で販売する。
購入できるのは、16歳以上の女性で、16歳、17歳は保護者の同伴が必要だ。薬局に連絡した上で来店する。薬剤師は、本人であるかや年齢などを確認し、2回のアンケート調査に応じるなどの研究の同意を得て販売する。購入者は、薬剤師の前で服用する。価格は7000~9000円程度だ。
試験販売は今年度末までの予定だ。武見厚労相は28日の閣議後記者会見で、試験販売の開始を受けて「今回の調査結果を踏まえ、緊急避妊薬が必要な方に適切な形で届くように検討を進めたい」と述べた。
◆必要なかったICUへの移動中に器具操作ミス、30代患者死亡…遺族側と示談成立 |
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高松赤十字病院(高松市)は、2021年に医療器具の操作ミスなどで、急性リンパ性白血病の治療中だった30歳代の患者が死亡したと発表した。遺族側と今月、示談が成立したという。
同病院によると、患者は21年11月に緊急入院した。容体が安定した入院5日目、看護師らが集中治療室(ICU)から高度治療室(HCU)に移動させる際、人工呼吸の器具を、誤って排気用のバルブが閉じた状態で使用。容体が急変し、亡くなった。
また、当初のICUからHCUへ移動させる予定が変更となり、そもそも移す必要がなかったのに、看護師らに伝わっていなかった。
同病院は、事故原因として、看護師に器具取り扱いの知識が不足していたことに加え、コミュニケーションの課題や、容体の急変時に医師へ適切な情報共有が行われず処置の遅れにつながった、としている。
再発防止策では、ICUの看護師への器具の操作に関する継続的なトレーニングや、コミュニケーションの研修などを行うという。
西村和修院長は遺族に謝罪し、「今後同じことを繰り返さないよう職員一丸となり、より一層安全な医療の提供に努める」とのコメントを出した。
◆薬不足、薬局の86%が昨年末より「悪化」…後発薬の22%入手しにくく |
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風邪薬などの医薬品が不足している問題で、9割近い薬局が昨年末と比べ供給状況が悪化していると感じていることが日本薬剤師会の調査でわかった。入手困難なジェネリック医薬品(後発薬)は取り扱う品目の2割に上り、 逼迫 状況が改めて浮き彫りとなった。
調査は10月16~31日、全国の薬局663店舗を対象に書面で実施。646店舗から回答を得た(回答率97・4%)。
取り扱う医薬品の供給状況が昨年末と比べ、「かなり悪化している」と答えたのは28・3%、「悪化している」が57・7%となり、計86・0%が「悪化した」との認識を示した。「改善されてきている」は11・5%にとどまった。
入手しにくい医薬品は後発薬が平均129品目(22%)、先発薬が平均108品目(14%)となった。薬の種類は、たんを切る薬やせき止め、解熱鎮痛薬、抗菌薬など幅広い範囲に及んでいる。
日本薬剤師会の森昌平・副会長は「各薬局では別メーカーの後発薬や先発薬に切り替えるなどの対応をしている。どの薬が供給不足なのかという情報をもっと透明化してほしい」と話す。
2020年以降、後発薬メーカーによる品質不正問題をきっかけに薬の生産量が減少し、供給不足が深刻化している。
◆タリウム事件、宮本被告がコロナ助成金1億1000万円詐取…容疑で再逮捕 |
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京都市の女性2人が毒性の強いタリウムを摂取させられた殺人・殺人未遂事件で、殺人罪などで起訴された無職宮本一希被告(38)について、大阪府警は22日、新型コロナウイルス対策の国の助成金計約1億1000万円を詐取したとして、詐欺容疑などで再逮捕した。
発表では、宮本被告は2020年7月~22年2月、親族が経営していた会社の名義で、従業員に休業手当を支払ったとする虚偽の内容を申請するなどして、緊急雇用安定助成金計約1億1000万円をだまし取るなどした疑い。黙秘しているという。
一連の事件では、宮本被告は昨年10月、立命館大3年の女性(当時21歳)にタリウムを摂取させて殺害したとして、今年3月に殺人罪で起訴された。叔母の宮本 紫 さん(61)に対しても20年7月、タリウムを摂取させて殺害しようとしたとする殺人未遂罪で今年6月、起訴された。
◆山梨県の医師確保プログラム、9年間勤務できなければ最大842万円の違約金…適格消費者団体が差し止め求め提訴 |
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地元の医療機関で勤務する医師を確保するため、山梨県が設けている「医師キャリア形成プログラム」に高額の違約金条項があるのは違法だとして、適格消費者団体のNPO法人「消費者機構日本」が21日、県を相手取り、条項の差し止めなどを求める訴訟を甲府地裁に起こした。
適格消費者団体は消費者トラブルの当事者に代わり、不当な行為の差し止め訴訟を行える。2006年に改正された消費者契約法で新設された同団体が自治体を提訴したのは初めて。
訴状などによると、同県には医師免許取得後の9年間、県内の指定医療機関で働けば、県が貸与した修学資金の返還が免除される制度がある。ただ、19年度に同プログラムを導入。21年度以降の入学者に対し、9年間勤務できない場合、修学資金の返済とともに最大約842万円の違約金を求める条項を設けた。
原告側は、勤務できなくても、修学資金の返済で県の損害は補われるとし、高額な違約金条項は同法に違反すると主張。山梨県の担当者は「訴状が届いていないのでコメントは差し控えたい」としている。
◆コロナワクチン、高齢者ら限定でインフル同様「定期接種」に…公費助成で無料または低額 |
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新型コロナウイルスワクチンについて、厚生労働省は2024年度から、65歳以上の高齢者などに限定し、公費助成で無料または低額で受けられる「定期接種」に位置づける方針を固めた。インフルエンザワクチンと同様の扱いになり、個人の予防に重点を置く。それ以外の人は原則自己負担となる。22日に開く専門家分科会で了承を得て正式決定する。
新型コロナワクチンは現在、予防接種法上の「臨時接種」で、費用の全額を国費で負担し、全世代が無料で受けられる。今年5月、新型コロナが感染症法上の「5類」に移行したことを受け、定期接種化が議論されてきた。
定期接種には2種類ある。「A類」は、感染力が強い麻疹(はしか)や風疹、ジフテリアなどの集団予防のほか、重篤になる恐れがある日本脳炎なども含まれる。「B類」は、高齢者向けのインフルエンザや肺炎球菌で、個人の発病・重症化予防が主な目的となる。
新型コロナは、B類に位置づける。高齢者と重度の基礎疾患を持つ60~64歳の人など重症化リスクの高い人が対象となる。接種を促す「接種勧奨」や「努力義務」は適用されない。費用は国が3割を自治体に助成し、自治体が独自に上乗せするが、一部自己負担が生じる場合がある。
それ以外の人は、国の助成がなく、希望者が受ける「任意接種」となる。自治体などの補助を除き、費用は原則全額自己負担となる。接種は年1回、秋冬に実施し、使用するワクチンは、流行する変異株に応じて毎年見直していく。
◆「心筋梗塞」の解析結果を「機器古い」と医師が無視、80歳代女性死亡…市が遺族に和解金支払いへ |
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三重県亀山市は21日、市立医療センターで2020年3月に、医師が心筋 梗塞 の症状を見落とし、80歳代の女性患者が死亡する医療事故があったと発表した。遺族に和解金1500万円を支払う議案を市議会12月定例会に提出する。
市によると、女性は背中の痛みを訴えて来院した。心電図検査を2回実施したところ、いずれも「急性心筋梗塞」と解析結果が表示された。当直医は「機器が古く、解析結果の信頼性は低い」と判断し、鎮痛剤を処方して帰宅させた。
女性は2日後に呼吸困難などを訴え、他の病院に救急搬送されたが心筋梗塞で死亡した。今年2月、女性の遺族が損害賠償を求めて市を提訴。その後、裁判所が和解案を示した。
桜井義之市長は今月21日の定例記者会見で「医療事故発生の防止に努める」と述べた。
◆石川・かほく市のグループホーム、入居者の食事量を半分に減らす虐待…市が業者指定取り消し処分 |
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入所者の食事を半分に減らす虐待をしていたなどとして、石川県かほく市は21日、「内邦福祉会」が運営する認知症の高齢者向けグループホーム「 一梅縁 」(同市宇野気)に対し、同日から5年間、地域密着型サービス事業者などの指定を取り消す行政処分を行った。入居者は全員別の施設に移ったという。
発表によると、市は今年5月、関係者からの通報に基づき、施設の立ち入り検査を実施。入居者21人の体重などを調べ、全員の食事の量が半分近くに減らされていると結論づけた。一梅縁は、市の聞き取りに対しても虚偽の報告をしたという。食事を減らす虐待は、施設ぐるみで行われていたとみられる。
9月に再度立ち入り検査を行ったものの、改善されていなかったため、指定を取り消した。市の担当者は「今後このようなことが起こらないよう、指導を徹底する」としている。
◆大麻と似た成分、厚生労働相「今週中に所持・使用・流通を禁止」…グミを食べた体調不良者の続出で |
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大麻に似た成分が含まれたとみられるグミを食べて体調不良を訴える人が相次いでいた問題で、武見厚生労働相は20日の閣議後記者会見で、東京都内で販売されていたグミから合成化合物「HHCH(ヘキサヒドロカンナビヘキソール)」が検出されたとして、「HHCHを今週中にも指定薬物に加え、所持や使用、流通を禁止する」と述べた。
厚労省の関東信越厚生局麻薬取締部などは17日、都内と大阪の5店舗に医薬品医療機器法に基づく立ち入り検査を実施した。このうち、都内の1店舗で販売されていたグミから、HHCHが検出されたという。
HHCHは大麻成分と似ているが、規制薬物には指定されていない。厚労省は近く、有識者による薬事・食品衛生審議会の指定薬物部会を開催し、HHCHを指定薬物に加える方針。類似の化合物についても包括的な指定を検討する。
◆風疹 新型コロナ対策の緩和で再流行?…1962~78年度生まれの男性は抗体検査が無料 |
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新型コロナウイルスの水際対策が緩和され、海外で流行する感染症のウイルスの持ち込みが懸念されています。風疹もその一つ。流行のたびに、目や耳、心臓に重い障害を持つ「先天性風疹症候群(CRS)」の赤ちゃんが生まれています。再流行を防ぐ対策を着実に進めることが求められます。
風疹は、ウイルスを含むせきやくしゃみ、会話での 飛沫 を吸い込むなどして感染し、発熱や発疹、リンパ節の腫れなどがみられます。多くは軽症で、無症状の人もいます。
問題になるのは、妊婦の感染です。妊娠20週ぐらいまでにかかると、胎児にも感染し、CRSの赤ちゃんとして生まれてくるおそれがあります。CRSの3大症状は白内障や難聴、心臓病です。
国立感染症研究所によると、流行は数年おきに繰り返されています。2013年は、全国で1万4344人が風疹にかかりました。同年を中心とした流行ではCRSの赤ちゃんが45人、18年からの流行では6人生まれたことが報告されています。
コロナ禍前の生活に戻ってきた今、専門家は新たな流行を警戒します。神奈川県衛生研究所所長の多屋馨子さんは「マスクを外す人も増え、海外との往来も活発になっています。いつ感染が広がってもおかしくありません」と指摘します。
流行を防ぐカギはワクチンです。
現在、就学前に2回の定期接種が行われ、子どもの間で感染が広がることはほぼありません。直近2回の流行では、感染者の5~6割が30歳代~50歳代の男性でした。特に1962~78年度生まれの男性は、ワクチンの定期接種の対象外だったため、免疫を持つ人が少なく、感染を広げ、周囲の妊婦にうつしてしまうのです。
国は、この世代の男性に特別な対策をとっています。希望者は、感染を防ぐ抗体の有無を調べる血液検査を無料で受けられます。抗体がないと判明した場合は、ワクチン接種も無料です。
企業健診も活用
対策は2024年度末に終了する予定です。国は、流行を抑えるための数値目標を掲げています。検査は920万人、予防接種は190万人としましたが、今年6月末時点で検査は約449万人、ワクチン接種は約97万人にとどまります。
対象世代は仕事が忙しく、検査や接種のために医療機関に行く余裕がない人も少なくありません。職場の健康対策に詳しい筑波大准教授(国際社会医学)の堀愛さんは「働き盛りの男性が検査を受けやすい環境づくりには、企業の協力が欠かせません」と話します。
年間約90万人の労働者の健康診断を請け負う「全日本労働福祉協会」(東京)は19年、同意を得た企業の健診で、抗体検査ができる体制を整えました。これまで約1万4000人が検査を受けました。
CRSの患者・家族会の共同代表、可児佳代さん(69)は、この取り組みを歓迎します。「CRSの子どもを一人でも減らすには、妊婦やその家族の力だけでは難しいことを知ってほしい。風疹の根絶は、社会全体で取り組む課題です」と話しています。
◆社会福祉法人の理事長選任巡り9400万円贈収賄容疑、理事長ら逮捕…全国で2例目 |
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社会福祉法人の理事長選任を巡って現金を受け取ったとして、福岡県警は14日、介護施設などを運営する同県糸田町の社会福祉法人「貴寿会」理事長、今宮一成容疑者(57)(福岡県香春町)を社会福祉法違反(収賄)容疑で、元理事長の藤井諭容疑者(61)(東京都品川区)ら3人を同法違反(贈賄)容疑で逮捕した。
社会福祉法人の理事らは公務員ではないため刑法の贈収賄罪は適用されないが、公益性を踏まえ、2016年の社会福祉法改正で贈収賄規定が新設された。県警によると、適用は全国で2例目という。
他に逮捕されたのはいずれも元理事の45歳と74歳の両容疑者。発表によると、今宮容疑者は21年6~7月、藤井容疑者から3人が理事長や理事に選任されるよう権限を行使してほしいと依頼され、見返りに計9400万円を受け取った疑い。県警は認否を明らかにしていない。
同法や同会の定款では、理事は評議員会の決議で選ばれ、理事長は理事の中から理事会の決議で選任されるとされる。県警によると、同年6月、藤井容疑者が今宮容疑者に替わって理事長に、元理事の両容疑者は理事になったという。しかし、藤井容疑者は今年3月に理事長を退き、同4月に今宮容疑者が復帰。元理事2人も同9月までに理事をやめていた。
同会は糸田町でケアハウス(定員50人)を運営し、デイサービスを提供している。福岡県介護保険課によると、6月に同会側から県に対し、「使途不明金がある」との報告があった。県は運営に重大な問題があったとみて、7月から特別監査を実施している。
◆明治「ブルガリアヨーグルト」11万個を自主回収…医薬品成分含まれている可能性 |
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明治は13日、牛の感染症予防などに使われる医薬品成分が微量含まれている可能性があるとして、大阪府貝塚市の工場で製造した「明治ブルガリアヨーグルトLB81 プレーン」(400グラム)11万7618個を自主回収すると発表した。食べても健康への影響はないという。
対象は、賞味期限が今月16~18日の商品で、愛知、岐阜、三重、静岡、富山、石川、福井、大阪、京都、滋賀、奈良、和歌山、兵庫の2府11県のスーパーなどに出荷されたもの。健康被害は報告されていない。
大阪府が10日、医薬品成分「スルファモノメトキシン」が検出されたとして、瓶容器入りの「明治牛乳」(180ミリ・リットル)4万本超の回収命令を出していた。明治は、同じ原材料を使っているヨーグルトも回収が必要と判断した。
問い合わせは、明治の商品回収係(0120・232・518)。
◆連絡取れない女性宅に急行の36歳巡査、搬送の隙にクレジットカード盗んだ疑い…繰り返し使用か |
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自宅で倒れている高齢女性を搬送する隙にクレジットカードを盗んだとして、千葉県警市原署は7日、同署地域課交番係の巡査(36)を窃盗容疑で再逮捕した。
発表によると、巡査は2月28日午後1時15分頃~午後2時頃、市原市の女性(75)宅で女性名義のクレジットカード1枚を盗んだ疑い。容疑を認めているという。
巡査はこの日、交番の当番だった。女性の親族から「2、3日前から連絡が取れていない」との通報を受け、女性宅に1人で到着。救急隊が女性宅の窓ガラスを割って中に入り、室内で倒れていた女性を搬送する間に、室内から盗み出したとみられる。
千葉地検は7日、この女性のカードで買い物をしたとして、巡査を詐欺罪で千葉地裁に起訴した。市原署は、女性のカードで買い物を繰り返していたとみて余罪を捜査している。
◆医師の処方箋なしで緊急避妊薬、28日から全国150薬局で試験販売…薬剤師の面前で薬を服用 |
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望まない妊娠を防ぐ緊急避妊薬(アフターピル)について、医師の処方箋がなくても薬局で適正に販売できるか調べるため、日本薬剤師会が28日から試験販売を始めることがわかった。研修を受けた薬剤師がいる全国約150の調剤薬局で実施される予定で、価格は7000~9000円を想定している。
厚生労働省が同会に調査研究を委託した。緊急避妊薬は、性暴力や避妊の失敗などによる望まない妊娠を防ぐための薬で、性行為から72時間以内の服用で妊娠を防ぐ可能性が高まる。
販売する対象は妊娠の恐れがある女性で、健康保険証などの身分証を持参して、薬剤師の面前で薬を服用する。16歳未満には販売せず、16歳と17歳の場合は保護者の同伴が必要になる。既に妊娠している女性や代理の人、男性には販売しない。
実施されるのは個室でプライバシーを保てるなどの要件を満たした薬局で、同会はリストをホームページで掲載する方針だ。
◆コロナ患者移送で入札談合か、近ツーやJTBなど5社の青森支店に立ち入り検査…独禁法違反容疑 |
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青森市が発注した新型コロナウイルス患者の移送業務を巡る入札で談合した疑いがあるとして、公正取引委員会は15日午前、近畿日本ツーリスト(東京)など国内の旅行会社5社の青森支店などに対し、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で立ち入り検査を始めた。新型コロナ関連の事業を巡り、公取委が同法違反容疑で調査を行うのは初めて。
立ち入り検査の対象はほかに、JTB、東武トップツアーズ(いずれも東京)、日本旅行東北(仙台市)、名鉄観光サービス(名古屋市)の青森支店。岩手、福島両県の関係先を含め、計9か所を調査している。
同市が発注した移送業務は、移動手段がなかったり、体調が優れなかったりする比較的軽症の患者を医療機関や宿泊療養施設へ運ぶもの。2022年3月1日から今年5月7日まで実施された。
当初の2か月は近ツーの青森支店が計約680万円で随意契約していたが、その後、1契約当たり1~4か月の期間で指名競争入札が実施された。22年4月から23年3月に行われた計5回の入札には近ツー、JTB、日本旅行東北の各青森支店が参加し、いずれも近ツーが落札。落札金額は計約3230万円だった。
関係者によると、各社の支店長らは入札前に連絡を取り合い、入札金額などを調整。近ツーが落札した上で、車内の感染対策や運転手の確保などをほかの4社に再委託する合意をしていた疑いがある。コロナで旅行需要が落ち込む中、談合によって各社が安定した利益の確保を図った可能性もある。
近畿日本ツーリストは取材に対し、「立ち入り検査を受けているのは事実。公取委の調査に全面的に協力していく」と答えた。
◆心電図検査中にわいせつ容疑、臨床検査技師の男を逮捕…「欲望に負けた」動画も撮影か |
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心電図の検査中に患者女性の体を触ったなどとして、警視庁は15日、博慈会記念総合病院(東京都足立区)の臨床検査技師の男(24)(住所不定)を不同意わいせつと性的姿態撮影処罰法違反(撮影)容疑で逮捕した。男のスマートフォンには複数の患者女性にわいせつ行為をする動画が残されており、警視庁は被害者が複数いるとみて調べている。
発表によると、男は7月14日午後1時頃、同病院処置室で20歳代の患者女性の心電図検査を行った際、体を触るなどし、その様子を動画で撮影した疑い。「欲望に負けてしまった」と容疑を認めている。別の患者女性が8月に「体を触られた」と病院に被害を訴えて発覚した。
男は5月から同病院に勤務していた。同病院は「捜査段階なのでコメントは差し控える」としている。
◆社会福祉法人の理事長選任巡り9400万円贈収賄容疑、理事長ら逮捕…全国で2例目 |
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社会福祉法人の理事長選任を巡って現金を受け取ったとして、福岡県警は14日、介護施設などを運営する同県糸田町の社会福祉法人「貴寿会」理事長、今宮一成容疑者(57)(福岡県香春町)を社会福祉法違反(収賄)容疑で、元理事長の藤井諭容疑者(61)(東京都品川区)ら3人を同法違反(贈賄)容疑で逮捕した。
社会福祉法人の理事らは公務員ではないため刑法の贈収賄罪は適用されないが、公益性を踏まえ、2016年の社会福祉法改正で贈収賄規定が新設された。県警によると、適用は全国で2例目という。
他に逮捕されたのはいずれも元理事の45歳と74歳の両容疑者。発表によると、今宮容疑者は21年6~7月、藤井容疑者から3人が理事長や理事に選任されるよう権限を行使してほしいと依頼され、見返りに計9400万円を受け取った疑い。県警は認否を明らかにしていない。
同法や同会の定款では、理事は評議員会の決議で選ばれ、理事長は理事の中から理事会の決議で選任されるとされる。県警によると、同年6月、藤井容疑者が今宮容疑者に替わって理事長に、元理事の両容疑者は理事になったという。しかし、藤井容疑者は今年3月に理事長を退き、同4月に今宮容疑者が復帰。元理事2人も同9月までに理事をやめていた。
同会は糸田町でケアハウス(定員50人)を運営し、デイサービスを提供している。福岡県介護保険課によると、6月に同会側から県に対し、「使途不明金がある」との報告があった。県は運営に重大な問題があったとみて、7月から特別監査を実施している。
◆早稲田大の相撲部員逮捕、大麻を送るよう福岡の知人に依頼した疑い…学生寮など捜索 |
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福岡県警は14日、東京都西東京市、早稲田大3年の男(20)を大麻取締法違反(譲り受け未遂)容疑で、福岡県福津市、会社員の男(21)を同法違反(所持)容疑で逮捕したと発表した。
発表によると、早大生の男は7月中旬頃、大麻を送るよう知人の会社員の男に依頼して乾燥大麻約1・5グラムを譲り受けようとし、会社員は8月4日未明、福岡市中央区の駐車場で、早大生宛ての大麻が入った郵便物を所持した疑い。
県警は2人の認否を明らかにしていない。県警は14日、早大生の男が住む学生寮など関係先を捜索した。同大によると、男は相撲部に所属しているという。
◆90歳の入所者に暴行、容疑の71歳元職員「あの人寝ないんですよ」と説明 |
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長野県松本市内の老人ホームで先月起きた男性入所者(当時90歳)への暴行事件で、逮捕された元職員(71)が、居室内で男性をたたく様子がカメラに記録されていたことが7日、施設側への取材で分かった。
松本署の発表によると、元職員は10月26日午前1時35分頃、当時勤務していた有料老人ホームで、男性入所者を複数回たたいた疑い。施設の運営会社「ケアズリンク」(同市)の山口晃社長によると、元職員は今年7月から勤務し、当日は夜勤で介助を担当していたという。
別の職員が10月26日に、男性のこめかみにあざがあることに気づき、山口社長が30日に居室内のカメラの映像を確認。元職員が、居室内のベッドに座っている男性をたたく様子が映っていた。聞き取りに対し元職員は暴行を認め、男性について「あの人寝ないんですよ」と説明したという。
同社は元職員を今月1日に出勤停止とし、3日に懲戒解雇とした。山口社長は「被害に遭われたご本人とご家族に心から謝罪する。職員の研修などを通じて再発防止に努め、捜査にも協力する」と話した。
◆せき止め・たん切り薬不足、武見厚労相が製薬24社に増産「直談判」…「あらゆる手段で対応を」 |
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せき止めやたんを切る薬の供給不足を受け、武見厚生労働相は7日、東和薬品や杏林製薬など製薬会社24社に対し、増産を要請した。すでに主要8社には要請していたが、状況が十分に改善しないため、対象を広げ、各社トップらを厚労省に集めて直談判した。
厚労省によると、要請したのは、せき止めなどを製造する先発薬と後発薬のメーカーで、「主なメーカーはほぼ網羅した」という。
武見氏はこの日、インフルエンザが例年より早く感染拡大していることに懸念を示した上で、「薬がまだ足りないという声を頂戴している。あらゆる手段により対応をお願いしたい」と訴えた。製薬会社側からは「メーカーとしての責任を果たすため、できる限りの増産を検討する」との回答があったという。
厚労省が10月に8社へ増産要請した際は、年内の供給量が「9月末時点と比べ1割以上増える見通し」と発表したが、今回は「まだ具体的な数値はない」としている。
◆医療用麻薬を誤って捨てた部下に隠蔽を指示、大阪医療センターの看護師長ら懲戒処分 |
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医療用麻薬を誤って廃棄した部下の看護師に 隠蔽 を指示したとして、独立行政法人「国立病院機構」近畿グループが、大阪医療センター(大阪市)に勤務する50歳代の女性看護師長と30歳代の女性副看護師長を停職の懲戒処分にしていたことがわかった。誤廃棄が発覚しないよう麻薬が入っていた注射器に水道水を入れるよう指示していたという。
グループによると、今年6月、センターの20歳代の女性看護師が医療用麻薬を患者に投与後、注射器内に残った薬液約40ミリ・リットルを誤ってシンクに捨てた。規則では、流出などを防ぐため、薬が余った時は注射器ごと薬剤部に返却し、誤廃棄した場合は報告する必要がある。しかし、相談を受けた看護師長は、水道水を注射器で吸い上げて薬剤部に返却するよう指示。副看護師長も黙認したという。
誤廃棄した看護師が別の上司に相談し、発覚した。看護師長は調査に関与を否定したが、周囲の証言などから看護師長が隠蔽を指示したと認定。看護師長を停職15日、副看護師長を同3日の懲戒処分とした。返却された注射器は廃棄されるため、水が注入された注射器が使われることはなかった。
グループは「再発防止を徹底する」としている。
◆糖尿病の治療薬が不足、「ダイエット目的の不適切使用」か…医師や患者らの団体が厚労省に対策求める |
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医療現場で糖尿病の治療薬が不足しているとして、医師や患者らで作る日本糖尿病協会(清野裕理事長)などが6日、安定供給対策を求める要望書を、厚生労働省に提出した。糖尿病患者以外にダイエット目的で不適切に使われているとの指摘もある。同協会は「命に関わる糖尿病患者に確実に届ける仕組みを作ってほしい」としている。
不足しているのは「GLP―1受容体作動薬」というタイプの注射薬だ。血糖値を下げるほか、食欲も抑える効果があり、国内外で需要が増加。国内では使えない患者が増加している。
要望は、同協会と日本糖尿病学会、日本くすりと糖尿病学会が行った。これ以外の治療薬でも供給が不安定だとして対策を求めた。患者で同協会業務執行理事の中園 徳斗士 さんは、「患者の声を聞きながら、対策を進めてほしい」と訴えた。
日本医師会が10月に公表した医薬品不足に関する緊急調査でも、せき止め薬などと並んで、GLP―1受容体作動薬の不足が目立った。その一つである「トルリシティ皮下注0・75mgアテオス」は、不足を訴えた医療機関が4番目に多かった。日医は「美容クリニックなどで痩せ薬として不適切に使われている事例がある」と問題視している。
◆障害者施設で入所者の足を引っ掛け転倒させた疑い、職員の男を逮捕…太もも骨折の重傷 |
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神奈川県立障害者支援施設「愛名やまゆり園」(厚木市愛名)に入所する男性に暴行を加えて重傷を負わせたとして、厚木署は2日、施設職員の男(37)(同市)を傷害容疑で緊急逮捕した。
発表によると、男は2日午後2時15分頃、園内の通路で、入所者の男性(29)の足を引っ掛けると同時に背中を押して前のめりに転倒させ、右太もも骨折の重傷を負わせた疑い。容疑を認めている。
同署によると、足の痛みを訴えている男性を別の職員が発見し、病院に連れて行ったところ骨折が判明。施設内のカメラに、暴行する様子が映っていた。
県障害サービス課によると、男は園の聞き取りに対し、別の入所者を園内の受診に連れて行く途中に男性から繰り返し話しかけられ、受診時間が迫る焦りから暴行してしまったと説明しているという。
園は、社会福祉法人「かながわ共同会」が県からの委託を受けて運営。同法人が運営する厚木市内の別の施設でも今年4月、職員が入所者を虐待する行為があった。
黒岩知事は「信頼を揺るがすゆゆしき問題で重く受け止めている。再発防止に取り組む」とコメントした。
◆県職員が部下に2時間以上の指導・叱責…40回近く繰り返し、17人がパワハラ被害訴え |
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熊本県は2日、パワーハラスメント行為で複数の部下に著しい精神的な苦痛を与えたとして、農林水産部の係長級の男性職員(54)を戒告の懲戒処分にした。17人が被害を報告しており、このうち1人が強度のストレスで精神疾患を患ったという。
県によると、男性職員は、2019~22年度、2時間以上の指導・ 叱責 を少なくとも40回近く繰り返した。質問を繰り返して反論できない状況に追い込み、ファイルを机にたたきつけ、ティッシュの箱を投げつけることもあった。
上司の指導で落ち着いたが、完全にはなくならなかった。今年3月、複数の職員から内部相談員に相談があった。男性職員は「やりとりの中で気持ちが高ぶってしまった」などと話しているという。
◆4歳児を床に数回投げつけて骨折させた容疑、母親の交際相手を逮捕…顔や足にやけどや打撲痕 |
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交際する女性の長男の男児(4)を床に投げて重傷を負わせたとして、大阪府警は3日、府内の職業不詳の男(22)を傷害容疑で逮捕した。調べに「イライラを抑えられず投げた」と容疑を認めている。
男児の顔や足など約10か所に他にも打撲ややけどの痕があり、府警は日常的に虐待がなかったか調べる。
発表では、男は10月17日午前3時30分頃、府内の自宅で男児を抱え上げて床に複数回投げ落とし、左肩骨折などで全治約3か月の重傷を負わせた疑い。
府警によると、男は6月頃から女性と男児の3人暮らし。女性が同日未明、「長男の腕が折れているかもしれない」と119番し、搬送先の病院から「虐待の疑いがある」として自治体を通じて府警に連絡があった。男児は児童相談所に一時保護されたという。
◆愛名やまゆり園で入所者が暴行され骨折、職員が足をかけて背中押し転倒させた疑い |
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神奈川県厚木市の障害者施設で入所者の男性に暴行を加えて重傷を負わせたとして、厚木署は2日、厚木市、施設職員の男(37)を傷害容疑で緊急逮捕した。
発表によると、職員は2日午後2時15分頃、県の指定障害者支援施設「愛名やまゆり園」内の通路で、入所者の男性(29)の足をかけると同時に背中を押して前のめりに転倒させ、右太もも骨折の重傷を負わせた疑い。「暴力をしてケガさせたのは間違いない」と容疑を認めている。
同署によると、足を痛そうにしている男性を別の職員が発見し、病院に連れて行ったところ骨折が判明。施設内のカメラを確認すると、男が男性に暴行している様子が映っていたという。
◆こども医療福祉センターで14件の虐待認定…看護師は依願退職 |
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子どもの発達支援などを担う長崎県立こども医療福祉センター(諫早市)で複数の利用者への虐待が疑われていた問題を巡り、県は2日、調査の結果、14件の虐待を認めたと発表した。このうち12件の虐待を行った男性看護師(63)を停職5か月の懲戒処分にした。男性看護師は同日付で依願退職した。
発表によると、男性看護師は、男児の排せつ介助の際に排せつの失敗を周囲に聞こえるように言ったり、女児の入浴介助の時に、制止されたにもかかわらず脱衣室に入ったりするなどしたという。
また、児童を驚かせるような行為や尊厳を否定するような発言の計2件を虐待と認定。これらの言動を行った看護職員2人を厳重注意としたほか、管理監督責任を問い、同センターの次長級職員(60)と課長級職員(52)を文書訓告とした。
県は、同センターで7、8年前頃から虐待にあたる行為が行われていたことを確認。組織内での検証・検討や、上司からの注意・指導が不十分であることに加え、虐待防止の対応が適切に取られていなかったことなどから、「組織としての問題」と指摘し、同センターに対し、児童福祉法などに基づいて行政指導を行った。
県障害福祉課の佐藤隆幸課長は「県立施設で虐待事案が起きたことを重く受け止めている。再発防止に努めたい」と述べた。
県は昨年度、県職員を対象にしたハラスメント実態調査から、虐待が疑われる事案が複数あることを把握し、今年6月から虐待について調査を進めていた。
◆介護職員「殺してもいいんだぞ」と入所女性の胸を蹴る…8月頃から防犯カメラに暴行の様子 |
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施設入所者を虐待したとして、警視庁八王子署は2日、介護職員の男(29)(東京都町田市)を傷害と脅迫容疑で逮捕したと発表した。逮捕は10月31日。
発表によると、男は10月2日夜、八王子市の高齢者グループホーム2階の個室で、入所者の90歳代女性を「殺してもいいんだぞ」と脅し、胸を蹴るなどの暴行を加えて全治約1週間のけがを負わせた疑い。「指示に従わないので、痛みを与えてやろうと思った」と容疑を認めている。
女性が別の職員に胸の痛みを訴え、発覚した。個室内の防犯カメラには男が8月頃から女性に暴行する様子が映っており、八王子署は日常的に虐待行為があったとみている。
◆医師に無言で殺虫剤噴射、両目に全治不詳の角膜炎負わせる…86歳男を傷害容疑で逮捕 |
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病院の診察室で医師に殺虫剤を噴射したとして、茨城県警水戸署は1日、茨城県日立市の無職の男(86)を傷害の疑いで現行犯逮捕した。容疑を認めているという。
発表によると、男は1日午前11時半頃、水戸市吉沢町の病院の診察室で、医師の男性(64)に無言で殺虫剤スプレーを噴射し、男性の両目に全治不詳の角膜炎を負わせた疑い。男はこの病院に通院していたといい、同署が詳しい経緯や動機を調べている。
◆高齢者の介護保険料、所得410万円以上で増額…厚労省案「基準額の1・8~2・6倍に引き上げ」 |
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来年度の介護保険制度の改正で、厚生労働省が検討している高齢者の保険料の見直し案が判明した。年間の合計所得が410万円以上を対象に、現在は基準額の1・7倍に設定している保険料を所得に応じて1・8~2・6倍に引き上げる。一方、低所得者の負担は軽減する。収入に応じて保険料を負担する「応能負担」を強化し、低所得者の保険料上昇を抑える狙いがある。
厚労省は6日の社会保障審議会介護保険部会に示し、引き上げ幅や所得の線引きなどを議論する。見直しは2015年度以来。
65歳以上の介護保険料は、各市区町村が基準額を決めており、現在の全国平均は月額6014円。個々人の保険料は所得に応じて基準額の0・3~1・7倍の9段階で設定することを基本にしており、高所得者ほど多くなる。最も高い所得の段階は合計所得が「320万円以上」で、月額1万223円になる計算だ。
見直しでは、所得の区分を新たに4段階設けて13段階にし、引き上げ幅の案を示す。例えば「410万円以上」で基準額の1・8~1・9倍に、「680万円以上」で2・1~2・6倍にする。保険料はそれぞれ最大で月額1万1426円、1万5636円になる計算だ。高齢者の4%にあたる約140万人が対象になる。
一方、35%にあたる約1300万人の低所得者の保険料は軽減する。例えば、年金収入で年80万円以下の場合、現在は基準額の0・3倍の保険料を0・26~0・29倍に引き下げる。
介護費用の増加で保険料の全国平均は来年度、現在より上昇する見通しだ。厚労省は、低所得者の保険料の引き下げによる減収分を、高所得者の負担増による増収分で賄うことを検討する。
◆園児に吐き出した食べ物を食べさせたり、こぼした牛乳を飲ませたり…村立保育所で虐待15件認定 |
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徳島県 佐那河内 村の村立佐那河内保育所(園児50人)で、20~40歳代の女性保育士5人が園児に対し、吐き出した食べ物を無理やり食べさせるなどの行為を繰り返していたとして、村の委託で調査していた弁護士らが1日、複数の虐待や不適切保育があったと認定する調査報告書を公表した。
保育所では今年5月、30歳代の女性保育士が不適切な保育を行っていたことが発覚。村から委託を受けた弁護士らが、職員や元職員らから事情を聞いていた。
報告書は2021~23年度の間、虐待計15件や不適切保育12件があったと認定。
保育士が、園児が口から吐き出した食べ物を食べさせるなどした結果、食事の時間になると 動悸 が激しくなり、激しく泣くなどの身体的変調をきたしたほか、こぼした牛乳を紙片でかき集めてコップに入れて飲ませるなどの行為もあったという。
村は関係した保育士らの処分を行う方針で、岩城 福治 村長は、「心からおわび申し上げる」と陳謝した。
◆インフルエンザにかかった! それでもワクチンを打った方がいいのはなぜ? |
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Q 先日インフルエンザにかかり、高熱が出た。もう予防接種しなくていいよね。
ヨ ミドック インフルエンザの流行シーズンは、通常は12月~3月ですが、今年は春以降も収束せず、だらだらと流行が続いてきました。9月以降は、休校や学級閉鎖が急増し、10月27日現在、全国的に「注意報レベル」になっています。すでに感染した人も多いでしょう。ただ、1度感染した場合も、ワクチンは打った方がいいのです。
Q どうして? もう免疫がついたはずでは?
ヨ 国内で流行するインフルエンザウイルスには、大きく分けて三つあります。2009年に新型インフルエンザとして流行した「A(H1N1)型」、「A香港型」「B型」です。実は、一つの型に感染しても、ほかの型のウイルスに対する免疫はつきません。シーズン中に再び感染し、発症する可能性があります。
インフルエンザワクチンは「4価ワクチン」といい、A(H1N1)、A香港のほか、B型の二つの系統に対応します。一つの型に感染した後でも、ほかへの免疫をつけられます。
Q そうだったのか。
ヨ 国立感染症研究所によると、夏以降は主にA香港型が流行していましたが、少しずつA(H1N1)型の検出も増えています。二つのタイプが同時に流行している状態と言えるでしょう。また、国内の流行予測の目安となる南半球の状況を見ると、B型が半分程度を占めており、今後流行する可能性があります。
Q いつ接種すればいい?
ヨ インフルエンザから体が回復した後なら、いつでも大丈夫です。解熱後2週間が一つの目安です。今シーズンは、流行のピークが早くなる可能性があり、早めの接種をお勧めします。
過去3シーズンは、大きな流行がありませんでした。その分、人口全体では、感染によって免疫を得ている割合が低く、感染が広がりやすくなっていると考えられます。
Q さっそく予約しよう。
ヨ ワクチンは発症を一定程度減らし、重症化を防ぐ効果があり、65歳以上の高齢者らは予防接種法に基づく定期接種の対象になっています。
ただ、ワクチンを打っても油断は大敵です。手洗いや換気を励行し、人混みを避けるなど、普段からの感染対策も十分に行いましょう。
ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。
◆季節性インフル「注意報」レベル、介護施設で予防と面会に苦心…コロナ制限緩和したばかり |
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季節性インフルエンザの感染が、10月としては異例の「注意報」レベルに拡大し、介護施設で緊張感が高まっている。新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に移行し、家族との面会制限を緩和した施設では、同時流行を警戒。重症化リスクの高い高齢者への感染を予防しながら、サービスを維持するという難しいかじ取りを迫られている。
「新型コロナが落ち着いたと思ったら、今度はインフルエンザか」
東京都世田谷区の特別養護老人ホーム「 芦花 ホーム」の那須康樹サービス係長は表情を曇らせた。
同ホームは今月、利用者の居室での家族との面会を解禁したばかりだ。1日6組までの予約制で、来訪者には検温や手指消毒を求め、面会は20分以内に制限。入居者約120人と職員約70人を対象にインフルエンザのワクチン接種を済ませた。
職員には出勤前に、発熱やせきなどの症状が少しでもあれば、必ず休んで受診するように指示している。
冬場は、新型コロナの再拡大や、ノロウイルスの流行にも警戒が必要だ。那須さんは「例年以上に緊張感が高い。再度、職員研修を実施し、感染防止に向けた体制を整えたい」と語る。
厚生労働省によると、インフルエンザは直近1週間(16~22日)で定点1医療機関あたりの感染者数が16・41人と、前週(11・07人)と比べ1・48倍になり、9週連続で増加。「注意報」の基準(10人)を上回っている。新型コロナは同3・25人と、前週(3・76人)と比べ0・86倍となり、7週連続で減少した。
東京や岡山で特養など9施設を運営する社会福祉法人「愛あい会」(岡山市)も、利用者と家族が自由に面会できるようにした。面会を制限していた期間に、心身の状態が悪化した利用者もおり、前田 計子 理事長は「日常生活を取り戻すべきだと判断した」と言う。
ただ、面会時間は30分以内とし、37・5度以上の発熱やせきといった症状があれば、受け入れないなどの感染対策は怠らない。
高齢者が通うデイサービス施設も警戒する。東京都大田区で4か所を運営する「スマイルクリエーション」の松橋良・副社長は、コロナ禍の利用控えで体が衰えるなどした高齢者を見てきた。感染対策をとりながら運営を続けたいが、「重症化する高齢者が増えれば、再び受け入れ人数の制限などを検討せざるを得ない」と明かす。
日本医師会の 釜萢 敏・常任理事は「マスク着用や手指消毒、換気などの基本的な対策と、職員が体調に異変を感じたら遠慮なく休める職場作りが必要だ。面会制限には心身の状態の悪化といったデメリットもある。感染状況を見極め、冷静に対応してほしい」と話す。
◆若年層の8割が「結婚に前向き」、7割「子どもがほしい」…東京都が初の意識調査 |
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少子化対策の立案に役立てようと、東京都が若年層1000人を対象に結婚や子どもについて尋ねた初の意識調査で、8割が「結婚に前向き」と答え、7割は「子どもがほしい」と回答した。暮らしへの満足度が高い人のほうが、低い人よりも子どもをほしがる傾向もみられた。
調査は6月、都内在住の18~29歳の男女各500人にLINEを使って実施した。
全回答者の計79・5%が、結婚を「している」か、「するつもり」と答えた。理由(複数回答)は、「好きな人と一緒に生活したい」が74%、「子どもがほしい」が45%と続いた。
「結婚するつもりはない」は13%で、「1人が楽で、今の生活に満足している」という理由が最多の53%だった。「経済力がない」「仕事・家事・育児・介護を背負う」を理由に挙げた人もそれぞれ2割超いた。
すでに子どもがいる人を含め、72%が「子どもがほしい」と答え、希望人数は「2人」(50・7%)が最多だった。一方、18・4%が「ほしいとは思わない」とし、最多の理由は、「育てる自信がない」の61%。「育児にかかる費用が心配」も49%に上った。
また、「暮らしに満足している」と答えた人(全体の32・9%)のうち、74%が「子どもがほしい」と回答した一方、満足していない人(同5・1%)では希望する割合が45%まで下がった。将来の展望についても、「明るい希望がある」と回答した人(同23・5%)のうち子どもがほしい人は86%に達したが、希望がないと答えた人(同8・9%)は39%にとどまった。
今の生活を巡る不満や将来への不安から、子どもを持つ気になれなかったり、思いとどまったりする人が一定数いるとみられる。
調査した都子供政策連携室は「費用や将来展望が結婚、子どもへの意欲に影響していることがデータとしてわかった。有識者の意見も聞いて事業に反映させたい」としている。
◆ホンダNSXの「エンジン音で赤ちゃん泣きやむ」、ぬいぐるみ発売…実験では12人のうち11人に効果 |
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玩具大手のタカラトミーアーツは、ホンダの高級スポーツカー「NSX」のエンジン音が流れる自動車形のぬいぐるみを28日に発売する。「スポーツカーに乗ると赤ちゃんが泣きやむ」というSNS上の書き込みが製品化のきっかけになった。
SNSの投稿を目にしたホンダの社員が30以上の車のエンジン音を検証し、NSXの独特の重低音が、胎内音の周波数に最も近いことを突き止めた。実験では、赤ちゃん12人のうち11人が泣きやんだという。
ホンダが2018年に発表した実験結果に注目したタカラトミーアーツが製品化を提案した。ぬいぐるみのボンネット部分を押すと、エンジンを吹かす音が45秒間再生される。税込み8250円で、全国の玩具店などで販売する。
◆コロナ関連死者数を試算、8月は4911人で7月の2倍…5類移行後では最多 |
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厚生労働省は27日、新型コロナウイルスの関連死者数が8月は最大4911人だったとの試算を発表した。7月(最大2486人)と比べ約2倍となり、5類移行後では最多となった。
死者数を迅速に把握するため、自治体に提出された死亡診断書の情報を基に試算し、毎月公表している。8月は、直接の死因などが「新型コロナ」だったのは2830人で、間接的に影響した人を加えると、4911人に上った。ただ、第7波の感染拡大が起きた前年同月(最大1万1599人)は大きく下回った。
厚労省の担当者は「感染状況は8月下旬頃がピークだったため、9月も死者数が多くなる可能性がある」としている。
一方、全国約5000か所の定点医療機関から16~22日の1週間に報告された感染者数は1医療機関あたり3・25人だった。前週(3・76人)と比べ0・86倍となり、7週連続で減少した。都道府県別では、最多は北海道の6・79人で、長野の5・17人、福島の4・93人が続いた。
◆入学直後から「同級生から無視」「太ってると言われた」といじめ訴え…神戸の中3男子、自宅で死亡 |
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神戸市北区の市立中学校に通う3年の男子生徒(15)が自宅で死亡していたことが、わかった。家族によると、自殺とみられ、「いじめを受けていた」と学校に相談していたという。市教育委員会は、いじめ防止対策推進法に基づく、重大事態として調査を始める。
家族によると、生徒は2021年4月に中学に入学した直後から「同級生から無視される」「太っていると言われた」などと訴え、家族が学校側に相談。昨年秋には学校で上級生から暴力を振るわれ、警察にも相談したという。生徒は学校を休みがちになり、校内の不登校教室に通っていた。
25日午前、学校から「登校していない」と家族に連絡があり、その後、自宅で亡くなっているのが見つかったという。遺書は見つかっていない。家族は取材に対して「学校に相談していたが、何も改善されなかった。何があったのか明らかにしてほしい」と話した。
家族の訴えを受け、市教委は近く調査委員会を設置し、いじめの有無などを調べる。
◆インフルエンザ感染者、9週連続で増加…千葉・埼玉・福島など30都府県で「注意報」レベル |
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厚生労働省は27日、全国約5000の定点医療機関から16~22日の1週間に報告されたインフルエンザの感染者数が1医療機関あたり16・41人だったと発表した。前週(11・07人)と比べ1・48倍となり、9週連続で増加した。
都道府県別では、愛媛が1医療機関あたり39・90人で「警報」の基準(30人)を超えた。このほか、千葉(29・39人)、埼玉(28・41人)、福島(27・09人)など、30都府県で「注意報」の基準(10人)を上回っている。
インフルエンザで学年・学級閉鎖や休校となったのは計3751施設で、前週から倍増した。都道府県別では、兵庫381施設、東京328施設、千葉322施設、神奈川288施設などとなっている。
◆小5男児の顔を平手打ち、左耳の鼓膜が破れる…男性教諭「自分を抑えられなかった」 |
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愛知県豊田市教育委員会は27日、同市立東山小学校(杉本康弘校長、児童数416人)で25日、40歳代の男性教諭が小5男児の顔を平手打ちし、左耳の鼓膜を破るけがを負わせたと発表した。市教委で詳しい経緯の調査を進めている。
市教委によると、25日午後0時半頃、算数の少人数授業を終えたあと、授業態度について男児を指導していた際、右手で左耳とほほのあたりを数回、平手打ちした。児童の帰宅後、保護者から学校に連絡が入り、担任教諭が経緯を説明、謝罪した。児童は鼓膜が破れ、全治1か月と医療機関で診断を受けた。
男性教諭は校長の聞き取りに対し「自分を抑えられず、おろかな行動をした。反省している」などと話しており、児童に対しては25日、保護者には翌26日に電話で謝罪したという。学校側は男性教諭を27日は自宅待機とした。29日に全校児童の保護者を対象とした説明会を開く。
◆コロナワクチン48人に接種ミス、看護師が皮下注射と思い込む…「位置が下過ぎる」で判明 |
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滋賀県近江八幡市立総合医療センターは26日、センターで13日に実施した新型コロナウイルスワクチンの集団接種で、30~90歳代の男女48人に「筋肉注射」すべきところを誤って「皮下注射」するミスがあったと発表した。効能に大きな違いはなく、打ち直しの必要はないとしている。また、今のところ健康被害の報告はないという。
発表によると、当日の接種を担当した看護師がインフルエンザなどの予防接種と同じ皮下注射だと思い込み、事前の打ち合わせもできていなかったのが原因という。接種した1人を17日に診察した別の病院の医師から、「接種位置が下過ぎる」と市に連絡があり判明。同センターは23日までに対象者全員に謝罪し、健康状態を確認した。
◆給食の「完食強要」で隠した残飯が「くさい」と言われ、小5女子が一時不登校に…市に33万円の賠償命令
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さいたま市の市立小学校で、担任教諭から給食の完食を強要されて精神的な苦痛を受けたとして、元児童と両親が市に慰謝料など計約3000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、さいたま地裁であり、関根規夫裁判長は原告の請求を一部認め、市に33万円の支払いを命じた。
判決によると、担任の男性教諭は2017年4~6月、当時5年の女子児童が給食を残そうとすると「駄目だよ」と制止したり、「これくらいは食べられるよね」と量を増やしたりした。児童は小食で、母親はあらかじめ学校に「給食の量を減らしてほしい」と伝えていた。児童は残飯を袋に入れ隠すようになったが、他の児童から「くさい」などと言われ、同7月から一時不登校になった。
関根裁判長は、教諭が児童の適正な食事量を把握しようとせず、配慮を欠いたと指摘。「許される程度を超えた指導で、人格権を侵害した」と結論づけた。不登校に悩んだ両親への損害賠償請求などは退けた。
市教育委員会は26日、取材に対し「判決文が届いていないためコメントを差し控える」とした。
◆障害者就労支援の給付金250万円詐取、元施設職員ら逮捕…計8000万円を水増し請求か
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障害者就労支援施設の利用実績を偽って水増し請求した給付金約250万円をだまし取ったとして、兵庫県警は25日、就労継続支援B型事業所「テレサ」(神戸市長田区、10月に閉鎖)の元職員の男(65)ら2人を詐欺容疑で逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。県警は、2人が2021年夏以降に計約8000万円を水増し請求し、総額1億4000万円を受け取った可能性があるとみている。
捜査関係者によると、男らは今年2~7月頃、テレサなどが提供する就労サービスを利用した人数を偽装。神戸市に水増しした給付金を請求し、約250万円を詐取した疑い。県警は、ほかにも実態のない利用者を申請していないか捜査を進める。
厚生労働省によると、就労継続支援B型事業所は、障害者総合支援法に基づき06年に導入された。事業所には利用者1人あたり1日約7000円の給付金が自治体から支払われる。
ホームページなどによると、テレサは一般社団法人マザーイズム福祉協会(神戸市)が14年に設立。定員20人で、利用する障害者に銭湯で使われるタオルを折ったり、ハンカチを袋詰めしたりしてもらい、「工賃」と呼ばれる報酬を支払う一方、市から給付金を受け取っていた。
◆孤立する妊産婦、心のケア強化…拠点病院に精神保健福祉士ら配置へ |
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こども家庭庁は、妊産婦のメンタルヘルス(心の健康)対策の強化に向け、2024年度から精神科や産科などの医療機関、行政や専門職からなる支援ネットワークの構築に乗り出す。新型コロナウイルス禍で孤立し、心の不調を抱える妊産婦が増加したことを踏まえ、育児の相談も含めた包括的な支援の提供を目指す。
都道府県ごとに精神科医療機関などを「拠点病院」に指定し、社会福祉士や精神保健福祉士をコーディネーターとして配置する。市区町村の関係機関が支援を必要としている妊産婦を把握した場合に、コーディネーターが窓口役として相談に乗る態勢を整備する構想だ。
都道府県や拠点病院が中心となり、妊産婦の診療が可能な地域の精神科医療機関のリストや、産後うつなど心の不調を訴える妊産婦への対応を説明した手順書も作成する。こども家庭庁は都道府県を通じ、こうした取り組みに財政支援を行う方針で、24年度予算の概算要求に事業費を盛り込んだ。
核家族化や晩婚化を背景に、身近な人から子育てを巡るサポートを受けられず、孤立する母親らは増加傾向にある。コロナ禍では、立ち会い出産や母親同士で交流するイベントなどが制限され、妊産婦の悩みに追い打ちをかける形となった。
日本産婦人科医会が23年に行った調査では、出産を扱う全国約1400の医療機関の約半数が、コロナ禍で心に問題のある妊産婦が増加したと回答している。
一方で、21年度の厚生労働省の調査では、全国の市区町村のうち、妊産婦のメンタルヘルスに関して、地域の精神科医療機関と連携している自治体は1割弱にすぎなかった。
こうした実態も踏まえ、国としてもネットワークを通じて関係機関の連携を強化し、地域全体で妊産婦の心のケアの問題に取り組む考えだ。
◆「インスタとFBに中毒性」米国42州・区がメタを提訴…NY州司法長官「若者の心の健康が悪化」
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ニューヨーク州の司法当局などによると、米国の42の州・区の司法当局が24日、米SNS大手メタ(旧フェイスブック)を一斉に提訴した。同社が運営するインスタグラムとフェイスブックには中毒性があり、青少年の精神面に悪影響を与えたとして、損害賠償や不適切なサービスの差し止めなどを求めている。
提訴したのはニューヨーク州やカリフォルニア州、イリノイ州など。訴状で、メタは自社のSNSが子どもや若者にうつ病や不眠症などを引き起こす可能性があると知りながら、安全性の高いサービスと偽ったと批判した。
また、「いいね」などの機能を通じて長時間、SNSから離れられないように誘導したと指摘。親の同意なしに13歳未満の子どもの個人データを不当に収集したとも批判している。
ニューヨーク州のジェームズ司法長官は「子どもや若者の心の健康が悪化している責任はメタなどのSNS企業にある」と批判。一方、メタは「若者とその家族向けに30以上の支援策を導入している。司法長官らがこの道を選んだことを残念に思う」との声明を発表した。
◆クマに襲われた男性、「頭蓋骨見える」深手や無数のひっかき傷…「頭をかじられ何もできなかった」 |
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「頭をかじられても、何もできなかった」――。秋田県北秋田市鷹巣の市街地で19日に出没したクマによって大けがを負い、現在も入院中の菓子店主の男性(66)が24日、読売新聞の電話取材に応じ、「本当にもう死ぬかもしれないと思った」と恐怖の瞬間を振り返った。県内では24日も計4人がクマに襲われてけがをしており、県警などが警戒を呼びかけている。
男性がクマと遭遇したのは19日午前11時過ぎのこと。自宅裏庭にある車庫のシャッターを開けると、中にクマがいた。
約2メートルの至近距離で「正面を向いていて目が合った。体長1メートル以上と大きく、これは無理だととっさに走って逃げたが、約10メートル先で倒された」。右半身を上にして倒れたところを、クマは覆いかぶさってきた。「『ガウガウ』とすごい声がして牙で頭をかじられた。何もできなかった」。
襲われたのは、わずか1分ぐらいの間だった。クマのすきを見て工房に逃れ、タオルで止血しながら110番した。鏡を見ると「右側の頭皮が10センチ四方くらいめくれ、頭蓋骨が見えていた」という。ドクターヘリで秋田市内の病院に搬送され、現在治療を受けているが、背中や右腕、右わき腹に無数のひっかき傷を負い、顔にも深い傷が残った。
北秋田市の市街地では19日、男性が襲われる前の午前6時40分頃、鷹巣小学校周辺で散歩をしていた80歳代の女性2人がクマに襲われた。午前7時頃には、そこから約800メートル北のバス停で女子高校生が襲われている。このクマが車庫にいたとみられるという。
男性は渓流釣りで山奥に入ることがあり、クマへの警戒は怠っていなかったという。しかし、今回は「家にある狩猟用ナイフやクマよけスプレーを取り出す暇もなかった」と振り返る。「まさか自宅裏庭でクマに襲われるなんて。この秋は異常だ」と話した。
一方、24日も県内でクマによる人身被害が相次いだ。
羽後町足田のゴルフ練習場で午前7時頃、ボールの回収作業をしていた湯沢市の女性(75)がクマ(体長約1メートル)に背後から襲われ、頭や顔から出血するなどの重傷を負った。一緒に回収作業をしていた男性(66)は「夢中で手近にあったカートを押してクマを追い払ったが、女性は血まみれだった」と話した。
ゴルフ練習場は町の施設で、町は「安全確保が難しい」とし、予定を早め、今年度の営業を終了した。
午前7時20分頃には、仙北市田沢湖田沢の住宅敷地内で、ネギを干していた大仙市の男性(75)がクマ(体長約1メートル)と鉢合わせて襲われた。男性は頭や顔面をひっかかれるなどのけがを負った。地元猟友会は同日、現場の裏庭に金属製の箱わなを設置。猟友会員の男性(64)は「近くに栗の木があるので、それを目当てに現れたのでは」と話した。
鹿角市十和田大湯と十和田山根でも午前10時45~50分頃、リンゴ畑とニンニク畑で農作業をしていた、市内に住む73歳の2人の男性が相次いで襲われ、右耳や頭などにけがを負った。
県警地域課によると、クマの人身被害は計57人。
一方、秋田市の市街地にもクマは出没した。秋田東署によると、午前7時10分頃、同市広面の市道で親子とみられるクマ3頭(1頭が体長約1メートル、2頭は約50センチ)が目撃された。現場は秋田大の東側約500メートル。
◆沢井製薬の品質試験不正で武見厚労相「後発薬の信用を著しく失墜し大変遺憾」 |
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ジェネリック医薬品(後発薬)大手の沢井製薬(大阪市)が、胃炎・胃潰瘍向け医薬品で不正な品質試験を行っていた問題で、武見厚生労働相は24日の閣議後記者会見で、「ジェネリック医薬品の不祥事が相次いでいたが、本件も後発薬の信用を著しく失墜する事案で、大変遺憾だ」と述べた。
今後の対応について、武見氏は、「医薬品製造業者らに対する一層の薬事監視体制の強化に取り組んでいきたい」と述べた。
後発薬を巡っては、2020年以降、不祥事が相次ぎ、業務停止命令を受けるメーカーが続出した。生産が停滞したところに、新型コロナウイルスなどの感染拡大が重なり、せき止めや 痰 を切る薬などの供給不足が続いている。
◆ジェネリック大手の沢井製薬、胃薬の品質試験で不正…自主回収進める |
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ジェネリック医薬品(後発薬)大手の沢井製薬は23日、胃炎・胃潰瘍向け医薬品の品質試験で不正があったと発表した。九州工場(福岡県飯塚市)で、薬剤を詰めるカプセルを新しいカプセルに取り換えたうえで溶け方を調べる試験を実施し、基準をクリアしたように見せかけていた。
沢井製薬によると、医薬品の有効性や安全性に問題はなく、健康被害も確認されていないとしている。7月以降、出荷された全品の自主回収を進めている。
◆食物アレルギーのある小中高生 9年間で1.3倍に…原因となる食べ物で最も多いものは? |
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食物アレルギーのある小中高生 9年間で1.3倍に…原因となる食べ物で最も多いものは?
Q 子どもがピーナツを食べたらじんましんが出たよ。
ヨミドック 食物アレルギーかもしれません。目の腫れや息苦しさ、 嘔吐 が出ることもあります。アレルギー症状が全身に一気に表れ、呼吸困難などが起きる「アナフィラキシー」と呼ばれる危険な状態になる場合もあります。
Q 食物アレルギーのある子どもは増えているの?
ヨ はい。日本学校保健会が2022年度に全国の公立小中高校などを対象に大規模な調査をしました。その結果、食物アレルギーがある小中高生は52万6705人(回答者の6・3%)にのぼるとわかりました。13年度の前回調査では、40万7546人(同4・5%)で、9年間で1・3倍に増えています。
Q なぜ増えたのかな。
ヨ 原因は複数あると考えられます。花粉症の人は果物類のアレルギーを発症しやすいと指摘されています。子どもの花粉症の増加や木の実アレルギーの急増も要因です。特にクルミは健康食品として人気が高く、消費量が増加傾向で、食物アレルギーに注意が必要な特定原材料として今年、表示が義務づけられました。また、食物アレルギーは乳幼児の頃に発症しても、小学校にあがる前に治るケースが多くありました。しかし、今は治らないままの子どもが増えている可能性もあります。
食物アレルギーのある小中高生 9年間で1.3倍に…原因となる食べ物で最も多いものは?
Q 何を食べると起きる?
ヨ この調査によると、鶏卵が最も多く、食物アレルギーのある小中高生の4人に1人の原因になっています。果物類、甲殻類、木の実類、ピーナツなどが続きます。医療機関での問診と検査で原因を特定します。
Q どうして起きるの。
ヨ 体を外界の異物から守る免疫と関係しています。免疫が、本来は無害な特定の食べ物を「有害」とみなすことが原因です。その食べ物が口から入ると攻撃され、様々なアレルギー症状が出ます。
Q 防ぐ方法はある?
ヨ 根本的な薬はありません。原因となる食べ物を避けることが重要とされています。ただ、最近は、アレルギーの原因となる食べ物を少しずつ毎日食べて、症状を起こさずに体質を改善させる「経口免疫療法」も注目されています。まだ一般的ではないため、専門の医療機関で医師と相談して進めてください。
◇
ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。
◆患者取り違えで前立腺を摘出、検体を間違った容器に入れた可能性…静岡県立総合病院 |
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静岡県立総合病院(静岡市葵区)は20日、男性患者2人の検体を取り違えて診断し、がんではない60歳代男性の前立腺を誤って摘出する医療事故があったと発表した。がんだった80歳代男性に対する治療開始も遅れたという。
発表によると、2人はそれぞれ4月に同病院で前立腺の組織検査(生検)を受けた。60歳代男性はがんと診断されて7月に摘出手術を受けたが、病理検査でがんが見当たらず、DNA鑑定で取り違えが判明した。男性は性機能障害など手術の後遺症を訴えている。
一方、がんだった80歳代男性はホルモン治療の開始が5か月ほど遅れ、リンパ節への転移が確認されたという。
生検は医師2人と看護師1人が担当。検体を間違った容器に入れた可能性が高いという。県庁で記者会見を開いた小西靖彦院長は「患者と家族の皆様に心からおわびする」と謝罪した。
◆女児2人の下着撮影、四谷大塚元講師を起訴…強要容疑は不起訴 |
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学習塾大手「四谷大塚」の講師による生徒盗撮事件で、東京地検は20日、24歳の元講師の男を東京都迷惑防止条例違反(盗撮)と性的姿態撮影処罰法違反(撮影)で東京地裁に起訴した。起訴状では、元講師は5~8月、勤務先だった都内の塾校舎で計4回、小学生の女児2人の下着などをスマートフォンで撮影したとされる。
また、地検は24歳の元講師の元同僚で同法違反容疑で逮捕された27歳の別の元講師については、同法違反ほう助で東京簡裁に略式起訴したと発表した。簡裁は同日、罰金30万円の略式命令を出した。
24歳の元講師は強制わいせつと強要の両容疑でも逮捕されていたが、地検は強制わいせつは盗撮行為の一環だったと判断。強要容疑については不起訴とした。
◆勤務医の残業時間、上限規制の「年960時間超」が2割…「1860時間超」も4% |
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来年4月から勤務医の残業時間を規制する「医師の働き方改革」が始まるのを前に、厚生労働省は、2022年の残業時間について、上限規制の一つとなる960時間を超えた勤務医が2割に上ったとする調査結果を公表した。
来春から勤務医の残業時間の上限は原則、年960時間となる。地域医療を担う病院の勤務医の場合は、例外的に2035年度末まで、年1860時間となる。
調査は、昨年7月に全国の約1万9000医療機関を対象に実施。病院で週4日以上働く常勤医約1万1500人について、兼業先も含めた1週間の勤務実態を聞き、年間労働時間に換算して分析した。
この結果、残業が年960時間を超えた勤務医は約20%、年1860時間超は約4%だった。いずれも2019年の前回調査と比べると、ほぼ半減した。
厚労省労働基準局によると、夜間や休日に医師らが待機する「宿直」「日直」は、業務内容が軽度で十分睡眠が取れる場合、医療機関が労働基準監督署から許可を得れば、労働時間から除外できる。働き方改革のスタートを前に、この許可を得る医療機関が増えたことが残業時間短縮につながった可能性もある。
医師の働き方改革に関する厚労省検討会の委員からは「医師の労働は多岐にわたる。調査結果と実態に 乖離 がないか、しっかり検証する必要がある」との意見も出ている
◆メディファーマが治験123件で違反行為…血圧数値改ざんなど、創業以来の組織ぐるみか |
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厚生労働省は17日、治験支援会社メディファーマ(東京都)が、医療機関から業務を委託された123件の治験で、データの改ざんなど医薬品医療機器法(薬機法)の違反行為を行っていたと発表した。承認済みの薬と医療機器計25製品での治験が含まれている。厚労省は創業後約10年にわたり組織ぐるみで違反を繰り返していたとみており、今後処分を検討している。
厚労省によると、新薬の有効性や安全性を確かめる治験のデータを改ざんしていたのは、治験参加者の血圧の数値や、薬の投与と採血の時間など。このほか、医療機関の医師らと別々に管理しなければならない治験データの閲覧用のパスワードを共有し、治験に使う薬の温度管理を守らなかったことを製薬会社に報告していなかった。治験を適正に実施するため医療従事者に受講が義務づけられている講座では、社員が代理で参加していた。
厚労省は情報提供を受け、同社に対し、8月29日~9月4日に3回の立ち入り検査を行い、違反行為を確認した。製造販売の承認を受けていた25製品については、改ざんされたデータを省いたとしても、有効性や安全性は確認できるとして、承認の取り消しは行わない方針だ。現時点で健康被害の報告はないという。
治験は薬機法で定める省令で厳格に手順が決められている。同社は業務の効率化を優先し、必要な手順を省くなどしていたとみられる。医療機関側も違反に関わっていた可能性があり、調査を進める。厚労省の担当者は「前例のない非常に悪質な行為だ」と指摘している。
メディファーマの担当者は読売新聞の取材に対し、「企業として問題点があった。関係する全ての方々に深くおわびする。内部体制の刷新などを進め、信頼回復に努めたい」と話した。
◆児相職員、男子生徒に顔近づけて「黙れよ」…虐待行為と認定し別の部署に異動 |
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三重県児童相談センターは16日、北勢児童相談所(三重県四日市市)の男性職員が、一時保護していた県内の中学校の男子生徒2人に対し、大声でどなるなどした虐待行為があったと発表した。
センターによると、8月12日、同児童相談所の廊下で騒いでいたとして2人を注意した際、1人の生徒に大声を出した。また、別の生徒に顔を近づけて「黙れよ」などとどなり、その際、職員の額が生徒の頭に2回当たった。
他の職員から報告を受けて県などが調査を行い、心理的・身体的虐待にあたると認定した。調査に対し、職員は「頭が当たったのは意図的ではない」と説明したという。職員は別の部署へ異動した。センターの中沢和哉所長は「しっかりと再発防止策を作り実行したい」と述べた。
◆駅弁の集団食中毒、28度で納品予定の酢飯が3時間後も45度…冷却時の製造記録も残さず |
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青森県八戸市の駅弁製造販売会社「吉田屋」の駅弁を原因とする集団食中毒は、市保健所が16日、「推定」と位置づけた原因を明らかにし、一つの節目を迎えた。吉田屋が岩手県の業者に製造を委託した米飯が、注文時の指示より高い温度で搬入されたにもかかわらず受け入れ、冷却までに菌が増殖した可能性がある――などとする「推定される主な原因」は、5点に及んだ。
市保健所によると、吉田屋に9月14、15日、製造を委託していた岩手県の業者から計約1・5トンの米飯が搬入された。事前の指示書では茶飯27度、酢飯28度で納品予定だったが、14日は、搬入から3時間後の時点で45度と15度以上も上回っていた。翌日も搬入時点で約10度上回っていたが、自社で冷却し、弁当に使用した。
さらに、委託業者が配送で使った発泡スチロール製の外箱を、吉田屋が殺菌せずに盛り付け室に搬入したため、米飯や具材に菌が付着した可能性もあるとしている。吉田屋は、この米飯と自社炊飯分の冷却を同時に行った際の製造記録や、臨時従業員に対する健康状態の確認についての記録を残しておらず、手指の消毒や手袋の交換が適切に行われなかったり、衛生管理が徹底されていなかったりした可能性があるという。
市保健所は、同社から一部の販売店へ回収の連絡が届かず、16日製造分の一部が販売されたことも、患者増につながった要因の一つと指摘した。事前に回収時の販売店への連絡方法を定めていなかった。
市保健所は吉田屋への聞き取りや検体の検査結果などを分析してきた。16日に記者会見した市保健所の石井敦子副所長は、菌が増殖した原因の断定にまで至らなかった理由について、記録が残っていないことや、原因菌が検出されていないことが、菌が付着していない理由にはならないことなどを挙げた。
9月23日から命じられている営業禁止は今後、吉田屋が改善報告書を保健所に提出し、立ち入り検査で改善が確認された後、解除される見通し。吉田屋は10月16日時点で、読売新聞の取材に応じていない。
市保健所は9月17日、福島県内の保健所から「吉田屋の弁当を食べて体調不良を訴えている人がいる」との連絡を受けて調査を開始。症状を訴えた人の便や未開封の弁当から、黄色ブドウ球菌とセレウス菌が検出され、弁当を原因とする食中毒と断定した。
◆「菌」付けで呼ぶいじめ、加害児童の親らに88万円の賠償命令…被害者は今も難聴に苦しむ |
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静岡市立小で2017年に受けたいじめが原因で適応障害になったとして、当時の男子児童が市と加害児童ら計21人に対し計約2000万円の損害賠償を求めた訴訟で、静岡地裁(菊池絵理裁判長)は12日、一部のいじめ行為を認定し、加害児童6人の保護者ら計10人に計88万円の支払いを命じた。市や校長などへの請求は棄却した。
判決では、小学5年だった男児が17年11月頃、複数の児童から名前の後ろに「菌」をつけて呼ばれるいじめを受けたと認定し、「精神的苦痛は相当大きなものであった」とした。適応障害との因果関係は認めなかった。馬乗りになって暴行を受けたなどの行為もあったが、遊びの認識だったなどとして違法行為と認めなかった。
市や当時の担任などについては、いじめを予見することはできなかったとして、請求を退けた。
原告側は判決後に記者会見し、控訴する考えを示した。男児は高校生になったが、現在も適応障害の治療を続け、難聴や味覚障害に苦しんでいるという。「6年たっても症状は改善されない。(適応障害との因果関係や暴力行為を)受け入れてもらえず、残念な気持ちでいっぱい。納得いくまで闘いたい」と語った。
◆がんセンター汚職、医療メーカーが製品調査代行…「みなしPMS」で元医長に謝礼支払いか |
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国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)を舞台とした汚職事件で、贈賄側の医療機器メーカーが、医師に依頼した製品の市販後調査(PMS)で安全性などのチェックを代行していたことが捜査関係者への取材でわかった。メーカーは「みなしPMS」と呼び、医師に資金提供する手段にしていた。警視庁は調査に実態がなかったとみて調べている。
警視庁は12日午後、同病院肝胆 膵 内科の元医長で医師の橋本裕輔容疑者(47)(収賄容疑で逮捕)を収賄容疑で再逮捕し、癒着の解明をさらに進める。
捜査関係者によると、再逮捕の対象となる容疑は、「ゼオンメディカル」(東京)社製の「ステント(金網状の筒)」と呼ばれる医療機器を優先的に使用した見返りに、2020年6月に同社から約150万円の賄賂を受け取ったとするもの。ゼオン社側の贈賄容疑は時効となっている。
橋本容疑者は医長に就いた19年4月、ステントの市販後調査に協力する契約を同社と締結。1個使うごとに謝礼として1万円を受け取る内容だった。
警視庁が調べたところ、橋本容疑者がゼオン社側に提出したリポートは年にA4用紙2枚程度。しかも、製品の安全性や操作性に関する項目を担当社員が橋本容疑者に代わってチェックしており、橋本容疑者は署名しただけだった。
リポートには、実際の施術内容を反映していない内容も含まれていた。ゼオン社側がその後の製品開発に活用した形跡も確認されず、警視庁は資金提供のために調査を装ったとみている。
ゼオン社の社内ではこうした市販後調査を「みなしPMS」と呼び、元社長の柳田昇容疑者(67)(贈賄容疑で逮捕)も承認していた。同社が、別の医療機関の医師に同様の手法で資金提供を行っていたことも確認されているという。
資金提供先が民間病院の医師であれば贈収賄罪には当たらないものの、医療機器を売り込む際に医師に資金提供する行為は景品表示法違反に当たるとして、メーカーの業界団体・医療機器業公正取引協議会(東京)が禁止している。
同協議会によると、違反に関する情報提供は後を絶たず、市販後調査を装ってメーカーが医師に資金提供した事例は過去にも報告されている。ほかに、自社製品を優先的に使ってもらう見返りに、手術動画の提供名目で資金提供する不正も起きているという。
今回の事件を受け、同協議会は市販後調査の実態把握に向け、ステントを扱う業者へのアンケート調査などを行うとしている。
機器の選定、現場に大きな権限
国立がん研究センターでは昨年10月にも、「中央病院」(東京都中央区)の放射線技術部長(懲戒解雇)が収賄容疑で神奈川県警に逮捕された。国のがん研究を担う拠点で、なぜ事件が相次いでいるのか。
中央病院の事件では、放射線技術部長が2019~21年、医療機器の調達を巡って業者に便宜を図り、見返りにタブレット端末など55点(約285万円相当)を受け取ったとして、今年8月に有罪判決を受けた。賄賂の授受は、東病院の事件と同時期だった。
両事件から浮かぶのは、「部長」「医長」といった現場の幹部が、医療機器の選定・使用において大きな権限を持つ実態だ。捜査関係者は「専門性が高いため、実際に使用する医師らが『使いたい』と言えば、その通りになりやすいのではないか」と話す。
同センターで医師として勤務経験があるNPO法人医療ガバナンス研究所(東京)の 上 昌広理事長は「医療機器選定の見返りに金品を受け取る行為は医療への信頼を損ね、患者の不利益にもつながりかねない。外部の専門家によるチェックなどの対策を強化すべきだ」と指摘する。
両事件を受け、同センターは今月6日、「コンプライアンスやガバナンス、組織風土に問題があったと認識している」との見解をホームページに公表した。今後、職員への研修を行ったり、医療機器購入を希望する部署が業者と直接連絡を取ることを禁じたりする対策を講じるとしている。
◆市販後調査= 医薬品医療機器法に基づき、医療機器や医薬品のメーカーが医療機関の協力を得て実施する。製品の品質や有効性、安全性を検証するのが目的。メーカーが製品開発や改良のため独自に行うこともある。
◆高齢者施設の女性入所者殺人、元職員が向精神薬を服用させたか |
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長野県塩尻市の高齢者施設で昨年5月、入所者が薬物中毒で死亡した事件で、殺人容疑で逮捕された元施設職員の望月大輔被告(40)(傷害罪などで公判中)に処方されていた向精神薬と同様の成分が、死亡した入所者女性の体内から検出されていたことが、捜査関係者への取材でわかった。県警は、望月被告が自身の向精神薬を女性に服用させたとみて調べている。
発表によると、望月被告は昨年5月28日、勤務していた「ケアハウスえんれい」に入所していた前田裕子さん(当時77歳)に薬物を服用させて殺害した疑い。被告の弁護士によると、殺意を否認している。
望月被告は昨年3月に前田さんの通帳を使い、不正に現金7万円を引き出したとする窃盗容疑や、昨年4月に自身の向精神薬を入れた飲み物を同僚女性に飲ませたとする傷害容疑で逮捕、起訴されている。県警は、望月被告が同僚と入所者の女性2人に相次いで薬物を飲ませた経緯や動機などを調べている。
◆介護施設入所者を薬物中毒で殺害した疑い、元職員の男を逮捕…通帳から現金の引き出しも
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長野県塩尻市片丘の介護施設「ケアハウスえんれい」で昨年5月、入所者に薬物を服用させて死亡させたとして、塩尻署は11日、当時職員だった同県下諏訪町、無職望月大輔被告(40)(傷害罪などで公判中)を殺人容疑で逮捕した。同署は認否を明らかにしていない。
発表によると、望月被告は昨年5月28日、施設内で前田裕子さん(当時77歳)に薬物を服用させて殺害した疑い。この日は望月被告の勤務日で、翌29日午前8時頃、別の職員が亡くなっている前田さんを発見した。司法解剖の結果、死因は薬物中毒だった。
望月被告は前田さんの通帳を使用して不正に現金7万円を引き出したり、同僚の女性に向精神薬入りの飲み物を飲ませたりしたとして、窃盗や傷害などの罪で複数回にわたり逮捕・起訴されていた。
長野地裁松本支部で昨年11月に行われた公判で、検察側は、同僚女性に対して急性薬物中毒の傷害を負わせた経緯について、望月被告が自ら服用していた向精神薬の効果を確認する目的で犯行に及んだと主張。これに対し、弁護側は「責任能力がない。もしくは減弱した状態だった」として、責任能力を争う姿勢を示していた。
◆トイレに失敗した園児に「赤ちゃんみたい」「うんちの臭いがする」…不適切保育で是正指導 |
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愛知県小牧市内にある私立保育園「村中保育園」で、保育士が園児の心を傷つける発言をするなど不適切な保育があったなどとして、市が保育園側を是正指導していたことが分かった。市などによると、保育園は今年6月、保護者の指摘を受け、不適切な保育があったと全保護者に文書で連絡した。
市は立ち入り調査を行い、保育士らから事情を聞き、トイレに失敗した園児に「赤ちゃんみたい」「うんちの臭いがする」といった失敗をとがめる発言や、配膳された分量を時間内に食べられない園児の給食を減らすなど、虐待を疑われる行為を確認。このほか、帰り支度が遅くなった園児の帽子やカバンを手の届かない場所に置くなど、望ましくない行為が昨年度から複数回あったことも把握したという。
同園の長谷川誓園長は「園児や保護者に申し訳ないことをした。指導体制を見直し、人権に関わる研修をしていく。アンケートなどで保護者の意見を聞く機会を増やしていきたい」などと話した。
◆納骨の予定を事前に把握、練炭を仕掛けたか…住職殺害、トランクルームから練炭数十個や着火剤押収 |
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東京都足立区の「源証寺」の納骨堂で住職の男性が一酸化炭素(CO)中毒で殺害された事件で、事件当日に寺で納骨が予定されていたことが捜査関係者への取材でわかった。殺人容疑などで逮捕された石材会社社長の斎藤竜太容疑者(50)は前日に寺を訪れており、警視庁は納骨の予定を把握した上で練炭を仕掛けた疑いがあるとみている。
警視庁幹部によると、斎藤容疑者は同社役員の青木淳子容疑者(63)と共謀し、7月22日夜、納骨堂に侵入して練炭を燃やし、23日朝に納骨堂に入った住職の大谷忍昌さん(当時70歳)をCO中毒死させた疑い。
捜査関係者によると、寺では23日に納骨の予定があったが、担当業者が業務の都合で来ないことが前日までに決まっていた。業者に代わって遺骨を整理するため住職が納骨堂に入った可能性がある。
警視庁は斎藤容疑者が契約していた千葉県鎌ヶ谷市のトランクルームを今月9日に捜索し、練炭数十個や着火剤を押収した。
◆医療機関の74%「医薬品が不足」、せき止めなど1500品目…後発薬メーカーの不祥事影響 |
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風邪薬などの医薬品の供給が不安定になっている問題で、日本医師会(日医)は6日、医療機関の7割以上が医薬品不足に直面したとする緊急調査結果(速報値)を発表した。せき止めや 痰 を切る薬の不足が目立つ。日医は「医療現場での医薬品不足は極めて深刻だ」と指摘し、国や製薬企業などに対策を強化するよう求めた。
調査は8~9月、全国の医療機関を対象にインターネットで行い、医薬品の供給状況を聞いた。その結果、病院外の薬局で薬を出している約5700医療機関のうち74%が「薬局から在庫不足の連絡を受けたことがある」と回答した。
病院内で薬を出している約3000医療機関では、90%が「入手困難な医薬品がある」とした。
院外の薬局から不足の連絡があった医薬品は1489品目だった。上位10品目のうち8品目をせき止めと痰を切る薬が占めた。糖尿病薬や抗うつ薬のほか、抗菌薬、解熱剤、止血剤なども不足を訴える医療機関が多かった。診療科別にみると、耳鼻咽喉科と小児科の92%が薬不足に直面したと回答した。
医薬品の供給不足の背景には2020年末から相次いだ、ジェネリック医薬品(後発薬)メーカーの不祥事がある。業務停止命令などで生産量が減少した。
厚生労働省によると、主要なせき止め薬は新型コロナウイルス流行前の約85%まで生産量が低下している。このためコロナやインフルエンザが流行し需要が増す度に、医薬品不足が問題になってきた。同省は今年7月、専門家会議で議論を開始、生産体制や業界の構造を改善する具体策を年末までにまとめる。
この夏もコロナの感染が拡大したほか、インフルエンザは例年より早い時期から患者の急増がみられる。同省は9月29日、医療機関や薬局に、せき止め薬などの薬の処方を必要最小限に抑え、過剰発注を控えるよう、都道府県などを通じ要請した。
調査に協力した神奈川県立保健福祉大の坂巻弘之教授(医薬品政策)は、「医薬品不足に迅速に対応するため、国が司令塔になって対策を立てる必要がある」と指摘している。
◆「大滝観光流しそうめん」集団食中毒、18都府県の892人…帰省や観光シーズンと重なり拡大 |
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石川県津幡町の飲食店「大滝観光流しそうめん」で8月に集団食中毒が発生し、県は6日、患者が石川や東京、愛知、大阪など18都府県の422グループ892人に上ったと発表した。全員が既に回復している。流しそうめんに使う湧き水から食中毒菌「カンピロバクター」が検出された。
県によると、患者は8月11~17日に流しそうめんを食べた1歳から80歳代の男女で、このうち22人が一時入院した。重症者はいなかった。帰省や観光シーズンと重なり、患者が広範囲に拡大した。
店は夏季のみ営業しているが、今年は7月の大雨被害の影響で営業開始前の水質検査をしていなかった。店は損害賠償を終えた時点で廃業する予定。
県は9月、湧き水や井戸水を使う県内の飲食店約550店に対し、年1回以上の水質検査など衛生管理の徹底を求める通知を出した。
◆児相職員かたって女性宅に押し入り性的暴行、「誠意を見せないと親族に連絡する」と脅す |
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警視庁亀有署は5日、横浜市神奈川区の自営業の男(43)(邸宅侵入容疑で逮捕)を不同意性交容疑で再逮捕した。
発表によると、男は9月7日正午頃、東京都葛飾区のマンション一室で住人の30歳代女性に性的暴行を加えた疑い。「違います」と容疑を否認している。
男は、児童相談所職員を名乗って女性宅に押し入り、「虐待の通報が入っている。誠意を見せないと親族に連絡する」などと脅したという。2人に面識はなかった。
女性から相談を受けた亀有署が捜査を進めていたところ、男が9月下旬に再び女性宅を訪れたため、女性が110番。亀有署が邸宅侵入容疑で逮捕していた。
◆入院患者の要望多くて「頭にきた」…腹部を殴った元看護師を書類送検 |
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北海道新ひだか町の精神科病院「石井病院」で入院患者の男性を殴るなどしてけがを負わせたとして、北海道警は5日、登別市の元看護師の男(37)を傷害の疑いで静内区検に書類送検した。
発表によると、男は5月16~17日、病棟内で男性の腹部を複数回殴るなどし、全治10日の打撲を負わせた疑い。「男性からの要望が多く、頭にきて暴力を振るった」と容疑を認めているという。道警は起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。
男性の体にあざがあることに気づいた家族側から連絡があり、病院が病棟内のカメラを確認したところ、暴行の様子が記録されていた。病院は6月29日付で、男を懲戒解雇した。
◆レジオネラ菌検出後も届け出ず、温浴施設が営業続ける…「コンプライアンスの意識が低かった」 |
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山口県宇部市は4日、昨年12月~今年2月に市楠こもれびの郷(宇部市西万倉)の温浴施設「くすくすの湯」の浴槽から基準値を超えるレジオネラ属菌が検出されたにもかかわらず、施設の指定管理者が市に届け出ず、営業を続けていたと発表した。利用者の健康被害は報告されていないという。
市や指定管理者「楠むらづくり株式会社」によると、昨年12月の水質検査で4か所の浴槽から基準値を上回るレジオネラ属菌を検出。1月以降の検査でも最大2・7倍の菌が確認され、4度目の検査(2月)で基準値を下回るまでに約2万1000人が利用した。
9月に県宇部環境保健所が立ち入り検査を行った際に発覚。市は今月2日、保健所から指摘を受けて事態を把握した。同社は施設がオープンした2009年度から指定管理を担っており、15年に施設でレジオネラ属菌が検出された際も市に報告していなかったという。
市役所で記者会見した同社の河村美弥子社長は「報告を失念していた。コンプライアンスの意識が低かった」と述べ、「利用者に迷惑と心配をかけて申し訳ない」と陳謝した。
市は3日から施設の営業を停止しており、5日に改めて水質検査を行って基準値を下回れば再開する方針にしている。
◆感染研職員の腸チフス発症、感染場所は「実験室内」と結論…二次感染は確認されず |
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国立感染症研究所(感染研)は、研究者が腸チフスを発症した問題について、感染場所が戸山庁舎(東京都新宿区)の実験室だったとの調査結果を発表した。実験室の使用方法の緊急点検を行い、再発防止策を講じる、としている。
発表によると、研究者から検出されたチフス菌と、実験室で取り扱った菌の遺伝子を解析した結果などから、感染場所を特定した。
この研究者は現在も入院中だが、回復に向かっている。他の人への二次感染は確認されていないという。
脇田隆字・感染研所長は「近隣住民をはじめ国民からの信頼を損ないかねない極めて重大な事故だ。全ての職員が再発防止策の迅速な実施に最大限努力する」とコメントしている。
◆「1歳若くなってる」…高齢者向けインフルエンザ接種の予診票で市が4万人全員にミス |
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東京都立川市は28日、同市が実施する高齢者向けインフルエンザ予防接種で、対象者に送付された予診票の年齢が1歳若く記載されていたと発表した。接種は10月1日から始まり、対象者は65歳以上の市民4万5999人。担当者が年齢の設定を1年前にしてしまったことが原因という。
◆コロナ無料検査巡る補助金不正、男6人を詐欺未遂容疑で再逮捕…別人の唾液や水を使い件数水増し |
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新型コロナウイルスの無料検査事業を巡る補助金不正請求事件で、警視庁は27日、川崎市多摩区生田、会社役員の男(40)ら男6人を詐欺未遂容疑で再逮捕した。
発表によると、6人は昨年7~8月、大阪市の医療法人「華風会」から委託を受けて東京都内4か所で行ったPCR検査と抗原検査の実施件数を水増しして都に報告し、水増し分を含む補助金約3億6000万円を詐取しようとした疑い。別人の唾液や水を検体として使うなどしていた。
補助金の請求額は計約12億8000万円に上ったが、不正発覚で全て不交付とされた。6人はこのうち約5億3000万円の詐欺未遂容疑で7日に逮捕された。東京地検は同容疑について処分保留とし、今後、再逮捕容疑と合わせて刑事処分を決めるとみられる。
◆「PFOS」含む泡消火剤、近くの川に流出と判明…6月に沖縄県庁で900リットル噴出 |
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沖縄県は27日、県庁の地下駐車場から、健康への影響が指摘されている化学物質の「PFOS」や「PFOA」を含んだ泡消火剤が近くの川に流出していたと発表した。県が県庁周辺の排水設備を調査したところ、国の公共用水の暫定指針値の132倍のPFOSなどが検出された。川の水は暫定指針値以下だった。
県によると、今年6月、県庁舎地下2階にある駐車場の消火設備が誤作動し、天井部分からPFOSなどを含む約900リットルの泡消火剤が噴出。そのまま地中の貯水槽に流れ込み、外部への流出はなかった。
県は回収方法を検討していたが、今月12日に状況を確認した際、泡消火剤を含んだ水が配水管を通って、近くの久茂地川に流出したことが判明。自動排出機能が作動したとみられるという。県は配水管内の洗浄や水を回収。貯水槽内の洗浄なども近く行う。宮城力・総務部長は「多大な不安をあたえ、公表が遅れたことをおわびする」と陳謝した。
◆ため池から「思わず声上げる」腐敗臭、鳥インフルで41万羽埋めた穴から液体漏れ出たか |
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高病原性鳥インフルエンザの発生が昨冬に相次いだ鹿児島県出水市のため池で、殺処分した鶏の埋却が原因とみられる悪臭や白濁が生じ、県は25日、周辺住民の意向を踏まえ、異例の対応となる別の場所への埋め直しを始めた。県は11月中に埋却を終えたい考えだ。専門家は「いつどこで起きてもおかしくない」として、再発防止の仕組みづくりを求めている。
作業に遅れ
水田や住宅が並ぶ出水市野田町 下名 。この地域に、木々に囲まれたため池(外周約140メートル)がある。
異変が起きたのは昨年12月中旬。住民から「悪臭がする」と県に苦情があり、担当者が確認したところ、水面が白っぽい膜状のものに覆われ、腐敗臭がした。記者が複数回、現地を確認したところ、少なくとも初夏までは、思わず声を上げてしまうような不快な臭いが漂っていた。
近くの養鶏場では昨年11月下旬に鳥インフルエンザが発生。殺処分された約41万羽の鶏や卵などは、池から約300メートル離れた場所で、ブルーシートを敷いた深さ5メートルの穴に埋められた。その後、埋却物を含んだ液体が地中を通ってため池に流れ込んだとみられている。
県は今年1月、埋却物を東に約100メートル離れた場所で埋め直すことを住民に通知。当初は3月、その後も7月までに完了を見込んでいたが、埋却工法の検討などで作業が遅れていた。
県は25日、ようやくこの埋却地を掘り返し、遮水シートや保護マットを敷いた新しい埋却地に重機で移設する作業を始めた。県畜産課は「早く完了できるように進めたい」とした。
自治会長の男性(65)は「次の鳥インフルエンザの時期が来るまでには終わらせて、元の状態に戻してほしい」と求めている。
農家不安
ため池から小川を通って流れ下った汚水は、近くの川に合流する。地元の農家5戸は元々、この川から取水してコメを作ってきた。
農家の一人の男性(66)は今季、水質や臭気に不安を抱き、別の小川にポンプを設置。くみ上げた水は管で 迂回 させ、5戸の水田に流している。男性は「台風などで川の水があふれれば、汚水が田に流入する恐れがある」と話す。
県は、これまで取水してきた川の水質検査を基に「水稲作には影響のない水質」としているが、男性は「ため池の汚泥を全部出してもらわないときれいな水にはならない」と話す。塩田康一知事は5月に現地を視察した際、住民に謝罪した。ただ、農家が求めてきた補償については、県は現時点で応じていない。
宮崎県日向市でも今年2月、埋却地近くで濁った水が漏れ出た事例が判明したが、農林水産省の担当者は「埋却物を埋め替える他の事例は承知していない」と話す。
鹿児島大の宇那木正寛教授(行政法)は「全国どこでも起きうるので、特殊事例として片付けられない。鹿児島は全国有数の畜産県なので、県は率先して、部内や専門家を交えて最終処分のあり方や基準づくりを検討し、再発防止につなげるべきだ」と指摘している。
◆産業医認定に必要な単位シール、フリマサイトで1枚1万円…日本医師会「制度の根幹揺るがす」 |
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日本医師会は、産業医の認定に必要な研修の受講を証明する単位シールが、インターネット上で品物を売買できるフリーマーケットサイトで販売されていたと発表した。少なくとも5枚が出品され、数千円から1万円ほどで売られていた。うち4枚は購入されていた。同会は「他人への販売や譲渡は認定産業医制度の根幹を揺るがすもので断じて容認できない」としている。
研修会の修了が、産業医として認定される要件の一つとなっており、日本医師会か都道府県医師会が実施している。1時間の研修が1単位で、講義40時間、実習10時間以上の50単位以上が必要となる。研修手帳に1単位につきシール1枚を貼る。単位は余分に取ることも可能という。
日本医師会によると、単位シールの出品は9月上旬に確認されたが、現在は全ての情報が削除されているという。厚生労働省から再発防止策の要請を受け、同会は、単位シールに管理番号などを入れて受講者が分かるようにする。フリマサイト運営者には今後、出品されないように申し入れ、警察にも相談した。
産業医は、従業員の健康管理のため企業が選任する医師で、50人以上の事業所では選任が義務づけられている。同会によると、現在資格を持つ人は全国に約7万人いる。
◆大阪市がシステム設定ミス、過大支出688万円…家庭の事情で差額払えない人も |
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大阪市は、システムの設定ミスが原因で、障害者福祉サービスを受けている市民77人の自己負担額が少なく算定され、市が計約688万円を過大に支出する誤りがあったことを明らかにした。市は対象の市民に本来の負担額との差額の支払いを求めているが、19日時点で21人分の計約286万円が未納付だという。家庭の事情で払えない人や、市のミスに納得していない人がいるといい、市は何らかの解決策を講じる方針だ。
市によると、障害者福祉サービスは利用者が費用の1割、国や自治体が9割を負担する。利用者の自己負担額は所得区分に応じて計算されるが、システム改修時に算定プログラムに誤りがあったことが判明。確認できた2018年2月~23年4月で、77人の放課後デイサービスの通所代や精神障害者のリハビリ代などの負担額が1人あたり数百円から最大で約70万円、低く計算され、市の支出が多くなっていた。
市は4~6月、電話や手紙で対象者に謝罪し、差額分を納付するよう求め、8月末の期限を過ぎると延滞金が生じると伝えた。市は開会中の市議会でも現状を報告。市議からは「利用者に落ち度がないのに負担が大きすぎる」と批判の声も出た。横山英幸市長は議会で、「負担感の少ない納付方法など、市民に寄り添った対応策を早急に検討したい」と述べた。
◆贈賄容疑のゼオンメディカル、ほかのがんセンター医師の機器使用分も元医長に「謝礼」 |
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国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)の医療機器選定・使用を巡る汚職事件で、収賄容疑で逮捕された元医長・橋本裕輔容疑者(47)以外の医師が贈賄側メーカーの機器を使った場合でも、メーカーから橋本容疑者に金が支払われていたことが捜査関係者への取材でわかった。警視庁は、メーカーが他の医師の使用分も橋本容疑者のおかげと考えて加算していた可能性があるとみて、実態を調べている。
警視庁幹部によると、橋本容疑者は2019年4月、同病院肝胆 膵 内科で科長に次ぐポストの医長に昇任。同月、製品の安全性などを確認する市販後調査に協力する契約を医療機器メーカー「ゼオンメディカル」(東京)と結び、同社製のステント(金網状の筒)を治療で1本使うごとに1万円を謝礼として受け取るようになった。
19、20年度の謝礼金は計約300万円で、警視庁はこのうち20年度分の約170万円について、市販後調査に実態がなかったとして賄賂と認定した。
捜査関係者によると、契約は橋本容疑者の使用分に金を支払うとの内容だったが、同社は同内科の他の医師が使った分も金額に加算していた。
同内科では元々、同社製ステントの使用実績がなかったが、橋本容疑者らが使うようになって以降、同社製のシェア(占有率)が5割超まで伸びていた。橋本容疑者が21年7月に医長を退任し、同9月に米国に拠点を移すと、シェアは1~2割に下落した。
警視庁は23日、橋本容疑者を収賄容疑で、ゼオンメディカル前社長の柳田昇容疑者(67)を贈賄容疑で東京地検に送検した。
◆消防が119番通報者に退避促さず、車外ではねられ死亡…三重・高速多重事故 |
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三重県亀山市で3月に起きた東名阪道多重事故で、119番した男性が8分間に及ぶ消防との通話中、後続車にはねられ死亡した。遺族に今夏、開示された通信記録によると、消防の通信指令員はこの間、高速道路上にいる男性に負傷者の応急手当てなどを次々と要請。路肩など安全な場所への退避は促していなかった。
全国調査実施
総務省消防庁によると、119番の通報者に対し、安全確保を必ず指示すると定めた統一ルールはない。同庁はこの事故を重くみて8月下旬、全国の消防本部を通じて同種事例の有無を確認する調査に乗り出した。「通信指令員が安全確保指示をしなかったことにより、通報者が後続車にひかれた」ケースについて、事故になりかねなかったヒヤリ・ハット事例を含めて収集し、今年度中に共有して再発防止を図る考えだ。
事故で亡くなったのは大阪市平野区の運転手角田進治さん(当時53歳)。走行車線で中型トラックを運転中、前方を時速約30キロで走り、さらに減速した軽ワゴン車に追突し、車を降りて携帯電話で119番した。
亀山市が遺族に開示した通信記録によると、市消防本部の通信指令員は角田さんの無事を確認後、軽ワゴン車に乗っていた2人の様子を見るよう求めた。2人が頭から出血していると聞くと、「止血してほしいんですけど」と要請。2人の氏名の聞き取りやガソリン漏れのチェック、車種や色の確認など、次々と指示や質問をしていた。
通話8分間
8分間の通話中、指令員が角田さんに車線上からの退避を促すことはなかった。通話の終盤、角田さんが負傷者2人に「(車を)出たら危ないです」と注意する場面でも、指令員は車のナンバーを質問。その直後、通話は「もしもし。もしもし」という指令員の呼びかけで途切れた。三重県警はこの時点で、後続の大型トラックに角田さんがはねられたとみている。
通信記録を情報公開請求した角田さんの妻(51)は「亀山消防には『通話中の口調は冷静そうだった』と説明されたが、動転していたはず。『あなたは安全な場所にいますか』の一言があれば、あの人は生きていたかもしれない」と訴えた。
関西大の永田尚三教授(消防行政)は「事故を起こした以上、救護義務を果たす必要があるが、今回は通報者は119番した時点で最低限の義務は果たしている」と指摘している。
亀山市消防本部は事故後、通信指令業務のマニュアルに、通報者自身の安全確認を追記したとしている。
◆東名阪道多重事故= 3月27日午前2時過ぎ、上り線の走行車線で、停止寸前だった軽ワゴン車に中型トラックが追突、さらに大型トラックが突っ込んだ。中型トラックを降りて、119番していた角田さんが死亡し、軽ワゴンの2人が負傷。大型トラックの積み荷が散乱した下り線でも追突事故が起き、2人が死亡、3人が負傷した。
◆目の中で炎症が起こる「ぶどう膜炎」 白内障や緑内障を招いて失明することも…症状はかすみ、飛蚊症、視力低下 |
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目の中で炎症が起きて失明の恐れがある病気「ぶどう膜炎」は、国内で年間約5万人が発症しています。自己免疫疾患、ウイルスや細菌の感染など原因は様々です。原因により治療法も変わり、迅速な診断が重要です。
進行すると失明も
目の中に入る光の量を調節する「虹彩」、ピントを調節する「毛様体」、網膜に栄養を与える「脈絡膜」の三つを総称して「ぶどう膜」と呼びます。眼球の大部分を覆っています。血管が多く、ブドウの皮に似た紫っぽい色で、炎症が起きやすいのが特徴です。
炎症が起きると、血液成分などが内側の 硝子体 に入り込みます。本来透明な硝子体が濁ると、網膜に正常に光が到達せず、長く続くかすみや、黒い物が飛んで見える 飛蚊 症、視力低下などが起きます。進行すると、白内障や緑内障を招き、失明する恐れがあります。
大まかに「非感染性」(4割)、「感染性」(2割)、「原因不明」(4割)に分けられます。
非感染性は免疫異常の病気が関わっています。サルコイドーシス、原田病、ベーチェット病の三つが代表的です。
サルコイドーシスは 肉芽腫 と呼ばれるしこりが心臓、腎臓など体の様々な場所にでき、目ではぶどう膜に炎症を起こします。
原田病は細菌などから体を守る免疫が何らかの原因で、体内のメラニン色素細胞を「敵」と見なし、攻撃します。目にはこの細胞が多いため、症状が出ます。
ベーチェット病は、体内の異物を排除する白血球の働きが過剰になることが原因と考えられています。ぶどう膜や口内、陰部など全身の皮膚や粘膜で炎症を繰り返します。
感染性はヘルペスウイルスや細菌、真菌、寄生虫の一種トキソプラズマなどが引き起こします。神戸市立神戸アイセンター病院などのチームは今年2月、風邪などの原因のアデノウイルスが関わっていることを確認したと発表しました。
ただ発症原因がわからないぶどう膜炎も多く、研究を進めることが重要です。
◆「マイナ保険証」本人の同意なき誤った利用登録、計38件に |
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厚生労働省は22日、マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」を巡り、本人の同意がないまま利用登録された事例が、7月5日~9月22日の間に札幌市など27自治体で27件確認されたと発表した。誤った利用登録は計38件となった。
マイナカードの新規発行時や公金受取口座の登録の際、自治体の窓口で本人の意思確認が不十分だったことなどが原因だという。いずれも自治体からの申し出を受け、厚労省が登録を解除した。
◆元医長、業者からさらに百数十万円を受領…がんセンター汚職 |
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国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)の医療機器選定・使用を巡る汚職事件で、収賄容疑で警視庁に逮捕された同病院元医長の橋本裕輔容疑者(47)が、逮捕容疑となった約170万円の賄賂とは別に、贈賄側の医療機器メーカーから百数十万円を受領していたことが捜査関係者への取材でわかった。警視庁はこの百数十万円についても現金の趣旨を捜査している。
警視庁幹部によると、橋本容疑者は同病院の肝胆 膵 内科医長だった2021年5月、医療機器メーカー「ゼオンメディカル」(東京)が製造販売する「ステント」(金網状の筒)と呼ばれる医療機器を優先的に使用した見返りに、同社から約170万円を受け取った収賄の疑いで21日に逮捕された。
橋本容疑者は19年4月に医長に就任。同月、製品の安全性や有効性などを確認する「市販後調査」に協力する契約を同社と結んだ。契約は同社のステントを1本使用するごとに1万円の謝礼金を受け取るなどの内容で、警視庁は、20年度分として橋本容疑者が受け取った約170万円について市販後調査に実態がなく、賄賂に当たると判断した。
捜査関係者によると、橋本容疑者は19年度にも、契約に基づき、ゼオン社側から百数十万円を受け取っていたという。警視庁はこの19年度分についても、市販後調査に実態があったかどうかなどを調べている。
厚生労働省によると、市販後調査は厚労省の承認を受けて発売された医薬品や医療機器の安全性などを確認するためのもので、全国の医療機関で行われている。
橋本容疑者はゼオン社と契約を結ぶ際、病院側に兼業届を出していたという。
国立がん研究センターは21日の取材に「医師個人と業者間で結ばれる市販後調査に当センターは関知しない」としている。
◆家族死亡の役所手続きは26種類で半日がかり…「コンシェルジュ」サービス使えば1時間に |
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相続税の申請や住民票の変更……。家族が亡くなった後の手続きは多岐にわたり、複雑だ。津市は、遺族の負担を軽減しようと、計26種類もの申請・手続きをワンストップで受け付ける「おくやみコンシェルジュ」のサービスを始めた。1人の担当者が全ての手続きをサポートするのは全国的にも珍しく、利用者からは「以前は半日かかっていた手続きが、1時間で終わった」といった声が上がっている。
平均6~7件
津市ではこれまで、「世帯主の変更」は市民課、「国民健康保険の資格喪失届け」は保険医療助成課、「各種手帳の返還届け」は障がい福祉課――といったように、遺族は平均6~7件の手続きのために市役所の各部署を行ったり来たりする必要があった。
「おくやみ関係の手続きは突然やってくる。何度も経験することではないし、分かりにくい。多くの窓口を回るなど不便だ」
前葉泰幸市長は、今回のサービスの狙いをそう説明する。
8月1日から、市役所の本庁舎1階に専門の窓口を設け、常駐するコンシェルジュが遺族に付きっきりで手続きに対応している。
各種の書類に、故人の情報などを何度も記入するケースが少なくなかったが、そうした手間を省く工夫もしている。
家族死亡の役所手続きは26種類で半日がかり…「コンシェルジュ」サービス使えば1時間に
死亡届が提出されると、市は翌日に死亡者リストを作成し、各課が必要な手続きを調査する。遺族から問い合わせがあれば、手続きに必要な書類などを案内している。
サインでOK
各部署の情報は、コンシェルジュと共有される。窓口を訪れた遺族は「資料の確認とサインだけで済む」(担当者)こともあるという。水道の閉栓など、本庁舎以外で取り扱う手続きについても案内する。
8月末までの1か月間で、66人の遺族がコンシェルジュを利用した。利用者からは「時間が短縮できてありがたい」「何度も番号札を取って待たなくていい」「色々相談できて安心する」などの意見があった。
コンシェルジュの1人、小林祐太さん(28)は「大変な時期に、少しでも負担を減らし、寄り添えるコンシェルジュを目指す」と語る。各課が担っていた対応を一人で行うため、専門的な質問に即時に答えられないこともあるが、様々な部署と連携して「スムーズに対応したい」と意気込んでいる。
◆国立がん研病院の元医長、医療器具納入で業者と癒着か…170万円収賄容疑で逮捕 |
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国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)の元医長が在職中、医療機器の選定・使用を巡って業者に便宜を図った見返りに賄賂を受け取っていたとして、警視庁は21日、元医長の橋本裕輔容疑者(47)を収賄容疑で逮捕した。警視庁は、業者との癒着があったとみて実態解明を進める。
捜査関係者によると、橋本容疑者は同病院の肝胆 膵 内科医長だった2021年5月、医療機器メーカー「ゼオンメディカル」(東京都千代田区)が製造販売する「ステント」(金網状の筒)を同病院で優先的に使用した見返りに、同社から約170万円の賄賂を自身の口座に振り込ませて受け取った疑いが持たれている。
警視庁は、ゼオン社の前社長、柳田昇容疑者(67)も贈賄容疑で逮捕した。
ステントは血管などを内側から広げるために挿入する筒状の器具で、心疾患や 閉塞 した胆管の治療などに用いられる。
同病院ではゼオン社を含む複数メーカーのステントを使用。どのステントを選ぶかは現場の医師らがそれぞれ判断していたが、橋本容疑者が医長に就任後、ゼオン社製のステントの使用本数が急増していたという。
国立がん研究センター東病院(425床)は肝胆膵内科や腫瘍内科などがあり、17年には国から高度医療を提供する特定機能病院の承認を受けた。職員は「みなし公務員」で、収賄罪の対象となる。橋本容疑者は同病院を退職後、米国のフロリダ大学病院に勤務していた。
ゼオン社は化学メーカー「日本ゼオン」(東京)の子会社。民間信用調査会社によると、主に消化器系と循環器系の医療機器を製造販売し、23年3月期の売上高は38億円。
◆看護師、入院患者のクレジットカード盗んで買い物か…看護関連の書籍など購入 |
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滋賀県の大津市立大津市民病院の看護師が不正に入手したクレジットカードで金券などをだまし取っていた事件で、大津署は19日、同市の看護師(28)(詐欺罪で起訴)を窃盗容疑で再逮捕した。容疑を認めているという。
発表によると、看護師は2022年4月14日午後7時40分頃、大津市内の書店で、他人名義のクレジットカードを使って看護関連の書籍1冊とノート2冊(合計約3500円相当)を購入し、盗んだ疑い。カードはそれぞれ別の人のものといい、同署が入手経路などを調べている。
看護師は8月29日に、他人名義のクレジットカードを使って金券をだまし取ったとして詐欺容疑で逮捕、今月15日に詐欺罪で起訴されていた。同病院によると、カードは入院患者のものの可能性が高いという。
◆政府の個人情報保護委、デジタル庁に行政指導…マイナンバーの口座誤登録巡り |
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政府の個人情報保護委員会は20日午後、マイナンバーと預貯金口座をひも付ける「公金受取口座」の誤登録問題を巡り、デジタル庁に行政指導を行ったと発表した。デジ庁が行政指導を受けるのは初めて。
◆心肺停止の80代男性、救急車が搬送先誤り到着2分遅れる…受け入れ断られた病院に向かう |
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山形県天童市消防本部の救急車が今月上旬、心肺停止状態となった80歳代男性の搬送先の病院を誤り、2分ほど遅れて到着していたことが16日、同本部への取材で分かった。男性はその日のうちに搬送先の市内の病院で亡くなった。同本部は男性の家族に謝罪し、遅れと死亡の因果関係について調べている。
同本部によると、男性宅の同居家族から夕方、「意識がない」と119番があった。駆けつけた救急隊員の一人が病院を探したところ、2か所目で決定。ところが運転者が、受け入れを断られた別の病院に搬送してしまい、改めて受け入れ先病院に向かった。
両病院の方角が同じことから、到着まで誰も誤りに気付かなかったという。
担当者は「隊員同士の連携面を強化した訓練を行い、再発防止に努めたい」と話した
◆女子高生風85歳のお悩み相談、回答に「泣きそうになる」「圧倒的な説得力」 |
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広島県三原市在住で、インターネットに動画を配信するバーチャル(仮想)ユーチューバー(Vチューバー)のひろこさん(85)が、「メタばあちゃん」の愛称で人気を集めている。昨年末に活動を始めて以来、100本以上の動画を配信し、累計再生回数は100万回近くに上った。敬老の日の18日にはバーチャルライブで歌声を披露し、パワフルな姿を見せてくれる。
85歳のVチューバー・ひろこさんのアバター
ピンク色の髪に女子高生風の制服姿。それがひろこさんのアバター(インターネット上の分身)だ。「85歳。バリバリの後期高齢者」で、「チャンネル登録してくれんかのう」などと広島弁で語りかける。
生まれも育ちも三原市。中学校を卒業後、家業の農業を手伝ったり、食品会社でメリケン粉(小麦粉)や砂糖を運ぶ仕事に携わったりした。結婚し、2人の息子に恵まれた。約30年前に夫を亡くし、長男夫婦と同居。今は長男夫婦と孫との4人暮らしだ。
転機になったのは3年前。東京でVチューバーやアイドルをプロデュースする仕事をしていた孫の下西竜二さん(29)が、新型コロナウイルスの影響で、三原の自宅に戻り、リモート(遠隔)で仕事を始めたことだ。v
スマートフォンで仕事をしている姿を見て、「毎日携帯ばっかりして、ひきこもりか」と心配になった。すると竜二さんから「おばあちゃん、これ読んで」と台本を渡された。棒読みながら、読み上げると、インターネットにアバターの姿で配信された。
竜二さんは広島市の横川商店街とメタバース(仮想空間)を作る仕事をしていたが、「高齢者に使ってほしい」との声があったのと、メタバースから「メタばあちゃん」という言葉を思いついたのがきっかけだった。アバターは、ひろこさんが学生生活をあまり過ごせなかったことから、女子高生風にしたという。
番組は、食レポ(食べ物の紹介)や、日頃の暮らしについて報告する。
中でも人気なのは「DJひろこのお悩み相談」。「将来の不安で行き詰まりました」「受験勉強に身が入らない」といった質問に、「人生は長い。くよくよしてもしょうがない」「小学校に弟を背負って行っていたので、弟が泣いてほとんど勉強できなかった。勉強できることがうらやましい」などと答え、「圧倒的な説得力」「泣きそうになる」などのコメントが寄せられている。
元々、ひろこさんは、家庭内では静かに暮らしていたが、活動を始めてからは、ひろこさんを中心に家族みんなで台本を考えたり、毎朝コメントを読んだりするのが日課になった。
竜二さんは「高齢者は社会との接点がなくなって、孤独になる。インターネットを介して世代を超えた交流ができるようになり、それが楽しみになっているようです」と話す。v
今では市内最高齢のインフルエンサーとして、三原市のふるさと納税の動画にも出演し、市のPRにも貢献する。ひろこさんは「Vチューバーを始めて、毎日が楽しく、元気になった。これからも続けていきたい」と意気込んでいる。
18日のライブ配信は午後1時~2時半に、公式ユーチューブチャンネルで無料公開される。
◆2024年4月から医師の残業時間に上限…診療はどう変わる? |
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Q きょう診察してくれた先生、疲れてたようだけど。
ヨミドック いつでも受けられる医療は、実は、医師の長時間労働によって支えられています。日本は海外と比べ、医師1人当たりの受け持ち患者数が多く、医師の仕事の一部を他の職種に任せる「タスクシフト」も進んでいません。
Q 医師は休みが少ない?
ヨ 2019年の実態調査で、病院の勤務医の4割近くが年間960時間を超える残業(時間外・休日労働)をしていました。医師も労働者であり、休息や家族と過ごす時間が必要です。医師の健康を守る働き方改革が急がれます。
勤務医の残業時間や勤務と勤務の間隔には新しいルールができます。残業は24年4月から、一般の勤務医は年960時間、地域医療を担う勤務医、研修医などは年1860時間が上限となります。
Q 患者にも利点がある?
ヨ 医師は必要な休息が取れるようになり、タスクシフトにより診断や治療など、医師でなければできない業務に集中できます。患者にとっては、丁寧な診察や、疲労によるミスの防止につながり、より安心安全で質の高い医療が期待できるでしょう。
2024年4月から医師の残業時間に上限…診療はどう変わる?
Q 診察なども変わるの?
ヨ 特定の医師に負担が集中しないように、主治医制から複数の医師によるチーム制に移行する場合があります。また、医師の業務の一部を、看護師や薬剤師など他の職種に任せることもあります。
Q 私たちも考えを変えなくちゃね。何ができるかな。
ヨ 夜間・休日に行うこともあった入院患者や家族への病状の説明を、平日の日中にできれば医師の負担が減ります。緊急性がないにもかかわらず、便利だからと時間外や休日に医療機関を受診するのは、医師の長時間労働につながるので避けましょう。
Q 会社を休めなくて、時間外を利用したことがある。
ヨ 平日日中の受診をしやすいように、職場や社会の環境も整えたいですね。
働き方改革を進めないと、勤務時間の長い診療科は医師の希望者が減り、医療の維持が難しくなります。少子高齢化で、医療関連の働き手は不足していくでしょう。医師の過重労働に頼らない、持続可能な医療に移行するため、医師、患者双方の意識改革が必要です。(余門知里/取材協力=馬場秀夫・熊本大病院長、厚生労働省医事課医師等医療従事者働き方改革推進室)
◇
ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。
◆インフル流行、昨年末から途切れず新シーズン突入…専門家「免疫低下で広がりやすく」 |
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昨年末に始まったインフルエンザの流行が収束しないまま、9月からの新シーズンに突入した。厚生労働省は15日、全国約5000か所の定点医療機関から4~10日の1週間に報告された患者数が、1医療機関あたり4・48人だったと発表した。流行の目安(1医療機関あたり1人)を超える状態が次シーズンまで途切れなかったのは、現在の集計方法となった1999年以降で初めて。
発表によると、3週連続で増加している。都道府県別にみると、沖縄の1医療機関あたり13・43人が最多で、長崎の同8・80人、千葉の同8・58人が続いた。
通常、インフルエンザの流行は12月~3月とされるが、昨年末からの流行は今年2月にピークを迎えた後も、一度も流行の目安を下回らずに続いている。感染症に詳しい菅谷憲夫・慶応大客員教授は「コロナの流行が始まって2シーズンはインフルエンザが流行せず、人々の免疫が低下したため、広がりやすくなっている。夏場の発熱患者の検査が増えた影響もあるだろう」と話す。インフルエンザのワクチン接種は10月から本格化する。菅谷氏は「重症化リスクが高い高齢者や5歳未満の子どもは早めに接種してほしい」と呼びかけている。
◆コロナ公費支援縮小、治療薬の患者負担3000~9000円…入院支援は「月1万円」に半減 |
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厚生労働省は15日、新型コロナウイルスに関する公費支援策を10月1日以降に縮小すると発表した。現在全額公費負担の治療薬は患者が3000~9000円負担し、医療機関に支払われる病床確保料は支給対象が限定される。
治療薬は現在、重症化予防に用いられるラゲブリオ(1処方あたり約9万円)や、重症化リスクが低い患者向けのゾコーバ(同約5万円)などが流通している。10月以降は、薬の種類や価格にかかわらず、患者が年齢や所得に応じて一律の額を負担することになる。
具体的には、69歳までは9000円、未就学児や70~74歳は原則6000円、75歳以上は原則3000円を医療機関の窓口で支払う。70歳以上でも年収約370万円以上の人は9000円、75歳以上で年収約200万~約370万円の人は6000円の負担となる。
入院医療費の患者負担額に対する公費支援については、現在の「最大月2万円」から、「最大月1万円」へと半減させる。
新型コロナ患者用の病床を確保した医療機関に支払われる「病床確保料」(空床補償)も縮小する。これまでは、軽症者向け病床も含めて幅広く支給されてきたが、10月以降は、原則として酸素投与が必要な「中等症2」以上の病床を確保した場合を対象とし、都道府県ごとの感染状況に応じて柔軟に支給する。
今回発表されたのは、5月の感染症法上の「5類」移行に伴う経過措置。2024年3月末まで適用し、翌4月以降の公費支援のあり方は改めて検討する。
◆インフルで学級閉鎖や休校、前週の7倍に急増…コロナでも都内小学校など大幅増 |
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新学期が始まり、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症による学級閉鎖が急増している。
厚生労働省によると、4~10日の1週間に、インフルエンザで学級・学年閉鎖や休校となったのは、計793施設で、前週(107施設)の約7倍に増えた。都道府県別(政令市は別集計)では、東京、神奈川が53施設と最多。埼玉、千葉が46、大阪が40と続いた。
新型コロナによる学級・学年閉鎖や休校は、東京都によると、10日までの1週間に60施設で実施され、小学校が半数を占めた。前週の4施設から大幅に増えた。
◆接種券は届いても…コロナ追加接種でワクチン不足の恐れ、国の供給量が想定下回る s |
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新型コロナウイルスのオミクロン株の新系統「XBB・1・5」に対応したワクチンの追加接種が、20日から全世代を対象に始まる。ただ、国からのワクチン供給量が想定を下回っており、秋田県由利本荘市と大仙市では集団接種などの予約枠が埋まる状況となっている。流行の「第9波」とされる中、早く接種を受けたい希望者の要望に応えられない事態に陥っている。
由利本荘市では20日から全世代を対象に「XBB・1・5」対応ワクチンの追加接種を始める。集団接種と医療機関での個別接種があり、8月20日に受け付けを始めたが、今月8日までに11月5日までの予約枠が全て埋まった。
市の新型コロナウイルスワクチン接種推進室によると、8月上旬から市民5万8000人に接種券を発送したのに対し、これまでに届いたワクチンは1万4000回分だという。担当者は「これまでの接種で、ワクチンが足りなかったことはなく、初めての事態」とし、「『第9波』とみられる感染者の増加で接種希望者が増加している一方、過去にワクチンが余って廃棄になった問題があったことで国が供給を絞っているのでは」と話している。
同市は11月6日以降に1万回分を接種できるよう人のやりくりなどの体制を整えているが、追加のワクチンがいつ届くのかわからないため、予約受け付けの再開時期は未定となっている。
大仙市も2万5000回分のワクチンが届くと見込んでいたが、10月中旬までに届くのが1万5000回分にとどまるという。そのため、9月20日~12月24日に行う計画だった集団接種を11月26日までに短縮したほか、1日あたりの接種人数も減らすことになった。
集団接種会場は市内8か所あるが、9月分の予約はほぼ埋まり、10月も会場によっては埋まりつつある。希望する会場で接種を受けられない市民から、日程を追加する予定があるかなどを問い合わせる電話が市には寄せられているという。
市コロナワクチン対策室の担当者は「この後の配送予定が国から示されていない。ワクチンがないとどうしようもない。このままでは接種を受けたくても受けられない市民が出てくる可能性がある」と話している。
追加接種は年末年始に予想される感染拡大に備えることなどが目的で、今年度内は無料で受けられる。
◆精子提供者の情報を子に開示、民間クリニックで国内初の出産例…「匿名」の不妊治療に風穴 |
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第三者からの精子を使った夫婦の不妊治療を巡り、「出自を知る権利」に配慮する条件で精子提供者が公募に応じた、国内初の出産例が、今月あったことがわかった。生まれた子が希望する場合は、提供者が面会などに応じることになる。提供精子による不妊治療は長年、匿名で行われていた。
超党派の議員連盟が今秋の臨時国会への提出を目指す「特定生殖補助医療法案(仮称)」で権利を認める結論が出ない中、民間の取り組みが先行した格好だ。
治療を行った「はらメディカルクリニック」(東京都渋谷区)によると、子どもが生まれたのは30歳代の夫婦で、妻の卵子と第三者から提供された精子を体外で受精させて、子宮に戻した。
日本産科婦人科学会は、人工授精の精子提供者を匿名としており、第三者の精子を使った体外受精は認めていない。
このため同クリニックは独自の指針を作成し、無精子症などに悩む夫婦を対象に昨年9月に治療を開始。指針では、妊娠した場合にはクリニックが夫婦に精子提供者の身長・体重と血液型、職業や病歴などを伝え、生まれた子が18歳以降に希望すれば提供者が面会や電話・手紙などの接触に応じるとしており、この条件に同意した人から提供を受けている。
議連では「提供者は匿名でなければ集まらない」という意見が根強く、昨年3月にまとめた同法案の骨子案では、子どもが望んでも、提供者の同意がなければ情報が開示されない仕組みだった。法案の最終的な内容は決まっていない。
同クリニックは治療の手続きに問題があったケースがあるとして新たな患者の受け入れを停止しており、指針を修正するとしている。
◇出自を知る権利= 生まれた子が自分の遺伝上のルーツを知る権利。日本も1994年に批准した国連の子どもの権利条約は「子はできる限りその父母を知る権利を有する」としている。第三者の精子・卵子提供による生殖補助医療や内密出産で生まれた子を巡っても議論になっている。
「ルーツを知ることは基本的な権利」、法整備求められる
第三者の精子などを使った不妊治療で生まれた子どもが、提供者の情報を得る「出自を知る権利」の法整備は停滞している。しわ寄せは子を望む夫婦や、生まれてくる子が受けている。
国内では体外受精は不妊治療として保険適用され、年間7万人近い子どもが生まれている。だが、第三者から精子を提供される夫婦は、法整備が進んでいないため体外受精を受けることが難しい。今回の夫婦もこれまで、妊娠率が低い人工授精を30回以上行ったが出産に至らなかった。
生まれてきた子は提供者がどのような人か知ることができない。提供精子を使った人工授精で生まれた子は、「自分のルーツを知ることは基本的な権利だ」と訴えている。一日も早い法整備が求められている。
◆埼玉で「文化祭」後のコロナ感染拡大が相次ぐ…県立高4校で今週学校閉鎖、9月は計9校 |
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生徒の新型コロナウイルス感染が相次いでいるとして、埼玉県立高校4校が今週、相次いで学校閉鎖の措置を取った。
いずれも8~10日の週末に文化祭を開催した高校で、14~18日の学校閉鎖が越ヶ谷(95人感染)と鷲宮(86人)、15~18日が川口(79人)、15、16日が小川(41人)。県教育局によると、コロナの感染拡大で学校閉鎖とした県立高校は今月に入り、これで9校となった。
◆東京都のコロナ患者、第8波ピークに迫る状況…1定点医療機関あたり1週間で16・36人 |
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東京都は14日、感染症対策連絡会議を開き、直近1週間(4~10日)の新型コロナウイルスの患者報告数が1定点医療機関あたり16・36人に上ったと明らかにした。前週の17・01人から微減したが、第8波のピーク時(19・78人)に迫る状況が続いている。
都によると、ゲノム解析では、オミクロン株の変異株「XBB」の派生系統「EG・5」への感染が約4割に達している。賀来満夫・東北医科薬科大特任教授は会議で、20日に始まる新しいワクチンの大規模接種に言及し、「新ワクチンは変異株にも効果が期待できるので、早めの接種をお願いしたい」と話した。
◆性感染症の梅毒患者、1万人超に…過去最多の昨年より早いペースで増加 |
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国立感染症研究所は12日、性感染症の梅毒と診断された患者が、今年に入り1万人を超えたと発表した。現在の調査方法となった1999年以降、初めて1万人を超えた2022年より、約2か月早いペースとなる。
感染研が週ごとに公表する感染症発生動向調査(速報値)によると、3日までの患者数は1万110人にのぼる。22年の同期は8155人だった。都道府県別では東京が2490人と最多で、大阪(1365人)、愛知(590人)、福岡(588人)と続き、都市部で多かった。
梅毒の患者数は増加傾向にある。21年は7978人、22年は1万3228人(速報値)で、過去最多の更新が続いている。
◆宿泊施設でレジオネラ菌、宮崎市が1年超指導せず…報告書見落とし「後で気づいて消毒」 |
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◆宿泊施設でレジオネラ菌、宮崎市が1年超指導せず…報告書見落とし「後で気づいて消毒」 |
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宮崎市は9日、市内の宿泊施設から昨年7月、浴槽で国の基準値を超えるレジオネラ属菌が検出されたとの検査結果を受け取ったにもかかわらず、約13か月にわたって必要な指導をしていなかったと発表した。書類を確認した職員が見落としていたのが原因。同日時点で、健康被害は確認されていないという。
宿泊施設は同市加江田の「AOSHIMA SUIKOEN」。市によると、今年8月28日、保健衛生課の職員が2022年度分の報告書を確認していた際、基準値超過に気づいた。市は検査結果を受け取った時点で、市条例に基づき適切な衛生管理を指導しなければならなかった。
施設は市に対し、「検査結果の提出時点では基準値超過の認識はなかった。その後に気づいて消毒した」旨の説明をしているという。
市は8月に浴場を検査したところ、最高で基準値の13倍のレジオネラ属菌が検出された。施設は浴場の使用を停止している。市は報告書を担当者以外にも確認させるなどの再発防止策をとる。
◆引きこもりの58歳の息子が暴力、悩み続けた父親は自宅で刺殺された…母親は6月に病死 |
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広島市安佐南区の住宅で同居する父親(85)を刺殺したとして、長男の無職若尾育伸容疑者(58)が殺人容疑で逮捕された事件で、父の利明さんが2020~23年に若尾容疑者の粗暴な言動や親子関係について、警察に計3回相談を寄せていたことが、広島県警への取材で分かった。若尾容疑者は長年引きこもりの状態だったが、父親は家庭内で暴れる息子に頭を悩ませていたとみられる。
警察「適正に対処」
広島県警の発表では8月19日夜、若尾容疑者から「人を殺した」と110番があり、駆けつけた安佐南署員が平屋の自宅内で、血まみれで倒れている利明さんを見つけた。同署は若尾容疑者を殺人容疑で緊急逮捕した。
捜査関係者によると、20~23年に、利明さんからの110番が2回、同署への来署での相談が1回あった。110番は若尾容疑者が暴れるといった内容。来署は今年7月で、親子関係や生活態度についての相談だったという。若尾容疑者は定職に就かず、自宅に引きこもっており、同居していた母親は6月下旬に病死したという。
同署は相談に対し、行政や病院の窓口を紹介するなどの対応を取っていたといい、「適正に対処した」としている。
言い争う声
「ドスンという物音がする」「言い争う声が聞こえた」――。若尾容疑者の自宅でのトラブルは、周辺でも知られていた。市消防局安佐南消防署によると、今年に入って数回、救急車を出動させ、搬送したケースもあったという。
80歳代の女性は1年ほど前に、利明さんと母から「息子から暴力を受けた。パトカーを呼んで」と頼まれ、実際に通報したという。
「息子が家でよく暴れる。妻に暴力を振るうので困る」。近所の50歳代男性は、利明さんからそんな悩みを打ち明けられた。母の目が腫れ、三角巾で腕をつっていたこともあったという。「体格が良い若尾容疑者の暴力を、高齢の利明さんが制止するのは難しい。何か手助けができればよかったが……」と悔やむ。
8050問題
全国的にも引きこもりの相談は増えており、高齢の親が引きこもりの中高年を支え、社会から孤立する「8050問題」も社会問題となっている。
厚生労働省によると、引きこもりに特化した専門窓口「地域支援センター」への21年度の相談件数は約12万件で、5年間で約2万件増加。県内での相談件数も過去最多の6482件に上っている。
県立広島大の田中聡子教授(社会福祉学)は「本当に困っている人ほど、『家庭のことは家庭で解決する』と思い詰め、声を上げられなくなる」と指摘。問題を抱える家庭を把握することが重要だとした上で、「自治体と警察、病院などで情報を共有し、問題解決に向けて積極的に介入できるような仕組みが必要だ」との考えを示した。
◇
若尾容疑者について、地検は、刑事責任能力の有無を調べる鑑定留置を始めた。期間は9月1日~12月1日。
◆銀座三越の「天一」で漂白剤入りの水を提供、女性が一時入院…消毒中の天つゆ用ピッチャー使う
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東京都中央区の百貨店「銀座三越」新館12階の天ぷら店「銀座天一」で先月、消毒用の漂白剤が入った水が女性客1人に提供され、救急搬送されていたことが7日、わかった。中央区保健所は、水に入っていた次亜塩素酸ナトリウムによる食中毒と断定し、同店を近く7日間の営業停止処分とする方針。
保健所などによると、8月31日午後6時頃、同店を訪れた女性客が提供された水を飲んだところ、のどの痛みや胃痛を訴え、病院に救急搬送された。女性は入院したが、現在は退院している。
今月3日に三越から報告を受け、同保健所は4日、店への立ち入り調査を行った。保健所の調査に対し、店側は「 厨房 で消毒中だった天つゆ用のピッチャーと、飲料水の入ったピッチャーを、店員が取り違えてしまった」と説明しているという。
同店は5日から休業中で、同店を運営する天一(東京都中央区)は「詳細を調査中」としている。
◆コロナ検査水増し、都の補助金5・3億円詐取未遂容疑で6人逮捕…28億円申請し不交付に |
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東京都が実施した新型コロナウイルスの無料検査事業で、検査件数を水増しして補助金をだまし取ろうとしたとして、警視庁は7日、会社役員の上嶋大輔容疑者(40)(川崎市)ら男6人を詐欺未遂容疑で逮捕した。医療法人の名義で昨年度に約28億円の補助金を申請したものの、不正発覚によって全額が不交付となっており、警視庁が経緯を調べている。
ほかに逮捕されたのは、不動産会社経営の安藤陽平容疑者(40)(東京都世田谷区)ら。
捜査関係者によると、6人は医療法人「華風会」(大阪市)から業務委託を受ける形で、都の無料検査事業に参加。昨年8月、中野区や府中市など都内4か所の検査所で行ったPCR検査と抗原検査の実施件数を水増しして都に報告し、水増し分を含む計約5億3000万円の補助金をだまし取ろうとした疑い。
安藤容疑者が経営する不動産会社の顧客名簿などをもとに、実際には検査していない人を検査したように偽装。上嶋容疑者が華風会の「事務長」として申請業務を行っていたという。検査件数が不自然に多かったため都が調査を行い、不正が発覚した。
無料検査事業は、国の臨時交付金約6200億円を財源とし、2021年12月~今年5月に都道府県が実施。検査1件につきPCR検査で最大1万1500円、抗原検査で最大6000円の補助金が交付される。
検査数を増やすため補助金の申請手続きを簡素化したことなどから、各地で不正が相次いだ。昨年10月には富山県警が補助金約1740万円をだまし取った詐欺容疑で男2人を逮捕。埼玉県警も今年6月、検査事業者の代表らを詐欺容疑で逮捕している。
◆気管切開を拒否され…患者の人工呼吸器を2分間止めた医師を書類送検「治療の必要性分からせた」 |
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大阪府立中河内救命救急センター(東大阪市)で2021年、新型コロナウイルスで入院していた70歳代の男性患者の人工呼吸器を一時的に停止させたとして、府警は4日、同センター元部長で医師の男(50)を暴行容疑で書類送検した。
元部長は人工呼吸器の装着方法を巡り、のどの一部を切って管を入れる気管切開を男性患者に提案したが、拒否されており、「(気管切開の)必要性を分かってもらうために停止した」と話しているという。
発表では、元部長は21年3月29日、男性患者の人工呼吸器を約2分間停止させた疑い。府警は起訴の判断を地検に委ねる「相当処分」の意見を付けた。
男性患者は呼吸状態が一時悪化したが、元部長が呼吸器の使用を再開し、回復。同5月に退院し、今年6月に府警に被害届を提出していた。
◆自殺の研修医、長時間労働と担当患者の死亡も重なり「ぼくはもう限界」…遺族が病院側を提訴 |
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兵庫県伊丹市の市立伊丹病院で勤務していた男性研修医(当時25歳)が2018年に自殺したのは、長時間労働や業務の心理的負担で精神障害を発症したことが原因だったとして、遺族が同市を相手取り、約1億3000万円の損害賠償を求めて神戸地裁に提訴した。遺族側弁護士によると、男性の自殺について、伊丹労働基準監督署(兵庫県)が今年3月、労災と認定しているという。
提訴は7月3日付。訴状によると、男性は大阪大卒業後の18年4月から同病院で研修医として勤務し、外科や呼吸器内科に配属された。同年7月、一人暮らしをしていた寮の自室で自殺した。伊丹労基署の認定では、死亡直前1か月間の時間外労働は、計80時間弱に達していたという。
男性のスマートフォンには「ぼくはもう限界」などと書かれたメモが残されていた。自室には「お父さん、お母さん、本当にごめんなさい」と書かれた遺書があったという。
遺族側は、長時間労働による肉体的負担に加え、担当した患者の死亡などが重なり、自らを技術不足だと思い悩んだ末、心理的負荷から精神障害を発症したと主張。病院側が安全配慮義務に違反したとしている。
伊丹市は読売新聞の取材に「係争中のため、具体的な内容については回答を控えたい」としている。
◆保育施設の重大事故2461件、7年連続で最多更新…骨折が最多の8割 |
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全国の保育施設などで2022年、子どもが死亡したり、大けがをしたりする重大事故が2461件起きていたことが、こども家庭庁のまとめで分かった。前年より114件増え、15年に集計を開始して以降、7年連続で最多を更新した。施設の利用者増などが影響したという。
対象は幼稚園や保育園、小学生を預かる放課後児童クラブ(学童保育)など約11万施設。自治体を通じて国への報告を義務づけている死亡や意識不明、全治30日以上のけがを負った重大事故を計上している。
事故の内容は骨折が最多で、1897件(前年比9件増)と全体の8割近くを占めた。死亡は前年と同じ5件で、静岡県牧之原市の認定こども園で昨年9月、通園バスに取り残された3歳の女児が死亡した事故などが含まれている。
施設別では、認可保育所が1190件(同1件減)で最多。学童保育は565件(同90件増)、幼保連携型認定こども園が483件(同21件増)だった。こども家庭庁によると、学童保育は利用者の増加に伴い、事故件数も急増したとみられる。
◆アインファーマシーズ社長ら逮捕…調剤薬局大手、KKR病院敷地に開業で入札妨害容疑 |
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病院敷地内に薬局を整備する事業の入札を巡り、特定の業者に便宜を図ったとして、北海道警は31日、札幌市豊平区の総合病院「KKR札幌医療センター」元事務部長、藤井浩之容疑者(62)(北海道石狩市)を公契約関係競売入札妨害容疑で逮捕した。
薬局を開業した札幌市の調剤薬局大手「アインファーマシーズ」社長、酒井雅人容疑者(54)(東京都世田谷区)と、同社取締役、新山典義容疑者(55)(札幌市東区)も同容疑で逮捕した。
発表によると、藤井容疑者は2020年12月、事業者からの提案内容を審査する公募型プロポーザルで、アイン側に便宜を図るため他社の提案内容を漏えいした疑い。企画提案書の提出期限後に伝え、アイン側は提案書を再提出した。
公募には5社が参加し、同社の親会社のアインホールディングスが受注。薬局は21年12月に開店した。
同センターは国家公務員共済組合連合会(東京都)が運営し、職員は「みなし公務員」にあたる。道警は、便宜の見返りに金品の授受がなかったか調べる。
アイングループは全国で調剤薬局約1200店などを展開している。
◆長時間の取り調べでうつ病、巡査長への賠償支払い命じる…「お前しかおらん」自白強要 |
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拳銃の実弾5発を盗んだと疑われ、不当な取り調べを受けてうつ病を発症したとして、奈良県警奈良西署の20歳代の男性巡査長が、県に約820万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、奈良地裁は31日、県に約300万円の支払いを命じた。寺本佳子裁判長は「限度を超えた違法な取り調べだ」と述べた。
判決によると、男性は昨年1月以降、実弾を盗んだ容疑者として連日長時間の取り調べを受け、同3月にうつ病を発症して休職した。関与を否定する男性に対し、取調官が「お前しかおらん。ウソつくな」などと自白を強要。県警の調査で同7月、実弾を紛失した事実はなく、交換時の配分ミスが原因だったことが判明した。
寺本裁判長は「男性は実弾の点検業務に従事していたという理由だけで疑われており、合理性はない」と指摘。「取調官らが人格的な非難や 侮蔑 的な言葉で心理的に追い詰めた」とし、精神的苦痛を認めた。
◆「仕事のため込み知られたくなくて」札幌市職員、決裁印偽造や生活保護の書類廃棄 |
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札幌市は29日、生活保護の業務に関して上司の決裁印を偽造したり、書類を廃棄したりしたとして、北区役所に勤務する30歳代の女性職員を停職6か月の懲戒処分にした。
市によると、女性職員は東区役所に勤めていた昨年5月から今年4月、上司の名字の印鑑を勝手に押し、受給する35世帯分の調査書類が決裁されたように装った。また、70世帯分の書類を事務処理しないままシュレッダーで廃棄。さらに、27世帯について事務処理を怠った結果、過少や過大に支給するなどし、影響は計約240万円に及んだ。
職員は「仕事をため込んだことを上司や他の職員に知られたくなく、 隠蔽 しようとした」と話しているという。
◆和歌山の看護職員77%が「仕事辞めたい」、コロナ5類移行後も「状況は改善していない」 |
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和歌山県内で働く看護職員の77%が、人手不足や業務量の増加を理由に「仕事を辞めたい」と考えていることが28日、県医療労働組合連合会のアンケートでわかった。県医労連は状況改善に向け、県へ要望書を提出した。
調査は5年に1回行われ、今回は昨年10~12月、県医労連に加盟する13の医療機関の看護職員430人から有効回答を得た。
「仕事を辞めたいと思うこと」との質問に対し、「いつも思う」が30%(前回20%)、「ときどき思う」が47%(同51%)に上った。理由には、人手不足や賃金の低さ、休暇不足を挙げた人が多かった。
1年前と比べた仕事量については「大幅に増えた」「若干増えた」がともに34%で、コロナ禍を背景に全体の約7割が仕事量の増加を訴えている現状が浮き彫りになった。また、職場に求めること(複数回答)としては、「人員拡充」が77・7%で最も多く、「業務量削減」が50・9%、「年次有給休暇の取得促進」が32・1%と続いた。
同日開いた記者会見で、県医労連の谷口考平書記長は「コロナの感染症法上の分類が5類に引き下げられてからも、現場の状況は改善していない。県には抜本的な対策を求めたい」とした。
◆患者の体内にガーゼ置き忘れ…手術後に1枚不足も、「数え間違い」と判断 |
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福井県の坂井市立三国病院は28日、10年前に行った手術で市内在住の患者の体内にガーゼを置き忘れる医療事故があったと発表した。患者に251万円の損害賠償を支払うことで示談が成立する見通しといい、市が関連予算案を市議会9月定例会に提出する。
発表によると、同病院は2013年4月に腹部の手術を実施。その後、別の病院での検査で 腹腔 内にガーゼが見つかったため、22年12月に摘出した。患者に健康被害はなかった。
手術後に回収したガーゼが1枚足りなかったにもかかわらず、X線検査では見当たらず、「数え間違い」と判断していたという。同病院は「X線で確認しやすいガーゼを使うなど再発防止に努める」としている。
◆カテーテル手術後に患者死亡、院長は死因検証せず…神戸徳洲会病院を行政指導 |
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神戸市垂水区の神戸徳洲会病院で、循環器内科の男性医師が行ったカテーテル手術後に複数の患者が死亡したとされる問題で、市は28日、病院に対し、医療安全体制に不備があり、事後の検証も不十分だったとして、是正を求める行政指導を行った。
同病院では、今年1月に赴任した男性医師がカテーテル手術を行った複数の心臓病患者らが死亡。告発文書を受けた市は7月に病院への立ち入り検査を3回実施した。
市によると、3人の患者の死因について、複数の別の医師から新保雅也院長に対し、「治療に起因したのではないか」と指摘があったが、院長は男性医師から意見を聞いただけで、院内の医療安全対策委員会に報告せず、死因を検証しなかった。院長は市に対し「他の病院から赴任したばかりで、委員会開催の認識がなかった」と説明したという。
また、男性医師は患者の容体が急変しているのに状態を確認せず、看護師との情報共有も不十分だったほか、患者の家族に病状や死因を詳しく説明せず、カルテにも記載していなかったことも判明した。
市は、一連の問題に関する是正計画書を9月11日までに提出することを病院に求めた。病院の三木田憲一事務長は「指導された内容に対し、一つ一つ誠意を持って丁寧に取り組む」とコメントした。
◆医師「自己研さん」で疲弊、業務時間外も病院に月100時間…専攻医自殺を契機に浮き彫り |
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神戸市東灘区の「甲南医療センター」の専攻医(旧後期研修医)が過労自殺した問題をきっかけに、「自己研さん」のあり方が課題として浮かんでいる。医療の世界は日進月歩で、知識や技能の習得は医師に欠かせないが、自己研さんは労働時間に含まれないとされ、複数の医療関係者は「自己研さん名目で長時間労働を余儀なくされている」と証言。来年始まる「医師の働き方改革」の実効性を危ぶむ声も上がっている。
残業0時間
「病院や患者のためにヘトヘトになるまで仕事をしているのに、全て自己研さん扱い」。関西地方の病院に勤務する20歳代の女性研修医は、そうため息をつく。
女性の勤務先では週数回、業務開始前の午前7時頃から勉強会が開かれる。出欠を確認され、参加しなければ上司から「なんで来なかったのか」と詰問されるが、労働時間に含まれない。患者の治療法などを検討するカンファレンス(会議)の多くも業務終了後で、長い時は3時間以上続く。この時間も自己研さん扱いだ。
先月、業務時間外に病院にいたのは約100時間。しかし、残業は0時間ということになっている。
「自己研さんという言葉がいいように使われ、まじめな医師ほど心身ともに追い込まれていく」と語る。
国が指針
自己研さんは、自主的に論文を読んだり、休日に学会に参加したりすることで、病院内での学習も該当する。
労働にはあたらないとされるが、その境界はあいまいだ。甲南医療センターで専攻医だった高島 晨伍 さん(当時26歳)を巡っては、西宮労働基準監督署(兵庫県)は、昨年5月に自殺するまでの1か月間の残業が約207時間と認定した。しかし、高島さんが申請していた残業時間は月30時間ほどで、センターは労基署の認定には、自己研さんの時間が含まれていると反論している。
自己研さんと労働の区別については、2017年に始まった「医師の働き方改革」に関する有識者検討会での議論の中で「考え方を示す必要がある」との意見が出され、厚生労働省は19年7月、指針を示している。
指針では、上司の指示に基づく学習や練習は労働にあたるとし、指示がなくても、業務に不可欠なものも労働としている。また、明確な指示がなくても、学会に参加しないことで不利益がある場合なども労働に該当する。業務に不要な論文作成を上司の指示なく行う場合は、自己研さん扱いだ。
上司から指示があったかどうか、業務と関連するかどうかの線引きは難しい。
来年始まる医師の働き方改革で、残業時間の罰則付き上限が導入され、原則年960時間、研修医などで特別に認められた場合は年1860時間となる。自己研さんの時間は、労働時間には含まれない。
高島さんの問題を報じた後、全国の医療関係者から多くの声が読売新聞に届いている。
「学会発表や論文作成は上司や病院の業績になるのに、自己研さん扱いはおかしい」(東京都の勤務医)。「残業規制が導入されても、自己研さん扱いにされるだけ」(大阪市の勤務医)――。
上司や所属する部署によって、自己研さんの判断が異なるとの意見も目立った。
九州地方の大学病院に所属する30歳代の男性医師は「厚労省の指針は、自己研さんの解釈を現場に丸投げし、病院や上司が 恣意 的に判断できる。働き方改革への意識も病院によって差があり、今のままでは医師の過重労働の改善にはつながらない」と話した。
状況把握を
医療ガバナンス研究所(東京)の上昌広理事長の話 「勤務医であれば、自己研さんで向上した技術は病院に還元される。できる限り業務として認めるべきで、病院側は医師任せにせず、心身の健康を管理するためにも個々の医師の自己研さんの状況を把握すべきだ。また、病院側が自己研さんと業務の区別を恣意的にしないよう、第三者機関がチェックする仕組みも検討する必要がある」
◆神戸市の専攻医過労自殺問題… 甲南医療センターの消化器内科で専攻医として勤務していた高島 晨伍 さん(当時26歳)が昨年5月、神戸市の自宅で自殺。西宮労働基準監督署は今年6月、長時間労働による精神疾患の発症が原因だとして労災認定した。認定では、死亡1か月前の時間外労働は約207時間で、休日も2月を最後に取得していなかったとされる。
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医師の働き方に関するご意見や情報を大阪社会部にお寄せください。
メール… osaka2@yomiuri.com
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◆日大に文科相「全て洗い出してもらいたい」…「空白の12日間」検証で第三者委設置 |
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永岡文部科学相は25日の閣議後記者会見で、日大について「管理運営体制の再構築に向けて事実関係を徹底的に調査し、法人としての課題や問題点を全て洗い出してもらいたい」と述べた。
文科省は日大に対し、アメフト部の寮で大麻と疑われる植物片を確認してから警察への連絡までに「空白の12日間」が生じたことなど一連の対応について調べ、9月15日までに報告するよう求めている。
日大は25日、事件対応を検証する第三者委員会を24日付で設置したとホームページ上で公表した。
委員会は弁護士3人で構成。委員長には綿引万里子・元名古屋高裁長官が就いた。
◆日大アメフト部員、覚醒剤を「MDMAと認識」…罪名切り替え麻薬取締法違反で起訴 |
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日本大学アメリカンフットボール部の寮で大麻と覚醒剤が見つかった事件で、東京地検は25日、同部員として寮に住んでいた北畠 成文 容疑者(21)を麻薬取締法違反(所持)で東京地裁に起訴した。
北畠容疑者は7月6日、東京都中野区にある同部の学生寮で大麻と覚醒剤を所持したとして、大麻取締法違反と覚醒剤取締法違反の両容疑で警視庁に逮捕された。しかし、北畠容疑者は所持していた覚醒剤を合成麻薬であるMDMAだと思っていたといい、地検は麻薬所持の故意にとどまると判断。罪名を切り替えた。
一方、地検はこの日、大麻取締法違反容疑
◆炎天下のグラウンド、倒れていた高齢男性を中学生3人が介抱…買ったばかりのドリンク差し出す
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炎天下のグラウンドで倒れていた90歳代男性に声をかけ、適切な救護を行ったとして、島根県警出雲署は24日、出雲市立平田中学校の生徒3人に感謝状を贈った。当日は最高気温が35度を超える猛暑日で、3人は会話ができない男性に買ったばかりのスポーツドリンクを差し出し、介抱したという。男性は発見される1時間半前に行方不明になり、家族の要請を受けて同署員らが捜索していたところだった。
3人は、地元のサッカークラブ「平田FC」に所属する2年坂本大俄君(14)、1年岡湊祐君(12)、同山之内蒼介君(12)。
同署によると、3人は7月27日昼頃、夕方から始まるクラブの練習を前に、3人の母校でもある市立平田小学校を訪問。グラウンドで仲間とサッカーのミニゲームをして遊んだ。
坂本君は持参した500ミリ・リットルの水があっという間になくなり、学校前にある自動販売機でスポーツドリンクと水を購入。グラウンドへ戻る途中、グラウンド脇にある土俵近くで、男性がうつぶせで倒れているのに気づいた。男性は土をいじっているようにも見えたが、様子がおかしかった。
同じ頃、水を浴びようと土俵近くにある水道へ向かっていた岡君と山之内君も、男性に気づいた。異様な光景を前に怖いという気持ちもあった。だが「助けないと悔いが残る」と男性に駆け寄り、「大丈夫ですか」と声をかけた。男性は言葉を発することができずにうなるだけ。苦しそうな表情には汗が浮かんでいた。
「おじいさんが外で倒れている」。急いで職員室へ向かい、なじみの教諭らに伝えに行った。教諭らが男性を介抱する様子を見ていた坂本君は、「これを飲んで」と、直前に買ったスポーツドリンクを教諭に手渡した。教諭はすぐに男性に飲ませたという。
坂本君は昨年夏に熱中症になり、 嘔吐 するなど苦しんだ経験があった。日頃から熱中症に気をつけており、「熱中症ではないか」と思ったという。男性は保健室へ運ばれ、学校側が警察に通報したところ、家族が昼過ぎに「車から降りてどこかへ行ってしまった」と捜索願を出していたことが分かった。
松江地方気象台によると、この日は3人が異変に気づいた午後3時半頃に、ちょうど最高気温35・8度を観測。翌日、男性の家族から3人の家族にお礼の電話があった。寝耳に水だった岡君の父は「そんなことがあったなら俺に言えよ」と岡君をどなった後、「でも良いことしたな」と褒めたという。
出雲署であった感謝状の贈呈式では、窪田浩仁署長が「発見が遅れていたらどうなっていたか分からない。3人の勇気ある行動は立派だった」と感謝の言葉を伝えた。3人は「僕らの行動が褒められてうれしい。なによりおじいさんが助かってよかった」と声を合わせ、満面の笑みを見せた。
◆マイナンバーと保険証の「ひも付け未了」77万人…健保組合など加入者の1% |
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厚生労働省は24日、マイナンバーと健康保険証の資格情報のひも付け作業が完了していない人が、8月時点で全国の健康保険組合などで約77万人に上ったと発表した。岸田首相は同日、加藤厚労相と首相官邸で面会し、マイナンバーに関する総点検が終了する11月末をメドに作業を完了するように指示した。
◆協会けんぽのマイナカードひも付け、7月末時点で36万人が完了せず…立民会合で厚労省説明 |
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大学の女子更衣室に侵入し、白衣などを盗んだとして、香川県警高松南署は22日、香川大医学部付属病院の医師の男(32)を建造物侵入と窃盗の疑いで逮捕した。
発表などによると、男は7月26日~8月9日、同大学の女子更衣室に侵入し、女性(21)の白衣や靴、名札など計8点を盗んだ疑い。容疑を認めている。
同署が、別の事件の捜査で男の車を調べた際、車内から女性の白衣などが見つかり、関与が発覚したという。
香川大は「皆様の信頼を失墜させる許しがたい行為。多大なご心配をおかけしたことをおわび申し上げるとともに、厳正に対処していく」とコメントした。
◆新型コロナ治療薬の開発で虚偽発表、株価つり上げか…東京地検特捜部が衣料品卸幹部ら聴取 |
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東証スタンダード上場の衣料品卸売会社「プロルート丸光」(大阪)が株価をつり上げる目的で虚偽の事実を公表した疑いがあるとして、東京地検特捜部が、公表に関与した関連会社幹部らを任意で事情聴取したことが関係者の話でわかった。プロルート社に対しては証券取引等監視委員会が昨年11月に強制調査を実施しており、特捜部は金融商品取引法違反(偽計)容疑の適用を視野に、監視委とともに実態解明を進める。
同社は2019年12月、筆頭株主だったコンサルティング会社の紹介で、音楽グッズ関連会社を子会社化すると発表。21年8月には、子会社だった医療機器輸入会社が新型コロナウイルス治療薬の開発で中国企業と提携し、同国当局から、開発に必要な細胞株の国外持ち出しの合意を得たと発表した。
当時ジャスダックに上場していたプロルート社の株価は、21年8月の発表後、1株300円台から730円まで上昇していた。
関係者によると、同社の発表はいずれも株価つり上げを目的とした虚偽の内容だった疑いがあり、筆頭株主だったコンサル会社は21年8月の発表直後に保有株を高値で大量に売却し、多額の利益を得たという。監視委は昨年11月、プロルート社本社などを強制調査。特捜部や監視委は、コンサル会社や音楽グッズ関連会社の幹部らから同法違反容疑で事情聴取を進めているという。プロルート社は22日、取材に「監視委の強制調査を受けたことは事実であり、調査に協力していく」と答えた。
◆日大アメフト部、別の部員数人も大麻など所持か…警視庁が学生寮を再捜索
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日本大学アメリカンフットボール部員による大麻や覚醒剤の所持事件で、逮捕された部員とは別の部員数人も大麻などを所持した疑いがあることが、捜査関係者への取材でわかった。警視庁は22日、東京都中野区のアメフト部の学生寮を大麻取締法違反(所持)容疑などで再び捜索し、裏付けを進めている。
学生寮への捜索は今月3日に続き2回目となる。同部では7月6日に大学側の調査で乾燥大麻と覚醒剤成分を含む錠剤が見つかり、警視庁が8月5日、3年生の北畠成文容疑者(21)を大麻取締法違反と覚醒剤取締法違反の両容疑で逮捕した。
捜査関係者によると、その後の捜査で、別の部員数人も大麻などを所持していた疑いが浮上したという。
日大は5日、アメフト部を無期限活動停止処分としたが、「部員1人による薬物所持という個人犯罪だ」として10日に同部への処分を解除している。
◆東農大ボクシング部員、学生寮近くで大麻やLSDを密売か…3回目逮捕
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東京農業大ボクシング部員による営利目的の大麻所持事件で、警視庁は22日、合成麻薬「LSD」を所持したとして、同大1年の部員の男(19)(大麻取締法違反容疑で逮捕)を麻薬取締法違反(営利目的所持)容疑で再逮捕した。この部員の逮捕は3回目。
発表によると、男は7月4日、当時住んでいた東京都世田谷区の学生寮の自室でLSDを含む紙片約0・26グラム(末端価格約13万円相当)を販売目的で所持した疑い。容疑を認めている。警視庁は、男がSNSで購入者を募って学生寮の近くで大麻やLSDを密売していたとみている。
◆経営破綻した「松本病院」、診療報酬4億2600万円を不適切受給…大阪市が返還求める |
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一昨年8月に経営破綻した大阪市福島区の医療法人「友愛会」(民事再生手続き中)傘下の同区「松本病院」(閉院)が、生活保護受給者の診療報酬を不適切に受給していたことがわかった。約3年間で約4億2600万円に上り、市が返還を求めている。
病院を巡っては、看護師の人数を水増しして届け出たなどとして、近畿厚生局が2022年5月、14年2月~17年4月の診療報酬計約8000万円分が不正受給だったと公表。生活保護法に基づき、受給者の医療費を負担する市も、厚生局が不正と認定した期間の調査を進めていた。
法人は21年8月、資金繰りが悪化し、大阪市からの無担保融資2億円を返済しないまま経営破綻。病院も22年2月に閉院した。法人は再生計画に基づいて市への返還を進めているが、現時点で約3億6000万円が未回収になっているという。
◆ワクチン対応のはずが…パソナの再委託先、業務時間中に健康食品や化粧品の電話対応も |
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人材派遣大手「パソナ」(東京)が、新型コロナウイルスワクチンのコールセンター業務を巡り、大阪府と兵庫県の計3市に約10億円を過大請求していた問題で、再委託先の「エテル」(大阪市中央区)のオペレーターらが業務時間内に並行してワクチン以外の電話に応対していたことがわかった。コールセンターで勤務していた女性が実態を読売新聞に証言した。パソナも調査で事案を把握しており、3市への返金対象に含めたという。
パソナは大阪府枚方市、吹田市、兵庫県西宮市からワクチン接種の予約や相談を受け付ける業務を受注。再委託先のエテルは2021年3月~22年12月、契約で定められたオペレーターの人数を確保していなかったのに、水増ししてパソナに虚偽報告した。
これを受け、3市に委託料10億8000万円を過大請求していたパソナは全額を返還した。
女性がワクチン接種関連の業務に従事したコールセンターは福岡市内のビルにあり、オペレーターの座席は100席ほどあった。女性によると、時期によっては空席が目立ったほか、4分の1ほどは高麗ニンジンなどの健康食品や化粧品の電話対応にあたっていた。
人手が不足したとみられる時期には、ワクチン関連業務を担当していたオペレーターがこうした別業務の対応にあたっていた。
女性はエテルの指示で、旅行情報サイト関連の電話に応対していたと証言し、「契約を切られるかもしれないと思って、おかしいと言えなかった」と釈明。「ワクチン接種を希望している人を助ける仕事だと思っていたが、実態は違った。税金を使っている以上、実態を明らかにしてほしい」とエテルに求めている。
パソナは読売新聞の取材に「調査の結果、エテル側の指示で、(コールセンターで)ワクチン関連以外の業務が行われていたと認識している。エテル側の管理台帳で、ワクチン業務以外の記録がある勤務時間などを返金対象とした」と回答。
一方、エテルは「そのような事実は確認していない」とコメントした。
◆児童養護施設の女児3人、男子高校生から性的被害受けたか |
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栃木県内の児童養護施設で2020年4月頃から21年7月頃、当時小学生の女児3人が男子高校生にわいせつな行為をされたとして、そのうち小学2年だった女児の母親(43)と代理人弁護士が17日、県に事実関係の公表や再発防止を書面で要望した。
代理人の小倉崇徳弁護士によると、同施設で21年3月頃、入所者の女児と高校生がズボンをはいていない状況でいたと、目撃した児童から職員に報告があり、その後、少なくとも女児3人が被害に遭っていたことが判明した。
2年生だった女児は、リビングや高校生の部屋、トイレなどで複数回、キスや下半身を触られるなどの被害を受けたという。母親は体調が悪いため女児を預けており、児童相談所から被害の報告を受けたが、「高校生の保護の観点」などの理由で、詳細な説明をしてもらえなかったという。
母親は県に「事実関係の調査を第三者委員会方式で行うこと」「再発防止策の実施状況を定期的に公表すること」などを要望。17日に県庁で記者会見を開き、「真実をはっきりさせ、二度と起こらないようにしてほしい」と訴えた。
これに対し、児童養護施設側は「子供の人権の観点から答えられない。施設としてやるべきことはやっている」とコメント。県こども政策課は、要望について「内容を精査し、対応を考える」としている。
◆43歳の小児科医、看護師離れたスキにわいせつ行為…10人以上の動画保存 |
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患者の女児に対する強制わいせつ容疑で中東遠総合医療センター(静岡県掛川市)の小児科医塩沢亮輔容疑者(43)(袋井市愛野)が再逮捕された事件で、塩沢容疑者のスマートフォンに10人以上の患者がわいせつ被害に遭っている様子の動画が残されていたことが、捜査関係者への取材でわかった。県警は常習的に行為に及んでいたとみて調べている。
捜索を終え、病院を出る捜査員ら(17日、掛川市の中東遠総合医療センターで)
発表によると、塩沢容疑者は昨年3月14日午後6時頃、院内の診療室で、診療中の13歳未満の女児の胸を触るなどわいせつな行為をした疑い。昨年12月頃に診療中の10歳代女性の胸などを触ったとして7月に県警に逮捕されていた。塩沢容疑者は当初、複数の患者へのわいせつ行為を認めていたが、現在は黙秘している。
捜査関係者によると、塩沢容疑者は、看護師が診療室を離れた際、患者と2人きりの状況で診察を装ってわいせつな行為に及び、その様子をカメラで記録していたという。
中東遠総合医療センターによると、塩沢容疑者は2015年から小児科医として勤務し、今春から診療部長を務めていた。県警は自宅や勤務先などを捜索し、全容の解明を進めている。
塩沢容疑者は18日、静岡地検浜松支部に送検された。
◆協会けんぽのマイナカードひも付け、7月末時点で36万人が完了せず…立民会合で厚労省説明
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厚生労働省は18日、中小企業の従業員らが加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)で、資格情報とマイナンバーのひも付け作業が完了していない人は、7月末時点で約36万人だったと明らかにした。
18日に国会内で開かれた立憲民主党の会合で、同省が説明した。協会けんぽを巡ってはこれまで、3月末時点で約4000万人の加入者のうち、約40万人でひも付けが完了していないことが判明していた。
◆「姉と音信不通」とウソの文書作成、男性を「滝山病院」に強制入院…市職員ら7人書類送検
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東京都八王子市の精神科病院「滝山病院」に、埼玉県所沢市に住む50歳代男性を家族の同意なく強制入院させたとして、県警は17日、所沢市の職員と元職員計7人を監禁と虚偽有印公文書作成・同行使の疑いでさいたま地検川越支部に書類送検した。
男性は統合失調症にかかり、2018年11月~19年1月、精神保健福祉法に基づく強制入院「医療保護入院」で滝山病院に入った。
捜査関係者によると、所沢市がこの手続きを進めた際、7人は男性の姉が「音信不通」だとする虚偽の文書を作成・決裁した疑い。医療保護入院は家族の同意が必要だが、音信不通などの場合は市町村長の同意で可能となる。男性は今年3月、「姉とは連絡が取れる状況だった」などとして職員らを告訴していた。
◆専攻医が過労自殺、院長「過重労働させた認識ない」…自己研さん時間で労基署と「見解相違」 |
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神戸市東灘区の「甲南医療センター」で男性専攻医(旧後期研修医)の高島晨伍さん(当時26歳)が過労自殺した問題で、甲南医療センターの 具英成 院長は17日、記者会見し、「病院として過重な労働をさせた認識はまったくない」と改めて長時間労働の指示を否定した。
センターでは、タイムカードで出退勤時間を記録していたが、労働時間は医師の自己申告に基づいて管理していた。労基署は、高島さんの死亡前1か月の時間外労働を、精神障害の労災認定基準(月160時間以上)を上回る207時間と認定した。
高島さんがセンターに申告した死亡前月の時間外労働は「30・5時間」だったという。具院長は、労基署の認定には、労働にあたらない自主的な「自己研さん」の時間が含まれているとの見方を示し、「見解に相違がある」と述べた。
自己申告で労働時間を管理していることについては、「医師は自由度が高く、労働と自己研さんの切り分けは難しい」と説明。高島さんの自殺を受け、今年1月から、自己研さんの時間も報告させる運用に改めたが、自己申告の方式は変えていないという。
具院長は「高島医師に哀悼の意を表します」と述べたが、自殺の原因は「わからない」と繰り返した。
センターは、労基署が認定した労働時間に基づき、未払い残業代130万円を遺族に支払ったことも明らかにした。
◆26歳専攻医が過労自殺、労災認定…3か月休日なし・時間外は月207時間 |
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神戸市東灘区の「甲南医療センター」で勤務していた男性専攻医(旧後期研修医)が昨年5月に自殺し、西宮労働基準監督署(兵庫県)が、長時間労働で精神障害を発症したのが原因だとして、労災認定していたことがわかった。男性は医師になってから3年目で、自殺するまで約3か月間休日がなく、直前の時間外労働は、国の労災認定基準を大幅に超える月207時間に上っていたという。
労災が認められたのは、高島 晨伍 さん(当時26歳)。神戸大卒業後の2020年4月からセンターで研修医として勤務し、22年4月から消化器内科の専攻医として研修を受けながら診療していた。5月17日の退勤後、神戸市の自宅で亡くなっているのを訪ねた家族が見つけ、兵庫県警が自殺と断定した。
労災認定は今年6月5日付。認定によると、高島さんの死亡直前1か月の時間外労働は207時間50分で、3か月平均でも月185時間を超えていた。いずれも国が定める精神障害の労災認定基準(月160時間以上、3か月平均100時間以上)を大幅に上回っていた。また、休日も2月を最後に取得していなかったという。
労基署は「専攻医になったばかりで先輩医師と同等の業務量を割り当てられ、指示された学会発表の準備も重なり、長時間労働となった」と判断。長時間労働で精神障害を発症したことが自殺の原因と結論づけた。
センターは読売新聞の取材に「病院にいた時間が全て労働時間ではなく、『自己研さん』の時間も含まれている。学会発表も当院からの指示ではなく、当院が指示した範囲では業務量は適切だった」と長時間労働の指示を否定。一方で、労基署が認定した労働時間に基づき、遺族に未払い残業代を支払ったという。
医師の働き方を巡っては、18年に成立した改正労働基準法に基づき、24年4月から時間外労働に罰則付き上限が設けられる。各地の病院で働き方の見直しが進められている。
センターは救急対応も行う中核病院で、地域の診療所などを支援する「地域医療支援病院」として兵庫県に承認されている。病床数は約460床。
◆専攻医 =2年の臨床研修を終え、専門的な研修を受けている3年目以降の医師。十分な知識や技術を学ぶと「専門医」の資格が得られる。かつて「後期研修医」と呼ばれていたが、2018年4月に始まった新専門医制度で呼称が変更された。
◆協会けんぽ、40万人分のマイナひも付け作業遅れ…氏名や住所が一致せず |
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中小企業の従業員らが加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)で、約4000万人の加入者のうち、資格情報とマイナンバーのひも付け作業が完了していない人が、今年3月末時点で約40万人いることが分かった。協会けんぽによると、住民基本台帳の情報照会で氏名や住所などが一致せず、マイナンバーを特定できないことが主な原因という。
ひも付け作業がされていない人が、マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」を取得しても、医療機関の窓口で利用できないおそれがある。
厚生労働省は「同様の事例は他でも発生している可能性がある」として、改善策を検討している。
◆居酒屋で大麻リキッド所持、巡査「同僚と使い回した」…別の巡査「2年間で150回吸引」 |
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居酒屋で大麻を所持していたなどとして、兵庫県警は14日、神戸西署地域課の男性巡査(20)を麻薬特例法違反(共同所持)などの容疑で書類送検した。「同僚と使い回した」などと容疑を認めているという。
県警によると、男性巡査は、明石署地域課の巡査堀本敦史被告(21)(大麻取締法違反で起訴)と共謀し、昨年12月、大阪市内の居酒屋で警察学校時代の同期ら計4人で飲食した際、「大麻リキッド」と呼ばれる液体大麻を共同で所持するなどした疑い。堀本被告は「(警察官になる前から)2年間で約150回吸引した」と供述。男性巡査は「堀本被告からもらって昨夏から5~10回使った」と話しているという。
県警は14日、堀本被告と男性巡査を懲戒免職処分とした。
◆警察官4人で居酒屋、その場に大麻リキッド…2人を懲戒免職 |
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大阪市内の居酒屋などで大麻を所持していたとして、兵庫県警は14日、神戸西署地域課に勤務する20歳代の男性巡査を大麻取締法違反(単純所持)と麻薬特例法違反(共同所持)の容疑で書類送検した。調べに対し「同僚と居酒屋で使った」などと容疑を認めているという。
県警は6月、独身寮で大麻を所持していたとする大麻取締法違反容疑で明石署地域課の巡査、堀本敦史被告(21)を逮捕。捜査の中で堀本被告が男性巡査と大麻を使用した疑いが浮上し、調べていた。県警は同日、大麻を所持、使用したとして2人を懲戒免職処分にした。
捜査関係者によると、男性巡査は昨年、大阪市内の居酒屋で、堀本被告と「大麻リキッド」と言われる液体大麻を所持するなどした疑いが持たれている。
居酒屋には、2人のほかに、県警の同期2人が同席。この2人には大麻の使用などは認められなかったが、違法行為を見逃したとして、県警は14日、うち男性巡査1人を戒告処分にした。別の1人は、問題の発覚前に退職していた。
◆宝塚市立病院で医療事故、ヘルニア手術で誤った個所を切除…リウマチ手術でもミス |
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兵庫県の宝塚市立病院は10日、腰椎椎間板ヘルニアなどの患者2人に対し、誤った部位を手術する医療事故を起こしたと発表した。
整形外科の50歳代男性医師は2022年5月、40歳代女性患者に対し、第4腰椎と第5腰椎の間のヘルニアを切除すべきところを、第3腰椎と第4腰椎の間を手術した。術後、腰痛が悪化したため、女性が別の病院を受診して医療ミスが判明した。
術前に手術部位の目印にと長さ約2センチの金属針を打ち込んでいたが、医師が確認を怠ったという。
リウマチ科の40歳代男性医師は今年4月、60歳代女性患者に対し、変形した親指の付け根の「 大菱形骨 」ではなく、隣接する「 舟状骨 」を切除した。骨同士が癒着するなどしていたことから見誤ったという。
この日の記者会見で、今中秀光病院長は「患者と家族に大変な苦痛をかけ、心よりおわびする。再発防止策の徹底を図る」と陳謝した。
◆町運営の国保病院院長、処方箋偽造し高血圧治療薬など1800点を不正入手か |
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北海道雄武町が運営する町国民健康保険病院の桂巻正院長(64)が、別の医師から診療を受けたように装って処方箋を偽造し、医薬品を入手したとして、旭川地検紋別支部が同院長を有印私文書偽造・同行使と詐欺の罪で在宅起訴していたことがわかった。起訴は7月31日付。
起訴状や関係者によると、桂巻院長は2021年3月26日~10月4日、7回にわたり、同病院に勤務する別の医師名義で虚偽の処方箋15通を作成して雄武町内の調剤薬局に提出、高血圧治療薬など約1800点を不正に受け取ったとされる。病院関係者が同10月頃、院長の電子カルテを見た際に不審な点を見つけ、不正が発覚したという。
桂巻院長は10日、読売新聞の取材に在宅起訴されたことは認めたが、「取材には答えられない」と述べた。
同病院は1951年に開院し、地域医療を支えている。現在の常勤医は桂巻院長を含めて2人しかおらず、今後の対応について町は「検討中」としている。
◆コロナ感染の看護師、交代要員見つからずそのまま勤務…病院「医療機関としてあってはならない」 |
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香川県三豊市立みとよ市民病院は10日、新型コロナウイルスへの感染が判明した女性看護師1人を、そのまま勤務させていたと発表した。患者や別の看護師らへの感染は確認されていないとしている。
発表では、女性看護師は今月5日午後4時、担当患者がコロナに感染したため簡易検査を受け、陽性反応が出た。院内のマニュアルでは自宅待機(5日間)となっているが、看護部長は交代要員が見つからないことを理由に、6日午前0時45分まで勤務させた。
この日は、コロナ患者を受け入れるエリアを担当し、他の看護師らとの接触はなかったという。同病院は「医療機関としてあってはならないこと。要員確保などマニュアルの見直しを進めたい」としている。
◆医学部不正入試、「浪人年数や年齢で不合格は違法」…順天堂大側に181万円支払い命令 |
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医学部の不正入試問題で、順天堂大(東京)を受験した男性(38)が浪人年数や年齢を理由に不当に不合格にされたとして、順大側に約5831万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は10日、順大側に約181万円の支払いを命じる判決を言い渡した。関根澄子裁判長(森健二裁判長代読)は「浪人年数や年齢で不利に扱い、不合格としたのは違法だ」と述べた。
判決によると、男性は社会人経験を経て、32歳の時に2浪して2018年度入試を受験。社会人経験の期間を浪人期間と見なされたり、年齢を考慮されたりした結果、不合格となった。
判決は、私立大学には基本的に広い裁量が認められるとする一方、「教育機関として、性別による差別を禁じた憲法を尊重する責務を負う」と指摘。順大の募集要項には合否判定で浪人年数や年齢を考慮するとは書かれていなかったのに、これらを理由に男性を不合格とした順大側には裁量の逸脱があると述べた。
男性は問題発覚後の18年12月に追加合格となったが順大には進学せず、西日本の大学に合格して在籍中。順大は判決へのコメントは差し控えるとしている。
この問題では、女性らを不利に扱う差別的な入試が行われていたとして、東京医科大を含めて大学側の敗訴判決が相次いでいる。
◆障害者支援施設の職員、入所者の居室ドアをひもで縛る…外に出ようとして窓から転落 |
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北海道別海町の知的障害者支援施設「 柏 の実学園」で先月、男性職員が2階居室のドアをひもで縛って出られないようにし、この部屋の男性入所者が窓から転落してけがをしたことが、道などへの取材でわかった。道は施設や運営法人に監査を実施。関係者への聞き取り調査などで、日常的に虐待がなかったかについても調べ、処分や指導を検討している。
道根室振興局などによると7月3日未明、職員が居室のドアノブと廊下の手すりをひもで縛り、ドアが開かないようにした。その後、入所者は窓から外に出ようとして転落。顔に擦り傷や切り傷などのけがを負った。
施設は同日、虐待が疑われる事案として振興局に報告。道と町は障害者総合支援法などに基づき同5日、監査に入った。
学園によると、けがをした入所者は40歳代の男性。日頃から、洗濯場の水道などのねじを外し解体していたため、元栓を閉めるなどの対応をとっていた。だが、この日は、夜勤の40歳代の職員がそれをおっくうがり、部屋にとじこめてしまったという。
学園を運営する社会福祉法人「べつかい柏の実会」の永洞貢理事長は9日、「大変申し訳ない。この職員は施設設立から働き、信頼していただけに残念だ。教育研修を強化していくしかなく自覚を強く持ってもらう」と語った。
◆近ツーの高浦雅彦社長が辞任、コロナ事業で9億円過大請求…役員ら報酬返納し社員37人処分 |
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旅行大手・近畿日本ツーリスト(東京)は9日、新型コロナウイルス関連事業を巡る過大請求問題の責任を取り、高浦雅彦社長が31日付で辞任すると発表した。後任には、グループの「近畿日本ツーリストブループラネット」の瓜生修一社長が9月1日付で就任する。
近畿日本ツーリストは9日、記者会見で調査委員会による調査報告書を公表。自治体から受託したコールセンター事業でのオペレーターの人件費水増しなどによる過大請求は、大阪や静岡などの計4支店で行われ、最大で50自治体に対し、9億円に上ると明らかにした。同社の組織的関与については否定した。
同社では、役員ら13人が報酬の一部を自主返納するほか、過大請求に関わったとして社員37人を処分した。親会社「KNT―CTホールディングス」の米田昭正社長ら代表取締役3人も報酬の一部を自主返納する。
◆「自分は神とつながっている」「修行して人生好転させる」とわいせつ行為…男を逮捕 |
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警視庁は8日、愛知県一宮市、職業不詳の男(65)を準強制性交容疑で逮捕した。
発表によると、男は昨年12月16~17日、千代田区のホテルで、20歳代の女性に「修行して人生を好転させるため」などと称して、わいせつな行為をした疑い。「強制していない」などと供述しているという。
男は同11月、知人から被害女性を紹介され、人生相談に乗っていた。女性には「(自分は)神とつながっている」などと話していたという。
女性が今年5月、麹町署に被害を相談して発覚。警視庁は、別の女性にもわいせつ行為をしたとみている
◆電通北海道、新型コロナ対策業務で1億5820万円過大請求 |
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電通北海道(札幌市)は9日、北海道から委託を受け実施した新型コロナウイルス対策のコールセンター業務で、約1億5820万円を過大請求していたと発表した。
◆コカ葉を「世界の国々へ理解深めて」と授業で見せる…女性教諭を懲戒免職「違法とは知らず反省」 |
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コカインの原料のコカ葉を海外から日本に持ち込んで授業で児童に見せたなどとして、愛知県教育委員会は8日、豊橋市立幸小学校の女性教諭(54)を懲戒免職処分とした。女性教諭は県教委の聴取に使用目的での持ち込みを否定し、「世界の国々への理解を深めてもらいたかった。違法とは知らず反省している」と話したという。
発表によると、女性教諭は2017~18年に旅行したコロンビアの土産物店でコカ葉やコカ茶を購入し、自宅で保管。今年2月、担任する3年生の授業で外国の風習を紹介する際にコカ葉などを見せ、「高山病を和らげる薬として用いられている」などと説明した。
児童から話を聞いた保護者が学校に伝えた。県教委によると、県警は女性教諭を麻薬取締法違反容疑で名古屋地検豊橋支部に書類送検したが、同支部は6月に不起訴(起訴猶予)としたという。
◆マッチングアプリで交際・妊娠…「未婚」の相手に戸籍謄本求めると激しい抵抗 |
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交際相手の男性が、実は既婚者だった――。マッチングアプリを通じた出会いが増える中、そんな「独身偽装」の被害に遭う女性がいる。ネットでの出会いは共通の知人がいないことから、既婚者かどうか見抜きにくい。妊娠して初めて発覚するなど深刻なケースもある。
まさかの告白
東京都内のデザイナーの女性(35)は2019年夏、友人がアプリで会った人と婚約したと聞き同じアプリに登録した。半年後、2歳年上の男性と知り合った。気取らない写真に好感を抱き、「いいね」を押してマッチングが成立。4か月のメッセージのやりとりを経て会うことになった。
映像関係の仕事をしている男性はおとなしい印象で、仕事や趣味の映画の話で意気投合。週に1度の頻度で会食し、まもなく交際に発展した。「彼女がいるとか、ないですか?」と確認し、フェイスブックも見た。恋人や妻がいる様子はなかった。会えない日も多かったが仕事が忙しい様子で、不審に思わなかった。
未婚のまま出産することを決意した女性。男性からは「男友達と同居している」と言われていたが、実は妻子がいた(5月、東京都内で)
約2年間交際し、昨年末に妊娠がわかった。男性から「子どもはほしくない」と言われ、未婚で産むことを決意。男性も子どもを認知し、養育費を払うことは承諾した。だが認知に必要な戸籍謄本を求めると激しく抵抗し、問い詰めると、妻子がいると告白した。
「まさかと思い血の気が引いた。独身の人の子を産むのと、既婚者の子を産むのでは全く気持ちが違う」。ショックと不安で、死も頭をよぎった。おなかの子の存在や、SNSでつながった同じ境遇の女性たち十数人に救われた。男性に慰謝料を請求する訴訟を起こし、子どもの認知を求める調停も準備している。
「詐称」9・5%
ネットで手軽に友人や交際相手を探せるマッチングアプリは近年、急速に利用が拡大している。
明治安田生命保険の調査では、昨年結婚した人の22・6%が出会いのきっかけにアプリを挙げ、「職場の同僚・先輩・後輩」(20・8%)、「学校の同級生・先輩・後輩」(同)を抜いて初めてトップになった。
運営各社は、トラブル防止のため規約で利用者を独身に限ったり、市町村などが発行する「独身証明書」を任意で提出できる仕組みを設けたりしている。違反が判明した場合は、利用停止などの措置を取る。
だが、独身かどうかなどを見抜くのは簡単ではない。三菱UFJリサーチ&コンサルティングが21年にマッチングアプリ利用者約500人を対象に行った調査では、交際者の存在や婚姻の事実を詐称された経験がある人は9・5%に上った。
身を守るには
男女間トラブルに詳しい太田啓子弁護士は「かたくなに自宅に入れたがらなかったり、住所を言わなかったりした場合、理由をしっかり聞いて相手を信用できるか見極めた方がいい」と指摘。詐称を完全に見抜くのは難しいというが、「独身証明書を提出している人だけに会うのも、一定の対策になる」と話す。
被害に遭った場合、「独身と偽って体の関係を持たせることは性的尊厳の侵害で、民法上の不法行為に該当する。慰謝料を請求できる」とする。一方、既婚と知った後も交際を続ければ、相手の配偶者から不貞行為で訴えられる可能性があるという。
アプリの利用を巡ってはこのほか、デート時に睡眠薬入りの飲み物を飲まされてわいせつ行為をされるなどの被害も確認されており、注意が必要だ。
◆教授、担任で受け持つ女子学生とホテルで不適切な行為…懲戒解雇 |
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和歌山県立医科大は1日、教え子の女子学生と不適切な関係を持ったとして、男性教授(40歳代)を懲戒解雇にしたと発表した。
同大学によると、教授は昨年8月、担任として受け持っていた女子学生の相談に応じた後、ホテルで不適切な行為に及んだという。今年4月、女子学生から大学に相談があり発覚した。
教授は同大学の聞き取りに対し、不適切な関係を認めたという。また、管理監督責任を問い、教授が所属していた学部の学部長を訓告とした。
同大学は女子学生の特定につながる恐れがあるとして、教授の所属学部や氏名などを公表していない。
◆熱中症3回発症の暑さに弱い女性を寺が解雇、東京地裁が無効判決「仕事が困難な状態ではない」 |
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夏の暑さに弱いことなどを理由に勤務先の寺を解雇されたのは不当だとして、50歳代女性が解雇の無効などを求めた訴訟で、東京地裁(中井裕美裁判官)は2日、解雇を無効と認め、未払い賃金の支払いを命じる判決を言い渡した。
判決によると、女性は2019年5月から東京都港区の善福寺で清掃や法要の準備などを担当していたが、「暑さに弱く、指示や指導も覚えていない」などとして、21年4月に解雇を告げられた。
寺側は、女性が2年間で熱中症を3回発症して仕事を休んだことなどから「十分に業務を行えず、解雇は有効だ」と主張したが、判決は「通院や療養のために数日休暇を取った程度で、仕事が困難な状態とは認められない」と判断した。
寺側は、女性は勤務が怠慢だったとも主張したが、判決は「解雇が社会的に相当とは認められない」と結論づけた。
◆糖尿病治療薬に水ぶくれや皮膚がむける副作用…PMDAが注意呼びかけ |
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糖尿病治療薬「DPP―4阻害薬」の服用後に水ぶくれなどの症状が表れる「 類天疱瘡 」という副作用について、独立行政法人・医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、医療関係者に対し、適切な処置を行うよう注意を呼びかけた。
注意喚起は27日付。類天疱瘡は、DPP―4阻害薬の重大な副作用の一つとして、添付文書に記載されているが、水ぶくれなどの初期症状が出た後も、投与を続けた結果、悪化して入院した事例が報告されている。
このため、処方した医師は、患者にかゆみを伴う紅斑や水ぶくれ、皮膚がむける症状などが表れた場合、速やかに皮膚科医に相談し、投与を中止するなどの適切な処置を行うよう求めた。
◆首相、健康保険証の廃止延期も視野…マイナンバーカードへの不安払しょく狙い。
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岸田首相は、現行の健康保険証を2024年秋に原則廃止し、マイナンバーカードに一本化する政府方針について、廃止期限の延期を視野に新たな対応策の検討に入った。マイナカードを巡り相次ぐトラブルを受け、国民の不安を 払拭 する狙いがある。複数の政府関係者が明らかにした。
首相は28日、マイナ保険証への移行について、「移行のあり方は引き続き、関係者の声や意見を聞いていく。その中で政府の対応を考えていきたい」との認識を示した。東京都内で記者団に語った。
首相は記者団から延期する可能性を問われると、「現場の声や意見は大切にしなければならない」と述べ、来週にも記者会見を開いて自ら政府の対応を説明する意向を表明した。
廃止期限の延期は法改正が必要となるため、政府内には慎重論もある。厚生労働省などは、マイナ保険証の未取得者に発行する「資格確認書」の利便性を向上させる案を推している。有効期限について、政府は「1年間を限度に保険者が設定する」と説明していたが、一律に定めない仕組みに変更することも検討されている。
首相は新たな対応策について、世論を見極めながら慎重に判断する方針だ。
◆持病ない女子中学生がコロナワクチン接種後に死亡、接種との因果関係「否定できず」 |
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厚生労働省は28日、昨年8月に新型コロナウイルスワクチンの接種後に死亡した女子中学生(当時14歳)について、「接種と死亡との因果関係が否定できない」とする専門家の評価を公表した。接種と死亡との因果関係が否定できないと判定されたのは2例目となる。
この中学生は昨年8月10日、米ファイザー製ワクチンの3回目接種を受けた。翌日発熱したが夕方には回復。12日午前、呼吸をしていない状態で母親に発見され、救急搬送先で死亡が確認された。死因は心筋心膜炎による不整脈と心不全だった。持病はなく、感染症やアレルギーなども認められなかったことから、専門家は「ワクチン接種により心筋心膜炎が生じたと考えて矛盾しない」とした。
今回の事例について、司法解剖を行った徳島大法医学教室は今年3月、ワクチン関連の死亡だとする論文を医学誌に発表した。
◆世田谷区の小中学校でも校庭にクギ・くい、61校で計2千点の危険物発見 |
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東京都世田谷区は26日、区立小中学校全90校の校庭の安全点検を進めたところ、クギやくいなど約2000点の危険物を発見し、除去したと発表した。けがをした子どもはいないという。
杉並区の小学校で4月、児童が校庭に残されていたクギで大けがをした事故を受け、安全点検を進めていた。学校職員が目視や足で踏むなどして調べた結果、6月20日までに61校で危険物が見つかり、クギは計1121本、くいは計713本あったという。
世田谷区は、目視で発見しにくい危険物を見つけるため、金属探知機を使用した調査を8~11月に約80校で実施することを予定している。区教育委員会教育環境課の高野明課長は「まだ多くの危険物が校庭にある可能性が高いので、調査をより徹底させていく」と話した。
◆放課後デイ職員の男、自宅に送る車内で小学生女児に性的暴行…容疑認める |
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障害のある子どもが通う、さいたま市内の放課後等デイサービス施設の女児に性的暴行をしたとして、埼玉県警岩槻署は31日、春日部市、施設職員の男(51)を不同意性交容疑で逮捕した。
発表によると、男は7月15日午後3時半~4時半頃、さいたま市岩槻区の路上に止めた送迎車の中で、小学校高学年の女児に性的暴行をした疑い。調べに対し、「性欲に負けてしまった」と容疑を認めているという。当時は施設から女児の自宅に送る途中で、車内は2人だけだった。女児が母親に相談し、同署に被害届を出した。
◆大麻リキッド、電子たばこ店20店舗から押収…「草魔人」と称し1本1万6千円で販売 |
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電子たばこ販売「グッドチル」グループの店舗で違法な「大麻リキッド」が売られていた事件で、厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部(麻取)は25日、9都府県の20店舗で違法性が疑われる商品計141点を押収したと発表した。
麻取によると、15都道府県にある同グループの28店舗を20~21日に捜索したところ、東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、青森、大阪、広島、高知の計20店舗で「 草魔人 」と称する電子たばこ用リキッドが押収された。販売価格は1本(約0・3グラム)約1万6000円で、鑑定で違法な大麻成分が検出された。
店舗には直営店とフランチャイズ店がある。麻取は直営店の運営会社「グッドシット」(神奈川県藤沢市)の関係者から、「草魔人」を販売した経緯などについて事情を聞いている。
厚労省関係者によると、グッドチルでは今年、「草魔人」とは別の商品を購入・使用した人が救急搬送される事案もあった。当該商品については販売停止命令が出されたという。
◆「ニュースウオッチ9」コロナ禍報道、番組編集長ら懲戒処分 |
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コロナ禍を巡る「ニュースウオッチ9」の不適切放送について、NHKは21日、取材を担当した報道局映像センターの職員と上司をいずれも出勤停止14日、同番組の編集責任者を減給、編集長をけん責とする懲戒処分を発表した。
NHKは5月15日の同番組で、新型コロナウイルスのワクチン接種後に家族が亡くなったと訴えている人たちの発言について、感染者の遺族であるかのような印象を与える放送を行っていた。
発表によると、担当した職員は、誤った認識に基づいて取材・制作を進め、取材意図をインタビュー相手に明確に伝えず、相手の発言の趣旨を踏まえずに編集して放送。「NHK放送ガイドライン」で定めた取材・制作のルールに反していた。上司は取材・制作の指導やリスク管理を怠っていた。また、編集責任者は番組の試写などでのリスクチェックができていなかった。編集長は指導・監督が十分でなかったという。
◆病院でレジオネラ菌に空気感染か、2人目の死者…大崎市の永仁会病院 |
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宮城県大崎市の永仁会病院の患者6人がレジオネラ症による肺炎を発症した問題で、県は21日、重症だった40歳代女性が20日に死亡したと明らかにした。80歳代男性が1日に死亡しており、死者は2人目。他の4人は快方に向かっている。
病院の空調設備に使われる冷却水からは、県の検査で基準値の68万~97万倍のレジオネラ属菌が検出された。6人は空調設備近くの通気口や窓などから院内に入った菌を吸い込んで感染したとみられ、県が詳しく調べている。
◆国循理事長監修の論文で不正の疑い、第三者委員会で調査へ…画像使いまわしなど指摘 |
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国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)は19日、大津欣也理事長(64)が就任前に関わった複数の論文について研究不正の疑いがあり、第三者委員会を設置して調査すると発表した。8月上旬にも始める。
論文の疑義を投稿する外部のウェブサイトに6月、大津氏が責任著者として監修した論文7本で不適切な画像の使用があるのではないかと指摘されたという。
サイトなどによると、12人の共著で2020年に米医学誌に掲載された、マウスの実験で心不全と炎症の関係を調べた論文では、同じ画像が使い回されている、とされた。同センターは、外部組織による慎重な調査が必要と判断した。
大津氏は、英国の大学教授などを経て、21年4月に同センタートップの理事長に就任。読売新聞の取材に「第三者委員会できちんと調べてもらいたい。結論を踏まえ、対応を考える」と述べた。
◆宮城・大崎市の病院でレジオネラ症集団発症、80代男性死亡…空調設備が原因か |
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宮城県は19日、大崎市古川旭の「永仁会病院」を6~7月に利用した県内の40~90歳代の男女6人がレジオネラ症による肺炎を発症し、うち80歳代男性が死亡、40歳代女性が重症になったと発表した。病院の空調設備に使われる冷却水から基準値の68万~97万倍となるレジオネラ属菌が検出され、県が詳しい経緯などを調べている。
県や病院を運営する医療法人「永仁会」によると、80歳代男性は人工透析の通院患者で、肺炎症状を訴えて6月26日に別の病院を受診し、今月1日に死亡した後、感染が判明した。重症の40歳代女性をのぞく他の感染者4人(70歳代男性3人と90歳代女性)は快方に向かっている。
6人の共通点は永仁会病院の利用だけだったため、県の保健所が調査したところ、冷却水が入った水槽に藻が生えるなどの汚れが確認された。空調設備近くの通気口や窓などから院内に入り込んだ菌を吸い込み、感染した疑いがあるという。
病院は国の指針に従い、月1回の設備点検を実施していたが、水槽の汚れの確認は怠っていたという。2021年の検査で菌は不検出、22年もほぼ検出されていなかった。今回の問題を受け、水槽などは業者が薬品で洗浄した。
記者会見した永仁会の宮下英士理事長は「病院を信頼し、利用していただいていたのに、結果的に裏切る形になってしまい、本当に申し訳ない」と謝罪した。
県疾病・感染症対策課によると、レジオネラ症はせきや高熱などを引き起こす。人から人に感染しないが、治療が遅れると重症化する恐れがある。同課は「利用後、せきや高熱があれば速やかに医療機関を受診してほしい」と呼びかけている。
◆マイナ誤入金、埼玉・所沢市で全国初の事例判明…同姓同名で生年月日も同じ |
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松野官房長官は19日の記者会見で、マイナンバーの誤登録問題を巡り、公金が別人の口座に振り込まれた事案が全国で初めて判明したと明らかにした。
誤支給は13日に埼玉県所沢市で発覚した。後期高齢者医療制度に加入する80歳代の女性に医療・介護の療養費として支給すべきだった計5万7516円を、マイナンバーのひも付けミスで誤登録された別人の口座に振り込んでいたという。別人は同姓同名で、生年月日も同じだった。松野氏は「しっかりと確認作業を行い、データの正確性を確保したい」と強調した。
◆9歳娘を飢えさせ入退院43回、共済や保険570万円受領か…母「食うなよ寝とけ」 |
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小学3年の娘(9)に食事を与えず、「ケトン性低血糖症」で入院させて共済金をだまし取ったとして、大阪府警は18日、母親で同府大東市のパート従業員の女(34)を詐欺容疑で逮捕した。娘は2018年から43回入退院し、母親は共済金や保険金計約570万円を受け取っており、府警は金銭目的で食事を与えず入院させたとみて調べている。
ケトン性低血糖症は、長時間の絶食などが原因でケトン体と呼ばれる物質の血中濃度が上昇し、けいれんや 嘔吐 を発症し、意識障害に陥ることもある。
発表では、母親は1月22~27日、食事を与えずケトン性低血糖症にさせた娘を6日間入院させ、共済団体から入院共済金6万円を詐取した疑い。「故意に低血糖にさせていない」と容疑を否認している。
娘は入院する前の1月19~21日、国が3日間で必要とするカロリーの約13%の計700キロ・カロリーしか摂取していなかったという。19日は給食を食べ、21日は菓子のみで、20日は何も食べていなかった。
入院先の看護師が2月5日、携帯電話のスピーカー機能を使って娘が母親と電話し、「食うなよ、寝とけ」と迫られているのを目撃。病院が同6日、児童相談所へ通報した。児相は同9日、ネグレクト(育児放棄)の疑いで保護し、府警に通報した。娘の体調は回復しているという。
府警は母親が2月1~5日、低血糖症で入院中の娘に携帯電話のメッセージで「しんどくてたべれないってちゃんといいや」「たいほされるで」などと食事を取らないよう求めたとして、3月末に強要容疑などで逮捕。その後、母親は娘に下剤を飲ませて下痢にさせたなどとする傷害容疑で2回再逮捕され、起訴されていた。
府警は、母親が受け取った共済金を外食費やエステ代に充てていたとみている。
◆山形でマイナカード自主返納相次ぐ…吉村知事「メリットや利便性の周知が大事」 |
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トラブルが相次いでいるマイナンバーカードについて、山形県の吉村知事は14日の定例記者会見で、4月1日から7月11日までに、県内19市町村で計59枚の自主返納があったと明らかにした。
吉村知事は、マイナンバー制度について「行政サービスの機能向上や国民の利便性を高める上で重要な基盤となるものだ」と意義を強調。自主返納が相次ぐ現状について、「県民にとってのメリットや利便性など、良さをもっと周知していくことが大事だ。それが普及や不安の 払拭 につながる」と述べた。
マイナカードの県内の保有枚数は77万2321枚で、人口に対する保有枚数率は73・1%(6月末時点)。
◆「カテーテル治療後に死亡」告発、神戸徳洲会病院が外部調査へ |
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循環器内科の男性医師が行ったカテーテル治療後に複数の患者が死亡したとする告発が神戸市などにあり、同市の神戸徳洲会病院(新保雅也院長)は14日、国の医療事故調査制度に基づき、第三者の専門家らを入れた外部調査を行うと発表した。
市などによると、男性医師が同病院に赴任したのは今年1月。男性医師が心臓病患者や透析患者にカテーテルと呼ばれる細い管を使った治療を行った結果、5人が死亡したとする告発書が6月30日に届いたという。
市保健所は医療法に基づき、7月5日と10日に立ち入り検査を実施。調べることができた死亡患者3人のカルテを確認したところ、死亡原因などを説明した記録が残っていない不備が見つかったという。
同病院は7日から当面の間、カテーテル治療を中止し、14日、内部で検証する「医療安全調査委員会」を開いた。会合後、記者会見した委員の一人で徳洲会グループの玉井洋太郎医師は「院長に対して厳しい指導をした。死亡後の対応が十分になされていない」と批判した。
◆マイナカード交付数の公表方法見直し…死亡や返納を除外、保有率は4ポイント減の70・0% |
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総務省は14日、マイナンバーカードの交付枚数の公表方法を見直し、廃止分を除いた保有枚数を新たに明らかにした。廃止は約490万枚(6月末時点)あり、実際の保有枚数は約8815万枚だった。実態に即した形で国民に発表する必要があると判断した。
同省によると、これまで公表していた交付枚数には死亡や自主返納などに伴って、廃止された分も含めていたという。廃止分も含めた枚数を基に、人口に対する交付割合も公表していたが、廃止分を除いて、再度算出した。それによると、6月末での保有割合は約70・0%で、従来より約4ポイント下がった。廃止分を含めた累計の交付枚数の発表も継続する予定だ。
政府は昨年度末までにカードを「ほぼ全国民」に普及させることを目標に掲げていた。ただ、カードの普及状況を巡って、実態に沿った数字を提示するよう求める声が出ていた。
◆健康診断での「肺がん疑い」所見、本人に7か月間通知せず…京都の病院 |
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京都府京丹後市の市立弥栄病院で実施した65歳以上の市民対象の長寿健康診断事業で、「肺がん疑い」との所見を本人に通知しないまま7か月間放置していた事務手続きミスがあったことが13日、わかった。通知を受けられなかった70歳代男性は市外の別の病院で通院治療を受けているという。
弥栄病院によると昨年10月上旬、男性が受けた長寿健診のコンピューター断層撮影法(CT)検査について、放射線科の医師が肺がんの疑いを指摘したのに、担当の医師がすぐに確認せず、今年4月末まで放置していた。本来は異常な所見が出た場合、3週間以内に本人に通知する運用になっていた。
病院は今後、通知遅れに伴う補償を含め、これからの対応について男性側と協議する。
◆病院送迎バス内に90代女性を1時間以上放置…車内温度は34度まで上昇 |
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福岡県朝倉市の朝倉健生病院で今年6月、女性患者(90歳代)が送迎バスの車内に1時間以上置き去りにされていたことが分かった。当時、車内の温度は34度に達していたが、女性の体調に問題はなかったという。
同病院によると、女性は6月27日、人工透析を受けるために来院。処置を終え、高齢者施設に帰るため、午後2時半頃に男性運転手の送迎で病院を出発した。しかし、運転手は別の患者を目的地に送った後、女性を施設に送り届けるのを失念。病院へ戻り、女性を車内に残したまま施錠した。
施設から連絡を受け、病院の職員が午後4時頃に車内で女性を見つけた。女性は車いすを使用しており、携帯電話も持っていなかったという。
病院は、女性や家族に謝罪したといい、「送迎時には複数でチェックをするなど、職員間で再発防止策の徹底を図った」としている。
◆現行保険証は25年秋まで一律有効…マイナと一体化後、終了時期が事実上1年延びる |
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厚生労働省は11日、健康保険証とマイナンバーカードを一体化する「マイナ保険証」を巡り、発行済みの現行保険証を、一体化の猶予期間が終わる2025年秋まで一律で使えるよう各保険者に対応を要請する方針を固めた。
現行保険証が使えなくなる時期が、保険の種類にかかわらず、24年秋から事実上1年間延びることになる。国民の不安を和らげ、マイナ保険証への理解を広げる狙いがある。
改正マイナンバー法などは、24年秋の一体化期限後、最長1年の猶予期間を設けた。自営業者らが加入する国民健康保険や、75歳以上の高齢者が加入する後期高齢者医療制度の保険証は、有効期限が切れると、25年秋を待たず廃止される。
厚労省は、そうした事態を避けるよう各保険者に対応を依頼する。具体的な運用は各保険者に委ねられるが、有効期限を特例的に延ばしたり、24年秋の直前に保険証を再発行して25年秋までに有効期限が切れないようにしたりする手法などが想定されている。
会社員やその家族が加入する健康保険組合などの有効期限が定められていない発行済みの保険証は、25年秋まで使用できる。
転職や引っ越しで現行保険証が失効した場合は、その時点で猶予期間内であっても使えなくなる.。
◆給食強要され失禁した園児、保育士が「赤ちゃんみたい」…桑名のこども園で「虐待」2件認定
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保育士が園児に給食を食べるよう長時間強要するなどの不適切保育があった三重県桑名市の私立「長寿認定こども園」が内部調査による中間報告書をまとめ、給食の完食を強要するような行為など2件を「虐待」と認定していたことがわかった。
関係者によると、今年2月、給食の完食を長時間強要されて失禁した園児に保育士が「赤ちゃんみたい」などの暴言を吐いたという。また、泣いていた園児に保育士が「毎日言われても、何もしない」と 叱責 するような言動もあったとしている。
不適切保育はこの2件を含めて計28件あり、園児にトイレを行くのを我慢させたり、どなったりしていた。ある保護者は「信頼して預けており、すべての問題を明らかにしてほしい」と話した。園側は取材に「コメントできない」としている。
◆特養職員がトイレ介助の依頼に「お金を出せ。高いぜ」…入所者への虐待17件、行政処分
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岡山県赤磐市は10日、同市西軽部の特別養護老人ホーム「まごころの里 赤磐」で、職員から入所者への虐待が17件あったと発表した。市は運営する社会福祉法人「まごころ」に対し、同施設への新規入所者の受け入れを停止させる行政処分を出した。介護保険法に基づく措置で、期間は8月から2024年1月までの6か月間。
発表によると、22年12月頃、職員が声をかけずに通常より速いスピードで車いすを押し、段差でつまずいて入所者を転落させるなど身体的虐待をしたほか、同年8月頃にガーゼの交換を1週間怠ったり、20年頃にはトイレ介助を頼まれた際、「お金を出せ。高いぜ」と言ったりするなどネグレクトや心理的虐待を行った。
今年4月、市に通報があり、調査した結果、数年にわたり、職員4人が70~90歳代の入所者8人に対して虐待をしていたことが判明した。
市は「積極的な加害行為が認められなかった」として、警察への告発はしていない。同法人は「職員の虐待に関する認識が十分ではなかった。入所者や家族らに大変な迷惑をかけ申し訳ない。二度と同じようなことが起こらないように努めたい」としている。
◆マイナ証明書交付サービス、44自治体で未改修…システム提供の富士通から報告 |
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河野デジタル相は11日の閣議後記者会見で、マイナンバーカードを使ったコンビニエンスストアでの証明書交付サービスを巡り、システムを提供する富士通Japan(東京)から44自治体で過去のシステム改修が適用されていないとの報告を受けたと明らかにした。デジタル庁はサービスの停止と速やかなシステム改修を要請した。
同社の提供するシステムを巡っては、別人の証明書を誤交付する事案が相次ぎ、6月17日までに123自治体で一斉点検を行った。その後、同月28日に福岡県宗像市で別人の証明書を発行するトラブルが発生していた。過去に同社が行ったシステム改修が反映されていなかったことが原因という。
◆全盲の父親を橋の上から川に投げ落とし殺害容疑、36歳長男を逮捕…「心中に応じず殺した」 |
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大阪市淀川区の橋の上から父親を川に投げ落として殺害したとして、大阪府警は10日、長男で無職の玉井将太容疑者(36)(大阪市淀川区)を殺人容疑で逮捕した。容疑を認め、「病気で仕事ができず、自殺を考えるようになり、父親を道連れにしようとした」と供述しているという。
発表によると、玉井容疑者は10日午前1時頃、同区西三国の三国橋で、同居する重弘さんの両足首をつかんで神崎川に投げ落とし、殺害した疑い。
府警によると、通行人の男性が、重弘さんが投げ落とされる様子を目撃。玉井容疑者に声をかけると「心中です」と言い残し、近くに止めた車で走り去ったため、110番した。重弘さんは約2時間後に川で発見されたが、現場で死亡が確認された。玉井容疑者はその後帰宅し、母親に投げ落としたことを打ち明けた。母親は10日午前8時頃、警察に通報した。
調べに対し、玉井容疑者は「父親を橋まで連れて行き、『心中してほしい』と伝えたが、応じなかったため殺すことにした」と説明。「自分も別の橋から川に飛び込んだが、死にきれなかった」とも話しているという。
玉井容疑者は両親と弟、妹の5人暮らし。家族の話によると、重弘さんは全盲だったという。
三国橋は、JR新大阪駅から北西約1・7キロにある。幅約8メートルで車道と歩道が分かれており、重弘さんは車道側から投げ落とされたとみられる。
玉井容疑者の自宅は、三国橋から南西約900メートルの住宅街にある。現場となった橋にはレンタカーで向かったという。自宅近くの女性(80)は「まさかこんな身近に住んでいた人だったとは。付き合いがなく、どんな家族かは知らなかった」と言葉少なに話した。
府警は11日朝から自宅を殺人容疑で捜索し、経緯を詳しく調べる。
◆「手術で6人死亡」と告発書、神戸徳洲会病院が循環器内科のカテーテル手術を当面中止 |
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神戸徳洲会病院(神戸市垂水区)で、循環器内科の男性医師が行ったカテーテル手術後に複数の患者が死亡したとする告発を巡り、同病院が循環器内科でのカテーテル手術を当面中止すると決めたことが、病院関係者への取材でわかった。
神戸市によると、今年1月以降、男性医師らが心臓病患者や透析患者らにカテーテルと呼ばれる細い管を使った手術を行った結果、6人が死亡したとする告発書が6月30日に届いたという。これを受け、市保健所が5日、医療法に基づき立ち入り検査を実施していた。
病院関係者によると、病院が7日、職員を集めた臨時の説明会を開き、循環器内科でのカテーテル手術を当面中止すると伝えたという。
市保健所の2回目の立ち入り検査は10日に行われる。一方、病院は治療が適切だったかどうかなどを内部で検証する「医療安全調査委員会」を14日に開く。
◆蒸気噴出でヒ素含む水、三井石油開発社長「深くおわび申し上げます」…蘭越町で記者会見 |
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北海道 蘭越 町の山中にある地熱発電調査現場で大量の蒸気が噴出し、敷地内の水から基準を大幅に上回るヒ素が検出された問題で、事業者の三井石油開発(東京)は8日午後、町内で記者会見を開き、原田英典社長が「多大なご心配とご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます」と謝罪した。
◆研修医が執刀した小児患者の心臓手術、血液送る管が外れる…脳に重い後遺症 |
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宮城県立こども病院は6日、生まれつき心臓に病気のある県内の小児患者への手術中、血液を送る管が外れ、脳に重い後遺症が残る医療事故があったと発表した。
記者会見した今泉益栄理事長らによると、患者は心臓内にある左右の心房を隔てる壁に穴がある「心房中隔欠損症」で、昨年2月25日に穴を塞ぐ手術が行われた。その際、人工心肺に血液を送る管が外れて出血し、その原因を調べるため少なくとも18分間は脳への血液の供給が不十分となったという。患者は日常生活で介護が不可欠な「後遺障害1級」の障害が残った。性別や年齢などは非公表だった。
手術は3人で行われ、研修医が執刀した。この研修医は心房中隔欠損症を含めて40~50例の手術経験があったといい、今泉理事長は「経験や手術数を踏まえると問題はなかった」とした。患者側と病院は今年6月2日に示談した。
今泉理事長は「患者、ご家族に多大なる苦しみを与えてしまったことに深くおわび申し上げる」と述べた。
◆カテーテル手術後に「患者6人死亡」…神戸徳洲会病院で告発、神戸市が立ち入り検査 |
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神戸徳洲会病院(神戸市垂水区)で1月以降、循環器内科の男性医師が実施したカテーテル手術後に複数の患者が死亡したとする告発があったとして、神戸市保健所が立ち入り検査を実施していたことが7日、市や病院への取材でわかった。
市によると、告発書は6月30日に届いた。男性医師らが心臓病患者や透析患者らのカテーテル手術を行った結果、6人が死亡したとする内容だったという。
市保健所は今月5日に行った立ち入り検査でこのうち1月に亡くなった1人分のカルテを確認した。10日に2回目の検査を行い、残りの患者のカルテについても調べる。
14日には同病院などを運営する「徳洲会グループ」に所属する医師らで構成する「医療安全調査委員会」が開かれ、治療が適切だったかどうかなどを内部でも検証する。病院の広報担当者は「市の検査には全面的に協力した上で、病院として医療事故の可能性を含めて調べていく」としている。
◆妻を40年介護した夫、車いすごと海へ突き落とす…長男らの施設入所提案には反対していたが |
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神奈川県大磯町で昨年11月、体が不自由な妻を海へ突き落として殺害したとして、殺人罪に問われた同町生沢、無職藤原宏被告(81)の裁判員裁判の初公判が5日、横浜地裁小田原支部(木山暢郎裁判長)であり、藤原被告は「間違いありません」と起訴事実を認めた。
起訴状によると、藤原被告は昨年11月2日、大磯港で妻照子さん(当時79歳)を座っていた車いすごと岸壁から突き落とし、溺死させたとされる。
検察側は冒頭陳述で、1982年頃に脳 梗塞 を発症して左半身不随となった照子さんの介護を自宅で続けてきた藤原被告は、事件1か月ほど前から「施設に入所させるくらいなら、殺害してしまおう」と決意したと指摘。事件については「長男に会いに行くとうそをついて連れ出し、悪質で結果が重大だ」と訴えた。
これに対し、弁護側は、40年にわたって献身的に介護をしていた藤原被告は将来に不安を募らせるなか、長男らに照子さんを施設に入所させることを提案されたが、「自分が最期まで面倒をみる」と反対していたと主張。藤原被告は照子さんを殺害後、長男に「自分も飛び込もうと思ったが、死にきれなかった」と説明していたとして、情状酌量を求める方針を示した。
法廷では、藤原被告が涙をぬぐう姿が何度も見られた。判決は18日の予定
◆医療機関7割、オンライン診療対応せず…「対面の方が優れている」など理由 |
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医療機関の7割がオンライン診療に対応していないとする実態調査の結果を厚生労働省がまとめた。対面診療の重視や患者ニーズの少なさなどが理由に挙がっている。
オンライン診療は2020年4月から、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに初診から利用できるようになった。
調査は22年11~12月に実施。全国2200の医療機関が対象で、823医療機関から回答を得た(回収率37%)。
オンライン診療に対応していなかったのは68%にあたる545医療機関。このうち404医療機関は、今後も対応しないとしている。
今後も対応しない理由(複数回答)について、「対面診療の方が優れている」が72%で最も多かった。「患者のニーズがない・少ない」が53%、「メリットが手間やコストに見合わない」が43%で続いた。
一方、今回、回答した医療機関を受診した患者約1400人にも調査した。オンライン診療の経験があったのは5%だった。受診した感想(複数回答)では「様々な感染症のリスクを心配する必要がなかった」が95%、「待ち時間が減った」が82%、「時間帯を自分の都合に合わせられた」が70%などとなった。
厚労省の担当者は「患者側はオンライン診療にメリットを感じるなど、好意的に受け止めているのではないか」と話している。
◆4歳女児をテーブルから落とし死なせた疑い、母親逮捕…日常的虐待か体重12キロ・あざ複数 |
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4歳の三女に暴行を加えて死亡させたとして、三重県警は29日、津市久居野村町、工場従業員中林りゑ子容疑者(42)を傷害致死容疑で逮捕した。三女の体には複数のあざがあり、体重も一般的な4歳児より軽い12キロだった。県警は日常的に虐待されていた可能性もあるとみて調べている。
発表によると、中林容疑者は5月22日頃、津市の自宅で、三女のほのかちゃんをテーブルから約30センチ下の床に転倒させ、26日に急性硬膜下血腫で死亡させた疑い。容疑をおおむね認めている。
中林容疑者は、ほのかちゃんと長女、次女の4人暮らし。中林容疑者が25日夜、「子供が食べ物を喉に詰まらせた」と119番した。
県は29日、記者会見を開き、ほのかちゃんは生後間もない2019年2月、経済的に養育が難しいとの判断から県の児童相談所に一時保護されたと明かした。
21年3月に保育所に通わせることなどを条件に自宅に戻ったが、22年2月には「頬と耳にあざがある」との通告が寄せられ、児相が中林容疑者と面談。指導に応じる姿勢を示したため、一時保護はしなかった。
また、ほのかちゃんは同7月から保育所に通っていなかったが、中林容疑者が児相と接触することに神経質になったため、面会を見送ったという。児相は「第三者委員会を設置して事案を検証し、再発防止策を講じる」としている。
◆コロナ雇調金5億円詐取か、社労士を逮捕…従業員数人を200人に水増し指南か |
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新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた企業の休業手当を国が助成する「雇用調整助成金」(雇調金)を仲間と共謀してだまし取ったとして、神奈川県警は29日、大阪府を拠点としている社会保険労務士の30歳代の男を、詐欺の疑いで逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。男は指南役とみられ、被害総額は約5億円に上る可能性があり、雇調金の詐取事件では全国でも最大規模という。
捜査関係者によると、社労士の男は2020年、横浜市内の人材派遣会社の代表ら男3人と共謀し、同社が3か月間休業したとして国に雇調金を申請する際、従業員数を偽って記載した書類を提出して約1億1000万円をだまし取った疑い。実際の従業員は数人だったが、約200人に水増しするなどしていた。
県警は、今年3~6月に代表ら3人を詐欺の疑いで逮捕していた。雇調金の申請方法についてノウハウを持つ社労士の男が、3人を指南し、不正受給を繰り返して約5億円を詐取した可能性があるとみて、詳しい経緯を調べる
◆帝王切開後に子宮を全摘出、和解成立…診療所元院長が解決金1500万円 |
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愛媛県今治市の産婦人科診療所(2017年に閉院)で、帝王切開後に子宮を全摘出された同市内の30歳代女性が元院長に約4300万円の損害賠償を求めた訴訟があり、名古屋高裁で和解が成立した。元院長側が解決金として1500万円を支払う。5月11日付。
訴状などによると、女性が第1子を産んだのは2016年秋。元院長が担当し、帝王切開で出産後、出血が続き、子宮を全摘出する措置が取られたと主張。女性側は注意義務違反があったとして19年7月に提訴し、22年9月の1審・名古屋地裁豊橋支部で請求が棄却され、控訴していた。
女性の父親は読売新聞の取材に「(元院長から)これまで謝罪の言葉はない。納得はできないが、訴訟を早く終わらせて、区切りにしたかった」と話した。
元院長側は「コメントは差し控える」としている。
この診療所では16年以前にも、帝王切開後に妊産婦が死亡したり重症に陥ったりする事例が複数起きた。愛媛県医師会が16年10月に元院長から事情を聞き、その後、指導した。診療所は17年2月に閉院した。
◆7か月の息子の胸を圧迫し殺害した疑い、母親逮捕…心臓マッサージして「手で押しただけ」 |
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生後7か月の息子の胸や腹を圧迫して殺害したとして、福岡県警は28日、福岡県太宰府市朱雀4、無職井上 徳子 容疑者(35)を殺人容疑で逮捕した。井上容疑者は、「(心臓マッサージで)手で押しただけ。殺意はなかった」と供述しており、容疑を否認しているという。
発表によると、井上容疑者は昨年5月14日、当時住んでいた同県大野城市筒井2のマンションで、息子の 新大 ちゃんの胸や腹を殺意を持って何らかの方法で圧迫し、殺害した疑い。
県警によると、井上容疑者は当時、新大ちゃんと、その双子の弟の3人暮らし。同日午後に井上容疑者から「子どもが息をしていない」と119番があり、心肺停止の状態で病院に搬送され、死亡が確認された。
捜査関係者によると、井上容疑者は任意の聴取に「何で死んだのか分からない」などと話したが、県警は新大ちゃんの解剖結果などから井上容疑者が殺意を持って故意に強い力を加えた可能性が高いと判断した。
◆中国人女性2人に豊胸やしわ取り、医師免許ない38歳女を逮捕…施術代20万~30万円か |
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医師免許を持たずに豊胸などの美容医療を行ったとして、埼玉県警は28日、中国籍で同県川口市、エステ会社役員の女(38)を医師法違反(無資格医業)の疑いで逮捕した。
捜査関係者によると、女は昨年1月14日~同3月19日、自宅マンションで同国籍の20歳代と30歳代の女性2人に対し、医師免許を持っていないのに「ヒアルロン酸を注射する」などと説明し、豊胸や顔のしわ取りの施術をした疑い。
2人から県警に「腫れが引かない」「胸が痛い」などと相談が寄せられ、捜査していた。女は施術代としてそれぞれ20万~30万円を受け取ったとみられている。県警は他にも被害者がいる可能性が高いとみて調べる。
◆元市職員、副理事長だった障害者施設で虐待やパワハラ…「想像絶する行為ばかり」 |
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東京都府中市の障害者福祉施設で、元副理事長(退職)が利用者への虐待を繰り返していたことがわかった。問題を調査した運営法人の第三者委員会は市の対応について、「積極的指導に踏み切ることがなく、問題を長期化させた責任は重い」と批判。市に最初の通報があった2013年3月から20年までの間に、利用者の家族からの苦情などは十数件に上っていたが、市は聞き取りや口頭での注意程度にとどめていたという。
この施設の運営法人は社会福祉法人「清陽会」で、元副理事長の男性は元市職員。昨年6月に利用者への平手打ちなどの暴行や「この野郎」といった暴言を繰り返していたことが判明した。市は20年7月に虐待を認定し、都に報告していたという。
読売新聞が入手した第三者委の調査報告書では、「府中市に訴えても、口頭の注意程度しかしてくれない」といった施設職員の声などを例示するとともに、「通報・相談を受けていた行政機関の対応が不十分だった」と指摘している。
市によると、13年に寄せられた最初の通報に基づき、清陽会に事実関係の聞き取りをしたものの、文書の保存期間が過ぎており、当時虐待認定をしたかや、都への報告の有無は不明という。
その後の通報の中には、施設の問題を訴えながらも、「話を大きくしないでほしい」といった申し出もあったという。市障害者福祉課の担当者は、読売新聞の取材に対し、「被害者や職員を守りながら、きちんと対処すべきだった」と述べた。
清陽会の内田鏡子副理事長は「改善を前向きに進めている。利用者からの信頼を得られるように 真摯 に向き合っていきたい」と話した。清陽会では昨年9月、過去10年で利用者に対する約1億円の工賃未払いも発覚している。
第三者委は21年6月、市からの提案を受け、清陽会が弁護士ら4人に委員を委嘱して設置した。
報告書では、職員のヒアリングや利用者家族のアンケートなどから、元副理事長が約10年前から虐待を繰り返していたと認定。利用者の顔を殴ったり、外に立たせたりする身体的虐待に加え、「お前は最低の男だ」と、ののしるなどの心理的虐待もあったという。
また、元副理事長による職員へのパワーハラスメントも横行し、「バカ」「能なし」といった暴言のほか、顔を殴られて「恐怖で反抗できなくなった」という職員の声などとともに、退職に追い込まれたケースもあったことが記されている。
元副理事長は20年12月に退職し、第三者委の面談要請は断っていた。清陽会には21年11月、「虐待は記憶にありません」とする文書を送っていたという。
ある虐待被害者の父親は「想像を絶する行為ばかりで、犯罪と同じ。清陽会は体制を刷新すべきだ」と憤り、市の対応についても、「市の姿勢が、こうした状態を存続させた面もある」と不満を述べた。
◆人工呼吸器の患者に医師「止めてみます?」、患者「止めてみろ」…2分間止める |
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大阪府立中河内救命救急センター(東大阪市)で2021年3月、部長だった40歳代の男性医師が、新型コロナウイルスで入院していた60歳代の男性患者の人工呼吸器を一時的に停止していたことがわかった。患者が気管切開に同意しなかったことが理由で、患者は呼吸状態が悪化した。運営法人は重大な倫理違反と認定し、医師を戒告の懲戒処分とした。
センターによると、患者はコロナで重症となり、集中治療室で口からのどに管を通す人工呼吸器を使用していた。医師は、細菌感染すれば、肺炎などを起こす懸念があるとして、のどの一部を切って管を入れる気管切開を提案。患者が拒むと、筆談で「呼吸器を止めてみます?」と尋ねた。患者が「止めてみろ」と反応し、停止したという。
患者の呼吸状態が悪化し、医師は約2分後に呼吸器の使用を再開。後日、別の医師が気管切開した。患者は症状が回復し、まもなく転院した。
センターから報告を受けた運営法人が21年秋に倫理委員会を設置。「故意に苦痛を与える行為で重大な倫理違反」として同年12月、医師の戒告処分を決めた。
運営法人は処分を公表せず、患者への謝罪は22年12月になってからだった。
一方、医師は倫理委員会の聞き取りに「気管切開が最善であると判断した」と説明。処分の撤回を求める訴訟を大阪地裁に起こしている。現在は別の系列病院に異動している。
運営法人の谷口和博理事長は「医療に対する信用を失墜しかねないもので反省し、謝罪する」としている。
◆認定こども園で、理事長が整列を嫌がった男児の足を蹴ったり両頬をつねったり |
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鹿児島県姶良市内の認定こども園で、男性理事長が園児の足を蹴るなどの不適切な行為をしていたことが27日、わかった。
市や同園によると、5日午前、園内の集会で、整列を嫌がった男児(4)に対し、理事長が左足を蹴ったり、両頬をつねったりしたという。同日夕、男児を迎えに来た保護者に対して園長が経緯を説明し、翌日、理事長が謝罪した。
7日に保護者が市に相談。8日までに市や県が聞き取りを行うなどして事実確認を行った。理事長は「不適切な指導だった」と述べているという。
◆「おねしょ注意で性器引っ張られた」と5歳男児、1万円賠償求め提訴…保育園側は争う姿勢 |
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熊本県合志市の保育園で昨年8月、おねしょを注意された際にけがを負わされたとして、男児(5)が園を運営する社会福祉法人に1万円の損害賠償を求めて提訴した。被告側は争う姿勢を示しており、熊本地裁で26日にあった第2回口頭弁論では、原告側が園内で生じたけがだと反論した。
訴状では、男児は昨年8月29日、昼寝中のおねしょを言い出せず、保育士から性器を指で引っ張られ、切り傷や内出血を負ったとしている。
被告側は答弁書で、けがは園外で生じた可能性もあると主張。原告側は、園から帰宅する際にけがをするような状況ではないと指摘した。園は取材に、「詳細については弁護士に任せている」とした。原告の法定代理人を務める両親は「誠意のある対応がなかった。問題として認識してほしい」と話した。
◆病死女性の検視中に部屋に侵入、200万円引き出した元巡査に有罪判決 |
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病死した女性の検視中に盗んだ鍵で部屋に侵入し、金品を盗んだとして、窃盗と邸宅侵入の罪に問われた元大分県警別府署地域課巡査の被告の男(24)の判決が26日、大分地裁であった。初谷湧紀裁判官は「警察官としての立場を悪用したもので、とりわけ強い非難に値する」と述べ、被告に懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役3年6月)を言い渡した。
判決などによると、被告は1月20日、同県別府市のアパートで病死した70歳代女性の検視中、部屋の鍵が入ったキーケースを窃取。後日、その鍵で部屋に侵入し、財布やキャッシュカードなどを窃取。さらに、カードを使って金融機関の口座から計200万円を引き出して盗んだ。
大分県警は、3月16日に被告を懲戒免職処分にした。萩尾伸司・首席監察官は「公判の結果を重く受け止め、職員に対して職務倫理に関する指導を徹底する」とのコメントを出した
◆「滝山病院」5人目の立件、50代元看護師の男を逮捕…入院患者の額をたたいた疑い |
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東京都八王子市の精神科病院「滝山病院」で起きた入院患者への暴行事件で、警視庁八王子署は26日、新たに同病院の元看護師で50歳代の男を暴行容疑で逮捕した。患者への暴力で立件された職員は5人目。
八王子署幹部によると、男は昨年2月7日午前7時頃、当時勤務していた同病院内で、入院患者の50歳代男性の額を手のひらで1回たたいた疑い。「意識レベルを確認するために額を触ったが、暴行はしていない」と容疑を否認している。
八王子署は、弁護士から院内で撮影された映像の提供を受け、捜査を続けている。これまでに退職者を含む職員4人を逮捕・書類送検し、うち3人が暴行罪で略式起訴されている
◆保険証廃止に半数が「反対」…内閣支持率急落、中高年層で大きな下げ幅 |
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読売新聞社の全国世論調査で、岸田内閣の支持率が急落した要因を分析すると、5月の先進7か国首脳会議(G7サミット)開催による上昇分が、マイナンバーカードを巡るトラブルなどで消失したことがみてとれる。
直近3回の内閣支持率を年代別にみると、40歳以上の中高年層で支持率の変動が激しい。前回5月の調査では、40~59歳が4月調査から9ポイント増の55%、60歳以上では同14ポイント増の64%とそれぞれ上昇する一方で、18~39歳は4月調査の42%から5月調査では43%とほぼ横ばいだった。今回の調査では40~59歳で前月比17ポイント減の38%と大きく落ち込んだほか、60歳以上でも同14ポイント減の50%となり、同11ポイント減の32%だった18~39歳よりも下げ幅が大きかった。
マイナカードを巡るトラブルへの政府対応評価と内閣支持率の関係をみると、政府が適切に対応していると「思う」とした人(全体の24%)の支持率は64%だったが、「思わない」とした人(同67%)の支持率は32%にとどまった。
マイナカード問題への懸念も、中高年層ほど大きいことがうかがえた。トラブルに政府が適切に対応していると「思わない」人は、18~39歳で60%、40~59歳で70%、60歳以上で68%。今の健康保険証を2024年秋に廃止し、マイナカードに一本化する方針についても、「反対」は18~39歳で44%だったのに対し、40~59歳で56%、60歳以上では61%と半数以上を占めた。
岸田首相が最重要政策に位置づける少子化対策についても評価は低く、国民の負担増については、内閣支持層でも「反対」が49%と半数近くに上った。
◆「風の子学園」監禁2人死亡のコンテナ、事件から30年も放置…島民要望でようやく撤去 |
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広島県三原市の離島・小佐木島で1991年7月、民間施設「風の子学園」の入園者2人がコンテナに監禁されて死亡した事件で、約30年にわたり島に放置されていたコンテナが22日、撤去された。地権者が島民の要望を受けて実施した。
学園は89年に開設。不登校の子供らが合宿生活を送っていた。事件は91年7月29日夜、当時の園長が、喫煙した罰として少年(当時14歳)と少女(当時16歳)を40時間以上、屋外の窓がない鉄製コンテナに閉じ込め、2人は熱射病で死亡。体罰が常態化していることも判明した。男性園長は監禁致死罪などで懲役5年の実刑判決を受けた。
コンテナは高さ2・35メートル、幅2・4メートル、奥行き3・65メートル。事件後、放置されていたが、2021年7月と昨年1月に島民らが市に対し、コンテナ撤去を要望。その後、地権者の女性が島を訪れ、撤去を決めたという。
作業員約10人が現場に手を合わせた後、午前10時半から解体作業を始めた。重機でコンテナを壊し、約30分で解体を終えた。
元区長の岡本正穂さん(93)は「(事件を思い出すので)通らないようにしている人もいた。ほっとしている」と話した。
◆「トイレ上手にできずお仕置きしただけ」…3歳虐待死初公判、母の交際相手が殺意否認 |
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大阪府摂津市で2021年、新村 桜利斗 ちゃん(当時3歳)に熱湯をかけて殺害したとして、母親(24)の交際相手で殺人罪などに問われた無職松原拓海被告(25)の裁判員裁判初公判が22日、大阪地裁(坂口裕俊裁判長)であった。松原被告は「熱湯を浴びせ続けた事実はなく、殺意もありません」と起訴事実の一部を否認した。
大阪地裁
起訴状では、松原被告は21年8月、摂津市鳥飼本町のマンション一室で、同居していた桜利斗ちゃんの全身に殺意をもって熱湯を浴びせ続け、顔や胸、腹に重度のやけどを負わせて殺害したとされる。
松原被告は母親と共謀し21年6月、桜利斗ちゃんの頭部をクッションで殴って転倒させたとする暴行罪にも問われ、この起訴事実については認めた。
冒頭陳述で検察側は、松原被告は21年5月に母子と同居を始め、その頃から桜利斗ちゃんに対し、平手でたたいたり、物を投げつけたりしていたとし、事件時、母親は外出し、松原被告と桜利斗ちゃんの2人きりだったと指摘。熱湯を浴びせたシャワーの温度は60~75度に設定し、やけどは全身の90%の広範囲に及んだとし、「死亡する危険性がわかりながら犯行に及び、殺意があった」と主張した。
弁護側は、松原被告はシャワーを出したまま浴室を出て桜利斗ちゃんを一人にし、浴室外から湯の温度を上げて15~20分放置したと説明。トイレが上手にできなかった桜利斗ちゃんをお仕置きするため、浴室をサウナ状態にして脱水症状にさせようとしただけだとし、殺人罪ではなく、傷害致死罪の成立にとどまると訴えた。
一方、母親は暴行罪について21年11月に略式起訴され、罰金10万円の略式命令を受けた
◆ストレス発散の「はけ口」で受刑者虐待…名古屋刑務所暴行で「人権意識が希薄」指摘 |
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名古屋刑務所で刑務官が受刑者に暴行などを繰り返していた問題で、有識者らで作る第三者委員会(座長・永井敏雄元大阪高裁長官)が21日、原因や対策をまとめた提言書を斎藤法相に提出した。人権意識の希薄さなどを問題点として指摘し、全国の施設で再発防止に取り組む必要があるとした。
「若手がストレスを発散する『はけ口』として、いじめ、虐待とも言える行為を繰り返した」。提言書は今回の問題をそう総括した。
同刑務所では2021年11月~昨年9月、刑務官22人が40~60歳代の男性受刑者3人に対し、顔をたたいたり、威嚇したりするといった行為を400件以上した。このうち、暴行に及んだ13人が特別公務員暴行陵虐などの容疑で書類送検され、名古屋地検が捜査中だ。
法務省はこれまで、「受刑者が特定される恐れがある」として3人の属性を性別と年齢層以外は明らかにしていなかったが、提言書は「知的障害の疑いのある者もいた」と言及。3人は意思疎通や指導内容の理解が困難だったのに、刑務官らは指示や規則に従わせることができないことに立腹し、暴行や不適正処遇をしたと判断した。
同刑務所の職員同士が雑談時に受刑者を「懲役」や「やつら」などと呼んでいたとも指摘。「受刑者を見下し、 侮蔑 する表現で、全く不適切だ」と批判した。
同刑務所は、犯罪傾向の進んだ受刑者などが収容される施設である上、暴力団加入歴のある者も一定数いた。採用3年未満の割合は全職員の17・3%と同種施設(約10%)よりも高く、経験の乏しい若手が処遇の前線で対応していた。
暴行や不適正処遇をした22人は20~30歳代で、提言書は、問題の原因や背景にこうした「厳しい勤務環境」があると述べている。
ただ、問題発覚後の調査では全国14施設で計122件の不適正処遇が判明した。提言書は「人権意識の希薄さや規律秩序を過度に重視する組織風土は全国の施設に共通する」と指摘。「規律秩序の維持は重要だが、その意識が行き過ぎると問題が生じる」と強調した。
機能不全
同刑務所では2001~02年、刑務官による暴行で受刑者が死傷する事件が発生し、受刑者の処遇を改善する契機となった。受刑者が不服を申し立てたり、弁護士や医師ら民間人で作る「刑事施設視察委員会」が施設運営をチェックしたりする制度が導入されたが、十分に機能しなかった。
不服申し立て制度は、今回の被害に遭った受刑者3人のうち2人が利用しようとしたが、刑務官が拒否し、申し立てを断念させていた。「受刑者から不満が出ている」との視察委の意見にも対応しなかった。
◇
受刑者呼び捨て「廃止を」
提言書は組織風土の改革や処遇体制の充実などを柱とする再発防止策も示した。
規律や秩序を過度に重視する組織風土を変えるため、研修を通じて刑務所長ら管理職の意識を改めさせるとともに、刑務官と受刑者が肯定的な関係を築けるよう、受刑者の呼び捨てを原則、廃止すべきだとした。
障害者など配慮が必要な受刑者には、心理学や福祉の専門家が関与する「チーム処遇」の確立を求めた。専門的な知見を生かし、受刑者の特性に合った柔軟な対応をするためだ。
受刑者に接する刑務官が頭や腕などに小型カメラを装着する仕組みも提言。上司が映像を確認しながら若手をサポートし、適正な対応につなげる狙いがある。
不服申し立て制度や視察委員会の運用改善などにも言及した。
提言書を受け取った斎藤法相は「相当踏み込んだ大きな改革となる提言をいただいた。しっかり実行にうつしたい」と話した。
受刑者の処遇に詳しい浜井浩一・龍谷大教授(刑事政策)は「抜本的な対策としては、『受刑者になめられたら終わり』という刑務官の意識を変える必要がある。受刑者を更生させる立場であることを改めて認識すべきだ」と指摘している
◆粉ミルクに鉛を混ぜて乳児に飲ませた疑い、親族の37歳女を逮捕 |
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粉ミルクに鉛を混ぜて、当時生後2~3か月の女児に飲ませたとして、香川県警は21日、同県坂出市の無職の女(37)を傷害容疑で逮捕した。容疑者は女児の親族で、容疑を認めているという。
県警の発表では、女は昨年7~8月頃、同市内で授乳用の粉ミルクに酢酸鉛を混ぜ、女児の母親などを介して、女児に飲ませ、慢性鉛中毒などの傷害を負わせた疑い。
県警によると、女児の母親がミルク缶の中に異物が入っているのを見つけて、発覚した
◆無免許で脱毛、フィルター付けずに光線当てて女性客やけど…エステ店経営者ら書類送検 |
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医師免許がないのに、皮膚に強い光を当てて脱毛し、女性客にやけどを負わせたとして、大阪府警は21日、大阪市西区のエステ店「BeSonder」経営の女(24)(大阪市)と、アルバイトの女(24)(大阪府柏原市)を医師法違反(無資格医業)と業務上過失傷害の疑いで書類送検した。
発表では、2人は昨年8月、医師免許を持たずに、光脱毛の機器に光線の出力を制御するフィルターを取り付けるのを怠って、20歳代の女性客の毛根に強い光を当て、背中に全治約1~2週間のやけどをさせた疑い。2人は医師法違反容疑について否認しているという。
厚生労働省は「強い光線を毛根部分に照射し、毛乳頭などを破壊する行為」を医療行為にあたるとする見解を示している。
エステ店での脱毛を巡る事故は相次いでいる。国民生活センターによると、2022年度の事故件数は163件で、17年度の123件から約3割増えている。日本エステティック振興協議会は、脱毛方法について「除毛や減毛を目的に、毛の幹細胞を破壊しない範囲で行う」とする自主基準を策定し、エステ店に法令順守を求めている。
◆マイナ保険証のトラブル、医療機関の65%経験…有効なのに「無効」「該当なし」の判定多数 |
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全国保険医団体連合会は21日、マイナンバーカードと一体化した保険証(マイナ保険証)を使える医療機関の65%でシステム上のトラブルを経験したとする最終集計結果を発表した。本来は有効な保険証なのに、「無効」や「該当なし」と誤って判定されるケースが多かった。
調査は41都道府県の医療機関1万26か所が回答した。システムを導入していた8437か所のうち5493か所(65%)が「トラブルがあった」とした。別人の医療情報がひもづけられたミスは31都府県の114か所で確認された。
また、システムで無効と判定された患者らに対し、保険資格を確認できなかったとして医療費を全額請求したケースは38都道府県の542か所であった
◆痔の手術後に10代男性死亡、愛知の県立病院で医療事故…調査委「対応不適切」 |
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愛知県医療療育総合センター中央病院は20日、2021年5月に当時10歳代の男性が手術後に死亡する医療事故があったと発表した。外部の専門家を含む同病院の医療事故調査委員会は、術後の病院側の対応が不適切だったと結論づけた。
発表によると、男性は自発呼吸ができない重度心身障害者。同月17日、 痔 ろうのため入院し、翌18日に根治手術を行った。手術は想定より広範囲に及び、術後3~5日後に脈拍が速くなるなどの症状が出た。6日目には手術創からの再出血があり、出血性ショックで死亡した。
調査委は、病院側が脈拍が速くなった原因の究明を怠り経過観察としたことや、血圧が測定できないほど症状が悪化しても心肺蘇生を始めなかったことなどについて、「適切ではなかった」と判断した。
◆旧優生保護法の不妊手術、衆参両院事務局が調査報告書…「本人にわからないよう施術」など指摘 |
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旧優生保護法(1948~96年)に基づき障害者らに不妊手術が行われた問題で、衆参両院事務局は19日、立法の経緯や被害実態についてまとめた調査報告書を公表した。
報告書は約1400ページ。「不良な子孫の出生を防止する」との目的で、1948年に旧法が成立したことなど、優生思想が国の施策に反映されていく過程を詳述している。
本人にわからないよう施術されたケースや、原則として認められていなかった子宮や睾丸の摘出が横行していたことを指摘。手術の是非を決める都道府県の審査会が、定足数を欠いたまま開催されたこともあったという。
◆白内障レンズ巡り贈収賄容疑、眼科医とスター・ジャパン元社長ら書類送検…大阪府警 |
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白内障用の眼内レンズを優先的に使う見返りに、業者から80万円を受け取ったとして、大阪府警は19日、奈良県大和高田市立病院の眼科医(54)(大阪市中央区)を収賄容疑で書類送検した。医療機器販売会社「スター・ジャパン」(東京都港区)の元社長(59)(東京都八王子市)ら男女5人も贈賄容疑で書類送検した。捜査関係者への取材でわかった。
捜査関係者によると、眼科医は2019~21年、同社のレンズを同病院で優先的に使用する便宜を図った見返りに、元社長ら5人から、3回にわたり計80万円を自分名義の口座に振り込ませた疑い。
院内には複数社のレンズが配備され、使用数に応じて各社に料金を払う仕組みだった。眼科医は手術の際、どの業者のレンズを使うかを決める職務権限があった。病院での同社のレンズの使用率は、以前は5割程度だったが、19~21年契約中は8~9割に急増していた。
一方、同社のレンズを巡っては、眼科医は、同社のレンズを使用した際に手術動画を撮影して提供し、謝礼金を受取る契約を個人で締結していた。
同社は、80万円について、動画提供の対価としていたが、府警は、賄賂性を隠すことが目的で、眼科医がレンズを優先的に使用したことへの見返りとして、元社長らが現金を提供したとみている。
眼科医は04年、同病院の常勤医師として採用され、07年からは非常勤医師として勤務していた。
刑法の贈収賄罪は、民間の医師に対する謝礼金であれば適用されない。しかし、公立病院の医師は非常勤職員も地方公務員となるため、府警は両罪が適用されると判断した。
眼科医は今年5月下旬、読売新聞の取材に現金の受領を認めた上で、「非常勤なので公務員ではないという認識だった」と説明。元社長は「答えられない」と話した。
スター・ジャパンを巡っては、全国の眼科医から自社レンズを使った手術動画の提供を受け、謝礼金を渡していたことが昨年5月に発覚した。業界団体「医療機器業公正取引協議会」が同年7月、「レンズを医師に使わせる販売目的だった」と認定。景品表示法に基づく自主規制に反するとし、「厳重警告」を出していた。
眼科医は動画を患者に無断で提供し、報酬を受けていたとして、昨年6月、病院から口頭注意を受けていた。
民間信用調査会社によると、同社は米国の医療機器メーカーの日本法人。白内障用レンズを医療機関に納入している。22年12月期の売り上げは38億円。
◆白内障用の眼内レンズ= 白内障は、目でレンズの役割をしている水晶体が白く濁る病気。ピントを合わせにくくなり、視界がかすんだり、像が二重に見えたりする。加齢などで発症しやすい。進行すれば、水晶体を取り除き、樹脂製の眼内レンズに置き換える手術を行う
◆20代社員のペットボトル飲料に漂白剤混入、41歳パート従業員の男を逮捕 |
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徳島県警小松島署は17日、勤務先の同僚の飲み物に漂白剤を混入したとして、徳島県小松島市、パート従業員の男(41)を傷害の容疑で逮捕した。容疑を認めている。
発表では、男は11日、勤務先のスーパーマーケット(同市)の従業員用通路で、20歳代の男性社員が棚に置いていた開封済みペットボトル飲料に液体の漂白剤を混入、飲んだ男性に約1週間の被害を与えた疑い。男性は違和感を感じてすぐに吐き出したが、のどの腫れや頭痛が残ったという。
男性から被害の申告を受けた店長が警察に通報した。鑑定でペットボトルから漂白剤などに使われる成分を検出。防犯カメラには男と似た人物が何かを混入するような様子が映っていたため、事情を聞いていた。同署は2人の間に何らかのトラブルがあったとみている
◆ひき肉パックに針?刺し込む、ディスカウントストア店員を逮捕…私服警官張り込み中 |
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三重県伊勢市のディスカウントストアに陳列されていたひき肉のパックに針のようなものを刺して混入させたとして、伊勢署は16日、この店のパート従業員(52)(玉城町)を偽計業務妨害の疑いで現行犯逮捕した。
発表によると、この従業員は16日午後4時10分頃、陳列されていた精肉パックに針のようなものを刺しこみ、業務を妨害した疑い。同署によると、従業員は「針を刺した」と容疑を認めているという。
この店では昨年10月以降、食品に針が刺しこまれた形跡があるとの連絡が客から複数あったという。それを受けて店内で張り込んでいた私服の署員が、従業員が針をひき肉に刺したのを確認し、現行犯逮捕した。同署は、この従業員が他にも同様の行為を行っていた可能性があるとみて調べている
◆女性の身なりで働く50代経産省職員、女性用トイレ使用制限は「適法」の判決を見直しか |
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戸籍上は男性だが、女性として生活する性同一性障害の50歳代の経済産業省職員が、庁舎内の女性用トイレの使用を不当に制限されているとして、国に制限の撤廃を求めた訴訟の上告審弁論が16日、最高裁第3小法廷(今崎幸彦裁判長)で開かれた。原告側は「女性として社会生活を送る重要な法的利益を制約された」と主張。国側は「対応は著しく不適切とはいえない」と反論して結審した。
判決は7月11日。最高裁の弁論は2審の結論を見直す際に必要な手続きで、トイレの使用制限を「適法」とした2審・東京高裁判決が見直される可能性がある。
原告は1999年頃に性同一性障害の診断を受けた。健康上の理由で性別適合手術は受けていないが、経産省の了承を得て、2010年から女性の身なりで働いている。
その際、女性用トイレの使用を訴えたが、同省からは「他の女性職員とのトラブルを避けるため」として、職場から2階以上離れたトイレの使用を求められた。このため、同省に使用制限を撤廃させるよう人事院に求めたが認められなかったため、提訴した。
この日の弁論で原告側は「他の女性とは異なる取り扱いで、尊厳を深く傷つけられた」と主張し、人事院の判断も検討が不十分で妥当性がないと訴えた。国側は「経産省の対応は(職場の)女性職員にも配慮した措置だった」と反論。心と体の性が一致しない「トランスジェンダー」への対応は社会的にも方針が定まっていなかったとも主張した。
19年12月の1審・東京地裁判決は使用制限の違法性を認定したが、21年5月の高裁判決は、各官庁に当時、原告のようなケースでの対応指針などがなかったことなどを踏まえて違法性を否定したため、原告側が上告していた
◆近畿日本ツーリストの過大請求、発覚は市役所への1本の匿名電話「東大阪でもある」 |
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新型コロナワクチンのコールセンター事業を巡り、旅行大手・近畿日本ツーリストの「関西法人 MICE 支店」(大阪市浪速区)の幹部3人が15日、詐欺容疑で大阪府警に逮捕された。14億円超に及ぶ一連の過大請求が明らかになったきっかけは、東大阪市への1本の電話だった。
今年3月下旬、東大阪市役所の代表電話に「パソナのような過大請求が、東大阪でもある」と匿名の人物から情報が寄せられた。
人材派遣大手の「パソナ」(東京)は約1か月前、再委託先による人件費の水増し請求で、大阪府と兵庫県の3市から計10億8000万円の過大請求があったと公表していた。
東大阪市の担当者は半信半疑で、支店が再委託していた別会社に抜き打ち調査を実施。4日後、近畿日本ツーリスト西日本支社が支店に代わり、「うちがやった」と不正を申告してきた。
手口は同じ人件費の水増しだった。支店の営業課長、太田幹雄容疑者(54)らが、市と取り決めたオペレーターの人数より、少ない人数で再委託先に発注し、市には正規の人数分で人件費を請求。支店長の森口裕容疑者(54)は黙認し、不正を隠すため、再委託先に対し、市に提出する勤務実態に関する資料の改ざんを指示していた。
同社の発覚後の調査で、同市に対する過大請求は約3億3600万円に上った。森口容疑者は「事の重大性を知れば知るほど、恐ろしくなった。自分の中で収めるしかないと思った」と社内調査に説明した。
同社の資料などによると、関西法人MICE支店は、個人旅行の手配はせず、自治体事業の受託などに特化している。2022年10月時点の社員は約30人。3~7人のチームが六つある。うち一つのチームリーダーが太田容疑者、複数のチームを統括していたのが臼杵賢一容疑者(58)。トップが森口容疑者だった。
他支店でも不正、捜査関係者「支店担当者間でノウハウ共有か」
東大阪市での過大請求を受け、同社は全国で社内調査を開始。その結果、同支店では大阪府や羽曳野市、泉大津市、河南町の事業で計約7600万円の過大請求が判明。ここから、全国の支店での同じ過大請求が次々に明らかになった。現時点で判明しているのは総額約14億7000万円。このうち、静岡支店が受託した静岡県焼津市や掛川市など、16自治体の事業では意図的な過大請求があった。同社は詳しい調査を続ける。
過大請求が各地の支店で判明するのはなぜなのか。「支店の担当者間でノウハウが共有されていったのではないか」。ある捜査関係者はそう話す。
15日、関西法人MICE支店が入る高層ビル7階フロアはひっそりとしていた。男性副支店長は取材に対し、「何も申し上げることはない」と話すにとどまった。
一方、東大阪市の野田義和市長は「市民の信頼を裏切るもので強い憤りを感じる。捜査に協力していく」とのコメントを出した。
◆ MICE =Meeting(会議)、Incentive Travel(報奨・研修旅行)、Convention(国際会議)、Exhibition/Event(展示会)の頭文字を取った造語で、集客が見込まれるイベントなど大規模事業の総称
◆2歳児に給食2時間、ワカメやゴボウで口の中いっぱいのまま…大津市で不適切保育 |
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大津市の保育施設で2月、施設長が2歳男児に、約2時間にわたって給食を食べさせていたことがわかった。市は、不適切な保育があったとして施設を指導。施設長は自主退職したという。
市によると、施設長は、給食でワカメやゴボウなどを食べさせ、男児は約2時間、口の中が食べ物でいっぱいの状態が続いた。施設の代表は市に対し、「長時間にわたって食べさせ、窒息の危険性もあった」と話しているという。
全国の保育施設では、幼児が給食をのどに詰まらせる事故が相次いでおり、鹿児島県や愛媛県では今年、リンゴを食べた後に死亡したり、意識不明になったりする事故が起きている。
◆近畿日本ツーリスト支店長ら3人逮捕、ワクチン接種業務で東大阪市から5億円超詐取か |
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旅行大手の近畿日本ツーリスト(東京)が、国の新型コロナウイルスワクチンのコールセンター事業を巡り、自治体に過大請求していた問題で、大阪府警は15日、同府東大阪市から約5億8900万円を詐取したとして、関西法人MICE支店(大阪市浪速区)の支店長、森口裕容疑者(54)(奈良県天理市)と支店の社員2人を詐欺容疑で逮捕した。この事業の過大請求を巡る逮捕は全国初。
同社は、全国の支店が、各地の自治体に約14億7000万円を過大請求した疑いがあると公表。このうち同支店や静岡支店などが受託した東大阪市など16自治体の事業で、意図的な不正請求があったとした。府警は今月1日、両支店を詐欺容疑で捜索していた。府警は同社の組織的関与についても調べる。
他の2人はグループリーダー臼杵賢一(58)(堺市東区)、営業課長太田幹雄(54)(大阪市阿倍野区)両容疑者。
捜査関係者によると、3人は共謀し、2021年9月~22年4月、東大阪市から受託したワクチン接種業務で、担当した電話オペレーター数を偽って人件費を水増しして同市に請求し、21年度の委託費用の一部(約5億8900万円)を入金させた疑い。水増し額は約1億5900万円だが、府警は受領した全額を詐取金と判断した。
同社によると、関西法人MICE支店は関西の自治体や企業からの事業を受託する。21年3月から同市のコールセンター業務や関連業務を受託し、別会社に再委託。その際、市との取り決めよりも少ないオペレーター数で発注し、同市には正規の人数分で人件費を請求した。森口容疑者は再委託先に書類を改ざんするよう指示し、虚偽報告もしていた。
同社は4月、過大請求を把握。関連業務を含めた同市に対する過大請求は約3億3600万円に上った。調査に対し、森口容疑者らは「事業で利益を上げようと思った」などと説明した。
同社は緊急点検を行い、5月、社内調査で各地の自治体に対する過大請求が相次いで判明したことを発表。その際、会社ぐるみの不正を否定していた。
同社ホームページによると、同社の23年3月期の売上高は約1595億円。従業員は約1800人(4月現在)。
◆ペット用サプリ「アイズワン」の「品質満足度No.1」に根拠なし…消費者庁が措置命令 |
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「品質満足度・No.1」などと根拠なく宣伝したとして、消費者庁は14日、ペット用サプリメント販売会社「バウムクーヘン」(福岡市中央区)に対し、景品表示法違反(優良誤認)で再発防止を求める措置命令を出した。
同庁と公正取引委員会九州事務所の発表によると、同社は昨年7月~今年5月、ペット用サプリメント「アイズワン」について、「品質満足度」や「食べさせやすさ」など7項目で「No.1」とウェブサイト上で表示して販売した。同種商品の調査に基づく結果として掲載していたが、実際は同種商品を扱う各社のウェブサイトの印象を問うものだった。
また、インターネットを使った「アフィリエイト広告」で、合理的な根拠がないのに犬の白内障が治る効果があるかのように表示していた。同社は同庁などに対し、「問題ないと思っていた。重く受け止めている」などと話したという。
◆梅田の阪急百貨店、女子トイレ異臭で14人体調不良…個室から出た女性にスプレー噴射か |
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14日午後1時30分頃、大阪市北区の阪急百貨店梅田本店9階の女子トイレで異臭が発生し、周辺にいた14人が目やのどの痛みを訴えた。いずれも軽症とみられる。
大阪府警曽根崎署によると、80歳代の女性が個室トイレから出てきたところ、女にスプレーのようなものをかけられた。女はその後、立ち去ったという。同署は傷害容疑で捜査している。
◆女性保育士2人、園児のあごつかんで無理に食べ物押し込む…理事長「ひどいことした」 |
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水戸市米沢町の私立認可保育園「さんさん保育園」で4~5月上旬、女性保育士2人が園児に無理やり食事を与えたり、引き倒したりするなどの不適切保育があったことが7日、市や園への取材でわかった。市は調査を進めており、今後、行政指導を行う方針。
市や園によると、不適切な保育を行ったのは20歳代と30歳代の女性保育士2人で、担当する1歳児のクラスで発生した。2人は園児に食事を与える際、顔やあごをつかんで口に食べ物を押し込んでいた。2人は「他の仕事をするために急いでいた」と説明したという。そのほか、園児の腕を強く引いて倒すような行為もしていた。
同園は2人を厳重注意し、別の保育士にもクラスを担当させるなどの配置替えを行ったほか、保護者会で謝罪した。市は先月22日に情報提供を受け、同24日に立ち入り調査を実施。園に対し、運営方法の改善計画書の提出を求める方針を決めた。
同園を運営する社会福祉法人「みんなのえがお」の皆川鉄雄理事長は「ひどいことをしたと重く受け止めている」と述べた。
◆30代患者の健康な臓器を摘出、市民病院が解決金1200万円支払いへ |
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宮城県大崎市は8日、大崎市民病院で2015年3月、県内在住の30歳代(当時)の患者の健康な臓器の一部を 腹腔 鏡手術で誤って摘出する医療事故があり、患者側に1200万円の解決金を支払うと発表した。15日開会の市議会定例会に関連議案を提出する。
同病院が8日の市議会全員協議会で報告した。同病院によると、手術担当者らの思い込みや確認漏れなどが原因という。同病院は治療費や定期健診費なども負担する方針。患者の性別や摘出された臓器などは「患者側の意向」として明らかにしていない。
同病院の担当者は「ご迷惑をかけ、おわびする。再び同様の医療事故が起きないよう努めている」と話している。
◆高齢入所者のワインに消毒液入れる、介護福祉士の男「文句言われた仕返し」 |
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勤務する高齢者福祉施設で入所者のワインに消毒液を混入したとして、京都府警は7日、与謝野町加悦の介護福祉士の男(34)を器物損壊の疑いで逮捕した。「介護以外のことにも文句を言われ、仕返しをするために入れた」と容疑を認めているという。
発表では、男は3月23~25日頃、町内の施設で、入所者の無職男性(73)が所有する瓶入りのワイン1本に消毒液を混入し、飲めなくした疑い。同25日夜に別の職員が変色に気づいたため、男性はワインを飲まず、健康被害はなかった。
施設からの報告を受けた町が虐待事案として宮津署に通報。府警が施設関係者への聞き取りなどの捜査を続けていた。
ワインは冷蔵庫で保管され、職員は誰でも出し入れできる状態だった。府警によると、他の入所者に健康被害は確認されていない。
◆「身分なき共犯」監護者性交罪を適用、母と交際相手の男が罪状認める…松江地裁初公判 |
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交際相手の10代の娘と性交したとして、交際する男女がともに監護者性交罪などで起訴された事件があり、男女の初公判が7日、松江地裁(今井輝幸裁判長)であった。
男女は、いずれも30代。男は娘の監護者の女とともに「身分なき共犯」として起訴されていた。捜査関係者によると、同罪の身分なき共犯で起訴されるのは珍しいという。
起訴状によると、2人は共謀。男は1月2~4日、島根県東部で、女が娘を監護する立場にあることを利用し、娘が18歳未満であることを知りながら性交したなどとされる。初公判で2人はともに起訴事実を認めた。
監護者性交罪は2017年施行の改正刑法で新設。親などが子どもと性交した場合、新設前は児童福祉法違反(淫行させる行為)の「10年以下の懲役または300万円以下の罰金」が主に適用されたが、同罪は「懲役5年以上」と重い罰則が科される。
園田寿・甲南大名誉教授(刑法)は「子どもらへの性犯罪が厳しく処罰されることを示す新たな事例になる」と指摘している
◆国立保健医療科学院の元部長、入札で業者に便宜…他社が受注できないよう仕様変更 |
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国立保健医療科学院(埼玉県和光市)の入札で特定の業者に便宜を図ったとして、警視庁は8日、同科学院の元部長で医療創生大学教授の佐藤 元 容疑者(62)(東京都世田谷区)を官製談合防止法違反(職員による入札等の妨害)容疑で逮捕した。
発表によると、佐藤容疑者は同科学院の政策技術評価研究部長だった2019年1月下旬、「臨床研究情報検索ポータルサイト」の運用保守業務に関する一般競争入札で、東京都品川区のソフト開発会社しか受注できないように仕様書を変更した上、非公表だった仕様書の案を入札前に同社に渡し、入札の公正を害した疑い。
入札は同3月に行われ、同社のみが参加して900万円で落札した。
同科学院は、厚生労働省の機関で、医師や看護師、薬剤師などに対する教育を担っている
◆介護福祉士の外国人材6900人、コロナ禍前の5倍超…ベトナム人が4割 |
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介護福祉士の国家資格を取得して働く外国人材が2022年度で約6900人と、新型コロナウイルスの感染拡大が本格化する前の19年度の5倍超となっていたことが、出入国在留管理庁などの調査でわかった。担い手不足が深刻な介護現場は外国人材に頼らざるを得ない状況で、厚生労働省は今年度中に、受け入れの課題などに関する実態調査を実施する方針だ。
政府は17年度に在留資格「介護」を創設した。介護福祉士の資格を取得して働く外国人材は在留期間の更新回数の制限がなくなって事実上の永住が可能になり、家族の帯同も認められる。
調査によると、国内で働く外国人介護福祉士は17年度に約400人だったが、19年度は約1300人、22年度は約6900人と急増していた。国別ではベトナムが約4割を占める。
急増している要因の一つは、専門学校などの養成校で介護を学ぶ外国人留学生の存在だ。入学者の約3割を占め、コロナ禍でも帰国せずに勉強を続けた留学生が合格している。
介護分野で働く外国人技能実習生が、国家試験の受験要件の「3年以上の就労・研修」を満たし、合格するケースも増えている。有資格者には手当がつく施設が多く、給与増の期待が資格を取得して日本で働く意欲につながっているという。
一方、高齢化で介護需要が高まる中国など、国際間の介護人材の奪い合いも激しくなっている。厚労省は今年度、外国人介護福祉士の実態調査を実施する方針だ。職場環境や日本語による意思疎通などの課題を分析して対策を打たなければ、将来の人材確保が難しくなるとみているためだ。
龍谷大学短期大学部の伊藤優子教授(社会福祉学)は「日本語を手書きすることが苦手な外国人のため、体調や睡眠時間といった介護記録を、タブレット端末を利用して母国語で入力できるようにするなど、国は外国人が働きやすい環境作りをさらに後押しすべきだ」と指摘している。
◆介護福祉士=高齢者や障害者を介護する技術を身につけた専門職で、登録者は約188万人(今年3月現在)。年1回行われる国家試験では、コミュニケーションの技術や認知症についての知識なども問われる。
◆女児に電話で「おしりをもんであげる」…抱きついてキスした成田市議を逮捕 |
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自身が運営する「まんが図書館」で小学生の女児にキスをしたなどとして、千葉県警は7日、成田市議の星野慎太郎容疑者(55)(成田市中台)を強制わいせつ容疑で逮捕した。「あいさつぐらいの気持ちで(キスを)した」と容疑を認めているという。
発表によると、星野容疑者は2022年11月中旬頃から同年12月頃までのいずれかの日の午後5時頃~6時頃、自身が館長を務める成田市内のまんが図書館で、10歳代の女児に正面から抱きついて頬にキスをした疑い。
まんが図書館は、市民などから寄贈された漫画本を扱い、地域の住民に貸し出す私設図書館。女児は被害に遭う約1年前から、友人らと図書館に通うようになり、星野容疑者と面識があったという。星野容疑者から電話で「おしりをもんであげる」など卑わいな言葉をかけられたり、わいせつな行為をされたりするようになり、今年1月になって学校に相談した。
星野容疑者は2015年に初当選し、現在3期目。市議会事務局によると、19年5月から3年間、市議会の教育民生常任委員会の副委員長を務めた。
9日開会の市議会定例会の一般質問に向けては、「子どもたちの居場所づくり」に関する質問をすると市側に通告していた。自身が開設したとみられる公式ブログでは、「子どもたちの未来」につながる政策を中心に市民の声を市に届けるなどと記している。
市教育委員会の関川義雄教育長は7日、「容疑が事実であれば、子どもを自分の欲望の対象にする絶対に許せない行為」と語り、厳しい表情を見せた。
◆ハンセン病療養所の調理師長、入所者用牛肉に加えイチゴ2パックも盗む…犯行は長期間か |
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岡山県瀬戸内市の国立ハンセン病療養所「長島愛生園」の職員が入所者用の牛肉を盗んだとして逮捕された事件で、岡山県警瀬戸内署は6日、イチゴ2パック(1500円相当)も盗んだとして、同市の厚生労働省職員(59)(窃盗罪で起訴)を窃盗容疑で再逮捕した。容疑を認めているという。
発表では、職員は調理師長として同園に勤務していた2月16日、翌日の入所者の昼食時に提供するために調理室に保管していたイチゴを盗んだ疑い。防犯カメラに職員がイチゴを冷蔵庫から取り出す様子が映っていたという。
県警は5月17日、牛肉約600グラム(6500円相当)を盗んだとして、職員を窃盗容疑で逮捕していた。県警は職員が自分で食べるために、長期間にわたって園の食材を盗んでいたとみている。
◆SNSを1日に3時間超利用する子ども、心の病のリスク倍増…米報告書が警告 |
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SNSの不適切な利用は、子どもの心の健康に影響を与えると懸念されている。
米国の公衆衛生政策を指揮するビベック・マーシー医務総監は5月23日、「SNSには子どもや若者のメンタルヘルスに悪影響を及ぼす重大なリスクがある」とした報告書を発表した。
「自己表現の場になる」などのメリットを挙げる一方で、10~19歳は脳が発達段階にあり、頻繁な利用は「感情や衝動をつかさどる部分の脳の発達に影響を及ぼしうる」と分析。社会的な評価などを過剰に気にするようになる可能性があるとした。「1日に3時間以上利用する子どもは、うつ病などの問題を抱えるリスクが倍増する」とも警告している。
子どもの心の問題に詳しい山口有紗医師は「居場所がないと感じる子どもは、『いいね』など分かりやすい形で承認が得られるSNSに依存的になることもある」と指摘。「思春期は他人との比較などに敏感で、SNSの影響を受けやすい。大人と子どもでSNSのメリットとデメリットを共有し、適切な利用方法を考えることが必要だ」と話す。
政府は、悩みを抱える人の相談窓口として、こころの健康相談統一ダイヤル(0570・064・556)を開設。以下のサイト( https://www.notalone-cas.go.jp/ )でも相談窓口を紹介している。
◆処方と違う薬渡された患者、薬剤過敏症で入院…薬剤師が「ダブルチェック」怠りミス |
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兵庫県三田市は2日、市休日応急診療センター(天神)で、薬剤師が医師の処方内容と違う飲み薬を50歳代の女性患者に渡すミスがあったと発表した。女性は薬剤過敏症で入院したが、現在はほぼ回復したという。
発表では、女性は5月21日午前、発熱などでセンターを訪れた。受け取った漢方製剤を夜までに2回服用したところ、全身の発疹や下唇のはれを発症した。
女性は薬が処方内容と違うと気付き、深夜に市民病院の救急外来を受診。薬剤過敏症と診断されてそのまま入院し、点滴を受け、23日に退院した。
本来は薬剤師2人で処方内容を確認すべきところを怠り、1人で済ませたのがミスの原因とみられる。女性は「薬をもらう際、説明もなかった」と話しているという。
センターは市が市医師会に医師派遣を委託するなどし、休日に診療している。市は女性に謝罪し、「ダブルチェックの徹底で再発防止を図る」とした。
◆大阪入管の女性医師、酒に酔って診察か…ふらつきながら歩いていると以前から指摘 |
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大阪出入国在留管理局(大阪市)に勤務する女性医師が、酒に酔った状態で収容者の外国人を診察していた疑いがあるとして、同局が内部調査していることがわかった。
関係者によると、医師は常勤で、体調が悪くなった収容者の診察を担当。今年1月、診察中に動作が遅いなどの不審点があることから、他の職員が呼気検査を実施したところ、アルコール分が検出されたという。以前から、ふらつきながら歩いているとして周囲から飲酒を疑う声が出ていた。
同局は医師を診察業務から外している。読売新聞の取材に「医師としての勤務に望ましくない状況があったが、詳しい事実関係や処分などについては答えられない」としている。
同局の収容者は40人程度。常勤の医師は他におらず、非常勤の医師に依頼するなどして対応している。
◆こぼした牛乳を注ぎ直し飲ませる、別の園児の鼻水を触らせる…30代の女性保育士減給 |
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徳島県佐那河内村の村立「佐那河内保育所」の30歳代の女性保育士が、園児がお盆にこぼした牛乳をコップに注ぎ直して飲ませる不適切な保育を行ったなどとして、村が今月23日付で減給10%(6か月)の懲戒処分にしていたことがわかった。この件を含め村は同保育所で、2021年5月~22年3月に計3件の不適切保育があったことを確認。28日に保護者説明会を開き、謝罪した。
村によると、保育士は乳児クラスを担当していた21年5~7月、おやつの時間に園児1人がお盆にこぼした牛乳をコップに注ぎ直して飲ませる行為を複数回行った。保育士は、村の調査に対し「牛乳をこぼしたら、飲まなくていいと園児が思うようになってはいけないと考えた。栄養面からも飲んでほしいという思いだった」と説明したという。
同月頃には同じ園児に対し、ほかの園児が垂れ流していた鼻水を指で触らせる不適切保育を行ったほか、22年1~3月、別の園児1人に週2、3回、紙おむつ2枚を重ねてはかせたという。保育士は、鼻水を触らせたことについて「当時は精神的、肉体的に負担がかかっていた。理由については思い出せない」と説明。おむつの2枚重ねについては、この園児にお漏らしが見られたため、保護者に相談することなく衛生的な観点から行っていたと話したという。
今年2月頃、村に情報提供があり発覚。村は、一部の不適切保育に関わったとして同じクラスを担当する別の30歳代の女性保育士を厳重注意処分にした。村健康福祉課は3件について虐待には当たらないとしているが、太尾勝利課長は取材に「あってはならないことで、二度とこのようなことがないように、再発防止に取り組む」と述べた。
同保育所は村唯一の公立保育所で、今年4月の園児数は49人。
◆5歳男児が重度の低酸素脳症、医療ミス訴訟で医大側は請求棄却求める |
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愛知医科大学病院(愛知県長久手市)で2018年、入院中の男児(5)が医療ミスで低酸素脳症になったなどとして、男児の両親が同大に約1億7000万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が26日、名古屋地裁であり、大学側は請求棄却を求め争う姿勢を示した。
訴状などによると、男児は生後7か月だった同年7月、ウイルス性の肺炎で同病院に入院。気管に人工呼吸器のチューブを挿入していたが、看護師らが男児の体の向きを整えた際、チューブが抜けた。両親は、チューブが抜けたのを看護師らが認識していたにもかかわらず、すぐに医師を呼ぶなどしなかったため約30分間心停止状態となり、重度の低酸素脳症に陥ったなどと主張している。
これに対し、大学側は「看護師はチューブが抜けたことを認識していなかった」とし、「もし認識して医師を直ちに呼んでいても、速やかに再挿入できた可能性は高くなかった」と反論した。
◆上下関係を利用して性的関係を要求、当時把握していたら「除名だ」…松井一郎氏 |
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地域政党・大阪維新の会の笹川 理おさむ ・大阪府議(41)が2015年、同僚女性にハラスメント行為をしていた問題で、当時、党幹事長だった松井一郎氏(前大阪市長)は25日、府庁で記者会見を開いた。女性から被害相談を受け、笹川氏を注意していたことを明かしたが、「対応に少し甘い部分があった」と謝罪した。
笹川氏は15年9月、同じ大阪市東淀川区を地盤とする後輩の宮脇希・市議(36)にLINE(ライン)で威圧的なメッセージを送り続けたり、性的関係を求めたりするセクハラ行為があったと週刊文春が報じた。
松井氏はこの日、当時、宮脇氏から「メッセージが頻繁に来る」「夜、事務所に来られるのが怖い」といった笹川氏の言動に関する相談を受けていたと説明。その上で、「つきまといをやめるように」と笹川氏を注意し、宮脇氏の被害は収まったという。
一方、宮脇氏の意向を踏まえ、笹川氏を処分しなかった。威圧的な文言や性的関係を求めるメッセージなどの詳細も確認しておらず、松井氏は「8年間、宮脇さんがずっと傷ついたまま過ごしていたなら、本当に申し訳ない」と述べた。
当時、笹川氏が上下関係を利用して性的関係を要求したことを把握していた場合の対応を記者団に問われると「組織で判断することだが、除名だ」と語った。
笹川氏は報道をきっかけに、今月17日付で党から厳重注意処分を受け、22日付で府議団代表を辞任した。党は一連の問題に関する調査を続けている。
◆横浜の認定こども園、保育士が園児の口に給食の食べ物押し込む |
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横浜市内の認定こども園で、保育士が園児に給食を完食させるため、口に食べ物を押し込むなどの不適切な保育があったとして、市が再発防止に向けて改善勧告をしたことが分かった。市は6月15日までに状況の報告を求めている。
市保育・教育運営課によると、口に食べ物を押し込んだほか、園児を逆さづりのように持ち上げるなど計13件の不適切な保育が確認された。退職した2人を含む計4人の保育士が関与していたという。
同園では保育士が園児のあごをつかむなど不適切な保育があったとして、市が2月に文書指導していた。改善が見られないため、3月14日からは特別指導監査を進め、今月16日付で、認定こども園法などに基づく改善勧告をした。
◆神戸大病院、複数の技士が無資格でX線照射…医師の指示で数年間 |
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神戸大医学部付属病院(神戸市中央区、934床)で、患者の検査時に放射線照射を行う資格のない複数の臨床工学技士が、医師の指示でX線装置を操作していたことがわかった。健康被害は確認されていないが、神戸大は「不適切な行為だった」として、病院関係者に法令を順守するよう注意喚起した。
診療放射線技師法では、放射線を人体に照射できるのは、医師と歯科医師、診療放射線技師に限定。人工呼吸器などの医療機器を扱う臨床工学技士は認められていない。
神戸大によると、付属病院の光学医療診療部では、消化器や呼吸器などの検査の際、医師が臨床工学技士に照射装置のボタンを押すよう指示し、放射線を照射させていた。年に1、2回の頻度で、少なくとも2017年までの数年間続いていた。線量自体は医師が決めていたという。
放射線は一度に大量に浴びると、吐き気ややけどなどの症状が出る恐れがある。
昨年12月、関係者から大学に通報があり、臨床工学技士らへの聞き取り調査で判明した。神戸大は「複数の患者を同時に検査する場合に、医師が臨床工学技士に手伝わせたようだ。やむを得ない対応だった」と説明。診療放射線技師法に違反する可能性があるが、「(罰則の適用は3年の)時効にかかっているという認識だ。関係者の処分は考えていない」という。
違法な照射が行われた期間について、読売新聞の取材に応じた病院関係者は「十数年にわたるはずだ」と証言したが、神戸大は「いつ始まったのかは分からない」としている。
違法な放射線照射を巡っては、17年夏に千葉県佐倉市の病院で約10年にわたり臨床工学技士による照射が行われていたことが発覚。同年9月に公益社団法人「日本臨床工学技士会」が全国の技士に注意を促す通知を出した。神戸大は「通知が出た時期以降は、違法な照射は行っていない」とし、今後、院内に報告文書を掲示して患者からの相談に対応する。
◆部下に声を荒らげるなど威圧的な言動、海自海将補を懲戒処分…通報窓口に隊員から申告 |
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複数の部下にパワハラ行為をしたとして、防衛省は23日、海上自衛隊の50歳代の男性海将補を減給1か月(15分の1)の懲戒処分とした。
発表によると、海将補は2021年12月から22年10月、同じ部隊に所属する複数の部下への指導や業務指示の際、声を荒らげるなどの威圧的な言動を行い、職場環境を悪化させた。海自のハラスメント通報窓口に隊員から申告があり、発覚した。同省の調査に海将補は「部下の今後の勤務に生かしてもらおうと思ってやった」と話している。
◆「エホバの証人」信者2世ら、むち打ちや輸血拒否の児童虐待防止「極めて不十分」 |
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宗教団体「エホバの証人」を巡り、同団体の信者を親に持つ「宗教2世」らでつくる3団体が22日、エホバの証人が児童虐待防止に関して発表した対応について、「国の指針を信者に周知していないなど、極めて不十分」とする声明を出した。
エホバの証人は信仰上の理由で輸血を拒否することで知られる。2世の相談に乗っている弁護士らが2月、子どもへの輸血拒否やむち打ちなどが児童虐待防止指針に反するとして厚生労働省に通報した。エホバの証人は今月10日付の文書で「我々が児童虐待を容認していないことについて(全国の地方組織に)伝えた」などと発表していた。
◆マイナ保険証導入の開業医、7割がトラブル経験…患者情報表示されず・別人の情報表示も |
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マイナンバーカードと一体化した健康保険証(マイナ保険証)について、埼玉県保険医協会が会員を対象に行ったアンケート調査で、オンラインで保険資格を確認するシステムを導入した開業医の7割が「患者情報が表示されない」などのトラブルを経験していることがわかった。
マイナ保険証は、誤って別人の情報がひもづけられるトラブルが全国で相次ぐ。これを受け、同協会は16日に開業医3426人を対象に実施。193人から回答を得た。
オンラインで保険資格を確認するシステムの導入は、経過措置が設けられたものの、原則として今年4月から医療機関の義務となった。調査の結果、システムを運用していると回答したのは72%。うち70%でトラブルがあった。内容(複数回答)は、「患者情報が表示されない」(48人)、「受け付け時の混雑」(40人)、「システム障害」(37人)などだった。23人は「氏名などの誤った表示」を挙げ、これらは別人の情報だった疑いがある。
政府は来年秋に現行の健康保険証を廃止してマイナカードに一本化する方針だ。だが、調査では「保険証は存続すべき」との回答が85%に上った。「取り扱い説明が不十分」「今まで通りで事足りる」などの理由が挙げられた。
同協会は「見切り発車では現場も混乱する。安定して運用できるようになってから、健康保険証廃止の議論をすべきだ」としている。
別人の顔写真に入れ替わり
埼玉県美里町は19日、別人の顔写真をつけたマイナンバーカード2枚を誤って交付したと発表した。2月28日に町役場で交付を申請した町民の女性2人の顔写真が入れ替わっていた。受け付け時の確認不足が原因で、顔写真以外の個人情報は2人とも申請者のものだった。受け取った後の今月18日に町に連絡があり、ミスがわかった。
町は2人に謝罪し、再交付の手続きを進めている。
◆てんかんのオンライン診療 アプリで発作時の動画を遠くの専門医と共有…医療機関は都市部に集中 |
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てんかんの患者数は国内に約100万人とされる一方、専門医は約800人と限られます。身近に専門医がいない患者のためオンライン診療の活用が求められており、昨秋、発作の様子を記録できるアプリと連動したシステムが登場しました。
てんかんは、脳の神経細胞が過剰に興奮し、体の自由が利かなくなるなどの発作を繰り返す病気です。子どもや高齢者に多くみられます。
治療の基本は、発作を抑える「抗てんかん薬」の服用です。約30種類ある中で、個々の患者に適した薬の種類や量を決めるには、専門的な知識が必要です。薬が効きにくい難治性の場合は、専門医が、きめ細かな調整を繰り返します。
ただ、日本てんかん学会の専門医がいる医療機関は都市部に集中しています。専門医に診てもらうため、長距離の通院を余儀なくされる患者が少なくありません。遠方への受診は、患者や家族にとって大きな負担になります。難治性の患者は、いつ発作が起こるかわからない不安が伴う上、人工呼吸器などを日常的に使う医療的ケア児もいます。
昨年9月、東京都内の新興企業「ノックオンザドア」が、てんかんに特化したオンライン診療システム「 nana ― medi 」を開発し、大阪市立総合医療センターが導入しました。
システムは2種類のアプリを使います。受診の予約や診療に使うものと、病状や治療を記録するものです。
記録用は、発作の際、家族らが、いつ、どのような状態だったかを簡単に入力できます。発作の様子を動画で撮影し保存する機能もあります。アプリの情報はインターネットを経由し、専門医に共有されます。
オンライン診療は、お互いにその情報を確認しながら進めます。薬は、患者が希望する薬局で受け取れます。同センター小児脳神経内科部長の岡崎伸さんは「発作の動画など確かな記録もあるため、スムーズに診察できます。自宅での表情やしぐさから、普段の様子がうかがえるメリットもある」と話します。
3月までに、沖縄から東北地方まで13人が利用しました。秋田県の千葉翔太ちゃん(5)もその一人です。難治性てんかん「ドラベ症候群」で、月2回ほど発作が起きます。自宅近くにある総合病院の専門医は非常勤で、普段は遠方の病院に勤務しています。母沙弥香さん(36)は「いつもと違う様子の時、以前より気軽に専門医の診察を受けられるのは心強い」と喜びます。
オンライン診療の内容は、同センターから総合病院へ報告されます。救急対応や定期的な検査が必要な時は、これまで通り、総合病院を受診します。
国は現在、28都道府県にてんかん支援拠点病院を整備しています。同社は、この拠点病院を中心にシステムを広げる計画です。国立精神・神経医療研究センター病院(東京)も5月に導入しました。同病院てんかん診療部長の中川栄二さんは「患者がどこに住んでいても必要な時に専門医とつながれる環境作りには、オンライン診療が欠かせません。対面と上手に組み合わせて普及させることが大切です」と話しています。
◆医師の男「薬処方に下半身の張りを確認」…抵抗できない女性にわいせつ容疑 |
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神奈川県警泉署は15日、横浜市泉区、医師の男(62)を準強制わいせつの疑いで逮捕した。
発表では、男は昨年2月18日、自身が経営する泉区のメンタルクリニックの診察室で、患者の50歳代女性に「薬を処方するには下半身の張りを確認しないといけない」と抵抗できない状態にし、わいせつな行為をした疑い。容疑を認めている。女性が同署に被害を相談していた。同様の相談が複数あるといい、同署が関連を調べている。
◆キャリア官僚、女性に睡眠薬入りの飲み物飲ませてわいせつ行為…経済産業省「遺憾」と懲戒免職 |
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女性に睡眠薬を入れた飲み物を飲ませてわいせつな行為をしたなどとして、準強制性交未遂罪と準強制わいせつ罪に問われた経済産業省のキャリア官僚で、大臣官房秘書課付の佐藤大被告(33)の初公判が15日、東京地裁(中尾佳久裁判長)であった。佐藤被告は罪状認否で起訴事実を認めた。
起訴状では、佐藤被告は昨年11月、東京都港区のダーツバーで、女性に睡眠薬入りの飲み物を飲ませて同区内のホテルで性的暴行を加えようとし、同12月には足立区のネットカフェで、同様の手口で同じ女性にわいせつな行為をしたとしている。
佐藤被告が起訴事実を認めたことを受け、経産省は15日付で懲戒免職にした。同省は「国民の公務に対する信頼性を著しく失墜させるもので、誠に遺憾」としている。
◆精神科病院で患者暴行、新たに40代元准看護師を書類送検…立件4人目「うなり声に腹立った」 |
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東京都八王子市の精神科病院「滝山病院」で起きた入院患者への暴行事件で、警視庁八王子署は15日、新たに同病院の元准看護師で40歳代の男を暴行容疑で東京地検立川支部に書類送検した。患者への暴力で立件された職員は4人目。
八王子署幹部によると、男は昨年2月7日夜、当時勤務していた同病院内で、入院患者の70歳代男性の顔を枕で殴ったり、頭を平手打ちしたりした疑い。「患者が就寝中にうなり声をあげ、腹が立った」と容疑を認めている。男は今年3月に病院を退職した。
これで弁護士から告発された職員4人全員が立件された。八王子署は、さらに別の職員が患者を暴行していた可能性もあるとみて捜査している。
◆老人ホームの入所者3人を転落死させた元職員、上告取り下げで死刑確定 |
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川崎市の老人ホームで2014年、入所者3人を転落死させたとして、殺人罪に問われた元職員・今井隼人被告(30)の死刑判決が確定した。今井被告が11日付で弁護人による上告を取り下げた。
1審・横浜地裁の裁判員裁判と2審・東京高裁の判決によると、今井被告は同ホームに勤務していた14年11~12月、入所者の 丑沢 民雄さん(当時87歳)、仲川智恵子さん(同86歳)、浅見布子さん(同96歳)を施設のベランダから転落させ、殺害した。
今井被告は逮捕前や逮捕直後の取り調べで「被害者を転落させた」などと3人の殺害を自白したが、途中で黙秘に転じ、公判では1審の初公判から一貫して無罪を主張。弁護側は「警察官の圧力を受け、虚偽の自白をした」などと訴えていた。
しかし、18年3月の1審判決は自白の信用性を認めた上で、「人間性のかけらもうかがえない冷酷な犯行だ」と述べ、検察側の求刑通り、死刑を言い渡した。昨年3月の2審判決もこれを支持したため、弁護人が最高裁に上告していた。
◆1か月の娘を屋外のごみ箱に置き去り、36歳の無職の女「赤ちゃんを今捨てた」と110番 |
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生後約1か月の乳児をごみ箱に置き去りにしたとして、山口県警防府署は11日、同県防府市、無職の女(36)を保護責任者遺棄容疑で現行犯逮捕した。
防府署の発表によると、女は同日午後0時10分頃、防府市内の保育園前にあったごみ箱の中に、娘を置き去りにした疑い。容疑を認めているという。乳児にけがはなく、布にくるまれた状態だった。
女は「赤ちゃんを今捨てた」と自ら110番した。ごみ箱内には紙おむつ入りのかばんが入っていた。
◆泥酔の25歳女性、男2人にホテルに連れ込まれ意識不明の重体…男らは立ち去る |
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名古屋市中区栄のホテルの客室で女性が倒れているのが見つかった事件で、愛知県警中署は12日、いずれも職業不詳の41歳の男(住居不詳)、30歳の男(津島市)の両容疑者をわいせつ略取と保護責任者遺棄容疑で逮捕した。
発表によると、2人は共謀して、7日朝、同区の店舗で女性(25)に酒を飲ませて酔わせ、ホテルに連れ込んだ上、泥酔状態で意識がないことを認識しながら、必要な保護をしなかった疑い。女性は意識不明の重体。
2人はフロントにいた従業員に「急性アルコール中毒のような女性がいるので救急車を呼んでほしい」と頼んだが、救急隊の到着後にホテルを去っていた。
◆コロナワクチン15人分を接種偽装、医師に猶予付き有罪判決…セミナー参加者ら依頼 |
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新型コロナウイルスワクチンを接種したように装い、自治体から接種委託料をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた医師の船木 威徳 被告(51)に対し、東京地裁は12日、懲役2年、執行猶予3年(求刑・懲役2年)の判決を言い渡した。野村賢裁判長は「医師の権限を悪用した悪質な犯行だ」と述べた。
判決によると、船木被告は2021年10~12月、実際にはワクチンを接種していない札幌市の女性ら計15人について、虚偽の予診票(接種記録)を作成し、居住地の自治体に接種委託料を請求して計6万8310円を詐取した。
判決は、船木被告は自身が主催するセミナーで「ワクチンを打たなくても接種済証を発行する」との資料を配り、接種を望まないセミナー参加者らからの依頼に応じたと指摘。「金銭目的でないことを踏まえても悪質な犯行だ」と述べた。一方で、だまし取った金額をすべて自治体に弁償したなどとして、執行猶予を付けた。
◆車いすの特養入居者、職員に背後から蹴られ死亡…「忙しい時に色々頼まれ腹が立った」 |
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埼玉県飯能市南川の特別養護老人ホーム「 吾野 園」で、車いすに乗っていた男性入居者(90)を背後から蹴ったとして、飯能署は10日、同県秩父市、施設職員の男(48)を暴行容疑で逮捕した。男性は暴行を受けた後に意識を失い、搬送先の病院で死亡が確認された。
発表によると、職員の男は9日午後1時50分頃、施設2階の食堂で、車いすに乗って介護の順番待ちをしていた男性を背後から蹴った疑い。調べに対し容疑を認め、「忙しい時に色々なことを頼まれて腹が立った」と話しているという。同署が詳しい死因を調べている。
吾野園の加藤徹留施設長は報道陣の電話取材に応じ、「最悪のことだと思っている。大変残念でご迷惑をおかけした」と述べた。
◆逆さづりされた2か月の男児、右脚の骨折れる…埼玉県警が父母を逮捕 |
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生後2か月の次男を逆さづりにするなどの暴行を加え、右脚を骨折させたとして、埼玉県警は10日、同県桶川市在住の両親を傷害容疑で逮捕した。
捜査関係者によると、男児の父親(39)と母親(33)は2月上旬から中旬の間、当時住んでいた同県上尾市の自宅アパート室内で、男児の右脚をつかんで逆さづりにするなどの暴行を加え、右脚を骨折させた疑い。男児は現在も入院しているという。
両親が2月下旬、男児の様子がおかしいとして119番した。男児が搬送された病院から「虐待の疑いがある」と相談があり、県警が捜査していた。
◆「1人1回」のワクチンを誤って2回接種、使用したのは保存期間を2か月過ぎたもの |
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神奈川県厚木市は9日、市内の医療機関で、7日までは1人1回とされていた新型コロナウイルスのオミクロン株対応ワクチンを誤って2回、市内の高齢者4人に接種していたと発表した。さらに、使用されたワクチンは保存期間を約2か月も過ぎたものだった。
発表によると、接種したのは1日。2日になって医療機関の担当者がワクチンの期限切れに気づき、市に報告した際、8日から可能になる2回目接種を1週間早く打っていたこともわかった。4人の健康状態に問題はないとしている。
一方、同市内の別の医療機関では、ワクチンを適正な温度で管理できず、394人分を廃棄していたことも判明。市は市内医療機関に対し、適切な保管の徹底を求めた。
◆「顔面偏差値低い」発言の乳児院、虐待9件確認…使用済みおむつを顔に近づけるなど |
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熊本市は9日、熊本乳児院で職員が乳幼児の頭をたたいたり、使用済みのおむつを顔に近づけたりする虐待が9件確認されたと発表した。片手をつかんで持ち上げるなど24件について不適切な行為と認定した。市は8日、乳児院を運営する社会福祉法人「熊本市社会福祉協会」に改善勧告を出した。
乳児院では、原則として家庭で養育できない2歳までの子どもを預かっている。市によると、この施設の定員は30人で、2008年から今年3月までに9件の虐待が確認された。
内訳は、「バチン」と音がするほど頭をたたいたり、頬をつねったりする身体的虐待が5件。使用済みおむつを子どもに投げるなどの心理的虐待が4件だった。
このほか、おしゃぶりが口から外れないように粘着テープを貼ったりするなどの不適切な行為は24件あった。
虐待したのは退職者も含む職員5人で、市の調査に対し、「悪意はなく、軽い気持ちでやっていた」と説明したとしている。
この乳児院では昨年3月、職員が乳幼児に「顔面偏差値低いよね」と発言するなど、心理的虐待があったとして市が改善勧告を出していた。しかし、その後も虐待や不適切な行為の情報提供があり、市が追加で調査を進めていた。
◆児童福祉司として面接中、女児にわいせつ行為…32歳の県職員逮 |
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沖縄県警は9日、児童相談所の児童福祉司として面接中の女子児童にわいせつ行為をしたとして、同県八重瀬町富盛、県子ども生活福祉部職員(32)を強制わいせつ容疑で逮捕した。
発表では、野原容疑者は3月、県内の小学校で、女子児童が13歳未満であることを知りながらわいせつな行為をした疑い。県警は「捜査に支障が出る」として認否を明らかにしていない。
4月、スーパーで女子学生を撮影したとして通報された職員のスマホを県警が調べたところ、児童の動画が見つかったという。
◆TKM(たまごかけめん)が人気メニュー、ラーメン店で食中毒…まぜそば食べた7人が症状訴え |
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埼玉県は8日、熊谷市のラーメン店で食事をした男性7人が下痢や発熱などの症状を訴え、うち4人からサルモネラ属菌が検出されたと発表した。県は食中毒と断定し、食品衛生法に基づいて同店を3日間の営業停止処分とした。
同店は生卵や鶏チャーシューの入ったまぜそば「TKM(たまごかけめん)」が人気メニュー。発表によると、7人は4月29日昼にまぜそばを食べた。全員が回復しているという。
◆舞台監督の男、20代女性に薬飲ませ暴行…「もう一度会わないと裸の写真さらす」と脅す |
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警視庁池袋署は9日、東京都豊島区長崎、舞台監督谷本雅彦被告(40)を準強制性交容疑で再逮捕したと発表した。再逮捕は8日。
発表によると、谷本被告は昨年5月13日、マッチングアプリで知り合った20歳代女性を自宅に招き、睡眠作用のある薬物入りのジュースを飲ませ、性的暴行を加えた疑い。「同意の上だった」と容疑を否認している。
谷本被告は4月、別の20歳代女性に対する準強制性交容疑で逮捕、起訴されており、スマートフォンから今回の事件の様子を撮影した動画が見つかった。谷本被告は被害女性に「裸の写真を撮っている。もう一度会わないとさらすぞ」と脅していたという。
◆三重のこども園、給食を4時間強要し失禁させる…虐待疑いで立ち入り調査 |
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三重県桑名市の私立「長寿認定こども園」で、保育士が園児に給食を食べるよう約4時間にわたり強要したうえ、失禁させるなどの虐待が疑われる不適切保育があり、市が立ち入り調査していたことが8日、分かった。
市によると、3月中旬に保護者から市に相談があって発覚。市は4月28日に調査に入り、今年2~3月に給食を食べるよう強要したり、園児の足を引っ張ったりする不適切保育が数件あったことを確認した。ほかにも同様な事例がなかったか調べているという。
園は4月21日に保護者会を開き、不適切保育があったことを説明して謝罪。担当する保育士を自宅待機にするなどし、園長は交代させたという。園側は「不適切保育が複数あったと認識しており、調査には協力していきたい」としている。
市は別の保育士や臨床心理士を派遣し、園の保育士の指導や園児のケアに着手。さらに相談窓口や第三者委員会の設置などを検討するほか、県との特別指導監査などを行う方針。
◆米渡航前にワクチン接種記録を偽造疑い、ボルソナロ前大統領宅を捜索…側近ら6人逮捕 |
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【リオデジャネイロ】ブラジルの連邦警察は3日、ジャイル・ボルソナロ前大統領の首都ブラジリアにある自宅を捜索した。地元紙によると、米国渡航のためボルソナロ氏や家族らの新型コロナウイルスのワクチン接種記録を偽造した疑い。ボルソナロ氏と妻の携帯電話が押収され、側近ら6人も逮捕された。
ボルソナロ氏は昨年12月に出国し、今年3月まで米国に滞在していた。1月に支持者らが起こした連邦議会など襲撃事件を扇動した疑いでも捜査されている。
◆近畿日本ツーリストの過大請求、86自治体で最大最大16億円…コロナ関連事業で人件費水増し |
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旅行大手の近畿日本ツーリスト(東京)が新型コロナウイルス対策事業を巡り、自治体に過大請求していた問題で、同社は2日、社内調査の結果、86の自治体などから受託した事業で最大約16億円を過大請求した疑いがあると発表した。
調査対象は2020年4月以降、762の自治体や企業から受託した2924件の事業。内容はワクチン接種に関するコールセンターや接種会場の運営など。
発表によると、受託する際に取り決めたスタッフよりも少ない人数で再委託先に発注し、自治体には正規の人数分で人件費を請求するなどしたケースが16自治体で確認された。過大請求額は計約5億8430万円に上った。
最も多かったのは、大阪府東大阪市の3億3628万円で、大阪府の4882万円、静岡県焼津市の4651万円と続いた。
このほか、約70自治体などから請け負った接種会場の運営業務などで、当日にスタッフの欠員が出た場合も、その人件費を請求していた疑いがあり、過大請求はさらに10億円増える可能性があるとした。この中には、企業からの受託事業も一部含まれるという。
同社の高浦雅彦社長は2日、東京都内で記者会見し、「社長として監督不行き届きを痛感している」と述べた。この日の調査結果は中間報告の位置づけで、同社はさらに調査を続け、金額を確定させた上で、自治体などに返納するという。
◆「腹を切れ」と罵倒、「辞表を添付しろ」と無給の時間外労働…パワハラで亀山市職員提訴 |
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三重県亀山市役所の40歳代の男性職員が、上司から繰り返されるパワーハラスメントで精神的苦痛を受け、休職を余儀なくされたなどとして、市を相手取り、550万円の慰謝料などの支払いを求め、津地裁に提訴した。提訴は11日付。
訴状などによると、男性は2018年4月、同市の関支所下水道課に異動。同課の課長(当時)らから、複数の職員の前で「腹を切れ」と罵倒されたり、「辞表を添付しなければ、決裁は見ない」と言われたりして無給の時間外労働を強いられた上、うつ病を患ったとしている。
男性が受けた行為に関し、昨年8月、地方公務員災害補償基金県支部が公務災害と認定。同10月には、暴言を繰り返すパワハラをしたなどとして、市は元課長ら2人を減給10分の1(3か月)の懲戒処分とした。
今回の提訴に、市は「顧問弁護士と相談しながら適切に対応したい」としている。
◆1歳男児、コロナワクチン接種後に死亡…厚労省「因果関係を評価できない」 |
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厚生労働省は28日、新型コロナウイルスのワクチンを3回接種した後、1歳の男児が死亡したと発表した。生後6か月~4歳向けの乳幼児ワクチン接種後の死亡例は初めて。
同日の厚労省の専門家部会で報告された。男児は2月16日に接種を受け、18日夜に心肺停止状態で見つかり、救急搬送後に死亡が確認された。男児は生まれつき腎臓機能が弱く、接種と死亡との因果関係を「評価できない」とし、現時点で接種の継続に重大な懸念は認められないとした。
◆精神科病棟の殺人事件、病院は遺族に肺炎と死亡診断書…顔の傷は「階段から転げ落ちた」 |
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青森県八戸市の「みちのく記念病院」の精神科病棟で3月、入院中の男性が殺害されたのを警察に届け出なかったとして、県警は28日、病院を医師法(届け出義務)違反容疑などで捜索した。司法解剖の結果、死因は頭や顔の損傷だったが、病院は、肺炎が死因とする死亡診断書を作成し、遺族に渡していた。県警は事件を 隠蔽いんぺい しようとした疑いがあるとみて調べている。
県警の発表によると、事件は3月12日深夜に発生。高橋 生悦せいえつ さん(当時73歳)が同じ部屋の男(57)=殺人容疑で逮捕、鑑定留置中=から暴行を受け、翌13日午前10時過ぎに死亡した。
顔に歯ブラシで刺された傷が複数あったが、病院は遺族に「階段から転げ落ちた」と説明していた。
捜査関係者によると、医師や病院事務局からの届け出はなく、死亡の約8時間後、病院の従業員から「遺体を確認した方がいい」と通報があった。
医師法は異状死が認められる時は「24時間以内に警察に届け出なければならない」と規定している。
◆古川聡・宇宙飛行士チームの実験データ捏造、国の助成金7000万円は返還せず…JAXA |
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古川聡・宇宙飛行士(59)が責任者を務める宇宙医学実験でデータの書き換えや 捏造ねつぞう が行われた問題で、宇宙航空研究開発機構( JAXAジャクサ )は28日、研究に使われた国の助成金を返還しない方針を明らかにした。
問題のあった実験は2016~17年に行われ、一般人40人が閉鎖環境で2週間過ごした後、ストレスの蓄積を面接などで調べた。その後、面接結果の書き換えや捏造が計20件、発覚した。
JAXAは28日、再発防止策の実施状況を記者会見で発表。倫理研修の実施やマニュアル策定、医学研究の専門家の採用などを行うと説明した。24年度以降に研究を再開させるが、古川飛行士は当面、研究に関わらず訓練に専念する。一方で、今回の事例は国のガイドラインに基づく「特定不正行為」に当たらないとして、助成金7000万円の返還の必要はないと説明した。
◆認知症疑いなのに3億円寄付を金沢医科大が受領、渋谷工業前社長の遺族が主治医ら提訴 |
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認知症の疑いがある患者に3億円を寄付させたのは公序良俗に反し無効だとして、遺族らが金沢医科大(石川県内灘町)と主治医だった同大病院前院長に対し、計2億4750万円の損害賠償を求めて金沢地裁に提訴した。提訴は26日付。
提訴したのは、東証プライム上場の機械メーカー「渋谷工業」(金沢市)の前社長渋谷弘利さんの妻(87)と娘2人。
訴状によると、渋谷さんは2021年1月、脱水症状で約1週間、同大病院に入院。認知機能の低下が指摘され、同大病院の検査でも大脳の 萎縮いしゅく が確認された。その後も通院を続け、同5月に3億円を寄付し、同10月に90歳で亡くなった。
遺族側は、寄付は渋谷さんの死後に判明したとし、「家族に確認せず、認知機能の低下に乗じて秘密裏に行った。病院と患者という関係性からも極めて不当」と訴えている。同大は「正当な手続きで寄付を受けた。訴状を確認して対応したい」とコメントした。
◆国立がん研究センターの医師、病院更衣室で女性職員をスマホで盗撮 |
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勤務先の国立がん研究センター中央病院(中央区)で盗撮したとして、同病院の男性医師(30)が都迷惑防止条例違反で東京簡裁から罰金30万円の略式命令を受けていたことが捜査関係者への取材でわかった。命令は今月10日付。
捜査関係者によると、医師は昨年12月23日、職員用の更衣室で女性職員をスマートフォンで盗撮した疑いで今年2月に書類送検され、略式起訴された。
盗撮に気づいた女性からの相談を受け、警視庁が院内の防犯カメラの解析などを進めていた。任意の調べに対し、医師は盗撮行為を認めたという。
同病院は「盗撮事件があったことは事実。今後処分を検討する」としている。
◆給食調理場に羽アリ数十匹、ハンバーグ・カレー廃棄…児童にはパンと牛乳のみ提供 |
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大阪府寝屋川市立小学校の給食調理場で数十匹の羽アリが見つかり、その日用意していた給食の一部の提供を取りやめた。児童の健康被害などは報告されていないという。
市教育委員会によると、発見したのは今月20日。混入の恐れがあるとして、おかずとして調理していたハンバーグとカレースープ約1100人分を廃棄。児童には、パンと牛乳のみを提供した。調理場は築約50年で、窓を開ける際は網戸を使っていたが、どこからか羽アリが入り込み、気温の上昇に伴って増えたとみられるという。
調理場を消毒し、保護者らには文書やメールで連絡、謝罪した。市教委は「点検、消毒の徹底で再発防止に取り組む」としている。
◆小学校給食の「アスパラガスのサラダ」にゴキブリ、配膳中に担任が発見 |
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宮崎県都城市教育委員会は26日、市内の小学校で同日に提供された給食の「アスパラガスのサラダ」に、ゴキブリ1匹が混入していたと発表した。配膳中に担任教諭が発見し、調理した都城学校給食センターに連絡した。サラダはこの学校を含め6校に提供され、一部の児童はすでに食べていた。健康被害の情報は入っていないという。混入経路は調査中で、同センターでは調理器材や食材処理時の確認などを徹底した上で、27日以降も給食を提供する。
◆園児虐待で尻の湿疹触らせる…裾野の保育士3人のうち1人略式起訴・2人は不起訴 |
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静岡県裾野市の私立認可保育園「さくら保育園」で保育士3人(いずれも退職)が園児への暴行容疑で逮捕された事件で、沼津区検は25日、保育士の女(38)を暴行罪で沼津簡裁に略式起訴した。
起訴状では、女は昨年6月17日、園児(当時1歳)の両足首をつかんで宙づりにしたほか、7月28日には別の園児(同)の手をつかみ、手足口病の感染が疑われる園児の尻の発疹に触らせたとしている。
ほかの2人については不起訴とした。静岡地検沼津支部は理由を明らかにしていない。
◆10代の養女に「病気治療」と信じ込ませ繰り返し性的暴行、男に懲役17年判決 |
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同居していた10歳代の養子の少女に性的暴行を繰り返すなどしたとして、準強制性交などの罪に問われた男の判決が19日、神戸地裁であった。丸田顕裁判長は「養女を養育すべき立場にありながら、心身に与える影響を考えずに自己の性欲の対象と扱っており、卑劣だ」などとして懲役17年(求刑・懲役18年)の判決を言い渡した。
判決によると、男は2019年6月~20年8月、自宅やホテルなどで養子の少女に「子宮の病気を治療するため、自分と性交をする必要がある」と信じ込ませ、性的暴行を繰り返した。また、20年12月には別の少女(当時17歳)をわいせつ目的で福岡県や宮崎県に連れ去って誘拐し、「安全に中絶をするには、自分と性交をするほかない」とうそを言って乱暴するなどした。
丸田裁判長は、養子の少女への性的暴行は小学校高学年頃から継続的に行われてきたとし、「被害者らの心の傷は大きく強い処罰感情がある。被告には反省の態度が見られず、同種事案の量刑よりもかなり重い刑が相当だ」と非難した。
◆県「総括課長級」職員、部下を半年以上無視…人事課の聴取にも応じず戒告処分 |
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岩手県は17日、半年以上にわたり特定の部下を無視し続けたとして、農林水産部総括課長級の男性職員(58)を3月24日付で戒告の懲戒処分としたと発表した。
男性職員は2021年7月頃~昨年3月、当時の所属部署で、部下職員を日常的に無視して精神的苦痛を与え、部下の相談に応じた職員も無視するなどして勤務環境を害した。被害の申し立てを受けた人事課の聴取にも応じなかった。
また、県教育委員会と県医療局も懲戒処分を公表し、速度超過で検挙された県立高校教諭と病院役付職員、人身事故を起こした病院一般職員1人の計3人を戒告とした。
◆海自護衛艦の海士長がセクハラ…女性隊員の体を繰り返し触り、膝枕も強要しようと |
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海上自衛隊佐世保地方総監部(長崎県佐世保市)は18日、後輩の女性隊員2人にセクハラ行為をしたなどとして、護衛艦「ちょうかい」の男性海士長(22)を懲戒免職にした。
発表によると、海士長は昨年10月頃、艦内で隊員2人の尻や太ももを繰り返し触り、1人には膝枕を強要しようとしたという。また、1人にはヘルメットのあごひもを留めていないとして、指導名目でヘルメットの上から平手で頭を2回たたくパワハラ行為もした。海士長はいずれの行為も認め、「コミュニケーションの一つと思った」と話しているという。
◆花粉症への効果うたう健康茶からステロイド検出…「血液検査に異常」と報告あり判明 |
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国民生活センターは12日、花粉症への効果をうたって販売されていた健康茶から、医薬品成分のステロイドが検出されたと発表した。
同センターが通信販売サイトで香塾(大阪)が扱う「ジャムー・ティー・ブラック」を購入して検査したところ、ステロイド成分の一種で、感染症の悪化やけいれんなどの副作用があるとされる「デキサメタゾン」が1グラムあたり3マイクロ・グラム含まれていたという。
同センターの相談窓口に1月、医師から「この製品を飲んだ女性患者の血液検査に異常があった」との報告があり、判明した。女性は飲用をやめ、検査値は改善したという。香塾は取材に対し「担当者が不在で回答できない」としている。
同センターは、許可を得ずにデキサメタゾンが含まれた商品を販売したことから医薬品医療機器法違反の恐れがあるとして、厚生労働省と消費者庁に事業者への指導を要望した。担当者は「飲用している人は、医療機関を受診して相談してほしい」と呼びかけている。
◆近畿日本ツーリスト、ワクチン事業で2億8900万円過大請求…コールセンターの再委託巡り |
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旅行大手の近畿日本ツーリスト(東京)は12日、大阪府東大阪市から委託を受けている新型コロナウイルスワクチンのコールセンター業務で、約2億8900万円を過大請求していたと発表した。同社は全国150自治体からワクチン接種事業の業務委託を受けており、ほかにも過大請求がないか調査を進める。
同社によると、担当した50歳代の男性社員が、2021年3月から22年12月まで、市が指定した電話オペレーターの人数よりも少ない人数で、再委託先の「マケレボ」(大阪市)に発注し、市には指定人数分の費用を請求していた。再委託すること自体に問題はない。男性社員は昨年3月、過大請求していることを50歳代の男性支店長に報告したが、支店長は黙認した。
今年2月に人材派遣大手のパソナ(東京)が大阪府枚方市など3市に計約10億8000万円を過大請求した問題が発覚し、東大阪市が近畿日本ツーリストにオペレーターの出勤簿を確認するように要請。支店長は発覚を恐れ、再委託先に勤務実績の改ざんを依頼した。支店長らは改ざんされた勤務実績を市に提出し、「適正に運営している」と報告したという。3月下旬、過大請求に関する匿名の通報が市に寄せられ、発覚した。
同社の調査に対し、男性社員は「自分の担当事業で利益を上げようと思った」、支店長は「日がたてばたつほど言えなくなった」などと話しているという。同社は今後、過大請求分を市に返還し、2人を含む関係者の処分を行う方針。
◆サル痘の国内感染者が100人超に、今年に入り急増…全員男性で西日本にも拡大 |
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厚生労働省は11日、天然痘に似た感染症「サル痘」の感染者が国内で新たに10人確認されたと発表した。累計で106人となり、今年に入って急増している。厚労省は感染が疑われる症状があれば医療機関に相談するよう呼びかけている。
厚労省によると、2022年7月25日に国内で初めて感染者が確認された。22年の感染者は8人だったが、今年は98人に上る。人と人との接触の増加が影響しているためとみられる。
感染者は全員男性で、9割以上は海外渡航歴がなく、国内で感染拡大が起きているとみられる。年代別では、40代が44人で最も多く、30代が36人、20代が20人。当初は東京都など関東が感染の中心だったが、3月以降、大阪府など西日本にも感染が広がっている。
サル痘は、サル痘ウイルスへの感染で発症する。感染者の体液や血液などに触れると感染する可能性があるが、 飛沫 による感染はまれとされる。発疹や発熱などの症状が出るが、多くは2~4週間で自然に回復する。まれに重症化する。厚労省は近く名称を「エムポックス」に変更する方針だ。
世界保健機関(WHO)によると、世界の感染者数(4月4日時点)は8万6000人を超えている。
国立国際医療研究センター国際感染症センターの石金正裕医師(感染症学)は「国際的に男性同士の性的接触による感染の報告が多い。接触時には、症状がないかや体調に異常がないかなどを互いに確認することが大切だ」と話している。
◆クレベリン広告表示に「根拠なし」、大幸薬品に6億円超の課徴金命令…「景表法」で過去最高 |
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空間に浮遊する菌やウイルスの除去をうたった除菌製品「クレベリン」の広告表示には根拠がなかったとして、消費者庁は11日、景品表示法違反(優良誤認)で、「大幸薬品」に6億円超の課徴金納付命令を出した。同法に基づく課徴金の命令額としては、過去最高。
◆7歳男児が海に転落、助けようと飛び込んだ?介護福祉士の男性が死亡…徳島の公園 |
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6日午前8時45分頃、徳島県小松島市の海沿いにある公園の岸壁から男児(7)と男性の2人が転落した。通報を受けた消防などが救助して病院に搬送したが、男性は死亡が確認された。男児は命に別条はなく、目立ったけがもないという。
県警小松島署などによると、死亡したのは障害福祉サービス事業所スタッフの塩本浩章さん(65)で、利用者の男児と公園を訪れていた。海に転落した男児を救助しようと、塩本さんが海に飛び込んだとの目撃情報があり、同署が経緯を調べている。
事業所の運営会社によると、塩本さんは「人の役に立ちたい」と2019年4月から事業所で働いていた。
◆病院へ送迎している高齢患者のカード、看護師の女ら悪用…150万円盗み出す |
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診察のため自身が勤務する病院に送り迎えをしていた高齢女性名義のキャッシュカードを使い、150万円を引き出したとして高知県警高知南署は3日、高知市の看護師の女(49)、同市の同僚職員の女(52)を窃盗容疑で逮捕した。
発表によると2人は1月25日~2月1日、女性名義のカードで同市内の金融機関の現金自動預け払い機(ATM)から3回にわたり現金を引き出した疑い。2人は同市内の病院に勤め、一緒に車で女性宅を訪れ、送迎を担当していた。
2月中旬、女性の口座から高額が引き出されているのを不審に思った親族が同署に相談。防犯カメラの映像などから2人が浮上した。
◆胸部X線「異常なし」、実は「要経過観察」…健診誤通知で「がん発見遅れた」と女性が提訴 |
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健康診断の結果で、「A」(異常なし)判定と書かれていたのに実は「C」(要経過観察)だった――。胸部X線の検査結果を誤って記載され、肺がんの発見が遅れたとして、大阪府内の会社員女性(57)が、医療法人に損害賠償を求めた訴訟が大阪地裁で争われている。法人側は通知の過程に不備があったことは認めたが、「法的な責任はない」と主張している。
1年で悪化に疑問
女性が受け取った健康診断の結果。前年は「A」だった胸部X線の結果が「D2」になっている
女性は2016年9月、同府高槻市内の医療機関で勤務先の定期健診を受け、胸部X線でA判定の通知を受けた。しかし、翌17年の健診では、精密検査が必要な「D2」とされ、「右肺に浸潤影の疑い」とあった。
女性はすぐに大学病院を受診。17年12月にステージ3の肺がんと診断された。その後、手術をしたが、19年に再発。ステージ4に進行し、治療を続けている。
「1年でそこまで悪化するのか」。健診を受けた医療機関に説明を求めたところ、16年の健診で肺に影が見つかっていたことが明らかになった。
修正反映されず
運営する医療法人側の女性への説明や訴訟資料によると、健診当日、2人の医師が女性のレントゲン画像を見て「異常なし」と判断し、健診結果を管理するシステムにA判定と入力した。しかし、慎重を期すため、1人が後日に再度レントゲン画像を確認して肺に影を見つけ、治療が必要な状態の手前にあたるC判定に修正した。しかし、システムには自由に判定を変更できないロック機能があったため、修正は反映されず、女性に届いた通知はA判定のままだった。
法人は医師らにロック解除の手順を説明しておらず、この医師は修正されたと思い込んでいたという。
責任は
女性は20年11月、「発見が1年遅れてがんが進行し、治癒が困難になった」とし、約4180万円の損害賠償を求めて提訴した。
法人側は訴訟で、再確認の結果がシステムに反映されなかった経緯を認め、「事後的に見れば、C判定が診断として正しかったと考えられる」と言及した。
一方で、当初のA判定は明らかな肺がんの見落としではないと主張。さらに、16年の時点で女性がC判定と知っていたとしても「精密検査を受けて治療を始めていたかもわからない」とし、「法的な過失はない」として請求棄却を求めた。
判定を修正する手順を医師らに周知していなかった点は「後日に医師が判定を変更することは想定していなかった」とした。
女性は夫と暮らし、大手金属メーカーの系列会社で勤務する。合併症の痛みに苦しめられ、体力の低下が著しいといい、「もっと早くがんが見つかっていればと悔やんでいる。責任を認めてほしい」と話す。
医療法人は取材に対し、「訴訟についてはコメントできない」としている。
◆ 健康診断 =病気の早期発見や予防が目的で、職場については労働安全衛生法で、事業者に年1回の実施を義務付けている。厳しい労働環境や深夜業務といった「特定業務」の場合は半年に1回。健診の実施を怠ると罰則が科せられる。このほか、学校は学校保健安全法で年1回と定めているほか、市町村国民健康保険などの制度がある。
◆宿泊女性に薬盛りわいせつ行為、ゲストハウス経営者8回目逮捕…「名前聞いても思いつかない」 |
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岡山県里庄町でゲストハウスを経営する男が薬で抵抗できない女性客に性的暴行したとされる事件で、同県警は3日、別の女性客にわいせつな行為をしたとして、同町の武内俊晴被告(49)(準強制性交罪などで起訴)を準強制わいせつの疑いで再逮捕した。逮捕は8回目。
発表によると、武内被告は2021年10月、「Cafe&GuestHouse凸屋(とつや)」で、1人で宿泊していた県内の20歳代の女性に睡眠作用のある薬を酒などに混ぜて飲ませ、抵抗できない状態にしてわいせつな行為をした疑い。武内被告は「被害者の名前を聞いても思いつかない」と容疑を否認しているという。
◆知的障害の20代女性の体触った54歳介護職員、「無理やりではない」と容疑否認 |
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高知県警高知署は3日、高知市の介護職員の男(54)を準強制わいせつ容疑で逮捕した。
発表によると、男は2月21日午後5時~22日午前9時頃、県内の障害者のグループホームで、入所中の知的障害のある20歳代女性の体を触るなどした疑い。男は夜勤で女性の個室などを巡回しており、「無理やりではない」と容疑を否認している。
女性の母親から3月に届け出があり、同署が捜査していた。
◆ピジョン哺乳瓶で25年以上も不適正表示…乳首吸い穴、指定用語の「Y字形」に修正 |
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ベビー用品大手のピジョンは5日、哺乳瓶の乳首の吸い穴の形状の表示で家庭用品品質表示法違反(不適正表示)があったと発表した。吸い穴にYの形に切り込み線が入った形状を「スリーカット」としてきたが、指定用語の「Y字形」に変更する。
哺乳瓶に取り付ける乳首の吸い穴にY字形の切り込みが入った商品。表示は「スリーカット」から「Y字形」に改める
消費者庁からの指摘で判明した。対象商品は「母乳実感 哺乳びん」シリーズなど3種類。品質に問題はなく、商品回収などは行わない。順次、パッケージなどに記載された表示を変更して生産する。
同社では1976年の販売当初から「スリーカット」と表示してきたが、97年に同法で「Y字形」と指定用語に定められたことを把握しておらず、25年以上誤った表示を使用していた。
◆原因不明の子ども肝炎で1人死亡、国内で初めて…欧米など各国で疑い例報告 |
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欧米を中心に報告されている原因不明の子どもの急性肝炎について、国内で初めて、疑いがある例で1人の死亡が確認されたことが分かった。
国立感染症研究所によると、2月16日までで156人の疑い例が報告され、うち1人の死亡が確認されたとしている。厚生労働省は、「個人情報にあたる」として、死亡時期や年齢、性別などは公表していない。
原因不明の急性肝炎が疑われる子どもは、世界保健機関(WHO)の2022年7月8日現在の集計で、米国や英国など35か国で1010人報告されている。
WHOの暫定的な定義では、16歳以下で、肝機能を示す数値が非常に悪く、A~E型の肝炎ウイルスが検出されていない症例が該当する。
◆「8千歩以上を週1~2日」10年後の死亡リスク大きく低下…増やしても効果同じ |
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8000歩以上のウォーキングを週1~2日続ければ10年後の死亡リスクが大きく低下するという研究結果を、京都大と米カリフォルニア大ロサンゼルス校のチームがまとめた。歩く頻度や歩数を増やしても効果はほぼ同じといい、時間や体力に余裕のある日に歩くだけで健康への好影響が期待できるとしている。論文が国際医学誌に掲載された。
一定のウォーキングが10年後の死亡リスクを下げる研究結果が出た
チームの井上浩輔・京大助教(社会疫学)らは米国の健康調査データを基に、20歳以上の男女3101人(平均50・5歳)の歩数や年齢、性別、病歴などと、10年後に心筋 梗塞 や脳梗塞などで死亡するリスクを解析した。
その結果、1日8000歩以上を週1日も歩かない人に比べ、週1~2日歩く人の10年後の死亡リスクは14・9%低く、週3~7日歩く人で低下した死亡リスク(16・5%)と、ほぼ同じだった。
歩数などの条件を変えて比べても「週1~2日、1日8000歩」の健康への効果は「週3~7日、1日1万歩」と同等で、逆に6000歩を超える日が全くないと死亡リスクは大きく上昇した。
北岡裕章・高知大教授(老年病・循環器内科学)の話 「歩数と健康の関係に科学的な根拠を与え、少しでも歩く方が良いことを分かりやすく示した成果だ。歩行に加えて生活習慣、持病、年齢やフレイルなど個人差も考慮し、バランスや筋力を保つ運動を組み合わせるなど、より効果的な方法を考えるきっかけにもなるのではないか」
◆女性患者の診察でわいせつ行為、県病院局「懲戒免職になり得るが…」医師を諭旨免職に |
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熊本県病院局は3月31日、診察室で女性患者にわいせつな行為をしたとして、県立こころの医療センター(熊本市南区)の男性医師(70)を諭旨免職処分とした。
発表によると、男性医師は2022年8月、担当する女性患者を診察する際にわいせつな行為をしたほか、19年6月を含む複数回、わいせつな発言や不適切な言動を行った。
昨年12月、この女性患者から「知事への直行便」に被害の訴えがあった。関係者に聞き取り、男性医師も行為を認めた。「申し開きがつかないことをした。責任を感じている」と話しているという。
病院局は「懲戒免職になり得る事案だが、早期に辞めてもらうことを優先した」と説明。退職手当の支払いを差し止め、今後、支給しないための手続きを取るとした。女性の意向を踏まえ、事案の詳細は公表せず、刑事告発もしない方針。
◆長野の相沢病院、元職員が患者らの個人情報3137人分を外部に漏えい |
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相沢病院(長野県松本市)は3月29日、元職員が患者とその家族ら3137人分の個人情報が含まれたデータを不正に持ち出し、外部に漏えいしたことを記者会見で明らかにした。同病院は元職員を不正競争防止法違反容疑で松本署に刑事告訴した。
発表によると、元職員は昨年5月9日、同病院の職員の協力で院内のパソコンの業務用フォルダーから9000を超えるファイルを外部の記録媒体にコピーし、持ち出した。このうち1707のファイルに個人情報が保存されており、人工透析や高気圧酸素療法の患者計2603人の氏名、住所、病名、生年月日などが確認された。透析患者が災害時に他の医療機関で治療を受けるために必要な家族の氏名や続柄も534人分含まれていた。
今年1月に、同病院の患者が元職員から他院への受診を勧められたことが判明。院内で調査した結果、かつて同僚だった現職員がデータの持ち出しに関わっていたことが分かったという。不正が起きた原因として、元職員が個人情報の含まれた機器に接続する場所に立ち入ることができた点や、一部機器で起動時のパスワードが未設定だったことなどを挙げた。元職員への聞き取りはしていないという。
相沢病院は今後、患者ら関係者に書面などで通知し謝罪する。田内克典院長は「個人情報が含まれたデータを厳格に扱うことを徹底し、研修や管理体制を見直すことで再発防止を図る」と述べた。
◆「小児にエクモ使えない」…昨夏コロナ感染の児童、重症化後に転院先見つからず死亡 |
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栃木県内の10歳未満の子供2人が昨夏、新型コロナウイルスに感染して死亡した事案について、2人はいずれも重症化して病院に搬送された後、県内の重症患者を担当する病院に転院せず、死亡していたことが関係者への取材でわかった。少なくとも1人は、県内で転院先が見つからなかったといい、県内の小児患者に対する救急医療体制の不足も指摘されている。
県によると、県内では子供の重症患者を専門的に治療できるのは、自治医科大や独協医科大など一部の病院に限られ、多くの病院は入院中の子供の容体が悪化した場合、県に転院の調整を要請して受け入れ先が調整される。
関係者によると、1人は昨年7月下旬、自宅療養中に容体が急変し、県南の病院に救急搬送。県が調整に入り、重症小児患者を担当する大学病院に転院を申し入れたが、小児に体外式膜型人工肺(ECMO=エクモ)を実施できないとして断られ、受け入れた埼玉県内の病院で翌日、心筋炎のため死亡したという。
県によると、県内の一部の病院には、小児用のエクモが配備されているが、扱える医療従事者は限られている。県内の医療関係者によると、コロナ禍で医療が 逼迫 する中、緊急的な使用は困難といい、「最適な医療環境とは言い切れないが、現実問題としてリソースが限られている」と語った。
県は2人の死亡例について、遺族の意向を踏まえ、性別や年齢、死亡経緯などを「非公表」とし、詳細を明らかにしていない。
◆北海道所管の障害者施設職員、「虐待したことがある」1割…「見聞きした」は4割 |
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北海道が所管する障害者施設の職員に行った実態調査で、虐待行為をしたことがあると回答した職員が256人と、回答者の10・6%に上ったことが31日、分かった。職員による虐待を見聞きしたことがあると答えた職員は4割に上った。
村の障害者施設で入所者への虐待が発覚したことなどを受け、道が1~2月に調査を実施。153施設4801人のうち2417人(回収率50・3%)が回答し、31日に集計結果(速報)を公表した。
調査によると、虐待を見聞きした職員は930人(38・4%)で、虐待を「行いそうになったことがある」とした職員は825人(34・1%)に上った。
また、道内の障害者向けグループホーム(GH)のうち、入居者同士で交際や結婚をした際に同居を認めていない施設が6割に上ることも分かった。
江差町の社会福祉法人「あすなろ福祉会」が、知的障害のあるGH利用者が結婚などをする場合に不妊処置を求めていた問題を受け、道がGH399か所(うち274か所が回答)に調査を実施した。
夫婦やカップルが同居できる居室がある施設は6・6%だった。交際や出産などを理由にした「退去者がいる」と回答した施設は15か所(5・5%)あった。
◆一時保護施設で13歳死亡、60度の熱湯を浴び両足やけど…入浴介助中に10分離れる |
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愛媛県は30日、一時保護中の子ども(当時13歳)が、2021年12月に委託先の施設内で死亡する事故があったと発表した。入浴介助をしていた職員が目を離した隙に、熱湯を浴びてやけどを負っていた。県は「特性や障害の程度だけでなく、日常生活や介護の注意点などを細かく引き継ぐべきだった」とする検証報告書をまとめ、再発防止に努めるとした。
県によると、重度の知的障害がある子どもで、自傷行為などが顕著だった。母親の養育負担が大きく、一時的な分離が必要だと判断し、県福祉総合支援センター(児童相談所)が一時保護を決めていた。
委託を受けたNPO法人が運営する「AWC自立準備ホーム」(松山市)で同月22日、着替えを取りに行くために職員が約10分離れた際、子どもが浴槽内で両足にやけどを負った。9日後に容体が急変し、敗血症で死亡した。
施設では、食器の汚れを落としやすいように給湯器の設定温度を60度にしていた。入浴時には温度を下げることになっていたが、変更を忘れていたという。
同センターの菅隆章所長は「子どもの安全が守られるべき一時保護中に死亡事案が起きたことを重く受け止めている。児童相談所の信頼を損なう結果になり、申し訳ありません」と謝罪した。
◆ワクチン次々廃棄「必要量精査より確保」が実態…自治体「足りなくなるより良かった」 |
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2兆円超が投じられた新型コロナウイルスワクチンの確保について「算定根拠が不十分」と指摘した29日の会計検査院報告は、政府がワクチンの接種を急ぐあまり、必要量の精査が二の次になっていた実態を映し出した。現場では使えなくなったワクチンが廃棄されているほか、キャンセルも生じており、余波が広がっている。
期限切れ2万回
東京都港区では昨年、期限切れになった米モデルナ製のワクチン約2万回分を廃棄した。
区では1、2回目の接種で生じたワクチン不足を懸念し、オミクロン株の拡大で3回目接種が急がれた昨年初め、モデルナ約8万回分を準備した。
政府が積極的なワクチン接種を呼びかける一方、区民の間には副反応への警戒感が強く、3回目の接種数は伸び悩んだ。それでも区の担当者は「控えめに確保して足りなくなるよりは良かった。ワクチンの廃棄が生じるのはやむを得なかったと思う」と振り返る。区では現在、超低温冷凍庫10台で約7万回分のワクチンを管理しているが、これまでの経験も踏まえ、有効期限内に使う見通しが立っているという。
返金額は言い値
政府の確保したワクチンは、自治体側に配布される前は製薬会社で保管されている。自治体での廃棄以外にも、製薬会社での保管段階で有効期限が切れるケースもある。実際に、モデルナで4610万回分、英アストラゼネカ製で1351万回分と、全体の6%に相当するワクチンが配布前に廃棄されていた。
一方、厚生労働省は昨年2月、アストラゼネカのワクチンについて、契約量の約半数の6225万回分をキャンセルした。接種後まれに血栓ができる事例が海外で報告され、接種数が伸び悩んだためという。
検査院は「算定根拠が不十分で検証できない」として廃棄やキャンセルの評価をしていない。ただしキャンセルによるアストラゼネカからの返金については、同省が返金額の妥当性を検討していないため、相手方の言い値になっていると指摘。同省は取材に「アストラゼネカ側と協議し、確認を進める」と答えた。
検査院はこのほか、ワクチン接種にかかる国の補助金が札幌市や東京都新宿区、高松市、大分市など全国30市区であいまいな使われ方をしていたとして、同省に指導を求めた。
第三者購入「次善の策」
コロナワクチンを巡っては、世界的な獲得競争の中、政府には薬事承認を待たずに製薬会社と契約する必要が生じていた。承認前の「まだワクチンとは言えないもの」(厚労省幹部)の購入には、国から直接代金を支払えない。このため厚労省は、第三者の「基金管理団体」経由での購入を選択した。
基金管理団体は、公募で選定された一般社団法人。同省が団体に交付金を積み立て、団体が製薬会社に購入代金などにあたる費用を「助成」する仕組みが取られた。検査院担当者は「非常にユニークな方法。事務費や手数料も生じるが、他に購入方法が見当たらず、『次善の策』と言えるだろう。同様の事態に備えて別の方法も検討する必要がある」としている。
◆同室患者の首を絞め、歯ブラシで顔を複数回突き刺し殺害した疑い…57歳男を逮捕 |
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青森県八戸市小中野の「みちのく記念病院」の病室で男性患者が顔から流血して死亡した事件で、県警は28日、同室に入院していた無職佐々木人志容疑者(57)を殺人の疑いで逮捕した。
発表によると、佐々木容疑者は12日午後10時45分~11時45分頃、病室内で、患者の同市八太郎、無職高橋生悦さん(当時73歳)の首を手で絞め、歯ブラシで顔面を複数回突き刺すなどして殺害した疑い。県警は認否を明らかにしていない。
この病室には精神疾患がある患者4人が入院し、高橋さんと佐々木容疑者は今年から同室だった。発見時、佐々木容疑者は自分のベッドにおり、県警は高橋さんに暴行を加えた後、その場にとどまっていたとみている。歯ブラシは佐々木容疑者のもので、高橋さんのベッド付近で見つかった。
県警は当初、傷害致死事件として捜査していたが、高橋さんの頭や顔に複数の傷があったことから殺人事件に切り替えていた。2人の間にトラブルは確認されておらず、県警は当時の状況を慎重に調べている。
◆新型コロナワクチンの「8・8億回分契約」は根拠不十分…会計検査院が指摘、改善求める
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会計検査院は29日、新型コロナウイルスワクチンの接種事業に関する検査報告書を公表した。検査院は、政府が製薬会社と契約した計8億8200万回分のワクチンについて、数量の算定根拠を示す資料が不十分と指摘。コロナワクチンのように緊急確保が必要な場合も根拠となる資料を作成・保存し、契約の妥当性を検証できるよう改善を求めた。
検査院がワクチン事業について指摘するのは初めて。検査院は「数量が著しく過大な場合、キャンセル料の支払いや保管期限切れによる廃棄など不経済な事態が生じかねない」としている。
検査院によると、ワクチン事業の決算状況は2020年度が7728億円、21年度が3兆4298億円の計4兆2026億円で、予算に対する執行率は68・4%。このうちワクチン確保には2兆4718億円かかった。
ワクチンは政府が製薬会社と供給契約を結び、都道府県の人口や流行状況などに応じて割当量を決める。政府は20年10月~22年3月に、米ファイザー製3億9900万回分、米モデルナ製2億1300万回分、英アストラゼネカ製1億2000万回分、米ノババックス製1億5000万回分を契約。一方、27日現在の接種回数は計約3億8000万回で、実際に現場では廃棄も相次いでいる。
検査院によると、厚生労働省は4社の供給可能数量や開発失敗の可能性などを考慮したとしているが、資料には契約の経緯や算定根拠の記述が不足し、妥当性を検証できないという。また、同省がワクチンの在庫数量を記録していなかったことも判明。検査院は「適時適切な在庫の把握は管理の基本」と不備を指摘した。
同省は取材に対し、「世界的なワクチン獲得競争の中、国民が速やかに接種できるよう確保に努めた。指摘を受け止め、根拠資料の作成・保存などで改善を図っていく」としている。
◆0~1歳児に暴行、保育士4人を懲戒解雇…倒して頭を机にぶつけたり宙づりにしたり |
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青森市小柳の認可保育施設「青森第二なかよし保育園」で、保育士4人が0~1歳の複数の園児に暴行するなどの不適切な行為をしていたとして懲戒解雇されたことが29日、関係者らへの取材でわかった。市は保育園に聞き取り調査を行い、行政処分を検討している。
園を運営する社会福祉法人「桐紫会」の調査によると、4人は1~2月、担当する0~1歳児クラスの園児数人に対し、〈1〉体を押して後ろ向きに倒して頭が机にぶつかった〈2〉着替えの際、服が首に引っかかっているのに強引に引っ張って宙づりにした〈3〉手で頭をたたいた――などの行為をしていた。こうした行為は園内の防犯カメラに映っていたという。
4人の中には不適切な行為を認め、「焦りがあった」と述べる保育士がいた一方で、「保育の延長だった」「覚えていない」などと話す保育士もいたという。桐紫会は今月中旬、4人を懲戒解雇し、4月に保護者会を開いて経緯を説明する方針。読売新聞の取材に対し、「法人として言えることはない」としている。
青森第二なかよし保育園には、生後2か月~5歳の園児約50人が通い、保育士は解雇された4人を含め11人いた。市子育て支援課は「現在、園と桐紫会への調査を進めており、詳細は差し控える」としている。
◆シワやたるみとる「ハイフ」で事故多発、エステティシャンの施術は医師法抵触も…消費者事故調 |
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超音波を照射してシワやたるみを取るHIFU(ハイフ)という機器による事故が相次いでいることを受け、消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)は29日、施術者を医師などの専門家に限定し、ハイフ本体も医療機器とみなして輸入の規制をできるよう求める意見書を厚生労働省などに提出した。
同日公表された消費者事故調の報告書によると、ハイフを使った事故は2015年に初めて報告され、昨年までに135件発生。全治1か月以上のやけどや神経のマヒ、視力障害などの被害があり、特に21年以降は2年間で74件と急増している。
事故の部位は顔が70%を占め、発生場所は美容クリニックが23%だった一方、エステサロンは71%に上った。報告書は出力や照射方法の知識が不十分なまま、安全性の低い機器を使うことが被害の要因だとした上で、医師ではないエステティシャンの施術は医師法に抵触するおそれがあると指摘している。
報告書は再発防止策として、施術者の限定や機器の流通監視の強化などを例示。厚労省などへの意見書では、リスクに関する情報共有の徹底も訴えた。
医療事故の救済などにあたる医療問題弁護団は、4月2日午前10時~午後4時、ハイフ被害に関する無料の電話相談(03・6206・6848)を実施する。
◆障害ある女児3人にわいせつ行為繰り返し、動画撮影も…元施設職員に懲役12年を求刑 |
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障害のある女児にわいせつな行為を繰り返したとして、強制性交罪などに問われた施設の元職員の男(28)の論告求刑公判が28日、和歌山地裁地裁田辺支部(姥迫浩司裁判長)であった。検察側は「身勝手で卑劣な犯行で、著しい常習性が認められる」として男に懲役12年を求刑した。
起訴状によると、男は2021年10月~22年9月、自身の勤めていた障害者向けの施設に通う女児3人にわいせつな行為を繰り返し、うち1人に対しては動画撮影を行い、児童買春・児童ポルノ禁止法違反にも問われている。
検察側は論告で「自己の性的欲望を満たすため、抵抗や被害申告が難しい女子児童を狙って犯行を繰り返した」と指摘。弁護側は「被告は出所後もカウンセリングを受ける意思を示している。本人にとって最も適切な判決をお願いする」と述べた。
◆「熱が出た」「調理中に指を切った」で119番…救急搬送の4割は「軽傷者」 |
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軽いけがや病気など緊急性が低いとみられる救急搬送者数が、2021年、全体の4割にあたる1万5307人に上ったことが、山梨県消防保安課の調べでわかった。同課は「救急車の適正利用に協力してほしい」と呼びかけている。
同課によると、21年の救急車の出動件数は3万7549件(前年比2104件増)で、搬送件数は3万5273件(同1998件増)だった。出動件数のうち、軽傷者の搬送は40・8%(同0・2ポイント増)だった。
救急隊が現場に到着するまでの平均時間は年々延びており、17年の8・7分から、21年は10・2分(前年比0・3分増)となった。同課は「緊急性のない救急要請の増加が背景にある」と分析する。
新型コロナウイルスの感染拡大で、相談窓口がつながらないことから「熱が出た」と119番するケースや、「調理中に指を切って血が出た」「転んで頭を打った。大丈夫そうだが、心配なので救急車を呼んだ」といった事例があった。
同課は、自分で病院に行ける場合は交通機関を利用し、119番するかどうか迷ったときは、症状の緊急度を判定する消防庁のスマホアプリ「Q助」の利用や、救急医療センター(甲府市)や各消防本部に問い合わせるよう求めている。担当者は「一刻も早く治療を受ける必要がある人の命を救うためにも、正しく救急車を利用してほしい」と話した。
◆岡山大教授の論文捏造、AMEDが研究費の一部返還求める…研究申請は7年間停止 |
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岡山大の神谷厚範教授(56)が発表した乳がんについての研究論文に113か所の 捏造 が見つかった問題で、日本医療研究開発機構(AMED)は27日、神谷教授が論文執筆時に所属していた国立循環器病研究センター(国循、大阪府吹田市)に対して研究費の一部の返還を求めるとともに、神谷教授の研究申請を約7年間停止する制限措置を発表した。
同機構は、神谷教授が国循の室長を務めていた時期に約4700万円の研究資金を提供。このうち不正が認定された論文の執筆に直接関係している費用(11万8668円)について返還を求めた。国循は返還に応じる方針。
制限期間は2023年3月17日~30年3月31日。規則で2番目に長く、同機構は「悪質性が高いと判断した」と説明している。
◆母親訪ねた医師と看護師に「手を汚さず、人を殺せる」…玄関までの通路を1時間塞ぐ |
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訪問診療で自宅を訪れた医師と看護師を約1時間にわたって監禁したとして、埼玉県警武南署は24日、川口市、無職の男(60)を監禁容疑で現行犯逮捕した。
発表によると、男は同日午後4時25分頃~午後5時35分頃、自宅の1階居間で、同居中の母親(88)の診療に訪れた40歳代の女性医師と30歳代の女性看護師に「自分の手を汚さずに人を殺せる」などと脅し、玄関までの通路を塞いで監禁した疑い。
男は調べに対し、「監禁なんてしていない。母親の状態を理解してもらうために話をしていただけだ」と容疑を否認しているという。
女性医師からSNSで助けを求められた送迎スタッフが同署に通報。駆けつけた署員が無施錠の玄関から突入して取り押さえた。2人にけがはなかった。
男は両親と3人暮らしで、母親は寝たきりの状態だった。
県内では昨年1月、ふじみ野市の民家で、住人の男が母親の訪問診療を担当していた医療関係者7人を呼び出し、散弾銃を発砲して立てこもる事件があった。男性医師が死亡したほか、2人が重軽傷を負った。
◆園児の手足持って宙づりに、保育士が虐待行為か…栃木・矢板市の2保育園に改善勧告 |
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保育士が園児の手足を持って宙づりにするなどの虐待行為があった疑いがあるとして、栃木県は矢板市の社会福祉法人「がんばり福祉会」が運営する同市の2保育園に対し、児童福祉法に基づく改善勧告をした。23日付。
勧告を受けたのは、認可保育園「こどもの森こころ保育園」と「こどもの森保育園」。県によると、昨年12月、園関係者から匿名の情報提供があり、県が2月の定期監査で聞き取り調査を実施。▽保育士が園児の手足を持って宙づりにした▽別の園児に砂をかけた園児に対し、保育士が砂をかけた▽園児の頭をたたいた――などを不適切保育と認定した。
こどもの森こころ保育園は、2021年10月にも保育士による園児への暴言などがあったとして、県による行政指導を受けていた。
県は4月21日までに書面での報告を求めており、改善がみられない場合、勧告よりも重い改善命令や事業停止命令などを検討するという。法人側は読売新聞の取材に対し、「弁護士を通して対応する」としている。
◆「リポート提出、1分遅れて留年」看護学生が自殺…教員3人のパワハラ認定
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2019年に自殺した北海道立江差高等看護学院(江差町)の男子学生について、教員のパワーハラスメントの有無を調べていた第三者調査委員会(座長・須田布美子弁護士)は24日、複数の教員のパワハラが自殺につながったと認定した。今月末にも調査結果を道に提出する。
同看護学院では、21年に教員による学生へのパワハラ問題が発覚。道が設置した第三者委による調査で、道立紋別高等看護学院(紋別市)と合わせ、53件のハラスメントがあったことが判明した。ただ、男子学生の自殺は調査対象ではなく、遺族が再調査を要望。弁護士らでつくる第三者委が、昨年10月から調査を進めていた。
第三者委は24日の会議で、「リポート提出が1分遅れたことを理由に留年とされた」など教員3人による4項目の事案をパワハラと認定。「ハラスメントと自死との因果関係はあると考えられる」と結論づけた。
鈴木知事は「大変重く受け止め、深くおわび申し上げる。ご遺族の意向を伺いながら、誠意をもって対応していく」とコメントした。
◆がん疑いで膵臓を全摘出、病変なし判明で退院した男性が自宅で死亡…遺族が賠償提訴 |
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大分市の大分県立病院で昨年、同市の男性(当時59歳)が、がんではなかったにもかかわらず 膵臓 を全摘出した後に亡くなったのは、病院が注意義務を怠っていたことが原因として、遺族が県を相手に3300万円の損害賠償を求めて大分地裁に提訴した。第1回口頭弁論が24日、同地裁(石村智裁判長)であり、県側は請求の棄却を求めた。
訴状によると、昨年5月、男性は県立病院で膵臓がんの疑いがあると診断され、6月に膵臓を全摘出したが、手術中と術後の検査では病変はなかった。合併症によって病状が悪化したにもかかわらず退院し、11月に自宅で死亡しているのを発見された。
死因は「機能性障害に基づく内因性急死」とされ、「病理検査が先行していれば手術は行われなかった。合併症に対する厳重な管理も行わなかった」と主張している。
県立病院側は「次回以降の弁論で具体的な主張をしていく」としている。
◆興奮した特別支援学校生、教諭が2階ベランダに移動させ鍵かけ放置…「転落の恐れあった」 |
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佐賀市の佐賀大付属特別支援学校で昨年11月、女性教諭が高等部の生徒1人を落ち着かせるために2階の教室のベランダに出し、施錠する事案があったことがわかった。同大は「生徒が落下する恐れがあり、不適切だった」として教諭を厳重注意した。
佐賀大によると、教諭は生徒の学級の副担任で、昨年11月24日、興奮状態になった生徒をベランダのベンチに移動させ、鍵をかけた。2分ほど生徒から目を離し、一度職員室に戻った。気持ちを落ち着かせる「カームダウン」が目的で、生徒は10分程度その場にいたとみられる。ベランダの壁の高さは約1・6メートルだった。
その後、保護者から連絡があり、学校が事実確認をしたところ、教諭は昨年9月以降、担任の男性教諭とともに計7回、ベランダでカームダウンを行い、ほかにも1回、鍵をかけていた。
学校は、安全面への配慮が欠けていたとして、12月に担任と副担任を厳重注意した。保護者会でも経緯を説明し、謝罪した。
◆鳥取大教授、犬猫用の未承認薬1本1万5000円で全国の動物病院に…「違法販売の恐れ」 |
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鳥取大農学部共同獣医学科の男性教授が、犬猫用がん治療薬の「臨床研究」で、2021年度までの8年間に全国の延べ791の動物病院に未承認の試薬を有償で提供していたことがわかった。多数の病院で長期間に及ぶ上、一部からは研究に必要な症例報告書を集めておらず、学内外から不適切との指摘が出ている。
農林水産省によると、研究では未承認でも飼い主の同意で投与できるが、不特定多数に反復継続して提供すると未承認薬の販売として医薬品医療機器法(薬機法)に抵触する可能性がある。農水省畜水産安全管理課は読売新聞の取材に対し、「事実であれば、薬機法が禁じる未承認薬の販売にあたる恐れがある」とする。動物用医薬品の臨床研究は届け出などのルールがなく、農水省は未把握だった。
男性教授は「治療薬開発のためにやっていた。試薬の効果も出ていた」と説明。「臨床研究自体は問題なかったが、報告書の回収が不十分だった。法律に関して素人で、結果として有償の未承認薬提供になった」と話した。研究は終了した。
鳥取大と千葉大、医療機器メーカー3社が2013年に共同事業体を設立し、千葉大提供の製剤から男性教授が試薬を作製し、動物病院に有償(1本1万5000円)で提供していた。
動物用医薬品は、治験(臨床試験)の結果などから、有効性や安全性が認められると農水省が承認し、製造・販売できる。治験は農水省に事前の届け出が必要だが、前段階の臨床研究では届け出は不要。人間用の場合に臨床研究法が定める国への届け出などのルールも動物用は対象外だ。
鳥取大の説明では、14~21年度で全国の延べ791の動物病院が提供を受けた。記録が確認できる17年度以降は同大農学部の口座に年1033万~1999万円の入金があり、21年度までの5年間の合計は7887万円。千葉大に支払う製剤費用を除いて、主に男性教授の研究で使われた。
20年に鳥取大内部で研究のあり方が問題となり、大学が調査。研究には試薬の効果や副作用、治療経過に関するデータが不可欠だが、症例報告書が一部の病院から提出されていなかった上、製造・販売する製薬会社を確保するめどが立たず、薬事承認の具体的な見通しがないことがわかった。
臨床研究は21年3月末で終了。投与途中の一部の動物病院には約半年間、試薬提供を続けた。大きな副作用の報告はなく、入金の私的流用もなかったという。
鳥取大は取材に対し、「研究成果がバックされていないのは確かで、全体の仕組みに問題があったのは否めない」としている。千葉大は「技術提供のみで、鳥取大を信用して契約していた」とした。
◆東千葉メディカルセンター元総務課長、総額4000万円以上の収賄か…追送検へ |
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千葉県東金市の地域中核病院「東千葉メディカルセンター」を巡る贈収賄事件で、収賄容疑で逮捕された同病院元総務課長の久米忠之容疑者(46)(千葉市花見川区)が、贈賄容疑で逮捕された医療事務会社代表の桑田久雄容疑者(62)(同市美浜区)から、さらに計千数百万円を受け取っていたとして、県警は近く、千葉地検に追送検する方針を固めた。これまでの判明分と合わせ、計4000万円以上の賄賂を収受していた疑いが持たれている。
捜査関係者によると、久米容疑者は2018年5月に桑田容疑者が代表の「メディカルサポート」(同区)と医事業務委託契約を結んで以降、同社に便宜を図った見返りとして19年までに複数回にわたり現金計千数百万円を受け取った疑い。同病院は、東金市と九十九里町が出資する地方独立行政法人が運営し、職員はみなし公務員にあたる。
久米容疑者は19年9月下旬頃~20年10月上旬頃、桑田容疑者から計2700万円の賄賂を受け取ったとして、今月7日に逮捕された。
◆国立病院機構の医薬品入札で5社談合、調査協力減算制度を初適用で課徴金減額 |
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独立行政法人「国立病院機構」(東京)が九州地区で発注した医薬品の入札で談合したとして、公正取引委員会は24日、医薬品卸大手など5社に対し、独占禁止法違反(不当な取引制限)で計6億2728万円の課徴金納付命令と再発防止を求める排除措置命令を出した。調査への貢献度が大きい場合に課徴金の減額分を増やす「調査協力減算制度」が初めて適用された。
5社は、医薬品卸大手の「アルフレッサ」(東京)、東邦薬品グループの「九州東邦」(福岡)、スズケングループの「翔薬」(同)、九州地区で医薬品卸を営む「アステム」(大分)と「富田薬品」(熊本)。
発表によると、5社と卸大手「メディセオ」の関連会社「アトル」(福岡)は2016年6月から19年11月、国立病院機構が発注した九州7県の計31病院で使われる医薬品の一般競争入札で談合をした。発注総額は年度当たり約210億円で、対象医薬品2万5251品目のうち、約87%で受注調整が行われていた。
アトルは公取委の調査開始前に最初に違反を申告し、課徴金減免(リーニエンシー)制度に基づいて処分を免れた。残る5社も調査前後に申告。うち3社には減算制度が適用され、5社とも課徴金が減額された。
初適用の調査協力減算制度は、2006年に導入されたリーニエンシー制度を拡充するものだ。
リーニエンシー制度は違反を自主申告すると、課徴金が100~5%減免される。減免額は申告の順番で決まり、いったん申告すれば額は変わらないため、申告後に非協力的な態度に転じる事業者もあったという。
一方、減算制度は公取委の調査に協力した度合いで減額分が決まる。度合いは、事業者が公取委に報告した違反内容が、〈1〉具体的で詳細か〈2〉網羅的か〈3〉裏付ける証拠があるか――の3要素で評価される。課徴金の最終的な減免額はリーニエンシー制度との合算で決まる。
公取委幹部は「公取委は真相解明につながる証拠や証言を集めやすくなり、事業者も協力すればするほど課徴金を減らせる。双方にメリットがある」と話す。
◆調査協力減算制度= 事業者による違反報告の内容が「真相解明に役立った」と評価されれば、課徴金が減額される。2019年6月の独占禁止法改正により、20年12月に導入された。調査前に利用を申し出れば40~10%、調査後でも20~5%の3段階で減額される。
◆岡山大教授、乳がんの論文1本で113か所捏造…「過去に類を見ない悪質さ」 |
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岡山大学術研究院医歯薬学域の神谷厚範教授(56)が2019年に国際科学誌で発表した研究論文1本で113か所の 捏造 があったとする調査結果を、同大学などが24日発表した。神谷教授は不正を否定しているが、同大学などは「過去に類を見ない悪質さ」として論文の撤回を求めるとともに処分を検討する。
岡山大教授、乳がんの論文1本で113か所捏造…「過去に類を見ない悪質さ」
論文は、神谷教授が国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)室長の時に行ったマウスの実験などから、乳がんの増殖・転移に、ストレスで活発になる交感神経が関係していたとする内容で、他の研究者による引用回数は100回を超える。
20年秋にAMED(日本医療研究開発機構)から調査要請などがあり、岡山大と国循が調査。その結果、実験で使ったとしたマウスやラットの数に比べ、実際に使用した記録が残っていた数は10分の1以下で、同大学などは「動物数が大幅に不足し、全ての実験を行うことは不可能」とした。
神谷教授は「1匹のマウスで8匹分の実験をした」と説明したが、同大学などは「科学者として考えられない方法」として捏造や改ざんを認定した。実験データの提出を求められた神谷教授は「18年の大阪北部地震で失った」などとして提出しなかったという。
神谷教授は14~18年度、乳がんなどの研究でAMEDなどから少なくとも約6300万円の研究資金を受けていた。
◆妊婦は禁止のコロナ飲み薬「ゾコーバ」、妊娠の可能性ある女性の服用判明…3人目 |
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塩野義製薬の新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ゾコーバ」について、厚生労働省は22日、妊娠している可能性がある女性が服用したケースが新たに確認されたと専門家部会に報告した。胎児に悪影響が出る恐れがあるため、妊婦らへの使用は禁じられているが、これまでに妊婦2人の使用例が判明している。
◆イチゴ大福食べた幼稚園児ら36人、下痢や嘔吐…患者や菓子店従業員らからノロウイルス |
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大津市は21日、同市本丸町の菓子製造業「松田常盤堂」のイチゴ大福を食べた市内の幼稚園児、中学生とその家族ら計36人(男性14人、女性22人、4歳~50歳代)が下痢や 嘔吐 、発熱などの症状を訴え、複数の患者や従業員からノロウイルスを検出したと発表した。いずれも快方に向かっている。市保健所は、同店を21日から2日間の営業停止処分とした。
◆医学部不正入試の順天堂大、1億6675万円支払いで和解…1183人と消費者機構に |
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順天堂大の医学部不正入試問題を巡り、特定適格消費者団体のNPO法人「消費者機構日本」が元受験生に代わって同大に受験料などの返還を求めた裁判は20日、東京地裁(中吉徹郎裁判長)で和解が成立した。原告側弁護団によると、同大が元受験生1183人や機構に総額約1億6675万円を支払う内容。同機構が起こした同種の裁判で和解が成立したのは、東京医科大に続き2件目。
◆特養入居者のナースコール、夜間に鳴らぬよう機器交換…「虐待」と判断し介護職員処分 |
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長野県中野市や飯山市など6市町村でつくる北信広域連合は15日、同連合が運営する特別養護老人ホームふるさと苑(中野市)で、30歳代と40歳代の女性介護職員計4人が、入所者1人のナースコールが夜間に鳴らないよう、機器を取り換えていたと発表した。中野市の調査で「虐待」と判断されたのを受けて、同連合は同日付で職員4人を戒告の懲戒処分とし、上司の男性職員2人を訓告とした。
◆強制不妊、札幌高裁が国に1650万円賠償認める判決…地裁判決を取り消し |
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旧優生保護法に基づく不妊手術を強制されたとして、札幌市の小島喜久夫さん(81)が国に3300万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は16日、請求を棄却した1審・札幌地裁判決を取り消し、国に1650万円の賠償を命じた。大竹優子裁判長は旧法を違憲と認定し、不法行為から20年で賠償請求権が消滅する「除斥期間」の適用を求めた国の主張については、「著しく正義・公平の理念に反する」として退けた。
旧法を巡る国家賠償請求訴訟のうち、国に賠償を命じた判決は、高裁、地裁を合わせて6件目。
判決によると、小島さんは1960年頃、病院で強制的に手術を受けさせられた。大竹裁判長は「国の施策は障害者に対する根強い社会的差別や偏見を正当化、助長し、賠償請求権の行使に必要な情報を得ることを阻害した」と、除斥期間が適用されない理由を述べた。
◆コロナワクチン接種後に死亡、新たに男女11人に一時金…脳梗塞など「否定できない」 |
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厚生労働省の専門家分科会は14日、新型コロナウイルスワクチンの接種後に死亡した52~83歳の男女11人について、死亡一時金の請求を認めた。コロナワクチン接種後の死亡例の一時金支給は計41人となる。11人は脳 梗塞 などが起きて亡くなっており、同分科会は「接種によって起こることを否定できない」と判断した。
◆岡山大病院の男性看護師が盗撮「勤務中も撮影した」「下着に興味があった」 |
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岡山大は14日、女性の下着を盗撮したとして、同大病院(岡山市北区)の30歳代の男性看護師を懲戒解雇にしたと発表した。
同大によると、看護師は昨年12月24日、岡山市北区の書店で、女性の背後からスカート内に携帯電話を差し入れて下着を動画で撮影したとされる。書店から連絡を受けた岡山県警岡山西署員が県迷惑行為防止条例違反の疑いで捜査し、今月3日、同容疑で書類送検したという。看護師は同大に対して、「勤務中も撮影した。下着に興味があった」と説明。常習性があることなどから、懲戒解雇とした。
記者会見した高橋香代理事は「厳正な処分をした。服務規律の一層の徹底に努める」との槙野博史学長のコメントを読み上げた。
◆42歳女性の接種後死亡「因果関係否定できず」…コロナワクチンで初の判定 |
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厚生労働省は10日、昨年11月5日に新型コロナウイルスワクチンを接種した後に死亡した42歳女性について、「接種と死亡との因果関係が否定できない」とする専門家評価を公表した。接種後の死亡例は約2000件確認されているが、「因果関係が否定できない」と判定されたのは初めて。データ不足などから「評価できない」とされる例が多かった。
厚労省は女性の身元を明らかにしていないが、死亡日や年齢などから愛知県愛西市の女性とみられる。
女性は、米ファイザー製のBA・5対応ワクチンを接種した直後に呼吸苦などを訴え、24分後に心肺停止した。対応した医師は、急性アレルギー反応「アナフィラキシー」を発症した疑いがあると報告している。
厚労省が示した専門家評価は、診断基準と合致するのが呼吸器症状のみだったため「アナフィラキシーとは言えない」とする一方で、接種の影響以外に死因となりうる異常が見当たらないため、「因果関係が否定できない」とした。
厚労省は10日、接種後の観察について、改めて医療関係者に注意喚起するよう、都道府県などに通知した。
◆市立病院で遺体取り違え病理解剖、入院患者と救急搬送の患者…胸部と腹部切開して気が付く |
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長野県の松本市立病院は9日、オンラインで記者会見を開き、病理解剖を予定していた入院患者と取り違え、救急搬送後に亡くなった患者の遺体を誤って解剖したと発表した。取り違えた患者の遺族に経緯を説明し、今月和解したという。同院は患者の特定につながるとして、年齢や取り違えの時期などを明らかにしていない。
発表によると、取り違えられた患者は心肺停止状態で同院に搬送された後に医師が死亡を確認し、病理解剖室の前室に安置した。遺体は通常、霊安室に安置されるが、発熱外来の設置以降は、遺族が引き取りに来るまで前室を一時的に利用していたという。
その後、亡くなった入院患者の主治医らが、解剖室の前室に入室。病理解剖をする遺体と思い込み、解剖を始めた。胸部と腹部を切開すると、生前の手術の形跡がないことに気づき、取り違えが判明した。本来、病理解剖される予定の入院患者は、院内の病室に安置されたままだったという。
同院は取り違えの原因として、〈1〉解剖室で主治医や執刀医らが患者を確認しなかった〈2〉遺体の氏名を確認できるものがなかった〈3〉外来患者の遺体を前室に安置していることが主治医らに伝わっていなかった――ことなどを挙げた。再発防止のため解剖マニュアルを見直し、入院患者のネームバンドを解剖終了まで外さず、解剖時には執刀医や臨床検査技師、主治医らが遺体の確認を徹底するという。
中村雅彦院長は「ご遺体を傷つけ、ご遺族に大変なご心労をおかけしたことを心よりおわび申し上げる。医療安全に対する意識の向上と、再発防止の徹底に努める」としている。
◆「がんに効く飲料開発」と勧誘、無登録で未公開株販売疑い…健康食品会社社長ら逮捕 |
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自社の未公開株を違法に販売したなどとして、警視庁は9日、健康食品販売会社「ウィンメディックス」(東京都千代田区)社長の白木茂容疑者(45)(文京区関口)ら男2人を金融商品取引法違反容疑で逮捕したと発表した。逮捕は8日。警視庁は同社が2017年以降、がんに効く健康食品開発をうたって全国の約1万5000人に未公開株を販売し、約80億円を売り上げたとみている。
発表によると、白木容疑者らは21年12月、国への届け出や金融商品取引業の登録がないのに、都内のイベント会場などで自社株の購入を勧誘し、約2000人に未公開株を計約8億7000万円で販売した疑い。白木容疑者は「未公開株を販売したが、勧誘はしていない」と容疑を一部否認している。
同社は「がんに効く飲料を開発している」などとうたい、がん患者や家族に株の購入を持ちかけていた。購入者には配当金を支払うとも宣伝していたが、同社は株主に一度も配当金を出していなかったという。
◆証明書は正午必着なのに…学校から午後到着、准看護師受験20人に県「資格なし」 |
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宇都宮市医療保健事業団付属宇都宮准看護高等専修学校は6日、学校側の事務処理のミスで、学生20人の准看護師試験の受験が無効になったと発表した。
発表によると、2月14日に2年生20人が宮城県の准看護師試験を受験。同校は宮城県に、修業の証明書を3月3日正午必着で送る必要があったが、2日午前に速達で送付し、到着が3日午後になったという。
同校は、卒業前に「卒業確定証明書」を送付することもできたが、3月2日の卒業式後に正式な「卒業証明書」を送ろうとしたと釈明。宮城県からは「受験資格がなかったものとする」との連絡があった。
准看護師試験は、各都道府県が2月5日か同14日に実施。20人は全員、5日に栃木県の准看護師試験も受けている。同校は3月7日の栃木県の合格発表を踏まえ、就職予定の医療機関などに予定通り雇用するよう要請することや、旅費や受験料の弁償、来年の試験に向けた無償の補習といった対応も検討するという。
◆女性患者の下半身触りカメラで撮影…クリニック院長「診察の正当性を担保するため」 |
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患者にわいせつ行為をしたとして、警視庁は8日、東京都豊島区の「大塚南口駅前脳神経内科クリニック」院長西田隆容疑者(54)(豊島区南大塚)を準強制わいせつ容疑で逮捕した。
発表によると、西田容疑者は2021年10月、婦人科の診察に訪れた20歳代の女性患者に対し、クリニックの治療室内で診察と称して下半身を触ったり、その様子を眼鏡に仕込んだ小型カメラで撮影したりした疑い。容疑を否認し、「診察の正当性を担保するために撮影した」と供述している。
女性が診察後に警視庁に相談した。西田容疑者のパソコンからは複数の女性患者が映った動画が見つかり、警視庁は他にも被害者がいるとみて調べている。
◆人工呼吸器のチューブ抜け30分間心停止状態、男児の意識戻らず…両親が病院を提訴 |
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愛知医科大学病院(愛知県長久手市)で2018年、入院中の男児(5)が医療ミスで低酸素脳症になったなどとして、男児の両親が7日、同大に約1億7000万円の損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こした。男児は現在も意識が戻っておらず、両親は今年1月、看護師ら3人を業務上過失致傷容疑で愛知県警に刑事告訴している。
訴状などによると、男児は生後7か月だった18年7月、ウイルス性の肺炎で同病院に入院。気管に人工呼吸器のチューブを挿入していたが、看護師らが男児を持ち上げて体の向きを整えた際、チューブが抜けた。
両親は、看護師らがチューブが抜けたことを認識していたが、すぐに医師を呼ぶなどの対応をしなかったため、男児が約30分間にわたり心停止状態となり、重度の低酸素脳症に陥ったなどと主張している。
病院側は読売新聞の取材に「刑事事件になっているため、回答は控えたい」としている。
◆女子大生が吐いたものから致死量のタリウム検出…宮本容疑者が多量に準備か |
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京都市の立命館大3年浜野日菜子さん(21)がタリウムの摂取により殺害された事件で、浜野さんが吐いたものから致死量に達するタリウムが検出されたことが捜査関係者への取材でわかった。検出されたのは摂取したとみられる自宅以外の場所で、大阪府警は、タリウムの特性や時間経過などから、不動産会社経営宮本一希容疑者(37)(殺人容疑で逮捕)が多量に準備した可能性があるとみている。
捜査関係者によると、宮本容疑者は逮捕前の任意聴取で、昨年10月12日未明以降、浜野さんが一人暮らしをする京都市の自宅マンションで一緒に飲酒した後、浜野さんがせき込み始め、同日朝になっても症状が回復しなかったと説明。府警は浜野さん宅で宮本容疑者がタリウムを混ぜた酒を飲ませたとの見方を強めている。
タリウムは一般的に入手困難で、致死量は1グラム程度。摂取すると、早ければ10分程度で 嘔吐 や腹痛などの症状が表れ、しばらくすると神経に障害が生じて呼吸不全に陥り、死亡するとされる。
浜野さんが両親に連れられて車で自宅を出たのは12日朝。浜野さんに意識はあったが、 咳 が止まらない状態で、大阪府内の医院を受診後、別の病院に救急搬送された。この頃に浜野さんが吐いたものから致死量に達するタリウムが検出されたという。
劇毒物に詳しい唐木英明・東京大名誉教授(毒性学)は「嘔吐物から致死量のタリウムが検出されたのであれば、体内に吸収されたり既に排出されたりした分もあることから、その数倍を摂取した可能性がある」と指摘している。
一方、これまでの捜査で、浜野さん宅からタリウムは検出されておらず、府警は更に詳しく調べている。
宮本容疑者は逮捕後の調べに黙秘している。
◆タリウム摂取させた後に市販薬、介抱を偽装か…女子大生の体調悪化直前に一緒に飲酒 |
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京都市の立命館大3年浜野日菜子さん(21)が毒性の強いタリウムの摂取により殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された不動産会社経営宮本一希容疑者(37)(京都市左京区)が、浜野さんの体調が悪化する直前に浜野さん宅で一緒に飲酒していたことがわかった。市販薬を購入していたことも判明し、大阪府警はタリウムを混ぜた酒を飲ませた後、市販薬を服用させて介抱したように装った可能性があるとみている。
捜査関係者によると、宮本容疑者は逮捕前の任意の事情聴取に対し、昨年10月11日夜、浜野さんと京都市内のバーで飲食後、浜野さんの自宅マンションで飲酒したと説明。「酒を飲んでいると浜野さんの 咳 が止まらなくなった。12日には、近くの薬局で薬を買って渡した」と述べたという。
府警の捜査で、浜野さん宅への出入りは、防犯カメラ映像などから2人以外にはなく、室内には酒を飲んだ痕跡があったことが判明。府警は薬物の専門家の意見も踏まえ、宮本容疑者が浜野さん宅にいた同12日午前にタリウムを浜野さんに摂取させ、15日に入院先の病院で死亡させて殺害したと判断した。
市販薬の購入については、府警は防犯カメラ映像などでも確認した。
府警は、浜野さんの両親が「娘には色んな予定があった」と説明したことなどから、浜野さんに自殺する動機はなかったと判断している。タリウムは一般に入手が困難で、宮本容疑者が入手した経緯を調べる。
府警は4日、宮本容疑者を殺人容疑で送検した。宮本容疑者は逮捕後の調べに黙秘している。
◆芸能界のセクハラ問題担当弁護士がセクハラ、舞台俳優「性的関係を強要された」と提訴 |
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演劇界などのハラスメント問題に取り組む 馬奈木厳太郎 弁護士(47)から性的関係を強要されるなど、セクハラ被害を受けたとして、舞台俳優の知乃さん(25)が馬奈木氏に1100万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
提訴は2日付で、訴状によると、知乃さんは2019年9月~22年1月、自身が被告となった民事裁判の打ち合わせなどと称して馬奈木氏から 執拗 に呼び出され、体を触られたり、意思に反して性的関係を強要されたりしたとしている。
知乃さんは18年、「演劇・映画・芸能界のセクハラ・パワハラをなくす会」を設立。馬奈木氏は業界の著名人とも親交があるといい、同会の顧問として活動を支援してもらっていた。知乃さんは3日、東京都内の記者会見で「ずっと嫌だったが、年の差と演劇界での権威を利用された」と話した。
馬奈木氏は1日、自らのブログで代理人を務めていた女性に対するハラスメントを認め、「訴えづらいハラスメント被害の相談を受けてきた者として信頼を裏切った」などと謝罪した。馬奈木氏は東京電力福島第一原発事故を巡る避難者訴訟で弁護団事務局長も務めていたが、昨年12月に「体調不良」などを理由に退任を申し出た後、退いた。
◆保険外の再生医療、25%が「安全性に疑義」…肝障害を美容外科医が治療のケースも |
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公的医療保険の対象外の自由診療で行われている再生医療のうち、25%が「安全性の科学的根拠に疑義がある」とする調査結果を、国立がん研究センターや京都大iPS細胞研究所などのチームが発表した。「患者が安全性が不確かな治療に高額な費用を支払ってしまう恐れもある。審査のあり方を見直す必要がある」と指摘している。
国内で再生医療を行う場合は、再生医療安全性確保法に基づき、外部の有識者を含む認定委員会で、治療計画の審査を受ける。計画が承認されれば、国に届け出て実施する。
調査は、患者自身の幹細胞を使う再生医療を対象とした。2019年時点で国に届け出があった計画351件を分析したところ、〈1〉文献が確認できない〈2〉臨床研究論文の引用がない――などの理由から88件(25%)で、安全性の科学的根拠に疑義が生じたという。
また、中止された計画も含む391件について、治療対象の病気と担当医の専門分野を確認。117件(30%)が適合していなかった。例えば、肝障害の治療を、美容外科医や眼科医が担うケースがあった。
調査結果をまとめた同センターの 一家 綱邦・生命倫理部部長は「同じコンサルティング企業が、医療機関と委員会の双方に関わり、審査の独立性が保てない恐れがあるケースがみられた。公正な審査体制の整備が求められる」と語る。
◆次亜塩素酸ナトリウム入りの水、ホテルのレストランで16人に提供…10代ら3人救急搬送 |
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26日午後7時25分頃、大阪府泉佐野市のホテルのレストランで、漂白剤などに使われる「次亜塩素酸ナトリウム」が入った水が誤って客16人に提供され、うち10代の子ども2人と30代の男性1人の計3人が体調不良を訴えて救急搬送された。
次亜塩素酸ナトリウム入りの水、ホテルのレストランで16人に提供…10代ら3人救急搬送
消防によると、いずれも軽症という。
◆小1児童から椅子取り上げ、膝立ちで授業・立ったまま給食…女性教諭が指導の一環で |
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福岡県久留米市立小で3日、女性教諭が指導に従わなかった1年生の複数の児童から椅子を取り上げ、膝立ちや立った状態で午前中の授業を受けさせていたことが分かった。給食を立ったまま食べた児童もいた。市教育委員会は「不適切な指導だった」と認め、学校に再発防止を求めた。
市教委や関係者によると、教諭は1年生のクラス担任。火災など緊急時の避難の妨げになるとして普段から椅子は机の下にしまうように指導していたが、4人の児童が守らなかったため、2日の放課後に椅子を撤去したという。
3日朝、登校後、椅子の撤去に気づいた別の児童が、ほかにも机にしまっていない椅子があるのに気づき、その椅子を廊下に出した。教諭はこの児童の椅子も返さず、計5人が椅子がない状態で、始業時から4時間目まで、立ったり床に膝立ちしたりして授業を受けた。教諭に謝罪した4人に椅子を返したが、別の児童から廊下に椅子を出された1人は謝罪せず、午前中の授業の後の給食も立ったまま食べたという。その後、教諭はこの児童にも椅子を返した。
6日に保護者から学校に連絡があり発覚した。学校の聞き取りに対し、教諭は指導の一環で椅子を取り上げたことを認めたという。教諭はその後、児童の保護者に謝罪した。児童の関係者は読売新聞の取材に対し、「椅子を取り上げたまま授業を受けさせる行為は決して許されない」と話した。
◆知的障害の女児にカッター見せ指導、病気休職中は無許可で舞台報酬…大阪府立支援学校の教諭 |
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大阪府教育委員会は24日、知的障害のある女子児童を指導する際にカッターを見せて恐怖心を抱かせたなどとして、府立支援学校の男性教諭(54)を停職6か月の懲戒処分にした。
発表によると、同教諭は昨年6月、席を立って他の児童をひっかこうとした小学部6年の女児を怖がらせておとなしくさせようと、約2メートルの距離から段ボール用のカッター(全長約20センチ、刃渡り約8センチ)を見せて、席に座らせた。その後も着席させる目的で、同様の行為を少なくとも5回行った。この教諭はまた、趣味の舞台公演に無許可で13回出演し計約24万円の報酬を受け取る兼業をしていた。うち5回は病気休職中だった。
府教委はこのほか女性教諭に「(修学旅行の下見に)僕と2人で行こう」などと発言した門真市立中の男性校長(57)を減給3か月(10分の1)の処分にした
◆臓器あっせん、違法確定なら「NPO認証取り消しも視野」…都局長が答弁 |
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海外での臓器移植を無許可であっせんした疑いで警視庁に摘発されたNPO法人「難病患者支援の会」(東京)について、東京都の横山英樹・生活文化スポーツ局長は21日の都議会で「司法の場などで法令違反が確定した場合、NPO認証取り消しも視野に必要な措置を行う」と述べた。
代表質問で西沢圭太都議(43)(立憲民主)の質問に答えた。横山局長は「(摘発の)報道を受け、関係者から改めて事実関係のヒアリングを行うなど法に基づき適切に対応している」とした。
同会を巡っては、仲介を受けて海外で臓器移植を受けた患者らが、NPO法人であることを理由に会を信頼したなどと話している。会は2007年に内閣府からNPO認証を受け、12年度から都が所管している。
◆ゾコーバ使用した妊婦が流産、厚労省が報告…「因果関係は不明」 |
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厚生労働省は21日、塩野義製薬の新型コロナウイルス感染症の飲み薬ゾコーバについて、使用した30歳代の妊婦が流産したと、専門家調査会に報告した。妊婦は、胎児の成長に悪影響が出る恐れがあるため使用が禁じられている。専門家からは「自然流産の可能性もあり、服薬との因果関係は不明」との指摘があった。
これまで妊婦2人がゾコーバを使ったことが判明しており、今回、うち1人が流産したことが報告された。厚労省は都道府県などを通じ、医療機関に患者が妊娠していないことや妊娠の可能性がないことを入念に確認するよう求める事務連絡を出している。
◆胎児奇形の懸念あるアビガン、429人に不適切処方…厚労省は医療機関を公表せず |
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新型コロナウイルス治療薬としては未承認の抗ウイルス薬「アビガン」が、千葉県内の公立病院で国の通知に違反して外来患者に処方された問題で、厚生労働省は19日までに、不適切な使用例は全国5医療機関計429人で確認されたとする調査結果をまとめた。うち2人は感染者の接触者だった。健康被害の報告はないという。
厚労省は、国内でコロナの承認薬がない状態だった2020年春、新型インフルエンザ用に備蓄していたアビガンの処方を「観察研究」という枠組みで認めた。ただし動物実験で胎児に奇形が生じる副作用が確認されていたため、対象を入院患者に限定し、医師による管理を求めた。
しかし、21年夏に千葉県内の公立病院が計115人に外来処方していたことが同年末に判明。同省は研究を終了し、類例がないか全国調査していた。
調査によると、使用したのは全国1166医療機関で、計5万1008人が投与された。うち4機関が国の通知を十分理解せず、外来の計427人に処方した。1機関では、感染者に接触したが、検査で陽性だとは確認されていない2人にも使用された。厚労省は機関名を公表していない。
残る1161機関のうち19機関が入院していない90人に「病床を確保できないが、早期投与が必要」などとして処方したことも判明。これについて厚労省は「緊急避難的な使用」として不適切事例に含めなかった。
製造販売元の富士フイルム富山化学(東京)はコロナ治療薬の承認を目指して臨床試験を進めたが、22年10月に開発を打ち切り、承認申請を取り下げると発表した。
コロナ治療に詳しい愛知医科大の後藤礼司医師は「多くの医療現場で専門医がアビガンの効果を疑問視していたのに、国が観察研究の枠組みを続けていたのは問題だった」と話す。
◆パソナ受託の接種予約センター、オペレーター水増しで応答率1%未満も…再委託先で不正 |
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人材派遣大手のパソナ(東京)が、新型コロナウイルスワクチンの接種予約を受け付けるコールセンター業務を巡り、大阪府と兵庫県の3市に約10億8000万円を過大請求していた問題で、同府枚方市民向けのセンターでは、再委託先が電話対応できた割合が、1%に満たない時間帯があったことがわかった。厚生労働省はパソナの過大請求を受け、再委託先を含めて管理を徹底するよう全国の自治体に注意を呼びかけた。
再委託先は、コールセンター業者「エテル」(大阪市中央区)。枚方市は2022年11月1日昼頃、電話の着信件数に対し、予約が完了した件数が少ないことをパソナに指摘。パソナが同日午後、センター業務を担うエテルの大阪市内の施設を訪れ、オペレーターの水増し報告などが発覚した。
パソナが同日のセンターの応答率(電話着信の件数に占める対応できた件数)を調べたところ、着信が集中した午前9時台は計1万1305件に対し、対応できたのは124件で1・1%。10分刻みで見ると、スタート時の午前9時からの10分間は0・96%で、9時10分からの10分間はこの日最少の0・77%だった。午後2時台まで9%以下で推移した。
終了間際の午後5時台に初めて70%を超えたが、着信件数が計362件にとどまった結果、応答率が上昇したという。パソナの調査では、この日100人配置すべきオペレーターが33人しかいなかったことが既にわかっている。
日本コールセンター協会(東京)によると、センターの望ましい応答率は「70~80%」。その後、エテルは当初から対応件数などを虚偽報告していたことがわかり、パソナは「改ざんに気付くのは難しい」と釈明したが、協会側は「再委託先に出向き、データ照合などを複数回やる必要があったのでは」と指摘する。
立ち入り怠る
パソナは3市が支払う委託料の中から管理費を受け取って、エテルに業務を再委託していた。このため、エテルを管理監督する立場にあり、契約当初から22年3月までセンターの立ち入りを数回実施したが、不正を見破れなかった。さらに同年4月以降は現地を訪れていなかった。
エテルは当初、「コールセンターは福岡市に置く」とパソナに説明していたが、札幌や仙台でも業務を行っていた。福岡でオペレーターを確保できなかったためとみられるが、パソナはこうした実態を把握していなかった。
自治体も反省
政府がワクチン接種の具体的なスケジュールを示したのは21年1月。緊急性が高く、各自治体はその頃からコールセンター事業者を奪い合う事態となった。
パソナによると、エテルとは過去に取引経験がなかった。土日祝日も対応できる点を評価して契約したとするが、エテルが業務をきちんとこなせるのかといった不安もあったという。
エテルは現時点で取材に応じていない。パソナの広報担当者は「もっと早く不正に気付くべきだったという指摘は厳粛に受け止めたい」と謝罪。枚方市新型コロナワクチン接種対策室の担当者も「パソナがきちんと管理していると思っていた。市の管理監督も不十分だった」と反省の言葉を口にした。
今回の事業は国の予算で全額賄われており、厚労省健康局の担当者は「公金のずさんな管理は絶対に許されない」としている。同省は10日付で全国の自治体に対し、「ワクチン接種業務で再委託が行われている場合、受託業者が管理監督を適切に行っているか確認を」と対応を求める文書を出した。
不正起きない環境を
自治体の民間委託に詳しい辻琢也・一橋大教授(行政学)の話「今回のコロナワクチン接種事業のように、国の財源で行う事業では、自治体はどうしても当事者意識が薄れ、業務管理が甘くなる。特に受託業者による再委託を認める場合、立ち入り頻度を決めたり、パソコンの使用時間を確認したりするルールを自治体と業者間で事前に定め、不正が起きにくい環境を整備しておくべきだ」
◆歯のかみ合わせ矯正手術後に呼吸困難、10代女性が死亡 |
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愛媛県立中央病院(松山市)は17日、昨年2月に顎の手術を受けた県内の10歳代の女性が、術後の合併症で死亡する医療事故があったと発表した。遺族との示談が15日に成立した。
発表では、歯のかみ合わせを矯正するために下顎の骨を一部切除した女性が、2日後の深夜に痛みや吐き気を訴えた。看護師から電話で相談された医師は、経過観察を指示したが、女性の容体が急変。気道が腫れて呼吸困難になり、集中治療室で治療を受けたが、手術の20日後に低酸素脳症で死亡した。
病院は昨年3月、原因究明のために調査委員会を設置した。医療行為に過失はなかったと結論付けたが、「看護師と医師との連携体制が十分ではなかった」と指摘した。
県庁で記者会見した菅政治・病院長は「救命できず、信頼を裏切って申し訳ない。院内の連携をより一層強化する」と謝罪した。
◆女性の背中にできた腫瘍、医師が間違って過去の手術痕を切除…韮崎市立病院 |
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山梨県韮崎市立病院で昨年7月、腫瘍と誤って皮膚の一部を切除するミスがあったことが市への取材でわかった。
市によると、非常勤男性医師が女性患者の背中にできた良性腫瘍の手術で、間違って過去の手術痕を切除したという。市は示談で女性患者に解決金約30万円を支払う議案を2月議会に提出する。
◆世田谷区立保育園で女児にわいせつ容疑、32歳保育士逮捕…保坂展人区長「深くおわび」 |
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勤務先の東京・世田谷区立保育園で園児にわいせつな行為をしたとして、警視庁が保育士の古谷翔太容疑者(32)を強制わいせつ容疑で逮捕したことがわかった。逮捕は15日。
捜査関係者によると、古谷容疑者は昨年4~11月、当時勤務していた世田谷区立の認可保育園で、女児の体を触るなどのわいせつ行為をした疑い。古谷容疑者の逮捕を受け、保坂展人区長は「信頼を損ねる結果となり、深くおわびする。捜査に協力するとともに、信頼回復と再発防止に努める」とのコメントを出した。
◆校長や教頭がパワハラで病気休職、加害者は事務職員「『仕事できません』と首に札下げさせろ」
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長崎県教育委員会は17日、勤務校の校長ら計6人に対してパワハラ行為を繰り返したとして、同県西海市立中学校の男性事務職員(59)を停職6か月の懲戒処分とし、課長補佐相当職から係長相当職に降任する分限処分を行った。
発表によると、行為があったのは2021年7月から約1年間。自身に職員会議での提案内容の事前報告がなかったことに怒り、校長に「聞いとらん」などと暴言を吐いたほか、「(教頭に)『私は仕事できません』と札に書いて首から下げさせろ」と校長に指示するなどした。
22年4月に着任した新しい教頭にも「あなたとは関わりたくない」と威圧的な発言をした。校長と新しい教頭は精神疾患を発症し、校長は10か月間、教頭は4か月間、病気休職している。
県教委は「この職員の協力がなければ業務の円滑な遂行が困難な状況下にあるという優位性を背景に行為に及んだ」と認定した。
◆多臓器不全で2歳児死亡、「看護師がアラームを見過ごすミス」…遺族が病院を提訴 |
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神奈川県の藤沢市民病院で2020年9月、男児(当時2歳)が多臓器不全で死亡したのは看護師のミスがあったためだとして、鎌倉市の遺族が16日、病院を相手に、慰謝料など計約8820万円の損害賠償を求めて横浜地裁に提訴した。
訴状によると、男児は20年9月2日夕、手足に 痙攣 などがあり、藤沢市民病院に緊急入院した。3日朝に頻脈と動脈血酸素飽和度の低下を警告するアラームが鳴ったが、担当看護師は院内PHSを携帯する規則を守っていなかったため気づかなかった。別の3人はアラームに気づいたが適切に対応せず、男児は約30分後に心肺停止状態にあることが判明。2日後に多臓器不全で亡くなったとされる。
男児の父は読売新聞の取材に対し「アラームを見過ごす事故は全国で起きている。このような事故が起きない社会にしたい」と語った。藤沢市民病院総務課は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。
◆注意を聞かない小1男児の手足、児童クラブ女性職員が養生テープで縛る |
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神奈川県相模原市は15日、市立児童クラブで、児童育成支援補助員の女性職員(47)が、小学1年の男子児童の手足をテープで縛る問題行為をしていたと発表した。市は職員を処分する方針。
発表によると、10日午後3時35分頃、職員は同市中央区の児童クラブ内で、注意を聞かなかったとして、男児の両足首、両ひざ、後ろに回した両手首にそれぞれ養生テープを巻いて縛った。発見した他の職員が止め、男児にけがはなかった。女性職員は市の調査に対し「申し訳ないことをした」と話しているという。
市こども・若者支援課は「あってはならない行為。再発防止に努める」としている。同課によると、男児の保護者は暴行の疑いで相模原署に被害届を出したという。
◆入院患者の頭を手でたたく、精神科病院の50代看護師を逮捕…「複数の職員が暴力」の告発も |
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入院患者に暴力を振るったとして、警視庁八王子署は、東京都八王子市の精神科病院「滝山病院」に勤務する50歳代の看護師の男を暴行容疑で逮捕した。
八王子署幹部によると、男は昨年4月4日午後5時頃、当時入院していた男性患者の頭付近を手でたたいた疑い。逮捕は14日。
複数の職員が患者らに暴力を振るったとの告発があり、八王子署は15日に同病院を暴行容疑で捜索し、調べを進めている。
滝山病院は取材に「捜査中のためコメントできない」としている。
◇
東京都は15日、医療法と精神保健福祉法に基づき、滝山病院に立ち入り検査を行った。同病院の病床数は288床で、約9割が精神科の入院病床という。
◆「マイナ保険証」持たない人の「資格確認書」は無料で発行…政府方針 |
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政府は、2024年秋に現行の健康保険証を廃止してマイナンバーカードを使った「マイナ保険証」に一本化するのを受け、マイナカードを持たない人向けに新たに出す「資格確認書」について、無料で発行する方針を固めた。マイナカードを紛失した人や、取得していない人などに配慮した。
資格確認書は、マイナカードを持っていない人が、保険者に申請して発行してもらう。氏名や生年月日、被保険者番号などを記載し、病院などで提示すれば保険診療を受けられる。
政府は健康保険法などの関連法改正案を今国会に提出する予定だ。
資格確認書を巡っては、発行時に手数料を徴収する案も浮上したが、与党から反対の声が出ていた。
◆CT検査の「がん疑い」主治医が見落とす、告知が遅れた2人死亡 |
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滋賀県高島市民病院は8日、コンピューター断層撮影法(CT)検査の報告書に記載された「がん疑い」の診断を見落とし、患者3人への告知が遅れる医療過誤があったと発表した。うち男性2人は別の病院でがん治療を受けたが、死亡したという。全国の医療機関で2017年以降、同様の問題が相次いだが、同病院は過去の検査結果の精査や対策を怠り、続発を防げなかった。
同病院によると、70歳代男性は19年3月、腹痛で救急外来を受診した際、CT検査を受けた。放射線科医が報告書に「胃がんの疑い」と記したが、主治医が見落とし、患者への指摘が5か月遅れた。80歳代男性は同年1月、CT検査で「肺がんの疑い」と診断されたが、主治医が記載を見ず、判明が10か月遅れた。2人は20年夏、がんのため死亡したという。
70歳代男性の事例が発覚後、過去5年分の画像診断報告書を精査した結果、15年10月に行った90歳代女性の検査でも「両側乳がんの疑い」の記載を見落としていたことがわかった。女性は存命で、親族の意向で再検査や治療は受けていないという。
同病院は3例を医療過誤と認めた。80歳代男性の遺族への慰謝料は3月議会で市の一般会計補正予算案として提案され、70歳代男性の遺族へも賠償する方針。武田佳久院長は記者会見で「患者さんとご家族におわび申し上げる。再発防止と信頼回復に努める」と謝罪した。
◆岡山大学病院、「病床確保料」過大受給で県が立ち入り検査…少なくとも約19億円 |
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岡山大学病院(岡山市北区)が、新型コロナウイルス患者向けの病床を確保した医療機関に交付される国の交付金「病床確保料」を過大に受給していた問題で、県は10日、同病院に立ち入り検査を行った。関係者への取材でわかった。関連書類や、過大請求のあった病床の状況などを確認したとみられる。
同病院によると、2021年1月以降、少なくとも約19億円を過大に受給。担当者が基準を誤認し、日額約7万円とすべきところ、より高度な病床に適用される約21万円で請求していたという。同病院の自主点検によって判明した。
同病院は返還に向け過大受給額の精査を進めており、「額が確定した段階で新たにコメントをする」としている。
◆無免許の消防士、救急車運転20回…酒気帯びで免許取り消しを報告せず |
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熊本市消防局は10日、道交法違反(無免許運転)容疑で逮捕された消防士の男(24)が、無免許で救急車を20回運転していたと発表した。無免許になった理由が飲酒運転だったことも明らかにした。厳正に処分する方針。
記者会見した消防局によると、男は北消防署のポンプ隊に所属し、非番の9日に逮捕された。昨年12月に酒気帯び運転で検挙され、今年1月12日に免許を取り消されたが、その後、応援で救急車を20回運転し、11人を搬送した。
男は免許の失効を上司に報告せず、内規で定められた上司の免許確認もなされていなかった。奥村和文北消防署長は「市民の生命にもかかわる重大事案。信頼を失うことになり申し訳ない」と謝罪した。
◆パソナがワクチン接種業務で過大請求、再委託先が人員水増し…10・8億円を全額返還へ |
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人材派遣大手のパソナ(東京)は10日、大阪府の枚方市と吹田市、兵庫県西宮市から委託を受けた新型コロナウイルスのワクチン接種に関するコールセンター業務を巡り、3市に計10億8000万円を過大請求していたと発表した。再委託先のエテル(大阪)が作業人員を水増しする虚偽報告をしていたという。パソナは今後、3市に全額を返還する方針。エテルへの損害賠償請求と刑事告訴も検討している。
過大請求の額は、枚方市が約3億6000万円、吹田市が約2億7000万円、西宮市が約4億5000万円。パソナの広報担当者は「再委託先への管理が行き届いておらず、多大なご迷惑をおかけしたことをおわびする」と謝罪した。
◆救急隊長が気管に入れるチューブを食道に、70代男性が4時間後に死亡…市内で1年前にも誤挿管 |
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兵庫県尼崎市は10日、男性救急救命士で50歳代の救急隊長が、心肺停止状態で搬送した70歳代男性に対し、気管に入れるチューブを誤って食道に入れ、男性が約4時間後に死亡したと発表した。誤挿管と死亡の因果関係は不明という。同市では1年前にもチューブの誤挿管があり、再発防止策として計4回の研修を実施したが、隊長は参加していなかった。
発表によると、3日午前9時30分頃、男性が浴槽内で意識を失っていると、家族から119番があり、救急隊員が急行した。男性は心肺停止状態で、隊長は携帯電話で医師の指示を受け、救急車内で酸素を送り込むチューブ(直径7ミリ、長さ約30センチ)を挿入したが、気管ではなく、食道に入れた。搬送先の病院で医師がミスに気づいた。
作業手順書では、胸の動きや二酸化炭素量のモニター確認などのチェック項目について、病院到着後までに計4回の確認を繰り返すことが定められていたが、十分実施しなかったという。車内には30歳代の男性救急救命士もいたが、2人とも十分な確認を怠った。
市消防局は遺族に謝罪した。隊長は「チューブ内に逆流した水分の吸引処置に気を取られ、チェックできなかった」と説明しているという。
市は専門家で構成する協議会で原因などを検証し、再発防止策を検討する。
◆日大病院が田中元理事長の個室料1116万円免除、特別調査委中間報告で判明 |
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日本大学の元理事らによる背任などの事件を巡り、日大の特別調査委員会は10日、都内で記者会見を開き、調査の中間報告を行った。調査委は元理事らの不正行為による被害額は計約8億5000万円とし、全額を損害賠償請求するよう日大に求めた。
中間報告によると、元日大理事の井ノ口忠男被告(背任罪で起訴)や医療法人前理事長・籔本雅巳被告(同)らは、日大関連病院への医薬品納入で、医薬品会社が2%の値引きに応じていたにもかかわらず、病院側には1%の値引きと伝え、残りの1%を籔本被告の関連会社に取得させるなどして、2017年度から20年度までに少なくとも3億7582万円を得ていた。
また、日大病院が田中英寿・日大元理事長に対し、20年3月から21年11月まで計88日間入院した際の特別室料計1116万円の支払いを免除していたことも判明した。一部職員の「理事長は免除の慣行があった」との説明について調査委は、「社会一般の観点から合理的とは思えず、田中氏への 忖度 にすぎない」とし、速やかな請求を求めた。
調査委は今年9月頃をめどに最終報告を行う予定とした。
◆コロナワクチン接種後に死亡、新たに10人に一時金請求認める…厚労省分科会 |
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厚生労働省の専門家分科会は10日、新型コロナウイルスワクチンの接種後に死亡した59~89歳の男女計10人について、死亡一時金の請求を認めた。コロナワクチン接種後の死亡例の一時金支給は計30人となる。10人はくも膜下出血などが起きて亡くなっており、同分科会は「接種によって起きたことを否定できない」と判断した。
◆住民ら42人の体内ベンゼン量上昇、うち7人は健康被害懸念…水道水から発がん性物質検出 |
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北海道室蘭市内の水道水から基準を超える発がん性物質ベンゼンが検出された問題で、市は9日、住民ら42人の体内のベンゼン量を示す数値の平均が、昨年9月~10月の前回調査より上昇したと明らかにした。尿検査などで、このうち7人は健康被害が懸念される1リットルあたり25ミリ・グラムを超えた。
市内の給油所から大量のガソリンが漏れ出したのが判明している。今回の調査は1月4~10日に実施した。
前回調査より上昇した理由は不明だが、市の健康影響評価検討委員会の森満委員長は「長年にわたって体内に蓄積したベンゼンが現在排出されており、それによって数値が高くなっている可能性もある」と語り、ガソリン漏出の開始時期の特定を急ぐ考えを示した。
同市によると、ガソリン漏出元の給油所周辺の大気中に含まれるベンゼン濃度は国の環境基準を下回っており、水道水も現在は水質基準に適合して問題はないという。
◆臓器あっせん、患者3人から移植費用1億3000万円超…NPOに多額の利益か |
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NPO法人「難病患者支援の会」(東京)による臓器移植の無許可あっせん事件で、NPOが2021~22年にベラルーシに案内した患者3人から移植費用として計約1億3000万円を受領していたことが捜査関係者への取材でわかった。うち1件の移植では約1000万円の利益がNPOに残ったという。警視庁は、NPOが海外移植の仲介で多額の利益を得ていたとみて調べている。
臓器あっせん、患者3人から移植費用1億3000万円超…NPOに多額の利益か画像の拡大
臓器移植法違反(無許可あっせん)容疑で7日に逮捕されたのは、NPO理事長の菊池 仁達 容疑者(62)(横浜市都筑区)。
警視庁幹部によると、菊池容疑者は厚生労働相から臓器あっせん業の許可を得ず、2021年10~11月、肝硬変を患う40歳代の患者男性に海外での臓器移植を勧誘。ベラルーシの首都ミンスクの国立病院に案内し、22年2月に肝臓移植を受けさせた疑い。
手術は生体移植ではなく、現地で死亡した人からの臓器提供だった。男性は手術を受けた後に容体を悪化させ、帰国後に家族から改めて生体肝移植を受けたが、22年11月に亡くなった。
ベラルーシでは男性を含め、NPOの仲介で渡航した3人が移植手術を受けていた。警視庁はあっせんの実態を調べるため現地の移植費用の相場を確認。肝臓は約1600万円で、腎臓は約810万円だった。
送検される菊池仁達容疑者(9日午前、東京都台東区で)
肝臓移植を受けた男性は、NPOに相場の2倍を超える約3300万円を支払っていた。警視庁は、患者の滞在費やNPOスタッフの人件費などを差し引いても、NPOに約1000万円の利益が残ったとみている。
また、患者3人のうち、22年7月に現地で腎臓移植を受けた50歳代男性も、腎臓の相場の倍以上となる約1850万円をNPOに支払っていた。残りの1人は同年9月に肝臓と腎臓の同時移植を受けた40歳代男性で、NPOへの支払額は約8500万円。同時移植の相場は分かっていない。
NPOの口座は菊池容疑者が管理していたといい、警視庁が出入金の状況を調べている。
警視庁は9日、菊池容疑者を同容疑で東京地検に送検し、法人としてのNPOも同容疑で書類送検。菊池容疑者は調べに「海外での手術の場合は日本国内の許可は要らないと思った」と否認しているが、警視庁は、患者の募集などが国内で行われたことからあっせんに当たると判断した。関係先の捜索で約150人分の患者名簿を押収したという。
◆司法書士が愛知県の認可書を偽造、法務局に提出…「パソコンで印影を取り込んだ」 |
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偽造した愛知県の認可書を法務局に提出したなどとして、県警中村署は9日、東京都千代田区、司法書士斉藤貴幸容疑者(43)を有印公文書偽造・同行使容疑で逮捕した。
発表によると、斉藤容疑者は2020年12月、愛知県内の医療法人から分院開設についての変更登記などを依頼され、都内の事務所で同県知事の印影などのある認可書を偽造し、名古屋法務局に提出した疑い。「間違いありません」と容疑を認めている。
医療法人が県に確認したところ認可書を交付していないことが判明。法人が斉藤容疑者に聞くと、「パソコンで印影を取り込んで認可書を偽造した」などと認めたという。県が21年10月に刑事告発していた。
◆臓器あっせん初の逮捕…3300万円振り込んだ男性、海外で肝臓移植後に死亡 |
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NPO法人「難病患者支援の会」(東京)が仲介した海外での臓器移植で売買された臓器が使われた疑いがある問題で、NPOがベラルーシでの移植を無許可であっせんした疑いが強まったとして、警視庁がNPO理事長の菊池 仁達 容疑者(62)(横浜市都筑区)を臓器移植法違反(無許可あっせん)容疑で逮捕したことが捜査関係者への取材でわかった。一連の疑惑は、刑事事件に発展した。
途上国など海外での不透明な臓器移植はこれまでにも問題になってきたが、刑事事件としての立件は初めて。警視庁は、術後に容体を悪化させたケースが複数あったことや、不透明な海外移植への批判の高まりなどを重視したとみられる。
捜査関係者によると、菊池容疑者は厚生労働相から臓器あっせん業の許可を得ず、2021年10~11月、肝硬変を患っていた40歳代男性に肝移植を勧め、病院への紹介状を作成。移植費などとして約3300万円をNPOの口座に振り込ませた上、昨年1月にベラルーシに渡航させ、翌2月、首都ミンスクの病院で肝臓移植を受けさせた疑い。
この移植は生体移植ではなく、現地で亡くなった人から肝臓が提供されていた。逮捕は7日で、菊池容疑者は調べに対し、患者に移植を勧めるなどした事実関係を認める一方、「海外手術の場合は、日本国内の許可は要らないはずだ」と容疑を否認している。
臓器移植法は臓器売買のほか、無許可の臓器あっせんを禁止しており、違反すれば1年以下の懲役や100万円以下の罰金などが科される。警視庁は、移植の勧誘や紹介状の作成などを含む一連の行為があっせんに該当すると判断した。
NPO関係者によると、肝臓移植を受けた患者男性はベラルーシから帰国途中に体調を悪化させ、経由地のフィンランドの病院に入院。帰国後、東京都内の病院に入院して家族から改めて生体肝移植を受けたが、体調は回復せず、昨年11月に死亡していた。
NPOを巡っては、読売新聞が昨年8月、21年12月に中央アジア・キルギスで行われた生体腎移植で、売買された臓器が使われた疑惑を報道した。NPOは、腎疾患を抱える50~60歳代の日本人患者4人を現地に案内し、臓器の対価として1人あたり約1万5000ドル(約200万円)の「ドナー費用」を現地のコーディネーターに支払っていた。
キルギスに渡航した患者4人のうち、実際に手術を受けたのは50歳代の女性1人で、手術後に一時重篤となり、帰国後に腎臓摘出を余儀なくされた。女性に腎臓を提供したのは、経済的に困窮する中年のウクライナ人女性だった。
◆女児18人にわいせつ、保育士に実刑判決…性的欲求満たそうと資格取得 |
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勤務先の保育園の女児18人にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつ罪と児童買春・児童ポルノ禁止法違反に問われた神奈川県湯河原町の保育士の男(29)に対し、静岡地裁沼津支部は3日、懲役5年6月(求刑・懲役6年)の実刑判決を言い渡した。被害者保護のため、被告の氏名などは非公表とされた。
判決によると、男は2022年6月、県内の保育園内で当時2~5歳の女児18人の着衣をずらし、一部の女児の下半身を触ったり、スマートフォンで動画を撮影したりした。
判決では、男が性的欲求を満たそうと保育士資格を取得し、勤務開始の翌日からわいせつ行為に及んでいたと認定した。防犯カメラの位置を把握し、他の職員がいない隙を狙って犯行を繰り返し、撮影した女児を名簿で管理していた。
室橋秀紀裁判官は「本来児童を保護する保育士でありながら、その立ち場を悪用した卑劣極まりない犯行」と述べた。
◆逃げた32歳の医師「左手で女子生徒の左胸を触った」…大阪大で研究しながら各地の病院で診察 |
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兵庫県警尼崎南署などは2日、大阪市天王寺区、医師の男(32)を強制わいせつ容疑で逮捕した。
発表では、男は昨年12月7日午後0時40分頃、尼崎市内の路上で、徒歩で下校途中だった高校1年の女子生徒(当時16歳)の胸を触り、逃げた疑い。調べに対して「左手で左胸を触った」などと容疑を認めているという。
男は大阪大医学系研究科で研究をしながら、非常勤の医師として各地の病院で診察していたといい、同科教務課は「事実確認を急ぎ、警察の捜査にも協力する」としている。
◆ゆで卵製造に禁止消毒剤、「カビ予防」で使用…営業禁止処分・自主回収に |
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食品での使用が禁止されている動物用の消毒剤を味付きゆで卵の製造で使用したとして、岩手県央保健所は23日、食品衛生法に基づき、総菜製造会社「岩手エッグデリカ」(八幡平市)の製造所を無期限の営業禁止処分にした。
発表では、消毒剤「塩化ジデシルジメチルアンモニウム」が殻から検出された。県は「通常の食べ方で健康被害は考えにくい」としている。同社によると、味付きゆでたまごは1日約12万個製造しており、製造部門がカビを予防する目的でゆで湯に使用したという。コンビニ店や飲食店などに出荷され、同社が自主回収を進めている。
◆心の病で1か月以上休んだ教員、過去最多1万944人…年代が若いほど割合が高い傾向 |
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うつ病などの心の病が原因で、2021年度に1か月以上休んだ教員が1万944人に上り、過去最多となったことが文部科学省の人事行政状況調査で分かった。前年度より1492人増え、初めて1万人を超えた。
世代別に見ると、1か月以上休んだ20代教員の同年代全体に占める割合は1・87%(前年度比0・44ポイント増)。30代は1・36%(同0・14ポイント増)、40代は1・27%(同0・15ポイント増)、50代以上は0・92%(同0・08ポイント増)で、年代が若いほど割合が高い傾向が見られた。
◆聖路加国際病院の牧師から性被害、元患者の女性に賠償命じる判決…東京地裁 |
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聖路加国際病院(東京)に所属していた男性牧師(51)から性被害を受けたなどとして、元患者の女性が牧師と病院の運営法人である聖路加国際大学に計1160万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は23日、牧師と同大に計110万円の支払いを命じる判決を言い渡した。桃崎剛裁判長は「牧師は女性の意に反し、わいせつな行為をした」と述べた。
判決によると、女性は2017年5月、精神的なケアを受けていた牧師と病院内の一室で面会した際、牧師の下半身を触らせられるなどの性被害に遭った。
牧師側は訴訟で、下半身を触らせたことを否定。これに対し、判決は、女性が直後に弁護士に被害を具体的に申告していたことなどから、わいせつな行為があったと認定した。同大の使用者責任も認めた。
女性は18年1月、警察に相談。牧師は強制わいせつ容疑で捜査を受けたが、同年12月、嫌疑不十分で不起訴となった。
判決後、東京都内で記者会見した女性は「牧師を擁護する人たちから、自分が虚偽を言っているように言われ、加害者と被害者が逆転していた。公正な判決に感謝している」と話した。
聖路加国際大学は「判決文が届いていないので、判決内容を精査して対応したい」とコメントした。
◆精神科患者への看護師の暴行、職員目撃したが…「家族が望まないため」病院側は通報・報告せず
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静岡県沼津市の精神科専門病院「ふれあい沼津ホスピタル」で、9月に男性看護師ら2人が入院患者に暴行していたことが明らかになり、加藤政利院長は21日に記者会見し、「絶対にあってはならないこと」と謝罪した。
同病院によると、暴行したのは、50歳代の男性准看護師と40歳代の男性看護師2人。准看護師は9月15、28日、40歳代の男性患者が食事を一度床に落としてから食べていたとして、殴ったり蹴ったりした。看護師は同月8日、70歳代の男性患者の危険な行為を止めようとした際、テーブルを男性に押しつけて車いすごと転倒させて左手の指に軽いけがを負わせた。
8日の行為は、他の職員が目撃しており、15、28日の行為については、監視カメラの映像を確認していた病棟の責任者が発見した。同病院が、2人から事情などを聞き取ったところ、暴行の事実を認めたという。
聞き取りに対して、准看護師は「問題行動に対するケアを行っても一向に改善しないジレンマがあった」、看護師は「ついカッとなってしまった」などと説明したという。2人は10月下旬に自主退職した。
同病院は、患者の家族らへ謝罪したところ、家族が望まなかったため警察に通報はしなかったと説明した。また、12月19日まで県に報告をしていなかった。石川洋二・事務責任者は「届け出義務がなく、すみやかに報告するという意識がなかった」と釈明した。
同病院は、他の暴行行為は把握していないとしている。今後、患者と患者の家族に対して説明するほか、再発防止策として研修を強化していく。
沼津市には、15日午後に同病院での暴力事案を知らせる匿名情報が寄せられていた。市は、16日に県に通報したという。
通報を受け、県は20日、精神保健福祉法と医療法に基づく立ち入り調査に入り、職員の聞き取りや関係書類の確認を行った。また同日、県警による病院の捜索も行われた。
同病院の暴力問題について、沼津市の頼重秀一市長は21日の記者会見で「極めて残念。意思を伝えられない人に対する虐待行為は、絶対にあってはならないこと」と非難した。
◆女性研修医が救急車を遠回りさせ駅へ、病院は私的利用認める…病院長「深く反省すべきだ」 |
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愛知県江南市の江南厚生病院の医師が同乗した救急車に、食事会への参加を理由に駅へ送らせていた問題で、同病院は22日、救急車の私的利用だったと認め「救急隊の好意に甘えた不適切な行動で、病院として深くおわびする」と謝罪するコメントを発表した。
同病院によると、女性研修医が16日夕、同病院から同県長久手市の病院へ患者を搬送するため江南市消防本部の救急車に同乗。搬送後、研修医が救急隊に「食事会がある」と近くの名古屋市営地下鉄藤が丘駅まで送るよう求めたため、救急車は江南市への帰路、遠回りして同駅に寄ったという。
河野彰夫・江南厚生病院長はコメントで、「搬送帰路に途中下車したことは事実で、深く反省すべきだ。職員教育を徹底する」としている。また、同市消防本部も「安易な判断で不適切な利用をしてしまった」と陳謝した。
◆「食事会に向かうため」医師が救急車を遠回りさせ駅へ…病院「私的利用か調査」 |
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愛知県江南市の江南厚生病院の医師が同乗した消防の救急車に、食事会への参加を理由に遠回りして駅へ送らせていたことがわかった。消防関係者からは「コロナ下で救急車が 逼迫 する中、不適切ではないか」と疑問の声も上がり、同病院は「誤解を招きかねない言動があった」としている。
同市消防本部関係者によると、医師は16日夕、同病院から同県長久手市の病院に患者を転院搬送するため救急車に同乗。搬送後、江南市に戻ろうとする救急隊に、最寄りの名古屋市内の駅で降ろすよう求めたという。救急車は遠回りして駅周辺に医師を送った。
江南厚生病院によると、医師は「食事会に向かうため途中で降りたいと伝え、応じてもらった」と説明しているという。同病院企画室は「私的利用に当たるか調査を進めている」としている。
◆今年の出生数、初めて80万人割れの見通し…コロナ禍で婚姻件数が激減 |
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厚生労働省は20日、10月の人口動態統計速報を発表した。今年1~10月の出生数は66万9871人となり、前年同期比で3万3827人(4・8%)少なかった。この傾向が続けば、今年の年間出生数は、過去最少だった昨年の81万1622人(確定数)を下回り、統計開始以来、初めて80万人を割り込む公算が大きくなった。
従来の少子化傾向に加え、2020年から感染が拡大した新型コロナウイルスの影響が長引くなか、経済状況の懸念などから、結婚や妊娠を控えるケースが影響したとみられる。
10月の出生数は7万235人で、前年同月比で2894人少なかった。出生数は前年同月比で9か月連続の減少となった。10月までの1年間の出生数は80万9070人で、前年比で3万3404人少なかった。20年の婚姻件数が前年から激減したことが、22年の出生数に影響したとみられる。
一方、今年10月までの1年間の死亡数は154万6142人。前年比で9万9045人増加した。
出生数の速報値は、日本在住の外国人や外国在住の日本人が含まれており、日本在住の日本人に絞り込んだ確定数は、さらに減る見込みだ。出生数は16年から過去最少を更新し続けており、16年に100万人、19年に90万人を割り込んだ。
日本総合研究所の藤波匠上席主任研究員は「ここ5年ほど、出生数は前年比3・5%程度で減少傾向にあることに加え、新型コロナの影響で婚姻件数も急減しており、今年の80万人割れは避けられないだろう」と分析する。
◆汚染水道水の訴えを市が放置、住民から怒りの声…「数年前から油臭く飲めたものではない」 |
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北海道室蘭市高砂町1の住宅街の水道水が汚染されていた問題で、市は10日、町会会館で住民への個人説明会を開いたが、参加した住民からは対応が後手後手に回る行政に対する怒りの声が上がった。
「数年前から油臭く、飲んだ後、口の中がコーティングされたような違和感を感じていた」と話す50歳代男性は、市に「とても飲めたものではない」と何度も電話で訴えた。しかし、市の担当者からは「家のトイレタンクの故障では」などと言われるだけで、その後も放置され続けたという。
この男性は「説明会で、数値は標準値より下、数日から数週間で体外に排出されるので安心してと言われた。でも、今回の血液・尿検査は水道水の供給ルートが切り替えられた7月8日以降に実施されたので、それ以前はもっと高かったはずだ」と不信感をあらわにした。
市が6月中旬に現地で異常を確認し、土壌調査を始めた後も、汚染された水道水はしばらくそのまま供給され続けた。
説明会で尿中フェノール値が高いと知らされた60歳代女性は「過去に大病を患ったので、夜も眠れないほど心配。市は住民の安全を考えず、何もしてこなかった」と憤った。
青山剛市長は6日の市議会で「住民の皆さんの不安を軽減し解消することが最優先。引き続き住民に寄り添った対応を継続していきたい」と話していた。
◆手錠や捕縄で拘束の容疑者、複数署員で暴行か…早朝に動かない状態で発見され死亡 |
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愛知県警岡崎署で勾留中に死亡した無職男性(43)に、署員が蹴るなどの暴行をしていた疑いがあることが13日、県警関係者への取材でわかった。男性には糖尿病の持病があったが、100時間以上に及ぶ身体拘束の間に適切な投薬や診察を受けられなかった可能性もあるという。県警は特別公務員暴行陵虐容疑も視野に、署員らへの聴取などを進めている。
男性は公務執行妨害容疑で逮捕されてから同署で勾留されていたが、4日早朝に動かなくなっているのが見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。司法解剖の結果、死因は腎不全だった。
県警幹部によると、男性は逮捕後に暴れるなどしたため、手錠や捕縄で身体拘束され署内の保護室に収容されていた。室内の監視カメラには、横たわる男性を複数の署員が足蹴にするような姿の映像が残っていた。
◆コロナワクチン接種後に死亡、26~95歳の5人に一時金…厚労省分科会が請求認める |
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厚生労働省の専門家分科会は12日、新型コロナウイルスワクチンの接種後に死亡した26~95歳の男女計5人について、死亡一時金の請求を認めた。コロナワクチン接種後の死亡例の一時金支給は計15人となる。
厚労省によると、接種後に、26歳の女性はくも膜下出血など、95歳の女性は心臓周辺の血管が詰まったり狭まったりする急性冠症候群が起きて亡くなった。他の3人も脳 梗塞 などで死亡した。同分科会は「接種後の症状が、接種によって起きたことを否定できない」として請求を認めた。
◆コロナ病床確保料、大阪府内99病院が過大受給…府は計23億4千万円全額を返還請求へ |
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新型コロナウイルス患者向けの病床を確保した病院に支給される国の交付金「病床確保料」について、大阪府内の99病院が計約23億4000万円を過大に受給していたことが、府の調査でわかった。府は今後、全額の返還を求める方針。
病床確保料は、コロナ患者を受け入れるために確保した空き病床などに対し、1床あたり1日1万6000~43万6000円が支給される。府が2020~21年度の2年間に支給を受けた324病院を対象に調査した結果、1病院あたり最大で2億5000万円の過大受給が判明。本来含めるべきではない入院患者の退院日を含めるなど、空床数の数え方に誤りがあるケースが多かったという。
会計検査院が11月に公表した報告書では、大阪を含む9都道府県で計約55億円分の過大受給を指摘。これを受け、厚生労働省が都道府県に交付金を受給した病院への調査を求めていた。会計検査院の調査では、大阪府での過大受給は20年度に1病院2950万円だったが、大幅に増えた。
◆特養入所者殺害、介護職員「殴ったりつねったりした」…寝つきの悪さに「イライラした」 |
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福島県小野町の特別養護老人ホーム「つつじの里」に入所していた植田タミ子さん(当時94歳)が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された施設の介護福祉士冨沢伸一容疑者(41)(小野町)が県警の調べに対し、「事件当夜に(植田さんを)殴ったり、つねったりした」と供述していることが9日、捜査関係者への取材で分かった。植田さんについて、冨沢容疑者は「寝付きが悪くてイライラすることがあった」とも話しており、県警は暴行に至った経緯などを調べている。
捜査関係者によると、植田さんの体には複数のあざがあり、首の周辺には絞められたような痕もあった。こうした傷について、冨沢容疑者は10月8日夜~9日朝に勤務した際、植田さんの体を殴ったり、つねったりしたことを認めたという。
植田さんの死因は出血性ショックで、腹部を強く圧迫されたことによる多量の内出血が致命傷になったとみられている。冨沢容疑者は植田さんの腹部を押したことは認めているが、「排せつを促すためだった」と説明し、殺意については否認を続けているという。
◆長崎大病院の口腔外科、別の「親知らず」抜くミス・医師は報告も怠る…3年連続で医療事故 |
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長崎大病院(長崎市)は6日、 口腔 外科で親知らずを抜歯する際、別の歯を誤って抜く医療事故があったと発表した。同病院では2020年12月と21年4月にも誤抜歯があり、同科の診療を6日から原則停止する。
同病院によると、患者は西彼杵郡の30歳代女性で、今年11月8日、左側上下2本の親知らずを抜くはずだったが、左側下と、誤って右側下を抜いたという。
担当した医師は同16日、患者に謝罪し、改めて左側上を抜歯。病院内での報告を怠っており、その後、患者からの投書をきっかけに誤抜歯が発覚したという。
同病院は「事態を重く受け止めている。口腔外科内に体質的な問題がある」とし、同科で安全な医療体制が整うまで、緊急性が高い診療を除き、原則診療を停止する措置をとるという。
◆保育園児虐待「1歳児の泣き声目立った」…日常的に暴言か、職員は「見て見ぬふり」 |
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静岡県裾野市の私立認可保育園「さくら保育園」で働いていた保育士の女3人が暴行容疑で逮捕された事件で、園児に対する不適切な行為が日常的に確認され、他の職員が「見て見ぬふり」をしていた場面もあったことが、市が公表した園の資料で判明した。
園が市に提出した資料によると、1歳児クラスでは、呼びかけに応じない、給食を食べないなどの理由から、日常的に園児をどなりつけたり、暴言を吐いたりする不適切な行為が確認されていた。園が行った職員の聞き取りでは、「1歳児の泣き声が目立った」「1歳児クラスは言葉づかいが汚い、きつい」といった声が聞かれたとしている。
また、逮捕された3人以外の職員が、一連の行為を目撃するなどしていたにもかかわらず、助けたり注意したりせず、見て見ぬふりをしていたこともあったとされている。
事件を巡っては、県と市が3日、児童福祉法などに基づいて特別監査を始めたほか、県警は4日、暴行容疑で園や関係先の計4か所を捜索。今後、保護者へのアンケート調査や押収した書類を分析するなどして全容解明を進めていく。
◆乳児院の女性職員「顔面偏差値低い」「おデブだね」…「冗談」と釈明も心理的虐待と認定 |
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熊本市中央区の熊本乳児院(定員30人)の女性職員(40歳代)が2019~21年度、乳幼児に対して「顔面偏差値低いよね」「おデブだね」などと発言し、3月に市から「心理的虐待」と認定され、同乳児院が改善勧告を受けていたことがわかった。甲斐国英院長が7日、記者会見して明らかにした。
甲斐院長らによると、昨年11月に市に情報提供があり、市が全職員に聞き取り調査を行った。この女性職員はいずれの発言も「冗談のつもりだった」と釈明したが、市は「著しい暴言を繰り返した」として虐待と判断した。
別の女性職員2人(ともに30歳代)も大声で叱ったり、「嫌なら食べんでいい」と発言したりしており、市は有害な影響を与える行為を禁止した厚生労働省令に違反するとした。乳児院は主に0~2歳児を受け入れているが、被害乳幼児の年齢や人数は不明という。
乳児院は今年3月、40歳代職員を昇給停止の処分とし、職員は3月末で辞職した。30歳代職員の2人はけん責とした。
◆老健施設、つなぎ服を着せ身体拘束や「汚いくさい」の暴言…たんこぶ診察した医師の申し出契機に調査 |
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北海道白老町は7日、町立介護老人保健施設「きたこぶし」で、入所者に対し今年4月以降、不必要な身体拘束や乱暴な言葉を浴びせるなどの虐待があったと発表した。
発表によると、入所者4人に対し、緊急時以外につなぎ服を着せるなどの身体拘束が複数回確認された。また、別の入所者の排せつ中、施設職員が「汚い、くさい」などの不適切な発言を繰り返し浴びせていた。
道と町が今年10月、職員らへの聞き取りや介護記録などの確認を行い、虐待行為があったと認定した。調査は同月、入所者2人の頭のたんこぶを診察した医師の申し出が契機となって始まった。けがの原因は判明していない。
職員らに虐待の認識はなく、「つなぎ服は体をかくなどの自傷行為を防ぐため」と説明したという。戸田安彦町長は「利用者と家族に不快な思いをさせ、町民の信頼を損ないおわびする」と話している。
◆園児らを物置に押し込んだり尻餅つかせたり、保育士2人を暴行容疑で書類送検 |
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富山市の私立認定こども園「本郷町保育園」で園児を虐待したとして、富山県警は6日、20歳代の保育士の女2人を暴行容疑で富山地検に書類送検した。
発表では、2人は8月、園内で1~2歳児4人に対し、両腕をつかんで物置に押し込んだり、座っている椅子を引き抜いて尻餅をつかせたりした疑い。園児らにけがはなかった。2人は、暴行という認識はなかったとして容疑を否認している。
園によると、2人のうち、園児を物置に押し込んだ1人は11月末で自主退職した。もう1人は勤務から外れているという。
◆園児に逆さづりなど暴行、保育士の女3人逮捕…「ブス」「デブ」と暴言浴びせカッターで脅す |
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静岡県裾野市の私立認可保育園「さくら保育園」で、園児の足をつかんで宙づりにするなどしたとして、県警は4日、園で働いていた保育士の女3人を暴行容疑で逮捕し、園などを捜索した。園児への虐待を繰り返していた疑いが強いとみて調べを進める。園を巡っては、市が11月30日、この3人による計15の不適切行為があったと公表。県警は、保護者らが不安を募らせるなど社会的影響の大きさを踏まえ、市の公表からわずか4日でのスピード逮捕に踏み切った。
逮捕されたのは、いずれも1歳児クラスを担当していた三浦沙知(30)、小松香織(38)、服部理江(39)の女3人。
発表では、三浦容疑者は6月1日に女児の顔を強く押し、小松容疑者は同27日に男児を逆さづりにし、服部容疑者は同10日に男児の頭を殴った疑い。県警は、逮捕容疑に対する3人の認否を明らかにしていない。3人はすでに園の処分を受け、11月末までに退職している。
市によると、3人の虐待行為は▽倉庫に閉じ込める▽カッターナイフを見せて脅す▽「ブス」「デブ」といった暴言を浴びせる――など15件が確認されている。遅くとも今年6月に始まり、「3人の保育士が不適切な保育を行っている」との通報が市に寄せられた8月中旬まで続いていたとみられる。園の聞き取りに対し、3人は「しつけのつもりだった」などと説明したという。
今回の事件では、虐待行為の発生時期から半年、市が問題を把握した時期からも4か月近くが経過している。県警は、3人の行為の悪質性に加え、証拠隠滅の恐れもあるとして、迅速な強制捜査が必要だと判断。捜査幹部は「11月末に事案を把握し、捜査を開始した」と説明した。幼い園児には虐待の被害状況を説明できないうえ、園内に監視カメラもなかったため、今後の捜査では、他の保育士らの目撃証言などを積み上げ、実態の解明を進める方針だ。
◆虐待の保育園、職員に「情報漏えいしない」と誓約書…問題把握していた市は公表まで3か月 |
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静岡県裾野市の私立認可保育園「さくら保育園」で、園児の足をつかんで宙づりにするなどしたとして、県警は4日、園で働いていた保育士の女3人を暴行容疑で逮捕し、園などを捜索した。
県警がスピード逮捕に踏み切った一方、裾野市や園の対応には時間がかかった。市や園は8月下旬までに保育士による園児への暴行などの疑いを把握していながら、公表したのは11月末になってからだった。
虐待の保育園、職員に「情報漏えいしない」と誓約書…問題把握していた市は公表まで3か月
その間には、問題を口外しないよう園が職員に誓約書を書かせていたとされるほか、市と園が約2か月間、対応を放置していたことも明らかになった。保護者には市や園への不信感が広がっている。
市や園の説明によると、市は8月17日、園関係者から「不適切な保育を行っている」と通報を受けた。園は同22日、「保育士3人が事案を認めた」と市に報告し、同25日には調査報告書も提出した。9月9日には保育士2人を勧奨退職、1人をけん責処分とした。
しかし、市と園は問題について公表しなかった。9月下旬からの約2か月間は、問題を巡る両者のやりとりもなかったという。
園は11月29日、説明会を開き、初めて保護者に向けて問題を明らかにした。市も翌30日、記者会見で公表した。村田 悠 市長は「市が把握した段階で公表すべきだった」と謝罪した。
市は、園が10月下旬、職員全員に「業務中に知り得た情報や機密事項などを漏えいしない」とする誓約書に署名させていたことも明らかにした。村田市長は「問題を口外させないための悪質な 隠蔽 行為だ」と述べた。
静岡県と市は今月3日、児童福祉法などに基づく特別監査を開始した。市は園が職員に誓約書に署名させていた行為などについて、桜井利彦園長(53)を犯人隠避容疑で5日に刑事告発する方針を示している。
同園に3歳の娘を預ける40歳代の母親は、園に対し「組織的に隠していて許せない」と憤る。別の40歳代の母親は「市にも園にも残念な思いだ」と話している。
◆静岡・裾野のさくら保育園元保育士の女3人を暴行容疑で逮捕…園児を宙づり・殴打 |
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静岡県裾野市の私立認可保育園「さくら保育園」で、保育士が園児の足をつかんで宙づりにするなどしていた問題で、県警は4日、元保育士の女3人を暴行容疑で逮捕した。
発表によると、逮捕されたのは、三浦沙知(30)、小松香織(38)、服部理江(39)の3容疑者。
三浦容疑者は今年6月1日に女児の顔を押し、小松容疑者は同27日に男児を宙づりに、服部の容疑者は同10日に男児の頭部を殴打した疑い。県警は園の関係者らから聞き取りをしていたほか、4日午前には暴行容疑で園の捜索を始めていた。
また、裾野市の調査で3人は今年6~8月、カッターナイフを見せて脅したり、真っ暗な部屋に放置したりするなどの悪質な行為も確認されている。
一方、県と市は3日、児童福祉法などに基づく特別監査を開始。桜井利彦園長(53)から事情を聞くなどして実態を調べている。
◆陰謀論流布で賛同者急増、寄付7200万円集め一部私的流用…全国で反ワクチンのデモ |
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「コロナワクチンは人口削減が目的だ」。そんな陰謀論をネット上で流布し、接種を妨害する活動をしていた「 神真都 Q会」代表の男が、生活保護費を詐取したとして逮捕、起訴された。大阪府警によると、会として多数の賛同者から約7200万円の寄付金を集め、男が一部を私的に流用していたという。どのような方法で集金していたのか。
5月に大阪市内で行われた神真都Q会のデモ。「コロナは存在しない」などと訴えた
会の設立は2021年12月。米国で「ディープステート(闇の政府)が世界を牛耳っている」と主張し、悪と戦う救世主としてドナルド・トランプ氏を信奉する「Qアノン」と呼ばれる集団に共感しており、その日本支部を自称している。
東京に事務所を構え、全国で接種中止を求めるデモを展開。ユーチューブなどで「ワクチンは殺人行為。子どもたちを救おう」「特別な遺伝子を持つ大和民族が立ち上がろう」などと発信すると、中高年を中心に賛同者が急増した。 LINE の「オープンチャット」の登録者数は1万人を超え、全国一斉のデモに計約6000人が参加したこともあった。
今年2月、ウェブサイトで寄付の呼びかけを開始。大阪府警によると、7月頃までに1044回の入金があり、計7192万円に上った。だが、指定する振込先は大阪府内に住む代表の被告の男(53)の個人口座だった。収支は公開されず、メンバーらから「不透明だ」との声が上がっていた。
府警によると、被告の男は大阪市此花区のマンションで生活保護を受給していたが、4月に転出届を出さずに堺市の3階建て住宅に転居。この際、口座から多額の金を引き出し、少なくとも400万円を新居のテレビや冷蔵庫、生活用品などの購入に充てていた。
府警は、寄付金を私的に使いながら収入として大阪市に届け出ず、保護費計51万円を受給したとして、被告の男を11月8日に逮捕。大阪地検が同28日に詐欺罪で起訴した。被告の男は容疑を否認しているという。
ユーチューブで「理想の村つくる」
多額の寄付が集まった大きな要因は、代表の被告と共同で代表を務めた別の被告(44)の存在だ。
別の被告は元俳優。以前からユーチューブで陰謀論を流して人気を集めていた。会の設立後、広告塔となり、メンバーらが集団で暮らせる「理想の村をつくる」と発信。候補地と称した写真も公開して寄付を呼びかけ、「トランプ氏の銅像を建てる」とも訴えていた。
元俳優の被告は4月、ワクチン接種を中止させようと他のメンバーたちと東京都内のクリニックに侵入したとして建造物侵入容疑で警視庁に逮捕され、起訴されている。
逮捕後、メンバーの脱退が相次いだが、元俳優の被告の主張を信じる人も多く、ほぼ毎月、接種中止を求めるデモが各地で行われている。
元俳優の被告は11月17日、東京地裁で開かれた公判で起訴事実を認め、「被告の男とはネットで知り合った。『自分がやっていることは正しい』と思い込んでいた」と謝罪。「このままではメンバーが暴走するという不安があり、逮捕されてよかった」と述べた。
しかし、公判を傍聴したメンバーの無職男性は読売新聞の取材に「裁判はディープステートの計画で進められており、(謝罪は)コントロールされて言わされたものだ」と主張した。
ある捜査幹部は「神真都Q会の活動がより過激化しないか、今後も注視していく」と話した。
カルト宗教に献金誘導される心理と共通点
陰謀論やカルト宗教を信じる人の心理に詳しい立正大の西田公昭教授の話 「陰謀論にはまると、自分たちを『悪に立ち向かう絶対的な正義だ』と思い込む傾向がある。デモに参加するだけではなく、寄付をするのは、一緒に戦っている一体感や高揚感がより得られ、自分のお金が、崇高な目的のために使われるという幸福感が持てるからではないか。逆に寄付をしないと、罪悪感を抱くような集団心理が働いている可能性もある。当然、信じるのも寄付するのも自由だが、カルト信者が多額の献金に誘導される心理と共通点があり、注意が必要だ」
◆皮膚の腫れ訴える130人、患者1人から「顎口虫」…シラウオ生食が原因か |
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青森県上十三保健所管内や八戸市の医療機関で9月下旬~11月下旬、皮膚の腫れなどを訴えて受診する患者が約130人に上っていることが、青森県の調査でわかった。いずれも軽症だが、うち1人の皮膚からは、寄生虫病の原因となる「 顎口虫 」が見つかった。患者の多くは生のシラウオを食べており、県はシラウオを生食したことで体内に顎口虫が入った可能性があるとみて、注意喚起している。
顎口虫は体長2ミリほどで淡水魚に寄生する。寄生した魚を生で食べると顎口虫が体内に侵入し、皮下を動き回って皮膚が腫れたり、まれに目に移動して失明したりするという。
シラウオは小川原湖(東北町)の名産で、周辺には生で提供する店もある。県は湖から採取したシラウオを調べたが、顎口虫は確認されなかったという。それでも患者の症状や状況から、シラウオを通した顎口虫の侵入を疑っており、県保健衛生課の担当者は「これまで顎口虫はあまり知られていなかった。今後は県民だけでなく、店側にも注意を呼びかけたい」と話す。
◆医師の女、死亡した患者の預金詐取未遂で逮捕…認知症の妹に振り込みも指示 |
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死亡した患者の預金を不正に引き出そうとしたとして、警視庁小金井署は29日、東京都国分寺市、医師の女(44)を詐欺未遂と有印私文書偽造・同行使容疑で逮捕した。
発表によると、女は7月、勤務先の病院で亡くなった90歳代の女性になりすまし、女性の預金口座がある国分寺市内の銀行に虚偽の書類を提出。1930万円を引き出そうとしたほか、女性の妹にこの口座から自身の口座に現金を振り込ませようとした疑い。
妹は認知症を患っており、窓口で不審に思った銀行が小金井署に通報した。女は「妹に頼まれた」などと容疑を否認している。
◆もらったコーヒーで意識もうろう、車運転し事故…親族装って見舞いに来た男を再逮捕 |
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神奈川県警葉山署は28日、同県葉山町の塗装業の男(33)(詐欺罪などで起訴)を傷害容疑で再逮捕した。
発表によると、男は5月24日、自宅で同町の50歳代男性に睡眠作用のある薬を混ぜたコーヒーを飲ませて、急性薬物中毒にさせた疑い。調べに対し黙秘している。
同署によると、男性は飲んだ後に車を運転し、物損事故を起こした。男は男性の親族を装って病院へ見舞いに訪れ、腕時計など計26点(約20万円相当)をだまし取った疑いで7月に逮捕された。男性は「もらったコーヒーを飲んだら意識がもうろうとした」と説明していたという。男は同様の手口で別の男性にけがを負わせたとして、傷害罪などで起訴されている。
◆「抗肥満薬」オルリスタット、処方箋なしに薬局で購入可能に…ネット販売は不可 |
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厚生労働省の専門家部会は28日、大正製薬が販売する抗肥満薬「アライ(一般名・オルリスタット)」を、医師の処方箋なしで薬局で買える薬として承認することを了承した。来年3月にも正式に承認される見込みだ。厚労省によると、日本人を対象にした臨床試験で、内臓脂肪や腹囲の減少効果が確認された市販薬となる。
アライは、脂肪の吸収を抑制する薬で、対象は、高血圧や脂質異常症などの健康障害を伴わない肥満(男性は腹囲85センチ以上、女性は同90センチ以上)の18歳以上。食事や運動など生活習慣改善の取り組みと併せて補助的な位置付けで使う。1日3回、食事中か食後1時間以内に1カプセル服用する。
購入の際には、薬剤師が対面で情報提供や指導を行うことが義務付けられる「要指導医薬品」になる。薬局では販売可能だが、オンラインでは販売できない。服薬を始める1か月前から腹囲や体重などを記録し、薬剤師のチェックを受ける。6か月服用しても効果がなければ使用をやめる。
欧米など70か国以上では既に処方箋なしで販売されている。服用後に脂肪の 排泄 量が増え、下痢などになることがある。海外では肝機能障害が起きた例も報告されているが、因果関係はわかっていないという。
日本肥満学会理事長の横手幸太郎・千葉大教授は「薬の使用は、食事や運動などの生活改善が前提となるので、薬剤師の指導が重要。万一やせ形の人が使えば健康被害が起きるリスクもあるため、注意が必要だ」と話している。
◆経済的理由で産みたくない…死産した男児をトイレに流す、女に懲役1年6月求刑 |
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自宅のトイレに出産した男児の遺体を流したとして、死体遺棄罪に問われたフィリピン国籍で宇都宮市、無職の被告の女(31)の第2回公判が22日、宇都宮地裁(山下博司裁判官)であった。罪状認否で女は「間違いありません」と起訴事実を認め、検察側は懲役1年6月を求刑し、結審した。判決は12月23日。
起訴状などでは、女は9月1日午後8時頃~翌午前4時頃、宇都宮市内の自宅のトイレに出産した男児の遺体を流し、遺棄したとしている。
検察側は冒頭陳述で、女は経済的理由などから産みたくないと考えていたと指摘。論告では、死産した男児を下水に流すという「死者の尊厳を害する悪質な犯行」で、堕胎薬を服用するなどして犯行に及んだ経緯も悪質とした。弁護側は、女は深く反省しているなどとして、執行猶予付きの判決を求めた。
◆「肺がん可能性」2度報告でも医師間で情報共有されず…治療開始遅れ女性死亡 |
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川崎市は24日、市立井田病院(中原区)で女性患者が2度にわたりコンピューター断層撮影法(CT)検査で肺がんの可能性を指摘されながら、医師の間で情報共有がされないミスがあったと発表した。女性はがん治療の開始が約4年半遅れ、今年8月に80歳代で死亡した。
市病院局によると、女性は2017年12月と21年12月に骨折で入院。CT検査をした放射線診断科医が2度とも報告書に「肺がんの疑いがある」と記載した。しかし、注意喚起などはなく、当時の主治医らも報告書を確認しなかったため、女性をそのまま退院させていた。
女性が心不全で救急搬送された今年5月、担当となった医師が過去のCT検査報告書を確認した。検査した結果、女性は「ステージ4」の肺がんと診断された。病院側は女性と家族に謝罪し治療にあたったが、女性は約3か月後に死亡した。
記者会見した同病院の伊藤大輔院長は、「二度とこのようなことを起こさないよう再発防止に取り組む」と述べた。
◆ワクチン接種直後に女性死亡、医師会「アドレナリン注射すべきだった」 |
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愛知県愛西市の主婦が新型コロナウイルスのワクチン接種直後に死亡した問題で、県医師会は17日、接種後の健康観察体制に問題があったとの検証結果を発表した。主婦は急性アレルギー反応「アナフィラキシー」を発症した可能性があり、医師らが対症療法のアドレナリン注射をするべきだったと説明した。>
亡くなったのは、4回目のワクチン接種を受けた飯岡綾乃さん(42)。今月5日、市の集団接種会場で「BA・5」と従来株に対応するファイザー製2価ワクチンを接種直後に容体が急変し、会場で待機していた医師らの手当てを受けたものの搬送先の病院で死亡した。県医師会は「重大な事案」として、15日に緊急の医療安全対策委員会を開いて検証した。>
検証結果によると、飯岡さんは5日午後2時18分頃に接種し、同25分頃、看護師に 咳 症状を訴えて救護室に移動。同29分に医師の診察を受け、顔が真っ青なために酸素を投与されたが、血が混じった 嘔吐 があり、同34分に心臓が停止した。アドレナリン注射の準備はあったが、静脈を確保できず、実施されなかった。>
医師会の渡辺嘉郎理事は記者会見で、異変に気付いた時点でアドレナリンの筋肉注射を行うべきだったと指摘する一方、アナフィラキシーが最重症型だったとみられるとして「注射しても救命できなかった可能性が高い」と述べた。 柵木 充明会長は会見後の報道陣の取材に対し「咳症状を訴えた段階で、看護師が医師に相談して注射することが最善だった」と語った。>
飯岡さんの夫、英治さん(45)は17日、愛西市で記者会見し、「妻がどうして亡くなったのか、何一つ解明されていない。納得のいく調査をしてもらいたい」と話した。>
愛知県の大村秀章知事は17日の記者会見で、愛西市に職員を派遣し、接種会場の人員体制などを聞き取ったと明らかにした。県は今後、救急対応にあたった医師にも状況を聞き、厚生労働省に情報提供する。
◆75歳以上の4割が負担増…年金収入153万円超の医療保険料引き上げ案を提示 |
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厚生労働省は17日、後期高齢者医療制度の改正案を社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会に示した。高所得者の2024、25年度の年間保険料の上限額を現在よりも14万円引き上げ、80万円とすることが柱だ。
厚労省の試算では、今回の見直しで、負担増となるのは年金収入が年153万円を超える人で、75歳以上の加入者のうち約4割が該当する。1人当たり平均で年額4000円の負担増になる。上限額を支払うことになるのは、加入者全体の約1%程度となる見込みだ。
現役世代は1人当たり平均で年額300~1100円の負担軽減となる。
◆「医療品を運ぶお仕事」応募して配送すると…壊れた瓶見せられ「弁償金50万円」 |
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薬瓶が壊れたと偽って弁償金をだまし取ろうとしたとして、滋賀県警守山署は12日、栗東市、無職の男(47)を詐欺未遂容疑で逮捕した。
発表では、男は、インフルエンザなどのワクチンの配達業務を偽装し、野洲市の看護助手女性(67)に委託。偽の薬瓶が入ったクーラーボックスを栗東市内の病院に運ばせた後、壊れた瓶を見せ、「(弁償金として)50万円を支払ってください」と言い、金をだまし取ろうとした疑い。
女性は自宅ポストに入っていた「医療品を運ぶお仕事です。ドライバー募集」と書かれたチラシを見て、応募したという。ほかにも同様の被害相談があり、同署で関連を調べている。
◆手術室で少女ら7人の体を盗撮、元京都府立医大病院の医師に執行猶予付き判決 |
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手術を受ける少女らを撮影するなどしたとして、京都府迷惑防止条例違反と児童買春・児童ポルノ禁止法違反に問われた、元京都府立医大病院(京都市上京区)の医師新井啓仁被告(44)に対し、地裁は11日、懲役2年6月、保護観察付き執行猶予5年(求刑・懲役2年6月)の判決を言い渡した。
判決などによると、新井被告は2020年6月~21年11月、病院の手術室で、手術着姿の女性や10歳代の少女ら7人の体を動画で撮影するなどした。
檀上信介裁判官は、新井被告が動画を撮影できる状態にしたスマートフォンを胸ポケットに入れ、手術の準備を装って盗撮したと指摘。「医師の立場を悪用し、患者らの信頼を裏切る卑劣で悪質な犯行」と述べた。
◆「サルースの葉」服用後に下痢や嘔吐…未承認の医薬品販売などで社長ら4人逮捕 |
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未承認の医薬品を販売したとして、警視庁は10日、東京都杉並区、健康食品販売会社社長の男(44)ら男女4人を医薬品医療機器法違反(無許可販売など)容疑で逮捕したと発表した。逮捕は8日。2018年以降、約3000人に未承認薬を販売し、約8000万円を売り上げたとみている。
発表によると、4人は昨年3月~今年3月、ホームページに「免疫力の増強」や「感染症予防」の効果があるなどとする広告を出し、未承認の医薬品「サルースの葉」計約100点を40~70歳代の女性11人に計約90万円で販売するなどした疑い。購入者のうち3人が服用後に下痢や 嘔吐 などの体調不良を訴えたという。
◆開業医荒らし多発、被害の院長「防犯カメラ8台で万全と思っていた」…夜間無人・レジに現金
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個人経営のクリニックなどに侵入して現金を盗む「開業医荒らし」が相次いでいる。今年に入り、滋賀県内での開業医の侵入窃盗被害(未遂含む)は15件に上り、このうち甲賀署管内では10月中旬の2日間で立て続けに3件発生。夜間は無人でレジに現金を置きがち――など開業医特有の形態が狙われている可能性があり、県警が警戒を強めている。
「防犯カメラを8台つけ、万全と思っていただけに、まさか被害に遭うとは……」
10月18日未明、甲賀市内で開業するクリニックで被害に遭った院長が嘆いた。
院長によると午前2時45分頃、何者かが正面の自動ドアをバールのようなものでこじ開けて侵入。受付のレジが壊され、現金数万円が盗まれたほか、院長室内の机の引き出しなども荒らされていた。
警備システムの警報機が作動して警備会社からの連絡で院長も急行。同3時過ぎに到着すると、すでに甲賀署の警察官がいたが、現場に犯人の姿はなかった。
防犯カメラ映像などから容疑者は3人組とみられ、車で駐車場に乗り付けていた。うち2人が現場周辺を物色したり、短時間で院内を荒らしたりしている点など、手口が手慣れている様子だったという。
同署管内では10月18日と20日に、この件を含め、甲賀市内の歯科医院で数十万円が盗まれ、湖南市内の医院も侵入被害に遭っており、同一犯の可能性もある。
県警によると県内では今年、歯科やクリニック、動物病院など開業医を狙った計15件の侵入窃盗被害が出ている。警備員や医療スタッフが常駐する総合病院と違い、夜間が無人で受付のレジに釣り銭用の現金を置いたままにすることのある個人経営の医院などが狙われている可能性がある。
甲賀市は10月下旬、甲賀署の依頼を受け、緊急メールを登録者約5000人に送信。夜間、レジに現金を残さないことや補助錠の設置、自動ドアの持ち上げ防止金具の取り付けなど防犯対策の徹底を呼びかけた。
◆反ワクチン団体「神真都Q会」理事、生活保護詐取で逮捕…寄付金で電化製品購入は「収入」 |
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生活保護費約50万円を不正受給したとして、大阪府警警備部は8日、新型コロナウイルスのワクチン接種反対を主張する一般社団法人「 神真都 Q会」代表理事の男(53)を詐欺容疑で逮捕した。賛同者らからの寄付金の一部を引き出して使っており、収入があったと判断した。
発表では、男は今年4~7月、収入があるのに届け出ず、大阪市此花区役所から生活保護費計約50万円を受給し、だまし取った疑い。「言い分については整理できていない」と供述している。
府警によると、同会の寄付を集める口座には賛同者らから約7200万円の入金があり、男は約620万円を引き出し、自宅用の電化製品の購入などに充てていたという。
捜査関係者によると、同会は米国で陰謀論を唱える「Qアノン」と呼ばれる集団の日本支部を自称。全国で接種反対のデモを行うなどしている。今年3月にワクチン接種会場になっていた東京ドームに侵入したとして、複数の同会メンバーが警視庁公安部に建造物侵入容疑で逮捕されている。
◆児相が一時保護の少女「トイレに行く」、数分たっても出てこず…3階の窓から転落し死亡 |
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名古屋市は8日、西部児童相談所(中川区)で一時保護していた同市在住の無職少女(15)が、施設3階にあるトイレの窓から転落し、死亡したと発表した。
発表によると、少女は今月4日から行方不明になり、7日夕に警察に保護され、同日夜に児相が受け入れた。到着直後、少女が「トイレに行く」と申し出てトイレに入ったが数分たっても出てこなかったため、女性職員が様子を見に行くと窓から約10メートル下の駐車場に倒れていた。窓に転落防止用の柵などは設けられていなかった。
少女は今年3月末~9月にも児相に一時保護され、別の施設に移った後、11月3日に保護者に引き取られていた。記者会見した児相の橋本好司所長は「子供の命を守る児童相談所として、大変重く受け止めている。転落防止の措置を早急に講じる」と述べた。
◆病院サイバー攻撃、給食委託業者のシステムから侵入か…通常診療できない状況続く |
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大阪急性期・総合医療センター(大阪市住吉区、病床数865床)がサイバー攻撃を受け、電子カルテシステムに障害が発生した問題で、同センターは7日、障害の原因となったコンピューターウイルスが、給食の委託事業者のシステムから侵入した可能性が高いと発表した。両者のシステムはつながっていたという。全面復旧は来年1月になる見通し。
「大変なご迷惑、ご心配をかけている。診療体制の復旧を第一に優先して進めたい」。同センターの嶋津岳士総長は7日に記者会見し、原因究明と復旧状況について説明した。
嶋津総長らによると、政府から派遣された専門家チームが調査した結果、患者の給食を納入している事業者の調理施設「ベルキッチン」(堺市)から、病院のサーバーに大量の不正なアクセスがあった。事業者側のシステムも病院と同様、データを復旧するために金銭を要求する「ランサム(身代金)ウェア」と呼ばれるウイルスへの感染が確認された。脅迫文の内容などから、サイバー犯罪集団「フォボス」による攻撃の可能性があるという。
事業者のシステムは、配食数や食事内容を管理するもので、同センターのネットワークや電子カルテシステムと常時つながっていた。同センターはこの仕組みを通じ、糖尿病などの患者の食事内容を事業者に伝えていたという。
ベルキッチンを運営する社会医療法人「生長会」によると、給食提供のためのシステムに障害が発覚したのは10月31日午前6時頃。同センターの電子カルテシステムの障害が発覚したのは、この約40分後だった。
事業者のセキュリティー機器は、昨年10月にサイバー攻撃を受けた徳島県つるぎ町立半田病院と同じ製品で、ソフトウェアが更新されていなかったという。一方、同センターは最新のセキュリティー対策ソフトを導入するなどしていた。
同センターは「事業者のシステムに 脆弱 性があり、そこからウイルスの侵入を許し、こちらに入ってきた」との見方を示した。
同センターでは、感染したサーバーや端末は、約2300台のうち6割近い約1300台を占めるという。
◎
今月7日で発覚から1週間となったが、通常診療ができない状況は当面続く見通しだ。電子カルテが使えないため、同センターは一般診療や救急患者の受け入れを停止。転退院も進めており、今月4日時点の入院患者数は10月31日時点から138人減って373人となった。
電子カルテについては、サイバー攻撃を受ける前の10月27日までに保存していたバックアップデータが、11月10日から閲覧できるめどが立ったことを明らかにした。12月中旬には、電子カルテシステムを再構築し、通常の診療体制に順次戻す。CT(コンピューター断層撮影法)やMRI(磁気共鳴画像)などのシステムも含めた全面復旧は、来年1月になるという。
◆長崎大病院で術後死亡、調査開始まで3か月…医療機関自身が「事故」判断 |
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長崎大病院(長崎市)で7月に子宮体がんの手術を受けた長崎県内の女性(当時54歳)が死亡した医療事故で、同病院は今月1日、国の医療事故調査制度に基づく調査を始めた。同制度では、患者が亡くなった場合にまず、事故かどうかを医療機関が判断する仕組みになっており、今回は国の機関への報告と調査開始までに約3か月を要した。識者は「速やかな原因究明には、判断基準を明確にするなど見直しが必要」と指摘している。
「相談できる場所がなかった。暗闇の中にいるようだった」。女性が亡くなった理由を知る手立てがなく苦悩した日々を、遺族はこう表現した。
女性は5月に子宮体がん(ステージ1)の診断を受け、7月21日に手術支援ロボット「ダビンチ」で子宮を全摘出。退院後の8月4日夜、自宅で食事中に下半身から多量に出血し、死亡した。病理解剖では患部近くの動脈に約2ミリの裂孔が見つかり、この穴から出血したとみられる。
遺族は同16日、手術の状況や死亡に至った経緯について質問事項などを文書で病院に提出したが回答はなかった。9月27日にも改めて説明を求めたが、十分な答えは得られなかったという。病院は死亡から2か月以上が経過した10月18日付の書面で、遺族に「医療事故に該当する」と伝えた。
「慎重になった」
医療法は、医療に起因するか、起因が疑われる死亡事案などで結果を予期できなかったものを医療事故と定義。医療事故調査制度では、事故が起きた医療機関は、厚生労働省所管の第三者機関「医療事故調査・支援センター」(東京)に遅滞なく報告し、事故原因を調査しなければならない。
同センターによると、昨年報告があった医療事故の約半数は、死亡から報告までの期間が1か月前後だったが、今回は3か月近くがたっていた。
病院側は読売新聞の取材に対し、内部では発生直後から医療事故の可能性が高いと認識していたと説明。ただ、解剖の詳細な分析結果を待つべきだとの意見もあり、迅速な判断ができなかったという。中尾一彦病院長は「術中の出血死ではなかったため、非常に慎重になってしまった。早い段階で遺族に説明し、医療事故として届け出るべきだった」と振り返る。
病院が設置した調査委員会には外部の専門家も参加し、原因究明を進める。
報告は低調
病院から十分な説明がない中、遺族は8月19日、医療事故調査・支援センターに相談した。同センターは医療機関の事故調査結果を分析するほか、遺族の相談を受け付けている。
しかし、遺族からの相談内容を医療機関に伝達することは認められているものの、調査の指示はできない。今回、原因究明を求めた遺族への返答も「対応は難しい」との内容だった。遺族の相談先としては都道府県などが設置する窓口もあるが、医療機関に対応を促す権限はない。
同制度では、事故かどうかの判断を医療機関の裁量に任せているため、事故としての判断や報告を避ける傾向があるとして、創設当初から不安視されてきた。センターへの報告件数は低調に推移し、厚労省は当初、死亡事故の報告を年間1300~2000件と想定していたが、1年目から388件にとどまった。今年9月までの1年間は277件で過去最少を更新した。
名古屋大の長尾能雅教授(患者安全)は、「医療事故の基準があいまいなため病院によって解釈に差が生じ、遺族が置き去りにされることも多い。原因が速やかに究明されるよう、判断基準や調査対象をより明確にし、病院、遺族ともに公平感を得られ、負担の軽減につながる制度に見直すべきだ」としている。
◆医療事故調査制度 =2000年頃に大学病院などで医療事故が相次いで訴訟が増加したことを受け、再発防止を目的として15年10月に導入された。事故が起きた医療機関に対し、医療事故調査・支援センターへの報告や院内調査、遺族への説明などを義務づけている。報告後は、遺族や医療機関からの依頼で同センターが調査することもできる。
◆電子カルテには治療・投薬履歴など記録…「診療の質落ちる」攻撃受けた病院、診療停止続く |
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大阪急性期・総合医療センター(大阪市住吉区、病床数865床)の電子カルテシステムに障害が発生した問題で、同センターでは1日も通常診療ができない状況が続いた。災害や故障などで電子カルテのデータが失われないようバックアップを取っているが、閲覧するには攻撃を受けたシステムへの接続が必要で、安全性が確認できるまでは閲覧できないという。
同センターでは、10月31日朝から全患者の電子カルテが閲覧できなくなった。電子カルテのシステムが外部から不正アクセスを受け、暗号化されたデータを復旧するために金銭を要求する「ランサム(身代金)ウェア」と呼ばれるコンピューターウイルスに感染したとみられる。
電子カルテには、患者の氏名や年齢、治療・投薬履歴、エックス線画像などの検査データが記録されている。同センターは2018年に全36診療科で導入した。
同センター事務局の能勢一臣総務・人事マネジャーは「サーバーに関わる全ての機械がコンピューターウイルスに感染しているのかどうかを含め、確認を急いでいる」と話す。
電子カルテが使えなくなったことを受け、同センターは一般診療や救急患者の受け入れを停止。岩瀬和裕病院長は「過去の治療歴や検査データが見られないため、診療の質が落ちる恐れがある」とし、急に出血を起こすなど急変した入院患者の緊急手術のみ電子カルテなしで続ける方針だ。
7月に大腸がんの手術を受け、定期検診のため来院した大阪市住吉区の男性(86)は「検診が中止になったのは仕方がないが、再発の不安があるので早く診てもらいたい」と話した。
吉村知事「一日でも早く復旧できるよう支援」、厚労省は情報セキュリティーに詳しい民間人材を派遣
大阪急性期・総合医療センターは、地方独立行政法人「大阪府立病院機構」が運営している。大阪府の吉村洋文知事は1日、府庁で記者団に対し、「完全復旧にはしばらく時間がかかる」との見通しを示した上で、「一日でも早く復旧できるよう支援したい」と述べた。
同センターには新型コロナウイルスの中等症や重症用の病床があり、入院中の患者の治療は継続できるものの、新たな患者を受け入れるのは難しいという。吉村知事は、今冬にも感染の新たな波が起きる可能性があるとして、「その時までには何とか復旧させたい」と述べた。
また、松野官房長官は1日の記者会見で、政府として同センターに専門家を派遣し、原因の特定などを支援していることを明らかにした。厚生労働省によると、情報セキュリティーに詳しい民間人材を充てたという。
◆未承認医薬品を「必ず痩せます」とネットオークションで販売…会社員の女を再逮捕 |
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愛知県警は29日、ベトナム国籍で東京都豊島区、会社員の女(31)を医薬品医療機器法違反(販売目的貯蔵)容疑で再逮捕した。
発表によると、女は10月19日に自宅で、承認されていない「シブトラミン」を含むゼリー1245本を販売目的で貯蔵した疑い。
県警によると、女はインターネットオークションで1箱15本入りのゼリーを3500~4000円ほどで販売していた。オークションでは「高血圧、心臓病、妊娠中、授乳中の方は絶対に使用しないでください」、「必ず痩せます」などと記載していたという。
◆花王、「フェイスクリーム」1・5万個を自主回収…商品刷新前のクリーム詰める |
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花王は27日、スキンケア商品の「キュレル フェイスクリーム 10グラム」について、約1万5000個を自主回収すると発表した。9月の商品刷新前のクリームを入れていたためで、安全性には問題はないという。
「キュレル 潤浸保湿 フェイスケアセット3 とてもしっとり」としてセットで販売されている商品で、製造番号が「2282」と「2292」のものが対象となる。問い合わせは、同社の電話受付窓口(0120・852・070)へ。
◆勤務先の病院女子トイレ侵入、事務員逮捕…個室内で隠しカメラ発見 |
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勤務先の女子トイレに無断で侵入したとして、島根県警浜田署は25日、江津市の病院事務員の男(57)を建造物侵入容疑で逮捕した。「入ったことは間違いありません」と容疑を認めているという。
発表によると、男は4~10月頃、盗撮目的で浜田市内の病院にある女性職員用トイレに侵入した疑い。
病院関係者が今月13日、トイレの個室内で隠しカメラを見つけ、同署に通報していた。
◆2家族4人分のワクチン接種委託料を詐取容疑、クリニック院長3度目逮捕 |
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新型コロナウイルスのワクチン接種委託料がだまし取られた事件で、警視庁は25日、東京都北区の「王子北口内科クリニック」院長で医師の船木 威徳被告(51)(詐欺罪で起訴)を詐欺と公電磁的記録不正作出・同供用容疑で再逮捕した。逮捕は3回目。
発表によると、船木被告は昨年12月、いずれも広島県東広島市に住む40歳代男性と息子の中学生、50歳代女性の長女と長男の計4人について、ワクチンを打ったと偽って市から接種委託料計約1万8200円をだまし取るなどした疑い。調べに黙秘している。
男性と女性は知人同士で、船木被告に頼めば接種を受けずに接種済証だけもらえると人づてに聞いたとみられる。男性は「ネット情報などでワクチンは危険と思った」、女性は「副作用のデメリットが強いと思った」と話しているという。
◆長崎大病院で医療事故、子宮体がん手術受けた女性が退院後に出血死…調査委が原因究明へ |
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長崎大病院(長崎市)で、今年7月下旬に子宮体がんの手術を受けた長崎県内の女性(当時54歳)が、8月上旬に自宅で患部付近から多量に出血して死亡していたことがわかった。同病院は病理解剖の結果などから「医療事故」と判断し、外部の専門家を含めた院内調査委員会で原因を究明する。
関係者によると、女性は5月、同病院でステージ1の子宮体がんと診断された。7月21日に手術支援ロボット「ダビンチ」を使った手術を受けて子宮を全摘出し、8月1日に退院。だが同4日午後7時半頃、下半身から多量に出血し、意識不明に陥った。女性は救急搬送されたが、出血性ショックで死亡が確認された。
翌5日に長崎大病院で行われた病理解剖で、患部近くの「左外腸骨動脈」に約2ミリの裂孔が確認された。この穴から短時間に多量出血したとみられるという。
病院側は今月23日、医療事故に当たると認めて遺族に謝罪。同病院は取材に「ご遺族に非常に申し訳なく思っている。手術中の出血ではなく、経験したことのないケースだ」としている。
◆歩道橋から身投げ寸前の女性、救ったのは高校ラグビー部員のチームプレー |
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埼玉県新座市で9月、歩道橋から飛び降りようとしていた高齢女性を、西武台高校(新座市中野)のラグビー部員5人が救った。部活動で培った行動力とチームプレーで救出し、新座署から感謝状が贈られた。
5人は3年の工藤 諒真さん(18)、菊池晃成さん(同)、堀江圭吾さん(同)、井上海凛さん(17)、2年の伊藤耕一郎さん(同)。
9月10日午後7時すぎ、5人は文化祭後に部活の練習を終えて帰宅しようと、校内の駐輪場にいた。ふと菊池さんが道路を見ると、30メートルほど離れた歩道橋の上で、女性(80歳代)が柵に両足をかけて飛び降りようとしているのを発見した。
「あれやばいよ!」。菊池さんが叫ぶと、女性を見た工藤さんが、とっさに橋へ駆け出した。みんなで後を追い、堀江さんは万が一女性が飛び降りても受け止められるよう、地上で待ち構えた。他の4人は橋の上で女性を囲み「何があったんですか」「大丈夫ですか」と声をかけた。女性は体を戻して「ごめんなさい」と答えた。工藤さんが通報し、5人は警察官が来るまで付き添った。
10月21日、5人は同校で風間康男署長から感謝状を受け取った。工藤さんは「人に感謝される行動をするようにと部活で教えられている。女性の命を救えて本当に良かった」と誇らしそうに笑った。
◆心電図モニターの確認不足で80代患者が死亡…医療機関が遺族に賠償金支払いへ |
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名古屋市立大付属東部医療センター(千種区)は18日、心電図モニターの確認不足で80歳代の患者を死亡させる医療事故があったと発表した。遺族に賠償金を支払うことで和解が成立したという。
発表によると、患者は昨年5月、急性心筋 梗塞などで救急搬送され、心臓カテーテル治療を受けた。経過は順調だったが、1週間後に心電図モニターの電波不良で波形が表示されなくなった。その後、別の機器に交換したところ心静止の波形が表示され、心肺蘇生を行ったが死亡したという。
調査の結果、モニター送信機の故障で起動できない状態だったことが判明。同センターは「モニター監視が適切に行われていればただちに蘇生処置が可能だった」として過失を認め、今年8月に遺族と和解が成立した。賠償金の金額は公表していない。
◆ワクチン接種後に死亡、72歳男性に一時金…4人目の認定 |
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厚生労働省の専門家分科会は17日、新型コロナウイルスのワクチンの接種後に死亡した72歳の男性について、死亡一時金の請求を認めた。コロナワクチン接種後の死亡例の一時金支給は、計4人になった。
厚労省によると、男性は接種後に、脳の静脈に血栓ができる「脳静脈洞血栓症」などが起き、死亡した。同分科会は「接種後の症状が、接種によって起きたことを否定できない」として、請求を認めた。
◆80歳入所女性の首絞め性的暴行、窒息死させる…43歳の元職員に懲役18年求刑 |
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山梨県南アルプス市の老人ホームで入所者の女性(80)が暴行されて死亡した事件で、強制性交致死罪に問われた市川三郷町上野、無職丹沢一貴被告(43)の裁判員裁判が14日、甲府地裁(三上潤裁判長)であった。検察側が懲役18年を求刑、弁護側は同14年が相当と主張し、結審した。判決は20日。
検察側は論告で、「全介助が必要な被害者に対し軟骨が折れるほどの強さで首を絞め続けた」と指摘。「なすがままに性交に及ぶもので極めて悪質」とした。
弁護側は、丹沢被告が犯行後、女性に心臓マッサージや人工呼吸といった救命措置を講じていたなどと主張した。
この日は、女性の長女が「大切な母を亡くしただけでなく、魂まで汚された。法律上可能な最も重い刑で処罰されることを希望します」と意見陳述した。
起訴状などによると、丹沢被告は同施設職員だった昨年8月5日夜、老人ホームのトイレで、女性の首を腕で絞めるなどして意識を失わせた上で性的暴行を加え、窒息死させたとされる。
◆「腎臓移植」手術数は府内トップの病院だが…医師5人退職、手術できない事態に |
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京都府立医大病院(京都市)で腎臓移植手術を担当する医師6人のうち5人が退職し、今春以降、手術ができなくなっていることがわかった。同院は高度な医療を提供する特定機能病院で、腎臓移植手術数は府内トップ、国内でも上位に入る。医師の大量退職により手術が止まるのは異例だ。同院は、移植を待つ患者に他の病院を紹介する手続きを進めている。
同院によると、退職した5人はいずれも移植外科に所属。同科は2018年に教授が定年退職した後、教授が不在だった。2月に医師1人が「転職する」と言って辞めた後、3~4月に3人が相次いで退職。5月にはトップの准教授が退職し、医師が1人になった。
同院は退職理由を明らかにしていないが、一部の医師は病院の移植手術に関する人員体制について不満を訴えていたという。
同院では3月時点で25組が生体腎移植を希望し、一部は検査を終えて手術が決まっていた。亡くなった人から提供される腎臓の移植手術(献腎移植)を待っている人も約200人いた。
生体腎移植を希望する25組のうち14組は京都大病院(京都市)に紹介。11組は他の病院での手術を希望したり、府立医大病院での手術再開を待ったりしている。
同院の20年の腎臓移植手術件数は27件で、府内全体の約9割にあたる。同院関係者によると、月内にも医師1人の採用が決まる見通しだが、準備のため、年内の手術再開は難しいという。
夜久均院長は「大勢の患者がいる中、家族を含め大きな心配をかけている。患者には丁寧に対応している。できるだけ早期に手術を再開できるよう努力したい」と説明している。
◆政府、全ての妊婦に「出産準備金」支給へ調整…新生児1人当たり10万円のクーポン軸に検討 |
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政府は、妊娠した女性を経済的に支援する「出産準備金」を創設する方向で調整に入った。月内に策定する総合経済対策の目玉の一つとして、2022年度第2次補正予算案に関連予算を計上する。所得制限は付けずにクーポンで配布する想定で、支給額は新生児1人当たり10万円を軸に与党内で協議する。
対象者は、自治体に妊娠届を提出し、母子手帳を交付された全ての女性。クーポン形式での支給を行うのは、使途を限定することで、確実に出産や育児に関連する物品やサービスの購入に使ってもらう狙いがある。
出産前は、産前ケアやベビー服、ベビーカーなどベビー用品の準備、出産後は産後ケアやおむつ、ミルクなどの購入、赤ちゃんの一時預かりなどにクーポンを活用することを検討している。
クーポンは、妊娠中から生まれた子どもが3歳になるまで使用でき、保育園などに通っていないことを条件とする案が出ている。妊娠期から0~2歳児の育児期までを新たに支援することで、子育て世帯を切れ目なく支援する。
これに関連し、岸田首相は公明党の山口代表と首相官邸で会談し、23年度予算で出産費用に対応する出産育児一時金を大幅に増額することで合意した。
政府は、これらの経済的な支援の拡充に加え、保健師や助産師が1対1で母親の相談に乗る「伴走型相談支援」も創設する方針だ。
現在、出産育児一時金は出産時の保険給付として、子ども1人につき原則42万円が支払われている。厚生労働省によると、21年度の平均出産費用(帝王切開などを除く正常 分娩)は約47万円で、一時金を上回った。
各自治体では、1回5000~1万円の妊婦健診14回分の費用を公費で負担する制度も導入されている。ただ、厚労省によると、妊婦1人当たりの公費負担額は平均約10万円だが、自治体によってばらつきがある。医療機関によっては自己負担が積み重なり、妊婦の負担となっているのが実情だ。
21年の出生数は過去最少の約81万人だった。新型コロナウイルスの感染拡大による婚姻・出産控えが背景にあるとみられ、妊娠期からの支援の拡充は喫緊の課題となっている。
◆国立病院汚職、贈賄側の「小松電器」前代表取締役に有罪判決…東京地裁 |
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独立行政法人「国立病院機構」が運営する下志津病院(千葉)の発注工事などを巡る汚職事件で、贈賄罪に問われた電気製品販売会社「小松電器」(同)前代表取締役の松丸隆行被告(43)に対し、東京地裁は12日、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑・懲役1年6月)の判決を言い渡した。児島光夫裁判官は「他社に優先して利益をあげたいという身勝手な動機で、相当期間繰り返し賄賂を提供し、犯情は悪質だ」と述べた。
判決によると、松丸被告は2019年7月~21年11月、安彦昌人・同病院元企画課長(60)(有罪確定)と、国立研究開発法人「国立国際医療研究センター」(東京)元係長の笠井崇一郎被告(39)(公判中)に対し、それぞれ工事や物品発注で便宜を図ってもらう見返りに、現金や旅費など計約325万円相当の賄賂を提供した。
◆20代の知人女性に睡眠導入剤入りミルクティー、乱暴の区職員を逮捕 |
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警視庁巣鴨署は11日、東京都渋谷区役所職員の石川隼大容疑者(29)(豊島区西巣鴨)を準強制性交容疑で逮捕した。
発表によると、石川容疑者は5月1日夕、自宅マンション一室で、知人の20歳代女性に睡眠導入剤を入れたミルクティーを飲ませて乱暴した疑い。容疑を認めており、巣鴨署が経緯を調べている。
◆マダニ媒介の「日本紅斑熱」で男性死亡、体に刺された痕…県内の死亡例2人目 |
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千葉県は11日、市原市在住の男性(81)が、マダニを介して感染する「日本紅斑熱(こうはんねつ)」で死亡したと発表した。県内の死亡例は、記録が残る2006年以降、2人目。
県疾病対策課によると、男性は9月17日に40度の熱が出て入院した。男性の体にダニに刺された痕があり、日本紅斑熱の検査をしたが、同23日に死亡した。今月4日に日本紅斑熱と診断された。
日本紅斑熱は、山などで病原体を持ったマダニから感染し、人から人への感染はない。発熱や発疹といった症状を引き起こす。県は、野山や畑などでは、長袖や長ズボンを着用するよう呼びかけている。
◆心臓手術後に死亡、「医療事故」指摘の異例論文…年2千件超実施の切り口小さい新手法 |
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心臓の手術後に死亡した70歳代男性のケースを巡り、医療事故として問題視する異例の論文が日本心臓血管外科学会誌に掲載された。手術は、 胸腔鏡と呼ばれるカメラを使って小さな切り口で行う新しい方法で、全国で少なくとも年2000件以上行われている。専門家は「同様の手術ではほかでも事故が起きており、検証が必要だ」と警鐘を鳴らしている。
手術が行われた国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)は取材に対し、近く医療事故調査制度に基づく調査を行うことを表明した。
論文の著者は同学会名誉会長の高本真一・東京大名誉教授。死亡した男性の遺族が提供した診療や解剖の記録を分析した。
男性は2020年12月、手術の間に心筋 梗塞を起こし、大学病院に転院したが、約2か月後に死亡した。転院先で解剖した結果、心筋が広範囲に 壊死しており、手術中のトラブルによって損傷した可能性が高いとみられている。
男性が受けたのは、左心房と左心室の間にある僧帽弁を修復する手術。右胸の 肋骨の間から器具や胸腔鏡を入れる低侵襲心臓手術( MICS)だった。
手術中は人工心肺をつけて心臓を止めるため、長引くほど心臓の負担は増す。心筋の損傷を防ぐには、保護用の薬液を一定間隔で注入するが、心筋に流れる血管に空気が入り込まないようにする必要がある。
しかし、この男性の手術では注入が度々遅れ、空気の除去も不十分だった可能性がある。心臓を止める時間は通常1~2時間だが、弁の修復に手間取り、5時間近くに及んでいた。論文は、こうしたことが心筋梗塞や壊死の原因と説明している。
同学会前理事長の上田裕一・奈良県立病院機構理事長は「従来の胸を大きく切開する手術なら事故を回避できた可能性がある。MICSは広がりつつあるが、ほかでも事故が起きている。なぜこのようなことになったのかを検証し、医療の質の向上に役立てるべきだ」と話している。
同センターの國土典宏理事長は「外部の専門家にも意見を聞き、一定の評価をしたと考えていたが、オープンな形での評価が望ましいと判断した。正式に医療事故調査制度に基づく報告をしたい」としている。
胸腔鏡を使用…高い技術必要
MICSは、切り口が小さいことから体にやさしい「低侵襲」が利点とされる。胸の真ん中で骨を20センチほど切り開く従来の手術と比べ、傷口は7、8センチ程度で患者の回復が早く、入院日数が短くなるという。
ただし、手術には高い技術が必要だ。胸腔鏡で映した胸の中をモニター画面で見ながら、小さな切開部から柄の長い器具で奥深くの弁を縫い合わせるなど、操作は難しい。ある心臓外科医は「器具は一定の角度でしか動かせず、狭い所に長い中華箸を入れて作業する感覚だ」と説明する。
MICSにより心臓の弁を修復する手術は、2018年に公的医療保険の対象になり、従来の手術より診療報酬が30万円高くなった。厚生労働省によると、手術件数は18年度が1555件、19年度2334件、20年度2538件と増えている。
◆過去1年の医療事故報告、最少の277件…低調傾向続き「病院側が消極的」の指摘も |
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医療事故の再発防止を目指す「医療事故調査制度」で、第三者機関の医療事故調査・支援センターに報告された死亡事故は昨年10月からの1年間に277件と、過去最少を更新した。コロナ禍による診療制限などが影響した面はあるものの、医療機関が報告に消極的な傾向も指摘されている。
調査制度は2015年10月に導入された。医療法に基づき、医療事故を第三者機関に報告し、調査することを医療機関に義務づけている。厚生労働省は年間1300~2000件の報告を想定していたが、1年目から388件にとどまり、低調に推移している。
報告が少ない背景には、制度の対象が「医療に起因する予期しなかった死亡や死産」に限られていることや、医療事故として調査するかどうかの判断が管理者である院長に委ねられていることなどがある。調査が個人の責任追及につながることを懸念する声があり、報告を避ける医療機関も多いのが実情だ。
医療事故の遺族らでつくる「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」は、制度の見直しを議論する検討会の設置などを求める要望書を国に提出している。
◆元施設長「老人ホームに女性入居」装い、生活保護費を不正受給…ネットカフェで女性発見 |
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女性が老人ホームに入居しているように装い、生活保護費を不正に受給したとして、埼玉県警川口署は8日、元老人ホーム施設長で住所不定の男(61)を詐欺容疑で逮捕した。
発表によると、男は5月2日~9月5日、施設長を務めていた川口市の有料老人ホーム「サニーライフ川口赤井台」に入居を希望していた女性(81)が入居しているかのように装い、川口市役所で5回にわたって生活保護の住宅扶助費計28万6200円をだまし取った疑い。調べに対し、「受給したお金は女性のために使った。だまし取ったつもりはない」と話しているという。
今月4日、「生活保護費を受給している女性と連絡が取れない」と市から署に相談があった。署員が捜したところ、JR大宮駅(さいたま市大宮区)付近のネットカフェで女性を発見し、男も付近にいた。女性は宿泊施設などを転々としていたとみられる。
ホームを運営する川島コーポレーション(千葉県)によると、男は別の施設長として働いていたが、9月20日から無断欠勤が続き、今月7日付で懲戒解雇にした。同社は「元職員が在籍中の詐欺行為で逮捕され、大変遺憾に思う」とコメントした。
◆自称医師、飲酒検知求められトイレにこもった末に…警官突き飛ばし逮捕 |
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福岡県警宗像署は8日、自称医師の男(29)(沖縄県うるま市)を公務執行妨害容疑で現行犯逮捕した。
発表によると、男は8日午前3時20分頃、福津市中央3の飲食店敷地内で、飲酒検知に応じるよう求めた同署の男性警部補(46)の胸付近を突き飛ばして転倒させ、職務を妨害した疑い。「突き飛ばした覚えはない」と容疑を否認しているという。
飲食店のトイレに約20分間こもるなど約1時間半にわたって抵抗した末、警部補を突き飛ばしたという。同署は裁判所に身体検査令状を請求し、強制採血を実施したが、血中からアルコール分は検出されなかったという。
◆女性教員3人がコロナ「特別休暇」で不正、最大36日分も…休暇中の子ども通園で発覚 |
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新型コロナに関連した理由でも認められるようになった公務員の「特別休暇」を巡り、保育所の臨時閉園で子どもの世話が必要になったなどと偽って、川崎市立中学校の女性教員3人が最大で計36日分を不正取得していたことが6日、明らかになった。市などは3人の処分を検討するとともに、同様の理由で特別休暇を取得した全職員に対象を拡大して調査する方針だ。
特別休暇は災害対応や家族の看護・介護などで取得されるものだが、市は2020年春から国に準じて、コロナに関連する理由でも取得できることとした。しかし今年3月、約2年間で177日の特別休暇を取った男性職員がいると判明。取得の適正さに疑義が生じ、市は「30日以上」の取得者に絞って実態を調査した。
その結果、調査対象となった26人のうち3人について、20年春以降の休暇取得中に子どもが保育園へ通った日が、それぞれ延べ36日、5日、3日あったことがわかった。市教育委員会は3人を事情聴取し、いずれも「不正」と判断。36日が不正取得とされた教員の特別休暇は計74日で、半数近くが虚偽だったことになる。
市によると、3人と同様の理由で特別休暇を取得した職員は約1700人。今後、不正の有無を詳しく調べる。
◆コロナ無料検査、6府県で不正疑い…診療所の名義無断使用・補助金の二重取り画策も |
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都道府県が行う新型コロナウイルスの無料検査事業で、6府県が不正行為の疑いで検査事業者の登録を取り消したり、行政指導したりしていたことが、読売新聞の調査でわかった。多額の国費が投じられている事業の一部がずさんに行われている実態が浮かんだ。
感染に不安を持つ住民が無料でコロナ検査を受けられる事業で、昨年12月に開始。実施主体は都道府県で、全国に約1万3000か所の検査場がある。事業者には国から1件あたりPCR検査9500円、抗原検査4000円を上限に補助金が支払われる。
読売新聞は9月、47都道府県に検査事業者の処分や行政指導の件数などを尋ねた。その結果、福島、埼玉、神奈川の3県が登録を取り消したと回答(宮城県はこの設問に回答せず)。3県は3~4月、東京都内の診療所を検査事業者に登録したが、この診療所は昨年7月に廃止されており、元院長からの指摘で業者が名義を無断使用していたことが判明。4~7月に登録を取り消した。
事業者の資格要件は、医療機関や薬局、衛生検査所などに限られているが、3県は登録時の審査で、開設届など公的な証明書類の提出などを求めず、不正を見逃していた。
本紙調査では、すべての事業者について公的資料などで資格を確認していたのは26都道府県にとどまった。残りは、証明書類の提出対象を一部の事業者に限ったり、一切の確認作業をしていなかったりした。
一方、不正行為の疑いがあるとして、大阪、兵庫、沖縄の3府県が延べ17事業者に行政指導を行っていたことも判明。大阪府では、受検者にPCR検査と抗原検査を同時に受けるように促し、補助金を二重に受け取ろうとした不正行為が確認された。
国は無料検査事業費として約3200億円を確保している。
◆公園に女児2人残したまま出発・30分放置…園児置き去り、バス以外でも |
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認定こども園や保育園に通う園児が通園バスなどに取り残される「置き去り」事案を巡る読売新聞の自治体への調査で、判明した園内や園外活動中の公園などバス以外での置き去り5件は、約25分~約1時間にわたっていたことが分かった。園が保護者に置き去りではないようにごまかしていた事例もあった。バス内での事案を含めて対策が急務となっている。
調査は、読売新聞が静岡県牧之原市の認定こども園に通う女児が放置されたバス内で死亡して5日で1か月になるのを前に、九州・山口・沖縄の9県と全市に行い、全141自治体から回答を得た。置き去り事案の有無などを尋ね、少なくともバス内で14件、それ以外で5件あった。
長崎県島原市の保育園では2020年5月、南島原市の公園で園外活動を行った後、2歳児クラスの女児2人をバスに乗せずに公園に残したまま、出発したケースがあった。2人に気づいた通行人が、バスにあった園名を覚えていて園に連絡。バスは園に到着後、折り返して戻り、公園にいた2人を保護した。置き去りは、30分程度とみられる。
島原市によると、公園で園児をバスに乗せる際、職員は点呼したが、別の園児に気を取られ、確認が不十分だったという。市の担当者は「公園には崖のような場所があったほか、連れ去りなどに遭う危険性もはらんでいた。あってはならないミスだった」と語る。
大分市の認定こども園では今年5月、散歩で訪れた公園に1歳女児が約30分間置き去りになったところを郵便局員が発見。鹿児島県姶良市の園では昨年11月、園外活動先のスポーツクラブの屋外施設に園児1人が約25分間放置された。
置き去りは園内でも起きていた。宮崎県高鍋町の認定こども園では19年1月、帰宅時間に園内の部屋から別の部屋に移動した際、1歳児を1人残したまま施錠。約50分後、迎えに来た保護者が子供がいないことに気づいた。保護者は園から「職員1人が園児のそばにいた」と説明されたが、不審に思って県に連絡。県などが調べたところ、園長が説明はうそだと認めた。沖縄県名護市の保育園でも昨年1月、園外に散歩に出る際、4歳の女児が園の敷地内に約1時間取り残された。
長男忘れられ不安の10分、漫画で発信
保育中に公園で息子が置き去りにあった東京都のイラストレーター・グッチさん(30歳代)が、体験を漫画にしてSNSなどで発信している。母親として当時の気持ちや保育現場の様子を伝え、事故が二度と起きないよう願っている。
「息子さんを公園に残したまま、先に保育園に帰ってきてしまった」。グッチさんは昨年夏、長男(3)が通う保育園から電話を受け、保育園に急いで駆けつけた。園によると、職員4人が園児約20人を近くの公園に歩いて引率。活動を終えて園に戻ったところ、別の園から「公園でそちらの園児を保護した」と連絡があり、置き去りに気付いたという。
置き去りは約10分間とみられる。公園は通行量が多い大通りに面し、グッチさんは「10分でも何が起こるかわからない。許されないミス」と語る。原因は、園に戻る際の確認の甘さだったという。
グッチさんは、事案と保育現場の課題などを知ってもらおうと昨年9月、SNSで漫画の連載を始めた。タイトルは「息子が公園に忘れられた10分間」で、これまでに22回掲載した。園から受けた説明や、連絡を受けてからの不安で複雑な心情を柔らかいタッチのイラストで描いている。保育士不足や職員の配置基準の問題も投げかけている。
「自分の子だと想像したら怖い」。そんな反響が多く寄せられ、静岡県牧之原市の認定こども園の事件後は、読者が増えたという。グッチさんは「漫画を通して置き去り対策のほか、保育現場の課題も考えるきっかけになれば」と話している。
◆国立がん研究センター中央病院の部長逮捕…入札で便宜、タブレット端末など収賄容疑 |
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国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)の医療機器の調達で便宜を図った見返りに約97万円相当の物品を受け取ったとして、神奈川県警は5日、同病院放射線技術部長の麻生智彦容疑者(56)(埼玉県上尾市)を収賄容疑で、広島市のソフトウェア会社「メディカルクリエイト」社長の岡部幸夫容疑者(65)(広島市西区)を贈賄容疑で逮捕した。
発表によると、麻生容疑者は昨年3月22日頃、医療機器の入札で、同社にしか受注できない仕様書を作成するなどし、岡部容疑者から謝礼としてタブレット端末やワイヤレスイヤホンなどを受け取った疑い。物品は売って現金化していた。
県警は2人の認否を明らかにしていない。県警は、他の入札でも互いに便宜などを図った可能性があるとみて調べている。
◆訪問介護先でカード盗み50万円引き出し…「介護してあげているので借りた」と釈明 |
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訪問介護先でキャッシュカードを盗んだとして、警視庁竹の塚署が「訪問介護ステーションなでしこ足立」(東京都足立区)介護職員の男(58)(同区)を窃盗と住居侵入容疑で4日に逮捕したことがわかった。
捜査関係者によると、男は昨年8月中旬、担当していた足立区内の男性(49)宅に合鍵で侵入し、キャッシュカード1枚を盗んだ疑い。男性は当時、リハビリで外出中だった。男は「盗んだカードで50万円を引き出したが、無断で入ったわけではない」などと容疑を一部否認している。
男は事件の数日前、男性に口座の残高確認を頼まれて暗証番号を聞いていた。その後、男性に現金を引き出したことを伝え、「介護してあげているので金を借りた」などと説明したという。施設から連絡を受けた足立区が今年7月、竹の塚署に相談していた。
◆園バス内の女児、窓たたき男性に助け求める…置き去り「あわや」事例は各地で |
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認定こども園や保育園で、園児がバス内に置き去りにされる事例は以前から続発していた。読売新聞が九州・山口・沖縄の自治体に対し行った調査では、通行人や別の保護者が偶然に気づいて救われた「あわや」というケースもあった。専門家は、死亡事故など重大事故に至っていない事案を共有し、対策に役立てる必要性を指摘している。
山口県長門市の認定こども園「 深川幼稚園」では2018年10月に、置き去り事案が発生していた。松野育男園長(65)によると、園児十数人を乗せた送迎バスは午前9時10分頃、園の駐車場に到着。約1時間15分後、駐車場脇を通りかかった男性から園に電話が入った。「(バスに)子どもが残っている」。女児(当時4歳)が、バスの窓をたたき、男性に向かって助けを求めていた。保護され、健康状態に問題はなかった。
運転手の事務員と同乗した保育教諭はマニュアルで定められた荷物の置き忘れなどのチェックをしないまま、園児たちをバスから降ろして施錠していたという。
園では問題が発生して以降、登園時に車内点検を徹底するとともに、取り残された園児が押して通報できるブザーを設置するなど対策を強化した。松野園長は「夏であれば命を落としていたかもしれない。あの件以来、ミスは起こりうるという前提にたって、何重にも確認を繰り返している」と語る。
福岡県久留米市では20年8月、男児(当時2歳)が送迎バスの車内に約8分間取り残された。運転手が男児を車内に残したままドアを施錠。その後、保育士が園児の人数を確認した際に気づいたという。
降車時の人数確認や施錠する際の車内確認をマニュアルで定めていたが、守られていなかったのが原因だった。事案発生を受け、バスを運行する社会福祉法人は、保育士と運転手ら計3人で行っていた降車時の人数確認を4人体制に増やした。チェックリストに新たにチェック欄を設けて再発防止策を講じている。市の担当者は「この件を受け、送迎時のトラブルはどんな小さなことでも報告するようお願いしている」と話す。
佐賀県内では6件の事案があった。1件は佐賀市のこども園で17年に発生しており、園児がバス内で15分間置き去りになったところ、別の園児を送りにきた保護者が気づいて保護された。宮崎市では2件を確認。ともに10年以上前の事案で、バス内にそれぞれ3分と10分置き去りとなっていた。うち1件は園児が座席の下に隠れていたという。市の担当者は「他の園でも起こっている可能性がある。事故防止に向けた定期的な職員研修などの対策が必要」と話している。
東京学芸大教職大学院の渡辺正樹教授(安全教育学)は「表面化している『ヒヤリハット』を含む置き去り事例は氷山の一角。園の職員が管理職に報告していなかったり、記録に残していなかったりしているケースがあるはず」と指摘する。
そのうえで、「被害がなくても、重大な結果になった可能性があるという視点で検証するとともに、事例を共有し、別の園や施設も対策に役立てることが大事。改善につなげるために報告しやすい雰囲気をつくることも重要だ」と話した。
◆第一三共、毒物「アジ化ナトリウム」含む試薬紛失…品川の研究施設 |
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製薬大手「第一三共」の研究施設「品川研究開発センター」(東京都品川区)で、毒物の「アジ化ナトリウム」の粉末入りの試薬を紛失していたことがわかった。第一三共が今月2日、警視庁品川署に届け出た。
同社によると、年2回の在庫点検を9月30日に行った際、同センターの薬品保管用の冷蔵庫から、アジ化ナトリウム約0・55ミリ・グラムを含む試薬の容器一つがなくなっていることが判明した。前回3月の点検時には異常はなかったという。
アジ化ナトリウムは毒劇物取締法で毒物に指定されている。無色無臭で、体内に入ると心拍数の低下や意識喪失などの症状が出て、命に危険が及ぶこともある。同社では、試薬の防腐剤として使用していた。
保管用の冷蔵庫は鍵がかけられ、鍵は暗証番号付きの箱で管理して、使用時に記録を残すルールだった。
同センターを巡っては、研究員の男(40)が妻にメタノールを飲ませて殺害したとして先月、殺人容疑で警視庁に逮捕されている。
◆子宮頸がん防ぐ新たなHPVワクチン、公費で定期接種へ…9種類の型に対応 |
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厚生労働省は4日、子宮 頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐ新たなワクチンについて、公費で受けられる定期接種とする方針を決めた。9種類のウイルスの型に対応した9価ワクチンで、これまでの2価や4価のワクチンと比べ、より高い感染予防効果が期待できるという。2023年度早期から開始する予定だ。
9価ワクチンは、米製薬大手メルクの日本法人MSDが20年7月に製造販売の承認を受けた「シルガード9」。現在は希望者が自費で接種しているが、4日の専門家部会で、定期接種化が了承された。
HPVには100種類以上の型がある。2価や4価のワクチンは感染の6~7割を防ぐが、9価ワクチンでは8~9割をカバーできるようになる。臨床試験の結果などによると、重篤な副反応の発生頻度は0~0・3%で、頭痛は2~20%、発熱は2~9%。頭痛などの全身症状は4価ワクチンと同程度だった。
定期接種は小学6年~高校1年(11~16歳)の女子が対象で、2~4か月の間隔で計3回、腕の筋肉に接種する。米国や英国、豪州などでは11~13歳頃の女子への接種が推奨されている。各国では接種回数は2回のため、専門家部会では国内でも2回で済むようメーカーに働きかけるべきだとの意見が出た。
HPVワクチンは13年4月に定期接種となったが、接種後に体の痛みなどを訴える人が相次ぎ、同年6月、積極的な接種勧奨が中止された。国際的に安全性と有効性を示すデータが蓄積されたため、今年4月から再開された。9価ワクチンの定期接種化後も、2価と4価のワクチンは引き続き使えるようにする。
◆ワクチン詐欺で再逮捕の医師「コロナワクチンは危険だと思っていた」…居酒屋で偽の予診票作成 |
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新型コロナウイルスワクチンの接種委託料がだまし取られた事件で、警視庁は3日、東京都北区の「王子北口内科クリニック」院長で医師の船木威徳容疑者(51)を詐欺と公電磁的記録不正作出・同供用容疑で再逮捕した。
発表によると、船木容疑者は昨年12月、愛知県稲沢市の40歳代女性と10歳代の娘2人の計3人について、実際には接種を行っていないのにワクチンを打ったと偽って同市から接種委託料計約1万4000円をだまし取るなどした疑い。黙秘している。
女性は船木容疑者と同じ投資セミナーのメンバーで、昨年9月にセミナーに参加した後、居酒屋で船木容疑者に偽の予診票を作成してもらったという。
セミナーには接種に反対する人が多く、船木容疑者も逮捕後の調べに「コロナワクチンは危険だと思っていた。患者に生理食塩水を打ったこともある」と供述した。区には複数の患者から「副反応が出ない」などと相談があり、保健所が区民約50人に抗体検査の案内を送ったところ、受検した11人のうち3人は抗体値が低く、接種券を再発行して対応したという。
取材に応じた北区の60歳代女性は昨年7月、クリニックで接種を受けたが、副反応が全くなかった。「体質の問題か」と思ったが、同12月、知人から不正のうわさを聞き、抗体検査を受けてみると、抗体量を示す値が「0・01」で、「非常に少ない」とされる125を大きく下回った。
保健所に相談し、今年に入って再接種を受けると、患部の痛みや 倦怠感などの副反応があり、抗体値も十分な結果が見られた。女性は「ワクチンを打ちたくないなら、接種を断ってほしかった。体の中に何を入れられていたのかと思うと、ぞっとする」と憤った。
◆顧問に顔を平手打ちされたソフトボール部員、あご外れる重傷…姫路女学院高 |
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兵庫県姫路市の私立姫路女学院高校のソフトボール部で、顧問を務める男性教諭(41)が、部員の1年女子生徒(16)の顔をたたき、あごが外れる重傷を負わせていたことがわかった。学校側は教諭を懲戒処分にする方針。
同高によると、教諭は9月24日、同県上郡町で行われた地区大会で、女子生徒がユニホームを忘れたことを母親からの連絡で知って腹を立て、母親に電話で「1発たたきますよ」と話した後、女子生徒の左の頬を1回平手打ちし、「帰れ」「ベンチに入るな」などと暴言を浴びせた。翌25日の試合前にも尻を蹴ったり、頭をたたいたりした。
女子生徒は頬をたたかれた衝撃であごが外れ、外傷性開口障害で全治1か月と診断された。ショックで学校に通えていないという。同高は10月1日、部員の保護者向けに説明会を開き、謝罪した。
教諭は2017年4月から顧問を務めている。学校側の聞き取りに「部員数がぎりぎりで、切羽詰まって自分を見失ってしまった」と話したという。
◆コロナワクチン打たずに委託料詐取、医師を再逮捕へ…新たに3人分か |
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新型コロナウイルスワクチンを打っていない人に接種済証を交付し、自治体から接種委託料をだまし取ったとして東京都内の医師が逮捕された事件で、医師が別の患者にも同様に接種済証だけを出していた疑いがわかり、警視庁は3日にも詐欺容疑などで再逮捕する方針を固めた。
医師は、北区の「王子北口内科クリニック」院長、船木威徳容疑者(51)。札幌市の女性と子供2人の計3人にワクチンを打ったと偽り、市から接種委託料計約1万4000円をだまし取ったとして、先月11日に警視庁に逮捕された。
捜査関係者によると、その後の調べで、船木容疑者が昨年12月、愛知県稲沢市の40歳代女性と10歳代の娘2人の計3人についても、ワクチンを打ったと偽って接種委託料計約1万4000円を受け取った疑いがあることが判明した。
この女性と札幌市の女性が参加していた投資セミナーには、ワクチン接種に反対する人が複数おり、船木容疑者について「ワクチンを打たなくても接種済証を出してくれる」などと話題になっていたという。
同クリニックでワクチンを接種した記録がある人は約230人に上るが、約7割は区外の住民で、警視庁が実態を調べている。
◆看護師「家族感染で濃厚接触者に」と欠勤連絡、同僚が「外出」見かけてウソ発覚 |
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新型コロナウイルスの濃厚接触者と偽って不正に欠勤したとして、独立行政法人国立病院機構は30日、同機構あきた病院(秋田県由利本荘市)の50歳代の女性看護師を停職10日の懲戒処分にしたと発表した。処分は29日付。
発表によると、看護師から8月29日朝、家族の新型コロナ感染で自身が濃厚接触者となったと連絡があった。看護師はこの日から9月5日までの8日間、就業制限の措置を受け欠勤した。この期間中に外出している看護師を同僚が見かけ、不正が発覚したという。
◆求人サイトで「月給35万円以上」、実際は約17万円…マダムシンコ元従業員が労働審判申し立て |
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求人サイトの募集内容と実際の月給に10万円以上の開きがあったとして、洋菓子店「マダムシンコ」の元従業員の男性(46)が、運営会社「カウカウフードシステム」(大阪市)を相手に、未払い賃金約200万円の支払いを求めて大阪地裁に労働審判を申し立てていることがわかった。近年、求人サイトを巡るトラブルが相次いでおり、改正職業安定法が施行される10月から規制が強化される。
申し立ては8月。男性によると、昨年3月、求人サイト「インディード」を見て、マダムシンコの工場で菓子製造をする仕事に応募した。サイトには「月給35万円以上(残業代含む)」と記載され、人事担当者との面談でも試用期間(3か月)後の月給が35万円と口頭で説明され、採用された。
勤務開始1か月後に示された雇用契約書には「基本給16万~25万円」と記されていたが、残業代の明確な記載がなく、男性は上司に「月給35万円」と口頭で確認し、署名した。しかし、試用期間中は25万円だった月給が3か月の期間終了後に約17万円になったという。男性は今春退職した。
職業安定法は、労働者を募集する際に示した労働条件に変更があった場合、変更内容を明示するよう企業に求めている。
男性は求人サイトの内容で同社と合意したと主張。雇用契約書に署名した際、労働条件の変更について、明確な説明がなく、同意も成立していないとし、1年分の未払い賃金約200万円の支払いを求めている。
9月28日の第1回期日で、同社側は求人サイトの求人広告が実態と異なっていたことを認めた。しかし、「インディードの広告は閲覧者を増やすために給与額を高く表示したものに過ぎない」などと主張し、「雇用契約の労働条件ではない」と争う姿勢を示した。
男性は4月、淀川労働基準監督署に相談。同署は同月、雇用の際に労働条件を明確に示していなかったとして、労働基準法違反で同社に是正勧告した。
同社は読売新聞の取材に「答えることはない」とし、インディードの運営会社は「求人情報の掲載の経緯はお答えできない」としている。
求人サイト業者への規制強化
厚生労働省の2020年の調査では、転職する際に求人サイトなどを利用した人の割合は39・4%で15年の前回調査より15・2ポイント増え、初めてハローワーク等(34・3%)を上回った。
一方、同省の別の調査(21年)では過去3年間に求人サイトなどを利用してトラブルがあった人は66・8%。「求人内容と実際の雇用条件が違う」が26・4%で最多だった。
これまでの職業安定法は、企業と求職者を仲介し、雇用契約のあっせんを行う事業者には国の許可を求めていたが、求人情報を提供するだけの求人サイトは規制の対象外だった。
トラブルを受け、国は職業安定法を改正。施行される10月以降、求人サイト運営業者に国への届け出を義務づけ、虚偽情報などを提供した場合は改善命令を出せるようになる。悪質な場合は事業停止命令も出せ、利用者からの苦情受付窓口の設置も運営業者に義務づける。